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JP4766940B2 - 炭化水素油の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、硫黄分を含有する重質油の水素化処理方法に関し、詳しくは該重質油として減圧軽油と常圧残油の混合油用い、それを水素化処理する効率的で経済性に優れた水素化処理方法であって、特定の範囲内にある平均細孔径の触媒を複数種類組合せて使用することにより、高度に脱硫処理された流動接触分解プロセス用原料油を製造する方法に関する。
ガソリン等の燃料油中に含有される硫黄分はその燃焼過程で硫黄酸化物(SOx)として大気中に排出され、酸性雨の原因となることが良く知られている。そこで、地球規模での環境保全の観点から燃料油中の硫黄分の低減が求められている。また、近年ではガソリン自動車排ガス中に含まれる環境汚染物質である窒素酸化物(NOx)の低減が強く求められており、これを達成するためにも脱NOx触媒の活性劣化を引き起こすガソリン中の硫黄分を大幅に低減することが必要である。
一方、ガソリン需要増に対応するため流動接触分解(FCC)装置が開発され、現在ではガソリン製造における中心的な役割を担っている。また、近年では重質炭化水素油から付加価値の高い軽質炭化水素油を生産するプロセスとしてのFCC装置の関心も高く、より高い経済性を求め、FCC原料油として従来の減圧軽油留分の他、常圧残油留分等の残渣油を混合した原料油も使用されている。
通常、FCC装置の原料油として用いられる減圧軽油留分には多量の硫黄化合物が含有されるため、未処理のままFCC原料油として使用すると製造されるガソリン留分の硫黄濃度は非常に高い値となる。また、より重質である常圧残油を原料油として混合すると、更に多量の硫黄化合物を含むため、製造されたガソリン中の硫黄濃度は更に高くなる。このため、FCC装置の原料油として減圧軽油及び常圧残油を使用する場合には、それぞれ別々の重油水素化処理装置(重油間接脱硫装置及び重油直接脱硫装置)により水素化処理(水素化脱硫)を行い、それぞれ硫黄濃度を低減した後にFCC原料油として使用される。近年では、ガソリン中の硫黄濃度のより一層の低硫黄濃度化が要望されているため、これまで以上に減圧軽油及び常圧残油を深度に脱硫することが重要となっている。
これまで、FCC原料油の水素化処理方法については多数の報告がなされている。例えば、FCC用原料油の水素化処理方法であって、水素化処理帯域を比較的反応温度が高く脱硫、脱窒素処理を行なう第一工程と、より反応温度が低く芳香族二環以上の核水添を行なう第二工程により、減圧軽油や常圧残油などを水素化処理してFCC用原料油を得る水素化処理方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では脱硫活性が十分では無く、その運転制御が複雑で経済性に優れているとは言い難い。
また、従来の方法では、高付加価値化を図るため減圧軽油と常圧残油とを、上記のように、それぞれ別の重油水素化処理装置により水素化脱硫した後、得られた生成油を混合してFCC原料油として用いているので、少なくとも2つの水素化処理装置が必要であり、プロセスとしての経済性が低下するばかりか、それぞれの付帯装置まで含めるとその運転は複雑であり生産性を考慮すると決して効率的では無い。
また、従来、2種の原料油の水素化処理を1つのプロセスで行う方法として、減圧軽油と軽質軽油を混合して水素化処理する方法が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この方法では、減圧軽油と、ニッケルやバナジウム等の金属分を含有する重質油である常圧残油とを組合せて1つのプロセスで水素化処理することは行われていない。FCCプロセスの原料油としては、従来から、減圧軽油に加えて、常圧残油等の金属分を含有する残渣油の水素化処理油を混合した原料油が使用されており、常圧残油等の重質油の効率的な脱硫も望まれている。
更に、残油に重質油を添加して水素化処理する方法として、残油を主成分として、204℃ないし残油の沸点の範囲を有する希釈剤をブレンドすることにより、水素化処理する脱硫及び脱金属方法が提案されている(特許文献3)。しかし、この方法で使用する水素化処理触媒は、シリカ、アルミナおよびシリカーアルミナからなる一般的な水素化処理触媒を使用しており、ガソリン中の硫黄分の低減が求められている近年においては、単に異なる燃料油を混合して脱硫するだけでは、求められている低硫黄ガソリンを製造することは難しい。特許文献3に記載されている生成油の硫黄分、ニッケル、バナジウム含有量は高く、近年の低硫黄ガソリンを得るためには、触媒プロセスを含めた更なる最適な製造方法が望まれている。
特開平8−183964号公報 特開平6−192663号公報 特開平4−239094号公報
本発明は、上記従来の状況に鑑み、減圧軽油や常圧残油などの、硫黄分を含有する少なくとも2種類の重質油を、平均細孔径が特定の範囲にある触媒を複数種類組合せることで、FCC用原料油として好適に脱硫された水素化処理油を効率良く得ることのできる炭化水素油の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、重質油から高度に脱硫処理されたFCC用原料油を効率良く製造する方法を開発すべく鋭意研究した結果、特定の硫黄分を含有する重質油を高温加圧下、触媒の共存下で水素化処理する方法において、原料の重質油を、減圧軽油と常圧残油を含む少なくとも2種類の重質油の混合油とし、平均細孔径が特定の範囲にある触媒を複数種類組合せて使用することで、効率良くFCC用原料油となる炭化水素油を製造できることを発見し、本発明を提案するに至った。
すなわち、本発明の上記目的は、硫黄含有量が4.5質量%以下である重質油を高温加圧下、触媒の共存下で水素化処理する方法において、
(1)重質油が、減圧軽油:常圧残油の混合比率(質量比)が50:50〜90:10である混合油を70質量%以上含み、
(2)(a)重質油から金属分を除去する脱金属触媒と、(b)少なくとも2種類の、重質油からの脱硫触媒とを組合せ、
(3)(a)脱金属触媒の平均細孔直径が15〜25nm、細孔容積0.6〜0.8ml/g、触媒強度がSCSで9N/mm以上、
(b)重質油の脱硫触媒の平均細孔直径が6〜15nm、比表面積150〜350m/g、平均細孔直径±1.5nmの細孔が占める容積が全細孔容積の少なくとも50%以上であり、
(4)反応温度が300〜500℃、水素分圧が3〜20MPa、水素/油比が400〜3000m/m、液空間速度が0.1〜3.0h−1の条件により水素化処理を行う炭化水素油の製造方法によって達成された。
本発明によれば、減圧軽油及び常圧残油を含む少なくとも2種類の重質油の混合油を原料とし、平均細孔径が特定の範囲にある触媒を複数種類組合せて使用することで、効率的に深度脱硫することができる。したがって、従来のように減圧軽油と常圧残油とにそれぞれ別個の水素化処理装置を要することなく深度脱硫され、ニッケル、バナジウム等の金属化合物を低減したFCC用原料油を効率良く提供することができる。本発明においては、後記実施例及び比較例により具体的に示すように、水素化処理の原料油として減圧軽油と常圧残油とを混合して用いることにより、その相乗効果により、各原料油を個別に水素化処理するときに比較して、より効果的に水素化脱硫反応を進行すると共に、この効果を高めるための最適な触媒を組合せて使用することで、FCC用原料油として好適に脱硫された水素化処理油を効率良く製造することが可能となる。
本発明では、硫黄分を含有する少なくとも2種類の重質油として減圧軽油と常圧残油とを用い、それらを混合し、該混合油を含む原料油を高温加圧下、平均細孔径が特定の範囲にある触媒を複数種類組合せて使用することで、高度に水素化脱硫され、FCCプロセスで用いられる触媒を被毒させる物質を低減した炭化水素油の製造方法を提供するものである。
本発明で原料油として使用される重質油の硫黄含有量は、4.5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。硫黄含有量が4.5質量%以下であれば、水素化処理油中の硫黄含有量が好適に低減されるとともに、FCCで生成されるガソリン中の硫黄含有量も好適に低減される。
本発明で原料油として使用される減圧軽油としては特に制限はなく、従来の重油間接脱硫装置の原料油として使用されている減圧蒸留装置によって分留された成分であり、沸点範囲が320〜550℃で硫黄分が1.0〜3.5質量%である減圧軽油が好適に使用することができる。
本発明で使用される常圧残油に関しても特に制限はなく、従来の重油直接脱硫装置の原料油として使用されている常圧蒸留装置によって分留された残渣成分であり、沸点範囲が320℃以上で硫黄分が2.0〜4.5質量%、ニッケル及びバナジウムの含有量が10〜150ppmである常圧残油を好適に使用することができる。
本発明の原料油には少なくとも2種類の重質油を使用するが、特に減圧軽油と常圧残油の混合油のみに限定されず、原油から蒸留処理して得られる留分としては重質軽油や減圧残油等を混合した原料油を使用することもできる。
本発明では、硫黄分を含有する少なくとも2種類の重質油を混合し、高温加圧下、触媒の共存下で水素化処理の原料油として使用されるが、この際の重質油の混合比率としては特に制限は無く、減圧軽油と常圧残油の比率(質量)で5:95〜95:5の範囲で混合することが好ましく、50:50〜90:10がより好ましい。重質軽油や減圧残油等を混合する場合には、通常、重質軽油と減圧残油の和が減圧軽油と常圧残油の和の比率(質量)で0:100〜30:70が好ましく、重質軽油と減圧軽油の和が常圧残油と減圧残油の和に対する比率(質量)として10:90〜90:10が更に好ましく、50:50〜90:10がより好ましい。
本発明における減圧軽油と常圧残油の混合方法に関しては、それぞれが十分に混合した状態で水素化処理装置に提供できれば良く、特に混合方法は制限されない。また、減圧軽油及び常圧残油以外の重質油を混合する場合も同様で、特に混合方法にはよらず好適に使用することができる。
本発明では、上記のように、硫黄含有量が4.5質量%以下である重質油を高温加圧下、触媒の共存下で水素化処理を行うが、その際、重質油から金属分を除去する脱金属触媒と重質油の脱硫触媒とを組合せて使用する。
脱金属触媒は、硫黄分、アスファルテン分、ニッケルやバナジウム等の重金属分を含有する重質炭化水素油から効果的に除去するために、触媒床前段部分に充填する。耐火性無機酸化物担体としてはアルミナ、シリカ、アルミナ−シリカ等が単独であるいは混合物として用いられ、更にこれらに酸化ホウ素、酸化亜鉛等の各種金属を混合したものも使用することができる。担持する水素化活性成分としてはモリブデン、タングステン等の周期律表第6族金属やコバルト、ニッケル等の周期律表第8族金属を使用することができる。
脱金属触媒においては、平均細孔直径が15〜25nm、好ましくは18〜23nmである。平均細孔直径が15nm未満では十分な脱金属活性が得られず、25nmを越えると水素化処理活性及び触媒強度が低下する。脱金属触媒の細孔容積は0.6〜0.8ml/g、好ましくは0.65〜0.8ml/gである。細孔容積がこの範囲にあれば、十分な触媒寿命と触媒強度を有し、安定した運転が可能となる。
触媒強度はSCS(Side Crushing Strength)で9N/mm以上、好ましくは13N/mm以上である。SCSは、触媒を横置きにして過重を加え、触媒が破壊される荷質量を求め、触媒長さで割った値であり、触媒単位長さ当たりの破壊強度を示している。SCSが9N/mm以上であれば、反応装置内での触媒割れが起こりにくくなり、継続的な運転が可能となる。
脱金属触媒の下流には、重質油の脱硫触媒を充填する。脱硫触媒の耐火性無機酸化物担体としてはアルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア等が単独であるいは混合物として用いられ、更にこれらにジルコニア、酸化ホウ素、酸化亜鉛等の各種酸化物やYゼオライト、ZSM−5ゼオライト等の各種ゼオライトを混合したものも使用することができる。担持する水素化活性成分としてはモリブデン、タングステン等の周期律表第6族金属やコバルト、ニッケル等の周期律表第8族金属を使用することができ、また必要に応じてこれらの金属の他、リンや鉄、白金等を使用することもできる。
重質油の脱硫触媒においては、平均細孔直径が6〜15nm、好ましくは7〜12nmである。平均細孔径がこの範囲にあれば、安定した耐金属性能を有し、十分な脱硫性能を得ることができる。脱硫触媒の比表面積は150〜350m2/g、好ましくは200〜320m2/gである。比表面積がこの範囲にあれば、十分な脱硫性能を得ることができる。脱硫触媒の平均細孔直径±1.5nmの細孔が占める容積が全細孔容積の少なくとも50%以上、好ましくは60%以上必要である。50%以上ならば十分な脱硫活性を示すことができる。
重質油の脱金属触媒及び脱硫触媒としては、特に新触媒、再生触媒等の違いに関係なく使用可能である。また、重質油の脱金属触媒及び脱硫触媒の充填割合は、その運転条件に合わせて適時比率を変更することができ、脱金属触媒の比率を増加させると金属による活性劣化を防ぐことが可能となり、脱硫触媒の比率を増加させると脱硫活性の向上を図ることができる。
本発明の炭化水素油の製造は、通常の水素化脱硫装置及びその運転条件により好適に実施することができる。
すなわち、原料油の水素化処理の反応条件は、反応温度が300〜500℃、好ましくは350〜450℃、水素分圧が3〜20MPa、好ましくは5〜17MPa、より好ましくは8〜15MPa、水素/油比が400〜3000m3/m3、好ましくは500〜1800m3/m3、液空間速度が0.1〜3.0h-1、好ましくは0.2〜2.0h-1であり、かかる反応条件から目標とする生成油硫黄量と触媒活性とを考慮して適時反応条件を選定すればよい。
反応温度が300℃以上であれば、水素化処理装置に充填された水素化処理触媒の活性が十分発揮され、原料油として硫黄分を含有する少なくとも2種類の重質油を混合した効果が十分に発揮され、500℃以下であれば、重質油の熱分解が進行しすぎることなく水素化処理装置の運転を円滑に行うことができ、また水素化処理触媒の活性劣化を抑制できる。
水素分圧が3MPa以上であれば、水素化反応が十分に進行し、原料油として2種類の重質油を混合した効果が十分に発揮される。20MPa以下にすれば、装置建設費用及び運転費用の増大を避けることができ、経済的である。
水素/油比が400m3/m3以上であれば、水素化処理触媒の水素化活性が発揮され、原料油として2種類の重質油を混合した効果が十分に発揮される。3000m3/m3以下にすれば、経済性の著しい低下を防ぐことができる。
液空間速度が0.1h-1以上であれば、経済性を確保でき、3.0h-1以下であれば、原料油として2種類の重質油を混合した効果が十分に発揮される。
本発明により得られる水素化処理油中の硫黄分含有量は0.15質量%以下が好ましく、0.10質量%以下がより好ましく、0.05質量%以下が更に好ましい。硫黄分含有量が0.15質量%未満であれば、2種類の重質油を混合した効果が十分に発揮される。
また、水素化処理油中のニッケル及びバナジウムの含有量は10ppm以下が好ましく、1ppm以下がより好ましい。10ppm以上では、FCCプロセスで用いられる触媒の被毒物質となり触媒の活性を低下させる。
また、水素化処理油中の潜在スラッジは0.3質量%以下、実在スラッジは0.2質量%以下が好ましく、潜在スラッジが0.2質量%以下、実在スラッジが0.08質量%以下がより好ましい。潜在スラッジが0.3質量%以下および実在スラッジが0.2質量%以下ならば安定した運転を継続することが可能である。
上記の方法により、原料油として少なくとも減圧軽油と常圧残油との混合油を使用して高温加圧下、触媒の共存下で水素化処理することにより、これらの重質油から、効率良く、経済性に優れた方法で脱硫されたFCC用低硫黄原料油を安定して製造することができる。これにより、FCCプロセスから極低硫黄濃度である高品質のガソリン留分を得ることができる。
次に、本発明について実施例及び比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
原料油として、表1に示す減圧軽油(硫黄分濃度:2.40質量%)65質量%と常圧残油(硫黄分濃度:3.20質量%)35質量%とを混合(混合油の硫黄含有量:2.70質量%)し、反応温度=398℃、水素分圧=13.2MPa、水素/油比=674Nm3/kl、LHSV=0.142h-1、の条件下、水素化処理を実施した。その際、重質油から金属分を除去する脱金属触媒としてリアクター入口からアルミナ担体に、モリブデンを酸化モリブデンとして9質量%及びニッケルを酸化ニッケルとして2質量%の割合で担持した触媒(平均細孔直径が18nm、細孔容積0.7ml/g、SCS12N/mm)と、脱硫触媒としてアルミナ担体に、モリブデンを酸化モリブデンとして12質量%及びニッケルを酸化ニッケルとして4質量%の割合で担持した触媒(平均細孔直径が8.5nm、比表面積273m2/g、平均細孔直径±1.5nmの細孔が占める容積が全細孔容積の81%)と、アルミナ担体に、モリブデンを酸化モリブデンとして15質量%、ニッケルを酸化ニッケルとして3質量%の割合で担持した触媒(平均細孔直径が10nm、比表面積198m2/g、平均細孔直径±1.5nmの細孔が占める容積が全細孔容積の78%)の3種類の触媒をこの順序で組合せて使用した。
得られた生成油を分留処理し、得られたFCC原料油留分(沸点:353℃以上)について硫黄分、ニッケル及びバナジウム含有量、潜在スラッジ量、実在スラッジ量の分析を行った。結果を表2に示した。
実施例2
表1に示す減圧軽油(硫黄分濃度:2.40質量%)65質量%と常圧残油(硫黄分濃度:3.16質量%)35質量%とを混合(混合油の硫黄含有量:2.67質量%)し、原料油とし、反応処理温度=362℃、LHSV=0.130h-1とし、重質油から金属分を除去する脱金属触媒としてリアクター入口から、アルミナ担体に、モリブデンを酸化モリブデンとして9質量%及びニッケルを酸化ニッケルとして2質量%の割合で担持した触媒(平均細孔直径が21nm、細孔容積0.71ml/g、SCS16N/mm)と、脱硫触媒としてアルミナ担体に、モリブデンを酸化モリブデンとして15質量%及びニッケルを酸化ニッケルとして3質量%の割合で担持した触媒(平均細孔直径が10.5nm、比表面積182m2/g、平均細孔直径±1.5nmの細孔が占める容積が全細孔容積の72%)と、アルミナ担体に、モリブデンを酸化モリブデンとして12質量%、ニッケルを酸化ニッケルとして4質量%の割合で担持した触媒(平均細孔直径が8.5nm、比表面積273m2/g、平均細孔直径±1.5nmの細孔が占める容積が全細孔容積の80%)の3種類の触媒をこの順序で組合せて使用した以外は実施例1と同様にした。得られた生成油のFCC原料油留分中の硫黄分、ニッケル及びバナジウム含有量、潜在スラッジ量、実在スラッジ量の分析結果を表2に示した。
実施例3
表1に示す減圧軽油(硫黄分濃度:2.75質量%)50質量%と常圧残油(硫黄分濃度:2.92質量%)50質量%とを混合して原料油とし、反応処理温度=390℃、水素分圧=11.5MPa、水素/油比=972Nm3/kl、LHSV=0.25h-1とした以外は実施例1と同様にした。得られた生成油のFCC原料油留分中の硫黄分、ニッケル及びバナジウム含有量、潜在スラッジ量、実在スラッジ量の分析結果を表2に示した。
Figure 0004766940
Figure 0004766940
比較例1
実施例1の原料油として使用した減圧軽油及び常圧残油をそれぞれ別々に実施例1の条件で水素化処理し、得られた減圧軽油から生成油のFCC原料油留分と、常圧残油から得られた生成油のFCC原料油留分を65質量%と35質量%の割合で混合した後、硫黄分分析を行なった。結果を表3に示した。
比較例2
実施例2の原料油として使用した減圧軽油及び常圧残油をそれぞれ別々に実施例2の条件で水素化処理し、減圧軽油から得られた生成油のFCC原料油留分と、常圧残油から得られた生成油のFCC原料油留分を65質量%と35質量%の割合で混合した後、硫黄分分析を行なった。結果を表3に示した。
比較例3
実施例3の原料油として使用した減圧軽油及び常圧残油をそれぞれ別々に実施例3の条件で水素化処理し、減圧軽油から得られた生成油のFCC原料油留分と、常圧残油から得られた生成油のFCC原料油留分を50質量%と50質量%の割合で混合した後、硫黄分分析を行なった。結果を表3に示した。
Figure 0004766940
上記実施例と比較例とを比較すると、表2及び3から明らかなように、いずれの場合においても実施例における生成油のFCC原料油留分中の硫黄濃度が比較例に比べて低いことが確認された。このことは、水素化処理の原料油として減圧軽油と常圧残油とを混合して用いることにより、その相乗効果により、各原料油を個別に水素化処理するときに比較して、より効果的に水素化脱硫反応が進行することが示された。
また、ニッケル、バナジウム含有量についても、比較例に比べ実施例は低い値を示しており、これは、減圧軽油と常圧残油とを混合して用いることで、その相乗効果により、各原料油を個別に処理するときに比較して、より脱金属反応が進行することが示された。

Claims (1)

  1. 硫黄含有量が4.5質量%以下である重質油を高温加圧下、触媒の共存下で水素化処理する方法において、
    (1)重質油が、減圧軽油:常圧残油の混合比率(質量比)が50:50〜90:10である混合油を70質量%以上含み、
    (2)(a)重質油から金属分を除去する脱金属触媒と、(b)少なくとも2種類の、重質油からの脱硫触媒とを組合せ、
    (3)(a)脱金属触媒の平均細孔直径が15〜25nm、細孔容積0.6〜0.8ml/g、触媒強度がSCSで9N/mm以上、
    (b)重質油の脱硫触媒の平均細孔直径が6〜15nm、比表面積150〜350m/g、平均細孔直径±1.5nmの細孔が占める容積が全細孔容積の少なくとも50%以上であり、
    (4)反応温度が300〜500℃、水素分圧が3〜20MPa、水素/油比が400〜3000m/m、液空間速度が0.1〜3.0h−1の条件により水素化処理を行う炭化水素油の製造方法。
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