JP4696740B2 - パネル、その施工構造及びパネル表装材層の更新方法 - Google Patents
パネル、その施工構造及びパネル表装材層の更新方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4696740B2 JP4696740B2 JP2005207282A JP2005207282A JP4696740B2 JP 4696740 B2 JP4696740 B2 JP 4696740B2 JP 2005207282 A JP2005207282 A JP 2005207282A JP 2005207282 A JP2005207282 A JP 2005207282A JP 4696740 B2 JP4696740 B2 JP 4696740B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thin plate
- panel
- layer
- material layer
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Steam Or Hot-Water Central Heating Systems (AREA)
- Floor Finish (AREA)
Description
該薄板が複数層積層され、且つ重なり合う少なくとも2層の薄板同士が剥離可能とされているパネルであって、少なくとも最上層薄板を含む前記表装材層側の薄板(以下、「上 位薄板」という。)の側方に隣接して、該上位薄板よりも下側の薄板(以下、「下位薄板 」という。)と、前記表装材層との間に、将来の表装材層の更新時に該表装材層を該下位 薄板に付着させるために使用される、シート状の予備結合体が配置されていることを特徴とするものである。
請求項24,25,35によれば、予備結合体の一部が下位薄板に付着しており、位置ズレすることが防止される。
図1aはパネルの参考例を示す断面図であり、図1bは図1aの拡大図である。なお、図1aにおいては説明の便宜上各部材を切り剥して示しているが、これらは実際には図1bに示すように積層一体化されている。図1cは積層手順を示す断面図である。図2は、図1a〜1cの床暖房パネル表装材層の更新方法の参考例を示す断面図である。なお、図1a,1b,1c,2において、図3に示す部材と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
図1a,1bに示す床暖房パネルは、一方の板面(上面)に配管収容用の溝12が設けられており、溝12内に配管13が配設された温調用基体としての板状の基体11と、この溝12内に配設された熱媒流通用の配管13と、基体11上に積層された2枚の薄板14A,14Bと、薄板14Bの上に積層された表装材層16とを備える。薄板14Aは熱拡散薄板であり、その上面(基体11と反対側の面)には樹脂コーティング層18が設けられている。以下、この樹脂コーティング層18が設けられた薄板14Aを最下層薄板14Jと称す。また、表装材層16は、薄板14B側のクッション材層16Aと、その上に積層された床表面材層16Bとを備える。
基体11の材質は特に限定されないが、通常、断熱性に富んだ発泡合成樹脂製のものが好ましく、発泡合成樹脂製の板状体、具体的には、ポリウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体、ポリ塩化ビニル発泡体、ポリメチルメタクリレート発泡体、ポリカーボネート発泡体、ポリフェニレンオキサイド発泡体、ポリスチレンとポリエチレン混合物の発泡体などが挙げられる。中でも、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体などが好適である。基体11を構成するこれらの板状体の厚さは、通常9〜50mmの範囲内で選ぶのが好ましい。
基体11の一方の板面には、配管13を配設するための溝12が基体11の側辺に沿って、複数本刻設されている。
配管13には、通常可撓性チューブが使用され、具体的には架橋ポリエチレン管、ポリブテン管などの樹脂管、銅管、鋼管などの金属管のいずれを用いても良い。このうち、金属管は樹脂管に比べて高熱伝導率であるものの重量が重く、加工性、発錆等の問題があり、また、コストも高くなるため、放冷熱パネルの用途に応じて適宜使用される。
配管13に通す熱媒(温熱媒体)としては、温水、水蒸気、加熱オイル、あるいはエチレングリコール系水溶液、プロピレングリコール系水溶液などの不凍液などが挙げられるが、好ましくは温水である。
一方、冷熱媒体としては通常冷水が用いられる。
薄板14A,14Bは、配管13を固定すると共に、配管13の熱を表装材層16へ均熱化させて伝熱する機能を有することが好ましく、本参考例において複数層設ける薄板(第1の実施態様においては薄板14A、14B)のうち少なくとも1層、好ましくは薄板14Aは熱拡散薄板として金属箔を用いることが好ましい。金属箔の種類としては、アルミニウム箔、錫箔、ステンレススチール箔、銅箔などが挙げられる。中でも、製造の難易、コストなどの観点からアルミニウム箔が好適である。金属箔の厚さは、薄すぎると強度が十分でなく、厚すぎると製品が重くなるばかりでなく、コストがかさむので、1枚当たりの薄板の厚さとして通常10μm以上2mm以下の範囲で選ぶのが好ましい。金属箔以外の薄板としては、材質については、樹脂フィルム、樹脂シート、炭素繊維シート、またはこれらを少なくとも2種類以上積層したもの等が挙げられ、その厚さは通常10μm〜2mmである。
穴の配列は、ランダム、薄板全域に規則的な配列のどちらでも良いが、工業生産上は、薄板全域に規則的に設けた方が好ましい。
穴を設ける代わりに、付着用材料を散点状又は線状(ストライプ状)に設けることによっても、薄板同士の間の空気残留を防止することができる。
樹脂コーティング層18は、薄板14Aと薄板14Bとの剥離を容易として床暖房パネルの更新を容易なものとするために設けられるものである。
表装材層としては特に制限はないが、薄板側のクッション材層16Aと、この上に積層された床表面材層16Bとを備えるものが好ましい。ただし、クッション材層は必ずしも必要とされず、床表面材層のみでもよい。また、表装材層をクッション材層16Aと床表面材層16Bとで構成する場合には、クッション材層16Aと床表面材層16Bとが、付着用材料19D(詳細は後述)により付着されていることが好ましい。
本参考例においては、(i)前記基体と最下層薄板(詳細は後述)、(ii)前記薄板同士、(iii)前記表装材層に接する薄板(以下、「最上層薄板」という。)と表装材層が、それぞれ、付着用材料(図1では19A〜19D)により付着されていることが好ましい。
付着用材料19A〜19Dとしては、後述の接着力の相互関係を十分に満たすものであり、これと接する床暖房パネルの構成部材を侵食したりすることのないものであれば良く、各種の接着剤や粘着剤、両面テープを用いることができる。これらの付着用材料による各部材の接着は、全面接着であることが好ましいが、面積の3%以上を接着する部分接着であっても良い。部分接着の場合、接着部の形状は線状、散点状等のいずれであっても良いが、特に金属箔等の薄板を他の薄板や、基体、クッション材層等と接着する場合には、少なくともその全周縁は接着部とすることが好ましい。
本参考例のパネルでは、複数層積層された薄板のうち、重なり合う少なくとも2層の薄板(図1においては、最下層薄板14Jと薄板14B)同士が剥離可能とされている。好ましくは、基体に接する薄板(最下層薄板)と基体との接着力が、最下層薄板に隣接して積層される薄板(次層薄板)と該最下層薄板との接着力よりも大きくすることにより、表装材層を更新する際、床暖房パネルの上層である表装材層から順に剥していく際に、最下層薄板に隣接して積層される次層薄板と最下層薄板との間を容易に剥離させて、最下層薄板を基体側に残し、この最下層薄板の上に新たな薄板層を積層し、その上に表装材層を積層することにより、基体を破損することなく表装材層を更新する。
(a)基体と最下層薄板(基体11と最下層薄板14J)との接着力:通常3〜30N、好ましくは5〜20N
(b)最下層薄板(最下層薄板14J)とその上に積層された次層薄板(薄板14B)との接着力:通常1〜27N、好ましくは2〜18N
本参考例のパネルは、所定の積層構造で部材間に付着用材料を設けて各部材を積層一体化することにより製造、施工される。
上述のような本参考例のパネルの表装材層を交換するには、隣接し、剥離可能に積層された薄板同士の間を剥がすことによって、表装材層と少なくとも1層の薄板を取り除いた後、残留する薄板上に、新たな薄板を介して、新たな表装材層を積層する。好ましくは、最下層薄板と最下層薄板に隣接する次層薄板との間を剥がすことによって、表装材層と、最下層薄板以外の薄板とを取り除いた後、残留する最下層薄板上に、新たな薄板を介して、新たな表装材層を積層する。
上記の図1d(2)のように次層薄板14Bを最下層薄板14Jから剥し取るに際して、作業者が指先や工具で次層薄板14Bを摘んで引き剥がすに際し、最下層薄板14Jも一緒に摘んで引き剥がしてしまうおそれがある。
このようにすることによって、非接着部が存在する薄板同士の間から、非接着部よりも上側の薄板と表装材層とを取り除くことができ、パネル表装材層の更新が可能となる。
上記図1,2の参考例では、配管13が配設された溝12付きの温調用基体11が用いられているが、本参考例では図4に示すように溝なしの基体(平板基体)11Aを用いても良い。図4(a)は、基体として平板基体11Aを用いた場合の本参考例のパネル(このパネルは、床、壁、天井のいずれにも適用可能であることは、図1,2に示すパネルと同様であるが、熱媒流通用の配管が配設されていないため、このパネル単独では暖房及び冷房を行うことはできない。)の参考例を示す断面図であり、図4(b)は図4(a)の拡大図である。図4において、図1に示す部材と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
図1,2では基体11が1枚だけ、また図4では基体11A(平板基体)が1枚だけ示されている。しかし、本参考例においては、基体を、複数枚並列配置して基体並列体としてもよい。そして、この基体並列体の上に、複数積層された薄板のうちの少なくとも1層が、各基体並列体上を横断するように積層されていてもよい。このようなパネルの具体例について以下説明する。
図5は、このようなパネルの参考例を示す断面図である。
以下、上位薄板(薄板21,23)の幅と他の部材との幅の関係の具体例について説明する。
基体11,11Aの材質は特に限定されないが、通常、断熱性に富んだ発泡合成樹脂製のものが好ましく、発泡合成樹脂製の板状体、具体的には、ポリウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体、ポリ塩化ビニル発泡体、ポリメチルメタクリレート発泡体、ポリカーボネート発泡体、ポリフェニレンオキサイド発泡体、ポリスチレンとポリエチレン混合物の発泡体などが挙げられる。中でも、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体などが好適である。基体11,11Aを構成するこれらの板状体の厚さは、通常9〜50mmの範囲内で選ぶのが好ましい。
基体(温調用基体)11の一方の板面には、配管13を配設するための溝12が基体11の側辺に沿って、複数本刻設されている。
配管13には、通常可撓性チューブが使用され、具体的には架橋ポリエチレン管、ポリブテン管などの樹脂管、銅管、鋼管などの金属管のいずれを用いても良い。このうち、金属管は樹脂管に比べて高熱伝導率であるものの重量が重く、加工性、発錆等の問題があり、また、コストも高くなるため、放冷熱パネルの用途に応じて適宜使用される。
配管13に通す熱媒(温熱媒体)としては、温水、水蒸気、加熱オイル、あるいはエチレングリコール系水溶液、プロピレングリコール系水溶液などの不凍液などが挙げられるが、好ましくは温水である。
一方、冷熱媒体としては通常冷水が用いられる。
薄板14A,21,23は、配管13を固定すると共に、配管13の熱を表装材層16へ均熱化させて伝熱する機能を有することが好ましく、本参考例において複数層設ける薄板(第3の参考例においては薄板14A、21,23)のうち少なくとも1層、好ましくは薄板14Aは熱拡散薄板として金属箔を用いることが好ましい。金属箔の種類としては、アルミニウム箔、錫箔、ステンレススチール箔、銅箔などが挙げられる。中でも、製造の難易、コストなどの観点からアルミニウム箔が好適である。金属箔の厚さは、薄すぎると強度が十分でなく、厚すぎると製品が重くなるばかりでなく、コストがかさむので、1枚当たりの薄板の厚さとして通常10μm以上2mm以下の範囲で選ぶのが好ましい。金属箔以外の薄板としては、材質については、樹脂フィルム、樹脂シート、炭素繊維シート、またはこれらを少なくとも2種類以上積層したもの等が挙げられ、その厚さは通常10μm〜2mmである。
穴の配列は、ランダム、規則的な配列のどちらでも良いが、工業生産上は、規則的に設けた方が好ましい。
樹脂コーティング層18は、薄板14Aと薄板21Bとの剥離を容易として床暖房パネルの更新を容易なものとするために設けられるものである。
表装材層としては特に制限はない。例えば、第1の参考例と同様とすればよい。具体的には、薄板側のクッション材層と、この上に積層された床表面材層とを備えるものが好ましい。ただし、クッション材層は必ずしも必要とされず、床表面材層のみでもよい。図5は、クッション材層を設けず、床表面材層のみで表装材層16を構成した側を示すが、更にクッション材層を設けても良い。
付着用材料も、第1の参考例と同様とすればよい。以下具体例を説明する。
付着用材料19A,20,22,24としては、後述の接着力の相互関係を十分に満たすものであり、これと接する床暖房パネルの構成部材を侵食したりすることのないものであれば良く、各種の接着剤や粘着剤、両面テープを用いることができる。これらの付着用材料による各部材の接着は、全面接着であることが好ましいが、面積の3%以上を接着する部分接着であっても良い。部分接着の場合、接着部の形状は線状、散点状等のいずれであっても良いが、特に金属箔等の薄板を他の薄板や、基体、クッション材層等と接着する場合には、少なくともその全周縁は接着部とすることが好ましい。
本参考例のパネルでは、複数層積層された薄板のうち、重なり合う少なくとも2層の薄板(図5においては、最下層薄板14Jと薄板21)同士が剥離可能とされている。好ましくは、基体に接する薄板(最下層薄板)と基体との接着力が、最下層薄板に隣接して積層される薄板(次層薄板)と該最下層薄板との接着力よりも大きくすることにより、表装材層を更新する際、床暖房パネルの上層である表装材層から順に剥していく際に、最下層薄板に隣接して積層される次層薄板と最下層薄板との間を容易に剥離させて、最下層薄板を基体側に残し、この最下層薄板の上に新たな薄板層を積層し、その上に表装材層を積層することにより、基体を破損することなく表装材層を更新する。
(a)基体と最下層薄板(基体11,11Aと最下層薄板14J)との接着力:通常3〜30N、好ましくは5〜20N
(b)最下層薄板(最下層薄板14J)とその上に積層された次層薄板(薄板21)との接着力:通常1〜27N、好ましくは2〜18N
図6(a)は、1枚の薄板52の片側に粘着剤層51を設けた結合体50を図5の付着用材料20,22と、薄板21,23との積層物の代替として用いたパネルの断面図、図6(b)は図6(a)のB部分の拡大図、図6(c)は結合体50の層構成を示す断面図、図7は図6における予備結合体50’の構成を示す断面図、図8,9は図6の表装材層を更新する施工説明断面図である。図12は表装材層の固定構造を示す断面図である。
基体11,11Aの材質は特に限定されないが、通常、断熱性に富んだ発泡合成樹脂製のものが好ましく、発泡合成樹脂製の板状体、具体的には、ポリウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体、ポリ塩化ビニル発泡体、ポリメチルメタクリレート発泡体、ポリカーボネート発泡体、ポリフェニレンオキサイド発泡体、ポリスチレンとポリエチレン混合物の発泡体などが挙げられる。中でも、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体などが好適である。基体11,11Aを構成するこれらの板状体の厚さは、通常9〜50mmの範囲内で選ぶのが好ましい。
基体(温調用基体)11の一方の板面には、配管13を配設するための溝12が基体11の側辺に沿って、複数本刻設されている。
配管13には、通常可撓性チューブが使用され、具体的には架橋ポリエチレン管、ポリブテン管などの樹脂管、銅管、鋼管などの金属管のいずれを用いても良い。このうち、金属管は樹脂管に比べて高熱伝導率であるものの重量が重く、加工性、発錆等の問題があり、また、コストも高くなるため、放冷熱パネルの用途に応じて適宜使用される。
配管13に通す熱媒(温熱媒体)としては、温水、水蒸気、加熱オイル、あるいはエチレングリコール系水溶液、プロピレングリコール系水溶液などの不凍液などが挙げられるが、好ましくは温水である。
一方、冷熱媒体としては通常冷水が用いられる。
薄板14A,52は、配管13を固定すると共に、配管13の熱を表装材層16へ均熱化させて伝熱する機能を有することが好ましく、本発明において複数層設ける薄板(第4の実施態様においては薄板14A、52)のうち少なくとも1層、好ましくは薄板14Aは熱拡散薄板として金属箔を用いることが好ましい。金属箔の種類としては、アルミニウム箔、錫箔、ステンレススチール箔、銅箔などが挙げられる。中でも、製造の難易、コストなどの観点からアルミニウム箔が好適である。金属箔の厚さは、薄すぎると強度が十分でなく、厚すぎると製品が重くなるばかりでなく、コストがかさむので、1枚当たりの薄板の厚さとして通常10μm以上2mm以下の範囲で選ぶのが好ましい。金属箔以外の薄板としては、材質については、樹脂フィルム、樹脂シート、炭素繊維シート、またはこれらを少なくとも2種類以上積層したもの等が挙げられ、その厚さは通常10μm〜2mmである。
穴の配列は、ランダム、規則的な配列のどちらでも良いが、工業生産上は、規則的に設けた方が好ましい。
なお、穴を設ける代わりに、付着用材料を散点状又は線状に設けてもよい。
樹脂コーティング層18は、薄板14Aと薄板52との剥離を容易として床暖房パネルの更新を容易なものとするために設けられるものである。
表装材層としては特に制限はない。例えば、第1の参考例と同様とすればよい。具体的には、薄板側のクッション材層と、この上に積層された床表面材層とを備えるものが好ましい。ただし、クッション材層は必ずしも必要とされず、床表面材層のみでもよい。図6〜12は、クッション材層を設けず、床表面材層のみで表装材層16を構成した側を示すが、更にクッション材層を設けても良い。
付着用材料も、第1の参考例と同様とすればよい。以下具体例を説明する。
付着用材料19A,粘着剤層51,53の付着用材料としては、後述の接着力の相互関係を十分に満たすものであり、これと接する床暖房パネルの構成部材を侵食したりすることのないものであれば良く、各種の接着剤や粘着剤、両面テープを用いることができる。これらの付着用材料による各部材の接着は、全面接着であることが好ましいが、面積の3%以上を接着する部分接着であっても良い。部分接着の場合、接着部の形状は線状、散点状等のいずれであっても良いが、特に金属箔等の薄板を他の薄板や、基体、クッション材層等と接着する場合には、少なくともその全周縁は接着部とすることが好ましい。
本発明のパネルでは、複数層積層された薄板のうち、重なり合う少なくとも2層の薄板(図6〜12においては、最下層薄板14Jと薄板52)同士が剥離可能とされている。好ましくは、基体に接する薄板(最下層薄板)と基体との接着力が、最下層薄板に隣接して積層される薄板(次層薄板)と該最下層薄板との接着力よりも大きくすることにより、表装材層を更新する際、床暖房パネルの上層である表装材層から順に剥していく際に、最下層薄板に隣接して積層される次層薄板と最下層薄板との間を容易に剥離させて、最下層薄板を基体側に残し、この最下層薄板の上に新たな薄板層を積層し、その上に表装材層を積層することにより、基体を破損することなく表装材層を更新する。
0237法」と称す。)により測定される。
(a)基体と最下層薄板(基体11,11Aと最下層薄板14J)との接着力:通常3〜30N、好ましくは5〜20N
(b)最下層薄板(最下層薄板14J)とその上に積層された次層薄板(薄板52)との接着力:通常1〜27N、好ましくは2〜18N
本発明のパネルは、床、壁又は天井に施工されることが好ましい。
本発明のパネルは、前述の温調用基体11と平板基体11Aとを組み合わせて様々な施工構造を構成することができる。具体的には、パネルを、中央領域に位置するパネルと、外周囲に位置するパネルとから構成し、中央領域に位置するパネルの基体の少なくとも一部が、温調用基体であり、外周囲に位置するパネルの基体は平板基体とすることが好ましい。このような具体例について以下説明する。
また、図13(b)に示す如く、温調用基体11のみで室の中央領域を形成し、その外周領域に平板基体11Bを配置した構成とすることもできる。
図1に示す床暖房パネルを形成した。床暖房パネルの構成部材として用いたものは次の通りである。
基体11:下記の溝12を形成した厚さ12mmのポリスチレン発泡体製板状体
溝形状:断面U字形
溝開口幅:8mm
溝深さ:7.2mm
配管13:外径7.2mm、内径5mmの架橋ポリエチレン管
最下層薄板14J:厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートのコーティング
層を熱融着することにより、厚さ40μmのアルミニウム箔
に形成したもの
薄板14B:厚さ40μmのアルミニウム箔
クッション材層16A:厚さ4mmのポリエステル系の不織布
床表面材層16B:厚さ9mmの合板フローリング
付着用材料19A:基体11と最下層薄板14Jとの間はアクリル系粘着材によ
り全面接着した。接着力:15N
付着用材料19B:最下層薄板14Jと薄板14Bとの間はアクリル系粘着材に
より全面接着した。接着力:10N
付着用材料19C:薄板14Bとクッション材層16Aとの間はウレタン系接着材に
より全面接着した。接着力:4N(但し、クッション層材の材破
による強度)、実接着力:50N以上
付着用材料19D:クッション材層16Aと床表面材層16Bとの間はウレタン系接
着材により全面接着した。接着力:4N(但し、クッション層材
の材破による強度)、実接着力:50N以上
(上記付着用材料19C,19Dの接着力4Nとは、JIS Z 0237法により実際に測定したウレタン系接着剤の接着力であり、この場合、クッション材層が材破する。実接着力50N以上とは、JIS Z 0237法により測定し、クッション材層が材破しない場合を想定した予想値である。)
実験例1において、薄板14Bを設けず、クッション材層16を最下層薄板14Jに直接接着したこと以外は同様にして床暖房パネルを形成した。なお、クッション材層16と最下層薄板14Jとの接着はウレタン系接着剤により行い、その接着力は50Nであった。
11A,11B 平板基体
12 溝
13 配管
14,14A,14B,14B’ 薄板
14J 樹脂コート薄板
16 表装材層
16A,16A’ クッション材層
16B,16B’ 床表面材層
18 樹脂コーティング層
19A,19B,19B’,19C,19C’,19D,19D’ 付着用材料
50 結合体
50’,50” 予備結合体
80 非接着部
Claims (16)
- 板状の基体と、該基体の一方の板面に積層された薄板と、該薄板の前記基体とは反対側の面に積層された表装材層とを有するパネルにおいて、
該薄板が複数層積層され、且つ重なり合う少なくとも2層の薄板同士が剥離可能とされているパネルであって、
少なくとも最上層薄板を含む前記表装材層側の薄板(以下、「上位薄板」という。)の 側方に隣接して、該上位薄板よりも下側の薄板(以下、「下位薄板」という。)と、前記 表装材層との間に、将来の表装材層の更新時に該表装材層を該下位薄板に付着させるため に使用される、シート状の予備結合体が配置されていることを特徴とするパネル。 - 請求項1において、前記基体が、複数並列配置されて基体並列体を構成しており、
該基体並列体の上に、複数層積層された前記薄板のうちの少なくとも1層が、各基体並列体上を横断するように積層されていることを特徴とするパネル。 - 請求項2において、前記基体のうち一部のものは、前記一方の板面に溝が設けられ、該溝内に熱媒流通用配管が配設された温調用基体であり、
前記基体のうち他のものは、該溝及び熱媒流通用配管を具備しない平板基体であり、
該温調用基体と該平板基体とが交互に配列されていることを特徴とするパネル。 - 請求項3において、前記上位薄板は、前記平板基体と略等幅又はそれよりも若干大きい幅を有しており、該平板基体の上方に配置されていることを特徴とするパネル。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記予備結合体は、前記上位薄板と略等幅の薄板状本体部と、該薄板状本体部上の少なくとも一方の面上に設けられた粘着剤層と、該粘着剤層を隠蔽する離型紙が一体化されたものであることを特徴とするパネル。
- 請求項5において、前記予備結合体の粘着剤層の一部は前記離型紙で覆われておらず、
この離型紙で覆われていない粘着剤層を介して前記予備結合体が部分的に前記下位薄板側に付着していることを特徴とするパネル。 - 請求項6において、前記予備結合体の前記離型紙で覆われていない粘着剤層と、前記離型紙で覆われている粘着剤層との境界を折り線とし、前記離型紙が、前記表装材層側に位置するように該折り線に沿って、前記予備結合体が折り返され、折り線が前記上位薄板に沿って延在していることを特徴とするパネル。
- 請求項6において、前記上位薄板の両側方にそれぞれ前記予備結合体が配置されていることを特徴とするパネル。
- 請求項1ないし8のいずれか1項において、前記基体に接する薄板(以下、「最下層薄板」という。)と該基体との接着力が、最下層薄板に隣接して積層される薄板(以下、「次層薄板」という。)と該最下層薄板との接着力よりも大きくなっており、
該最下層薄板と次層薄板との間のうちこれらの薄板の周縁の少なくとも一部に、これら 薄板同士が接着されていない非接着部が設けられており、
該最下層薄板と次層薄板との間に接着用材料が存在するが、該接着用材料と一方の薄板 との間に、該接着用材料と低親和性の低親和性層が介在することにより前記非接着部が設 けられていることを特徴とするパネル。 - 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のパネルの表装材層を新たな表装材層に交換するパネル表装材層の更新方法であって、
隣接するいずれかの前記薄板同士の間を剥がすことによって、前記表装材層と、少なくとも最上層の薄板を取り除いた後、残留する薄板上に、新たな薄板を介して、新たな表装材層を積層することを特徴とするパネル表装材層の更新方法。 - 請求項10において、前記表装材層を更新するにあたり、前記表装材層と、前記上位薄板のうち、少なくとも1層とを取り除いた後、取り除いた該上位薄板に対応する新たな上位薄板を介して、新たな表装材層を積層するパネル表装材層の更新方法であって、
前記上位薄板と前記下位薄板との間を剥がすことによって前記表装材層を更新するに際 し、新たな上位薄板を前記予備結合体を用いて構成することを特徴とするパネル表装材層の更新方法。 - 請求項11において、前記パネルは請求項5又は6に記載のパネルであり、新たな上位薄板を前記予備結合体を用いて構成するに際し、該予備結合体から離型紙を剥がして露呈させた粘着剤層を下位薄板に付着させて上位薄板とすることを特徴とするパネル表装材層の更新方法。
- 請求項12において、前記パネルは請求項7又は8に記載のパネルであり、前記予備結合体から離型紙を剥がして露呈させた粘着剤層部分を前記折り線部分に沿って反転させて前記下位薄板に対し付着させることを特徴とするパネル表装材層の更新方法。
- 請求項10ないし13のいずれか1項において、前記パネルは請求項9に記載のパネルであり、
該非接着部が存在する薄板同士の間から、該非接着部よりも上側の薄板と表装材層とを取り除くことを特徴とするパネル表装材層の更新方法。 - 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のパネルを床、壁又は天井に施工したことを特徴とするパネル施工構造。
- 請求項15において、前記パネルを、中央領域に位置するパネルと、外周囲に位置するパネルとから構成し、該中央領域に位置するパネルの基体の少なくとも一部が、前記一方の板面に溝が設けられた温調用基体であり、該外周囲に位置するパネルの基体は、前記一方の板面に溝が設けられていない平板基体であることを特徴とするパネルの施工構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005207282A JP4696740B2 (ja) | 2005-01-27 | 2005-07-15 | パネル、その施工構造及びパネル表装材層の更新方法 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005019919 | 2005-01-27 | ||
JP2005019919 | 2005-01-27 | ||
JP2005144302 | 2005-05-17 | ||
JP2005144302 | 2005-05-17 | ||
JP2005207282A JP4696740B2 (ja) | 2005-01-27 | 2005-07-15 | パネル、その施工構造及びパネル表装材層の更新方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006348724A JP2006348724A (ja) | 2006-12-28 |
JP4696740B2 true JP4696740B2 (ja) | 2011-06-08 |
Family
ID=37644847
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005207282A Active JP4696740B2 (ja) | 2005-01-27 | 2005-07-15 | パネル、その施工構造及びパネル表装材層の更新方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4696740B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5378655B2 (ja) * | 2007-04-20 | 2013-12-25 | 朝日ウッドテック株式会社 | 木質化粧床材および木質化粧床のリフォーム方法。 |
JP5464953B2 (ja) * | 2009-09-28 | 2014-04-09 | 住商メタレックス株式会社 | フローリング床材の下に施工される冷暖房装置及びこの冷暖房装置が施工された部屋におけるフローリング床材の貼り替え方法 |
JP5351993B2 (ja) * | 2012-04-12 | 2013-11-27 | 大阪瓦斯株式会社 | 床暖房パネル |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000039160A (ja) * | 1998-07-24 | 2000-02-08 | Yamaha Ribingutetsuku Kk | 床暖房用床板及び床暖房装置 |
JP2002168464A (ja) * | 2000-11-29 | 2002-06-14 | Osaka Gas Co Ltd | 床暖房放熱器および暖房可能な床の構造 |
JP2002242414A (ja) * | 2001-02-19 | 2002-08-28 | Osaka Gas Co Ltd | 床暖房パネルおよび周辺パネル |
JP2002276968A (ja) * | 2001-03-15 | 2002-09-25 | Osaka Gas Co Ltd | 床暖房装置 |
-
2005
- 2005-07-15 JP JP2005207282A patent/JP4696740B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000039160A (ja) * | 1998-07-24 | 2000-02-08 | Yamaha Ribingutetsuku Kk | 床暖房用床板及び床暖房装置 |
JP2002168464A (ja) * | 2000-11-29 | 2002-06-14 | Osaka Gas Co Ltd | 床暖房放熱器および暖房可能な床の構造 |
JP2002242414A (ja) * | 2001-02-19 | 2002-08-28 | Osaka Gas Co Ltd | 床暖房パネルおよび周辺パネル |
JP2002276968A (ja) * | 2001-03-15 | 2002-09-25 | Osaka Gas Co Ltd | 床暖房装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006348724A (ja) | 2006-12-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4680881B2 (ja) | 床板 | |
JP2008509308A (ja) | 取り外し及び再配置が可能な床仕上げ材、及びその製造方法 | |
JP6565874B2 (ja) | 化粧材シート、シート巻回体、施工方法、壁構造体、および施工セット | |
JP4696740B2 (ja) | パネル、その施工構造及びパネル表装材層の更新方法 | |
JP2001241177A (ja) | 置き敷き床仕上げ材およびその施工方法 | |
JP4652543B2 (ja) | 防水層改修方法 | |
JP2002168464A (ja) | 床暖房放熱器および暖房可能な床の構造 | |
JP3300631B2 (ja) | ルーズレイ施工用シート状下地材を用いた床仕上げ材の施工方法 | |
JP2007224548A (ja) | リフォーム用床材 | |
JP2016069884A (ja) | 浴室用内装シート、浴室の壁面又は天井面構造、及び浴室壁面又は天井面の施工方法 | |
JPH08312120A (ja) | 暖房床の構造 | |
JP5084462B2 (ja) | 床暖房パネル | |
JPH11343726A (ja) | 床材固定方法 | |
JP3987988B2 (ja) | 床暖房パネルおよび暖房床構造 | |
JP4777754B2 (ja) | 床暖房パネルの施工方法 | |
JP3744138B2 (ja) | 床暖房装置及びその施工方法 | |
JP5174384B2 (ja) | リース式床暖房マットの施工法 | |
JP4045569B2 (ja) | 床暖房パネル、及び床暖房構造 | |
JP4106817B2 (ja) | 防水シート、この防水シートを用いる壁への防水層形成方法および防水層を形成した壁 | |
JP2002081662A (ja) | 床暖房放熱器および暖房可能な床の構造 | |
JP4598301B2 (ja) | 温水式床暖房フロア | |
JP5903791B2 (ja) | 温調マットの取付方法 | |
JP3946538B2 (ja) | 床暖房放熱器 | |
JP4050452B2 (ja) | 木質床材 | |
JP2003090121A (ja) | 木質床材、木質床材構造体及びその施工方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050729 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080222 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20080423 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090827 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100525 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100723 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100723 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100928 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110201 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110214 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4696740 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |