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JP4712570B2 - 生理用タンポン - Google Patents

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JP4712570B2
JP4712570B2 JP2006024401A JP2006024401A JP4712570B2 JP 4712570 B2 JP4712570 B2 JP 4712570B2 JP 2006024401 A JP2006024401 A JP 2006024401A JP 2006024401 A JP2006024401 A JP 2006024401A JP 4712570 B2 JP4712570 B2 JP 4712570B2
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Description

本発明は、膣内に挿入して経血を吸収させるための生理用タンポンに関する。
近年、生理用タンポンとして、種々の製品が開発されている。生理用タンポンは、吸収性繊維素材が円柱状に圧縮成型された吸収体と、吸収体に当接され、吸収体の後端側に延出するコード部材とを有し、吸収体を膣内に挿入することにより吸収体が経血を吸収する。経血を吸収した吸収体は圧縮が解除されて膨張するため膣腔を閉塞し、その後連続して排出される経血を吸収する。使用後の生理用タンポンは、吸収体の後端から延出した取り出しコードを引っ張ることにより膣外に引き抜かれる。
コード部材と吸収体とは上糸と下糸からなる糸部材により縫着されている。ここで、使用後の生理用タンポンを膣外に引き抜く際、使用者が誤って糸部材の下糸のみを引っ張ってしまう事態がまれに発生していた。この場合、下糸が抜けて吸収体とコード部材とが分離してしまい、膣内に吸収体が残ってしまうというトラブルが発生する可能性があった。かかるトラブルの発生を防止するため、吸収体とコード部材を縫着する際、JIS B 9070に定められる「二重環縫い」により、コード部材の後端から、吸収体の先端に向かって縫われた生理用タンポンが開発されていた。二重環縫いは、末端の縫い目が解れたとき、縫い終わり部分の下糸のみを引っ張った場合には、下糸が抜けてしまい、縫い目全体が解けてしまうおそれがあるが、縫い始め部分の下糸を引っ張っても、縫い目全体が解けることはないという特徴を有する。このため、この生理用タンポンにおいては、二重環縫いの縫い始めがコード部材の後端に位置することにより、コード部材の後端において糸部材が解れた場合、仮に使用者が糸部材の下糸のみを引っ張ったとしても、縫い目全体が解けることがなく、コード部材と吸収体とが分離するというトラブルを防いでいた(特許文献1参照)。
実用新案登録第2534839号公報
しかしながら、生理用タンポンにおいては、コード部材は、吸収体との当接部分を含め、その全体が縫い付けられているのが一般的である(図7に示す従来例1参照)。コード部材全体を縫い付けた場合、コード部材の縫い目付近においては、コード部材を構成するそれぞれの単糸が互いに密着するため、縫い目付近における繊維の密度が増加して、密度勾配による毛管力が生じ、コード部材に経血を吸収する吸収力が生じていた。このため、このような生理用タンポンにおいては、コード部材全体に亘って存在する縫い目を伝って経血が漏れ出してしまい(伝い漏れ)、コード部材全体が経血により汚染されてしまうおそれがあった。コード部材が経血により汚染された場合、生理用タンポンの取り出しに際してコード部材の後端部を摘むときに、手指が経血によって汚染されることがあった。
さらに、コード部材において、本来縫い付けが必要とされる吸収体との当接部分のみならず、縫う必要のない吸収体後端から延出した部分も縫われているため、当該生理用タンポンはコード部材を縫うために多くの時間がかかっていた。このため、生産性が低くなり、さらに、糸部材の使用量も増えてしまうという問題点があった。
そこで、本発明は、吸収体とコード部材とを当接させた生理用タンポンにおいて、体液が伝い漏れしない生理用タンポンを提供すること、及び、生産性が高く、資材の使用量が少ない生理用タンポンを提供することを目的とする。
本発明者らは、液吸収性の吸収部材に引き抜き用のコード部材を当接させたタンポン用吸収体において、吸収部材とコード部材とを糸部材によって縫着する際に、コード部材のうち、吸収部材に当接していない部分の少なくとも一部を縫わないようにすることで、タンポン用吸収体を圧縮成型してなる生理用タンポンの使用時に体液の伝い漏れを防げること、さらに、かかる生理用タンポンにおいては、生産性が高められ、資材の使用量も少なく抑えられることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には本発明は以下のものを提供する。
(1) 液吸収性の吸収部材と、当該吸収部材に当接された引き抜き用のコード部材とを有するタンポン用吸収体であって、前記コード部材は、前記吸収部材に当接して少なくとも一部において糸部材で前記吸収部材と縫着される縫い部を備えた当接部分と、前記吸収部材と当接することなく引き抜き領域を形成する延出部分と、を備えるものであり、前記延出部分は、前記糸部材で縫われていない非縫い部を備えるものであるタンポン用吸収体。
ここで、「タンポン用吸収体」とは、生理用タンポンの製造過程において製造される中間体であって、タンポン用吸収体の有する吸収部材を圧縮成型していないものを指す。
また、「縫い部」には吸収部材に縫着されていない縫い部をも含んでいてもよい。
(1)の発明によれば、コード部材の延出部分が、糸部材で縫われていない非縫い部を備え、非縫い部においてはコード部材の密度が高くならないために密度勾配による毛管力を生じない。このため、コード部材の密度が高いという特徴を持つ縫い部で密度勾配による毛管力が生じて経血を吸収しても、吸収された経血が密度の低い非縫い部を越えて延出部分の末端まで伝わることがなく、コード部材の全体が経血により汚染される伝い漏れを防ぐことができる。また、糸部材がコード部材の全体を縫っていないため、使用後の生理用タンポンの引き抜き時に、使用者が誤って糸部材を引っ張ることにより縫い部に存在する縫い目のすべてが解けてしまうことがなく、吸収部材からコード部材が外れてしまうというトラブルが起こるのを防ぐことができる。
さらに、コード部材の全体を糸部材により縫っていないため、縫いに費やす時間を短縮して生産性を向上させることができ、さらには糸部材の使用量を少なく抑えて生産コストの低い生理用タンポンを提供することができる。
(2) 前記延出部分は、前記当接部分における前記縫い部とは独立した他の縫い部を少なくとも一つ備えるものである(1)記載のタンポン用吸収体。
(2)の発明によれば、延出部分の一部を縫った他の縫い部を備えるため、他の縫い部でコード部材を構成する単糸同士が互いに固定され、コード部材が完全に解れることを防ぐことができる。ここで、当接部分の縫い部を縫う糸部材と、延出部分の他の縫い部を縫う糸部材とは、同じものであってもよく、異なるものであってもよい。
(3) 前記コード部材は、前記他の縫い部を前記延出部分に一つ備えるものであり、前記当接部分における前記縫い部と前記延出部分における前記他の縫い部とは、前記非縫い部を挟んで互いに離間するように形成されるものである(2)記載のタンポン用吸収体。
(3)の発明によれば、吸収部材とコード部材を縫い付けるための縫い部と他の縫い部とが非縫い部を挟んで互いに離間しているため、タンポン用吸収体において、縫い部により生じた密度勾配による毛管力により、コード部材を伝わる経血が、非縫い部を超えて他の縫い部に伝わることがなく、他の縫い部が経血により汚染されることを防ぐことができる。また、縫い部と他の縫い部とが互いに離間するように形成されているため、万一、使用者が他の縫い部を縫っている糸部材を引っ張ることにより、他の縫い部に存在するすべての縫い目を解いてしまったとしても、縫い部に存在する縫い目は解けることがなく、吸収部材とコード部材との縫着された状態が保たれ、吸収部材からコード部材が外れてしまうというトラブルを防ぐことができる。
(4) 前記他の縫い部は、前記延出部分における自由端近傍に形成されたものである(3)記載のタンポン用吸収体。
ここで、「自由端」とは、タンポンの引き抜き方向におけるコード部材の端部を指し、「自由端近傍」とは、自由端及び自由端を含む所定領域である。
(4)の発明によれば、延出部分における自由端近傍が糸部材により縫われるため、自由端近傍において、コード部材を構成する単糸同士が互いに固定され、自由端におけるコード部材の解れを防ぐことができる。
(5) 前記縫い部の全長の比率が20%から90%である、(1)から(4)いずれか記載のタンポン用吸収体。
ここで、「縫い部の全長」とは、糸部材により縫われた部分の全長の累計のことであり、例えば、(1)の発明においては縫い部の全長を、(2)の発明においては縫い部の全長と他の縫い部の全長との合計を指す。
(5)の発明について、使用者の一回の生理期間の中では経血量が変化するが、一般にはこの経血量の変化に合わせて吸収部材の長さと目付とを変えて生理用タンポンを使用する。しかしながら、この吸収部材に接続するコード部材には、その機能を発揮させるために、一定の長さが必要である。即ち、吸収部材とコード部材が、体内から取り出すときに必要な力以上に接合強度を保つためには、縫い部全長の比率は20%以上が必要であり、また、縫い部全長の比率が90%以下であれば、非縫い部による液の伝わりによるコード部材の汚染を防ぐことができる。
(6) 前記吸収部材は平面矢羽状のものであり、前記コード部材は矢羽状の凸部より延出部分が延出するように取り付けられたものである(1)から(5)いずれか記載のタンポン用吸収体。
(6)の発明について、吸収部材の長さを長くすることは、吸収接触長さ(吸収体と膣の内壁とが接触する長さ)が長くなるため、漏れを軽減させるために有効な手段であるが、使用中に違和感を感じる原因となりやすい。この点、本発明のように矢羽状とすることにより、吸収部材の長さを長く伸ばしながらも、圧縮成型後に吸収体の前端、後端の両端において繊維量及び密度を下げることができるため、違和感の発生を防止することができる。また、取り出すときの抵抗を減らすことができ、使用後に容易に引き抜くことができる。
(7) 前記吸収部材は長手方向と短手方向とを有する縦長状のものであり、前記コード部材の前記当接部分は前記長手方向に沿って配されるものであって、前記当接部分の少なくとも一部において前記吸収部材と縫着される前記縫い部は、前記当接部分の、前記吸収部材の長手方向における両端部と当接する部分を除く部分に備えられるものである(1)から(6)いずれか記載のタンポン用吸収体。
(7)の発明について、本発明に係るタンポン用吸収体の吸収部材においては、当接部分の両端が縫われていない。タンポン用吸収体から生理用タンポンを製造する工程において、生理用タンポンは、一般的に、タンポン用吸収体の吸収部材を円筒状の圧縮金型で長尺状に圧縮し、さらに前後からプレス棒により圧縮することにより圧縮成型される。この前後への圧縮の際に吸収部材の付け根(後端部)にプレス棒が接するので、そこから延出するコード部材やコード部材を縫う糸部材に擦過による負荷がかかり、吸収部材の付け根(後端部)の強度が弱くなるおそれが生じる。この点、本発明によれば、吸収部材の両端において縫い部が存在していない(端部より内側に縫い部が存在する)ため、タンポン用吸収体の圧縮成型時に縫い部を構成する糸部材と圧縮成型装置とが接触することがなく、コード部材とこれを縫う糸部材に不必要な負荷がかかることがないため、圧縮成型に伴い吸収部材の付け根(後端部)の強度が弱くなることを防止することができる。
(8) (1)から(7)いずれか記載のタンポン用吸収体を略円柱状に圧縮成型してなる生理用タンポンを、膣内に挿入するためのアプリケーターに収納したアプリケータータイプ生理用タンポン。
(8)の発明によれば、生理用タンポンの膣内への挿入時にアプリケーターを用いることができるため、初心者でも生理用タンポンを膣内に容易に挿入することができ、一般に使いやすい生理用タンポンを提供することができる。
本発明によれば、コード部材の延出部分において少なくとも一部に非縫い部を有するようにすることにより、コード部材の全体が経血により汚染されることを防ぐことができる。さらに、延出部分の全体を糸部材により縫っていないため、コード部材を縫うために多くの時間を費やすことがなく、生理用タンポンの生産性を高め、あるいは、コード部材を縫う際の速度を抑えて縫いの精度をあげることもでき、さらには糸部材の使用量を少なく抑えることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
<第一の実施形態>
まず、本発明の実施に好適な第一の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[タンポン用吸収体の基本構成]
図1は本実施形態に係る、タンポン用吸収体1の概略図を示した図面である。また、図6はタンポン用吸収体1から製造される、生理用タンポン5を示した図面である。本実施形態に係るタンポン用吸収体1は、平面矢羽状の吸収部材10と、一部が吸収部材10の一方の面の長手方向略中心線上に当接し、一部が吸収部材10の矢羽状の凸部から長く延出するコード部材20と、からなる。図6に示すように、タンポン用吸収体1は、吸収部材10を略円柱形の吸収体10bに圧縮成型することにより生理用タンポン5に製造され、生理用タンポン5は必要に応じてアプリケーター(図示しない)に収納された状態で市販されている。
[吸収部材]
図2には、本実施形態に係るタンポン用吸収体1を、図1に示したX−X線で切断したときの断面及びその周辺の構造を示す。図2に示されるように、吸収部材10は、吸収性繊維素材を有する吸収層14と、吸収層14を短手方向に周回するように覆う液透過性の表面材12とからなる。
吸収部材10の寸法は、長手方向全長が30mm〜90mm、短手方向全長が30mm〜70mmである。吸収部材10を略円柱形に圧縮成型した後の吸収体10bの寸法は、全長は20mm〜60mmのものが好ましく、直径は8mm〜20mmのものが好ましい。吸収体10bの全長が20mm未満では、十分な吸収力が発揮されず、反対に全長が60mm以上では、膣の奥まで挿入できた場合でも、違和感を感じる部位までタンポンが存在するようになり、使用時における違和感の発生の原因となる。
なお、本実施形態において、吸収部材10は矢羽状の形状のものを用いているがこれに限定されない。即ち、吸収部材10の形状は縦長のものであればどのようなものでもよく、例えば、長方形、楕円形などが挙げられる。また、吸収部材10はシート状であればよく、また、吸収部材10は、最終的にシート状になっていればよく、セーラー折りによる折り重ねや、巻き込み断面構造を潰してシート状にしたものでもよい。
(吸収層)
吸収層14に用いられる吸収性繊維素材としては、例えば、コットン、レーヨンや合成繊維などの親水性繊維が用いられる。吸収層14は、好ましくは、目付150g/m〜1500g/m、厚みが0.1mm〜0.9mm程度の繊維ウェブ、不織布又は織物を単数又は複数枚重ね、結果、好ましくは厚み1.0mm〜15.0mm、より好ましくは2.0mm〜10mmとなったものが用いられる。繊維ウェブ、不織布としては、合成繊維シートのようなものをベースに、カードウェブ、エアレイ法、ウェッドレイド法などで成型されたものがある。なお、吸収層14には、親水性繊維とともに疎水性繊維や、親水処理が施された疎水性繊維が混入されていてもよい。また、吸収層14には高吸水性ポリマーなど、吸水機能を持った化合物が混入されていてもよい。
(表面材)
液透過性の表面材12としては、疎水性繊維で形成された不織布や開孔処理を施した開孔フィルム等が挙げられる。表面材12に用いる不織布の種類としては特に限定されないが、例えば、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド不織布などが用いられ、疎水性繊維としては特に限定されないが、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの各繊維が用いられる。不織布の目付は8g/m〜40g/mのものが好ましい。また、開孔フィルムとしては、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系フィルムが好ましい。
[コード部材]
コード部材20は、吸収部材10の一方の面の長手方向略中心線上に当接し、吸収部材10に当接する当接部分L1と、吸収部材10に当接せず、吸収部材10の矢羽状の凸部から延出する延出部分L2と、当接部分L1の少なくとも一部において、糸部材30により吸収部材10とコード部材20とを縫着する際に形成される縫い部24とを有する。コード部材20は、図示しない複数の木綿糸やポリエステル糸などの単糸を縒り合わせた、木綿糸又は複合糸からなる。コード部材20は、使用時に尿などによって汚染されることを防止するため、パラフィン付着加工などにより撥水加工が施されていることが好ましい。生理用タンポン5は一般的な基準で、コード部材20の延出部分L2の長さは最小の長さが80mm以上であることが必要とされるが、最大の長さは160mm程度までが好ましい。ここで、吸収部材の長さが30mm〜90mmであるとした場合には、コード部材全体の長さは110mm以上250mm以下の範囲内であることが好ましい。
(当接部分)
当接部分L1の全長としては、30mm〜90mmであることが好ましい。当接部分L1は、少なくとも一部において、吸収部材10と当接部分L1とを糸部材30により縫着する、縫い部24を有する。なお、本実施形態においては、当接部分L1と吸収部材10とは、吸収部材10の長手方向略中心線上において当接されるが、特にこれに限定されない。即ち、当接部分L1と吸収部材10とは、使用後の生理用タンポン5を膣外に引き抜く上で、支障のない形態で適宜当接させることができる。
(延出部分)
延出部分L2の全長としては、80mm〜160mmであることが好ましく、120mm〜140mmであることがさらに好ましい。延出部分L2は少なくとも一部において、糸部材30により縫われていない非縫い部22を有する。
(縫い部)
縫い部24は、糸部材30によって吸収部材10と当接部分L1とを縫着する際に形成される、吸収部材10と当接部分L1が縫着された縫い付け部242を備える。縫い部24は、当接部分L1の一部であってもよいし、当接部分L1の全体に及んでもよい。また、縫い部24は、その一部が当接部分L1に隣接する領域に及んでもよい。この場合、縫い部24はさらに、非縫い付け部241、243を備える。本実施形態においては、縫い部の全長の比率は、コード部材20の全長に対して、20%〜90%となる。縫い部24を縫う糸部材30としては、特に限定されないが、例えば、木綿糸などの単糸を複数縒り合わせたものが用いられ、必要に応じてパラフィン付着加工などによる撥水加工が施される。
[タンポン用吸収体の作用、効果]
本実施形態のタンポン用吸収体1は、吸収部材10が略円柱状に圧縮成型され、生理用タンポン5に成型される。生理用タンポン5は、使用に際して、アプリケーターを用いて、あるいは手指により、膣内に挿入される。挿入された生理用タンポン5は、吸収体10bが膣内にとどまり、延出部分L2は膣外に延出する。膣内においては、経血が表面材12を透過して吸収層14に浸透し、浸透した経血は吸収層14を構成する親水性繊維によって吸収、保持される。経血を吸収した吸収層14は、圧縮が解消されて膨張するため、吸収体10bが膣腔を閉塞する。吸収体10bが膣腔を閉塞することにより、その後連続して排出される経血を吸収することができる。
多量の経血が排出された場合、経血は吸収体10bの芯部にまで至る。吸収体10bで保持しきれなくなった経血は、吸収体10bから、コード部材20の当接部分L1に至る。当接部分L1の縫い部24においては、糸部材30による圧迫力でコード部材20の単糸同士が密着しているため、密度勾配により毛管力が生じて経血を吸収する吸収力が発生する。このため、縫い部24は経血により汚染される。しかしながら、上記従来例1とは異なり、この経血は、毛管力が生じていない非縫い部22に伝わることはない。このため、コード部材20の全体が経血により汚染されることがなく、使用者が生理用タンポン5を引き抜くときに、手指を汚さずに引き抜くことができる。
さらに、コード部材20の全体を糸部材30により縫っていないため、縫いに費やす時間を短縮して生産性を向上させることができ、あるいは、縫いに費やす時間が、従来よりも長くならない程度にまで縫いの速度を低下させることにより、縫いぶれの少ないタンポン用吸収体1を安定して生産することも可能になる。さらには糸部材30の使用量を少なく抑えて生産コストの低い生理用タンポン5を提供することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の実施に好適な第2の実施形態について図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態では、前記第1の実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を簡略する場合がある。
[コード部材]
図3は本実施形態に係る、タンポン用吸収体1の概略図を示した図面である。タンポン用吸収体1を構成するコード部材20には、当接部分L1の少なくとも一部に、第一の縫い部24aを有し、延出部分L2の少なくとも一部に第二の縫い部24bを有する。第一の縫い部24aは、その一部が当接部分L1に隣接する領域に及んでもよい。この場合、第一の縫い部24aは、縫い付け部242のほか、非縫い付け部241、243を有する。第一の縫い部24aと第二の縫い部24bとは非縫い部22を挟んで互いに離間している。また、コード部材20は、生理用タンポンの引き抜き方向における端部である自由端26を有するが、第二の縫い部24bはこの自由端26を含む領域に形成される。第一の縫い部24aの全長と第二の縫い部24bの全長とを合計した縫い部の全長の比率は、コード部材20の全長に対して、20%〜90%となる。
[タンポン用吸収体の作用、効果]
本実施形態のタンポン用吸収体1は、吸収部材10が略円柱状に圧縮成型され、生理用タンポンとして市販されている。生理用タンポンにおいては、第二の縫い部24bを有するため、コード部材20の自由端26において、コード部材20を構成する単糸同士が互いに固定され、コード部材20が自由端26において解れにくくなる。このため、生理用タンポンの使用後に、使用者が生理用タンポンを引き抜く際、コード部材20を引っ張りやすくなる。
<実施例1>
(タンポン用吸収体の構成)
図1に示すように、本実施例においては、当接部分L1の60mmに加えて、延出部分L2のうち当接部分L1に隣接する部位の27.5mm、及びコード部材20から当接部分L1と延出部分L2を除いた残部の10mmを糸部材30により縫い付けた。即ち、縫い部の全長は97.5mmとした。コード部材20の全長は195mmであり、したがって、縫い部の全長の比率は50%(97.5/195)となった。糸部材30は、木綿糸40番手を3本縒り合せた木綿糸を用いた。
本実施例に係るタンポン用吸収体1の吸収部材10には、吸収層14としてレーヨン100%、目付880g/mの繊維集合シートを用い、表面材12としてはポリエチレンテレフタレート100%、目付12g/mのスパンボンド不織布を用いた。吸収部材10は平面矢羽状の形状で、長手方向の寸法(矢羽状の凸部から矢羽状の凹部までの寸法)が60mm、短手方向の寸法が40mmのものを用いた。このタンポン用吸収体1を略円柱形に圧縮成型し、生理用タンポン5に成型した。
コード部材20は、木綿糸10番手を8本とポリエステル糸10番手を6本とを縒り合わせた複合糸を、パラフィン付着加工により撥水加工したものを用いた。コード部材20の全長195mmのうち、当接部分L1の寸法を60mm、延出部分L2の寸法を125mmとした。
(タンポン用吸収体の製造方法)
図8に本実施例に係るタンポン用吸収体1の製造方法の概略図を示す。以下に、本実施例に係るタンポン用吸収体1の製造方法について説明する。
まず、本実施例に係るタンポン用吸収体1の製造に当たっては、所定方向Sに向かってコード部材20を繰り出した。繰り出されるコード部材20の長さは、コード部材の繰り出し手段からコード部材20を繰り出す速度を調整することにより調整することができる。繰り出されたコード部材20に対して、方向Sと略直行する方向Tに、略U字状の弛み部28aを複数形成した。それぞれの弛み部28aの間隔は97.5mmとした。弛み部28aを形成する手段としては、例えば、略直線状に配置された固定ガイド72と、互いに隣接する二つの固定ガイド72に重ならない位置に配置され、方向Tに移動できる可動ガイド74とでコード部材を挟み、可動ガイド74の移動に伴って、弛み部28aを方向Tに突出させる手段が挙げられる。
弛み部28aが形成された後は、互いに隣接する弛み部28aの間に位置する直線部28bに平面矢羽状の吸収部材10を配置した。この際、直線部28bを吸収部材10の長手方向略中心線上に当接させ、矢羽状の凸部から直近の固定ガイド72までの距離が27.5mmとなるように配置した。それぞれの直線部28bは方向Sに沿って略直線状に配置した。それぞれの直線部28bとこれに当接する吸収部材10とを該直線に沿って糸部材30により連続的に縫うことにより、それぞれの吸収部材10と当接する当接部分L1において、縫い部24を形成した。吸収部材10とコード部材20とは、一の糸部材30により縫われるため、互いに隣接する吸収部材10の間には、糸部材30の一部である糸連結部32が形成される。糸連結部32をカッター76などによって切断することにより、互いに隣接する二つの吸収部材10を縫う糸部材30を離間させた。
糸連結部32を切断した後は、各吸収部材10の間隔を調整することにより、コード部材20を方向Sに向かって略直線状に伸ばした。次いで、互いに隣接する吸収部材10の間に形成される、コード連結部28cを、矢羽状の凹部から10mmの位置で切断することにより、タンポン用吸収体1が製造した。
なお、本実施例におけるタンポン用吸収体1を製造する際には、糸連結部32を切断してからコード連結部28cを切断しているが、これに限定されない。即ち、糸連結部32とコード連結部28cとを一のカッターによって同時に切断することにより、タンポン用吸収体1を製造してもよい。
上記製造方法により製造されたタンポン用吸収体1は、吸収部材10を略円柱状に圧縮成型することにより、生理用タンポン5を製造することができる。
(効果)
本実施例に係る生理用タンポン5においては、当接部分L1及び当接部分L1に隣接する領域のみが糸部材30により縫われているため、多量の経血が排出された場合でも、経血が伝い漏れせず、使用後の生理用タンポン5を、手指を汚さずに引き抜くことができるようになっている。さらに、製造過程においては、タンポン用吸収体1の縫い工程に費やす時間を軽減でき、糸部材30の使用量も少なく抑えることができた。
<実施例2>
(タンポン用吸収体の構成)
図4に示すように、本実施例においては、当接部分L1の両端各5mmを除いた50mmを糸部材30により縫い付けた。即ち、縫い部の全長は50mmとした。コード部材20の全長は195mmであり、したがって、縫い部の全長の比率は26%(50/195)となった。
本実施例に係るタンポン用吸収体1の吸収部材10、コード部材20、及び糸部材30は実施例1と同様のものを用いた。コード部材20における当接部分L1と延出部分L2の寸法も、実施例1と同様である。
(タンポン用吸収体の製造方法)
本実施例に係るタンポン用吸収体の製造方法については、それぞれの弛み部28aの間隔は50mmとしたこと、及び、吸収部材10を直線部28bに配置する際に、吸収部材10上の、矢羽状の凹部及び凸部からそれぞれ5mmの位置に固定ガイド72が位置する様、固定ガイド72を配置したことを除いては、実施例1に係るタンポン用吸収体1の製造方法と同じである。
(効果)
本実施例に係る生理用タンポン5においては、当接部分L1に含まれる一部の領域のみが糸部材30により縫われているため、多量の経血が排出された場合でも、経血が伝い漏れせず、使用後の生理用タンポン5を、手指を汚さずに引き抜くことができるようになっている。さらに、製造過程においては、タンポン用吸収体1の縫い工程に費やす時間を軽減でき、糸部材30の使用量もより一層少なく抑えることができた。
さらに、本実施例に係るタンポン用吸収体1の吸収部材10においては、当接部分L1の両端が縫われていない。タンポン用吸収体1から生理用タンポン5を製造する工程において、生理用タンポン5は、一般的に、タンポン用吸収体1の吸収部材10を円筒状の圧縮金型で長尺状に圧縮し、さらに前後からプレス棒により圧縮することにより圧縮成型される。この前後への圧縮の際に吸収部材の付け根(後端部)にプレス棒が接するので、そこから延出するコード部材20やコード部材20を縫う糸部材30に擦過による負荷がかかり、吸収部材の付け根(後端部)の強度が弱くなるおそれが生じる。この点、本実施例によれば、吸収部材10の両端において縫い部が存在していない(端部より内側に縫い部が存在する)ため、タンポン用吸収体1の圧縮成型時に縫い部24を構成する糸部材30と圧縮成型装置とが接触することがなく、コード部材20とこれを縫う糸部材30に不必要な負荷がかかることがないため、圧縮成型に伴い吸収部材の付け根(後端部)の強度が弱くなることを防止することができる。
<実施例3>
(タンポン用吸収体の構成)
図3に示すように、本実施例においては、当接部分L1の60mmに加えて、延出部分L2のうち当接部分L1に隣接する部位の7.5mm、及びコード部材20から当接部分L1と延出部分L2を除いた残部の10mmを糸部材30により縫い付けた(第一の縫い部24a)。さらに、延出部分L2において、自由端26を含む領域20mmを糸部材30により縫った(第二の縫い部24b)。第一の縫い部24aと第二の縫い部24bの間には糸部材30により縫われていない非縫い部22を設けた。第一の縫い部24aと第二の縫い部24bとを合わせた縫い部の全長は97.5mmとした。コード部材20の全長は195mmであり、したがって、縫い部の全長の比率は50%(97.5/195)となった。
本実施例に係るタンポン用吸収体1の吸収部材10、コード部材20、及び糸部材30は実施例1と同様のものを用いた。コード部材20における当接部分L1と延出部分L2の寸法も、実施例1と同様である。
(タンポン用吸収体の製造方法)
本実施例に係るタンポン用吸収体の製造方法については、吸収部材10を直線部28bに配置する際に、矢羽状の凸部から直近の固定ガイド72までの距離が7.5mmとなるように配置したことを除いては、実施例1に係るタンポン用吸収体1の製造方法と同じである。
(効果)
本実施例に係る生理用タンポンにおいては、第一の縫い部24aと第二の縫い部24bが非縫い部22を挟んで互いに離間しているため、多量の経血が排出された場合でも、経血が非縫い部22を越えて伝い漏れせず、使用後の生理用タンポンを、手指を汚さずに引き抜くことができるようになっている。また、延出部分L2の自由端26を含む領域が糸部材30により縫われているため、使用後の生理用タンポンを引き抜く際にコード部材20が自由端26近傍において解れることが防止できるようになっている。さらに、製造過程においては、タンポン用吸収体1の縫い工程に費やす時間を軽減でき、糸部材30の使用量も少なく抑えることができた。
<実施例4>
(タンポン用吸収体の構成)
図3に示すように、本実施例においては、当接部分L1の65mmに加えて、延出部分L2のうち当接部分L1に隣接する部位の5mm、及びコード部材20から当接部分L1と延出部分L2を除いた残部の10mmを糸部材30により縫い付けた(第一の縫い部24a)。さらに、延出部分L2において、自由端26を含む領域20mmを糸部材30により縫った(第二の縫い部24b)。第一の縫い部24aと第二の縫い部24bの間には糸部材30により縫われていない非縫い部22を設けた。第一の縫い部24aと第二の縫い部24bとを合わせた縫い部の全長は100mmとした。コード部材20の全長は205mmであり、したがって、縫い部の全長の比率は49%(100/205)となった。
本実施例に係るタンポン用吸収体1の吸収部材10は、長手方向の寸法(矢羽状の凸部から矢羽状の凹部までの寸法)が65mmである点を除いては、実施例1で用いたものと同様である。
コード部材20には、実施例1で用いたものと同様な素材のものを用い、コード部材20の全長205mmのうち、当接部分L1の寸法を65mm、延出部分L2の寸法を125mmとした。糸部材30も実施例1と同様のものを用いた。
(タンポン用吸収体の製造方法)
本実施例に係るタンポン用吸収体の製造方法については、それぞれの弛み部28aの間隔は100mmとしたこと、及び、吸収部材10を直線部28bに配置する際に、矢羽状の凸部から直近の固定ガイド72までの距離が5mmとなるように配置したことを除いては、実施例1に係るタンポン用吸収体1の製造方法と同じである。
<実施例5>
(タンポン用吸収体の構成)
図5に示すように、本実施例においては、矢羽状の凸部、凹部からそれぞれ5mmに切れ込みを入れた切れ込み入り吸収部材10aを用い、当接部分L1の両端各5mmを除いた55mmを糸部材30により縫い付けた。即ち、縫い部の全長は55mmとした。コード部材20の全長は205mmであり、したがって、縫い部の全長の比率は27%(55/205)となった。
本実施例に係るタンポン用吸収体1の吸収部材10は、長手方向の寸法(矢羽状の凸部から矢羽状の凹部までの寸法)が65mmである点を除いては、実施例1で用いたものと同様である。
コード部材20は、実施例1で用いたものと同様な素材のものを用い、コード部材20の全長205mmのうち、当接部分L1の寸法を65mm、延出部分L2の寸法を130mmとした。糸部材30も実施例1と同様のものを用いた。
本実施例に係る生理用タンポン5においては、延出部分L2が糸部材30により縫われていないが、延出部分L2において、自由端26を含む領域20mmを糸部材30により縫ったものであってもよい。この場合、縫い部の全長は75mmで、縫い部の全長の比率は37%(75/205)となる。
(タンポン用吸収体の製造方法)
図9に本実施例に係るタンポン用吸収体1の製造方法の概略図を示す。以下に、本実施例に係るタンポン用吸収体1の製造方法について説明する。
まず、本実施例に係るタンポン用吸収体1の製造にあたっては、吸収層と、吸収層を短手方向に周回する表面材とからなる略帯状の部材16を略直線状に延出し、挿通部形成手段94により略帯状の部材16の長手方向略中心線上に、一定間隔で挿通部18を設けた。
次いで、コード部材20を繰り出し、コード部材に略U字状の弛み部28aを形成するための弛み部形成手段によって、コード部材20に一定間隔で弛み部28aを形成させた。弛み部形成手段としては、例えば、開口部を有する複数の円筒部材92を一定間隔で有し、当該円筒部材92の内部を陰圧にすることによって、円筒部材92の開口部に接するコード部材20を所定の長さだけ吸引し、弛み部28aを形成させる手段が挙げられる。
コード部材20は、略帯状の部材16の一方の面の長手方向略中心線上に当接させた。この際、それぞれの挿通部18が形成されている部位に弛み部28aを配置させた。弛み部28aは挿通手段により、挿通部18を通して略帯状の部材16の他方の面の側に挿通させた。挿通手段としては、例えば、前記弛み部形成手段と連動するものであって、弛み部28aの形成に際してコード部材を吸引した円筒部材92の開口部を挿通部18にあてがい、円筒部材92の内部を陽圧にすることにより、弛み部28aを噴出して、弛み部28aを挿通部18に挿通させる手段が挙げられる。
略帯状の部材16とこれに当接するコード部材20とを糸部材30により、略帯状の部材16の長手方向略中心線に沿って連続的に縫った。これにより、略帯状の部材16とコード部材20とが当接する当接部分L1において、縫い部24が形成された。略帯状の部材16とコード部材20とは、一の糸部材30により縫われるため、挿通部18が形成されている部位に、糸部材30の一部である糸連結部32が形成された。糸連結部32をカッター76などによって切断することにより、互いに糸部材30を挿通部18において離間させることができた。なお、糸連結部32を切断する際には、略帯状の部材16の一部も切断された。
糸連結部32を切断した後は、略帯状の部材16を、挿通部18を含む切断面において矢羽状に切断し、吸収部材10を形成した。各吸収部材10の間隔を調整することにより、コード部材20を所定方向に向かって略直線状に伸ばした。次いで、互いに隣接する吸収部材10の間に形成される、コード連結部28cを矢羽状の凹部から10mmの位置で切断することにより、タンポン用吸収体1が製造された。
なお、本実施例におけるタンポン用吸収体1を製造する際には、糸連結部32を切断してから略帯状の部材16を、次いでコード連結部28cを切断しているが、これに限定されない。即ち、糸連結部32、略帯状の部材16及びコード連結部28cを一のカッターによって同時に切断することにより、タンポン用吸収体1を製造してもよい。
上記製造方法により製造されたタンポン用吸収体1は、吸収部材10を略円柱状に圧縮成型することにより、生理用タンポン5を製造することができる。
<実施例6>
表1〜表3には、本発明において可能なタンポン用吸収体1の寸法を示した。各表においては、実施例1により示された製造方法を製造方法1とし、実施例5に示された製造方法を製造方法2として、それぞれの製造方法により製造されたタンポン用吸収体1の寸法を示した。
Figure 0004712570
表1中のA1〜A7は、それぞれ図10中のA1〜A7に対応する。A1は吸収部材10または切れ込み入り吸収部材10aの長手方向の寸法(矢羽状の凹部から矢羽状の凸部までの寸法)を示し、A2はコード部材20の全長を示し、A3は縫い部24または第一の縫い部24aのうち、吸収部材10において、糸部材30により縫われた長さの全長を示す。A4は縫い部24または第一の縫い部24aのうち、コード部材20から当接部分L1と延出部分L2を除いた残部において、糸部材30により縫われた長さの全長を示し、A5は延出部分L2の全長を示し、A6は縫い部24または第一の縫い部24aのうち、延出部分L2の当接部分L1に隣接する部位において、糸部材30により縫われた長さの全長を示し、A7は第二の縫い部24bの全長を示す。さらに、Rはコード部材20の全長に対する、縫い部の全長の比率を示す。
表1に示したタンポン用吸収体1をその特長により分類すると、a〜cの4つの種別に分類される。種別aにおいては、吸収部材10または切れ込み入り吸収部材10aの全長が長いため、種別aのタンポン用吸収体1から成型される生理用タンポン5は吸収力が高く、経血の排出量が多いときに用いるのに適している。種別bにおいては、吸収部材10または切れ込み入り吸収部材10aの全長が中程度であるため、種別bのタンポン用吸収体1から成型される生理用タンポン5は吸収力が中程度で、経血の排出量が中程度のときに用いるのに適している。種別cにおいては、吸収部材10または切れ込み入り吸収部材10aの全長が短く、種別cのタンポン用吸収体1から成型される生理用タンポン5は膣内に挿入しやすい。このため、生理用タンポン5の使用に使い慣れていない使用者が使用するのに適している。
なお、「製造方法1(第二の縫い部あり)」には、製造方法1により製造されたタンポン用吸収体1のうち、第二の縫い部24bを有するタンポン用吸収体1の寸法を示し、「製造方法1(縫い最大)」には、本発明に係るタンポン用吸収体1において、Rが許容されうる最大の値をとるときの、タンポン用吸収体1の寸法を示した。
Figure 0004712570
表2には、Rを50%としたときに、タンポン用吸収体1がとりうる寸法を示した。なお、表2中で用いられているA1〜A7、a〜c、及び「製造方法1(第二の縫い部あり)」の意味は表1で説明した意味と同様である。
Figure 0004712570
表3には吸収部材10または切れ込み入り吸収部材10aの長手方向の寸法(矢尻状の凹部から矢尻状の凸部までの寸法)が最大値をとるときの、タンポン用吸収体の寸法を示した。ここで、種別e〜種別fのタンポン用吸収体1では、コード部材20の全長が異なり、種別eのコード部材20の全長がもっとも長く、種別fのコード部材20の全長がもっとも短い。なお、表3中で用いられているA1〜A7、「製造方法1(第二の縫い部あり)」、「製造方法1(縫い最大)」の意味は表1で説明した意味と同様である。
<実施例7>
(吸収性試験)
図11に示すように、糸部材30により、縫い部を全く設けていないコード部材20aと、糸部材30により、縫い部を全体に設けたコード部材20bとを、それぞれ3本ずつ用意した。図11の点線で囲まれた部分には、コード部材20a及び20bの拡大図を示した。コード部材20としては木綿糸10番手を8本とポリエステル糸10番手を6本とを縒り合わせた複合糸に、パラフィンにより撥水加工したものを用い、糸部材30としては、木綿糸40番手を3本縒り合せた木綿糸に、パラフィンにより撥水加工したものを用いた。それぞれのコード部材の一端を棒100に固定し、他端をおもり102に結びつけた。次いで、おもり102をバッド104に置き、それぞれのコード部材を垂直に伸ばして、バッド104にSyngina液を注いで、20℃で3時間放置し、それぞれのコード部材がSyngina液を吸い上げる度合いを調べた。縫い部を全く設けていないコード部材20aにおいては、Syngina液を吸い上げることはなかった。一方で、縫い部を全体に設けたコード部材20bではSyngina液を液面から平均4mm吸い上げた。
なお、Syngina液とは、生理用タンポンの吸収性試験において、当業者により経血の代わりに用いられる水溶液である。具体的には、10gの塩化ナトリウムを1リットルの蒸留水又は脱イオン水に溶解した塩化ナトリウム溶液に、0.5gの着色料を溶解した水溶液である。着色料としては、例えば、酸性フクシン、Fisher F97認定生物学的着色剤、カラー指数N°42685:Fisher Scientific社又はFruchterot色素、E144又はポンソーCochenillerot124又は食用赤色40号を例示できる。
以上の結果より、縫い部を全く設けていないコード部材20aでは縫い部を全体に設けたコード部材20bに比べ、Syngina液の吸収力が弱いことが判明した。
本発明に係るタンポン用吸収体を示す図面である。 本発明に係るタンポン用吸収体の断面図を示す図面である。 本発明に係るタンポン用吸収体を示す図面である。 本発明に係るタンポン用吸収体を示す図面である。 本発明に係るタンポン用吸収体を示す図面である。 本発明に係る生理用タンポンを示す図面である。 従来例に係るタンポン用吸収体を示す図面である。 本発明に係るタンポン用吸収体の製造方法を示す図面である。 本発明に係るタンポン用吸収体の製造方法を示す図面である。 本発明に係るタンポン用吸収体を示す図面である。 本実施例に係る吸収性試験の概要を示した図面である。
符号の説明
1 タンポン用吸収体
5 生理用タンポン
10 吸収部材
10a 切れ込み入り吸収部材
10b 吸収体
12 表面材
14 吸収層
16 帯状の部材
18 挿通部
20 コード部材
20a 縫い部を全く設けていないコード部材
20b 縫い部を全体に設けたコード部材
22 非縫い部
24 縫い部
24a 第一の縫い部
24b 第二の縫い部
26 自由端
28a 弛み部
28b 直線部
28c コード連結部
30 糸部材
32 糸連結部
72 固定ガイド
74 移動ガイド
76 カッター
92 円筒部材
94 挿通部形成手段
100 棒
102 おもり
104 バッド
241 非縫い付け部
242 縫い付け部
243 非縫い付け部
L1 当接部分
L2 延出部分

Claims (5)

  1. 液吸収性の吸収部材と、当該吸収部材に接合された引き抜き用のコード部材とを有するタンポン用吸収体であって、
    前記コード部材は、前記吸収部材に当接して少なくとも一部において糸部材で前記吸収部材と縫着される縫い部を備えた当接部分と、前記吸収部材と当接することなく引き抜き領域を形成する延出部分と、を備えるものであり、
    前記延出部分は、前記糸部材で縫われていない非縫い部と、前記当接部分における前記縫い部から前記非縫い部を挟んで互いに離間する他の縫い部とを備え、
    前記他の縫い部は、前記延出部分における自由端近傍に形成されたものであるタンポン用吸収体。
  2. 前記縫い部の全長の比率が20%から90%である、請求項記載のタンポン用吸収体。
  3. 前記吸収部材は平面矢羽状のものであり、前記コード部材は矢羽状の凸部より延出部分が延出するように取り付けられたものである請求項1または2記載のタンポン用吸収体。
  4. 前記吸収部材は長手方向と短手方向とを有する縦長状のものであり、前記コード部材の前記当接部分は前記長手方向に沿って配されるものであって、
    前記当接部分の少なくとも一部において前記吸収部材と縫着される前記縫い部は、前記当接部分の、前記吸収部材の長手方向における両端部と当接する部分を除く部分に備えられるものである請求項1からいずれか記載のタンポン用吸収体。
  5. 請求項1からいずれか記載のタンポン用吸収体を略円柱状に圧搾成型してなる生理用タンポンを、膣内に挿入するためのアプリケーターに収納したアプリケータータイプ生理用タンポン。
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