JP4793632B2 - 金属酸化物ナノ多孔体、触媒担体及びそれを用いた水素生成反応用触媒 - Google Patents
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Description
前記被覆に10at%以上含有されるすべての金属酸化物の金属元素について、加速電圧15kV、電子ビーム径1μmのX線マイクロアナライザーを用いて0.5mm以上の範囲を任意に線分析して求めた下記式(2):
K値(%)=(被覆から検出されたX線強度)/(純物質から得られるX線強度)
で表されるK値が、前記金属元素のすべてについて、全測定点のうちの65%以上の測定点において下記式(3):
で表される条件を満たしていることを特徴とする燃料改質用触媒担体である。
H(L)≦20nm (4)
[式(4)中、H(L)は各測定点(走査距離=L)における高さ像(nm)を示す。但し、全測定点における高さ像Hの平均値を零とする。]
で表される条件を満たしており、且つ、下記式(5)及び(6):
により求めた二次微係数H”(L)が、全測定点のうちの60%以下の測定点において下記式(7):
−0.05nm−1≦H”(L)≦0.05nm−1 (7)
で表される条件を満たしていること。
(i)ジルコニアコロイド粒子及び/又はジルコニウム塩溶液と、セリアコロイド粒子及び/又はセリウム塩溶液とを含有する原料流体組成物、或いは、
(ii)ジルコニアコロイド粒子及び/又はジルコニウム塩溶液と、セリアコロイド粒子及び/又はセリウム塩溶液と、アルミナコロイド粒子及び/又はアルミニウム塩溶液とを含有する原料流体組成物、
を1000sec−1以上の剪断速度の下で混合した後、実質的に共沈させることなく熱処理して得たものである。
ν2/Xm 2≦0.02 (1)
で表される条件を満たしていることである。前記式(1)において、Xmは、下記式:
Xm=(ΣX)/N
(式中のNは測定点の数を示す。)
で表される相対強度比Xの平均値である。また、ν2は、下記式:
ν2={Σ(X−Xm)2}/N
で表される平均値Xmのまわりの二次のモーメントである。さらに、ν2/Xm 2は、平均値Xmの二乗で規格化した二次のモーメントである。
金属酸化物ナノ多孔体を少量採取し、容器中に貯めた5〜10ml程度の分散媒(例えばエタノール)に混合する。得られた混合物を超音波洗浄機の水槽に入れ、数分間超音波にて撹拌した後、直ちに容器を超音波洗浄機から取り出して被検試料の分散液を、「マイクログリッド」と呼ばれる3mmφ程度の銅箔のメッシュの上に多孔質の有機膜を貼った透過型電子顕微鏡専用の試料台上に1〜2滴、滴下する。そして、分散媒を完全に蒸発させた後に透過型電子顕微鏡による観察を行う。
観察には、電界放射型電子銃(FEG)を有する加速電圧200kVの透過型電子顕微鏡(TEM)を用いる。TEMには、走査型透過電子顕微鏡(STEM)観察モード及びエネルギー分散型X線分光(EDX)用検出器が装備されていることが測定上必要な条件である。上記の被検試料を滴下したマイクログリッドをTEMの試料室に挿入し、マイクログリッドの有機膜の孔の上にはみ出ている試料(すなわち試料が有機膜と重なっていない部分)を観察及び元素分析の対象とする。その際、被検試料の厚さの比較的薄い部分を選び出し、その部分にSTEM観察モードで1nmφに絞った電子線を30秒照射し、試料から放出される蛍光X線をEDX検出器を用いて検出する。そして、試料の厚さに関し、EDX検出器で得られる全X線の総カウント数を基準とし、1万カウントから6万カウントの間になる部分を測定に適正な領域、すなわち被検試料の厚さが略一定とみなせる領域と規定する。
測定部位がマイクログリッドの有機膜を支えている銅箔に近く、試料から放出される蛍光X線の一部がこの銅箔に当たって良好な元素分析が行えない場所がある。このような場所から得られるEDX検出結果の特徴としては、(1)全体的にカウント数が低い、(2)特に酸素の蛍光X線等の低エネルギー領域におけるカウント数が低い、(3)それに比べて銅のカウント数は高い、等の特徴がある。図1にこのような良好な元素分析が行えない場所の一例の透過型電子顕微鏡写真(図中、006〜010は測定点を示す)を、図2にEDXスペクトルの不良な測定結果の一例を示す。このような測定場所から得られた測定結果は全点考察の対象からはずし、別の有機膜の孔における被検試料を新たな測定対象として測定を続ける。例えば、後述する実施例においては、得られるEDXスペクトルにおける(酸素の総カウント数)/(Cuの総カウント数)の比がすべての測定点で2未満となる場所から得られた測定結果は計算の対象から除外し、EDXスペクトルにおける(酸素の総カウント数)/(Cuの総カウント数)の比が2以上となる場所から得られた測定結果に基づいて後述の計算をする。図3に良好な元素分析が行えた場所の一例の透過型電子顕微鏡写真(図中、001〜005は測定点を示す)を、図4にEDXスペクトルの良好な測定結果の一例を示す。
本発明においては、前記条件の判定をする際に、EDXスペクトルのデータを無加工で使用する。すなわち、何らかの変換式を用いて元素の重量比等に変換した数値ではなく、蛍光X線のカウント数そのものを計算の基礎とする。先ず、EDXスペクトルより試料を構成する主な金属元素(試料に10at%以上含有されるすべての金属酸化物の金属元素)である例えばAl、Zr、Ceの蛍光X線ピークの中から、(1)なるべくカウント数の多いもの、(2)他のピークとの重なりが無視できるほど小さいもの、の2点を基準にして各金属元素について一つのピークを選択する。そして、選択された各ピークをすべて覆えるだけの必要且つ十分なエネルギー幅(0.2〜0.3keV程度)を定め、その範囲にある蛍光X線のカウント数をすべて足し合わせ、これをその金属元素の蛍光X線ピークの積分強度として求め、その結果に基づいて前述の相対強度比X、その平均値Xm、平均値Xmのまわりの二次のモーメントν2、平均値Xmの二乗で規格化した二次のモーメントν2/Xm 2を順次算出し、前記式(1)で表される条件を満たしているか否かを判定する。
K値(%)=(多孔体から検出されたX線強度)/(純物質から得られるX線強度)
で表されるK値が、前記金属元素のすべてについて、全測定点のうちの65%以上(特に好ましくは75%以上)の測定点において下記式(3):
H(L)≦20nm (4)
[式(4)中、H(L)は各測定点(走査距離=L)における高さ像(nm)を示す。但し、全測定点における高さ像Hの平均値を零とする。]
で表される条件を満たしており、且つ、下記式(5)及び(6):
により求めた二次微係数H”(L)が、全測定点のうちの60%以下(特に好ましくは55%以下)の測定点において下記式(7):
−0.05nm−1≦H”(L)≦0.05nm−1 (7)
で表される条件を満たしていることである。なお、上記の二次微係数H”(L)を求める際に、平滑化の処理は一切行わない。
ν2/Xm 2≦0.1 (8)
で表される条件を満たしていることである。前記式(8)において、Xmは、下記式:
Xm=(ΣX)/N
(式中のNは測定点の数を示す。)
で表される相対強度比Xの平均値である。また、ν2は、下記式:
ν2={Σ(X−Xm)2}/N
で表される平均値Xmのまわりの二次のモーメントである。さらに、ν2/Xm 2は、平均値Xmの二乗で規格化した二次のモーメントである。
Al2O3コロイド…平均粒径:5〜20nm、針状粒子、硝酸水溶液(固形分濃度:25質量%)、
Al溶液…硝酸アルミニウム水溶液(固形分濃度:5.44質量%)、
Zr溶液…オキシ硝酸ジルコニウム水溶液(固形分濃度:18質量%)、
ZrO2粉末…平均粒径:1μm、
Ce溶液…硝酸セリウム水溶液(固形分濃度:28質量%)、
Rh溶液…硝酸ロジウム水溶液(固形分濃度:3質量%)。
得られる被覆におけるAl2O3とZrO2とCeO2との質量比がAl2O3:ZrO2:CeO2=35:30:35となるようにAl2O3コロイドとZr溶液とCe溶液とを混合し、メタノールにより希釈して固形分濃度が12質量%のコロイド溶液を調製した。そして、得られたコロイド溶液をホモジナイザにより20000sec−1の剪断速度の下で2分間混合した後、約1分間緩やかな攪拌速度(20rpm)として混入気泡を除去せしめて被覆組成物を得た。
前記ホモジナイザによる混合に代えてプロペラによりゆるやかに攪拌(剪断速度10sec−1以下)するようにした以外は実施例1と同様にして基材表面に金属酸化物被覆が形成されている触媒担体を得た。
先ず、特開平10−182155号公報(特許文献1)の実施例1に記載の共沈法により、従来のアルミナ/セリア/ジルコニア複合酸化物粉末を得た。次に、得られる金属酸化物薄膜におけるAl2O3とZrO2とCeO2との質量比がAl2O3:ZrO2:CeO2=35:30:35となるように従来のアルミナ/セリア/ジルコニア複合酸化物粉末とベーマイトと硝酸アルミとを混合した固形分濃度が70質量%のスラリーを前記コロイド溶液に代えて用い、前記ホモジナイザによる混合に代えてプロペラによりゆるやかに攪拌(剪断速度10sec−1以下)するようにし、さらに焼成温度を700℃とした以外は実施例1と同様にして基材表面に金属酸化物被覆が形成されている触媒担体を得た。
Al2O3コロイドとZr溶液とZrO2粉末とCe溶液とを表1に示す割合(質量比)で混合するようにした以外は実施例1と同様にして基材表面に金属酸化物被覆が形成されている触媒担体を得た。なお、実施例2〜5及び比較例3〜8で得られた被覆の組成(表1中の組成No.)を図5に示す。図5において、斜線部が本発明の触媒担体における金属酸化物ナノ多孔体の組成に相当する。
前記ホモジナイザによる混合に代えてプロペラによりゆるやかに攪拌(剪断速度10sec−1以下)するようにした以外は実施例5と同様にして基材表面に金属酸化物被覆が形成されている触媒担体を得た。
得られる金属酸化物薄膜におけるAl2O3とZrO2とCeO2との質量比がAl2O3:ZrO2:CeO2=40:40:20となるようにAl2O3コロイドとZr溶液とCe溶液とを混合するようにした以外は実施例1と同様にして基材表面に金属酸化物被覆が形成されている触媒担体を得た。
前記ホモジナイザによる混合の際の剪断速度が10000sec−1となるようにした以外は実施例6と同様にして基材表面に金属酸化物被覆が形成されている触媒担体を得た。
前記ホモジナイザによる混合の際の剪断速度が4000sec−1となるようにした以外は実施例6と同様にして基材表面に金属酸化物被覆が形成されている触媒担体を得た。
前記ホモジナイザによる混合に代えてプロペラによりゆるやかに攪拌(剪断速度:10sec−1以下)するようにした以外は実施例6と同様にして基材表面に金属酸化物被覆が形成されている触媒担体を得た。
得られる金属酸化物粉末におけるAl2O3とZrO2とCeO2との質量比がAl2O3:ZrO2:CeO2=40:40:20となるようにAl2O3コロイドとZr溶液とCe溶液とを混合し、メタノールにより希釈して固形分濃度が12質量%のコロイド溶液を調製した。そして、得られたコロイド溶液をホモジナイザにより20000sec−1の剪断速度の下で2分間混合した後、約1分間緩やかな攪拌速度(20rpm)として混入気泡を除去せしめて被覆組成物を得た。
前記ホモジナイザによる混合に代えてプロペラによりゆるやかに攪拌(剪断速度10sec−1以下)するようにした以外は実施例9と同様にして金属酸化物粉体を得た。
得られる被覆におけるAl2O3とZrO2とCeO2との質量比がAl2O3:ZrO2:CeO2=30:30:40となるように、Al溶液55.2g、Zr溶液16.7g及びCe溶液14.3gをメタノール13.9gと混合し、固形分濃度が10質量%の金属塩溶液を調製した。そして、得られた金属塩溶液をホモジナイザにより20000sec−1の剪断速度の下で2分間混合した後、約1分間緩やかな攪拌速度(20rpm)として混入気泡を除去せしめて被覆組成物を得た。
前記ホモジナイザによる混合に代えてプロペラによりゆるやかに攪拌(剪断速度10sec−1以下)するようにした以外は実施例10と同様にして基材表面に金属酸化物被覆が形成されている触媒担体を得た。
得られる金属酸化物薄膜におけるAl2O3とZrO2とCeO2との質量比がAl2O3:ZrO2:CeO2=40:40:20となるようにAl溶液とZr溶液とCe溶液とを混合するようにした以外は実施例10と同様にして基材表面に金属酸化物被覆が形成されている触媒担体を得た。
前記ホモジナイザによる混合に代えてプロペラによりゆるやかに攪拌(剪断速度10sec−1以下)するようにした以外は実施例11と同様にして基材表面に金属酸化物被覆が形成されている触媒担体を得た。
前記ホモジナイザによる混合の際の剪断速度が10000sec−1となるようにした以外は実施例10と同様にして基材表面に金属酸化物被覆が形成されている触媒担体を得た。
前記ホモジナイザによる混合の際の剪断速度が4000sec−1となるようにした以外は実施例10と同様にして基材表面に金属酸化物被覆が形成されている触媒担体を得た。
得られる被覆におけるAl2O3とZrO2とCeO2との質量比がAl2O3:ZrO2:CeO2=30:30:40となるように、Al溶液55.2g、Zr溶液16.7g及びCe溶液14.3gをメタノール13.9gと混合し、固形分濃度が10質量%の金属塩溶液を調製した。そして、得られた金属塩溶液をホモジナイザにより20000sec−1の剪断速度の下で2分間混合した後、約1分間緩やかな攪拌速度(20rpm)として混入気泡を除去せしめて被覆組成物を得た。
前記金属塩溶液をホモジナイザによる混合に代えてプロペラによりゆるやかに攪拌(剪断速度10sec−1以下)するようにした以外は実施例14と同様にして金属酸化物粉体を得た。
前記被覆組成物を空気雰囲気において500℃で3〜4時間かけて乾燥及び焼成せしめるようにした以外は実施例14と同様にして複合金属酸化物粉体を得た。
前記金属塩溶液をホモジナイザによる混合に代えてプロペラによりゆるやかに攪拌(剪断速度10sec−1以下)するようにした以外は実施例15と同様にして複合金属酸化物粉体を得た。
先ず、実施例1、6、11及び比較例1、10、13に記載の方法で得られた金属酸化物被覆並びに実施例9、14、及び比較例2、11、14に記載の方法で得られた金属酸化物粉末について、以下のようにして成分均一性を評価した。すなわち、前述の条件(I)の測定方法にしたがって、これらの金属酸化物被覆及び金属酸化物粉末について加速電圧200kV、電子ビーム径1.0nmの透過型電子顕微鏡(日本電子社製、JEM2010FEF)を用いてエネルギー分散型X線分光法によりスペクトルを求め、薄膜に含有されるAl、Zr及びCeについての蛍光X線ピークの積分強度を求めた。
先ず、実施例1に記載の方法で前記金属プレートの表面に形成せしめた金属酸化物被覆(膜厚:約5μm)について、以下のようにして成分均一性を評価した。すなわち、実施例1で得られた被覆の表面に任意に0.5mmの測定直線を2本設定し(測定直線1及び測定直線2)、被覆に含有されるAl、Zr及びCeと基材に含有されるFeとについて、加速電圧15kV、電子ビーム径1μmのX線マイクロアナライザー(日本電子社製、JXA−8200)を用いて前記測定直線上の測定点において線分析し、各測定点におけるK値(K-value)、全測定点におけるK値の平均値(Km)、及び各測定点における{|K−Km|/Km}の値を求めた。なお、亀裂に相当する部分については、基材に含有されるFeが検出されるか否かで判定した。測定直線1について得られた結果を表3に、測定直線2について得られた結果を表4にそれぞれ示す。
先ず、実施例1に記載の方法で前記金属プレートの表面に形成せしめた金属酸化物被覆(膜厚:約5μm)について、以下のようにして表面形状を評価した。すなわち、実施例1で得られた金属酸化物被覆の表面に任意に2μmの測定直線を設定し(512点計測、3.91nm間隔)、走査型プローブ顕微鏡(Digital Instruments社製 NanoScope IIIa、NanoAnalytics社製 Qコントロールモジュール付き)にて5nmの曲率半径を有するスーパーシャープチップを用いて被覆表面の高さ像をタッピングモードで計測し、走査距離Lの関数として高さ像H(L)及びその二次微係数H”(L)を求めた。その結果、コロイド溶液を高剪断速度の下で混合した後に基材に塗布して高速で乾燥及び焼成して得た実施例1で得られた金属酸化物被覆においては、全測定点のうちの94%の測定点において高さ像H(L)が20nm以下であり、被覆の表面が細かい凹凸状態であることが確認された。また、実施例1で得られた金属酸化物被覆においては、二次微係数H”(L)の絶対値が0.05nm−1以下の測定点の割合が54%であり、被覆の表面凹凸の上に更に非常に細かい小突起が多い状態であることが確認された。
先ず、実施例1に記載の方法で前記400メッシュのハニカム形状を有するコージエライト基板の端部に形成せしめた金属酸化物被覆について、以下のようにして断面性状を評価した。すなわち、実施例1で得られた金属酸化物被覆の断面の電子顕微鏡写真において、前記被覆の上に総計で465.5μmの4本の測定直線(line1〜4)を描き、これらの測定直線が前記被覆に形成されている空隙部と交差している部分の長さの比率を求めた。その結果、コロイド溶液を高剪断速度の下で混合した後に基材に塗布して高速で乾燥及び焼成して得た実施例1で得られた金属酸化物被覆においては、前記測定直線が空隙部と交差している部分の長さの比率は4.3%であり、被覆を構成する金属酸化物において連続性が確保されており被覆中に空隙が少ないことが確認された。
先ず、実施例14に記載の方法で得られた金属酸化物粉体について、以下のようにして成分均一性を評価した。すなわち、前述の測定方法にしたがって、実施例14で得られた金属酸化物粉体の透過型電子顕微鏡写真における測定点(10箇所の良好な測定部位)において、加速電圧200kV、電子ビーム径1.0nmの透過型電子顕微鏡(日本電子社製、JEM2010FEF)を用いてエネルギー分散型X線分光法によりスペクトルを求め、粉体に含有されるAl、Zr及びCeについての蛍光X線ピークの積分強度を求めた。そして、その測定結果に基づいて前述の相対強度比X、その平均値Xm、平均値Xmのまわりの二次のモーメントν2、平均値Xmの二乗で規格化した二次のモーメントν2/Xm 2を順次算出し、前記式(8)で表される条件を満たしているか否かを判定した。
実施例10、12、13及び比較例12に記載の方法で前記金属プレートの表面に形成せしめた金属酸化物被覆について、以下のようにして成分均一性を評価した。すなわち、実施例10、12、13及び比較例12で得られた金属酸化物被覆の表面に任意に0.5mmの測定直線を設定し、被覆に含有されるAl、Zr及びCeと基材に含有されるFeとについて、加速電圧15kV、電子ビーム径1μmのX線マイクロアナライザー(日本電子社製、JXA−8200)を用いて前記測定直線上の測定点において線分析し、各測定点におけるK値(K-value)、全測定点におけるK値の平均値(Km)、及び各測定点における{|K−Km|/Km}の値を求めた。なお、亀裂に相当する部分については、基材に含有されるFeが検出されるか否かで判定した。得られた結果を表13及び図6に示す。
実施例1及び比較例1、2に記載の方法で得られた金属酸化物被覆、実施例14に記載の方法で得られた金属酸化物粉体、並びに比較例2で得られた従来の共沈法により得られた従来のアルミナ/セリア/ジルコニア複合酸化物粉末について、以下のようにして耐熱性を評価した。すなわち、各金属酸化物被覆及び金属酸化物粉体を酸化雰囲気(大気中)において500℃、900℃、1000℃に加熱してそれぞれ5時間維持した後の比表面積(BET比表面積)を測定した。
実施例14:BET比表面積=67.8m2/g
比較例14:BET比表面積=54.9m2/g
実施例15:BET比表面積=54.7m2/g
比較例15:BET比表面積=54.0m2/g。
実施例2〜5及び比較例3〜8に記載の方法で前記金属製高密度ハニカムに金属酸化物被覆を担持せしめた触媒担体を用いて得た触媒について、以下のようにして改質特性を評価した。すなわち、先ず、金属酸化物被覆を担持せしめた各金属製高密度ハニカムをRh溶液に1時間浸漬し、取り出してからその表面の余剰溶液を重力及び振とうにより除去した。そして、その金属製高密度ハニカムを水平に置いた後、常温による緩やかな乾燥を5〜10分、風速2〜5m/sの温風(60〜100℃)による乾燥を5〜10分、空気雰囲気における300℃での焼成を約60分施し、更に風速2〜5m/sの常温風により5〜10分冷却した。このような処理を3回繰り返し、金属酸化物被覆を担持せしめた各金属製高密度ハニカムに0.1gのロジウムを担持せしめて水素生成反応用触媒を得た。
転化率(%)=(CO、CO2及びCH4中のcarbon)/(イソオクタン中のcarbon)
図10及び図11に示した結果から明らかな通り、実施例2〜5及び比較例3〜8に記載の方法で得られた触媒担体を用いて得た本発明の水素生成反応用触媒においては、92%以上の高転化率と40質量%以上の高水素濃度とが同時に達成されており、非常に優れた改質特性を有するものであることが確認された。
実施例5及び比較例9に記載の方法で前記金属プレート、前記コージエライトプレート及びSiCプレート上にそれぞれ形成せしめた金属酸化物被覆(膜厚:約5μm)について、以下のようにして付着性を評価した。すなわち、表面に金属酸化物被覆を形成した各基板を超音波洗浄器にかけて30分間×4回超音波振動を与え、その間における薄膜の残存割合(重量基準)を測定した。
実施例1に記載の方法で得られた金属酸化物薄膜及び実施例9に記載の方法で得られた金属酸化物粉末について、以下のようにして窒素吸着法並びにX線小角散乱法によりナノ細孔を有することを確認した。
Claims (9)
- 基材と、前記基材の表面上に形成された2種以上の金属酸化物により構成される被覆とを備える触媒担体であって、
前記被覆におけるセリアの含有量が10〜60質量%、ジルコニアの含有量が20〜90質量%、アルミナの含有量が70質量%以下であり、
前記被覆に10at%以上含有されるすべての金属酸化物の金属元素について、加速電圧15kV、電子ビーム径1μmのX線マイクロアナライザーを用いて0.5mm以上の範囲を任意に線分析して求めた下記式(2):
K値(%)=(被覆から検出されたX線強度)/(純物質から得られるX線強度)
で表されるK値が、前記金属元素のすべてについて、全測定点のうちの65%以上の測定点において下記式(3):
で表される条件を満たしていることを特徴とする燃料改質用触媒担体。 - 前記被覆は、ジルコニアコロイド粒子及び/又はジルコニウム塩溶液と、セリアコロイド粒子及び/又はセリウム塩溶液とを含有する原料流体組成物を、10000sec−1以上の剪断速度の下で混合して得た被覆組成物を直ちに前記基材に塗布した後に熱処理して得たものであることを特徴とする請求項1に記載の触媒担体。
- 前記原料流体組成物中に、アルミナコロイド粒子及び/又はアルミニウム塩溶液が更に含有されていることを特徴とする請求項2に記載の触媒担体。
- 前記被覆中に、平均粒径が0.01〜50μmであるジルコニア粉末、セリア粉末及びアルミナ粉末からなる群から選択される少なくとも一つの粉末が更に含有されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の触媒担体。
- 前記被覆におけるセリアの含有量が10〜60質量%、ジルコニアの含有量が40〜90質量%、アルミナの含有量が0質量%であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の触媒担体。
- 前記被覆に5at%以上含有されるすべての金属酸化物の金属元素について、加速電圧15kV、電子ビーム径1μmのX線マイクロアナライザーを用いて0.5mm以上の範囲を任意に線分析して求めた前記式(2)で表されるK値が、前記金属元素のすべてについて、全測定点のうちの40%以上の測定点において前記式(3)で表される条件を満たしていることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の触媒担体。
- 走査型プローブ顕微鏡にて5nmの曲率半径を有するチップを用いて、3nm以上4nm未満の間隔で前記被覆の表面の高さ像をタッピングモードで任意に計測し、総計で2μm以上の走査距離Lの関数として求めた高さ像H(L)が、全測定点のうちの80%以上の測定点において下記式(4):
H(L)≦20nm (4)
[式(4)中、H(L)は各測定点(走査距離=L)における高さ像(nm)を示す。但し、全測定点における高さ像Hの平均値を零とする。]
で表される条件を満たしており、且つ、下記式(5)及び(6):
により求めた二次微係数H”(L)が、全測定点のうちの60%以下の測定点において下記式(7):
−0.05nm−1≦H”(L)≦0.05nm−1 (7)
で表される条件を満たしていることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の触媒担体。 - 前記被覆の断面の電子顕微鏡写真において、前記被覆の上に任意に総計で400μm以上の測定直線を描いた際に、前記測定直線が前記被覆に形成されている空隙部と交差している部分の長さの比率が、前記測定直線の全長の10%以下であるという条件を満たしていることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の触媒担体。
- 請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の触媒担体と、前記触媒担体の表面に担持される貴金属を備えることを特徴とする燃料改質用触媒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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