JP4752136B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、出力が制御可能である直流電源回路を備え、高圧放電灯を含む負荷回路に直流電源回路から電力を供給して高圧放電灯を点灯させるようにした放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、プロジェクタや車両の前照灯などに用いる高輝度の点光源としてメタルハライドランプや超高圧水銀ランプのような高圧放電灯が普及してきている。この種の高圧放電灯を点灯させるための安定器としては、小型・軽量であることから電子回路式安定器を備えた放電灯点灯装置が広く用いられている。高圧放電灯を上述のような光源として用いる場合には光出力を一定に保つことが要求されるから、高圧放電灯の安定点灯状態では定電力を供給することが必要であって、多くの放電灯点灯装置においては、高圧放電灯への給電経路に、降圧型のチョッパ回路を直流電源回路として挿入し、チョッパ回路の出力を調節することによって高圧放電灯に供給する電力を一定に維持する構成が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、高圧放電灯は始動直後であって電極や発光管の温度が十分に上昇していない期間には立ち消えしやすいものである。この期間においては安定点灯状態の期間に比較してランプ電圧が高いから安定点灯状態と同程度の定電力を供給したのではランプ電流がごく小さくなり、高圧放電灯の放電が維持できなくなって立ち消えする可能性が高くなる。
【0004】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、高圧放電灯が安定点灯状態に到達するまでの間において比較的大きい電力を供給することにより始動性を向上させた放電灯点灯装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、スイッチング素子を備えた直流電源回路と、前記スイッチング素子のオンオフを制御することにより前記直流電源回路の出力を制御する制御回路と、高圧放電灯を含み前記直流電源回路により電力が供給される負荷回路とを備え、前記制御回路は、少なくとも前記高圧放電灯が安定点灯状態である期間において前記直流電源回路の出力を定電力に保つように前記スイッチング素子を制御する出力制御部と、前記高圧放電灯が安定点灯状態に移行した後に前記高圧放電灯が安定点灯状態を維持するときのランプ電圧の上限値として規定した停止電圧に達すると前記直流電源回路の出力を停止させる保護部とを備え、前記出力制御部は、前記直流電源回路の出力を定電力に保つときのランプ電圧の範囲である定電力制御範囲の下限値以下の第1領域と定電力制御範囲の上限値以上の第2領域とにおいてそれぞれ前記直流電源回路の出力を定電流に保ち、第1領域の電力は定電力制御範囲での電力以下に設定され、第2領域の電力は定電力制御範囲での電力以上に設定され、前記定電力制御範囲の上限値は前記停止電圧よりも高く設定されていることを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記出力制御部では、前記第2領域の電流値を前記第1領域の電流値よりも小さく設定していることを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記制御回路が始動直後の一定時間を時限するタイマ部を備え、前記出力制御部では前記タイマ部により時限される一定時間外では前記直流電源回路の出力を前記定電力制御範囲の電力以下に制限することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本実施形態は、図1に示すように、図示しない直流電源から直流電圧が入力される降圧型のチョッパ回路1を直流電源回路として備え、チョッパ回路1から出力される直流電圧を極性反転回路2により交番する矩形波電圧に変換してメタルハライドランプあるいは超高圧水銀ランプのような高圧放電灯(以下、単に「放電灯」という)DLに印加する構成を有する。また、極性反転回路2と放電灯DLとの間には、放電灯DLの点灯のための高電圧を発生するイグナイタ3が挿入される。すなわち、チョッパ回路1は、極性反転回路2とイグナイタ3と放電灯DLとからなる負荷回路に電力を供給する。
【0010】
チョッパ回路1および極性反転回路2の動作は、制御回路4により制御される。制御回路4には、チョッパ回路1とは別に設けられチョッパ回路1と共通の直流電源から直流電圧が入力されるスイッチング電源である制御電源回路5から給電される。すなわち、チョッパ回路1と制御電源回路5との入力は共通であって、ローパスフィルタLFを介して図示しない直流電源に接続され、直流電源からたとえば370Vの直流電圧が入力される。ローパスフィルタLFはチョッパ回路1および制御電源回路5のスイッチング周波数以上の高周波を阻止する。
【0011】
直流電源としては、たとえば商用電源をダイオードブリッジからなる整流回路により整流し、昇圧型のチョッパ回路により昇圧するものを用いる。昇圧型のチョッパ回路は、商用電源からの入力電流に休止期間を生じさせないように設計することが可能であるから、昇圧型のチョッパ回路におけるスイッチング素子のスイッチング周波数を比較的高く設定し、スイッチング周波数以上の高周波を阻止するローパスフィルタを商用電源との間に挿入することによって、商用電源からの入力電流波形をほぼ滑らかに連続させた歪の少ない波形とすることができる。しかも、昇圧チョッパ回路は、入力電流の包絡線の波形を整流回路の出力電圧波形にほぼ比例させることができるから、商用電源からの入力電流の位相を入力電圧の位相にほぼ一致させて高い入力力率を得ることができる。要するに、昇圧型のチョッパ回路は、外部へのノイズの発生を少なくし、かつ高力率を得るための力率改善回路として用いられる。なお、直流電源には電池電源のような他の構成のものを用いることも可能である。
【0012】
チョッパ回路1のスイッチング素子Q1はMOSFETからなり、このスイッチング素子Q1を介して直流電源に接続されたインダクタL1を備える。つまり、直流電源の正極と極性反転回路2との間にスイッチング素子Q1とインダクタL1との直列回路が挿入される。スイッチング素子Q1とインダクタL1との接続点にはダイオードD1のカソードが接続され、ダイオードD1のアノードは直流電源の負極に接続される。さらに、インダクタL1とダイオードD1との直列回路にはコンデンサC1と電流検出用の抵抗R1との直列回路が並列に接続される。コンデンサC1の両端電圧は極性反転回路2に入力電圧として印加される。スイッチング素子Q1のゲート・ソースはパルストランスPT1の2次巻線に接続され、スイッチング素子Q1のオンオフはパルストランスPT1を介して制御回路4から与えられる制御信号によって制御される。スイッチング素子Q1のオンオフのスイッチング周波数は比較的高く設定される。
【0013】
この構成により、スイッチング素子Q1のオン期間にスイッチング素子Q1を通して直流電源からインダクタL1にエネルギが蓄積され、スイッチング素子Q1のオフ期間にはインダクタL1のエネルギがコンデンサC1とダイオードD1とを通る経路で放出され、コンデンサC1に電荷が蓄積される。言い換えると、ダイオードD1はスイッチング素子Q1のオン時にインダクタL1に蓄積されたエネルギをコンデンサC1を通る経路で回生させるために設けられている。このような動作によって、コンデンサC1の両端電圧は入力された直流電圧に対して降圧される。入力電圧に対する出力電圧の比(降圧比=出力電圧/入力電圧)はスイッチング素子Q1のオンオフのデューティ比により決まる。つまり、スイッチング素子Q1のオンオフのデューティ比を制御回路4で変化させることによりチョッパ回路1の出力電圧が可変になる。
【0014】
チョッパ回路1の出力電圧は、制御回路4に設けた判定部41および電力監視部42に入力され、チョッパ回路1の出力電流に相当する抵抗Rsの両端電圧は制御回路4に設けた電流監視部43に入力される。ここに、放電灯DLの始動後には、チョッパ回路1の出力電圧は放電灯DLのランプ電圧に代用され、チョッパ回路1の出力電流は放電灯DLのランプ電流に代用される。判定部41はチョッパ回路1の出力電圧がランプ電圧について設定された定電力制御範囲である期間には電力監視部42に出力電圧に比例する電圧を入力し、定電力制御範囲を逸脱する期間には電力監視部42に定電圧を入力するように構成されている。定電力制御範囲は、放電灯DLをほぼ定格で点灯させる電圧範囲として設定されている。上述のように、チョッパ回路1の出力電圧はランプ電圧を反映しているから、チョッパ回路1の出力電圧を監視する点灯判別部44を判定部41とは別に設けて放電灯DLの点灯状態を判別する。つまり、放電灯DLが立ち消えしたときや放電灯DLの電極が消耗したときにはチョッパ回路1の負荷が無負荷ないし軽負荷になることによって、出力電圧が上昇するから点灯判別部44ではチョッパ回路1の出力電圧を監視することによって、放電灯DLの始動(電極間の絶縁破壊)、点灯(アーク放電への移行)、安定点灯状態への移行、立ち消え、寿命末期(電極の損耗)を検出することが可能になる。
【0015】
チョッパ回路1の出力電流は上述のように電流監視部43により監視され、電流監視部43で検出された電流値も電力監視部42に入力される。電力監視部42では入力された電流値と電圧値とを乗算することによってチョッパ回路1の出力電力を求め、この出力電力が一定値に保たれるように制御信号生成部46に指示を与えてスイッチング素子Q1のオンオフのデューティ比を制御する。つまり、チョッパ回路1から極性反転回路2に対して定電力を供給することになる。また、判定部41から定電圧が出力されている間には電力と電圧とが一定であるから、チョッパ回路1からは定電流が出力されることになる。このように、判定部41と電力監視部42と電流監視部43と制御信号生成部46とにより出力制御部が構成される。
【0016】
極性反転回路2は、4個のスイッチング素子Q3〜Q6からなるブリッジ回路であって、スイッチング素子Q3,Q4が直列接続されてブリッジ回路の一方のアームを形成し、スイッチング素子Q5,Q6が直列接続されてブリッジ回路の他方のアームを形成している。スイッチング素子Q3〜Q6にはMOSFETを用いている。ブリッジ回路の各アームはそれぞれコンデンサC1に並列接続されており、各スイッチング素子Q3〜Q6はそれぞれ駆動回路DV3〜DV6を介して制御回路4の駆動信号生成部45に接続される。駆動信号生成部45では2値の駆動信号を生成する。駆動信号はスイッチング素子Q3,Q6の組とスイッチング素子Q4,Q5の組とのオンオフが交互に反転するように制御する。
【0017】
極性反転回路2の一方のアームを構成するスイッチング素子Q3,Q4の接続点と、他方のアームを構成するスイッチング素子Q5,Q6の接続点との間にはインダクタL2とコンデンサC2との直列回路が接続され、コンデンサC2の両端間にはイグナイタ3に設けた出力トランスT1の2次巻線と放電灯DLとの直列回路が並列に接続される。したがって、極性反転回路2の上述の動作によって、放電灯DLの両端に印加される電圧の極性は交互に反転し、放電灯DLに交番電圧が印加されることになる。ここに、放電灯DLとして定格電圧の比較的低いものを用いることにより、スイッチング素子Q3〜Q6には低容量の小型のものを用いることが可能であり、高容量のものを用いる場合に比較するとオン抵抗が小さくなるから、発熱量を抑制することができる。言い換えると、入力した電力エネルギのうち光出力に利用されずに熱損失として無駄に消費されるエネルギの低減につながり、エネルギ利用効率がよく発熱量の比較的少ない放電灯点灯装置を提供することが可能になる。
【0018】
イグナイタ3は周知のように電源が投入されると、放電灯DLが点灯するまでの間に出力トランスT1の2次巻線に高圧パルスを発生させる機能を有している。
【0019】
以下では制御回路4について詳述する。制御回路4はチョッパ回路1のスイッチング素子Q1をオンオフさせる制御信号を生成する制御信号生成部46を有し、制御信号生成部46は、チョッパ回路1に直流電源が供給された後、つまり電源投入後に、電力監視部42および電流監視部43により監視されている状態に応じてスイッチング素子Q1のスイッチングにおけるデューティ比を変化させ、極性反転回路2に適正な電圧が印加されるように制御する。
【0020】
チョッパ回路1の出力電圧は判定部41において監視されており、判定部41ではチョッパ回路1の出力電圧が後述する定電力制御範囲内の期間にはチョッパ回路1の出力電圧を電力監視部42に入力し、定電力制御範囲外の期間には、あらかじめ設定した定電圧を出力するように構成されている。
【0021】
しかして、回路動作の開始直後には、制御電源回路5の出力電圧が上昇すると制御回路4が動作を開始し、制御回路4からチョッパ回路1のスイッチング素子Q1を制御する制御信号が出力されるとともに、極性反転回路2のスイッチング素子Q3〜Q6を制御する駆動信号が出力される。したがって、上述したように、放電灯DLには交番電圧が印加されるとともに、イグナイタ3の動作により放電灯DLに高圧パルスが印加される。高圧パルスが発生したときに正常であれば放電灯DLは点灯する。
【0022】
ところで、本実施形態において用いる放電灯DLは、始動直後のグロー放電の期間にはランプ電圧は高く、アーク放電に移行するに従ってランプ電圧が低下し、さらにアーク放電に移行した初期には水銀の蒸気圧が低いからランプ電圧は低い値になり、水銀蒸気圧の上昇に伴ってランプ電圧が上昇する。したがって、安定点灯状態に短時間で到達させるには、投入する電流を大きくすればよいが、実際には放電灯DLの電極の損傷を抑制するには定格電流値に対してやや大きい程度(1.5倍程度)の電流値に制限する必要がある。そこで、図2に示すように、チョッパ回路1の出力電流を定電流とする領域を設けてあり、放電灯DLの始動直後などの期間には定電流が供給されるようにしてある。また、安定点灯状態に達した後には光出力を安定させるためにチョッパ回路1の出力電力を定電力とするように制御する。すなわち、チョッパ回路1の出力電力が定電力になるように制御する期間は、チョッパ回路1の出力電圧の範囲によって設定され、この範囲を定電力制御範囲Epとしてある。定電力制御範囲Epは放電灯DLの定格電圧に基づいて設定され、少なくとも安定点灯状態を維持しようとする電圧範囲を含むように設定される。言い換えると、安定点灯状態におけるチョッパ回路1の出力電圧の範囲が定電力制御範囲Epに含まれるようにする。
【0023】
以下では、定電力制御範囲Epにおける下限電圧をVm、上限電圧をVpとし、チョッパ回路1の出力電圧が下限電圧Vm以下である範囲を第1領域E1、上限電圧Vp以上である範囲を第2領域E2とする。チョッパ回路1の出力電圧が上限電圧Vpよりも高い期間は、放電灯DLの立ち消え、あるいは放電灯DLの電極の消耗による寿命末期が考えられるほか、放電灯DLが始動した直後であって電極や発光管の温度が低い期間であることが考えられる。安定点灯状態において立ち消えしたり寿命末期であるときには、放電灯DLへの電力供給を遮断することによってチョッパ回路1や極性反転回路2にストレスが生じるのを防止することが必要であるが、放電灯DLの始動直後であって電極や発光管の温度上昇が不足しているときには、大きな電力を供給することにより始動の失敗を抑制することが望ましい。
【0024】
そこで、放電灯DLが安定点灯状態に移行した後における立ち消えや寿命末期の際にチョッパ回路1の動作を停止させるために保護部47を制御回路4に設けてある。保護部47では、点灯判別部44により安定点灯状態に移行したことが検出された後には、ランプ電圧が過剰に上昇したときにチョッパ回路1の動作を停止するように制御信号生成部46に指示する。保護部47ではチョッパ回路1を停止させる停止電圧Vsを定電力制御範囲Epの上限電圧Vpよりも低く設定してある。したがって、安定点灯状態に移行した後にはチョッパ回路1の出力電圧は上限電圧Vpを超えることができなくなる。
【0025】
一方、始動直後においては上述のようにランプ電圧が高く、したがってチョッパ回路1の出力電圧が高くなるから、この期間においてはチョッパ回路1の出力電圧が上限電圧Vp以上である第2領域E2においてチョッパ回路1の出力が定電流となるように制御する。また、アーク放電に移行した後にはランプ電圧が低下するからチョッパ回路1の出力電圧が下限電圧Vm以下になる第1領域E1においてチョッパ回路1の出力が定電流となるように制御する。ただし、第2領域E2の電流値は第1領域E1の電流値よりも小さくなるように設定し、かつ第2領域E2の電力が第1領域の電力よりも大きくなるように設定する。また、第1領域E1の電流値は定電力制御範囲Epの下限電圧Vmに対応する電流値とし、第2領域E2の電流値は定電力制御範囲Epの上限電圧Vpに対応する電流値とする。
【0026】
上述のような制御によって、始動直後であって放電灯DLのランプ電圧が比較的高い期間には、放電灯DLの電極間には第2領域の電流が供給されて放電灯DLの電極および発光管の温度の上昇速度を高めることができ、しかも定電流に制御しているから、放電灯DLの電極間に過大な電流が流れることによる電極の損傷が抑制される。つまり、放電灯DLに供給する電力を大きくする際に電極間に過剰に電流を流すと電極の損傷が大きくなるのに対して、第2領域E2において電流値が比較的小さくなるように制限しているから、放電灯DLに供給する電力を大きくしながらも電極の損傷を抑制することが可能になる。
【0027】
ここで、正常な動作では始動直後において上限電圧Vpを超える期間は比較的短いが、何らかの異常によって上限電圧Vpを超える期間が長くなる可能性もある。このような場合に、比較的大きい電力を長期に亘って放電灯DLに供給すると電極が損耗しやすくなる。そこで、放電灯DLの始動直後の一定時間を時限するタイマ部48を設け、タイマ部48により制限された一定時間内においてチョッパ回路1の出力電圧が上限電圧Vpを超えるときにのみ、電極や発光管の温度が低いことに起因しているとみなして放電灯DLへの供給電力を大きくするようにしてある。この構成を採用することによって、比較的大きい電力を放電灯DLに供給する時間を制限することができ、電極の損耗を抑制することができる。
【0028】
本実施形態の動作例を図3に示す。図3(a)は放電灯DLの始動直後であってチョッパ回路1の出力が安定点灯状態に達していない期間でのランプ電流を示し、図3(b)は図3(a)に対応するランプ電圧(チョッパ回路1の出力電圧)を表している。ランプ電流は時刻t4,t7において極性が反転しているが、ランプ電圧はチョッパ回路1の出力電圧で表しているから極性は反転していない。図では時刻t1において電源が投入されて放電灯DLが始動しており、始動時には電極や発光管の温度が不足していて時刻t2において立ち消えを生じそうになり、このときのチョッパ回路1の出力電圧の上昇によって、図3(a)のようにランプ電流を小さくして定電流を供給する。つまり、時刻t2の後には時刻t2の前よりも放電灯DLに流れる電流は小さくなるが供給される電力は大きくなる。このようにして時刻t2の後に放電灯DLに投入する電力が大きくなると、放電灯DLの立ち消えが防止されてランプ電圧は低下するから、時刻t3においてランプ電圧(チョッパ回路1の出力電圧)が下限電圧Vm以下になれば、比較的大きい電流値の定電流を供給する状態に復帰する。図示例では時刻t4でランプ電流の極性が反転しており、時刻t5と時刻t6との間の期間において立ち消えしそうになった状態を表している。このとき、ランプ電圧が上限電圧Vpを超えて上昇することによりチョッパ回路1からは比較的小さい定電流が供給されることを示しており、この間にはチョッパ回路1の出力電力は比較的大きくなる。つまり、立ち消えしそうになると放電灯DLへの供給電力が大きくなってアーク放電を維持しようとするのである。
【0029】
【発明の効果】
請求項1の発明の構成によれば、定電力制御範囲の上限値の電圧よりもランプ電圧が高い第2領域において、直流電源回路の出力を定電流に保つとともに、定電力制御範囲の電力以上の電力を供給するから、始動直後であってランプ電圧が高い期間に比較的大きい電力を投入することにより、高圧放電灯の電極や発光管の温度上昇を促進することになり、立ち消えによる点灯失敗の可能性が低減される。しかも、定電流を供給するから、高圧放電灯の電極の損耗は抑制される。その上、安定点灯状態に移行した後に立ち消えを生じたり、高圧放電灯の電極の損耗によってランプ電圧が上昇したりした場合と、始動直後においてランプ電圧が高い期間とを区別することができ、始動直後の期間以外において比較的大きい電力を投入することによる電極の損耗を抑制することができる。
【0030】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記出力制御部では、前記第2領域の電流値を前記第1領域の電流値よりも小さく設定しているので、高圧放電灯の始動直後に比較的大きい電力を供給しながらも電極間に流れる電流が過大にならず、電極の損耗を抑制することができる。
【0031】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記制御回路が始動直後の一定時間を時限するタイマ部を備え、前記出力制御部では前記タイマ部により時限される一定時間外では前記直流電源回路の出力を前記定電力制御範囲の電力以下に制限するので、定常点灯状態において立ち消えを生じたり、高圧放電灯の電極の損耗によってランプ電圧が上昇したりした場合と、始動直後においてランプ電圧が高い期間とを区別することができ、始動直後の期間以外において比較的大きい電力を投入することによる電極の損耗を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す回路図である。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】同上の動作説明図である。
【符号の説明】
1 チョッパ回路
2 極性反転回路
3 イグナイタ
4 制御回路
41 判定部
42 電力監視部
43 電流監視部
44 点灯判別部
46 制御信号生成部
47 保護部
48 タイマ部
DL (高圧)放電灯
Q1 スイッチング素子
Claims (3)
- スイッチング素子を備えた直流電源回路と、前記スイッチング素子のオンオフを制御することにより前記直流電源回路の出力を制御する制御回路と、高圧放電灯を含み前記直流電源回路により電力が供給される負荷回路とを備え、前記制御回路は、少なくとも前記高圧放電灯が安定点灯状態である期間において前記直流電源回路の出力を定電力に保つように前記スイッチング素子を制御する出力制御部と、前記高圧放電灯が安定点灯状態に移行した後に前記高圧放電灯が安定点灯状態を維持するときのランプ電圧の上限値として規定した停止電圧に達すると前記直流電源回路の出力を停止させる保護部とを備え、前記出力制御部は、前記直流電源回路の出力を定電力に保つときのランプ電圧の範囲である定電力制御範囲の下限値以下の第1領域と定電力制御範囲の上限値以上の第2領域とにおいてそれぞれ前記直流電源回路の出力を定電流に保ち、第1領域の電力は定電力制御範囲での電力以下に設定され、第2領域の電力は定電力制御範囲での電力以上に設定され、前記定電力制御範囲の上限値は前記停止電圧よりも高く設定されていることを特徴とする放電灯点灯装置。
- 前記出力制御部では、前記第2領域の電流値を前記第1領域の電流値よりも小さく設定していることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 前記制御回路が始動直後の一定時間を時限するタイマ部を備え、前記出力制御部では前記タイマ部により時限される一定時間外では前記直流電源回路の出力を前記定電力制御範囲の電力以下に制限することを特徴とする請求項1または請求項2記載の放電灯点灯装置。
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