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JP4748557B2 - アブソリュートエンコーダ - Google Patents

アブソリュートエンコーダ Download PDF

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JP4748557B2
JP4748557B2 JP2001279711A JP2001279711A JP4748557B2 JP 4748557 B2 JP4748557 B2 JP 4748557B2 JP 2001279711 A JP2001279711 A JP 2001279711A JP 2001279711 A JP2001279711 A JP 2001279711A JP 4748557 B2 JP4748557 B2 JP 4748557B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業機械分野における寸法測定、例えばモールドプレス金型の密着度や平行度の測定、ロール圧延機における圧延量の測定・制御、さらには生産・組立工場等における部品寸法の測定などに用いて好選なアブソリュートエンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
所定の波長λmを有する第1のスケールと、該第1のスケールの信号を検出する第1の検出へッドとの相対変位に対応して位相が繰り返し変化する位相変調信号を出力する第1の検出手段と、上記第1のスケールとは異なる波長λaを有する第2のスケールと該第2のスケールの信号を検出する第2の検出ヘッドとの相対変位に対応して位相が繰り返し変化する位相変調信号を出力する第2の検出手段と、上記第1の検出手段と第2の検出手段から得られる信号の位相差を比較する位相比較回路とを有し、該位相比較回路より上記第1のスケール及び第2のスケールの波長よりも十分に長い波長の信号に相当して位相が変化する信号を得て、上記第1のスケール及び第2のスケールと、上記第1の検出ヘッド及び第2の検出ヘッドとの相対位置を検出する測尺装置が特公昭50−23618号公報に開示されている。
【0003】
この測尺装置において第1の検出手段から得られる位相変調信号epm、第2の検出手段から得られる位相変調信号epaは、次式のように表すことができる。
【0004】
epm=Ep1×Sin(2πft+2πX/λm)
epa=Ep2×Sin(2πft+2πX/λa)
さらに、波長λmとλaとの関係を、例えばN×λm=(N−1)×λaなる関係に選ぶと、これらの信号の位相θm(=2πX/λm)及びθa(=2πX/λa)の差Δθ(=θm−θa)は、次式に示すように波長λmのN倍の周期で繰り返す信号となる。
【0005】
Δθ=2πX/(N×λm)
したがって、上記測尺装置では、上記の位相差Δθを所定の位相差、すなわち、2π/Nで除算することにより、N×λm区間内におけるλm単位の位置を検出ことが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記測尺装置においては、各々のスケールから理想的な信号が得られない場合、例えば、位相変調信号が不完全な場合は、波長λ内に周期的な誤差を生じ、これらの誤差はλm単位の切替え位置にも重畳する。したがって、上記のごとく位相差Δθを2π/Nで除算したときに上記誤差のために、ズレを生じ、結果としてλm単位の誤差を発生することがある。
【0007】
また、これらの誤差を避けるためには、上記2つのスケールから得られる位相差Δθを用いて直接Nλm内を検出する方法が考えられるが、本方法では位相差ΔθがNλmなる仮想的に長いスケール内で位相が2πになる、すなわち周期的に位相が変化する信号であるため、キャリア周波数f内にキャリア周波数fのM倍のクロックパルスM×fを内挿して高分解能を得ようとした場合、分解能λm/(M×N)が、波長λmやNを拡大するほど高分解能を得るのが難しくなる。また、経時的変化により検出精度が悪化するなどの問題があった。
【0008】
そこで、上述の如き従来の問題点に鑑み、本発明の目的は、異なる波長を有する2組のスケールから出力される位相変調信号の位相差によって上記スケールの波長のN倍の区間に亘ってアブソリュートに検出するように構成したアブソリュートエンコーダにおいて、上記スケールの検出誤差に伴う隣接区間検出の誤動作を防ぎ、小型かつ低コストで高情度かつ高分解能なアブソリュートエンコーダを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、波長λmの目盛りが形成された第1のスケールと、該第1のスケールの信号を検出する第1の検出ヘッドと、上記第1のスケールと第1の検出ヘッドの相対的な変位量をキャリア周波数fの位相変調信号として取り出すように構成された第1の変位量検出手段と、上記第1のスケールと異なる波長λaの目盛りが形成された第2のスケールと、該第2のスケールの信号を検出する第2の検出ヘッドと、上記第2のスケールと第2の検出ヘッドとの相対的な変位量をキャリア周波数fの位相変調信号として取り出すように構成された第2の変位量検出手段と、上記第1の変位量検出手段より得られる位相変調信号と、第2の変位量検出手段から得られる位相変調信号との位相差を検出し、該位相差を用いて、第1のスケールの波長λmのN倍波長で繰り返す周期的な信号を得て、上記第1のスケールの波長のN倍区間をアブソリュートに検出するように構成したアブソリュートエンコーダにおいて、上記第1の変位量検出手段から得られるキャリア周波数fの位相変調信号を周波数fの基準信号と位相比較して第1のスケールの波長λm内における第1の検出ヘッドの絶対位置に対応したパルス幅変調信号を生成する第1の位相比較手段と、この第1の位相比較手段により生成されたパルス幅変調信号にキャリア周波数fのM倍のクロックパルスを内挿して第1のスケールの波長λm内における第1の検出ヘッドの絶対位置に対応した分解能R=λm/Mのパルス列に変換する第1のゲート回路と、上記第1の変位量検出手段から出力される位相変調信号と第2の変位量検出手段から出力される位相変調信号の位相差に対応するパルス幅変調信号を生成する第2の位相比較手段と、この第2の位相比較手段により生成されたパルス幅変調信号にキャリア周波数fのM倍のクロックパルスを内挿し、上記位相差に対応したパルス列に変換する第2のゲート回路と、この第2のゲート回路の出力を計数し、該計数値を波長λmの1区間に対応するパルス数M/Nで除算し、求められた商によって第1のスケールの波長λmのアドレスを仮決定し、該剰余が、3つのゾーンに区分けされた区間パルス数M/N内のいずれに属するかを判別した後、λmアドレスの切替部に対応するゾーンに属する時は、第1のスケールの波長λm内の所定位置を基準として比較し、該比較結果に応じて上記仮決定したλmアドレスを補正して第1のスケールの波長λmのN倍区間内におけるλmアドレスを特定するとともに、該剰余が、中央部のゾーンに属する時は上記仮決定されたλmアドレスを無条件でλmアドレスとして特定するようになし、上記第1のゲート回路から出力されるパルス列を計数してスケールの波長λm内の絶対位置と、上記特定されたλmアドレスとを合成する絶対位置合成手段とを備え、第1のスケールの波長λmのN倍区間に亘って分解能R=λm/Mで検出するように構成したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
以下に説明する本発明の実施の形態は、異なる波長を有する2つのトラックから出力される位相変調信号を用いて、該トラックの記録波長より長い範囲をアブソリュートに検出する測長システム、例えば、特公昭50−23618号公報に開示されている測尺装置を改良したものである。なお、磁気式においても、例えば、過飽和コアを用いた方式や磁気抵抗効果素子(以下MRセンサ)を用いた方式によっては、記録波長と再生波長が異なる場合があるが、ここでは、検出ヘッドにMRセンサを用い、再生される波長を基準に説明することとする。
【0012】
図1は、本発明に係るアブソリュートエンコーダ100の構成を示すブロック図である。
【0013】
ここでは、波長λmを1,024μm、内挿数Mを1,024(=210)とし、さらに、拡張計数Nを16(=2)として波長λmとλaとの関係を16×λm=(16+1)×λa=17×λaとすることにより、λmの16(N=2)倍区間、約16mm(正確には1.024×16=16.384mm)を1μmの分解能Rでアブソリュートに検出できるようにした具体的な事例について説明する。
【0014】
このアブソリュートエンコーダ100は、図示しないスケール部材上に波長λm(=1,024μm)の目盛りを記録することにより形成された第1のスケール1と、この第1のスケール1と対向し、波長λmに対して90゜位相差(λm/4)をもって配設された2チャンネルのMRセンサ2A,2Bで構成された第1の検出ヘッド2を備える。この第1の検出ヘッド2は、上記第1のスケール1との相対移動により、相対移動周期が2πx/λm(ただし、xは変位量)で、90゜位相差を有する2系統の正弦波信号Sin(2πx/λm),Cos(2πx/λm)を出力する。
【0015】
これら2相の正弦波信号Sin(2πx/λm),Cos(2πx/λm)は、例えば、図2に示すような構成の第1の変位量検出部3に導かれる。
【0016】
第1の変位量検出部3は、上記第1の検出ヘッド2を構成している2チャンネルのMRセンサ2A,2Bにより得られた2相の正弦波信号Sin(2πx/λm),Cos(2πx/λm)をタイミング信号生成部12により与えられる互いに90°の位相差をもつキャリア周波数fの2相信号MODC,MODSで平衡変調する乗算器31,32と、この乗算器31,32による平衡変調信号Sin(2πx/λm)×Cosωt,Cos(2πx/λm)Sinωtを加算する加算増幅器33を備え、上記加算増幅器33による加算出力として、次の(1)式に示すような位相変調信号epmを出力する。
【0017】
epm=Ep1×Sin(ωt+2πx/λm) (1)
ただし、ω=2πf、x=相対変位量
この位相変調信号epmは、例えば、図3に示すような構成の第1の位相比較部4に導かれる。
【0018】
第1の位相比較部4は、タイミング信号生成部12により与えられる周波数M×fのクロックパルスが供給されている第1及び第2の同期微分回路42,43並びにJKフリップフロップ44を備え、第1の変位量検出部3から位相変調信号epmが波形整形回路41を介して供給される上記第1の同期微分回路42による微分出力が上記JKフリップフロップ44のK入力端子に供給され、また、基準信号MODSが供給される上記第2の同期微分回路43による微分出力が上記JKフリップフロップ44のJ入力端子に供給されることにより、サンプリング周期T(=1/f)ごとに、波長λm内の絶対位置に対応したパルス幅変調信号PWSmを上記JKフリップフロップ44から出力する。
【0019】
ここで、この第1の位相比較部4の動作タイミングを図4に示してあるように、サンプリング時刻tiにおいて第1の変位量検出部3から出力される位相変調信号epmでセットされ、基準信号MODSでリセットされるパルス幅変調信号PWSmの時刻tiにおける波長λm内の絶対位置x(ti)に対応した位相量φm(ti)は、次の(2)式のように表すことができる。
【0020】
φm(ti)=2π×x(ti)/λm (2)
上記第1の位相比較部4により得られたパルス幅変調信号PWSmは、タイミング信号生成部12により与えられるキャリア周波数fのM(=1,024=210)倍のクロックパルスM×fとともに第1のゲート回路5に入力される。
【0021】
ここで、位相量φm(ti)を有するパルス幅変調信号PWSmは、変位xに応じてパルス幅の変化する信号であり、最大位相量2π、即ち、最大変位量λmに達したときのパルス幅はサンプリング周期T(=1/f)に等しいので、第1のゲート回路5では、M×fのクロック周波数を用いることにより位相量φm(ti)を1/Mの分解能R、すなわち、変位x(ti)を分解能1μm(R=λm/M=1,024/1,024)のパルス列SAPmとして検出可能であり、上記第1のゲート回路5により変換されたパルス列SAPmが絶対位置合成部6に入力される。
【0022】
このアブソリュートエンコーダ100は、図示しないスケール部材上に第1のスケール1と平行して波長λa(=963.8μm)の目盛りを記録することにより形成された第2のスケール7と、この第2のスケール7と対向し、波長λaに対して90゜位相差(λa/4)をもって配設された2チャンネルのMRセンサで構成された第2の検出ヘッド8を備える。この第2の検出ヘッド8は、上記第1のスケール検出ヘッド2と一体的に構成されており、上記第2のスケール7との相対移動により、相対移動周期が2πx/λaで90゜の位相差を有する2系統の正弦波信号2πx/λa(ただし、xは変位量)で、90゜位相差を有する2系統の正弦波信号Sin(2πx/λa),Cos(2πx/λa)を出力する。
【0023】
上記第2の検出ヘッド8により得られる2系統の正弦波信号Sin(2πx/λa),Cos(2πx/λa)は、上記第1の変位量検出部3と同様な構成を有する第2の変位量検出部9に導かれる。
【0024】
第2の変位量検出部9は、次の(3)式に示すように、変位量λaごとに位相が2πだけ変化する位相変調信号epaを出力する。
【0025】
epa=Ep2×Sin(ωt+2πx/λa) (3)
ただし、ω=2πf、x=相対変位量
この位相変調信号epaは、第1の位相比較部4と同様の構成を有する第2の位相比較部10において、第1の変位量検出部3から出力される位相変調信号epmと位相比較される。第2の位相比較部10は、第2の変位量検出部9から出力される位相変調信号epaと第1の変位量検出部3から出力される位相変調信号epmとの位相差に対応するパルス幅変調信号PWS2を出力する。
【0026】
上記(2)式からも明らかなように、位相変調信号の位相差φa(ti)は次の(4)式のように表せる。
【0027】
φa(ti)=2π×x(ti)/λa (4)
したがって、上記位相差Δφ(=φa(ti)−φm(ti)は、
Δφ=φa(ti)−φm(ti)
=2π×x(ti)(1/λa−1/λm) (5)
ここで、第1のスケール1の波長λmと第2のスケール7の波長λaとは、16λm=17λaの関係に選択されているので、上記Δφ(ti)は、
Δφ=2π×x(ti)/16λm
=2π×x(ti)/17λa (5)’
となり、第1のスケールの波長λmの16倍(N=16)の位置に達したときに一致する繰り返し信号である。
【0028】
図5は、上記アブソリュート計測区間において第1の変位量検出部3で検出された位相量φmと、第2の変位量検出回路9で検出された位相量φaとの関係を示している。
【0029】
そして、図6は、第1のスケールの波長λmの16倍区間内における任意の位置xに対する、第1の変位量検出部3で検出された位相量φmと、φaとφmとの位相差Δφ(=φa−φm)との関係を示したものである。この図6に示されるように、位相量φmはλmの1周期ごとに2π、Δφはλmの1周期ごとに2π/16ずつなる信号である。
【0030】
したがって、上記位相差Δφをλmの1周期に対応する位相量(以下、区間位相量)2π/16で除算し、その商としてxが位置するλm単位の絶対位置、すなわち、16λm内のλmアドレスAjを検出することができる。
【0031】
ここで、上記位相差Δφは、キャリア周波数fのM倍のクロックパルスM×fとともに第1のゲート回路5と同様な構成を有する第2のゲート回路11に導かれ、上記位相差Δφに対応したパルス列SAPaに変換される。
【0032】
したがって、上記区間位相量2π/16は、区間パルス数M/16と等価であり、上記パルス列SAPaを区間パルス数M/16で除算することにより、その商としてxが位置するλm単位の絶対位置、すなわち、16λm内のλmアドレスAjを検出することができる。
【0033】
また、次の表1は、16λm=17λaの場合に、変位量xを0から16λmまで変化させたときのΔφとλmアドレスAjとの関係、及び、Δφに対応するパルス数ΔDとの関係を示したものである。
【0034】
【表1】
Figure 0004748557
【0035】
絶対位置合成部6は、上記の関係を利用してλmアドレスAjを特定するとともに、上記φmをもとに生成された分解能1μmのパルス列SAPmとにより、1μmの分解能Rで16λm区間の絶対位置を生成する。例えば、図7に示すようにカウンタ機能(タイマー)を備えるマイクロコンピュータ(CPU)63を用いてソフトウエア処理で実現することができる。
【0036】
ここで、絶対位置合成部6におけるλmアドレスAjの検出にかかる基本原理について説明する。
【0037】
この絶対位置合成部6は、上記第1のゲート回路5から出力される1μm分解能のパルス列SAPmをカウントするパルスカウンタ61と、第2のゲート回路11から出力されるパルス列SAPaをカウントするパルスカウンタ62を備え、該パルスカウンタ61,62の計測値をCPU63に取り込むためのトリガ信号として、パルス幅変調信号PWSm,PWSaのセット入力となる基準信号MODSがタイミング信号生成部12からCPU63への割り込み端子に供給されている。
【0038】
サンプリング時刻tiにおいて、上記(2)式に示す位相量φm(ti)のリセットタイミングに対応した基準信号MODSが入力されると、CPU63が割り込み動作を開始し、パルスカウンタ61で計測された第1のスケール1の波長λm内の絶対位置に対応するデータDm(ti)と、パルスカウンタ62で計測された上記2つの位相変調信号の位相差Δφに対応したパルス列SAPmの計測値ΔD(ti)がCPU63に取り込まれ、RAM64内の所定のメモリ領域に格納される。
【0039】
次に、CPU63は、上記位相差Δφに対応したこれらの計数値の差ΔDをRAM64内の所定の領域に格納するとともに、上記区間パルス数M/16で除算し、その商としてλmアドレスAjを特定し、該求められたAjをλm倍し、さらに、タイミングtiにおけるλm内の絶対値Dm(ti)とを加算し、16λm区間全域に亘る分解能1μmの絶対位置を生成する。
【0040】
このようにして生成された絶対位置は、RAM64内の所定のメモリ領域内に格納するとともに、例えば、測定データとして外部に出力する。
【0041】
ところで、上記の絶対位置合成部6の動作は理想的な状態で述べたものであり、実際のシステムにおいては検出された信号の不完全さ、例えば、各々の検出ヘッド2,8に重畳するDCや出力レベルのアンバランス等に起因する内挿誤差の影響により、λmアドレスAjの判定に誤動作を起こすことがある。
【0042】
そこで、本発明において適用される誤動作のないλmアドレスの生成方法について述べる。
【0043】
まず、位相変調信号が理想的な状態から外れた際に生ずる内挿誤差について説明する。
【0044】
上述の(1)式及び(2)式に示した位相変調信号は、2チャンネルの検出ヘッドから理想的な信号が得られることを前提にした理論式である。
【0045】
しかしながら、実際のシステムでは各の検出ヘッドに重畳するDCや出力レベルのアンバランスにより、(1)式や(2)式に示すような完全な位相変調信号とのずれを生じ、結果として内挿誤差を生ずる。
【0046】
ここで、内挿誤差の発生要因として、上記の如くDC成分の重畳、出力レベルのアンバランスと仮定し、一般式として波長λのトラックにおけるCH1検出ヘッド及びCH2検出ヘッドから得られる平衡変調信号を各々e1,e2とすると、平衡変調信号e1,e2は、
e1={A+(1+a)×Sin(2πx/λ)}×Cosωt (6)
e2={B+(1+b)×Cos(2πx/λ)}×Sinωt (7)
ただし、
a:CH1の振幅ずれ、b:CH2の振幅ずれ
A:CH1のDC重畳、B:CH2のDC重畳
となり、2πx/λ=X、ωt=Tとおけば、(6)式及び(7)式は
e1={A+(1+a)×SinX}×CosT (6)’
e2={B+(1+b)×CosX}×SinT (7)’
と表すことができる。
【0047】
ここで、説明を簡単にするため、DCのみにずれがあったときの位相変調信号をepm(D)とすれば、(6)’式及び(7)’式において、a=b=0とおいて加算した信号であり、次のように表すことができる。
【0048】
Figure 0004748557
ただし、
α=tan−1(A/B)
θ=tan−1{(A+SinX)/(B+CosX)} (9)
ここで、(8)式の{ }の中は、位相変調信号epm(D)のエンベロープを表しており、基準振幅1に対しXの基準位置から位相がαだけ遅れた振幅が√(A+B)のリップルが重畳した、Xに対して一次の成分を有する正弦波状の信号であることが分かる。
【0049】
また、(9)式のθは変位量を表しているので、誤差がないときの理論値{θ=tan−1(SinX/CosX)}から減算すると、位相変調信号が理想からずれた時の誤差を表すことになる。
【0050】
今、Xに対して0から2πにわたる1波長内の内挿誤差をΔXとおくと、内挿誤差ΔXは、
ΔX=tan−1{(A+SinX)/(B+CosX)}
−tan−1(SinX/CosX) (10)
であり、ここで、
α={(A+SinX)/(B+CosX)}、
β=SinX/CosX
とおけば
ΔX=tan−1(α−β)/(1−α×β)
ゆえ、
ΔX=−tan−1{(B×CosX−A×SinX)/(1+A×SinX +BXCos×)}
となる。そして、(A×SinX+B×CosX)が1より十分小さいことを考慮してΔXの近似式を求めると、
ΔX=−tan−1(B×CosX−A×SinX)
=−tan−1{√(A+B)×Sin(X+γ)} (11)
となる。ただし、
γ=−tan−1(A/B)
である。
【0051】
ここで、簡単にするためA=Bの場合について整理してみると、
ΔX=−tan−1{√2×Sin(X−π/4)} (12)
となる。
【0052】
すなわち、内挿誤差ΔXは、Xの1周期に対して同一周期の成分を有する正弦波状に変化する信号であり、その大きさがDCの重畳量A及びBの大きさによって変化する信号であることが分かる。
【0053】
ところで、図5にも示したように、λmアドレスAjの切替え部は、第1のスケール1の波長λmの整数倍に対応した位置であるが、第2のスケール7に対しては波長λaの1/16の整数倍の位置に対応しているため、λmアドレス切替え部において検出されるΔφには、第2のスケール7の波長λaの内挿誤差が重畳し、結果として内挿誤差の影響に伴う位相差Δφの逆転現象が生じることがある。
【0054】
したがって、上述の表1に示した関係をもとに、単純に検出されたΔφを区間位相量φZ(=2π/16)に対する商を求めるだけでは、入mアドレスAjの検出に誤動作を生じることになる。
【0055】
図8は、第2のスケール7の波長λaに上記(11)式で表される内挿誤差ΔXをXの1周期区間、すなわち、x=λaの区間に亘ってプロットしたもので、波長λa内の各の位置における内挿誤差Ieが、λmアドレスAjの切替え位置に対応して重畳する様子を示したものであり、次の表2はその対応関係を示したものである。
【0056】
【表2】
Figure 0004748557
【0057】
次に、本発明において適用される実際のシステム、すなわち、内挿誤差が発生した場合でも正しくλmアドレスAjを検出可能とする絶対位置合成部6の構成及び動作について説明する。
【0058】
先ず、図9を参考にしながらλmアドレスAjの確定にかかる基本的な考え方を説明する。
【0059】
(1)λmアドレスAjの切替え部、すなわち、λmの両端部において検出される位相差Δφは、第2のスケール7の内挿誤差Ie(a)に対応する位相量φie(a)だけ変動する。したがって、実際にはλmアドレスAjがjとして検出されるべきものが、その前後、すなわち、j−1又はj+1として検出される可能性がある。
【0060】
(2)しかしながら、上記誤検出される可能性を有する領域に対し、さらに第1のスケール1における内挿誤差Ie(m)に対応する位相量φie(m)だけ内側の領域においては、内挿誤差の影響を受けず、λmアドレスAjを一義的に決定できる領域がある。
【0061】
(3)さらに、上記(1)においても、第1のスケール1において検出された位相φmが、波長λm内のどの位置に属するかを、例えば、λmの中央値に対して左側(x≦λm)又は右側(x>λm)に位置するかの判定条件を加え、該判定結果をもとに補正することにより、正しくλmアドレスAjを判定できる。
【0062】
すなわち、λmアドレスAjの切替え部において、λmアドレスAjの判定領域にヒステリシスを持たせ、該ヒステリシス領域内においては、第1のスケール1の位置による判定条件を付加することにより、内挿誤差の影響を受けず、誤動作のないλmアドレスAjの検出が実現できる。
【0063】
次に、本発明におけるλmアドレスAjの切替え部に付与すべきヒステリシス及びその他の判定条件の設定について、具体的な数値を適用し説明する。
【0064】
上述のように、位相量φはパルス数ΔDとして検出され、区間位相量φZ(=2π/16)は区間パルス数ND(=64)に対応している。
【0065】
第1のスケール1及び第2のスケール7の波長が略等しいので、システムにおいて想定される内挿誤差が略等しいとして、その振幅(P−P)をIeとすれば、内挿誤差に対応する位相量φie及びパルス数Dieは次のように表すことができる。
【0066】
φie=2π×(Ie/λm) (10)
Die=M×Δφi/2π=1,024×(Ie/λm) (11)
すなわち、λmアドレスAjの切替え部においては、パルス数ΔDは、Die/2ずつ変動する可能性がある。
【0067】
ここで、波長λに対する内挿誤差(Ie/λm)は通常2%程度であり、そのときのDieは、(11)式から約20パルスであり、λmアドレスAjの切替え部においては、第2のスケール7の内挿誤差により、区間パルス数M/16(=64)に対して±10パルスの変動が生ずると考えることができる。
【0068】
さらに、第1のスケール1における内挿誤差の影響に伴うパルス数Dieも20パルスとすれば、この値を加えた区間パルス数ND(=64)に対して±20パルス分内側の領域、すなわち、パルス数ΔDが20以上(=0+20)から44未満(=64−20)の区間は、内挿誤差の影響を受けず一義的にλmアドレスAjを決定できる領域(以下、無条件判別領域)である。
【0069】
また、上記無条件判別領域の外側、即ち、ΔDが0以上20未満の下側領域及びΔDが44以上64未満の上端領域においては、第1のスケール1において検出される位相量φmが、λmの中間値、すなわち、512パルス(1,024/2)位置を基準にして大小を判別する条件を付加し、該判定結果に応じて仮決定されたλmアドレスAjを補正すれば良い。
【0070】
以下、図10に示す処理フローに従い本発明におけるλmアドレスAjの判定手順を説明する。
【0071】
先ず、最初のステップS1では、サンプリング時刻tiにおいて、基準信号MODSが入力されると、CPU63が割り込み動作を開始し、上記第1のパルスカウンタ61の計数値Dm(ti)及び第2のパルスカウンタ62の計数値ΔD(ti)を取り込み、RAM64の所定のメモリ領域に格納する。
【0072】
次のステップS2において、CPU63は、ΔDを区間パルス数64で除算し、商jをλmアドレスの候補として、また、剰余Resをλmアドレス確定用のデータとしてRAM64の所定のメモリ領域に格納する。
【0073】
次のステップS3において、CPU63は、剰余Resの値に応じて3つの領域に分別し、次の判定処理によりλmアドレスAjを確定する。
【0074】
すなわち、0≦Res<20のときには(ステップS41)、Dm(ti)が中央値512を超えているか否かについての判定を行う(ステップS51)。
【0075】
そして、このステップS51における判定結果が”Yes”すなわちDm(ti)≧512である場合は、上記ステップS2において算出された商jから1を減算し、この値をλmアドレスAjとし(ステップS61)、また、判定結果が”No”すなわちDm(ti)<512である場合には、上記ステップS2で検出されたAjをそのままλmアドレスAjとする(ステップS62)。
【0076】
また、20≦Res<44のときには(ステップS42)、ステップS2で検出された商jをそのままλmアドレスAjとする(ステップS62)。
【0077】
さらに、44≦Res<64のときには(ステップS43)、Dm(ti)が中央値512より小さいか否かについて判定を行う。
【0078】
そして、このステップS53における判定結果が”Yes”すなわちDm(ti)<512である場合には、上記ステップS2において算出された商jに1を加算し、この値をλmアドレスAjとし(ステップS63)、また、判定結果が”No”すなわちDm(ti)≧512である場合は、上記ステップS2で検出されたAjをそのままλmアドレスAjとする(ステップS62)。
【0079】
次のステップS7では、上記の手順によってλmアドレスAjを確定した後、CPU63はλmアドレスAjに波長λmを乗じたのち、上記Dm(ti)と加算し、時刻tiにおける16λm区間内における絶対位置X(ti)を生成する。
【0080】
以下、サンプリング時刻ごとに同様の手順(S1〜S7)を繰り返し、16λm区間内における絶対位置を求める。また、生成された絶対位置X(ti)は、例えば表示として利用する、又は測定データとして外部のシステムに出力するなど、必要に応じて利用できる。
【0081】
なお、上記絶対位置合成部6は、マイクロコンピュータ(CPU)63を用いてソフトウエア処理で実現したが、図11に示すようにハードウエアにより構成することもできる。
【0082】
すなわち、図11に示す絶対位置合成部6は、上記第1のゲート回路5から出力される1μm分解能のパルス列SAPmをカウントする第1のカウンタ161と、第2のゲート回路11から出力されるパルス列SAPaをカウントする第2のカウンタ162、タイミング信号生成部12から基準信号MODSが供給されるカウンタ制御回路164を備える。
【0083】
第1のカウンタ161は、M=1,024とした場合、第1のスケール1の波長λm内の位置に対応するパルス列SAPmを計数する1,024進(10bit)カウンタと、該カウンタの計数値をラッチする10bitのラッチ回路からなり、ラッチ回路の出力(Dm(ti))を、第1の比較器165に供給するとともに、合成された絶対位置の下位桁(10bit)として出力する。
【0084】
上記第1の比較器165は、波長λm内の所定の位置、この例では波長λm内の所定の位置と比較する比較器である。
【0085】
この例では、中央値(512)と比較し、
(a1) Dm(ti)<512
(a2) Dm(ti)=512
(a3) Dm(ti)>512
に対応する判定信号を補正回路168に出力する。
【0086】
第2のカウンタ162は、M=1,024とした場合、第1のスケール1と第2のスケール7から出力される位相変調信号の位相差に等しいバルス列SAPaを計数する64進(6bit)カウンタと、該カウンタの計数値をラッチする6bitラッチ回路からなり、上記64進カウンタの桁上げ信号(Ca2)を第3のカウンタ163に供給し、また、ラッチ回路の出力(Res)を第2及び第3の比較器166,167に供給する。
【0087】
第3のカウンタ163は、SAPa/64の商を計数するラッチ出力機能付のカウンタ(M=1,024とした時は16進)であり、第2のカウンタ162の桁上げ信号(Ca2)を計数する16進(4bit)カウンタと、該カウンタの計数値をラッチする4bitラッチ回路からなり、ラッチ回路の出力を仮決定アドレス(j)として、加算回路169の一方の入力端子に供給する。
【0088】
カウンタ制御回路164は、サンプリング周期T(=1/f)毎に入力されるMODS信号から、上記カウンタ計数値をラッチ回路に転送するためのラッチ信号と、カウンタの計数値を初期化(リセット)するリセット信号を生成し、このリセット信号を上記第1乃至第3のカウンタ161〜163に供給する。
【0089】
比較器166は、剰余(Res)を下側ゾーン設定用の下限値と比較するための比較器であり、この例では下限値(20)との比較を行い、
(b1) Res<20
(b2) Res=20
(b3) Res>20
に対応する判定信号を補正回路168に出力する。
【0090】
比較器167は、SAPa/64の剰余(Res)を上側ゾーン設定用の上限値と比較するための比較器であり、この例では上限値(44)との比較を行い、
(c1) Res<44
(c2) Res=44
(c3) Res>44
に対応する判定信号を補正回路168に出力する。
【0091】
補正回路168は、上記第1乃至第3比較器165〜167の出力をもとに、第3のカウンタ163の出力である仮決定アドレス(j)の補正値(+1,0,−1)を出力する回路であり、下記の条件に応じて補正値を出力する。
【0092】
Figure 0004748557
ここで、Dm(ti)≧512に対応するゾーンは、上記(a2)及び(a3)の論理和(Dm(ti)=512) (Dm(ti)>512)である。また、0≦Res<20に対応するゾーンは、上記(b1)すなわち(Res<20)である。さらに、上側ゾーン44≦Res<64は、(c2)と(c3)の論理和すなわち(Res=44) (Res>44)であり、また、無条件でアドレスを決定できる中間ゾーン20≦Res<44は、上記第2の比較器166の出力との組み合わせた((Res=20) (Res>20)) (Res<44)である。
【0093】
ただし、実際の回路では”−1”に対応する補正値は補数(−1)の形に変換されて加算回路169で加算される。
【0094】
加算回路169は、例えば4bitのフルアダーで構成され、第3のカウンタ163からの仮決定アドレス(j)と、上記補正回路168の出力である補正値(+1,0,−1)とを加算する。この加算回路169は、”−1”に対応する補正値、すなわち補数(−1)が入力されたときはj+(−1)を補数回路170に出力する。
【0095】
補数回路170は、加算回路169から”−1”に対応する補正値、すなわち補数(−1)が入力されたときの加算出力(j+(−1)において、加算回路169の桁上信号信号(C4)が出力されなかったとき動作し、真数(j−1)に変換して、決定アドレス(Aj)の上位桁を出力する。
【0096】
以上、本発明の具体的な実施の形態として、所望の分解能R=1μmを得るために、第1のスケールの波長λmを所望の分解能R=1μmの1,024倍とし、位相変調信号のキャリア周波数fの1,024(M=1,024)倍のクロックパルスを用いて内挿するとともに、第1のスケール1の波長λmの16倍区間(N=16)の絶対位置を検出するため、第1のスケール1の波長λmと第2のスケール7の波長λaとの関係を16×λm=17×λaなる2進系列の数値を設定した事例について説明した。
【0097】
Nとして2進系列を選択すると、内挿処理等に用いるハードウエアが簡単になるばかりでなく、2進処理を基本とするCPUを用いた絶対位置合成部6におけるλmアドレスの特定におけるソフトウエア処置が簡単かつ高速に実現できる等のメリットがある。
【0098】
また、上記実施の形態の説明においてはN×λm=(N+1)×λaとしたが、N×λm=(N−1)×λaと設定できること、さらには、N±1=2と選ぶことができること、さらには、所望の分解能R=λm/Mを得るために、第1のスケール1の波長λm及び設計条件M、Nは本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に設定できること、また、2進系列ではなく、M,Nについて10進系列の設計条件を設定し得ることは言うまでもない。
【0099】
また、上記実施の形態において、第1の変位量検出部3から得られる位相変調信号epmと第2の変位量検出部9から得られる位相変調信号epaとの位相差Δφの検出において、第2の位相比較部10にて直接検出するように構成した。しかしながら、第1の位相比較部4におけるごとく、第2の位相比較部10においても、位相変調信号epaと上記基準信号との位相比較により第2のスケール7の波長λa内の絶対位置として検出し、該位相差をφa(ti)として検出した後、第2のゲート回路11及びパルスカウンタ62を介してパルス数Da(ti)として検出し、絶対位置合成部6により演算処理ΔD=Da(ti)−Dm(ti)として検出できることは言うまでもない。
【0100】
さらに、本発明は、磁気式に制約されることなく、例えば光学方式のごとくスケールとヘッドとの相対移動に対応した2チャンネルの直交する正弦波信号が出力されるようなシステムにおいても、該検出された2相の正弦波信号を、キャリア周波数fの信号で直交変調した後加算することにより、位相変調信号を取り出すようにすれば同様に適用できることはいうまでもない。
【0101】
さらに、本発明においてはリニアエンコーダヘの適用について説明したが、繰り返し区間を円周長と一致させることにより回転量のアブソリュート検出にも適用可能である。
【0102】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、第1のスケールの記録波長λmに対応して得られるキャリア周波数fの位相変調信号をM倍の周波数を有するクロックパルスを用いることにより、波長λm内を分解能R=λm/Mで読み出すことができる。すなわち、位相変調信号を用いた位置検出システムのため、該位相変調信号のキャリア周波数fに対し、クロックパルスの周波数M×fを高く、すなわち、Mを大きくするだけで容易に高分解能を実現することができる。また、設計条件M,Nはスケールの波長λmとして2進系列の数値を選ぶことにより、ハードウエアが簡単になるのみならず、CPUを用いた絶対位置演算処理におけるソフトウエア処理が簡単になり、結果として高速な処理を実現できる。
【0103】
また、第1のスケールの波長λmと第2のスケールの波長λaとを、例えば、N×λm=(N±1)×λaなる関係を満足するように設定することにより、第1のスケールの波長λmのN倍区間にわたってアブソリュートで検出することができる。
【0104】
また、第1のスケール及び第2のスケールから出力される位相変調信号の位相差に応じて第1のスケールのN倍区間におけるλmアドレスの特定に際して、位相変調信号に含まれる内挿誤差によって生ずるλmアドレス検出に係る誤動作を防ぐことができ、システムが許容できる範囲で設計値Nを大きくし、広い範囲での絶対位置検出を安定かつ高精度に行うことが可能となる。
【0105】
また、高分解能なアブソリュート検出が可能なため、例えば、差動トランス方式を多用していた用途にも使用でき、DCドリフトの影響や、ウオームアップなしで直ちに測定できる等の効果が期待できる。
【0106】
本発明によれば、システムの構造が簡単になり、小型・低コストで絶対位置検出システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアブソリュートエンコーダの構成を示すブロック図である。
【図2】上記アブソリュートエンコーダにおける第1の変位量検出部の構成を示すブロック図である。
【図3】上記アブソリュートエンコーダにおける第1の位相比較部の構成を示すブロック図である。
【図4】上記第1の位相比較部の動作タイミングを説明するための図である。
【図5】アブソリュート計測区間において第1の変位量検出回路で検出された位相量φmと、第2の変位量検出回路で検出された位相量φaとの関係を示す図である。
【図6】第1の変位量検出部で検出された位相量φmと、φaとφmとの位相差Δφ(=φa−φm)との関係を示す図である。
【図7】絶対位置合成部の構成例を示すブロック図である。
【図8】DC偏倚が乗じたときの第1のスケールの内挿誤差ΔXの例を示す図である。
【図9】λmアドレスAjの確定にかかる基本的な考え方を説明する図である。
【図10】λmアドレスAjの判定手順を示すフローチャートである。
【図11】上記絶対位置合成部のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 第1のスケール、2A,2B MRセンサ、2 第1の検出ヘッド、3 第1の変位量検出部、4 第1の位相比較部、5 第1のゲート回路、6 演算部、12 タイミング信号生成部、7 第2のスケール、8 第2の検出ヘッド、9 第2の変位量検出部、10 第2の位相比較部、11 第2のゲート回路、31,32 乗算器、33 加算増幅器、41 波形整形回路、42,43 第1及び第2の同期微分回路、44 JKフリップフロップ、61,62 パルスカウンタ、63 CPU、64 RAM、100 アブソリュートエンコーダ、161〜163 第1乃至第3のカウンタ、164 カウンタ制御回路、165〜167 第1乃至第3比較器、168 補正回路、169 加算回路、170 補数回路

Claims (3)

  1. 波長λmの目盛りが形成された第1のスケールと、該第1のスケールの信号を検出する第1の検出ヘッドと、上記第1のスケールと第1の検出ヘッドの相対的な変位量をキャリア周波数fの位相変調信号として取り出すように構成された第1の変位量検出手段と、上記第1のスケールと異なる波長λaの目盛りが形成された第2のスケールと、該第2のスケールの信号を検出する第2の検出ヘッドと、上記第2のスケールと第2の検出ヘッドとの相対的な変位量をキャリア周波数fの位相変調信号として取り出すように構成された第2の変位量検出手段と、上記第1の変位量検出手段より得られる位相変調信号と、第2の変位量検出手段から得られる位相変調信号との位相差を検出し、該位相差を用いて、第1のスケールの波長λmのN倍波長で繰り返す周期的な信号を得て、上記第1のスケールの波長のN倍区間をアブソリュートに検出するように構成したアブソリュートエンコーダにおいて、
    上記第1の変位量検出手段から得られるキャリア周波数fの位相変調信号を周波数fの基準信号と位相比較して第1のスケールの波長λm内における第1の検出ヘッドの絶対位置に対応したパルス幅変調信号を生成する第1の位相比較手段と、
    この第1の位相比較手段により生成されたパルス幅変調信号にキャリア周波数fのM倍のクロックパルスを内挿して第1のスケールの波長λm内における第1の検出ヘッドの絶対位置に対応した分解能R=λm/Mのパルス列に変換する第1のゲート回路と、
    上記第1の変位量検出手段から出力される位相変調信号と第2の変位量検出手段から出力される位相変調信号の位相差に対応するパルス幅変調信号を生成する第2の位相比較手段と、
    この第2の位相比較手段により生成されたパルス幅変調信号にキャリア周波数fのM倍のクロックパルスを内挿し、上記位相差に対応したパルス列に変換する第2のゲート回路と、
    この第2のゲート回路の出力を計数し、該計数値を波長λmの1区間に対応するパルス数M/N(以下、区間パルス数)で除算し、求められた商によって第1のスケールの波長λmのアドレス(以下、λmアドレス)を仮決定し、該剰余が、3つのゾーンに区分けされた区間パルス数M/N内のいずれに属するかを判別した後、λmアドレスの切替部に対応するゾーンに属する時は、第1のスケールの波長λm内の所定位置を基準として比較し、該比較結果に応じて上記仮決定したλmアドレスを補正して第1のスケールの波長λmのN倍区間内におけるλmアドレスを特定するとともに、該剰余が、中央部のゾーンに属する時は上記仮決定されたλmアドレスを無条件でλmアドレスとして特定するようになし、上記第1のゲート回路から出力されるパルス列を計数して第1のスケールの波長λm内の絶対位置と、上記特定されたλmアドレスとを合成する絶対位置合成手段とを備え、
    第1のスケールの波長λmのN倍区間に亘って分解能R=λm/Mで検出するように構成したことを特徴とするアブソリュートエンコーダ。
  2. 第1のスケールの波長λmと第2のスケールの波長λaを、N×λm=(N±1)×λa(ただし、nは正の整数でN=2若しくはN±1=2)に選ぶように構成したことを特徴とする請求項1記載のアブソリュートエンコーダ。
  3. 第1のスケールの波長λmを所望の分解能Rに対してM×R=λm(ただし、mは正の整数でM=2)に選ぶことにより、キャリア周波数fのM(=2)倍のクロックパルスを用いて第1のスケールの波長λm内の絶対位置を分解能R=λm/Mで検出することを特徴とする請求項1記載のアブソリュートエンコーダ。
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