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JP4670177B2 - 強誘電体型不揮発性半導体メモリ及びその駆動方法 - Google Patents

強誘電体型不揮発性半導体メモリ及びその駆動方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強誘電体型不揮発性半導体メモリ(所謂FERAM)、及び、その駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大容量の強誘電体型不揮発性半導体メモリに関する研究が盛んに行われている。強誘電体型不揮発性半導体メモリ(以下、不揮発性メモリと略称する場合がある)は、高速アクセスが可能で、しかも、不揮発性であり、また、小型で低消費電力であり、更には、衝撃にも強く、例えば、ファイルのストレージやレジューム機能を有する各種電子機器、例えば、携帯用コンピュータや携帯電話、ゲーム機の主記憶装置としての利用、あるいは、音声や映像を記録するための記録メディアとしての利用が期待されている。
【0003】
この不揮発性メモリは、強誘電体薄膜の高速分極反転とその残留分極を利用し、強誘電体層を有するキャパシタ部の蓄積電荷量の変化を検出する方式の、高速書き換えが可能な不揮発性メモリであり、基本的には、キャパシタ部(メモリセル)と選択用トランジスタ(スイッチング用トランジスタ)とから構成されている。キャパシタ部は、例えば、下部電極、上部電極、及び、これらの電極間に挟まれた高比誘電率εを有する強誘電体層から構成されている。この不揮発性メモリにおけるデータの書き込みや読み出しは、図53に示す強誘電体のP−Eヒステリシスループを応用して行われる。即ち、強誘電体層に外部電界を加えた後、外部電界を除いたとき、強誘電体層は自発分極を示す。そして、強誘電体層の残留分極は、プラス方向の外部電界が印加されたとき+Pr、マイナス方向の外部電界が印加されたとき−Prとなる。ここで、残留分極が+Prの状態(図53の「D」参照)の場合を「0」とし、残留分極が−Prの状態(図53の「A」参照)の場合を「1」とする。
【0004】
「1」あるいは「0」の状態を判別するために、強誘電体層に例えばプラス方向の外部電界を印加する。これによって、強誘電体層の分極は図53の「C」の状態となる。このとき、データが「0」であれば、強誘電体層の分極状態は、「D」から「C」の状態に変化する。一方、データが「1」であれば、強誘電体層の分極状態は、「A」から「B」を経由して「C」の状態に変化する。データが「0」の場合には、強誘電体層の分極反転は生じない。一方、データが「1」の場合には、強誘電体層に分極反転が生じる。その結果、キャパシタ部の蓄積電荷量に差が生じる。選択された不揮発性メモリの選択用トランジスタをオンにすることで、この蓄積電荷を信号電流として検出する。データの読み出し後、外部電界を0にすると、データが「0」のときでも「1」のときでも、強誘電体層の分極状態は図53の「D」の状態となってしまう。即ち、読み出し時、データ「1」は、一旦、破壊されてしまう。それ故、データが「1」の場合、マイナス方向の外部電界を印加して、「D」、「E」という経路で「A」の状態とし、データ「1」を再度書き込む。
【0005】
現在主流となっている不揮発性メモリの構造及びその動作は、米国特許第4873664号において、S.Sheffiledらが提案したものである。この不揮発性メモリは、図54に回路図を示すように、2つの不揮発性メモリセルから構成されている。尚、図54において、1つの不揮発性メモリを点線で囲った。各不揮発性メモリは、例えば、選択用トランジスタTR11,TR12、キャパシタ部(メモリセル)FC11,FC12から構成されている。
【0006】
尚、2桁あるいは3桁の添字、例えば添字「11」は、本来、添字「1,1」と表示すべき添字であり、例えば「111」は、本来、添字「1,1,1」と表示すべき添字であるが、表示の簡素化のため、2桁あるいは3桁の添字で表示する。また、添字「M」を、例えば複数のメモリセルやプレート線を総括的に表示する場合に使用し、添字「m」を、例えば複数のメモリセルやプレート線を個々に表示する場合に使用し、添字「N」を、例えば選択用トランジスタやサブメモリユニットを総括的に表示する場合に使用し、添字「n」を、例えば選択用トランジスタやサブメモリユニットを個々に表示する場合に使用する。
【0007】
そして、それぞれのメモリセルに相補的なデータを書き込むことにより、1ビットを記憶する。図54において、符号「WL」はワード線を示し、符号「BL」はビット線を示し、符号「PL」はプレート線を意味する。1つの不揮発性メモリに着目すると、ワード線WL1は、ワード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。また、ビット線BL1,BL2は、センスアンプSAに接続されている。更には、プレート線PL1は、プレート線デコーダ/ドライバPDに接続されている。
【0008】
このような構造を有する不揮発性メモリにおいて、記憶されたデータを読み出す場合、ワード線WL1を選択し、更には、プレート線PL1を駆動すると、相補的なデータが、対となったキャパシタ部FC11,FC12から選択用トランジスタTR11,TR12を介して対となったビット線BL1,BL2に電圧(ビット線電位)として現れる。かかる対となったビット線BL1,BL2の電圧(ビット線電位)を、センスアンプSAで検出する。
【0009】
1つの不揮発性メモリは、ワード線WL1、及び、対となったビット線BL1,BL2によって囲まれた領域を占めている。従って、仮に、ワード線及びビット線が最短ピッチで配置されるとすると、1つの不揮発性メモリの最小面積は、加工最小寸法をFとしたとき、8F2である。従って、このような構造を有する不揮発性メモリの最小面積は8F2である。
【0010】
このような構造の不揮発性メモリを大容量化しようとした場合、その実現は加工寸法の微細化に依存するしかない。また、1つの不揮発性メモリを構成するために2つの選択用トランジスタ及び2つのキャパシタ部が必要とされる。更には、ワード線と同じピッチでプレート線を配設する必要がある。それ故、不揮発性メモリを最小ピッチで配置することは殆ど不可能であり、現実には、1つの不揮発性メモリの占める面積は、8F2よりも大幅に増加してしまう。
【0011】
しかも、不揮発性メモリと同等のピッチで、ワード線デコーダ/ドライバWD及びプレート線デコーダ/ドライバPDを配設する必要がある。言い換えれば、1つのロー・アドレスを選択するために2つのデコーダ/ドライバが必要とされる。従って、周辺回路のレイアウトが困難となり、しかも、周辺回路の占有面積も大きなものとなる。
【0012】
不揮発性メモリの面積を縮小する手段の1つが、特開平9−121032号公報から公知である。図55に等価回路を示すように、この特許公開公報に開示された不揮発性メモリは、1つの選択用トランジスタTR1の一端に並列にそれぞれの一端が接続された複数のメモリセルMC1M(例えば、M=4)から構成され、かかるメモリセルと対となったメモリセルも、1つの選択用トランジスタTR2の一端に並列にそれぞれの一端が接続された複数のメモリセルMC2Mから構成されている。選択用トランジスタTR1,TR2の他端は、それぞれ、ビット線BL1,BL2に接続されている。対となったビット線BL1,BL2は、センスアンプSAに接続されている。また、メモリセルMC1m,MC2m(m=1,2・・・M)の他端はプレート線PLmに接続されており、プレート線PLmはプレート線デコーダ/ドライバPDに接続されている。更には、ワード線WLは、ワード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。
【0013】
そして、対となったメモリセルMC1m,MC2m(m=1,2・・・M)に相補的なデータが記憶される。例えば、メモリセルMC1k,MC2k(ここで、kは1,2,3,4のいずれか)に記憶されたデータを読み出す場合、ワード線WLを選択し、プレート線PLm(m≠k)には(1/2)Vccの電圧を印加した状態で、プレート線PLkを駆動する。ここで、Vccは、例えば、電源電圧である。これによって、相補的なデータが、対となったメモリセルMC1k,MC2kから選択用トランジスタTR1,TR2を介して対となったビット線BL1,BL2に電圧(ビット線電位)として現れる。そして、かかる対となったビット線BL1,BL2の電圧(ビット線電位)を、センスアンプSAで検出する。
【0014】
対となった不揮発性メモリにおける一対の選択用トランジスタTR1及びTR2は、ワード線WL、及び、対となったビット線BL1,BL2によって囲まれた領域を占めている。従って、仮に、ワード線及びビット線が最短ピッチで配置されるとすると、対となった不揮発性メモリにおける一対の選択用トランジスタTR1及びTR2の最小面積は、8F2である。しかしながら、一対の選択用トランジスタTR1,TR2を、M組の対となったメモリセルMC1m,MC2m(m=1,2・・・M)で共有するが故に、1ビット当たりの選択用トランジスタTR1,TR2の数が少なくて済み、また、ワード線WLの配置も緩やかなので、不揮発性メモリの縮小化を図り易い。しかも、周辺回路についても、1本のワード線デコーダ/ドライバWDとM本のプレート線デコーダ/ドライバPDでMビットを選択することができる。従って、このような構成を採用することで、セル面積が8F2に近いレイアウトを実現可能であり、DRAM並のチップサイズを実現することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従来のような構造で不揮発性メモリを大容量化しようとした場合、その容量は最小加工寸法によって規定される。上述の従来例でわかるように、その最小セル面積は8F2である。この限界値はDRAMにおいても同様である。また、EPROMなどのあらゆる半導体メモリを考慮した場合、ビット線とワード線とを最小ピッチで配置し、ビット線1本、ワード線1本が占有する領域にメモリセルを配置したときのセルの面積は、4F2がその限界とされる。
【0016】
しかしながら、このような最小加工寸法F、即ち、デザインルールの縮小は、リソグラフィーを中心とする微細加工技術の進展を待つほかない。しかも、その微細加工技術は世代を経るに従って困難さが増し、投資額も巨大化しており、チップコストの増大につながっている。従って、半導体メモリにおいても、現状から短期間で飛躍的な記憶容量の向上を果たすことは難しい。
【0017】
上述のように半導体メモリの集積度の上限が規定されてしまう本質的理由として、以下の2点を挙げることができる。
【0018】
第1に、半導体メモリにおける各メモリセルは半導体基板表面上に二次元的に配置されており、三次元的に積層されることがない。これは、従来の半導体メモリは、その殆どが記憶単位に1つ以上のトランジスタ(FET)を含んでいることに由来する。トランジスタは良質な半導体基板上にしか作製することができないため、メモリセルを半導体基板上に二次元配置せざるを得ない。現在、エピタキシャル成長技術やレーザアニール技術による結晶化などで半導体単結晶層を積層する試みもなされているが、未だ十分な歩留まりと性能が得られていない。また、たとえ、これらが実現されたとしても、結局、半導体単結晶層に再度メモリセルを作り込もうとすると、工程数が倍近くに増加し、コストメリットが失われることになる。
【0019】
第2に、半導体メモリへのアクセスは、互いに交差したワード線(ロー方向)とビット線(カラム方向)とによる二次元マトリクスによりなされている。従来の半導体メモリにおいては、ワード線により一次元的にロー方向の選択を行い、各ビット線に読み出されたデータ列からカラム選択を行っている。尚、図54及び図55に示した従来例では、プレート線によってロー方向の選択を行うが、実質的に一次元の選択になっていることに変わりはない。
【0020】
ここで、仮にページ長を同一に保ったまま半導体メモリの集積度を2倍にした場合、当然2倍の本数のワード線やプレート線が必要になる。従って、ワード線やプレート線のデコードやドライブを行う周辺回路の集積度も2倍にする必要がある。これらの回路は、当然、トランジスタを必要とするので、セルアレイの周辺に二次元的に配置される。これに伴って、今度は、周辺回路のレイアウトが困難になる。
【0021】
以上のように、メモリセル自体が二次元配置に制限される上、仮にメモリセルを縮小できても、現在のアドレス選択方法では周辺回路のレイアウトが困難である。従って、半導体メモリの大容量化は、デザインルールの進展に依存するしかなかった。
【0022】
また、特開平9−121032号公報に開示された不揮発性メモリの面積を縮小する手法は、非常に効果的な手法であるが、以下に述べる問題点を有する。
【0023】
即ち、例えば、対となったメモリセルMC11,MC21において、メモリセルMC11にデータ「1」を書き込む場合、プレート線PL1をグランドレベル(0ボルト)とし、ビット線BL1をVccとすることによって、強誘電体層を分極させるが、このとき、メモリセルMC21にデータ「0」を保持しておくために、ビット線BL2をグランドレベル(0ボルト)とする必要がある。
【0024】
一方、非選択のプレート線PLm(m=2,3,4)に接続されたメモリセルMC1m,MC2m(m=2,3,4)に記憶されたデータの破壊を防止するために、非選択のプレート線PLm(m=2,3,4)を、ビット線BL1,BL2の中間の電圧である(1/2)Vccに固定し、非選択のメモリセルMC1m,MC2mのキャパシタ部を構成する強誘電体層に加わる電界を緩和する。即ち、非選択のメモリセルMC1m,MC2mには、(1/2)Vccのディスターブが加わる。
【0025】
ところで、強誘電体層を構成する強誘電体材料は、本質的な物性として、反転電圧が負の温度特性を有する。図56の(A)及び(B)に、20゜C及び105゜Cにおける強誘電体材料のP−Eヒステリシスループを例示する。尚、図56の(A)及び(B)において、実線のP−EヒステリシスループはVcc=1.5ボルトの場合を示し、点線のP−EヒステリシスループはVcc=1.0ボルトの場合を示す。0ボルトにおけるデータ「1」状態、データ「0」状態の分極量の差が2Prとして示されており、この2Prの値が信号量(信号電荷)に相当する。図56において、動作温度20゜Cにおける反転電圧は±0.9ボルト程度である。従って、Vcc=1.5ボルトで不揮発性メモリを動作させれば、ディスターブの電圧である(1/2)Vccでは、非選択のキャパシタ部に記憶されたデータが破壊されることなく、7.9μC/cm2の信号電荷を保持できる。これに対して、105゜Cにおける反転電圧は±0.55ボルト程度である。従って、Vcc=1.5ボルトで不揮発性メモリを動作させれば、11μC/cm2の信号電荷を保持できるものの、ディスターブの電圧である(1/2)Vccでは、非選択のキャパシタ部の電荷が反転し、記憶されたデータが破壊される。
【0026】
これとは逆に、動作温度105゜Cで非選択のキャパシタ部の電荷を反転させないためには、Vcc=1ボルト程度とする必要がある。この場合、6.9μC/cm2の信号電荷を保持できるものの、20゜Cでは、2.8μC/cm2の信号電荷しか保持できなくなり、信号量が極端に小さくなってしまう。
【0027】
このように、不揮発性メモリの抗電圧は大きな負の温度依存性を有している。即ち、温度が上昇すると、不揮発性メモリの抗電圧が減少し、非選択のキャパシタ部の電荷が反転し易くなる。それ故、このような強誘電体層を構成する強誘電体材料の反転電圧が負の温度特性を有するといった特性に何らかの対策を施さないと、LSIに要求される温度範囲での不揮発性メモリの動作を保証できなくなる虞がある。
【0028】
また、これらの構造を有する不揮発性メモリに対して微細化を進めた場合、キャパシタ部の面積を小さくせざるを得ない。しかも、強誘電体層において分極に基づきデータを記憶するので、DRAMにおける絶縁膜のように、強誘電体層の膜厚を薄くしても、強誘電体層における蓄積電荷量が増加せず、蓄積電荷量は、キャパシタ部の面積に比例して少なくなっていく。
【0029】
例えば、256Mビットの不揮発性メモリを実現する場合、キャパシタ部の面積は0.1μm2程度となる。このとき、蓄積電荷量は10fC程度となり、ビット線容量を200fFとした場合、50mV程度のセンス信号量(読み出し動作時にビット線に現れる電位)しか得ることができない。このようなセンス信号量では、センスマージンが不十分であり、更に不揮発性メモリに対して微細化を進めた場合、ついには不揮発性メモリに記憶されたデータの読み出しができなくなってしまう。
【0030】
DRAMにおけるセンス信号量の減少に対処する方策の1つに、ゲインセルと呼ばれる増幅型のメモリセルがある(例えば、特開昭62−67861号公報、特開平1−255269号公報参照)。回路図を図57の(A)に示すゲインセルは、書込用トランジスタTRWと、読出用トランジスタTRRと、検出用トランジスタTRSと、キャパシタ部Cから構成されている。ゲインセルへのデータの書き込み時、書込用トランジスタTRWをオン状態とし、キャパシタ部Cに電荷を蓄積させる。ゲインセルからのデータの読み出し時、読出用トランジスタTRRをオン状態とする。一方、検出用トランジスタTRSは、キャパシタ部Cに記憶されたデータに依存して、オン状態あるいはオフ状態となる。
【0031】
このような構成のゲインセルを従来の米国特許第4873664号に開示された不揮発性メモリに適用した場合の回路図を、図57の(B)に示す。このようなゲインセルタイプの不揮発性メモリセルは、書込用トランジスタTRW、読出用トランジスタTRR、検出用トランジスタTRS、及び、キャパシタ部FCから構成することができる。書込用トランジスタTRWの一方のソース/ドレイン領域はビット線BLに接続され、他方のソース/ドレイン領域はキャパシタ部FCの下部電極に接続されている。検出用トランジスタTRSの一端は所定の電位Vccを有する配線(例えば、不純物層から構成された電源線)に接続され、他端は読出用トランジスタTRRを介してビット線BLに接続されている。更には、キャパシタ部FCの下部電極は、検出用トランジスタTRSのゲート電極に接続されている。
【0032】
このような構成の不揮発性メモリセルにおいては、データの読み出し時、プレート線PLにパルス電圧を印加し、キャパシタ部FCにおける分極反転の有無に起因した蓄積電荷量に依存して、ディプレッション型のNMOSFETから構成された検出用トランジスタTRSの動作状態が制御される。即ち、ビット線BLを0ボルトにイコライズした後、読出用トランジスタTRRをオン状態とすると、電源Vccから検出用トランジスタTRS及び読出用トランジスタTRRを介して電流が流れ、ビット線BLに電位が現れるが、かかるビット線BL上の電位は、不揮発性メモリセルに記憶されたデータに依存する。これによって、キャパシタ部FCに記憶されたデータが「1」であるか「0」であるかを知ることができる。即ち、キャパシタ部FCにおける小さな蓄積電荷に基づき、大きなビット線負荷を駆動することができる。
【0033】
しかしながら、このような構成の不揮発性メモリにおいては、1つの不揮発性メモリセル当たり、3つのトランジスタが必要とされ、1ビット当たりのセル面積が大幅に増加し、ビット当たりのコストが増加するという問題がある。
【0034】
また、データの読み出し時、プレート線PLにパルス電圧を印加した際、キャパシタ部を構成する、プレート線PLに接続された上部電極と、検出用トランジスタTRSのゲート電極に接続された下部電極との間に十分な電位差が生じないと、キャパシタ部FCに分極反転が生じない。然るに、データの読み出し時、検出用トランジスタTRSのゲート電極に接続された下部電極は浮遊状態であり、その負荷容量は検出用トランジスタTRSのゲート容量分程度しかない。従って、プレート線PLにパルス電圧を印加した際、上部電極と下部電極とのカップリングにより、下部電極の電位が大きく上昇してしまい、上部電極と下部電極との間に十分なる電界が形成されず、強誘電体層に分極反転が生じないといった問題がある。逆に、このようなカップリングによる下部電極の電位上昇を抑制するためには、下部電極にキャパシタ部FCの数倍程度の負荷容量を追加する必要があり、そのためには、別途、キャパシタを追加しなければならなくなる。しかしながら、これでは、セル面積が大幅に増加してしまう。
【0035】
従って、本発明の第1の目的は、最小加工寸法に制限されずに大容量化を図ることができ、より一層、高集積化された強誘電体型不揮発性半導体メモリを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、アドレス選択における駆動配線数を削減することで周辺回路の縮小を図ることができる強誘電体型不揮発性半導体メモリを提供することにある。
【0036】
更に、本発明の第3の目的は、メモリセルの縮小と周辺回路の削減とを両立させることができ、デバイス全体として整合のとれた集積度向上が可能になる強誘電体型不揮発性半導体メモリを提供することにある。
【0037】
また、本発明の第4の目的は、強誘電体層を構成する強誘電体材料の反転電圧が負の温度特性を有するといった特性、即ち、強誘電体型不揮発性半導体メモリの抗電圧の負の温度依存性に対する対策を備え、要求される温度範囲での動作を確実に保証し得る強誘電体型不揮発性半導体メモリを提供することにある。
【0038】
更に、本発明の第5の目的は、1ビット当たりの面積が縮小することができ、しかも、記憶されたデータを確実に読み出すことができる、即ち、十分なセンス信号量を得ることを可能にする、所謂ゲインセルタイプの強誘電体型不揮発性半導体メモリを提供することにある。
【0039】
また、本発明の第6の目的は、より一層、高集積化され、しかも、ディスターブ耐性に優れ、高速動作、低消費電力を可能とする強誘電体型不揮発性半導体メモリ及びその駆動方法を提供することにある。
【0040】
【課題を解決するための手段】
上記の第1〜第3の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、
(A)ビット線と、
(B)選択用トランジスタと、
(C)それぞれがM個(但し、M≧2)のメモリセルから構成された、N個(但し、N≧2)のメモリユニットと、
(D)M×N本のプレート線、
から成り、
N個のメモリユニットは、層間絶縁層を介して積層されており、
各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
各メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、該共通の第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
第n番目(但し、n=1,2・・・N)のメモリユニットにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルの第2の電極は、第[(n−1)M+m]番目のプレート線に接続されていることを特徴とする。
【0041】
上記の第1〜第3の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、選択用トランジスタの構成、プレート線の構成が、本発明の第1の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリと相違している。即ち、本発明の第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、
(A)ビット線と、
(B)N個(但し、N≧2)の選択用トランジスタと、
(C)それぞれがM個(但し、M≧2)のメモリセルから構成された、N個のメモリユニットと、
(D)M本のプレート線、
から成り、
各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
各メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、
第n番目(但し、n=1,2・・・N)のメモリユニットにおける共通の第1の電極は、第n番目の選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
第n番目のメモリユニットにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルの第2の電極は、メモリユニット間で共通とされた第m番目のプレート線に接続されていることを特徴とする。
【0042】
尚、第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリの好ましい形態においては、N個のメモリユニットは層間絶縁層を介して積層されていることが望ましい。
【0043】
上記の第1〜第3の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、第2の電極の構成が、本発明の第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリと相違している。即ち、本発明の第3の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、
(A)ビット線と、
(B)2N個(但し、N≧1)の選択用トランジスタと、
(C)それぞれがM個(但し、M≧2)のメモリセルから構成された、2N個のメモリユニットと、
(D)M本のプレート線、
から成り、
各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
各メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、
第(2n−1)番目(但し、n=1,2・・・N)のメモリユニットにおける共通の第1の電極は、第(2n−1)番目の選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
第2n番目のメモリユニットにおける共通の第1の電極は、第2n番目の選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
第(2n−1)番目のメモリユニットを構成する第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルと、第2n番目のメモリユニットを構成する第m番目のメモリセルは、第2の電極を共有しており、該共有された第m番目の第2の電極は第m番目のプレート線に接続されていることを特徴とする。
【0044】
上記の第1〜第3の目的を達成するための本発明の第4の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、
(A−1)第1のビット線と、
(B−1)N個(但し、N≧1)の第1の選択用トランジスタと、
(C−1)それぞれがM個(但し、M≧2)の第1のメモリセルから構成された、N個の第1のサブメモリユニットと、
(D−1)N個の第1のサブメモリユニット間において、N個の第1のサブメモリユニットのそれぞれを構成する第1のメモリセルで共通とされたM本のプレート線、
から成る第1のメモリユニット、並びに、
(A−2)第2のビット線と、
(B−2)N個の第2の選択用トランジスタと、
(C−2)それぞれがM個の第2のメモリセルから構成された、N個の第2のサブメモリユニットと、
(D−2)N個の第2のサブメモリユニット間において、N個の第2のサブメモリユニットのそれぞれを構成する第2のメモリセルで共通とされ、且つ、前記第1のメモリユニットを構成するM本のプレート線と共通のM本のプレート線、から成る第2のメモリユニットから構成され、
第1のサブメモリユニットは、層間絶縁層を介して、第2のサブメモリユニットと積層されており、
各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
第1のメモリユニットにおいて、第n番目(但し、n=1,2・・・N)の第1のサブメモリユニットを構成する第1のメモリセルの第1の電極は、第n番目の第1のサブメモリユニットにおいて共通であり、該共通の第1の電極は、第n番目の第1の選択用トランジスタを介して第1のビット線に接続され、第m番目(但し、m=1,2・・・M)の第1のメモリセルの第2の電極は共通の第m番目のプレート線に接続されており、
第2のメモリユニットにおいて、第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第2のメモリセルの第1の電極は、第n番目の第2のサブメモリユニットにおいて共通であり、該共通の第1の電極は、第n番目の第2の選択用トランジスタを介して第2のビット線に接続され、第m番目の第2のメモリセルの第2の電極は共通の第m番目のプレート線に接続されていることを特徴とする。
【0045】
上記の第1〜第3の目的を達成するための本発明の第5の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、第2の電極の構成が、本発明の第4の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリと相違している。即ち、本発明の第5の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、
(A−1)第1のビット線と、
(B−1)N個(但し、N≧1)の第1の選択用トランジスタと、
(C−1)それぞれがM個(但し、M≧2)の第1のメモリセルから構成された、N個の第1のサブメモリユニットと、
(D−1)N個の第1のサブメモリユニット間において、N個の第1のサブメモリユニットのそれぞれを構成する第1のメモリセルで共通とされたM本のプレート線、
から成る第1のメモリユニット、並びに、
(A−2)第2のビット線と、
(B−2)N個の第2の選択用トランジスタと、
(C−2)それぞれがM個の第2のメモリセルから構成された、N個の第2のサブメモリユニットと、
(D−2)N個の第2のサブメモリユニット間において、N個の第2のサブメモリユニットのそれぞれを構成する第2のメモリセルで共通とされ、且つ、前記第1のメモリユニットを構成するM本のプレート線と共通のM本のプレート線、から成る第2のメモリユニットから構成され、
各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
第1のメモリユニットにおいて、第n番目(但し、n=1,2・・・N)の第1のサブメモリユニットを構成する第1のメモリセルの第1の電極は、第n番目の第1のサブメモリユニットにおいて共通であり、該共通の第1の電極は、第n番目の第1の選択用トランジスタを介して第1のビット線に接続され、
第2のメモリユニットにおいて、第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第2のメモリセルの第1の電極は、第n番目の第2のサブメモリユニットにおいて共通であり、該共通の第1の電極は、第n番目の第2の選択用トランジスタを介して第2のビット線に接続され、
第1のメモリユニットにおける第n番目の第1のサブメモリユニットを構成する第m番目(但し、m=1,2・・・M)の第1のメモリセルと、第2のメモリユニットにおける第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第m番目の第2のメモリセルは、第2の電極を共有しており、該共有された第2の電極は第m番目のプレート線に接続されていることを特徴とする。
【0046】
本発明の本発明の第4の態様若しくは第5の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、第1のビット線及び第2のビット線は同一のセンスアンプに接続されていることが好ましい。そして、この場合、第n番目の第1の選択用トランジスタと、第n番目の第2の選択用トランジスタとは、同一のワード線に接続されていてもよいし、異なるワード線に接続されていてもよい。強誘電体型不揮発性半導体メモリの駆動方法に依り、1つのメモリセルに1ビットを記憶させることもできるし、対となったメモリセルに相補的なデータを記憶させることもできる。
【0047】
本発明の本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、M≧2を満足すればよく、実際的なMの値として、例えば、2のべき数(2,4,8・・・)を挙げることができる。また、N≧2を満足すればよく、実際的なNの値として、例えば、2のべき数(2,4,8・・・)を挙げることができる。
【0048】
また、本発明の本発明の第3の態様〜第5の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、M≧2を満足すればよく、実際的なMの値として、例えば、2のべき数(2,4,8・・・)を挙げることができる。また、N≧1を満足すればよく、実際的なNの値として、例えば、1あるいは2のべき数(2,4,8・・・)を挙げることができる。
【0049】
本発明の第1の態様〜第5の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、複数のメモリセルに1つの選択用トランジスタを共有させる。そして、メモリユニットあるいはサブメモリユニットを三次元積層構造とすることにより、半導体基板表面を占有するトランジスタの数に制約されることが無くなり、従来の強誘電体型不揮発性半導体メモリに比べて飛躍的に記憶容量を増大させることができ、ビット記憶単位の実効占有面積を大幅に縮小することが可能となる。
【0050】
本発明の第2の態様〜第5の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、更には、ロー方向のアドレス選択は選択用トランジスタとプレート線とによって構成された二次元マトリクスにて行う。例えば、8個の選択用トランジスタとプレート線8本とでローアドレスの選択単位を構成すれば、16個のデコーダ/ドライバ回路で、例えば、64ビットのメモリセルを選択することができる。従って、強誘電体型不揮発性半導体メモリの集積度が従来と同等でも、記憶容量は4倍とすることができる。また、アドレス選択における周辺回路や駆動配線数を削減することができる。
【0051】
本発明の第1の態様〜第5の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、メモリユニットあるいはサブメモリユニットを2層構成、4層構成、8層構成等の2p層構成(p=1,2,3・・・)とすることが好ましい。
【0052】
本発明の第1の態様及び第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリの好ましい形態においては、上方に位置するメモリユニットのメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度は、下方に位置するメモリユニットのメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度よりも低いことが好ましく、本発明の第3の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、N≧2の場合、上方に位置するメモリユニットの組のメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度は、下方に位置するメモリユニットの組のメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度よりも低いことが好ましく、本発明の第4の態様〜第5の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、上方に位置するサブメモリユニットのメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度は、下方に位置するサブメモリユニットのメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度よりも低いことが好ましい。
【0053】
上記の第1の目的を達成するための本発明の第6の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、
第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成るメモリセルが、層間絶縁層を介して積層されて成る強誘電体型不揮発性半導体メモリであって、
上方に位置するメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度は、下方に位置するメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度よりも低いことを特徴とする。
【0054】
本発明の第6の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、メモリセルを、例えば2層構成、4層構成、8層構成等の2p層構成(p=1,2,3・・・)とすることができる。
【0055】
本発明の第6の態様、若しくは、本発明の第1の態様〜第5の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおける好ましい態様において、メモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度は、例えば、X線回折装置や表面走査型電子顕微鏡を用いて調べることができる。具体的には、例えば、強誘電体材料層を形成した後、強誘電体材料層の結晶化を行うための熱処理温度を種々変えて結晶化促進のための熱処理を行い、熱処理後の強誘電体材料層のX線回折分析を行い、強誘電体材料に特有の回折パターン強度(回折ピークの高さ)を評価することによって、強誘電体層の結晶化温度を求めることができる。
【0056】
ところで、後述するキャパシタ部や、メモリユニット、サブメモリユニットが積層された構成を有する強誘電体型不揮発性半導体メモリを製造する場合、強誘電体層、あるいは、強誘電体層を構成する強誘電体薄膜の結晶化のために、熱処理(結晶化熱処理と呼ぶ)を積層されたキャパシタ部やメモリユニット、サブメモリユニットの段数だけ行わなければならない。従って、下段に位置するキャパシタ部やメモリユニット、サブメモリユニットほど、長時間の結晶化熱処理を受け、上段に位置するほど、キャパシタ部やメモリユニット、サブメモリユニットは短時間の結晶化熱処理を受けることになる。それ故、上段に位置するキャパシタ部やメモリユニット、サブメモリユニットに対して最適な結晶化熱処理を施すと、下段に位置するキャパシタ部やメモリユニット、サブメモリユニットは過度の熱負荷を受ける虞があり、下段に位置するキャパシタ部やメモリユニット、サブメモリユニットの特性劣化が生じる虞がある。尚、多段のキャパシタ部やメモリユニット、サブメモリユニットを作製した後、一度で結晶化熱処理を行う方法も考えられるが、結晶化の際に強誘電体層に大きな体積変化が生じたり、各強誘電体層から脱ガスが生じる可能性が高く、強誘電体層にクラックや剥がれが生じるといった問題が発生し易い。
【0057】
本発明の第6の態様、若しくは、本発明の第1の態様〜第5の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおける好ましい態様において、上方に位置するキャパシタ部やメモリユニット、サブメモリユニットを構成する強誘電体層の結晶化温度は、下方に位置するキャパシタ部やメモリユニット、サブメモリユニットを構成する強誘電体層の結晶化温度よりも低いので、積層されたキャパシタ部やメモリユニット、サブメモリユニットの段数だけ結晶化熱処理を行っても、下方に位置するキャパシタ部やメモリユニット、サブメモリユニットを構成するメモリセルの特性劣化といった問題は生じない。また、各段におけるキャパシタ部やメモリユニット、サブメモリユニットを構成するメモリセルに対して、最適な条件での結晶化熱処理を行うことができ、特性の優れた強誘電体型不揮発性半導体メモリを得ることができる。
【0058】
上記の第4の目的を達成するための本発明の第7の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、
強誘電体層を有するキャパシタ部を備えたメモリセルが、複数、配列されて成るメモリユニットを備え、選択されたメモリセルへのアクセス時、非選択のメモリセルにディスターブが発生する構造を有する強誘電体型不揮発性半導体メモリであって、
キャパシタ部に接続され、出力が負の温度特性を有する電源電圧回路を備えていることを特徴とする。
【0059】
尚、本発明の第7の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリに、好ましい形態を含む本発明の第1の態様〜第6の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリを適用することができる。
【0060】
このように、本発明の第7の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにあっては、キャパシタ部に接続され、出力が負の温度特性を有する電源電圧回路が備えられているので、動作温度が高くなり、抗電圧が減少しても、電源電圧回路から出力される電圧も減少する結果、(1/2)Vccの値が減少し、非選択のメモリセルにおけるキャパシタ部の電荷反転を防止することができる。ここで、ディスターブとは、非選択のメモリセルのキャパシタ部の強誘電体層に対して、分極が反転する方向に、即ち、保存されていたデータが劣化若しくは破壊される方向に、電界が加わる現象を指す。
【0061】
本発明の第7の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、
キャパシタ部の一端はビット線に接続され、他端はプレート線に接続され、
電源電圧回路は、ビット線に接続され、若しくは、プレート線に接続され、若しくは、ビット線及びプレート線に接続されている構成とすることができる。
【0062】
本発明の第7の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにあっては、電源電圧回路は、
(a)参照電圧回路と、
(b)参照電圧回路から出力された参照電圧が第1の入力部に入力される比較器と、
(c)比較器からの出力電圧に従って、比較器からの出力電圧に負のフィードバックをかける回路、例えば、比較器からの出力電圧がゲート部に入力され、ドレイン領域が比較器の第2の入力部及びキャパシタ部に接続されたPMOS型FET、
から成る構成とすることが望ましいが、電源電圧回路を参照電圧回路のみから構成することも可能である。尚、PMOS型FETのドレイン領域がキャパシタ部に接続されているとは、具体的には、ビット線に接続され、あるいは又、プレート線に接続され、あるいは又、ビット線及びプレート線に接続されていることを意味する。
【0063】
ここで、参照電圧回路は、一端が電源に接続された第1の抵抗素子と、一端が第1の抵抗素子の他端に接続され、他端が接地された第2の抵抗素子から成り、第1の抵抗素子と第2の抵抗素子との接続部から参照電圧が出力される構成とすることが、回路の簡素化の観点から好ましい。
【0064】
そして、この場合、第1の抵抗素子及び第2の抵抗素子は負の温度特性を有し(即ち、温度が上昇するに従い、抵抗値が減少し)、第2の抵抗素子の抵抗値の温度変化量の絶対値は、第1の抵抗素子の抵抗値の温度変化量の絶対値よりも大きい構成とすることができる。ここで、抵抗値の温度変化量の絶対値とは、温度t1゜Cにおける電気抵抗値をr1、温度t2゜C(t2>t1)における電気抵抗値をr2としたとき、|r2−r1|で表すことができる。具体的には、第1の抵抗素子及び第2の抵抗素子を抵抗体から構成することができる。より具体的には、例えば、第1の抵抗素子は不純物がドープされた半導体層から成り、第2の抵抗素子は、第1の抵抗素子を構成する半導体層の不純物濃度よりも低い濃度の不純物がドープされた半導体層から成る構成;第1の抵抗素子はSi−Ge半導体層から成り、第2の抵抗素子はSi半導体層から成る構成とすることができる。但し、第1の抵抗素子及び第2の抵抗素子は、これらの構成に限定するものではない。尚、第1の抵抗素子及び第2の抵抗素子は正の温度特性を有し(即ち、温度が上昇するに従い、抵抗値が増加し)、第2の抵抗素子の抵抗値の温度変化量の絶対値は、第1の抵抗素子の抵抗値の温度変化量の絶対値よりも小さい構成とすることもできる。
【0065】
あるいは又、この場合、第1の抵抗素子は抵抗体から成り、第2の抵抗素子は、ドレイン部とゲート部が短絡された少なくとも1つのPMOS型FET(場合によっては、かかるPMOS型FETを直列に接続した構造)から成る構成することもできる。
【0066】
あるいは又、この場合、第1の抵抗素子は正の温度特性を有し(即ち、温度が上昇するに従い、抵抗値が増加し)、第2の抵抗素子は負の温度特性を有する(即ち、温度が上昇するに従い、抵抗値が減少する)構成とすることができる。具体的には、第1の抵抗素子はゲート部が接地されたPMOS型FETから成り、第2の抵抗素子は抵抗体から成る構成とすることができるが、これらの構成に限定するものではない。
【0067】
上記の第4の目的を達成するための本発明の第8の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、
強誘電体層を有するキャパシタ部を備えたメモリセルが、複数、配列されて成るメモリユニットを備え、選択されたメモリセルへのアクセス時、非選択のメモリセルにディスターブが発生する構造を有する強誘電体型不揮発性半導体メモリであって、
キャパシタ部の一端はビット線に接続され、他端はプレート線に接続され、
ビット線に接続された、クランプ電圧が負の温度特性を有するクランプ回路を備えていることを特徴とする。
【0068】
尚、本発明の第8の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリに、好ましい形態を含む本発明の第1の態様〜第6の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリを適用することができる。また、本発明の第7の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリと本発明の第8の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリとを組み合わせることもできる。
【0069】
このように、本発明の第8の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにあっては、クランプ電圧が負の温度特性を有する(即ち、温度が上昇するに従い、クランプ電圧が減少、あるいは低下する)クランプ回路がビット線に接続されているので、動作温度が高くなり、抗電圧が減少しても、ビット線の電圧(電位)が低い電圧(電位)にクランプされる結果、非選択のキャパシタ部の電荷反転を防止することができる。
【0070】
本発明の第8の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、プレート線に接続された電源電圧回路を更に備え、該電源電圧回路の出力は負の温度特性を有する構成とすることができる。プレート線に接続された電源電圧回路の構成としては、本発明の第7の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおけるプレート線に接続された電源電圧回路の構成と同様とすることができる。
【0071】
本発明の第8の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにあっては、クランプ回路は、ドレイン部とゲート部が短絡されたPMOS型FETを直列に接続した構造を有する構成とすることが望ましいが、これに限定するものではない。
【0072】
上記の第5の目的を達成するための本発明の第9の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、
(A)ビット線と、
(B)選択用トランジスタと、
(C)M個(但し、M≧2)のメモリセルから構成されたメモリユニットと、
(D)M本のプレート線、
から成り、
各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、該共通の第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、各メモリセルを構成する第2の電極はプレート線に接続されている強誘電体型不揮発性半導体メモリであって、
(E)共通の第1の電極の電位変化を検出し、該検出結果をビット線に電流又は電圧として伝達する信号検出回路、
を備えていることを特徴とする。
【0073】
本発明の第9の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、選択用トランジスタ及び信号検出回路は半導体基板上に設けられており、メモリユニットは半導体基板上に形成された絶縁層上に設けられていることが好ましい。尚、メモリユニットの数は1であっても、2以上であってもよい。後者の場合、複数のメモリユニットが、層間絶縁層を介して積層されている構成とすることが好ましい。
【0074】
上記の第5の目的を達成するための本発明の第10の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、所謂ゲインセルタイプの強誘電体型不揮発性半導体メモリであり、
(A)ビット線と、
(B)書込用トランジスタと、
(C)M個(但し、M≧2)のメモリセルから構成されたメモリユニットと、
(D)M本のプレート線、
から成り、
各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、該共通の第1の電極は、書込用トランジスタを介してビット線に接続され、各メモリセルを構成する第2の電極はプレート線に接続されている強誘電体型不揮発性半導体メモリであって、
(E)検出用トランジスタ、及び、
(F)読出用トランジスタ、
を更に備え、
検出用トランジスタの一端は所定の電位を有する配線に接続され、他端は読出用トランジスタを介してビット線に接続され、
各メモリセルに記憶されたデータの読み出し時、読出用トランジスタが導通状態とされ、各メモリセルに記憶されたデータに基づき共通の第1の電極に生じた電位により、検出用トランジスタの動作が制御されることを特徴とする。
【0075】
上記の第5の目的を達成するための本発明の第11の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、所謂ゲインセルタイプの強誘電体型不揮発性半導体メモリであり、
(A)ビット線と、
(B)書込用トランジスタと、
(C)それぞれがM個(但し、M≧2)のメモリセルから構成された、N個(但し、N≧2)のメモリユニットと、
(D)N個の選択用トランジスタと、
(E)N個のメモリユニットのそれぞれを構成するメモリセルで共通とされたM本のプレート線、
から成り、
各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
第n番目(n=1,2・・・N)のメモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、該共通の第1の電極は、第n番目の選択用トランジスタ及び書込用トランジスタを介してビット線に接続され、(m=1,2・・・M)メモリセルを構成する第2の電極は共通の第m番目のプレート線に接続されている強誘電体型不揮発性半導体メモリであって、
(F)検出用トランジスタ、及び、
(G)読出用トランジスタ、
を更に備え、
検出用トランジスタの一端は所定の電位を有する配線に接続され、他端は読出用トランジスタを介してビット線に接続され、
第n番目のメモリユニットを構成する各メモリセルに記憶されたデータの読み出し時、第n番目の選択用トランジスタ及び読出用トランジスタが導通状態とされ、各メモリセルに記憶されたデータに基づき共通の第1の電極に生じた電位により、検出用トランジスタの動作が制御されることを特徴とする。
【0076】
本発明の第11の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、N≧2を満足すればよく、実際的なNの値として、例えば2のべき数(2,4,8・・・)を挙げることができる。
【0077】
本発明の第9の態様、第10の態様若しくは第11の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、Mの値は、2≦M≦128、好ましくは、4≦M≦32を満足することが望ましい。
【0078】
本発明の第10の態様若しくは第11の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、例えば、シリコン半導体基板に各種のトランジスタを作製し、かかる各種のトランジスタ上に絶縁層を形成し、この絶縁層上にメモリセルを形成することが、セル面積の縮小化といった観点から好ましい。場合によっては、複数のメモリユニットを層間絶縁層を介して積層してもよい。即ち、本発明の第10の態様あるいは第11の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリに、更には、メモリユニットの数が2以上である本発明の第9の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリに、好ましい形態を含む本発明の第1の態様〜第6の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリを適用することができる。ここで、絶縁層あるいは層間絶縁層を構成する材料として、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)、SiON、SOG、NSG、BPSG、PSG、BSG及びLTOを例示することができる。更には、本発明の第9の態様、第10の態様若しくは第11の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリと、本発明の第7の態様若しくは第8の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリとを組み合わせることもできる。
【0079】
本発明の第10の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリの具体的な構成として、各種のトランジスタをFETから構成する場合、書込用トランジスタの一方のソース/ドレイン領域はビット線に接続され、他方のソース/ドレイン領域は共通の第1の電極に接続され、検出用トランジスタの一方のソース/ドレイン領域は、所定の電位を有する配線(例えば、不純物層から構成された電源線)に接続され、他方のソース/ドレイン領域は、読出用トランジスタの一方のソース/ドレイン領域に接続され、読出用トランジスタの他方のソース/ドレイン領域はビット線に接続され、更に、共通の第1の電極(あるいは、書込用トランジスタの他方のソース/ドレイン領域)は、検出用トランジスタのゲート電極に接続されている構成とすることができる。尚、検出用トランジスタの他方のソース/ドレイン領域が読出用トランジスタの一方のソース/ドレイン領域に接続された構成には、検出用トランジスタの他方のソース/ドレイン領域と読出用トランジスタの一方のソース/ドレイン領域とが1つのソース/ドレイン領域を占める構成が包含される。
【0080】
本発明の第11の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリの具体的な構成として、各種のトランジスタをFETから構成する場合、書込用トランジスタの一方のソース/ドレイン領域はビット線に接続され、他方のソース/ドレイン領域は、N個の選択用トランジスタのそれぞれの一方のソース/ドレイン領域に接続され、第n番目の選択用トランジスタの他方のソース/ドレイン領域は、第n番目のメモリユニットを構成する共通の第1の電極に接続され、検出用トランジスタの一方のソース/ドレイン領域は、所定の電位を有する配線に接続され、他方のソース/ドレイン領域は、読出用トランジスタの一方のソース/ドレイン領域に接続され、読出用トランジスタの他方のソース/ドレイン領域はビット線に接続され、更に、各メモリユニットを構成する共通の第1の電極(あるいは、書込用トランジスタの他方のソース/ドレイン領域)は、検出用トランジスタのゲート電極に接続されている構成とすることができる。尚、検出用トランジスタの他方のソース/ドレイン領域が読出用トランジスタの一方のソース/ドレイン領域に接続された構成には、検出用トランジスタの他方のソース/ドレイン領域と読出用トランジスタの一方のソース/ドレイン領域とが1つのソース/ドレイン領域を占める構成が包含される。
【0081】
本発明の第9の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、1つの選択用トランジスタと信号検出回路とに対して、M個のメモリセルが設けられているが故に、1ビット当たりのセル面積を減少させることができる。また、本発明の第10の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、1つの書込用トランジスタと1つの検出用トランジスタと1つの読出用トランジスタに対して、M個のメモリセルが設けられているが故に、1ビット当たりのセル面積を減少させることができる。更には、本発明の第11の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、1つの書込用トランジスタと1つの検出用トランジスタと1つの読出用トランジスタとN個の選択用トランジスタに対して、M×N個のメモリセルが設けられているが故に、1ビット当たりのセル面積を一層減少させることができる。しかも、共通の第1の電極の電位変化を信号検出回路によって検出し、あるいは又、各メモリセルに記憶されたデータに基づき共通の第1の電極に生じた電位により検出用トランジスタの動作が制御されるが、第1の電極はM個のメモリセルに共通であるが故に、第1の電極に一種の追加の負荷容量が付加された状態となっている。その結果、データの読み出し時、プレート線に電圧を印加した際、第1の電極の電位上昇を抑制することができ、第1の電極と第2の電極との間に十分な電位差が生じる結果、強誘電体層に確実に分極反転が発生する。
【0082】
上記の第6の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリの駆動方法は、
(A−1)第1のビット線と、
(B−1)N個(但し、N≧1)の第1の選択用トランジスタと、
(C−1)それぞれがM個(但し、M≧2)の第1のメモリセルから構成された、N個の第1のサブメモリユニットと、
(D−1)N個の第1のサブメモリユニット間において、N個の第1のサブメモリユニットのそれぞれを構成する第1のメモリセルで共通とされたM本のプレート線、
から成る第1のメモリユニット、並びに、
(A−2)第2のビット線と、
(B−2)N個の第2の選択用トランジスタと、
(C−2)それぞれがM個の第2のメモリセルから構成された、N個の第2のサブメモリユニットと、
(D−2)N個の第2のサブメモリユニット間において、N個の第2のサブメモリユニットのそれぞれを構成する第2のメモリセルで共通とされ、且つ、前記第1のメモリユニットを構成するM本のプレート線と共通のM本のプレート線、から成る第2のメモリユニットから構成され、
各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
第1のメモリユニットにおいて、第n番目(但し、n=1,2・・・N)の第1のサブメモリユニットを構成する第1のメモリセルの第1の電極は、第n番目の第1のサブメモリユニットにおいて共通であり、該共通の第1の電極は、第n番目の第1の選択用トランジスタを介して第1のビット線に接続され、第m番目(但し、m=1,2・・・M)の第1のメモリセルの第2の電極は共通の第m番目のプレート線に接続されており、
第2のメモリユニットにおいて、第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第2のメモリセルの第1の電極は、第n番目の第2のサブメモリユニットにおいて共通であり、該共通の第1の電極は、第n番目の第2の選択用トランジスタを介して第2のビット線に接続され、第m番目の第2のメモリセルの第2の電極は共通の第m番目のプレート線に接続されている強誘電体型不揮発性半導体メモリの駆動方法であって、
プレート線を共有した第1のサブメモリユニットにおける第1のメモリセル及び第2のサブメモリユニットにおける第2のメモリセルに記憶されたデータの読み出し及びデータの再書き込みを、1回のプレート線の電位立ち上げ及び電位立ち下げにて行うことを特徴とする。
【0083】
本発明の第1の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリの駆動方法(以下、本発明の第1の態様に係る駆動方法と略称する)においては、
第1のビット線と第2のビット線との間に、第1のメモリセル及び第2のメモリセルのそれぞれに記憶されたデータをラッチするための2N個のラッチ回路が設けられており、
第(2n−1)番目のラッチ回路にラッチされたデータに基づき、第n番目の第1のサブメモリユニットを構成する第1のメモリセルへのデータの再書き込みを行い、第2n番目のラッチ回路にラッチされたデータに基づき、第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第2のメモリセルへのデータの再書き込みを行う構成とすることができる。即ち、プレート線を共有した(即ち、対となった)第n番目の第1のサブメモリユニットを構成する第1のメモリセル及び第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第2のメモリセルのそれぞれに、1ビットを記憶することができ、これによって、強誘電体型不揮発性半導体メモリの高集積化を図ることができる。尚、このような構成の本発明の第1の態様に係る駆動方法を、本発明の第1の構成に係る駆動方法と呼ぶ。
【0084】
本発明の第1の構成に係る駆動方法においては、第1のメモリセルに記憶されたデータの読み出しを行うとき、第1の選択用トランジスタをオン状態とし、第2の選択用トランジスタをオフ状態とし、且つ、第2のビット線に参照電位を印加し、第2のメモリセルに記憶されたデータの読み出しを行うとき、第2の選択用トランジスタをオン状態とし、第1の選択用トランジスタをオフ状態とし、且つ、第1のビット線に参照電位を印加する構成とすることができる。
【0085】
尚、本発明の第1の構成に係る駆動方法においては、選択用トランジスタがオフ状態において、プレート線を共有した第1のサブメモリユニットにおける第1のメモリセル及び第2のサブメモリユニットにおける第2のメモリセルに記憶されたデータの読み出し及びデータの再書き込みを行うために、プレート線の電位立ち上げを行い、その後、選択用トランジスタをオン状態とすることが望ましい。また、プレート線を共有した第1のサブメモリユニットにおける第1のメモリセル及び第2のサブメモリユニットにおける第2のメモリセルに記憶されたデータの読み出しを行った後、データをラッチ回路にラッチし、一旦、これらのメモリセルに2値データの一方(例えば、データ「0」)を書き込み、その後、プレート線の電位立ち下げを行い、次いで、これらのメモリセルへのデータ(例えば、データ「1」)の再書き込みを行うことが望ましい。
【0086】
あるいは又、本発明の第1の態様に係る駆動方法においては、
N≧2であり、
第1のビット線と第2のビット線との間には、第1のメモリセル及び第2のメモリセルに記憶されたデータをラッチするためのN個のラッチ回路が設けられており、
第n番目のラッチ回路にラッチされたデータに基づき、第n番目の第1のサブメモリユニットを構成する第1のメモリセル及び第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第2のメモリセルへのデータの再書き込みを行う構成とすることができる。即ち、プレート線を共有した(即ち、対となった)第n番目の第1のサブメモリユニットを構成する第1のメモリセル及び第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第2のメモリセルに、相補的なデータ構成の1ビットを記憶することができる。尚、このような構成の本発明の第1の態様に係る駆動方法を、本発明の第2の構成に係る駆動方法と呼ぶ。
【0087】
本発明の第2の構成に係る駆動方法においては、第n番目の第1のサブメモリユニットを構成する第m番目(但し、m=1,2・・・M)の第1のメモリセルと、第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第m番目の第2のメモリセルとは、対となって相補的なデータを記憶する構成とすることができる。
【0088】
尚、本発明の第2の構成に係る駆動方法においても、選択用トランジスタがオフ状態において、プレート線を共有した第1のサブメモリユニットにおける第1のメモリセル及び第2のサブメモリユニットにおける第2のメモリセルに記憶されたデータの読み出し及びデータの再書き込みを行うために、プレート線の電位立ち上げを行い、その後、選択用トランジスタをオン状態とすることが望ましい。また、プレート線を共有した第1のサブメモリユニットにおける第1のメモリセル及び第2のサブメモリユニットにおける第2のメモリセルに記憶されたデータの読み出しを行った後、データをラッチ回路にラッチし、一旦、これらのメモリセルに2値データの一方(例えば、データ「0」)を書き込み、その後、プレート線の電位立ち下げを行い、次いで、これらのメモリセルへのデータ(例えば、データ「1」)の再書き込みを行うことが望ましい。
【0089】
上記の第6の目的を達成するための本発明の第12の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、
(A−1)第1のビット線と、
(B−1)N個(但し、N≧1)の第1の選択用トランジスタと、
(C−1)それぞれがM個(但し、M≧2)の第1のメモリセルから構成された、N個の第1のサブメモリユニットと、
(D−1)N個の第1のサブメモリユニット間において、N個の第1のサブメモリユニットのそれぞれを構成する第1のメモリセルで共通とされたM本のプレート線、
から成る第1のメモリユニット、並びに、
(A−2)第2のビット線と、
(B−2)N個の第2の選択用トランジスタと、
(C−2)それぞれがM個の第2のメモリセルから構成された、N個の第2のサブメモリユニットと、
(D−2)N個の第2のサブメモリユニット間において、N個の第2のサブメモリユニットのそれぞれを構成する第2のメモリセルで共通とされ、且つ、前記第1のメモリユニットを構成するM本のプレート線と共通のM本のプレート線、から成る第2のメモリユニットから構成され、
各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
第1のメモリユニットにおいて、第n番目(但し、n=1,2・・・N)の第1のサブメモリユニットを構成する第1のメモリセルの第1の電極は、第n番目の第1のサブメモリユニットにおいて共通であり、該共通の第1の電極は、第n番目の第1の選択用トランジスタを介して第1のビット線に接続され、第m番目(但し、m=1,2・・・M)の第1のメモリセルの第2の電極は共通の第m番目のプレート線に接続されており、
第2のメモリユニットにおいて、第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第2のメモリセルの第1の電極は、第n番目の第2のサブメモリユニットにおいて共通であり、該共通の第1の電極は、第n番目の第2の選択用トランジスタを介して第2のビット線に接続され、第m番目の第2のメモリセルの第2の電極は共通の第m番目のプレート線に接続されている強誘電体型不揮発性半導体メモリであって、
更に、第1のビット線と第2のビット線との間には、第1のメモリセル及び第2のメモリセルに記憶されたデータをラッチするためのP個のラッチ回路が設けられていることを特徴とする。
【0090】
本発明の第12の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、N≧1であり、P=2Nを満たす構成とすることができる。尚、このような構成の本発明の強誘電体型不揮発性半導体メモリを、本発明の第12Aの態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリと呼ぶ。このような構成とすることで、本発明の第1の構成に係る駆動方法を実行することができる。尚、本発明の第12Aの態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、第(2n−1)番目のラッチ回路は、第n番目の第1のサブメモリユニットを構成する第1のメモリセルに記憶されたデータをラッチし、第2n番目のラッチ回路は、第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第2のメモリセルに記憶されたデータをラッチすることが好ましい。
【0091】
あるいは又、本発明の第12の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、N≧2であり、P=Nを満たす構成とすることができる。尚、このような構成の本発明の強誘電体型不揮発性半導体メモリを、本発明の第12Bの態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリと呼ぶ。このような構成とすることで、本発明の第2の構成に係る駆動方法を実行することができる。尚、本発明の第12Bの態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、第n番目のラッチ回路は、第n番目の第1のサブメモリユニットを構成する第1のメモリセル及び第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第2のメモリセルに記憶されたデータをラッチすることが好ましい。
【0092】
上記の第6の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリの駆動方法(以下、本発明の第2の態様に係る駆動方法と呼ぶ場合がある)は、
(A)ビット線と、
(B)N個(但し、N≧2)の選択用トランジスタと、
(C)それぞれがM個(但し、M≧2)のメモリセルから構成された、N個のメモリユニットと、
(D)M本のプレート線、
から成り、
各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
各メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、
第n番目(但し、n=1,2・・・N)のメモリユニットにおける共通の第1の電極は、第n番目の選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
第n番目のメモリユニットにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルの第2の電極は、メモリユニット間で共通とされた第m番目のプレート線に接続されている強誘電体型不揮発性半導体メモリの駆動方法であって、
N個のメモリユニットにおいて、プレート線を共有したメモリセルに記憶されたデータの読み出し及びデータの再書き込みを、1回のプレート線の電位立ち上げ及び電位立ち下げにて行うことを特徴とする。
【0093】
上記の第6の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリの駆動方法(以下、本発明の第3の態様に係る駆動方法と呼ぶ場合がある)は、
(A)ビット線と、
(B)N個(但し、N≧2)の選択用トランジスタと、
(C)それぞれがM個(但し、M≧2)のメモリセルから構成された、N個のメモリユニットと、
(D)M本のプレート線、
から成り、
各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
各メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、
第n番目(但し、n=1,2・・・N)のメモリユニットにおける共通の第1の電極は、第n番目の選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
第n番目のメモリユニットにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルの第2の電極は、メモリユニット間で共通とされた第m番目のプレート線に接続されている強誘電体型不揮発性半導体メモリの駆動方法であって、
N個のメモリユニットにおいて、プレート線を共有したメモリセルに記憶されたデータの読み出しを、先ず、該プレート線にパルスを与え、次いで、N個の選択用トランジスタを順次選択して行うことを特徴とする。
【0094】
本発明の第2の態様若しくは第3の態様に係る駆動方法にあっては、N個のメモリユニットは層間絶縁層を介して積層されていることが好ましい。そして、この場合、好ましい形態を含む本発明の第6の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリを適用することができる。
【0095】
上記の第6の目的を達成するための本発明の第13の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、
(A)ビット線と、
(B)N個(但し、N≧2)の選択用トランジスタと、
(C)それぞれがM個(但し、M≧2)のメモリセルから構成された、N個のメモリユニットと、
(D)M本のプレート線、
から成り、
各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
各メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、
第n番目(但し、n=1,2・・・N)のメモリユニットにおける共通の第1の電極は、第n番目の選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
第n番目のメモリユニットにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルの第2の電極は、メモリユニット間で共通とされた第m番目のプレート線に接続されている強誘電体型不揮発性半導体メモリであって、
更に、ビット線には、メモリセルに記憶されたデータをラッチするため、少なくともN個のラッチ回路が接続されていることを特徴とする。
【0096】
本発明の第13の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにあっては、第n番目(但し、n=1,2・・・N)のラッチ回路は、第n番目のメモリユニットのそれぞれを構成するメモリセルに記憶されたデータをラッチすることが好ましい。また、N個のメモリユニットは層間絶縁層を介して積層されていることが望ましい。
【0097】
尚、本発明の第12の態様若しくは第13の態様の好ましい形態に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリに、好ましい形態を含む本発明の第1の態様〜第6の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリを適宜適用することができる。
【0098】
即ち、例えば、本発明の第12Aの態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、一層の高集積化を達成するために、強誘電体型不揮発性半導体メモリを構成する第1のメモリユニットと、この強誘電体型不揮発性半導体メモリと第1のビット線の延在する方向に隣接した強誘電体型不揮発性半導体メモリを構成する第1のメモリユニットとを層間絶縁層を介して積層し、強誘電体型不揮発性半導体メモリを構成する第2のメモリユニットと、この強誘電体型不揮発性半導体メモリと第2のビット線の延在する方向に隣接した強誘電体型不揮発性半導体メモリを構成する第2のメモリユニットとを層間絶縁層を介して積層した構成とすることができる。
【0099】
また、例えば、本発明の第12Bの態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、一層の高集積化を達成するために、第1のメモリユニットを構成する第1のサブメモリユニットのそれぞれは層間絶縁層を介して積層されており、第2のメモリユニットを構成する第2のサブメモリユニットのそれぞれは層間絶縁層を介して積層されている構成とすることができる。あるいは又、第1のメモリユニットを構成する第1のサブメモリユニットと第2のメモリユニットを構成する第2のサブメモリユニットとは、層間絶縁層を介して積層されている構成とすることもできる。
【0100】
あるいは又、本発明の第12の態様若しくは第13の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリに、好ましい形態を含む本発明の第7の態様〜第11の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリを適用することもできる。
【0101】
本発明の第12の態様若しくは第13の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリあるいは又、本発明の第2の態様若しくは第3の態様に係る駆動方法において、M≧2を満足すればよく、実際的なMの値として、例えば、2のべき数(2,4,8・・・)を挙げることができる。また、本発明の第12Aの態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリあるいは第1の構成に係る駆動方法では、N≧1を満足すればよく、実際的なNの値として、例えば、1、及び、2のべき数(2,4,8・・・)を挙げることができる。また、本発明の第12Bの態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリあるいは第2の構成に係る駆動方法では、N≧2を満足すればよく、実際的なNの値として、例えば2のべき数(2,4,8・・・)を挙げることができる。
【0102】
本発明の第12の態様若しくは第13の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリあるいは強誘電体型不揮発性半導体メモリの駆動方法におけるラッチ回路は、周知のラッチ回路から構成すればよい。
【0103】
本発明の第12の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリあるいは本発明の第1の態様に係る駆動方法においては、第1及び第2の選択用トランジスタに複数の第1及び第2のメモリセルが並列に接続されており、しかも、第1及び第2のメモリセルにおいてプレート線が共通化されているので、強誘電体型不揮発性半導体メモリの高集積化を達成することができる。しかも、本発明の第1の態様に係る駆動方法においては、プレート線を共有した第1のメモリセル及び第2のメモリセルに記憶されたデータの読み出し及びデータの再書き込みを1回のプレート線の電位立ち上げ及び電位立ち下げにて行うので、各メモリセルがディスターブを受ける回数を少なくすることができるし、高速動作、低消費電力が可能となる。また、本発明の第12の態様若しくは第13の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、ラッチ回路を備えているので、メモリセルへのデータの再書き込み、あるいは又、第1及び第2のメモリセルへのデータの再書き込みを確実に行うことができる。
【0104】
本発明の第2の態様に係る駆動方法においては、N個のメモリユニットにおいて、プレート線を共有したメモリセルに記憶されたデータの読み出し及びデータの再書き込みを、1回のプレート線の電位立ち上げ及び電位立ち下げにて行うので、各メモリセルがディスターブを受ける回数を少なくすることができるし、高速動作、低消費電力が可能となる。また、本発明の第3の態様に係る駆動方法においては、N個のメモリユニットにおいて、プレート線を共有したメモリセルに記憶されたデータの読み出しを、先ず、該プレート線にパルスを与え、次いで、N個の選択用トランジスタを順次選択して行うので、各メモリセルがディスターブを受ける回数を少なくすることができるし、高速動作、低消費電力が可能となる。
【0105】
本発明の強誘電体型不揮発性半導体メモリにおける強誘電体層を構成する材料として、ビスマス層状化合物、より具体的には、Bi系層状構造ペロブスカイト型の強誘電体材料を挙げることができる。Bi系層状構造ペロブスカイト型の強誘電体材料は、所謂不定比化合物に属し、金属元素、アニオン(O等)元素の両サイトにおける組成ずれに対する寛容性がある。また、化学量論的組成からやや外れたところで最適な電気的特性を示すことも珍しくない。Bi系層状構造ペロブスカイト型の強誘電体材料は、例えば、一般式(Bi222+(Am-1m3m+12-で表すことができる。ここで、「A」は、Bi、Pb、Ba、Sr、Ca、Na、K、Cd等の金属から構成された群から選択された1種類の金属を表し、「B」は、Ti、Nb、Ta、W、Mo、Fe、Co、Crから成る群から選択された1種類、若しくは複数種の任意の比率による組み合わせを表す。また、mは1以上の整数である。
【0106】
あるいは又、強誘電体層を構成する材料は、
(BiX,Sr1-X2(SrY,Bi1-Y)(TaZ,Nb1-Z2d 式(1)
(但し、0.9≦X≦1.0、0.7≦Y≦1.0、0≦Z≦1.0、8.7≦d≦9.3)で表される結晶相を主たる結晶相として含んでいることが好ましい。あるいは又、強誘電体層を構成する材料は、
BiXSrYTa2d 式(2)
(但し、X+Y=3、0.7≦Y≦1.3、8.7≦d≦9.3)で表される結晶相を主たる結晶相として含んでいることが好ましい。これらの場合、式(1)若しくは式(2)で表される結晶相を主たる結晶相として85%以上含んでいることが一層好ましい。尚、式(1)中、(BiX,Sr1-X)の意味は、結晶構造における本来Biが占めるサイトをSrが占め、このときのBiとSrの割合がX:(1−X)であることを意味する。また、(SrY,Bi1-Y)の意味は、結晶構造における本来Srが占めるサイトをBiが占め、このときのSrとBiの割合がY:(1−Y)であることを意味する。式(1)若しくは式(2)で表される結晶相を主たる結晶相として含む強誘電体層を構成する材料には、Biの酸化物、TaやNbの酸化物、Bi、TaやNbの複合酸化物が若干含まれている場合もあり得る。
【0107】
あるいは又、強誘電体層を構成する材料は、
BiX(Sr,Ca,Ba)Y(TaZ,Nb1-Z2d 式(3)
(但し、1.7≦X≦2.5、0.6≦Y≦1.2、0≦Z≦1.0、8.0≦d≦10.0)で表される結晶相を含んでいてもよい。尚、「(Sr,Ca,Ba)」は、Sr、Ca及びBaから構成された群から選択された1種類の元素を意味する。これらの各式で表される強誘電体層を構成する材料の組成を化学量論的組成で表せば、例えば、Bi2SrTa29、Bi2SrNb29、Bi2BaTa29、Bi2SrTaNbO9等を挙げることができる。あるいは又、強誘電体層を構成する材料として、Bi4SrTi415、Bi4Ti312、Bi2PbTa29等を例示することができるが、これらの場合においても、各金属元素の比率は、結晶構造が変化しない程度に変化させ得る。即ち、金属元素及び酸素元素の両サイトにおける組成ずれがあってもよい。
【0108】
あるいは又、強誘電体層を構成する材料として、PbTiO3、ペロブスカイト型構造を有するPbZrO3とPbTiO3の固溶体であるチタン酸ジルコン酸鉛[PZT,Pb(Zr1-y,Tiy)O3(但し、0<y<1)]、PZTにLaを添加した金属酸化物であるPLZT、あるいはPZTにNbを添加した金属酸化物であるPNZTといったPZT系化合物を挙げることができる。
【0109】
以上に説明した強誘電体層を構成する材料において、これらの組成を化学量論的組成から外すことによって、結晶化温度を変化させることが可能である。
【0110】
本発明の第6の態様、若しくは、本発明の第1の態様〜第5の態様及び第7の態様〜第12の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおける好ましい態様においては、上述した強誘電体層を構成する材料を適宜選択することによって、上方に位置するメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度を、下方に位置するメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度よりも低くすることができ、あるいは又、上方に位置するメモリユニットあるいはサブメモリユニットを構成するメモリセルの強誘電体層の結晶化温度を、下方に位置するメモリユニットあるいはサブメモリユニットを構成するメモリセルの強誘電体層の結晶化温度よりも低くすることができる。以下の表1に、強誘電体層を構成する代表的な材料の結晶化温度を示すが、強誘電体層を構成する材料をかかる材料に限定するものではない。
【0111】
[表1]
材料名 結晶化温度
Bi2SrTa29 700〜800゜C
Bi2Sr(Ta1.5,Nb0.5)O9 650〜750゜C
Bi4Ti312 600〜700゜C
Pb(Zr0.48,Ti0.52)O3 550〜650゜C
PbTiO3 500〜600゜C
【0112】
本発明の各種の態様の強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、強誘電体層の下に第1の電極を形成し、強誘電体層の上に第2の電極を形成する構成(即ち、第1の電極は下部電極に相当し、第2の電極は上部電極に相当する)とすることもできるし、強誘電体層の上に第1の電極を形成し、強誘電体層の下に第2の電極を形成する構成(即ち、第1の電極は上部電極に相当し、第2の電極は下部電極に相当する)とすることもできる。プレート線は、第2の電極から延在している構成とすることもできるし、第2の電極とは別途に形成され、第2の電極と接続された構成とすることもできる。後者の場合、プレート線を構成する配線材料として、例えばアルミニウムやアルミニウム系合金を例示することができる。第1の電極が共通である構造として、具体的には、ストライプ状の第1の電極を形成し、かかるストライプ状の第1の電極の全面を覆うように強誘電体層を形成する構成を挙げることができる。尚、このような構造においては、第1の電極と強誘電体層と第2の電極の重複領域がメモリセルあるいはキャパシタ部に相当する。第1の電極が共通である構造として、その他、第1の電極の所定の領域に、それぞれの強誘電体層が形成され、強誘電体層上に第2の電極が形成された構造、あるいは又、配線層の所定の表面領域に、それぞれの第1の電極が形成され、かかるそれぞれの第1の電極上に強誘電体層が形成され、強誘電体層上に第2の電極が形成された構造を挙げることができるが、これらの構成に限定するものではない。
【0113】
強誘電体層を得るためには、強誘電体薄膜を形成した後の工程において、強誘電体薄膜をパターニングすればよい。場合によっては、強誘電体薄膜のパターニングは不要である。強誘電体薄膜の形成は、例えば、MOCVD法、パルスレーザアブレーション法、スパッタ法、ゾル−ゲル法といった強誘電体薄膜を構成する材料に適宜適した方法にて行うことができる。また、強誘電体薄膜のパターニングは、例えば異方性イオンエッチング(RIE)法にて行うことができる。
【0114】
本発明において、第1の電極及び第2の電極を構成する材料として、例えば、Ir、IrO2-X、SrIrO3、Ru、RuO2-X、SrRuO3、Pt、Pt/IrO2-X、Pt/RuO2-X、Pd、Pt/Tiの積層構造、Pt/Taの積層構造、Pt/Ti/Taの積層構造、La0.5Sr0.5CoO3(LSCO)、Pt/LSCOの積層構造、YBa2Cu37を挙げることができる。ここで、Xの値は、0≦X<2である。尚、積層構造においては、「/」の前に記載された材料が上層を構成し、「/」の後ろに記載された材料が下層を構成する。第1の電極と第2の電極は、同じ材料から構成されていてもよいし、同種の材料から構成されていてもよいし、異種の材料から構成されていてもよい。第1の電極あるいは第2の電極を形成するためには、第1の電極材料層あるいは第2の電極材料層を形成した後の工程において、第1の電極材料層あるいは第2の電極材料層をパターニングすればよい。第1の電極材料層あるいは第2の電極材料層の形成は、例えばスパッタ法、反応性スパッタ法、電子ビーム蒸着法、MOCVD法、あるいはパルスレーザアブレーション法といった第1の電極材料層や第2の電極材料層を構成する材料に適宜適した方法にて行うことができる。また、第1の電極材料層や第2の電極材料層のパターニングは、例えばイオンミーリング法やRIE法にて行うことができる。
【0115】
本発明において、層間絶縁層を構成する材料として、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)、SiON、SOG、NSG、BPSG、PSG、BSGあるいはLTOを例示することができる。
【0116】
選択用トランジスタ(スイッチング用トランジスタ)や各種のトランジスタは、例えば、周知のMIS型FETやMOS型FETから構成することができる。ビット線を構成する材料として、不純物がドーピングされたポリシリコンや高融点金属材料を挙げることができる。共通の第1の電極と選択用トランジスタとの電気的な接続は、共通の第1の電極と選択用トランジスタとの間に形成された絶縁層に設けられた接続孔(コンタクトホール)を介して、あるいは又、かかる絶縁層に設けられた接続孔(コンタクトホール)及び絶縁層上に形成された配線層を介して行うことができる。尚、絶縁層を構成する材料として、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)、SiON、SOG、NSG、BPSG、PSG、BSGあるいはLTOを例示することができる。
【0117】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、発明の実施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発明を説明する。
【0118】
(実施の形態1)
実施の形態1は、本発明の第1の態様及び第6の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリ(以下、不揮発性メモリと略称する)に関する。実施の形態1の不揮発性メモリの回路図を図1に示し、模式的な一部断面図を図2に示す。尚、図1には、2つの不揮発性メモリM1,M2を示すが、これらの不揮発性メモリは同じ回路である。以下の説明においては、不揮発性メモリM1についての説明を行う。
【0119】
この不揮発性メモリM1は、ビット線BL1と、MOS型FETから構成された選択用トランジスタTR1と、N個(但し、N≧2であり、実施の形態1においてはN=2)のメモリユニットMU11,MU12と、プレート線から構成されている。メモリユニットMU11は、M個(但し、M≧2であり、実施の形態1においてはM=4)のメモリセルMC11m(m=1,2,3,4)から構成されている。また、メモリユニットMU12も、M個(M=4)のメモリセルMC12m(m=1,2,3,4)から構成されている。プレート線の数は、M×N本(実施の形態1においては、8本)であり、PL1m,PL2m(m=1,2,3,4)で表している。選択用トランジスタTR1のゲート電極に接続されたワード線WL1は、ワード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。一方、各プレート線PL1m,PL2mは、プレート線デコーダ/ドライバPDに接続されている。
【0120】
また、メモリユニットMU11を構成する各メモリセルMC11mは、第1の電極21と強誘電体層22と第2の電極23とから成り、メモリユニットMU12を構成する各メモリセルMC12mは、第1の電極31と強誘電体層32と第2の電極33とから成る。そして、各メモリユニットMU11,MU12において、メモリセルMC11m,MC12mの第1の電極21,31は共通である。この共通の第1の電極21,31を、便宜上、共通ノードCN11,CN12と呼ぶ。共通ノードCN11,CN12(共通の第1の電極21,31)は、選択用トランジスタTR1を介してビット線BL1に接続されている。また、第n番目(但し、n=1,2・・・N)のメモリユニットMU11,MU12において、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルMC11m,MC12mの第2の電極23,33は、第[(n−1)M+m]番目のプレート線PL1m,PL2mに接続されている。具体的には、メモリユニットMU11におけるメモリセルMC11mの第2の電極23は、それぞれ、プレート線PL1mに接続されており、メモリユニットMU12におけるメモリセルMC12mの第2の電極33は、それぞれ、プレート線PL2mに接続されている。
【0121】
実施の形態1においては、2つのメモリユニットMU11,MU12は、それぞれ、層間絶縁層26を介して積層されている。メモリユニットMU12は絶縁膜36Aで被覆されている。また、メモリユニットMU11は、半導体基板10の上方に絶縁層16を介して形成されている。半導体基板10には素子分離領域11が形成されている。また、選択用トランジスタTR1は、ゲート電極13、ゲート絶縁膜12、ソース/ドレイン領域14から構成されている。そして、一方のソース/ドレイン領域14はコンタクトホール15を介してビット線BL1に接続されている。また、他方のソース/ドレイン領域14は、絶縁層16に形成された開口部17中に設けられた接続孔18を介して共通ノードCN11に接続され、更に、層間絶縁層26に形成された開口部27中に設けられた接続孔28を介して共通ノードCN12に接続されている。
【0122】
ここで、ワード線WL1は、図2の紙面垂直方向に延びている。また、第2の電極23は、図2の紙面垂直方向に隣接するメモリユニットMU21を構成するメモリセルと共通であり、プレート線PL1mを兼ねている。更には、第2の電極32も、図2の紙面垂直方向に隣接するメモリユニットMU22を構成するメモリセルと共通であり、プレート線PL2mを兼ねている。各メモリセルを結ぶこれらの各プレート線は、図2の紙面垂直方向に延びており、図示しない領域において接続孔を介して接続されている。また、メモリセルMC11MとメモリセルMC12Mとは、垂直方向に揃っている。このような構造にすることによって、メモリユニットの占有面積を小さくすることができ、集積度の向上を図ることができる。
【0123】
尚、図1に示した不揮発性メモリM2は、図2の模式的な一部断面図において、上述のとおり、不揮発性メモリM1と紙面垂直方向に隣接している。
【0124】
更には、ビット線BL1は、センスアンプSAに接続されている。尚、ビット線BL2も同じセンスアンプSAに接続されているが、ビット線BL2は、異なるセンスアンプSAに接続されていてもよい。また、ビット線BL1,BL2は、ビット線BL1,BL2の延びる方向に隣接する他の不揮発性メモリとも共有されている。
【0125】
そして、各メモリセルMC11m,MC12m(m=1,2,3,4)に1ビットがデータとして記憶される。実際の不揮発性メモリにおいては、この8ビットを記憶するメモリユニットの集合がアクセス単位ユニットとしてアレイ状に配設されている。
【0126】
実施の形態1の不揮発性メモリにデータを書き込む方法の一例を、以下、説明する。尚、一例として、メモリセルMC111にデータを書き込むものとする。図3に動作波形を示す。尚、図3中、括弧内の数字は、以下に説明する工程の番号と対応している。
【0127】
(1−1A)待機状態では、ビット線BL1、ワード線WL1、全プレート線PL1m,PL2mが0ボルトとなっている。更には、共通ノードCN11,CN12も0ボルトで浮遊状態となっている。
【0128】
(1−2A)データ書き込みの開始時、選択プレート線PL11の電位をVccとし、非選択プレート線PL1k(k=2,3,4),PL2k(k=1,2,3,4)の電位を(1/2)Vccとする。これによって、浮遊状態の共通ノードCN11,CN12の電位は、プレート線PL1M,PL2Mとのカップリングにより、概ね(1/2)Vcc近傍まで上昇する。また、選択メモリセルMC111にデータ「1」を書き込む場合には、ビット線BL1の電位をVccとし、データ「0」を書き込む場合には、ビット線BL1の電位を0ボルトとする。
【0129】
(1−3A)その後、選択用トランジスタTR1をオン状態とする。これによって、共通ノードCN11,CN12の電位は、選択メモリセルMC111にデータ「1」を書き込む場合には、Vccとなり、データ「0」を書き込む場合には、0ボルトとなる。尚、選択プレート線PL11にはVccが印加された状態にあるので、共通ノードCN11,CN12の電位が0ボルトの場合、選択メモリセルMC111にデータ「0」が書き込まれる。一方、共通ノードCN11,CN12の電位がVccの場合、選択メモリセルMC111には何らデータが書き込まれない。
【0130】
(1−4A)次いで、選択プレート線PL11の電位を0ボルトとする。共通ノードCN11,CN12の電位がVccの場合、選択メモリセルMC111にデータ「1」が書き込まれる。選択メモリセルMC111に既にデータ「0」が書き込まれている場合には、選択メモリセルMC111に何ら変化は生じない。
【0131】
(1−5A)その後、ビット線BL1を0ボルトと印加する。
【0132】
(1−6A)更に、非選択プレート線PL1k,PL2kを0ボルトとし、選択用トランジスタTR1をオフ状態とする。
【0133】
他のメモリセルMC11m(m=2,3,4),MC12m(m=1,2,3,4)にデータを書き込む場合には、同様の操作を繰り返す。このような書き込み動作においては、非選択メモリセルMC11k,MC12kに(±1/2)Vccのディスターブが発生するが、Vccの値を適切に設定することによって、非選択メモリセルMC11k,MC12kにおけるデータの破壊を確実に防止することができる。
【0134】
次に、実施の形態1の不揮発性メモリからデータを読み出し、データを再書き込みする動作を、以下、説明する。尚、一例として、プレート線PL11に接続されたメモリセルMC111からデータを読み出し、データを再書き込みするものとする。図4に動作波形を示す。
【0135】
(1−1B)待機状態では、ビット線BL1、ワード線WL1、全プレート線PL1m,PL2mが0ボルトとなっている。更には、共通ノードCN11,CN12も0ボルトで浮遊状態となっている。
【0136】
(1−2B)データ読み出し時、選択プレート線PL11にVccを印加する。このとき、選択メモリセルMC111にデータ「1」が記憶されていれば、強誘電体層に分極反転が生じ、蓄積電荷量が増加し、共通ノードCN11,CN12の電位が上昇する。一方、選択メモリセルMC111にデータ「0」が記憶されていれば、強誘電体層に分極反転が生ぜず、共通ノードCN11,CN12の電位は殆ど上昇しない。即ち、共通ノードCN11,CN12は、非選択メモリセルの強誘電体層を介して複数の非選択プレート線PL1k(k=2,3,4),PL2k(k=1,2,3,4)にカップリングされているので、共通ノードCN11,CN12の電位は0ボルトに比較的近いレベルに保たれる。このようにして、選択メモリセルMC111に記憶されたデータに依存して共通ノードCN11,CN12の電位に変化が生じる。従って、選択メモリセルMC111の強誘電体層には、分極反転に十分な電界を与えることができる。
【0137】
(1−3B)次に、ビット線BL1を浮遊状態とし、選択用トランジスタTR1をオン状態とする。これによって、選択メモリセルMC111に記憶されたデータに基づき共通の第1の電極(共通ノードCN11,CN12)に生じた電位により、ビット線BL1に電位が生じる。
【0138】
(1−4B)次いで、選択用トランジスタTR1をオフ状態とする。そして、かかるビット線BL1の電位をセンスアンプSAにてラッチし、センスアンプSAを活性化してデータを増幅し、データの読み出し動作を完了する。
【0139】
以上の動作によって、選択メモリセルに記憶されていたデータが一旦破壊されてしまうので、データの再書き込み動作を行う。
【0140】
(1−5B)そのために、先ず、ビット線BL1をセンスアンプSAによって充放電させ、ビット線BL1にVcc又は0ボルトを印加する。
【0141】
(1−6B)そして、非選択プレート線PL1k(k=2,3,4),PL2k(k=1,2,3,4)の電位を(1/2)Vccとする。
【0142】
(1−7B)その後、選択用トランジスタTR1をオン状態とする。これによって、共通ノードCN11,CN12の電位はビット線BL1の電位と等しくなる。即ち、選択メモリセルMC111に記憶されていたデータが「1」の場合には、共通ノードCN11,CN12の電位はVccとなり、選択メモリセルMC111に記憶されていたデータが「0」の場合には、共通ノードCN11,CN12の電位は0ボルトとなる。選択プレート線PL11の電位はVccのままであるが故に、共通ノードCN11,CN12の電位が0ボルトの場合、選択メモリセルMC111にはデータ「0」が再書き込みされる。
【0143】
(1−8B)次に、選択プレート線PL11の電位を0ボルトとする。これによって、選択メモリセルMC111に記憶されていたデータが「1」の場合には、共通ノードCN11,CN12の電位がVccであるが故に、データ「1」が再書き込みされる。選択メモリセルMC111にデータ「0」が既に再書き込みされていた場合には、選択メモリセルMC111に変化は生じない。
【0144】
(1−9B)その後、ビット線BL1を0ボルトとする。
【0145】
(1−10B)最後に、非選択プレート線PL1k,PL2kを0ボルトとし、選択用トランジスタTR1をオフ状態とする。
【0146】
他のメモリセルMC11m(m=2,3,4),MC12m(m=1,2,3,4)からデータを読み出し、データを再書き込みする場合には、同様の操作を繰り返す。
【0147】
実施の形態1の不揮発性メモリにおいては、メモリユニットMU11を構成する各メモリセルMC11mにおける強誘電体層22と、メモリユニットMU12を構成する各メモリセルMC12mにおける強誘電体層32とを同一の材料から構成してもよいが、本発明の第6の態様に係る不揮発性メモリのように、上方に位置するメモリセルを構成する強誘電体層32の結晶化温度は、下方に位置するメモリセルを構成する強誘電体層22の結晶化温度よりも低い構成とすることが好ましい。具体的には、強誘電体層22,32を、以下の表2に例示する材料から構成することができる。
【0148】
Figure 0004670177
【0149】
以下、このような構成の不揮発性メモリの製造方法を説明するが、他の実施の形態あるいはその変形における不揮発性メモリも、実質的に同様の方法で製造することができる。
【0150】
[工程−100]
先ず、不揮発性メモリにおける選択用トランジスタとして機能するMOS型トランジスタを半導体基板10に形成する。そのために、例えばLOCOS構造を有する素子分離領域11を公知の方法に基づき形成する。尚、素子分離領域は、トレンチ構造を有していてもよいし、LOCOS構造とトレンチ構造の組合せとしてもよい。その後、半導体基板10の表面を例えばパイロジェニック法により酸化し、ゲート絶縁膜12を形成する。次いで、不純物がドーピングされたポリシリコン層をCVD法にて全面に形成した後、ポリシリコン層をパターニングし、ゲート電極13を形成する。このゲート電極13はワード線を兼ねている。尚、ゲート電極13をポリシリコン層から構成する代わりに、ポリサイドや金属シリサイドから構成することもできる。次に、半導体基板10にイオン注入を行い、LDD構造を形成する。その後、全面にCVD法にてSiO2層を形成した後、このSiO2層をエッチバックすることによって、ゲート電極13の側面にゲートサイドウオール(図示せず)を形成する。次いで、半導体基板10にイオン注入を施した後、イオン注入された不純物の活性化アニール処理を行うことによって、ソース/ドレイン領域14を形成する。
【0151】
[工程−110]
次いで、SiO2から成る下層絶縁層をCVD法にて形成した後、一方のソース/ドレイン領域14の上方の下層絶縁層に開口部をRIE法にて形成する。そして、かかる開口部内を含む下層絶縁層上に不純物がドーピングされたポリシリコン層をCVD法にて形成する。これによって、コンタクトプラグ15が形成される。次に、下層絶縁層上のポリシリコン層をパターニングすることによって、ビット線BLを形成する。その後、BPSGから成る上層絶縁層をCVD法にて全面に形成する。尚、BPSGから成る上層絶縁層の形成後、窒素ガス雰囲気中で例えば900゜C×20分間、上層絶縁層をリフローさせることが好ましい。更には、必要に応じて、例えば化学的機械的研磨法(CMP法)にて上層絶縁層の頂面を化学的及び機械的に研磨し、上層絶縁層を平坦化することが望ましい。尚、下層絶縁層と上層絶縁層を纏めて、絶縁層16と呼ぶ。
【0152】
[工程−120]
次に、他方のソース/ドレイン領域14の上方の絶縁層16に開口部17をRIE法にて形成した後、かかる開口部17内を、不純物をドーピングしたポリシリコンで埋め込み、接続孔(コンタクトプラグ)18を完成させる。ビット線BLは、下層絶縁層上を、図の左右方向に接続孔18と接触しないように延びている。
【0153】
尚、接続孔18は、絶縁層16に形成された開口部17内に、例えば、タングステン、Ti、Pt、Pd、Cu、TiW、TiNW、WSi2、MoSi2等の高融点金属や金属シリサイドから成る金属配線材料を埋め込むことによって形成することもできる。接続孔18の頂面は絶縁層16の表面と略同じ平面に存在していてもよいし、接続孔18の頂部が絶縁層16の表面に延在していてもよい。タングステンにて開口部17を埋め込み、接続孔18を形成する条件を、以下の表3に例示する。尚、タングステンにて開口部17を埋め込む前に、Ti層及びTiN層を順に例えばマグネトロンスパッタ法にて開口部17内を含む絶縁層16の上に形成することが好ましい。ここで、Ti層及びTiN層を形成する理由は、オーミックな低コンタクト抵抗を得ること、ブランケットタングステンCVD法における半導体基板10の損傷発生の防止、タングステンの密着性向上のためである。
【0154】
[表3]
Ti層(厚さ:20nm)のスパッタ条件
プロセスガス:Ar=35sccm
圧力 :0.52Pa
RFパワー :2kW
基板の加熱 :無し
TiN層(厚さ:100nm)のスパッタ条件
プロセスガス:N2/Ar=100/35sccm
圧力 :1.0Pa
RFパワー :6kW
基板の加熱 :無し
タングステンのCVD形成条件
使用ガス:WF6/H2/Ar=40/400/2250sccm
圧力 :10.7kPa
形成温度:450゜C
タングステン層及びTiN層、Ti層のエッチング条件
第1段階のエッチング:タングステン層のエッチング
使用ガス :SF6/Ar/He=110:90:5sccm
圧力 :46Pa
RFパワー:275W
第2段階のエッチング:TiN層/Ti層のエッチング
使用ガス :Ar/Cl2=75/5sccm
圧力 :6.5Pa
RFパワー:250W
【0155】
[工程−130]
次に、絶縁層16上に、酸化チタンから成る密着層(図示せず)を形成することが望ましい。そして、密着層上にIrから成る第1の電極(下部電極)21を構成する第1の電極材料層を、例えばスパッタ法にて形成し、第1の電極材料層及び密着層をフォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきパターニングすることによって、第1の電極21を得ることができる。尚、以下の工程においても、第1の電極材料層を形成する前に、層間絶縁層上に密着層を形成することが望ましい。
【0156】
[工程−140]
その後、例えば、MOCVD法によって、Bi系層状構造ペロブスカイト型の強誘電体材料(具体的には、例えば、結晶化温度750゜CのBi2SrTa29)から成る強誘電体薄膜を全面に形成する。その後、250゜Cの空気中で乾燥処理を行った後、750゜Cの酸素ガス雰囲気で1時間の熱処理を施し、結晶化を促進させる。
【0157】
[工程−150]
次に、IrO2-X層、Pt層を、スパッタ法にて、順次、全面に形成した後、フォトリソグラフィ技術、ドライエッチング技術に基づき、Pt層、IrO2-X層、Bi2SrTa29薄膜を順次、パターニングして、第2の電極23及び強誘電体層22を形成する。エッチングによって、強誘電体層22にダメージが加わる場合には、ダメージ回復に必要とされる温度にて、熱処理を行えばよい。
【0158】
[工程−160]
その後、
・層間絶縁層26の形成及び平坦化処理
・開口部27の形成及び接続孔28の形成
・第1の電極31、結晶化温度700゜CのBi2Sr(Ta1.5Nb0.5)O9から成る強誘電体層32、及び第2の電極33の形成
・絶縁膜36Aの形成
を、順次、行う。尚、Bi2Sr(Ta1.5Nb0.5)O9から成る強誘電体層32に対して、結晶化促進のための熱処理を、700゜Cの酸素ガス雰囲気で1時間、行えばよい。
【0159】
尚、各第2の電極はプレート線を兼ねていなくともよい。この場合には、絶縁膜36Aの形成完了後、第2の電極23、第2の電極33を接続孔(ビアホール)によって接続し、併せて、絶縁膜36A上に、かかる接続孔と接続したプレート線を形成すればよい。
【0160】
例えば、Bi2SrTa29から成る強誘電体薄膜の形成条件を以下の表4に例示する。尚、表4中、「thd」は、テトラメチルヘプタンジオンの略である。また、表4に示したソース原料はテトラヒドロフラン(THF)を主成分とする溶媒中に溶解されている。
【0161】
Figure 0004670177
【0162】
あるいは又、Bi2SrTa29から成る強誘電体薄膜をパルスレーザアブレーション法、ゾル−ゲル法、あるいはRFスパッタ法にて全面に形成することもできる。これらの場合の形成条件を以下に例示する。尚、ゾル−ゲル法によって厚い強誘電体薄膜を形成する場合、所望の回数、スピンコート及び乾燥、あるいはスピンコート及び焼成(又は、アニール処理)を繰り返せばよい。
【0163】
[表5]
パルスレーザアブレーション法による形成
ターゲット:Bi2SrTa29
使用レーザ:KrFエキシマレーザ(波長248nm、パルス幅25n秒、5Hz)
形成温度 :400〜800゜C
酸素濃度 :3Pa
【0164】
Figure 0004670177
【0165】
[表7]
RFスパッタ法による形成
ターゲット:Bi2SrTa29セラミックターゲット
RFパワー:1.2W〜2.0W/ターゲット1cm2
雰囲気圧力:0.2〜1.3Pa
形成温度 :室温〜600゜C
プロセスガス:Ar/O2の流量比=2/1〜9/1
【0166】
強誘電体層を、PZTあるいはPLZTから構成するときの、マグネトロンスパッタ法によるPZTあるいはPLZTの形成条件を以下の表8に例示する。あるいは又、PZTやPLZTを、反応性スパッタ法、電子ビーム蒸着法、ゾル−ゲル法、又はMOCVD法にて形成することもできる。
【0167】
[表8]
ターゲット :PZTあるいはPLZT
プロセスガス:Ar/O2=90体積%/10体積%
圧力 :4Pa
パワー :50W
形成温度 :500゜C
【0168】
更には、PZTやPLZTをパルスレーザアブレーション法にて形成することもできる。この場合の形成条件を以下の表9に例示する。
【0169】
[表9]
ターゲット:PZT又はPLZT
使用レーザ:KrFエキシマレーザ(波長248nm、パルス幅25n秒、3Hz)
出力エネルギー:400mJ(1.1J/cm2
形成温度 :550〜600゜C
酸素濃度 :40〜120Pa
【0170】
(実施の形態2)
実施の形態2は、本発明の第2の態様に係る不揮発性メモリに関する。実施の形態2の不揮発性メモリの回路図を図5に示し、模式的な一部断面図を図6に示す。尚、図5には、2つの不揮発性メモリM1,M2を示すが、これらの不揮発性メモリは同じ回路である。以下の説明においては、不揮発性メモリM1についての説明を行う。
【0171】
この不揮発性メモリM1は、ビット線BL1と、MOS型FETから構成されたN個(但し、N≧2であり、実施の形態2においてはN=2)の選択用トランジスタTR11,TR12と、N個(実施の形態2においてはN=2)のメモリユニットMU11,MU12と、プレート線から構成されている。第1番目のメモリユニットMU11は、M個(但し、M≧2であり、実施の形態2においてはM=4)のメモリセルMC11m(m=1,2,3,4)から構成されている。また、第2番目のメモリユニットMU12も、M個(M=4)のメモリセルMC12m(m=1,2,3,4)から構成されている。プレート線の数は、M本(実施の形態2においては4本)であり、PLm(m=1,2,3,4)で表している。第1の選択用トランジスタTR11のゲート電極に接続されたワード線WL11、第2の選択用トランジスタTR12のゲート電極に接続されたワード線WL12は、ワード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。一方、各プレート線PLmは、プレート線デコーダ/ドライバPDに接続されている。
【0172】
また、第1のメモリユニット第1のMU11を構成する各メモリセルMC11mは、第1の電極21と強誘電体層22と第2の電極23とから成り、第2のメモリユニットMU12を構成する各メモリセルMC12mは、第1の電極31と強誘電体層32と第2の電極33とから成る。そして、各メモリユニットMU11,MU12において、メモリセルの第1の電極21,31は共通である。この共通の第1の電極21,31を、便宜上、共通ノードCN11,CN12と呼ぶ。第1番目のメモリユニットMU11における共通の第1の電極21(第1の共通ノードCN11)は、第1番目の選択用トランジスタTR11を介してビット線BL1に接続されている。また、第2番目のメモリユニットMU12における共通の第1の電極31(第2の共通ノードCN12)は、第2番目の選択用トランジスタTR12を介してビット線BL1に接続されている。更には、第n番目(但し、n=1,2・・・N)のメモリユニットMU1nにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルMC1nmの第2の電極は、メモリユニット間(MU11,MU12)で共通とされた第m番目のプレート線PLmに接続されている。具体的には、第1番目のメモリユニットMU11において、メモリセルMC11mの第2の電極23は、プレート線PLmに接続されている。また、第2番目のメモリユニットMU12において、メモリセルMC12mの第2の電極33は、プレート線PLmに接続されている。
【0173】
実施の形態2の不揮発性メモリにおいては、第1のメモリユニットMU11を構成する各メモリセルMC11mにおける強誘電体層22と、第2のメモリユニットMU12を構成する各メモリセルMC12mにおける強誘電体層32とを同一の材料から構成してもよいが、本発明の第6の態様に係る不揮発性メモリのように、上方に位置するメモリセルを構成する強誘電体層32の結晶化温度は、下方に位置するメモリセルを構成する強誘電体層22の結晶化温度よりも低い構成とすることが好ましい。具体的には、強誘電体層22,32を、表2に例示した材料から構成することができる。
【0174】
実施の形態2においては、2つのメモリユニットMU11,MU12は、それぞれ、層間絶縁層26を介して積層されている。メモリユニットMU12は絶縁膜36Aで被覆されている。また、メモリユニットMU11は、半導体基板10の上方に絶縁層16を介して形成されている。半導体基板10には素子分離領域11が形成されている。また、選択用トランジスタTR11,TR12は、ゲート電極13、ゲート絶縁膜12、ソース/ドレイン領域14から構成されている。そして、第1の選択用トランジスタTR11及び第2の選択用トランジスタTR12の一方のソース/ドレイン領域14はコンタクトホール15を介してビット線BL1に接続されている。また、第1の選択用トランジスタTR11の他方のソース/ドレイン領域14は、絶縁層16に形成された開口部17中に設けられた接続孔18を介して第1の共通ノードCN11に接続されている。更には、第2の選択用トランジスタTR12の他方のソース/ドレイン領域14は、接続孔18、絶縁層16上に形成された接続部25、層間絶縁層26に形成された開口部27中に設けられた接続孔28を介して第2の共通ノードCN12に接続されている。
【0175】
ここで、ワード線WL1は、図6の紙面垂直方向に延びている。また、第2の電極23は、図6の紙面垂直方向に隣接するメモリユニットMU21を構成するメモリセルと共通であり、プレート線PLmを兼ねている。更には、第2の電極32も、図6の紙面垂直方向に隣接するメモリユニットMU22を構成するメモリセルと共通であり、プレート線PLmを兼ねている。各メモリセルを結ぶこれらの各プレート線は、図6の紙面垂直方向に延びており、図示しない領域において接続孔を介して接続されている。また、メモリセルMC11MとメモリセルMC12Mとは、垂直方向に揃っている。このような構造にすることによって、メモリユニットの占有面積を小さくすることができ、集積度の向上を図ることができる。
【0176】
尚、図5に示した不揮発性メモリM2は、図6の模式的な一部断面図において、上述のとおり、不揮発性メモリM1と紙面垂直方向に隣接している。
【0177】
更には、ビット線BL1は、センスアンプSAに接続されている。尚、ビット線BL2も同じセンスアンプSAに接続されているが、ビット線BL2は、異なるセンスアンプSAに接続されていてもよい。また、ビット線BL1,BL2は、ビット線BL1,BL2の延びる方向に隣接する他の不揮発性メモリとも共有されている。
【0178】
そして、各メモリセルMC11m,MC12m(m=1,2,3,4)に1ビットがデータとして記憶される。実際の不揮発性メモリにおいては、この8ビットを記憶するメモリユニットの集合がアクセス単位ユニットとしてアレイ状に配設されている。
【0179】
実施の形態2の不揮発性メモリにデータを書き込む方法の一例を、以下、説明する。尚、一例として、メモリセルMC111にデータを書き込むものとする。図7に動作波形を示す。尚、図7中、括弧内の数字は、以下に説明する工程の番号と対応している。
【0180】
(2−1A)待機状態では、ビット線BL1、ワード線WL11,WL12、全プレート線PLmが0ボルトとなっている。更には、共通ノードCN11,CN12も0ボルトで浮遊状態となっている。
【0181】
(2−2A)データ書き込みの開始時、選択プレート線PL1の電位をVccとし、非選択プレート線PLk(k=2,3,4)の電位を(1/2)Vccとする。これによって、浮遊状態の共通ノードCN11,CN12の電位は、プレート線PLMとのカップリングにより、概ね(1/2)Vcc近傍まで上昇する。また、選択メモリセルMC111にデータ「1」を書き込む場合には、ビット線BL1の電位をVccとし、データ「0」を書き込む場合には、ビット線BL1の電位を0ボルトとする。
【0182】
(2−3A)その後、第1の選択用トランジスタTR11をオン状態とする。これによって、第1の共通ノードCN11の電位は、選択メモリセルMC111にデータ「1」を書き込む場合には、Vccとなり、データ「0」を書き込む場合には、0ボルトとなる。尚、選択プレート線PL1にはVccが印加された状態にあるので、第1の共通ノードCN11の電位が0ボルトの場合、選択メモリセルMC111にデータ「0」が書き込まれる。一方、第1の共通ノードCN11の電位がVccの場合、選択メモリセルMC111には何らデータが書き込まれない。浮遊状態にある第2の共通ノードCN12の電位は概ね(1/2)Vcc近傍のままであるが故に、非選択メモリセルMC121にディスターブは発生しない。
【0183】
(2−4A)次いで、選択プレート線PL1の電位を0ボルトとする。第1の共通ノードCN11の電位がVccの場合、選択メモリセルMC111にデータ「1」が書き込まれる。選択メモリセルMC111に既にデータ「0」が書き込まれている場合には、選択メモリセルMC111に何ら変化は生じない。
【0184】
(2−5A)その後、ビット線BL1を0ボルトと印加する。
【0185】
(2−6A)更に、非選択プレート線PLkを0ボルトとし、第1の選択用トランジスタTR11をオフ状態とする。
【0186】
他のメモリセルMC11m(m=2,3,4),MC12m(m=1,2,3,4)にデータを書き込む場合には、同様の操作を繰り返す。このような書き込み動作においては、非選択メモリセルMC11k,MC12kに(±1/2)Vccのディスターブが発生するが、Vccの値を適切に設定することによって、非選択メモリセルMC11k,MC12kにおけるデータの破壊を確実に防止することができる。
【0187】
次に、実施の形態2の不揮発性メモリからデータを読み出し、データを再書き込みする動作を、以下、説明する。尚、一例として、プレート線PL1に接続されたメモリセルMC111からデータを読み出し、データを再書き込みするものとする。図8に動作波形を示す。
【0188】
(2−1B)待機状態では、ビット線BL1、ワード線WL11,WL12、全プレート線PLmが0ボルトとなっている。更には、共通ノードCN11,CN12も0ボルトで浮遊状態となっている。
【0189】
(2−2B)データ読み出し時、選択プレート線PL1にVccを印加する。このとき、選択メモリセルMC111にデータ「1」が記憶されていれば、強誘電体層に分極反転が生じ、蓄積電荷量が増加し、第1の共通ノードCN11の電位が上昇する。一方、選択メモリセルMC111にデータ「0」が記憶されていれば、強誘電体層に分極反転が生ぜず、第1の共通ノードCN11の電位は殆ど上昇しない。即ち、第1の共通ノードCN11は、非選択メモリセルの強誘電体層を介して複数の非選択プレート線PLkにカップリングされているので、第1の共通ノードCN11の電位は0ボルトに比較的近いレベルに保たれる。このようにして、選択メモリセルMC111に記憶されたデータに依存して第1の共通ノードCN11の電位に変化が生じる。従って、選択メモリセルMC111の強誘電体層には、分極反転に十分な電界を与えることができる。
【0190】
(2−3B)次に、ビット線BL1を浮遊状態とし、第1の選択用トランジスタTR11をオン状態とする。これによって、選択メモリセルMC111に記憶されたデータに基づき共通の第1の電極(第1の共通ノードCN11)に生じた電位により、ビット線BL1に電位が生じる。
【0191】
(2−4B)次いで、第1の選択用トランジスタTR11をオフ状態とする。そして、かかるビット線BL1の電位をセンスアンプSAにてラッチし、センスアンプSAを活性化してデータを増幅し、データの読み出し動作を完了する。
【0192】
以上の動作によって、選択メモリセルに記憶されていたデータが一旦破壊されてしまうので、データの再書き込み動作を行う。
【0193】
(2−5B)そのために、先ず、ビット線BL1をセンスアンプSAによって充放電させ、ビット線BL1にVcc又は0ボルトを印加する。
【0194】
(2−6B)そして、非選択プレート線PLk(k=2,3,4)の電位を(1/2)Vccとする。
【0195】
(2−7B)その後、第1の選択用トランジスタTR11をオン状態とする。これによって、第1の共通ノードCN11の電位はビット線BL1の電位と等しくなる。即ち、選択メモリセルMC111に記憶されていたデータが「1」の場合には、第1の共通ノードCN11の電位はVccとなり、選択メモリセルMC111に記憶されていたデータが「0」の場合には、第1の共通ノードCN11の電位は0ボルトとなる。選択プレート線PL1の電位はVccのままであるが故に、第1の共通ノードCN11の電位が0ボルトの場合、選択メモリセルMC111にはデータ「0」が再書き込みされる。
【0196】
(2−8B)次に、選択プレート線PL1の電位を0ボルトとする。これによって、選択メモリセルMC111に記憶されていたデータが「1」の場合には、第1の共通ノードCN11の電位がVccであるが故に、データ「1」が再書き込みされる。選択メモリセルMC111にデータ「0」が既に再書き込みされていた場合には、選択メモリセルMC111に変化は生じない。
【0197】
(2−9B)その後、ビット線BL1を0ボルトとする。
【0198】
(2−10B)最後に、非選択プレート線PLkを0ボルトとし、第1の選択用トランジスタTR11をオフ状態とする。
【0199】
他のメモリセルMC11m(m=2,3,4),MC12m(m=1,2,3,4)からデータを読み出し、データを再書き込みする場合には、同様の操作を繰り返す。
【0200】
実施の形態2の不揮発性メモリにおいて、ワード線WL11又はワード線WL12を選択した場合、メモリユニットMU11又はメモリユニットMU12がアクセスされ、ビット線BL1にのみ、記憶されたデータに相当する電位が出現する。ここで、同じセンスアンプSAに接続されたビット線BL2に、データ「1」の読み出し電位と、データ「0」の読み出し電位の中間の参照電位を与えてもよい。一方、ワード線WL21又はワード線WL22を選択した場合、メモリユニットMU21又はメモリユニットMU22がアクセスされ、ビット線BL2にのみ、記憶されたデータに相当する電位が出現する。ここで、同じセンスアンプSAに接続されたビット線BL1に、データ「1」の読み出し電位と、データ「0」の読み出し電位の中間の参照電位を与えてもよい。
【0201】
実施の形態2の不揮発性メモリにおいては、信号量(電位差)が後述する実施の形態5と比較して約半分となり、しかも、参照電位のばらつき等から動作マージンは低下するが、不揮発性メモリの集積度は約2倍になる。
【0202】
尚、この場合にも、プレート線PLmを共有する非アクセスのメモリセルにもディスターブが発生するので、4つのメモリユニットMU11,MU12,MU21,MU22を一括して、且つ、連続的にアクセスすることが望ましい。即ち、ワード線WL11をアクセスした場合は、共通ノードCN11におけるメモリセルMC11mの全てを順次アクセスし、次に、ワード線WL12をアクセスする。更に、同様に、ワード線WL21、ワード線WL22を連続してアクセスする。これによって、共通ノードCN11,CN12,CN21,CN22におけるメモリセルMC11m,MC12m,MC21m,MC22mの全てからデータを読み出し、再書き込みを行ってディスターブによる劣化を回復させる。
【0203】
実施の形態2のメモリアレイの構成上の限界寸法は、ワード線WL11,WL12,WL21,WL22、若しくはプレート線PLmのピッチと、ビット線BL1,BL2のピッチとで規定され、プレート線1本とビット線1本で囲まれた領域に2ビットが記憶される。従って、限界寸法は2F2である。
【0204】
また、実施の形態2の不揮発性メモリにおいては、4本のワード線と4本のプレート線との2次元マトリックスにより、ロー・アドレスの選択が行われる。即ち、ワード線4本、プレート線4本の組み合わせで、ロー方向の16ビットのアクセスが可能であり、ロー・アドレスの選択に必要とされるドライバは、1アドレス当たり0.5本でよい。従って、従来型のメモリセル構造と比較して、駆動用の信号線を大幅に減少させることができ、周辺回路を大幅に削減することができる。
【0205】
(実施の形態3)
実施の形態3は、実施の形態2の不揮発性メモリの変形例である。その回路図を図9に示し、模式的な一部断面図を図10に示す。実施の形態3の不揮発性メモリにおいては、メモリユニット数Nが4である。即ち、この不揮発性メモリは、ビット線BL1と、4個の選択用トランジスタTR1Nと、それぞれが8個のメモリセルMC1NMから構成された、4個のメモリユニットMU1Nと、8本のプレート線PLMから構成されている。
【0206】
また、各メモリセルMC1nmは、第1の電極21,31,41,51と強誘電体層22,32,42,52と第2の電極23,33,43,53とから成る。各メモリユニットMU1nにおいて、メモリセルMC1nmの第1の電極は共通である。即ち、共通ノードCN1nを構成する。
【0207】
また、メモリユニットMU1nにおける共通の第1の電極(共通ノードCN1n)は、選択用トランジスタTR1nを介してビット線BL1に接続されている。更には、メモリユニットMU1nにおいて、メモリセルMC1nmの第2の電極は、メモリユニット間(MU11,MU12,MU13,MU14)で共通とされたプレート線PLmに接続されている。
【0208】
実施の形態3においては、4つのメモリユニットMU11,MU12,MU13,MU14は、それぞれ、層間絶縁層26,36,46を介して積層されている。メモリユニットMU14は絶縁膜56Aで被覆されている。また、メモリユニットMU11は、半導体基板10の上方に絶縁層16を介して形成されている。半導体基板10には素子分離領域11が形成されている。また、MOS型FETから構成された選択用トランジスタTR11,TR12,TR13,TR14は、ゲート電極13、ゲート絶縁膜12、ソース/ドレイン領域14から構成されている。そして、第1の選択用トランジスタTR11、第2の選択用トランジスタTR12、第3の選択用トランジスタTR13、第4の選択用トランジスタTR14の一方のソース/ドレイン領域14はコンタクトホール15を介してビット線BL1に接続されている。また、第1の選択用トランジスタTR11の他方のソース/ドレイン領域14は、絶縁層16に形成された開口部17中に設けられた接続孔18を介して第1の共通ノードCN11に接続されている。更には、第2の選択用トランジスタTR12の他方のソース/ドレイン領域14は、接続孔18、絶縁層16上に形成された接続部25、層間絶縁層26に形成された開口部27中に設けられた接続孔28を介して第2の共通ノードCN12に接続されている。また、第3の選択用トランジスタTR13の他方のソース/ドレイン領域14は、接続孔18、接続部25、接続孔28、層間絶縁層26上に形成された接続部35、層間絶縁層36に形成された開口部37中に設けられた接続孔38を介して第3の共通ノードCN13に接続されている。更には、第4の選択用トランジスタTR14の他方のソース/ドレイン領域14は、接続孔18、接続部25、接続孔28、接続部35、接続孔38、層間絶縁層36上に形成された接続部45、層間絶縁層46に形成された開口部47中に設けられた接続孔48を介して第4の共通ノードCN14に接続されている。
【0209】
ワード線WL11,WL12,WL13,WL14は、図10の紙面垂直方向に延びている。また、第2の電極21は、図10の紙面垂直方向に隣接するメモリセルMC21mと共通であり、プレート線PLmを兼ねている。更には、第2の電極33,43,53も、図10の紙面垂直方向に隣接するメモリセルM22m,MC23m,MC24mと共通であり、プレート線PLmを兼ねている。各メモリセルMC11m,MC12m,MC13m,MC14m,MC21m,MC22m,MC23m,MC24mを結ぶこれらの各プレート線PLmは、図10の紙面垂直方向に延びており、図示しない領域において接続孔を介して接続されている。また、メモリユニットMU1nは、垂直方向に揃っている。このような構造にすることによって、メモリセルの占有面積をより一層小さくすることができ、集積度のより一層の向上を図ることができる。
【0210】
実施の形態3の不揮発性メモリの動作は、実施の形態2の不揮発性メモリの動作と実質的に同一とすることができるので、詳細な説明は省略する。尚、各メモリセルMC1nm(n=1〜4、m=1〜8)に1ビットがデータとして記憶される。実際の不揮発性メモリにおいては、この32ビットを記憶するメモリユニットの集合がアクセス単位ユニットとしてアレイ状に配設されている。そして、このアレイ構成では、プレート線PLmの最小ピッチでロー方向の寸法が規定され、プレート線1本、ビット線2本が囲む領域に4ビットが記憶される。従って、アレイ構成上の限界セル面積は2F2である。また、4本のワード線WL11〜WL14と8本のプレート線PLm(m=1〜8)との2次元マトリクスにより、ローアドレスの選択が行われるようになっている。即ち、ワード線4本、プレート線8本の組み合わせで、ロ向の32ビットのアクセスが可能であり、ローアドレスの選択に必要なドライバは、1アドレス当たり0.375本と少ない。従って、従来型セル選択に比較して駆動する信号線を低減することができ、周辺回路を大幅に削減することができる。
【0211】
実施の形態3の不揮発性メモリにおいては、第1のメモリユニットMU11を構成する各メモリセルMC11mにおける強誘電体層22と、第2のメモリユニットMU12を構成する各メモリセルMC12mにおける強誘電体層32と、第3のメモリユニットMU13を構成する各メモリセルMC13mにおける強誘電体層42と、第4のメモリユニットMU14を構成する各メモリセルMC14mにおける強誘電体層52とを、同一の材料から構成してもよいが、本発明の第6の態様に係る不揮発性メモリのように、上方に位置するメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度は、下方に位置するメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度よりも低い構成とすることが好ましい。具体的には、強誘電体層22,32,42,52を、以下の表10あるいは表11に例示する材料から構成することができる。
【0212】
Figure 0004670177
【0213】
Figure 0004670177
【0214】
尚、強誘電体薄膜を構成する材料として、例えば、Bi2Sr(Ta1.8Nb0.2)O9を使用する場合、結晶化促進のための熱処理を、730゜Cの酸素ガス雰囲気で1時間、行い、例えば、Bi2Sr(Ta1.5Nb0.5)O9を使用する場合、結晶化促進のための熱処理を、700゜Cの酸素ガス雰囲気で1時間、行う。また、強誘電体薄膜を構成する材料として、例えば、Bi2Sr(Ta1.65Nb0.35)O9を使用する場合、結晶化促進のための熱処理を、715゜Cの酸素ガス雰囲気で1時間、行い、例えば、Pb(Zr0.48Ti0.52)O3を使用する場合、結晶化促進のための熱処理を、650゜Cの酸素ガス雰囲気で1時間、行い、PbTiO3を使用する場合、結晶化促進のための熱処理を、600゜Cの酸素ガス雰囲気で1時間、行う。
【0215】
(実施の形態4)
実施の形態4は、本発明の第3の態様に係る不揮発性メモリに関する。実施の形態4の不揮発性メモリの模式的な一部断面図を図11に示す。尚、実施の形態4の不揮発性メモリの回路図は、図9に示したと同様である。
【0216】
この不揮発性メモリは、センスアンプSAに接続されているビット線BL1と、MOS型FETから構成された2N個(但し、N≧1であり、実施の形態4においてはN=2)の選択用トランジスタTR11,TR12,TR13,TR14と、2N個(実施の形態4においてはN=2)のメモリユニットMU11,MU12,MU13,MU14と、プレート線から構成されている。第1番目のメモリユニットMU11は、M個(但し、M≧2であり、実施の形態4においてはM=8)のメモリセルMC12m(m=1,2,・・・8)から構成されている。また、第2番目のメモリユニットMU12も、M個(M=8)のメモリセルMC12m(m=1,2・・・8)から構成されている。更には、第3番目のメモリユニットMU13も、M個(M=8)のメモリセルMC13m(m=1,2・・・8)から構成され、第4番目のメモリユニットMU14も、M個(M=8)のメモリセルMC14m(m=1,2・・・8)から構成されている。プレート線の数は、M本(実施の形態4においては8本)であり、PLm(m=1,2・・・8)で表している。選択用トランジスタTR1nのゲート電極に接続されたワード線WL1nは、ワード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。一方、各プレート線PLmは、プレート線デコーダ/ドライバPDに接続されている。
【0217】
また、第1のメモリユニット第1のMU11を構成する各メモリセルMC11mは、第1の電極21Aと強誘電体層22Aと第2の電極23とから成り、第2のメモリユニットMU12を構成する各メモリセルMC12mは、第1の電極21Bと強誘電体層22Bと第2の電極23とから成り、第3のメモリユニットMU13を構成する各メモリセルMC13mは、第1の電極31Aと強誘電体層32Aと第2の電極33とから成り、第4のメモリユニットMU14を構成する各メモリセルMC14mは、第1の電極31Bと強誘電体層32Bと第2の電極33とから成る。そして、各メモリユニットMU11,MU12,MU13,MU14において、メモリセルの第1の電極21A,21B,31A,31Bは共通である。この共通の第1の電極21A,21B,31A,31Bを、便宜上、共通ノードCN11,CN12,CN13,CN14と呼ぶ。
【0218】
ここで、第1番目のメモリユニットMU11における共通の第1の電極21A(第1の共通ノードCN11)は、第1番目の選択用トランジスタTR11を介してビット線BL1に接続されている。また、第2番目のメモリユニットMU12における共通の第1の電極21B(第2の共通ノードCN12)は、第2番目の選択用トランジスタTR12を介してビット線BL1に接続されている。更には、第3番目のメモリユニットMU13における共通の第1の電極31A(第3の共通ノードCN13)は、第3番目の選択用トランジスタTR13を介してビット線BL1に接続されている。また、第4番目のメモリユニットMU14における共通の第1の電極31B(第4の共通ノードCN14)は、第4番目の選択用トランジスタTR14を介してビット線BL1に接続されている。
【0219】
また、第1番目のメモリユニットMU11を構成するメモリセルMC11mと、第2番目のメモリユニットMU12を構成するメモリセルMC12mは、第2の電極23を共有しており、この共有された第m番目の第2の電極23はプレート線PLmに接続されている。更には、第3番目のメモリユニットMU13を構成するメモリセルMC13mと、第4番目のメモリユニットMU14を構成するメモリセルMC14mは、第2の電極33を共有しており、この共有された第m番目の第2の電極33はプレート線PLmに接続されている。
【0220】
実施の形態4の不揮発性メモリにおいては、メモリユニットMU11,MU12とメモリユニットMU13,MU14は、層間絶縁層26を介して積層されている。メモリユニットMU14は絶縁膜36Aで被覆されている。また、メモリユニットMU11は、半導体基板10の上方に絶縁層16を介して形成されている。半導体基板10には素子分離領域11が形成されている。また、選択用トランジスタTR11,TR12,TR13,TR14は、ゲート電極13、ゲート絶縁膜12、ソース/ドレイン領域14から構成されている。そして、第1の選択用トランジスタTR11、第2の選択用トランジスタTR12、第3の選択用トランジスタTR13、第4の選択用トランジスタTR14の一方のソース/ドレイン領域14はコンタクトホール15を介してビット線BL1に接続されている。また、第1の選択用トランジスタTR11の他方のソース/ドレイン領域14は、絶縁層16に形成された開口部17中に設けられた接続孔18を介して第1の共通ノードCN11に接続されている。更には、第2の選択用トランジスタTR12の他方のソース/ドレイン領域14は、接続孔18を介して第2の共通ノードCN12に接続されている。また、第3の選択用トランジスタTR13の他方のソース/ドレイン領域14は、接続孔18、絶縁層16上に形成された接続部25、層間絶縁層26に形成された開口部27中に設けられた接続孔28を介して第3の共通ノードCN13に接続されている。更には、第4の選択用トランジスタTR14の他方のソース/ドレイン領域14は、接続孔18、接続部25、接続孔28を介して第4の共通ノードCN14に接続されている。
【0221】
実施の形態4の不揮発性メモリの動作は、実施の形態2の不揮発性メモリの動作と実質的に同一とすることができるので、詳細な説明は省略する。尚、各メモリセルMC1nm(n=1〜4、m=1〜8)に1ビットがデータとして記憶される。実際の不揮発性メモリにおいては、この32ビットを記憶するメモリユニットの集合がアクセス単位ユニットとしてアレイ状に配設されている。
【0222】
また、実施の形態4の不揮発性メモリにおいては、第1のメモリユニットMU11を構成する各メモリセルMC11mにおける強誘電体層22Aと、第2のメモリユニットMU12を構成する各メモリセルMC12mにおける強誘電体層22Bと、第3のメモリユニットMU13を構成する各メモリセルMC13mにおける強誘電体層32Aと、第4のメモリユニットMU14を構成する各メモリセルMC14mにおける強誘電体層32Bとを、同一の材料から構成してもよいが、本発明の第6の態様に係る不揮発性メモリのように、上方に位置するメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度は、下方に位置するメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度よりも低い構成とすることが好ましい。具体的には、強誘電体層22A,22Bを表2の強誘電体層22に例示した材料から構成し、強誘電体層32A,32Bを表2の強誘電体層32に例示した材料から構成することができる。
【0223】
(実施の形態5)
実施の形態5は、実施の形態2の不揮発性メモリの変形である。実施の形態5においては、実施の形態1と異なり、図12の回路図に示すように、プレート線の延びる方向に隣接する2つの不揮発性メモリM1,M2において、第1の選択用トランジスタTR11,TR21のゲート電極がワード線W1に接続され、第2の選択用トランジスタTR12,TR22のゲート電極がワード線W2に接続されている。また、ビット線BL1,BL2は、センスアンプSAに接続されている。その他の構成は、実施の形態2の不揮発性メモリと同様である。
【0224】
このような構成の実施の形態5の不揮発性メモリにおいては、対となったメモリセルMC11m,MC21m、あるいは、対となったメモリセルMC12m,MC22mに相補的なデータを書き込むことで1ビットを記憶する。また、4つの選択用トランジスタTR11,TR12,TR21,TR22と、16個のメモリセルMC11m,MC21m,MC12m,MC22mによって、1つのメモリユニット(アクセス単位ユニット)が構成され、8ビットを記憶する。実際の不揮発性メモリにおいては、この8ビットを記憶するメモリユニットの集合がアクセス単位ユニットとしてアレイ状に配設されている。
【0225】
次に、実施の形態5の不揮発性メモリからデータを読み出し、再書き込みする方法について、以下、説明する。尚、一例として、対となったメモリセルMC111,MC211からデータを読み出すものとし、メモリセルMC111にはデータ「1」が、メモリセルMC211にはデータ「0」が記憶されているとする。図13に動作波形を示す。尚、図13中、括弧内の数字は、以下に説明する工程の番号と対応している。
【0226】
(4−1A)待機状態では、全ビット線、全ワード線、全プレート線が接地されている。
【0227】
(4−2A)データ読み出しが開始されると、先ず、選択されたメモリユニット(アクセス単位ユニット)における全プレート線PLm(m=1,2,3,4)を(1/2)Vcc(但し、Vccは電源電圧)にプレチャージし、更に、ビット線BL1,BL2を(1/2)Vccにプレチャージする。その後、ワード線WL1,WL2をハイレベルとすることによって、選択用トランジスタTR11,TR12,TR21,TR22をオン状態とする。これによって、共通の第1の電極21(共通ノードCN11,CN12、CN21,CN22)がビット線BL1,BL2に接続され、共通ノードCN11,CN12,CN21,CN22の電位は(1/2)Vccとなる。
【0228】
(4−3A)次いで、非選択のワード線WL2をロウレベルとすることによって、選択用トランジスタTR12,TR22をオフ状態とする。これによって、非選択の共通ノードCN12,CN22は、電位が(1/2)Vccのまま、浮遊状態となる。
【0229】
(4−4A)その後、選択プレート線PL1、及び、ビット線BL1,BL2を接地線(図示せず)を介して0ボルトまで放電させる。このとき、ビット線BL1,BL2に接続されている共通ノードCN11,CN21も0ボルトとなる。ビット線BL1,BL2の放電が完了したならば、接地線とビット線BL1,BL2との電気的な接続を解き、ビット線BL1,BL2を浮遊状態とする。
【0230】
(4−5A)次に、選択プレート線PL1にVccを印加する。これによって、データ「1」を記憶していたメモリセルMC111からは、反転電荷が放出され、その結果、ビット線BL1,BL2の間に電位差が生じる。次に、センスアンプSAを活性化して、かかるビット線BL1,BL2の間の電位差をデータとして読み出す。
【0231】
(4−6A)その後、ビット線BL1,BL2を、センスアンプSAによって充放電させ、ビット線BL1にはVccを印加し、ビット線BL2には0ボルトを印加する。その結果、メモリセルMC211には、データ「0」が再び書き込まれる。
【0232】
(4−7A)その後、選択プレート線PL1を0ボルトとすることによって、メモリセルMC111には、データ「1」が再び書き込まれる。
【0233】
(4−8A)データの読み出しを終了する場合には、次いで、ビット線BL1,BL2を0ボルトまで放電する。次に、プレート線PLm(m=1,2,3,4)を0ボルトまで放電した後、非選択のワード線WL2を再びハイレベルとし、選択用トランジスタTR12,TR22をオン状態として、メモリユニット(アクセス単位ユニット)の全ての共通ノードCN11,CN12,CN21,CN22を0ボルトとする。
【0234】
尚、引き続き、対となった次のメモリセルのデータを読み出す場合には、再び、全プレート線PLm(m=1,2,3,4)を(1/2)Vccにプレチャージし、上述の(4−2A)〜(4−7A)の動作を繰り返す。
【0235】
以上のシーケンスに従えば、非選択のメモリセルに加わるディスターブは、常に、(1/2)Vcc以下に抑えられる。
【0236】
尚、非選択状態であって、しかも、浮遊状態の共通ノードCN21,CN22の電位は、選択プレート線PL1と(1/2)Vccに固定された非選択プレート線PLm(m=2,3,4)とのカップリング比に従って変動するが、非選択プレート線側のカップリング容量の方が大きい。従って、共通ノードCN12,CN22の電位変動は、(1/2)Vcc〜Vccの範囲に抑えられ、メモリセルMC12m,MC22m(m=1〜4)に加わるディスターブは、(1/2)Vcc以下である。
【0237】
また、このような回路構成においては、ディスターブ回数を有限回に制限するために、プレート線又は共通ノードを共有する全メモリセルを一括して、且つ、連続してシリアルにアクセスする仕様とすることが望ましい。即ち、ワード線WL1にアクセスした場合には、共通ノードCN11,CN21に関連したメモリセル11m,MC21m(m=1,2,3,4)の全てを、順次アクセスする。続いて、ワード線WL2にアクセスし、共通ノードCN12,CN22に関連したメモリセルMC12m,MC22m(m=1,2,3,4)の全てを、順次アクセスする。これにより、メモリユニット(アクセス単位ユニット)内のメモリセルの全てからデータを読み出し、その後、再書き込みを行って、ディスターブによる劣化を回復させる。このようにすれば、ディスターブ回数の上限は、メモリユニット(アクセス単位ユニット)に記憶されるビット数から1を減じた回数となり、信頼性を保証することができる。以上に説明した実施の形態5におけるディスターブ回数は7回である。
【0238】
実施の形態5におけるメモリアレイの構成上の限界寸法は、プレート線PLmと、ビット線BL1,BL2のピッチによって決定される。そして、プレート線PLmと、ビット線BL1,BL2によって囲まれた領域に2ビットが格納される。従って、限界寸法は4F2である。
【0239】
また、実施の形態5においては、2本のワード線WL1,WL2と4本のプレート線PLm(m=1,2,3,4)との2次元マトリックスにより、ロー・アドレスの選択が行われる。即ち、ワード線2本と、プレート線4本の組み合わせで、ロー方向の8ビットのアクセスが可能であり、ロー・アドレスの選択に必要とされるドライバーは1アドレス当たり0.75本と少ない。従って、従来型のメモリセル構造と比較して、駆動用の信号線を減少させることができ、周辺回路を大幅に削減することができる。
【0240】
実施の形態5の不揮発性メモリにおいては、対となったメモリセルMC11m,MC21mによる相補的なデータ記憶を例に挙げたが、例えば、ダミーセル等を用いて、参照側ビット線に、データ「1」の読み出し電位と、データ「0」の読み出し電位の中間の参照電位を与えることによって、メモリセル毎に1ビットを記憶することも可能である。
【0241】
また、先に説明した実施の形態2〜実施の形態4の不揮発性メモリにおいて、メモリセルを対として(例えば、メモリセルMC11mとメモリセルMC21m、メモリセルMC12mとメモリセルMC22m)、相補的なデータ記憶を行ってもよい。
【0242】
また、実施の形態5の不揮発性メモリを実施の形態1にて説明した不揮発性メモリに適用することができ、この場合の回路図は、図14に示すとおりとなる。更には、図1及び図14に示した等価回路を有する実施の形態1の不揮発性メモリにおいて、実施の形態5と同様に、相補的なデータ記憶を行ってもよい。
【0243】
(実施の形態6)
実施の形態6は、本発明の第4の態様に係る不揮発性メモリに関する。実施の形態6の不揮発性メモリの回路図を図15に示し、模式的な一部断面図を図16に示す。
【0244】
実施の形態6の不揮発性メモリは、第1のメモリユニットMU1及び第2のメモリユニットMU2から構成されている。
【0245】
そして、第1のメモリユニットMU1は、
(A−1)第1のビット線BL1と、
(B−1)N個(但し、N≧1であり、実施の形態6においては、N=2)の第1の選択用トランジスタTR11,TR12と、
(C−1)それぞれがM個(但し、M≧2である、実施の形態6においては、M=4)の第1のメモリセルMC1NMから構成された、N個の第1のサブメモリユニットSMU1Nと、
(D−1)N個の第1のサブメモリユニット間(SMU11,SMU12)において、N個の第1のサブメモリユニット(SMU11,SMU12)のそれぞれを構成する第1のメモリセルMC1nmで共通とされたM本のプレート線Pm
から成る。
【0246】
また、第2のメモリユニットMU2は、
(A−2)第2のビット線BL2と、
(B−2)N個(実施の形態6においては、N=2)の第2の選択用トランジスタTR21,TR22と、
(C−2)それぞれがM個(実施の形態6においては、M=4)の第2のメモリセルMC2NMから構成された、N個の第2のサブメモリユニットSMU21,SMU22と、
(D−2)N個の第2のサブメモリユニット(SMU21,SMU22)間において、N個の第2のサブメモリユニット(SMU21,SMU22)のそれぞれを構成する第2のメモリセルMC2nmで共通とされ、且つ、前記第1のメモリユニットMU1を構成するM本のプレート線PLmと共通のM本のプレート線PLm
から成る。
【0247】
そして、第1のサブメモリユニットSMU11,SMU12は、層間絶縁層26を介して、第2のサブメモリユニットSMU21,SMU22と積層されている。
【0248】
各メモリセルMU1nm,MC2nmは、第1の電極21,31と強誘電体層22,32と第2の電極23,33から成る。
【0249】
また、第1のメモリユニットMU1において、第1番目の第1のサブメモリユニットSMU11を構成する第1のメモリセルMC11mの第1の電極21は、第1番目の第1のサブメモリユニットSMU11において共通であり、この共通の第1の電極21(共通ノードCN11)は、第1番目の第1の選択用トランジスタTR11を介して第1のビット線BL1に接続され、第m番目(但し、m=1,2・・・M)の第1のメモリセルMC11mの第2の電極23は共通の第m番目のプレート線PLmに接続されている。
【0250】
更には、第1のメモリユニットMU1において、第2番目の第1のサブメモリユニットSMU12を構成する第1のメモリセルMC12mの第1の電極21は、第2番目の第1のサブメモリユニットSMU12において共通であり、この共通の第1の電極21(共通ノードCN12)は、第2番目の第1の選択用トランジスタTR12を介して第1のビット線BL1に接続され、第m番目(但し、m=1,2・・・M)の第1のメモリセルMC12mの第2の電極23は共通の第m番目のプレート線PLmに接続されている。尚、これらは図示していないが、図16の紙面垂直方向に隣接して設けられている。
【0251】
第2のメモリユニットMU2において、第1番目の第2のサブメモリユニットSMU21を構成する第2のメモリセルMC21mの第1の電極31は、第1番目の第2のサブメモリユニットSMU21において共通であり、この共通の第1の電極31(共通ノードCN21)は、第1番目の第2の選択用トランジスタTR21を介して第2のビット線BL2に接続され、第m番目の第2のメモリセルMC21mの第2の電極33は共通の第m番目のプレート線PLmに接続されている。
【0252】
また、第2のメモリユニットMU2において、第2番目の第2のサブメモリユニットSMU22を構成する第2のメモリセルMC22mの第1の電極31は、第2番目の第2のサブメモリユニットSMU22において共通であり、この共通の第1の電極31(共通ノードCN22)は、第2番目の第2の選択用トランジスタTR22を介して第2のビット線BL2に接続され、第m番目の第2のメモリセルMC22mの第2の電極33は共通の第m番目のプレート線PLmに接続されている。尚、これらは図示していないが、図16の紙面垂直方向に隣接して設けられている。
【0253】
各選択用トランジスタのゲート電極に接続されたワード線WL11,WL12,WL21,WL22は、ワード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。一方、各プレート線PLmは、プレート線デコーダ/ドライバPDに接続されている。更には、ビット線BL1,BL2はセンスアンプSAに接続されている。尚、ビット線BL2も同じセンスアンプSAに接続されているが、ビット線BL2は、異なるセンスアンプSAに接続されていてもよい。また、ビット線BL1,BL2は、ビット線BL1,BL2の延びる方向に隣接する他の不揮発性メモリとも共有されている。
【0254】
ここで、ワード線WL11,WL12,WL21,WL22は、図16の紙面垂直方向に延びている。また、第2の電極23,33は、図16の紙面垂直方向に隣接するサブメモリユニットSMU12,SMU22を構成するメモリセルと共通であり、プレート線PLmを兼ねている。各メモリセルを結ぶこれらの各プレート線は、図16の紙面垂直方向に延びており、図示しない領域において接続孔を介して接続されている。また、サブメモリユニットSMU11とサブメモリユニットSMC21とは、垂直方向に揃っている。このような構造にすることによって、メモリユニットの占有面積を小さくすることができ、集積度の向上を図ることができる。
【0255】
実施の形態6の不揮発性メモリにおいては、第1のメモリユニットMU1における第1番目の第1のサブメモリユニットSMU11を構成する各メモリセルMC11mの強誘電体層22と、第2のメモリユニットMU2における第1番目の第2のサブメモリユニットSMU21を構成する各メモリセルMC21mの強誘電体層32とを同一の材料から構成してもよいが、本発明の第1の態様に係る不揮発性メモリのように、上方に位置するメモリセルを構成する強誘電体層32の結晶化温度は、下方に位置するメモリセルを構成する強誘電体層22の結晶化温度よりも低い構成とすることが好ましい。具体的には、強誘電体層22,32を、表2に例示した材料から構成することができる。
【0256】
実施の形態6においては、2つのサブメモリユニットSMU11,SMU21は、それぞれ、層間絶縁層26を介して積層されている。また、2つのサブメモリユニットSMU12,SMU22も、それぞれ、層間絶縁層26を介して積層されている。サブメモリユニットSMU21,SMU22は絶縁膜36Aで被覆されている。また、サブメモリユニットSMU11,SMU12は、半導体基板10の上方に絶縁層16を介して形成されている。半導体基板10には素子分離領域11が形成されている。また、MOS型FETから構成された選択用トランジスタTR11,TR12,TR21,TR22は、ゲート電極13、ゲート絶縁膜12、ソース/ドレイン領域14から構成されている。そして、第1の選択用トランジスタTR11,TR21の一方のソース/ドレイン領域14はコンタクトホール15を介してビット線BL1に接続されている。更に、第2の選択用トランジスタTR21,TR22の一方のソース/ドレイン領域14はコンタクトホール15を介してビット線BL2に接続されている。
【0257】
また、第1の選択用トランジスタTR11,TR12の他方のソース/ドレイン領域14は、絶縁層16に形成された開口部17中に設けられた接続孔18を介して第1の共通ノードCN11,CN12に接続されている。更には、第2の選択用トランジスタTR12,TR22の他方のソース/ドレイン領域14は、接続孔18、絶縁層16上に形成された接続部25、層間絶縁層26に形成された開口部27中に設けられた接続孔28を介して第2の共通ノードCN21,CN22に接続されている。尚、第2の選択用トランジスタTR12,TR22における接続孔18、接続部25、接続孔28は、第1の選択用トランジスタTR11,TR12における接続孔18と同一垂直面内に存在しておらず、図16においては本来見えない部分に位置しているが、図16においてはこれらを図示した。
【0258】
尚、実施の形態6の不揮発性メモリにおいて、サブメモリユニットSMU12,SMU22は、図16の模式的な一部断面図において、サブメモリユニットSMU11,SMU21と紙面垂直方向に隣接している。
【0259】
そして、各メモリセルMC11m,MC12m,MC21m,MC22m(m=1,2,3,4)に1ビットがデータとして記憶される。あるいは又、対となったメモリセルMC11m,MC21m及び対となったメモリセルMC12m,MC22mに相補的なデータが記憶される。
【0260】
実施の形態6の不揮発性メモリの動作は、実施の形態2あるいは実施の形態5にて説明した動作と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0261】
尚、実施の形態6の不揮発性メモリを、図12に等価回路を示したと同様の等価回路に変更してもよい。
【0262】
また、N=4とした例の回路図を図17に示し、模式的な一部断面図を図18に示す。この場合、ワード線WL11〜ワード線WL14を選択した場合、サブメモリユニットSMU11〜サブメモリユニットSMU14がアクセスされ、ビット線BL1にのみ、記憶されたデータに相当する電圧(電位)が出現する。尚、同じセンスアンプSAに接続されたビット線BL2には、データ「1」の読み出し電圧(電位)と、データ「0」の読み出し電圧(電位)の中間の参照電位を与える。一方、ワード線WL21〜ワード線WL24を選択した場合、サブメモリユニットSMU21〜サブメモリユニットSMU24がアクセスされ、ビット線BL2にのみ、記憶されたデータに相当する電圧(電位)が出現する。尚、同じセンスアンプSAに接続されたビット線BL1には、データ「1」の読み出し電圧(電位)と、データ「0」の読み出し電圧(電位)の中間の参照電位を与える。この場合、次の図19を参照して説明する不揮発性メモリの場合と比較した、信号量(電位差)が約半分となり、しかも、参照電位のばらつき等から動作マージンは低下するが、不揮発性メモリの集積度は約2倍になる。尚、例えば、ワード線WL11とワード線WL21とを同時に選択すれば、対となったメモリセルMC111,MC211からデータを相補的な読み出すことができる。尚、後述する実施の形態6の不揮発性メモリの構造に対して、実施の形態5の不揮発性メモリの変形を適用することもできる。
【0263】
図18において、選択用トランジスタTR21〜TR24の配置を変更することで、図19に回路図を示す構成とすることもできる。この場合には、対となったメモリセルMC11m,MC21m、対となったメモリセルMC12m,MC22m、対となったメモリセルMC13m,MC23m、対となったメモリセルMC14m,MC24mに相補的なデータを書き込むことで1ビットを記憶する。即ち、8つの選択用トランジスタTR11〜TR14,TR21〜TR24と、64個のメモリセルMC11m〜MC14m,MC21m〜MC24mによって、1つのメモリユニット(アクセス単位ユニット)が構成され、32ビットを記憶する。このメモリアレイの構成上の限界寸法は、プレート線PLmの最小ピッチに基づきロー方向の寸法が規定され、プレート線1本、及び、ビット線BL1,BL2で囲まれた領域に4ビットが記憶される。従って、限界寸法は2F2である。また、4本のワード線WL1,WL2,WL3,WL4と8本のプレート線PLMの2次元マトリックスによって、ロー・アドレスの選択が行われる。即ち、4本のワード線と8本のプレート線によって、ロー方向の32ビットのアクセスが可能であり、ロー・アドレスの選択に必要とされるドライバは、1アドレス当たり0.375本でよい。従って、従来型のメモリセル構造と比較して、駆動用の信号線を大幅に減少させることができ、周辺回路を大幅に削減することができる。
【0264】
(実施の形態7)
実施の形態7は、本発明の第5の態様に係る不揮発性メモリに関する。実施の形態7の不揮発性メモリの模式的な一部断面図を図20に示す。尚、不揮発性メモリの回路図は図17と同様である。尚、実施の形態7においては、N=4としたが、Nの値はこのような値に限定するものではない。
【0265】
実施の形態7の不揮発性メモリは、第1のメモリユニットMU1及び第2のメモリユニットMU2から構成されている。
【0266】
そして、第1のメモリユニットMU1は、
(A−1)第1のビット線BL1と、
(B−1)N個(但し、N≧1であり、実施の形態7においては、N=4)の第1の選択用トランジスタTR1Nと、
(C−1)それぞれがM個(但し、M≧2であり、実施の形態7においては、M=8)の第1のメモリセルMC1NMから構成された、N個の第1のサブメモリユニットSMU1Nと、
(D−1)N個の第1のサブメモリユニットSMU1n間において、N個の第1のサブメモリユニットSMU1nmのそれぞれを構成する第1のメモリセルSMU1nで共通とされたM本のプレート線PLm
から成る。
【0267】
また、第2のメモリユニットMU2は、
(A−2)第2のビット線BL2と、
(B−2)N個(実施の形態7においては、N=4)の第2の選択用トランジスタTR2Nと、
(C−2)それぞれがM個(実施の形態7においては、M=8)の第2のメモリセルMC2NMから構成された、N個の第2のサブメモリユニットSMU2Nと、
(D−2)N個の第2のサブメモリユニットSMU2n間において、N個の第2のサブメモリユニットSMU2nのそれぞれを構成する第2のメモリセルMC2nmで共通とされ、且つ、前記第1のメモリユニットMU1を構成するM本のプレート線PLmと共通のM本のプレート線PLm
から成る。
【0268】
そして、メモリセルMC11m,MC13mは、第1の電極21Aと強誘電体層22Aと第2の電極23とから成り、メモリセルMC21m,MC23mは、第1の電極21Bと強誘電体層22Bと第2の電極23とから成る。また、メモリセルMC12m,MC14mは、第1の電極31Aと強誘電体層32Aと第2の電極33とから成り、メモリセルMC22m,MC24mは、第1の電極31Bと強誘電体層32Bと第2の電極33とから成る。
【0269】
更には、第1のメモリユニットMU1において、第n番目の第1のサブメモリユニットSMU1nを構成する第1のメモリセルMC1nmの第1の電極21A,31Aは、第n番目の第1のサブメモリユニットSMU1nにおいて共通であり、これらの共通の第1の電極21A,31A(共通ノードCN1n)は、第n番目の第1の選択用トランジスタTR1nを介して第1のビット線BL1に接続されている。
【0270】
また、第2のメモリユニットMU2において、第n番目の第2のサブメモリユニットSMU1nを構成する第2のメモリセルMC2nmの第1の電極21B,31Bは、第n番目の第2のサブメモリユニットSMU2nにおいて共通であり、これらの共通の第1の電極21B,31B(共通ノードCN2n)は、第n番目の第2の選択用トランジスタTR2nを介して第2のビット線BL2に接続されている。
【0271】
更には、第1のメモリユニットMU1における第n番目の第1のサブメモリユニットSMU1nを構成する第m番目の第1のメモリセルMC1nmと、第2のメモリユニットMU2における第n番目の第2のサブメモリユニットSMU2nを構成する第m番目の第2のメモリセルMC2nmは、第2の電極23,33を共有しており、これらの共有された第2の電極23,33は第m番目のプレート線PLmに接続されている。
【0272】
各選択用トランジスタのゲート電極に接続されたワード線WL11〜WL14,WL21〜WL24は、ワード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。一方、各プレート線PLmは、プレート線デコーダ/ドライバPDに接続されている。更には、ビット線BL1,BL2はセンスアンプSAに接続されている。尚、ビット線BL2も同じセンスアンプSAに接続されているが、ビット線BL2は、異なるセンスアンプSAに接続されていてもよい。また、ビット線BL1,BL2は、ビット線BL1,BL2の延びる方向に隣接する他の不揮発性メモリとも共有されている。
【0273】
ここで、ワード線WL11〜WL14,WL21〜WL24は、図20の紙面垂直方向に延びている。また、第2の電極23,33は、図20の紙面垂直方向に隣接するサブメモリユニットSMU13,SMU14,SMU23,SMU24を構成するメモリセルと共通であり、プレート線PLmを兼ねている。各メモリセルを結ぶこれらの各プレート線は、図20の紙面垂直方向に延びており、図示しない領域において接続孔を介して接続されている。また、サブメモリユニットSMU11,SMU12とサブメモリユニットSMC21,SMU22とは、垂直方向に揃っている。このような構造にすることによって、メモリユニットの占有面積を小さくすることができ、集積度の向上を図ることができる。
【0274】
実施の形態7の不揮発性メモリにおいては、第1のメモリユニットMU1における第1のサブメモリユニットSMU1nを構成する各メモリセルMC1nmの強誘電体層22A,32Aと、第2のメモリユニットMU2における第2のサブメモリユニットSMU2nを構成する各メモリセルMC2nmにの強誘電体層22B,32Bとを同一の材料から構成してもよいが、本発明の第1の態様に係る不揮発性メモリのように、上方に位置するメモリセルを構成する強誘電体層32A,32Bの結晶化温度は、下方に位置するメモリセルを構成する強誘電体層22A,22Bの結晶化温度よりも低い構成とすることが好ましい。具体的には、強誘電体層22A,22Bを表2の強誘電体層22に例示した材料から構成し、強誘電体層32A,32Bを表2の強誘電体層32に例示した材料から構成することができる。
【0275】
実施の形態7においては、サブメモリユニットSMU21〜SMU24は、層間絶縁層26を介して、サブメモリユニットSMU11〜SMU14の上に積層されている。サブメモリユニットSMU22,SMU24は絶縁膜36Aで被覆されている。また、サブメモリユニットSMU11,SMU13は、半導体基板10の上方に絶縁層16を介して形成されている。半導体基板10には素子分離領域11が形成されている。また、選択用トランジスタTR11〜TR14,TR21〜TR24は、ゲート電極13、ゲート絶縁膜12、ソース/ドレイン領域14から構成されている。そして、第1の選択用トランジスタTR11〜TR14の一方のソース/ドレイン領域14はコンタクトホール15を介してビット線BL1に接続されている。更に、第2の選択用トランジスタTR21〜TR24の一方のソース/ドレイン領域14はコンタクトホール15を介してビット線BL2に接続されている。
【0276】
また、第1の選択用トランジスタTR11,TR13の他方のソース/ドレイン領域14、及び、第2の選択用トランジスタTR21,TR23の他方のソース/ドレイン領域14は、絶縁層16に形成された開口部17中に設けられた接続孔18を介して共通ノードCN11,CN13,CN21,CN23に接続されている。更には、第1の選択用トランジスタTR12,TR14の他方のソース/ドレイン領域14、及び、第2の選択用トランジスタTR22,TR24の他方のソース/ドレイン領域14は、接続孔18、絶縁層16上に形成された接続部25、層間絶縁層26に形成された開口部27中に設けられた接続孔28を介して、共通ノードCN12,CN14,CN22,CN24に接続されている。
【0277】
尚、実施の形態7の不揮発性メモリにおいて、サブメモリユニットSMU13,SMU14,SMU23,SMU24は、図20の模式的な一部断面図において、サブメモリユニットSMU11,SMU12,SMU21,SMU22と紙面垂直方向に隣接している。
【0278】
そして、各メモリセルMC1nm,MC2nm(n=1〜4、m=1〜8)に1ビットがデータとして記憶される。この場合、ワード線WL1nを選択した場合、サブメモリユニットSMU1nがアクセスされ、ビット線BL1にのみ、記憶されたデータに相当する電位が出現する。尚、同じセンスアンプSAに接続されたビット線BL2には、データ「1」の読み出し電位と、データ「0」の読み出し電位の中間の参照電位を与える。一方、ワード線WL2nを選択した場合、サブメモリユニットSMU2nがアクセスされ、ビット線BL2にのみ、記憶されたデータに相当する電位が出現する。尚、同じセンスアンプSAに接続されたビット線BL1には、データ「1」の読み出し電位と、データ「0」の読み出し電位の中間の参照電位を与える。このような構成においては、次に説明する構成と比較して、信号量(電位差)が約半分となり、しかも、参照電位のばらつき等から動作マージンは低下するが、不揮発性メモリの集積度は約2倍になる。
【0279】
あるいは又、対となったメモリセル(MC11m,MC21m),(MC12m,MC22m),(MC13m,MC23m),(MC14m,MC24m)に相補的なデータが記憶される。即ち、8つの選択用トランジスタTR11〜TR14,TR21〜TR24と、64個のメモリセルMC1nm,MC2nmによって、1つのメモリユニット(アクセス単位ユニット)が構成され、32ビットを記憶する。
【0280】
実際の不揮発性メモリにおいては、この32ビットあるいは64ビットを記憶する不揮発性メモリの集合がアクセス単位ユニットとしてアレイ状に配設されている。
【0281】
実施の形態7の不揮発性メモリの動作は、実施の形態2あるいは実施の形態5にて説明した動作と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0282】
尚、メモリセルMC11M,MC12M,MC13M,MC14M、MC21M,MC22M,MC23M,MC24Mは、例えば、
・第1の電極21Aを構成する第1の電極材料層の形成
・強誘電体層22Aを構成する強誘電体薄膜の形成
・第1の電極21Aを構成する第1の電極材料層及び強誘電体層22Aを構成する強誘電体薄膜のパターニング
・第2の電極23を構成する第2の電極材料層の形成及びパターニング
・強誘電体層22Bを構成する強誘電体薄膜の形成
・強誘電体層22A及び強誘電体層22Bを構成する強誘電体薄膜の結晶化促進のための熱処理
・第1の電極21Bを構成する第1の電極材料層の形成及びパターニング
といった工程を経て、MC11M,MC13M,MC21M,MC23Mを形成した後、
・層間絶縁層26の形成
・第1の電極31Aを構成する第1の電極材料層の形成
・強誘電体層32Aを構成する強誘電体薄膜の形成
・第1の電極31Aを構成する第1の電極材料層及び強誘電体層32Aを構成する強誘電体薄膜のパターニング
・第2の電極33を構成する第2の電極材料層の形成及びパターニング
・強誘電体層32Bを構成する強誘電体薄膜の形成
・強誘電体層32A及び強誘電体層32Bを構成する強誘電体薄膜の結晶化促進のための熱処理
・第1の電極31Bを構成する第1の電極材料層の形成及びパターニング
といった工程を経て、MC12M,MC14M,MC22M,MC24Mを形成することで、得ることができる。
【0283】
尚、実施の形態7の不揮発性メモリを、図19に等価回路を示したように変更してもよい。この場合のメモリアレイの構成上の限界寸法は、プレート線PLmの最小ピッチに基づきロー方向の寸法が規定され、プレート線1本、及び、ビット線BL1,BL2で囲まれた領域に4ビットが記憶される。従って、限界寸法は2F2である。また、4本のワード線WL1〜WL4と8本のプレート線PLMの2次元マトリックスによって、ロー・アドレスの選択が行われる。即ち、4本のワード線と8本のプレート線によって、ロー方向の32ビットのアクセスが可能であり、ロー・アドレスの選択に必要とされるドライバは、1アドレス当たり0.375本でよい。従って、従来型のメモリセル構造と比較して、駆動用の信号線を大幅に減少させることができ、周辺回路を大幅に削減することができる。
【0284】
(実施の形態8)
実施の形態8は、本発明の第7の態様に係る不揮発性メモリに関する。実施の形態8の不揮発性メモリにおけるメモリユニットは、具体的には、特開平9−121032号公報に開示された構造を有する。実施の形態8の不揮発性メモリの回路図を図21に示す。更には、実施の形態8の不揮発性メモリの模式的な一部断面図を図22に示す。
【0285】
実施の形態8の不揮発性メモリは、強誘電体層を有するキャパシタ部を備えたメモリセルMC1MあるいはMC2M(例えば、M=4)が、複数、配列されて成るメモリユニットMU1あるいはMU2を備え、選択されたメモリセルへのアクセス時、非選択のメモリセルにディスターブが発生する構造を有する。そして、キャパシタ部に接続され、出力が負の温度特性を有する電源電圧回路60を備えている。ここで、出力が負の温度特性を有するとは、不揮発性メモリの動作温度が高くなるに従い、出力電圧が減少(低下)するような特性を意味する。具体的には、メモリセルMC1M,MC2Mを構成するそれぞれのキャパシタ部の一端はビット線BL1,BL2に接続され、他端はプレート線PLM(M=4)に接続され、ビット線BL1,BL2には電源電圧回路60(具体的には、センスアンプSAに含まれる)が接続され、プレート線PLMには電源電圧回路60(具体的には、プレート線デコーダ/ドライバPDに含まれる)が接続されている。
【0286】
あるいは又、実施の形態8の不揮発性メモリは、ビット線BL1と、選択用トランジスタTR1と、M個(但し、実施の形態8においては、M=4)のメモリセルMC1m(m=1,2,3,4)と、M本のプレート線PLm(m=1,2,3,4)から構成されている。そして、各メモリセルMC1mは、第1の電極(下部電極)21と強誘電体層22と第2の電極(上部電極)23とから成り、メモリセルMC1mを構成するキャパシタ部の第1の電極21は、メモリユニットMU1において共通であり、共通の第1の電極21(共通ノードCN1と呼ぶ場合がある)は、選択用トランジスタTR1を介してビット線BL1に接続され、第2の電極23はプレート線PLmに接続されている。メモリセルMC1mは、絶縁膜26Aによって被覆されている。
【0287】
あるいは又、実施の形態8の不揮発性メモリは、ビット線BL2と、選択用トランジスタTR2と、M個(但し、実施の形態8においては、M=4)のメモリセルMC2m(m=1,2,3,4)と、M本のプレート線PLm(m=1,2,3,4)から構成されている。そして、各メモリセルMC2mは、第1の電極21(下部電極)と強誘電体層22と第2の電極(上部電極)23とから成り、メモリセルMC2mを構成するキャパシタ部の第1の電極21は、メモリユニットMU2において共通であり、共通の第1の電極21(共通ノードCN2と呼ぶ場合がある)は、選択用トランジスタTR2を介してビット線BL2に接続され、第2の電極23はプレート線PLmに接続されている。図22の模式的な一部断面図において、これらのビット線BL2、選択用トランジスタTR2及びメモリセルMC2mは、ビット線BL1、選択用トランジスタTR1及びメモリセルMC1mと、紙面垂直方向に隣接している。
【0288】
メモリセルMC2mにおけるプレート線PLmは、メモリセルMC1mにおけるプレート線PLmと共通化されており、プレート線デコーダ/ドライバPDに接続されている。また、選択用トランジスタTR1,TR2のゲート電極は共通のワード線WLに接続され、ワード線WLは、ワード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。更には、ビット線BL1,BL2は、センスアンプSAに接続されている。
【0289】
尚、図22においては、選択用トランジスタTR1及びメモリセルMC1m、並びに、ビット線BL1の延びる方向に隣接する選択用トランジスタTR’1及びメモリセルMC’1mの一部分を併せて図示した。ビット線BL1の延びる方向に隣接するメモリセルMC1m,MC’1m・・・におけるビット線BL1は共通化されている。
【0290】
そして、対となったメモリセルMC1m,MC2m(m=1,2,3,4)に相補的なデータが記憶される。
【0291】
実施の形態8の不揮発性メモリからデータを読み出す方法の一例を、以下、説明する。尚、一例として、対となったメモリセルMC11,MC21からデータを読み出すものとし、メモリセルMC11にはデータ「1」が、メモリセルMC21にはデータ「0」が記憶されているとする。図23に動作波形を示す。尚、図23中、括弧内の数字は、以下に説明する工程の番号と対応している。
【0292】
(8−1)待機状態では、全ビット線、全ワード線、全プレート線が接地されている。そして、接地線(図示せず)とビット線BL1,BL2との電気的な接続を解き、ビット線BL1,BL2を浮遊状態とする。
【0293】
(8−2)データ読み出しの開始時、ワード線WLをハイレベルとすることによって、選択用トランジスタTR1,TR2をオン状態とする。併せて、選択されたプレート線PL1にVCCを印加し、非選択のプレート線PLm(m=2,3,4)に(1/2)VCCを印加する。これによって、データ「1」を記憶していたキャパシタ部から構成されたメモリセルMC11からは反転電荷が放出され、その結果、ビット線BL1,BL2の間に電位差が生じる。次に、センスアンプSAを活性化して、かかるビット線BL1,BL2の間の電位差をデータとして読み出す。
【0294】
(8−3)その後、ビット線BL1,BL2を、センスアンプSAによって充放電させ、ビット線BL1にはVCCを印加し、ビット線BL2には0ボルトを印加する。その結果、メモリセルMC21には、データ「0」が再び書き込まれる。
【0295】
(8−4)その後、プレート線PL1を0ボルトとすることによって、メモリセルMC11には、データ「1」が再び書き込まれる。
【0296】
(8−5)データの読み出しを終了する場合には、次いで、ビット線BL1,BL2を0ボルトまで放電し、プレート線PLm(m=2,3,4)を0ボルトまで放電する。
【0297】
以上のシーケンスに従えば、非選択のメモリセルMC1m,MC2m(m=2,3,4)におけるキャパシタ部に加わるディスターブは、常に、(1/2)VCC以下に抑えられる。
【0298】
センスアンプSAに含まれている、ビット線BL1,BL1に電圧を印加するための電源電圧回路60、及び、プレート線デコーダ/ドライバPDに含まれている、プレート線PLMに電圧を印加するための電源電圧回路60は、出力が負の温度特性を有するが、これらの電源電圧回路60の構成例を以下に説明する。
【0299】
この電源電圧回路60は、図24の(A)に回路図を示すように、参照電圧回路61と、参照電圧回路61から出力された参照電圧[例えば、Vccや(1/2)Vcc]と出力電圧との電位差を検出する比較器70と、比較器70からの出力電圧に従って、比較器70からの出力電圧に負のフィードバックをかける回路、例えば、比較結果に応じてPMOS型FET73を制御する帰還ループから構成されている。具体的には、電源電圧回路60は、参照電圧回路61と、参照電圧回路61から出力された参照電圧が第1の入力部61に入力される比較器70と、比較器70からの出力電圧がゲート部に入力され、ドレイン領域が比較器70の第2の入力部72及びキャパシタ部に接続されたPMOS型FET73から成る。PMOS型FET73のドレイン領域は、具体的には、ビット線BL1,BL2、あるいは、プレート線PLmに接続されている。比較器70は、例えば、カレントミラー差動アンプから構成することができる。
【0300】
出力に接続されている負荷にVDL端子74からグランドに向けて過渡電流が流れようとすると、PMOS型FET73が或るインピーダンスとして作用し、PMOS型FET73のドレイン電圧は負側に変動する。出力電圧が参照電圧よりも低くなり始めると、PMOS型FET73のゲート電圧はより低くなって、PMOS型FET73はオン状態となり、負荷に電流を供給しながら出力を充電し始める。或るレベルまで充電し、参照電圧よりも出力電圧が高くなり始めると、今度はPMOS型FET73のゲート電圧が上昇し、PMOS型FET73はオフ状態となり、充電が停止する。これによって、PMOS型FET73からの出力電圧[例えば、Vccや(1/2)Vcc]の安定化を図ることができる。
【0301】
図24の(B)に回路図を示すように、参照電圧回路61は、一端が電源VDDに接続された第1の抵抗素子62と、一端が第1の抵抗素子62の他端に接続され、他端が接地された第2の抵抗素子63から成り、第1の抵抗素子62と第2の抵抗素子63との接続部から参照電圧が出力される。そして、第1の抵抗素子62は抵抗体から成り、第2の抵抗素子63は、ドレイン部とゲート部が短絡された少なくとも1つのPMOS型FETから成る。
【0302】
図24の(B)に示した例では、第2の抵抗素子63は、3つのPMOS型FETを直列に接続した構造を有し、各PMOS型FETの閾値電圧をVthとしたとき、第1の抵抗素子62の抵抗値が充分に高い場合、出力される参照電圧は3Vthとなる。MOS型FETの閾値電圧Vthは、一般に、負の温度特性を有する(即ち、温度が上昇するに従い、抵抗値が減少する)。第2の抵抗素子63を構成するPMOS型FETの段数、PMOS型FETを構成する各種の半導体領域の不純物濃度を調整することによって、第2の抵抗素子63に所望の抵抗値や所望の負の温度特性を与えることができる。
【0303】
図25の(A)には、別の形式の参照電圧回路61Aを示す。この参照電圧回路61Aにおいては、第1の抵抗素子64及び第2の抵抗素子65は負の温度特性を有し(即ち、温度が上昇するに従い、抵抗値が減少し)、第2の抵抗素子65の抵抗値の温度変化量の絶対値は、第1の抵抗素子64の抵抗値の温度変化量の絶対値よりも大きい。具体的には、第1の抵抗素子64及び第2の抵抗素子65は抵抗体から構成されている。より具体的には、例えば、第1の抵抗素子64は不純物がドープされた半導体層(例えば、ポリシリコン層)から成り、第2の抵抗素子65は、第1の抵抗素子64を構成する半導体層の不純物濃度よりも低い濃度の不純物がドープされた半導体層(例えば、ポリシリコン層)から成る構成とすることができる。あるいは又、ポリシリコン層にGeをイオン注入してバンドギャップを狭めて温度変化量を小さくしたSi−Ge半導体層から成る第1の抵抗素子64と、Si半導体層(具体的には、ポリシリコン層)から成る第2の抵抗素子65とから、参照電圧回路61Aを構成することもできる。このような構成にすることで、不揮発性メモリの動作温度が上昇すると、第2の抵抗素子65における電圧降下が、動作温度上昇前よりも小さくなり、その結果、参照電圧回路61Aから出力される参照電圧が低下する。
【0304】
図25の(B)には、更に別の形式の参照電圧回路61Bを示す。この参照電圧回路61Bにおいては、第1の抵抗素子66は正の温度特性を有し(即ち、温度が上昇するに従い、抵抗値が増加し)、第2の抵抗素子67は負の温度特性を有する(即ち、温度が上昇するに従い、抵抗値が減少する)。具体的には、第1の抵抗素子66は、ゲート部が接地されたPMOS型FETから成り、第2の抵抗素子67は、不純物がドープされた半導体層から成る抵抗体から構成されている。第1の抵抗素子66は、電圧に依存せず、第1の抵抗素子66の抵抗値(具体的には、チャネル抵抗の値)が直線的に変化し、しかも、正の温度特性を有する。従って、このような構成にすることで、不揮発性メモリの動作温度が上昇すると、第2の抵抗素子67における電圧降下が、動作温度上昇前よりも小さくなり、その結果、参照電圧回路61Bから出力される参照電圧が低下する。
【0305】
電源電圧回路からの出力電圧として、不揮発性メモリの動作温度が20゜Cのとき1.5ボルト、105゜Cのとき1.0ボルトとすれば、いずれの動作温度においてもメモリセルにおけるキャパシタ部においては6μC/cm2以上の信号電荷を保持することができ、且つ、非選択のメモリセルにおけるデータ破壊が生じることはない。
【0306】
以上に説明した電源電圧回路及び各種の参照電圧回路は、周知の方法にて作製することができる。尚、場合によっては、参照電圧回路61,61A,61Bのいずれかのみから電源電圧回路を構成することもできる。また、電源電圧回路をセンスアンプSAにのみ含ませてもよいし、プレート線デコーダ/ドライバPDにのみ含ませてもよいし、電源電圧回路からの出力電圧をセンスアンプSA及び/又はプレート線デコーダ/ドライバPDに供給する形態としてもよい。以下の実施の形態にて説明する不揮発性メモリにおいても同様である。
【0307】
実施の形態8の不揮発性メモリにおいては、対となったメモリセルMC1m,MC2mによる相補的なデータ記憶を例に挙げたが、例えば、ダミーセル等を用いて、参照側ビット線に、データ「1」の読み出し電位と、データ「0」の読み出し電位の中間の参照電位を与えることによって、メモリセル毎に1ビットを記憶することも可能である。この場合の回路図を、図26に示す。図21に示した構成と異なり、この不揮発性メモリの変形例においては、選択用トランジスタTR1及び選択用トランジスタTR2のそれぞれは、ワード線WL1及びWL2に接続され、これらのワード線WL1,WL2は、ワード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。
【0308】
尚、実施の形態8にて説明した不揮発性メモリに、実施の形態1〜実施の形態7にて説明した不揮発性メモリにおけるメモリユニットあるいはサブメモリユニットの構造を適用することができる。
【0309】
(実施の形態9)
実施の形態9は、本発明の第8の態様に係る不揮発性メモリに関する。実施の形態9の不揮発性メモリにおけるメモリユニットは、具体的には、実施の形態8にて説明したメモリユニットと同様であり、その模式的な一部断面図は図22に示したと同様である。それ故、メモリユニットの詳細な説明は省略する。
【0310】
実施の形態9の不揮発性メモリの回路図を図27に示す。実施の形態9の不揮発性メモリにおいては、メモリセルMC1M,MC2Mを構成するキャパシタ部のそれぞれの一端はビット線BL1,BL2に接続され、他端はプレート線PLmに接続されている。そして、ビット線BL1,BL2には、クランプ電圧(クランプ電位)が負の温度特性を有するクランプ回路80が接続されている。このような構成においては、センスアンプSAには、実施の形態8にて説明した電源電圧回路60を含ませる必要はない。センスアンプSAに実施の形態8にて説明した電源電圧回路60を含ませた場合、電源電圧回路の電流供給能力が充分でないと、不要なノイズが発生し、データの読み出しを誤る虞がある。このような場合には、センスアンプSAとして、従来のセンスアンプSAを用い、ビット線BL1,BL2の電圧(電位)をクランプするクランプ回路80をビット線BL1,BL2に接続すればよい。
【0311】
クランプ電圧が負の温度特性を有するクランプ回路80は、図28に回路図を示すように、ドレイン部とゲート部が短絡されたPMOS型FET81を直列に接続した構造を有する、従来のクランプ回路から構成することができる。クランプ回路80を構成するPMOS型FET81の段数、PMOS型FETを構成する各種の半導体領域の不純物濃度を調整することによって、クランプ回路80に所望のクランプ電圧値や所望の負の温度特性を与えることができる。
【0312】
このような、クランプ電圧が負の温度特性を有するクランプ回路80をビット線BL1,BL2に接続することによって、不揮発性メモリの動作温度が高いときにはビット線が高い電圧(電位)にクランプされ、動作温度が低いときにはビット線が低い電圧(電位)にクランプされる。それ故、不揮発性メモリの動作温度が高くなり、抗電圧が減少しても、ビット線の電圧(電位)を低い電圧(電位)にクランプすることができる結果、非選択のメモリセルにおけるキャパシタ部の電荷反転を防止することができる。
【0313】
尚、プレート線に電圧を印加するための電源電圧回路は、出力が負の温度特性を有することが望ましい。具体的には、実施の形態8にて説明した電源電圧回路60及び各種の参照電圧回路61,61A,61Bが、実施の形態9の不揮発性メモリに備えられていることが望ましい。
【0314】
尚、実施の形態9の不揮発性メモリを、実施の形態8の不揮発性メモリの変形例と同様の構成とすることもできる。
【0315】
また、実施の形態9にて説明した不揮発性メモリに、実施の形態1〜実施の形態7にて説明した不揮発性メモリにおけるメモリユニットあるいはサブメモリユニットの構造を適用することができる。
【0316】
(実施の形態10)
実施の形態10は、本発明の第9の態様及び第10の態様に係る不揮発性メモリに関する。実施の形態10の不揮発性メモリの回路図を図29に示し、不揮発性メモリを構成する各種のトランジスタの模式的なレイアウトを図30に示し、不揮発性メモリの模式的な一部断面図を図31及び図32に示す。尚、図30において、各種のトランジスタの領域を点線で囲み、活性領域及び配線を実線で示し、ゲート電極あるいはワード線を一点鎖線で示した。また、図31に示す不揮発性メモリの模式的な一部断面図は、図30の線A−Aに沿った模式的な一部断面図であり、図32に示す不揮発性メモリの模式的な一部断面図は、図30の線B−Bに沿った模式的な一部断面図である。
【0317】
実施の形態10の不揮発性メモリは、所謂ゲインセルタイプの不揮発性メモリであり、ビット線BLと、書込用トランジスタ(本発明の第10の態様に係る不揮発性メモリにおける構成要素であり、本発明の第9の態様に係る不揮発性メモリにおける選択用トランジスタである)TRWと、M個(但し、M≧2であり、実施の形態10においては、M=8)のメモリセルMCMから構成されたメモリユニットMUと、M本のプレート線PLMから成るメモリユニットMUから構成されている。そして、各メモリセルMCMは、第1の電極21と強誘電体層22と第2の電極23とから成り、メモリユニットMUを構成するメモリセルMCMの第1の電極21は、メモリユニットMUにおいて共通であり、この共通の第1の電極(共通ノードCN)は、書込用トランジスタTRWを介してビット線BLに接続され、各メモリセルMCmを構成する第2の電極23はプレート線PLmに接続されている。メモリセルMCMは絶縁膜26Aによって被覆されている。尚、不揮発性メモリのメモリユニットMUを構成するメモリセルの数(M)は8個に限定されず、一般には、M≧2を満足すればよく、2のべき数(M=2,4,8,16・・・)とすることが好ましい。
【0318】
更には、実施の形態10の不揮発性メモリは、共通の第1の電極の電位変化を検出し、該検出結果をビット線に電流又は電圧として伝達する信号検出回路を備えている。あるいは又、検出用トランジスタTRS、及び、読出用トランジスタTRRを備えている。信号検出回路は、検出用トランジスタTRS及び読出用トランジスタTRRから構成されている。そして、検出用トランジスタTRSの一端は所定の電位Vccを有する配線(例えば、不純物層から構成された電源線)に接続され、他端は読出用トランジスタTRRを介してビット線BLに接続され、各メモリセルMCmに記憶されたデータの読み出し時、読出用トランジスタTRRが導通状態とされ、各メモリセルMCmに記憶されたデータに基づき共通の第1の電極(共通ノードCN)に生じた電位により、検出用トランジスタTRSの動作が制御される。
【0319】
具体的には、各種のトランジスタはMOS型FETから構成されており、書込用トランジスタ(選択用トランジスタ)TRWの一方のソース/ドレイン領域は絶縁層16に形成されたコンタクトホール15を介してビット線BLに接続され、他方のソース/ドレイン領域は、絶縁層16に形成された開口部17中に設けられた接続孔18を介して共通の第1の電極(共通ノードCN)に接続されている。また、検出用トランジスタTRSの一方のソース/ドレイン領域は、所定の電位Vccを有する配線に接続され、他方のソース/ドレイン領域は、読出用トランジスタTRRの一方のソース/ドレイン領域に接続されている。より具体的には、検出用トランジスタTRSの他方のソース/ドレイン領域と読出用トランジスタTRRの一方のソース/ドレイン領域とは、1つのソース/ドレイン領域を占めている。更には、読出用トランジスタTRRの他方のソース/ドレイン領域はコンタクトホール15を介してビット線BLに接続され、更に、共通の第1の電極(共通ノードCN、あるいは、書込用トランジスタTRWの他方のソース/ドレイン領域)は、開口部17A中に設けられた接続孔18A、ワード線WLSを介して検出用トランジスタTRSのゲート電極に接続されている。また、書込用トランジスタTRWのゲート電極に接続されたワード線WLW及び読出用トランジスタTRRのゲート電極に接続されたワード線WLRは、ワード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。一方、各プレート線PLmは、プレート線デコーダ/ドライバPDに接続されている。更には、ビット線BLはセンスアンプSAに接続されている。
【0320】
先ず、実施の形態10の不揮発性メモリへのデータの書き込み動作を、以下、説明する。尚、一例として、プレート線PL1に接続されたメモリセルMC1にデータを書き込むものとする。図33に動作波形を示す。尚、図33及び後述する図34中、括弧内の数字は、以下に説明する工程の番号と対応している。
【0321】
(10−1A)待機状態では、ビット線、ワード線、全プレート線が0ボルトとなっている。更には、共通ノードCNも0ボルトで浮遊状態となっている。
【0322】
(10−2A)データ書き込みの開始時、選択プレート線PL1の電位をVccとし、非選択プレート線PLk(k=2,3・・・8)の電位を(1/2)Vccとする。これによって、浮遊状態の共通ノードCNの電位は、プレート線PLMとのカップリングにより、概ね(1/2)Vcc近傍まで上昇する。また、選択メモリセルにデータ「1」を書き込む場合には、ビット線BLの電位をVccとし、データ「0」を書き込む場合には、ビット線BLの電位を0ボルトとする。
【0323】
(10−3A)その後、書込用トランジスタTRWをオン状態とする。これによって、共通ノードの電位は、選択メモリセルにデータ「1」を書き込む場合には、Vccとなり、データ「0」を書き込む場合には、0ボルトとなる。尚、選択プレート線PL1にはVccが印加された状態にあるので、共通ノードの電位が0ボルトの場合、選択メモリセルにデータ「0」が書き込まれる。一方、共通ノードの電位がVccの場合、選択メモリセルには何らデータが書き込まれない。
【0324】
(10−4A)次いで、選択プレート線PL1の電位を0ボルトとする。共通ノードの電位がVccの場合、選択メモリセルにデータ「1」が書き込まれる。選択メモリセルに既にデータ「0」が書き込まれている場合には、選択メモリセルに何ら変化は生じない。
【0325】
(10−5A)その後、ビット線BLを0ボルトと印加する。
【0326】
(10−6A)更に、非選択プレート線PLkを0ボルトとし、書込用トランジスタTRWをオフ状態とする。
【0327】
他のメモリセルMCm(m=2,3・・・8)にデータを書き込む場合には、同様の操作を繰り返す。このような書き込み動作においては、非選択メモリセルMCkに(±1/2)Vccのディスターブが発生するが、Vccの値を適切に設定することによって、非選択メモリセルMCkにおけるデータの破壊を確実に防止することができる。
【0328】
次に、実施の形態10の不揮発性メモリからデータを読み出し、データを再書き込みする動作を、以下、説明する。尚、一例として、プレート線PL1に接続されたメモリセルMC1からデータを読み出し、データを再書き込みするものとする。図34に動作波形を示す。
【0329】
(10−1B)待機状態では、ビット線、ワード線、全プレート線が0ボルトとなっている。更には、共通ノードCNも0ボルトで浮遊状態となっている。
【0330】
(10−2B)データ読み出し時、選択プレート線PL1にVccを印加する。このとき、選択メモリセルMC1にデータ「1」が記憶されていれば、強誘電体層に分極反転が生じ、蓄積電荷量が増加し、共通ノードCNの電位が上昇する。一方、選択メモリセルMC1にデータ「0」が記憶されていれば、強誘電体層に分極反転が生ぜず、共通ノードCNの電位は殆ど上昇しない。即ち、共通ノードCNは、非選択メモリセルの強誘電体層を介して複数の非選択プレート線PLkにカップリングされているので、共通ノードCNの電位は0ボルトに比較的近いレベルに保たれる。このようにして、選択メモリセルMC1に記憶されたデータに依存して共通ノードCNの電位に変化が生じる。従って、選択メモリセルの強誘電体層には、分極反転に十分な電界を与えることができる。
【0331】
(10−3B)次に、ビット線BLを浮遊状態とし、読出用トランジスタTRRをオン状態とする。一方、選択メモリセルMC1に記憶されたデータに基づき共通の第1の電極(共通ノードCN)に生じた電位により、検出用トランジスタTRSの動作が制御される。具体的には、選択メモリセルMC1に記憶されたデータに基づき共通の第1の電極(共通ノードCN)に高い電位が生じれば、検出用トランジスタTRSは導通状態となり、検出用トランジスタTRSの一方のソース/ドレイン領域は所定の電位Vccを有する配線に接続されているので、かかる配線から、検出用トランジスタTRS及び読出用トランジスタTRRを介してビット線BLに電流が流れ、ビット線BLの電位が上昇する。即ち、信号検出回路によって共通の第1の電極(共通ノードCN)の電位変化が検出され、この検出結果がビット線BLに電圧(電位)として伝達される。ここで、検出用トランジスタTRSの閾値をVth、検出用トランジスタTRSのゲート電極の電位(即ち、共通ノードCNの電位)をVgとすれば、ビット線BLの電位は概ね(Vg−Vth)となる。尚、検出用トランジスタTRSをディプレッション型のNMOSFETとすれば、閾値Vthは負の値をとる。これにより、ビット線BLの負荷の大小に拘わらず、安定したセンス信号量を確保できる。尚、検出用トランジスタTRSをPMOSFETから構成することもできる。
【0332】
(10−4B)次いで、読出用トランジスタTRRをオフ状態とする。そして、ビット線BLの電位をビット線BLに接続されたセンスアンプSAにてラッチし、センスアンプSAを活性化してデータを増幅し、データの読み出し動作を完了する。
【0333】
以上の動作によって、選択メモリセルに記憶されていたデータが一旦破壊されてしまうので、データの再書き込み動作を行う。
【0334】
(10−5B)そのために、先ず、ビット線BLをセンスアンプSAによって充放電させ、ビット線BLにVcc又は0ボルトを印加する。
【0335】
(10−6B)次いで、非選択プレート線PLk(k=2,3・・・8)の電位を(1/2)Vccとする。
【0336】
(10−7B)その後、書込用トランジスタTRWをオン状態とする。これによって、共通ノードCNの電位はビット線BLの電位と等しくなる。即ち、選択メモリセルMC1に記憶されていたデータが「1」の場合には、共通ノードCNの電位はVccとなり、選択メモリセルMC1に記憶されていたデータが「0」の場合には、共通ノードCNの電位は0ボルトとなる。選択プレート線PL1の電位はVccのままであるが故に、共通ノードCNの電位が0ボルトの場合、選択メモリセルMC1にはデータ「0」が再書き込みされる。
【0337】
(10−8B)次に、選択プレート線PL1の電位を0ボルトとする。これによって、選択メモリセルMC1に記憶されていたデータが「1」の場合には、共通ノードCNの電位がVccであるが故に、データ「1」が再書き込みされる。選択メモリセルMC1にデータ「0」が既に再書き込みされていた場合には、選択メモリセルに変化は生じない。
【0338】
(10−9B)その後、ビット線BLを0ボルトとする。
【0339】
(10−10B)最後に、非選択プレート線PLkを0ボルトとし、書込用トランジスタTRWをオフ状態とする。
【0340】
他のメモリセルMCm(m=2,3・・・8)からデータを読み出し、データを再書き込みする場合には、同様の操作を繰り返す。
【0341】
上述の工程(10−2B)において、メモリユニットMUを構成するメモリセルの個数(M)は、選択メモリセルの強誘電体層に十分に大きな電界を与えて、かかる強誘電体層に確実に分極反転が生じるような個数とする必要がある。即ち、Mの値が値が小さ過ぎると、工程(10−2B)において、選択プレート線PL1にVccを印加したとき、第2の電極と第1の電極とのカップリングによって、浮遊状態にある第1の電極の電位が大きく上昇してしまい、第2の電極と第1の電極との間に十分なる電界が形成されず、強誘電体層に分極反転が生じなくなる。一方、第1の電極に現れる電位(信号電位と呼ぶ)は、蓄積電荷量を負荷容量で除したものなので、Mの値が大き過ぎると、第1の電極に現れる電位が低くなり過ぎる。
【0342】
図35に、Mの値と信号電位との関係をシミュレーションした結果を示す。ここでは、メモリセルにおける強誘電体層のヒステリシス実測値を基に、図29に示した回路におけるメモリセルの個数(M)と信号電位の関係を求めた。尚、各メモリセルを構成する強誘電体層の面積を0.5μm2とし、共通ノードCNのメモリセル以外の負荷容量(主に、検出用トランジスタTRSのゲート容量)を2fF、電源電圧Vccを2.5ボルトとした。
【0343】
選択プレート線PL1にVccを印加したとき、選択メモリセルにデータ「1」が記憶されていれば、第1の電極と第2の電極との間にあっては、強誘電体層の分極を反転する方向に電界が生じる。従って、このような選択メモリセルからの信号電位(浮遊状態の第1の電極に現れる電位であり、検出用トランジスタTRSのゲート電極に印加される電位Vg)は、データ「0」が記憶されていた場合よりも高くなる。そして、データ「1」が記憶されていた場合の信号電位と、データ「0」が記憶されていた場合の信号電位との差が大きいほど、データ読み出しの信頼性が高くなる。
【0344】
Mの値が1の場合、図57の(B)に示した回路と等価となり、共通ノードCNにおける負荷容量が小さ過ぎる結果、データ「1」が記憶されていた場合の信号電位と、データ「0」が記憶されていた場合の信号電位は、共に2.2ボルト程度まで上昇してしまい、選択プレート線PL1に印加されたVcc(=2.5ボルト)との間の電位差は、約0.3ボルトしかない。従って、強誘電体層の分極反転が不十分であり、選択メモリセルからのデータの読み出しが困難となる。
【0345】
一方、Mの値が2以上となると、選択メモリセルにおいては、選択プレート線PL1に印加されたVcc(=2.5ボルト)と信号電位との間の電位差(図35では、「信号量」で表示する)が十分に大きくなり、選択メモリセルからデータを確実に読み出すことが可能となる。尚、Mの値を増加させるに従い、共通ノードCNの負荷容量が増加し、Mの値が或るレベルを超えると、今度は、選択プレート線PL1に印加されたVccと信号電位との間の電位差である信号量の値が低下し始める。
【0346】
このように、Mの値には最適値が存在し、かかるMの最適値は、2≦M≦128、好ましくは、4≦M≦32であることが判った。
【0347】
実施の形態1にて説明したメモリユニットの構造を実施の形態10における不揮発性メモリに適用することができるし、実施の形態8、実施の形態9にて説明した不揮発性メモリを実施の形態10に適用することもできる。
【0348】
(実施の形態11)
実施の形態11は、本発明の第11の態様に係る不揮発性メモリに関する。実施の形態11の不揮発性メモリの回路図を図36に示し、不揮発性メモリを構成する各種のトランジスタの模式的なレイアウトを図37に示す。尚、図37において、各種のトランジスタの領域を点線で囲み、活性領域及び配線を実線で示し、ゲート電極あるいはワード線を一点鎖線で示した。
【0349】
実施の形態11の不揮発性メモリも、所謂ゲインセルタイプの不揮発性メモリであり、ビット線BLと、書込用トランジスタTRWと、M個(但し、M≧2であり、実施の形態11においては、M=8)のメモリセルMCMから構成されたN個(但し、N≧2であり、実施の形態11においては、N=2)のメモリユニットMU1,MU2と、N個の選択用トランジスタTR1,TR2と、N個のメモリユニットMU1,MU2のそれぞれを構成するメモリセルMC1m,MC2mで共通とされたM本のプレート線PLmから構成されている。
【0350】
そして、各メモリセルMCmは、第1の電極21と強誘電体層22と第2の電極23とから成り、第n番目(n=1,2・・・Nであり、実施の形態11においては、n=1,2)のメモリユニットMU1,MU2を構成するメモリセルMC1M,MC2Mの第1の電極21は、第n番目のメモリユニットMU1,MU2において共通であり、この共通の第1の電極(共通ノードCN1,CN2)は、第n番目の選択用トランジスタTR1,TR2及び書込用トランジスタTRWを介してビット線BLに接続され、第2の電極23は共通のプレート線PLmに接続されている。尚、不揮発性メモリのメモリユニットMU1,MU2を構成するメモリセルの数(M)は8個に限定されず、一般には、M≧2を満足すればよく、2のべき数(M=2,4,8,16・・・)とすることが好ましい。また、Nの数も2に限定されず、例えば2のべき数(2,4,8・・・)とすることができる。
【0351】
更には、実施の形態11の不揮発性メモリは、検出用トランジスタTRS、及び、読出用トランジスタTRRを備えている。そして、検出用トランジスタTRSの一端は所定の電位Vccを有する配線(不純物層から構成された電源線)に接続され、他端は読出用トランジスタTRRを介してビット線BLに接続され、第n番目のメモリユニットMU1,MU2を構成する各メモリセルMC1m,MC2mに記憶されたデータの読み出し時、第n番目の選択用トランジスタTR1,TR2及び読出用トランジスタTRRが導通状態とされ、各メモリセルMC1m,MC2mに記憶されたデータに基づき共通の第1の電極(共通ノードCN1,CN2)に生じた電位により、検出用トランジスタTRSの動作が制御される。
【0352】
具体的には、各種のトランジスタはMOS型FETから構成されており、書込用トランジスタTRWの一方のソース/ドレイン領域はコンタクトホール15を介してビット線BLに接続され、他方のソース/ドレイン領域は、接続孔18B、図示しない副ビット線、接続孔18Cを介して、選択用トランジスタTR1,TR2のそれぞれの一方のソース/ドレイン領域に接続されている。また、選択用トランジスタTR1,TR2のそれぞれの他方のソース/ドレイン領域は、各メモリユニットMU1,MU2のそれぞれを構成する共通の第1の電極(共通ノードCN1,CN2)に、接続孔181,182を介して接続されている。更には、検出用トランジスタTRSの一方のソース/ドレイン領域は、所定の電位Vccを有する配線に接続され、他方のソース/ドレイン領域は、読出用トランジスタTRRの一方のソース/ドレイン領域に接続されている。また、読出用トランジスタTRRの他方のソース/ドレイン領域は、コンタクトホール15を介してビット線BLに接続されている。更に、各メモリユニットMU1,MU2を構成する共通の第1の電極(共通ノードCN1,CN2、あるいは、書込用トランジスタTRWの他方のソース/ドレイン領域)は、検出用トランジスタTRSのゲート電極に、図示しない副ビット線及び接続孔18Aを介して接続されている。検出用トランジスタTRSの他方のソース/ドレイン領域と読出用トランジスタTRRの一方のソース/ドレイン領域とは、1つのソース/ドレイン領域を占めている。また、書込用トランジスタTRWのゲート電極に接続されたワード線WLW、読出用トランジスタTRRのゲート電極に接続されたワード線WLR、及び、選択用トランジスタTR1,TR2のゲート電極に接続されたワード線WL1,WL2は、ワード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。一方、各プレート線PLmは、プレート線デコーダ/ドライバPDに接続されている。更には、ビット線BLはセンスアンプSAに接続されている。
【0353】
各メモリユニットMU1,MU2の構造は、実質的に、実施の形態10にて説明したメモリユニットMUと同様の構造とすることができるので、詳細な説明は省略する。尚、メモリユニットMU1を構成する共通の第1の電極(共通ノードCN1)は、選択用トランジスタTR1の他方のソース/ドレイン領域と、絶縁層16に設けられた接続孔181を介して接続されており、メモリユニットMU2を構成する共通の第1の電極(共通ノードCN2)は、選択用トランジスタTR2の他方のソース/ドレイン領域と、絶縁層16に設けられた接続孔182を介して接続されている。また、書込用トランジスタTRWの一方のソース/ドレイン領域、及び、読出用トランジスタTRRの他方のソース/ドレイン領域は、下層絶縁層上に形成されたビット線BLに、下層絶縁層に設けられたコンタクトホール15を介して接続されている。更には、選択用トランジスタTR1,TR2の一方のソース/ドレイン領域、書込用トランジスタTRWの他方のソース/ドレイン領域、検出用トランジスタTRSのゲート電極(ワード線WLS)は、下層絶縁層に設けられた接続孔18C,18B,18Aを介して、下層絶縁層上に形成された副ビット線(図示せず)に接続されている。ここで、副ビット線は、下層絶縁層上を延び、ビット線BLに接続されている。
【0354】
実施の形態11の不揮発性メモリにおいては、複数のメモリユニットが設けられているので、実施の形態10にて説明した不揮発性メモリよりも更に1ビット当たりのセル面積の一層の縮小化を図ることができる。即ち、実施の形態11の不揮発性メモリの大きさ(占有面積)は、基本的には、一方向においては、プレート線PLMのピッチと本数(Mの値)で決定され、かかる方向と直交する方向においては、共通ノードのピッチと本数(Nの値)で決定される。不揮発性メモリが占める半導体基板の領域の面積(大きさ)は、選択用トランジスタTR1,TR2の占める面積(大きさ)によって主に決定される。書込用トランジスタTRW、読出用トランジスタTRR、検出用トランジスタTRSは、半導体基板の空領域に形成すればよく、空領域の面積は、メモリユニットの数(N)、メモリユニットを構成するメモリセルの数(M)が大きくなるほど、広くなる。従って、このように、書込用トランジスタTRW、読出用トランジスタTRR、検出用トランジスタTRSを、半導体基板の空領域に形成すれば、半導体基板を極めて効果的に利用することができる。
【0355】
実施の形態11の不揮発性メモリにおけるデータ書き込み動作、データ読み出し及び再書き込み動作は、選択用トランジスタTR1,TR2によってメモリユニットMU1,MU2を適宜選択することを付加した状態で、実施の形態10の不揮発性メモリにて説明したデータ書き込み動作、データ読み出し及び再書き込み動作と同様の動作を行えばよいので、詳細な説明は省略する。
【0356】
メモリユニットの数Nは2に限定されない。N=4とした場合の不揮発性メモリのメモリユニットの構造は、例えば、図6に示したと同様とすることができる。また、実施の形態2〜実施の形態7にて説明したメモリユニットの構造を実施の形態11における不揮発性メモリに適用することができるし、実施の形態8、実施の形態9にて説明した不揮発性メモリを実施の形態11に適用することもできる。
【0357】
実施の形態10あるいは実施の形態11において、検出用トランジスタの一端が接続された配線の所定の電位はVccに限定されず、例えば、接地されていてもよい。即ち、検出用トランジスタの一端が接続された配線の所定の電位を0ボルトとしてもよい。但し、この場合には、選択メモリセルにおけるデータの読み出し時に電位(Vcc)がビット線に現れた場合、再書き込み時には、ビット線の電位を0ボルトとし、選択メモリセルにおけるデータの読み出し時に0ボルトがビット線に現れた場合、再書き込み時には、ビット線の電位をVccとする必要がある。そのためには、図38に例示するような、トランジスタTRIV-1,TRIV-2,TRIV-3,TRIV-4から構成された一種のスイッチ回路(反転回路)をビット線間に配設し、データの読み出し時には、トランジスタTRIV-2,TRIV-4をオン状態とし,データの再書き込み時には、トランジスタTRIV-1,TRIV-3をオン状態とすればよい。
【0358】
(実施の形態12)
実施の形態12は、本発明の第12Aの態様に係る不揮発性メモリ、及び、本発明の第1の構成に係る不揮発性メモリの駆動方法に関する。図39に実施の形態12の不揮発性メモリの回路図を示し、図40に模式的な一部断面図を示す。
【0359】
実施の形態12の不揮発性メモリは、
(A−1)第1のビット線BL1と、
(B−1)N個(但し、実施の形態12では、N≧1であり、具体的には、N=1)の第1の選択用トランジスタTR1Nと、
(C−1)それぞれがM個(但し、M≧2であり、実施の形態12においては、M=4)の第1のメモリセルMC1nm(m=1,2・・・M、n=1,2・・・N)から構成された、N個の第1のサブメモリユニットSMU1Nと、
(D−1)N個の第1のサブメモリユニットSMU1Nにおいて、N個の第1のサブメモリユニットSMU1nのそれぞれを構成する第1のメモリセルMC1nm(m=1,2・・・M)で共通とされたM本のプレート線PLm
から成る第1のメモリユニットMU1、並びに、
(A−2)第2のビット線BL2と、
(B−2)N個の第2の選択用トランジスタTR2Nと、
(C−2)それぞれがM個の第2のメモリセルMC2nmから構成された、N個の第2のサブメモリユニットSMU2Nと、
(D−2)N個の第2のサブメモリユニットSMU2Nにおいて、N個の第2のサブメモリユニットSMU2nのそれぞれを構成する第2のメモリセルMC2nmで共通とされ、且つ、前記第1のメモリユニットMU1を構成するM本のプレート線PLmと共通のM本のプレート線PLm
から成る第2のメモリユニットMU2から構成されている。
【0360】
尚、実施の形態12〜実施の形態15においては、N=1としたが故に、以下においては、添字「N」、「n」を省略し、第1の選択用トランジスタTR1Nを第1の選択用トランジスタTR1と表現し、第1のメモリセルMC1nM,MC1nmを第1のメモリセルMC1M,MC1mと表現し、第1のサブメモリユニットSMU1NをサブメモリユニットSMU1と表現し、第2の選択用トランジスタTR2Nを第2の選択用トランジスタTR2と表現し、第2のメモリセルMC2nM,MC2nmを第2のメモリセルMC2M,MC2mと表現し、第2のサブメモリユニットSMU2Nを第2のサブメモリユニットSMU2と表現する。
【0361】
図40の模式的な一部断面図において、これらの第2のビット線BL2、第2の選択用トランジスタTR2及び第2のメモリセルMC2mは、第1のビット線BL1、第1の選択用トランジスタTR1及び第1のメモリセルMC1mと、紙面垂直方向に隣接している。また、図40においては、第1の選択用トランジスタTR1及び第1のメモリセルMC1mと、ビット線BL1の延在する方向に隣接する第1の選択用トランジスタTR’1及び第1のメモリセルMC’1mの一部分を併せて図示した。ビット線BL1の延在する方向に隣接する第1のメモリセルMC1m,MC’1m・・・におけるビット線BL1は共通化されている。
【0362】
そして、各メモリセルMC1m,MC2mは、第1の電極21(下部電極)と、強誘電体層22と、第2の電極(上部電極)23とから成る。第1のメモリユニットMU1において、第n番目(但し、n=1,2・・・Nであり、実施の形態12においては、n=1)の第1のサブメモリユニットSMU1を構成する第1のメモリセルMC1mの第1の電極21は、第n番目の第1のサブメモリユニットSMU1において共通であり、該共通の第1の電極21(共通ノードCN1)は、第n番目の第1の選択用トランジスタTR1を介して第1のビット線BL1に接続され、第2の電極23は共通のプレート線PLmに接続されている。一方、第2のメモリユニットMU2において、第n番目(実施の形態12においては、n=1)の第2のサブメモリユニットSMU2を構成する第2のメモリセルMC2mの第1の電極21は、第n番目の第2のサブメモリユニットSMU1において共通であり、該共通の第1の電極21(共通ノードCN2)は、第n番目の第2の選択用トランジスタTR2を介して第2のビット線BL2に接続され、第2の電極23は共通のプレート線PLmに接続されている。
【0363】
メモリセルMC2mにおけるプレート線PLmは、メモリセルMC1mにおけるプレート線PLmと共通化されており、プレート線デコーダ/ドライバPDに接続されている。更には、第1の選択用トランジスタTR1のゲート電極はワード線WL1に接続され、第2の選択用トランジスタTR2のゲート電極は第2のワード線WL2に接続され、ワード線WL1,WL2は、ワード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。
【0364】
尚、不揮発性メモリのサブメモリユニットを構成するメモリセルの数(M)は4個に限定されず、一般には、M≧2を満足すればよく、2のべき数(M=2,4,8,16・・・)とすることが好ましい。
【0365】
実施の形態12の不揮発性メモリにおいては、更に、第1のビット線BL1と第2のビット線BL2との間に、第1のメモリセルMC1m及び第2のメモリセルMC2mのそれぞれに記憶されたデータをラッチするためのP個のラッチ回路が設けられている。実施の形態12においては、N=1であり、P=2Nを満たす。そして、第(2n−1)番目のラッチ回路は、第n番目の第1のサブメモリユニットを構成する第1のメモリセルに記憶されたデータをラッチし、第2n番目のラッチ回路は、第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第2のメモリセルに記憶されたデータをラッチする。実施の形態12の不揮発性メモリにおいては、プレート線を共有した(即ち、対となった)メモリセルMC1m,MC2m(m=1,2・・・M)のそれぞれには、1ビットのデータが記憶される。
【0366】
具体的には、第1のビット線BL1と第2のビット線BL2との間に、第1のメモリセルMC1mに記憶されたデータをラッチするための第1のラッチ回路LC1、及び、第2のメモリセルMC2mに記憶されたデータをラッチするための第2のラッチ回路LC2が設けられている。尚、第1のラッチ回路LC1と第1のビット線BL1との間にはスイッチング用のトランジスタTRSW11が配設され、第1のラッチ回路LC1と第2のビット線BL2との間にはスイッチング用のトランジスタTRSW12が配設されている。一方、第2のラッチ回路LC2と第1のビット線BL1との間にはスイッチング用のトランジスタTRSW21が配設され、第2のラッチ回路LC2と第2のビット線BL2との間にはスイッチング用のトランジスタTRSW22が配設されている。第1のセンスアンプSA1は、第1のラッチ回路LC1から構成されており、第2のセンスアンプSA2は、第2のラッチ回路LC2から構成されているが、このような構成に限定するものではない。スイッチング用のトランジスタTRSW11,TRSW12のゲート電極は第1のラッチ制御線CL1に接続され、スイッチング用のトランジスタTRSW21,TRSW22のゲート電極は第2のラッチ制御線CL2に接続されている。
【0367】
そして、第(2n−1)番目のラッチ回路(実施の形態12においては、具体的には、第1のラッチ回路LC1)にラッチされたデータに基づき、第n番目の第1のサブメモリユニットSMU1を構成する第1のメモリセルMC1mへのデータの再書き込みを行い、第2n番目のラッチ回路(実施の形態12においては、具体的には、第2のラッチ回路LC2)にラッチされたデータに基づき、第n番目の第2のサブメモリユニットSMU2を構成する第2のメモリセルMC2mへのデータの再書き込みを行う。そして、第1のメモリセルMC1mに記憶されたデータの読み出しを行うとき、第1の選択用トランジスタTR1をオン状態とし、第2の選択用トランジスタTR2をオフ状態とし、且つ、第2のビット線BL2に参照電位を印加し、第2のメモリセルMC2mに記憶されたデータの読み出しを行うとき、第2の選択用トランジスタTR2をオン状態とし、第1の選択用トランジスタTR1をオフ状態とし、且つ、第1のビット線BL1に参照電位を印加する。
【0368】
ラッチ回路LC1の回路図を、図41に例示する。このラッチ回路は、2つのCMOSインバータの組み合わせから構成されている。尚、それぞれのCMOSインバータは、pチャネル型MOSトランジスタTRL1とnチャネル型MOSトランジスタTRL2、及び、pチャネル型MOSトランジスタTRL3とnチャネル型MOSトランジスタTRL4から構成されている。また、このラッチ回路には、スイッチング用のトランジスタTRSW11,TRSW12,TRSW-A,TRSW-Bが備えられている。そして、このラッチ回路LC1においては、センスイネーブル信号Φp,Φnを受けて活性化されることにより、ビット線BL1のビット線電位とビット線BL2のビット線電位とを比較することで、ビット線のアナログ電位を2値データ(例えば、Vcc及び0ボルト)に変換し、保持(ラッチ)することが可能である。尚、ラッチ回路LC2も同様の構成とすることができる。
【0369】
実施の形態12の不揮発性メモリからデータを読み出し、データを再書き込みする不揮発性メモリの駆動方法を、以下、説明する。尚、一例として、プレート線PL1を共有した(即ち、対となった)メモリセルMC11,MC21からデータを読み出し、再書き込みするものとし、メモリセルMC11にはデータ「1」が、メモリセルMC21にはデータ「0」が記憶されているとする。図42及び図43に動作波形を示す。尚、図42及び図43中、括弧内の数字は、以下に説明する工程の番号と対応している。また、動作波形を示す図面における「センスアンプSA1」及び「センスアンプSA2」は、これらのセンスアンプの出力部における電位を意味する。
【0370】
先ず、選択された第1のメモリセルMC11及び第2のメモリセルMC21のデータの読み出しを行う(図42参照)。
【0371】
(1A)待機状態では、全ビット線、全ワード線、全プレート線が0ボルトとなっている。更には、共通ノードCN1,CN2も0ボルトで浮遊状態となっている。
【0372】
(2A)データ読み出しの開始時、選択されたプレート線PL1の電位立ち上げを行い、即ち、選択されたプレート線PL1にVPL-H(=Vcc)を印加し、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)をVPL-L(=0ボルト)のままとする。このとき、共通ノードCN1,CN2は、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)とのカップリング要素が強いため、0ボルトよりの値となる。その結果、データ「1」が書き込まれていた第1のメモリセルMC11においては、強誘電体層における分極反転が生じ、共通ノードCN1の電位は上昇する。併せて、第1のラッチ制御線CL1を介してスイッチング用のトランジスタTRSW11,TRSW12をオン状態とし、第1のラッチ回路LC1を選択すると共に、第1のセンスアンプSA1の両端の電位を0ボルトにイコライズしておく。その後、接地線(図示せず)とビット線BL1,BL2との電気的な接続を解き、ビット線BL1,BL2を浮遊状態とする。
【0373】
(3A)次いで、ワード線WL1をハイレベルとすることによって、第1の選択用トランジスタTR1をオン状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU1の共通ノードCN1が第1のビット線BL1に接続される。一方、ダミーセル等を用いて、第2のビット線BL2に、データ「1」のときのビット線電位と、データ「0」のときのビット線電位の中間の参照電位を与える。この場合、第1のビット線BL1の電位(ビット線電位)は、第2のビット線BL2の電位(ビット線電位)よりも高くなる。
【0374】
(4A)その後、第1のラッチ制御線CL1を介してスイッチング用のトランジスタTRSW11,TRSW12をオフ状態とし、第1のラッチ回路LC1をビット線BL1,BL2から切り離す。
【0375】
(5A)そして、第1のラッチ回路LC1を活性化して、データを確定し、かかるデータ(この例では、データ「1」)を第1のセンスアンプSA1内の第1のラッチ回路LC1にラッチする。一方、ビット線BL1,BL2を0ボルトにイコライズする。これによって、選択された第1のメモリセルMC11には、データ「0」が書き込まれる。
【0376】
(6A)次に、ワード線WL1をロウレベルとすることによって、第1の選択用トランジスタTR1をオフ状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU1の共通ノードCN1と第1のビット線BL1との接続が解かれる。併せて、第2のラッチ制御線CL2を介してスイッチング用のトランジスタTRSW21,TRSW22をオン状態とし、第2のラッチ回路LC2を選択すると共に、第2のセンスアンプSA2の両端の電位を0ボルトにイコライズしておく。その後、接地線(図示せず)とビット線BL1,BL2との電気的な接続を解き、ビット線BL1,BL2を浮遊状態とする。
【0377】
(7A)次いで、ワード線WL2をハイレベルとすることによって、第2の選択用トランジスタTR2をオン状態とする。これによって、第2のサブメモリユニットSMU2の共通ノードCN2が第2のビット線BL2に接続される。データ「0」が書き込まれていた第2のメモリセルMC21においては、強誘電体層における分極反転が生じない。従って、第2のビット線BL2に生じる電位(ビット線電位)は低い。一方、ダミーセル等を用いて、第1のビット線BL1に、データ「1」のときのビット線電位と、データ「0」のときのビット線電位の中間の参照電位を与える。この場合、第1のビット線BL1の電位(ビット線電位)は、第2のビット線BL2の電位(ビット線電位)よりも高い。
【0378】
(8A)その後、第2のラッチ制御線CL2を介してスイッチング用のトランジスタTRSW21,TRSW22をオフ状態とし、第2のラッチ回路LC2をビット線BL1,BL2から切り離す。
【0379】
(9A)そして、第2のラッチ回路LC2を活性化して、データを確定し、かかるデータ(この例では、データ「0」)を第2のセンスアンプSA2内の第2のラッチ回路LC2にラッチする。一方、ビット線BL1,BL2を0ボルトにイコライズする。これによって、選択された第2のメモリセルMC21には、データ「0」が書き込まれる。
【0380】
(10A)次に、ワード線WL2をロウレベルとすることによって、選択用トランジスタTR2をオフ状態とする。これによって、第2のサブメモリユニットSMU2の共通ノードCN2と第2のビット線BL2との接続が解かれる。併せて、選択されたプレート線PL1の電位立ち下げを行う。即ち、選択されたプレート線PL1の電位をVPL-L(=0ボルト)に戻す。
【0381】
以上の操作によって、第1のメモリセルMC11及び第2のメモリセルMC21におけるデータの読み出しが完了する。この状態においては、第1のメモリセルMC11及び第2のメモリセルMC21には、データ「0」が書き込まれている。また、第1のラッチ回路LC1及び第2のラッチ回路LC2には、それぞれ、第1のメモリセルMC11及び第2のメモリセルMC21に記憶されていたデータがラッチされている。
【0382】
次に、選択された第1のメモリセルMC11及び第2のメモリセルMC21におけるデータの再書き込み、具体的には、データ「1」の再書き込みを行う(図43参照)。
【0383】
(1B)初期状態では、全ビット線、全ワード線、全プレート線が0ボルトとなっている。更には、共通ノードCN1,CN2も0ボルトで浮遊状態となっている。
【0384】
(2B)次に、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)に(1/2)VPL-H[=(1/2)Vcc]を印加する。選択プレート線PL1はVPL-L(=0ボルト)のままである。
【0385】
(3B)その後、ワード線WL1をハイレベルとすることによって、第1の選択用トランジスタTR1をオン状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU1の共通ノードCN1が第1のビット線BL1に接続される。併せて、第1のラッチ制御線CL1を介してスイッチング用のトランジスタTRSW11,TRSW12をオン状態とし、第1のラッチ回路LC1をビット線BL1,BL2に接続する。これによって、第1のラッチ回路LC1にラッチされていたデータ(この例では、データ「1」)に従い、第1のビット線BL1の電位がVBL-H(=Vcc)に引き上げられる。その結果、選択された第1のメモリセルMC11は、その分極状態が再度反転し、データ「1」が書き込まれる。
【0386】
(4B)次いで、ビット線BL1,BL2を0ボルトにイコライズし、共通ノードCN1を0ボルトに戻す。
【0387】
(5B)そして、ワード線WL1をロウレベルとすることによって、第1の選択用トランジスタTR1をオフ状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU1の共通ノードCN1と第1のビット線BL1との接続が解かれる。併せて、第1のラッチ制御線CL1を介してスイッチング用のトランジスタTRSW11,TRSW12をオフ状態とし、第1のラッチ回路LC1をビット線BL1,BL2から切り離す。
【0388】
(6B)その後、ワード線WL2をハイレベルとすることによって、第2の選択用トランジスタTR2をオン状態とする。これによって、第2のサブメモリユニットSMU2の共通ノードCN2が第2のビット線BL2に接続される。併せて、第2のラッチ制御線CL2を介してスイッチング用のトランジスタTRSW21,TRSW22をオン状態とし、第2のラッチ回路LC2をビット線BL1,BL2に接続する。これによって、第2のラッチ回路LC2にラッチされていたデータ(この例では、データ「0」)に従い、第1のビット線BL1の電位がVBL-H(=Vcc)に引き上げられるが、第2のビット線BL2の電位はVBL-L(=0ボルト)のままである。その結果、選択された第2のメモリセルMC21は、その分極状態が変化せず、データ「0」のままとなる。
【0389】
(7B)次いで、ビット線BL1,BL2を0ボルトにイコライズし、共通ノードCN2を0ボルトに戻す。
【0390】
(8B)そして、ワード線WL2をロウレベルとすることによって、第2の選択用トランジスタTR2をオフ状態とする。これによって、第2のサブメモリユニットSMU2と第2のビット線BL2との接続が解かれる。併せて、第2のラッチ制御線CL2を介してスイッチング用のトランジスタTRSW21,TRSW22をオフ状態とし、第2のラッチ回路LC2をビット線BL1,BL2から切り離す。
【0391】
(9B)その後、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)をVPL-L(=0ボルト)に戻す。
【0392】
以上の操作によって、データ「1」の再書き込みが完了するが、プレート線PL1を共有した第1のメモリセルMC11及び第2のメモリセルMC21に記憶されたデータの読み出し及びデータの再書き込みを、1回のプレート線の電位立ち上げ(VPL-L→VPL-H)[工程(2A)]及び電位立ち下げ(VPL-H→VPL-L)[工程(10A)]にて行っている。
【0393】
以降、プレート線PL2を共有した第1のメモリセルMC12及び第2のメモリセルMC22、プレート線PL3を共有した第1のメモリセルMC13及び第2のメモリセルMC23、プレート線PL4を共有した第1のメモリセルMC14及び第2のメモリセルMC24に対して、順次、工程(1A)〜(10A)、工程(1B)〜(9B)の操作を行う。
【0394】
尚、新たにデータの書き込みを行う場合には、先ず、(1A)〜(10A)の操作を行った後、新たにデータを書き込むべきメモリセルに関連するラッチ回路(即ち、第1のメモリセルに対しては第1のラッチ回路、第2のメモリセルに対しては第2のラッチ回路)を所望の値に書き換えて、(1B)〜(9B)の操作を行えばよい。
【0395】
尚、本特許出願人は、平成11年6月4日に提出した特願平11−158632号においても、同様の不揮発性メモリを提案した。この特許出願における不揮発性メモリにおいては、第1のメモリユニットMU1における第1のメモリセルMC1Mにおいて、MC11→MC12→MC13→MC14の順にデータの読み出し、再書き込みを行った後、第2のメモリユニットMU2における第2のメモリセルMC2Mにおいて、MC21→MC22→MC23→MC24の順にデータの読み出し、再書き込みを行う。即ち、プレート線PL1を共有した第1のメモリセルMC11及び第2のメモリセルMC21に記憶されたデータの読み出し及びデータの再書き込みを、1回ではなく、2回のプレート線の電位立ち上げ及び電位立ち下げにて行っている。
【0396】
ところで、複数のメモリセルに接続されているプレート線は負荷容量が大きく、駆動速度が遅い(即ち、充放電に時間を要する)。また、消費電力も大きい。従って、2回のプレート線の電位立ち上げ及び電位立ち下げにてプレート線PL1を共有した第1のメモリセルMC11及び第2のメモリセルMC21に記憶されたデータの読み出し及びデータの再書き込みを行う特願平11−158632号にて提案された不揮発性メモリの駆動方法よりも、これらを1回のプレート線の電位立ち上げ及び電位立ち下げにて行う実施の形態12の不揮発性メモリの駆動方法の方が、駆動速度、消費電力の観点から有利である。
【0397】
また、特願平11−158632号にて提案された不揮発性メモリの駆動方法においては、選択された第1のメモリセルMC11におけるデータの読み出し、データの再書き込みを行う際、プレート線PL1を共有した非選択の第2のメモリセルMC21はディスターブを受けてデータの劣化が生じる虞がある。ここで、ディスターブとは、非選択のメモリセルのキャパシタを構成する強誘電体層に対して、分極が反転する方向に、即ち、保存されていたデータが劣化若しくは破壊される方向に、即ち、保存されていたデータが劣化若しくは破壊される方向に、電界が加わる現象を指す。
【0398】
実施の形態12の不揮発性メモリの駆動方法においては、(MC11,MC21)→(MC12,MC22)→(MC13,MC23)→(MC14,MC24)の順にデータの読み出し、再書き込みを行う。従って、プレート線PLmを共有し、そして、データの読み出し、再書き込みを行う第1のメモリセルMC1m及び第2のメモリセルMC2mにおいてはディスターブが加わらない。
【0399】
尚、(1A)〜(10A)の工程において、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)はVPL-L(=0ボルト)に固定されている。また、各ビット線BL1,BL2は、0ボルトからビット線電位(読み出し信号量)の間で変動する。ここで、ビット線電位(読み出し信号量)は、通常、0.5ボルト程度以下である。従って、(1A)〜(10A)の工程においては、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)に接続されたメモリセルMC1m,MC2m(m=2,3・・・M)にはディスターブが殆ど発生しない。
【0400】
一方、(1B)〜(9B)の工程においては、選択されたプレート線PL1の電位はVPL-L(=0ボルト)、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)は(1/2)VPL-H[=(1/2)Vcc]に固定されている。また、ビット線BL1,BL2の一方はVBL-L(=0ボルト)、他方はVBL-H(=Vcc)である。従って、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)に接続されたメモリセルには±(1/2)Vccのディスターブが加わるものの、これらのメモリセルに加わる電位は安定しており、抗電圧をそれ以上に設定してあれば分極の反転は起こらない。また、選択されたプレート線PL1に接続されたメモリセルMC11,MC21には実効的にディスターブは加わらない。
【0401】
(実施の形態13)
実施の形態13は、実施の形態12の変形である。実施の形態13においては、所謂フラッシュメモリと同様に、選択されたプレート線に接続されたメモリセルを一括して書き換える。この場合には、書き換えの際の読み出し動作を省略して、動作の簡素化と、書き換えの高速化を図ることができる。実施の形態13における不揮発性メモリの構造は、実施の形態12の不揮発性メモリの構造と同様とすることができる。以下、図44の動作波形を参照して、実施の形態13の不揮発性メモリの駆動方法を説明する。尚、図44中、括弧内の数字は、以下に説明する工程の番号と対応している。ここでは、一例として、プレート線PL1を共有した(即ち、対となった)メモリセルMC11,MC21にデータを書き込むものとし、メモリセルMC11にはデータ「1」が、メモリセルMC21にはデータ「0」が記憶されているものとする。
【0402】
(1C)待機状態では、全ビット線、全ワード線、全プレート線が0ボルトとなっている。更には、共通ノードCN1,CN2も0ボルトで浮遊状態となっている。また、第1のラッチ制御線CL1を介してスイッチング用のトランジスタTRSW11,TRSW12をオフ状態とし、第2のラッチ制御線CL2を介してスイッチング用のトランジスタTRSW21,TRSW22をオフ状態としておく。
【0403】
(2C)そして、ビット線BL1,BL2を0ボルトにイコライズする。
【0404】
(3C)次に、選択されたプレート線PL1の電位立ち上げを行い、即ち、選択されたプレート線PL1にVPL-H(=Vcc)を印加し、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)にVPL-L(=0ボルト)を印加する。併せて、ワード線WL1,WL2をハイレベルとすることによって、第1の選択用トランジスタTR1、第2の選択用トランジスタTR2をオン状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU1の共通ノードCN1が第1のビット線BL1に接続され、第2のサブメモリユニットSMU2の共通ノードCN2が第2のビット線BL2に接続される。その結果、選択された第1のメモリセルMC11、第2のメモリセルMC21にデータ「0」が書き込まれる。
【0405】
(4C)その後、ワード線WL1,WL2をロウレベルとすることによって、第1の選択用トランジスタTR1、第2の選択用トランジスタTR2をオフ状態とする。併せて、選択されたプレート線PL1の電位立ち下げを行う。即ち、選択されたプレート線PL1をVPL-L(=0ボルト)とする。
【0406】
以上の操作で、選択されたプレート線PL1に接続されたメモリセルMC11,MC21にはデータ「0」が書き込まれる。尚、これまでの操作の間に、第1のラッチ回路LC1、第2のラッチ回路LC2には所望の書き込みデータを転送しておく。
【0407】
(5C)その後、実施の形態12の工程(1B)〜(9B)の再書き込みと同じ操作を行う。これにより、データ「1」の書き込みが行われ、書き込みが完了する。
【0408】
以降、プレート線PL2を共有した第1のメモリセルMC12及び第2のメモリセルMC22、プレート線PL3を共有した第1のメモリセルMC13及び第2のメモリセルMC23、プレート線PL4を共有した第1のメモリセルMC14及び第2のメモリセルMC24に対して、順次、工程(1C)〜(4C)、工程(1B)〜(9B)の操作を行う。
【0409】
(実施の形態14)
実施の形態14も、実施の形態12の変形である。実施の形態14においては、データの再書き込み時、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)に(2/3)Vccを印加する。また、ビット線BL1,BL2を、0ボルトではなく、(1/3)Vccにイコライズする。実施の形態14における不揮発性メモリの構造も、実施の形態12の不揮発性メモリの構造と同様とすることができる。尚、データの読み出しは、実施の形態12の(1A)〜(10A)の工程と同じ工程を実行すればよい。以下、図45の動作波形を参照して、実施の形態14の不揮発性メモリの駆動方法におけるデータの再書き込み操作を説明するが、選択された第1のメモリセルMC11及び第2のメモリセルMC21にデータの再書き込みを行うものとする。尚、図45中、括弧内の数字は、以下に説明する工程の番号と対応している。
【0410】
(1D)初期状態では、全ビット線、全ワード線、全プレート線が0ボルトとなっている。更に、各共通ノードCN1,CN2も0ボルトで浮遊状態となっている。また、第1のラッチ回路LC1及び第2のラッチ回路LC2のそれぞれには、第1のメモリセルMC11、第2のメモリセルMC21に関するデータがラッチされている。
【0411】
(2D)次に、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)に(2/3)VPL-H[=(2/3)Vcc]を印加する。選択プレート線PL1はVPL-L(=0ボルト)のままである。併せて、ビット線BL1,BL2をVBL-L[=(1/3)Vcc]にイコライズする。尚、図示しないラッチ回路のグランド駆動線は切り離しておく。
【0412】
(3D)その後、ワード線WL1をハイレベルとすることによって、第1の選択用トランジスタTR1をオン状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU1の共通ノードCN1が第1のビット線BL1に接続される。併せて、第1のラッチ制御線CL1を介してスイッチング用のトランジスタTRSW11,TRSW12をオン状態とし、第1のラッチ回路LC1をビット線BL1,BL2に接続する。これによって、第1のラッチ回路LC1にラッチされていたデータに従い、第1のビット線BL1の電位がVBL-H(=Vcc)に引き上げられる。その結果、選択された第1のメモリセルMC11は、その分極状態が再度反転し、データ「1」が書き込まれる。一方、ラッチ回路のグランド駆動線が切り離されているので、第2のビット線BL2の電位はVBL-L[=(1/3)Vcc]のままである。
【0413】
(4D)次いで、ビット線BL1,BL2をVBL-L[=(1/3)Vcc]にイコライズし、共通ノードCN1をVBL-L[=(1/3)Vcc]に戻す。
【0414】
(5D)そして、ワード線WL1をロウレベルとすることによって、第1の選択用トランジスタTR1をオフ状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU1の共通ノードCN1と第1のビット線BL1との接続が解かれる。併せて、第1のラッチ制御線CL1を介してスイッチング用のトランジスタTRSW11,TRSW12をオフ状態とし、第1のラッチ回路LC1をビット線BL1,BL2から切り離す。
【0415】
(6D)その後、ワード線WL2をハイレベルとすることによって、第2の選択用トランジスタTR2をオン状態とする。これによって、第2のサブメモリユニットSMU2の共通ノードCN2が第2のビット線BL2に接続される。併せて、第2のラッチ制御線CL2を介してスイッチング用のトランジスタTRSW21,TRSW22をオン状態とし、第2のラッチ回路LC2をビット線BL1,BL2に接続する。これによって、第2のラッチ回路LC2にラッチされていたデータに従い、第1のビット線BL1の電位がVBL-H(=Vcc)に引き上げられるが、ラッチ回路のグランド駆動線が切り離されているので、第2のビット線BL2の電位はVBL-L[=(1/3)Vcc]のままである。その結果、選択された第2のメモリセルMC21は、その分極状態が変化せず、データ「0」のままとなる。
【0416】
(7D)次いで、ビット線BL1,BL2をVBL-L[=(1/3)Vcc]にイコライズし、共通ノードCN2をVBL-L[=(1/3)Vcc]に戻す。
【0417】
(8D)そして、ワード線WL2をロウレベルとすることによって、第2の選択用トランジスタTR2をオフ状態とする。これによって、第2のサブメモリユニットSMU2の共通ノードCN2と第2のビット線BL2との接続が解かれる。併せて、第2のラッチ制御線CL2を介してスイッチング用のトランジスタTRSW21,TRSW22をオフ状態とし、第2のラッチ回路LC2をビット線BL1,BL2から切り離す。
【0418】
(9D)その後、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)をVPL-L(=0ボルト)に戻し、ビット線BL1,BL2を0ボルトに戻す。
【0419】
以上の操作によって、データ「1」の再書き込みが完了する。
【0420】
以降、プレート線PL2を共有した第1のメモリセルMC12及び第2のメモリセルMC22、プレート線PL3を共有した第1のメモリセルMC13及び第2のメモリセルMC23、プレート線PL4を共有した第1のメモリセルMC14及び第2のメモリセルMC24に対して、順次、工程(1A)〜(10A)、工程(1D)〜(9D)の操作を行う。
【0421】
実施の形態14においては、データの再書き込み時、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)は(2/3)VPL-H[=(2/3)Vcc]に固定されている。一方、ビット線BL1はVBL-H(=Vcc)に、ビット線BL2はVBL-L[=(1/3)Vcc]に駆動される。従って、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)に接続されたメモリセルMC1m,MC2m(m=2,3・・・M)には、±(1/3)Vccのディスターブしか加わらない。尚、選択されたプレート線PL1に接続された第2のメモリセルMC21にも(1/3)Vccのディスターブが加わる点が実施の形態12と異なっている。しかしながら、この程度のディスターブは全く問題とはならない。
【0422】
実施の形態14においては、回路の動作中に2つの中間電位[(1/3)Vcc及び(2/3)Vcc]が必要になるものの、ディスターブの最大レベルは、実施の形態12の±(1/2)Vccから大きく低減され、安定したデータの読み出しが可能となる。
【0423】
(実施の形態15)
実施の形態15も、実施の形態12の不揮発性メモリの変形である。実施の形態15の不揮発性メモリは、不揮発性メモリを構成する第1のメモリユニットMU1と、この不揮発性メモリと第1のビット線BL1の延在する方向に隣接した不揮発性メモリを構成する第1のメモリユニットMU’1とを層間絶縁層26を介して積層し、不揮発性メモリを構成する第2のメモリユニットMU2と、この不揮発性メモリと第2のビット線BL2の延在する方向に隣接した不揮発性メモリを構成する第2のメモリユニットMU’2とを層間絶縁層26を介して積層した構成を有する。かかる実施の形態15の不揮発性メモリの模式的な一部断面図を図46に示す。但し、図46においては、第1のメモリユニットMU1,MU’1のみを図示した。第2のメモリユニットMU2,MU’2は、図46の紙面垂直方向に隣接している。尚、第1のメモリユニットMU’1の構成要素に関する参照番号には「’」を付した。
【0424】
より具体的には、図46に示す不揮発性メモリにおいては、p型のシリコン半導体基板10に形成されたLOCOS構造、シャロートレンチ構造、あるいはLOCOS構造とシャロートレンチ構造の組合せから成る素子分離領域11に囲まれた活性領域に、MOS型FETから成る選択用トランジスタTR1,TR’1が形成されている。選択用トランジスタTR1,TR’1は、シリコン半導体基板10の表面に形成された、例えばシリコン酸化膜から成るゲート絶縁膜12、ゲート絶縁膜12上に形成されたゲート電極13(ワード線WL1,WL’1を兼ねている)、及び、シリコン半導体基板10の活性領域に形成され、n+型不純物を含有するソース/ドレイン領域14から構成されている。
【0425】
そして、全面に形成された下層絶縁層上にビット線BL1が形成され、ビット線BL1は、下層絶縁層に形成された接続孔(コンタクトホール)15を介して、選択用トランジスタTR1,TR’1の一方のソース/ドレイン領域14に接続されている。また、ビット線BL1を含む下層絶縁層上には上層絶縁層が形成されている。尚、図面においては、下層絶縁層及び上層絶縁層を纏めて絶縁層16で表した。また、ビット線BL1は、後述する接続孔(コンタクトホール)18と接触しないように、図46の左右方向に延びている。
【0426】
絶縁層16上には第1の電極(下部電極)21が形成され、第1の電極21上に強誘電体層22が形成され、強誘電体層22上に第2の電極(上部電極)23が形成され、これらによってメモリセルMC1Mが構成されている。第1の電極21は、メモリセルMC1Mに共通であり、ストライプ状の平面形状を有する。そして、第1の電極21は、絶縁層16に形成された開口部17内に設けられた接続孔18を介して選択用トランジスタTR1の他方のソース/ドレイン領域14に接続されている。尚、共通の第1の電極21を、共通ノードCN1で示す。強誘電体層22は、第2の電極23と略同じパターンにて形成されている。
【0427】
更に、メモリセルMC1M及び絶縁層16上には、層間絶縁層26が形成されている。そして、層間絶縁層26上には第1の電極(下部電極)21’が形成され、第1の電極21’上に強誘電体層22’が形成され、強誘電体層22’上に第2の電極(上部電極)23’が形成され、これらによってメモリセルMC’1Mが構成されている。第1の電極21’は、メモリセルMC’1Mに共通であり、ストライプ状の平面形状を有する。そして、第1の電極21’は、層間絶縁層26に形成された開口部27内に設けられた接続孔28、絶縁層16上に形成された接続部25、及び、接続孔18を介して、選択用トランジスタTR’1の他方のソース/ドレイン領域14に接続されている。尚、共通の第1の電極21’を、共通ノードCN’1で示す。強誘電体層22’は、第2の電極23’と略同じパターンにて形成されている。更には、メモリセルMC’1M及び層間絶縁層26上には、絶縁膜36Aが形成されている。
【0428】
ワード線WL1,WL’1は、図46の紙面垂直方向に延びている。また、第2の電極23,23’は、図46の紙面垂直方向に隣接するメモリセルMC2m,MC’2mと共通であり、プレート線PLmを兼ねている。また、メモリセルMC1MとメモリセルMC’1Mとは、垂直方向に揃っている。このような構造にすることによって、メモリセルの占有面積を小さくすることができ、集積度の向上を図ることができる。
【0429】
尚、表2に示したように、上方に位置するメモリユニットのメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度を、下方に位置するメモリユニットのメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度よりも低くしてもよい。
【0430】
(実施の形態16)
実施の形態16は、本発明の第12Bの態様に係る不揮発性メモリ、及び、本発明の第2の構成に係る不揮発性メモリの駆動方法に関する。図47に実施の形態16の不揮発性メモリの回路図を示す。尚、断面構造は図6と同様である。
【0431】
実施の形態16の不揮発性メモリは、
(A−1)第1のビット線BL1と、
(B−1)N個(但し、実施の形態16では、N≧2であり、具体的には、N=2)の第1の選択用トランジスタTR1Nと、
(C−1)それぞれがM個(但し、M≧2であり、実施の形態16においては、M=4)の第1のメモリセルMC1nm(m=1,2・・・M、n=1,2・・・N)から構成された、N個(但し、N≧2であり、実施の形態16においては、N=2)の第1のサブメモリユニットSMU1Nと、
(D−1)N個の第1のサブメモリユニットSMU1Nにおいて、N個の第1のサブメモリユニットSMU1nのそれぞれを構成する第1のメモリセルMC1nm(m=1,2・・・M)で共通とされたM本のプレート線PLm
から成る第1のメモリユニットMU1、並びに、
(A−2)第2のビット線BL2と、
(B−2)N個の第2の選択用トランジスタTR2Nと、
(C−2)それぞれがM個の第2のメモリセルMC2nmから構成された、N個の第2のサブメモリユニットSMU2Nと、
(D−2)N個の第2のサブメモリユニットSMU2Nにおいて、N個の第2のサブメモリユニットSMU2nのそれぞれを構成する第2のメモリセルMC2nmで共通とされ、且つ、前記第1のメモリユニットMU1を構成するM本のプレート線PLmと共通のM本のプレート線PLm
から成る第2のメモリユニットMU2から構成されている。
【0432】
ここで、これらの第2のビット線BL2、第2の選択用トランジスタTR2N及び第2のメモリユニットMU2は、第1のビット線BL1、第1の選択用トランジスタTR1N及び第1のメモリユニットMU1と隣接している。
【0433】
尚、表2に示したように、上方に位置するメモリユニットのメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度を、下方に位置するメモリユニットのメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度よりも低くしてもよい。
【0434】
そして、各メモリセルMC1nm(m=1,2・・・Mであり、n=1,2・・・Nであり、実施の形態16においては、m=1,2,3,4、n=1,2)は、第1の電極(下部電極)21,31と、強誘電体層22,32と、第2の電極(上部電極)23,33とから成る。そして、第1のメモリユニットMU1において、第n番目(但し、n=1,2・・・N)の第1のサブメモリユニットSMU1nを構成する第1のメモリセルMC1nmの第1の電極21,31は、第n番目の第1のサブメモリユニットSMU1nにおいて共通であり、該共通の第1の電極21,31(共通ノードCN1n)は、第n番目の第1の選択用トランジスタTR1nを介して第1のビット線BL1に接続され、第2の電極23,33は共通のプレート線PLmに接続されている。一方、第2のメモリユニットMU2において、第n番目の第2のサブメモリユニットSMU2nを構成する第2のメモリセルMC2nmの第1の電極21,31は、第n番目の第2のサブメモリユニットSMU2nにおいて共通であり、該共通の第1の電極21,31(共通ノードCN2n)は、第n番目の第2の選択用トランジスタTR2nを介して第2のビット線BL2に接続され、第2の電極23,33は共通のプレート線PLmに接続されている。
【0435】
尚、不揮発性メモリのメモリユニットを構成するメモリセルの数は4個に限定されず、一般には、M≧2を満足すればよく、2のべき数(M=2,4,8,16・・・)とすることが好ましい。
【0436】
実施の形態16の不揮発性メモリにおいても、更に、第1のビット線BL1と第2のビット線BL2との間に、第1のメモリセルMC1nm及び第2のメモリセルMC2nmに記憶されたデータをラッチするためのP個のラッチ回路が設けられている。実施の形態16においては、N=2であり、P=Nを満たす。そして、第n番目のラッチ回路は、第n番目の第1のサブメモリユニットSMU1nを構成する第1のメモリセルMC1nm及び第n番目の第2のサブメモリユニットSMU2nを構成する第2のメモリセルMC2nmに記憶されたデータをラッチする。実施の形態16の不揮発性メモリにおいては、第n番目(但し、n=1,2・・・N)の第1のサブメモリユニットSMU1nを構成する第m番目(但し、m=1,2・・・M)の第1のメモリセルMC1nmと、第n番目の第2のサブメモリユニットSMU2nを構成する第m番目の第2のメモリセルMC2nmとは、対となって相補的なデータを記憶する。
【0437】
具体的には、第1のビット線BL1と第2のビット線BL2との間には、第1のメモリセルMC1nm及び第2のメモリセルMC2nmに記憶されたデータをラッチするためのP=N個のラッチ回路(実施の形態16においては、第1のメモリセルMC11m,MC21mに記憶されたデータをラッチするための第1のラッチ回路LC1、及び、第2のメモリセルMC12m,MC22mに記憶されたデータをラッチするための第2のラッチ回路LC2)が設けられている。尚、第1のラッチ回路LC1と第1のビット線BL1との間にはスイッチング用のトランジスタTRSW11が配設され、第1のラッチ回路LC1と第2のビット線BL2との間にはスイッチング用のトランジスタTRSW12が配設されている。一方、第2のラッチ回路LC2と第1のビット線BL1との間にはスイッチング用のトランジスタTRSW21が配設され、第2のラッチ回路LC2と第2のビット線BL2との間にはスイッチング用のトランジスタTRSW22が配設されている。第1のセンスアンプSA1は、第1のラッチ回路LC1から構成されており、第2のセンスアンプSA2は、第2のラッチ回路LC2から構成されているが、このような構成に限定するものではない。スイッチング用のトランジスタTRSW11,TRSW12のゲート電極は第1のラッチ制御線CL1に接続され、スイッチング用のトランジスタTRSW21,TRSW22のゲート電極は第2のラッチ制御線CL2に接続されている。
【0438】
そして、第n番目のラッチ回路にラッチされたデータに基づき、第n番目の第1のサブメモリユニットを構成する第1のメモリセル及び第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第2のメモリセルへのデータの再書き込みを行う。具体的には、第1のラッチ回路LC1にラッチされたデータに基づき、第1番目の第1のサブメモリユニットSMU11を構成する第1のメモリセルMC11m及び第1番目の第2のサブメモリユニットSMU21を構成する第2のメモリセルMC21mへのデータの再書き込みを行い、第2のラッチ回路LC2にラッチされたデータに基づき、第2番目の第1のサブメモリユニットSMU12を構成する第1のメモリセルMC12m及び第2番目の第2のサブメモリユニットSMU22を構成する第2のメモリセルMC22mへのデータの再書き込みを行う。
【0439】
メモリセルMC11m,MC12m,MC21m,MC22mにおけるプレート線PLmは共通化されており、プレート線デコーダ/ドライバPDに接続されている。更には、第1の選択用トランジスタTR11のゲート電極と第2の選択用トランジスタTR21のゲート電極はワード線WL1に接続され、第1の選択用トランジスタTR12のゲート電極と第2の選択用トランジスタTR22のゲート電極はワード線WL2に接続され、ワード線WL1,WL2は、ワード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。
【0440】
実施の形態16の不揮発性メモリにおいては、第1のメモリユニットMU1を構成する第1のサブメモリユニットSMU11,SMU12のそれぞれは層間絶縁層26を介して積層されており、第2のメモリユニットMU2を構成する第2のサブメモリユニットSMU21,SMU22のそれぞれは層間絶縁層26を介して積層されている。即ち、第1のメモリユニットMU1を構成する第1番目のサブメモリユニットSMU11と第2番目のサブメモリユニットSMU12とは層間絶縁層26を介して積層されている。更には、第2のメモリユニットMU2を構成する第1番目のサブメモリユニットSMU21と第2番目のサブメモリユニットSMU22も層間絶縁層26を介して積層されている。これによって、不揮発性メモリの高集積化を図ることができる。
【0441】
実施の形態16の不揮発性メモリからデータを読み出し、データを再書き込みする不揮発性メモリの駆動方法を、以下、説明する。尚、一例として、プレート線PL1を共有した(即ち、対となった)メモリセル(MC111,MC211)及びメモリセル(MC121,MC221)からデータを読み出し、再書き込みするものとし、第1のメモリセルMC111,MC121にはデータ「1」が記憶され、第2のメモリセルMC211,MC221にはデータ「0」が記憶されているものとする。動作波形は、図42及び図43に示したと同様である。尚、図42及び図43中、括弧内の数字は、以下に説明する工程の番号と対応している。但し、図42及び図43中の括弧内の数字の次のアルファベット「A」及び「B」は、以下の説明における工程番号の数字の次のアルファベット「E」及び「F」と対応している。
【0442】
先ず、選択されたメモリセル(MC111,MC211)及びメモリセル(MC121,MC221)のデータの読み出しを行う(図42参照)。
【0443】
(1E)待機状態では、全ビット線、全ワード線、全プレート線が0ボルトとなっている。更には、共通ノードCN1,CN2も0ボルトで浮遊状態となっている。
【0444】
(2E)データ読み出しの開始時、選択されたプレート線PL1の電位立ち上げを行い、即ち、選択されたプレート線PL1にVPL-H(=Vcc)を印加し、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)にVPL-L(=0ボルト)を印加する。このとき、共通ノードCN11,CN12,CN21,CN22は、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)とのカップリング要素が強いため、0ボルトよりの値となる。その結果、データ「1」が書き込まれていた第1のメモリセルMC111,MC121においては、強誘電体層における分極反転が生じ、共通ノードCN11,CN12の電位は上昇する。一方、データ「0」が書き込まれていた第2のメモリセルMC211,MC221においては、強誘電体層における分極反転が生ぜず、共通ノードCN21,CN22の電位は変化しない。併せて、第1のラッチ制御線CL1を介してスイッチング用のトランジスタTRSW11,TRSW12をオン状態とし、第1のラッチ回路LC1を選択すると共に、第1のセンスアンプSA1の両端の電位を0ボルトにイコライズしておく。その後、接地線(図示せず)とビット線BL1,BL2との電気的な接続を解き、ビット線BL1,BL2を浮遊状態とする。
【0445】
(3E)次いで、ワード線WL1をハイレベルとすることによって、第1番目の第1の選択用トランジスタTR11、及び、第1番目の第2の選択用トランジスタTR21をオン状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU11の共通ノードCN11が第1のビット線BL1に接続され、第2のサブメモリユニットSMU21の共通ノードCN21が第2のビット線BL2に接続される。その結果、第1のサブメモリユニットSMU11の共通ノードCN11が0ボルト近くに低下し、データ「1」が書き込まれていた第1のメモリセルMC111においては、強誘電体層における分極反転が一層進行する。このようにして、第1のビット線BL1と第2のビット線BL2との間には電位差が生じる。
【0446】
(4E)その後、第1のラッチ制御線CL1を介してスイッチング用のトランジスタTRSW11,TRSW12をオフ状態とし、第1のラッチ回路LC1をビット線BL1,BL2から切り離す。
【0447】
(5E)そして、第1のラッチ回路LC1を活性化して、データを確定し、かかるデータ(この例では、データ「1」)を第1のセンスアンプSA1内の第1のラッチ回路LC1にラッチする。一方、ビット線BL1,BL2を0ボルトにイコライズする。これによって、選択された第1のメモリセルMC111及び第2のメモリセルMC211には、データ「0」が書き込まれる。
【0448】
(6E)次に、ワード線WL1をロウレベルとすることによって、第1番目の第1の選択用トランジスタTR11、及び、第1番目の第2の選択用トランジスタTR21をオフ状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU11の共通ノードCN11と第1のビット線BL1との接続が解かれ、第2のサブメモリユニットSMU21の共通ノードCN21と第2のビット線BL2との接続が解かれる。併せて、第2のラッチ制御線CL2を介してスイッチング用のトランジスタTRSW21,TRSW22をオン状態とし、第2のラッチ回路LC2を選択すると共に、第2のセンスアンプSA2の両端の電位を0ボルトにイコライズしておく。その後、接地線(図示せず)とビット線BL1,BL2との電気的な接続を解き、ビット線BL1,BL2を浮遊状態とする。
【0449】
(7E)次いで、ワード線WL2をハイレベルとすることによって、第2番目の第1の選択用トランジスタTR12、及び、第2番目の第2の選択用トランジスタTR22をオン状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU12の共通ノードCN12が第1のビット線BL1に接続され、第2のサブメモリユニットSMU22の共通ノードCN22が第2のビット線BL2に接続される。データ「1」が書き込まれていた第1のメモリセルMC121においては、強誘電体層における分極反転が生じており、共通ノードCN12の電位は高い。一方、データ「0」が書き込まれた第2のメモリセルMC221においては、強誘電体層における分極反転が生ぜず、共通ノードCN22の電位は低い。
【0450】
(8E)その後、第2のラッチ制御線CL2を介してスイッチング用のトランジスタTRSW21,TRSW22をオフ状態とし、第2のラッチ回路LC2をビット線BL1,BL2から切り離す。
【0451】
(9E)そして、第2のラッチ回路LC2を活性化して、データを確定し、かかるデータ(この例では、データ「1」)を第2のセンスアンプSA2内の第2のラッチ回路LC2にラッチする。一方、ビット線BL1,BL2を0ボルトにイコライズする。これによって、選択された第1のメモリセルMC121には、データ「0」が書き込まれる。
【0452】
(10E)次に、ワード線WL2をロウレベルとすることによって、第2番目の第1の選択用トランジスタTR12、及び、第2番目の第2の選択用トランジスタTR22をオフ状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU12の共通ノードCN12と第2のビット線BL2との接続が解かれ、第2のサブメモリユニットSMU22の共通ノードCN22と第2のビット線BL2との接続が解かれる。併せて、選択されたプレート線PL1の電位立ち下げを行う。即ち、選択されたプレート線PL1の電位をVPL-L(=0ボルト)に戻す。
【0453】
以上の操作によって、メモリセル(MC111,MC211)及びメモリセル(MC121,MC221)におけるデータの読み出しが完了する。この状態においては、第1のメモリセルMC111及びメモリセルMC121には、データ「0」が書き込まれている。また、第1のラッチ回路LC1及び第2のラッチ回路LC2には、それぞれ、メモリセル(MC111,MC211)及びメモリセル(MC121,MC221)に記憶されていたデータがラッチされている。
【0454】
次に、選択されたメモリセル(MC111,MC211)及びメモリセル(MC121,MC221)におけるデータの再書き込み、具体的には、データ「1」の再書き込みを行う(図43参照)。
【0455】
(1F)初期状態では、全ビット線、全ワード線、全プレート線が接地されている。更には、各共通ノードCN11,CN12,CN21,CN22も0ボルトで浮遊状態となっている。
【0456】
(2F)次に、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)に(1/2)VPL-H[=(1/2)Vcc]を印加する。選択プレート線PL1はVPL-L(=0ボルト)のままである。
【0457】
(3F)その後、ワード線WL1をハイレベルとすることによって、第1番目の第1の選択用トランジスタTR11、及び、第1番目の第2の選択用トランジスタTR21をオン状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU11の共通ノードCN11が第1のビット線BL1に接続され、第2のサブメモリユニットSMU21の共通ノードCN21が第2のビット線BL2に接続される。併せて、第1のラッチ制御線CL1を介してスイッチング用のトランジスタTRSW11,TRSW12をオン状態とし、第1のラッチ回路LC1をビット線BL1,BL2に接続する。これによって、第1のラッチ回路LC1にラッチされていたデータ(この例では、データ「1」)に従い、第1のビット線BL1の電位がVBL-H(=Vcc)に引き上げられる。その結果、選択された第1のメモリセルMC111は、その分極状態が再度反転し、データ「1」が書き込まれる。一方、選択された第2のメモリセルMC211は、その分極状態がそのままであり、データ「0」が保持される。
【0458】
(4F)次いで、ビット線BL1,BL2を0ボルトにイコライズし、各共通ノードCN11,CN21を0ボルトに戻す。
【0459】
(5F)そして、ワード線WL1をロウレベルとすることによって、第1番目の第1の選択用トランジスタTR11、及び、第1番目の第2の選択用トランジスタTR21をオフ状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU11の共通ノードCN11と第1のビット線BL1との接続が解かれ、第2のサブメモリユニットSMU21の共通ノードCN21と第2のビット線BL2との接続が解かれる。併せて、第1のラッチ制御線CL1を介してスイッチング用のトランジスタTRSW11,TRSW12をオフ状態とし、第1のラッチ回路LC1をビット線BL1,BL2から切り離す。
【0460】
(6F)その後、ワード線WL2をハイレベルとすることによって、第2番目の第1の選択用トランジスタTR12、及び、第2番目の第2の選択用トランジスタTR22をオン状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU12の共通ノードCN12が第1のビット線BL1に接続され、第2のサブメモリユニットSMU22の共通ノードCN22が第2のビット線BL2に接続される。併せて、第2のラッチ制御線CL2を介してスイッチング用のトランジスタTRSW21,TRSW22をオン状態とし、第2のラッチ回路LC2をビット線BL1,BL2に接続する。これによって、第2のラッチ回路LC2にラッチされていたデータ(この例では、データ「0」)に従い、第1のビット線BL1の電位がVBL-H(=Vcc)に引き上げられるが、第2のビット線BL2の電位はVBL-L(=0ボルト)のままである。その結果、選択された第1のメモリセルMC121は、その分極状態が再度反転し、データ「1」が書き込まれる。一方、選択された第2のメモリセルMC221は、その分極状態がそのままであり、データ「0」が保持される。
【0461】
(7F)次いで、ビット線BL1,BL2を0ボルトにイコライズし、各共通ノードCN12,CN22を0ボルトに戻す。
【0462】
(8F)そして、ワード線WL2をロウレベルとすることによって、第2番目の第1の選択用トランジスタTR12、及び、第2番目の第2の選択用トランジスタTR22をオフ状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU12の共通ノードCN12と第1のビット線BL1との接続が解かれ、第2のサブメモリユニットSMU22の共通ノードCN22と第2のビット線BL2との接続が解かれる。併せて、第2のラッチ制御線CL2を介してスイッチング用のトランジスタTRSW21,TRSW22をオフ状態とし、第2のラッチ回路LC2をビット線BL1,BL2から切り離す。
【0463】
(9F)その後、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)をVPL-L(=0ボルト)に戻す。
【0464】
以上の操作によって、データ「1」の再書き込みが完了するが、プレート線PL1を共有した第1のメモリセルMC111,MC121及び第2のメモリセルMC211,MC221に記憶されたデータの読み出し及びデータの再書き込みを、1回のプレート線の電位立ち上げ(VPL-L→VPL-H)[工程(2E)]及び電位立ち下げ(VPL-H→VPL-L)[工程(10E)]にて行っている。
【0465】
以降、プレート線PL2を共有した第1のメモリセルMC112,MC122及び第2のメモリセルMC212,MC222、プレート線PL3を共有した第1のメモリセルMC113,MC123及び第2のメモリセルMC213、MC223、プレート線PL4を共有した第1のメモリセルMC114,MC124及び第2のメモリセルMC214,MC224に対して、順次、工程(1E)〜(10E)、工程(1F)〜(9F)の操作を行う。
【0466】
尚、新たにデータの書き込みを行う場合には、先ず、工程(1E)〜(10E)の操作を行った後、新たにデータを書き込むべきメモリセルに関連するラッチ回路を所望の値に書き換えて、工程(1F)〜(9F)の操作を行えばよい。
【0467】
(実施の形態17)
実施の形態17は、実施の形態16の変形である。実施の形態17においては、所謂フラッシュメモリと同様に、選択されたプレート線に接続されたメモリセルを一括して書き換える。この場合には、書き換えの際の読み出し動作を省略して、動作の簡素化と、書き換えの高速化を図ることができる。実施の形態17における不揮発性メモリの構造は、実施の形態16の不揮発性メモリの構造と同様とすることができる。動作波形は、図44に示したと同様である。尚、図44中、括弧内の数字は、以下に説明する工程の番号と対応している。但し、図44中の括弧内の数字の次のアルファベット「C」は、以下の説明における工程番号の数字の次のアルファベット「G」と対応している。以下の説明においては、一例として、プレート線PL1を共有した(即ち、対となった)メモリセル(MC111,MC211)及びメモリセル(MC121,MC221)にデータを書き込むものとし、メモリセルMC111,MC121にはデータ「1」が、メモリセルMC211,MC221にはデータ「0」が記憶されているとする。
【0468】
(1G)待機状態では、全ビット線、全ワード線、全プレート線が0ボルトとなっている。更には、共通ノードCN11,CN12,CN21,CN22も0ボルトで浮遊状態となっている。また、第1のラッチ制御線CL1を介してスイッチング用のトランジスタTRSW11,TRSW12をオフ状態とし、第2のラッチ制御線CL2を介してスイッチング用のトランジスタTRSW21,TRSW22をオフ状態としておく。
【0469】
(2G)そして、ビット線BL1,BL2を0ボルトにイコライズする。
【0470】
(3G)次に、選択されたプレート線PL1の電位立ち上げを行い、即ち、選択されたプレート線PL1にVPL-H(=Vcc)を印加し、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)にVPL-L(=0ボルト)を印加する。併せて、ワード線WL1,WL2をハイレベルとすることによって、第1番目の第1の選択用トランジスタTR11、及び、第1番目の第2の選択用トランジスタTR21をオン状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU11,SMU12の共通ノードCN11,CN12が第1のビット線BL1に接続され、第2のサブメモリユニットSMU21,SMU22の共通ノードCN21,CN22が第2のビット線BL2に接続される。その結果、選択された第1のメモリセルMC111,MC121、及び、第2のメモリセルMC211,MC221にデータ「0」が書き込まれる。
【0471】
(4G)その後、ワード線WL1,WL2をロウレベルとすることによって、第1番目の第1の選択用トランジスタTR11、及び、第1番目の第2の選択用トランジスタTR21をオフ状態とする。併せて、選択されたプレート線PL1の電位立ち下げを行う。即ち、選択されたプレート線PL1をVPL-L(=0ボルト)とする。
【0472】
以上の操作で、選択されたプレート線PL1に接続されたメモリセルMC111,MC121,MC211,MC221にはデータ「0」が書き込まれる。尚、これまでの操作の間に、第1のラッチ回路LC1、第2のラッチ回路LC2には所望の書き込みデータを転送しておく。
【0473】
(5G)その後、実施の形態16の工程(1F)〜(9F)の再書き込みと同じ操作を行う。これにより、データ「1」の書き込みが行われ、書き込みが完了する。
【0474】
以降、プレート線PL2を共有した第1のメモリセルMC112,MC122及び第2のメモリセルMC212,MC222、プレート線PL3を共有した第1のメモリセルMC113,MC123及び第2のメモリセルMC213、MC223、プレート線PL4を共有した第1のメモリセルMC114,MC124及び第2のメモリセルMC214,MC224に対して、順次、工程(1G)〜(4G)、工程(1F)〜(9F)の操作を行う。
【0475】
(実施の形態18)
実施の形態18も、実施の形態16の変形である。実施の形態18においては、データの再書き込み時、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)に(2/3)Vccを印加する。また、ビット線BL1,BL2を、0ボルトではなく、(1/3)Vccにイコライズする。実施の形態18における不揮発性メモリの構造も、実施の形態16の不揮発性メモリの構造と同様とすることができる。尚、データの読み出しは、実施の形態16の(1E)〜(10E)の工程と同じ工程を実行すればよい。動作波形は、図45に示したと同様である。尚、図45中、括弧内の数字は、以下に説明する工程の番号と対応している。但し、図45中の括弧内の数字の次のアルファベット「D」は、以下の説明における工程番号の数字の次のアルファベット「H」と対応している。以下の説明においては、一例として、プレート線PL1を共有した(即ち、対となった)メモリセル(MC111,MC211)及びメモリセル(MC121,MC221)からデータを読み出し、再書き込みするものとし、メモリセルMC111,MC121にはデータ「1」が、メモリセルMC211,MC221にはデータ「0」が記憶されているとする。
【0476】
(1H)初期状態では、全ビット線、全ワード線、全プレート線が0ボルトとなっている。更に、各共通ノードCN11,CN12,CN21,CN22も0ボルトで浮遊状態となっている。また、第1のラッチ回路LC1及び第2のラッチ回路LC2のそれぞれには、メモリセル(MC111,MC211)及びメモリセル(MC121,MC221)に関するデータがラッチされている。
【0477】
(2H)次に、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)に(2/3)VPL-H[=(2/3)Vcc]を印加する。選択プレート線PL1はVPL-L(=0ボルト)のままである。併せて、ビット線BL1,BL2をVBL-L[=(1/3)Vcc]にイコライズする。尚、図示しないラッチ回路のグランド駆動線は切り離しておく。
【0478】
(3H)その後、ワード線WL1をハイレベルとすることによって、第1番目の第1の選択用トランジスタTR11、及び、第1番目の第2の選択用トランジスタTR21をオン状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU11の共通ノードCN11が第1のビット線BL1に接続され、第2のサブメモリユニットSMU21の共通ノードCN21が第2のビット線BL2に接続される。併せて、第1のラッチ制御線CL1を介してスイッチング用のトランジスタTRSW11,TRSW12をオン状態とし、第1のラッチ回路LC1をビット線BL1,BL2に接続する。これによって、第1のラッチ回路LC1にラッチされていたデータに従い、第1のビット線BL1の電位がVBL-H(=Vcc)に引き上げられる。その結果、選択された第1のメモリセルMC111は、その分極状態が再度反転し、データ「1」が書き込まれる。一方、ラッチ回路のグランド駆動線が切り離されているので、第2のビット線BL2の電位はVBL-L[=(1/3)Vcc]のままであり、選択された第2のメモリセルMC211は、その分極状態が変化せず、データ「0」のままとなる。
【0479】
(4H)次いで、ビット線BL1,BL2をVBL-L[=(1/3)Vcc]にイコライズし、各共通ノードCN11,CN21をVBL-L[=(1/3)Vcc]に戻す。
【0480】
(5H)そして、ワード線WL1をロウレベルとすることによって、第1番目の第1の選択用トランジスタTR11、及び、第1番目の第2の選択用トランジスタTR21をオフ状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU11の共通ノードCN11と第1のビット線BL1との接続が解かれ、第2のサブメモリユニットSMU21の共通ノードCN21と第2のビット線BL2との接続が解かれる。併せて、第1のラッチ制御線CL1を介してスイッチング用のトランジスタTRSW11,TRSW12をオフ状態とし、第1のラッチ回路LC1をビット線BL1,BL2から切り離す。
【0481】
(6H)その後、ワード線WL2をハイレベルとすることによって、第2番目の第1の選択用トランジスタTR12、及び、第2番目の第2の選択用トランジスタTR22をオン状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU12の共通ノードCN12が第1のビット線BL1に接続され、第2のサブメモリユニットSMU22の共通ノードCN22が第2のビット線BL2に接続される。併せて、第2のラッチ制御線CL2を介してスイッチング用のトランジスタTRSW21,TRSW22をオン状態とし、第2のラッチ回路LC2をビット線BL1,BL2に接続する。これによって、第2のラッチ回路LC2にラッチされていたデータに従い、第1のビット線BL1の電位がVBL-H(=Vcc)に引き上げられる。その結果、選択された第1のメモリセルMC121は、その分極状態が再度反転し、データ「1」が書き込まれる。一方、ラッチ回路のグランド駆動線が切り離されているので、第2のビット線BL2の電位はVBL-L[=(1/3)Vcc]のままであり、選択された第2のメモリセルMC221は、その分極状態が変化せず、データ「0」のままとなる。
【0482】
(7H)次いで、ビット線BL1,BL2をVBL-L[=(1/3)Vcc]にイコライズし、各共通ノードCN12,CN22をVBL-L[=(1/3)Vcc]に戻す。
【0483】
(8H)そして、ワード線WL2をロウレベルとすることによって、第2番目の第1の選択用トランジスタTR12、及び、第2番目の第2の選択用トランジスタTR22をオフ状態とする。これによって、第1のサブメモリユニットSMU12の共通ノードCN12と第1のビット線BL1との接続が解かれ、第2のサブメモリユニットSMU22の共通ノードCN22と第2のビット線BL2との接続が解かれる。併せて、第2のラッチ制御線CL2を介してスイッチング用のトランジスタTRSW21,TRSW22をオフ状態とし、第2のラッチ回路LC2をビット線BL1,BL2から切り離す。
【0484】
(9H)その後、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)をVPL-L(=0ボルト)に戻し、ビット線BL1,BL2を0ボルトに戻す。
【0485】
以上の操作によって、データ「1」の再書き込みが完了する。
【0486】
以降、プレート線PL2を共有した第1のメモリセルMC112,MC122及び第2のメモリセルMC212,MC222、プレート線PL3を共有した第1のメモリセルMC113,MC123及び第2のメモリセルMC213,MC223、プレート線PL4を共有した第1のメモリセルMC114,MC124及び第2のメモリセルMC214,MC224に対して、順次、工程(1E)〜(10E)、工程(1H)〜(9H)の操作を行う。
【0487】
実施の形態18においては、データの再書き込み時、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)は(2/3)VPL-H[=(2/3)Vcc]に固定されている。一方、ビット線BL1はVBL-H(=Vcc)に、ビット線BL2はVBL-L[=(1/3)Vcc]に駆動される。従って、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)に接続されたメモリセルMC11m,MC12m,MC21m,MC22m(m=2,3・・・M)には、±(1/3)Vccのディスターブしか加わらない。尚、選択されたプレート線PL1に接続された第2のメモリセルMC211,MC221にも(1/3)Vccのディスターブが加わる点が実施の形態16と異なっている。しかしながら、この程度のディスターブは全く問題とはならない。
【0488】
実施の形態18においては、回路の動作中に2つの中間電位[(1/3)Vcc及び(2/3)Vcc]が必要になるものの、ディスターブの最大レベルは、実施の形態16の±(1/2)Vccから大きく低減され、安定したデータの読み出しが可能となる。
【0489】
(実施の形態19)
実施の形態19の不揮発性メモリも、実施の形態16の不揮発性メモリの変形である。実施の形態19の不揮発性メモリの断面構造は図10と同じであり、等価回路は図19と同じである。尚、図19に示したビット線BL1,BL2には、図39に示したと同様のラッチ回路LCn(n=1,2・・・Nであり、実施の形態19においては、N=4)、スイッチング用のトランジスタTRSWn1,TRSWn2、ラッチ制御線CLn、センスアンプSAnが配設されているが、図19においては、これらの図示は省略した。
【0490】
実施の形態19の不揮発性メモリにおいては、第1のメモリユニットMU1を構成するサブメモリユニットSMU11,SMU12,SMU13,SMU14が4段に積層されている。また、図示しないが、第2のメモリユニットMU2を構成するサブメモリユニットSMU21,SMU22,SMU23,SMU24も4段に積層されている。
【0491】
実施の形態19の不揮発性メモリは、
(A−1)第1のビット線BL1と、
(B−1)N個(但し、実施の形態19では、N≧2であり、具体的には、N=4)の第1の選択用トランジスタTR1N(TR11,TR12,TR13,TR14)と、
(C−1)それぞれがM個(但し、M≧2であり、実施の形態19においては、M=8)の第1のメモリセルMC1nM(MC11M,MC12M,MC13M,MC14M)から構成された、N個の第1のサブメモリユニットSMU1N(SMU11,SMU12,SMU13,SMU14)と、
(D−1)N個の第1のサブメモリユニットSMU1Nにおいて、N個の第1のサブメモリユニットSMU1nのそれぞれを構成する第1のメモリセルMC1nm(MC11m,MC12m,MC12m,MC14m)で共通とされたM本のプレート線PLm
から成る第1のメモリユニットMU1、並びに、
(A−2)第2のビット線BL2と、
(B−2)N個の第2の選択用トランジスタTR2N(TR21,TR22,TR23,TR24)と、
(C−2)それぞれがM個の第2のメモリセルMC2nM(MC21M,MC22M,MC23M,MC24M)から構成された、N個の第2のサブメモリユニットSMU2N(SMU21,SMU22,SMU23,SMU24)と、
(D−2)N個の第2のサブメモリユニットSMU2Nにおいて、N個の第2のサブメモリユニットSMU2nのそれぞれを構成する第2のメモリセルMC2nm(MC21m,MC22m,MC22m,MC24m)で共通とされ、且つ、前記第1のメモリユニットを構成するM本のプレート線と共通のM本のプレート線PLm
から成る第2のメモリユニットMU2から構成されている。
【0492】
即ち、実施の形態19の不揮発性メモリは、メモリユニットを構成するサブメモリユニットが4層構成である。尚、サブメモリユニットを構成するメモリセルの数は8個に限定されず、また、メモリユニットを構成するメモリセルの数は32個に限定されない。
【0493】
尚、表10や表11に示したように、上方に位置するメモリユニットのメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度を、下方に位置するメモリユニットのメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度よりも低くしてもよい。
【0494】
そして、各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成る。具体的には、メモリセルMC11M及びメモリセルMC21Mのそれぞれは、第1の電極21と、強誘電体層22と、第2の電極23とから成る。また、メモリセルMC12M及びメモリセルMC22Mのそれぞれは、第1の電極31と、強誘電体層32と、第2の電極33とから成る。更には、メモリセルMC13M及びメモリセルMC23Mのそれぞれは、第1の電極41と、強誘電体層42と、第2の電極43とから成る。また、メモリセルMC14M及びメモリセルMC24Mのそれぞれは、第1の電極51と、強誘電体層52と、第2の電極53とから成る。
【0495】
第1のメモリユニットMU1において、第n番目(n=1,2・・・N)の第1のサブメモリユニットSMU1nを構成する第1のメモリセルMC1nmの第1の電極21,31,41,51は、第n番目の第1のサブメモリユニットSMU1nにおいて共通であり、該共通の第1の電極21,31,41,51は、第n番目の第1の選択用トランジスタTR1nを介して第1のビット線BL1に接続され、第2の電極23,33,43,53は共通のプレート線PLmに接続されている。
【0496】
第2のメモリユニットMU2において、第n番目の第2のサブメモリユニットSMU2nを構成する第2のメモリセルMC2nmの第1の電極21,31,41,51は、第n番目の第2のサブメモリユニットSMU2nにおいて共通であり、該共通の第1の電極21,31,41,51は、第n番目の第2の選択用トランジスタTR2nを介して第2のビット線BL2に接続され、第2の電極23,33,43,53は共通のプレート線PLmに接続されている。
【0497】
そして、第1のビット線BL1と第2のビット線BL2との間には、第1のメモリセルMC11mと第2のメモリセルMC21mに記憶されたデータをラッチするための第1のラッチ回路LC1、第1のメモリセルMC12mと第2のメモリセルMC22mに記憶されたデータをラッチするための第2のラッチ回路LC2、第1のメモリセルMC13mと第2のメモリセルMC23mに記憶されたデータをラッチするための第3のラッチ回路LC3、並びに、第1のメモリセルMC14mと第2のメモリセルMC24mに記憶されたデータをラッチするための第4のラッチ回路LC4が設けられている。
【0498】
そして、プレート線PL1を共有したメモリセルMC11m,MC21m、プレート線PL2を共有したメモリセルMC12m,MC22m、プレート線PL3を共有したMC13m,MC23m、プレート線PL4を共有したメモリセルMC14m,MC24mに相補的なデータを書き込むことで、それぞれに、1ビットを記憶する。また、8つの選択用トランジスタTR11〜TR14,TR21〜TR24と、64個のメモリセルMC11m〜MC14m,MC21m〜MC24mによって、1つのメモリユニット(アクセス単位ユニット)が構成され、32ビットを記憶する。
【0499】
センスアンプSA1,SA2,SA3,SA4は、ラッチ回路LC1,LC2,LC3,LC4から構成されている。
【0500】
実際の不揮発性メモリにおいては、この32ビットを記憶する不揮発性メモリの集合がアクセス単位ユニットとしてアレイ状に配設されている。
【0501】
実施の形態19の不揮発性メモリからデータを読み出す方法は、実施の形態16にて説明したと実質的に同じであるが故に、詳細な説明は省略する。
【0502】
実施の形態19のメモリアレイの構成上の限界寸法は、プレート線PLmの最小ピッチに基づきロー方向の寸法が規定され、プレート線1本、及び、ビット線BL1,BL2で囲まれた領域に4ビットが記憶される。従って、限界寸法は2F2である。また、4本のワード線WL1,WL2,WL3,WL4と8本のプレート線PLMの2次元マトリックスによって、ロー・アドレスの選択が行われる。即ち、4本のワード線と8本のプレート線によって、ロー方向の32ビットのアクセスが可能であり、ロー・アドレスの選択に必要とされるドライバは、1アドレス当たり0.375本でよい。従って、従来型のメモリセル構造と比較して、駆動用の信号線を大幅に減少させることができ、周辺回路を大幅に削減することができる。
【0503】
(実施の形態20)
実施の形態20においては、実施の形態19の不揮発性メモリの構造を変更し、実施の形態12にて説明した不揮発性メモリの構造と同様とする。即ち、図17に示した等価回路と同様に、メモリユニットMU21,MU22,MU23,MU24に接続された選択用トランジスタTR21,TR22,TR23,TR24のゲート電極のそれぞれを、ワード線WL1,WL2,WL3,WL4ではなく、ワード線WL21,WL22,WL23,WL24に接続する。そして、プレート線PLmを共有した第1のメモリセル及び第2のメモリセルの数の合計と一致する数のラッチ回路が、第1のビット線BL1と第2のビット線BL2の間に設けられている。
【0504】
即ち、第1のビット線BL1と第2のビット線BL2との間には、図39に示したと同様の第1のラッチ回路LCP、スイッチング用のトランジスタTRSWP1,TRSWP2、ラッチ制御線CLP、センスアンプSAP(但し、P=2Nであり、実施の形態20においては、P=8)が配設されている。尚、図17においては、これらの図示は省略した。
【0505】
この実施の形態20の不揮発性メモリにおいて、ワード線WL11〜ワード線WL14を選択した場合、メモリユニットMU11〜メモリユニットMU14がアクセスされ、ビット線BL1にのみ、記憶されたデータに相当する電圧(ビット線電位)が出現する。尚、同じセンスアンプSA1〜SA8に接続されたビット線BL2には、データ「1」の読み出し電圧(ビット線電位)と、データ「0」の読み出し電圧(ビット線電位)の中間の参照電位を与える。一方、ワード線WL21〜ワード線WL24を選択した場合、メモリユニットMU21〜メモリユニットMU24がアクセスされ、ビット線BL2にのみ、記憶されたデータに相当する電圧(ビット線電位)が出現する。尚、同じセンスアンプSA1〜SA8に接続されたビット線BL1には、データ「1」の読み出し電圧(ビット線電位)と、データ「0」の読み出し電圧(ビット線電位)の中間の参照電位を与える。
【0506】
そして、第(2n−1)番目のラッチ回路は、第n番目の第1のサブメモリユニットを構成する第1のメモリセルに記憶されたデータをラッチし、第2n番目のラッチ回路は、第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第2のメモリセルに記憶されたデータをラッチする。具体的には、第1番目のラッチ回路LC1は、第1番目の第1のサブメモリユニットSMU11を構成する第1のメモリセルMC11mに記憶されたデータをラッチし、第2番目のラッチ回路LC2は、第1番目の第2のサブメモリユニットSMU21を構成する第2のメモリセルMC21mに記憶されたデータをラッチする。また、第3番目のラッチ回路LC3は、第2番目の第1のサブメモリユニットSMU12を構成する第1のメモリセルMC12mに記憶されたデータをラッチし、第4番目のラッチ回路LC4は、第2番目の第2のサブメモリユニットSMU22を構成する第2のメモリセルMC22mに記憶されたデータをラッチする。更には、第5番目のラッチ回路LC5は、第3番目の第1のサブメモリユニットSMU13を構成する第1のメモリセルMC13mに記憶されたデータをラッチし、第6番目のラッチ回路LC6は、第3番目の第2のサブメモリユニットSMU23を構成する第2のメモリセルMC23mに記憶されたデータをラッチする。更には、第7番目のラッチ回路LC7は、第4番目の第1のサブメモリユニットSMU14を構成する第1のメモリセルMC14mに記憶されたデータをラッチし、第8番目のラッチ回路LC8は、第4番目の第2のサブメモリユニットSMU24を構成する第2のメモリセルMC24mに記憶されたデータをラッチする。
【0507】
この実施の形態20の不揮発性メモリにおいては、信号量(電位差)が実施の形態19と比較して約半分となり、しかも、参照電位のばらつき等から動作マージンは低下するが、不揮発性メモリの集積度は約2倍になる。実施の形態20の不揮発性メモリにおいて、例えば、ワード線WL11とワード線WL21とを同時に選択すれば、プレート線PLmを共有した(対となった)メモリセルMC1nm,MC2nmからデータを読み出すことができ、実質的に、実施の形態19にて説明した不揮発性メモリと同様の動作を行うことができる。
【0508】
尚、実施の形態16の不揮発性メモリの構造を同様に変更し、実施の形態12にて説明した不揮発性メモリの構造と同様とすることもできる。即ち、メモリユニットMU21,MU22に接続された選択用トランジスタTR21,TR22のゲート電極のそれぞれを、ワード線WL1,WL2ではなく、図5に示したと同様に、ワード線WL21,WL22に接続すればよい。この場合には、第1のビット線BL1と第2のビット線BL2との間には、図39に示したと同様の第1のラッチ回路LCP、スイッチング用のトランジスタTRSWP1,TRSWP2、ラッチ制御線CLP、センスアンプSAP(但し、P=2Nであり、P=4)を配設すればよい。そして、第(2n−1)番目のラッチ回路は、第n番目の第1のサブメモリユニットを構成する第1のメモリセルに記憶されたデータをラッチし、第2n番目のラッチ回路は、第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第2のメモリセルに記憶されたデータをラッチする。具体的には、第1番目のラッチ回路LC1は、第1番目の第1のサブメモリユニットSMU11を構成する第1のメモリセルMC11mに記憶されたデータをラッチし、第2番目のラッチ回路LC2は、第1番目の第2のサブメモリユニットSMU21を構成する第2のメモリセルMC21mに記憶されたデータをラッチする。また、第3番目のラッチ回路LC3は、第2番目の第1のサブメモリユニットSMU12を構成する第1のメモリセルMC12mに記憶されたデータをラッチし、第4番目のラッチ回路LC4は、第2番目の第2のサブメモリユニットSMU22を構成する第2のメモリセルMC22mに記憶されたデータをラッチする。
【0509】
尚、面積的には不利になるが、絶縁層16上にサブメモリユニットSMU11,SMU12,SMU21,SMU22を形成し、層間絶縁層26をその上に形成し、層間絶縁層26上にサブメモリユニットSMU13,SMU14,SMU23,SMU24を形成する構造としてもよい。
【0510】
実施の形態1〜実施の形態11にて説明したメモリユニットの構造を実施の形態12〜実施の形態20における不揮発性メモリに適宜適用することができる。
【0511】
(実施の形態21)
実施の形態21は、本発明の第13の態様に係る不揮発性メモリ、並びに、本発明の第2の態様及び第3の態様に係る駆動方法に関する。図48に実施の形態21の不揮発性メモリの回路図を示し、図49に模式的な一部断面図を示す。
【0512】
実施の形態21の不揮発性メモリは、
(A)ビット線BLと、
(B)N個(但し、N≧2であり、実施の形態21においては、具体的には、N=2)の選択用トランジスタTR1,TR2と、
(C)それぞれがM個(但し、M≧2であり、実施の形態21においては、具体的には、M=8)のメモリセルMCnm(n=1,2、m=1,2・・・M)から構成された、N個のメモリユニットMU1,MU2と、
(D)M本のプレート線PLm
から構成されている。
【0513】
そして、各メモリセルMCnmは、第1の電極21,31と強誘電体層22,32と第2の電極23,33とから成る。また、第1番目のメモリユニットMU1を構成するメモリセルMC1mの第1の電極21は、第1番目のメモリユニットMU1において共通であり、この共通の第1の電極(共通ノードCN1)は、第1番目の選択用トランジスタTR1を介してビット線BLに接続され、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルMC1mの第2の電極23は、メモリユニット間で共通とされた共通の第m番目のプレート線PLmに接続されている。一方、第2番目のメモリユニットMU2を構成するメモリセルMC2mの第1の電極31は、第2番目のメモリユニットMU2において共通であり、この共通の第1の電極(共通ノードCN2)は、第2番目の選択用トランジスタTR2を介してビット線BLに接続され、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルMC2mの第2の電極33は、メモリユニット間で共通とされた共通の第m番目のプレート線PLmに接続されている。
【0514】
尚、不揮発性メモリのメモリユニットを構成するメモリセルの数(M)は8個に限定されず、一般には、M≧2を満足すればよく、2のべき数(M=2,4,8,16・・・)とすることが好ましい。
【0515】
そして、ビット線BLには、メモリセルに記憶されたデータをラッチするため、少なくともN個のラッチ回路が接続されている。具体的には、実施の形態21においては、第n番目(但し、n=1,2・・・N)のラッチ回路LCnは、第n番目のメモリユニットMUnのそれぞれを構成するメモリセルMCnmに記憶されたデータをラッチする。尚、第1のラッチ回路LC1とビット線BLとの間には第1のスイッチング用のトランジスタTRSW1が配設され、第2のラッチ回路LC2とビット線BLとの間には第2のスイッチング用のトランジスタTRSW2が配設されている。第1のセンスアンプSA1は、第1のラッチ回路LC1から構成されており、第2のセンスアンプSA2は、第2のラッチ回路LC2から構成されているが、このような構成に限定するものではない。スイッチング用のトランジスタTRSW1,TRSW2のゲート電極は、それぞれ、第1のラッチ制御線CL1、第2のラッチ制御線CL2に接続されている。ラッチ回路は、図41に示したと同様の回路とすればよいので、詳細な説明は省略する。
【0516】
メモリセルMC2mにおけるプレート線PLmは、メモリセルMC1mにおけるプレート線PLmと共通化されており、プレート線デコーダ/ドライバPDに接続されている。更には、第1番目の選択用トランジスタTR1のゲート電極は第1のワード線WL1に接続され、第2番目の選択用トランジスタTR2のゲート電極は第2のワード線WL2に接続され、ワード線WL1,WL2は、ワード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。
【0517】
実施の形態21の不揮発性メモリからデータを読み出し、データを再書き込みする不揮発性メモリの駆動方法を、以下、説明する。尚、一例として、プレート線PL1を共有したメモリセルMC11,MC21からデータを読み出し、再書き込みするものとし、メモリセルMC11にはデータ「1」が、メモリセルMC21にはデータ「0」が記憶されているとする。図50及び図51に動作波形を示す。尚、図50及び図51中、括弧内の数字は、以下に説明する工程の番号と対応している。また、動作波形を示す図面における「センスアンプSA1」及び「センスアンプSA2」は、これらのセンスアンプの出力部における電位を意味する。
【0518】
先ず、選択されたメモリセルMC11及びメモリセルMC21のデータの読み出しを行う(図50参照)。
【0519】
(1A)待機状態では、全ビット線、全ワード線、全プレート線が0ボルトとなっている。更には、共通ノードCN1,CN2も0ボルトで浮遊状態となっている。
【0520】
(2A)データ読み出しの開始時、選択されたプレート線PL1の電位立ち上げを行い、即ち、選択されたプレート線PL1にVPL-H(=Vcc)を印加し、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)をVPL-L(=0ボルト)のままとする。このとき、共通ノードCN1,CN2は、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)とのカップリング要素が強いため、0ボルトよりの値となる。その結果、データ「1」が書き込まれていたメモリセルMC11においては、強誘電体層における分極反転が生じ、共通ノードCN1の電位は上昇する。併せて、第1のラッチ制御線CL1を介して第1のスイッチング用のトランジスタTRSW1をオン状態とし、第1のラッチ回路LC1を選択すると共に、第1のセンスアンプSA1の電位を0ボルトとしておく。その後、接地線(図示せず)とビット線BLとの電気的な接続を解き、ビット線BLを浮遊状態とする。
【0521】
(3A)次いで、第1のワード線WL1をハイレベルとすることによって、第1番目の選択用トランジスタTR1をオン状態とする。これによって、第1番目のメモリユニットMU1の共通ノードCN1がビット線BLに接続される。
【0522】
(4A)その後、第1のラッチ制御線CL1を介して第1のスイッチング用のトランジスタTRSW1をオフ状態とし、第1のラッチ回路LC1をビット線BLから切り離す。
【0523】
(5A)そして、第1のラッチ回路LC1を活性化して、データを確定し、かかるデータ(この例では、データ「1」)を第1のセンスアンプSA1内の第1のラッチ回路LC1にラッチする。一方、ビット線BLを0ボルトとする。これによって、選択されたメモリセルMC11には、データ「0」が書き込まれる。
【0524】
(6A)次に、第1のワード線WL1をロウレベルとすることによって、第1番目の選択用トランジスタTR1をオフ状態とする。これによって、第1番目のメモリユニットMU1の共通ノードCN1とビット線BLとの接続が解かれる。併せて、第2のラッチ制御線CL2を介して第2のスイッチング用のトランジスタTRSW2をオン状態とし、第2のラッチ回路LC2を選択すると共に、第2のセンスアンプSA2の電位を0ボルトとしておく。その後、接地線(図示せず)とビット線BLとの電気的な接続を解き、ビット線BLを浮遊状態とする。
【0525】
(7A)次いで、第2のワード線WL2をハイレベルとすることによって、第2番目の選択用トランジスタTR2をオン状態とする。これによって、第2番目のメモリユニットMU2の共通ノードCN2がビット線BLに接続される。データ「0」が書き込まれていたメモリセルMC21においては、強誘電体層における分極反転が生じない。従って、ビット線BLに生じる電位(ビット線電位)は低い。
【0526】
(8A)その後、第2のラッチ制御線CL2を介して第2のスイッチング用のトランジスタTRSW2をオフ状態とし、第2のラッチ回路LC2をビット線BLから切り離す。
【0527】
(9A)そして、第2のラッチ回路LC2を活性化して、データを確定し、かかるデータ(この例では、データ「0」)を第2のセンスアンプSA2内の第2のラッチ回路LC2にラッチする。一方、ビット線BLを0ボルトとする。これによって、選択されたメモリセルMC21には、データ「0」が書き込まれる。
【0528】
(10A)次に、第2のワード線WL2をロウレベルとすることによって、第2番目の選択用トランジスタTR2をオフ状態とする。これによって、第2番目のメモリユニットMU2の共通ノードCN2とビット線BLとの接続が解かれる。併せて、選択されたプレート線PL1の電位立ち下げを行う。即ち、選択されたプレート線PL1の電位をVPL-L(=0ボルト)に戻す。
【0529】
以上の操作によって、メモリセルMC11及びメモリセルMC21におけるデータの読み出しが完了する。この状態においては、メモリセルMC11及びメモリセルMC21には、データ「0」が書き込まれている。また、第1のラッチ回路LC1及び第2のラッチ回路LC2には、それぞれ、第1番目のメモリユニットを構成するメモリセルMC11及び第2番目のメモリユニットを構成するメモリセルMC21に記憶されていたデータがラッチされている。
【0530】
次に、選択されたメモリセルMC11及びメモリセルMC21におけるデータの再書き込み、具体的には、データ「1」の再書き込みを行う(図51参照)。
【0531】
(1B)初期状態では、全ビット線、全ワード線、全プレート線が0ボルトとなっている。更には、共通ノードCN1,CN2も0ボルトで浮遊状態となっている。
【0532】
(2B)次に、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)に(1/2)VPL-H[=(1/2)Vcc]を印加する。選択プレート線PL1はVPL-L(=0ボルト)のままである。
【0533】
(3B)その後、第1のワード線WL1をハイレベルとすることによって、第1番目の選択用トランジスタTR1をオン状態とする。これによって、第1番目のメモリユニットMU1の共通ノードCN1がビット線BLに接続される。併せて、第1のラッチ制御線CL1を介して第1のスイッチング用のトランジスタTRSW1をオン状態とし、第1のラッチ回路LC1をビット線BLに接続する。これによって、第1のラッチ回路LC1にラッチされていたデータ(この例では、データ「1」)に従い、ビット線BLの電位がVBL-H(=Vcc)に引き上げられる。その結果、選択されたメモリセルMC11は、その分極状態が再度反転し、データ「1」が書き込まれる。
【0534】
(4B)次いで、ビット線BLを0ボルトとし、共通ノードCN1を0ボルトに戻す。
【0535】
(5B)そして、第1のワード線WL1をロウレベルとすることによって、第1番目の選択用トランジスタTR1をオフ状態とする。これによって、第1番目のメモリユニットMU1の共通ノードCN1とビット線BLとの接続が解かれる。併せて、第1のラッチ制御線CL1を介して第1のスイッチング用のトランジスタTRSW1をオフ状態とし、第1のラッチ回路LC1をビット線BLから切り離す。
【0536】
(6B)その後、第2のワード線WL2をハイレベルとすることによって、第2番目の選択用トランジスタTR2をオン状態とする。これによって、第2番目のメモリユニットMU2の共通ノードCN2がビット線BLに接続される。併せて、第2のラッチ制御線CL2を介して第2のスイッチング用のトランジスタTRSW2をオン状態とし、第2のラッチ回路LC2をビット線BLに接続する。これによって、第2のラッチ回路LC2にラッチされていたデータ(この例では、データ「0」)に従い、ビット線BLの電位はVBL-L(=0ボルト)のままである。その結果、選択されたメモリセルMC21は、その分極状態が変化せず、データ「0」のままとなる。
【0537】
(7B)次いで、ビット線BLを0ボルトとし、共通ノードCN2を0ボルトに戻す。
【0538】
(8B)そして、第2のワード線WL2をロウレベルとすることによって、第2番目の選択用トランジスタTR2をオフ状態とする。これによって、第2番目のメモリユニットMU2とビット線BLとの接続が解かれる。併せて、第2のラッチ制御線CL2を介して第2のスイッチング用のトランジスタTRSW2をオフ状態とし、第2のラッチ回路LC2をビット線BLから切り離す。
【0539】
(9B)その後、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)をVPL-L(=0ボルト)に戻す。
【0540】
以上の操作によって、データ「1」の再書き込みが完了するが、2個のメモリユニットMU1,MU2において、プレート線PL1を共有したメモリセルMC11及びメモリセルMC21に記憶されたデータの読み出し及びデータの再書き込みを、1回のプレート線の電位立ち上げ(VPL-L→VPL-H)[工程(2A)]及び電位立ち下げ(VPL-H→VPL-L)[工程(10A)]にて行っている。
【0541】
また、2個のメモリユニットMU1,MU2において、プレート線PL1を共有したメモリユニットにおけるメモリセルに記憶されたデータの読み出しを、先ず、該プレート線にパルスを与え[工程(2A)]、次いで、N個の選択用トランジスタを順次選択して行う。即ち、工程(3A)〜(5A)及び工程(7A)〜(9A)を行っている。
【0542】
以降、プレート線PL2を共有したメモリセルMC12及びメモリセルMC22、プレート線PL3を共有したメモリセルMC13及びメモリセルMC23、プレート線PL4を共有したメモリセルMC14及びメモリセルMC24等に対して、順次、工程(1A)〜(10A)、工程(1B)〜(9B)の操作を行う。
【0543】
尚、新たにデータの書き込みを行う場合には、先ず、(1A)〜(10A)の操作を行った後、新たにデータを書き込むべきメモリセルに関連するラッチ回路(即ち、第1番目のメモリユニットを構成するメモリセルに対しては第1のラッチ回路、第2番目のメモリユニットを構成するメモリセルに対しては第2のラッチ回路)を所望の値に書き換えて、(1B)〜(9B)の操作を行えばよい。
【0544】
ところで、複数のメモリセルに接続されているプレート線は負荷容量が大きく、駆動速度が遅い(即ち、充放電に時間を要する)。また、消費電力も大きい。従って、2回のプレート線の電位立ち上げ及び電位立ち下げにてプレート線PL1を共有したメモリセルMC11及びメモリセルMC21に記憶されたデータの読み出し及びデータの再書き込みを行う特願平11−158632号にて提案された不揮発性メモリの駆動方法よりも、これらを1回のプレート線の電位立ち上げ及び電位立ち下げにて行う実施の形態21の不揮発性メモリの駆動方法の方が、駆動速度、消費電力の観点から有利である。
【0545】
実施の形態21の不揮発性メモリの駆動方法においては、(MC11,MC21)→(MC12,MC22)→(MC13,MC23)→(MC14,MC24)・・・の順にデータの読み出し、再書き込みを行う。従って、プレート線PLmを共有し、そして、データの読み出し、再書き込みを行うメモリセルMC1m及びメモリセルMC2mにおいてはディスターブが加わらない。
【0546】
尚、(1A)〜(10A)の工程において、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)はVPL-L(=0ボルト)に固定されている。また、各ビット線BLは、0ボルトからビット線電位(読み出し信号量)の間で変動する。ここで、ビット線電位(読み出し信号量)は、通常、0.5ボルト程度以下である。従って、(1A)〜(10A)の工程においては、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)に接続されたメモリセルMC1m,MC2m(m=2,3・・・M)にはディスターブが殆ど発生しない。
【0547】
一方、(1B)〜(9B)の工程においては、選択されたプレート線PL1の電位はVPL-L(=0ボルト)、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)は(1/2)VPL-H[=(1/2)Vcc]に固定されている。また、ビット線BLVBL-L(=0ボルト)あるいはVBL-H(=Vcc)である。従って、非選択のプレート線PLm(m=2,3・・・M)に接続されたメモリセルには±(1/2)Vccのディスターブが加わるものの、これらのメモリセルに加わる電位は安定しており、抗電圧をそれ以上に設定してあれば分極の反転は起こらない。また、選択されたプレート線PL1に接続されたメモリセルMC11,MC21には実効的にディスターブは加わらない。
【0548】
実施の形態1〜実施の形態11にて説明したメモリユニットの構造を実施の形態21における不揮発性メモリに適宜適用することができる。また、実施の形態13にて説明した所謂フラッシュメモリと同様に選択されたプレート線に接続されたメモリセルを一括して書き換える不揮発性メモリの駆動方法を実施の形態21に適用することもできるし、更には、実施の形態14にて説明した不揮発性メモリの駆動方法を実施の形態21に適用することもできる。
【0549】
以上、本発明を、発明の実施の形態に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。発明の実施の形態にて説明した不揮発性メモリの構造、使用した材料、各種の形成条件、回路構成、駆動方法等は例示であり、適宜変更することができる。
【0550】
一般に、単位ユニットの駆動用の信号線の合計本数をA本、その内のワード線本数をB本、プレート線の本数をC本とすると、A=B+Cである。ここで、合計本数Aを一定とした場合、単位ユニットの総アドレス数(=B×C)が最大となるには、B=Cを満足すればよい。従って、最も効率良く周辺回路を配置するためには、単位ユニットにおけるワード線本数Bとプレート線の本数Cとを等しくすればよい。また、ロー・アドレスのアクセス単位ユニットにおけるワード線本数はメモリセルの積層段数に一致し、プレート線本数はメモリユニットあるいはサブメモリユニットを構成するメモリセルの数に一致するが、これらのワード線本数、プレート線本数が多いほど、実質的な不揮発性メモリの集積度は向上する。そして、ワード線本数とプレート線本数の積がアクセス可能なアドレス回数である。ここで、一括して、且つ、連続したアクセスを前提とすると、その積から「1」を減じた値がディスターブ回数である。従って、ワード線本数とプレート線本数の積の値は、メモリセルのディスターブ耐性、プロセス要因等から決定される。
【0551】
例えば、図52に示すように、実施の形態2の不揮発性メモリの変形例として、第1の電極21’を上部電極とし、第2の電極23’を下部電極とすることもできる。このような構造は、他の発明の実施の形態における不揮発性メモリにも適用することができる。尚、図52中、参照番号26B,26Cは、それぞれ、第1の層間絶縁層の下層及び上層を示し、参照番号36B,36Cは、それぞれ、上部絶縁層の下層及び上層を示す。
【0552】
強誘電体層22,32,42,52は、不揮発性メモリの製造方法に依って、第1の電極と略同じ平面形状を有し、第1の電極を覆うように形成されていてもよい。あるいは又、強誘電体層をパターニングしない構成としてもよい。
【0553】
また、発明の実施の形態においては、専ら、1つの選択用トランジスタに複数のメモリセルが接続された構成の不揮発性メモリを説明したが、本発明の第7の態様若しくは第8の態様に係る不揮発性メモリの構成は、非選択のメモリセルにディスターブが発生する構造を有する如何なる形式、構成の不揮発性メモリにも適用することができる。例えば、選択用トランジスタとキャパシタ部とが一体になった構成の不揮発性メモリ、具体的には、電界効果型トランジスタのゲート絶縁膜の代わりに、強誘電体薄膜が形成された構造のメモリセルが、複数、配列されて成るメモリユニットから構成された不揮発性メモリに、本発明の第7の態様若しくは第8の態様に係る不揮発性メモリを適用することもできる。
【0554】
【発明の効果】
本発明の第1の態様〜第5の態様に係る不揮発性メモリによれば、複数のメモリセルが設けられているが故に、1ビット当たりのセル面積の減少を図ることができ、しかも、メモリユニットやサブメモリユニットが積層されているが故に、より一層、高集積化された、例えば、ギガバイト級の不揮発性メモリを実現することが可能となる。また、最小加工寸法に制限されずに、不揮発性メモリの大容量化を図ることができる。更には、アドレス選択における駆動配線数を削減することで周辺回路の縮小を図ることができる。しかも、メモリセルの縮小と周辺回路の削減とを両立させることができ、デバイス全体として整合のとれた集積度向上が可能となる。
【0555】
また、本発明の第6の態様に係る不揮発性メモリによれば、各段に位置するキャパシタ部やメモリユニット、サブメモリユニットを構成するメモリセルの強誘電体層の結晶化温度を規定することによって、積層されたキャパシタ部やメモリユニット、サブメモリユニットの段数だけ結晶化熱処理を行っても、下方に位置するキャパシタ部やメモリユニット、サブメモリユニットを構成するメモリセルやキャパシタ部の特性劣化といった問題が生ぜず、優れた性能を有する不揮発性メモリを得ることができる。
【0556】
また、本発明の第7の態様〜第8の態様に係る不揮発性メモリにおいては、出力が負の温度特性を有する電源電圧回路を備え、あるいは又、クランプ電圧が負の温度特性を有するクランプ回路を備えているが故に、不揮発性メモリの動作温度が高くなり、強誘電体層の抗電圧が減少しても、非選択のメモリセルにおける強誘電体層に加わる電界を緩和することができる結果、非選択のメモリセルにおける強誘電体層の電荷反転を確実に防止することができる。それ故、要求される温度範囲での不揮発性メモリの動作を確実に保証することが可能となり、安定した特性を有する不揮発性メモリを提供することができる。
【0557】
更には、本発明の第9の態様〜第11の態様に係る不揮発性メモリにおいては、第1の電極は、メモリユニットあるいは又サブメモリユニットを構成する複数のメモリセルに共通であるが故に、第1の電極に一種の追加の負荷容量が付加された状態にあり、データの読み出し時、プレート線に電圧を印加した際、浮遊状態にある第1の電極の電位上昇を抑制することができ、第1の電極と第2の電極との間に十分な電位差を生じさせることができるので、強誘電体層に分極反転を確実に発生させることが可能となる。
【0558】
本発明第12の態様〜第13の態様に係る不揮発性メモリ及び本発明第1の態様〜第3の態様に係る駆動方法においては、不揮発性メモリの高集積化を達成することができる。しかも、本発明の第1の態様〜第2の態様に係る不揮発性メモリの駆動方法においては、プレート線を共有した第1のメモリセル及び第2のメモリセルに記憶されたデータの読み出し及びデータの再書き込みを1回のプレート線の電位立ち上げ及び電位立ち下げにて行い、第3の態様に係る不揮発性メモリの駆動方法においては、プレート線を共有したメモリセルに記憶されたデータの読み出しを、先ず、該プレート線にパルスを与え、次いで、N個の選択用トランジスタを順次選択して行うので、このとき、プレート線を共有したメモリセル、あるいは又、第1のメモリセル及び第2のメモリセルがディスターブを受けることがなく、各メモリセルがディスターブを受ける回数を少なくすることができる。また、複数のメモリセルに接続されているプレート線は負荷容量が大きく、駆動速度が遅い(即ち、充放電に時間を要する)が、メモリセル、あるいは、第1のメモリセル及び第2のメモリセルに記憶されたデータの読み出し及びデータの再書き込みを1回のプレート線の電位立ち上げ及び電位立ち下げにて行うので、高速動作、低消費電力が可能となる。また、本発明の第12の態様〜第13の態様に係る不揮発性メモリにおいては、ラッチ回路、あるいは、第1のラッチ回路及び第2のラッチ回路を備えているので、メモリセル、あるいは、第1及び第2のメモリセルへのデータの再書き込みを確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1の強誘電体型不揮発性半導体メモリの回路図である。
【図2】発明の実施の形態1の強誘電体型不揮発性半導体メモリの模式的な一部断面図である。
【図3】発明の実施の形態1の強誘電体型不揮発性半導体メモリへのデータ書き込み時の動作波形を示す図である。
【図4】発明の実施の形態1の強誘電体型不揮発性半導体メモリからデータを読み出し、データを再書き込みするときの動作波形を示す図である。
【図5】発明の実施の形態2の強誘電体型不揮発性半導体メモリの回路図である。
【図6】発明の実施の形態2の強誘電体型不揮発性半導体メモリの模式的な一部断面図である。
【図7】発明の実施の形態2の強誘電体型不揮発性半導体メモリへのデータ書き込み時の動作波形を示す図である。
【図8】発明の実施の形態2の強誘電体型不揮発性半導体メモリからデータを読み出し、データを再書き込みするときの動作波形を示す図である。
【図9】発明の実施の形態3の強誘電体型不揮発性半導体メモリの回路図である。
【図10】発明の実施の形態3の強誘電体型不揮発性半導体メモリの模式的な一部断面図である。
【図11】発明の実施の形態4の強誘電体型不揮発性半導体メモリの模式的な一部断面図である。
【図12】発明の実施の形態5の強誘電体型不揮発性半導体メモリの回路図である。
【図13】発明の実施の形態5の強誘電体型不揮発性半導体メモリからデータを読み出し、データを再書き込みするときの動作波形を示す図である。
【図14】発明の実施の形態5の強誘電体型不揮発性半導体メモリに発明の実施の形態1にて説明した強誘電体型不揮発性半導体メモリを適用したときの回路図である。
【図15】発明の実施の形態6の強誘電体型不揮発性半導体メモリの回路図である。
【図16】発明の実施の形態6の強誘電体型不揮発性半導体メモリの模式的な一部断面図である。
【図17】発明の実施の形態6の強誘電体型不揮発性半導体メモリの変形例(N=4)の回路図である。
【図18】図16に回路図を示した発明の実施の形態6の強誘電体型不揮発性半導体メモリの変形例(N=4)の模式的な一部断面図である。
【図19】発明の実施の形態6の強誘電体型不揮発性半導体メモリの別の変形例(N=4)の回路図である。
【図20】発明の実施の形態7の強誘電体型不揮発性半導体メモリの模式的な一部断面図である。
【図21】発明の実施の形態8の強誘電体型不揮発性半導体メモリの回路図である。
【図22】発明の実施の形態8の強誘電体型不揮発性半導体メモリの模式的な一部断面図である。
【図23】発明の実施の形態8の強誘電体型不揮発性半導体メモリの動作波形を示す図である。
【図24】発明の実施の形態8の強誘電体型不揮発性半導体メモリにおける電源電圧回路、及び、参照電圧回路の一例を示す回路図である。
【図25】発明の実施の形態8の強誘電体型不揮発性半導体メモリにおける参照電圧回路の変形例を示す回路図である。
【図26】発明の実施の形態8の強誘電体型不揮発性半導体メモリの変形例の回路図である。
【図27】発明の実施の形態9の強誘電体型不揮発性半導体メモリの回路図である。
【図28】発明の実施の形態9の強誘電体型不揮発性半導体メモリにおけるクランプ回路の回路図である。
【図29】発明の実施の形態10の強誘電体型不揮発性半導体メモリの回路図である。
【図30】発明の実施の形態10の強誘電体型不揮発性半導体メモリにおけるレイアウト図である。
【図31】発明の実施の形態10の強誘電体型不揮発性半導体メモリの模式的な一部断面図である。
【図32】発明の実施の形態10の強誘電体型不揮発性半導体メモリの、図31とは異なる断面で見たときの模式的な一部断面図である。
【図33】発明の実施の形態10の強誘電体型不揮発性半導体メモリのデータ書き込み動作における動作波形を示す図である。
【図34】発明の実施の形態10の強誘電体型不揮発性半導体メモリのデータ読み出し及び再書き込み動作における動作波形を示す図である。
【図35】発明の実施の形態10において、サブメモリユニットを構成するメモリセルの個数(M)の値と信号電位との関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。
【図36】発明の実施の形態11の強誘電体型不揮発性半導体メモリの回路図である。
【図37】発明の実施の形態11の強誘電体型不揮発性半導体メモリにおけるレイアウト図である。
【図38】検出用トランジスタの一端が接続された配線の所定の電位を0ボルトとした場合の、ビット線間に配設された一種のスイッチ回路を示す回路図である。
【図39】発明の実施の形態12の強誘電体型不揮発性半導体メモリの回路図である。
【図40】発明の実施の形態12の強誘電体型不揮発性半導体メモリの模式的な一部断面図である。
【図41】ラッチ回路の回路図の一例である。
【図42】発明の実施の形態12及び発明の実施の形態16の強誘電体型不揮発性半導体メモリの動作波形を示す図である。
【図43】発明の実施の形態12及び発明の実施の形態16の強誘電体型不揮発性半導体メモリの動作波形を示す図である。
【図44】発明の実施の形態13び発明の実施の形態17の強誘電体型不揮発性半導体メモリの動作波形を示す図である。
【図45】発明の実施の形態14及び発明の実施の形態18の強誘電体型不揮発性半導体メモリの動作波形を示す図である。
【図46】発明の実施の形態15の強誘電体型不揮発性半導体メモリの模式的な一部断面図である。
【図47】発明の実施の形態16の強誘電体型不揮発性半導体メモリの回路図である。
【図48】発明の実施の形態21の強誘電体型不揮発性半導体メモリの回路図である。
【図49】発明の実施の形態21の強誘電体型不揮発性半導体メモリの模式的な一部断面図である。
【図50】発明の実施の形態21の強誘電体型不揮発性半導体メモリの動作波形を示す図である。
【図51】発明の実施の形態21の強誘電体型不揮発性半導体メモリの動作波形を示す図である。
【図52】発明の実施の形態4の強誘電体型不揮発性半導体メモリの変形例の模式的な一部断面図である。
【図53】強誘電体のP−Eヒステリシスループ図である。
【図54】米国特許第4873664号に開示された強誘電体型不揮発性半導体メモリの回路図である。
【図55】特開平9−121032号公報に開示された強誘電体型不揮発性半導体メモリの回路図である。
【図56】20゜C及び105゜Cにおける強誘電体材料のP−Eヒステリシスループを例示した図である。
【図57】DRAMにおけるゲインセルの回路図、及び、従来の米国特許第4873664号に開示された強誘電体型不揮発性半導体メモリにこのゲインセルを適用した場合の回路図である。
【符号の説明】
10・・・シリコン半導体基板、11・・・素子分離領域、12・・・ゲート絶縁膜、13・・・ゲート電極、14・・・ソース/ドレイン領域、15・・・コンタクトホール、16・・・絶縁層、17,27,37、47・・・開口部、18,181,182,18A,18B,18C,28,38,48・・・接続孔、21,21A,21B・・・第1の電極、22,22A,22B,32,32A,32B,42,52・・・強誘電体層、23,33,43,53・・・第2の電極、25,35,45・・・接続部、26,36,46・・・層間絶縁層、26A,36A,56A・・・層間絶縁層、61,61A,61B・・・参照電圧回路、62,64,66・・・第1の抵抗素子、63,65,67・・・第2の抵抗素子、70・・・比較器、71・・・第1の入力部、72・・・第2の入力部、73,81・・・PMOS型FET、74・・・VDL端子、80・・・クランプ回路、MU・・・メモリユニット、SMU・・・サブメモリユニット、MC・・・メモリセル、TR・・・選択用トランジスタ、TRW・・・書込用トランジスタ、TRR・・・読出用トランジスタ、TRS・・・検出用トランジスタ、WL・・・ワード線、BL・・・ビット線、PL・・・プレート線、WD・・・ワード線デコーダ/ドライバ、SA・・・センスアンプ、PD・・・プレート線デコーダ/ドライバ、CN・・・共通ノード、LC・・・ラッチ回路、CL・・・ラッチ制御線、TRSW・・・スイッチング用のトランジスタ

Claims (9)

  1. (A)ビット線と、
    (B)選択用トランジスタと、
    (C)それぞれがM個(但し、M≧2)のメモリセルから構成された、N個(但し、N≧2)のメモリユニットと、
    (D)M×N本のプレート線、
    から成り、
    N個のメモリユニットは、層間絶縁層を介して積層されており、
    各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
    各メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、該共通の第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
    第n番目(但し、n=1,2・・・N)のメモリユニットにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルの第2の電極は、第[(n−1)M+m]番目のプレート線に接続されており、
    第[(n−1)M+m]番目のプレート線の内、mを共通とするプレート線は互いに前記層間絶縁層を介して積層されており、nを共通とするプレート線は互いに同一階層に配されていることを特徴とする強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  2. 上方に位置するメモリユニットのメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度は、下方に位置するメモリユニットのメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  3. (A)ビット線と、
    (B)N個(但し、N≧2)の選択用トランジスタと、
    (C)それぞれがM個(但し、M≧2)のメモリセルから構成された、N個のメモリユニットと、
    (D)M本のプレート線、
    から成り、
    N個のメモリユニットは層間絶縁層を介して積層されており、
    各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
    各メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、
    第n番目(但し、n=1,2・・・N)のメモリユニットにおける共通の第1の電極は、第n番目の選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
    第n番目のメモリユニットにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルの第2の電極は、メモリユニット間で共通とされた第m番目のプレート線に接続されていることを特徴とする強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  4. (A)ビット線と、
    (B)2N個(但し、N≧1)の選択用トランジスタと、
    (C)それぞれがM個(但し、M≧2)のメモリセルから構成された、2N個のメモリユニットと、
    (D)M本のプレート線、
    から成り、
    各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
    各メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、
    第(2n−1)番目(但し、n=1,2・・・N)のメモリユニットにおける共通の第1の電極は、第(2n−1)番目の選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
    第2n番目のメモリユニットにおける共通の第1の電極は、第2n番目の選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
    第(2n−1)番目のメモリユニットを構成する第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルと、第2n番目のメモリユニットを構成する第m番目のメモリセルは、第2の電極を共有し、第(2n−1)番目のメモリユニットを構成する第m番目のメモリセルの第1の電極と第2n番目のメモリユニットを構成する第m番目のメモリセルの第1の電極とは、第2の電極を介して積層されており、該共有された第m番目の第2の電極は第m番目のプレート線に接続されていることを特徴とする強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  5. (A−1)第1のビット線と、
    (B−1)N個(但し、N≧1)の第1の選択用トランジスタと、
    (C−1)それぞれがM個(但し、M≧2)の第1のメモリセルから構成された、N個の第1のサブメモリユニットと、
    (D−1)N個の第1のサブメモリユニット間において、N個の第1のサブメモリユニットのそれぞれを構成する第1のメモリセルで共通とされたM本のプレート線、
    から成る第1のメモリユニット、並びに、
    (A−2)第2のビット線と、
    (B−2)N個の第2の選択用トランジスタと、
    (C−2)それぞれがM個の第2のメモリセルから構成された、N個の第2のサブメモリユニットと、
    (D−2)N個の第2のサブメモリユニット間において、N個の第2のサブメモリユニットのそれぞれを構成する第2のメモリセルで共通とされ、且つ、前記第1のメモリユニットを構成するM本のプレート線と共通のM本のプレート線、
    から成る第2のメモリユニットから構成され、
    第1のサブメモリユニットは、層間絶縁層を介して、第2のサブメモリユニットと積層されており、
    各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
    第1のメモリユニットにおいて、第n番目(但し、n=1,2・・・N)の第1のサブメモリユニットを構成する第1のメモリセルの第1の電極は、第n番目の第1のサブメモリユニットにおいて共通であり、該共通の第1の電極は、第n番目の第1の選択用トランジスタを介して第1のビット線に接続され、第m番目(但し、m=1,2・・・M)の第1のメモリセルの第2の電極は共通の第m番目のプレート線に接続されており、
    第2のメモリユニットにおいて、第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第2のメモリセルの第1の電極は、第n番目の第2のサブメモリユニットにおいて共通であり、該共通の第1の電極は、第n番目の第2の選択用トランジスタを介して第2のビット線に接続され、第m番目の第2のメモリセルの第2の電極は共通の第m番目のプレート線に接続されていることを特徴とする強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  6. 上方に位置するサブメモリユニットのメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度は、下方に位置するサブメモリユニットのメモリセルを構成する強誘電体層の結晶化温度よりも低いことを特徴とする請求項5に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  7. 第1のビット線及び第2のビット線は同一のセンスアンプに接続されていることを特徴とする請求項5に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  8. (A−1)第1のビット線と、
    (B−1)N個(但し、N≧1)の第1の選択用トランジスタと、
    (C−1)それぞれがM個(但し、M≧2)の第1のメモリセルから構成された、N個の第1のサブメモリユニットと、
    (D−1)N個の第1のサブメモリユニット間において、N個の第1のサブメモリユニットのそれぞれを構成する第1のメモリセルで共通とされたM本のプレート線、
    から成る第1のメモリユニット、並びに、
    (A−2)第2のビット線と、
    (B−2)N個の第2の選択用トランジスタと、
    (C−2)それぞれがM個の第2のメモリセルから構成された、N個の第2のサブメモリユニットと、
    (D−2)N個の第2のサブメモリユニット間において、N個の第2のサブメモリユニットのそれぞれを構成する第2のメモリセルで共通とされ、且つ、前記第1のメモリユニットを構成するM本のプレート線と共通のM本のプレート線、
    から成る第2のメモリユニットから構成され、
    各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
    第1のメモリユニットにおいて、第n番目(但し、n=1,2・・・N)の第1のサブメモリユニットを構成する第1のメモリセルの第1の電極は、第n番目の第1のサブメモリユニットにおいて共通であり、該共通の第1の電極は、第n番目の第1の選択用トランジスタを介して第1のビット線に接続され、
    第2のメモリユニットにおいて、第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第2のメモリセルの第1の電極は、第n番目の第2のサブメモリユニットにおいて共通であり、該共通の第1の電極は、第n番目の第2の選択用トランジスタを介して第2のビット線に接続され、
    第1のメモリユニットにおける第n番目の第1のサブメモリユニットを構成する第m番目(但し、m=1,2・・・M)の第1のメモリセルと、第2のメモリユニットにおける第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第m番目の第2のメモリセルは、第2の電極を共有し、第1のメモリユニットにおける第n番目の第1のサブメモリユニットを構成する第m番目の第1のメモリセルの第1の電極と、第2のメモリユニットにおける第n番目の第2のサブメモリユニットを構成する第m番目の第2のメモリセルの第1の電極とは、第2の電極を介して積層されており、該共有された第2の電極は第m番目のプレート線に接続されていることを特徴とする強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  9. 第1のビット線及び第2のビット線は同一のセンスアンプに接続されていることを特徴とする請求項8に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
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