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JP4817405B2 - 水素化脱硫触媒及びその製造方法 - Google Patents

水素化脱硫触媒及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石油精製の分野で用いられる水素化脱硫触媒とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
化石燃料資源の有効利用及び地球環境保全の点から、石油精製の分野に於ける炭化水素油の水素化処理の重要性は増加する傾向にあり、水素化処理に対してより高い性能を誇るプロセスの開発が求められている。なかでもガソリンや軽油のような内燃機関用の燃料油中に含まれる硫黄化合物は、燃焼の際に硫黄酸化物として大気中に放出される。このため、燃料面での大気汚染防止対策として、より低い硫黄分濃度の軽油がディーゼル燃料として求められている。日本国内では1997年10月から、軽油中の硫黄分は500ppm以下に引き下げられたが、更なる燃料油の硫黄分低減が求められている。
【0003】
このような背景により、軽油中の硫黄分を大幅に引き下げる技術の開発が求められている。軽油中の硫黄分低減は、通常は精製工程における水素化脱硫処理で行われる。処理後の油中に含まれる硫黄分濃度をより下げる方法として、処理温度や液空間速度等の工程の運転条件を過酷にする方法があるが、これらの方法は処理容量能力の低下や処理油の色相低下などの問題がある。従って、これらの問題を伴うことなく、より低硫黄分の軽油を得る方法としては、使用する水素化脱硫触媒の高性能化に求められるところが大きい。
【0004】
水素化脱硫触媒は、対象とする原料や反応等の目的に応じて、活性金属種の組み合わせ、担持量、担体種、添加成分などについて様々なものが工業的規模で用いられている。中でも炭化水素油の水素化脱硫触媒としては、アルミナ、シリカ、ゼオライトといった耐火性の多孔性金属酸化物が単成分又は複成分で担体として用いられることが多い。これらの担体にモリブデンやタングステンといった周期表第6族金属と、コバルトやニッケルといった第8族金属を酸化物形態で担持された触媒を用いることが多い。これらの触媒は通常予備硫化処理で活性化された後に使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
硫黄分を500ppmレベルとする従来の深度脱硫であれば現在の脱硫技術での達成は比較的容易であるが、500ppm以下の超深度脱硫レベルでは4,6−ジメチルジベンゾチオフェンを初めとする従来の水素化脱硫触媒では脱硫が困難な化合物(以下、「難脱硫化合物」ともいう)の効率的な脱硫が求められる。しかしこれらの難脱硫化合物の脱硫は従来の脱硫触媒では困難であることから、特にこれらの難脱硫化合物の脱硫に優れた性能を有する触媒が求められる。
【0006】
例えば特開2000−342976号公報ではブレンステッド酸点やルイス酸点を付与した成分を担体に使用することで4,6−ジメチルジベンゾチオフェンなどの難脱硫化合物を易脱硫化合物に変化させて脱硫する方法が開示されているが、ブレンステッド酸点は異性化と同時にクラッキングを引き起こすため炭化水素の軽質化、液収率の低下、コーキングによる触媒表面の被覆による早期劣化をもたらすなど好ましくない一面を有する。
本発明は、このような課題を解決するため、水素化脱硫されにくい難脱硫化合物の脱硫性能に優れた水素化脱硫触媒及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のような目的を達成するために鋭意研究した結果、周期表第6族金属の少なくとも1種、周期表第8族金属の少なくとも1種、及びランタノイドから選ばれた少なくとも1種が溶解した担持溶液を調製し、該担持溶液を多孔質な耐火性金属酸化物からなる担体に含浸することにより製造された水素化脱硫触媒が、難脱硫化合物に対する脱硫性能に優れていることを見出した。
【0008】
担持溶液は、pHが7以下であること、また、有機酸、特にはカルボキシル基を分子内に2つ以上有する構造である有機酸を含有することが好ましい。周期表第6族金属がモリブデン、タングステンから選ばれた少なくとも1つであること、周期表第8族金属が、鉄、コバルト、ニッケルから選ばれた少なくとも1つであること、また、ランタノイドが原子番号57〜71から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。触媒重量に対し、ランタノイドを酸化物として0.03〜30重量%含有することが好ましい。多孔質な耐火性金属酸化物からなる担体がアルミナ、シリカ、ボリア、チタニア、ジルコニア、ゼオライトの少なくとも1種から実質的に構成されることが好ましい。
5%留出温度が200℃以上、95%留出温度が400℃以下、硫黄分が500ppm以下の石油留分と本発明による水素化脱硫触媒を水素の存在下で接触させることによる水素化脱硫が好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明が示す周期表第6族金属には、クロム、モリブデン、タングステンなどが1種又は複数種で用いられる。担持液に導入する化合物の形態としては、たとえば酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステンなどの金属酸化物の他に、硫酸塩、有機酸塩などの金属塩を使用することができるが、不要成分の触媒中への残留や後の焼成処理工程での排出ガスを考慮すると特に金属酸化物又は有機酸塩を用いるのが好ましい。モリブデン又はタングステンのいずれかが第6族金属に占める原子比として単一で50モル%以上含む触媒が好ましい。周期表第6族金属の合計の含有量は、触媒重量に対し、酸化物として5〜35重量%、特には10〜32重量%が好ましい。5重量%未満では十分な脱硫活性が得られず、また35重量%を越えると担体表面における金属の分散性が飽和してこれ以上の触媒活性向上が得られないためにコスト面で見合わない。
【0010】
本発明が示す周期表第8族金属には、鉄、コバルト、ニッケルなどが1種又は複数種で用いられる。担持液に導入する化合物の形態としては、たとえば硝酸塩、硫酸鉛、炭酸塩、水酸化物、有機酸塩などが挙げられるが、不要成分の触媒中への残留や後の焼成処理工程での排出ガスを考慮すると炭酸塩または有機酸塩を用いるのが特に好ましい。周期表第8族金属の合計の含有量は、触媒重量に対し、酸化物として0.5〜7重量%、特には1〜5重量%が好ましく、また第6族金属に対する含有量が金属モル比で25〜75モル%である触媒が特に好ましい。
【0011】
本発明が示すランタノイドには、ランタン、セリウム、イッテルビウムなどに代表される、周期表にて原子番号57〜71で示されるランタノイド金属が1種又は複数種で用いられる。担持液に導入する化合物の形態としては、たとえば酸化ランタン、酸化セリウム、酸化イッテルビウムなどの金属酸化物の他に、硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩などの金属塩化合物を使用することができる。触媒中のランタノイドの合計量は、酸化物として0.03〜30重量%、好ましくは0.03〜6重量%、更に好ましくは0.1〜5重量%である。ランタノイドの使用量は少量では十分な添加効果が得られず、また多量に加えると担体表面におけるランタノイドの分散性が飽和してこれ以上の触媒活性向上が得られず、コスト面で見合わないので好ましくない。
【0012】
本発明では、これらの金属成分が全て共存する均一な担持溶液を作成して一液とし、これを担体に一度で担持処理して導入する方法を用いる。これにより、金属成分の触媒中での分散性が向上し、特に含有量の少ないランタノイドを他の金属に対して均一に分散させることができるため、触媒活性に優れると考えられる。また、二液以上の担持溶液を用いた場合と比べて、担持液の含浸工程を少なくすることもできる。
【0013】
これらの金属成分を均一に溶解させる方法としては有機酸を用いる方法が効果的である。この有機酸は求められる全ての金属成分を均一に溶解せしめるものであれば特に制約を受けるものではないが、たとえばリンゴ酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸などのカルボキシル基を分子内に2つ以上有する構造のものを用いることで、安定かつ高い均一性を有する担持溶液を得ることができる。これらの有機酸は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。本発明に用いる担持溶液中の有機酸の濃度は、使用する金属化合物の種類やそれらの使用量により異なるので一概には規定できないが、おおよそ通常水などの溶媒1リットルに対して30g以上300g以下が好ましく、50g以上250g以下が特に好ましい。300gを越える高濃度では担持溶液の粘度が上がり、分散度の高い含浸担持が困難になる恐れがあるので好ましくない。
【0014】
本発明に使用する担体は、アルミナ、シリカ、ボリア、チタニア、ジルコニア、ゼオライトといった耐火性金属酸化物の少なくとも1種を主なる成分として含有し、好ましくは1種の金属酸化物が30重量%以上、特には50重量%以上含まれているものである。例えばアルミナには、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、δ−アルミナ、η−アルミナなどの結晶形態を有するアルミナの他に、非晶質(アモルファス)のアルミナを用いることができる。
【0015】
本発明に使用する担体の比表面積、細孔容積、及び平均細孔半径は特に制限されないが、比表面積は5〜700m2/gが好ましく、特に好ましくは50〜500m2/gのものが用いられる。5m2/g未満のものは他金属成分の分散性に乏しく、好適な脱硫性能を得られない。また700m2/gを越えるものは孔径の微小化を伴い反応物の拡散性に劣るため好ましくない。細孔容積は0.2cc/g以上が好ましく、特に好ましくは0.3〜1.0cc/gのものが用いられる。細孔容積が0.2cc/g未満では有効に機能する金属成分の含有量に制約が生じるので好ましくない。細孔半径は処理の対象とする油種により好ましいものを選択することができる。例えば軽油留分の水素化脱硫処理では、平均細孔半径が30〜50Åにあるものが好ましい。
【0016】
本発明が示す水素化脱硫触媒は形状によって限定されるものではなく、粉末状、円柱状、球状、葉状、ハニカム状など、使用目的や使用条件に応じて適宜選択することができるが、固定床反応装置では円柱状、球状、葉状、ハニカム状といった定形で用いられるのが好ましい。
【0017】
本発明における担持溶液を前記の担体に含浸することによって所定の金属成分を導入することができる。担持溶液と担体を含浸する操作は公知の含浸手法、たとえば含浸法、湿式吸着法、湿式混練法、スプレー法、塗布法、浸漬法など、あるいはこれらの組み合わせ法などが利用できるが、担持溶液と担体を接触させる方式であれば操作の方式及び条件を問わない。
【0018】
本発明による水素化脱硫触媒の製造方法では、担持溶液が含浸された担体を酸素雰囲気中で焼成することが好ましい。また含浸された担体は必要に応じて前乾燥処理を施しておくこともできる。好ましくは担持後50〜180℃で乾燥した後に酸素雰囲気中300〜600℃で2〜8時間焼成する。
【0019】
本発明で得られる水素化脱硫触媒は、そのまま所定の触媒又は触媒成分の一部として利用することができるが、必要に応じて成形、粉砕等の処理を施すこともできる。また必要に応じて種々の前処理を行ってから用いることもできる。この前処理は公知の手法、たとえば水素などの還元剤を用いた還元処理や硫化水素などの硫化剤を用いた予備硫化処理などが挙げられる。
【0020】
本発明が適用される水素化脱硫処理の対象油は、特に制限されるものではないが、直留軽油、脱硫処理後軽油、水素化処理軽油、接触分解軽油、熱分解軽油、減圧蒸留軽油などの、沸点範囲が150〜450℃、含有硫黄分が2重量%以下の軽油留分が最も適している。特には、軽油留分の超深度脱硫、具体的には5%留出温度が200℃以上、95%留出温度が400℃以下の軽油留分を硫黄分50ppm以下に水素化脱硫する触媒として本発明で得られる水素化脱硫触媒は好ましく用いられる。
【0021】
【実施例】
以下に本発明の実施例及び比較例を示して具体的な説明を行うが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0022】
〔実施例1〕
三酸化モリブデン 138g、塩基性炭酸ニッケル 61g、酢酸ランタンn水和物 13g、クエン酸 116gを熱水に溶解し、緑色透明な担持溶液500cc(pH 2.07)を調製した。この担持溶液は室温下で均一溶液であり、室温で1ヶ月放置した後も不溶物の析出は確認されなかった。この担持溶液100ccを比表面積176m2/g、細孔容積0.77cc/gのγ−アルミナ担体(円柱形1/16インチ径)130gに減圧含浸法で含浸した後、大気雰囲気下120℃で3時間乾燥処理を施し、続いて大気雰囲気下500℃で3時間焼成して触媒Aを得た。
【0023】
〔比較例1〕
酢酸ランタンn水和物を用いなかったこと以外は実施例1と同様に500ccの担持溶液(pH 1.40)を調製し、これを用いて実施例1と同様に調製を行い、触媒Bを得た。
【0024】
〔比較例2〕
実施例1で使用したγ−アルミナ担体に先に酢酸ランタン水溶液を含浸し、これを大気雰囲気下500℃で3時間焼成して、酸化ランタン1.0重量%を含有するγ−アルミナ担体を調製した。これを担体として酢酸ランタンn水和物を用いなかったこと以外は実施例1と同様の担持溶液を用いて実施例1と同様に調製を行い、触媒Cを得た。
【0025】
〔比較例3〕
クエン酸を用いなかったこと以外は実施例1と同様に行ったが、得られた担持溶液には多量の沈殿が発生しており、安定かつ均一な含浸液を調製することができなかった。不溶物としての沈殿が多く、pHは測定不能であった。
【0026】
〔実施例2〕
三酸化モリブデン 136g、塩基性炭酸コバルト 60g、酢酸イッテルビウム(III)四水和物 5.3g、クエン酸 116gを熱水に溶解し、赤紫色透明な担持溶液500cc(pH 2.05)を調製した。この担持溶液は室温下で均一溶液であり、室温で1ヶ月放置した後も不溶物の析出は確認されなかった。この担持溶液を用いて実施例1と同様に調製を行い、触媒Dを得た。
【0027】
〔比較例4〕
酢酸イッテルビウム(III)四水和物を用いなかったこと以外は実施例2と同様に500ccの担持溶液(pH 1.50)を調製し、これを用いて実施例2と同様に調製を行い、触媒Eを得た。
【0028】
〔比較例5〕
モリブデン酸アンモニウム四水和物 129g、硝酸コバルト(II)六水和物109g、酢酸ランタンn水和物 4.8g、25重量%アンモニア水 300ccを熱水中に加えて500ccの担持溶液を調製したが、一部白色沈殿が析出した(溶液のpHは9.85)。更にこの担持溶液を室温下で1日放置すると徐々に赤紫色の結晶が析出したため、安定かつ均一な担持溶液を得ることができなかった。
【0029】
〔実施例3〕
日本無機化学工業製のメタタングステン酸アンモニウム濃厚水溶液(三酸化タングステン50.74重量%含有) 630g、塩基性炭酸ニッケル 77g、酢酸セリウム(III)一水和物 65g、クエン酸 123gを水に溶解し、緑色透明な担持溶液500cc(pH 3.86)を調製した。この担持溶液は室温下で均一溶液であり、室温で1ヶ月放置した後も不溶物の析出は確認されなかった。この担持溶液を用いて実施例1と同様に行い、触媒Fを得た。
【0030】
〔比較例6〕
酢酸セリウム(III)一水和物を用いなかったこと以外は実施例3と同様に500ccの担
持溶液(pH 3.58)を調製し、これを用いて実施例3と同様に調製を行い、触媒Gを得た。
【0031】
以上の実施例及び比較例で得た担持溶液の性状を表1に示し、これらのうち均一な担持溶液を用いて調製した触媒A〜Gの元素分析値を表2に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0004817405
【0033】
【表2】
Figure 0004817405
【0034】
〔反応評価1〕
実施例及び比較例で得た触媒はそれぞれ硫化水素・水素混合ガス(硫化水素:水素=5:95)雰囲気下400℃で3時間予備硫化処理を行い、硫化後の触媒50mgを採取して容量37ccのオートクレーブに投入し、以下の条件で反応評価を行った。反応温度:310℃、初期張り込み水素圧(常温):3.5MPaであり、原料油として、4,6−ジメチルジベンゾチオフェン0.5重量%を含むn−ドデカン溶液(内部標準としてn−エイコサンを0.3重量%含む) 5ccを用いた。反応時間は触媒毎に0.5、1.0、1.5、2.0時間の4バッチ行い、反応後に回収した反応液及びガス中に含まれる成分をそれぞれガスクロマトグラフィーで分析定量した。回収したガス中にはいずれも炭素数8以上の物質は確認されなかった。従って反応結果については以下の方法で解析した。
【0035】
{1}転化反応速度定数比:4,6−ジメチルジベンゾチオフェンの反応液中の減少量に対して、1次の反応次数を得る反応速度式の速度定数を求め、基準となる触媒による速度定数との比により比較した。比が1より大きいほど4,6−ジメチルジベンゾチオフェンの転化活性に相対的に優れている触媒であることを示す。
【0036】
{2}脱硫反応速度定数比:4,6−ジメチルジベンゾチオフェンの脱硫反応によって反応液中に生成した非硫黄含有物質(ジメチルビフェニル類、メチルシクロヘキシルトルエン類、ビメチルシクロヘキシル類)の生成量の増加量に対して、1次の反応次数を得る反応速度式の速度定数を求め、基準となる触媒による速度定数との比により比較した。比が1より大きいほど4,6−ジメチルジベンゾチオフェンの脱硫活性に相対的に優れている触媒であることを示す。
【0037】
{3}分解生成物(%):2時間反応した後に回収したガス及び反応液中に含まれる炭素数7以下の化合物の生成量を分解生成物とする。回収したガス及び反応液の全重量に対する重量割合を%で表し、この値が低いほど副反応である分解反応が抑制された触媒であることを示す。
【0038】
これらの結果を表3、表4、表5に示す。表2に示されるように担持金属量がほぼ同じである触媒Aと触媒Cを比較すると、本発明の実施例である触媒Aが、転化反応速度定数及び脱硫反応速度定数において優れていることがわかる。また、これらの触媒は低い分解率を示す。
【0039】
【表3】
Figure 0004817405
【0040】
【表4】
Figure 0004817405
【0041】
【表5】
Figure 0004817405
【0042】
〔反応評価2〕
触媒A、Bについて、2.5ccをそれぞれ固定床流通式反応装置に充填し、原料油として直留軽油(LGO)(硫黄濃度1.2重量%、比重0.855)を用いて、液空間速度2.0h−1、温度350℃、水素/油比250Nl/l、水素分圧6MPaにて水素化脱硫を行い、生成油中の硫黄濃度を同様に分析定量して脱硫性能の評価を行った。尚、触媒は反応に先立って前処理として直留軽油(LGO)にDMDS(ジメチルジスルフィド)を添加した混合油(硫黄濃度3重量%)を水素ガスとともに250℃で20時間流通して予備硫化を行った。評価の結果、触媒Bによる生成油中の硫黄分は115重量ppmであり、99.04%の脱硫率であるが、触媒Aによる生成油中の硫黄分は39重量ppmであり、99.67%の脱硫率が得られた。これにより、本発明による水素化脱硫触媒は、水素化脱硫活性に優れている触媒であることが示された。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明による水素化脱硫触媒の製造方法は、周期表第6族金属の少なくとも1種、周期表第8族金属の少なくとも1種、及びランタノイドから選ばれた少なくとも1種が溶解した担持溶液を調製し、該担持溶液を多孔質な耐火性金属酸化物からなる担体に含浸することを特徴としており、この方法により製造された水素化脱硫触媒は、水素化脱硫性能、特に難脱硫化合物に対する脱硫性能に優れており、かつ、クラッキングによる分解をほとんど生じない。したがって、軽油留分などの超深度脱硫レベルの水素化脱硫にいる触媒の製造に極めて有用である。

Claims (1)

  1. 周期表第6族金属の少なくとも1種、周期表第8族金属の少なくとも1種、及びランタノイドから選ばれた少なくとも1種が溶解した担持溶液に有機酸を含有させてpH7以下に調製し、該担持溶液を多孔質な耐火性金属酸化物からなる担体に含浸して、一度で金属成分を担持することを特徴とする水素化脱硫触媒の製造方法。
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