以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1の光学情報記録再生装置について、図1及び図2を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態1における光学情報記録再生装置の構成と情報記録媒体の信号を記録/再生する様子とを示す説明図である。
図1に示すように、本実施の形態の光学情報記録再生装置は、記録用光源である第1の光源20aと、再生用光源である第2の光源20bとの2種類の半導体レーザ光源を備える。その第1の光源20aから情報記録媒体21までの光路中に、第1のコリメータレンズ16a、2枚組のビーム整形プリズム23、ビームスプリッタ18a、18b、立ち上げミラー12、波長板10、球面収差補正素子13、及び対物レンズ6が配置されている。ビームスプリッタ18aは、2つの光を同じ光路に合波する合波素子として、ビームスプリッタ18bは、光を分波する分波素子として使用している。
第2の光源20bとビームスプリッタ18aとの間の光路には、第2のコリメータレンズ16bが配置されており、ビームスプリッタ18aにより、記録光22aと再生光22bとが合波され、共通光路に導かれる。なお、ビーム整形素子としてビーム整形プリズム23を記載したが、1軸方向のみ拡大率を変化させるビームシェーパー等も用いることができる。
復路となる、ビームスプリッタ18bから光検出器19a、19bまでの光路には、フォーカス/トラック誤差信号検出素子15、検出レンズ11、及び情報記録媒体21の層間クロストークを小さくするピンホール14が配置されている。
通常、レーザの出射光は、ガウシアンビームとなるが、半導体レーザでは、その接合面に平行な方向(以下h方向と表記)と垂直な方向(以下v方向と表記)とで、ガウシァンビームの広がり方が異なる。h方向、v方向の放射角の半値全幅をそれぞれ、θh、θvとすると、出射波長やレーザの構造によって異なるが、通常θh/θv=1/2〜1/3の値で、ファーフィールドの光強度分布は、v方向が長軸の楕円形状になる。
第1の光源20aの波長λ1は、0.73μm≦λ1≦0.83μmを満たし、例えば、λ1=0.785μmであり、放射角はθh=8.8°、θv=17°である。第1の光源20aは、図1に示す座標系でのZ方向が第1の光源20aのh方向に一致するように配置されている。第1の光源20aは、例えば、数100mW〜数Wの比較的大きなピークパワで、記録層1a〜1eの一つの記録層(以下、記録層の一例として記録層1bを用いて説明)のトラック上に記録するべき記録ピット5の形状(マーク等)に合わせて、駆動パルスのパルス幅を例えば1ナノ秒〜100ナノ秒の間で変化させて駆動され、記録用として機能する。後述するようなフォトンモードの記録材料を用いることにより、記録ピット5は熱の影響を受けないため、記録のストラテジー等が簡単になり、上記駆動パルスの制御が容易となる。
第2の光源20bの波長λ2は、0.6μm≦λ2≦0.7μmを満たし、例えば、波長λ2=0.658μmであり、放射角はθh=10°、θv=17°であり、第2の光源20bは、主にCW(連続波)駆動され、再生用として機能する。
波長板10は、図1に示すように、ビームスプリッタ18bから対物レンズ6までの記録光及び再生光の共通光路に配置されているが、波長の違いを利用して、記録光に対しては実質的にλ/4板か、又はそれに近くなるように設計され、再生光に対しては実質的にλ/2板又はλ板となるか、又はそれに近くなるように設計されている。このような設計により、記録光に対しては偏光系を用いるため、往復光路での光利用効率を高くし、再生光に対しては、情報記録媒体21で生じる可能性がある複屈折の影響を低減する効果がある。
また、ビームスプリッタ18aも、波長の違いを利用して、記録光22aを透過し、再生光22bを反射し、さらに、ビームスプリッタ18bも、波長の違いを利用して、記録光22aに対しては偏光ビームスプリッタとして機能し、再生光22bに対しては、偏光方向にほとんど依存しない、ハーフミラーとして機能するように設計されている。
情報記録媒体21は、例えば、1.1mmの厚さを有し、直径が12cmの基板9と、その基板9上に形成された記録部3とを具備し、記録部3は、3次元的に情報を記録可能で、例えば、交互に複数層形成された記録層1a〜1e及び中間層2a〜2dを含んでいる。なお、記録部3がすべて記録層であるようなバルク型の記録媒体に対しても、3次元的な記録が可能であるため、本発明を同様に適用できる。また、図1では、記録層1a〜1eが5層、中間層2a〜2dが4層の場合を例示しているが、実際には数十層から百層程度の記録層を用いることもでき、層数は図示の例に特に限定されない。
ここで、中間層2a〜2dは、記録光波長λ1と再生光波長λ2に対して、ほとんど吸収損失が無く、また、記録層1a〜1eも吸収損失を小さくでき、効率的に複数の記録層1a〜1eへの3次元記録及び再生が可能となる。すなわち、非線形吸収現象を用いることにより、透過率の大きい記録層1a〜1eを用いることが可能で、層数の多い大容量記録が可能となる。
ただし、例えば、2光子吸収で記録を行うためには、記録層1a〜1eは、記録光波長λ1ではほぼ透明であるが、その半分の波長では吸収を示す記録材料を用い、つまり、n光子吸収での記録では、記録層1a〜1eは、記録光波長ではほぼ透明であるが、その1/nの波長では吸収を示す記録材料を用いる。ここで、nは2以上の任意の整数である。
記録部3の光の入射側には、例えば0.1mmの厚さの保護層4をさらに具備した構造であり、保護層4を設けることにより、情報記録媒体21上に埃やゴミや傷が多少存在しても再生可能になる。
各記録層1a〜1eには、トラックサーボ用のトラック溝が形成された構造である。例えば、トラックピッチTpは0.59μm、溝深さは0.49μmであり、この溝からの±1次回折光を光検出器19bで検出することにより、トラッキング誤差信号が得られ、正確にトラック上に沿って記録再生ができる。
非線形効果が起こりやすい材料は、記録感度が高いため、記録層1a〜1eを構成する記録材料としては、当該材料を用いることが望ましい。フォトンモードの記録材料を用いた場合では、高速記録が可能で、熱の影響がないため、記録層1a〜1eも単層で構成できる。
また、フォトクロミック材料の1つであるジアリールエテン又はその誘導体では、記録及び消去が可能なリライタブル記録が実現できる。さらに、フォトクロミック材料を含む記録層1a〜1eに、例えば、記録光の2光子吸収過程でフォトクロミック材料を感光させる波長を高効率で発する蛍光材料を含むように構成すれば、記録材料の感度向上を図ることが可能である。すなわち、フォトクロミック材料は、一般的に2光子吸収過程での記録感度がそれほど高くないが、蛍光材料は、2光子吸収過程での記録感度の高いものが存在し、その2光子蛍光により、フォトクロミック材料を1光子吸収過程で感光させられるためである。なお、フォトクロミック材料は、一般的に1光子吸収の感度は優れている。
また、側鎖型液晶性高分子やフォトポリマー等のフォトンモードで記録できる材料も、記録層1a〜1eに使用可能である。側鎖型液晶性高分子材料では、記録後の記録ピット5の屈折率変化を大きくできる(例えば、Δn=0.2)いう特徴があり、また偏光方向を記録できるため、記録容量をほぼ2倍に増やすことが可能である。また、フォトポリマーは、ライトワンス記録に適しており、記録後安定である。
また、他にも、有機色素、ZnO等の超微粒子を混入した樹脂膜、TeO2膜等も非線形記録を行う記録層1a〜1eの材料として適しており、屈折率変化を利用することにより光の吸収損失を減らすことができる。記録光の照射の仕方により、屈折率変化量を制御できるが、さらに数W〜数10kWと比較的ピーク光量の高いパルス光を用いると、ボイドと言われる穴あきピットを記録することも可能である。ボイドの場合は、屈折率が1であるので、記録膜の屈折率が、例えば1.7の場合、屈折率変化量はΔn=−0.7と大きくなるため、コントラスト良く信号を再生できるという効果がある。
本実施の形態の光学情報記録再生装置は、図1に示すように、記録時においては、記録用の第1の光源20aからY軸方向に出射された、直線偏光でピークパワの比較的大きなパルスレーザ光22aは、第1のコリメータレンズ16aにより、平行光となり、2枚組のビーム整形プリズム23により、X方向及びZ方向のビーム径が実質的に同じになるようにZ方向にのみビーム径が拡大される。ビーム径が拡大された時点(例えば、A−A’面等)で、光源20aの放射角は、等価的にθh=θv=17°と見做せる。その後、ビーム径が拡大されたレーザ光は、ビームスプリッタ18a、18bを透過して、立ち上げミラー12によって光路を−Z軸方向に折り曲げられる。なお、ビーム径が実質的に同じであるとは、X方向のビーム径とZ方向のビーム径との比が0.7〜1.3の範囲にあることとする(この比が1の場合は、完全にビーム径が同じ場合である)。
そして、−Z軸方向に折り曲げられたレーザ光8aは、波長板10で実質的に円偏光に変換され、球面収差補正素子13を通過して、例えば、開口数NA=0.85、焦点距離2mm、有効径3.4mmの対物レンズ6によって、情報記録媒体21の保護層4を通過して複数の記録層1a〜1eを有する記録部3のうちの所望の記録層1bに集光され、収束光7aとなる。その反射光7a’が対物レンズ6を通過して反射光8a’となり、反射光8a’を利用して、フォーカスサーボ及びトラックサーボをかけて、2光子吸収又は多光子吸収過程等のような非線形現象を用いて、記録層1a〜1eの光学定数、好ましくは屈折率を変化させて記録ピット5が記録される。
この時、第1の光源20aから対物レンズ6までの光路中に球面収差補正素子13が設けられ、収束光7aが通過する記録部3の厚さが記録深さにより異なるので、球面収差補正素子13によって、記録部3中に記録する記録ピット5の記録深さに応じて球面収差量を制御しながら記録するようにすれば、良好な記録ピット5を形成可能となる。球面収差補正素子13は、例えば、屈折率分布が可変である液晶素子、凹レンズと凸レンズとを組み合わせてアクチュエータで両レンズの光軸方向の間隔を可変にしたビームエキスパンダー、光軸方向に位置を制御できる可変コリメータレンズ等から構成することができる。
再生時においては、再生用の第2の光源20bから出射された直線偏光のレーザ光22bは、第2のコリメータレンズ16bにより、略平行光となり、ビームスプリッタ18aによりY軸方向に折り曲げられ、同じく、ビームスプリッタ18bを透過して、立ち上げミラー12によって光路を−Z軸方向に折り曲げられる。そして、―Z軸方向に折り曲げられたレーザ光8bは、波長板10及び球面収差補正素子13を通過して、直線偏光のまま、対物レンズ6によって情報記録媒体21の記録部3の記録層1bの記録ピット5に集光され、収束光7bとなる。
記録ピット5によって反射されたレーザ光7b’は、逆方向に折り返し、対物レンズ6を通過して平行光8b’となり、平行光8b’は、球面収差補正素子13、波長板10及び立ち上げミラー12を順に通過し、ビームスプリッタ18bにより光軸をZ軸方向に曲げられ、回折型フォーカス/トラック誤差信号検出素子15によって、複数の光に分岐(図1では2分岐)され、検出レンズ11によって収束され、収束光17a、17bとなる。
再生光となる収束光17aは、ピンホール14を通過し、記録された信号が光検出器19aにより検出される。分岐された収束光17bは、ピンホール14を通過させずに、別の光検出器19bで検出され、フォーカス/トラック誤差信号となる。収束光17bは、ピンホール14を通過させない構成により、非点収差法又はSSD法、3ビームトラッキング法のような従来方法で、それぞれフォーカスやトラック誤差信号を検出することができる。すなわち、記録時と再生時とにそれぞれ、反射光7a’、7b’を利用してフォーカスサーボ及びトラックサーボをかけて、記録ピット5を記録し、記録ピット5の光学定数の変化に基づく反射率の違いから記録ピット5を再生することができる。
ここで、検出レンズ11の焦点距離は、例えば33mmであり、光検出器19a側でのエアリーディスク径は、例えば9.6μmとなる。ピンホール14は、検出収束光17aのほぼ焦点の位置に設置したが、ピンホール14を設けることにより、所望の記録層1bの光軸方向の上下の記録層1a、1c、1dからの、対物レンズ6の収束光7bが照射する別の記録ピットからの不要反射光であるクロストーク(層間クロストーク)光がピンホール14外部にも分布し、それらの光はピンホール14内に入らなくなるため、層間クロストークを減少させる効果がある。なお、ピンホール14を省略して、光検出器の受光部がピンホール径の大きさを有する微小光検出器を用い、検出収束光17aを検出するようにしても同様の効果が得られる。
本発明者らの実験結果では、ピンホール14の大きさを検出収束光17aのエアリーディスク径の3倍以下にすることによって、例えば、記録層1a〜1eの層間隔Δd=5〜8μmで問題ないレベル(層間クロストーク量≦30dB)まで再生信号の品質を向上させることが可能であった。ただし、ピンホール14の大きさを小さくすると、記録層1a〜1eの間隔(ほぼ中間層2a〜2dの厚さ)をより小さくすることが可能であるが、小さくし過ぎると、ピンホール14に入る光量が減少したり、環境温度により光学系が歪んで、収束光17aが、ピンホール14の中心からずれることもあるため、それらを考慮する必要がある。また、材料の制限等で光量が低下する場合、APD(アバランシェフォトダイオード)を使用することにより信号強度を強めることができる。
次に、非線形記録における集光特性について説明する。通常の1光子吸収記録の場合では、対物レンズで集光された焦点面での集光スポット径は、対物レンズの開口数NAと波長λから求まり、リム強度が1に相当する平面波入射の場合が最も良く絞れ、そのときのスポット径の半値全幅は1.03λ/(2NA)となることが知られている。なお、リム(RIM)強度とは、対物レンズの有効径外縁部における、中央部の最大強度を1として規格化した光強度である。従って、リム強度は0以上1以下の値をとる。
例えば、NA=0.85のとき、λ=0.785μmでは、集光スポット径の半値全幅は0.473μmとなり、λ=0.658μmでは、集光スポット径の半値全幅は0.399μmとなり、対物レンズの開口数が同じであれば、波長が短いほど良く絞れることになる。従って、記録光の波長λ1が再生光の波長λ2より大きければ、記録光の集光スポット径が再生光の集光スポット径よりも大きくなり、記録特性が再生特性に対して劣化するため、記録光に対する対物レンズの開口数を大きくする等の措置が必要である。
一方、非線形現象を用いて記録する場合、記録光に対する実効的な集光スポット径を通常の1光子吸収記録に比べて小さくすることが可能である。平面波入射の場合(リム強度が1のとき)、例えば、n光子吸収記録では、n光子吸収が生じる実効的なスポット径は、およそn−1/2倍に小さく絞れることが判明している。すなわち、リム強度1のときの集光スポット径の半値全幅は、1.03λ・n−1/2/(2NA)と表される。例えば、2光子吸収記録では、n=2であるため2−1/2=0.71となり、1光子吸収記録に比べて実効的におよそ0.71倍に小さく絞れることになる。
本発明者らは、検討の結果、半導体レーザ光のようなガウシアンビームが入射してn光子吸収記録した場合、つまり、リム強度が1より小さい場合(例えば、リム強度は0以上1未満)でも、1光子吸収記録の場合とリム強度が同じなら、1光子吸収記録に対してスポット径を絞れる比率n−1/2もほとんど同じであることを見いだした。すなわち、n光子吸収記録(nは2以上の任意の整数)を行う場合、リム強度にかかわらず、再生光の波長λ2が記録光の波長λ1と実質的に等しいか、又はそれより小さいときであっても、λ2>λ1・n−1/2を満たす場合、その非線形効果により、n光子吸収記録が生じる記録光の実効的な集光スポット径を再生光の集光スポット径よりも小さくすることが可能となることが分かった。なお、波長が実質的に等しいとは、波長の差が50nm以内のことを意味する。例えば、0.73μm≦λ1≦0.83μmを満たす波長で2光子吸収記録を行い、0.6μm≦λ2≦0.7μmを満たす波長で再生を行う場合は、λ2>λ1・n−1/2の関係式が成り立つ。
また、プラズマ吸収記録では、多光子イオン化等の種々の現象が複雑に作用して生じるため、数式で表すことは困難だが、1光子吸収記録に比べて実効的に絞れることは間違いなく、上記と同様に、記録光の実効的な集光スポット径を再生光の集光スポット径よりも小さくすることができる。
次に、2光子吸収記録の場合を例にとって、図2を用いて、対物レンズにおけるリム強度と、光源からコリメータレンズへの結合効率、および集光スポット径との関係について説明する。
図2(a)は、本発明の実施の形態1における光学情報記録再生装置のコリメータレンズの実効開口数と対物レンズにおけるリム強度との関係を示すグラフ、図2(b)は、本発明の実施の形態1における光学情報記録再生装置のコリメータレンズの実効開口数と情報記録媒体の記録層(焦点面)での集光スポット径(半値全幅)との関係、及び上記開口数と光源からコリメータレンズへの結合効率(ただし、コリメータレンズ表面での反射を無視したときの値)との関係を示すグラフである。図2は、非線形記録の例として、2光子吸収記録の場合についてのグラフである。
ここで、コリメータレンズの実効開口数とは、コリメータレンズの有効径を対物レンズの有効径と同じと見なしたときのコリメータレンズの開口数としている。すなわち、コリメータレンズの焦点距離をf1、有効径をd1とし、対物レンズの焦点距離をf2、有効径をd2(d1≧d2)とすると、コリメータレンズの開口数は、通常d1/(2f1)であるが、コリメータレンズの実効開口数はd2/(2f1)と定義している。なお、対物レンズの開口数はd2/(2f2)で定義される。
また、図2(b)の(実効的)集光スポット径(半値全幅)の(実効的)は、記録光に対してのみ「実効的」という語を付けるという意味で使用しており、記録光に対する実効的集光スポット径(半値全幅)とは、2光子吸収記録の場合、2光子吸収が生じる実効的な集光スポット径の半値全幅で、通常の1光子吸収の場合の集光スポット分布の2乗の光強度分布の半値全幅となり、n光子吸収記録では、1光子吸収の場合の集光スポット分布のn乗の光強度分布となる。一方、「実効的」という語を付けない再生光に対する集光スポット径は、通常の集光スポット径の意味である。
本実施の形態の光学情報記録再生装置では、第1の光源20a、第2の光源20bからのそれぞれの出射光22a、22bが、第1のコリメータレンズ16a、第2のコリメータレンズ16bによりそれぞれコリメートされ、ビームスプリッタ18aにより合波され、その出口A−A’面を経由して対物レンズ6にそれぞれ平行光8a、8bとして入射し、対物レンズ6の有効径でけられて集光される。このため、A−A’面での各平行光の実質的な有効径は、対物レンズ6の有効径(例えば、3.4mm)と等しいと見做すことができ(ただし、実際のコリメータレンズの有効径は対物レンズの有効径よりも少しばかり大きいが、コリメートされた光が対物レンズに取り込まれるという意味の実効的な有効径はそのように見做せる)、A−A’面での各平行光の実質的な有効径外縁部での規格化光強度は、対物レンズ6におけるリム強度と等しくなる。実効的な有効径に対応して、コリメータレンズの開口数も、対物レンズの有効径と同じ有効径を用いた実効開口数を用いると都合がよい。
本実施の形態の光学情報記録再生装置は、記録光22aに対しては、h方向、v方向のビーム径がそれぞれ等しくなるようにビーム整形プリズム23を用いた構成のため、図2に示すように、光源20aのh方向、v方向に対応した記録層1bの焦点面での記録光の集光スポット径とリム強度とはそれぞれ同じである。一方、再生光22bに対しては、その集光スポット径とリム強度とは方向によって異なり、放射角が大きいv方向に対応したリム強度はh方向に対応したリム強度よりも大きく、h方向に対応した集光スポット径はv方向に対応した集光スポット径に比べて大きくなっている。
なお、図1に示した光学情報記録再生装置では、第1の光源20a及び第2の光源20bを出射した光22a、22bは、ビームスプリッタ18a、18bや立ち上げミラー12を経由して、色々進行方向を変え、記録層に集光されるため、Z方向にh方向が一致するように配置した第1の光源20aは、そのh方向、v方向は、それぞれ、最終的には集光スポットにおいてはY方向、X方向に対応する。第2の光源20bに対しては、Y方向にh方向が一致するように配置した場合は、h方向、v方向は、それぞれ、最終的には集光スポットにおいてはY方向、X方向に対応し、X方向にh方向が一致するように配置した場合は、h方向、v方向は、それぞれ、最終的には集光スポットにおいてはX方向、Y方向に対応する。
記録光8a、再生光8bの対物レンズ6におけるそれぞれのリム強度は、図2(a)の実線、点線で示したように、第1のコリメータレンズ16aの実効開口数NA1は、第2のコリメータレンズ16bの実効開口数NA2に依存しており、その開口数が大きいほど、リム強度は小さくなることが分かる。
しかしながら、図2(b)に示すように各コリメータレンズ16a、16bの実効開口数が大きいほど、第1光源20aから第1のコリメータレンズ16a、第2の光源20bから第2のコリメータレンズ16bへのそれぞれの結合効率は、大きくなることが分かる。
ただし、コリメータレンズの実効開口数が同じであれば、再生光の結合効率の方が、記録光の結合効率よりも高く、また、2点鎖線で示したように、再生光に対しては第2のコリメータレンズ16bのNA2≧0.3で、1点鎖線で示したように、記録光に対しては第1のコリメータレンズ16aのNA1≧0.4で、ほぼ結合効率は最大値100%になる。対物レンズ6により情報記録媒体21の記録層に集光された集光スポット径(半値全幅)は、コリメータレンズの実効開口数が大きくなるほど、集光スポット径は大きくなるという傾向がある。以上をまとめると、リム強度が小さくなるほど、光源からコリメータレンズへの結合効率を大きくすることができるが、集光スポット径は逆に劣化すると言える。なお、光源からコリメータレンズへの結合効率が高ければ、情報記録媒体21の記録層に集光される光強度も大きくなり、その結果、非線形現象での記録が起こりやすくなるので好ましい。
再生光7bの焦点面での集光スポット径の半値全幅は、周方向での最小値となるv方向に対応した集光スポット径に対する、周方向での最大値となるh方向に対応した集光スポット径の比率をrとしたとき、r=1の場合、集光スポットの断面は真円となり、最も望ましい。また、リム強度が1の平面波が再生光7bとして対物レンズ6に入射した場合が、最も集光スポット径が小さく絞れ、その値は上述したように0.399μmである。
再生光7bに対して、リム強度が1の場合の集光スポットに比べて、劣化の割合が5%以下(集光スポット径≦0.419μm)の条件では、第2のコリメータレンズ16bの実効開口数の最大値はNA2=0.11であり、このときの集光スポット径は0.417μm(h方向)、0.401μm(v方向)、再生光の結合効率は46%、リム強度は0.33(h方向)、0.69(v方向)で平均のリム強度は0.51、集光スポット径の楕円の比率r=1.04となる。
また、記録光の集光スポット径の楕円の比率rはr=1.0であるが、第1のコリメータレンズ16aの実効開口数NA1を第2のコリメータレンズ16bの実効開口数NA2より大きくしても、又は、記録光の結合効率を再生光の結合効率よりも大きくしても、記録光7aの実効的集光スポット径は、再生光7bの集光スポット径より大きくならない(劣化しない)条件が存在する。
その最大値はNA1=0.39であり(このときの記録光7aの実質的なスポット径は0.400μmとなる)、このときの記録光の最大の結合効率は、ほぼ最大に近い99.1%となり、再生光の場合(最大で46%)の2.2倍の大きさとなり、このときの記録光のリム強度は0.0089であり、再生光の平均のリム強度0.46に比べて大幅に小さい。
次に、再生光7bに対して、リム強度が1の場合の集光スポットに比べて、より好ましい劣化の割合が2%以下(集光スポット径≦0.407μm)の条件では、第2のコリメータレンズ16bの実効開口数の最大値はNA2=0.07であり、このときの集光スポット径は0.406μm(h方向)、0.399μm(v方向)、再生光の結合効率は23%、リム強度は0.64(h方向)、0.86(v方向)で平均のリム強度は0.75、集光スポット径の楕円の比率r=1.02となる。
また、記録光の集光スポット径の楕円の比率rはr=1.0であるが、第1のコリメータレンズ16aの実効開口数NA1を第2のコリメータレンズ16bの実効開口数NA2より大きくしても、又は、記録光の結合効率を再生光の結合効率よりも大きくしても、記録光7aの実効的集光スポット径は、再生光7bの集光スポット径より大きくならない(劣化しない)条件が存在する。その最大値はNA1=0.38であり(このときの記録光7aの実質的なスポット径は0.397μmとなる)、このときの記録光の最大の結合効率は、ほぼ最大に近い98.9%となり、再生光の場合(最大で23%)の4.3倍もの大きさとなり、記録光のリム強度は0.011であり、再生光の平均のリム強度0.75に比べて大幅に小さい。
従って、本実施の形態1における光学情報記録再生装置では、記録光の平均のリム強度は、再生光の平均のリム強度に比べて大幅に小さく、記録用の第1の光源20aから第1のコリメータレンズ16aへの光利用効率である結合効率を、再生用の第2の光源20bから第2のコリメータレンズ16bへの光利用効率である結合効率よりも大幅に増加させながら、記録光7aの実効的集光スポット径を再生光7bの集光スポット径以下にすることができ、良好な光学特性を有する情報記録再生装置を実現することができる。
以上では、再生光の焦点面での集光スポットの半値全幅で小さい値(v方向に対応した方向)に対して、記録光の焦点面での集光スポットの半値全幅が悪くならないように述べたが、再生光の集光スポットの特性をそれほど劣化させない範囲で、記録光の集光スポット径を再生光の集光スポット径に近づける(例えば、NA1=0.38、NA2=0.07にする)ことが、記録と再生とのバランスがとれるという意味では望ましい。そういった意味では、集光スポットの半値全幅の値として、v方向とh方向とに対応した方向の平均の値をとり、記録光の焦点面での実効的な集光スポットの平均の半値全幅w1は、再生光の焦点面での集光スポットの平均の半値全幅w2に対して、0.8・w2≦w1≦1.2・w2を満たすようにしてもよい。
さらに、再生光の波長λ2は、記録光の波長λ1と実質的に等しいか、又は記録光の波長λ1より小さい場合、再生光の波長と記録光の波長との差λ1−λ2に合わせて、その差が小さいほど、記録光に対する平均のリム強度を、再生光に対する平均のリム強度よりも小さくするようにすれば、記録光の集光スポット径を再生光の集光スポット径に近づけることになり、記録と再生とのバランスがとれ、その結果、再生時の変調度が良い等の良好な光学特性が得られるという意味では望ましい。
また、再生光の焦点面での集光スポット形状の楕円の比率r>1のとき、その光強度分布の楕円形状の短軸方向が記録層1bのトラック方向に一致するように、第2の光源20bを配置することにより、(記録マークの)小さい記録ピット5の再生特性が向上する。
また、本実施の形態では、対物レンズ6の収束光7aが既に記録された記録ピット5を通過しない順序で、記録層1a〜1e中に、順次、記録ピット5を3次元的に記録するようにした。このような順序で記録することにより、ターゲット層1bにおいて、ターゲット層1bより上層(対物レンズ6側)の記録層1c〜1eに記録済の記録ピット5を透過して発生する散乱光、不要回折光等の迷光(ノイズ光)の影響を減らす効果(SN比向上)がある。具体的には、記録層1a〜1e中の、対物レンズ6から最も離れた位置(図1では、記録層1a)から、記録ピット5を順次記録することにより、上記順序が実現可能である。図1の構成では順に記録層1aの列、記録層1bの列、記録層1cの列、記録層1dの列、記録層1eの列というように、Z軸方向に3次元的に記録するようにすればよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2の光学情報記録再生装置について、図3及び図4を用いて詳細に説明する。図3は、本発明の実施の形態2における光学情報記録再生装置の構成と情報記録媒体の信号を記録/再生する様子とを示す説明図、図4(a)は、本発明の実施の形態2における光学情報記録再生装置のコリメータレンズの実効開口数と対物レンズにおけるリム強度との関係を示すグラフ、図4(b)は、本発明の実施の形態2における光学情報記録再生装置のコリメータレンズの実効開口数と情報記録媒体の記録層(焦点面)での(実効的)集光スポット径(半値全幅)との関係、及び上記開口数と光源からコリメータレンズへの結合効率(ただし、コリメータレンズ表面での反射を無視したとき)との関係を示すグラフである。図4は、非線形記録の例として、2光子吸収記録の場合についてのグラフである。
第1の光源20a’の波長λ1は、0.73μm≦λ1≦0.83μmを満たし、例えば、λ1=0.785μmであり、放射角はθh=8.8°、θv=17°であり、第2の光源20b’の波長λ2は、0.6μm≦λ2≦0.7μmを満たし、例えば、波長λ2=0.658μmであり、放射角はθh=10°、θv=17°であり、これらの光学特性は、実施の形態1の光学情報記録再生装置の光源20aと20bとそれぞれ同じである。
本発明の実施の形態2における光学情報記録再生装置の構成が実施の形態1の光学情報記録再生装置と異なる点は、記録用光源である第1の光源20a’は、図3に示す座標系でのZ方向がその光源20a’のv方向に一致するように配置されており、第1光源20a’から出射された光22a’のZ方向のビーム径は、2枚組のビーム整形プリズム23’により、X方向のビーム径と実質的に同じになるように縮小される点である。ビーム径が縮小された時点(例えば、A−A’面等)で、等価的に第1の光源20a’の放射角は、θh=θv=8.8°と見做せる。なお、ビーム径が実質的に同じであるとは、X方向のビーム径とZ方向のビーム径との比は0.7〜1.3の範囲にあることとする。また、再生用光源である第2の光源20b’に対する配置は、第1の実施の形態の光学情報記録再生装置の光源20bと同じである。
図4に示すように、第1及び第2のコリメータレンズ16a、16bの実効開口数が同じであれば、図2に示した場合に比べて、記録光8aに対しては等価的な放射角が小さいため、リム強度が小さくなり、その分結合効率が大きくなり、集光スポット径の劣化の割合も大きい。また、第1及び第2のコリメータレンズ16a、16bの実効開口数が同じであれば、記録光8aの結合効率の方が再生光8bの結合効率よりも高くなる。
従って、本実施の形態では、第1のコリメータレンズ16aの実効開口数と第2のコリメータレンズ16bの実効開口数とを同じにして、例えば、NA1=NA2=0.1にした場合、再生光7bに対して、集光スポット径は0.414μm(h方向)、0.400μm(v方向)、再生光の結合効率は40%、リム強度は0.40(h方向)、0.73(v方向)であり、平均のリム強度は0.57、集光スポット径の楕円の比率r=1.04となる。記録光7aに対して、実効的集光スポット径は0.356μm(再生光の平均のスポット径の0.87倍)、記録光の結合効率は69%(再生光の効率の1.7倍)、リム強度は0.31(再生光の平均のリム強度の0.54倍)となる。
一方、再生光7bに対して、リム強度が1の場合の集光スポットに比べて、劣化の割合が5%以下(集光スポット径≦0.419μm)の条件では、第2のコリメータレンズ16bの実効開口数の最大値はNA2=0.11であり、このときの集光スポット径は0.417μm(h方向)、0.401μm(v方向)、再生光の結合効率は46%、リム強度は0.33(h方向)、0.69(v方向)で平均のリム強度は0.51、集光スポット径の楕円の比率r=1.04となる。
また、記録光の集光スポット径の楕円の比率rはr=1.0であるが、第1のコリメータレンズ16aの実効開口数NA1を第2のコリメータレンズ16bの実効開口数NA2より大きくしても、又は、記録光の結合効率を再生光の結合効率よりも大きくしても、記録光7aの実効的集光スポット径は、再生光7bの集光スポット径より大きくならない(劣化しない)条件が存在する。その最大値はNA1=0.20であり(このときの記録光7aの実質的なスポット径は0.400μmとなる)、このときの記録光の最大の結合効率は、ほぼ最大に近い99.1%となり、再生光の場合(最大で46%)の2.2倍の大きさとなり、記録光のリム強度は0.0092であり、再生光の平均のリム強度0.46に比べて大幅に小さい。
次に、再生光7bに対して、リム強度が1の場合の集光スポットに比べて、より好ましい劣化の割合が2%以下(集光スポット径≦0.407μm)の条件では、第2のコリメータレンズ16bの実効開口数の最大値はNA2=0.07であり、このときの集光スポット径は0.406μm(h方向)、0.399μm(v方向)、再生光の結合効率は23%、リム強度は0.64(h方向)、0.86(v方向)で平均のリム強度は0.75、集光スポット径の楕円の比率r=1.02となる。
また、記録光の集光スポット径の楕円の比率rはr=1.0であるが、第1のコリメータレンズ16aの実効開口数NA1を第2のコリメータレンズ16bの実効開口数NA2より大きくしても、又は、記録光の結合効率を再生光の結合効率よりも大きくしても、記録光7aの実効的集光スポット径は、再生光7bの集光スポット径より大きくならない(劣化しない)条件が存在する。その最大値はNA1=0.19であり(このときの記録光7aの実質的なスポット径は0.394μmとなる)、このときの記録光の最大の結合効率は、ほぼ最大に近い98.5%となり、再生光の場合(最大で23%)の4.3倍もの大きさとなり、記録光のリム強度は0.015であり、再生光の平均のリム強度0.75に比べて大幅に小さい。
従って、本実施の形態2の光学情報記録再生装置では、本実施の形態1の光学情報記録再生装置に比べて、第1のコリメータレンズ16aの実効開口数をおよそ半分に小さくできるが、結合効率は同じように高くできるという特徴があり、また、記録光の平均のリム強度は、再生光の平均のリム強度に比べて大幅に小さく、記録用の第1の光源20a’から第1のコリメータレンズ16aへの光利用効率である結合効率を、再生用の第2の光源20b’から第2のコリメータレンズ16bへの光利用効率である結合効率よりも大幅に増加させながら、記録光7aの実効的集光スポット径を再生光7bの集光スポット径以下にすることができ、良好な光学特性を有する情報記録再生装置を実現することができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3の光学情報記録再生装置について、図5及び図6を用いて、上記実施の形態1の光学情報記録再生装置と異なる点を中心に説明する。図5は、本発明の実施の形態3における光学情報記録再生装置の構成と情報記録媒体の信号を記録/再生する様子を示す説明図、図6(a)は、本発明の実施の形態3における光学情報記録再生装置のコリメータレンズの実効開口数と対物レンズにおけるリム強度の関係を示すグラフ、図6(b)は、本発明の実施の形態3における光学情報記録再生装置のコリメータレンズの実効開口数と情報記録媒体の記録層(焦点面)での(実効的)集光スポット径(半値全幅)との関係、及び上記開口数と光源からコリメータレンズへの結合効率(ただし、コリメータレンズ表面での反射を無視したとき)との関係を示すグラフである。図6は、非線形記録の例として、2光子吸収記録の場合についてのグラフである。
第1の光源20aの波長λ1は、0.73μm≦λ1≦0.83μmを満たし、例えば、λ1=0.785μmであり、放射角はθh=8.8°、θv=17°であり、第2の光源20bの波長λ2は、0.6μm≦λ2≦0.7μmを満たし、例えば、波長λ2=0.658μmであり、放射角はθh=10°、θv=17°であり、実施の形態1の光学情報記録再生装置の光源20a、20bと同じである。
本発明の実施の形態3における光学情報記録再生装置の構成が実施の形態1の光学情報記録再生装置と異なる点は、記録用光源である第1の光源20aとビームスプリッタ18aの間にビーム整形プリズムを配置しない点である。従って、記録層1bの焦点面での集光スポットは、記録光7aと再生光7bとのどちらにおいても、その光強度分布は楕円形状になるため、その楕円の短軸方向がトラック方向に一致するように、第1の光源20aと第2の光源20bを配置している。そのような配置により、(記録マークの)小さい記録ピット5の記録再生特性が向上する効果がある。また、ビーム整形プリズムを用いた場合では、光源からの出射光を完全な平行光にしてからビーム整形プリズムに入射する必要があったため、光学調整が面倒であった(略平行光では非点収差が発生し易かった)が、それを省いた構成により低コスト化が可能で、光学調整も簡単になる。
また、図6に示すように、第1及び第2のコリメータレンズ16a、16bの実効開口数が同じであれば、記録光8aと再生光8bのどちらに対しても、放射角が小さいh方向に対応したリム強度の方が小さくなり、h方向に対応した集光スポット径の方が劣化は大きい。
再生光7bに対して、リム強度が1の場合の集光スポットに比べて、劣化の割合が5%以下(集光スポット径≦0.419μm)の条件では、第2のコリメータレンズ16bの実効開口数の最大値はNA2=0.11であり、このときの集光スポット径は0.417μm(h方向)、0.401μm(v方向)、再生光の結合効率は46%、リム強度は0.33(h方向)、0.69(v方向)で平均のリム強度は0.51、集光スポット径の楕円の比率r=1.04となる。
また、第1のコリメータレンズ16aの実効開口数NA1を第2のコリメータレンズ16bの実効開口数NA2より大きくしても、又は、記録光の結合効率を再生光の結合効率よりも大きくしても、記録光7aの実効的集光スポット径は、再生光7bの集光スポット径より大きくならない(劣化しない)条件が存在する。その最大値はNA1=0.18であり(このときの記録光7aの実効的なスポット径は0.395μm(h方向)、0.346μm(v方向))、記録光の集光スポット径の楕円の比率rはr=1.14であるが、このときの記録光の最大の結合効率は、80.3%となり、再生光の場合(最大で46%)の1.7倍の大きさとなり、記録光のリム強度は0.023(h方向)、0.37(v方向)で平均のリム強度は0.20であり、再生光の平均のリム強度0.51に比べて大幅に小さい。
次に、再生光7bに対して、リム強度が1の場合の集光スポットに比べて、より好ましい劣化の割合が2%以下(集光スポット径≦0.407μm)の条件では、第2のコリメータレンズ16bの実効開口数の最大値はNA2=0.07であり、このときの集光スポット径は0.406μm(h方向)、0.399μm(v方向)、再生光の結合効率は23%、リム強度は0.64(h方向)、0.86(v方向)で平均のリム強度は0.75、集光スポット径の楕円の比率r=1.02となる。
また、第1のコリメータレンズ16aの実効開口数NA1を第2のコリメータレンズ16bの実効開口数NA2より大きくしても、又は、記録光の結合効率を再生光の結合効率よりも大きくしても、記録光7aの実効的集光スポット径は、再生光7bの集光スポット径より大きくならない(劣化しない)条件が存在する。その最大値はNA1=0.18であり(このときの記録光7aの実効的なスポット径は0.395μm(h方向)、0.346μm(v方向))、記録光の集光スポット径の楕円の比率rはr=1.14であるが、このときの記録光の最大の結合効率は、80.3%となり、再生光の場合(最大で46%)の1.7倍の大きさとなり、記録光のリム強度は0.023(h方向)、0.37(v方向)で平均のリム強度は0.20であり、再生光の平均のリム強度0.75に比べて大幅に小さい。
従って、本実施の形態3の光学情報記録再生装置では、記録光の平均のリム強度は、再生光の平均のリム強度に比べて大幅に小さく、記録用の第1の光源20aから第1のコリメータレンズ16aへの光利用効率である結合効率を、再生用の第2の光源20bから第2のコリメータレンズ16bへの光利用効率である結合効率よりも大幅に増加させながら、記録光7aの実効的集光スポット径を再生光7bの集光スポット径以下にすることができ、良好な光学特性を有する情報記録再生装置を実現することができる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4の光学情報記録再生装置について、図7を用いて、実施の形態3の光学情報記録再生装置と異なる点についてのみ説明する。図7は、本発明の実施の形態4における光学情報記録再生装置の構成と情報記録媒体の信号を記録/再生する様子を示す説明図である。
本発明の実施の形態4における光学情報記録再生装置の構成が実施の形態3の光学情報記録再生装置と異なる点は、開口数変換素子である凸レンズ24aが第1の光源20aからの出射光22aに対する開口数を実質的に大きくし、凸レンズ24aを通過した光は、ビームスプリッタ18a’を通過して、コリメータレンズ16a’で平行光にされるが、第2の光源20bからの出射光22bは、ビームスプリッタ18a’により、光軸をY方向に折り曲げられて、コリメータレンズ16a’で平行光にされる点である。従って、記録光22aに対するコリメータレンズ16a’の実効開口数を再生光22bに対するコリメータレンズ16a’の実効開口数より大きくすることができる。
なお、第1の光源20aとビームスプリッタ18a’との間に凸レンズ24aを入れる代わりに、第2の光源20bとビームスプリッタ18a’との間に開口数変換素子である凹レンズ(図示無し)を設け、第2の光源20bからの出射光22bに対する開口数を実質的に小さくして、ビームスプリッタ18a’に入射する構成にしても、記録光22aに対するコリメータレンズ16a’の実効開口数を再生光22bに対する実効開口数より大きくすることができる。
従って、本実施の形態4の光学情報記録再生装置では、記録光の平均のリム強度は、再生光の平均のリム強度に比べて大幅に小さく、記録用の第1の光源20aからコリメータレンズ16a’への光利用効率である結合効率を、再生用の第2の光源20bからコリメータレンズ16a’への光利用効率である結合効率よりも大幅に増加させながら、記録光7aの実効的集光スポット径を再生光7bの集光スポット径以下にすることができ、良好な光学特性を有する情報記録再生装置を実現することができる。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5の光学情報記録再生装置について、図8を用いて、実施の形態3の光学情報記録再生装置と異なる点を中心に説明する。図8は、本発明の実施の形態5の実施の形態における光学情報記録再生装置の構成と情報記録媒体の信号を記録/再生する様子とを示す説明図である。
本発明の実施の形態5における光学情報記録再生装置の構成が実施の形態3の光学情報記録再生装置と異なる点は、以下の点である。すなわち、記録用の第1の光源20a及び再生用の第2の光源20b以外に、トラックサーボ用の第3の光源20cを設けた構成であり、第3の光源20cから出射された光22cは、開口数変換素子である凸レンズ24cによりやや発散光となり、第3のビームスプリッタ18cに入射して光軸をY軸方向に折り曲げられて、記録光と再生光と同じ光路に導かれる。
また、情報記録媒体21は、各記録層1a’〜1d’にはトラック溝のない構造で、基板9上にトラックサーボ用のトラック溝25を形成した構造である。集光されたサーボ光7cがトラック溝25に必ず集光するように、各部材が配置してあり、トラック溝25からの反射光7c’は、トラッキング誤差信号として、ビームスプリッタ18cにより、光路を−Z軸方向に折り曲げられ、トラック誤差信号検出素子15cで分岐され、トラックサーボ用の光検出器19cで検出される。なお、フォーカス誤差信号については、光検出器19bにより上記の実施の形態と同様に検出している。
また、球面収差補正素子13は、第1の光源20aからの出射光22aと第2の光源20bからの出射光22bの共通光路(図8では、第2のビームスプリッタ18bと第3のビームスプリッタ18cとの間)に配置され、第3の光源20cからの出射光22cの光路は、球面収差補正素子13を通過しない構成になっている。このような構成により、記録光及び再生光のみに球面収差補正を行うことが可能となる。トラックサーボ光は、必ずトラック溝25に集光する構成であるため、球面収差補正を行う必要はないからである。
また、本実施の形態5の光学情報記録再生装置でも、記録光の平均のリム強度は、再生光の平均のリム強度に比べて大幅に小さく、記録用の第1の光源20aから第1のコリメータレンズ16aへの光利用効率である結合効率を、再生用の第2の光源20bから第2のコリメータレンズ16bへの光利用効率である結合効率よりも大幅に増加させながら、記録光7aの実効的集光スポット径を再生光7bの集光スポット径以下にすることができ、良好な光学特性を有する情報記録再生装置を実現することができる。
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6の光学情報記録再生装置について、図9を用いて、実施の形態3の光学情報記録再生装置と異なる点を中心に説明する。本発明の実施の形態6における光学情報記録再生装置の構成は、図5に示した実施の形態3の光学情報記録再生装置の構成とほとんど同じであるが、第2の光源20bが、第1の光源20aと実質的に同じ波長を有することが異なる。すなわち、第1の光源20aの波長λ1と、第2の光源20bの波長λ2とは、0.73μm以上0.83μm以下の範囲に含まれ、例えば、λ1=λ2=0.785μmで、放射角はθh=8.8°、θv=17°である。
記録層1bの焦点面での集光スポットは、記録光7aと再生光7bとのどちらにおいても、その光強度分布は楕円形状になるため、その楕円の短軸方向が記録層1bのトラック方向に一致するように、第1の光源20aと第2の光源20bとを配置している。そのような配置により、(記録マークの)小さい記録ピット5の記録再生特性が向上する効果がある。
また、本発明者らは、リム強度が1未満で、焦点面での集光スポットの光強度分布が楕円になる場合でも、リム強度が等しければ、記録光の実効的集光スポット径の半値全幅は、再生光の集光スポット径の半値全幅に対して、それぞれの方向において、ほとんど同じ割合2−1/2=0.71で小さくできることを見いだした。この知見に基づくグラフが下記の図9である。
図9(a)は、本発明の実施の形態6における光学情報記録再生装置のコリメータレンズの実効開口数と対物レンズにおけるリム強度との関係を示すグラフ、図9(b)は、本発明の実施の形態6における光学情報記録再生装置のコリメータレンズの実効開口数と情報記録媒体の記録層(焦点面)での(実効的)集光スポット径(半値全幅)との関係、及び上記開口数と光源からコリメータレンズへの結合効率(ただし、コリメータレンズ表面での反射を無視したとき)との関係を示すグラフである。図9は、非線形記録の例として、2光子吸収記録の場合についてのグラフである。
図9に示すように、光源の特性が実質的に同じであるので、記録光と再生光とに対するリム強度と結合効率とは、それぞれ同じになるが、記録光の実効的集光スポットは、2光子吸収記録のため、再生光の集光スポット径に比べて小さくなる。
再生光7bに対して、最も良く絞れるリム強度が1の場合の集光スポット径(0.476μm)に比べて、劣化の割合が5%以下(集光スポット径≦0.500μm)の条件では、第2のコリメータレンズ16bの実効開口数の最大値はNA2=0.10であり、このときの集光スポット径は0.500μm(h方向)、0.477μm(v方向)、再生光の結合効率は43%、リム強度は0.31(h方向)、0.73(v方向)で平均のリム強度は0.52、集光スポット径の楕円の比率r=1.05となる。
また、第1のコリメータレンズ16aの実効開口数NA1を第2のコリメータレンズ16bの実効開口数NA2より大きくしても、又は、記録光の結合効率を再生光の結合効率よりも大きくしても、記録光7aの実効的集光スポット径は、再生光7bの集光スポット径より大きくならない(劣化しない)条件が存在する。その最大値はNA1=0.29であり(このときの記録光7aの実効的なスポット径は0.470μm(h方向)、0.365μm(v方向))、記録光の集光スポット径の楕円の比率rはr=1.29であるが、このときの記録光の最大の結合効率は、最大値に近い97.3%となり、再生光の場合(最大で43%)の2.3倍の大きさとなり、記録光のリム強度は0.00005(h方向)、0.074(v方向)で平均のリム強度は0.037であり、再生光の平均のリム強度0.52に比べて大幅に小さい。
次に、再生光7bに対して、リム強度が1の場合の集光スポットに比べて、より好ましい劣化の割合が2%以下(集光スポット径≦0.486μm)の条件では、第2のコリメータレンズ16bの実効開口数の最大値はNA2=0.06であり、このときの集光スポット径は0.484μm(h方向)、0.476μm(v方向)、再生光の結合効率は19%、リム強度は0.66(h方向)、0.89(v方向)で平均のリム強度は0.78、集光スポット径の楕円の比率r=1.02となる。
また、第1のコリメータレンズ16aの実効開口数NA1を第2のコリメータレンズ16bの実効開口数NA2より大きくしても、又は、記録光の結合効率を再生光の結合効率よりも大きくしても、記録光7aの実効的集光スポット径は、再生光7bの集光スポット径より大きくならない(劣化しない)条件が存在する。その最大値はNA1=0.29であり(このときの記録光7aの実効的なスポット径は0.470μm(h方向)、0.365μm(v方向))、記録光の集光スポット径の楕円の比率rはr=1.29であるが、このときの記録光の最大の結合効率は、93.3%となり、再生光の場合(最大で19%)の4.9倍の大きさとなり、記録光のリム強度は0.00005(h方向)、0.074(v方向)で平均のリム強度は0.037であり、再生光の平均のリム強度0.78に比べて大幅に小さい。
従って、本実施の形態6の光学情報記録再生装置では、記録光の平均のリム強度は、再生光の平均のリム強度に比べて大幅に小さく、記録用の第1の光源20aから第1のコリメータレンズ16aへの光利用効率である結合効率を、再生用の第2の光源20bから第2のコリメータレンズ16bへの光利用効率である結合効率よりも大幅に増加させながら、記録光7aの実効的集光スポット径を再生光7bの集光スポット径以下にすることができ、良好な光学特性を有する情報記録再生装置を実現することができる。
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7の光学情報記録再生装置について、図10を用いて、実施の形態6の光学情報記録再生装置と異なる点を中心に説明する。本発明の実施の形態7の光学情報記録再生装置の構成は、実施の形態6の光学情報記録再生装置の構成とほとんど同じであるが、第1の光源20aの波長λ1と、第2の光源20bの波長λ2とは、両波長とも0.6μm以上0.7μm以下の範囲内に含まれ、例えば、λ1=λ2=0.658μmで、放射角はθh=10°、θv=17°である。
記録層1bの焦点面での集光スポットは、記録光7aと再生光7bとのどちらにおいても、その光強度分布は楕円形状になるため、その楕円の短軸方向が記録層1bのトラック方向に一致するように、第1の光源20aと第2の光源20bとを配置している。そのような配置により、(記録マークの)小さい記録ピット5の記録再生特性が向上する効果がある。
図10(a)は、本発明の実施の形態7における光学情報記録再生装置のコリメータレンズの実効開口数と対物レンズにおけるリム強度との関係を示すグラフ、図10(b)は、本発明の実施の形態7における光学情報記録再生装置のコリメータレンズの実効開口数と、情報記録媒体の記録層(焦点面)での(実効的)集光スポット径(半値全幅)の関係、及び上記開口数と光源からコリメータレンズへの結合効率(ただし、コリメータレンズ表面での反射を無視したとき)との関係を示すグラフである。図10は、非線形記録の例として、2光子吸収記録の場合についてのグラフである。
図10に示すように、光源の特性が実質的に同じであるので、記録光と再生光とに対するリム強度と結合効率とは、それぞれ同じになるが、記録光の実効的集光スポットは2光子吸収記録のため、再生光の集光スポット径に比べておよそ小さくなる。
再生光7bに対して、最も良く絞れるリム強度が1の場合の集光スポット径(0.399μm)に比べて、劣化の割合が5%以下(集光スポット径≦0.419μm)の条件では、第2のコリメータレンズ16bの実効開口数の最大値はNA2=0.11であり、このときの集光スポット径は0.417μm(h方向)、0.401μm(v方向)、再生光の結合効率は46%、リム強度は0.33(h方向)、0.69(v方向)で平均のリム強度は0.51、集光スポット径の楕円の比率r=1.04となる。
また、第1のコリメータレンズ16aの実効開口数NA1を第2のコリメータレンズ16bの実効開口数NA2より大きくしても、又は、記録光の結合効率を再生光の結合効率よりも大きくしても、記録光7aの実効的集光スポット径は、再生光7bの集光スポット径より大きくならない(劣化しない)条件が存在する。その最大値はNA1=0.34であり(このときの記録光7aの実効的なスポット径は0.398μm(h方向)、0.318μm(v方向))、記録光の集光スポット径の楕円の比率rはr=1.25であるが、このときの記録光の最大の結合効率は、最大値に近い99.1%となり、再生光の場合(最大で46%)の2.2倍の大きさとなり、記録光のリム強度は0.00003(h方向)、0.028(v方向)で平均のリム強度は0.014であり、再生光の平均のリム強度0.51に比べて大幅に小さい。
次に、再生光7bに対して、リム強度が1の場合の集光スポットに比べて、より好ましい劣化の割合が2%以下(集光スポット径≦0.407μm)の条件では、第2のコリメータレンズ16bの実効開口数の最大値はNA2=0.07であり、このときの集光スポット径は0.406μm(h方向)、0.399μm(v方向)、再生光の結合効率は23%、リム強度は0.64(h方向)、0.86(v方向)で平均のリム強度は0.75、集光スポット径の楕円の比率r=1.02となる。
また、第1のコリメータレンズ16aの実効開口数NA1を第2のコリメータレンズ16bの実効開口数NA2より大きくしても、又は、記録光の結合効率を再生光の結合効率よりも大きくしても、記録光7aの実効的集光スポット径は、再生光7bの集光スポット径より大きくならない(劣化しない)条件が存在する。その最大値はNA1=0.34であり(このときの記録光7aの実効的なスポット径は0.398μm(h方向)、0.318μm(v方向))、記録光の集光スポット径の楕円の比率rはr=1.25であるが、このときの記録光の最大の結合効率は、99.1%となり、再生光の場合(最大で23%)の4.3倍の大きさとなり、記録光のリム強度は0.00005(h方向)、0.074(v方向)で平均のリム強度は0.037であり、再生光の平均のリム強度0.78に比べて大幅に小さい。
従って、本実施の形態7の光学情報記録再生装置では、記録光の平均のリム強度は、再生光の平均のリム強度に比べて大幅に小さく、記録用の第1の光源20aから第1のコリメータレンズ16aへの光利用効率である結合効率を、再生用の第2の光源20bから第2のコリメータレンズ16bへの光利用効率である結合効率よりも大幅に増加させながら、記録光7aの実効的集光スポット径を再生光7bの集光スポット径以下にすることができ、良好な光学特性を有する情報記録再生装置を実現することができる。
(実施の形態8)
次に、本発明の実施の形態8の光学情報記録再生装置について、図11を用いて、実施の形態6の光学情報記録再生装置と異なる点を中心に説明する。本発明の実施の形態8の光学情報記録再生装置の構成は、実施の形態6の光学情報記録再生装置の構成とほとんど同じであるが、第1の光源20aの波長λ1と、第2の光源20bの波長λ2とは、両波長とも0.35μm以上0.45μm以下の範囲に含まれ、例えば、λ1=λ2=0.408μmで、放射角はθh=8°、θv=22°である。
記録層1bの焦点面での集光スポットは、記録光7aと再生光7bとのどちらにおいても、その光強度分布は楕円形状になるため、その楕円の短軸方向が記録層1bのトラック方向に一致するように、第1の光源20aと第2の光源20bとを配置している。そのような配置により、(記録マークの)小さい記録ピット5の記録再生特性が向上する効果がある。
図11(a)は、本発明の実施の形態8における光学情報記録再生装置のコリメータレンズの実効開口数と対物レンズにおけるリム強度との関係を示すグラフ、図11(b)は、本発明の実施の形態8における光学情報記録再生装置のコリメータレンズの実効開口数と情報記録媒体の記録層(焦点面)での(実効的)集光スポット径(半値全幅)との関係、及び上記開口数と光源からコリメータレンズへの結合効率(ただし、コリメータレンズ表面での反射を無視したとき)との関係を示すグラフである。図11は、非線形記録の例として、2光子吸収記録の場合についてのグラフである。
図11に示すように、光源の特性が実質的に同じであるので、記録光と再生光に対するリム強度と結合効率は、それぞれ同じになるが、記録光の実効的集光スポットは2光子吸収記録のため、再生光の集光スポット径に比べておよそ小さくなる。
再生光7bに対して、最も良く絞れるリム強度が1の場合の集光スポット径(0.247μm)に比べて、劣化の割合が5%以下(集光スポット径≦0.259μm)の条件では、第2のコリメータレンズ16bの実効開口数の最大値はNA2=0.08であり、このときの集光スポット径は0.257μm(h方向)、0.246μm(v方向)、再生光の結合効率は40%、リム強度は0.40(h方向)、0.89(v方向)で平均のリム強度は0.65、集光スポット径の楕円の比率r=1.04となる。
また、第1のコリメータレンズ16aの実効開口数NA1を第2のコリメータレンズ16bの実効開口数NA2より大きくしても、又は、記録光の結合効率を再生光の結合効率よりも大きくしても、記録光7aの実効的集光スポット径は、再生光7bの集光スポット径より大きくならない(劣化しない)条件が存在する。その最大値はNA1=0.26であり(このときの記録光7aの実効的なスポット径は0.245μm(h方向)、0.179μm(v方向))、記録光の集光スポット径の楕円の比率rはr=1.37であるが、このときの記録光の最大の結合効率は、87.4%となり、再生光の場合(最大で40%)の2.2倍の大きさとなり、記録光のリム強度は0.00007(h方向)、0.29(v方向)で平均のリム強度は0.15であり、再生光の平均のリム強度0.65に比べて大幅に小さい。
次に、再生光7bに対して、リム強度が1の場合の集光スポットに比べて、より好ましい劣化の割合が2%以下(集光スポット径≦0.252μm)の条件では、第2のコリメータレンズ16bの実効開口数の最大値はNA2=0.05であり、このときの集光スポット径は0.251μm(h方向)、0.247μm(v方向)、再生光の結合効率は12%、リム強度は0.70(h方向)、0.96(v方向)で平均のリム強度は0.83、集光スポット径の楕円の比率r=1.02となる。
また、第1のコリメータレンズ16aの実効開口数NA1を第2のコリメータレンズ16bの実効開口数NA2より大きくしても、又は、記録光の結合効率を再生光の結合効率よりも大きくしても、記録光7aの実効的集光スポット径は、再生光7bの集光スポット径より大きくならない(劣化しない)条件が存在する。その最大値はNA1=0.26であり(このときの記録光7aの実効的なスポット径は0.245μm(h方向)、0.179μm(v方向))、記録光の集光スポット径の楕円の比率rはr=1.37であるが、このときの記録光の最大の結合効率は、87.4%となり、再生光の場合(最大で12%)の7.3倍の大きさとなり、記録光のリム強度は0.00007(h方向)、0.29(v方向)で平均のリム強度は0.15であり、再生光の平均のリム強度0.83に比べて大幅に小さい。
従って、本実施の形態8の光学情報記録再生装置では、記録光の平均のリム強度は、再生光の平均のリム強度に比べて大幅に小さく、記録用の第1の光源20aから第1のコリメータレンズ16aへの光利用効率である結合効率を、再生用の第2の光源20bから第2のコリメータレンズ16bへの光利用効率である結合効率よりも大幅に増加させながら、記録光7aの実効的集光スポット径を再生光7bの集光スポット径以下にすることができ、良好な光学特性を有する情報記録再生装置を実現することができる。
(実施の形態9)
次に、本発明の実施の形態9の光学情報記録再生装置について、図12を用いて、実施の形態8の光学情報記録再生装置と異なる点を中心に説明する。図12は、本発明の実施の形態9における光学情報記録再生装置の構成と情報記録媒体の信号を記録/再生する様子とを示す説明図である。
本発明の実施の形態9における光学情報記録再生装置の構成が実施の形態8の光学情報記録再生装置の構成と異なる点は、光源20及びコリメータレンズ16の数がどちらも1つであり、コリメータレンズ16とビームスプリッタ18aとの間の光路中にビーム径可変素子26を設けたことである。
光源20は、記録用光源と再生用光源とに兼用され、光源20の波長λは、0.35μm以上0.45μm以下の範囲に含まれ、例えば、λ=0.408μmで、放射角はθh=8°、θv=22°である。なお、光源20の波長は、0.6μm以上0.7μm以下の範囲、又は0.73μm以上0.83μm以下の範囲に含まれるものであってもよい。
ビーム径可変素子26は、一対の焦点距離可変素子27a、27bがガラス基板や透明樹脂等の透明基板を挟み込み、一対の焦点距離可変素子27a、27bが一定の間隔を隔てて構成されている。一対の焦点距離可変素子27a、27bは、例えば、それぞれが、屈折率分布が可変である液晶素子であり、液晶をガラス板で挟み込んだ構造で、ガラス基板に同心円状の複数の透明分割電極を設けて、電気的に半径方向に4分割以上された領域からなるような構造を有している。それぞれの分割電極に電位を印加すると電位量に応じて液晶の屈折率が変わり、屈折率の変化が位相分布として実現される。
一対の焦点距離可変素子27a、27bは、凸レンズ状の位相分布を実現すれば、凸レンズとして機能し、凹レンズ状の位相分布を実現すれば、凹レンズとして機能する。そのときの屈折率分布又は位相量を電圧印加量で調整することも可能で、その調整により焦点距離も可変にできる。なお、焦点距離可変素子27a、27bは、焦点距離が制御できれば、上記に述べた液晶レンズにこだわらない。
本実施の形態では、一対の焦点距離可変素子27a、27bは、記録時には何も機能しない素子(入射ビーム径は同じまま出射される)であり、再生時には電圧印加により焦点距離がお互いに逆符号となるような集光レンズ、すなわち、再生時には、焦点距離可変素子27aが凹レンズとなり、焦点距離可変素子27bが凸レンズとなる。この結果、再生光22bは、コリメータレンズ16で略平行光となり、焦点距離可変素子27aを透過することにより発散光となり、焦点距離可変素子27bにより再び略平行光に戻される。このようにして、結果的に、再生光22bがビーム径可変素子26を通過することにより、そのビーム径が拡大されることになる。
従って、ビーム径可変素子26を設け、再生時に電圧印加して再生光のビーム径を拡大することにより、再生光22bに対するコリメータレンズ16の実効開口数を、記録光22aに対するコリメータレンズ16の実効開口数よりも小さくすることができ、結果的に、対物レンズ6において、記録光に対する平均のリム強度は、再生光に対する平均のリム強度に比べて小さくなる。
従って、本実施の形態9の光学情報記録再生装置では、記録光の平均のリム強度は、再生光の平均のリム強度に比べて小さく、記録光22aに対する光源20からコリメータレンズ16への光利用効率である結合効率を、再生光22bに対する光源20からコリメータレンズ16への光利用効率である結合効率よりも増加させながら、記録光7aの実効的集光スポット径を再生光7bの集光スポット径以下にすることができ、良好な光学特性を有する情報記録再生装置を実現することができる。
(実施の形態10)
次に、本発明の実施の形態10の光学情報記録再生装置について、図13を用いて、実施の形態9の光学情報記録再生装置と異なる点について説明する。図13は、本発明の実施の形態10の実施の形態の光学情報記録再生装置の構成と情報記録媒体の信号を記録/再生する様子とを示す説明図である。
本発明の実施の形態10における光学情報記録再生装置の構成が実施の形態9の光学情報記録再生装置の構成と異なる点は、ビーム径可変素子26’の構成及び動作である。
ビーム径可変素子26’は、上記と同様に、一対の焦点距離可変素子27a’、27b’がガラス基板や透明樹脂等の透明基板を挟み込み、一対の焦点距離可変素子27a’、27b’が一定の間隔を隔てて構成されている。
本実施の形態では、一対の焦点距離可変素子27a’、27b’は、再生時には何も機能しない素子(入射ビーム径は同じまま出射される)であり、記録時には電圧印加により焦点距離がお互いに逆符号となるような集光レンズ、すなわち、記録時には、焦点距離可変素子27a’が凸レンズとなり、焦点距離可変素子27b’が凹レンズとなる。この結果、記録光22a’は、コリメータレンズ16’で略平行光となり、焦点距離可変素子27a’を透過することにより収束光となり、焦点距離可変素子27b’により再び略平行光に戻される。このようにして、結果的に、記録光22a’がビーム径可変素子26’を通過することにより、そのビーム径は縮小されることになる。
従って、ビーム径可変素子26’を設け、記録時に電圧印加して記録光のビーム径を縮小することにより、記録光22a’に対するコリメータレンズ16’の実効開口数を、再生光22b’に対するコリメータレンズ16’の実効開口数よりも大きくすることができ、結果的に、対物レンズ6において、記録光に対する平均のリム強度は、再生光に対する平均のリム強度に比べて小さくなる。
従って、本実施の形態10の光学情報記録再生装置では、記録光の平均のリム強度は、再生光の平均のリム強度に比べて小さく、記録光22a’に対する光源20からコリメータレンズ16’への光利用効率である結合効率を、再生光22b’に対する光源20からコリメータレンズ16’への光利用効率である結合効率よりも増加させながら、記録光7aの実効的集光スポット径を再生光7bの集光スポット径以下にすることができ、良好な光学特性を有する情報記録再生装置を実現することができる。
以上、実施の形態1〜実施の形態10の光学情報記録再生装置について、光子密度が高いときに生じる非線形吸収現象として、主に2光子吸収記録を例に挙げて説明してきたが、3光子吸収等の多光子吸収現象による記録や、プラズマ吸収現象による記録や吸収端シフト現象による記録(記録光の照射により記録材料が高温になり、その結果、記録材料のバンドギャップが長波長側へシフトし、記録材料の光吸収量が増えることを利用した記録であり、記録材料は、例えば、405nmの波長の記録では、Bi2O3やZnO等を含む場合に有効である。)の場合にも同様に効果があり、また、本発明は、上記の各実施の形態に限定されるものではなく、それぞれの実施の形態の光学情報記録再生装置の構成を任意に組み合わせた光学情報記録再生装置も、本発明に含まれ、同様の効果を奏することができる。
また、上記実施の形態で用いた対物レンズ、コリメータレンズ及び検出レンズは、便宜上名付けたものであり、一般にいうレンズと同じである。
また、上記実施の形態においては、情報記録媒体として光ディスクを例に挙げて説明したが、同様の光学情報記録再生装置により、厚みや記録密度など複数の仕様の異なる媒体を再生することができるように設計されたカード状、ドラム状又はテープ状の製品に応用することも本発明の範囲に含まれる。
上記の各実施の形態から本発明について要約すると、以下のようになる。すなわち、本発明に係る光学情報記録再生装置は、記録光及び再生光を出射する光源部と、前記記録光及び再生光を情報記録媒体に集光する対物レンズと、前記情報記録媒体からの反射光を検出する光検出器とを具備し、前記情報記録媒体は、非線形吸収現象を用いて、前記記録光により3次元的に情報を記録可能な記録部を含み、前記対物レンズにおいて、前記記録光に対する平均のリム強度は、前記再生光に対する平均のリム強度よりも小さい。
この光学情報記録再生装置においては、対物レンズにおいて、記録光に対する平均のリム強度を、再生光に対する平均のリム強度よりも小さくしているので、光源部からの記録光を高効率で取り込みながら、対物レンズで絞られた記録光の実効的な集光スポット径は、そのリム強度は小さくても、記録時の非線形性現象、すなわち、光子密度が高いときに生じる非線形吸収現象を利用することによって再生光の集光スポット径に対しても遜色がない良好な集光スポット径となり、記録光の光利用効率を高くすることができるとともに、再生光及び記録光のスポット径の良好なバランスを取って、再生時の変調度を大きくできる等の集光スポットの光学特性が良好な光学情報記録再生装置を実現することができる。
前記再生光の波長は、前記記録光の波長と実質的に等しいか又は前記記録光の波長より小さく、且つ、前記記録光に対する平均のリム強度は、前記再生光の波長と前記記録光の波長との差が小さいほど、前記再生光に対する平均のリム強度よりも小さくなることが好ましい。
この場合、再生光の波長が記録光の波長と実質的に等しいか、又は記録光の波長より小さいときに、再生光の波長と記録光の波長との差に合わせて、その差が小さいほど、記録光に対する平均のリム強度が再生光に対する平均のリム強度よりも小さくなるので、記録光の集光スポット径を再生光の集光スポット径に近づけることができ、記録と再生とのバランスを図った良好な記録及び再生特性を実現することができる。
前記記録光の焦点面における実効的な集光スポットの平均の半値全幅w1は、前記再生光の焦点面における集光スポットの平均の半値全幅w2に対して、0.8・w2≦w1≦1.2・w2を満たすことが好ましい。
この場合、再生光の集光スポットの特性をそれほど劣化させない範囲で、記録光の集光スポット径を再生光の集光スポット径に近づけることができるので、記録と再生とのバランスを図ることができるとともに、装置に使用する電気回路を容易に実現することができる。
前記非線形吸収現象は、2光子吸収現象、多光子吸収現象、プラズマ吸収現象及び吸収端シフト現象の少なくとも一つの現象を含むことが好ましい。
この場合、2光子吸収現象、多光子吸収現象、プラズマ吸収現象、吸収端シフト現象のいずれにおいても、光子密度が高いときに十分な非線形吸収現象が発生するので、対物レンズで絞られた記録光の実効的な集光スポット径は、そのリム強度が小さくても、再生光の集光スポット径に対しても遜色がない良好な集光スポット径となり、記録光の光利用効率が高く、集光スポットの光学特性も良好な光学情報記録再生装置を実現することができる。
前記光源部は、パルス光を発する半導体レーザ光源を含み、記録する記録ピットの形状に合わせて、パルス幅を1ナノ秒から100ナノ秒までの間で変化させることが好ましい。
この場合、記録する記録ピットの形状に応じてパルス幅を1ナノ秒から100ナノ秒までの間で変化させているので、記録のストラテジーを簡略化することができるとともに、記録光を効率よく発生させることができるので、装置の消費電力を低減することができる。
前記記録光の波長と前記再生光の波長とは両波長とも、0.35μm以上0.45μm以下、0.6μm以上0.7μm以下、又は0.73μm以上0.83μm以下のいずれかの範囲に含まれることが好ましい。
この場合、光源部を半導体レーザ光源から構成することができるので、装置の小型化及び低コスト化を達成することができる。
前記非線形吸収現象は、n光子吸収現象(nは2以上の任意の整数)であり、前記再生光の波長λ2は、前記記録光の波長λ1と実質的に等しいか又は前記記録光の波長λ1より小さく、且つ、前記再生光の波長λ2は、前記記録光の波長λ1に対して、λ2>λ1・n−1/2を満たすことが好ましい。
この場合、再生光の波長λ2が記録光の波長λ1と実質的に等しいか、又はそれより小さいときであっても、λ2>λ1・n−1/2を満たすので、その非線形効果により、n光子吸収記録が生じる記録光の実効的な集光スポット径を再生光の集光スポット径よりも小さくすることが可能となる。
前記記録光の波長λ1は、0.73μm≦λ1≦0.83μmを満たし、且つ、前記再生光の波長λ2は、0.6μm≦λ2≦0.7μmを満たすことが好ましい。
この場合、再生光の波長λ2と記録光の波長λ1とは、λ2>λ1・n−1/2の関係式を満たすことができるので、n光子吸収記録が生じる記録光の実効的な集光スポット径を再生光の集光スポット径よりも小さくすることができる。
前記光源部は、前記記録光を出射する第1の光源と、前記再生光を出射する第2の光源とを含むことが好ましい。
この場合、記録光用及び再生光用に別個の光源を用いることができるので、記録光及び再生光に対する対物レンズにおける平均のリム強度を所望の値に容易に設定することができる。
前記第1の光源と前記対物レンズとの間の光路に配置された第1のコリメータレンズと、前記第2の光源と前記対物レンズとの間の光路に配置された第2のコリメータレンズとをさらに備え、前記第1のコリメータレンズの実効開口数は、前記第2のコリメータレンズの実効開口数より大きいことが好ましい。
この場合、第1のコリメータレンズの実効開口数が第2のコリメータレンズの実効開口数より大きいので、記録光のリム強度を小さくすることができるとともに、第1の光源から第1のコリメータレンズへの結合効率を大きくすることができ、情報記録媒体に集光される光強度を大きくして非線形現象による記録を容易に行うことができる。
前記第1のコリメータレンズと前記対物レンズとの間の光路に配置されたビーム整形素子をさらに備えることが好ましい。
この場合、ビーム整形素子によって、記録光の集光スポット径とリム強度とを水平方向及び垂直方向とで実質的に同じにすることができるので、記録光を効率よく使用することができる。
前記ビーム整形素子は、前記第1の光源の接合面に垂直な方向のビーム径と実質的に同じになるように、前記接合面に平行な方向のビーム径を拡大するビーム整形プリズムを含むことが好ましい。
この場合、ビーム整形プリズムによって、第1の光源の接合面に垂直な方向のビーム径と実質的に同じになるように、この接合面に平行な方向のビーム径を拡大することができるので、記録光の集光スポット径とリム強度とを水平方向及び垂直方向とで実質的に同じにすることができ、記録光を効率よく使用することができる。
前記第1のコリメータレンズの実効開口数NA1と前記第2のコリメータレンズの実効開口数NA2とは、NA2≦0.11、且つ、NA2<NA1≦0.39を満たすことが好ましく、NA2≦0.07、且つ、NA2<NA1≦0.38を満たすことがより好ましい。
前者の場合、リム強度が1の場合の集光スポットに比べて、再生光の劣化の割合を5%以下にすることができ、後者の場合、再生光の劣化の割合を2%以下にすることができる。
前記ビーム整形素子は、前記第1の光源の接合面に平行な方向のビーム径と実質的に同じになるように、前記接合面に垂直な方向のビーム径を縮小するビーム整形プリズムを含むようにしてもよい。
この場合、ビーム整形プリズムによって、第1の光源の接合面に平行な方向のビーム径と実質的に同じになるように、この接合面に垂直な方向のビーム径を縮小することができるので、記録光の集光スポット径とリム強度とを水平方向及び垂直方向とで実質的に同じにすることができ、記録光を効率よく使用することができる。
前記第1のコリメータレンズの実効開口数NA1と前記第2のコリメータレンズの実効開口数NA2とは、NA2≦0.11、且つ、NA2<NA1≦0.20を満たすことが好ましく、NA2≦0.07、且つ、NA2<NA1≦0.19を満たすことがより好ましい。
前者の場合、リム強度が1の場合の集光スポットに比べて、再生光の劣化の割合を5%以下にすることができ、後者の場合、再生光の劣化の割合を2%以下にすることができる。
前記記録光の波長λ1は、0.73μm≦λ1≦0.83μmを満たし、前記再生光の波長λ2は、0.6μm≦λ2≦0.7μmを満たし、前記第1のコリメータレンズの実効開口数NA1と前記第2のコリメータレンズの実効開口数NA2とは、NA2≦0.11、且つ、NA2<NA1≦0.18を満たすことが好ましく、NA2≦0.07、且つ、NA2<NA1≦0.18を満たすことがより好ましい。
記録光の波長λ1が0.73μm≦λ1≦0.83μmを満たし、再生光の波長λ2が0.6μm≦λ2≦0.7μmを満たすときに、前者の場合、リム強度が1の場合の集光スポットに比べて、再生光の劣化の割合を5%以下にすることができ、後者の場合、再生光の劣化の割合を2%以下にすることができる。
前記記録光の波長と前記再生光の波長とは両波長とも、0.73μm以上0.83μm以下の範囲に含まれ、前記第1のコリメータレンズの実効開口数NA1と前記第2のコリメータレンズの実効開口数NA2とは、NA2≦0.10、且つ、NA2<NA1≦0.29を満たすことが好ましく、NA2≦0.06、且つ、NA2<NA1≦0.29を満たすことがより好ましい。
記録光の波長と再生光の波長とが両波長とも、0.73μm以上0.83μm以下の範囲にあるときに、前者の場合、リム強度が1の場合の集光スポットに比べて、再生光の劣化の割合を5%以下にすることができ、後者の場合、再生光の劣化の割合を2%以下にすることができる。
前記記録光の波長と前記再生光の波長とは両波長とも、0.6μm以上0.7μm以下の範囲に含まれ、前記第1のコリメータレンズの実効開口数NA1と前記第2のコリメータレンズの実効開口数NA2とは、NA2≦0.11、且つ、NA2<NA1≦0.34を満たすことが好ましく、NA2≦0.07、且つ、NA2<NA1≦0.34を満たすことがより好ましい。
記録光の波長と再生光の波長とが両波長とも、0.6μm以上0.7μm以下の範囲にあるときに、前者の場合、リム強度が1の場合の集光スポットに比べて、再生光の劣化の割合を5%以下にすることができ、後者の場合、再生光の劣化の割合を2%以下にすることができる。
前記記録光の波長と前記再生光の波長は両波長とも、0.35μm以上0.45μm以下の範囲に含まれ、前記第1のコリメータレンズの実効開口数NA1と前記第2のコリメータレンズの実効開口数NA2とは、NA2≦0.08、且つ、NA2<NA1≦0.26を満たすことが好ましく、NA2≦0.05、且つ、NA2<NA1≦0.26を満たすことがより好ましい。
記録光の波長と再生光の波長とが両波長とも、0.35μm以上0.45μm以下の範囲にあるときに、前者の場合、リム強度が1の場合の集光スポットに比べて、再生光の劣化の割合を5%以下にすることができ、後者の場合、再生光の劣化の割合を2%以下にすることができる。
前記記録光及び前記再生光の焦点面での集光スポットの光強度分布は、楕円形状を有し、前記第1の光源と前記第2の光源とは、前記光強度分布の楕円形状の長軸方向がそれぞれ一致するように配置されることが好ましい。
この場合、ビーム整形素子を省略することができるので、装置の低コスト化を図ることができるとともに、光学調整を容易に行うことができる。
前記第1及び第2の光源と前記情報記録媒体との間の共通光路に配置されるコリメータレンズと、前記第1の光源と前記コリメータレンズとの間の光路及び前記第2の光源と前記コリメータレンズとの間の光路の一方に配置される開口数変換素子とをさらに備えることが好ましい。
この場合、開口数変換素子によってコリメータレンズの開口数を実質的に変更することができるので、記録光に対するコリメータレンズの実効開口数を再生光に対するコリメータレンズの実効開口数より大きくすることができる。
前記開口数変換素子は、前記第1の光源と前記コリメータレンズとの間の光路に配置される場合は凸レンズから構成され、前記第2の光源と前記コリメータレンズとの間の光路に配置される場合は凹レンズから構成されることが好ましい。
この場合、凸レンズによって第1の光源からの出射光に対する開口数を実質的に大きく、又は、凹レンズによって第2の光源からの出射光に対する開口数を実質的に小さくすることができるので、記録光に対するコリメータレンズの実効開口数を再生光に対するコリメータレンズの実効開口数より大きくすることができる。
第3の光源と、トラックサーボ用光検出器とをさらに備え、前記情報記録媒体の基板には、トラックサーボ用のトラック溝が設けられ、前記対物レンズが前記第3の光源から出射された光を前記トラック溝に集光し、前記トラックサーボ用光検出器が前記トラック溝からの反射回折光を検出することにより、トラック誤差信号を得ることが好ましい。
この場合、情報記録媒体の基板にトラックサーボ用のトラック溝を設けることにより、トラッキング誤差信号を得ることができるので、情報記録媒体の複数の記録層にトラック溝を形成する必要がなくなり、情報記録媒体の製造方法を容易にすることができるとともに、情報記録媒体を低コスト化することができる。
前記第3の光源からの出射光の光路ではなく、前記第1の光源からの出射光と前記第2の光源からの出射光との共通光路に配置される球面収差補正素子をさらに備えることが好ましい。
第3の光源からの出射光はトラックサーボ光であり、必ずトラック溝に集光するため、球面収差補正を行う必要はないが、上記の配置により、記録光及び再生光のみに球面収差補正を良好に行うことが可能となる。
前記光源部は、前記記録光又は前記再生光として、光を出射する一つの光源を含み、前記記録光に対する平均のリム強度が前記再生光に対する平均のリム強度より小さくなるように、前記一つの光源からの出射光のビーム径を可変するビーム径可変素子をさらに備えることが好ましい。
この場合、ビーム径可変素子によって、記録光に対する平均のリム強度を再生光に対する平均のリム強度に比べて小さくすることができるので、一つの光源を用いて、記録光の光利用効率を再生光の光利用効率よりも増加させながら、記録光の実効的集光スポット径を再生光の集光スポット径以下にすることができ、良好な光学特性を有する情報記録再生装置を実現することができる。
前記記録光及び前記再生光の焦点面での集光スポットの光強度分布は、楕円形状を有し、前記光強度分布の楕円形状のそれぞれの短軸方向は、前記記録部におけるトラック方向と一致することが好ましい。
この場合、情報記録媒体に記録される小さい記録ピットの記録再生特性を向上することができる。