JP4752364B2 - プラスチックの接合方法、及びその方法を利用して製造されたバイオチップ又はマイクロ分析チップ - Google Patents
プラスチックの接合方法、及びその方法を利用して製造されたバイオチップ又はマイクロ分析チップ Download PDFInfo
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(1)2枚以上の板状プラスチック部材の接合方法であって、少なくとも1枚の板状プラススチック部材の接合面側に微細流路が形成されており、少なくとも1枚の板状プラススチック部材の接合面の微細流路の縁に平行かつ線状に、断面形状が矩形、台形または三角形の突起形状の部位が形成されており、更に少なくとも1枚の板状プラススチック部材の接合面の一部に接着剤の空気抜き用の溝が形成されている接合面の一部又は全部を接着剤によって接合し、かつ接合後に前記微細流路部分に300kPaの圧力の水を流しても接合部が破損しないことを特徴とするプラスチック部材の接合方法、
(2)前記接着剤を硬化させる方法が、紫外線硬化、熱硬化のいずれかの方法もしくはそれらの複合方法であることを特徴とする(1)記載のプラスチック部材の接合方法、
(3)前記接着剤の硬化による接合に加えて、レーザー照射、赤外線照射、スポットもしくは全体の加熱、超音波照射のいずれかもしくはそれらの複合を行うことにより、前記突起形状の部位の一部もしくは全部を溶融することにより接合することを特徴とする(1)又は(2)記載のプラスチック部材の接合方法、
(4)前記突起形状の部位の材質が他の部位の材質と異なることを特徴とする(1)〜(3)いずれか記載のプラスチック部材の接合方法、
(5)(1)〜(4)いずれか記載のプラスチック部材の接合方法で接合されたプラスチック製品、
(6)(5)記載のプラスチック製品から構成されるプラスチック製のバイオチップまたはマイクロ分析チップ、
(7)核酸チップ、プロテインチップ、抗体チップ、アプタマーチップ、及び糖タンパクチップから選ばれる少なくとも1つである(6)記載のプラスチック製のバイオチップ、
である、
本発明は、微細流路を有し、かつ2枚以上の板状のプラスチックを接合するプラスチック部材の接合方法において、接合面の一部又は全部を接着剤によって接合することを特徴とし、さらに接合面の一部に接合用の突起形状をあらかじめ設けておくことを特徴とし、さらに微細流路に設計外の閉塞が無くかつ微細流路に300kPaの圧力の水を流しても接合部がまったく破損しないことを特徴とする、接合方法ならびに、その方式で接合されたプラスチック製のバイオチップまたはマイクロ分析チップである。
本発明における接合用突起において最も期待される機能としては、接着するために塗布される接着剤が微細流路に誤って流し込まれる事を防ぐ、いわゆるダムのような機能を発揮することにある。接合用突起の断面形状は矩形でも台形でも三角形でもよく、特に限定しない。突起物を上から見たときの全体の形状は、点(円、四角形、三角形、他)、線(直線、曲線、破線、一点鎖線、他)、面(円、四角形、三角形、他)、等があげられるが、特に限定しないが、線か面が望ましい。マイクロフルイデックスへの適用の場合、微細流路の近傍に平行かつ線状に、突起を配置することにより、突起部がシールの代わりとなり流路内を通る液体がもれにくくなり、最も望ましい。なお接合面の表面に微細流路が加工されたり複雑な凹凸形状があったりすることにより、全体として複雑な形状になっている場合、対象となる部分が突起なのか、それとも他の部分が凹んでいるだけなのかの判断がつきにくい場合がある。この場合は、接合対象面の過半数の面積を占める高さを標準とし、それより凸になっている部分を突起と判断することとする。
アクリル樹脂を素材にし、成形加工及び切削加工により、図1に示す成形品を得た。本成形品は、貫通孔1(直径1mm)、マイクロ流路2(長さ25mm、断面形状は矩形、深さ100μm、幅200μm)及び突起部3(材質は他の部分と同じくアクリル樹脂、高さ20μm、幅200μm、断面形状は矩形、マイクロ流路及び貫通孔より20μm離れた場所に設置)を有する。またアクリル樹脂を素材とし、図2に示す樹脂板を、成形加工により得た。図1の成形品の加工面Aの上に、紫外線硬化型接着剤のスリーボンド(株)製3042を一面に塗布する。ただし貫通孔1や、微細流路2には、マスキングテープをその形状にあらかじめ切り取ったものを貼り付けてマスキングをすることにより、接着剤が付着しないようにした。塗布厚みは20μmとし、接合用突起の上面と塗布された接着剤の上面の高さが同じになるようにスキージなどにより制御する。貫通孔と微細流路のマスキングテープを除去した後、図2の成形品をその上に乗せ、真空プレスを利用して真空雰囲気で加圧する。真空プレスから取り出した後に、紫外線硬化装置により接着剤を硬化させる。紫外線照射量は2000mJ/cm2であった。評価結果については表1に示した。
実施例1と同様にしてアクリル樹脂を素材とする図1と図2の成形品の接合を行った。ただし真空プレスは使用せず以下に示すようにして作業した。図2の成形品をその上に乗せ、超音波ウェルダーのホーンを図2の成形品の上に乗せて10kg重の加重をかけた状態で、周波数20kHz、振幅10μm、振動方向は面に平行方向の超音波振動を1秒間かける事で接合した。なお20μmの高さの接合用の突起は、わずかに潰れて19μmの高さとなることが接合後の断面観察により観測された。その後、紫外線硬化装置により実施例1と同様の条件で接着剤を硬化させた。評価結果については表1に示した。
実施例2と同様にしてアクリル樹脂を素材とする図3と図2の形状の成形品を接合した。図3の成形品は、貫通孔21(直径1mm)、マイクロ流路22(長さ25mm、断面形状は矩形、深さ100μm、幅200μm)、突起部23(材質は他の部分と同じくアクリル樹脂、高さ5μm、幅300μm、断面形状は矩形、マイクロ流路及び貫通孔より0μm離れた場所に設置、すなわち離さないで設置)、及び接着剤の空気抜き用の溝24(断面形状は矩形、深さ100μm、幅200μm)を有する。ただし接着剤の塗布厚みは5μmとし、超音波ウェルダー荷重は5kg重とし、超音波の印加時間は5秒とした。また5μmの高さの接合用の突起は、ほとんど潰れず5μmの高さのままであることが接合後の断面観察により観測された。その後、紫外線硬化装置により実施例1と同様の条件で接着剤を硬化させた。評価結果については表1に示した。
アクリル樹脂を素材とし、図4に示す形状の成形品、成形加工と切削加工により得た。本成形品は、貫通孔31(直径1mm)、マイクロ流路32(長さ25mm、断面形状は矩形、深さ100μm、幅200μm)を有する。実施例1と同様にして図4と図2の成形品を接合する実験を行った。評価結果については表1に示した。
アクリル樹脂を素材とし、図4に示す形状の成形品、成形加工と切削加工により得た。実施例3と同様にして図4と図2の成形品を接合する実験を行った。ただし接着剤としてはより高粘度の協立化学製の紫外線硬化型接着剤の8838を利用した。評価結果については表1に示した。
(1)接着剤層の観察
接合後の接着剤層を目視もしくは光学顕微鏡観察を行い、100μm径以上の径を有 する気泡の数を数えた。気泡の数が5個を超えたものを不適、超えないものを適すると 判断した。
(2)微細流路の強度実験
プランジャーポンプを利用し、微細流路部分を光学顕微鏡で観察しながら、水圧を3 00kPaに設定した状態で微細流路部分に水を流す。流路からの水の漏れや、流路の 閉塞が無いことを、観測により確認する。
2 マイクロ流路
3 突起部
21 貫通孔
22 マイクロ流路
23 突起部
24 接着剤の空気抜き用の溝
31 貫通孔
32 マイクロ流路
Claims (7)
- 2枚以上の板状プラスチック部材の接合方法であって、少なくとも1枚の板状プラススチック部材の接合面側に微細流路が形成されており、少なくとも1枚の板状プラススチック部材の接合面の微細流路の縁に平行かつ線状に、断面形状が矩形、台形または三角形の突起形状の部位が形成されており、更に少なくとも1枚の板状プラススチック部材の接合面の一部に接着剤の空気抜き用の溝が形成されている接合面の一部又は全部を接着剤によって接合し、かつ接合後に前記微細流路部分に300kPaの圧力の水を流しても接合部が破損しないことを特徴とするプラスチック部材の接合方法。
- 前記接着剤を硬化させる方法が、紫外線硬化、熱硬化のいずれかの方法もしくはそれらの複合方法であることを特徴とする請求項1記載のプラスチック部材の接合方法。
- 前記接着剤の硬化による接合に加えて、レーザー照射、赤外線照射、スポットもしくは全体の加熱、超音波照射のいずれかもしくはそれらの複合を行うことにより、前記突起形状の部位の一部もしくは全部を溶融することにより接合することを特徴とする請求項1又は2記載のプラスチック部材の接合方法。
- 前記突起形状の部位の材質が他の部位の材質と異なることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のプラスチック部材の接合方法。
- 請求項1〜4いずれか記載のプラスチック部材の接合方法で接合されたプラスチック製品。
- 請求項5記載のプラスチック製品から構成されるプラスチック製のバイオチップまたはマイクロ分析チップ。
- 核酸チップ、プロテインチップ、抗体チップ、アプタマーチップ、及び糖タンパクチップから選ばれる少なくとも1つである請求項6記載のプラスチック製のバイオチップ。
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