JP4800558B2 - 環状ペプチド誘導体 - Google Patents
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Description
本発明は、モチリンレセプターアンタゴニスト作用等を示し、医薬として有用な、環状ペプチド誘導体に関するものである。
背景技術
消化管ホルモンの1つであるモチリンは、22個のアミノ酸からなる直鎖のペプチドであり、ヒトを含む哺乳動物の消化管運動を調節していることが知られている。モチリンレセプターは、上部消化管である胃や十二指腸に主に存在することが知られていたが、近年、下部消化管の大腸にも存在することが認められ(William et al.,Am.J.Physiol.,262,G50−G55(1992))、上部消化管運動ばかりでなく、下部消化管運動にもモチリンが関与する可能性が示されている。
下痢症状を示す過敏性腸症候群患者やストレス下の過敏性腸症候群患者が高モチリン血症を示すことが報告されており(Preston et al.,Gut,26,1059−1064(1985);Fukudo et al.,Tohoku J.Exp.Med.,151,373−385(1987))、本病態に血中モチリンの上昇が関与する可能性が示唆されている。その他にも高モチリン血症が報告されている病態として、クローン病、潰瘍性大腸炎、膵炎、糖尿病、肥満、吸収不良症候群、細菌性下痢症、萎縮性胃炎、胃腸切除術後などがある。よって、モチリンレセプターアンタゴニストは、過敏性腸症候群などの血中モチリンが上昇している病態を改善し得る可能性がある。
近年、モチリンレセプターのアンタゴニストの開発研究が行われており、種々の化合物が報告されている(特開平7−138284号公報、特開2000−44595号公報など)。
特に、特開平7−138284号公報には、環状ペプチド誘導体が開示されており、この環状ペプチド誘導体は、モチリンの消化管運動に対する作用の研究や、本分野における医薬品の開発研究において薬理学的なツールとして使用されている。しかしながら、そのモチリンアンタゴニスト活性は十分ではなく、より高い活性を有する環状ペプチド誘導体の開発が望まれている。
発明の開示
本発明の目的は、モチリンレセプターアンタゴニスト作用を有し、医薬として有用な、環状ペプチド誘導体を提供することである。
本発明者らは、より優れたモチリンレセプターアンタゴニスト作用を有する新規な環状ペプチド誘導体の開発を目的として鋭意研究を重ねた結果、一般式(1)で表される環状ペプチド誘導体が、優れたモチリンレセプターアンタゴニスト活性を有することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、一般式(1)
(式中、R1は、置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよい複素環を表す。
R2は、水素原子または置換基を有していてもよいアミノ基を表す。
R3は、水素原子、メチル基またはエチル基を表す。
R4は、水素原子、メチル基またはエチル基を表す。
R5は、水素原子、メチル基またはエチル基を表す。
R6は、水素原子、メチル基、エチル基または−CO−R7を表す。
R7は、水素原子または炭素数1〜3の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基を表す。
Vは、カルボニル基またはメチレン基を表す。
Wは、カルボニル基またはメチレン基を表す。
Xは、カルボニル基またはメチレン基を表す。
Yは、カルボニル基またはメチレン基を表す。
Zは、カルボニル基またはメチレン基を表す。
mは、0〜2の数を表す。
nは、0〜3の数を表す。
但し、R1がフェニル基、かつ、R2がアミノ基、かつ、R3、R4、R5およびR6がいずれも水素原子、かつ、Vがメチレン基、かつ、W、X、YおよびZがいずれもカルボニル基、かつ、mおよびnがいずれも1である化合物は除く。)
で示される化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩を提供するものである。
また、本発明は、一般式(1)で示される化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩を有効成分として含有する医薬を提供する。さらに、本発明は、上記化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩を含有するモチリンレセプターアンタゴニストを提供する。また、上記化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩を有効成分として含有する消化管運動抑制剤も提供する。さらに、上記化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩を有効成分として含有する高モチリン血症治療剤も提供する。上記化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩を、モチリンレセプターアンタゴニスト、消化管運動抑制剤、高モチリン血症治療剤等の医薬あるいは医薬組成物を製造するために使用してもよい。
本発明のさらに別の側面によれば、上記化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩を使用する高モチリン血症の治療方法が提供される。好ましくは、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、膵炎、糖尿病、肥満、吸収不良症候群、細菌性下痢症、萎縮性胃炎、胃腸切除術後等に伴う高モチリン血症の治療方法が提供される。例えば、こうした治療を必要とする患者に対して治療上有効量の上記化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩を投与するステップを含む方法が提供される。
また、本発明は、一般式(2)
(式中、R3、R4、R5、R6、mおよびnは上記一般式(1)における定義と同じ意味を表す。
P2は、水素原子またはフェノール性水酸基の保護基を表す。
P3は、水素原子またはカルボキシル基の保護基を表す。
P4は、水素原子またはアミノ基の保護基を表す。
P5は、水素原子またはアミノ基の保護基を表す。)
で示される化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩も提供する。
また、本発明は、一般式(3)
(式中、R3、R4、R5、m、n、P2、P3およびP5は上記一般式(2)における定義と同じ意味を表し、R1は上記一般式(1)における定義と同じ意味を表す。
R2´は、水素原子または保護された置換基を有していてもよいアミノ基を表す。)
で示される化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩も提供する。
また、本発明は、一般式(4)
(式中、R1、R3、R4、R5、R2´、mおよびnは上記一般式(3)におけると同じ意味を表す。P6は、水素原子またはカルボキシル基の保護基を表す。P7は、水素原子またはアミノ基の保護基を表す。)
で示される化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩も提供する。
一般式(1)で示される化合物の定義において、R1における置換基を有していてもよいフェニル基の置換基としては、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、水酸基、アミノ基、ニトリル基が好ましく、ハロゲン原子がさらに好ましく、フッ素原子が特に好ましい。上記フェニル基は、1つまたはそれ以上の同一または異なった上記置換基を有していてもよい。置換基の数は好ましくは1〜3、さらに好ましくは1である。
R1における置換基を有していてもよいフェニル基としては、フェニル基、4−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、2−フルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、2,3,4−トリフルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、2,3,4−トリクロロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−アミノフェニル基、4−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル基、2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル基などが挙げられ、フェニル基、4−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、、3,4−ジフルオロフェニル基4−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基が好ましく、4−フルオロフェニル基がさらに好ましい。
R1における置換基を有していてもよい複素環の複素環としては、窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選択されるヘテロ原子を、少なくとも1つ含む脂肪族または芳香族の5〜7員の単環または縮合環が挙げられ、具体的には、ピリジル基、フリル基、チエニル基、インドリル基、キノリニル基、ベンゾフリル基、テトラヒドロイソキノリル基などが挙げられ、インドリル基が好ましい。
R1における置換基を有していてもよい複素環の置換基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メトキシ基、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、オキソ基などが挙げられ、上記複素環は、1つまたはそれ以上の同一または異なった上記置換基を有していてもよい。
R1における置換基を有していてもよい複素環としては、3−インドリル基が好ましい。
R1は以上のような定義を有するが、R1としては、フェニル基、4−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、、3,4−ジフルオロフェニル基4−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3−インドリル基が好ましく、4−フルオロフェニル基がさらに好ましい。
R2における、置換基を有していてもよいアミノ基の置換基としては、例えば、炭素数1〜3の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基などが挙げられ、メチル基、エチル基が好ましい。また、上記アミノ基は、1またはそれ以上の同一または異なった上記の置換基を有していてもよい。
R2における、置換基を有していてもよいアミノ基としては、1またはそれ以上の同一または異なった炭素数1〜3の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基などが好ましく、アミノ基が特に好ましい。
R2は以上のような定義を有するが、R2としては、アミノ基が好ましい。
R3としては、水素原子、メチル基が好ましい。
R4としては、水素原子、メチル基が好ましい。
R5としては、水素原子、メチル基が好ましい。
R6としては、水素原子、メチル基またはアセチル基が好ましい。
Vとしては、メチレン基が好ましい。
Wとしては、カルボニル基、メチレン基のいずれも好ましい。
Xとしては、カルボニル基、メチレン基のいずれも好ましい。
Yとしては、カルボニル基が好ましい。
Zとしては、カルボニル基が好ましい。
mとしては、0または1が好ましい。
nとしては、0、1または2が好ましい。
mとnの総和が、1、2または3であることが好ましい。
一般式(1)で示される化合物としては、R1がフェニル基かつR3が水素原子であるときには、Xがメチレン基である化合物が好ましい。
さらに、一般式(1)で示される化合物としては、R1が4−フルオロフェニル基であり、R2がアミノ基であり、R3が水素原子またはメチル基であり、R4が水素原子またはメチル基であり、R5が水素原子またはメチル基であり、R6が水素原子、メチル基またはアセチル基であり、Vがメチレン基であり、Wがカルボニル基またはメチレン基であり、Xがカルボニル基またはメチレン基であり、Yがカルボニル基であり、Zがカルボニル基であり、mが0または1であり、nが0、1または2であり、mとnの総和が1、2または3である化合物が好ましい。また、(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド、(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド、(2S−(2S,12S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,13−トリオキソシクロトリデカン−12−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド、2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−4−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド、(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−8−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド、(2S−(2S,14S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,9−トリアザ−3,8,15−トリオキソシクロペンタデカン−14−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド、(2S,14S)−13−(2S−2−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピルアミノ)−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン、(2S−(2S,13S))−N−(8−アセチル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−N−メチル−1,4,8−トリアザ−3,14−ジオキソシクロテトラデカン−13−イル)−2−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオンアミド、(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−9,N−ジメチル−1,4,9−トリアザ−3,8,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)プロピオンアミド、および(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−フェニル−N−メチルプロピオンアミドのいずれかであることがさらに好ましい。
一般式(2)〜(4)で示される化合物は、一般式(1)で示される化合物を製造するための中間体として有用な化合物である。これら一般式(2)〜(4)においては、アミノ基、カルボキシル基およびフェノール性水酸基の保護基が定義されているが、こうした保護基としては、以下のようなものが挙げられる。
アミノ基の保護基(P4、P5、P7、およびR2´の保護された置換基を有していてもよいアミノ基の保護基)としては、ベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ベンゾイル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ベンジル基、ベンジルオキシメチル基などのアミノ基の保護基として有用なことが知られている官能基が挙げられ、ベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基が好ましい。
カルボキシル基の保護基(P3およびP6)としては、メチル基、エチル基、t−ブチル基、アリル基、ベンジル基、2,2,2−トリクロロエチル基、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのカルボキシル基の保護基として有用なことが知られている官能基が挙げられ、メチル基、ベンジル基、t−ブチル基が好ましい。
フェノール性水酸基の保護基(P2)としては、メチル基、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、アリル基、t−ブチル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、2−ニトロベンジル基、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などのフェノール性水酸基の保護基として有用なことが知られている官能基が挙げられ、ベンジル基が好ましい。
式(1)、(2)、(3)または(4)で示される化合物の塩を形成する酸としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、燐酸などの無機酸および酢酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸が挙げられる。
また、本発明の化合物には光学異性体が存在するが、それぞれの光学異性体およびそれらの混合物は全て本発明に含まれる。
本発明の化合物は、式(1)、(2)、(3)または(4)で示される化合物の水和物として得ることもできる。
以下、本発明を具体的に説明するが、ペプチドを構成するアミノ酸、保護基および試薬を下記の略号で表記することがある。
Tyr:チロシン、Z:ベンジルオキシカルボニル、Boc:tert−(またはt−)ブトキシカルボニル、CMPI:2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド、PyCIU:クロロ−N,N,N’,N’−ビス(テトラメチレン)ホルムアミジニウム ヘキサフルオロフォスフェート、PyBrop:ブロモトリピロリジノ ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート、BOP:ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート、HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1、1、3、3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート、WSCI:N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド、DIC:N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、DCC:N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、DPPA:ジフェニルホスホリルアジド、CDI:1,1´−カルボニルジイミダゾール、HOBT:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物、NMM:N−メチルモルホリン、TEA:トリエチルアミン、DIEA:ジイソプロピルエチルアミン、DMAP:4−ジメチルアミノピリジン、TFA:トリフルオロ酢酸、THF:テトラヒドロフラン、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、CH:クロロホルム、MC:塩化メチレン、M:メタノール、N:濃アンモニア水、EA:酢酸エチル、H:n−ヘキサン
発明を実施するための好ましい形態
なお、本出願が主張する優先権の基礎となる出願である特願2000−253950号の開示は全て引用により本明細書の中に取り込まれる。
本発明の化合物の製造は、固相法、液相法のいずれでも行うことができる。固相法で製造を行う場合には、自動有機合成装置を使用することができるが、マニュアル操作で行うこともできる。
本発明化合物は、以下に記載する反応式1、反応式2または反応式3の方法、あるいは製造する目的化合物に応じて適宜一部変更した方法により、公知の化合物から出発して製造することができる。また、本発明の化合物は、後述の実施例に記載される具体的な製造法を適宜応用して得ることもできる。
反応式1
本発明化合物のうち、Vがメチレン基であり、W、X、YおよびZがカルボニル基である化合物は、以下に示す反応式1に基づき、所望の基を有する試薬を用いることにより製造することができる。
(式中、P1、P4およびP5は、アミノ基の保護基を表し、P2は、水素原子またはフェノール性水酸基の保護基を表し、P3は、カルボキシル基の保護基を表し、R2´は、水素原子、または、保護された置換基を有していてもよいアミノ基を表し、その他の記号は、それぞれ請求項1で定義されたものと同じ意味を表す。)
反応式1において、化合物1(特開2000−44595号公報の実施例1(1)に記載)から化合物2への変換は、化合物1のアミノ基を保護し、その後必要に応じフェノール基を保護することにより行うことができる。具体的には、P2が水素原子の場合は、ジオキサンと水の混合溶媒中、氷冷下または室温において、炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下、化合物1をベンジルオキシカルボニルクロリドまたはジ−t−ブチル ジカーボネートなどの保護基導入試薬と反応させることにより、化合物2を得ることができる。P2が保護基(特にベンジル基)の場合は、さらに、DMFまたはTHF中、氷冷下、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下に、ベンジルクロリドなどと反応させることにより化合物2を得ることができる。
化合物2から化合物3への変換は、化合物2のメチルエステル基を塩基処理し、加水分解することにより行うことができる。具体的には、メタノールと水またはジオキサンと水の混合溶媒中、氷冷または室温において、化合物2を水酸化ナトリウムまたは水酸化リチウムなどの塩基と共に攪拌することにより、化合物3を得ることができる。
化合物3から化合物4への変換は、化合物3を塩基存在下、メチル化剤またはエチル化剤と反応させることにより行うことができる。具体的には、DMF中、THF中またはDMFとTHFの混合溶媒中、氷冷下、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下に、ヨウ化メチル、ジメチル硫酸またはヨウ化エチルなどと反応させることにより化合物4を得ることができる。このとき、フェノール性水酸基はP2で保護されていることが好ましい。ここで、R4が水素原子である化合物については、このメチル化あるいはエチル化反応は必要ない。
化合物4から化合物6への変換は、化合物4と化合物5とを反応させることにより行う。この反応は、化合物4のカルボキシル基と化合物5のアミノ基を、知られている通常の縮合試薬を用いて、縮合させることにより行うことができる。具体的には、THFまたはDMFまたは塩化メチレンなどを反応溶媒として、化合物4、化合物5およびCMPI、BOP、PyCIU、PyBrop、HATU、DCC、DIC、WSCI、DPPA、CDIなどの縮合剤の一つを混合して攪拌することにより、化合物6を得ることができる。このとき、必要に応じTEA、DIEA、NMM、ピリジン、DMAPなどの塩基を加えたり、HOBTなどの添加物を加えて、反応を促進した方が好ましい場合が多い。化合物5は、市販されている場合は、それを入手して使用すればよい。市販されていない場合、R5が水素原子である化合物5は、相当するα−、β−、γ−もしくはδ−アミノ酸をエステル化することにより製造することができる。R5がメチル基またはエチル基の場合は、相当するα−、β−、γ−もしくはδ−アミノ酸エステルのアミノ基を、化合物1から化合物2への変換で述べた方法と同様にしてベンジルオキシカルボニル基またはt−ブトキシカルボニル基などで保護し、化合物3から化合物4への変換で述べた方法と同様にしてメチル化またはエチル化した後、アミノ保護基を通常の方法により脱保護することにより得ることができる。
化合物6から化合物7への変換は、化合物6のアミノ保護基P1を脱保護することにより行うことができる。脱保護の具体的な方法としては、P1がベンジルオキシカルボニル基のときは、パラジウム触媒を用いた水素化分解反応、t−ブトキシカルボニル基のときはTFAなどの酸処理である。
化合物7から化合物9への変換は、化合物7と化合物8を反応させることにより行う。この反応は、化合物7のアミノ基と化合物8のカルボキシル基を、知られている通常の縮合試薬を用いて縮合させることにより行うことができる。具体的には、化合物4から化合物6への変換と同じ方法により化合物9を得ることができる。化合物8は、市販されている場合は、それを入手して使用すればよい。市販されていない場合には、化合物8に対応する化合物であってR3およびR6に対応するα−アミノ基および側鎖アミノ基がそれぞれP4およびP5によって保護された(P4、P5は異なる保護基であることが好ましい)化合物を、化合物3から化合物4への変換で述べた方法と同様にして、2つの保護されたアミノ基を同時にメチル化して得ることができる。R3およびR6が共にメチル基である以外の化合物8も、この方法を適宜応用して製造することができる。
化合物9から化合物10への変換は、化合物9のアミノ保護基P4を脱保護することにより行うことができる。脱保護の具体的な方法としては、P4がベンジルオキシカルボニル基のときは、パラジウム触媒を用いた水素化分解反応、t−ブトキシカルボニル基のときはTFAなどの酸処理である。
化合物10から化合物12への変換は、化合物10と化合物11を反応させることにより行う。この反応は、化合物10のアミノ基と化合物11のカルボキシル基を、知られている通常の縮合試薬を用いて縮合させることにより行うことができる。具体的には、化合物4から化合物6への変換と同じ方法により化合物12を得ることができる。化合物11は、市販されている場合は、それを入手して使用すればよい。市販されていない場合、例えば、R2´が保護されたメチルアミノ基である化合物11は、化合物11に対応する化合物であってR2´に対応する基が保護されたアミノ基である化合物を、化合物3から化合物4への変換で述べた方法と同様にしてメチル化することにより得ることができる。R2´に対応する基が保護されたアミノ基以外である化合物11も、この方法を適宜応用して製造することができる。
化合物12から化合物13への変換は、化合物12のアミノ保護基P5、カルボキシル保護基P3およびフェノール保護基P2を、同時にまたは段階的に脱保護することにより行うことができる。具体的な脱保護の方法としては、例えば、P5がベンジルオキシカルボニル基、P3がベンジル基、P2がベンジル基の場合はパラジウム触媒を用いた水素化分解反応、P5がt−ブトキシカルボニル基、P3がt−ブチル基の場合はTFAなどの酸処理、P3がメチル基の場合はアルカリ加水分解などである。
化合物13から化合物14への変換は、化合物13のアミノ基とカルボキシル基を、大環状形成反応に有用なことが知られている縮合試薬を用いて分子内環化させることにより行うことができる。具体的には、例えば、反応溶媒、縮合剤および塩基として、DMF、BOPおよびピリジンをそれぞれ用い、希釈条件下(化合物13の濃度が約0.005〜0.02M、好ましくは0.01M)で室温にて攪拌することにより、化合物14を得ることができる。
化合物14から化合物15への変換は、化合物14のR2´が保護された置換されていてもよいアミノ基の場合は、その脱保護を行うことにより行うことができる。具体的には、R2´のアミノ保護基がベンジルオキシカルボニル基の場合はパラジウム触媒を用いた水素化分解反応、t−ブトキシカルボニル基の場合はTFAなどの酸処理である。R2´が水素原子の場合は、化合物14が目的化合物である。
反応式2
本発明化合物のうち、VおよびXがメチレン基であり、W、YおよびZがカルボニル基である化合物は、以下に示す反応式2に基づき、所望の基を有する試薬を用いることにより製造することができる。
〔式中、P4およびP5は、アミノ基の保護基を表し、P2は、水素原子またはフェノール性水酸基の保護基を表し、P3は、カルボキシル基の保護基を表し、R2´は、水素原子または目的化合物のR2が置換基を有していてもよいアミノ基の場合の、保護された置換基を有していてもよいアミノ基を表し、R7は、ホルミル基、−CH2Hal(Halは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子を表す)、−CH2OSO2R(Rは、メチル基、トリフルオロメチル基、トシル基などを表す)などの、アミノ基と反応して結合を形成することができる官能基を表し、その他の記号はそれぞれ請求項1と同じ意味を表す。〕
化合物9から化合物16への変換は、化合物9のアミノ保護基P5、カルボキシル保護基P3およびフェノール保護基P2を、同時にまたは段階的に脱保護することにより行うことができる。具体的な脱保護の方法としては、例えば、P5がベンジルオキシカルボニル基、P3がベンジル基、P2がベンジル基の場合はパラジウム触媒を用いた水素化分解反応、P5がt−ブトキシカルボニル基、P3がt−ブチル基の場合はTFAなどの酸処理、P3がメチル基の場合はアルカリ加水分解などである。
化合物16から化合物17への変換は、化合物16のアミノ基とカルボキシル基を、大環状形成反応に有用なことが知られている縮合試薬を用いて分子内環化させることにより行うことができる。具体的には、例えば、反応溶媒、縮合剤および塩基として、DMF、BOPおよびピリジンをそれぞれ用い、希釈条件下(化合物16の濃度が約0.005〜0.02M、好ましくは0.01M)で室温にて攪拌することにより、化合物17を得ることができる。
化合物17から化合物18への変換は、化合物17のアミノ保護基P4を脱保護することにより行うことができる。脱保護の具体的な方法としては、例えば、P4がベンジルオキシカルボニル基のときは、パラジウム触媒を用いた水素化分解反応、t−ブトキシカルボニル基のときはTFAなどの酸処理である。
化合物18から化合物20への変換は、化合物18と化合物19を反応させることにより行う。化合物19のR7がホルミル基の場合は、このホルミル基と化合物18のアミノ基とを還元的に結合を形成させることにより、具体的には、例えば、メタノールまたはアセトニトリルを反応溶媒として、化合物18と化合物19の混合物に水素化シアノホウ素ナトリウムを加え、さらに酢酸を加えて攪拌することにより行うことができる。化合物19のR7が−CH2Halまたは−CH2OSO2Rなどの場合は、化合物18のアミノ基のアルキル化により行うことができる。ここで、化合物19において、例えば、R7がホルミル基であり、R2´が保護された置換されていてもよいアミノ基である化合物は、例えば、反応式1で用いた化合物11においてR2´が保護された置換されていてもよいアミノ基である化合物のカルボキシル基を、N,O−ジメチルヒドロキシルアミンと縮合させ、N−メトキシ−N−メチルカルバモイル基へ変換した後、そのN−メトキシ−N−メチルカルバモイル基を水素化アルミニウムリチウムにより還元して得ることができる。
化合物20から化合物21への変換は、化合物20のR2´が保護された置換されていてもよいアミノ基の場合は、その脱保護を行うことにより行うことができる。具体的には、R2´のアミノ保護基がベンジルオキシカルボニル基の場合は接触水素化反応、t−ブトキシカルボニル基の場合はTFAなどの酸処理などである。R2´が水素原子の場合は、化合物21が目的化合物である。
反応式3
本発明化合物のうち、R6がアセチル基であり、VおよびWがメチレン基であり、X、YおよびZがカルボニル基である化合物は、以下に示す反応式3に基づき、所望の基を有する試薬を用いることにより製造することができる。
〔式中、P1、P4、P5およびP7は、アミノ基の保護基を表し、P2は、水素原子またはフェノール性水酸基の保護基を表し、P6は、カルボキシル基の保護基を表し、R2´は、水素原子または目的化合物のR2が置換基を有していてもよいアミノ基の場合の、保護された置換基を有していてもよいアミノ基を表し、R8は、ホルミル基、−CH2Hal(Halは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子を表す)、−CH2OSO2R(Rは、メチル基、トリフルオロメチル基、トシル基などを表す)などの、アミノ基と反応して結合を形成することができる官能基を表し、その他の記号はそれぞれ請求項1と同じ意味を表す。〕
化合物4から化合物22への変換は、化合物4のカルボキシル基のP6エステル化とアミノ保護基P1およびフェノール保護基P2の脱保護を順次行うことにより行うことができる。具体的には、カルボキシル基のベンジルエステル化はベンジルアルコールとの縮合反応、t−ブチルエステル化はイソブテンと酸による反応、メチルエステル化はメタノールとの反応またはジアゾメタンによるメチル化反応などによりP6エステル化を行うことができる。アミノ保護基の脱保護方法は、t−ブトキシカルボキシ基のときはTFAなどの酸処理、ベンジルオキシカルボニル基のときはパラジウム触媒を用いる水素化分解反応などである。また、フェノール保護基P2がt−ブチル基またはベンジル基の場合には、P1の脱保護と同時にP2の脱保護を行うことができる。化合物22において、R4が水素原子でありP6がメチル基である場合は化合物1となる。
化合物22(または化合物1)から化合物24への変換は、化合物22(または化合物1)と化合物23を反応させることにより行う。この反応は、化合物22(または化合物1)のアミノ基と化合物23のカルボキシル基を、知られている通常の縮合試薬を用いて縮合させることにより行うことができる。具体的には、反応式1で述べた化合物4から化合物6への変換と同じ方法により化合物24を得ることができる。化合物23は、市販されている場合は、それを入手して使用すればよい。市販されていない場合は、反応式1で述べた化合物8の製造方法を応用して製造することができる。化合物23において、mが1であり、R3が水素原子またはメチル基であり、P4およびP5のうち、どちらか一方がt−ブトキシカルボニル基であり、残りの一方がベンジルオキシカルボニル基である化合物は市販されている。
化合物24から化合物25への変換は、化合物24のアミノ保護基P4を脱保護することにより行うことができる。脱保護の具体的な方法としては、P4がベンジルオキシカルボニル基のときは、パラジウム触媒を用いた水素化分解反応、t−ブトキシカルボニル基のときはTFAなどの酸処理である。
化合物25から化合物26への変換は、化合物25と反応式1で使用した化合物11を反応させることにより行う。この反応は、化合物25のアミノ基と反応式1で使用した化合物11のカルボキシル基を、知られている通常の縮合試薬を用いて縮合させることにより行うことができる。具体的には、反応式1で述べた化合物4から化合物6への変換と同じ方法により化合物26を得ることができる。
化合物26から化合物27への変換は、化合物26のアミノ保護基P5を脱保護することにより行うことができる。脱保護の具体的な方法としては、P5がベンジルオキシカルボニル基のときは、パラジウム触媒を用いた水素化分解反応、t−ブトキシカルボニル基のときはTFAなどの酸処理である。
化合物27から化合物29への変換は、化合物27と化合物28を反応させることにより行う。化合物28のR8がホルミル基の場合は、化合物27のアミノ基と還元的に結合を形成させることにより、具体的には、例えば、メタノールまたはアセトニトリルを反応溶媒にして、化合物27と化合物28の混合物に水素化シアノホウ素ナトリウムを加え、さらに酢酸を加えて攪拌することにより行うことができる。化合物28のR7が−CH2Halまたは−CH2OSO2Rなどの場合は、化合物27のアミノ基のアルキル化により行うことができる。ここで、例えば、化合物28においてR8がホルミル基である化合物は、例えば、化合物28に対応する化合物であってR8に対応する基がカルボキシル基である化合物のカルボキシル基を、ボランなどにより還元してヒドロキシメチル基とした後、そのヒドロキシメチル基をSwern法などによりホルミル基へ酸化することにより得ることができる。また、化合物28に対応する化合物であってR8がカルボキシル基である化合物のカルボキシル基を、N,O−ジメチルヒドロキシルアミンと縮合させ、N−メトキシ−N−メチルカルバモイル基へ変換した後、そのN−メトキシ−N−メチルカルバモイル基を水素化アルミニウムリチウムにより還元して得ることもできる。
化合物29から化合物30への変換は、化合物29の第2級アミノ基をアセチル化することにより行うことができる。具体的には、例えば、塩化メチレン、THF、酢酸エチルなどを反応溶媒として、TEA、DIEA、ピリジン、DMAPなどの塩基の存在下に、塩化アセチル、無水酢酸などのアセチル化剤と化合物29を反応させればよい。
化合物30から化合物31への変換は、化合物30のアミノ保護基P7およびカルボキシル保護基P6を、同時にまたは段階的に脱保護することにより行うことができる。具体的な脱保護の方法としては、P7がベンジルオキシカルボニル基、P6がベンジル基場合はパラジウム触媒を用いる水素化分解反応、P7がt−ブトキシカルボニル基、P6がt−ブチル基の場合はTFAなどの酸処理、P6がメチル基の場合はアルカリ加水分解などである。
化合物31から化合物32への変換は、化合物31のアミノ基とカルボキシル基を、大環状形成反応に有用なことが知られている縮合試薬を用いて分子内環化させることにより行うことができる。具体的には、例えば、反応溶媒、縮合剤および塩基として、DMF、BOPおよびピリジンをそれぞれ用い、希釈条件下(化合物31の濃度が約0.005〜0.02M、好ましくは0.01M)で室温にて攪拌することにより、化合物32を得ることができる。
化合物32から化合物33への変換は、化合物32のR2´が保護された置換されていてもよいアミノ基の場合は、その脱保護を行うことにより行うことができる。具体的には、R2´のアミノ保護基がベンジルオキシカルボニル基の場合はパラジウム触媒を用いた水素化分解反応、t−ブトキシカルボニル基の場合はTFAなどの酸処理である。R2´が水素原子の場合は、化合物32が目的化合物である。
また、本発明の化合物は、下記の実施例に記載される具体的な製造方法を応用して製造することもできる。
実施例
以下、実施例により、さらに本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例化合物の化学構造式を表A−1およびA−2に示す。
以下の実施例における1H−NMRおよび質量スペクトルは、以下の機器を用いて測定した。
1H−NMR:JEOL JNM−EX−270(270MHz)
質量スペクトル(FAB−MS):JASCO 70−250SEQ
(実施例1)
(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
(1)Boc−Tyr(3−tert−Bu)−OHの合成
H−Tyr(3−tert−Bu)−OMe 14.7g(58.5mmol)、炭酸ナトリウム 9.30g(87.8mmol)の1,4−ジオキサン 100mlと水 100mlの混合溶液に、氷冷下、ジ(tert−ブチル)ジカーボネート 13.4g(61.4mmol)を加え、室温にて1時間攪拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した後、飽和NaHCO3水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去し、粗Boc−Tyr(3−tert−Bu)−OMe 24.2gを得た。
上記粗Boc−Tyr(3−tert−Bu)−OMe 16.5gのメタノール 120mlと水 40mlの混合溶液に、水酸化リチウム一水和物 3.30g(78.8mmol)を加え、室温にて80分間攪拌した。氷冷下、反応液を2N塩酸により中性とした後、10%クエン酸水溶液により酸性とした。塩化メチレンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮し、標題化合物 15.0g(quant.)を得た。
(2)Boc−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzlの合成
Boc−Tyr(3−tert−Bu)−OH 2.50g(7.42mmol)およびH−β−Ala−OBzl p−トルエンスルホン酸塩 2.87g(8.16mmol)のDMF 22ml溶液に、氷冷下、HOBt 1.00g(7.42mmol)、NMM 0.848ml(7.42mmol)およびWSCI 1.56g(8.16mmol)を加え、室温とし150分攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、飽和NH4Cl水、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、Boc−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 3.57g(97%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.38(9H,s),1.41(9H,s),2.40−2.58(2H,m),2.84−3.00(2H,m),3.38−3.50(2H,m),4.14−4.26(1H,m),5.00(1H,brs),5.09(2H,s),6.20−6.30(1H,m),6.54(1H,d,J=8.2Hz),6.85(1H,dd,J=1.7,8.2Hz),7.03(1H,d,J=1.7Hz),7.30−7.40(5H,m)。
(3)H−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzlの合成
Boc−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 3.55g(7.13mmol)の塩化メチレン 30ml溶液に、TFA 20mlを加え、室温にて40分間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和し、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、H−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 2.60g(92%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.39(9H,s),2.58(2H,t,J=6.3Hz),2.92(1H,d,J=9.5Hz),3.13(1H,dd,J=4.0,13.9Hz),3.48−3.60(3H,m),5.14(2H,s),6.60(1H,d,J=8.2Hz),6.88(1H,dd,J=2.0,8.2Hz),7.07(1H,d,J=2.0Hz),7.30−7.40(5H,m),7.58−7.66(1H,m)。
(4)Boc−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl の合成
H−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 2.10g(5.28mmol)およびBoc−N−Me−Lys(Z)−OH ジシクロヘキシルアンモニウム塩 3.19g(5.54mmol)のDMF 22ml溶液に、氷冷下、HOBt 713mg(5.28mmol)、NMM 0.60ml(5.25mmol)およびWSCI 1.06g(5.54mmol)を加え、室温とし、2時間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、Boc−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 3.42g(84%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.14−1.60(5H,m),1.37(9H,s),1.45(9H,s),1.72−1.90(1H,m),2.40−2.54(2H,m),2.55(3H,s),2.86−3.02(2H,m),3.06−3.22(2H,m),3.36−3.50(2H,m),4.34−4.56(2H,m),4.76−4.88(1H,m),5.09(4H,s),5.31(1H,s),6.30−6.60(2H,m),6.58(1H,d,J=8.2Hz),6.83(1H,dd,J=1.9,8.2Hz),7.04(1H,d,J=1.9Hz)7.30−7.42(10H,m)。
(5)N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzlの合成
Boc−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 3.10g(4.01mmol)の塩化メチレン 20ml溶液に、TFA 10mlを加え、室温にて90分間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和し、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 2.59g(96%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 0.80−1.40(6H,m),1.38(9H,s),2.30(3H,s),2.56(2H,t,J=6.3Hz),2.70−3.24(5H,m),3.53(2H,q,J=6.3Hz),4.48−4.60(1H,m),4.80−4.90(1H,m),5.12(2H,s),5.15(2H,s),6.62−6.86(3H,m),7.04(1H,d,J=1.3Hz),7.30−7.42(10H,m)。
(6)Boc−Phe(4−F)−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzlの合成
N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 2.50g(3.71mmol)およびBoc−Phe(4−F)−OH 1.26g(4.48mmol)のTHF 18.5ml溶液に、氷冷下、CMPI 1.14g(4.45mmol)およびTEA 1.29ml(9.28mmol)を加え、室温として3時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=1:1)に付し、Boc−Phe(4−F)−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 3.48g(100%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 0.80−1.40(6H,m),1.33,1.36 and 1.39(total 18H,s),2.17 and 2.61(total 3H,s),2.44−3.60(10H,m),4.30−4.94(3H,m),5.01,5.04 and 5.10(total 4H,s),5.20−5.48(1H,m),6.28−7.20(10H,m),7.30−7.42(10H,m)。
(7)(2S−(2S,13S))−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
Boc−Phe(4−F)−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 2.72g(2.90mmol)のメタノール 50ml溶液に、10%パラジウム炭素 270mgを加え、水素雰囲気下、室温にて終夜攪拌した。濾過後、減圧下に濾液を濃縮し、Boc−Phe(4−F)−N−Me−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OH 2.02g(97%)を得た。
得られたBoc−Phe(4−F)−N−Me−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OH 2.02g(2.83mmol)をDMF 140ml、ピリジン 140mlの混合溶液とし、BOP試薬 3.13g(7.08mmol)を加え、室温にて18時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和NH4Cl水、飽和NaHCO3水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=20:1)に付し、(2S−(2S,13S))−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド 1.37g(69%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.00−2.02(6H,m),1.33,1.37 and 1.39(total 18H,s),2.30(3H,s),2.24−3.86(10H,m),4.40−4.90(4H,m),5.38−5.60(2H,m),6.00−6.20(1H,m),6.60−7.18(7H,m)6.54−7.22(7H,m)。
(8)(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
(2S−(2S,13S))−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド 1.25g(1.79mmol)の塩化メチレン 20ml溶液に、TFA 10mlを加え、室温にて40分間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和し、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=20:1)に付し、標題化合物 657mg(61%)を得た。
FAB−MS(M++1):598
1H−NMR(DMSO−d):δ 0.60−1.92(6H,m),1.27 and 1.28(total 9H,s),2.06−2.26(2H,m),2.54−2.90(4H,m),2.65(3H,s),3.06−3.60(4H,m),3.62−4.94(3H,m),6.54−7.22(7H,m),7.50−8.50(3H,m),9.01 and 9.10(total 1H,s)。
(実施例2)
(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
(1)Boc−Phe(4−ベンジルオキシ−3−tert−Bu)−OMeの合成
実施例1(1)で得られた粗Boc−Tyr(3−tert−Bu)−OMe 7.5g、炭酸カリウム 8.85g(64.0mmol)のDMF 45ml懸濁液を、室温にて2.5時間攪拌した後、ベンジルブロミド 4.6ml(38.3mmol)を加えた。終夜攪拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮して、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:n−ヘキサン=1:5)に付し、標題化合物 7.5g(94%)を得た。
(2)Boc−N−Me−Phe(4−ベンジルオキシ−3−tert−Bu)−OHの合成
Boc−Phe(4−ベンジルオキシ−3−tert−Bu)−OMe 7.5g(17.0mmol)のメタノール 60mlと水 20mlの混合溶液に、水酸化リチウム一水和物 1.07g(25.5mmol)を加え、室温にて1.5時間攪拌した。氷冷下に、2N塩酸により中性とした後、10%クエン酸水溶液により酸性とした。塩化メチレンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮し、粗Boc−Phe(4−ベンジルオキシ−3−tert−Bu)−OH 6.8g(93%)を得た。
上記粗化合物 6.2g(14.5mmol)のTHF 30mlとDMF 3mlの混合溶液に、氷冷下、ヨウ化メチル 7.2ml(116mmol)を加え、次いで60%水素化ナトリウム 1.74g(43.5mmol)を加えた。室温にて21時間攪拌した後、60%水素化ナトリウム 0.58g(14.5mmol)とヨウ化メチル 2.7ml(43.5mmol)を加え、7時間攪拌した。氷冷下、水を加え、n−ヘキサン(150ml)−エーテル(50ml)混合液で洗浄した。氷冷下、水層を2N塩酸で中性とした後、10%クエン酸水溶液により酸性とした。酢酸エチルで抽出し、水および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮し、標題化合物の粗生成物 5.0g(78%)を得た。
(3)Boc−N−Me−Phe(4−ベンジルオキシ−3−tert−Bu)−β−Ala−OBzlの合成
粗Boc−N−Me−Phe(4−ベンジルオキシ−3−tert−Bu)−OH 2.68g(6.08mmol)およびH−β−Ala−OBzl p−トルエンスルホン酸塩 2.35g(6.69mmol)のDMF 20ml溶液に、氷冷下、HOBt 0.82g(6.08mmol)、NMM 0.69ml(6.08mmol)およびWSCI 1.28g(6.69mmol)を加え、室温にて終夜攪拌した。反応液に水を加え、次いで10%クエン酸水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和NaHCO3水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去し、標題化合物 3.70g(quant.)を得た。
(4)N−Me−Phe(4−ベンジルオキシ−3−tert−Bu)−β−Ala−OBzlの合成
Boc−N−Me−Phe(4−ベンジルオキシ−3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 3.64g(6.03mmol)の塩化メチレン 20ml溶液に、TFA 10mlを加え、室温にて45分間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和した後、塩化メチレンで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去し、標題化合物 3.02g(99%)を得た。
(5)Boc−N−Me−Lys(Z)−N−Me−Phe(4−ベンジルオキシ−3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl の合成
N−Me−Phe(4−ベンジルオキシ−3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 3.00g(5.96mmol)、Boc−N−Me−Lys(Z)−OH ジシクロヘキシルアミン塩 4.12g(7.16mmol)およびCMPI 1.98g(7.75mmol)のTHF 30ml溶液に、TEA 2.91ml(20.9mmol)を加え、室温にて終夜攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1)に付し、標題化合物 2.95g(56%)を得た。
(6)Boc−Phe(4−F)−N−Me−Lys(Z)−N−Me−Phe(4−ベンジルオキシ−3−tert−Bu)−β−Ala−OBzlの合成
Boc−N−Me−Lys(Z)−N−Me−Phe(4−ベンジルオキシ−3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 2.90g(3.30mmol)の塩化メチレン 20ml溶液に、TFA 10mlを加え、室温にて45分間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和した後、塩化メチレンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去し、粗N−Me−Lys(Z)−N−Me−Phe(4−ベンジルオキシ−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 2.53g(98%)を得た。
上記粗化合物 2.50g(3.21mmol)、Boc−Phe(4−F)−OH 1.00g(3.53mmol)およびCMPI 0.98g(3.85mmol)のTHF 16ml溶液に、氷冷下、TEA 0.98ml(7.06mmol)を加え、室温にて終夜攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=2:1)に付し、標題化合物 3.00g(89%)を得た。
(7)(2S−(2S,13S))−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
Boc−Phe(4−F)−N−Me−Lys(Z)−N−Me−Phe(4−ベンジルオキシ−3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 2.72g(2.60mmol)のメタノール 50ml溶液に、水酸化パラジウム−炭素 0.60gを加え、水素雰囲気下、室温にて終夜攪拌した。反応液を濾過した後、濾液を減圧下に濃縮し、粗Boc−Phe(4−F)−N−Me−Lys−N−Me−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OH 1.98gを得た。
上記粗化合物 1.98g(2.60mmol)をDMF 130ml、ピリジン 130mlの混合溶液とし、BOP試薬 3.45g(7.80mmol)を加え、室温にて26時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 塩化メチレン:メタノール:アンモニア水=20:1:0.1)に付し、標題化合物 0.66g(36%、2工程)を得た。
(8)(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
(2S−(2S,13S))−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド 0.60g(0.843mmol)の塩化メチレン 10ml溶液に、TFA 3mlを加え、室温にて1時間間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和し、塩化メチレンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをメタノール 8mlに加熱溶解させた。室温にて析出した結晶を濾取し、標題化合物 265mg(51%)を得た。
FAB−MS(M++1):612
1H−NMR(DMSO−d):δ 1.0−1.5(6H,m)、1.28(9H,s)、2.0−2.3(3H,m)、2.4−2.7(2H,m)、2.48 and 2.64(total 3H,s)、2.9−3.1(4H,m)、3.5−3.7(2H,m)、5.22(1H,d,J=10.9Hz)、5.33(1H,t,J=7.3Hz)、6.5−6.7(2H,m)、6.9−7.1(4H,m)、7.1−7.2(2H,m)、7.7−7.8(1H,m)、8.97(1H,s)。
(実施例3)
(2S−(2S,12S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,13−トリオキソシクロトリデカン−12−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド
(1)Boc−Tyr(3−tert−Bu)−Gly−OBzlの合成
Boc−Tyr(3−tert−Bu)−OH 2.30g(6.81mmol)およびH−Gly−OBzl 塩酸塩 1.51g(7.50mmol)のDMF 20ml溶液に、氷冷下、HOBt 0.92g(6.81mmol)、NMM 0.78ml(6.81mmol)およびWSCI 1.44g(7.50mmol)を加え、室温にて105分間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した後、10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)に付し、標題化合物 1.57g(48%)を得た。
(2)Boc−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−Gly−OBzlの合成
Boc−Tyr(3−tert−Bu)−Gly−OBzl 1.52g(3.14mmol)の塩化メチレン 25ml溶液に、TFA 8mlを加え、室温にて75分間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和した後、塩化メチレンで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去し、粗H−Tyr(3−tert−Bu)−Gly−OBzl 1.19g(98%)を得た。
上記粗化合物 1.15g(2.99mmol)、Boc−N−Me−Lys(Z)−OH ジシクロヘキシルアミン塩 1.89g(3.29mmol)のDMF 20ml溶液に、氷冷下、HOBt 0.40g(2.99mmol)、NMM 0.34ml(2.99mmol)およびWSCI 0.63g(3.29mmol)を加え、室温にて2.5時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した後、10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:n−ヘキサン=2:1)に付し、標題化合物 2.16g(95%)を得た。
(3)Boc−Phe(4−F)−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−Gly−OBzlの合成
Boc−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−Gly−OBzl 2.12g(2.79mmol)の塩化メチレン 24ml溶液に、TFA 8mlを加え、室温にて1時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和した後、塩化メチレンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去し、粗N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−Gly−OBzl 1.81gを得た。
上記粗化合物 1.79g(2.71mmol)、Boc−Phe(4−F)−OH 0.84g(2.98mmol)およびCMPI 0.83g(3.25mmol)のTHF 13ml溶液に、氷冷下、TEA 0.83ml(5.96mmol)を加え、室温にて終夜攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 塩化メチレン:メタノール:アンモニア水=50:1:0.05)に付し、標題化合物 2.34g(90%、2工程)を得た。
(4)(2S−(2S,12S))−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,13−トリオキソシクロトリデカン−12−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
Boc−Phe(4−F)−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−Gly−OBzl 1.99g(2.15mmol)のメタノール 40ml溶液に、水酸化パラジウム−炭素 0.40gを加え、水素雰囲気下、室温にて終夜攪拌した。反応液を濾過した後、濾液を減圧下に濃縮し、粗Boc−Phe(4−F)−N−Me−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−Gly−OH 1.60gを得た。
上記粗化合物 1.60g(2.15mmol)をDMF 100ml、ピリジン 100mlの混合溶液とし、BOP試薬 2.85g(6.45mmol)を加え、室温にて23時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を10%クエン酸水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 塩化メチレン:メタノール:アンモニア水=25:1:0.05)に付し、標題化合物 0.88g(60%、2工程)を得た。
(5)(2S−(2S,12S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,13−トリオキソシクロトリデカン−12−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
(2S−(2S,12S))−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,13−トリオキソシクロトリデカン−12−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド 0.86g(1.26mmol)の塩化メチレン 15ml溶液に、TFA 5mlを加え、室温にて1時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残さにアンモニア水を加えて中和し、塩化メチレンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さにメタノール 4mlを加えて加熱した。室温にて放置した後、固体を濾取し、標題化合物 474mg(65%)を得た。
FAB−MS(M++1):584
1H−NMR(DMSO−d):δ 0.6−2.0(6H,m)、1.30(9H,m)、2.4−3.0(6H,m)、2.58 and 2.78(total 3H,s)、3.2−3.5(2H,m)、3.6−4.4(3.5H,m)、4.9−5.0(0.5H,m)、6.6−7.2(8H,m)、8.6−8.8(1H,m)、8.87(0.5H,d,J=7.3Hz)、9.00 and 9.05(total 1H,s)、9.17(0.5H,d,J=7.3Hz)。
(実施例4)
(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−4−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
(1)Boc−Tyr(3−tert−Bu)−N−Me−β−Ala−OBzlの合成
Boc−Tyr(3−tert−Bu)−OH 2.41g(7.15mmol)およびN−Me−β−Ala−OBzl(Chem.Pharm.Bull.,31,10,1983,3553−3561) 1.66g(8.58mmol)のDMF 22ml溶液に、氷冷下、HOBt 966mg(7.15mmol)、NMM 0.817ml(7.15mmol)およびWSCI 1.51g(7.87mmol)を加え、室温とし、150分攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、Boc−Tyr(3−tert−Bu)−N−Me−β−Ala−OBzl 3.52g(96%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.34,1.36,1.37,1.40 and 1.42(total 18H,s),2.00−3.60(9H,m),4.66−4.80(1H,m),5.09 and 5.10(total 2H,s),5.16−5.44(2H,m),6.40−7.04(3H,m),7.30−7.42(5H,m)。
(2)H−Tyr(3−tert−Bu)−N−Me−β−Ala−OBzlの合成
Boc−Tyr(3−tert−Bu)−N−Me−β−Ala−OBzl 3.44g(6.72mmol)の塩化メチレン 30ml溶液に、TFA 10mlを加え、室温にて50分間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和し、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、H−Tyr(3−tert−Bu)−N−Me−β−Ala−OBzl 2.70g(97%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.37(9H,s),2.16−3.14(4H,m),2.73 and 2.84(total 3H,s),3.40−3.70(2H,m),3.85 and 3.97(total 1H,t,J=6.9Hz),5.08 and 5.10(total 2H,s),6.53 and 6.57(total 1H,d,J=8.3Hz),6.80(1H,dd,J=1.3,8.3Hz),6.99(1H,d,J=1.3Hz),7.30−7.44(5H,m)。
(3)Boc−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−N−Me−β−Ala−OBzl の合成
H−Tyr(3−tert−Bu)−N−Me−β−Ala−OBzl 2.50g(6.07mmol)およびBoc−N−Me−Lys(Z)−OH ジシクロヘキシルアミン塩 3.67g(6.37mmol)のDMF 18ml溶液に、氷冷下、HOBt 820mg(6.07mmol)、NMM 0.728ml(6.37mmol)およびWSCI 1.28g(6.68mmol)を加え、室温とし2時間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、Boc−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−N−Me−β−Ala−OBzl 4.17g(87%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.20−1.60(5H,m),1.36(9H,s),1.46(9H,s),1.78−1.92(1H,m),2.10−2.94(4H,m),2.61,2.71 and 2.82(total 6H,s),3.17(2H,q,J=6.6Hz),4.28−4.64(2H,m),4.40−5.48(3H,m),5.09 and 5.10(total 4H,s),6.50 and 6.57(total 1H,d,J=7.9−8.2Hz),6.68(1H,brs),6.80−6.90(1H,m),7.01(1H,s),7.28−7.42(10H,m)。
(4)N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−N−Me−β−Ala−OBzlの合成
Boc−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−N−Me−β−Ala−OBzl 4.02g(5.10mmol)の塩化メチレン 25ml溶液に、TFA 10mlを加え、室温にて40分間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和し、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−N−Me−β−Ala−OBzl 3.51g(96%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 0.90−1.04(2H,m),1.20−1.60(4H,m),1.38(9H,s),2.30(3H,s),2.54−3.16(7H,m),2.81 and 2.89(total 3H,s),3.50−3.80(2H,m),4.89(1H,brs),5.04−5.20(1H,m),5.11 and 5.13(total 4H,s),6.60−7.08(4H,m),7.28−7.40(10H,m)。
(5)Boc−Phe(4−F)−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−N−Me−β−Ala−OBzlの合成
N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−N−Me−β−Ala−OBzl 3.40g(4.94mmol)およびBoc−Phe(4−F)−OH 1.47g(5.19mmol)のTHF 25ml溶液に、氷冷下、CMPI 1.39g(5.43mmol)およびTEA 1.51ml(10.9mmol)を加え、室温として2時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=1:1)に付し、Boc−Phe(4−F)−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−N−Me−β−Ala−OBzl 4.22g(90%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 0.80−1.90(6H,m),1.35 and 1.37(total 18H,s),2.36−3.66(16H,m),4.60−5.40(5H,m),5.08 and 5.11(total 4H,s),6.30−7.22(7H,m),7.30−7.42(10H,m)。
(6)(2S−(2S,13S))−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−4−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
Boc−Phe(4−F)−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−N−Me−β−Ala−OBzl 4.00g(4.19mmol)のメタノール 84ml溶液に、10%パラジウム炭素 400mgを加え、水素雰囲気下、室温にて終夜攪拌した。濾過後、減圧下に濾液を濃縮し、Boc−Phe(4−F)−N−Me−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−N−Me−β−Ala−OH 3.05g(100%)を得た。
得られたBoc−Phe(4−F)−N−Me−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−N−Me−β−Ala−OH 2.25g(3.09mmol)をDMF 150ml、ピリジン 150mlの混合溶液とし、BOP試薬 4.10g(9.27mmol)を加え、室温にて16時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、10%CuSO4水、飽和NaHCO3水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=20:1)に付し、(2S−(2S,13S))−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−4−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド 1.32g(60%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.20−2.02(6H,m),1.30,1.33,1.37,1.38 and 1.47(total 18H,s),2.40−3.30(16H,m),3.60−3.78(1H,m),4.30−5.50(4H,m),6.50−7.40(7H,m)。
(7)(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−4−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
(2S−(2S,13S))−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−4−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド 1.20g(1.69mmol)の塩化メチレン 15ml溶液に、TFA 5mlを加え、室温にて40分間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和し、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール:アンモニア水=20:1:0.1)に付し、標題化合物 1.08g(92%)を得た。
FAB−MS(M++1):612
1H−NMR(DMSO−d):δ 0.50−3.40(16H,m),1.29(9H,s),2.74,2.78 and 2.87(total 6H,s),3.77 and 4.42(total 1H,t,J=6.5Hz),4.02−4.16(1H,m),4.88−5.04(1H,m),6.61(1H,d,J=8.0Hz),6.78(1H,dd,J=2.0,8.0Hz),6.90−7.24(4H,m),7.40−7.56(1H,m),8.31 and 9.07(total 1H,s),8.40 and 8.79(total 1H,d,J=8.9−9.2Hz)。
(実施例5)
(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−8−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
(1)Boc−N−Me−Lys(Me,Z)−OHの合成
Boc−Lys(Z)−OH 3.50g(9.21mmol)のTHF 86ml溶液に、氷冷下、60%水素化ナトリウム 1.37g(34.3mmol)およびヨウ化メチル 4.27ml(68.6mmol)を加え、室温として、15時間攪拌した。氷冷下、反応液に10%クエン酸水を加えて酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:n−ヘキサン:=1:1)に付し、Boc−N−Me−Lys(Me,Z)−OH 3.60g(96%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.20−2.02(6H,m),1.46(9H,s),2.79(3H,s),2.91(3H,s),3.22−3.34(2H,m),4.34−4.70(1H,m),5.12(2H,s),7.30−7.42(5H,m)。
(2)Boc−N−Me−Lys(Me,Z)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl の合成
H−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 2.50g(6.28mmol)およびBoc−N−Me−Lys(Me,Z)−OH 2.82g(6.91mmol)のDMF 18.8ml溶液に、氷冷下、HOBt 849mg(6.28mmol)、NMM 0.718ml(6.28mmol)およびWSCI 1.32g(6.91mmol)を加え、室温とし90分間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、Boc−N−Me−Lys(Me,Z)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 4.81g(97%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.10−1.90(6H,m),1.37(9H,s),1.45(9H,s),2.40−2.60(5H,m),2.80−3,00(2H,m),2.88 and 2.96(total 3H,s),3.16−3.50(4H,m),4.30−4.58(2H,m),5.09 and 5.11(total 4H,s),6.30−6.68(3H,m),6.83(1H,dd,J=1.7,7.9Hz),7.03(1H,d,J=1.7Hz),7.30−7.42(10H,m)。
(3)N−Me−Lys(Me,Z)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzlの合成
Boc−N−Me−Lys(Me,Z)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 4.48g(5.69mmol)の塩化メチレン 30ml溶液に、TFA 10mlを加え、室温にて40分間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和し、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、N−Me−Lys(Me,Z)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 3.80g(97%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 0.70−1.60(6H,m),1.38(9H,s),2.29(3H,s),2.50−2.62(2H,m),2.68−2.90(3H,m),2.88 and 2.96(total 3H,s)3.14−3.60(4H,m),4.40−4.70(1H,m),5.12 and 5.18(total 4H,s),6.60−6.90(3H,m),7.02(1H,s),7.30−7.42(10H,m)。
(4)Boc−Phe(4−F)−N−Me−Lys(Me,Z)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzlの合成
N−Me−Lys(Me,Z)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 3.51g(5.10mmol)およびBoc−Phe(4−F)−OH 1.52g(5.36mmol)のTHF 25.5ml溶液に、氷冷下、CMPI 1.43g(5.61mmol)およびTEA 1.56ml(11.2mmol)を加え、室温として、90分間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=1:1)に付し、Boc−Phe(4−F)−N−Me−Lys(Me,Z)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 4.59g(94%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 0.90−1.40(5H,m),1.30,1.36 and 1.39(total 18H,s),1.76−1.92(1H,m),2.10−3.60(16H,m),4.40−4.80(2H,m),4.99,5.11 and 5.13(total 4H,s),5.00−5.60(2H,m),6.50−7.40(18H,m)。
(5)(2S−(2S,13S))−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−8−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
Boc−Phe(4−F)−N−Me−Lys(Me,Z)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OBzl 4.32g(4.53mmol)のメタノール 50ml溶液に、10%パラジウム炭素 400mgを加え、水素雰囲気下、室温にて4時間攪拌した。濾過後、減圧下に濾液を濃縮し、Boc−Phe(4−F)−N−Me−Lys(Me)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OH 3.32g(100%)を得た。
得られたBoc−Phe(4−F)−N−Me−Lys(Me)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OH 2.30g(3.16mmol)をDMF 150ml、ピリジン 150mlの混合溶液とし、BOP試薬 4.19g(9.48mmol)を加え、室温にて16時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=20:1)に付し、(2S−(2S,13S))−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−8−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド 811mg(36%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 0.80−2.00(6H,m),1.34,1.37 and 1.40(total 18H,s),2.30−3.40(16H,m),4.40−4.70(2H,m),5.16−5.44(2H,m),6.40−7.20(9H,m)。
(6)(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−8−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
(2S−(2S,13S))−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−8−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド 748mg(1.05mmol)の塩化メチレン 10ml溶液に、TFA 5mlを加え、室温にて40分間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和し、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=20:1)に付し、標題化合物 608mg(95%)を得た。
FAB−MS(M++1):612
1H−NMR(DMSO−d):δ 0.60−1.90(6H,m),1.26 and 1.28(total 9H,s),2.20−2.90(12H,m),3.20−4.40(6H,m),4.80−4.90(1H,m),6.61(1H,d,J=7.9Hz),6.70−7.60(7H,m),8.08−8.60(1H,m),9.01 and 9.11(total 1H,s)。
(実施例6)
(2S−(2S,14S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,9−トリアザ−3,8,15−トリオキソシクロペンタデカン−14−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
(1)N−(Boc−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステルの合成
Boc−Tyr(3−tert−Bu)−OH 2.01g(5.96mmol)および4−アミノブチリル酸ベンジルエステル 塩酸塩(Helv,Chim.Acta.,80,1997,1253) 1.51g(6.56mmol)のDMF 24ml溶液に、氷冷下、HOBt 805mg(5.96mmol)、NMM 0.750ml(6.56mmol)およびWSCI 1.26g(6.57mmol)を加え、室温とし、90分攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、10%クエン酸水、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、N−(Boc−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステル 2.49g(82%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.37(9H,s),1.41(9H,s),1.62−1.78(2H,m),2.26(2H,t,J=7.3Hz),2.82−3.30(4H,m),4.20(1H,q,J=7.3Hz),4.97(1H,brs),5.10(2H,s),5.83(1H,brs),6.54(1H,d,J=7.9Hz),6.86(1H,dd,J=1.7,7.9Hz),7.04(1H,d,J=1.7Hz),7.30−7.42(5H,m)。
(2)N−(3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステルの合成
N−(Boc−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステル 2.42g(4.73mmol)の塩化メチレン 20ml溶液に、TFA 5mlを加え、室温にて1時間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和し、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、N−(3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステル 1.94g(100%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.39(9H,s),1.85(2H,tt,J=6.6,7.6Hz),2.38(2H,t,J=7.6Hz),2.60(1H,dd,J=9.2,13.8Hz),3.14(1H,dd,J=3.9,13.8Hz),3.30(2H,q,J=6.6Hz),3.53(1H,dd,J=3.9,9.2Hz),5.12(2H,s),6.61(1H,d,J=7.9Hz),6.88(1H,dd,J=2.0,7.9Hz),7.07(1H,d,J=2.0Hz),7.30−7.42(5H,m)。
(3)N−(Boc−N−Me−Nε−Z−リシル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステルの合成
N−(3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステル 1.89g(4.59mmol)およびBoc−N−Me−Lys(Z)−OH 2.78g(4.82mmol)のDMF 14ml溶液に、氷冷下、HOBt 620mg(4.59mmol)、NMM 0.787ml(6.89mmol)およびWSCI 968mg(5.05mmol)を加え、室温とし、90分間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、N−(Boc−N−Me−Nε−Z−リシル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステル 3.41g(90%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.12−1.90(8H,m),1.36(9H,s),1.44(9H,s),2.27(2H,t,J=7.3Hz),2.56(3H,s),2.90−3.30(6H,m),4.37(1H,t,J=7.1Hz),4.69(1H,q,J=7.6Hz),4.82(1H,brs),5.09(4H,s),5.50−5.70 and 6.00−6.20(total 1H,m),6.47(1H,d,J=4.3Hz),6.59(1H,d,J=7.9Hz),6.84(1H,dd,J=1.7,7.9Hz),7.04(1H,d,J=1.7Hz),7.30−7.44(10H,m)。
(4)N−(N−Me−Nε−Z−リシル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステルの合成
N−(Boc−N−Me−Nε−Z−リシル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステル 3.32g(4.21mmol)の塩化メチレン 20ml溶液に、TFA 10mlを加え、室温にて40分間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和し、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、N−(N−Me−Nε−Z−リシル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステル 2.86g(99%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 0.80−0.98(2H,m),1.10−1.70(4H,m),1.38(9H,s),1.81(2H,tt,J=6.6,7.3Hz),2.28(3H,s),2.35(2H,t,J=7.3Hz),2.76−3.20(5H,m),3.27(2H,q,J=6.6Hz),4.46−4.58(1H,m),4.80−4.94(1H,m),5.11 and 5.14(total 4H,s),6.40−6.52(1H,m),6.69(1H,d,J=7.9Hz),6.84(1H,dd,J=1.6,7.9Hz),6.88(1H,brs),7.04(1H,d,J=1.6Hz),7.30−7.46(10H,m)。
(5)N−(Boc−4−フルオロフェニルアラニル−N−Me−Nε−Z−リシル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステルの合成
N−(N−Me−Nε−Z−リシル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステル 2.82g(4.10mmol)およびBoc−Phe(4−F)−OH 1.28g(4.51mmol)のTHF 21ml溶液に、氷冷下、CMPI 1.26g(4.92mmol)およびTEA 1.14ml(8.20mmol)を加え、室温として、2時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=1:1)に付し、N−(Boc−4−フルオロフェニルアラニル−N−Me−Nε−Z−リシル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステル 3.57g(91%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 0.80−1.50(6H,m),1.35,1.37 and 1.38(total 18H,s),1.70−1.86(2H,m),2.15 and 2.62(total 3H,s),2.24−2.38(2H,m),2.60−3.30(8H,m),4.28−4.94(3H,m),5.26−5.40(1H,m),6.08−7.20(10H,m),7.30−7.42(10H,m)。
(6)(2S−(2S,14S))−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,9−トリアザ−3,8,15−トリオキソシクロペンタデカン−14−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
N−(Boc−4−フルオロフェニルアラニル−N−Me−Nε−Z−リシル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステル 3.50g(3.67mmol)のメタノール 100ml溶液に、10%パラジウム炭素 400mgを加え、水素雰囲気下、室温にて終夜攪拌した。濾過後、減圧下に濾液を濃縮し、N−(Boc−4−フルオロフェニルアラニル−N−Me−リシル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸 2.65g(99%)を得た。
得られたN−(Boc−4−フルオロフェニルアラニル−N−Me−リシル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸 2.35g(3.22mmol)をDMF 160ml、ピリジン 160mlの混合溶液とし、BOP試薬 4.27g(9.66mmol)を加え、室温にて16時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、10%クエン酸水、飽和NaHCO3水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=20:1)に付し、(2S−(2S,14S))−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,9−トリアザ−3,8,15−トリオキソシクロペンタデカン−14−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド 1.88g(82%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.04−1.50(6H,m),1.29,1.34 and 1.39(total 18H,s),1.70−1.94(2H,m),2.10−2.40(2H,m),2.24 and 2.55(total 3H,s),2.56−3.70(8H,m),4.40−4.94(3H,m),5.24−5.40(1H,m),5.80−6.44(2H,m),6.62−7.20(7H,m),8.21(1H,d,J=8.2Hz)。
(7)(2S−(2S,14S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,9−トリアザ−3,8,15−トリオキソシクロペンタデカン−14−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
(2S−(2S,14S))−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,9−トリアザ−3,8,15−トリオキソシクロペンタデカン−14−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド 1.75g(2.46mmol)の塩化メチレン 20ml溶液に、TFA 10mlを加え、室温にて40分間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和し、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール:アンモニア水=20:1:0.1)に付し、標題化合物 783mg(52%)を得た。
FAB−MS(M++1):612
1H−NMR(DMSO−d):δ 0.60−2.00(6H,m),1.06(2H,t,J=6.9Hz),1.28 and 1.29(total 9H,s),2.06−2.22(2H,m),2.50−3.00(9H,m),3.20−4.04(3H,m),4.24−4.44(3/2H,m),4.96(1/2H,d,J=9.9Hz),6.61(1H,d,J=8.3Hz),6.70−6.84(1H,m),6.90−7.74(7H,m),8.14 and 8.95(total 1H,d,J=7.6−8.2Hz),9.04 and 9.09(total 1H,s)。
(実施例7)
(2S,14S)−13−(2S−2−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピルアミノ)−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカンの合成
(1)Z−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OtBuの合成
Z−Tyr(3−tert−Bu)−OH 2.69g(7.25mmol)およびH−β−Ala−OtBu 塩酸塩 1.45g(7.98mmol)のDMF 22ml溶液に、氷冷下、HOBt 980mg(7.25mmol)、NMM 1.66ml(14.5mmol)およびWSCI 1.53g(7.98mmol)を加え、室温とし、90分攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、10%クエン酸水、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、Z−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OtBu 2.76g(76%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.37(9H,s),1.41(9H,s),2.33(2H,q,J=6.3Hz),2.88−3.06(2H,m),3.40(2H,q,J=6.3Hz),4.20−4.34(1H,m),4.80−5.00(1H,m),5.09(2H,s),5.20−5.30(1H,m),6.12−6.24(1H,m),6.57(1H,d,J=7.9Hz),6.86(1H,d,J=7.9Hz),7.03(1H,s),7.30−7.42(5H,m)。
(2)H−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OtBuの合成
Z−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OtBu 2.70g(5.42mmol)のメタノール 80ml溶液に、10%パラジウム炭素 300mgを加え、水素雰囲気下、室温にて5時間攪拌した。濾過後、減圧下に濾液を濃縮し、H−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OtBu 1.96g(99%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.36(9H,s),1.43(9H,s),2.40(2H,t,J=6.6Hz),2.77(1H,dd,J=8.2,13.5Hz),3.14(1H,dd,J=4.6,13.5Hz),3.36−3.50(2H,m),3.76−3.84(1H,m),6.71(1H,d,J=7.9Hz),6.93(1H,d,J=7.9Hz),7.04(1H,s),7.64−7.72(1H,m)。
(3)Z−N−Me−Lys(Boc)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OtBu の合成
H−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OtBu 1.90g(5.22mmol)およびZ−N−Me−Lys(Boc)−OH 2.18g(5.74mmol)のDMF 17.5ml溶液に、氷冷下、HOBt 705mg(5.22mmol)、NMM 0.656ml(5.74mmol)およびWSCI 1.10g(8.14mmol)を加え、室温とし、1時間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、Z−N−Me−Lys(Boc)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OtBu 3.49g(92%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 0.90−1.10(2H,m),1.20−1.50(4H,m),1.37(9H,s),1.43(9H,s),1.44(9H,s),2.34−2.46(2H,m),2.80(1H,dd,J=9.2,14.2Hz),2.99(2H,q,J=6.6Hz),3.10−3.24(1H,m),3.43(2H,q,J=6.0Hz),3.94−4.04(1H,m),4.55(1H,q,J=6.2Hz),4.65(1H,brs),5.10(2H,s),5.20−5.30(1H,m),6.34(1H,d,J=6.0Hz),6.42(1H,brs),6.60(1h,brs),6.66(1H,d,J=7.9Hz),6.82(1H,dd,J=1.7,7.9Hz),7.01(1H,d,J=1.7Hz),7.30−7.42(5H,m)。
(4)(2S,14S)−13−アミノ−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン の合成
Z−N−Me−Lys(Boc)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OtBu 2.51g(3.46mmol)の塩化メチレン 10ml溶液に、TFA 10mlを加え、室温にて50分間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、得られた残さをアセトニトリル 170ml、ピリジン 170mlの混合溶液とし、BOP試薬 4.59g(10.4mmol)を加え、室温にて21時間攪拌した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをジエチルエーテル、クロロホルムで順次洗浄し、固体を得た。得られた固体をメタノール 50mlに溶かし、10%パラジウム炭素 300mgを加え、水素雰囲気下、室温にて終夜攪拌した。濾過後、減圧下に濾液を濃縮し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール:アンモニア水=10:1:0.1)に付し、(2S,14S)−13−アミノ−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン 1.30g(90%)を得た。
1H−NMR(CD3OD):δ 0.90−1.40(6H,m),1.40(9H,s),2.28−2.50(2H,m),2.78(1H,dd,J=7.6,13.9Hz),3.06(2H,dd,J=6.9,13.5Hz),3.30−3.72(4H,m),4.65(1H,t,J=7.6Hz),6.66(1H,d,J=7.9Hz),6.90(1H,dd,J=1.7,7.9Hz),7.08(1H,d,J=1.7Hz)。
(5)(2S,14S)−13−((2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピルアミノ)−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカンの合成
(2S,14S)−13−アミノ−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン 0.89g(2.13mmol)およびBoc−Phe(4−F)−H 739mg(2.77mmol)のメタノール 22ml溶液に、氷冷下、酢酸 1mlおよび95%水素化シアノホウ素ナトリウム 423mg(6.39mmol)を加え、室温とし、30分間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール:アンモニア水=20:1:0.1)に付し、(2S,14S)−13−((2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピルアミノ)−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン 793mg(56%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.12−1.80(6H,m),2.06(1H,dd,J=5.3,11.9Hz),2.18(1H,dd,J=6.3,11.9Hz),2.28−2.64(3H,m),2.70−2.80(2H,m),2.94−3.12(3H,m),3.42−3.68(3H,m),4.72(1H,dd,J=6.3,9.3Hz),6.65(1H,d,J=7.9Hz),6.88(1H,dd,J=2.0,7.9Hz),7.00(2h,t,J=8.2Hz),7.11(1H,d,J=2.0Hz),7.21(2H,dd,J=7.6,8.2Hz)。
(6)(2S,14S)−13−((2S)−2−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピルアミノ)−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカンの合成
(2S,14S)−13−((2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピルアミノ)−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン 735mg(1.10mmol)の塩化メチレン 5ml溶液に、TFA 3mlを加え、室温にて40分間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和し、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール:アンモニア水=5:1:0.1)に付し、標題化合物 608mg(97%)を得た。
FAB−MS(M++1):570
1H−NMR(DMSO−d):δ 1.00−1.52(4H,m),1.30(9H,s),1.64−1.94(4H,m),2.14−2.32(3H,m),2.50−2.90(5H,m),3.20−3.62(4H,m),4.42−4.56(1H,m),6.63(1H,d,J=8.2Hz),6.77(1H,d,J=8.2Hz),6.93(1H,s),7.00−7.24(5H,m),7.69(1H,d,J=5.9Hz),8.09(1H,d,J=9.2Hz),9.00−9.20(1H,m)。
(実施例8)
(2S−(2S,13S))−N−(8−アセチル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−N−メチル−1,4,8−トリアザ−3,14−ジオキソシクロテトラデカン−13−イル)−2−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオンアミドの合成
(1)Boc−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−OMeの合成
H−Tyr(3−tert−Bu)−OMe 2.00g(7.97mmol)およびBoc−N−Me−Lys(Z)−OH 5.05g(8.77mmol)のDMF 24ml溶液に、氷冷下、HOBt 1.08g(7.97mmol)、NMM 1.37ml(12.0mmol)およびWSCI 1.68g(8.77mmol)を加え、室温とし、3時間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、10%クエン酸水、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル: ヘキサン=1:1)に付し、Boc−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−OMe 4.99g(100%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.14−1.30(2H,m),1.37(9H,s),1.43(9H,s),1.40−1.64(3H,m),1.78−1.96(1H,m),2.56(3H,s),2.93(1H,dd,J=7.3,14.2Hz),3.04−3.22(3H,m),3.73(3H,s),4.44(1H,t,J=7.6Hz),4.72−4.86(2H,m),5.09(2H,s),5.55(1H,brs),6.40(1H,brs),6.61(1H,d,J=7.9Hz),6.77(1h,d,J=7.9Hz),6.95(1H,s),7.30−7.40(5H,m)。
(2)Boc−N−Me−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OMeの合成
Boc−N−Me−Lys(Z)−Tyr(3−tert−Bu)−OMe 4.92g(7.85mmol)のメタノール 80ml溶液に、10%パラジウム炭素 500mgを加え、水素雰囲気下、室温にて終夜攪拌した。濾過後、減圧下に濾液を濃縮し、Boc−N−Me−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OMe 3.87g(100%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.20−1.94(6H,m),1.36(9H,s),1.43(9H,s),2.63(3H,s),2.80−3.00(3H,m),3.12(1H,dd,J=5.0,13.8Hz),3.74(3H,s),4.45(1H,t,J=6.9Hz),4.70−4.80(1H,m),6.73(1H,d,J=7.9Hz),6.82(1H,d,J=7.9Hz),6.94(1H,s)。
(3)Boc−N−Me−Nε−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピル)−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OMe の合成
Boc−N−Me−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OMe 3.10g(6.29mmol)およびN−フェニルメトキシカルボニル−3−アミノプロパナール 1.43g(6.92mmol)のメタノール 63ml溶液に、氷冷下、酢酸 0.36mlおよび95%水素化シアノホウ素ナトリウム 832mg(12.6mmol)を加え、室温とし、終夜攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール:アンモニア水=20:1:0.1)に付し、Boc−N−Me−Nε−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピル)−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OMe 2.30g(53%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.16−2.00(8H,m),1.37(9H,s),1.44(9H,s),2.61(3H,s),2.72(2H,t,J=7.3Hz),2.85(2H,t,J=6.6Hz),2.84−2.94(1H,m),3.12(1H,dd,J=5.3,13.9Hz),3.24−3.38(2H,m),3.74(3H,s),4.42(1H,t,J=7.3Hz),4.75(1H,q,J=6.6Hz),5.10(2H,s),5.40−5.50(1H,m),6.56−6.66(1H,m),6.70(1H,d,J=7.9Hz),6.78(1H,dd,J=1.7,7.9Hz),6.95(1H,d,J=1.7Hz),7.28−7.40(5H,m)。
(4)Boc−N−Me−Nε−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピル)−Ne−アセチル−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OMeの合成
Boc−N−Me−Nε−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピル)−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OMe 2.24g(3.27mmol)の塩化メチレン 33ml溶液に、氷冷下、無水酢酸 0.401ml(4.25mmol)およびTEA 0.684ml(4.91mmol)を加え、30分間攪拌した。反応液に飽和NaHCO3水を加えて中和し、塩化メチレンで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール:アンモニア水=30:1:0.1)に付し、Boc−N−Me−Nε−アセチル−Nε−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピル)−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OMe 1.92g(81%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.08−2.00(8H,m),1.37(9H,s),1.43(9H,s),2.05(3H,s),2.96(1H,dd,J=6.9,14.5Hz),3.04−3.42(7H,m),3.73(3H,s),4.30−4.60(1H,m),4.76(1H,q,J=6.3Hz),5.09(2H,s),5.77(1H,brs),6.30−6.50(1H,m),6.58−6.82(2H,m),6.95(1H,s),7.30−7.40(5H,m)。
(5)N−Me−Nε−アセチル−Nε−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピル)−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OMeの合成
Boc−N−Me−Nε−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピル)−Nε−アセチル−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OMe 1.82g(2.50mmol)の塩化メチレン 20ml溶液に、TFA 10mlを加え、室温にて40分間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和し、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、N−Me−Nε−アセチル−Nε−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピル)−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OMe 1.56g(99%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 0.74−1.82(8H,m),1.38 and 1.39(total 9H,s),2.02 and 2.07(total 3H,s),2.35 and 2.37(total 3H,s),2.60−3.40(9H,m),3.76 and 3.77(total 3H,s),4.78−5.00(3/2H,m),5.12(2H,s),5.52−5.60(1/2H,m),6.60−7.04(7/2H,m),7.30−7.46(5H,m),7.67(1/2H,m)。
(6)Boc−Phe(4−F)−N−Me−Nε−アセチル−Nε−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピル)−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OMeの合成
N−Me−Nε−アセチル−Nε−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピル)−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OMe 1.50g(2.39mmol)およびBoc−Phe(4−F)−OH 811mg(2.87mmol)のTHF 16ml溶液に、氷冷下、CMPI 794mg(3.11mmol)およびTEA 0.733ml(5.26mmol)を加え、室温として14時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=2:1)に付し、Boc−Phe(4−F)−N−Me−Nε−アセチル−Nε−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピル)−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OMe 1.96g(92%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.00−1.90(8H,m),1.35,1.36 and 1.38(total 18H,s),2.04(3H,s),2.20 and 2.55(total 3H,s),2.66−3.42(10H,m),3.70 and 3.76(total 3H,s),4.60−5.04(3H,m),5.10(2H,s),5.20−6.24(3H,m),6.58−7.20(7H,m),7.30−7.44(5H,m)。
(7)Boc−Phe(4−F)−N−Me−Nε−アセチル−Nε−(3−アミノプロピル)−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OHの合成
Boc−Phe(4−F)−N−Me−Nε−アセチル−Nε−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピル)−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OMe 1.89g(2.12mmol)のジオキサン 20ml溶液に、2N水酸化ナトリウム水溶液 2mlを加え、室温にて100分間攪拌した。反応液に氷冷下、10%クエン酸水を加え、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、Boc−Phe(4−F)−N−Me−Nε−アセチル−Nε−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピル)−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OH 1.87g(100%)を得た。
Boc−Phe(4−F)−N−Me−Nε−アセチル−Nε−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピル)−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OH 1.82g(2.08mmol)のメタノール 20ml溶液に、10%パラジウム炭素 200mgを加え、水素雰囲気下、室温にて終夜攪拌した。濾過後、減圧下に濾液を濃縮し、Boc−Phe(4−F)−N−Me−Nε−アセチル−Nε−(3−アミノプロピル)−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OH 1.32g(85%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d):δ 1.00−2.00(8H,m),1.28 and 1.38(total 18H,s),1.96(3H,s),2.30−3.50(9H,m),4.00−5.00(3H,m),6.54−6.98(3H,m),7.00−7.30(4H,m),7.30−7.44(1H,m),8.96(1H,d,J=5.3Hz)。
(8)(2S−(2S,13S))−N−(8−アセチル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−3,14−ジオキソ−1,4,8−トリアザシクロテトラデカン−13−イル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
Boc−Phe(4−F)−N−Me−Nε−アセチル−Nε−(3−アミノプロピル)−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−OH 1.10g(1.48mmol)をDMF 75ml、ピリジン 75mlの混合溶液とし、BOP試薬 1.96g(4.44mmol)を加え、室温にて18時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮した後、水を加え、酢酸エチルで抽出し、10%クエン酸水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 塩化メチレン:メタノール:アンモニア水=20:1:0.05)に付し、(2S−(2S,13S))−N−(8−アセチル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−3,14−ジオキソ−1,4,8−トリアザシクロテトラデカン−13−イル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド 0.59g(55%)を得た。
(9)(2S−(2S,13S))−N−(8−アセチル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−3,14−ジオキソ−1,4,8−トリアザシクロテトラデカン−13−イル)−2−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
(2S−(2S,13S))−N−(8−アセチル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−3,14−ジオキソ−1,4,8−トリアザシクロテトラデカン−13−イル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド 0.55g(0.757mmol)の塩化メチレン 7ml溶液に、TFA 3mlを加え、室温にて55分間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和し、塩化メチレンで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 塩化メチレン:メタノール:アンモニア水=15:1:0.1)に付し、標題化合物 0.43g(90%)を得た。
FAB−MS(M++1):626
1H−NMR(DMSO−d6−CDCl3):δ 0.7−1.8(16H,m)、1.29 and 1.30(total 9H,s)、1.9−2.0(3H,m)、2.4−3.4(10H,m)、2.62 and 2.64(3H,s)、3.70(0.5H,m)、4.0−4.4(2H,m)、4.92(0.5H,d,J=9.2Hz)、6.5−7.2(8H,m)、7.8−8.1(1.5H,m)、9.0−9.1(1.5H,m)。
(実施例9)
(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−9,N−ジメチル−1,4,9−トリアザ−3,8,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)プロピオンアミドの合成
(1)Boc−N−Me−Orn(Me)(Z)−OHの合成
Boc−Orn(Z)−OH 3.00g(8.19mmol)のTHF 82ml溶液に、氷冷下、60%水素化ナトリウム 1.31g(32.8mmol)およびヨウ化メチル 4.08ml(65.5mmol)を加え、室温として、16時間攪拌した。氷冷下、反応液に水を加え、ヘキサンで洗浄した。水層に10%クエン酸水を加えて酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、Boc−N−Me−Orn(Me)(Z)−OH 3.22g(100%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.46(9H,s),1.50−2.02(4H,m),2.70−2.90(3H,m),2.92(3H,s),3.20−3.46(2H,m),4.32−4.80(1H,m),5.13(2H,s),7.24−7.40(5H,m)。
(2)N−(Boc−N−Me−Nε−Z−オルニチル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステルの合成
N−(3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステル 2.39g(5.80mmol)およびBoc−N−Me−Orn(Z)−OH 2.51g(6.38mmol)のDMF 29ml溶液に、氷冷下、HOBt 784mg(5.80mmol)、NMM 0.729ml(6.38mmol)およびWSCI 1.22g(6.38mmol)を加え、室温とし、140分間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=1:1)に付し、N−(Boc−N−Me−Nε−Z−オルニチル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステル 3.91g(86%)を得た。 1H−NMR(CDCl3):δ 1.36(9H,s),1.45(9H,s),1.50−1.90(4H,m),2.26(2H,t,J=7.3Hz),2,47 and 2.58(total 3H,s),2.88(3H,s),2.95(2H,d,J=7.3Hz),3.10−3.44(4H,m),4.42−4.60(2H,m),5.09(2H,s),5.12(2H,s),5.30−5.50(1H,m),5.90−6.10(1H,m),6.54(1H,d,J=7.9Hz),6.83(1H,d,J=7.9Hz),7.04(1H,s),7.24−7.40(10H,m)。
(3)N−(N−Me−Nε−Z−オルニチル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステルの合成
N−(Boc−N−Me−Nε−Z−オルニチル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステル 3.81g(4.84mmol)の塩化メチレン 40ml溶液に、TFA 10mlを加え、室温にて40分間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和し、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、N−(N−Me−Nε−Z−オルニチル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステル 3.26g(98%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.06−1.40(2H,m),1.37(9H,s),1.78(2H,tt,J=6.9,7.3Hz),2.27(3H,s),2.32(2H,t,J=7.3Hz),2.76−2.92(5H,m),2.98−3.30(3H,m),3.225(2H,q,J=6.9Hz),4.34−4.56(1H,m),5.10 and 5.14(total 4H,s),6.30−6.88(3h,m),7.02(1H,d,J=2.6Hz),7.30−7.62(11H,m)。
(4)N−(Boc−4−フルオロフェニルアラニル−N−Me−Nε−Z−オルニチル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステルの合成
N−(N−Me−Nε−Z−オルニチル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステル 3.10g(4.51mmol)およびBoc−Phe(4−F)−OH 1.41g(4.96mmol)のTHF 45ml溶液に、氷冷下、CMPI 1.38g(5.41mmol)およびTEA 1.38ml(9.92mmol)を加え、室温として14時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=2:1)に付し、N−(Boc−4−フルオロフェニルアラニル−N−Me−Nε−Z−オルニチル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステル 4.20g(98%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.20−1.50(2H,m),1.34 and 1.38(total 18H,s),1.60−1.84(4H,m),2.04−3.40(16H,m),4.30−5.06(5/2H,m),5.08 and 5.11(total 4H,s),5.29(1/2H,d,J=6.6Hz),5.60−6.30(2H,m),6.40−7.20(7H,m),7.24−7.42(21/2H,m),7.68−7.76(1/2H,m)。
(5)(2S−(2S,13S))−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−9−メチル−1,4,9−トリアザ−3,8,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド
N−(Boc−4−フルオロフェニルアラニル−N−Me−Nε−Z−オルニチル−3−tert−Bu−チロシル)−4−アミノブチリル酸ベンジルエステル 2.80g(2.68mmol)のメタノール 40ml溶液に、水酸化パラジウム−炭素 0.52gを加え、水素雰囲気下、室温にて5時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧下に濃縮し、得られた残さ 2.27gをDMF 135ml、ピリジン 135mlの混合溶液とし、BOP試薬 3.56g(8.04mmol)を加え、室温にて12時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮した後、水を加え、酢酸エチルで抽出し、10%クエン酸水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 塩化メチレン:メタノール:アンモニア水=20:1:0.1)に付し、(2S−(2S,13S))−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−9−メチル−1,4,9−トリアザ−3,8,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド 1.14g(60%)を得た。
(6)(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−9−メチル−1,4,9−トリアザ−3,8,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミドの合成
(2S−(2S,13S))−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−9−メチル−1,4,9−トリアザ−3,8,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド 1.10g(1.54mmol)の塩化メチレン 9ml溶液に、TFA 3mlを加え、室温にて1時間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、得られた残さに飽和NaHCO3水を加えて中和し、塩化メチレンで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 塩化メチレン:メタノール:アンモニア水=13:1:0.1)に付し、標題化合物 609mg(65%)を得た。
FAB−MS(M++1):612
1H−NMR(DMSO−d6−CDCl3):δ 0.8−2.0(6H,m)、1.29(9H,s)、2.0−3.4(12H,m)、3.6−4.5(3.5H,m)、4.9−5.1(0.75H,m)、5.4−5.7(0.75H,m)、6.6−7.3(10H,m)、7.6−7.8(1H,m)、8.0−8.3(1H,m)、8.9−9.2(2H,m)。
(実施例10)
(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−フェニル−N−メチルプロピオンアミドの合成
(1)H−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−O−tert−Buの合成
H−Tyr(3−tert−Bu)−OMe 3.5g(13.9mmol)、炭酸ナトリウム 2.21g(20.9mmol)の1,4−ジオキサン 25mlと水 25mlの混合溶液に、氷冷下、ベンジルオキシカルボニルクロリド 2.09ml(14.6mmol)を加え、室温にて2時間攪拌した。水を加え、エチルエーテルで抽出した後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去し、得られた粗Z−Tyr(3−tert−Bu)−OMeの1,4−ジオキサン 20mlに、水酸化ナトリウム 1.05g(26.3mmol)/水 10ml溶液を加え、室温にて40分間攪拌した。反応液をエチルエーテルで洗浄後、水層を濃塩酸で酸性とし、塩化メチレンで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮し、得られた粗Z−Tyr(3−tert−Bu)−OH およびH−β−Ala−O−tert−Bu 塩酸塩 2.78g(15.3mmol)のDMF 40ml溶液に、氷冷下、HOBt 1.88g(13.9mmol)、NMM 1.6ml(13.9mmol)およびWSCI 2.93g(15.3mmol)を加え、室温にて終夜攪拌した。反応液に水および10%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で順次洗浄した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた粗Z−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−O−tert−Buのメタノール 70ml溶液に、20%水酸化パラジウム/炭素 1.0gを加え、水素雰囲気下に、1時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧下に濃縮し、標題化合物 4.70g(93%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.39(9H,s),1.45(9H,s)、2.44(2H,t,J=6.3Hz)、2.57(1H,dd,J=9.4,13.9Hz),3.17(1H,dd,J=4.0,13.9Hz)、3.47−3.56(3H,m),6.64(1H,d,J=7.9Hz),6.90(1H,dd,J=2.0,7.9Hz),7.08(1H,d,J=2.0Hz),7.67(1H,brt)。
(2)Fmoc−N−Me−Lys(Boc)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−O−tert−Buの合成
H−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−O−tert−Bu 3.97g(10.9mmol)およびFmoc−N−Me−Lys(Boc)−OH 5.26g(10.9mmol)のDMF 40ml溶液に、氷冷下、HOBt 1.47gmg(10.9mmol)、NMM 1.25ml(10.9mmol)およびWSCI 2.09g(10.9mmol)を加え、室温にて終夜攪拌した。反応液に、水および10%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和NaHCO3水および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(流出溶媒 酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1)に付し、標題化合物 8.14g(90%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.0−1.9(6H,m)、1.34(9H,s)、1.42(9H,s)、1.44(9H,s)、2.3−2.4(2H,m)、2.55(3H,brs)、2.7−2.9(1H,m)、3.0−3.1(3H,m)、3.4−3.5(2H,m)、4.2−4.6(6H,m)、6.45(2H,brs)、6.75(1H,brs)、7.00(1H,s)、7.3−7.5(5H,m)、7.58(2H,d,J=6.3Hz)、7.79(2H,d,J=7.6Hz)。
(3)N−Me−Lys(Boc)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−O−tert−Buの合成
Fmoc−N−Me−Lys(Boc)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−O−tert−Bu 6.8g(8.20mmol)の塩化メチレン15ml溶液に、ジエチルアミン 15mlを加え、室温にて95分間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(流出溶媒 塩化メチレン:メタノール:アンモニア水=30:1:0.1)に付し、標題化合物 4.57g(91%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 0.8−0.9(2H,m)、1.0−1.7(4H,m)、1.38(9H,s)、1.44(9H,s)、1.48(9H,s)、2.33(3H,s)、2.43(2H,t,J=5.9−6.3Hz)、2.7−3.1(4H,m)、3.25(1H,dd,J=4.6,14.2Hz)、3.49(2H,dd,J=5.9−6.3,11.9−12.2Hz)、4.5−4.7(2H,m)、6.7−6.8(2H,m)、6.86(1H,d,J=6.6Hz)、7.03(1H,s)、7.38(1H,d,J=7.9Hz)。
(4)Z−Phe−N−Me−Lys(Boc)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−O−tert−Buの合成
N−Me−Lys(Boc)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−O−tert−Bu 4.57g(7.53mmol)、Z−Phe−OH 2.93g(9.79mmol)およびCMPI 2.69g(10.5mmol)のTHF 20ml溶液に、氷冷下、TEA 3.1ml(22.6mmol)を加え、室温にて終夜攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和NaHCO3水溶液および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=3:1)に付し、標題化合物 6.7g(quant.)を得た。
(5)(2S−(2S,13S))−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−フェニル−N−メチルプロピオンアミドの合成
Z−Phe−N−Me−Lys(Boc)−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−O−tert−Bu 6.7g(7.53mmol)の塩化メチレン 40ml溶液に、TFA 40mlを加え、室温にて70分間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残さにトルエンを加えて、減圧下に溶媒を留去した。得られた粗Z−Phe−N−Me−Lys−Tyr(3−tert−Bu)−β−Ala−OHを、DMF 380mlおよびピリジン 380mlの混合溶液とし、BOP試薬 9.99g(22.6mmol)を加え、室温にて終夜攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール:アンモニア水=80〜20:1:0.05)に付した。得られた残さを酢酸エチルに溶解させ、10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去し、標題化合物 2.6g(48%)を得た。
(6)(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−フェニル−N−メチルプロピオンアミドの合成
(2S−(2S,13S))−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−フェニル−N−メチルプロピオンアミド 1.25g(1.79mmol)のメタノール 35ml溶液に、10%水酸化パラジウム/炭素 0.55gを加え、水素雰囲気下、2.5時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧下に濃縮し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール:アンモニア水=20:1:0.1)に付し、標題化合物 1.48g(73%)を得た。
FAB−MS(M++1):580
1H−NMR(DMSO−d6−CDCl3):δ 0.60−2.0(6H,m),1.29(9H,s),2.1−2.3(2H,m),2.5−2.9(4H,m),2.66 and 2.60(3H,s),3.1−3.3(2H,m),3.5−3.6(2H,m),3.71 and 3.92(1H,t,J=6.3Hz)、4.18 and 4.94(1H,d,J=11.9Hz)、4.4−4.6(1H,m)、6.60−6.64(1H,m)、6.72 and 6.75(1H,dd,J=1.9,8.0Hz)、6.86 and 6.93(1H,d,J=1.9Hz)、7.05−7.29(5H,m)、7.6−7.8(2H,m)、8.09 and 8.39(1H,d,J=8.8−9.4)、8.9−9.1(1H,s)。
以下の試験例においては、本発明化合物の有用性を明らかにするために、本発明化合物の代表的化合物について、モチリンレセプターアンタゴニスト作用に関する薬理試験を行った。
(試験例1)モチリン受容体結合試験
本願の化合物のモチリン受容体結合活性を、下記の方法[Vantrappen etal.,Regul.Peptides,15,143(1986)]により調べた。
屠殺したウサギより十二指腸を摘出し、粘膜を剥離後、50mM Tris溶液中でホモジナイズしてタンパク液とした。タンパク液を125Iモチリン25pMと共に2時間25℃でインキュベートした後に、タンパクに結合した放射活性をγ−カウンター(COBRA IITM、モデル5005、パッカード)により測定した。インキュベート液中に何も添加しなかった際のタンパク液の放射活性と、大過剰のモチリン(10−7M)を添加した際の放射活性の差をモチリンとモチリン受容体との特異的結合とみなした。
上述の実施例1〜10で合成された化合物について、モチリンとモチリン受容体との特異的結合を50%に減少させる濃度(IC50、nM)を求めた。また、比較例として、モチリンアンタゴニスト活性を有する環状ペプチド誘導体である下記の式(5)で示される化合物(特開平7−138284号公報に記載の化合物)のIC50も求めた。結果を表B−1に示す。
(試験例2)ウサギ摘出十二指腸縦走筋標本の収縮に対する作用
本願の化合物が、モチリンによるウサギ摘出十二指腸縦走筋標本の収縮に及ぼす作用を、下記のようにして調べた。
屠殺したウサギより摘出した十二指腸標本(5×15mm)を、クレブス(Krebs)溶液を満たした28℃の恒温槽(organ bath 10ml)中に縦走筋方向に懸垂した。混合ガス(95%O2、5%CO2)をKrebs溶液に連続的に通気し、十二指腸標本の収縮をアイソトニックトランスデューサー(isotonic transducer、ME−3407、ME Commercial、Tokyo、Japan)を介して等張性(負荷1g)に記録した。十二指腸標本の収縮の程度は、10−4M濃度のアセチルコリンによる収縮を100%として、それに対する割合で示した。
上述の実施例1〜8,10で合成された化合物について、恒温槽内に添加したモチリンによる濃度依存的収縮に対する影響を測定し、pA2値を算出した(参照:「薬物受容体」高柳一成編、南山堂)。結果を表B−1に示す。比較例として、式(5)で示される化合物の結果も示す。
表B−1から、本発明化合物は、比較例の化合物に比較して、優れたモチリンレセプターアンタゴニスト活性を有していることがわかる。
産業上の利用の可能性
本発明の化合物は、モチリンレセプターアンタゴニスト作用等を有し、過敏性腸症候群治療薬等の医薬として有用である。
Claims (20)
- 一般式(1)
R2は、水素原子または置換基を有していてもよいアミノ基を表す。
R3は、水素原子、メチル基またはエチル基を表す。
R4は、水素原子、メチル基またはエチル基を表す。
R5は、水素原子、メチル基またはエチル基を表す。
R6は、水素原子、メチル基、エチル基または−CO−R7を表す。
R7は、水素原子または炭素数1〜3の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基を表す。
Vは、カルボニル基またはメチレン基を表す。
Wは、カルボニル基またはメチレン基を表す。
Xは、カルボニル基またはメチレン基を表す。
Yは、カルボニル基またはメチレン基を表す。
Zは、カルボニル基またはメチレン基を表す。
mは、0〜2の数を表す。
nは、0〜3の数を表す。
但し、R1がフェニル基、R2がアミノ基、R3、R4、R5およびR6がいずれも水素原子、Vがメチレン基、W、X、YおよびZがいずれもカルボニル基、かつ、mおよびnがいずれも1である化合物は除く。)
で示される化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩。 - 一般式(1)において、R1がフェニル基かつR3が水素原子であるときには、Xがメチレン基である請求項1に記載の化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩。
- 一般式(1)において、R1がフェニル基またはハロゲン置換フェニル基である請求項1または2に記載の化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩。
- 一般式(1)において、R2がアミノ基である請求項1〜3記載のいずれか1項に記載の化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩。
- 一般式(1)において、R3が水素原子またはメチル基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩。
- 一般式(1)において、R4が水素原子またはメチル基である請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩。
- 一般式(1)において、R5が水素原子またはメチル基である請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩。
- 一般式(1)において、R6が水素原子、メチル基またはアセチル基である請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩。
- 一般式(1)において、Vがメチレン基である請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩。
- 一般式(1)において、Yがカルボニル基である請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩。
- 一般式(1)において、Zがカルボニル基である請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩。
- 一般式(1)において、R1がフェニル基またはハロゲン置換フェニル基であり、R2がアミノ基であり、R3が水素原子またはメチル基であり、R4が水素原子またはメチル基であり、R5が水素原子またはメチル基であり、R6が水素原子、メチル基またはアセチル基であり、Vがメチレン基であり、Wがカルボニル基またはメチレン基であり、Xがカルボニル基またはメチレン基であり、Yがカルボニル基であり、Zがカルボニル基である請求項1に記載の化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩。
- (2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド、(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド、(2S−(2S,12S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,13−トリオキソシクロトリデカン−12−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド、2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−4−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド、(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−8−メチル−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド、(2S−(2S,14S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,9−トリアザ−3,8,15−トリオキソシクロペンタデカン−14−イル)−3−(4−フルオロフェニル)−N−メチルプロピオンアミド、(2S,14S)−13−(2S−2−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピルアミノ)−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン、(2S−(2S,13S))−N−(8−アセチル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−N−メチル−1,4,8−トリアザ−3,14−ジオキソシクロテトラデカン−13−イル)−2−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオンアミド、(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−9,N−ジメチル−1,4,9−トリアザ−3,8,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−(4−フルオロフェニル)プロピオンアミド、(2S−(2S,13S))−2−アミノ−N−(2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルメチル)−1,4,8−トリアザ−3,7,14−トリオキソシクロテトラデカン−13−イル)−3−フェニル−N−メチルプロピオンアミド、からなる化合物群から選択される請求項1に記載の化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩を有効成分として含有する医薬。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩を含有するモチリンレセプターアンタゴニスト。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩を有効成分として含有する消化管運動抑制剤。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩を有効成分として含有する高モチリン血症治療剤。
- 一般式(3)において、
R3は、水素原子、メチル基またはエチル基を表す。
R4は、水素原子、メチル基またはエチル基を表す。
R5は、水素原子、メチル基またはエチル基を表す。
mは、0〜2の数を表す。
nは、0〜3の数を表す。
P2は、水素原子またはフェノール性水酸基の保護基を表す。
P3は、水素原子またはカルボキシル基の保護基を表す。
P5は、水素原子またはアミノ基の保護基を表す。
R2´は、水素原子または保護された置換基を有していてもよいアミノ基を表す。)
で示される化合物、その水和物またはその薬学的に許容しうる塩。
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