JP4805608B2 - 二軸配向積層フィルムおよび磁気記録媒体 - Google Patents
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Description
さらにまた、本発明によれば、本発明の二軸配向積層フィルムと、その片面に設けられた磁性層とからなる磁気記録媒体も提供される。
本発明の二軸配向積層フィルムは、後述の芳香族ポリエステル(以下、芳香族ポリエステル(a)と称することがある。)からなるフィルム層Aと該芳香族ポリエステル(a)と後述のポリオレフィン(以下、ポリオレフィン(b)と称することがある。)との熱可塑性樹脂組成物(c)からなるフィルム層Bとが全層数で4層以上積層された多層積層フィルムである。フィルム層Aとフィルム層Bとの層数の和(以下、全層数)が下限以上あることにより、このような異質の樹脂からなるフィルム層であっても、層間の剥離などによる工程悪化を惹起することなく製膜することができる。好ましい全層数は、8層以上、さらに16層以上、特に32層以上であり、上限は特に制限されないが、工程の煩雑化を防ぐ観点から500層、好ましくは250層である。フィルム層Aとフィルム層Bの積層構成は特に制限されないが、通常は交互に積層され、本発明の目的を阻害しない範囲で、他の樹脂からなるフィルム層が積層されていても良い。
本発明において、フィルム層Aは芳香族ポリエステルからなり、本発明の目的を阻害しない範囲、例えば10重量%以下、好ましくは5重量%以下の範囲で、他の樹脂を混合または共重合したものであっても良い。
本発明において、フィルム層Bは、前述の芳香族ポリエステル(a)とポリオレフィン(以下、ポリオレフィン(b)と称することがある。)との熱可塑性樹脂組成物からなり、本発明の目的を阻害しない範囲、例えば10重量%以下、好ましくは5重量%以下の範囲で、他の樹脂を混合または共重合したものであっても良い。フィルム層B中の芳香族ポリエステル(a)とポリオレフィン(b)との重量比は、5:95〜95:5の範囲にあることが必要である。芳香族ポリエステル(a)の割合が上限を超えるか、ポリオレフィン(b)の割合が下限を下回ると、目的とする湿度変化に対する寸法安定性向上効果が乏しく、一方、芳香族ポリエステル(a)の割合が下限を下回るか、ポリオレフィン(b)の割合が上限を越えると、製膜はできるもののその後の取り扱いで、層間の剥離が発生してしまう。好ましいフィルム層B中の芳香族ポリエステル(a)とポリオレフィン(b)との重量比は、7:93〜93:7、さらに10:90〜90:10、特に15:85〜85:15、最も好ましくは50:50〜80:20である。
また、本発明におけるシンジオタクチックスチレン系重合体は、重合平均分子量が10,000以上、さらに50,000以上であることが好ましい。重合平均分子量が下限に満たない場合、耐熱性や機械特性が不十分である。一方、重合平均分子量の上限は500,000以下であることが好ましい。かかる上限を超える場合、製膜性に乏しくなる場合がある。本発明におけるポリオレフィン(b)は、必ずしも単一化合物である必要はなく、2種以上のポリオレフィンの混合体であってもかまわない。
本発明の二軸配向積層フィルムは、少なくとも一方の露出面の表面粗さWRa(中心面平均粗さ)が1〜10nm、さらには2〜10nm、特に2〜8nmであることが好ましい。この表面粗さWRaが上限より大きいと、磁性層の表面が粗くなり、満足し得る電磁変換特性が得られなくなる。一方、この表面粗さWRaが下限未満であると、表面が平坦になりすぎ、パスロールまたカレンダーでの滑りが悪くなり、シワが発生し、磁性層をうまく塗布できなくなったり、またうまくカレンダーをかけられなくなってしまう。また、他方の露出面の表面粗さWRa(中心面平均粗さ)は、前記WRaと同じにしても良いし、前記WRaよりも大きく、5〜20nm、さらには6〜15nm、特に8〜12nmにしてもよい。この後者の表面粗さWRaが上限より大きいと、走行面側表面の凹凸が磁性層側表面に転写したりして、磁性層側の表面が粗くなり、満足し得る電磁変換特性が得られなくなる。一方、この後者の表面粗さWRaが下限未満であると、表面が平坦になりすぎ、パスロールまたカレンダーでの滑りが悪くなり、シワが発生し、磁性層をうまく塗布できなくなったり、またうまくカレンダーをかけられなくなってしまう。二軸配向積層フィルムの2つの表面を異なる表面形態にすることは、電磁変換特性と走行性との調整をより容易にできることから好ましい。
本発明の二軸配向積層フィルムは、フィルムの製膜方向(以下、縦方向、長手方向またはMD方向と称することがある。)および幅方向(以下、横方向またはTD方向と称することがある。)のヤング率がともに5GPa以上であることが必要である。どちらか一方でもヤング率が下限よりも小さいと、湿度変化による寸法変化が小さくても、磁気記録媒体としたときに係る負荷に耐えられなかったり、温湿度変化で変形してしまう。また、製膜方向と幅方向のヤング率の和は、高々22GPaである。製膜方向のヤング率と幅方向のヤング率の和が、上限を超えると、フィルム製膜時、延伸倍率が過度に高くなり、フィルム破断が多発し、製品歩留りが著しく悪くなる。好ましい製膜方向と幅方向のヤング率の和の上限は、20GPa以下、さらに18GPa以下である。
本発明の二軸配向積層フィルムは、フィルムの幅方向の湿度膨張係数αhが0.1×10−6〜13×10−6/%RHの範囲にあることが好ましい。好ましいαhは、0.5×10−6〜10×10−6/%RH、特に1×10−6〜8×10−6/%RHの範囲である。αhを下限よりも小さくするには、過度にポリオレフィン(b)を存在させたりすることになり、製膜性が低下し、一方上限を超えると、湿度変化によってフィルムが伸びてしまい、トラックずれなどを惹起することがある。このようなαhは、測定方向のヤング率を延伸により向上させ、かつポリオレフィンを混在させることによって達成される。
本発明の二軸配向積層フィルムは、フィルムの幅方向の温度膨張係数αtが−10×10−6〜+15×10−6/℃の範囲にあることが好ましい。好ましいαtは、−8×10−6〜+10×10−6/℃、特に−5×10−6〜+5×10−6/℃の範囲である。αtが、下限よりも小さいと収縮してしまい、一方上限を超えると、温度変化によってフィルムが伸びてしまい、トラックずれなどを惹起することがある。このようなαtは、測定方向のヤング率を延伸により向上させ、かつポリオレフィンの存在量を前述の上限以下にすることによって達成される。
本発明の二軸配向積層フィルムは、フィルム全体の厚みが2〜10μm、さらに3〜7μm、特に4〜6μmであることが好ましい。この厚みが上限を超えると、テープ厚みが厚くなりすぎ、例えばカセットに入れるテープ長さが短くなったりして、十分な磁気記録容量が得られないことがある。一方、下限未満ではフィルム厚みが薄いが故に、フィルム製膜時にフィルム破断が多発したり、またフィルムの巻取性が不良となったりすることがある。
本発明において、熱可塑性樹脂組成物(c)からなるフィルム層Bは、芳香族ポリエステル(a)とポリオレフィン(b)との混合物により形成され、ポリオレフィン(b)が島状に分散していることが好ましい。ここで「島状の分散形状」とは、球状、楕円状、棒状のいずれでも良い。本発明においては、MD方向に引き伸ばされた棒状の分散形状が多く観察され、MD方向の平均長さが20μm以下であることがより好ましい。かかる平均長さは、得られたフィルムのMD方向に平行な厚み断面を光学顕微鏡(Nikon社製OPTPHOT−2)を用いて200倍で観察し、100個のオレフィン(b)からなる分散相のMD方向の長さを測定して平均することで求められる。
本発明の二軸配向積層フィルムは、以下の方法にて製造するのが好ましい。
本発明の二軸配向積層フィルムは、優れた湿度変化に対する寸法安定性を付与する目的で、芳香族ポリエステル(a)からなるフィルム層Aと芳香族ポリエステル(a)とポリオレフィン(b)との、さらに要すれば熱可塑性非晶樹脂(d)との熱可塑性樹脂組成物(c)からなるフィルム層Bとが全層数で少なくとも4層積層された多層積層フィルムであり、ポリオレフィン(b)による優れた湿度変化に対する寸法安定性と芳香族ポリエステル(a)による優れた力学特性と製膜性とを、得られる二軸配向積層フィルムに付与することができる。
また、塗布層を設ける場合、前記した積層未延伸フィルムまたは積層一軸延伸フィルムの片面または両面に所望の塗布液を塗布するのが好ましい。
本発明によれば、本発明の上記二軸配向積層フィルムをベースフィルムとし、その片面上に磁性層を有する磁気記録媒体が同様に提供される。なお、磁性層を形成する面は、二軸配向積層フィルムのより平坦な方の表面であることが好ましい。
(1)ヤング率
フイルムを試料幅10mm、長さ15cmに切り、チャック間100mmにして引張速度10mm/min、チャート速度500mm/minでインストロンタイプの万能引張試験装にて引張り、得られる荷重−伸び曲線の立上り部の接線よりヤング率を計算する。なお、測定方向が試料の長手方向であり、ヤング率は10回測定し、その平均値を用いた。
WYKO社製非接触式三次元粗さ計(NT−2000)を用いて測定倍率25倍、測定面積246.6μm×187.5μm(0.0462mm2)の条件にて、該粗さ計に内蔵された表面解析ソフトにより、中心面平均粗さ(WRa)を次式にて求める。なお、測定は、10回繰り返し、それらの平均値を用いた。
島津製作所製CP−50型セントリフュグル パーティクル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle Size Analyzer)を用いて測定する。得られる遠心沈降曲線をもとに算出する各粒子の粒径とその存在量との累積曲線から、50マスパーセント(mass percent)に相当する粒径を読み取り、この値を上記平均粒径とする。
フィルムサンプルを幅方向が測定方向となるように長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、窒素雰囲気下(0%RH)、60℃で30分前処理し、その後室温まで降温させる。その後25℃から70℃まで2℃/minで昇温し、各温度でのサンプル長を測定し、次式より温度膨張係数(αt)を算出する。なお、測定方向が試料の長手方向であり、10回測定し、その平均値を用いた。
L60:60℃のときのサンプル長(mm)
△T:20(=60−40)℃
0.5×10−6:石英ガラスの温度膨張係数である。
フィルムサンプルを幅方向が測定方向となるように長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、30℃の雰囲気下で、窒素雰囲気下から、湿度30%RH、および湿度70%RHの一定に保ち、その時のサンプルの長さを測定し、次式にて湿度膨張係数を算出する。なお、測定方向が試料の長手方向であり、10個の試料について行い、その平均値をαhとした。
L70:70%RHのときのサンプル長(mm)
△H:40(=70−30)%RHである。
芳香族ポリエステル(a)またはポリオレフィン(b)それぞれ10mgを、測定用のアルミニウム製パンに封入し、TAinstruments社製示差熱量計DSC2920を用いて25℃から300℃まで20℃/minの昇温速度で測定し、それぞれの融点(芳香族ポリエステル(a)の融点:Tma、ポリオレフィン(b)の融点:Tmb)およびガラス転移点(芳香族ポリエステル(a)のガラス転移点:Tga、ポリオレフィン(b)のガラス転移点:Tgb)を求めた。
ヒューレットパッカード社製、LTO1のドライブを用いて、10℃、10%RHの温湿度下で記録した後30℃、80%RHの温湿度下で再生し、温湿度変化による磁気テープの磁気ヘッドに対するトラックずれ幅を測定した。
これらのずれ幅の絶対値が少ないほど良好であることを示す。
製膜時の状況を観察し、以下の基準でランク分けする。
◎:製膜する上で切断などの問題がなく、12時間以上連続製膜できる。
○:製膜可能である条件が狭く限定されるが、長尺のロールの採取は可能。
×:連続製膜性に劣り、極短時間でしか製膜ができない。
積層フィルムを3角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋する。ミクロトーム(ULTRACUT−S)で、製膜方向と厚み方向とに平行な方向にカットして、厚み50nm薄膜切片にする。そして、透過型電子顕微鏡を用い、加速電圧1000kvにて観察し、倍率1万倍〜10万倍で撮影し、写真より各層の厚みを測定した。
サンプルフィルムの片面にカッターナイフにより2mm間隔で縦横各6本の切れ目を入れて、25個の碁盤目作った。そして、サンプルフィルムの両面に24mm幅の粘着テープ(ニチバン社製、商品名:セロテープ(登録商標))を貼り付け、碁盤目のある側の粘着テープを180度の剥離角度で急激に剥がした後、剥離面を観察し、以下の基準で評価した。
○:剥離した面積がなく、層間の密着性が良好
△:剥離面積が20%未満で、層間の密着性が不良
×:剥離面積が20%以上で、層間の密着性が極めて不良
平均粒径0.5μmシリコーン粒子を0.02wt%および平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.3wt%添加した、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.62、融点(Tm)は269℃のポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)を160℃で3時間乾燥後、押し出し機に供給して溶融し、ダイへと導き、キャスティングドラム上にキャストして未延伸シートを作成した。なお、ダイから押し出された積層未延伸シートは、表面仕上げ0.3S、表面温度60℃に保持したキャスティングドラム上で急冷固化せしめて、未延伸フィルムとされた。
磁性塗料の組成:
針状Fe粒子 100重量部
塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体 15重量部
(積水化学製エスレック7A)
熱可塑性ポリウレタン樹脂 5重量部
酸化クロム 5重量部
カーボンブラック 5重量部
レシチン 2重量部
脂肪酸エステル 1重量部
トルエン 50重量部
メチルエチルケトン 50重量部
シクロヘキサノン 50重量部
この磁性塗料を、二軸配向積層フィルムの一方の表面に乾燥後の塗布厚さ0.5μmとなるように塗布し、次いで2,500ガウスの直流磁場中で配向処理を行い、100℃で加熱乾燥後、スーパーカレンダー処理(線圧2,000N/cm、温度80℃)を行い、巻き取った。この巻き取ったロールを55℃のオーブン中に3日間放置した。
バックコート層塗料の組成:
カーボンブラック 100重量部
熱可塑性ポリウレタン樹脂 60重量部
イソシアネート化合物 18重量部
(日本ポリウレタン工業社製コロネートL)
シリコーンオイル 0.5重量部
メチルエチルケトン 250重量部
トルエン 50重量部
得られた二軸配向フィルムおよびテープの特性を表1に示す。
平均粒径0.5μmシリコーン粒子を0.02wt%および平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.3wt%添加した、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.62、融点(Tm)は269℃の160℃で5時間乾燥したポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)をフィルム層Aの樹脂として調製した。また、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.62、融点(Tm)269℃の160℃で5時間乾燥したポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)と100℃で3時間乾燥したシンジオタクチックポリスチレン(B)(出光石油化学株式会社製、グレード:130ZC)との重量比50:50の混合物である、平均粒径0.5μmシリコーン粒子を0.02wt%および平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.3wt%添加した、熱可塑性樹脂組成物(C1)をフィルム層Bの樹脂として調製した。これらのフィルム層AおよびBのポリマーを押し出し機に供給して溶融し、フィルム層Aのポリマーを25層、フィルム層Bのポリマーを24層に分岐させた後、A層とB層が交互に積層するような多層フィードブロック装置を使用して合流させ、その積層状態を保持したままダイへと導き、キャスティングドラム上にキャストしてA層とB層が交互の積層された総数49層の積層未延伸シートを作成した。このとき、A層とB層のポリマーの押し出し量比が8:2になるように調整し、かつ両表面層がA層となるように積層させた。なお、ダイから押し出された積層未延伸シートは、表面仕上げ0.3S、表面温度60℃に保持したキャスティングドラム上で急冷固化せしめて、未延伸フィルムとされた。
そして、比較例1と同様な操作を繰り返して、磁気記録媒体を得た。
得られた二軸配向積層フィルムと磁気テープの特性を表1に示す。
実施例1において、フィルム層Aおよびフィルム層Bの樹脂に含有される不活性粒子を、平均粒径0.1μmのシリカ粒子0.1重量%に変更し、熱可塑性樹脂組成物C1を、PENとシンジオタクチックポリスチレン(B)との重量比が40:60の混合物である熱可塑性樹脂組成物(C2)に変更し、かつ延伸倍率および各層の吐出量を変更した以外は実施例1と同様な操作を繰り返して、縦方向のヤング率が8GPa 、横方向のヤング率が6.5GPa、フィルム層Aの一層あたりの厚みが0.168μm、フィルム層Aの厚みの合計が4.2μm、フィルム層Bの一層あたりの厚みが0.075μm、フィルム層Bの厚みの合計が1.8μmの二軸配向積層フィルムを得た。
そして、実施例1と同様な操作を繰り返して、磁気記録媒体を得た。得られた二軸配向積層フィルムと磁気テープの特性を表1に示す。
実施例1において、熱可塑性樹脂組成物C1を、PENとシンジオタクチックポリスチレン(B)との重量比が60:40の混合物である熱可塑性樹脂組成物(C3)に変更し、かつ延伸倍率および各層の吐出量を変更した以外は実施例1と同様な操作を繰り返して、縦方向のヤング率が8GPa 、横方向のヤング率が6.5GPa、フィルム層Aの一層あたりの厚みが0.120μm、フィルム層Aの厚みの合計が3.0μm、フィルム層Bの一層あたりの厚みが0.125μm、フィルム層Bの厚みの合計が3.0μmの二軸配向積層フィルムを得た。
そして、実施例1と同様な操作を繰り返して、磁気記録媒体を得た。
得られた二軸配向積層フィルムと磁気テープの特性を表1に示す。
実施例1において、延伸倍率および各層の吐出量、層数をフィルム層A層が9層、フィルム層Bが8層で両端にフィルム層Aが配されるように変更した以外は実施例1と同様な操作を繰り返して、縦方向のヤング率が8GPa 、横方向のヤング率が6.5GPa、フィルム層Aの一層あたりの厚みが0.333μm、フィルム層Aの厚みの合計が3.0μm、フィルム層Bの一層あたりの厚みが0.375μm、フィルム層Bの厚みの合計が3.0μmの二軸配向積層フィルムを得た。
そして、実施例1と同様な操作を繰り返して、磁気記録媒体を得た。得られた二軸配向積層フィルムと磁気テープの特性を表1に示す。
実施例1において、熱可塑性樹脂組成物C1を、PENとシンジオタクチックポリスチレン(B)との重量比が25:75の混合物である熱可塑性樹脂組成物(C4)に変更し、延伸倍率および各層の吐出量、層数をフィルム層A層が49層、フィルム層Bが48層で両端にフィルム層Aが配されるように変更した以外は実施例1と同様な操作を繰り返して、縦方向のヤング率が8GPa 、横方向のヤング率が6.5GPa、フィルム層Aの一層あたりの厚みが0.0.037μm、フィルム層Aの厚みの合計が1.8μm、フィルム層Bの一層あたりの厚みが0.088μm、フィルム層Bの厚みの合計が4.2μmの二軸配向積層フィルムを得た。
そして、実施例1と同様な操作を繰り返して、磁気記録媒体を得た。得られた二軸配向積層フィルムと磁気テープの特性を表1に示す。
実施例3において、延伸倍率および各層の吐出量を変更した以外は同様な操作を繰り返して、縦方向のヤング率が8GPa 、横方向のヤング率が8GPaの二軸配向積層フィルムを得た。
そして、実施例1と同様な操作を繰り返して、磁気記録媒体を得た。得られた二軸配向積層フィルムと磁気テープの特性を表1に示す。
実施例3において、延伸倍率および各層の吐出量を変更した以外は同様な操作を繰り返して、縦方向のヤング率が5.5GPa、横方向のヤング率が12GPaの二軸配向積層フィルムを得た。
そして、実施例1と同様な操作を繰り返して、磁気記録媒体を得た。得られた二軸配向積層フィルムと磁気テープの特性を表1に示す。
実施例1において、熱可塑性樹脂組成物C1を、PENとシンジオタクチックポリスチレン(B)と相溶化剤(オキサゾリン基含有ポリスチレン(日本触媒株式会社製、エポクロスRPS−1005))との重量比が75:24:1の混合物である熱可塑性樹脂組成物(C5)に変更し、延伸倍率および各層の吐出量、層数をフィルム層A層が49層、フィルム層Bが48層で両端にフィルム層Aが配されるように変更した以外は実施例1と同様な操作を繰り返して、縦方向のヤング率が8GPa 、横方向のヤング率が6.5GPa、フィルム層Aの一層あたりの厚みが0.0.037μm、フィルム層Aの厚みの合計が1.8μm、フィルム層Bの一層あたりの厚みが0.088μm、フィルム層Bの厚みの合計が4.2μmの二軸配向積層フィルムを得た。
そして、実施例1と同様な操作を繰り返して、磁気記録媒体を得た。得られた二軸配向積層フィルムと磁気テープの特性を表1に示す。
実施例8において、熱可塑性樹脂組成物C5を、相溶化剤をエポキシ基含有アクリル酸共重合ポリスチレン(東亜合成株式会社製、アルフォンUG−4070)に代えた熱可塑性樹脂組成物(c6)を用い、延伸倍率を変更した以外は同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向積層フィルムおよび磁気テープの特性を表1に示す。
実施例1において、フィルム層Aおよびフィルム層Bの樹脂に含有される不活性粒子を、平均粒径1.2μmのシリコーン粒子0.02重量%および平均粒径0.1μmのシリカ粒子0.4重量%に変更し、熱可塑性樹脂c1を、シンジオタクチックポリスチレン(B)のみからなる熱可塑性樹脂組成物(C4)に変更し、かつ延伸倍率および各層の吐出量を変更した以外は実施例1と同様な操作を繰り返して、縦方向のヤング率が8GPa 、横方向のヤング率が6.5GPa、フィルム層Aの一層あたりの厚みが0.072μm、フィルム層Aの厚みの合計が1.8μm、フィルム層Bの一層あたりの厚みが0.175μm、フィルム層Bの厚みの合計が4.2μmの二軸配向積層フィルムを得た。
そして、実施例1と同様な操作を繰り返して、磁気記録媒体を得た。
得られた二軸配向積層フィルムと磁気テープの特性を表1に示す。
Claims (11)
- 芳香族ポリエステル(a)からなるフィルム層Aと、芳香族ポリエステル(a)とポリオレフィン(b)との熱可塑性樹脂組成物(c)からなるフィルム層Bとが全層数で少なくとも4層積層された積層フィルムであって、芳香族ポリエステル(a)はポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートであり、
(1)フィルムの製膜方向および幅方向のヤング率がともに5GPa以上で、かつ両者の合計が22GPa以下であること;
(2)フィルム層B中の、芳香族ポリエステル(a)とポリオレフィン(b)との重量比が、10:90〜90:10の範囲にあること;
(3)積層フィルムの厚みに対して、フィルム層Bの厚みの合計が5〜95%でかつフィルム層Aの厚みの合計が5〜95%の範囲にあること;および
(4)積層フィルムの重量を基準として、ポリオレフィン(b)の占める割合が、2〜60重量%の範囲にあること
を同時に具備することを特徴とする二軸配向積層フィルム。 - 芳香族ポリエステル(a)がポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートである請求項1記載の二軸配向積層フィルム。
- ポリオレフィン(b)がシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体である請求項1記載の二軸配向積層フィルム。
- 少なくとも一方の露出面を構成するフィルム層が、平均粒径0.01〜1.0μmの不活性粒子を、該フィルム層を構成する熱可塑製樹脂組成物の重量を基準として、0.01〜1.0%含有する請求項1記載の二軸配向積層フィルム。
- フィルムの幅方向の湿度膨張係数が0.1×10−6〜13×10−6/%RHの範囲にある請求項1記載の二軸配向積層フィルム。
- フィルムの幅方向の温度膨張係数が−10×10−6〜15×10−6/℃の範囲にある請求項1記載の二軸配向積層フィルム。
- 熱可塑性樹脂組成物(c)が、さらに芳香族ポリエステル(a)とポリオレフィン(b)の中間の溶解性パラメーターを有する熱可塑性非晶性樹脂(d)を熱可塑性樹脂組成物の重量を基準として0.1〜10重量%含む請求項1に記載の二軸配向積層フィルム。
- 熱可塑性非晶性樹脂(d)が、アクリル酸共重合ポリオレフィンまたはビニルオキサゾリン共重合ポリオレフィン系樹脂である請求項7に記載の二軸配向積層フィルム。
- フィルム厚みが2〜10μmの範囲にある請求項1記載の二軸配向積層フィルム。
- 磁気記録媒体のベースフィルムとして用いる請求項1〜9のいずれかに記載の二軸配向積層フィルム。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の二軸配向積層フィルムと、その片面に設けられた磁性層とからなることを特徴とする磁気記録媒体。
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