JP2010055915A - 高圧放電灯点灯装置、光源装置及び高圧放電灯の始動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高圧放電灯点灯装置において、始動時の制御に起因する黒化、立ち消え、スパッタリング等の問題を、従来の回路構成を変更せずに解決する。
【解決手段】直流電力を出力するチョッパ回路、チョッパ回路の出力を交流出力に変換して高圧放電灯に供給するフルブリッジ回路、高圧放電灯を始動するためのパルス電圧を発生させるイグナイタ回路、並びにチョッパ回路及びフルブリッジ回路を制御する制御部を備えた高圧放電灯点灯装置において、イグナイタ回路が高圧放電灯の点灯の有無を検出して制御部に出力する点灯検出手段を備え、点灯検出後の第1の期間のランプ電流が第1のピーク値以下となるように、かつ、所定期間経過後の第2の期間のランプ電流が第2のピーク値となるように、制御部がチョッパ回路又はフルブリッジ回路を制御するように構成され、第1の期間が0.5〜3秒であり、第2のピーク値が第1のピーク値の1.2〜5倍となるようにした。
【選択図】図2
【解決手段】直流電力を出力するチョッパ回路、チョッパ回路の出力を交流出力に変換して高圧放電灯に供給するフルブリッジ回路、高圧放電灯を始動するためのパルス電圧を発生させるイグナイタ回路、並びにチョッパ回路及びフルブリッジ回路を制御する制御部を備えた高圧放電灯点灯装置において、イグナイタ回路が高圧放電灯の点灯の有無を検出して制御部に出力する点灯検出手段を備え、点灯検出後の第1の期間のランプ電流が第1のピーク値以下となるように、かつ、所定期間経過後の第2の期間のランプ電流が第2のピーク値となるように、制御部がチョッパ回路又はフルブリッジ回路を制御するように構成され、第1の期間が0.5〜3秒であり、第2のピーク値が第1のピーク値の1.2〜5倍となるようにした。
【選択図】図2
Description
本発明は高圧放電灯を点灯させるための高圧放電灯点灯装置の改良、特に高圧放電灯の始動方法の改良に関する。
近年、高圧放電灯点灯装置の電子化による小型、軽量化が進み図1に示すような降圧チョッパ回路20とフルブリッジ回路30、およびイグナイタ回路40の組合せにより高圧放電灯(以下、「ランプ」という)50を高周波始動、または矩形波始動させ、その後、低周波の矩形波で安定に点灯させる高圧放電灯点灯装置が普及しつつある。なお、本明細書において高周波とは1kHzより高い周波数、低周波とは1kHz以下の周波数を言うものとする。
図1の回路の動作を説明する。降圧チョッパ回路20を構成するPWM制御回路28の制御において、抵抗26によってランプ電圧に比例したランプ電圧信号が検出され、抵抗27によってランプ電流に比例したランプ電流信号が検出される。ランプ電流信号とランプ電圧信号を乗算器にて乗算した電圧信号またはマイコンにて演算した電圧信号と、ランプ50の定格ランプ電圧時に定格ランプ電力で点灯できるように予め設定した基準電圧とが誤差増幅器にて比較され、ランプ電流信号とランプ電圧信号を乗算した電圧信号またはマイコンにて演算した電圧信号が一定となるようにトランジスタ21のデューティ比がパルス幅制御される。これによってランプ50が所望の電力で点灯される。
次に、降圧チョッパ回路20の直流出力受けて動作するフルブリッジ回路30の動作を説明する。トランジスタ31及び34とトランジスタ32及び33がブリッジ制御回路35によって所定の周波数で交互に導通・非導通を繰り返すように制御され、これにより降圧チョッパ回路20の直流出力が交流電流に変換されてランプ50に供給される。
ここでランプ50の始動時において、高周波始動の場合、一定時間ブリッジ制御回路35で制御される周波数を数十kHzに高めることにより、トランジスタ31及び34とトランジスタ32及び33の中点に接続されたチョークコイル36とコンデンサ37の直列回路が共振し、チョークコイル36のインダクタンスとコンデンサ37の容量とブリッジ制御回路35の周波数で決まる正弦波の共振電圧がチョークコイル36およびコンデンサ37端に発生し、コンデンサ37に並列に接続されているランプ50端にもその高周波の共振電圧が印加される。
次に、ランプ50を始動させるためのイグナイタ回路40の動作を説明する。先に説明したフルブリッジ回路が数十kHzの高周波で動作しているときのコンデンサ37端に発生する高周波の正弦波電圧を受け、チョークコイル36とコンデンサ37の接続点側がプラス電位のときにダイオード41、抵抗43、コンデンサ45の向きに電流が流れコンデンサ45が充電される。
また、高周波の正弦波電圧の極性が反転し、チョークコイル36とコンデンサ37の接続点がマイナス電位のときはコンデンサ46、抵抗44、ダイオード42の向きに電流が流れコンデンサ46が充電される。
上記の動作を繰り返すことにより、コンデンサ45とコンデンサ46の直列回路端の電位は徐々に上昇していく。一般的にはコンデンサ37端に発生する電圧はチョークコイル36とコンデンサ37の共振回路による共振周波数で決まり、その周波数特性を図8に示す。従来的には、始動時には共振周波数foの5分の1の周波数f5付近の周波数特性が用いられる(例えば、特許文献1)。
より詳細には、まずフルブリッジ回路30を例えばスタート周波数fsで動作を開始させ、時間と共に周波数を低くしていく。そうすると共振電圧は図8の周波数特性に応じて曲線的に上昇していく。図9に示すように、例えば周波数fh、すなわち電圧Vhにて放電ギャップ48がブレークダウンした場合、電圧検知回路49がそのブレークダウンを検出することでフルブリッジ回路30の周波数が固定され、一定間隔のパルス電圧を継続して発生することになる。
この時のチョッパ回路20の出力電圧は、例えばDC380Vの入力直流電圧を受け、設定された一定の電圧、例えばDC200Vを出力している。なお、高圧放電灯の放電電圧は一般的には高くても150V程度が上限となる。
前記のように放電ギャップ48がブレークダウンすると、パルストランス47の二次巻線には、一次巻線に印加された電圧に対してパルストランス47の昇圧比に応じたパルス電圧が発生し、その電圧はコンデンサ37を介してランプ50に印加されるため高圧放電灯50が、そのパルス電圧により絶縁破壊し、ランプ電流は図4で示すようにグロー放電(A)を経てアーク放電(B〜E)へ移行していく。
この時のアーク放電時のランプ電流値は、先のフルブリッジ回路30からの矩形波高周波電圧を受け、チョークコイル36のインダクタンス値、パルストランス47のインダクタンス値とその周波数により決まる値に限流されたものになる。
この過程をもう少し詳細に説明すると、液晶プロジェクタ等に使用される放電灯は一般的に空冷条件下で使用するものであり、また反射鏡付となるため左右の電極近傍の熱容量が異なり、かつ空冷の受け方も異なるため、ランプ消灯時の電極近傍の温度の下がり方に差が生じる。そして、図5Aに示すように温度が早く低下する側の電極近傍に、蒸発していた水銀が偏って液化し付着することとなる。
図5Aの状態でランプにパルス電圧をかけ絶縁破壊を起こすとグロー放電を開始する。このグロー放電は偏っていた水銀の影響を受け、熱容量の小さい方、すなわち水銀なし側の電極が先に加熱されていく。すると、電極の中でも図5Bで示す外側コイルのエッジように熱容量の小さい部分が先に温度が上昇し、その部分が充分加熱されると、その点をスポットとして熱電子放射であるアーク放電が開始される。
アーク放電に移行しても、水銀が付着していなかった側の電極が陰極となる方向で半波でしか電流は流れないが、半波のアーク放電を持続させることにより、もう一方の水銀が付着していた側の電極の水銀も徐々に蒸発していくにつれ、電極の温度も上昇し非対称ながらも電流が流れ始め(図4の期間C)、十分温度が上昇すると対称な高周波電流(図4の期間D)となる。
そして、対称な高周波電流となってから、50〜400Hzの低周波の矩形波(図4の期間E)電流へ移行させることにより、その時点での立ち消えや電極への必要以上のスパッタを防止することが可能となる。
次に、図3に液晶プロジェクタ用光源装置に用いられる放電灯の発光管の一例を示す。電極3の根元側に放熱コイル4が形成されており、電極3の根元3a側のコイルエンド4aから放電管5の内壁5aまでの距離Lが大きいと、封止部6に埋設された電極3の根元3a周辺が温まらずに水銀の蒸発が遅れ、始動立ち上がり時間がかかり、プロジェクタ装置の電源投入後(点灯開始後)から画面が所定の明るさに達するまでの所要時間が長引くため、その距離は1mm以下に設計されている。
しかしながら、その距離を1mm以下とした高圧水銀ランプ2では、その点灯が繰り返し行われると、先の説明のように始動パルスを印加して放電を開始させグロー放電からアーク放電へ移行する際に、瞬間的にアークが広がり特に図5Cのようにアーク放電に移行した際のアークスポットと放電管5の内壁5aの距離が近い場合、図4の丸点線で示す時点で瞬間的に広がったアークが内壁5aに接触し電極構成材料であるタングステンが付着し黒化現象を起こすことがある。この現象は、例えば図8の共振周波数f0の5分の1の周波数f5付近で高周波点灯させた場合の高周波始動時のピーク電流が大きい状態でグロー放電からアーク放電へ移行する際に起こることがわかっている。そしてこの黒化は早期に照度低下を生じ、黒化が激しい場合は内壁への熱的な負荷が増大して放電管を破損させ、ランプ寿命を短縮させるという問題があった。
そこで、上記問題を回避するため予め共振周波数f0の3分の1の周波数f3(f3>f5)付近で高周波点灯させ、図6に示すように高周波始動時のピーク電流を低減することで、アーク放電移行時に瞬間的にアークが広がっても内壁5aに接触しないようにする方法がある。しかしこの場合、電極への予熱不充分が起こり得る。つまり半波点灯時に陽極側となっていた電極の温度が上昇せず、一定時間後に低周波の矩形波点灯へ移行した際に、その電極が陰極となった時、図6の点線で示す時点でアーク放電を行えず必要以上にスパッタされたり、立ち消えを起したりする場合がある。
また、予め上記のような高周波点灯時のピーク電流を低減させた方法において、高周波点灯時間を長くし小さい電流にした高周波で両電極の温度を充分高めてから低周波の矩形波点灯へ移行させるという方法もある。しかしこの場合、再始動(発光管が冷えていない段階での始動)させた時を考えると、最初から発光管内の圧力が高いため、高周波点灯時間を長くすることにより発光管内に圧力の高い部分と低い部分の定在波が成長し、音響的共鳴現象によるチラツキや立ち消えの原因となってしまう場合がある。
上記の問題の対策として、図7、8のように、期間B1でf3sからスタートし一定期間(50ms〜500ms)高周波点灯時のピーク電流を低減させ、その後の期間B2にf5へ移行し通常の高周波始動電流にて点灯させる方法もある(例えば、特許文献2)。
しかし、特許文献2(図7)の場合、仮にランプがf3の期間B1内で点灯せずf5の期間B2で点灯した場合、やはり前記のような黒化現象を起こすことがある。
そこでランプが点灯したことを検出し、点灯後一定期間は黒化しないように小さくした高周波始動電流をランプに流し、一定期間後は電極を充分に予熱できるような前記よりも大きい高周波始動電流をランプに流す必要がある。しかし、高周波動作によりパルスが発生しランプが点灯しても高周波動作期間は周波数が高いため、チョークコイル36のインピーダンスは大きくなってしまう。このためチョッパ回路部20の出力は上限値DC200Vに保たれつつも、ランプにはほとんど電流が流れない。よって通常の低周波動作時にランプ電圧を検出している図1の電圧検出部A、あるいは図1の電流検知抵抗27ではランプが点灯したかどうかは検出できない。また別の方法として、チョークコイル36に補助巻き線など巻き、その部分の電圧を検出してランプが点灯したかどうかを判断することができるが、それには検出用の部品が増えるため、コストの面でも基板を設計する際のスペースの面でも妥当でない。
従って、本発明は上記問題、即ち、図4の期間Bや図7の期間B2で起こり得る黒化や、図6の期間CからEへの移行時に起こり得る立消えの問題を、従来の回路構成(ハード部分)を変更せずに制御面で解決し、ランプの始動性改善及び長寿命化を図ることを技術的課題としている。
本発明の第1の側面は、直流電力を出力するチョッパ回路、チョッパ回路の出力を交流出力に変換して高圧放電灯に供給するフルブリッジ回路、高圧放電灯を始動させるためのパルス電圧を発生させるイグナイタ回路、並びにチョッパ回路及びフルブリッジ回路を制御する制御部を備えた高圧放電灯点灯装置において、イグナイタ回路が高圧放電灯の点灯の有無を検出して制御部に出力する点灯検出手段を備え、点灯検出後の第1の期間のランプ電流が第1のピーク値以下となるように、かつ、所定期間経過後の第2の期間のランプ電流が第1のピーク値よりも大きい第2のピーク値となるように、制御部がチョッパ回路又はフルブリッジ回路を制御するように構成され、第1の期間が0.5秒より長く3秒以下であり、第2のピーク値が第1のピーク値の1.2倍以上5倍以下である高圧放電灯点灯装置である。
ここで、共振回路が高圧放電灯に直列接続されるインダクタを含み、第1の期間から第2の期間に移行する際に制御部がフルブリッジ回路の駆動周波数を下げる構成としてもよい。
また、第1の期間から第2の期間に移行する際に制御部がチョッパ回路の出力電圧を上昇させる構成としてもよい。
さらに、フルブリッジ回路がフルブリッジのスイッチング動作により共振電圧を発生させる共振回路を備え、イグナイタ回路が、共振電圧を充電する充電回路、充電回路に発生した電圧が所定値以上になると短絡する放電ギャップ、及び1次巻線が放電ギャップに2次巻線が高圧放電灯に接続されるパルストランスからなり、点灯検出手段が充電回路の電圧を検知する電圧検知回路からなる構成とした。
本発明の第2の側面は、上記第1の側面の高圧放電灯点灯装置、高圧放電灯、高圧放電灯が取り付けられるリフレクタ、及び少なくとも高圧放電灯点灯装置を内包する筐体からなる光源装置である。
本発明の第3の側面は、高圧放電灯を始動するための方法であって、(A)イグナイタ回路によって高圧放電灯に始動パルスを印加するステップ、(B)イグナイタ回路において高圧放電灯の点灯開始を検出するステップ、(C)点灯開始が検出された後の所定期間に、交流出力回路によって第1のピーク値以下の高周波電流を高圧放電灯に通電するステップ、及び(D)所定期間経過後に、交流出力回路によって第1のピーク値よりも高い第2のピーク値の高周波電流を高圧放電灯に通電するステップからなり、第1の期間が0.5秒より長く3秒以下であり、第2のピーク値が第1のピーク値の1.2倍以上5倍以下である方法である。
ここで、高圧放電灯にインダクタが直列接続され、ステップ(D)が交流出力回路の駆動周波数を下げるステップを含んでもよい。
また、ステップ(D)が交流出力回路の出力電圧を上昇させるステップを含んでもよい。
本発明によると、始動時の制御に起因する黒化、立消え、スパッタリング等の問題を、従来の回路構成を変更せずに解決し、ランプの始動性改善及び長寿命化を図ることができる。
本発明は、ランプの放電開始を検出しアーク放電移行時の半波点灯のピーク電流を所定時間制限し、その後、全波電流によるアーク放電を想定した設計値の高周波電流値へ移行させるものである。特に、従来の回路構成(回路図に表れる部分)を変更することなく、上記所定期間の計測等を確実に行なうことにより、上記のシーケンスを達成するものである。
本発明における高圧放電灯点灯装置の回路構成は従来例である図1と同じであり、その制御のみが異なるため、制御について以下に説明する。
従来例と同様にフルブリッジ回路のトランジスタ31、34トランジスタ32、33を交互に数十kHzの高周波でON/OFFさせることによりチョークコイル36とコンデンサ37は共振し、チョークコイル36とコンデンサ37の接続点側がプラス電位のときにダイオード41、抵抗43、コンデンサ45の向きに電流が流れコンデンサ45が充電される。高周波の正弦波電圧の極性が反転し、チョークコイル36とコンデンサ37の接続点がマイナス電位のときはコンデンサ46、抵抗44、ダイオード42の向きに電流が流れコンデンサ46が充電される。上記の動作を繰り返すことにより、コンデンサ45とコンデンサ46の直列回路端の電位は徐々に上昇する。このコンデンサ45、46の直列回路端が放電ギャップ48のブレークオーバー電圧を超えると放電ギャップ48は絶縁破壊を起こし、コンデンサ45、46に蓄積された電荷がパルストランス47の一次側に一気に放出され、二次側には巻き数比に応じたパルス電圧が発生する。
そして、パルス電圧を印加されたランプ50は絶縁破壊を起こし図2Aのようにグロー放電が開始される。すると従来例と同様に偏っていた水銀の影響を受け、水銀なし側の電極の特に図5Bのように熱容量の小さい外側コイルのエッジの温度が高くなり、その部分を起点にアーク放電へ移行する。この際、電極や発光管形状にもよるが半波放電したアーク放電の電流のピーク値を例えば図2のBのようにピーク2A以下になるような周波数を設定することにより、図5Cのように内側コイルエッジがアークスポットとなり、グロー放電からアーク放電へ移行した際に、瞬間的にアークが広がってもアークが図3の内壁5aに接触するほどの大きさとならないため電極材料の飛散による、放電管内部の黒化現象が生じない。
また、上記半波放電で例えば2Aピークの電流値のままでは電極の温度上昇が不充分となり、立ち消える場合がある。そのため、半波放電で2Aピーク(ゼロ−ピーク)の電流に制限する期間を、例えばランプが点灯したのを検出してから1秒間のみ(図2の期間B)と限定し、以降を電極が充分予熱できる電流、例えば2秒間6Aピーク(ピーク−ピーク)に設定する(期間D)。そうすることにより、水銀が付着していない側の電極も高周波点灯期間に充分に温度が上昇し、スムーズなアーク放電への移行が可能となる。そして、仮に1秒経っても半波状態が継続していたとしても、小さい高周波始動電流の状態で電極が温められるので、大きい電流に移行した際に全波に移行し易いというメリットもある。
なお、期間Bは0.5秒より長く3秒以下、そのピーク電流値(ゼロ−ピーク)は1A以上4A以下が適切である。期間Dは0.5秒以上3秒以下、そのピーク電流値が期間Bの電流値の1.2倍以上5倍以下が適切である。特に、期間Bと期間Dの合計時間は3秒(±0.5秒)程度が望ましいが、これに限られない。
ここで、ランプが点灯したことを検出する手段について、部品追加をせず図1の従来回路によりランプが点灯したことを検出する手段を以下に説明する。
前記のようにパルス電圧が発生してもランプ50が点灯しなかった場合は、コンデンサ45、46は充放電を繰り返す。すなわち放電ギャップ端電圧も図9のように絶縁破壊・非絶縁破壊を繰り返すことになり、電圧は常に変動している。
ところがパルス電圧が発生し、絶縁破壊を起こしてランプ50が点灯すると、共振による電圧はランプに印加されることになる。よってコンデンサ45、46には電荷が溜まらなくなるので電位は上昇せず、すなわち図9のように放電ギャップ端電圧も上昇しない。この一定期間電圧が上昇しないことを電圧検知回路49で検出し、ランプ50が点灯したかどうかを確実に判断することができる。
ランプ50が点灯したことさえ正確に検出できれば点灯後の高周波電流を適切に制御できる。例えばスムーズなアーク放電への移行をするために高周波電流のピーク値を2段階に切り替えるとするならば、前記の方法でランプの点灯を検出してから、(1)フルブリッジ回路部30の周波数を変更する(点灯後の共振点に近づける)、(2)図1の直流電力供給回路部20の出力電圧を切り替える(回路部品の高耐圧化が必要な場合もあるが部品点数、部品配置に変更は生じない)手段が考えられる。そして、それらを組み合わせ、又は2段階ではなく多段階的で切り替えても同等以上の効果を得ることができる。
また、従来回路の構成を変更しないとする本発明の趣旨からは外れるが、期間Bから期間Dへの移行の際にランプ電流を増加させることだけが目的であれば、上記の(1)又は(2)の他に、共振回路に追加インダクタを直列接続し、追加インダクタにスイッチを並列接続してそのスイッチの開閉により共振回路の共振点を変える手段(スイッチ閉で電流増)も考えられる。基板のスペースに追加インダクタやスイッチを実装する余裕がある場合等に有効な手段である。
上記実施例では、始動動作に起因する黒化、立ち消え及びスパッタリングを防止する高圧放電灯点灯装置を示したが、それを用いたアプリケーションとしての光源装置を図10に示す。図10において、61は上記で説明した実施例の高圧放電灯点灯装置、62は高圧放電灯50が取り付けられるリフレクタ、63は高圧放電灯点灯装置61、高圧放電灯50及びリフレクタ62を内蔵する筐体である。なお、図は実施例を模擬的に図示したものであり、寸法、配置などは図面通りではない。そして、図示されない映像系の部材等を筐体63内に適宜配置してプロジェクタが構成される。
これにより、始動性が良く、ランプの交換サイクルが長く、信頼性の高い光源装置を得ることができる。
10:直流電源
20:チョッパ回路
21:トランジスタ
22:ダイオード
23:チョークコイル
24:コンデンサ
25、26、27:抵抗
28:PWM制御回路
30:フルブリッジ回路
31、32、33、34:トランジスタ
35:ブリッジ制御回路
36:チョークコイル
37:コンデンサ
40:イグナイタ回路
41、42:ダイオード
43、44:抵抗
45、46:コンデンサ
47:パルストランス
48:放電ギャップ
49:電圧検知回路
50:高圧放電灯(ランプ)
61:高圧放電灯点灯装置
62:リフレクタ
63:筐体
20:チョッパ回路
21:トランジスタ
22:ダイオード
23:チョークコイル
24:コンデンサ
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30:フルブリッジ回路
31、32、33、34:トランジスタ
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49:電圧検知回路
50:高圧放電灯(ランプ)
61:高圧放電灯点灯装置
62:リフレクタ
63:筐体
Claims (8)
- 直流電力を出力するチョッパ回路、該チョッパ回路の出力を交流出力に変換して該高圧放電灯に供給するフルブリッジ回路、該高圧放電灯を始動させるためのパルス電圧を発生させるイグナイタ回路、並びに該チョッパ回路及び該フルブリッジ回路を制御する制御部を備えた高圧放電灯点灯装置において、前記イグナイタ回路が該高圧放電灯の点灯の有無を検出して前記制御部に出力する点灯検出手段を備え、
点灯検出後の第1の期間のランプ電流が第1のピーク値以下となるように、かつ、該所定期間経過後の第2の期間のランプ電流が該第1のピーク値よりも大きい第2のピーク値となるように、前記制御部が前記チョッパ回路又は前記フルブリッジ回路を制御するように構成され、該第1の期間が0.5秒より長く3秒以下であり、該第2のピーク値が該第1のピーク値の1.2倍以上5倍以下である高圧放電灯点灯装置。 - 請求項1記載の高圧放電灯点灯装置において、前記共振回路が前記高圧放電灯に直列接続されるインダクタを含み、
前記第1の期間から前記第2の期間に移行する際に前記制御部が前記フルブリッジ回路の駆動周波数を下げるように構成された高圧放電灯点灯装置。 - 請求項1記載の高圧放電灯点灯装置において、前記第1の期間から前記第2の期間に移行する際に前記制御部が前記チョッパ回路の出力電圧を上昇させるように構成された高圧放電灯点灯装置。
- 請求項1記載の高圧放電灯点灯装置において、前記フルブリッジ回路が該フルブリッジのスイッチング動作により共振電圧を発生させる共振回路を備え、
前記イグナイタ回路が、前記共振電圧を充電する充電回路、該充電回路に発生した電圧が所定値以上になると短絡する放電ギャップ、及び1次巻線が該放電ギャップに2次巻線が前記高圧放電灯に接続されるパルストランスからなり、
前記点灯検出手段が前記充電回路の電圧を検知する電圧検知回路からなる高圧放電灯点灯装置。 - 請求項1記載の高圧放電灯点灯装置、高圧放電灯、該高圧放電灯が取り付けられるリフレクタ、及び少なくとも該高圧放電灯点灯装置を内包する筐体からなる光源装置。
- 高圧放電灯を始動するための方法であって、
(A)イグナイタ回路によって前記高圧放電灯に始動パルスを印加するステップ、
(B)前記イグナイタ回路において前記高圧放電灯の点灯開始を検出するステップ、
(C)点灯開始が検出された後の所定期間に、交流出力回路によって第1のピーク値以下の高周波電流を前記高圧放電灯に通電するステップ、及び
(D)前記所定期間経過後に、前記交流出力回路によって第1のピーク値よりも高い第2のピーク値の高周波電流を前記高圧放電灯に通電するステップ
からなり、
該第1の期間が0.5秒より長く3秒以下であり、該第2のピーク値が該第1のピーク値の1.2倍以上5倍以下である方法。 - 請求項6記載の方法において、前記高圧放電灯にインダクタが直列接続され、前記ステップ(D)が前記交流出力回路の駆動周波数を下げるステップを含む方法。
- 請求項6記載の方法において、前記ステップ(D)が前記交流出力回路の出力電圧を上昇させるステップを含む方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008219182A JP2010055915A (ja) | 2008-08-28 | 2008-08-28 | 高圧放電灯点灯装置、光源装置及び高圧放電灯の始動方法 |
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JP2008219182A JP2010055915A (ja) | 2008-08-28 | 2008-08-28 | 高圧放電灯点灯装置、光源装置及び高圧放電灯の始動方法 |
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JP2008219182A Pending JP2010055915A (ja) | 2008-08-28 | 2008-08-28 | 高圧放電灯点灯装置、光源装置及び高圧放電灯の始動方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014132528A (ja) * | 2013-01-07 | 2014-07-17 | Seiko Epson Corp | 放電ランプ点灯装置、放電ランプ点灯方法、及びプロジェクター |
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2008
- 2008-08-28 JP JP2008219182A patent/JP2010055915A/ja active Pending
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