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JP4808841B2 - T細胞活性化および増殖を阻害するLO−CD2a抗体およびその使用法 - Google Patents

T細胞活性化および増殖を阻害するLO−CD2a抗体およびその使用法 Download PDF

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Description

【0001】
(技術分野)
この発明は抗体(あるいは断片もしくはその誘導体)に関し、また望ましくはヒトリンパ球に結合する抗体(あるいは断片もしくはその誘導体)に関する。より詳細には、この発明はそのような抗体(あるいは断片もしくはその誘導体)の患者への投与を通じて患者における進行中の免疫応答を予防しおよびもしくは阻害することに関する。望ましくは、この発明はそのような抗体あるいは断片もしくはその誘導体の患者への投与を通じてT細胞の活性化および増殖を予防しあるいは阻害することに関する。
【0002】
(背景技術)
従来の技術は移植片拒絶反応を阻害するCD2抗原に対する抗体の使用の可能性を開示した。一般に従来の技術は移植片拒絶反応を阻害するのに多分有用であるものとしてCD2抗原に結合する抗体の使用を開示する。オルト・ファーマシューティカル・コーポレイション、合衆国特許番号4,364,973号、4,614,720号、4,515,893号、4,743,681号、および4,798,806号を参照されたい。
【0003】
前記の引用例でもそのような抗体がヒト患者あるいは非ヒト霊長類における移植片拒絶反応を阻害するのに有用であることは知られていなかった。下記の引用例、J.V.ジオルジ、他、サル同種異系移植片受容体におけるOKT11Aモノクローナル抗体の免疫抑制作用および免疫原性、移植紀要、15巻、1号、1983年3月、およびP.J.サーロー、他、モノクローナル抗チンパンジーT細胞抗体、移植、36巻、3号、293−298ページに例示されている通りである。
【0004】
従って、移植片拒絶反応を阻害するCD2抗原に対する抗体がヒトあるいは非ヒト霊長類におけるT細胞の活性化および増殖を阻害し、あるいはT細胞の活性化および増殖を刺激する作用薬を投与する前あるいは後で抗体を加えた時にも移植片拒絶反応を阻害することに関して開示は行われていない。
【0005】
この発明は前記の事情を考慮して、ATCC寄託番号HB11423の細胞系から産生されるモノクローナル抗体LO−CD2aからのヒト化抗体を提供し、またそれにより免疫応答を阻害する方法ならびに移植片拒絶を阻害する方法も提供することを目的とする。
【0006】
(発明の開示)
この発明は下記の構成を備えることにより前記の課題を解決できるものである。
【0007】
(1)LO−CD2aからのCDRよりなる一つのヒト化抗体であって、前記ヒト化抗体はヒト化抗体の重鎖可変領域のフレームワークに図55および56で示されるようにラットLO−CD2a重鎖可変領域のアミノ酸47、67、70、72、76、85および87と、アミノ酸12、13、28および48の内1個、2個、3個あるいは4個よりなることを特徴とするヒト化抗体。
【0008】
(2)前項(1)記載のヒト化抗体であって、ここで前記ヒト化抗体がヒト化抗体の重鎖可変領域のフレームワークに図55および56で示されるようにラットLO−CD2a重鎖可変領域のアミノ酸12、13、28、47、48、67、70、72、76、85および87を含むことを特徴とするヒト化抗体。
【0009】
(3)前項(1)記載のヒト化抗体であって、ここで前記ヒト化抗体がヒト化抗体の軽鎖可変領域のフレームワークに図39で示されるようにラットLO−CD2a軽鎖可変領域の1個もしくはそれ以上のアミノ酸9、12、41、42、50、51および82を更に含むことを特徴とするヒト化抗体。
【0010】
(4)前項(3)記載のヒト化抗体であって、ここで前記ヒト化抗体がヒト化抗体の軽鎖可変領域のフレームワークに図39で示されるようにラットLO−CD2a軽鎖可変領域のアミノ酸9、12、41、42、50、51および82を含むことを特徴とするヒト化抗体。
【0011】
(5)前項(1)記載のヒト化抗体であって、ここでヒト化抗体の重鎖可変領域が図55および56のアミノ酸配列を持つことを特徴とするヒト化抗体。
【0012】
(6)前項(3)記載のヒト化抗体であって、ここでヒト化抗体の軽鎖可変領域が図39のアミノ酸配列を持つことを特徴とするヒト化抗体。
【0013】
(7)患者にある免疫応答を阻害する一つの方法であって、患者を前項(1)記載の抗体で処置することよりなることを特徴とする方法。
【0014】
(8)患者にある移植片の拒絶を阻害する一つの方法であって、患者を前項(1)記載の抗体で処置することよりなることを特徴とする方法。
【0015】
(発明を実施するための最良の形態)
この発明をより詳細に説述するために、以下で添付する図面に従って実施例でこれを説明する。
【0016】
この発明の一つの見地に従って、ATCC寄託番号HB11423として寄託された細胞系により産生されたモノクローナル抗体と同じのヒトリンパ球のエピトープ(あるいはその部分)に結合する分子(望ましくはモノクローナル抗体あるいはその断片)が提供される。その寄託細胞系で産生される抗体は以下時々LO−CD2aとして引用される。「分子」あるいは「LO−CD2aとして同じエピトープに結合する抗体」という用語はLO−CD2aを含む。「LO−CD2a」という用語は寄託細胞系ATCC HB11423により産生される抗体および例えば組換え技術により生産されるそれと同一のものを含む。
【0017】
この発明の分子あるいは抗体はヒトT細胞の活性化および増殖を阻害し、また出願人はT細胞の活性化を刺激する作用薬の前あるいは後のいずれかで分子あるいは抗体を加えた時にそのような阻害を達成できることを発見した。
【0018】
この発明の分子あるいは抗体はCD2抗原(CD2正ヒトT細胞)のエピトープに結合する特徴を持つが、しかしT細胞の活性化あるいは増殖を阻害するためのそのような分子あるいは抗体の能力はCD2正細胞への結合を通じてもたらされあるいはそうでない場合もあり、作用の機構がCD2正細胞への分子あるいは抗体の結合を伴うものと出願人は現在信じている。
【0019】
この発明のも一つの見地に従って、以下でLO−CD2a(あるいは断片もしくはその誘導体)として引用する抗体あるいはそのような抗体あるいは誘導体もしくはその断片を模倣するいずれかの分子をヒト患者に投与することを通じて、ヒト患者における進行中の免疫応答を予防しおよびもしくは阻害する一つの方法が提供される。
【0020】
LO−CD2aを産生する細胞系は1993年7月28日、20852 メリーランド、ロックビル、パークローン ドライブ 12301にあるアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに寄託され、ATCCアクセス番号ATCC HB11423が与えられた。この抗体はラットモノクローナル抗体である。
【0021】
出願人はこの発明をいずれかの理論的類推に限定しようとするものではないが、この発明のモノクローナル抗体をして免疫応答の発病度を予防しあるいは減少させ、またT細胞の活性化および増殖を阻害することを可能にする機構(メカニズム)は、LO−CD2a抗体がT細胞表面で発現されるCD2の密度を減少させ従ってCD2−Tリンパ球の数を減少させるか、およびもしくは顕著な形質導入に作用する事実であると考えられる。これらの作用機構は免疫応答の予防だけでなく、進行中の免疫応答の減少にも原因となるものと考えられる。加えて、LO−CD2a抗体はここで例示されるように、ナチュラルキラー(NK)細胞試験管内活性を阻害する。これはこの発明にとって適切である。というのはNK細胞活性などのような非MHC制約細胞毒機構が対宿主性移植片病に影響してきたものと考えられるからである。
【0022】
この発明の一見地に従って、LO−CD2a抗体のようにヒトリンパ球に対する同じエピトープ(あるいはそのいずれかの部分)に結合する分子(望ましくは抗体)の有効量をヒト患者に投与することにより、患者にあるT細胞の当初あるいは更なる活性化および増殖を阻害する一つの方法が提供される。望ましい分子はLO−CD2aあるいはキメラおよびもしくはそのヒト化形態のものである。このような分子は、例えばLO−CD2a抗体と同じ相補性決定領域(CDR)を含むであろう。
【0023】
この出願を通じてここで使用される「阻害する」という用語は、移植片拒絶反応の予防、あるいは阻害、もしくは発病度の減少、あるいは耐性の誘導、もしくは逆転を意味することを意図している。この出願の目的でここで使用される「移植」という用語は必ずしもそれに限定されないが、同種異系移植片および異種移植片移植を含むいずれかまたはすべての移植を意味するものとなる。このような移植は実施例によって必ずしもそれに限定されないが、細胞、骨髄、組織、固体器官、骨、等の移植を含む。
【0024】
ここで使用される「免疫応答」という用語は、細胞作用およびT細胞依存型抗体の両方を含むT細胞の活性化および増殖に依存する免疫応答を意味することを意図するものであり、それは実施例で制限とするものではなくて(i)移植片、(ii)対宿主性移植片病、および(iii )実施例によって必ずしもそれに限定されないが、慢性関節リウマチ、全身性狼瘡、多発性硬化症、真性糖尿病、等の自己免疫疾病に帰着する自己抗原などへの応答で引き出されるものである。
【0025】
この発明で使用される分子は、LO−CD2aモノクローナル抗体と同じエピトープ(あるいはこのエピトープの一部)と結合するものである。「LO−CD2aモノクローナル抗体と同じエピトープと結合する」という用語は、LO−CD2aモノクローナル抗体を説明するだけでなく、またLO−CD2aモノクローナル抗体と同じそのようなエピトープと結合する他の抗体、断片あるいはその誘導体もしくは分子を説明することを意図するものである。
【0026】
そのような他の抗体は、実施例によってまたそれに限定されないがラット、ネズミ、ブタ、ウシ、ヒト、キメラ、ヒト化抗体、あるいは断片もしくはその誘導体を含む。
【0027】
ここで使用される「誘導体」という用語はキメラあるいはヒト化抗体、一本鎖抗体、二重特異性抗体あるいはLO−CD2aモノクローナル抗体により認識されるのと同じエピトープ(あるいはその部分)と結合するような他の抗体を意味する。
【0028】
ここで使用される「断片」という用語は抗体の部分を意味し、実施例により抗体のそのような部分は必ずしもそれに限定されないが、CDR、Fab、あるいはLO−CD2aにより認識されるのと同じエピトープあるいはそのいずれかの部分と結合するそのような他の部分を含む。
【0029】
ここで使用される「抗体」という用語はポリクローナル、モノクローナル抗体、同じく抗体断片、誘導体同じくキメラあるいはヒト化抗体など組換え技術により調製される抗体、モノクローナル抗体LO−CD2aにより認識されるのと同じエピトープあるいはその部分と結合する単鎖もしくは二重特異性抗体を含む。「分子」という用語は実施例により必ずしも限定されないが、ペプチド、オリゴヌクレオチド、もしくは抗体を模倣しあるいは抗体断片もしくはその誘導体と同じエピトープあるいはその部分と結合するいずれかの源から誘導される他のそのような化合物を含む。
【0030】
この発明のも一つの実施例は、LO−CD2a抗体、あるいは抗体もしくは誘導体、あるいはその断片もしくはLO−CD2a抗体と同じエピトープ(もしくはその部分)と結合する分子よりなるグループから選択される少くとも1個の部材の有効量で移植片移植を受けるべきもしくは受けた患者を処置する一つの方法を提供する。この処置は望ましくは全LO−CD2a抗体あるいは無傷LO−CD2a抗体で実行される。
【0031】
前に記載の通りこの発明のモノクローナル抗体は、ここで開示された技術と同様にケーラーおよびミルシュタイン(ネイチャー256巻、495−497ページ、1975年)に記載されたような従来公知の技術により産生することができる。モノクローナルLO−CD2a抗体の調製はこの出願の実施例1により詳細に記載される。前に示されたように、LO−CD2a抗体はまた従来公知の手順を用いて組換え技術により産生することもできる。組換え抗体は更にキメラ抗体の形をとることもあり、ここでLO−CD2aラット抗体の可変領域はも一つの種の抗体の定常部と組み合される。かくして例えば、モノクローナル抗体は、ラットLO−CD2aモノクローナル抗体のCDR領域をヒト抗体のV領域、フレームワーク領域および定常部と組合せてキメラヒト−ラットモノクローナル抗体を提供することによりヒト化される。
【0032】
一つの実施例において、抗体はヒト抗体の定常部、および軽鎖ならびに重鎖可変領域のフレームワーク領域およびCDR領域から構築されるLO−CD2a抗体のヒト化形態であり、ここで軽鎖および重鎖可変領域のフレームワーク領域はヒト抗体の軽鎖および重鎖可変領域のフレームワーク領域から誘導され、またCDR’sはラットLO−CD2a、CDR’sである。一つの実施例において、軽鎖および重鎖可変領域のフレームワーク領域の1個もしくはそれ以上のアミノ酸残基は、ラットLO−CD2aフレームワーク領域からのアミノ酸残基である。このようなラットフレームワーク領域からの残基はヒト化抗体内に保持され、何故ならこのような残基はLO−CD2aの結合特異性を維持するからである。かくしてヒト化抗体を産生する際に、この発明の望ましい見地に従って、ヒト抗体のCDR’sは、とりわけFR1、FR2およびFR3からのLO−CD2aの軽鎖可変部分のある種のアミノ酸およびとりわけFR−2およびFR−3からのLO−CD2aの重鎖可変部分のある種のアミノ酸がヒト化抗体を構築する際に保持される付加因子を持つLO−CD2aのCDR’sで置換される。すなわちヒトフレームワークの対応するアミノ酸はラットLO−CD2aフレームワークからの指摘されたアミノ酸で置換される。図39に関連して指摘されるように、ラットLO−CD2aの軽鎖可変領域のフレームワークにあるアミノ酸9、12、41、42、50、51および82は保持され、また図43で指摘されるように、ラットLO−CD2aの重鎖可変領域のフレームワークにあるアミノ酸47、67、70、72、76、85および87はヒト化抗体に保持される。このようなヒト化抗体の構築の特異的な実施例が下記の実施例7で与えられる。
【0033】
も一つの実施例において、ヒト化抗体で重鎖可変部において、FR1、FR2およびFR3領域のある種のアミノ酸はヒト化抗体を構築する際に保持される。とりわけ図55および56で指摘されるように、ラットLO−CD2aの重鎖可変部のフレームワークにあるアミノ酸47、67、70、72、76、85および87、またアミノ酸12、13、28および48の1個、2個、3個あるいは4個はヒト化抗体に保持される。望ましい実施例において、ラットLO−CD2aの重鎖可変部のフレームワークにあるアミノ酸12、13、28、47、48、67、70、72、76、85および87はヒト化抗体に保持される。も一つの望ましい実施例において、ヒト化抗体にあるラットLO−CD2aの重鎖可変部のフレームワークにある前記アミノ酸の保持に加えて、ヒト化抗体は更にヒト化抗体の軽鎖可変領域のフレームワーク内に図39で示されるようにラットLO−CD2a軽鎖可変領域の1個もしくはそれ以上のアミノ酸9、12、41、42、50、51および82を含んでいる。望ましくは、ラットLO−CD2aの軽鎖可変部にある各アミノ酸9、12、41、42、50、51および82がヒト化抗体に保持される。
【0034】
もっとも望ましい実施例において、ヒト化抗体はヒト化抗体の重鎖可変領域のフレームワーク内に、図55および56で示されるようにラットLOーCD2aの重鎖可変領域のアミノ酸12、13、28、47、48、67、70、72、76、85および87を含んでいる。ヒト化抗体はまたヒト化抗体の軽鎖可変領域のフレームワーク内に、図39で示されるようにラットLO−CD2a軽鎖可変領域のアミノ酸9、12、41、42、50、51および82を含んでいる。このような抗体は以下時々MEDI−507として引用され、その構造は以下にある実施例11に説明されている。
【0035】
も一つの実施例において、この発明はヒト定常部およびラットLO−CD2aからの可変領域よりなるキメラ抗体に関し、またその用途に関する。
【0036】
この発明の抗体あるいは分子は、望ましくは(i)フローサイトメトリーで分析されるリンパ球の2色染色により示されるように、すべてのTリンパ球ならびにヌル細胞とは結合するがBリンパ球とは結合しない(図29,30および31,32);(ii)(抗CD3抗体Leu4での染色で決定されるように)すべてのT細胞、Leu3aおよびLeu2b抗体それぞれで定義されるようにすべてのCD4およびCD8正細胞、ならびにCD3 負(ヌル細胞)であるいくつかのリンパ球と結合する;(iv)NK細胞のマーカーであるLeu11で検出されるCD16正細胞の染色により確証されるように、ヌル細胞と結合する。(図29,30);抗CD19結合により定義されるように、B細胞の染色はLO−CD2aと一緒には見られなかった。(図31,32)。LO−CD2a抗体は、また望ましくはその抗体がヒトヌル細胞と結合する特性を持ち、更に二色染色によりCD2+およびCD16+両方であるヒト細胞への染色よりもCD2+およびCD4+両方であるヒト細胞への染色のより高い強度を持ち、またCD2+およびCD16+両方であるヒト細胞に対するよりもCD2+およびCD8+の両方であるヒト細胞の染色のより高い強度を持つ。
【0037】
CD2と結合するLO−CD2aはCOS細胞でのCD2を一過的に発現することにより確証された。
【0038】
COS細胞はピーターソンA.およびシードB.、ネイチャー329巻、1987年10月29日、842−846ページで記載されるように、全CD2分子をコード化する遺伝子を含むπH3MCD2プラスミドで一過的に形質移入された。
【0039】
形質移入はDEAE−デキストラン法で達成された。細胞は採取され、染色の正の対照としてMHCクラスIへの抗体であるネズミW632および対応するアイソタイプ付合対照と共に、抗CD2モノクローナル抗体Leu5b(ベクトン−ディキンソン)およびLO−CD2aで染色された。反応性の特異性は関係のないプラスミドで形質移入されたCOS細胞に対するモノクローナル抗体の同一パネルの結合を評価することで立証された。
【0040】
一過的に発現された天然CD2に対するこれらモノクローナル抗体の染色パターン(図33)は、CD2での形質移入が両抗体の結合に導き、LO−CD2aがCD2と結合する能力を支持したことを示している。
【0041】
この発明の目的のために適切なLO−CD2aモノクローナル抗体の調製はここでの教示から従来の技術に熟練した人にとっては明らかであるに違いない。
【0042】
前に記載した型の抗体あるいは断片もしくはその誘導体あるいは分子は、この発明に従ってT細胞の活性化および増殖を阻害し、また細胞表面でのCD2発現の密度を減少させ、それによりCD2+ Tリンパ球の数を減少させるために生体内で投与することができる。
【0043】
かくして例えば、生体内手順で、このようなLO−CD2a抗体は免疫応答を予防しおよびもしくは阻害し、これによりT細胞の活性化および増殖を阻害するために投与される。
【0044】
前に記載した型の抗体あるいは断片もしくはその誘導体あるいは分子は、この発明に従って細胞表面でのCD2+ 発現の密度を減少させかくして供与体細胞のCD2+ 細胞の数を減少させるために生体外で投与することができる。実施例によりかつ制限することなしに、生体外手順において、このような抗体あるいは断片もしくはその誘導体あるいは分子は、移植に際して対宿主性移植片病の発症を予防するために、移植に先立ち供与体骨髄に注入されるであろう。
【0045】
このような生体内あるいは生体外技術において、抗体あるいは断片もしくはその誘導体あるいは分子は薬理許容担体内で投与されるであろう。このような担体の代表的な例として等張食塩溶液、緩衝液等が言及される。このような薬理許容担体は従来の技術で公知であり、また適切な担体の選択はここに含まれる教訓から従来の技術に習熟した人の範囲内にあるものと見做される。
【0046】
この発明のLO−CD2a抗体あるいは他の分子は生体内静脈内あるいは筋肉内投与により投与される。
【0047】
前に示されたように、この発明のLO−CD2a抗体あるいは他の分子は移植片拒絶反応を阻害するのに有効な量で生体内投与される。この出願の目的のための「有効な量」という用語は、望ましい作用、すなわち移植片拒絶反応の阻害あるいはT細胞の活性化の阻害を産生することのできるモノクローナル抗体の量を意味するものとする。一般に、このような抗体は少くとも1mgの量で投与される。加えて最初の処置後に、前に記載された量は、もし何もなければ続く処置の間に減少される。かくしてこの発明の範囲はそのような量により限定されるものではない。
【0048】
この実施例に従って、このような抗体はT細胞の活性化および移植片拒絶反応の阻害を維持するために投与される。かくして実施例によりまたそれにより限定されずに、抗体は1−2時間にわたり生理許容担体懸濁液で約1mg/用量乃至約50mg/用量の量で1日1回乃至2回、必要とあれば約8日もしくはそれ以上の期間にわたり静脈内注入により投与される。移植片拒絶反応のためのこのような処置は、望ましくは移植開始時、あるいは移植直前、もしくは移植直後、あるいは移植片拒絶反応が起こる時である。処置は移植片に選択的な低応答状態を導入するために、移植の時点で開始された時1日あるいは2日ほどの少ない期間に、1日1回乃至2回与えることができた。この発明に従って、抗体あるいは断片もしくはその誘導体あるいは分子の投与と関連する自己免疫疾病に対するこのような処置は、手当てをする医師が病理免疫応答を阻害することが望ましいと決定した時に開始される。
【0049】
かくしてこの発明の一つの見地に従って、移植の時点および殆どの場合その後の短い期間この発明に基づく抗体を投与することにより、移植組織あるいは器官に低応答性を導入することができ、これにより更なる拒絶反応の繰返される症状の出現を予防しあるいは阻害することができる。
【0050】
T細胞の活性化を阻害するためのこの発明の技術は、単独で、あるいはT細胞の活性化を阻害しもしくは移植片拒絶反応あるいは対宿主性移植片病を阻害するための他の技術、薬剤あるいは化合物と併用して用いることができる。
【0051】
この発明は下記の実施例と関連して更に記述されるが、それらは実証的ではあるがこの発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0052】
実施例で用いられる細胞、培養、mAbsおよびミトゲンは従来の普通の技術を持つ者に公知でありかつ実施される方法および手順により調製され使用される。下記のものはそれに続く実施例で使用される細胞、培養、mAbsおよびミトゲンの調製および用途で使用される。
【0053】
細胞および培養
PBMCが地方の血液供与センターから得られたヘパリン化血液のフィコール−ハイパーク(スエーデン、ファルマチア)沈降法により得られた。分離されたPBMCは富化培地:ペニシリン100U/ml、ストレプトマイシン100μg/ml、L−グルタミン20mM、および20%貯留ヒトAB血清あるいは15%熱不活性化胎仔ウシ血清で補充されたRPMI1640培地(ベルギー、ジブコ)で再懸濁された。PBMCは最終量200μlの培養培地/ウエルになるように96U−ウエル・マイクロ平板(ファルコン)で1×105 細胞/ウエルで培養された。二方向MLCが前に記した通り培養培地の同一量で各供与体/ウエルで1×105 細胞を用いて実行された。すべての培養は三つ組みで作られた。その結果で示された時点の8時間前に培養は3H −T(ベルギー、エイマシャム;247.9 GBq/mmol;6.7Ci/mmol)の2.0μCi/ウエルでパルス標識され、培養に組み込まれた放射性同位元素がベータカウンター(ベックマンL5 6000SE)の液体シンチレーションにより計量された。阻害の割合は以下のように計算された:阻害%=[1−(試験培養の平均cpm/対照培養の平均cpm)]×100。すべての結果は3個の個別培養の平均値で表される。標準偏差はそれらの値がグラフで示された場合のものを除き常に平均値の15%以下であった。
【0054】
サイトフルオロメトリー分析がコンソート30プログラムを備えたヒューレット・パッカードハードウェアでファクスキャン・サイトフルオログラフ(ベクトン・ディキンソン)を用いて行われた。リンパ球および芽細胞の染色についての個別の分析は、サイズおよび粒度で定義される差動ゲーティングを使用して可能となった。25,000事象が各サンプルで分析された。これらの実験において、LO−CD2a最終濃度は指示された場合を除き200ng/mlであった。
【0055】
Mabsおよびミトゲン
LO−DRAおよびLO−Tact−1(いずれもFITC標識されたもの)は我々の研究室で産生されたラットmAbsである(公開引用例、H.バザン(編集)1990年、287ページ)。LO−Tact−1はIL−2受容体のp55鎖に対し指向される(公開引用例、H.バザン、免疫学、1984年、およびジャンセン、M.、バック、D.およびメイノー、V.C.、白血球型別IV、白血球分化抗原、W.ナップ(編)、オクスフォード・ユニバーシティ・プレス、1989年、403ページ)。マウス抗ヒト−CD2および抗CD3mAbs(Leu−5bおよびLeu−4a−FITC標識)はベクトン・ディキンソン(ベルギー)から得られた。マウス抗ヒトCD4あるいは抗ヒトCD8mAbs(フィコエリスリン標識)、およびマウスIgG FITC−あるいはフィコエリスリン標識(負の対照)はコールターから得られた。OKT3(オルト−シラーグ、ベルギー)が最終濃度100ng/mlで使用された。フィトヘムアグルチニンA(植物性赤血球凝集素)(PHA:ウエルカム・ラブス、英国)およびコンカナバリンA(ConA;カルバイオケム・カンパニー、アメリカ合衆国)はそれぞれ最終濃度1および10μg/mlで使用された。
【0056】
LO−CD2aのビオチン化。精製LO−CD2aの濃度は0.1Mの重炭酸ナトリウム緩衝液、pH8.4で1mg/mlに調節された。NHS−ビオチン(ベーリンガー・マンハイム1008 960)が1.5mg/mlの濃度でDMSOに溶解された。各MABに対し、0.1mlのNHSビオチン溶液が付加された。混合物は2時間周囲温度で回転された。反応は抗体各mlに対して2Mトリス−塩酸、pH8.0の0.1mlを加え(周囲温度で10分)、次いで抗体各mlに対し食塩加リン酸緩衝液(PBS)内でのBSA1%の1mlを加えることで完成された。遊離ビオチンを除去するために、この溶液は一晩4℃で1000容積のPBSで透析された。ビオチン化反応および接合mAbの両方はアルミホイルで包んで光から隠された。
【0057】
赤血球(RBC)の溶解。RBCは塩化アンモニウムを用いる溶解で全血液から除去された。10Xの株溶液がNH4 C1、90g、KHCO3 、10g、EDTA370mg、および100mlsの量になる水よりなるよう調製された。1X塩化アンモニウム40mlsが血液各10mlsに付加され、10分室温で保温された。混合物は次いで1200rpmで10分遠心分離され、またペレットはアジ化物0.1%で10mlのPBSに再懸濁された。
【0058】
末梢血の染色
染色は底部の丸い96ウエル・クラスター平板(コスター#3790)で4℃で行われた。単一色染色のために、10μlのmAbが0.2mgのヒト免疫グロブリンを含むPBSに適切に希釈され、各ウエルに付加された。赤血球除去血液はウエル当り90μlの量で平板に分配された。細胞およびmAbはゆるやかなたたきで混合され30分保温された。50μlの冷却PBSが各ウエルに加えられ、平板は1900rpmで2分遠心分離された。上澄みは転置および平板のゆるやかなたたきにより除去された。細胞は平板をカウンターでたたくことで分散された。洗浄手順は冷却PBS200μlの付加により2回繰返された。ヤギF(ab′)2 抗ラット1g−FITCの1/20希釈物10μlが各ウエルの分散細胞に加えられ、暗がりで30分保温された。細胞は冷却PBS180μlの各ウエルへの付加で洗浄され、次いで1900rpmで2分遠心分離された。上澄みは除去され、細胞は分散され、また200μlの0.5%冷却パラホルムアルデヒドが各ウエルに加えられた。細胞は管(ファルコン#2054)に移され、0.5%パラホルムアルデヒドで約0.5mlsに希釈された。サンプルはリシスIIソフトウエアを用いてベクトン−ディキンソン・ファクスキャン機で評価された。
【0059】
二色染色が類似の実験記録により行われた。細胞は一次mAbおよびFITC−接合抗ラット試薬で保温され、1/5希釈の標準マウス血清が抗ラット試薬のいずれかの残存部位を遮断するために加えられた。15分の保温(洗浄なし)に続き、既知のCD決定因子に特異的な20μlのPE−標識mAbが加えられ、30分保温された。細胞は洗浄され単一染色で記載されたように固定された。
【0060】
〔実施例1〕
LO−CD2aは文献のいずれかで示された通り、我々の研究室で産生され特徴付けられたラット(IgG2b−カッパ)抗CD2モノクローナル抗体である(下記の引用例を参照されたい:シーア、H.、ラベット、A.M.、ラタンヌ、D.、ニナンヌ、J.、ド・ブリュイエール、M.、ソーカル、G.およびバザン、H.、−H.バザン(編)、ラット・ハイブリドーマおよびラットモノクローナル抗体、CRCプレス、,インコーポレイテッド、ボカ・レイトン、1990 フロリダ、309ページ、およびラベット、A.M.、ラタンヌ、D.、セガーズ、J.、マヌーブリーズ、P.、ニナンヌ、J.、ド・ブリュイエール、M.、バザン、H.、およびソーカル、G.、−H.バザン(編)、ラット・ハイブリドーマおよびラットモノクローナル抗体、CRCプレス,インコーポレイテッド、ボカ・レイトン、1990 フロリダ、287ページ)。LO−CD2aは産生されるハイブリドーマを受け入れるラットの免疫グロブリンと、後者により分泌されるmAbとの間に存在するアロタイプ差異の利点を利用する免疫アフィニティークロマトグラフィーにより腹水から精製された(バザン、H.、コーモント、F.およびデクラーク、L.、免疫学方法論ジャーナル、1984年、71巻:9ページ)。これはマウスmAb Leu−5b(FITC標識)により染色された全集団、図1およびマウスT11(ローダミン標識)mAbにより標識された集団の約90%を認識する(データは示されていない)。CD2分子上のLO−CD2aにより認識されたエピトープは抗CD2マウスmAbs Leu−5bおよびT11で認識されたエピトープとは異なる(図2および3)。
【0061】
〔実施例2〕
LO−CD2aはPBMCに対し調節作用は示すがミトゲン作用は示さない
休止リンパ球に対するラットmAb LO−CD2aの作用を決定するために、PBMCがこのmAbの増加する濃度での存在下で保温された。付表1で見られるように、LO−CD2aの存在下で6日間保温されたPBMCは、対照培養に比べて 3H−Tとり込みの割合に著しい変化を示していない。この期間の終りでの細胞の生存度は変化したが、トリパンブルー排除により評価されるように平均約80%であった。休止PBMCがLO−CD2aの存在下で保温された時、フローサイトメトリーで評価されるように、いくつかの膜マーカーの表現型発現には著しい変化がなかった。休止成熟T細胞の細胞マーカー(例えばCD3、CD4およびCD8など)は6日間の培養でLO−CD2aの存在下あるいは不在下で同一の変化のパターンを示し、またCD25(IL−2R/p55)などの活性化分子はこれらの実験条件では発現されず、あるいはDR抗原決定因子の場合にあるようにLO−CD2aにより修飾されない(図4)。
【0062】
PBMCが6日間LO−CD2aの存在下で保温された時、Leu−5b+ゲート化リンパ球の割合の著しい減少が観察された(図5)。CD4−およびCD8−リンパ球の割合は培養6日間にLO−CD2aの存在により影響されず、それはCD2保持リンパ球の観察された減少がこれら細胞の排除に帰因することはできず、かえってCD2分子の消失あるいはLO−CD2aの結合により産生されたこの糖タンパク質における立体配座変化によるものであることを示している。
【0063】
Leu−5b−リンパ球での観察された減少が、LO−CD2aの結合後のCD2の立体配座変化によるものかあるいはこの分子の消失(内在化あるいは放出)によるものであったかどうかを確証するために、PBMCがLO−CD2aの500ng/mlの存在下で培養され、Leu−5b(FITC標識)、T11−RD1(ローダミン標識)およびMARK−3(FITC標識)を用いて6日間にわたりフローサイトメトリーで分析された。図6で示されるように、Leu−5bあるいはT11mAbsはLO−CD2aの存在下で2乃至4日の培養後PBMCに結合できない。これらの条件の下で、マウス抗ラットカッパ鎖mAb MARK−3は培養の6日目に細胞の50%を標識し、それはもとのCD2保持細胞の僅か35%がその表面にLO−CD2aを全然示さず、しかしLeu−5b−FITCおよびT11−RD1染色が2日目に著しく減少したことを指示している。これは結合に利用できないLeu5BおよびT11のエピトープを供給するCD2の立体配座変化がLO−CD2aに応答して起こることを示唆する。
【0064】
CD2+細胞の平均蛍光の分析は、このマーカーの発現密度がLO−CD2aの存在下で時間と共に減少したことを示した。同じような現象が、Leu−5b FITC標識あるいは(MARK−1 FITC標識で明らかにされた)LO−CD2aのいずれかがCD2+リンパ球を検出するため使用されたかどうかを観察された。同一PBMCのアリコートがLeu−5b(培養培地で最終濃度1:2でPBSに対し透析された商業的に利用できるmAb)の存在下で培養された。図5bで示されるように、これらの実験条件下で、すべてのCD2の保持細胞は(ヤギ抗マウス−FITCで明らかにされるように)Leu−5b mAbにより被覆される。T11−RD1による染色は著しく減少し、一方より小さくよりゆっくりとした減少がLO−CD2a−FITC mAbにより認識されたエピトープを提出する細胞の割合で観察された。これらの結果をまとめると、CD2分子はLO−CD2aに応答してその立体配座を部分的に変化させ、またCD2/LO−CD2aのゆるやかな調節が起こるということを示している。
【0065】
LO−CD2aはMLRを阻害する
ラットmAbの増加する濃度の存在下で、MLCが(6日以上の期間)行われた時(3H−チミジン( 3H−T)とり込みにより測定されるように)、MLRの著しい阻害が125ng/mlほどの低いmAbの濃度で観察された。図6aにおいて、我々はLO−CD2aによるMLR阻害の用量−応答曲線の典型的な例を示す。この図6aで見ることができるように、LO−CD2aは250ng/mlで(培養6日の)MLRの80%の阻害を誘導し、この阻害の割合は広い範囲の濃度(0.25乃至5.0μg/mlのmAb)にわたり殆ど一定もしくは80%以上に留まる。図7は培養0日から6日までのMLRに対するLO−CD2aの異なった濃度の阻害作用の時間経過を示す。(LO−CD2aの存在下あるいは不在下で)、MLCに対する 3H−Tとり込みの典型的な例が図6cで示され、ここでLO−CD2aは200ng/mlの最終濃度で加えられた。
【0066】
図7では、(200ng/mlでの)このmAbがMLCの開始後異なった時間で加えられる時のMLRに対するLO−CD2aの作用が示される。( 3H−Tとり込みで測定されるように)、MLRの90%以上の阻害が、このmAbが0日で加えられた時に得られ、またこの阻害作用は、MLCの開始4日後にLO−CD2aが加えられる時に(この実施例では45%の)阻害作用がまだ存在する。(示されてはいないが)同様の結果がLO−CD2aの(0.20乃至5.0μg/mlの)より高い濃度で得られた。
【0067】
LO−CD2aはIL−2R発現の経路を遮断する
細胞蛍光写真撮影分析がMLCのリンパ芽球サブセットについて行われた時(図8aおよび8b)、下記の観察が行われた:a)MLCの開始時に既に存在した芽細胞の数(分析された25,000事象の約300−500芽細胞)が対照培養内で4日から6日までに急激に上昇した(分析された25,000事象から1200芽細胞以上);b)LO−CD2aの存在下で行われたMLCで、培養全期間中芽細胞の数に著しい変化はなく、また6日目では芽細胞数は0日での最初の芽細胞数より絶えず低いかあるいは殆ど同じ位である(図8a);c)CD25芽細胞の割合はLO−CD2aなしで保温された細胞の中で急激に上昇した(図8b);d)この割合はmAbの存在下で保温されたMLCからの小数の芽細胞の中で20%以下に留まり(図8b)、また平均蛍光(CD25発現の尺度としてのもの)は対照培養で存在する芽細胞と比較して75%減少した(結果は示されていない);e)mAbの不在下では、CD3−芽細胞の割合は培養の最初の4日間は一定に留まり(図8b)、また6日目にはCD3細胞の割合は90%に増加し、一方LO−CD2aの存在下ではC3−の割合はゆっくりと上昇し6日目でようやく約45%に達した。これらの結果は、LO−CD2aの存在がIL−2受容体(CD25)の発現により特徴付けられる活性化の経路でこれらの細胞の入場を阻害することを示している。CD2+芽細胞の数はLO−CD2aの存在下では一定に留まるかもしくは減少し、またこの膜マーカーの発現密度はこれらの条件の下では強く減少する(データは示されていない)。
【0068】
表現型分析がMLCの休止非芽細胞)リンパ球サブセットに関し6日を通じて行われた時、図4で示されたものに類似の結果が得られた:LO−CD2aの存在下では、対照培養と比較してCD3+、CD4+あるいはCD8+リンパ球の割合には何ら著しい変化が検出できなかった;培養の6日間でLO−CD2aの存在下あるいは不在下に拘らずCD25発現(活性化マーカー)は検出できなかった(図9)。これらの結果は、LO−CD2aがもしあるとしてもMLCでTリンパ球の休止サブセットに非常に弱い作用しか持たないことを示唆している;すなわちT細胞が活性化の過程で拘束されない。同時に、図8bで示されるように、LO−CD2aはMLCの間CD2+リンパ球の割合の著しい減少を誘導する。これらの結果は、非刺激培養(図6)およびMLCの両方において、LO−CD2aの作用はCD2の発現を減少させ、およびもしくはその構造に立体配座変化を誘導することである。
【0069】
LO−CD2aは、TcR/CD3複合体あるいはミトゲン受容体に依存するT細胞活性化の経路を遮断することができる。
【0070】
LO−CD2aがミトゲン活性化PBMCに付加された時、 3H−Tとり込みの著しい阻害が観察された。培養の開始0時間あるいは1時間後のいずれかで加えられるLO−CD2aの存在下あるいは不在下で、ミトゲン(OKT3、ConAおよびPHA)で保温されたPBMCの3個の実験の一つであった。第一の場合、ミトゲンは1時間後に加えられた。LO−CD2aが培養の開始1時間後に加えられた時、ミトゲンは0時間で加えられた。これはミトゲンあるいはLO−CD2aでのPBMCの前保温が、二次試薬の追加で影響され得る事象を誘発できたかどうかを知るために行われた。培養は 3H−Tでパルス標識(6時間)の後、96時間で収集された。 3H−Tとり込みの50%以上の阻害がそれが最初にあるいはミトゲンの後で加えられるかどうか、LO−CD2aの存在下で観察された(図11)。細胞がMLCの開始4日後に収集されミトゲンに露出された時同じ作用が観察された(データは示されていない)。ミトゲンのみを受け入れる同じ培養と比較して、ミトゲンおよびLO−CD2a両方を受け入れた培養において、 3H−Tとり込みの劇的な減少がMLCの開始2日後に観察された(結果は示されていない)。ミトゲン追加前のLO−CD2aでのMLCの前保温は、OKT3なしでのMLCでの比較できる値に3 H−T−とり込みを下げた。
【0071】
LO−CD2aはまた、ミトゲン誘導増殖の開始1日後に加えられたならば、ミトゲン誘導増殖を阻害することができた。2個の供与体で行われた実験の結果が図10で示される。PBMCはミトゲン(OKT3、ConAおよびPHA)と共に保温された。これらの実験で、LO−CD2aは培養開始前時間0(0日)、24時間(1日)あるいは48時間(2日)の時点で加えられた。LO−CD2aによるOKT3およびConAに応答する増殖の阻害は、0時点でミトゲンの追加24時間後に加えられたならば著しいものがあった。
【0072】
〔実施例3〕
ナチュラルキラー細胞(NK)活性の阻害
PBMCはフィコール・ハイパーク沈降法によりヘパリン化血液から分離された。洗浄の後、富化培地に懸濁されたエフェクター細胞は(付着により)単核細胞を除去するために、ファルコン平板に1×106 /mlの濃度で一晩保温された。
【0073】
標的細胞(K562細胞系)は51クロム51Cr(3×106 /mlでの細胞懸濁液の0.9ml+5mCi/ml51Crの溶液からの0.02ml、エイマシャム)で一晩保温することにより標識された。
【0074】
16時間保温の後、エフェクター細胞および標的細胞は4回洗浄され、計数され、異なったE/T比(エフェクター細胞/標的細胞比):200/1(4×106 /mlエフェクター細胞の懸濁液100ulに2×104 /ml標的細胞100ul)、100/1、50/1および25/1で96V底マイクロ平板で保温された。
【0075】
4時間保温の後、51Crの放出はガンマカウンターで各ウエルからの上澄み100μlを計数することで測定された。
【0076】
最大(標的細胞+HCLIN)および自発放出(標的細胞+富化培地)が比溶解度を計算するために使用された:
【0077】
【数1】
Figure 0004808841
【0078】
2個の正常供与体でのNK検定での5ug/ml、1ug/ml、および0.5ug/mlでのLO−CD2aの細胞含有物(図10aおよび10b)が抗体のすべての試験された濃度およびすべての試験されたE/T比率にわたり約50%の細胞毒性の阻害に導いた。これは0.25ug/mlの用量であるいはそれ以上の用量のMLRでの増殖の基本的に完全な阻害と比較したものである。
【0079】
〔実施例4〕
非ヒト霊長類での生体内研究
材料と方法
モノクローナル抗体
MARK3−FITCはFITCで接合されたラットIgカッパ1bアロタイプに対して指向されたマウスmAbである。MARG2b−ビオチンはビオチンで接合されたマウス抗ラットIgG2b免疫グロブリンmAbである。これら2個のmAbsが我々の研究室で産生され標識された。免疫蛍光試験のために、これらのmAbsは2.5μg/mlの最終濃度で使用された。Leu−5b−FITC(ベクトン−ディキンソン)およびT11ローダミン(コールター)は2個のマウス抗ヒトCD2mAbsである。T4−およびT8−ローダミン標識(コールター)はそれぞれマウス抗ヒトCD4およびCD8mAbsである。
【0080】
表現型分析
抗ヒトT細胞mAbs(抗−CD2、−CD4、−CD8、前記参照)が全血の100μlサンプルに加えられ、4℃で45分保温された。赤血球はトリス緩衝塩化アンモニウム溶解緩衝液(塩化アンモニウム144mM/トリス17mM、pH7.2)で溶解され、リンパ球はPBS/FCS2%/NaN3、0.2%で洗浄された。非標識mAbsの検出のために、第二mAb(FITC−あるいはビオチン−接合体)が2.5μg/mlの最終濃度に加えられた。4℃で45分保温の後、細胞はPBS/FCS/NaN3で洗浄された。ビオチン化mAbsのために、ストレプトアビジン−フィコエリスリン接合体での保温(15分)が行われた。標識ヒトあるいはサルリンパ球が2%ホルマリン溶液に再懸濁され、サイズ対粒度の関数としてリンパ球をゲート化するための溶解IIプログラムを備えたファクソン・サイトフルオロメーター(ベクトン・ディキンソン)で分析された。非特異的染色のための対照として、細胞のアリコートがFITC−あるいはフィコエリスリン接合マウスIgs(コールター)で保温された。
【0081】
循環Absのレベル
血清のLO−CD2aが、マウス抗ラット1gG2b mAb(我々の研究所で産生されたMARG2b−8)を第一層(被覆物)としまた検出のためにホースラディッシュペルオキシダーゼに結合されたマウス抗ラットカッパ鎖(MARK−3)mAbを用いてエリザで定量された。要約すると、マイクロタイタ平板(ファルコン)がMARG2b−8(5μg/ml)の100μL/ウエルで一晩保温され、プラスチックの未占有部位が粉ミルク(ウシ)5%を含むPBSで飽和された。室温で1時間保温の後、平板はトウィーン−20、0.1%を持つPBSで洗浄され、また希釈サルあるいはヒト血清の100μl/ウエルで保温された。未結合材料を洗い出した後、平板は1時間100μl/ウエルのMARK3−ペルオキシダーゼ(PBS内で2μg/ml)で保温された。再度洗浄の後、平板は過酸化水素0.03%を含むクエン酸塩−リン酸塩緩衝液でOPD(O−フェニレンジアミン−ジヒドロクロライド、0.4mg/ml、シグマ・ケミカルズ)で保温された。染色反応産物は492nmで検出された。標準曲線は対照サルあるいはヒト血清のプールで連続希釈された精製LO−CD2aの既知の濃度と平行して作られた。
【0082】
サルあるいはヒト抗LO−CD2a抗体の検出は、LO−CD2a(5μg/ml)で被覆された96ウエルマイクロタイタ平板を用いるエリザにより実行された。平板に結合する抗LO−CD2aヒトあるいはサル抗体は、ラット抗ヒトIgM(LO−HM−7)あるいはIgG(LO−HG−22)mAbsで標識されたホースラディッシュペルオキシダーゼにより明らかにされた。
【0083】
A.シノモルグスサル
一匹のシノモルグスサルが3連続日にわたりLO−CD2aを10mg/日受けた。モノクローナル抗体は充分に耐性であった。
【0084】
リンパ球喪失が最初の注射後に観察されたが、2回および3回目の注射後には非常に僅かの追加喪失があったに過ぎなかった。
【0085】
第二のサルは10日にわたり20mg/日を受けた。mAbは同じく充分に耐性であった。用量投与後副作用は観察されず、そこで動物は活性があり、用心深く、よく餌を食べ同時に嘔気あるいは胃腸障害の証拠はなかった。
【0086】
第二のサルのリンパ球の総数および細胞集団は図15および16で要約される。NK活性は10回注射後に僅かではあるが減少した(図17)。MAbの循環レベルは非常に高く(図18)、また免疫化は処置の終りに生じた(図19)。
【0087】
B.ヒヒ
LO−CD2aに対するヒヒの耐性を決定し、またこのmAbのヒヒリンパ球の膜マーカーのいくつかに対する作用を分析しかつ血清におけるLO−CD2aの半減期を決定するためにここで記載された実験が始められた。
【0088】
LO−CD2aでのヒヒ細胞の染色は染色ヒト細胞のそれよりも著しく低い平均蛍光強度で正の細胞が20%以下に帰着する。この染色パターンはヒヒ細胞とのFc相互作用を経由する弱い交差感受性あるいは結合を反映する。
【0089】
この研究は8.8Kgの体重の雄ヒヒ(パピオ・モルモン)について行われた。LO−CD2aの各注射の前に、サルは麻酔された。麻酔は第1回目はケテーラー(2ml)およびプラジン(0.5ml)、第2回目はケテーラーのみで続く回にはケテーラーおよびプラジン(0.3ml)であった。LO−CD2aは生理食塩水100mlで希釈されて、静脈内(i.v.10分)で注射された。リンパ球の表現型分析および循環抗体(注射されたLO−CD2a、新しく形成された抗LO−CD2a抗体、および前から存在していた交差反応性ヒヒ抗LO−CD2a抗体)の測定のために、血液サンプル(10ml)が、2個の管に取られた。リンパ球型別のための管はEDTAを含んでいた。サンプルは基準線レベルを決定するために最初の処置の前に採取された。
【0090】
LO−CD2aの最初の用量(10mg)が研究の0日に投与された。続く4個の用量(10mg/用量)は7、8、9、および10の日に投与された。血液サンプルは各LO−CD2a用量後2−3分で採取された。7日および9日に(EDTA含有管で)補足血液サンプルが同じくLO−CD2a注射の前に採取された。血液サンプルは1、2、11、12、13、16および24日に採取された。
【0091】
LO−CD2a注射の期間あるいはこの研究の期間を通じて異常な活性の反応あるいは食餌習慣は観察されなかった。動物の体重は0日に測定された約8.8Kgに留まった(下記の表を参照されたい)。
【0092】
0日から24日までのヒヒの体重(Kg)
日 0 7 8 9 10 12 13 16 24
体重 8.8 8.9 9.1 9.1 8.8 9.0 9.1 8.9 8.9
表現型および循環mAbの分析
このヒヒの末梢血リンパ球の蛍光染色はいくつかの興味深い特性を明らかにした:
a)LO−CD2aの作用の下で、リンパ球のCD2−正サブセットは、LO−CD2aの第5回投与の終結の際に、つまり血液中でmAbの最大の累積の時点で(2個の異なった抗CD2mAbsにより明らかにされたように)著しく減少した(図20aおよび20bを参照されたい)。リンパ球のCD4+およびCD8+サブセットがこの期間に減少しないという仮定で(図22)、またCD4+およびCD8+細胞が大抵のCD2保持リンパ球を含むために、CD2+ 細胞における減少は立体配座において減少しているかあるいは変化するものはリンパ球よりも膜マーカー発現であることを示している。
【0093】
(図20a)で見ることができるように、LO−CD2aの最初の用量後にCD2+(Leu−5b+ あるいはT11+ )正リンパ球の僅かな減少が観察される。この最初の用量の2日後に、CD2正細胞(T11+ のLeu5b+ )のレベルは出発時の値に上昇した。
【0094】
LO−CD2aの4回24時間間隔をあけた用量の終結時点(7日−10日)で、CD2正細胞(Leu5b+ あるいはT11+ )の割合は急激に減少し、またLO−CD2a投与の終結3日後にゆっくり上昇を開始した。
【0095】
b)同時に、LO−CD2a正細胞の割合、すなわち、循環mAbにより結合された細胞の割合はLO−CD2aの第2回用量(7日)の後22%に上昇し、次いで、抗CD2mAbs Leu5bおよびT11により明らかにされたCD2+ 細胞がそうであったように減少した(図20)。LO−CD2a+細胞の減少はMARK−3FITC mAbにより明らかにされた(図21)。
【0096】
LO−CD2a+細胞の減少は、MARK3−FITCにより、あるいはMARG2b−8−ビオチン接合mAbsにより検出された細胞に存在するLO−CD2aの検出により決定された(図21a)。同じ現象は、もしも細胞が循環mAbにより占められていないすべての部位を飽和するために2.5μg/mlでLO−CD2aでまず保温されたかどうかが観察された。LO−CD2aはMARK−3−FITCあるいはMARG2b−8−ビオチンにより検出された(図21)。
【0097】
c)(図22)で見ることができるように、ヒヒリンパ球のT4正サブセットは9日から12日までの間に適度の上昇を示し、その後T4+ リンパ球の割合は当初の値に戻った。T4+ 細胞の上昇に附随して、T8正リンパ球の割合は9日から11日までに上昇した。その日以後、この割合は当初の値に戻った。
【0098】
d)循環mAb LO−CD2aのレベルは最初の注射3日後に目立たない値にまで減少した(図20b参照)。LO−CD2aが4回の短時間間隔の用量を適用される時(7日から10日)、血清LO−CD2aのレベル(約3.7mg/ml、この期間での最大値)は最後の用量(10日から16日)後にゆっくり減少し、これはこの動物モデルでAbの半減期が相対的に長いことを示している。11日,12日,13日,16日および24日に採取された血液サンプルではヒヒ抗LO−CD2a抗体は検出されなかった。
【0099】
〔結論〕
LO−CD2aはシノモルグスサルヒヒで明らかな反応の不在により示されるように、非ヒト霊長類により十分寛容であるように見える。LO−CD2aはヒヒにおいて相対的に長い半減期を持つように見える。LO−CD2aの最初の用量の24時間後(図27の1日目)、MAbの最大検出レベルの50%がまだ血清に存在していた。LO−CD2aの最後の用量の3日後(図27の13日目)、mAbの最大検出レベルの50%がまだ血清に存在していた。
【0100】
非ヒト霊長類での染色パターンがヒト細胞に対するCD2で観察されたものと一致しないけれども、CD2正リンパ球の割合の減少に続き細胞のこの割合のゆるやかな上昇は、LO−CD2aの存在下で培養されたヒトPBMC単核細胞で観察されたものと類似している。
【0101】
〔実施例5〕
LO−CD2aで処置された患者
思いやりのある基礎に基づくLO−CD2aで処置された患者
患者#1(Mb.E.)
これは末期腎不全のために腎同種異系移植を処置された慢性腎盂腎炎を持つ女性の患者であった。拒絶発症が起こり、10日間OKT3で処置された。クレアチニンレベルは2乃至1.4mg/dlまで低下した。約4ケ月後、拒絶発症は2mg/dlのクレアチニンレベルおよび適度の拒絶を示す生検により診断された。患者はソルメドロール1.5gおよび続く8日間ATGのコースで処置され、その時点でクレアチニンレベルは1.65mg/dlであった。処置7日後、生検が行われ、それは細胞拒絶および適度な血管拒絶を示した。生検(0日)の2日後、患者は2.4mg/dlのクレアチニンレベルで無尿症となった。同日患者はLO−CD2a、10mg、コルチコステロイド・ソルメドロール1.5g、プラス、ポラリミン1g(抗ヒスタミン)およびダファルガン1g(アセトアミノフェン)を受けた。コルチコステロイド、デキスクロロフェニルアミンおよびアセトアミノフェンでの処置は移植社会により「適用範囲」(coverage)として引用される。副作用は認められなかった。23時間の終りまでに、患者は700mlの尿を出し、クレアチンは2.72mg/dlであった。次の9日間に、彼女はLO−CD2aを10mg/日受けた。患者は11日の時点で追跡生検を受けることなく病院を離れた。
【0102】
ATG処置の間および続くLO−CD2a処置の間での血清クレアチニンレベルの測定は、クレアチニンレベルがATG処置にも拘らず上昇し、次いで下降してLO−CD2aで安定化されたことを示した(図31,32)。
【0103】
白血球総数はLO−CD2aでの処置の期間に、10,000個の最高水準から2000個まで低下し21日目の最終の測定まで低下を続けた(図23)。リンパ球総数は低く観察の期間中に変化していた。
【0104】
LO−CD2aの血清レベルは各処置に続き直ちに2.0−3.0μg/mlの最大値に上昇し、各処置の間で約1.0μg/mlの最低値に低下した(図24)。9日目の最後の処置で、このレベルは24時間に50%低下し、14日目には0になった。この患者は40日に外来に戻った。
【0105】
患者のクレアチニンレベルは40日で2.27、50日で2.48であり、66日では3.11まで上昇し、この時点で生検が激しい細胞拒絶および間隙出血と一致する最初の報告と共に得られた(以下を参照のこと)。患者は腎に150Rの照射、3×125mgのソルメドロールで処置され、一方シクロスポリンおよび12.5mg/日のステロイドでの薬物維持療法が続けられた。クレアチニンレベルは続く期間中は上昇を続けた。70日にクレアチニンレベルは3.3、80日に5.63、84日には8.35であった。86日にはクレアチニンレベルは10.8となり、移植腎摘出が88日に行われた。この患者の10日の排泄と66日生検の間の期間の維持免疫抑制を伴う患者のコンプライアンスは疑問であり、また明らかに成功した救助であるにも拘らず腎の喪失が不確かなコンプライアンスの要因となるに違いない。
【0106】
(ii)患者#2
この患者はC型肝炎を患った38歳の男性であった。彼は慢性間隙性腎症(ネフロパシー)に帰因する末期腎不全の処置のために腎同種異系移植を受けた。1年3ケ月後、彼は一連のOKT3に耐性の急性細胞および血管拒絶のため移植腎摘出を受けた。
【0107】
移植腎摘出から1年10ケ月に、彼は2回目の腎同種異系移植を受けた。3日後、彼のクレアチニンレベルは1.4mg/dlであった。3日後彼はソルメドロール500mgを受けた。その日の後患者のクレアチニンは1.8mg/dlであった。次の日彼はソルメドロールの500mgを受けた。クレアチニンは3.25mg/dlであった。次の日彼はソルメドロール500mgを受けた。彼のクレアチニンは2.95mg/dlであった。3日後彼のクレアチニンレベルは2.3mg/dlであり、彼は生検を受けそれは3プラスの細胞性拒絶を示した。3日後彼はLO−CD2a、10mg、およびソルメドロール200mgポララミンおよびダルファガンを受けた。観察された副作用は眠気さに限定された。高熱あるいは高血圧は認められなかった。次の9日間彼は毎日LO−CD2a、10mgの処置を受けた。このような処置の終りの次の日生検は拒絶反応を示さなかった。
【0108】
患者はLO−CD2aのコースで十分な耐性を示し、どのような用量でも熱あるいは高血圧もなく臨床副作用の何らの徴候も示さなかった。処置のコースの間に得られたいつもの血液学および臨床化学実験室検査(LFTsを含む)は、リンパ球総数が290/立方mmから100/立方mmの最低値に減少し、また拒絶発症の消炎と関連するクレアチニンレベルの減少(LO−CD2aの処置の開始で2.7mg/dlからコース終期での1.10への減少)したことを除き、抗体の投与に帰属する何らの変化も示さなかった。
【0109】
図25はLO−CD2aの処置に続く日々に2.5から約1.0まで低下したこの患者の血清クレアチニンレベルを示す。患者は処置の前および処置の間リンパ球減少症であり、白血球数は処置によって何ら劇的な変化を示さなかった(図26)。この患者では、LO−CD2aの血清レベルは各処置後2.0μg/ml以上に上昇せずまた1.0から0.25μg/mlの最低値に低下した(図27)。LO−CD2aでの処置の8ケ月後、患者は正常な腎機能で身体が丈夫であり、再発性拒絶の徴候はなかった。
【0110】
患者2−生検#1−診断:不確定
生検は目立たない約20個の糸球を含んでいた。散在する単核性浸潤および少ない度合いの間隙性水腫があった。少ない度合いの管状浸入のみが見出されたが血管外傷はなかった。これらの発見は急性細胞性拒絶の診断には不十分である。小動脈にはまれに単核細胞が存在したがこれは疑わしく、しかし拒絶の診断の判定基準には合致しなかった。
【0111】
患者2−生検#2、最初の生検の約2週間後のもの−診断上異常は認められなかった。
【0112】
この生検は前の生検に類似しているように見え、約10個の糸球を含んでいた。浸潤は非常にまばらであり血管外傷は確認されなかった。
【0113】
(iii )患者#3
この患者はフォン・ヴィレブランド病にかかった19歳の男性であり、慢性腎盂腎炎に起因する末期腎不全の処置のため腎同種異系移植を受けた。6日コースのOKT3が失敗した後で二次高血圧での急性血管拒絶のため移植片は17日後に除去された。
【0114】
5ケ月半後に彼は第二回目の腎同種異系移植を受けた。10日後彼のクレアチニンレベルは6mg/dlであった。その翌日クレアチニンレベルは7mg/dlであり生検は3プラス細胞性拒絶および血管拒絶(壊死あるいは血栓症のない増殖性動脈内膜炎)を示した。その同日、彼はLO−CD2a、10mg、ソルメドロールおよびポララミンならびにダファルガン40mgを受けた。副作用は観察されなかった。次の9日間、彼は毎日、他の薬剤あるいは副作用なしでLO−CD2a、10mgの処置を受けた。処置の完了の2日後、彼のクレアチニンレベルは1.75mg/dlであり、生検は間隙性壊死および1個所慢性拒絶の病巣はあったが、急性拒絶の徴候は示さなかった。
【0115】
臨床的副作用(BPあるいは温度の変化)は観察されなかった。日常の血液学および臨床化学実験室試験(LFTsを含む)は、拒絶発症の消炎に伴うクレアチニンレベルの減少(LO−CD2aの処置開始時の7.10mg/dlから10日間コースの終期での1.75mg/dl)を除き、抗体の投与に帰属する変化を示さなかった。リンパ球数は処置前340/立方mmであり、処置中に220/立方mmの最低値に低下し、LO−CD2aでの処置の中止9日後に690/立方mmに上昇しまた処置終期の23日後に1000/立方mmにまで上昇した。
【0116】
この患者の白血球数は処置により著しく変化しなかった(図28)。血清クレアチニンレベルは処置で劇的に低下した(図28)。LO−CD2aでの最初の処置7ケ月後に、患者は正常な腎機能で身体は丈夫になり、再発性拒絶の徴候は存在しなかった。
【0117】
患者3−生検#1−診断:小動脈およびそれより低い度合いで間隙ならびに糸球に影響する危険な細胞拒絶
弓状型動脈は弾性線維の破壊を伴う内膜への著しい単核浸潤を示した。時々細管に侵入した間隙にまばらな浸潤巣が存在した。間隙は拡散した軽い間隙水腫を示した。約7個の糸球が存在した。これらは単核細胞での細胞過剰症および内皮腫脹を示した。全体に、このパターンは重い急性細胞拒絶の症状を示した。
【0118】
患者3−生検#2、最初の生検約2週後−診断:処置された拒絶と一致
生検は時々ムコイド物質を持ちしかしごく少量の細胞浸潤巣を持つ内膜線維症を示す2、3の小動脈を示した。間隙は微細な拡散線維症および最少の単核浸潤巣を示した。細管は局部的に萎縮性であったがそれ以外は目立たなかった。活性細胞拒絶の徴候は存在しなかった。
【0119】
患者の免疫抑制療法でコンプライアンスに留まった第2および第3の患者の追跡治療での28ケ月間にはその後拒絶症状の出現は報告されなかった。
【0120】
(iv)患者#4
同種異系骨髄移植の後、重い対宿主性移植片病(高用量のプレドニゾン投与に対し耐性である重い皮膚、消化管、腎および中枢神経系毒性)を患う患者が12日間LO−CD2aを10mg/日を受けた。彼の症状は改善した。腎機能は正常に戻り、下痢は止まり、皮膚は改善されまた錯乱状態は消散した。4日後抗体は停止され、症状は再発し、患者は抗体の第2回コースの開始にも拘らず死亡した。
【0121】
LO−CD2aは、かくして外部組織(同種異系および異種、というのはそれが同種異系MLRと同じように異種MLRを阻害するためである)に対する進行中の免疫応答を逆転するために使用することができた。抗体は10日から14日にわたり、1日1回乃至2回静脈内注入により与えられるであろう。それはまた器官移植に続いて直ちに誘導実験記録の一部としてT細胞の活性化を阻害するために予防的に使用することができるかもしれない。
【0122】
2回目の実験、フェーズI安全性、において、薬物動態および用量決定臨床試験が、急性拒絶症状の出現を証明された最初の生検を受けた腎同種異系移植片受容体で開始された。この試験で使用された抗体調製物は細胞培養で生産されたLO−CD2aである。
【0123】
抗体の思いやりのある使用は副作用を示さず、また10日間10mg/日の用量で急性移植片拒絶を逆転するのに有効であることを示唆した。チンパンジーを用いる予備臨床研究は、類似の生体内効果が明らかな副作用なしで0.1−100mg/日にわたるヒト用量に等しい用量で観察されたことを示唆した。従ってこのフェーズI試験の目的は、最小有効量の目安を得るために、10日間(選択肢の延長として追加の5日間)10mg/日で開始するLO−CD2aの用量レベルを減少することを調査することであった。前に記載した思いやり使用患者において副作用がステロイドの「適用範囲」で観察されなかったため、ステロイドの適用範囲なしで鎮痛薬および抗ヒスタミン薬の最小予備処置のみの投与が決定された。これはLO−CD2aにより誘導される副作用を予言的に特徴付けるために行われた。
【0124】
11名の患者がこれまでのこのプロトコルの下で登録された。4名の患者は10mg/日で処置され、5名の患者は5mg/日で処置され、また2名の患者は2.5mg/日で処置された。
【0125】
登録された11名の患者の間で、9名の患者は生検で確認された急性拒絶の逆転あるいは部分的逆転を経験した。その9名は、10mg/日でLO−CD2aで処置された4名すべての患者、5mg/日で処置された3名の患者、および2.5mg/日で処置された2名の患者であった。5mg/日で処置された患者の1人(下記参照、患者8)は最初の処置の後自発的に研究から退き、また第2の患者(患者9)は劣った応答を示した。
【0126】
表1はこのプロトコルの下でLO−CD2aで処置された腎拒絶患者で得られた結果を要約したものである。
【0127】
【表1】
Figure 0004808841
【0128】
多分サイトカインの一過性放出の結果として、悪心、嘔吐、発熱、悪寒、および高血圧を含むステロイドの適用範囲なしでのLO−CD2aで処置の間副作用が観察された。これらの事象の大多数(70%以上)は最初の用量の投与の間に観察され、それの事象は制限された範囲および継続期間のものであった。例えば、40℃以上の発熱は観察されず、事象の殆どは発症の時間内に消散した。高血圧あるいは重い下痢症状は観察されなかった。これらの事象の強さおよび出現率ならびに抗体用量との間には明らかな関係がなかった。これらの症状が明らかに不快であったにも拘らず緊急蘇生手段を必要とする事象は存在しなかった。
【0129】
第3の実験において、急性腎同種異系移植拒絶の10名の患者は以下の通りLO−CD2aでのステロイドの適用範囲なしで思いやりのある基礎に基づいて処置された。
【0130】
2名は10mg/日、4名は5mg/日、また4名は2.5mg/日で処置された。すべての思いやり使用患者は10mg/日および5mg/日で処置され、2.5mg/日で処置された患者1人を除いてすべては生検および他の臨床徴候により完全なあるいは部分的拒絶消散の証拠を示した。これらの思いやり使用患者の有害事象プロフィールは、制限された持続時間および範囲の第1用量症状でここで支配的に見られるものと類似していた。
【0131】
第4の実験において、ステロイド耐性対宿主性移植片病を持つ6名の患者および1名の肝移植受容者が思いやりのある基礎に基づいてLO−CD2aを受けた。これらの患者に対して副作用は報告されなかった。これらの患者に関する短い物語は以下の通りである。
【0132】
GvHD(対宿主性移植片病)患者6名のすべてが、10日連続でLO−CD2a、10mgの用量を毎日処置され、1時間にわたり静脈内投与された。これに付随して、シクロスポリンおよびステロイドの投与が続けられた。1人を除きすべての人がGvHD症状の改善を示した。GvHD症状の消散はmAb療法の開始3−6日後に始まった。mAb療法の下で肝臓GvHDの徴候の向上が2名の患者で観察された。GvHDの徴候の再発は評価される3名の患者の内2名で見られた。
【0133】
7番目の患者は供与体の肝臓を受け入れたが、不幸にもシクロスポリン毒性のため腎不全に伴う手術合併症の結果として敗血症を起こし、骨髄機能を著しく低下させた。彼女の疾患状態のため、外科医は誘導のための現在利用できる免疫抑制剤(OKT3、モフェティル、FK506、シクロスポリンおよびATG)を用いることにより、割当てられた第2の肝臓で患者にリスクをとらせることを望まなかった。患者は肝移植を受け、移植器官の鉗子利用に先立ち手術開始の間注入される最初の用量として5mg/日で7日間LO−CD2aの処置を受けた。これに続く用量は低用量のステロイドが与えられた。処置期間の間患者の腎機能は開始されるべき従来の免疫抑制処方に対し十分な改善をみた。患者は移植8週後に何らの拒絶徴候も見せなかった。
【0134】
この発明は望ましい実施例において移植片拒絶反応の阻害に向けられるけれども、この発明の範囲はそれに限定されるべきでなく、また目的の何れかおよびすべてでT細胞活性化の阻害に一般に有用であることは理解されるべきである。
【0135】
〔実施例6〕
キメラ抗体の構築および発現
A.LO−CD2aのVH およびVL のクローニングおよび配列化
全RNAがチャーグウィンの方法(バイオケミストリー、18巻、5294ページ、1979年)に従って細胞系LO−CD2a(ATCC HB11423)から分離された。mRNAが次いでオリゴテックス−dT mRNAキット(カリフォルニア、チャッツワース、キアジェン)を用いて調製された。約200−300ngのmRNAがパーキン−エルマー・シータス(コネチカット、ノーフォーク)のRNA−PCRキットを用いて逆転写された。反応は42℃で1時間行われた。VH およびVL 遺伝子の増幅に必要なオリゴヌクレオチド・プライマーは下記の引用例を用いて選択された:1)免疫関連タンパク質の配列、キャバット、他、第5版、1991年、2)オーランディ、他、全米科学アカデミー紀要(アメリカ合衆国)、86巻:3833−3837(1989年)。
【0136】
【数2】
Figure 0004808841
【0137】
番号はキャバット、他、1991年で示されたアミノ酸残基を引用する。
【0138】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が下記の条件を用いてパーキン−エルマーDNAサーマル・サイクラー480で行われた:94℃で5分。94℃で1分、60℃で2分、および72℃で2分よりなる30サイクル、これに72℃で5分が続いた。DNA断片はキエックス・ゲル抽出キット(カリフォルニア、チャッツワース、キアジェン)を用いてアガロース1%からゲル精製された。断片は次いでカナンゴおよびパンディ、バイオテクニクス、14巻:912−913ページ(1993年)の方法に従って平滑末端化され、ブルースクリプトKSII- (カリフォルニア、ラホーラ、ストラータジーン)のSmaI部位に連結された。多重クローンはシーケナーゼTMT7ポリメラーゼ・キット(オハイオ、クリーブランド、ユー・エス・バイオケミカル)を用いるジデオキシ鎖終結法により配列された。
【0139】
PCRに固有の潜在的誤り率の故で、少くとも3回異なった反応が行われた。LO−CD2a VL およびVH 遺伝子でもっとも普通に観察される配列は図34、35、36および図37、38で示され、ここで図34、35、36は天然リーダー配列を含むLO−CD2a VL 鎖のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を示している。図37、38は天然リーダー配列を含むLO−CD2a VH 鎖のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を示す。
【0140】
図34、35、36で示されるように、リーダー配列はアミノ酸残基−20乃至−1である。フレームワーク1はアミノ酸残基1乃至23である。CDR1はアミノ酸残基24乃至39である。フレームワーク2はアミノ酸残基40乃至54である。CDR2はアミノ酸残基55乃至61である。フレームワーク3はアミノ酸残基は62乃至93である。CDR3はアミノ酸残基94乃至102である。フレームワーク4はアミノ酸残基103乃至112である。
【0141】
図37、38で示されるように、リーダー配列はアミノ酸残基−19乃至−1である。フレームワーク1はアミノ酸残基1乃至30である。CDR1はアミノ酸残基31乃至35である。フレームワーク2はアミノ酸残基36乃至49である。CDR2はアミノ酸残基50乃至66である。フレームワーク3はアミノ酸残基67乃至98である。CDR3はアミノ酸残基99乃至107である。フレームワーク4はアミノ酸残基108乃至118である。
【0142】
B.一過性発現のためのベクターへの挿入
2個のベクターがLO−CD2aのキメラ軽鎖および重鎖それぞれの発現のため、ロンドンのメディカル・リサーチ・カウンシル(MRC)からライセンスされた。9.2キロベース軽鎖ベクター(hcmv−v11ys−kr−neo)はHindIII−Bam HI断片としてヒトカッパ定常部および抗リゾチームのヒト化VL 領域のゲノムクローンを含む。8.6キロベース重鎖ベクター(hcmv−VhLys−gammal−neo)はHind III−Bam HI断片としてヒトγ1定常部および抗リゾチームのヒト化VH 領域のゲノムクローンを含む。これらのベクターは前田、他、ヒト抗体ハイブリドーマ、2巻:124−134ページ(1991年)により詳細に記述されている。
【0143】
天然シグナルペプチドを含むDNA断片は利用不可能であるため、LO−CD2aのV領域はMRCベクターに既に存在するシグナルの背後にクローンされた。シグナル断片を持つ軽鎖V領域は下記の通り個別のPCR反応からそれぞれ誘導された2個の断片から構築された:
反応1:DNA鋳型はMRC軽鎖ベクターであった。増幅された断片はシグナルペプチドに加えてフレームワーク(FR)1の一部を含んでいた。使用された2個のペプチドは以下の通りであった。
【0144】
【数3】
Figure 0004808841
【0145】
アンチセンスプライマーは抗リゾチームのMRCベクターでは見出されなかったLO−CD2aのFR1配列を含んでいた。PCR反応は0.15キロベースのHind III−Tth III断片を産生した。
【0146】
反応2:DNA鋳型はブルースクリプト内のLO−CD2a VL クローンであった。増幅された断片は(Tth III部位から)FR4の末端までにLO−CD2a FR1を含んでいた。MRC軽鎖ベクターで見出される3′未翻訳領域はアンチセンス・オリゴヌクレオチドを用いてLO−CD2aの3′末端に付加された。使用された2個のオリゴヌクレオチドは以下のものであった。
【0147】
【数4】
Figure 0004808841
【0148】
この反応は0.35キロベースのTthIII−Bam HI断片を産生した。双方のPCR産物はキアックスを用いてゲル精製され、適切な酵素を用いて制限された。HindIII−Tth III断片プラスTthIII−Bam HI断片は次いで3方向連結でブルースクリプトのHind IIIおよびBam HI部位の間で連結された。LO−CD2aの全VL 領域プラスMRCシグナルペプチドを含むこの構築物は次いで配列された。
【0149】
重鎖LO−CD2a V領域構築物はその5′末端でMRCシグナル配列、および同じくMRC重鎖ベクターから誘導された長3′未翻訳領域を含んでいる。最終構築物は以下に述べる3種の異なったPCR反応から作られた:
反応1:DNA鋳型はMRC重鎖ベクターであった。抗リゾチームのVL およびVH 遺伝子が同じシグナルを使うために、センスプライマーはLO−CD2a VL 構築物に使用されたもの、すなわち5′V L lyssigと同じであった。アンチセンスプライマーは3′V H lyssig:以下のものであった。
【0150】
【数5】
Figure 0004808841
【0151】
この反応はMRCシグナルに加えLO−CD2aのFR1の一部を含む0.16キロベースのHind III−Pst I断片を産生した。断片はゲル精製され、制限され、配列化のためHind III−Pst I切断ブルースクリプトに連結された。
【0152】
反応2:DNA鋳型はブルースクリプトのLO−CD2a VH 領域であった。この反応はVH 領域の殆どを含む0.3キロベースのPst I−Sty I断片を産生した。LO−CD2aのFR3に内部Pst I部位があったために、Pst I−Syt I断片は以下に示す2種のPCR反応から構築されねばならなかった。
【0153】
【数6】
Figure 0004808841
【0154】
上で示された鋳型DNAはブルースクリプト内のLO−CD2a VH 、クローン82−8である。
【0155】
反応A:プライマーとしてオリゴ1および2として引用されるオリゴヌクレオチドを用いて、0.2キロベース断片を産生する。
【0156】
【数7】
Figure 0004808841
【0157】
反応B:プライマーとしてオリゴ3およびオリゴ4を用いて0.1キロベースの断片を産出する。
【0158】
【数8】
Figure 0004808841
【0159】
前記のオリゴ2および3はLO−CD2aのアミノ酸配列を変化させることなく、内部Pst I部位を除去するヌクレオチド配列での変化を含む。前記の反応AおよびBのオーバーラップ産物のアリコート(2−5μl)は組合され、第3PCR反応のための鋳型として役立った。この反応のためのオリゴヌクレオチドプライマーは前記ダイアグラムの番号1および4であった。0.3キロベースの産物はキアックスによりゲル精製され、Pst IおよびSty Iで制限された。断片は無傷のままに留まったため、内部Pst I部位は成功裡に突然変異された。
【0160】
反応3:最終VH 断片はMRC重鎖ベクターを鋳型として用いて産生された。この0.23キロベースSty I−Bam HI断片はLO−CD2aのFR4の一部、およびMRCベクターからの全3′未翻訳領域を含んでいた。使用されたプライマーは以下のものであった:
【0161】
【数9】
Figure 0004808841
【0162】
生成断片はゲル精製され、Sty IおよびBam HIで制限された。Pst I−Sty IおよびSty I−Bam HI断片は次いで配列化のためにPst I−Bam HI切断ブルースクリプトに連結された。
【0163】
すべてのオリゴヌクレオチドはアプライド・バイオシステムズ合成機で合成された。すべての配列反応はシーケナーゼTMT7ポリメラーゼキット(オハイオ、クリーブランド、ユー・エス・バイオケミカル)を用いて実行された。すべてのPCRS は下記のプロトコルを使用して実行された:95℃で5分。94℃で1分、50℃で1分、72℃で2分よりなる35サイクル、72℃で5分の最終延長。
【0164】
正しい配列を含むLO−CD2aVL およびVH 断片はブルースクリプトから除去され、MRC軽鎖および重鎖ベクターそれぞれのHind IIIおよびBam HI部位の間にクローンされた。重鎖に対しては、5′Hind III−Pst I断片はまずブルースクリプト内での構築物(Pst I−Bam HI)の残部に結合された。全Hind III−Bam HI断片は次いでMRCベクターにクローンされた。
【0165】
C.VH およびVL のN−末端アミノ酸配列化
N末端アミノ酸配列分析は、RNA−PCRを用いて得られた配列を確認するために、LO−CD2a重鎖および軽鎖のサンプルについて、マサチューセッツ、ケンブリッジにあるハーバード・マイクロケミストリー・ラボラトリーにより実行された。サンプルは以下のように調製された:
LO−CD2aの200μgがB−メルカプトエタノールの存在下で12%SDSポリアクリルアミドゲル走行全体にわたり適用された。電気泳動に続き、タンパク質はウエスタン移転機器を用いてPVDF膜に移された。膜は短時間でポンソーSで染色され、1%酢酸内で脱色され、また軽鎖および重鎖帯は真空下で乾燥されアミノ酸分析およびN末端配列化に送られた。
【0166】
LO−CD2a VH の最初の20残基のアミノ酸配列はクローン配列と完全に一致した。しかしFR1の2、3、7残基が、クローン遺伝子によりコード化されたものと異なっていることをVL の配列が示した。これらの差異すべては、これまでに引用した文献から得られた最良の推定配列にもとづき、クローニング目的のために使用されるPCRプライマーに存在する。
【0167】
D.N末端アミノ酸配列のDNA配列確認およびその補正
この配列を補正しまた同時にLO−CD2aのVL およびVH 双方の天然シグナルペプチドをクローンするために、RACE−PCR(DNA、nds末端のapid急速nplification増幅−PCR)が採用された。LO−CD2a細胞からのmRNAは逆転写され、生成cDNAはdGTPの存在下でターミナルトランスフェラーゼを用いてその3′末端でG尾部につなげられた。cDNAは次いでG尾部に相補的な特異的3′オリゴヌクレオチドおよび5′オリゴヌクレオチドを用いて増幅された。サブクローニングを単純化するために、適切な制限部位が各オリゴヌクレオチドの5′末端に加えられた。
【0168】
cDNAの調製のために使用されたオリゴヌクレオチドは下記のものであった。
【0169】
【数10】
Figure 0004808841
【0170】
RACE−PCRのオリゴヌクレオチドは下記の通りであった:
【0171】
【数11】
Figure 0004808841
【0172】
RACE−PCR反応は下記のプロトコルを用いて行われた:94℃で5分。94℃で30秒、50℃で30秒、および72℃で50秒の40サイクル、続いて72℃で5分の延長。
【0173】
LO−CD2a、VL およびVH で得られたPCR産物はキアックスを用いてゲル抽出された。VH 断片はXho IおよびStu Iで制限され、Xho I−Sma I切断ブルースクリプトに連結された。VL 断片は平滑末端化されSma I切断ブルースクリプトに連結された。数多くのクローンが軽鎖および重鎖V両領域に配列され、シグナル配列が確認された。
【0174】
免疫グロブリン遺伝子で見出されるシグナル配列が一般にイントロンを持っているために、これらは発現に重要となるであろう。VL およびVH リーダー配列を含むゲノムクローンは同様に確認された。ゲノムDNAは以下の通り調製された:4×107 LO−CD2a細胞が回転され、冷却PBSで洗浄され、回転され、PBSで再度洗浄された。細胞は(新鮮追加プロテイナーゼKを持つ)消化緩衝液0.4mlに再懸濁された。この混合物は振動させながら50℃で12−15時間保温され、等量のフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコールで抽出され、1700xgで回転された。水相は清浄な管に移され、1/2量の酢酸アンモニウム7.5Mおよび2量の95%エタノールが加えられた。DNAは2分間、1700xgの回転でペレット化された。ペレットは70%エタノールで洗浄され、空気乾燥された。ペレットは80mlのTE、pH8.0に再懸濁された。
【0175】
鋳型として細胞系LO−CD2aから得られたゲノムDNAを用いて、下記のオリゴヌクレオチドがVL およびVH 両方のゲノムリーダー配列、同じくユニーク制限部位(VL ではSph I、VH ではPst I)で終結するフレーワーク領域の部分を増幅するために指定された。
【0176】
【数12】
Figure 0004808841
【0177】
PCR反応は以下の通り行われた:LO−CD2a細胞からのゲノムDNA100ng、オリゴLVLおよびBKA(VL 断片用)それぞれ200pmolあるいはLVHおよびPVHA(VH 断片用)それぞれ200pmol、1mm、dNTPs10μl、10×Pfu緩衝液10μl。Pfu DNAポリメラーゼ(カリフォルニア、ラホーラ、ストラータジーン)1μl(2.5単位)、100μlまでの脱イオン水。Pfuが使用された理由は、それがTaqポリメラーゼよりも精度が高いためであった。
【0178】
反応条件は以下の通りであった:94℃5分、50℃5分。94℃1分、50℃で1分、72℃1分の35サイクル、次いで72℃で5分。PCR産物はゲル精製され、制限され、配列化のためブルースクリプトに連結された。正しい配列を含むクローンが一度確認されると、これらのクローンを含むブルースクリプトベクターはHind IIIおよびSph I(VL )あるいはHind IIIおよびPst I(VH )で切断され、断片はゲル分離された。0.75キロベースのHind III−Sph I断片は次いでもとのLO−CD2a VL 構築物を含むブルースクリプトに連結され、それからHind III−Sph I断片が除去された。新しい構築物は天然LO−CD2aシグナルプラスイントロンおよび補正FR1配列(N末端配列と合致するもの)を含んでいた。0.16キロベースHind III−Pst I断片はもとのLO−CD2a VH 構築物を含むブルースクリプトに連結され、それからHind III−Pst I断片が除去された。新しい構築物は天然シグナル+イントロンを含んでいた。新しく構築されたVL およびVH 断片は次いでHind IIIおよびBam HIでの消化によりブルースクリプトから除去され、COS細胞での発現のためにMRC軽鎖および重鎖ベクターそれぞれにクローンされた。
【0179】
E.COS細胞での一過性発現
COS7細胞はATCC(アクセス番号CRL−1651)から得られ、ウシ胎仔血清(FBS)10%を持つダルベッコ最小必須培地(DMEM)で成長した。最適形質移入は付着細胞の約50%密集で達成された。形質移入の調製において、プラスミドDNAがニューセラムおよびDEAE−デキストラン/二リン酸クロロキンを含むDMEMに加えられた。COS細胞培地は除去され、DNA混合物が加えられ、細胞は3時間37℃で保温された。この培地が次いで除去され、PBS内10%のDMSOが細胞に2分間加えられ次いで除去された。FBS10%を持つDMEMが細胞に加えられた。一晩保温の後、培地は取り替えられ細胞は2日間37℃で保温された。上澄みがキメラ抗体の分泌のためのエリザによる検定のために採取された。
【0180】
F.エリザによる分泌キメラ抗体の検出
キメラ抗体の分泌は、ヒト抗体(あるいはその部分)の存在を検出するために設計されたエリザでの形質移入COS細胞からの上澄みの検定により確認された。ヤギ抗ヒトIgG(H+L)は食塩加リン酸緩衝液(PBS)に5μg/mlの濃度に希釈され、エリザマイクロタイタ平板のウエルに1晩4℃での保温で付着された。平板は3回エリザ平板洗浄器を用いて洗浄された。
【0181】
残った遊離部位はウシ胎仔血清アルブミン1%を含むPBS200μl(PBS−BSA)を1/2時間室温で加えることにより遮断された。上澄みおよび正の対照引用標準(精製ヒトIgG1K)のPBS−BSAでの2倍希釈液が用意された。培地のみおよびもしくはPBS−BSAのみが負の対照を構成した。抗体希釈液および対照はウエルに加えられ、室温で1.5時間保温された。平板は次いでトウィーン20の0.05%を含むPBS内で平板洗浄器で3回洗浄された。ヤギ抗ヒトIgG(ガンマ鎖特異的)−ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)接合抗体あるいはヤギ抗ヒトカッパ軽鎖−HRP接合抗体の適切な希釈液が各ウエルに加えられ室温で1時間保温された。平板は前に記載の通りPBS−トウィーン20で洗浄され、その後過酸化水素を含む成長基質(ABTS)が加えられた。結合抗体は405nmの波長での吸光度を読み取ることで検出された。
【0182】
G.分泌キメラ抗体の結合特異性
キメラ抗体の結合特異性がCD2発現突然変異体ジャーカット細胞系JRT3−T3−5に結合する抗体のフローサイトメトリー分析により評価された。キメラ抗体(ヒトIgG1)の結合プロフィルは天然ラット抗体(IgG2b)および無関係の(非−CD−2)結合特異性を示すアイソタイプ付合対照MABS (ヒトIgG1およびラットIgG2b)の結合プロフィルと比較された。
【0183】
JRT3−T3−5(ジャーカット)細胞系の調製
ジャーカット細胞系はATCC(アクセス番号TIB−153)から得られ、ウシ胎仔血清(FBS)10%、アミノ酸補足物(NCTC)10%、およびL−グルタミン6mMを含むD−MEM(完全培地)で増殖された。細胞は37℃、炭酸ガス10%で維持され、1:4の比率(継代での細胞濃度が約3×106 /mlになるように)で週当り3回継代された。ジャーカット細胞は収穫され、消費培地を除去するために遠心分離され、DMEMで洗浄された。細胞は次いでアジ化ナトリウム(NaAz)0.1%を持つ食塩加リン酸緩衝液(PBS)に再懸濁され、細胞計量のためにアリコートが取りわけられた。生菌数はトリパンブルー排除により決定された。
【0184】
ジャーカット細胞の間接染色
細胞面染色が96ウエルU型底部マイクロタイタ平板で行われた。90μlの量の約6×105 細胞がマイクロタイタ平板の各ウエルに分配された。試験される抗体の希釈液はNaAz、0.1%を持つPBSで調製され、10μlの量で適切なウエルに分配された。細胞は抗体と共に15分室温で保温され、その後細胞はNaAz、0.1%を持つPBSを各ウエルに加え2分間1900rpm(ソーバルRT6000D)で遠心分離して3回洗浄された。細胞の再懸濁は平板を緩やかにたたいて達成された。適切なフルオレセインイソチオシアネート(FITC)接合二次抗体(抗ヒトIgあるいは抗ラットIg)のアリコート10ulが適切なウエルに加えられ、室温で暗闇で15分保温された。平板は前に記載の通りNaAz0.1%を持つPBSで3回洗浄された。染色細胞はPBS内でパラホルムアルデヒド0.5%の200μlを追加することで固定され4℃で(1週間まで)貯蔵された。
【0185】
染色ジャーカット細胞のフローサイトメトリー分析
染色細胞はベクトン−ディキンソン・ファクスキャンを用いるデータ取得のために12×17mmポリスチレン管に移された。データ取得および分析はリシス−IIソフトウエアを用いて行われた。CD2発現ジャーカット細胞はLO−CD2a(ラットIgG2b)MAB、LO−CD2a(ヒトIgG1)のキメラ版、および対応するアイソタイプ付合対照と共に保温された。結合抗体は前に記載したプロトコルに従って適切なFITC接合二次抗体を用いて検出された。分析は天然ラットLO−CD2aおよびキメラヒト−ラットLO−CD2aの類似の結合パターンを示している。
【0186】
H.NSO細胞における安定発現
安定した形質移入体にキメラ抗体を発現するために、グルタミン合成酵素遺伝子増幅システムがセルテック・リミテッド(英国、バークシャー)から得られた。このシステムはベビントン、他、バイオテクノロジー、10巻、169−175ページ(1992年)に記載されている。使用された発現ベクターはpEE6hCMV−BおよびpEE12であった。このようなベクターは公開PCT出願番号WO86/05807、WO87/04462、WO89/01036、およびWO89/10404に記載されている。これらベクターのいずれもがCカッパあるいはCガンマ1を含まないために、これら遺伝子のゲノムクローンはそれぞれMRC軽鎖および重鎖ベクターから得られた。両定常部クローンは制限地図を得るため配列された。2個の構築物はpEE12内で作られた。第1のものは軽鎖(V+C)5′から重鎖(V+C)までを含んでいた。第2の構築物は重鎖5′から軽鎖までを含んでいた。
【0187】
軽鎖を伴う戦略は以下の通りであった。
【0188】
1.pEE6hCMV−BおよびpEE12それぞれはXma IおよびEco RIで消化された。
【0189】
2.キメラ軽鎖の5′、1.93キロベース部分はHind IIIおよびEco RIを用いてMRCベクターから除去された。この断片は以下に述べるようにPCR突然変異誘発の鋳型として使用された。
【0190】
【数13】
Figure 0004808841
【0191】
制限部位はアンダーラインされている。
【0192】
PCRは5′制限部位をHind IIIからXma Iに変更し、コザックコンセンサス配列を構築物の5′末端に加えるために行われた。これは効果的な翻訳にとっては必須である(コザック、M.細胞生物学ジャーナル、108巻:229ページ、1989年)。3′PCRオリゴは続くクローニング段階に干渉する内部Bam HIおよびEco RI部位を除去するために使用される。PCR突然変異誘発の最終産物は0.85キロベースXma I−Msc I断片である。PCRS はTAクローニングキット(カリフォルニア、サンジェゴ、インバイトロジェン)で提供された指示に従って行われた。下記の条件がPCRに使用された:94℃で2分。続いて94℃で1分、55℃で2分、および72℃で2分の30サイクル。これは72℃で5分の延長に続けられた。連結反応および形質転換がキット指示事項に従って行われた。数多くのクローンが前に記載の通り、ジデオキシ鎖終結法により配列された。補正クローンはXma IおよびMsc Iでの消化によりTAクローニングベクターから除去された。この断片はキアックスを使ってゲル精製された。
【0193】
3.2.7キロベースCカッパ断片がMsc IおよびEco RIでの消化によりMRCベクターから除去された。この断片はキアックスを使ってゲル精製された。
【0194】
2個の異なった3方向連結反応を用いて、完全キメラ軽鎖、すなわち0.85キロベースXma I/Msc I断片+2.7キロベースMsc I/Eco RI断片がpEE6hCMV−BおよびpEE12両方に連結され、そのそれぞれがXma I/Eco RIで切断された。
【0195】
重鎖を伴う戦略は以下の通りであった。
【0196】
1.pEE6hCMV−BおよびpEE12の両方が大腸菌菌株DM1に形質移入された。両ベクターはEco RIおよびBc1Iで消化された(Bc1Iはもしもプラスミドがメチラーゼマイナス菌内で増殖するならば切断するだけであろう)。
【0197】
2.キメラ重鎖はHind IIIおよびEco RIでの消化によりMRCベクターから除去された。生成2.7キロベース断片はキアックスを用いてゲル精製された。この断片はNhe IおよびBg1 IIで消化された。これは0.7キロベースHind III/Nhe I断片および2キロベースNhe I/Bg1 II断片を産生する。両断片はゲル精製された。0.7キロベース断片は次いでPCR突然変異誘発の鋳型として使用された。
【0198】
【数14】
Figure 0004808841
【0199】
制限部位はアンダーラインされている。
【0200】
このPCRは5′制限部位をHind IIIからEco RIに変更し更にコザックコンセンサス配列を加えるために行われた。3′オリゴは続くクローニング段階に干渉すると思われる内部Bam HI部位を除去するために使用される。PCRs、連結反応および形質転換は前に記載された通りに行われた。
【0201】
2個の異なった3方向連結反応を用いて、完全キメラ重鎖、すなわち0.7キロベースEco RI/Nhe I断片+2.0キロベースNhe I/Bg1 II断片がpEE6hCMV−BおよびpEE12両方に連結され、それぞれはEco RI/Bc1 Iで切断された。
【0202】
(Bc1 IおよびBg1 IIは両立できる制限部位である)。
【0203】
キメラ軽鎖および重鎖両方を含むpEE12での最終構築物は下記の通り作られた。
【0204】
軽鎖5′から重鎖まで:キメラ重鎖を運ぶpEE6hCMV−BがBg1 II/Bam HIで消化された。重鎖プラスhCMVプロモーターを含む5.1キロベース断片はゲル精製され、キメラ軽鎖を含むpEE12のBam HI部位に連結された。正しい配向はSal I/Bam HIでの消化により照合された。0.28キロベース断片の存在は正しい配向を示している。
【0205】
重鎖5′から軽鎖まで:キメラ軽鎖を運ぶpEE6hCMV−BがBgl II/Bam HIで消化された。軽鎖プラスhCMVプロモーターを含む5.9キロベース断片はゲル精製され、キメラ重鎖を含むpEE12のBam HI部位に連結された。配向は前に記載の通りSal I/Bam HIでの消化により照合された。
【0206】
NS/O細胞(ガルファー、他、酵素学での方法論、73巻(B)、3−46ページ(1981年)、ヨーロッパ動物細胞培養収集所に寄託されたECACCカタログ番号85110503)が電気穿孔法により形質移入された。形質移入細胞はグルタミン無し培地での成長により選別された。CD2−発現ジャーカット細胞に対する抗体産生および結合活性は下記に記載されたように確認された。
【0207】
ヒト−ラットキメラ抗体の機能分析は、その機能性がラットLO−CD2a抗体のそれと類似していることを示している。両抗体は抗体の120ng/mlまでのナノグラム量が培養に加えられた時一次混合白血球反応(MLR)を阻害する。更にキメラ抗体の一次MLRへの追加は、もとの同種異系抗原あるいは第三者同種異系抗原に攻撃するために応答個体集団に低応答性の状態を誘導する。低応答性はミトゲンあるいは破傷風トキソイドへの攻撃が増殖応答を誘導することで同種異系抗原に特異的である。
【0208】
〔実施例7〕
ヒト化抗体の構築および発現
A.ヒト化軽鎖の構築
LO−CD2aと相同性を分ち合いHUM5400(EMBLアクセスX55400)として名付けられたヒトVカッパ遺伝子からのフレームワーク領域が軽鎖V領域のヒト化のために選ばれた。以下はLO−CD2aとHUM5400のフレームワークの間の比較である:
【0209】
【数15】
Figure 0004808841
【0210】
ラットLO−CD2aの軽鎖可変領域配列、相同性ヒト可変領域、HUM5400、およびヒト化LO−CD2aの比較が図39で示される。完全アミノ酸配列がLO−CD2a可変領域のために与えられ、残基はラット配列に従って数が付けられている。ヒト化配列とHUM5400配列で対応する位置にあるラットのそれと同一の残基は水平のダッシュ線で示され、一方同一でない残基は文字コードで与えられる。ヒト化LO−CD2a軽鎖可変領域はHUM5400フレームワーク領域、ラットLO−CD2a CDR′s(アンダーライン付き)、および7個のラットLO−CD2aフレームワーク残基(ラット配列の上に*で指定されたもの)よりなり、これらはそのような残基がLO−CD2aの結合特異性を維持することに関連するため選ばれた。
【0211】
図39で示されるように、フレームワーク1はアミノ酸残基1乃至23までである。CDR1はアミノ酸残基24乃至39である。フレームワーク2はアミノ酸残基40乃至54である。CDR2はアミノ酸残基55乃至61である。フレームワーク3はアミノ酸残基62乃至93である。CDR3はアミノ酸残基94乃至102である。フレームワーク4はアミノ酸残基103乃至112である。リーダー配列はアミノ酸残基−20乃至−1である(図40、41、42)。フレームワーク領域内に保持されるラットアミノ酸残基はフレームワーク1のアミノ酸残基9および12、フレームワーク2のアミノ酸残基は41、42、50および51、またフレームワーク3のアミノ酸残基は82である。
【0212】
ヒト化軽鎖は、LO−CD2aのCDRsおよびHUM5400の可変領域フレームワークを含むように構築されたが、ただ7個の異常残基(*)はLO−CD2aのフレームワークから保持された。5′領域はキメラ軽鎖構築物から得られた。この0.43キロベースHind III/Hph I断片は、天然シグナルプラスイントロンおよびラットとヒトフレームワークで同一であるフレームワーク1の最初の3個のアミノ酸残基をコード化する配列を含む。可変領域の最初の3個のアミノ酸を除くすべてのアミノ酸をコード化するヌクレオチドを含む構築物(0.37キロベース)の残部(すなわち3′末端)は、63−81ヌクレオチドの大きさにわたる7個のオーバーラッピングオリゴヌクレオチドからPCRにより合成された。これらの長いオリゴヌクレオチドは、それより短い5′および3′外部PCRオリゴヌクレオチド(長さ21−26のヌクレオチド)の鋳型として役立った。すべての場合で、鋳型5pmolがそれぞれの外部PCRオリゴヌクレオチド100pmolと共に使用された。すべてのPCRsはより大きな適合度を達成するために、Pfuポリメラーゼを用いて行われた。その手順は以下の通りであった:95℃で5分。続いて94℃で2分、55℃で2分および72℃で2分を含んだ25サイクル。これはその後72℃で5分の追加延長が続けられた。すべての合成は4段階で達成された。第1段階では、最初の長いオリゴヌクレオチドが0.43キロベースHind III−Hph H断片に加えられた。次の3組のオーバーラッピングオリゴヌクレオチドは、次いでPCRを用いて連続的に加えられた。全0.8キロベース構築物の合成が完成された後、それはキアックスを用いてゲル精製され、Hind IIIおよびBam HIで制限され、再びキアックスでゲル精製され、更にHind III/Bam HI切断ブルースクリプト KS IIに連結された。数多くのクローンが正しい版のものが得られるまで配列された。クローンは次いでHind IIIおよびBam HIでの消化によりブルースクリプトから除去された。生成断片はキアックスでゲル精製され、Hind III/Bam HIで切断されたMRC軽鎖ベクターに連結された。ヒト化LO−CD2a軽鎖V領域のヌクレオチドおよびアミノ酸配列は図40、41、42で示される。
【0213】
ヒト化軽鎖の合成で使用されたオーバーラッピングオリゴヌクレオチドおよびその用途についての説明は以下の通りである。
【0214】
【数16】
Figure 0004808841
【0215】
オリゴヌクレオチド1、3、5、および7は逆補体配列である。
【0216】
オリゴヌクレオチド2、4、および6はセンス鎖配列である。
【0217】
オリゴヌクレオチド#1はキメラ軽鎖構築物から誘導された0.43キロベースHind III/Hph I断片をオーバーラップする。このオリゴヌクレオチドは、下記のPCRオリゴを用いてPCRにより0.43キロベース断片に加えられた:
【0218】
【数17】
Figure 0004808841
【0219】
同じようなやり方で、オリゴヌクレオチド#2および#3が下記のPCRオリゴを用いてPCRによりお互いに縫い込まれた:
【0220】
【数18】
Figure 0004808841
【0221】
PCRの後、両産物はキアックスを用いてゲル精製され、次いで第3回のPCRを用いて一緒に接合された。第3回のPCRは下記のオリゴを必要とした:
【0222】
【数19】
Figure 0004808841
【0223】
生成断片はキアックスによりゲル精製された。オリゴヌクレオチド#4および#5は次いで下記のオリゴを用いるPCRにより一緒に接合された:
【0224】
【数20】
Figure 0004808841
【0225】
断片はゲル精製され、PCRオリゴを用いてこれまでの構築物に加えられた:
【0226】
【数21】
Figure 0004808841
【0227】
最終断片はオリゴヌクレオチド#6および#7ならびにPCRオリゴを用いて構築された:
【0228】
【数22】
Figure 0004808841
【0229】
ゲル精製後、この断片はオリゴを用いるPCRによりヒト化軽鎖構築物の残部に加えられた。
【0230】
【数23】
Figure 0004808841
【0231】
B.ヒト化重鎖の構築
ヒト抗体クローンAmu5−3(ジェンバンク・アクセス番号U00562)のフレームワーク領域がヒト化重鎖の生成のために使用された。下記はLO−CD2aのフレームワークおよびAmu5−3のそれとの比較である:
【0232】
【数24】
Figure 0004808841
【0233】
図43はラットLO−CD2aの重鎖可変領域配列、相同性ヒト可変領域Amu5−3、およびヒト化LO−CD2a(ヒト化Vh)を示す。完全アミノ酸配列がLO−CD2aに与えられ、残基はラット配列に従って番号を付される。ヒト化配列およびAmu5−3配列内の対応する位置にあるラットのそれと同一の残基は水平のダッシュ線で示され、一方同一でない残基は文字コードで与えられる。ヒト化LO−CD2a VhはAmu5−3フレームワーク領域、ラットLO−CD2a CDRs、および7個のラットLO−CD2aフレームワーク残基(ラット残基上の*により指定されたもの)よりなり、それらはLO−CD2aの結合特異性を維持するために関係があるということで選択された。ラットおよびヒト化配列のCDR3での垂直線は3個の配列を整列するために必要であった空間を表しており、何故ならAmu5−3はラットおよびヒト化領域より長いCDR3を有していたからである。
【0234】
図43で示されるように、フレームワーク1はアミノ酸残基1乃至30である。CDR1はアミノ酸残基31乃至35である。フレームワーク2はアミノ酸残基36乃至49である。CDR2はアミノ酸残基50乃至66である。フレームワーク3はアミノ酸残基67乃至98である。CDR3はアミノ酸残基99乃至107である。フレームワーク4はアミノ酸残基108乃至118である。リーダー配列はアミノ酸残基−19乃至−1である(図44、45、46)。
【0235】
フレームワーク領域に保持されるラットLO−CD2aアミノ酸残基はフレームワーク2のアミノ酸残基47であり、またフレームワーク3のアミノ酸残基67、70、72、76、85および87である。
【0236】
単一のヒト化重鎖構築物が作られた。この構築物は、LO−CD2aから保持される7個の残基(*)という例外はあるが、LO−CD2aのCDRsおよびAmu5−3のフレームワークを含む。この構築物はヒト軽鎖のそれと同じやり方で産生された。この場合、69−88のヌクレオチドのサイズにわたる12個のオーバーラッピング鋳型オリゴヌクレオチドがあった。12個の外部PCRオリゴヌクレオチドは21−26のサイズにわたっていた。合成は各段階で1対のオーバーラッピング鋳型オリゴヌクレオチドを加えて6段階で達成された。最終構築物(0.7キロベース)は前に記載した通りキアックスを用いてゲル精製され、Hind IIIおよびBam HIで消化され、再びゲル精製され、前に記載した通りに配列化のためにブルースクリプトに連結された。正しいクローンが確認されると、それはHind III/Bam HIでの制限によりブルースクリプトから除去され、次いで同じ酵素で消化されたMRC重鎖ベクターに連結された。ヒト化LO−CD2a重鎖V領域のヌクレオチドおよびアミノ酸配列が図44、45、46で示される。
【0237】
ヒト化重鎖の合成に使用されたオーバーラッピングオリゴヌクレオチドおよびその用途の説明が以下に続く。
【0238】
【数25】
Figure 0004808841
【0239】
オーバーラッピングオリゴヌクレオチド#1および#2は下記のPCRオリゴを用いてPCRにより一緒に接合された:
【0240】
【数26】
Figure 0004808841
【0241】
生成断片はゲル精製された。
【0242】
オーバーラッピングオリゴヌクレオチド#3および#4は下記のPCRオリゴを用いてPCRにより一緒に接合された:
【0243】
【数27】
Figure 0004808841
【0244】
断片はゲル精製された。
【0245】
オリゴヌクレオチド#5および#6は下記のPCRオリゴを用いてPCRにより一緒に接合された:
【0246】
【数28】
Figure 0004808841
【0247】
ゲル精製後、この断片は下記のオリゴでPCRによりオリゴヌクレオチド#3および#4で産生された断片に接合された:
【0248】
【数29】
Figure 0004808841
【0249】
生成断片はゲル精製された。
【0250】
オリゴヌクレオチド#7および#8は下記のPCRオリゴを用いてPCRにより一緒に接合された:
【0251】
【数30】
Figure 0004808841
【0252】
生成断片はゲルに精製され、オリゴヌクレオチド#3から#6までを接合して作られた構築物に加えられた。これはPCRオリゴを用いて実現された。
【0253】
【数31】
Figure 0004808841
【0254】
オリゴヌクレオチド#3から#8までを接合することにより作られた生成断片はゲル精製された。構築物(オリゴヌクレオチド#1+#2)の5′末端が次いでPCRオリゴを用いて加えられた。
【0255】
【数32】
Figure 0004808841
【0256】
この断片はゲル精製され、次の断片(3′)がオリゴヌクレオチド#9および#10を用いて加えられた。
【0257】
オリゴヌクレオチド#9および#10は下記のPCRオリゴを用いてPCRにより接合された:
【0258】
【数33】
Figure 0004808841
【0259】
ゲル精製後、この3′断片はPCRオリゴを用いて構築物の残部に加えられた。
【0260】
【数34】
Figure 0004808841
【0261】
生成断片はゲル精製され、構築物の残部に加えられた。
【0262】
オリゴヌクレオチド#11および#12は下記のPCRオリゴを用いてPCRにより接合された:
【0263】
【数35】
Figure 0004808841
【0264】
ゲル精製後、この最終3′断片はオリゴ(5′)PCR4H(センス)および(3′)PCR6J′(アンチセンス)を用いて構築物の残部に加えられた。生成0.7キロベース最終構築物は前に指示された通り、ゲル生成され、配列化され、MRC重鎖ベクターにクローンされた。
【0265】
COS細胞の一過性発現および分泌抗体の検出はキメラ抗体に対して前に記載された通り行われた。ヒト化抗体はアフィニティークロマトグラフィーにより精製された(タンパク質A)。ジャーカット細胞に関する結合研究はLO−CD2aのヒト化形態とラット形態の間で類似の結合パターンを示している(図47)。CD2を発現するジャーカット細胞系は、ラットLO−CD2a、ヒト化LO−CD2a(LO−CD2aHu)あるいはラットIgG2bもしくはヒトIgG対照と共に染色された。抗体濃度は0乃至4μg/mlであった。LO−CD2aのラットおよびヒト化形態はジャーカット細胞と類似の結合パターンで結合するが、一方ラットおよびヒトアイソタイプ対照抗体はそうではない。結合抗体はアイソタイプ特異的FITC接合抗血清で検出された。図47で示される結果は、前に述べられた濃度の範囲にわたり抗体で正に染色された細胞の割合として表現される。ヒト化抗体は更に一次MLRを阻害できることを機能研究が示している。LO−CD2a、LO−CD2aHu、ラットIgG2b対照、あるいはヒトIgG1対照のナノグラム量が、指定された応答体および刺激体(照射細胞)からのヒト末梢血単核細胞(PBMC)の等数を含む培養ウエルに加えられた。対照ウエルは抗体を全然含んでいなかった。培養は5日間保温され、次いで一晩トリチウム化されたチミジン( 3HT)でパルスされた。増殖は 3HTの取り込みで検出される。以下の表2で与えられるように、結果はベータ平板リーダーで記録された平均CPM(1分間当り放射能カウント数)で表現される。
【0266】
【表2】
Figure 0004808841
【0267】
ヒト化抗体はまた、(無関係の特異性を持つ)アイソタイプ対照がヒト抗体と置換される時ではなく、これらのT細胞が同種異系抗原およびヒト化LO−CD2aの存在下で一次MLRで培養される時に(平均CPMで 3HTの取り込みで測定されるように)T細胞にある同種異系抗原を攻撃するための低応答状態を誘導する(図48)。ヒト化抗体の機能特性はラットLO−CD2aのそれと類似する。
【0268】
〔実施例8〕
LO−CD2aは同種異系抗原特異的低応答性を引き出す
一次培養のみへのLO−CD2aの追加に続き二次MLRにおける同種異系抗原を認識するT細胞の能力が試験された。一次MLR培養がLO−CD2a、対照抗体(LO−DNP11、マサチューセッツ、チャールズタウン、バイオトランスプラント,インコーポレイテッド)の存在下で、あるいは無抗体の下で応答個体細胞および照射刺激細胞を含み、7日間保温された。細胞は次いで洗浄され、追加の3日間培地のみで休止された。休止期間の後、培養細胞はもとの刺激細胞あるいは異なった供与体から得られた細胞(「第三者」細胞)で再攻撃された。
【0269】
これらの研究からの代表的な実験結果が図49で図示される。パネルAでは、応答個体細胞が200ng/mlで対照抗体の存在下で培養された時に一次応答が観察されたが、LO−CD2aが200ng/mlでの存在下で培養された場合には応答は監視されず、これはこれまでに報告されたデータと合致した。応答の動態は3日、5日、および7日に培養を収穫して測定された。データは個別ウエルからのcpmが平均値の10%以内にあった各データ時点で三つ組ウエル運転の平均値として提供された。
【0270】
図49bで描かれているように、LO−CD2aあるいは対照抗体のいずれかで処置された培養からの応答個体細胞は、二次MLRに何らの抗体も存在せずに1:1の割合で刺激細胞を運ぶ同種異系抗原に再攻撃された。応答の動態は3日、5日、および7日に培養を収穫して測定された。LO−CD2aあるいは対照抗体のいずれかで一次MLRで培養された細胞の応答は対照として含まれる。データは個体ウエルからのcpmが平均値の10%以内であった各データ時点で三つ組ウエル運転の平均値として提示される。データは図49aで描かれた同じ実験からのものである。
【0271】
図50Cで示されるように、LO−CD2aあるいは対照抗体の存在下で特異的同種異系抗原で一次MLR内で刺激された細胞は、次いで二次培養に存在する何らの抗体の存在なしで1:1の比率で第三者供与体からの細胞を運ぶ同種異系抗原で攻撃された。応答の動態は3日、5日、および7日に培養を収穫して測定された。対照抗体あるいはLO−CD2aで一次MLR内で培養された自己由来刺激細胞に対する細胞の応答は対照として含まれる。データは個々のウエルからのcpmが平均値の10%以内であった各データ時点で三つ組ウエル運転の平均値として提示される。データは図49aおよびbで描かれた同じ実験からのものである。
【0272】
一次培養で対照抗体の存在下で培養された細胞は、一次培養でのそれと同じ同種異系刺激細胞による再攻撃に応答性であり(パネルb)、また第三者細胞による刺激に対しても応答性であった(パネルc)。それに反して、一次MLRの間でLO−CD2aの存在下で培養された細胞は、一次同種異系刺激細胞での再攻撃(パネルB)あるいは第三者細胞による刺激(パネルc)のいずれに対しても応答性でなかった。LO−CD2aを含む培養での細胞は生存でき、同種異系抗原以外の刺激に応答性であった。例えばPHAあるいは可溶OKT3のいずれかによる刺激は、LO−CD2a対照抗体、あるいは新鮮自己由来PBMCで培養された細胞で同等の増殖応答を引き起こした(データは示されていない)。休止後のこれらの細胞のフローサイトメトリー分析は細胞表面でのLO−CD2の検出を果せなかった(データは示されていない)。かくしてこれらのデータは、LO−CD2aおよび同種異系抗原への露出が続く同種異系抗原低応答性、すなわち耐性の状態を誘導することができることを示している。
【0273】
同種異系抗原刺激の間に、LO−CD2aにより誘導された低応答性の明らかな同種異系抗原特異性にアドレスするために、同種異系抗原刺激の後に培養から得られた細胞は、可溶タンパク質抗原、すなわち破傷風トキソイドに応答するために攻撃された。可溶抗原応答は7日後に同種異系抗原刺激培養で喪失した生存可能な抗原提示細胞(APC)の存在を必要とする。従ってこれらの研究では、APCの新鮮源が照射自己由来PBMCを二次検定培養に加えることにより培養細胞に提供された。図38Aで描かれるように、LO−CD2aあるいは対照抗体のいずれかで処置された培養からの応答個体細胞は、二次MLRに存在するいずれの抗体の存在もなしで1:1の比率で刺激細胞を運ぶ同種異系抗原で再攻撃された。応答の動態は3日、5日、および7日での収穫培養で測定された。LO−CD2aあるいは対照抗体のいずれかで一次MLRで培養された自己由来刺激細胞に対する細胞の応答はまた対照として含まれる。データは個別のウエルからのcpmが平均値の10%以内にあった各データの時点で三つ組ウエル運転の平均値として提示される。
【0274】
図51bで描かれるように、LO−CD2aあるいは対照抗体のいずれかで処置された培養からの応答個体細胞は、二次培養に存在するいずれの抗体もなしで7.5μg/mlの破傷風トキソイドで再攻撃された。応答の動態は3日、5日、および7日での収穫培養により測定された。抗体および自己由来刺激細胞なしの一次培養で培養された細胞の応答は、破傷風トキソイドに対する応答の対照として役立った。
【0275】
図51aおよびbで示される結果は、一次MLR内でLO−CD2aプラス同種異系抗原で培養された細胞が二次MLR内での同種異系抗原に対し低応答性であったけれども、この細胞は新鮮APCにより提示された時には破傷風トキソイドに対し応答性であったことを示している。
【0276】
〔実施例9〕
LO−CD2aのFc部分の役割にアドレスするために、F(ab′)2 断片の機能作用を全抗体と比較する研究が行われた。
【0277】
図52で示されるように、PBMCが照射エプスタイン−バーウイルス(EBV)形質転換B細胞系と共に応答個体細胞対刺激細胞2:1の割合でまたLO−CD2aあるいはそのF(ab′)2 断片の用量を増加させながら6日間培養された。このグラフは4人の異なった供与体の応答に対するF(ab′)2 断片の作用を描き、また各時点は各データ時点での三つ組ウエル運動の平均値である。結果は対照応答の割合として報告される。グラフを明確にするために、全LO−CD2a抗体を追加したものからのデータは示されていない。全LO−CD2aの30ng/mlの用量で、供与体の応答は:対照に対し供与体1−18%、供与体2−6.6%、供与体3−3.7%、および供与体4−12%であった。試験された個体からの存在する抗体なしの細胞応答は、平均値が56,690cpmから404,843cpmにわたり、また個体ウエルからのcpmは平均値の10%以内であった。
【0278】
F(ab′)2 断片の潜在阻害性を更に評価するために、F(ab′)2 断片の用量滴定が、可溶OKT3(APC依存性応答)で刺激された未分画PBMCに加えられた。図53で示されるように、PBMCは可溶OKT3(100ng/ml)で3日間刺激された。LO−CD2aの無傷抗体あるいはF(ab′)2 断片のいずれかが用量を増加して0日に加えられた。結果はアイソタイプ付合対照モノクローナル抗体の存在下でOKT3に対する細胞の増殖応答の割合で表現される。各データ時点は個体ウエルからのcpmが平均値の10%以内であった三つ組ウエルの平均値である。抗体なしでの刺激されたPBMCに対する平均cpmは60,117であった。
【0279】
図53の結果はOKT3に対するT細胞の増殖が、F(ab′)2 断片が使用された時には阻害されなかったことを示している。
【0280】
〔実施例10〕
APCは試験管内培養におけるLO−CD2aの阻害性を必要とする
LO−CD2aの阻害性でAPCの役割の問題をアドレスするために、PBMCのT細胞集団は免疫磁性選別によりCD14、CD56、CD19およびHLA−DR正細胞を喪失された。精製細胞のフローサイトメトリー技術による分析は、APC集団が95%以上喪失したことを示した(データは示されていない)。可溶OKT3に対するこれら精製T細胞の増殖(APC依存性応答)はこの喪失により未分画PBMCの増殖の1%以下に減少した(データは示されていない)。精製T細胞あるいは未分画PBMCは、LO−CD2aの存在下あるいは不在下で平板結合OKT3(T細胞刺激のAPC非依存性方法)により刺激された。T細胞活性化を阻害するLO−CD2aの能力はAPCが除去された時に取り除かれた(図54)。図54で示されるように、PBMCあるいは免疫磁性技術によりAPCを喪失させたPBMCは、OKT3(10μg/ml)で被覆された96ウエル平板で平板培養され、3日間培養された。LO−CD2aは培養の開始時に加えられた。結果はアイソタイプ付合対照モノクローナル抗体の存在下でOKT3に対する細胞の増殖応答の割合として表現される。プロットされたデータは3種の実験を表わしており、ここで各データ時点は個別ウエルからのcpmが平均値10%以内にあった三つ組のウエルの平均値である。
【0281】
〔実施例11〕
第二世代ヒト化LO−CD2a(MEDI−507)の構築と分析
ベクターの構築
ヒト化LO−CD2a(実施例7B)重鎖の第一世代の追加突然変異誘発が抗体の結合性質を改良するために実施された。4個の追加ラットフレームワーク残基が実施例7に記載された分子に保持された7個に加えて保持された。これら4個のアミノ酸変化は3個のPCR突然変異誘発実験を用いて行われた(PCRsの1個は2個のアミノ酸が変化されるよう導いた)。
【0282】
すべてのPCRはPfu DNAポリメラーゼ(カリフォルニア,ラホーラ,ストラーダジーン)および下記のプログラムを用いて行われた:95℃で5分。72℃で5分。94℃で1分、55℃で1分、更に72℃で1分の25サイクル。次いで72℃で5分の延長。鋳型DNAは第一世代ヒト化LO−CD2aVH 領域から分離された701塩基対(確認されたい)hindIII/BamHI DNA断片であった。使用されたオリゴヌクレオチドは下記の表3でリストされている。
【0283】
【表3】
Figure 0004808841
【0284】
反応#1はオリゴヌクレオチド877と1007を含み185塩基対DNA断片を生成し、これは2個の追加ラットLO−CD2a抗体残基をアミノ酸(AA)12と13(Gln12とArg13)でフレームワークFR1に保持した。(残基はキャバット他、免疫学関連タンパク質の配列、第4版、1987年、保健社会福祉省、公衆衛生総局、ナショナル・インスティチュート・オブ・ヘルスに従って番号を付された)。
【0285】
反応#2はオリゴヌクレオチド1006と875を含み515塩基対DNA断片を生成し、これはまたAAsGln12とArg13で2個のラット残基を保持した。
【0286】
反応#3はオリゴヌクレオチド877と1012を含み290塩基対DNA断片を生成し、これは位置48でラットLO−CD2a残基を保持した。
【0287】
反応#4はオリゴヌクレオチド1011と875を含み同じ位置48でラット残基を保持する断片を生成した。
【0288】
すべての反応産物はキアックス(カルフォルニア,チャッツワース,キアージェン)を用いて精製された。反応産物は次いで以下の通り701塩基対VH 断片を生成するために追加のPCRを受けた。反応#5は反応#1と#2の反応産物、およびオリゴヌクレオチド877と875を含んでいた。反応#6は反応#3と#4の反応産物、およびオリゴヌクレオチド877と875を含んでいた。
【0289】
位置28で突然変異を得るために、(イソロイシン)PCRが反応#5(すなわちGln12,Arg13を含む)から鋳型を使用して設定された。反応#7はオリゴヌクレオチド877と1020を含み、230塩基対DNA断片を生成し、それは位置28でラット残基を保持した。反応#8はオリゴヌクレオチド1008と875を含み同じく位置28でラット残基を保持する470塩基対DNA断片お生成した。キアックス(カリフォルニア,チャッツワース,キアージェン)を用いる反応産物の精製に続き、反応産物は次いで701塩基対VH 断片を生成するために追加のPCRを受け、続くDNA配列化のためにピーブルースクリプト/Sma(カリフォルニア,ラホーラ,ストラータジーン)にクローンされた。
【0290】
配列分析に続き、2個の断片はキアックス(カリフォルニア,チャッツロース,キアージェン)を用いてゲル分離された:(1)4個の新しいアミノ酸変化の内3個を含む270塩基対HindIII/EcoNI(Hu Vh mut 1+2A)、および(2)第4のアミノ酸変化を含む430塩基対EcoNI/BamHI(Hu Vh mut 3D)、である。断片は次いで実施例6Bで説明されたMRC重鎖ベクターに連結され、これは最終クローンであるクローン#257−20を産生するためにHindIIIとBamHI部位の間にヒト重鎖定常部を含んでいた。軽鎖発現ベグダは第一世代発現ベクター(202−2)で使用されたものと同じであった。
【0291】
図57はモデル化過程で使用されたラット抗体とヒト重鎖可変配列と平行に整列された第二世代ヒト化LO−CD2aVH断片(MEDI−507)のアミノ酸配列を示す。
【0292】
MRCベクターを用いるCOS細胞での一過性発現
2個のベクターがそれぞれヒト化軽鎖・重鎖の発現のためにメディカル・リサーチ・カウンシル(英国,ロンドン,MRC)からライセンスされた(図57)。9.2キロベース軽鎖ベクター(hcmv−vllys−kr−neo)はHindIII−BamHI断片として抗リゾチームのヒトカッパ定常部をヒト化VL 領域のゲノムクローンを含む。8.6キロベース重鎖ベクター(hcmv−VhLys−gammal−neo)はHindIII−BamHI断片として抗リゾチームのヒトγ1定常部とヒト化VH 領域のゲノムクローンを含む(前田、他、1991年、ヒト抗体ハイブリドーマ、2巻、124−134ページ)。抗リゾチームVL およびVH 領域は制限消化により除去され、ヒト化VL 及びVH 構築物はその適所に挿入された。2個のプラスミドは次いでCOS−7細胞に同時形質移入された。
【0293】
COS−7細胞はATCC(アクセス番号CRL−1651)から得られ、2個の表面積1700cm2 波形プラスチックローラーボトル(ニューヨーク,コーニング,コーニング)で40−60%密集になるまでFBS/DME培地で成長した。すべての培地は除去され、37℃で形質移入培地で置換された〔ヌーセラム10%(マサチューセッツ,ウォルサム,コラボレイティブ・リサーチ,インコーポレイテッド)、DEAE−デキストラン・クロロキン2リン酸、ヒト化LO−CD2a重鎖DNA、0.25mg,軽鎖DNA、0.25mgを持つDMEM〕。ローラーボトルは保温器およびローラーボトル設備123時間戻され、その後すべての培地で除去され37℃でPBS内DMSO10%で置換された。接触の2乃至5分後、DMSO溶液は除去されFBS/DMEMで置換された。ローラーボトルは保温器およびローラーボトル設備に1日37℃戻され、その後培地は除去され処分され(タンパク質の集積はこの時点では収穫にはあまりにも低すぎると考えられ)、次いで新鮮な同じ培地で置換された。37℃で2、3日間保温された後、各ローラーボトルの培地の半分が除去され新鮮同一培地で置換された。この過程は約3回の収穫が得られるまで繰り返された(その時点以後は収穫量は減少した)。収穫された上澄みはエリザでヒト化IgGの存在を検定された。
【0294】
生成する抗体はアフィニティークロマトグラフィーで形質移入COS細胞から精製された(タンパク質A)。このヒト化抗体の試験管内活性が3個の実験方式:ジャーカット細胞との結合、一次混合リンパ球反応(MLR)の阻害、および二次MLRのアロ抗原(同種異系抗原)への低応答性の誘導、を用いてラットLO−CD2aの活性と比較された。一過性発現で産生されたヒト化抗体の機能性はラットLO−CD2aのそれと類似しており、後にNSO細胞での安定抗体発現で確認された。
【0295】
セルテックベクターを用いるNSO細胞での安定発現
臨床用途のための組換え哺乳類遺伝子産物の生物産生は、タンパク質の適切な処理と安全な生物学的活性を達成するためにより高次の真核細胞の使用を一般に必要とする。不死化げっ菌類細胞は、費用のかからない培地で高密度で成長する能力、高い生産性、および移植後処理の適合度に起因してこの目的のための現在選択のシステムである。2個の望ましいシステムは、1)マウス骨髄腫NSO細胞でのグルタミンシンテターゼ(GS)、選択(ベビントン、他、1992年、バイオ/テクノロジー、10巻、169−175ページ)、および2)チャイニーズハムスター卵巣(CHO−DHFR マイナス)細胞でのジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)増幅(カウフマンおよびシャープ、1982年、分子生物学ジャーナル、159巻、601−621ページ)である。
【0296】
NSO細胞でのグルタミンシンテターゼシステムは第二世代ヒト化LO−CD2a(MEDI−507)の安定発現と結果として生じる産生に利用された。NSO細胞は生存のために付加グルタミンに、あるいは外因性GS遺伝子の導入に絶対必要なグルタミン栄養要求体である(ベビントン、他、1992年)。発現システムはグルタミン欠損培地でGS遺伝子と免疫グロブリン遺伝子を運ぶ細胞を選択するためにこの性質を利用する(コケット、他、1990年、バイオテクノロジー(ニューヨーク)、8巻、662−667ページ)。細胞がグルタミンシンテターゼのレベルを増加できる一つの方法は、隣接遺伝子のコピー数の付随増幅を用いてDNA増幅の遺伝子コピー数を増加させることである。増加遺伝子用量に潜在するものは、遺伝子産物、この場合グルタミンシンテターゼと免疫グロブリン両方の産生の増加である。
【0297】
使用されたセルテック発現ベクター(図44)はpEE6CMV−BとpEE12であった(公開PCT出願番号WO86/05807,WO87/04462、WO89/01036、およびWO89/10404に記載されている)。これらのベクターいずれもCカッパあるいはCガンマ1を含んでいなかったため、これらの遺伝子のためのゲノムクローンはそれぞれMRC軽鎖および重鎖ベクターから得られた。両方の定常部クローンは制限地回を得るため配列化された。
【0298】
MRCベクターとセルテックベクターの間の差(軽鎖と重鎖のMRCベクターは別個であり、セルテックベクターでは重鎖が軽鎖の後につきhCMVプロモーター領域で分離されている)の故で、軽鎖と重鎖の構築物に以下の変更を行うことが必要であった。
【0299】
一過性発現ヒト化BTI−322軽鎖構築物をセルテックベクターにクローンするために、以下の変更が行われた。軽鎖クローン、クローン#202−2はHindIII/EcoHIで消化され、1.93キロベース断片がゲル精製された。この断片は5′制限部位をXmaIに変更し翻訳開始コンセンサス配列を加えるためにPCR突然変異誘発の鋳型として役立った(コザック,1998年,点突然変異は真核リボソームによる翻訳を調節するAUG開始コドンに隣接する配列を定義する。細胞44巻、283−292ページ)。このPCR反応はまた後でのクローニング段階を可能とするために内部BamHIとEcoRI部位を除去するために使用された。生成0.85キロベースPCR産物は配列化され、次いでXmaI/MscIで消化された。クローン#202−2は次いでMscI/EcoRIで消化され、2.7キロベース断片はゲル分離された。0.85キロベース断片と、2.7キロベース断片の3方向連続はそれらをポリリンカーのXmaIとEcoRI部位の間でpEE12に挿入することで実行された。生成クローンはクローン#237−4と名付けられた。
【0300】
重鎖構築物のセルテックベクターへの挿入は下記の変更を必要とした:クローン#257−20はHindIII/EcoRIで消化され、全2.7キロベース重鎖はゲル分離された。この断片は次いで更に0.7キロベースHindIII/NheI断片と、2.0キロベースNheI/Bg1II断片を産生するためにNheI/Bg1IIで消化された(Bg1II部位はもとのクローンの3′末端に非常に近く、つまりEcoRI部位から20塩基対離れている)。0.7キロベースHindIII/NheI断片は次いで5′制限部位をHindIIIからEcoRIに変更し、また翻訳開始コンセンサス配列を加えるためにPCR突然変異誘発の鋳型として使用された(コザック、1986年、細胞、44巻、283−292ページ)。3′末端もまた内部BamHI部位を除去することで変更された。生成断片は配列化された。正しいクローンが発見された時、3方向連続は以下の通り行なわれた:0.7キロベースEcoRI/NheI断片と、2.0キロベースNheI/Bg1II断片はポリリンカーのEcoRIとBc1I部位の間でpEE6hCMV−Bに連続された(Bc1IとBg1IIは適合部位である)。成功裡に細菌形質転換がPCRにより確認された後、これらのクローンの一つ、クローン#6と指定されたものが最終発現ベクターを構築するために使用された。
【0301】
これを行うために、ヒト化重鎖プラスそのhCMVプロモーターを含むクローン#6から誘導された6キロベースBg1II/BamHI断片がpEE12/ヒト化軽鎖ベクター237−4のBamHI部位に挿入された。大腸菌への形質転換の後、正しい配向に軽鎖と重鎖の両方を含むクローンを確認するために、5分間煮沸された細菌コロニー(コロニーPCR)から得られた鋳型DNAを使用してPCRで行われた。2個のオリゴヌクレオチドPCRプライマーが軽鎖の3′末端から重鎖の5′末端にわたる領域を増幅するよう設計された。クローン#12は正しいと確認された。このクローンが軽鎖と重鎖の挿入片を適切な配向で含んでいることを更に確認するために、プラスミドDNAはこのクローンから分離されDNAはBamHI/SaIIで消化された。小さな0.25キロベース断片のクローン#12からの放出は、重鎖およびhCMVプロモーターを含む6キロベースBg1II/BamHI断片で正しい5′から3′への配向にあることを指示していた(もし配向が逆転していたなら、BamHI/Sa1I消化は6.3キロベース断片を産生していた筈であったであろう。
【0302】
NSO細胞系での安定発現
Sa1Iで線型化されたクローン#12DNAは、セルテックのグルタミンシンテターゼ遺伝子増幅システム−操作手順マニュアルに従ってNSO細胞の形質転換のために使用された(第2版:骨髄腫細胞での使用のために、改訂版5、6−14ページ、1992年11月5日)。細胞は3μF、1500ボルト、2パルスで電気穿孔された(107 NSO細胞当り40μgが形質移入された)。電気穿孔の後、細胞はFBS/DME10%の50μL/ウエルでウエル当りそれぞれ16,000、4,000、および1000個の細胞の4−6平板上で平板培養された。次の日、10%透析FBSを持つグルタミン無しIMDMの150μL/ウエルが平板に加えられた。コロニーがグルタミン無し培地で96個のウエル平板上で成長していることが確認されるとコロニーは標識された(MEDI−507抗体遺伝子の遺伝子に結合されたグルタミンシンテターゼの遺伝子をそれらが取り込んだことを示唆している)。形質移入が前に記載のDNAで実行されたことから、全体で204コロニーがエリザでスクリーンされ、最高の力価で選択された。約1/3のコロニーは48個のウエル平板での抗張のために選択され、5日保温され、次いでT−25フラスコで抗張された。著しい細胞成長がどれか特定のT−25フラスコで(更に通常3−6日の内に)生じた時、そのフラスコは更に2,3個のT−25フラスコそれぞれに5×104 生存可能細胞/mlに分割された。これらフラスコの一つはフラスコが妨げられることなく2−3週間成長できるようにして抗体産生を調べるために使用された。他のフラスコは細胞成長率を測定し、どの細胞系が抗体産生、細胞成長、および無血清培地成長への適応性に基づいて更に検査しクローニングする価値があるかどうかを決定できるまで各種細胞系を増殖させるために使用された。この時点で約5週間にわたり、細胞は各継代の前に必ずしも細胞計数を行わないで、細胞系がフラスコからフラスコに単に継代するよう増殖のために使用された。この期間の終りに、サブクローニングが前に説明された基準により決定されて、もっとも有望な細胞系のいくつかで開始された。MEDI−507hu2.2.404は16K細胞/ウエル平板で藩主された平板からのものであった。サブクローニングは0.5および5細胞/ウエルでそれぞれ2個の平板上でクローンMEDI−507hu2.2.204.Xについて行われ、約3週保温するようにされた。
【0303】
クローン#204.11と標識されたサブクローンは5細胞/ウエル平板上で生成された(もともと開始生存細胞密度を計算していた)。この特定平板は96ウエルの33個で成長した。(全平板からの)29個のクローンは標識されエリザでスクリーンされた。29個の内5個のクローンは48個のウエル平板に、次いで保温のため続く5−7日T−25フラスコに抗張のために選別された。全部で5個のクローンが更に5−7日保温され、次いでT−75フラスコで抗張された。5−7日後、これらのフラスコからの細胞は各クローンの凍結ガラスビンを準備するために使用され、細胞の残りは抗体産生率、成長率、および無血清培地への適応性を検査するために使用された。スクリーニング過程が終了した後、最良細胞系の最良クローンの凍結ガラスビンのものが解凍され、それぞれのいくつかのガラスビンを定住のために拡張され、更に培養で評価された。
【0304】
ヒト化MEDI−507とラットLO−CD2aの試験管内機能性と生物学的性質の比較
相対的結合親和性、混合リンパ球反応(MLR)の阻害、二次MLRでアロ抗原に低応答性を誘導する能力、およびHu−CD2遺伝子導入マウスにおけるCD2細胞喪失によるラットLO−CD2aのそれに対するヒト化MEDI−507の機能活性および生物学的活性を比較する研究が行われた。その結果は2個の抗体が類似に行動することを示す。
【0305】
ジャーカット細胞への相対的結合
ジャーカット細胞ベースの結合検定がヒトMEDI−507(ロット、PA112895)の研究ロットの競合結合をラットLO−CD2a(ロットSO82/83)のそれと比較するために実施された。1.3×106 細胞/mlの細胞密度でジャーカット細胞300μLが4℃で 125I−標識ラットLO−CD2aの4mM溶液20μLおよび冷却(未標識)ラットLO−CD2aあるいはヒト化MEDI−507の80μLと共に保温された。標識ラットLO−CD2aの有効濃度は0.2nMであった。未標識ラットLO−CD2aおよびヒト化MEDI−507は2nMから0nMまで変化した。冷却LO−CD2aの有効濃度は20nMを含む管が非特異的結合のための対照として役立った。
【0306】
4℃で30分保温の後、この反応混合物240μLは細いポイプロピレン管でシリコン油混合物50μL(AR−200の2:1(v/v):トーマス・シリコン・オイル)の最上部に層状に置かれ、微小遠心分離機で14,000×g、5分遠心分離された。標識抗体の結合抗体からの分離は細胞をオイルプラグを通して沈澱させることで達成された。油層は切断され計数された。分離前の反応混合物100μLが全投入cpmを決定するために直接計数された。検定の分析はラットLO−CD2aとヒト化MEDI−507の間で類似の結合パターンを示している。
【0307】
MLRの阻害
混合リンパ球反応を阻害するラットLO−CD2a(ロットSO82/83)と2個の異なった研究ロットのヒト化MEDI−507(ロットQASとASQ)の能力が試験された。照射ヒト刺激体PBMCがラットLO−CD2a、ヒト化MEDI−507、および適切なアイソタイプ対照の10乃至60ng/mLにわたる濃度での存在下で異なった供与体からのヒト応答個体PBMCと共に保温された。5日間37℃の保温で、培養は 3H−チミジンでパルスされ、チミジン取り込みが決定された。この結果(図46)は、ラットLO−CD2aとヒト化MEDI−507の両方が用量依存の方式で同じようにMLRを阻害することを示している。
【0308】
低応答性の誘導
ラットLO−CD2aの重要な生物学的性質は試験管内アロ抗原特異的低応答性を誘導する能力である。低応答性を誘導するヒト化MEDI−507(ロットQASとASQ)の能力でラットLO−CD2a(ロットSO82/83)のそれと比較された。
【0309】
一次MLRsがヒト化MEDI−507、ラットLO−CD2a,あるいは適切なアイソタイプ対照、および無抗体の対照培養で10ng/ml、60ng/mlおよび200ng/mlの存在下で実行された。7−8日保温後、細胞は培養から分離され、フィコール液に入れられ、洗浄され、培養培地で再懸濁されまた37℃で3−4日「休止」を許された。これらの培養からの細胞はもとの供与体からの照射刺激体細胞を含む二次MLR培養で応答固体細胞として使用された。培養は次いで追加で48時間保温され、 3H−チミジンでパルスされ、またチミジン取り込みが決定された。結果の分析(図61)はヒト化MEDI−507もアロ抗原の攻撃に対し低応答性の状態を誘導することを示している。
【0310】
CD2細胞喪失
マウス(Hu−CD2遺伝子導入マウス)に移植されたヒトCD2受容体に対するヒト化MEDI−507とラットLO−CD2aの作用が比較された。25匹のHu−CD2遺伝子導入マウスが5グループの一つに割当てられ、ヒト化MEDI−507(0.12mg/kgあるいは0.006mg/kg)、ラットLO−CD2a(0.12mg/kgあるいは0.06mg/kg)、もしくは緩衝液対照(5匹のマウス/グループ)を受けた。マウスは0日(用量を受ける前)、1、3、7、14、21、28、36および44の各日に採血され、血液はCD2リンパ球を分析された。
【0311】
全血液はヘパリンを含む管に収集された。20μLアリコート4個が96ウエル、円底組織培養平板に分配され、適切な抗体で染色され、赤血球を溶解し染色細胞を固定するためにFACSライスで処置された。非結合抗体と細胞破片を除去するための洗浄の後、残存リンパ球集団がフローサイトメトリーで分析された。
【0312】
図62は、低用量のヒト化MEDI−507とラットLO−CD2a(0.006mg/kg、これらのマウスでそれは0.15μg用量になる)がCD2細胞総数に何ら検出可能な作用を与えなかったことを示した。これらのマウスは14日の時点以後は検査されなかった。高用量のヒト化MEDI−507とラットLO−CD2a(0.12mg/kg、これらのマウスでそれは3.0μg用量になる)はCD2細胞総数に大きな喪失作用を与えた。ヒト化およびラット抗体を高用量で処置した遺伝子導入マウスにおけるCD2保持細胞の補充も比較できた。
【0313】
(産業上の利用可能性)
以上のように、この発明はヒトあるいは非ヒト霊長類におけるT細胞の活性化および増殖を阻害して移植片拒絶反応を阻害するLO−CD2aからのヒト化抗体を産生し、合せて、免疫応答を阻害しまた移植片拒絶を阻害する方法も開示される。
【0314】
この発明の数多くの修飾および変更が前記教訓を考慮して可能であり、また従って、前に記載した請求の範囲内でこの発明は特に記載されたもの以外にも実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ビオチン化LO−CD2aおよびLeu−5bPEを用いる末梢血単核細胞(PBMC)の2色染色
この染色のために下記のパラメータが続いた。
【図2】 ヒトPBMCがLO−CD2a−FITCで染色され、次いでa)フィコエリスリン(PE)に接合されたT11−PE(CD2に対するコールター抗体)、あるいはb)フィコエリスリン(PE)に接合されたLeu−5B−PE(CD2に対するベクトン・ディキンソン抗体)で染色された。いずれの場合もLO−CD2aでの前処理により変更された二次抗体による染色はなかった。
【図3】 ヒトPBMCがLO−CD2a−FITCで染色され、次いでa)フィコエリスリン(PE)に接合されたT11−PE(CD2に対するコールター抗体)、あるいはb)フィコエリスリン(PE)に接合されたLeu−5B−PE(CD2に対するベクトン・ディキンソン抗体)で染色された。いずれの場合もLO−CD2aでの前処理により変更された二次抗体による染色はなかった。
【図4】 膜マーカーに対するLO−CD2aの作用。2×106 細胞/mlでのPBMCがLO−CD2a(200ng/ml)の不在下(実線)あるいは存在下(破線)で培養された。図面で示された時間で、細胞は採取されサイトフルオロメーター分析のために処理された。a)およびb);PBMCは抗CD3(Leu−4a−FITC)、抗CD4(T4−RD)mAbs、抗クラスII抗原(LO−DRa−FITC)あるいは抗CD8(T8−RD)モノクローナル抗体(mAbs)で標識された。商業用マウスmAbsのための負の対照はFITCあるいはローダミン標識マウスIgGsで染色された同一細胞のアリコートであった。ラットmAbsの負の対照は標準ラット血清、続いてFITC標識マウス抗ラットmAb(MARK−FITC)により保温された細胞であった。結果は正の細胞の割合として示される。
【図5】 LO−CD2aの追加ありおよび追加なしでのLO−CD2aの膜マーカーおよびヒト血液リンパ球培養に対する作用。1×106 細胞/mlでのリンパ球培養が、a)抗CD2(Leu−5b−FITC)、抗CD4(T4 −RD1)mAb、あるいは抗CD8(T8−RD)mAbで指示された時点で標識された。商業用マウスmAbのための負の対照はFITCあるいはローダミン標識マウスIgGsで染色された同一細胞のアリコートであった。ラットmAbsのための負の対照は標準ラット血清で、次いでFITC標識マウス抗ラットmAb(MARK−FITC)で保温された細胞であった。結果は正細胞の割合として示される。
【図6】 CD2発現に対するLO−CD2aおよびLeu−5bの作用。ヒトPBMCが、a)LO−CD2a(200ng/ml)あるいはb)Leu−5b(PBSに対して透析され、1:2に希釈されたもの)で指示された時点で保温され、a)CD2(Leu−5b−FITCおよびT11−RD1)の発現、およびLO−CD2a(Mark−3−FITC)の結合、あるいはb)CD2(LO−CD2a−FITC、T11−RD1)およびLeu−5bヤギ抗マウス(GAM−FITC)の発現のために染色された。
【図7】 MLRに対するLO−CD2aの作用。a)0時点で付加されたLO−CD2aの増加する濃度の存在下で6日保温された混合リンパ球培養におけるMLRの阻害。培養は6日で採取された。b)0時点で付加されたLO−CD2aの異なった濃度で保温された混合リンパ球培養におけるMLRの阻害。培養は24時間間隔で採取された。c)LO−CD2a(200ng/ml)の不在下(実線)あるいは存在下(破線)で混合リンパ球培養による 3H−チミジン(H−T)取り込み(cpm)。d)保温開始後異なった時点で付加されたLO−CD2a(200ng/ml)によるMLRの阻害。培養は6日に採取された。すべての培養は最終量200μg/ウエルで三つ組み(各供与体/mlの1×106 細胞)が作られた。培養採取の8時間前に 3H−チミジンが加えられた。c)の結果は指示された時点で採取されたウエル当り取り込まれたcpm×103 として示される。a),b)およびd)の結果は対照培養(LO−CD2aなしのもの)と比較した三つ組み培養(平均値±標準偏差)のMLRの阻害割合として示される。
【図8】 MLCの間の芽細胞に対するLO−CD2aの作用。末梢血単核細胞がLO−CD2aの200ng/mlの付加もしくは付加なしでの混合リンパ球培養で培養された。指示された時点で細胞は除去され、CD2(Leu5b−FITC)に対する抗体で染色された後フローサイトメトリーにより分析された。芽細胞は前方および側面散乱でゲート化され、指示マーカーの発現は芽細胞で計量された。
【図9】 MLCの間の休止細胞に対するLO−CD2aの作用。ヒトリンパ球がLO−CD2a(200ng/ml)の付加ありあるいは付加なしで培養された。指示された時点で細胞は除去され、CD3(Leu4a−FITC)、CD4(T4−RD1)、CD8(T8−RD1)あるいはCD25(LO−TACT−1−FITC)で染色された。休止リンパ球はサイズおよび粒度に対する差動ゲート化により確認され、結果は指示された抗体での全休止リンパ球染色の割合で示される(図9)。LO−CD2aありおよび無しの培養でLeu−5bにより正に染色された休止細胞の割合は図10で示される。
【図10】 MLCの間の休止細胞に対するLO−CD2aの作用。ヒトリンパ球がLO−CD2a(200ng/ml)の付加ありあるいは付加なしで培養された。指示された時点で細胞は除去され、CD3(Leu4a−FITC)、CD4(T4−RD1)、CD8(T8−RD1)あるいはCD25(LO−TACT−1−FITC)で染色された。休止リンパ球はサイズおよび粒度に対する差動ゲート化により確認され、結果は指示された抗体での全休止リンパ球染色の割合で示される(図9)。LO−CD2aありおよび無しの培養でLeu−5bにより正に染色された休止細胞の割合は図10で示される。
【図11】 ミトゲン刺激リンパ球に対するLO−CD2aの作用。PBMCがOKT3(100ng/ml)、Con−A(10μg/ml)およびPHA(1μg/ml)の不在下あるいは存在下で96時間培養された。平行培養において、LO−CD2a(200ng/ml)がミトゲンの1時間後(グレー棒)あるいはミトゲンの1時間前(白地棒)に加えられた。格子模様棒はLO−CD2aのみの存在下で行われた培養を表す。(三つ組みの)培養は保温の最後の8時間に 3Hチミジンでパルス標識された。
【図12】 PMBCのミトゲン駆動活性化に対するLO−CD2aの作用。2個の供与体からのPMBCS がOKT3(100ng/ml)、CON−A(10μg/ml)およびPHA(1μg/ml)の存在下で96時間培養された。平行培養において、LO−CD2a(200ng/ml)が培養開始0日(0時間)、1日(24時間)、あるいは2日(48時間)で付加された。グラフは各供与体におけるミトゲン誘導増殖のLO−CD2aによる阻害の割合を示す。
【図13】 LO−CD2aの存在下でエフェクター細胞および標的細胞(51CR標識K562細胞)の保温によるNK活性の阻害。LO−CD2aの3種の濃度:5μg/ml,1μg/ml,0.5μg/mlが試験された。NK活性の末梢血リンパ球であったエフェクター細胞は標識標的細胞の溶解度パーセントで示される。2個の標準被験材料が3種のE/T比率:200/1,100/1,50/1で試験された。
【図14】 LO−CD2aの存在下でエフェクター細胞および標的細胞(51CR標識K562細胞)の保温によるNK活性の阻害。LO−CD2aの3種の濃度:5μg/ml,1μg/ml,0.5μg/mlが試験された。NK活性の末梢血リンパ球であったエフェクター細胞は標識標的細胞の溶解度パーセントで示される。2個の標準被験材料が3種のE/T比率:200/1,100/1,50/1で試験された。
【図15】 10日間(0日−9日)にわたりLO−CD2aを20mg/日受けたシノモルグスサル(Cynomolgus monkey)の末梢血のμl当り全リンパ球。
【図16】 10日間(0日−9日)にわたり20mg/日でLO−CD2aを受けたシノモルグスサルのPBMCがCD2(Leu−5b)、CD4(Leu3a)、CD8(Leu2a)、ナチュラルキラー細胞(CD8およびCD11b)、およびB細胞(抗−IgM)に対するモノクローナル抗体で指示された日に染色され、フローサイトメトリーにより分析された。結果は血液のマイクロリットル当り染色細胞全数の割合で示される。
【図17】 10日間(0日−9日)にわたり20mg/日でLO−CD2aを受けたシノモルグスサルのNK活性。NK活性は11日および22日で検定され、25/1、50/1および100/1のE/Tでの溶解度%で示された。
【図18】 10日間(0日−9日)にわたり20mg/日で抗体を受けたシノモルグスサルのLO−CD2aの血清濃度。モノクローナル抗体が本文に記載された通りエリザにより測定されまたμg/mlで表現された。
【図19】 10日間(0日−9日)にわたりLO−CD2aを20mg/日受けたシノモルグスサルにおけるLO−CD2aに対するIgG抗体の推移。モノクローナル抗体に対する抗体が本文に記載されたサンドイッチエリザにより指定された日に引き出された血清の連続希釈で測定され、492nmの光学密度(吸光度)で示される。
【図20】 ヒヒリンパ球に対するLO−CD2aの作用。
a)指示された日に血液がヒヒから得られ、結合LO−CD2aを検出するために、細胞が抗CD2抗体T11−RD1およびLeu−5b−FITC、LO−CD2aおよびMARK3−FITC、FITCに結合されたマウス抗ラットカッパ1b抗体で染色された。
b)指示された日に採取された血清サンプルがエリザによりLO−CD2aのレベルを評価された。
【図21】 ヒヒリンパ球に対するLO−CD2aの作用。
指示された日に血液が採取され、結合LO−CD2aを検出するために細胞がPE−接合ストレプトアビジンで検出されるMARK3−FITCおよびMARK2b−8−ビオチン(ビオチンに接合されたマウスモノクローナル抗ラットIgG2b抗体)で染色された。
a)細胞の前処理なし。
b)循環抗体で占有されていないいずれかの部位を検出するために染色に先立つLO−CD2a、2.5μg/mlでの保温。
【図22】 ヒヒリンパ球に対するLO−CD2aの作用。
指示された日に血液サンプルが採取されT4−RD1(CD4)、T8−RD1(CD8)あるいはMARK3−FITC(LO−CD2aに結合)で染色された。
【図23】 同種移植片拒絶反応のためATG次いでLO−CD2aで処置された患者#1の白血球、リンパ球およびクレアチニン。
【図24】 患者#1における処置中および処置後のLO−CD2aの血清レベル。
【図25】 LO−CD2aでの処置前、処置中および処置後の患者#2におけるクレアチニン。
【図26】 LO−CD2aでの処置前、処置中および処置後の患者#2における白血球数およびリンパ球数。
【図27】 各注射の直前および2.5時間後に取り出された患者#2におけるLO−CD2aの血清レベル。
【図28】 腎同種移植片拒絶反応に関しLO−CD2aを受けた患者#3における白血球数、リンパ球数および血清クレアチニンレベル。
【図29】 LO−CD2aおよび(2)Leu5b、(3)Leu4(CD3)、(4)Leu3a(CD4)、(5)Leu2b(CD8)および(6)Leu11(抗CD16)NK細胞のマーカーでの二色染色。LO−CD2a結合はヤギ抗ラットIG−FITCで検出された。2色ヒストグラムの上部セット(1−6)は二色染色を示す。下部セット(7−12)は各抗体での単一染色を示す。
【図30】 LO−CD2aおよび(2)Leu5b、(3)Leu4(CD3)、(4)Leu3a(CD4)、(5)Leu2b(CD8)および(6)Leu11(抗CD16)NK細胞のマーカーでの二色染色。LO−CD2a結合はヤギ抗ラットIG−FITCで検出された。2色ヒストグラムの上部セット(1−6)は二色染色を示す。下部セット(7−12)は各抗体での単一染色を示す。
【図31】 LO−CD2aに対するラットアイソタイプ対照(ファーミンゲン、精製ラットIgG2b、カッパ)、あるいはLO−CD2aとCD4(c,d)、CD8(e,f)、CD16(g,h)、CD19(i,j)およびCD2(k,l)に対するフィコエリスリン接合抗体でのヒトPBLの2色染色。LO−CD2aおよびアイソタイプ対照はFITC接合アフィニティー精製F(ab′)2抗ラット免疫グロブリン(サザン・バイオテクノロジー)で検出された。CD抗原に対する抗体はすべてベクトン・ディキンソンから得たフィコエリスリン接合抗体であった〔CD4(Leu3a)、CD8(Leu2a)、CD16(Leu−11b)、CD19(Leu12)およびCD2(LeuSb)〕。それぞれの場合アイソタイプ対照での染色は第一ヒストグラムでまたLO−CD2aは第二ヒストグラムで示される。ヒストグラムaはアイソタイプ対照でのパターンをまたbはLO−CD2aでのパターンを示す。
【図32】 LO−CD2aに対するラットアイソタイプ対照(ファーミンゲン、精製ラットIgG2b、カッパ)、あるいはLOCD2aとCD4(c,d)、CD8(e,f)、CD16(g,h)、CD19(i,j)およびCD2(k,l)に対するフィコエリスリン接合抗体でのヒトPBLの2色染色。LO−CD2aおよびアイソタイプ対照はFITC接合アフィニティー精製F(ab′)2抗ラット免疫グロブリン(サザン・バイオテクノロジー)で検出された。CD抗原に対する抗体はすべてベクトン・ディキンソンから得たフィコエリスリン接合抗体であった〔CD4(Leu3a)、CD8(Leu2a)、CD16(Leu−11b)、CD19(Leu12)およびCD2(LeuSb)〕。それぞれの場合アイソタイプ対照での染色は第一ヒストグラムでまたLO−CD2aは第二ヒストグラムで示される。ヒストグラムaはアイソタイプ対照でのパターンをまたbはLO−CD2aでのパターンを示す。
【図33】 野生型CD2で形質移入されたCOS細胞の染色の細胞蛍光間接撮影分析。左側パネルはCD2を含まない対照ベクターで形質移入されたCOS細胞の染色のヒストグラム、右側のセットのパネルは完全CD2分子を含むベクターで一過性形質移入されたCOS細胞の染色のヒストグラムを示す。各セットにおいて、上部ヒストグラムはネズミW632(COS細胞により発現されるものとして知られるクラスIに対する抗体)、および76−2−11(ネズミW632のためのアイソタイプ対照)での染色を示す。中位パネルはLeu5b(ベクトン・ディキンソンからの抗CD2)および76−2−11、Leu5b染色のためのアイソタイプ付合対照での染色を示し、下部パネルはLO−CD2aおよびLO−CD2aのためのラットアイソタイプ付合対照での染色を示す。
【図34】 キメラLO−CD2a VL 鎖のヌクレオチドおよびアミノ酸配列。
【図35】 キメラLO−CD2a VL 鎖のヌクレオチドおよびアミノ酸配列。
【図36】 キメラLO−CD2a VL 鎖のヌクレオチドおよびアミノ酸配列。
【図37】 キメラLO−CD2a VH 鎖のヌクレオチドおよびアミノ酸配列。
【図38】 キメラLO−CD2a VH 鎖のヌクレオチドおよびアミノ酸配列。
【図39】 ラットLO−CD2a、ヒトHUM5400およびヒト化LO−CD2aの軽鎖可変領域のアミノ酸配列。
【図40】 ヒト化LO−CD2a可変領域のヌクレオチドおよびアミノ酸配列。
【図41】 ヒト化LO−CD2a可変領域のヌクレオチドおよびアミノ酸配列。
【図42】 ヒト化LO−CD2a可変領域のヌクレオチドおよびアミノ酸配列。
【図43】 ラットLO−CD2a、ヒトAmu5−3、およびヒト化LO−CD2aの重鎖可変領域のアミノ酸配列。
【図44】 ヒト化LO−CD2aの重鎖可変領域のヌクレオチドおよびアミノ酸配列。
【図45】 ヒト化LO−CD2aの重鎖可変領域のヌクレオチドおよびアミノ酸配列。
【図46】 ヒト化LO−CD2aの重鎖可変領域のヌクレオチドおよびアミノ酸配列。
【図47】 ラットLO−CD2a、ヒト化LO−CD2aのジャーカット細胞への結合。
【図48】 ラットLO−CD2a、ヒト化LO−CD2a、および対照ラットならびにヒト免疫グロブリンによる試験管内低応答性の誘導。
【図49】 LO−CD2aによる一次MLRの阻害および一次MLR内でのLO−CD2aで培養されたT細胞の二次MLR内での抗原あるいはMLR内での第三者刺激体に対する応答。
【図50】 LO−CD2aによる一次MLRの阻害および一次MLR内でのLO−CD2aで培養されたT細胞の二次MLR内での抗原あるいはMLR内での第三者刺激体に対する応答。
【図51】 一次MLR内でLO−CD2aで培養されたT細胞の二次MLR内での抗原あるいは二次培養内での破傷風トキソイドに対する応答。
【図52】 MLRに対するLO−CD2aのF(ab′)2 断片の作用。
【図53】 無傷LO−CD2a抗体とLO−CD2aのF(ab′)2 断片の可溶OKT3によるPBMCの増殖に対する阻害性の比較。
【図54】 LO−CD2aの阻害性についてのAPCS の平板結合OKT3により誘導される増殖に対する作用。
【図55】 ラットLO−CD2a、ヒト化抗体MEDI−507、およびヒトAmu5−3の重鎖可変領域のアミノ酸配列。
【図56】 ラットLO−CD2a、ヒト化抗体MEDI−507、およびヒトAmu5−3の重鎖可変領域のアミノ酸配列。
【図57】 hcmv−V11ys−kr−neoおよびhcmv−VhLys−gammal−neoのプラスミド地図。
【図58】 pEE6hCMV−BおよびpEE12のプラスミド地図。
【図59】 結合測定法に基づくラットLO−CD2aとジャーカット細胞のヒト化MEDI−507抗体との比較。
【図60】 リンパ球混合反応を阻害するためのLO−CD2a、ヒト化MEDI−507抗体、およびヒトIgGの能力の比較。1個の応答体/刺激体対のMLR応答がラットLO−CD2aあるいはMEDI−507による応答の相対的阻害の例として示される。ラットIgG2bあるいはヒトIgGはアイソタイプ対照である。
【図61】 低応答性検定でのラットLO−CD2a及びヒト化MEDI−507抗体の比較。要約すると、全部で7日のMLRがラットLO−CO2a、MEDI−507あるいは対照ラットもしくはヒトIgGの存在下で6ウエル平板で実行された。培養は死亡細胞を除去するためにフィコールにされ、3乃至4日培地に置かれた。細胞は次いでもとの異形刺激体を持つ二次攻撃に対し増殖する能力を評価された。外因性抗体を受けなかった一次MLRの再攻撃された培養に関連する増殖の対照%が示される。この「培地」処置培養は100%応答と測定される。
【図62】 CD2細胞総数に対するラットLO−CD2aおよびヒト化MEDI−507抗体の作用の比較。

Claims (6)

  1. CDRのすべてが、ATCC HB11423として寄託された細胞系から産生されるLO−CD2a由来するヒト化抗体であって、
    記ヒト化抗体の重鎖可変領域のフレームワーク
    図55および56に記載されるヒトAmu5−3のフレームワークにおいて、
    アミノ酸47、67、70、72、76、85、87と、アミノ酸12、13、28、48のうちの1個、2個、3個あるいは4個を、前記LO−CD2aのアミノ酸に置換したものであることを特徴とするヒト化抗体。
  2. 請求項1記載のヒト化抗体であって、前記ヒト化抗体の重鎖可変領域のフレームワーク、図55および56に記載されるヒトAmu5−3のフレームワークにおいて、アミノ酸12、13、28、47、48、67、70、72、76、85および87を、前記LO−CD2aのアミノ酸に置換したものであることを特徴とするヒト化抗体。
  3. 請求項1記載のヒト化抗体であって、前記ヒト化抗体の軽鎖可変領域のフレームワーク、図39に記載されるヒトHUM5400のフレームワークにおいて、1個もしくはそれ以上のアミノ酸9、12、41、42、50、51および82を、前記LO−CD2aのアミノ酸に置換したものであることを特徴とするヒト化抗体。
  4. 請求項3記載のヒト化抗体であって、前記ヒト化抗体の軽鎖可変領域のフレームワーク、図39に記載されるヒトHUM5400のフレームワークにおいて、アミノ酸9、12、41、42、50、51および82を、前記LO−CD2aのアミノ酸に置換したものであることを特徴とするヒト化抗体。
  5. 請求項1記載のヒト化抗体であって、ヒト化抗体の重鎖可変領域が図55および56のアミノ酸配列を持つことを特徴とするヒト化抗体。
  6. 請求項3記載のヒト化抗体であって、ヒト化抗体の軽鎖可変領域が図39のアミノ酸配列を持つことを特徴とするヒト化抗体。
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