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JP4796410B2 - 表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板 - Google Patents

表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板 Download PDF

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JP4796410B2 JP2006063223A JP2006063223A JP4796410B2 JP 4796410 B2 JP4796410 B2 JP 4796410B2 JP 2006063223 A JP2006063223 A JP 2006063223A JP 2006063223 A JP2006063223 A JP 2006063223A JP 4796410 B2 JP4796410 B2 JP 4796410B2
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Description

本発明は、耐食性、耐アルカリ性、成型加工性を兼ね備えた、耐候性、耐汚染性に優れた表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板に関するものである。本発明で対象とする表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板は、建材製品、家電製品、自動車部材などの分野で使用できるものであるが、屋外で使用する建材製品に適用する場合を中心に説明する。
アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板は、アルミニウムが4〜75質量%、残りの大半が亜鉛、更にSi、Mg、Ce−Laなど第三成分が微量含有される合金によってめっきされた鋼板である。現在製品化されているものにおいては、アルミニウムを4〜10質量%、残りの大半を亜鉛及びCe−Laを配合した合金めっきを施した、いわゆる低アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板と、アルミニウムを55質量%、亜鉛を43.4質量%、Siを1.6質量%配合した、いわゆる高アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板との二種類がある。そして通常一般に使用されている溶融亜鉛めっき鋼板に比べてめっき層が同じ厚みの場合、耐食性において低アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板は1.5〜2倍、高アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板は3〜6倍の優れた性質を有している。しかも、高アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の場合には、耐熱性や熱反射性においても優れている。
この高アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板はアルミニウムの不動体皮膜保護作用と亜鉛の犠牲防食作用が最もバランス良く機能する組成となっており、かつ、めっき層はアルミニウムリッチな部分を亜鉛リッチな部分が網目状に取り囲んでいる構造になっており、溶融亜鉛めっき鋼鈑とは異なり、腐食が始まると緻密で安定した腐食生成物ができて網目状の空間を埋めて腐食はそれ以上進行しないため、耐食性に優れているといわれている。しかも、耐熱性や熱反射性に優れていることもあって、屋根材や壁材などの建材製品、ガードレール、防音壁、防雪柵、排水溝などの土木製品材料、自動車、家電製品、産業機器などの材料、さらには塗装鋼板の基板など急速に普及しつつある。
しかし前記めっき鋼板は耐食性に優れているといっても、それは地鉄の腐食による赤錆の発生までの時間が長いということであって、何らかの被覆処理をめっき表面に施さなければ短時間で白錆や黒錆が発生し、めっき鋼板の銀白色の美しい外観が損なわれる。
そのため、従来から白錆や黒錆の発生を防ぐ目的でクロメート処理や、特公平4−2672号公報(特許文献1)に開示されているような酸価が10〜200の水系樹脂に6価クロムを含有する組成物で樹脂皮膜を形成させる方法や、特開平7−251128号公報(特許文献2)に開示されているような微量のクロムを含む潤滑材配合シリコーン樹脂皮膜処理等が採用されてきた。
しかし、クロメート処理を施された高アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板は耐食性が向上できたものの、そのめっき層にアルミニウムが配合されているため、めっき層の硬度が高いものであり、これをロール成形やプレス加工を行って成形加工する際に高アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板と成形ロールやプレス金型との間の潤滑性が悪くて、めっき層が破壊されたり、両者間の摩擦熱によってめっき層が成形ロールやプレス金型に融着する現象を生じたりし、この結果、高アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板から出る金属粉末が成形ロールやプレス金型に付着することになり、成形品のコーナー部分にこの金属粉末が堆積して焼付現象を生じたり、傷やアブレージョンなどの欠陥を生じたりして外観変化が発生するおそれがあった。
前記特公平4−2672号公報(特許文献1)、あるいは特開平7−251128号公報(特許文献2)に記載の樹脂組成物を用いてめっき表面を樹脂皮膜で被覆して表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を形成すると、上記のような成形加工時における不良の発生を防止することができるものであるが、耐食性を維持するために樹脂皮膜中には6価クロムイオンを含むため、表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板に結露が生じたり、雨水に曝されたりすると、6価クロムイオンの樹脂皮膜からの溶出による環境汚染が生じるおそれがあり、環境負荷物質を使用しているという観点から好ましいものではない。またモルタルやコンクリートなどのアルカリ性を帯びた異物と接触したままにすると、表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の表面には、アルミニウムに特有の黒色変化(黒変)を起こし、外観を損なうことがあった。
近年、地球環境保全の必要性が高まる中で、上記問題を解決する手法として特開2003−201578号公報(特許文献3)に記載される、クロムを含有しない表面処理アルミニウム・亜鉛系合金めっき鋼板や、特開2004−204333号公報(特許文献4)に記載されるアルミニウム−亜鉛合金めっき処理用水性樹脂組成物、被覆方法及びアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板がある。
特開2003−201578号公報(特許文献3)及び特開2004−204333号公報(特許文献4)はアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を、シランカップリング剤とジルコニウム化合物を配合させたウレタン樹脂皮膜で被覆することで潤滑性を付与し、傷やアブレージョンなどの欠陥を改善させている。しかしながら、特開2003−201578号公報(特許文献3)では紫外線によるウレタン樹脂皮膜の分解が懸念される。屋外で長期間使用されるような建材分野への適用は鋼板に対し、ウレタン樹脂の分解が原因となる皮膜の着色や大気中に浮遊する無機カーボン成分が皮膜に付着する、カーボン汚れが生じて意匠性の問題から好ましいものではない。特開2004−204333号公報(特許文献4)は前記同様の懸念事項に加え、配合するウレタン樹脂のガラス転移温度(Tg)が低い場合、成型加工時に皮膜の欠落、高温多湿環境下では皮膜の軟化が起き、耐食性や耐アルカリ性を低下させてしまう。
特公平4−2672号公報 特開平7−251128号公報 特開2003−201578号公報 特開2004−204333号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、成形加工等によって外観が損なわれることがなく、耐食性や耐アルカリ性に優れ、かつ良好な耐候性、耐汚染性を有し皮膜にクロムを含有しない表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板は、80℃以上のガラス転移温度(Tg)を有する水分散性のポリエステル系ウレタン樹脂(a)、カルボキシル基とグリシジル基を含むがスチロール基は含まない酸価が10〜60の水分散性アクリル樹脂(b)、ジルコニウム化合物(c)及びヒンダードアミン類(d)を成分として配合し、各成分の比率が固形分質量比として、(a)/(b)の配合比で99/1〜70/30、(c)の含有量がジルコニウム換算としてZr/((a)+(b))の配合比で1/10〜1/500、(d)の配合量が(d)/((a)+(b))の配合比で5/100〜1/1000の範囲であり、かつpHが7〜10の範囲である表面被覆組成物を、めっき組成としてアルミニウムを25〜75質量%の範囲で含有するアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の表面に塗布した後乾燥し、片面当たりの乾燥皮膜質量が0.5〜5.0g/mの範囲である被覆層を形成して成ることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1において、カルボキシル基とグリシジル基を含むがスチロール基は含まない酸価が10〜60の水分散性アクリル樹脂(b)を合成するモノマー組成が、グリシジルメタクリレートと、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種と、n−ブチルアクリレート(メタクリレート)、メチルアクリレート(メタクリレート)、エチルアクリレート(メタクリレート)及びアクリルニトリルから選ばれる少なくとも2種から成ることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、表面被覆組成物をアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の表面に塗布した後乾燥するときの温度が到達板温として40〜250℃であることを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板によれば、耐食性、耐アルカリ性、成型加工性、耐候性及び耐汚染性をいずれも高く得ることができるものであり、さらにクロムを一切使用していないため、環境的、産業的な利用価値は極めて大きいものである。
請求項2に係る発明によれば、耐候性及び耐汚染性をさらに高く得ることができるものである。
請求項3に係る発明によれば、耐食性及び耐アルカリ性をさらに高く得ることができるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明において水分散性のポリエステル系ウレタン樹脂(a)は、樹脂物性が80℃以上のガラス転移温度(Tg)を有するものである。ガラス転移温度(Tg)が80℃未満では、厳しい成型加工により皮膜(被覆層)の耐久性がないためにめっき磨耗が起こり黒く変色しやすくなる場合がある。また、ガラス転移温度(Tg)が低いと水分あるいはアルカリ成分を含んだ水が浸透しやすくなり、めっきの変色する速度を高めることになる。そのため、ガラス転移温度(Tg)は80℃以上とし、80℃から150℃の範囲が好ましく、100℃から130℃の範囲であることがより好ましい。ただし、ガラス転移温度(Tg)が150℃を超えると皮膜が硬くなり過ぎるために金属材料との基材密着性が低下し、成型加工で皮膜が追従できないために成型加工性が低下する場合がある。
水分散性のポリエステル系ウレタン樹脂(a)は、イソシアネート基を2個以上有するジイソシアネート又はポリイソシアネート、ジオール又はポリオール、ジアミン又はポリアミン、酸成分を原料として一般的な合成方法により得られるものであり、前記ジオール又はポリオール成分のポリエステルポリオールであるポリエステル系ウレタン樹脂である。なお、合成方法に関しては特に限定するものではない。
水系化に際しては、ポリエステルポリオールと水添型イソシアネートでウレタンを合成する際にジメチロールアルキル酸を共重合し、自己乳化させて水性化(水分散)している。このことにより、水系化の際に乳化剤を使用しないことで、耐水性に優れた皮膜性能が得られ、耐食性や耐アルカリ性の向上に繋がる。
前記ポリエステルポリオールとしては、グリコール成分と、酸成分及びヒドロキシカルボン酸のエステル形成誘導体などの酸成分とから脱水縮合反応によって得られるポリエステルの他にε−カプロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステル及びこれらの共重合ポリエステルが挙げられる。グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量300〜6,000)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン及びそれらのアルキレンオキシド付加体などが挙げられる。
また、酸成分としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p´−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸などが挙げられる。
また、イソシアネートとしては、脂肪族、脂環式もしくは芳香族ポリイソシアネートがあり、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートエステル、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの中でも、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートエステル、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート化合物を用いた場合に、耐アルカリ性、耐食性等だけではなく、耐候性に優れた皮膜が得られるので好ましい。
水分散性のポリエステル系ウレタン樹脂(a)は合成する段階でシランカップリング剤を用いてシラン変性しても構わない。シラン変性するときのシランカップリング剤の種類、変性量については特に限定するものではないが、例示するとすればシランカップリング剤の種類としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
水分散性のポリエステル系ウレタン樹脂(a)は、樹脂合成時の安定性、低温乾燥時の造膜性を高めるために有機溶剤を配合することができる。有機溶剤としては、ブチルセロソルブ、N−メチル−2−ピロリドン、ブチルカルビトール、テキサノールなどが挙げられる。
本発明においては、カルボキシル基とグリシジル基を含むがスチロール基は含まない酸価が10〜60の水分散性アクリル樹脂(b)を用いることで、表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板に耐候性及び耐汚染性を付与することができる。
上記の酸価が10〜60の水分散性アクリル樹脂(b)を生成するためのカルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等を用いることができ、またグリシジル基含有モノマーとしてはアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等を用いることができる。アクリル系重合体樹脂エマルジョンを合成する際は、その方法は特に限定するものではないが、ポリオキシエチレンアルキルナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩等のアニオン性活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル等のノニオン性活性剤、疎水基にラジカル重合可能な官能基を有する反応性乳化剤等から選択される一種又は二種以上の乳化剤を用いて例えば過酸化物を用いたラジカル重合によって合成することができる。
ここで、上記の水分散性アクリル樹脂(b)の酸価が10に満たないとアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板と樹脂皮膜(被覆層)との密着性が低下し成型加工性の低下に繋がる。また、上記酸価が60を超えると樹脂皮膜の耐アルカリ性が低下する。
また、上記酸価が10〜60の水分散性アクリル樹脂(b)は、モノマー成分としてスチレンを含有せず、スチロール基を含まない。スチロール基が存在すると空気中にて過酸化物を生じる性質があるため樹脂皮膜の酸化劣化を促し、紫外線が照射されると着色し耐候性が低下する。更に疎水性の高い無機カーボンのような汚染物質が吸着しやすくなり、耐汚染性が低下する。
本発明において、カルボキシル基とグリシジル基を含むがスチロール基は含まない酸価が10〜60の水分散性アクリル樹脂(b)の配合量は、水分散性のポリエステル系ウレタン樹脂(a)との固形分重量配合比(a)/(b)で99/1〜70/30の範囲であり、98/2〜80/20の範囲が好ましく、95/5〜85/15の範囲がより好ましい。
ここで、前記(a)/(b)が99/1を超えると十分な耐候性及び耐汚染性を付与することができず、70/30を下回ると耐食性及び耐アルカリ性が低下してしまう。
本発明においてジルコニウム化合物(c)としては限定するものではないが、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムナトリウム、炭酸ジルコニウムカリウム、乳酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、ジルコン弗化水素酸及びそのアンモニウム塩等が使用できる。
これらの中で、炭酸ジルコニウムナトリウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、乳酸ジルコニウムを用いることがより好ましい。
ジルコニウム化合物(c)を含有することで金属材料との反応、ウレタン樹脂骨格に存在する極性基と架橋反応することが可能となり、耐食性が向上する。ジルコニウム化合物(c)の配合比率は、ジルコニウム換算として上記水分散性のポリエステル系ウレタン樹脂(a)及び上記酸価が10〜60の水分散性アクリル樹脂(b)の固形分質量換算比で、Zr/((a)+(b))で1/10〜1/500の範囲であり、1/20〜1/200の範囲であることが好ましい。1/10を超えると樹脂成分((a)+(b))が不足するために成型加工性が低下する。一方、1/500を下回るとジルコニウム化合物が不足し、耐アルカリ性が低下する場合がある。
本発明においてヒンダードアミン類(d)としては限定するものではないが、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル、(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、トリデシル−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシルエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ{[6−モルフォリノ−2,4−ジイル][4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノヘキサメチレン][4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]}等が使用できる。
前記ヒンダードアミン類(d)は紫外線等により樹脂が分解する過程で発生するラジカルを捕捉させることで、長期間皮膜を安定な状態に保たせるために配合する。しかしながら、添加する量が多すぎると、樹脂皮膜の特性を低下させ、少ないと十分な効果が得られず樹脂皮膜が分解又は着色する。よって、(d)の配合比率は、上記水分散性のポリエステル系ウレタン樹脂(a)及び上記酸価が10〜60の水分散性アクリル樹脂(b)の固形分質量換算比で(d)/((a)+(b))の配合比で5/100〜1/1000の範囲であり、5/100〜1/100の範囲が好ましい。5/100を超えると耐アルカリ性が低下し、1/1000を下回ると耐候性、耐汚染性に対し、十分な効果が得られない。
本発明の表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の被覆層を形成するための、表面被覆組成物は、上記(a)〜(d)成分を上記の配合量で配合することによって得ることができる。この表面被覆組成物のpHは7〜10の範囲である。それを外れると、アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板表面のアルミニウムの不動態層を破壊してしまい、合金めっきそのものが持つ性能を大幅に低下させてしまう。また、片面当たりの乾燥皮膜質量が0.5g/m未満であると充分な樹脂皮膜の効果が得られず、優れた耐食性、耐アルカリ性等の付与ができず、5.0g/mを超えると、樹脂皮膜の造膜不良を発現させないために、長時間の乾燥時間が必要となり、また性能が飽和して生産性及び経済的損失をもたらすことになる。
基本的にガラス転移温度(Tg)が高い樹脂を利用すると樹脂皮膜の特性として耐食性、耐薬品性が優れていることが多い。しかしながら、焼付乾燥して得た樹脂皮膜が造膜性不良を起こし易く、優れた加工性が発現されない場合がある。そのため、ガラス転移温度(Tg)より高い温度での焼付けが好ましい。よって、前記表面被覆組成物をアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の表面に塗布した後乾燥するときの温度が到達板温として40〜250℃が好ましく、60〜200℃がより好ましく、80〜150℃がさらに好ましい。また、到達板温が40℃未満であると、耐食性及び耐アルカリ性が低下するおそれがあり、到達板温が250℃を超えると、上記水分散性のポリエステル系ウレタン樹脂(a)及び上記酸価が10〜60の水分散性アクリル樹脂(b)の一部が分解し、耐食性及び耐アルカリ性が低下するおそれがある。
本発明の表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を得る方法としては、任意の方法を用いることが可能である。例えば、表面被覆組成物の塗布方法に関しては、ロールコート法、スプレー法、浸漬法、シャワーリンガー法、エアーナイフ法などが挙げられる。塗布後に被覆層を形成するために水分を自然乾燥により揮発させても良いし、電気炉、熱風炉、誘導加熱炉などの加熱装置を用いて強制的に乾燥しても良く、その方法を限定するものではない。
以上のような組成を有する表面被覆組成物を、めっき組成としてアルミニウムが25〜75質量%の範囲で含有するアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の表面に塗布した後乾燥させて、樹脂皮膜を形成することにより表面処理を施すことによって、本発明の表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を製造するものである。めっき組成としてアルミニウムが25質量%未満であっても、75質量%を超えても、所望の耐食性を得ることができない。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(1)供試材
金属材料には本発明による改善効果が最も発現しやすい、55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を用いた。
(2)脱脂処理
金属材料の前処理として、アルカリ脱脂により清浄な表面状態を得た。具体的にはシリケート系アルカリ脱脂剤のファインクリーナーN364S(日本パーカライジング(株)製)を濃度2%、温度60℃に調整し、10秒間スプレー処理した。続いて、水道水で洗浄した後に水切りロールで絞り、50℃で30秒間加熱乾燥した。
(3)金属材料用表面処理剤
(3)−1 ウレタン樹脂(a)
表1に示すウレタン樹脂(a)は、以下に示す合成方法により得た。
ウレタン樹脂(a1)
反応容器内に1,4−ブタンジオールとアジピン酸から得られる数平均分子量1500のポリエステルポリオール100質量部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール5質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸15質量部、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート100質量部、N−メチル−2−ピロリドン100質量部を加えて反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量5%であるウレタンプレポリマーを得た。次に、ピペラジン16質量部、トリエチルアミン10質量部をイオン交換水500質量部に加えてホモミキサーで攪拌しながら、ウレタンプレポリマーを加えて乳化分散して不揮発分35質量%の水分散性ウレタン樹脂を得た。
ウレタン樹脂(a2)
反応容器内に1,6−ヘキサンジオールとネオペンチルグリコールとアジピン酸から得られる数平均分子量2000のポリエステルポリオール100質量部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール5質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸20質量部、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート100質量部、N−メチル−2−ピロリドン100質量部を加えて反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量5%であるウレタンプレポリマーを得た。次に、エチレンジアミン16質量部、トリエチルアミン10質量部をイオン交換水500質量部に加えてホモミキサーで攪拌しながら、ウレタンプレポリマーを加えて乳化分散して不揮発分35質量%の水分散性ウレタン樹脂を得た。
ウレタン樹脂(a3)
反応容器内に1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸から得られる数平均分子量2000のポリエステルポリオール100質量部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール5質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸20質量部、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート100質量部、3−アミノプロピルトリエトキシシラン1質量部、N−メチル−2−ピロリドン100質量部を加えて反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量5%である水分散性ウレタンプレポリマーを得た。次に、テトラメチレンジアミン16質量部、トリエチルアミン10質量部をイオン交換水500質量部に加えてホモミキサーで攪拌しながら、ウレタンプレポリマーを加えて乳化分散して不揮発分35質量%の水分散性ウレタン樹脂を得た。
ウレタン樹脂(a4)
反応容器内に1,6−ヘキサンジオールとネオペンチルグリコールとアジピン酸から得られる数平均分子量20000のポリエステルポリオール100質量部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール5質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸20質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート100質量部、N−メチル−2−ピロリドン100質量部を加えて反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量5%であるウレタンプレポリマーを得た。次に、エチレンジアミン16質量部、トリエチルアミン10質量部をイオン交換水500質量部に加えてホモミキサーで攪拌しながら、ウレタンプレポリマーを加えて乳化分散して不揮発分35質量%の水分散性ウレタン樹脂を得た。
ウレタン樹脂(a5)
反応容器内にエチレングリコールとプロピレングリコールから得られる数平均分子量2000のポリエーテルポリオール100質量部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール5質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸20質量部、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート100質量部、N−メチル−2−ピロリドン100質量部を加えて反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量5%であるウレタンプレポリマーを得た。次に、エチレンジアミン16質量部、トリエチルアミン10質量部をイオン交換水500質量部に加えてホモミキサーで攪拌しながら、ウレタンプレポリマーを加えて乳化分散して不揮発分35質量%の水分散性ウレタン樹脂を得た。
Figure 0004796410
(3)−2 アクリル樹脂(b)
脱イオン水及びポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル混合液に、アクリル酸、メタクリル酸、グリシジルメタクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、アクリルニトリルを表2に示す組成(質量%)で配合し、重合触媒として過硫酸アンモニウムを用いて80〜85℃で数時間反応させた後、アンモニア水及び脱イオン水にてpH調整、濃度調整を行い、固形分濃度40%の水分散性アクリル樹脂を得た。
Figure 0004796410
本実施例で用いたジルコニウム化合物(c)を以下の表3に示す。
Figure 0004796410
本実施例で用いたヒンダードアミン類(d)を以下の表4に示す。
Figure 0004796410
上記表1乃至表4に示す各成分を配合した表面処理剤(表面被覆組成物)の組成(質量比)を表5に示す。なお、各表面処理剤においては、最後に脱イオン水を用いて固形分濃度が30%となるように濃度調整をした。
Figure 0004796410
(4)塗布方法
所定の皮膜量が得られるように、バーコーターの種類を変えてウエット付着量をコントロールした。その後、280℃の雰囲気で所定の到達板温になるように乾燥して、被覆層を形成した表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を作製し、これを処理板とした。
(5)ポリエステル系ウレタン樹脂(a)のガラス転移温度(Tg)の測定方法
動的粘弾性測定装置を使用して測定した。
(6)水分散性アクリル樹脂(b)の酸価の測定方法
水分散性アクリル樹脂(b)に含まれるカルボン酸を中和するのに、アクリル樹脂の固形分1gあたり必要となる水酸化カリウムのmg数を求めた。
(7)評価方法
表5の表面被覆組成物を用いて作製した実施例及び比較例の処理板を表6に示す。これらの処理板について以下の試験を実施し、評価基準に従って判定した。
(7)−1 耐食性
塩水噴霧試験法JIS−Z−2371に基づき塩水噴霧500時間後の白錆発生面積を目視により求め、下記評価基準にて評価した。
評価基準:白錆発生面積率
◎;5%未満
○;5%以上15%未満
△;15%以上50%未満
×;50%以上
(7)−2 耐アルカリ性
1%濃度の水酸化ナトリウム水溶液に25℃で5時間浸漬し、脱イオン水にて水洗した後にドライヤーで乾燥した。処理板の状態を目視判定により、下記評価基準にて評価した。
評価基準:黒色や茶色への変色度合い
◎;5%未満
○;5%以上15%未満
△;15%以上50%未満
×;50%以上
(7)−3 成型加工性
先端が5mmRのビードを300kgf(2942N)で表面に押し付けた状態で、処理板を上部に引き抜く試験を実施し、処理板の外観を目視判定し、下記の評価基準にて評価した。
評価基準:黒色への変色度合い
◎;1%未満
○;1%以上5%未満
△;5%以上50%未満
×;50%以上
(7)−4 耐汚染性
20℃及び60℃の250g/Lカーボンブラック懸濁液を作製し、30秒間浸漬させた。その後脱イオン水で洗浄した後、ドライヤー乾燥後、色差計(Color Meter ZE2000 日本電色工業株式会社製)にて、浸漬前後の明度差測定を行い、下記の評価基準にて評価した。
評価基準:L値の変化度合い
◎;0以上2未満
○;2以上5未満
△;5以上10未満
×;10以上
(7)−5 耐候性
千葉県船橋市にて12ヶ月間の屋外曝露試験を行い、色差計(Color Meter ZE2000 日本電色工業株式会社製)にて試験前後のL値及びb値差を評価した。
評価基準:L値の変化度合い
◎;0以上2未満
○;2以上5未満
△;5以上10未満
×;10以上
評価基準:b値の変化度合い
◎;0以上2未満
○;2以上4未満
△;4以上7未満
×;7以上
以上の評価結果を表6に示す。
Figure 0004796410
表6の評価結果から分かるように、実施例1乃至実施例38に示す本発明の表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板は、耐食性、耐アルカリ性、成型加工性、耐候性及び耐汚染性に優れる結果であった。これらの中でも実施例1乃至実施例4及び実施例8乃至実施例10から分かるように、水分散性アクリル樹脂(b)の配合量と、ヒンダードアミン類の配合量が増加すると、耐候性及び耐汚染性が向上する傾向が認められた。一方で、ウレタン樹脂を配合させない比較例1では、耐汚染性以外の評価項目が全て低下していた。また、ガラス転移温度(Tg)が80℃を下回るウレタンを用いた比較例2では、耐食性、耐アルカリ性が低下し、ポリエーテル系ウレタンを用いた比較例3では、成型加工性等が低下していた。
アクリル樹脂を添加しない比較例4では耐候性、耐汚染性が低下した。また、酸価が10を下回るアクリル樹脂を用いた比較例5では成型加工性が低下し、酸価が60を超えるアクリル樹脂を用いた比較例6では、耐アルカリ性が低下した。
また、スチレンを配合させた樹脂を用いた比較例7では、耐候性及び耐汚染性が低下し、グリシジル基を含有しないアクリル樹脂を用いた比較例8では、耐食性、耐アルカリ性、耐汚染性が低下した。
(a)/(b)の配合比が70/30を下回る比較例9では耐アルカリ性、成型加工性が低下し、99/1を超えた比較例10では、耐候性及び耐汚染性が不十分であった。
ジルコニウム化合物を配合させない比較例11では、耐食性、耐アルカリ性、耐候性が低下した。
また、ジルコニウム換算としてZr/((a)+(b))の配合比が1/500を下回る比較例12では、耐アルカリ性が低下し、1/10を超えた比較例13は成型加工性が低下した。
ヒンダードアミン類を配合させない比較例14では、耐候性及び耐汚染性が低下し、(d)/((a)+(b))の配合比で1/1000を下回る比較例15も同様の結果となり、5/100を超える比較例16は耐アルカリ性が低下した。
また、アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板に形成される表面被覆組成物のpHが7〜10の範囲外となる比較例17及び比較例18は耐アルカリ性、耐候性及び耐汚染性が低下した。
一方で、アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板に形成される片面当たりの乾燥皮膜質量が0.5g/mを下回った比較例19、比較例20、比較例21はすべての評価項目において十分な性能を示さなかった。

Claims (3)

  1. 80℃以上のガラス転移温度(Tg)を有する水分散性のポリエステル系ウレタン樹脂(a)、カルボキシル基とグリシジル基を含むがスチロール基は含まない酸価が10〜60の水分散性アクリル樹脂(b)、ジルコニウム化合物(c)及びヒンダードアミン類(d)を成分として配合し、各成分の比率が固形分質量比として、(a)/(b)の配合比で99/1〜70/30、(c)の含有量がジルコニウム換算としてZr/((a)+(b))の配合比で1/10〜1/500、(d)の配合量が(d)/((a)+(b))の配合比で5/100〜1/1000の範囲であり、かつpHが7〜10の範囲である表面被覆組成物を、めっき組成としてアルミニウムを25〜75質量%の範囲で含有するアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の表面に塗布した後乾燥し、片面当たりの乾燥皮膜質量が0.5〜5.0g/mの範囲である被覆層を形成して成ることを特徴とする表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板。
  2. カルボキシル基とグリシジル基を含むがスチロール基は含まない酸価が10〜60の水分散性アクリル樹脂(b)を合成するモノマー組成が、グリシジルメタクリレートと、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種と、n−ブチルアクリレート(メタクリレート)、メチルアクリレート(メタクリレート)、エチルアクリレート(メタクリレート)及びアクリルニトリルから選ばれる少なくとも2種から成ることを特徴とする請求項1に記載の表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板。
  3. 表面被覆組成物をアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の表面に塗布した後乾燥するときの温度が到達板温として40〜250℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板。
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