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JP2007175975A - 塗装亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板 - Google Patents

塗装亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板 Download PDF

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JP2007175975A JP2005376137A JP2005376137A JP2007175975A JP 2007175975 A JP2007175975 A JP 2007175975A JP 2005376137 A JP2005376137 A JP 2005376137A JP 2005376137 A JP2005376137 A JP 2005376137A JP 2007175975 A JP2007175975 A JP 2007175975A
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Tomokazu Sugitani
智和 杉谷
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Abstract

【課題】優れた耐食性と耐候性とを併せ持つ塗装亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板を提供する。
【解決手段】25〜75重量%のアルミニウムと、0.01〜5.0重量%のマグネシウムと、アルミニウムの含有量に対して0.5重量%以上のケイ素とを含有する亜鉛−アルミニウム合金めっき層が形成された亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板に、ガラス繊維を含有する塗膜を設ける。この塗膜の外層に、環状脂肪族多塩基酸と脂肪族多価アルコールとから成り、且つ芳香族成分を含まないポリエステル樹脂と、紫外線吸収剤及び光安定剤のうち少なくとも一方とを含むクリア塗膜を設ける。
【選択図】なし

Description

本発明は、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板の表面に塗装が施された、外装建材等として利用することができる塗装亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板に関するものである。
従来、鋼板の表面に亜鉛めっきを施して鋼板の耐食性を改善することは、広く知られており、現在も亜鉛めっきが施された鋼板は大量に生産されている。しかしながら、多くの用途に対して亜鉛めっきは耐食性が不充分な場合があるので、近年亜鉛よりも鋼板の耐食性を一層向上させるものとして、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板が提案されるに至った。
このような亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板は、特許文献1として提供されている。この特許では、25〜75重量%のアルミニウムと、アルミニウム含有量の0.5%以上のケイ素、及び残部は本質的に亜鉛より成る合金めっきを施すことが開示されており、実際にも耐食性が優れると共に鋼板への密着性が良好で、かつ外観の美麗な亜鉛−アルミニウム合金めっき層が得られるものである。このように亜鉛−アルミニウム合金めっきを施した鋼板には,従来の亜鉛合金めっきを施した鋼板に対して各段に優れた耐食性を示すものであった。このような亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板の表面に塗装を施したプレコート鋼板は、外装建材等に広く利用されるようになってきている(特許文献2参照)。
しかし、上記のような亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板に切断加工を施した場合、切断端縁部においては充分な耐食性は得られないものであった。これは鋼板の切断端面に露出する鋼板部分の腐食が亜鉛の犠牲防食作用により防止されるのに伴い、亜鉛−アルミニウム合金めっき層中の亜鉛偏析部から亜鉛成分が消失して耐食性が低下するためである。またこのため、めっき層から亜鉛が消失するのに伴って、鋼板の金属合金めっき層の上に更に塗装を施したり、プラスチックフィルムを積層したりする場合、切断端縁部近傍のめっき層と塗膜層との間に腐食性生成物が発生することによる塗膜ふくれ(エッジクリープ)が発生するものであった。また、塗装が施された亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板に対して曲げ加工等の機械的加工を施す場合、摩擦、衝撃、引っ掻きなどにより傷が付くと、水分が浸透し易くなってしまい、このような塗膜の傷付きによる耐食性の低下も問題となってしまうものであった。
また、塗装めっき鋼板は屋外にて長期にわたって暴露される環境下で使用されることから、塗膜のワレやはがれ、著しい変退色やチョーキング(白亜化)が生じないように、高い耐候性が求められてる。
そこで、塗膜と亜鉛−アルミニウム合金めっき層との間の切断端縁部近傍の耐食性を向上させるために、特許文献3においては、亜鉛−アルミニウム合金めっき層中にマグネシウムを含有させた亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板が提供されたが、塗膜の傷付き等による耐食性の低下は十分には抑制することはできず、また、特許文献4等にはプレコート鋼板用塗料に繊維状のガラスを添加して塗膜強度を上げて高硬度とし、耐傷付き性、耐摩耗性の改善を図ることも提案されているが、優れた耐食性と耐候性とを併せ持つ塗装亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板は、未だ見出されてはいなかった。
特公昭46−007161号公報 特開2001−29883号公報 特公昭60−056420号公報 特公平4−67502号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、優れた耐食性と耐候性とを併せ持つ塗装亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板を提供することを目的とするものである。
本発明に係る塗装亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板は、25〜75重量%のアルミニウムと、0.01〜5.0重量%のマグネシウムと、アルミニウムの含有量に対して0.5重量%以上のケイ素とを含有する亜鉛−アルミニウム合金めっき層が形成された亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板に、ガラス繊維を含有する塗膜を設け、この塗膜の外層に、環状脂肪族多塩基酸と脂肪族多価アルコールとから成り、且つ芳香族成分を含まないポリエステル樹脂と、紫外線吸収剤及び光安定剤のうち少なくとも一方とを含むクリア塗膜を設けたことを特徴とするものである。
本発明によれば、マグネシウムとケイ素とを含む亜鉛−アルミニウム合金めっき層により、腐食性雰囲気下における亜鉛−アルミニウム合金めっき層からの亜鉛の溶出の抑制んによる切断端縁部と折り曲げ加工部の耐食性の向上と、ガラス繊維を含有する塗膜による塗膜強度の向上と、クリア塗膜による耐候性の向上とが相まって、塗装亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板に優れた耐食性と耐候性とを同時に付与することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明にて用いる母基材としては、鋼板の表面に、25〜75重量%のアルミニウムと、0.01〜5.0%のマグネシウムと、アルミニウムの含有量に対して0.5重量%以上のケイ素とを含有する亜鉛−アルミニウム合金めっき層を形成した亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板を用いる。
上記のような合金めっきを鋼板に施すにあたっては、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、及びケイ素を、所望のめっき層の組成と同一の配合割合で含む溶融金属浴に、基材となる鋼板を浸漬させる等の公知の手段を用いることができる。このときのめっき層形成条件は、特に限定するものではないが、例えば550〜650℃の溶融金属浴に、鋼板を1〜10秒間浸漬した後、20〜40℃/秒の冷却速度で冷却することにより、合金めっき鋼板を得ることができる。
ここで合金めっき層中のアルミニウムの割合を25〜75重量%としたのは、合金めっき鋼板を成形する際に合金めっき層にひび割れが生じたりフレーク化したりすることを防ぐためであり、そのためには、より好ましくはアルミニウムの配合割合を40〜75重量%とするものである。
また合金めっき層中にアルミニウム含有量に対して0.5重量%以上のケイ素を含有させることにより、鋼板に合金めっき層を形成するにあたり、鋼板表面と合金めっきとの界面における、もろい鉄含有合金層が形成されることを抑制して、鋼板表面と合金めっき層との密着性を向上することができる。ここで、ケイ素の含有量の上限は限定されるものではないが、特に上限を設定するとすれば、アルミニウム含有量に対して10重量%以下とするものであり、10重量%を超えるともろい鉄含有層の形成を抑制する効果が飽和すると共に、めっき層の加工性の低下を招くおそれがある。
また、合金めっき層中には、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板の耐食性、塗膜等との密着性等の特性を損なわない他の物質、例えば従来から合金めっきのための溶融金属浴に許容されている不純物や、他の意識的な添加物も含有し得る。例えば各原料成分中に含まれる鉛、鉄、銅、カドミウム、スズ等の微量の不純物、鉄、銅、鉛等のような製造工程上不可避的に混入される不純物、マンガン、スズ、ニッケル、モリブデン、タングステン、コバルト、クロム、チタン、カドミウム、アンチモン、ランタン、セレン等の添加物等の、本発明の必須成分以外の成分が、合金めっき層中に含まれても良いものである。これらの不純物や添加物等の混入量は特に制限されるものではないが、銅、カドミウム、スズ、アンチモン及び鉛の混入量はできるだけ低減させるようにすることが好ましい。
そして、合金めっき層中の上記成分を除く残部は、亜鉛で構成される。
また合金めっき層中のマグネシウムの割合を、1.0〜5.0重量%とすることにより、合金めっき層を鋼板表面に形成した際に、腐食性雰囲気下における合金めっき層からの亜鉛の溶出を抑制することができる。このように合金めっき層から亜鉛の溶出が抑制されるのは、合金めっき層中のマグネシウムの割合を1.0〜5.0重量%とすると、合金めっき層の表層の亜鉛偏析部に還元性の強いマグネシウムが析出し、亜鉛偏析部が全体として不動態化の傾向を有するようになるためであると考えられる。そして上記のように、腐食性雰囲気下における合金めっき層からの亜鉛の溶出が抑制されると、合金めっき鋼板の耐食性を向上することができるものであり、合金めっき鋼板の平面部のみならず、切断加工を施した場合の切断端縁部や、折り曲げ加工を施した場合の折り曲げ部の耐食性が向上し、特に折り曲げ部の耐食性を著しく向上させることができる。更に、この亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板の表面に、後述するような塗膜を形成する場合の腐食性雰囲気下における平面部、切断加工を施した場合の切断端縁部、及び折り曲げ加工を施した場合の折り曲げ部の耐食性が向上し、特に折り曲げ部の耐食性を著しく向上させることもできる。
ここでマグネシウムの含有量が1.0重量%を超えると、合金めっき層の硬度が高くなり、合金めっき層が形成された鋼板に折り曲げ加工等の成形加工を施した場合に合金めっき層にクラックが発生するおそれがあるが、亜鉛の溶出を抑制することによる耐食性の向上の効果は、クラックの発生による耐食性の低下を上回るものであり、全体として耐食性を向上することができる。従って、この亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板では、合金めっきを施した後、何ら成形加工を施さない部分や、切断加工を施した際の切断端縁部における耐食性を向上することができることは勿論のこと、折り曲げ加工等の成形加工を施した部分における耐食性も向上させることができる。ここで合金めっき中のマグネシウムの割合が1.0重量%に満たないと、マグネシウムを含有しない通常の亜鉛−アルミニウム合金めっきの場合と比べて、切断端縁部における耐食性は向上するが、折り曲げ加工を施した部分の耐食性は逆に低下することとなり、また5.0重量%を超えると、耐食性の向上の効果が飽和するにもかかわらず、材料コストが上昇することとなり、また合金めっき層の硬度が高くなり過ぎて割れやすくなり、大きなクラックが発生するおそれがあって、好ましくない。
また鋼板表面に形成する合金めっき層の付着量は、特に制限されるものではないが、付着量が少ないと、合金めっき層に耐食性を付与するための充分な厚みが得られなくなり、また付着量が多すぎると、屈曲加工を施した際に発生するクラックが大きくなったり、合金めっきが鋼板表面から剥離しやすくなって、いずれの場合も耐食性が低下する傾向が生じるものであり、充分な耐食性及び合金めっき層の密着性を得るためには、好ましくは、鋼板の表裏両面合わせて40〜250g/m2とするものである。
この亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板(以下、「めっき鋼板」と略称することがある。)には、塗膜の形成に先だって化成処理層を形成することができる。化成処理層としては、クロメート(クロム酸塩)処理層、リン酸塩処理層、複合酸化皮膜形成等が挙げられる。
クロメート(クロム酸塩)処理層の形成を行うにあたっては、6価クロムと硫酸等の無機酸とを含む水溶液を用いてめっき鋼板表面を処理することができ、これにより、3価クロムおよび6価クロムを含む水和酸化物からなる層を形成する。また、リン酸塩処理層とは、第1リン酸塩とリン酸とを含む水溶液を用いてめっき鋼板表面を処理することによって形成された、第3リン酸塩からなる層である。リン酸塩の種類としては、リン酸亜鉛、リン酸マンガン、リン酸鉄等が挙げられる。尚、化成処理層の厚みは、リン酸塩処理層の場合には、1〜2μmの範囲内が一般的である。
また、必要に応じて、めっき鋼板に下塗り塗膜を形成することもできる。下塗り塗膜を形成する場合、塗料(下塗り塗料)としては、例えばエポキシ樹脂ワニスやエポキシウレタン樹脂ワニス等の熱硬化性樹脂ワニスに、酸化チタン、微粉末クレー、炭酸カルシウム等の体質顔料や、防錆顔料などを分散させたエポキシ樹脂系塗料を用いることができる。防錆顔料としては、例えばクロム酸ストロンチウム、クロム酸カルシウム、クロム酸バリウム、クロム酸カリウム等のクロム酸塩を主体としたものを用いることができ、かかる防錆顔料は、防錆顔料を下塗り塗料中にその不揮発成分に対して15〜60重量%の範囲で含有させることが好ましい。
下塗り塗装にあたっては、上記のような組成を有する下塗り塗料を、めっき鋼板の一面に塗布するものであり、また場合によってはめっき鋼板の他面にも下塗り塗料を塗布する。また、めっき鋼板の他面には、下塗り塗料とは異なる組成を有する裏塗り塗料を塗布しても良い。下塗り塗料や裏塗り塗料の塗布は、浸漬、スプレー、はけ塗り、ロールコーター、エアーナイフ、静電塗布等から構成される適宜の塗布装置により行うことができる。
下塗り塗料の塗布後は、めっき鋼板を加熱炉等に連続的に通板させるなどして焼き付け硬化し、下塗り塗膜を形成することができる。
下塗り塗膜の厚みは特に制限されず、適宜設定されるものであるが、3〜25μmの範囲とすることが好ましい。
次いで、めっき鋼板の表面に、ガラス繊維を含有する塗膜(以下、「上塗り塗膜」という。)を形成する。
上塗り塗膜を形成するための塗料(上塗り塗料)としては、ポリエステル樹脂系、アクリル樹脂系、フッ素樹脂系、塩化ビニル樹脂系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、変性エポキシ樹脂系、シリコーン樹脂系、アルキッド樹脂系、塩ビプラスチゾル、塩ビオルガノゾルのような塩化ビニル樹脂系等の適宜の塗料を挙げることができる。
この上塗り塗料には、ガラス繊維が必須成分として配合され、これにより上塗り塗膜の物理的強度が向上されると共に耐食性も向上される。
ガラス繊維としては、Aガラス、Cガラス、Eガラス等の適宜のものを用いることができ、その寸法は、例えば繊維径が1〜30μmの範囲、繊維長さが1〜200μmの範囲のものを用いることができる。かかる範囲の繊維径を有するガラス繊維を用いることで塗膜表面におけるガラス繊維の配向を防止して加工時の亀裂発生を防止したり塗膜からのガラス繊維の欠落を防止しつつ、塗膜に十分な強度を付与することができる。また前記範囲の繊維長さを有するガラス繊維を用いることにより、塗膜中のガラス繊維の良好な分散性を維持しつつ、塗膜強度を維持することができる。
また、ガラス繊維としては適宜の表面処理が施されたものを用いることができる。
ガラス繊維に施される表面処理としては、シランカップリング剤やチタネート系カップリング剤等のカップリング剤による処理を挙げることができる。これにより、ガラス繊維と塗料樹脂との間の濡れ性を向上してガラス繊維を上塗り塗膜中に均一に分散させ、塗膜の耐透水性、耐ガス性等を向上することができ、耐食性を向上させることができるものである。
シランカップリング剤としては、下記式(1)に示すもので代表されるビニルタイプのもの、下記式(2)に示すもので代表されるエポキシタイプのもの、下記式(3)に示すもので代表されるメタクリロキシタイプのもの、下記式(4)に示すもので代表されるメルカプトタイプのもの、その他クロロプロピルタイプのものを挙げることができる。
また、チタネート系カップリング剤としては、下記式(5)に示すもので代表されるイソプロポキシタイプのもの、下記式(6)に示すもので代表されるオキシ酢酸タイプのもの、下記式(7)に示すもので代表されるエチレングリコールタイプのもの、その他エーディネートタイプのものを挙げることができる。
Figure 2007175975
これらカップリング剤による処理を行うにあたっては、ガラス繊維を複数のカップリング剤で順次処理しても良い。例えばガラス繊維に対しチタネートカップリング剤による処理を施した後、シランカップリング剤にて処理を施すことができる。
また、ガラス繊維に施される表面処理としては、両性樹脂による表面処理も挙げられる。両性樹脂は、酸性官能基と塩基性官能基とを併せ持つ樹脂であり、反応性官能基と電子受容基とを有する酸性樹脂と、反応性官能基と電子供与基とを有する塩基性樹脂又は塩基性低分子量化合物とを、付加或いは縮合反応させて得ることができる。酸性樹脂における反応性官能基と、塩基性樹脂又は塩基性低分子量化合物における反応性官能基とは、互いに付加或いは縮合反応可能なものであり、例えば酸性樹脂と塩基性樹脂又は塩基性低分量化合物とのうちの一方における反応性官能基を活性水素と活性アルコキシ基のうち少なくとも一方とし、他方における反応性官能基が前記一方における反応性官能基と反応する官能基とすることができる。
このような両性樹脂として、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂(但し、酢酸ビニルとのコポリマーの場合)、アルキッド樹脂等を挙げることができ、単独であるいは組み合わせて用いることができる。このとき特に上塗り塗料がフッ素樹脂系塗料、シリコーン樹脂系塗料、ポリエステル系塗料、アクリル樹脂系塗料又はアルキッド樹脂系塗料である場合に、両性樹脂としてアクリル変性ポリエステル系両性樹脂を用い、上塗り塗料が塩化ビニル樹脂系塗料の場合に両性樹脂としてアクリル変性ポリエステル系両性樹脂又はビニル樹脂系両性樹脂を用い、上塗り塗料がエポキシ樹脂系塗料又は変性エポキシ樹脂系塗料の場合に両性樹脂としてとアクリル変性ポリエステル系両性樹脂又はエポキシ樹脂系両性樹脂を用いる場合に、ガラス繊維と上塗り塗料中の樹脂との相溶性を高める上で好ましい。
この両性樹脂は数平均分子量が好ましくは1000〜40000、更に好ましくは2000〜4000の範囲内のあるものが使用される。分子量が過小であれば表面処理効果が小さく、逆に分子量が過大であると粘度上昇により表面処理が困難になるだけでなく、塗料の粘度が上昇する傾向にある。
両性樹脂によるガラス繊維の表面処理は、両性樹脂中にガラス繊維を浸漬しておけばよいが、両性樹脂を適切な溶剤に溶解したものに、所定量のガラス繊維を少量ずつ添加し、混合撹拌した後に溶剤を蒸発させるようにすれば、ガラス繊維と両性樹脂の量比を制御できるので好ましい。この溶剤としては、シクロヘキサン、キシロール、石油ナフサ、セロソルブアセテート、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、イソホロン等を単独で又は二種以上混合して使用することができる。両性樹脂とガラス繊維の割合は、ガラス繊維100重量部に対して両性樹脂0.1〜50重量部、好ましくは2〜10重量部である。両性樹脂が0.1重量部未満の場合には表面処理効果が充分に発揮されず、逆に50重量部を超えると塗料特性、塗膜性能に悪影響を与える傾向にある。即ち、両性樹脂は最終的に上塗り塗料中に残るが、両性樹脂が50重量部を超えると、塗装時の粘度を一定にする必要があるため、両性樹脂を溶解する溶剤が増加することになり、このため不揮発分の低下、比重の低下等といった塗料特性に悪影響を与えるものである。また、上塗り塗膜のレベリング性を損なわないためには、ガラス繊維100重量部に対して両性樹脂2.5〜25重量部にあるのが好ましい。
このような両性樹脂によるガラス繊維の表面処理がなされると、ガラス繊維の表面は通常シラノール基(SiOH基)のような親水基により覆われ、SiO-と負に帯電しているが、この表面電荷が中和され、ガラス繊維に両性樹脂が吸着されて樹脂被覆ガラス繊維が得られる。このようにガラス繊維が電気的に中和され、両性樹脂により被覆されることにより上塗り塗料中に均一に分散される。このように上塗り塗料中の樹脂と相溶性に優れた両性樹脂でガラス繊維を表面処理することにより、ガラス繊維と塗料樹脂との濡れ性が著しく改善され、また両性樹脂によりガラス繊維の表面電荷が中和されて顔料との共凝集が防止されるだけでなく、塗料系でガラス繊維と顔料と両性樹脂間で三次元網目構造を形成し、降伏値を大ならしめ、塗料中でのガラス繊維の沈降が有効に防止され、貯蔵安定性が著しく向上し、その結果形成された塗膜中でのガラス繊維の分散性も向上するものである。
尚、両性樹脂によるガラス繊維の表面処理にあたっては、上記の如くガラス繊維を予め両性樹脂で処理するだけでなく、所定量のガラス繊維と両性樹脂とを別々に上塗り塗料中に配合した後に均一に配合しても良い。これは上塗り塗料中で上記の中和反応が起こるものと推察される。
このようなガラス繊維の配合量は適宜調整されるが、特にガラス繊維を除く上塗り塗料100質量部に対して、ガラス繊維を好ましくは1〜60質量部、より好ましくは8〜40重量部、更に好ましくは10〜35重量部の範囲で配合すると、上塗り塗膜の延び性を確保して良好な加工性を維持しつつ、この上塗り塗膜の強度を向上することができる。
また、この上塗り塗料中には適宜の着色料を含有させても良い。着色料の具体例としては、顔料として酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄エロー、酸化鉄レッド(ベンガラ)、アルミニウムフレーク、マイカフレーク、着色ガラスフレーク、有機ブルー(フタロシアニンブルー)などが挙げられる。また染料としては保土谷化学興業株式会社製の「AIZEN SPILON 染料シリーズ」等が挙げられる。このような着色料の上塗り塗料中における配合割合は、通常0.1〜40重量%が好ましく、特に0.5〜35重量%が好ましい。
上塗り塗膜を形成するにあたっては、上記の上塗り塗料を適宜の手法で塗布成膜することにより行うことができる。例えば上塗り塗料をロール塗装、スプレー塗装、カーテンフロー塗装、バーコーター塗装、ローラーカーテン塗装、ディップ塗装等の適宜の手法により塗布し、必要に応じて上塗り塗料の性状に依存する適宜の条件で加熱硬化して上塗り塗膜を形成することができる。また、上塗り塗料を予め成膜したフィルムを用いたフィルムラミネート法等により上塗り塗膜を形成しても良い。
上記のようにめっき鋼板に形成された上塗り塗膜の外層に、ポリエステル樹脂と、紫外線吸収剤及び光安定剤のうち少なくとも一方とを含むクリア塗料を塗布、成膜して、クリア塗膜を形成する。
上記ポリエステル樹脂としては、環状脂肪族多塩基酸及び脂肪族多価アルコールを含み、且つ芳香族成分を含まないモノマー成分をエステル重合した構造を有するものが用いられる。モノマー成分として鎖状酸モノマーや芳香族モノマーを含む場合には、上塗り塗膜に対するクリア塗膜の密着性が十分に得られないおそれがあり、また屋外への長時間曝露時に割れ、剥離、変退色、光沢劣化等が生じるおそれがあって十分な耐候性が得られなくなってしまう。
上記環状脂肪族多塩基酸としてはヘキサヒドロ無水フタル酸を挙げることができる。また上記脂肪族多価アルコールとしては、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA等を挙げることができる。
このようなポリエステル樹脂は、公知の方法を用いて製造することができる。
また、このポリエステル樹脂は、数平均分子量が1000〜10000であることが好ましい。数平均分子量が1000未満の場合は、このクリア塗料にてクリア塗膜を形成したとき架橋密度が高くなりすぎるため柔軟性が低下し、加工性に問題を生じるおそれがある。また、数平均分子量が10000を超えると、溶液の粘度が高くなり、取扱いが困難となり、クリア塗料とした場合の塗装作業性に問題を生じるおそれがある。また、ポリエステル樹脂の水酸基価(OH価)は20〜150mgKOH/gの範囲が好ましく、水酸基価が20mgKOH/gに満たないと、クリア塗料の硬化性が低くなって、得られるクリア塗膜に充分な被膜硬度が得られなくなったり、耐溶剤性が低下するおそれがあり、また水酸基価が150mgKOH/gを超えると、得られるクリア塗膜の塗膜加工性が低下するおそれがあって好ましくない。またこのポリエステル樹脂の酸価は1〜25mgKOH/gの範囲が好ましい。またポリエステル樹脂のガラス転移温度は、−10〜60℃であることが好ましく、ガラス転移温度が−10℃に満たないと、得られるクリア塗膜の硬度が低下するおそれがあり、ガラス転移温度が60℃を超えると、得られるクリア塗膜の塗膜加工性が低下するおそれがあって好ましくない。
また、クリア塗料中には、ポリエステル樹脂の硬化剤を含有させることが好ましい。このような硬化剤としては、熱解離型ブロックイソシアネート基を1分子中に少なくとも2個含有するポリイソシアネート化合物や、メラミン等を挙げることができる。
このようなポリイソシアネート化合物の例としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートのようなイソシアネートモノマーと呼ばれる化合物、これらのビウレット体、イソシアヌレート体、トリメチロールプロパンのアダクト体のようなポリイソシアネート誘導体などの、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部又は全部をブロック剤でブロック化して製造したものが挙げられる。このブロック化剤の例としては、例えば、ε−カプロラクタム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソアミルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシムなどのケトオキシム系ブロック化剤、フェノール、クレゾール、カテコール、ニトロフェノールなどのフェノール系ブロック化剤、イソプロパノール、トリメチロールプロパンなどのアルコール系ブロック化剤、マロン酸エステル、アセト酢酸エステルなどの活性メチレン系ブロック化剤などが挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は、1種用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
硬化剤の含有量は適宜調整されるものであるが、クリア塗膜に特に優れた耐候性を付与するためには、ポリエステル樹脂中のヒドロキシル基と硬化剤中の反応性官能基(ポリイソシアネート化合物の場合は熱解離型ブロックイソシアネート基)とのモル比が、ポリエステル樹脂中のヒドロキシル基1モルに対して硬化剤中の反応性官能基が0.8〜1.5モルの範囲であることが好ましい。また、メラミンを含有させる場合にはポリエステル樹脂100重量部に対してメラミンが10〜50重量部の範囲となるようにすることが好ましい。
また、クリア塗料中には硬化反応触媒を含有させても良い。硬化反応触媒としては、例えばスズ化合物や亜鉛化合物が挙げられる。スズ化合物としては、例えば塩化スズ、臭化スズなどのハロゲン化スズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレートなどの有機スズ化合物などが、亜鉛化合物としては、例えば、塩化亜鉛、臭化亜鉛などのハロゲン化亜鉛、オクチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛などの有機酸の亜鉛塩などが挙げられる。硬化反応触媒としてのスズ化合物や亜鉛化合物は、1種用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよく、また他の硬化反応触媒と併用してもよい。硬化反応触媒は、クリア塗料中の全加熱残分に対して、0.01〜5重量%の割合で用いることが好ましい。この量が0.01重量%未満であると、硬化反応の促進効果が十分に発揮されないことがあるし、5重量%を超えると、クリア塗膜の耐水性や耐湿性などが低下し、ひいてはクリア塗膜の耐汚染性、汚染除去性、耐候性などが低下する原因となることがある。硬化速度及びクリア塗膜の物性のバランスの面から、この硬化反応触媒のより好ましい配合量は、組成物中の全加熱残分に対して0.01〜2重量%の範囲である。
また紫外線吸収剤(UVA)としては、下記式(8)に示すようなベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、下記式(9)〜(14)に示すようなヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤等を用いることができ、これらは一種単独で用いるほか、二種以上を併用することができる。このような紫外線吸収剤としては、チバ・スペシャリティ・ケミカル株式会社から提供されている品番「TINIVIN 384−2」、「TINIVIN 400」、「TINIVIN 411L」、「TINIVIN 900」、「TINIVIN 928」等を用いることができる。
Figure 2007175975
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また、光安定剤(HALS)としては、下記式(15)(16)に示すような高分子量タイプヒンダードアミン系光安定剤、下記式(17)〜(20)に示すようなヒンダードアミン系光安定剤等を用いることができ、これらは一種単独で用いるほか、二種以上を併用することができる。このような光安定剤としては、チバ・スペシャリティ・ケミカル株式会社から提供されている品番「TINUVIN 111 FDL」、「TINUVIN 123」、「TINUVIN 144」、「TINUVIN 292」等を挙げることができる。
Figure 2007175975
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クリア塗料中にはこれらの紫外線吸収剤と光安定剤をいずれか一方のみ含有させるようにしても良いが、双方共に含有させることがより好ましい。このとき紫外線吸収剤と光安定剤の含有量は適宜調整されるものであるが、これらの含有量が過剰であるとクリア塗膜に著しい黄着色が生じるおそれがあり、またクリア塗料の保存時などに低温環境において紫外線吸収剤や光安定剤が結晶化して凝集しやすくなり、これを再生することが困難となるおそれがある。そこで、クリア塗料中に紫外線吸収剤のみを含有させる場合にはその含有量をクリア塗料中の樹脂成分全量に対して1〜3重量%の範囲とすることが好ましく、また光安定剤のみを含有させる場合にはその含有量を樹脂成分全量に対して1〜3重量%の範囲とすることが好ましい。また紫外線吸収剤と光安定剤とを併用する場合には、紫外線吸収剤の含有量を樹脂成分全量に対して0.5〜3重量%の範囲、光安定剤の含有量を樹脂成分全量に対して0.5〜3重量%の範囲とし、また更に両者の合計量を樹脂成分全量に対して1〜5重量%の範囲となるようにすることが好ましい。
クリア塗料の塗布、成膜にあたっては、上塗り塗料が塗布されためっき鋼板に対して、スプレー塗装、バーコーター塗装、ローラーカーテンコーター、カーテンフローコーター、ロールコーターなどでの塗装など適宜の手法で塗布を行い、次いで熱風乾燥炉や誘電加熱装置等を通して加熱するなどして硬化乾燥させることで成膜することができる。
また、クリア塗料の塗布及び成膜は上塗り塗料が成膜された後に行っても良いが、上塗り塗料のウェット膜上にクリア塗料をスプレーやカーテンコータ等により塗布した後、上塗り塗料とクリア塗料とを同時に焼付乾燥して成膜を行う、いわゆるウェットオンウェット塗装と焼付により成膜しても良い。この場合、形成される上塗り塗膜とクリア塗膜との間の密着性が更に向上することとなる。
クリア塗料の硬化に要する温度及び時間は、各成分の種類や使用する反応触媒により左右されるが、180〜250℃の範囲の温度で、10秒〜数分程度が一般的である。このクリア塗料を形成する際の塗布量や膜厚は特に制限されないが、あまりに厚膜であると成膜時にワキが生じるおそれがあり、通常は膜厚が5〜20μmの範囲となるようにすることが好ましい。
またこのようにして形成されるクリヤー塗膜のガラス転移温度は、10〜80℃となるようにすることが好ましく、このガラス転移温度が10℃に満たないと、塗膜硬度が低下するおそれがあり、ガラス転移温度が80℃を超えると加工性が低下するおそれがあり、好ましくない。
以上のように構成される塗装めっき鋼板では、クリヤー塗膜は、特に上塗り塗膜をポリエステル系塗料にて形成した場合にはこの上塗り塗膜に対して優れた密着性を有し、また、塗装めっき鋼板を屋外へ長時間曝露した場合にも、塗膜の割れ、剥離等が生じることが防止され、更に塗膜の変退色や光沢の劣化も防止されることとなる。これは、光の照射等によって樹脂の劣化の反応が生じても、クリアー塗膜中における紫外線吸収剤や光安定剤の働きにより前記のような劣化の連鎖反応が遮断され、また劣化により生成される生成物の物性も脆性の小さいものとなり、これらの相乗効果が働いて良好な耐候性を発揮するものと推察される。
このため、塗装めっき鋼板の塗膜に優れた耐候性を付与することができるものである。
(実施例1)
アルミニウム含有量55重量%、亜鉛含有量41重量%、ケイ素含有量1.6重量%、マグネシウム含有量3.0重量%の600℃の溶融金属浴中に、0.5mm厚の軟鋼板を2秒間浸漬した後、30℃/秒の冷却速度で冷却して、亜鉛−アルミニウム合金めっき層をこの軟鋼板の表裏両面に施した。このとき鋼板表面へのめっき層の付着量は、表裏両面合わせて150g/m2となるようにした。
このようにして得られた塗装亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板の表面に、塗布型クロメート処理をCr量換算で40mg/m2となるるように施した。
次に、下塗塗料(日本ファインコーティングス株式会社製「NSC667プライマー」)を塗布し、最終到達板温200℃で30秒間加熱することで焼付硬化させて膜厚3μmの下塗塗膜を形成した。
次に、下塗り塗膜の表面に、日本ファインコーティングス株式会社製のポリエステル系塗料(品番「NSC3800」)に繊維径13μm、繊維長35μmのガラス繊維を20重量%の割合で含有させた上塗り塗料を塗布し、最終到達板温220℃で40秒間加熱することで焼付硬化させて、膜厚18μmの上塗り塗膜を形成した。
この上塗り塗膜の表面にクリヤー塗膜を形成し、塗装鋼板を得た。
このとき、クリヤー塗膜を形成するためのクリヤー塗料は、環状脂肪族ポリエステル樹脂(テグサ社製「ダイナポールVP−72」;1,6−ヘキサヒドロ無水フタル酸と1,6−ヘキサンジオール及びネオペンチルグリコールとのエステル重合化物;数平均分子量4000;ガラス転移温度15℃;OH価38)に、架橋剤であるブロックイソシアネート(住化バイエルウレタン株式会社製「デスモジュール VPLS2253」)を水酸基とイソシアネート基との当量比が1:1.2となるように配合し、更にポリエステル樹脂100重量部に対して、硬化触媒として有機スズ系触媒(三共有機合成株式会社製「SCAT−24」)を0.5重量部、アクリル樹脂系表面調整剤を0.5重量部、ワックスを0.2重量部(有効成分量)添加し、更に紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティケミカル株式会社製「TINUVIN400」)3重量部、光安定剤(チバ・スペシャリティ・ケミカル株式会社製「TINUVIN144」)3重量部を、あらかじめキシロールに溶解してから配合して調製した。
そして、このクリヤー塗料を上塗り塗膜の表面に塗布し、最終到達板温230℃で40秒間加熱することにより焼付硬化させて、厚み10μmのクリヤー塗膜を形成し、塗装鋼板を得た。
(比較例1)
クリアー層を設けなかった以外は実施例1と同様にして塗装めっき鋼板を得た。
(比較例2)
溶融金属浴の組成を、アルミニウム含有量55重量%、亜鉛含有量43重量%、ケイ素含有量1.6重量%としてマグネシウムを含有させず、且つクリアー層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして塗装めっき鋼板を得た。
(比較例3)
溶融金属浴の組成を、アルミニウム含有量55重量%、亜鉛含有量43重量%、ケイ素含有量1.6重量%としてマグネシウムを含有させなかった以外は、実施例1と同様にして塗装めっき鋼板を得た。
(耐候性試験)
各実施例及び比較例の塗装めっき鋼板について、アイスーパーUVテスターを用い、ブラックパネル温度63℃、湿度50%RHの条件で24時間UV照射した後に槽内温度50℃、湿度98%RHの条件で24時間湿潤処理を施す処理を1サイクルとしてこれを15サイクル施し、処理後の塗膜の色差に基づいて、下記の評価基準にて評価した。
○…変化が認められない。
×…明らかな変退色が認められる。
(耐食性試験)
各実施例及び比較例の塗装めっき鋼板について、屋外曝露試験(曝露地:尼崎市内、週に一回pH3.5の人工酸性雨を噴霧)を12ヶ月実施し、処理後の塗装めっき鋼板におけるエッジクリープ幅の測定結果に基づいて、下記の評価基準にて評価した。
○…変化が認められない。
×…腐食が認められる。
以上の結果を下記表1に示す。
Figure 2007175975

Claims (1)

  1. 25〜75重量%のアルミニウムと、0.01〜5.0重量%のマグネシウムと、アルミニウムの含有量に対して0.5重量%以上のケイ素とを含有する亜鉛−アルミニウム合金めっき層が形成された亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板に、ガラス繊維を含有する塗膜を設け、この塗膜の外層に、環状脂肪族多塩基酸と脂肪族多価アルコールとから成り、且つ芳香族成分を含まないポリエステル樹脂と、紫外線吸収剤及び光安定剤のうち少なくとも一方とを含むクリア塗膜を設けたことを特徴とする塗装亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板。
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