JP4733290B2

JP4733290B2 - 田植機

Info

Publication number: JP4733290B2
Application number: JP2001152171A
Authority: JP
Inventors: 智史前川; 秀樹松岡; 誠井上
Original assignee: Yanmar Co Ltd
Current assignee: Yanmar Co Ltd
Priority date: 2001-05-22
Filing date: 2001-05-22
Publication date: 2011-07-27
Anticipated expiration: 2021-05-22
Also published as: JP2002340021A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は苗載台及び苗植付爪を備えて連続的に苗植作業を行う田植機に関する。
【０００２】
【発明が解決しようとする課題】
従来、特開２０００−３５０５０６号公報などにおいて、ステアリング操作時に操向クラッチの操作アームをロッドで直接的に動作させる構造の場合、ステアリング操作で操作に若干のブレが生じた場合にも操向クラッチに対する操作力が変化して操向クラッチの動作は不安定なものとなるため、操向クラッチの動作を安定させるための規制などが必要となる。
【０００３】
【課題を解決するための手段】
したがって本発明は、走行車１後側に昇降リンク機構２６を介して植付部１５を連結させ、ミッションケース４にフロントアクスルケース５を介して前輪６を支持させ、前記ミッションケース４後方のリヤアクスルケース７に後輪８を支持させ、前記ミッションケース４と前記リヤアクスルケース７とを連結フレーム７０にて連結させ、操向ハンドル１４と左右サイドクラッチ１２９，１３０とを連動連結させる田植機において、前記操向ハンドル１４のクラッチ操作力を操作カム１４２及びローラ１３９機構を介して前記サイドクラッチ１２９，１３０に伝達させるように構成し、前記ローラ１３９を有するクラッチ操作アーム１４０の支点アーム軸１３８と操作カム１４２の支点軸１４１を前記リヤアクスルケース７に設け、前記ミッションケース４にステアリングケース６４を設け、操向ハンドル１４操作と連動するステアリングアーム９８が前記ステアリングケース６４に配置され、前記ステアリングアーム９８にロッド９９・１００を介して操作カム１４２を連結させたものであるから、機体の旋回性能を向上させるものである。
【０００４】
また、サイドクラッチ操作の精度を向上させるものである。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図１は全体の側面図、図２は同平面図、図３は車体フレームの側面図、図４は同平面図を示し、図中１は作業者が搭乗する走行車であり、エンジン２を車体フレーム３に搭載させ、ミッションケース４側方にフロントアクスルケース５を介して水田走行用前輪６を支持させると共に、前記ミッションケース４後方のリヤアクスルケース７に水田走行用後輪８を支持させる。そして前記エンジン２等を覆うボンネット９両側に予備苗載台１０を取付けると共に、作業者が搭乗する車体カバー１１によって前記ミッションケース４等を覆い、前記車体カバー１１後側上方にシートフレーム１２を介して運転席１３を取付け、その運転席１３の前方で前記ボンネット９後部に操向ハンドル１４を設ける。
【０００６】
また、図中１５は５条植え用の苗載台１６並びに複数の苗植付爪１７などを具備する植付部であり、前高後低の合成樹脂製の前傾式苗載台１６を下部レール１８及びガイドレール１９を介して植付ケース２０に左右往復摺動自在に支持させると共に、一方向に等速回転させるロータリケース２１を前記植付ケース２０に支持させ、該ケース２１の回転軸芯を中心に対称位置に一対の爪ケース２２・２２を配設し、その爪ケース２２・２２先端に苗植付爪１７・１７を取付ける。
【０００７】
また、前記植付ケース２０前側のヒッチブラケット２３をトップリンク２４及びロワーリンク２５を含む昇降リンク機構２６を介し走行車１後側に連結させ、前記リンク機構２６を介して植付部１５を昇降させる油圧昇降シリンダ２７をロワーリンク２５に連結させ、前記前後輪６・８を走行駆動して移動すると同時に、左右に往復摺動させる苗載台１６から一株分の苗を植付爪１７によって取出し、連続的に苗植え作業を行うように構成する。
【０００８】
また、図中２８は主変速レバー、２９は植付昇降レバー、３０はブレーキペダル、３１はアクセルペダル、３２はデフロックペダル、３３は感度調節レバー、３４は植付部１５任意高さ位置に停止させるストップレバー、３５はユニットクラッチレバー３５であり、操向ハンドル１４位置近傍に主変速及び昇降レバー２８・２９やブレーキ及びアクセルペダル３０・３１を配設すると共に、運転席１３位置近傍に感度調節及びストップ及びユニットクラッチレバー３３・３４・３５やデフロックペダル３２を配設している。
【０００９】
さらに、図中３６は１条分均平用センタフロート、３７は２条分均平用サイドフロート、３８は肥料ホッパ３９内の肥料を送風機４０の送風力でフレキシブル形搬送ホース４１を介しフロート３６・３７の側条作溝器４２に排出させる５条用側条施肥機である。
【００１０】
図３乃至図５に示す如く、前記車体フレーム３は前部フレーム４３と中間フレーム４４と後部フレーム４５とに３分割させ、前部フレーム４３にエンジン２を、中間フレーム４４にフロントアクスルケース５を、後部フレーム４５にリヤアクスルケース７及びエンジン２に燃料を供給する燃料タンク４６などを設けるもので、前部フレーム４３は左右側フレーム４３ａ・４３ｂの前端を前フレーム４７で、中間をベースフレーム４８で相互に連結させて平面視４角枠状に形成し、左右側フレーム４３ａ・４３ｂの固定ブラケット４９とベースフレーム４８に防振ゴムを介しエンジン２を上載させるように構成している。
【００１１】
また、前記後部フレーム４５は左右側フレーム４５ａ・４５ｂの中間立上り部５０間をパイプフレーム５１と門形フレーム５２とで略平行に連結させると共に、リヤアクスルケース７に左右下端を固設する門形フレーム５３に左右側フレーム４５ａ・４５ｂの後端を一体連結させ、左右側フレーム４５ａ・４５ｂの立上り部５０間に燃料タンク４６を配設するように構成している。
【００１２】
さらに、前記中間フレーム４４は、前部左右側フレーム４３ａ・４３ｂの後端と後部左右側フレーム４５ａ・４５ｂの前端に左右中間フレーム４４の前後端をボルト５４を介し取外し自在に固定させると共に、左右中間フレーム４４の下面にボルト５５を介し左右フロントアクスルケース５を取外し自在に固定させ、前記ミッションケース４に左右フロントアクスルケース５を接続固定させるように構成している。
【００１３】
また、前部の左右側フレーム４３ａ・４３ｂの断面積を後部の左右側フレーム４５ａ・４５ｂより大に形成して、重量物のエンジン２を搭載する前部フレーム４３を堅固なものに形成すると共に、前部フレーム４３に比べ強度を必要としない中間フレーム４４や後部フレーム４５を軽量に形成して、前後バランスや強度バランスを良好とさせるように構成している。さらに分割させた前部フレーム４３・中間フレーム４４・後部フレーム４５にエンジン２・フロントアクスルケース５及びミッションケース４・リヤアクスルケース７などをそれぞれ分割させた状態で組立て一体化させることによって、組立性やメンテナンス性を向上させることができる。
【００１４】
そして、前部フレーム４３の前後外側と後部フレーム４５の前外側にステップフレーム５６・５７・５８を突設させ、これらフレーム５６・５７・５８の外側間を前パイプ５９で連結させ、後部フレーム４５の立上り部５０の上側間にブラケット６０を介し固設するステップフレーム６１と、前記フレーム５８の左右外側とに左右後パイプ６２を連結させ、左右後パイプ６２の後側間を横フレーム６２ａで連結させ、門形フレーム５３の上側水平部と横フレーム６２ａとステップフレーム６１の略中央部を前後方向の２本のフレーム６２ｂで連結させ、後パイプ６２前側の低位置の水平部に足踏台６３を着脱自在にボルト止め固定させ、前記門形フレーム５２とステップフレーム６１とにシートフレーム１２を介し運転席１３を支持させると共に、各フレーム５６・５７・５８・６１の上面に車体カバー１１を取外し自在に固定保持させるように構成している。
【００１５】
図６乃至図１３にも示す如く、前記ミッションケース４は前面左側にパワーステアリングケース６４、右側に油圧式無段変速機構（ＨＳＴ）６５をそれぞれ配設させ、無段変速機構６５の変速入力軸６６を車体前方向に突出させ、エンジン２下側で前後方向のカウンタ軸６７に入力軸６６を連結させると共に、エンジン出力軸６８に伝達ベルト６９を介し前記カウンタ軸６７を連結させて、エンジン出力を無段変速機構６５を介しミッションケース４に伝達するように構成している。
【００１６】
また、前記ミッションケース４とリヤアクスルケース７とは車体の中心ライン上でパイプ製の連結フレーム７０で一体連結させ、ミッションケース４後方に後走行出力軸７１及びＰＴＯ出力軸７２を突出させ、リヤアクスルケース７前方に突出させる入力軸７３に伝達軸７４を介し前記出力軸７１を連結させ、またリヤアクスルケース７上部の軸受７５に設ける中介軸７６に自在継手軸７７を介し前記ＰＴＯ出力軸７２を連結させ、前記植付ケース２０の入力軸に自在継手軸７８を介し中介軸７６を連結させるように構成している。
【００１７】
また、前記連結フレーム７０はフロント及びリヤアクスルケース５・７に接続させ、連結フレーム７０の後部上面にシリンダ取付座７９を固設して、車体の中心ライン上で昇降シリンダ２７の基端を取付座７９に支持させるように構成している。なお前記連結フレーム７０内を昇降シリンダ２７などの油圧の油タンクに用いても良く、またフロント及びアクスルケース５・７に連結フレーム７０を連通接続させて、これらケース５・７や連結フレーム７０内を油タンクに用いても良い。
【００１８】
図１４、図１５にも示す如く、前記リヤアクスルケース７は平面視で門形に形成し、ケース７両側の左右ギヤケース部８０外面にロープフック８１を固設すると共に、左右ギヤケース部８０間に形成される門形空間部８２に前記ロワーリンク２５を配設させるもので、アクスルケース７の中央上面に固定手段であるボルト８３を介しリンク軸受部材８４を固定させ、リンク軸受部材８４に前支点軸８５を介しロワーリンク２５の前端側を連結させ、昇降シリンダ２７のピストンロッド８６先端をロワーリンク２５に固定する枢着板２５ａに連結させ、前記ヒッチブラケット２３に後支点軸８８を介しロワーリンク２５の後端側を連結させ、門形フレーム５３とヒッチブラケット２３間を連結するトップリンク２４とによって植付部１５の昇降を行うように構成している。
【００１９】
前記ロワーリンク２５は４角パイプで形成し、前後支点軸８５・８８が嵌合する支点筒軸８９・９０をロワーリンク２５の前後端側に設けて、部品の軽量化と、ローリングなどに対する剛性向上を図るように構成している。
【００２０】
図１６、図１７にも示す如く、前記燃料タンク４６は運転席１３下方で後部左右側フレーム４５ａ・４５ｂの立上り部５０間の余剰スペースに配設させるもので、前記パイプフレーム５１の取付部材９１にボルト９２を介し取外し自在にタンク４６前端を固定させると共に、前記ステップフレーム６１の下側にボルト９３を介し固設するタンク取付板９４に、タンク４６中間の左右突出縁４６ａをボルト９５を介し固定させて、車体カバー１１後側の立上り部１１ａ内の車体中心ライン上で運転席１３と連結フレーム７０と左右側フレーム４５ａ・４５ｂとで囲まれたデッドスペースにバランス良好にタンク４６を配設するように構成している。
【００２１】
図８、図９にも示す如く、前記パワーステアリングケース６４は上側にトルクジェネレータ部９６を下側に遊星減速ギヤ機構部９７を有して縦長状に設け、隣接の変速機構６５との左右設置巾を小とさせコンパクトな配置を可能とさせて、左右前輪６の狭いトレッドにも良好に対応させるように構成している。
【００２２】
そして、前記パワーステアリングケース６４下側のステアリングアーム９８に第１及び第２ロッド９９・１００を介しリヤアクスルケース７内の左右サイドクラッチを操作するカム部材１０１を連結させるもので、連結フレーム７０を上下方向に貫通させる縦軸１０２の上下突出端に上下揺動アーム１０３・１０４を固定させ、連結フレーム７０より右側位置でステアリングアーム９８と下揺動アーム１０４間を第１ロッド９９で、また上揺動アーム１０３とカム部材１０１間を第２ロッド１００で連結させて、操向ハンドル１４操作に連動させた左右サイドクラッチの入切動作を行わせるように構成している。
【００２３】
上記からも明らかなように、機体を構成する車体フレーム３を前部フレーム４３と中間フレーム４４と後部フレーム４５とに３分割させたもので、車体フレーム３を長尺一体構造とするものに比べ、取扱及び組立性を良好とさせることができる。
【００２４】
また、中間フレーム４４にフロントアクスルケース５を連結させるもので、エンジン２などは前部フレーム４３に連結させたままの状態でミッションケース４とフロントアクスルケース５とを一体とさせた取付け及び取外しなどを容易に可能とさせて、ミッションケース４及びフロントアクスルケース５のメンテナンス性を向上させることができる。
【００２５】
さらに、前部フレーム４３の断面積を後部フレーム４５より大に形成すると共に、エンジン２を前部フレーム４３に支持させるもので、重量物のエンジン２を前部フレーム４３に強度良好に支持させると共に、機体後側に装備させる植付部１５との前後バランスを良好とさせて、機体の安定性を向上させることができる。
【００２６】
また、機体前側のミッションケース４と機体後側のリヤアクスルケース７とを一体連結させる連結フレーム７０を設けると共に、植付部１５を昇降させる植付昇降シリンダ２７を前記連結フレーム７０に取付けるもので、車体フレーム３にシリンダ荷重がかかるのを防止し、車体フレーム３のシンプル及び軽量化を容易に可能とさせると共に、シリンダ荷重を連結フレーム７０を介し前後輪６・８に良好に分担支持させて昇降シリンダ２７の取付強度を良好とさせ、大重量の昇降シリンダ２７の取付も容易に可能とさせることができる。
【００２７】
さらに、連結フレーム７０の上面に植付昇降シリンダ２７の取付座７９を設けるもので、連結フレーム７０に強度良好に昇降シリンダ２７を支持させると共に、機体下方の障害物より連結フレーム７０で昇降シリンダ２７を損傷なく保護してシリンダ２７性能を安定保持させることができる。
【００２８】
またさらに、連結フレーム７０上方でミッションケース４とリヤアクスルケース７とを後部フレーム４５を介して連結させて、ミッションケース４とリヤアクスルケース７と連結フレーム７０と後部フレーム４５（門形フレーム５３も含む）とでトラス構造に設けたもので、これらミッションケース４とリヤアクスルケース７と連結フレーム７０と後部フレーム４５とで形成する本機フレーム構造の軽量化と剛性の向上化を容易に図ることができる。
【００２９】
また、ステップである車体カバー１１後側のカバー立上り部１１ａから運転席１３下方にかけての車体カバー１１内に燃料タンク４６を配設させたもので、運転席１３下側のデッドスペースを有効利用し大容量の燃料タンク４６の設置を容易に可能とさせ、燃料のベーパーロック現象を防止してヒートバランスを良好とさせると共に、燃料タンク４６を機体の略中央位置に配置させて燃料の増減による機体の前後及び左右バランスの悪化を防止して機体の安定性を向上させることができる。
【００３０】
さらに、燃料タンク４６に対し植付部１５を昇降する植付昇降シリンダ２７と運転席１３とを側面視で上下方向にラップさせたもので、これら運転席１３・昇降シリンダ２７・燃料タンク４６の前後長を小とさせるコンパクトな機体組込みを容易に可能とさせて、機体の小型化を図ることができる。
【００３１】
またさらに、機体前側のミッションケース４と機体後側のリヤアクスルケース７とを一体連結させる連結フレーム７０上方に燃料タンク４６を配設させたもので、機体下方の障害物などから連結フレーム７０によって燃料タンク４６を保護して、燃料タンク４６の損傷防止を図ることができる。
【００３２】
また、本機側に昇降リンク機構２６を介し植付部１５を昇降自在に支持させた田植機において、昇降リンク機構２６を構成するロワーリンク２５の本機側取付部であるリンク軸受部材８４をリヤアクスルケース７に設けたもので、植付上昇時などにロワーリンク２５に加わる植付部１５の荷重を堅固なリヤアクスルフレーム７に良好に支持させて、植付部１５の支持強度を向上させ、車体フレーム３にロワーリンク２５を支持させる従来構造に比べ、車体フレーム３の軽量化を容易に可能とさせると共に、ロワーリンク２５の取外し及び取付けを容易とさせてロワーリンク２５の交換などのメンテナンス性を向上させることができる。
【００３３】
さらに、ロワーリンク２５にロワーリンク支点部である筒軸８９を一体的に形成すると共に、リヤアクスルケース７に取付部８４を介しロワーリンク２５前側のロワーリンク支点筒軸８９を回動自在に支持させたもので、部品点数を削減した簡単構造のものでリヤアクスルケース７にロワーリンク２５を良好に支持させて、植付部１５の確実な保持を可能とさせることができる。
【００３４】
また、リヤアクスルケース７を平面視門形に形成すると共に、リヤアクスルケース７の門形空間部８２にロワーリンク支点筒軸８９を配置させたもので、ロワーリンク支点筒軸８９を後輪８車軸に近接させ、本機と植付部１５を最大に近づけて、田植機体全長の縮小化を容易に可能とさせて機体の小型化を図ることができる。
【００３５】
さらに、ロワーリンク２５を単一のパイプ部材で形成すると共に、該パイプ部材の前後端部にロワーリンク２５の前後ロワーリンク支点筒軸８９・９０を設けたもので、本機及び植付部１５に対するロワーリンク２５の連結構造の簡略化を図ると共に、ロワーリンク２５の軽量化を図って機体の小型軽量化を容易に可能とさせることができる。
【００３６】
図１８乃至図２１に示す如く、前記変速機構６５の変速入力軸６６及び出力軸１０５は前後方向に同一ライン上で上下２段に設け、変速機構６５前方に突出させる入力軸６６を前記カウンタ軸６７に連結させ、変速機構６５後方に突出させる出力軸１０５を遊星減速ギヤ機構１０６を介してミッションケース４内のミッション入力軸１０７に連結させている。前記ギヤ機構１０６は変速出力軸１０５に連結するサンギヤ１０８と、サンギヤ１０８にプラネタリギヤ１０９を介し連結するインターナルギヤ１１０と、プラネタリギヤ１０９を軸支するキャリヤギヤ１１１と、変速入力軸６６に連結してキャリヤギヤ１１１とは結合するキャリヤ回転ギヤ１１２とを有し、インターナルギヤ１１０をミッション入力軸１０７に連結させて遊星減速ギヤ機構１０６からの減速出力をミッション入力軸１０７に伝達させるように構成している。
【００３７】
また、前記ミッションケース４内を前後方向に貫通させる油圧ポンプ１１３のポンプ軸１１４に変速入力軸６６を連結させると共に、前記後走行出力軸７１とＰＴＯ出力軸７２と施肥機３８用の施肥ＰＴＯ出力軸１１５とに各ギヤ機構１１６を介しミッション入力軸１０７を連結させるもので、ミッション入力軸１０７にカウンタ軸１１７を介し後走行出力軸７１を連結させて前進走行を行うと共に、ミッション入力軸１０７に直接的に後走行出力軸７１を連結させて後進走行を行うように構成している。
【００３８】
さらに、後走行出力軸７１に１対のギヤ１１８を介し前走行出力軸１１９を連結させ、該前走行出力軸１１９に１対の減速ベベルギヤ１２０及びデフ機構１２１を介し前輪６の左右輪軸１２２を連結させて前輪６の駆動を行う一方、前記カウンタ軸１１７に株間変速軸１２３を介しＰＴＯ出力軸７２を連結させ、前記施肥ＰＴＯ出力軸１１５に伝動チェン１２４を介し株間変速軸１２３を連結させて、各ＰＴＯ出力軸７２・１１５の駆動を行うように構成している。
【００３９】
このように、エンジン２・無段変速機構６５・遊星減速ギヤ機構１０６・ミッションケース４の変速ギヤ機構１１６を前後方向の縦１列状に順に配設して、このエンジン出力の駆動伝達系の簡略化を図ると共に、無段変速機構６５の変速入出力軸６６・１０５、前後出力軸７１・１１９、各ＰＴＯ出力軸７２・１１５を機体前後方向に配設し、ベベルギヤの使用を少なくさせるなどしてギヤ機構１１６の構造を簡単とさせて、ミッションケース４の軽量且つ小型化を図るように構成している。
【００４０】
また図６にも示す如く、前記無段変速機構６５はエンジン２後側で冷却風を取入れるエンジン吸気口１２５近傍に配設して、変速機構６５周辺の冷却風の流れによって冷却効果を高めて変速機構６５の性能の安定保持を図るように構成している。
【００４１】
上記からも明らかなように、エンジン駆動力を無段変速させる油圧式無段変速機構６５を備えた田植機において、無段変速機構６５の入力軸６６及び出力軸１０５を機体前後方向に設けると共に、ミッションケースの走行出力軸７１及びＰＴＯ出力軸２を機体前後方向に配設したもので、無段変速機構６５の入出力軸６６・１０５と、走行及びＰＴＯ出力軸７１・７２の方向を一致させてベベルギヤなどの使用を少なくした簡潔な連結を行って、これら駆動構造の簡単化を容易に図ることができる。
【００４２】
また、無段変速機構６５の入力軸６６及び出力軸１０５を上下に配設させたもので、無段変速機構６５の左右巾を縮小させ、無段変速機構６５近傍の余剰スペースを拡大させて、例えばステアリング装置６４など他部品の組込みも容易に可能とさせた無段変速機構６５のコンパクトな機体組込みを行うことができる。
【００４３】
さらに、無段変速機構６５の左右一側にステアリング装置であるパワーステアリングケース６４を配備させたもので、例えばミッションケース４前面などの所定箇所に無段変速機構６５とパワーステアリングケース６４の左右巾を縮小させたコンパクトな設置を可能とさせて、これら無段変速機構６５とステアリング装置６４のコンパクトな機体組込みを容易に可能とさせることができる。
【００４４】
またさらに、エンジン２の吸気側であるエンジン吸気口１２５に無段変速機構６５を配設したもので、エンジン２の吸気作用で有効に無段変速機構６５を冷却して、無段変速機構６５の性能の安定保持を図ることができる。
【００４５】
また、エンジン２の後側に無段変速機構６５・遊星減速ギヤ機構１０６・変速ギヤ機構１１６の順に各駆動系を配置させたもので、エンジン駆動力の伝達系の簡略化を図って、機体の小型軽量化を容易に可能とさせることができる。
【００４６】
図７、図１３、図１４にも示す如く、前記フロントアクスルケース４及びリヤアクスルケース７と連結フレーム７０の前後両端とはボルト止め固定とさせて寸法的に安定した取付けを行うと共に、前記自在継手軸７７に連結する中介軸６６の軸受７５と、ロワーリンク２５のリンク軸受部材８４をリヤアクスルケース７に強度良好に取付けて、従来の車体フレーム３にこれらを取付ける構造に比べ車体フレーム３のコンパクト且つ軽量化を図るように構成している。
【００４７】
また、前記自在継手軸７７と両端のヨーク１２６とは一体形成させて、部品点数や組立工数の削減を図ると共に、組立を容易とさせるように構成している。
【００４８】
図２２乃至図２４にも示す如く、前記リヤアクスルケース７は入力軸７３を１対のベベルギヤ１２７を介し左右方向の後走行駆動軸１２８に連結させ、左右サイドクラッチ１２９・１３０を介し左右サイドクラッチ軸１３１に後走行駆動軸１２８を連結させ、左右減速軸１３２に１対の減速ギヤ１３３を介し左右サイドクラッチ軸１３１を、また左右後輪８の左右輪軸１３４に１対の減速ギヤ１３５を介し左右減速軸１３２をそれぞれ連結させて、前記入力軸７３からの駆動力を左右サイドクラッチ１２９・１３０を介し左右後輪８に伝達させて、左右後輪８の同期した駆動や左右何れか一方の後輪８の駆動を行うように構成している。
【００４９】
また、前記後走行駆動軸１２８上にスライド自在に支持させて左右サイドクラッチ１２９・１３０の入切を行う左右クラッチ操作部材１３６を設け、該操作部材１３６に下端カム部１３７を接合させる左右アーム軸１３８の上端をリヤアクスルケース７の上面外側に突出させ、先端にローラ１３９を有する左右操作アーム１４０の基端を左右アーム軸１３８上端に固定させる一方、機体中心ライン上でリヤアクスルケース７上面の支点軸１４１に水平揺動自在に取付ける前記カム部材１０１の左右両端側にローラ１３９に接触させるローラ操作カム１４２を形成して、操向ハンドル１４で一定操舵角以上旋回操作するとき、左右一方の操作アーム１４０のローラ１３９にカム部材１０１の操作カム１４２を当接させ、操作アーム１４０の回動によってアーム軸１３８下端のカム部１３７をクラッチ操作部材１３６に当接させて、左右一方のサイドクラッチ１２９或いは１３０を切とさせ機体を切側に旋回させるように構成している。
【００５０】
また、前記カム部材１０１左右両側の操作カム１４２は、支点軸１４１を中心とした円弧面に形成し、支点軸１４１を中心としてカム部材１０１が水平回動し操作カム１４２とローラ１３９が接触した以後は操作アーム１４０を一定回動位置に保ってサイドクラッチ１２９・１３０の切操作量を一定保持させるように構成している。
【００５１】
上記からも明らかなように、ステアリング操作部である操向ハンドル１４と左右サイドクラッチ１２９・１３０とを連動連結させる田植機において、操向ハンドル１４からのクラッチ操作力をカム及びローラ機構である操作カム１４２及びローラ１３９を介しサイドクラッチ１２９・１３０に伝達させたもので、別途の規制部材など必要とすることなく、操向ハンドルの操作量に関係のない一定のクラッチ操作量を確保して正確なサイドクラッチ１２９・１３０の入切を行って機体の旋回性能を向上させることができる。
【００５２】
また、ローラ１３９を有するクラッチ操作アーム１４０の支点軸であるアーム軸１３８と操作カム１４２の支点軸１４１をリヤアクスルケース７に設けたもので、操作アーム１４０と操作カム１４２の軸芯間の精度を高めて、サイドクラッチ操作での精度を向上させることができる。
【００５３】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明は、走行車１後側に昇降リンク機構２６を介して植付部１５を連結させ、ミッションケース４にフロントアクスルケース５を介して前輪６を支持させ、前記ミッションケース４後方のリヤアクスルケース７に後輪８を支持させ、前記ミッションケース４と前記リヤアクスルケース７とを連結フレーム７０にて連結させ、操向ハンドル１４と左右サイドクラッチ１２９，１３０とを連動連結させる田植機において、前記操向ハンドル１４のクラッチ操作力を操作カム１４２及びローラ１３９機構を介して前記サイドクラッチ１２９，１３０に伝達させるように構成し、前記ローラ１３９を有するクラッチ操作アーム１４０の支点アーム軸１３８と操作カム１４２の支点軸１４１を前記リヤアクスルケース７に設け、前記ミッションケース４にステアリングケース６４を設け、操向ハンドル１４操作と連動するステアリングアーム９８が前記ステアリングケース６４に配置され、前記ステアリングアーム９８にロッド９９・１００を介して操作カム１４２を連結させたものであるから、機体の旋回性能を向上させることができるものである。
【００５４】
また、サイドクラッチ操作の精度を向上させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】田植機の全体側面図。
【図２】田植機の全体平面図。
【図３】走行車体の側面図。
【図４】走行車体の平面図。
【図５】車体フレームの側面図。
【図６】駆動部の側面説明図。
【図７】駆動部の平面説明図。
【図８】サイドクラッチ操作系の側面説明図。
【図９】サイドクラッチ操作系の平面説明図。
【図１０】車体の斜視説明図。
【図１１】車体の斜視説明図。
【図１２】車体の斜視説明図。
【図１３】駆動部の斜視説明図。
【図１４】昇降リンク部の斜視説明図。
【図１５】昇降リンク取付部の説明図。
【図１６】燃料タンク設置側面図。
【図１７】燃料タンク設置平面図。
【図１８】ミッションケースの断面説明図。
【図１９】ミッションケースの正面説明説明図。
【図２０】遊星減速ギヤ機構部の説明図。
【図２１】走行出力軸部の説明図。
【図２２】リヤアクスルケース部の断面説明。
【図２３】カム部材部の平面説明図。
【図２４】カム部材部の正面説明図。
【符号の説明】
７リヤアクスルケース
１４操向ハンドル（ステアリング操作部）
１２９・１３０サイドクラッチ
１３８アーム軸（支点軸）
１３９ローラ（ローラ機構）
１４０操作アーム
１４１支点軸
１４２操作カム（カム機構）

Claims

走行車１後側に昇降リンク機構２６を介して植付部１５を連結させ、ミッションケース４にフロントアクスルケース５を介して前輪６を支持させ、前記ミッションケース４後方のリヤアクスルケース７に後輪８を支持させ、前記ミッションケース４と前記リヤアクスルケース７とを連結フレーム７０にて連結させ、操向ハンドル１４と左右サイドクラッチ１２９，１３０とを連動連結させる田植機において、
前記操向ハンドル１４のクラッチ操作力を操作カム１４２及びローラ１３９機構を介して前記サイドクラッチ１２９，１３０に伝達させるように構成し、前記ローラ１３９を有するクラッチ操作アーム１４０の支点アーム軸１３８と操作カム１４２の支点軸１４１を前記リヤアクスルケース７に設け、
前記ミッションケース４にステアリングケース６４を設け、操向ハンドル１４操作と連動するステアリングアーム９８が前記ステアリングケース６４に配置され、前記ステアリングアーム９８にロッド９９・１００を介して操作カム１４２を連結させたことを特徴とする田植機。