JP4681199B2 - セルロース繊維からのアルコールの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、紙類製造工程あるいは紙類再生工程から生じる廃棄物から有用な物質を生産する方法に関する。さらに詳しくは、紙としての再生が困難なセルロース繊維または紙類からグルコースおよびアルコールを製造する方法に関する。
背景技術
近年、環境問題が大きくクローズアップされている。特に、最近のコンピューター化に伴って、紙類の使用が大幅に増加し、木材の伐採による森林破壊、それによる環境の激変などが問題となり、紙のリサイクルが検討されている。我が国においても、1996年度の資料によれば、約3000万トンの紙類が消費され、約半分の1500万トンが古紙として回収されている。
回収された古紙は、さらに再生紙として利用されるが、何度も繰り返し再生するうち、繊維が脆くなり、再生紙として製紙原料とならないものがある。また、シュレッダーにかけられた紙は、繊維が短く、ほとんどの場合、製紙原料となりにくい。このような再生されない紙類は、前記資料によると、約1500万トンにもおよび、これらが廃棄または焼却され,環境破壊の原因の1つとなっているのが現状である。従って、紙の再生だけではなく、この廃棄される古紙または紙をどう利用するかは、資源の再利用と環境問題の解決において、重要な問題である。
ところで、古紙の再生に関する研究は広く行われているものの、その古紙再生の際に生じる廃棄物の利用に関する研究はほとんど行われていないのが現状であり、再生紙とならない古紙粕の有効な利用法が望まれている。
発明の開示
本発明者らは、従来廃棄されていた、再生することが困難なセルロース繊維または紙類からグルコースを生産し、このグルコースからアルコールを製造することができることを見出して、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、紙としての再生が困難なセルロース繊維または紙類と、β1,4−グルコシド結合を切断し得る酵素または微生物とを反応させる工程を含む、グルコースの製造方法に関する。
好ましい実施態様においては、前記紙としての再生が困難なセルロース繊維または紙類が、無触媒水熱法により回分式であるいは連続的に分解されたセルロース繊維または紙類である。
好ましい実施態様においては、前記紙としての再生が困難なセルロース繊維が、120〜300℃の無触媒水熱法で分解されたセルロース繊維である。
また、別の好ましい実施態様においては、前記微生物が、エンドβ1,4−グルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、およびβ−グルコシダーゼからなる群から選択される少なくとも1種を細胞表層に発現するように組換えられた1または2以上の微生物である。
さらに好ましい実施態様においては、前記微生物が、以下の:
(A)β−グルコシダーゼ;
(B)エンドβ1,4−グルカナーゼ;および
(C)エンドβ1,4−グルカナーゼとβ−グルコシダーゼとの組合せ
からなる群から選択される酵素を細胞表層に発現するように組換えられた微生物である。
さらに好ましい実施態様においては、前記微生物が酵母である。
本発明は、また、紙としての再生が困難なセルロース繊維または紙類と、β1,4−グルコシド結合を切断し得る酵素または微生物Aとを反応させてグルコースを製造する工程、および該得られたグルコースと、アルコール発酵能を有する微生物Bとを反応させる工程を含む、アルコールの製造方法に関する。
好ましい実施態様においては、前記紙としての再生が困難なセルロース繊維または紙類が、無触媒水熱法により回分式であるいは連続的に分解されたセルロース繊維または紙類である。
好ましい実施態様においては、前記紙としての再生が困難なセルロース繊維が、120〜300℃の無触媒水熱法で分解されたセルロース繊維である。
また、別の好ましい実施態様においては、前記微生物Aが、エンドβ1,4−グルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、およびβ−グルコシダーゼからなる群から選択される少なくとも1種を細胞表層に発現するように組換えられた1または2以上の微生物である。
さらに好ましい実施態様においては、前記微生物Aが、以下の:
(A)β−グルコシダーゼ;
(B)エンドβ1,4−グルカナーゼ;および
(C)エンドβ1,4−グルカナーゼとβ−グルコシダーゼとの組合せ
からなる群から選択される酵素を細胞表層に発現するように組換えられた微生物である。
さらに好ましい実施態様においては、前記微生物Aと微生物Bとが同一の微生物である。
より好ましい実施態様においては、前記微生物Aと微生物Bが、同一の酵母である。
発明を実施するための最良の形態
本明細書において、「紙としての再生が困難なセルロース繊維」とは、紙の製造工程あるいは紙の再生工程において生じるセルロース繊維を含む廃棄物をいい、製紙粕、古紙粕などを含む。
一般に、紙は、使用中に熱、湿度、光などの影響を受けるとともに、再生過程において、叩解、加熱、乾燥、機械的圧力などの処理工程を経るため、繰り返し再生されるとセルロース繊維自体が傷む、短くなる、硬くなるなど変質、劣化する。このため、再生紙としての抄造時に抄造されないセルロース繊維が大量に発生し、古紙粕が発生する。このような紙としての再生が困難なセルロース繊維が本発明に用いられる。
「紙としての再生が困難な紙類」には、例えば、シュレッダーにかけられたような、セルロース繊維が短くされた紙も含まれる。また、「紙類」は、紙のみならずダンボールなどの板紙なども含む概念である。
本発明においては、前記紙としての再生が困難なセルロース繊維または紙類(以下、単に「原料のセルロース繊維」という)が、無触媒水熱法により回分式であるいは連続的に分解されたセルロース繊維または紙類であることも好ましい。原料のセルロース繊維を無触媒水熱処理することにより、例えば、適当な長さのセルロース単位あるいはオリゴ糖を形成するように処理され、あるいは繊維間(例えば、セルロース間)の架橋が外れ、セルロース分解酵素が作用し易くなるようにセルロースが変化したものと考えられる。この処理を受けた原料のセルロース繊維は、そのまま、グルコース生産の、あるいはアルコール発酵の基質となり得る。
従来、セルロースの分解等を目的として、無触媒水熱法が種々検討されている。例えば、福岡大学工学部集報第61号(平成10年9月号)には、578〜678K(すなわち305〜405℃)の熱水でバッチ処理することにより、セルロースが加水分解されることが記載されている。この処理で得られるセルロース分解物にはグルコースが含まれているが、これを用いてアルコール発酵させても、なんらかの理由で、アルコール発酵がほとんど進行しないことを本発明者らは見い出した。さらに、前記文献の無触媒水熱法では反応時間が極めて短いため、安定的に適切な処理をしたセルロース分解物が得られないという問題がある。
そこで、より低温での、回分(バッチ)式の無触媒水熱法を検討した結果、処理する濃度にも依存するが、約10重量%濃度の、原料のセルロース繊維を120〜300℃、好ましくは150〜280℃、より好ましくは180〜250℃で処理することにより、アルコール発酵に適した分解物を得ることができることを見出した。処理時間は、一般に、1時間〜15秒の範囲が好ましい。
さらに、原料のセルロース繊維の、無触媒水熱法による加水分解は、連続法でも行うことができる。連続法の場合は、熱履歴時間の関係で、若干温度を高くした無触媒水熱法としてもよい。約10重量%濃度の原料のセルロース繊維を120〜373℃、好ましくは150〜320℃で、好ましくは1時間〜1秒で行う。この連続無触媒水熱法により、原料のセルロース繊維をアルコール発酵に適した分解物とすることができる。
さらに、原料のセルロース繊維を、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等を添加して酸性、好ましくは、弱酸性条件下、無触媒水熱法を用いて分解することにより、原料のセルロース繊維をアルコール発酵に適した分解物とすることもできる。
本発明に用いられる「β1,4−グルコシド結合を切断し得る酵素」は、このβ1,4−グルコシド結合を切断することができる酵素であれば、特に制限はないが、好ましくは、エンドβ1,4−グルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、β−グルコシダーゼ、カルボキシメチルセルラーゼなどが用いられる。
これらの酵素のうち、β−グルコシダーゼ一種のみでも、セルロース繊維を分解してグルコースを生産することができる。また、これらの酵素を組合せて、原料のセルロース繊維(上記、無触媒水熱処理で得られたセルロース繊維または紙類を含む。以下、同じ)を分解し、グルコースを生産できることが、本発明で初めて見出された。
2種以上の酵素を組合せて用いることはより好ましく、例えば、(1)エンドβ1,4−グルカナーゼとβ−グルコシダーゼとを組合せるか、(2)セロビオヒドロラーゼとβ−グルコシダーゼとを組合せるか、(3)エンドβ1,4−グルカナーゼとセロビオヒドロラーゼとβ−グルコシダーゼとを組合せることができる。グルコースを生成するためには、β−グルコシダーゼを含めることが最も好ましい。これらの組合せにより、効率よくセルロース繊維が分解され、グルコースが生産される。
β1,4−グルコシド結合を切断することができる酵素を生産する微生物もまた、好ましく用いられる。このような微生物には、いわゆるセルラーゼ生産菌が含まれる。なお、「セルラーゼ」というときは、一般にはエンドβ1,4−グルカナーゼをいうが、本明細書では、エンドβ1,4−グルカナーゼとともに生産されるβ1,4−グルコシド結合を切断し、セルロースからグルコースを生産する一群の酵素(例えば、セロビオヒドロラーゼ、β−グルコシダーゼ)を称して、セルラーゼという場合がある。
セルラーゼ生産菌としては、代表的には、トリコデルマ属、クロステリディウム属、セルロモナス属、シュードモナス属などに属する微生物が挙げられる。
また、エンドβ1,4−グルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、β−グルコシダーゼを単独で生産する微生物もまた、使用できることはいうまでもない。
本発明では、β−グルコシダーゼを細胞表層に発現する微生物、エンドβ1,4−グルカナーゼを細胞表層に発現するように組換えられた微生物、またはセロビオヒドロラーゼを細胞表層に発現するように組換えられた微生物を、単独で、あるいは組合せて、用いてもよい。組合せとしては、例えば、エンドβ1,4−グルカナーゼとβ−グルコシダーゼの組合せ、セロビオヒドロラーゼとβ−グルコシダーゼの組合せ、エンドβ1,4−グルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼおよびβ−グルコシダーゼの組合せが挙げられる。
さらに、以下の(1)〜(3):
(1)エンドβ1,4−グルカナーゼとβ−グルコシダーゼとの組合せ;
(2)セロビオヒドロラーゼとβ−グルコシダーゼとの組合せ;
(3)エンドβ1,4−グルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼおよびβ−グルコシダーゼの組合せ;
のような、複数の酵素を細胞表層に発現するように組換えられた微生物も好ましく使用される。
さらに好ましい微生物は、以下の(A)〜(C):
(A)β−グルコシダーゼ;
(B)エンドβ1,4−グルカナーゼ;および
(C)エンドβ1,4−グルカナーゼとβ−グルコシダーゼとの組合せ
からなる群から選択される酵素を細胞表層に発現するように組換えられた微生物である。
このような微生物は、いわゆる遺伝子組換え技術を用いる細胞表層工学技術を適用して作成される。
細胞表層工学を利用した例として、村井ら、Applied and Environmental Microbiology,vol.63,1362−1366(1997)の文献がある。この文献には、酵母のαアグルチニンのC末端領域320アミノ酸をコードする遺伝子にグルコアミラーゼ遺伝子を連結し、細胞表層にグルコアミラーゼを固定して、デンプンの分解を行っている。
本発明のβ1,4−グルコシド結合を切断する酵素を有する微生物、あるいはこのいような酵素を発現するための宿主微生物としては、糸状菌、細菌、酵母などが挙げられるが、これらに限定されない。取扱等を考慮すると酵母が好ましい。
β1,4−グルコシド結合を切断する酵素、このような酵素を生産する微生物、またはこのような酵素を細胞表層に発現する微生物は、好ましくは、担体に固定される。そのことにより、再使用が可能となる。
酵素を固定する担体および方法は、当業者が通常用いる担体および方法が用いられ、例えば、担体結合法、包括法、架橋法などが挙げられる。
微生物を固定する担体としては、多孔質体が好ましく用いられる。例えば、ポリビニルアルコール、ポリウレタンフォム、ポリスチレンフォーム、ポリアクリルアミド、ポリビニルフォルマール樹脂多孔質体、シリコンフォームなどの発泡体あるいは樹脂が好ましい。多孔質体の開口部の大きさは、用いる微生物およびその大きさを考慮して決定すればよい。酵母の場合、50〜1000μmが好ましい。
また、担体の形状は問わない。担体の強度、培養効率などを考慮すると、球状あるいは立方体が好ましい。大きさは、用いる微生物により決定すればよいが、一般には、球状の場合、直径が2〜50mm、立方体状の場合、2〜50mm角が好ましい。
上記の酵素類、微生物、固定化酵素類、固定化微生物と、原料のセルロース繊維と反応させるとグルコースが生成される。酵素の基質となる原料(原料のセルロース繊維)の濃度は特に制限されない。反応は、用いる酵素に応じて、適切な温度(例えば、一般的には、10〜70℃)で適切な時間行われる。耐熱性あるいは超耐熱性の酵素を用いる場合、90℃またはそれ以上でも反応は進行し得る。
この反応は、固定化酵素あるいは微生物を用いる場合、カラムを用いた連続反応とすることができる。エンドβ1,4−グルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、およびβ−グルコシダーゼの各処理を、この順で多段式カラム処理を行ってもよい。得られたグルコースは、常法により単離される。
また、このグルコースからアルコールを製造することも、本発明の一つである。得られたグルコースを基質として、アルコール発酵し得る微生物を反応させればよい。
アルコール発酵し得る微生物としては、特に制限はないが、酵母が好ましく用いられる。アルコール発酵し得る酵母としては特に制限はなく、清酒酵母、ビール酵母、ワイン酵母、パン酵母など、従来から発酵工業に用いられている酵母が挙げられる。
アルコール発酵に際して、いったん、原料のセルロース繊維からグルコースを生成し、これにアルコール発酵能を有する酵母を添加するという2段階の反応が一般的に考えられる。
別の方法は、原料のセルロース繊維から直接アルコール発酵を行う方法である。これには、(i)原料のセルロース繊維を無触媒水熱法で分解して得られる分解液を用いる方法、(ii)原料のセルロース繊維の分解とアルコール発酵を同時に行う方法、および(iii)原料のセルロース繊維を無触媒水熱法で分解して得られる分解液中のセルロース繊維の分解とアルコール発酵を同時に行う方法などが挙げられる。
(i)の方法は、原料のセルロース繊維を無触媒水熱法で分解して得られる分解液は、そのまま、アルコール発酵の原料とすることができるため、分解液に直接、アルコール発酵能を有する酵母を添加することにより、行われる。
(ii)の方法は、原料のセルロース繊維を分解する酵素あるいは(組換え)微生物と、アルコール発酵能を有する微生物を共存させることにより、行われる。あるいは、アルコール発酵能を有する酵母を宿主とし、これに、例えば、β−グルコシダーゼおよび/またはエンドβ1,4−グルカナーゼを細胞表層に発現するように組換えられた酵母を用いることにより、行われる。この組換え酵母を用いると、セルロース繊維を分解してグルコースを生成する工程、および生じたグルコースをアルコール発酵する工程が同時に行われ、効果的である。
(iii)の方法は、(i)と(ii)の組み合わせであり、原料のセルロース繊維をさらに有効利用してアルコールを製造する方法である。
このようなアルコール発酵能を有する微生物(組換え酵母も含む)は、上記グルコース生産の所で記載したように、固定されていてもよい。
実施例
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこの実施例に限定されない。
実施例1:再生困難なセルロース繊維からのグルコース生産
再生紙製造工程の廃液を集め、再生されないセルロース繊維を回収した。この回収したセルロース繊維を以下、古紙粕という。別途、結晶性のアビセル(avicel)とFilter paper powder Cを準備した。これらを10g/L濃度となるように0.1M酢酸ナトリウム緩衝液に分散させ、Trichoderma reesei由来のセルラーゼ((株)フナコシ製)を用いて、30℃で反応させ、生成するグルコースをグルコースCIIテストワコー(和光純薬(株)製)を用いて定量した。結果を図1に示す。
図1において、▲は古紙粕を、■はアビセルを、●はFilter paper powder Cをそれぞれ表す。この図1は、古紙粕は、他のセルロース材料と比較して、非常に効率よく分解されることを初めて発見したものであり、古紙粕がグルコース製造の原料として極めて有望であることを示している。
実施例2:β−グルコシダーゼ1および/またはエンドβ1,4−グルカナーゼIを細胞表層に発現する酵母を用いる、古紙粕からのアルコール生産
2−1 β−グルコシダーゼ1を細胞表層に発現する酵母の作製
β−グルコシダーゼ1を細胞表層に発現するプラスミド作成の模式図を図2および図3に示す。図2は、目的のプラスミドであるpBG211の材料となるプラスミドpICAS1作成の模式図である。
Saccharomyces cerevisiae由来のGAPDHプロモーターにRhizopus oryzae由来のグルコアミラーゼが接続された配列を有するプラスミドpYGA2269(Ashikariら、Appl.Microbiol.Biotechnol.30:515−520(1986))をテンプレートとして、2つのオリゴヌクレオチド5’−ccgagctcaccagttctcaccggaaca−3’(配列番号1)および5’−gcccgcggcagaaacgagcaaagaaaa−3’(配列番号2)を用いて、PCRで増幅し、SacIおよびSacIIで切断して、GAPDHプロモーターとRhizopus oryzae由来のグルコアミラーゼ分泌シグナル配列を有するSacI−SacIIDNAフラグメントを作製した(フラグメントI)。
これとは別に、2つのオリゴヌクレオチド5’−ggagatctccatggc−3’(配列番号3)および5’−tcgagccatggagatctccgc−3’(配列番号4)とをアニールさせて、SacII−XhoI DNAフラグメントを作製した(フラグメントII)。
さらに、プラスミドpGA11(Muraiら、Appl.Environ.Microbiol.63:1362−1366(1997))からXhoI−KpnI断片を切り出し、α−アグルチニンのC末端320アミノ酸と446bpフランキング領域を含むDNAフラグメント(フラグメントIII)を得た。
他方で、プラスミドpRS404(Sikorskiら、Genetics 122:19−17(1989))をSacI−KpnIで切断し、上記のフラグメンI〜IIIを混合してプラスミドpICAS1を作製した。このプラスミドは、GAPDHプロモーター、分泌配列、α−アグルチニンのC末端320アミノ酸、および446bpフランキング領域をこの順で含む配列を有している。
このプラスミドpICAS1を用いて、目的のプラスミドpBG211を作成する手順を図3に示す。プラスミドpICAS1をBglII−XhoIで切断し、この部位にプラスミドpABG7(Kawaguchiら、Gene 173:287−288(1996))のAspergillus aculeatus由来のβ−グルコシダーゼ1遺伝子を挿入した。すなわち、プラスミドpABG7をテンプレートとして、5’−gtcgagatctctgatgaactggcgttctct−3’(配列番号5)および5’−ttcactcgagccttgcaccttcgggagcgccg−’(配列番号6)をプライマーとしてPCRによりDNAを増幅させ、BglII−XhoIで切断し、このフラグメントをプラスミドpICAS1のBglII−Xho切断部位の導入し、プラスミドpMHCSを得た。このプラスミドpMHCSは、GAPDHプロモーター、分泌シグナル配列、β−グルコシダーゼ構造遺伝子、α−アグルチニンのC末端領域320アミノ酸および446bpフランキング領域を含む遺伝子配列を有している。pMHCSをBssHIIで切断して、GAPDHプロモーター、分泌シグナル配列、β−グルコシダーゼ構造遺伝子、α−アグルチニンのC末端領域320アミノ酸と446bpフランキング領域を含むBssHII−BssHII DNAフラグメント(フラグメントIV)を単離した。
他方で、2μmDNAを含むプラスミドpMT34(+3)(Tajimaら、Yeast 1:67−77(1985))からEcoRIフラグメントを切り出し、プラスミドpRS403(Sikorskiら、Genetics 122:19−17(1989))のAatII部位に挿入し、多コピープラスミドpMH1を作製した。このプラスミドpMH1をBssHIIで切断し、そこにフラグメントIVを挿入して、β−グルコシダーゼを細胞表層に発現するプラスミドpBG211を得た。
プラスミドpBG211をSaccharomyces cerevisiae MT8−1(MATa ura3 trp1 ade leu2 his3)にYeast Maker(CLONTEC社製)を用いて酢酸リチウム法により導入した。形質転換株はSD培地(6.7g/L yeast nitrogen base w/o amino acids、20g/Lグルコース、0.03g/Lロイシン、0.02g/Lトリプトファン、0.02g/Lアデニン、0.02g/Lウラシル)で選択した。得られた形質転換体をMT8−1/pBG211と命名した。
2−2 エンドβ1,4−グルカナーゼI(エンドグルカナーゼI)を細胞表層に発現する酵母の作製
エンドグルカナーゼIを細胞表層に発現するプラスミドpEG19の作成の模式図を図4に示す。
2μmDNAを有するプラスミドpWI3(Kanaiら、Appl.Microbiol.Biotechnol.44:759−765(1996))のEcoRIDNAフラグメントをプラスミドpRS405(Sikorskiら、Genetics 122:19−17(1989))のAatII部位に導入し、プラスミドpRS405+2を作製した。
他方で、上記プラスミドpICAS1のGAPDHプロモーター、分泌シグナル配列、α−アグルチニンのC末端320アミノ酸と446bpフランキング領域を含むDNAフラグメントをPCRで増幅し、EcoRVで切断して、プラスミドpRS405+2のPvuII−PvuII部位に導入し、プラスミドpMLCS5を作製した。増幅に用いたプライマーは、5’−ggaaacagctatgaccatgatatcgccaagcgcgcaatta−3’(配列番号7)および5’−ttgtaaaacgatatccagtgagcgcgcgtaatacgactca−3’(配列番号8)であった。
このプラスミドpMLCS5のBglII部位に、Tricoderma reesei由来のエンドβ1,4−グルカナーゼ遺伝子を挿入した。すなわち、T.reeseiのmRNAから作成した1st strand cDNAをテンプレートとして、5’−gctcgagatctcccagcaaccgggtaccagcacccccgag−3’(配列番号9)、および5’−ggagatctggaaggcattgcgagtagtagtcgttgctatact−3’(配列番号10)をプライマーとして用いて、PCRで増幅し、BglIIで切断して、エンドグルカナーゼIをコードするcDNAのBglIIDNAフラグメントを得、これをプラスミドpMLCS5のBglII部位に導入し、プラスミドpEG19を得た。
得られたプラスミドpEG19を、2−1と同様の方法で、酵母Saccharomyces cerevisiae MT−8に導入し、SD培地(6.7g/L yeast nitrogen base w/o amino acids、20g/Lグルコース、0.02g/Lトリプトファン、0.02g/Lヒスチジン、0.02g/Lアデニン、0.02g/Lウラシル)で選択した。得られた形質転換体をMT8−1/pEG19とした。
2−3 β−グルコシダーゼ1とエンドグルカナーゼIとを細胞表層に発現する酵母の作製
形質転換体MT8−1/pBG211を宿主として、プラスミドpEG19を2−1と同様に形質転換し、SD培地(6.7g/L yeast nitrogen base w/o amino acids、20g/Lグルコース、0.02g/Lトリプトファン、0.02g/Lアデニン、0.02g/Lウラシル)で形質転換株を得た。得られた形質転換株をMT8−1/pBG211+pEG19とした。
2−4 古紙粕からのアルコール生産
β−グルコシダーゼ1を細胞表層に発現する形質転換体(MT8−1/pBG211)、エンドグルカナーゼI細胞表層に発現する形質転換体(MT8−1/pEG19)およびβ−グルコシダーゼ1とエンドグルカナーゼIとを細胞表層に発現する形質転換体(MT8−1/pBG211+pEG19)をそれぞれの選択に用いたSD培地(液体培地)に懸濁し、30℃、48時間培養し、前培養液を得た。この前培養液を、40g/Lの古紙粕を含むYPD培地(10g/L yeast extract、20g/Lポリペプトン、グルコース5g/L)1Lを有する2Lジャーファーメンター(BMJ−02PIAble)に植菌し、0.01〜0.03ppmの微好気条件下培養を行った。いずれの形質転換体も、グルコース添加量が少ないにも係わらず、生育した。これは、細胞表層で発現した酵素により、グルコースが生産され、生産されたグルコースを利用して生育したためと思われる。β−グルコシダーゼ1とエンドグルカナーゼIとを細胞表層に発現する形質転換体(MT8−1/pBG211+pEG19)の生育が一番よかった。
乾燥菌体量が約15g/Lに達したところで培養を終了し、遠心分離により菌体を回収し、70g/Lの古紙粕を含有する5g/L YPD培地で、30℃、pH6.0、0.01〜0.03ppmの微好気条件下、発酵を行った。100時間培養後、培養液中のエタノールを測定した結果、形質転換体(MT8−1/pBG211)、形質転換体(MT8−1/pEG19)および形質転換体(MT8−1/pBG211+pEG19)は、それぞれ、3g/L、4g/Lおよび6g/Lのエタノールを生産した。
2−5 無触媒熱水法で分解した古紙粕からのアルコール生産
内容積35ml、内径16mm、高さ200mmの耐圧容器にヒーターを取り付け、70g/L濃度の古紙懸濁液を表1に記載の条件で処理し、得られた分解液をそのまま炭素源として用いて、アルコール発酵を行った。用いた形質転換体は、β−グルコシダーゼ1を細胞表層に発現する形質転換体(MT8−1/pBG211)およびβ−グルコシダーゼ1とエンドグルカナーゼIとを細胞表層に発現する形質転換体(MT8−1/pBG211+pEG19)である。
70g/Lの処理した古紙の濃度を有する5g/L YPD培地で、30℃、pH6.0、0.01〜0.03ppmの微好気条件下、発酵を行った。100時間培養後、培養液中のエタノールを測定した結果を表1に示す。
表1の結果は、何も処理しない古紙を培地に添加した場合よりも、400℃、15秒間処理した古紙を培地に添加した場合アルコール発酵の程度は小さかったし、400℃、30分間処理したものを添加した場合には、もっと低かった。これよりも緩い条件で処理した古紙を添加した場合、処理しない場合よりもはるかにアルコール発酵の程度は大きかった。過酷な条件で古紙を処理することにより、セルロースが分解されて必要な糖が生成されないか、反応を阻害する物質が生成するなどの原因により、アルコール発酵が進行しなかったものと考えられる。他方、より緩やかな条件で古紙を処理することにより、古紙が適度に分解され、酵素が古紙(セルロース)に対して働き易くなったためと考えられる。
実施例3:エンドβ1,4−グルカナーゼIIを細胞表層に発現する酵母の構築とβ−グルカンの分解
3−1 エンドβ1,4−グルカナーゼII(以下、エンドグルカナーゼIIという)を細胞表層に発現する酵母の作成
エンドグルカナーゼIIを細胞表層に発現するプラスミドpEG23u31の作成手順を図5に示す。
2−1で作成したプラスミドpICAS1をテンプレートとして、配列番号7および8で示される配列をプローブとして、PCRによる増幅を行った。得られた断片をEcoRVで切断し、EcoRV−EcoRVフラグメントを得た。このフラグメントには、GAPDHプロモーター、分泌シグナル配列、α−アグルチニンのC末端320アミノ酸と446bpフランキング領域が含まれている。
他方、本発明者の田中、植田らが作成したプラスミドpURI24をPvuIIおよびBamHIで切断し、平滑末端とした。この平滑末端化部位に、EcoRV−EcoRVフラグメントを挿入し、プラスミドpMUCSを作成した。
次に、Trichoderma reeseiのmRNAから作成した1st strand cDNAをテンプレートとして、PCRを行った。用いたプライマーは5’−cggcgagatctcacagcagactgtctgggg−3’(配列番号11)および5’−gacagctcgagggctttcttgcgagacacg−3’(配列番号12)であった。このPCR産物をBglIIおよびXhoIで切断し、エンドβ1,4−グルカナーゼII(グルカナーゼII)をコードする配列を有するBglII−XhoIフラグメントを得た。このBglII−XhoIフラグメントをプラスミドpMUCSのBglII−XhoI部位に挿入し、目的のプラスミドpEG23u31を得た。
得られたプラスミドpEG23u31を、2−1と同様の方法で、酵母Saccharomyces cerevisiae MT−8に導入し、SD培地(6.7g/L yeast nitrogen base w/o amino acids、20g/Lグルコース、0.02g/Lトリプトファン、0.02g/Lヒスチジン、0.02g/Lアデニン、0.03g/Lロイシン)で選択した。得られた形質転換体をMT8−1/pEG23u31とした。
3−3 β−グルカンの分解
50mM酢酸バッファー(pH5.0)に10g/Lの濃度のβ−グルカンを懸濁して、これにエンドグルカナーゼIIを細胞表層に発現する酵母MT8−1/pEG23u31を添加して、60時間反応させた。Somogyi−Nelson法により、遊離してくる還元糖量をグルコース当量として測定した。コントロールとして、エンドグルカナーゼII遺伝子の組込みに使用したpMUCSを有するMT8−1(MT8−1/pMUCS)を用いた。結果を図6に示す。
図6の結果は、細胞表層にエンドグルカナーゼIIを有する酵母は、βグルカンを効率よく分解することを示している。
実施例4:βグルコシダーゼ1および/またはエンドグルカナーゼIIを細胞表層に発現する酵母の作成
4−1 β−グルコシダーゼ1を細胞表層に発現する酵母の作成
ここでは、染色体組込み型のプラスミドで形質転換された酵母を作成した。3−1と同様、プラスミドpICAS1をテンプレートとして、EcoRV−EcoRVフラグメントを調製した。このフラグメントを染色体組込型プラスミドpRS403(Sikorski,R.S.およびP.Hieter、(1989)Genetics、122:19−27)のPvuII部位に挿入し、プラスミドpIHCSを作成した。
他方で、2−1で作成したpBG211をテンプレートとして、PCRを行い、βグルコシダーゼ1をコードする配列を有するPCR産物を得た。用いたプライマーは、5’−gatctccatggctgatgaactggcgttctctcctcctttc−3’(配列番号13)および5’−tggcgctcgagccttgcaccttcgggagcgccgcgtgaag−3’(配列番号14)であった。得られたPCR産物をNcoIおよびXhoIで切断し、プラスミドpIHCSのNcoI−XhoI部位に導入し、目的のプラスミドである、β−グルコシダーゼ1表層発現染色体組込型プラスミドpIBG13を作成した。
得られたプラスミドpIBG13を、NheIで切断して一本鎖DNAにした後、2−1と同様の方法で、酵母Saccharomyces cerevisiae MT−8に導入し、SD培地(6.7g/L yeast nitrogen base w/o amino acids、20g/Lグルコース、0.03g/Lロイシン、0.02g/Lトリプトファン、0.02g/Lアデニン、0.02g/Lウラシル)で選択して、得られた形質転換体をMT8−1/pIBG13とした。
4−2 β−グルコシダーゼ1およびエンドグルカナーゼIIを共発現する酵母の作成
3−1で得られた、エンドグルカナーゼIIを細胞表層に発現する酵母MT8−1/pEG23u31を、4−1で得られたβ−グルコシダーゼ1を細胞表層に発現するプラスミドpIBG13(染色体組込型)で形質転換し、形質転換体MT8−1/pEG23u31pIBG13を作成した。
この形質転換体がβ−グルコシダーゼ1およびエンドグルカナーゼIIを発現していることを、プレートアッセイにより確認した。
β−グルコシダーゼ1のアッセイはSD選択プレート上で30℃、48時間インキュベートした後、10mMの合成基質(4−methylumbellifery−β−D−glucoside)を含む7.5g/Lソフトアガーを重層し、30℃、12時間さらにインキュベートした。このプレートを波長300nmの紫外線を照射し、基質が分解されて生成する蛍光物質の蛍光を観察したところ、蛍光が見られ、発現が確認された。
また、エンドグルカナーゼIIの発現は、1g/L β−グルカンを含むSD選択プレート上で30℃、48時間インキュベートし、1g/Lコンゴレッドで染色することにより行い、ハローが確認された。
以上から、MT8−1/pEG23u31pIBG13は、β−グルコシダーゼ1およびエンドグルカナーゼIIを発現していることが確認された。
4.3 β−グルコシダーゼ1を細胞表層に発現する酵母によるセロビオースの利用
β−グルコシダーゼ1を細胞表層に発現するMT8−1/pIBG13、およびMT8−1/pEG23u31pIBG13を用いて、セロビオースを単一炭素源として培養し、酵母の生育を観察した。対照として、MT8−1株を用いた。6.7g/L yeast nitrogen base w/o amino acids、10g/Lセロビオース、0.03g/Lロイシン、0.02g/Lトリプトファン、0.02g/Lアデニン、0.02g/Lウラシル)の培地を用い、30℃で培養した結果を図7に示す。
この結果は、β−グルコシダーゼ1を細胞表層に発現する酵母は、元来酵母が資化することができない二糖であるセロビオースを分解し、生育できたことを示している。
4−4 β−グルコシダーゼ1およびエンドグルカナーゼIIを発現する酵母による可溶性長鎖セルロースからのエタノール生産
形質転換体MT8−1/pEG23u31pIBG13をSD培地(6.7g/L yeast nitrogen base w/o amino acids、20g/Lグルコース、0.03g/Lロイシン、0.02g/Lトリプトファン、0.02g/Lアデニン、0.02g/Lウラシル)の培地で前培養し、SD培地(6.7g/L yeast nitrogen base w/o amino acids、10g/L β−グルカン、0.03g/Lロイシン、0.02g/Lトリプトファン、0.02g/Lアデニン、0.02g/Lウラシル)で培養し、生成するエタノールの量をガスクロマトグラフィーで測定した。全糖は、カルバゾール・硫酸法で測定した。結果を図8に示す。
この結果は、β−グルカンが完全に糖化され、アルコール発酵が行われたことを示している。
産業上の利用可能性
本発明の方法により、紙として再生されないセルロース繊維が有効に資源として再利用される。特に、β1,4−グルコシド結合を切断し得る酵素をアンカリングした微生物が、好ましく用いられる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
図1は、古紙粕のセルラーゼによる分解を示す図である。
図2は、プラスミドpICAS1の作成の模式図である。
図3は、プラスミドpBG211の作成の模式図である。
図4は、プラスミドpEG19の作成の模式図である。
図5は、プラスミドpEG23u21の作成の模式図である。
図6は、プラスミドpEG23u21で形質転換され、エンドβ1,4−グルカナーゼを細胞表層に発現する酵母を用いてβ−グルカンを分解することを示す図である。
図7は、β−グルコシダーゼ1を細胞表層に発現する酵母によるセロビオースの利用を示す図である。
図8は、βグルコシダーゼ1とエンドβ1,4−グルカナーゼIIとを細胞表層に発現する酵母を用いて、β−グルカンを基質としてアルコールを製造することを示す模式図である。
Claims (9)
- 150℃〜320℃の間の温度条件で、紙としての再生が困難なセルロース繊維または紙類を無触媒水熱法により回分的にあるいは連続的に分解する工程;および該分解されたセルロース繊維または紙類とβ1,4-グルコシド結合を切断し得る酵素または微生物とを反応させる工程を含む、グルコースの製造方法。
- 前記微生物が、エンドβ1,4-グルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、およびβ-グルコシダーゼからなる群から選択される少なくとも1種を細胞表層に発現するように組換えられた1または2以上の微生物である、請求項1に記載の方法。
- 前記微生物が、以下の(A)から(C):
(A)β-グルコシダーゼ;
(B)エンドβ1,4-グルカナーゼ;および
(C)エンドβ1,4-グルカナーゼとβ-グルコシダーゼとの組合せ
からなる群から選択される酵素を細胞表層に発現するように組換えられた微生物である、請求項2に記載の方法。 - 前記微生物が酵母である、請求項2または3に記載の方法。
- 150℃〜320℃の間の温度条件で、紙としての再生が困難なセルロース繊維または紙類を無触媒水熱法により回分的にあるいは連続的に分解する工程;および該分解されたセルロース繊維または紙類とβ1,4-グルコシド結合を切断し得る酵素または微生物Aとを反応させてグルコースを製造する工程;および該得られたグルコースと、アルコール発酵能を有する微生物Bとを反応させる工程を含む、アルコールの製造方法。
- 前記微生物Aが、エンドβ1,4-グルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、およびβ-グルコシダーゼからなる群から選択される少なくとも1種を細胞表層に発現するように組換えられた1または2以上の微生物である、請求項5に記載の方法。
- 前記微生物Aが、以下の(A)から(C):
(A)β-グルコシダーゼ;
(B)エンドβ1,4-グルカナーゼ;および
(C)エンドβ1,4-グルカナーゼとβ-グルコシダーゼとの組合せ
からなる群から選択される酵素を細胞表層に発現するように組換えられた微生物である、請求項5または6に記載の方法。 - 前記微生物Aと微生物Bとが同一の微生物である、請求項5から7のいずれかの項に記載の方法。
- 前記微生物が酵母である、請求項8に記載の方法。
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