JP4665237B2 - インクジェット用生地 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピューターに読み取られた原画をインクジェットプリンターによってインクを印捺して再現するために使用されるインクジェット用生地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンターによって生地に再現される画像(以下、インクジェット画像と言う。)の輪郭を鮮鋭にし、或いは、濃度を高めるために、生地の表面に水溶性樹脂を塗布してインクの周囲への滲み出しを防止し、或いは又、その水溶性樹脂によって生地の表面を平滑に揃えてインクの付着量のバラツキをなくす方法が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術は、インクジェット画像を在来のオフセットやグラビア印刷画像や写真画像と同程度に鮮明にすることを目的とするものであり、在来のオフセットやグラビア印刷画像や写真画像よりも優れた芸術的価値のある画像を描出するものではない。
【0004】
【発明の目的】
そこで本発明は、オフセットやグラビア印刷画像や写真画像に比して色彩に深みを帯び、立体感があって芸術的にも価値のあるインクジェット画像を生地に再現することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明に係るインクジェット用生地17は、インクジェット生地本体11の表面に塗布された接着剤12の塗布面に、セルロース系繊維13と無機質微粉末14とバインダー15によって造粒されて内部に隙間19を有する粒径1mm以下の粉粒体16が散布接着されており、粉粒体16の表面に割れ目21が発生していることを特徴とするものである。繊維13にはパルプ繊維を用い、無機質微粉末14には炭酸カルシウムか珪藻土を用いるとよい。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明によると、インクジェットプリンターのノズルから噴射されるインクは、粉粒体16と粉粒体16の間の隙間18か、粉粒体16の表面に突き当たる。その粉粒体16・16の間に噴射されたインクは、その隙間18に入り込むので撥ね返ることはない。又、粉粒体16の表面に噴射されたインクは、その表面がインクの噴射方向に対して少なからず傾斜した曲面となるので、その噴射方向に沿って斜め方向に撥ね返るとしても、その斜め方向には隣合う粉粒体が介在するので、その撥ね返ったインクは隣合う粉粒体16粉粒体16の間の隙間18に入り込む。粉粒体16は、繊維13と無機質微粉末14とバインダー15の混合物であり、その表面には少なからず繊維の一部が突き出た細かい凹凸が形成され、その内部には無機質微粉末14によって繊維13と繊維13が分け隔てられた微細隙間19が出来、粉粒体16の表面に噴射されたインクは、その表面の細かい凹凸に吸収され、そこから繊維を伝わって内部の微細隙間19に吸収される。更に、粉粒体16の表面に噴射されたインクは、噴射方向に付勢されており、粉粒体内部の微細隙間19に吸収される過程で噴射方向に流動し拡散して粉粒体16の表面全体を被覆する。かくして、噴射されたインクは、プリンターのノズルの先端が向き合う粉粒体16の粒径に応じた極く限定された狭い箇所に付着し、その周囲に滲み出すことはなく、インクジェット画像が鮮明に再現される。
【0007】
上記の通り、無機質微粉末14は、それによって繊維間13・13が分け隔てられ、その間に微細隙間19が出来るようにするために混合される。従って、無機質微粉末14の粒径は、繊維13の太さと同等になる程度に限りなく微細に、概して20〜300μmにするとよい。無機質微粉末14には、炭酸カルシウム、ゼオライト、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、珪藻土等のラテックスその他の樹脂組成物の充填剤として使用されているもののほか、セメント、石膏等も使用することが出来る。その中でも、珪藻土の如く、無機質微粉末14それ自体が多孔質構造をなすものを用いることが推奨される。それは、粉粒体16の内部に微細隙間19が緻密に出来るようにするためである。
【0008】
繊維13の長さは、粉粒体16の粒径を細かくするためにも、粉粒体16の粒径の10倍以下、概して10mm以下、好ましくは5mm以下にする。好ましい繊維は、吸水性を有し、インクが馴染み易いセルロース系繊維であり、特に、パルプ繊維が推奨される。そのパルプ繊維は、故紙を粉砕したものであってもよい。
【0009】
バインダー15は、繊維13や無機質微粉末14を接着して粉粒体16の形状を維持する程度に微量使用し、その使用量は、バインダー15によって粉粒体の微細隙間19が安全に塞がれない程度にする。粉粒体16は概して1mm以下、好ましくは300μm以下にするが、その粒径はインクジェット画像の用途によって異なり、看板や広告塔などの比較的遠方から見られるインクジェット画像では粗くし、絵葉書や絵画などの比較的至近距離から見られるものでは細かくする。
【0010】
繊維13は、その使用量が僅かでも絡み合って網状立体構造物を形成し、その中に無機質微粉末14が絡み込まれて保持されることになるので、繊維13とバインダー15の使用量は、容積比率にして無機質微粉末14の半分以下でよく、そうすることによってインクジェット用生地17に不燃性を付与することが出来る。インクジェット用生地17の不燃性を高めるためには、結晶水を含有していて防炎作用をなす水酸化アルミニウムを使用するとよい。
【0011】
粉粒体16の散布積層面には、剥離脱落を抑えるために塗料20を上塗りするとよい。又、粉粒体16の剥離脱落を抑えるには、塗料20を塗布し、又は、塗布することなく、エンボスロールに通して粉粒体16による凹凸を抑え、散布積層面を平滑にするとよい。そのようにエンボスロールに通しても粉粒体16と粉粒体16の間の凹部(隙間18)は消えることなく残り、表面に露出した繊維13がインクを内部の微細隙間19へと導く導管の役目をなし、又、エンボスロールに押し潰されて粉粒体16の表面に割れ目21が細かく発生してインクが吸収され易くなるので、エンボスロールに通して表面を平滑に仕上げても何ら不都合は生ぜず、表面が平滑で耐摩耗性に優れたインクジェット用生地17に仕上がる。
【0012】
このように粉粒体16によって生地本体11にインクに対する吸収性が付与される。従って、生地本体11には、紙や布(織物、不織布)等の吸水性を有する多孔質シートだけではなく、従来インクジェットに使用されていないプラスチックフイルムや金属シート(薄手の金属板や金属箔)その他の非吸水性シートも使用することが出来る。尚、エンボスロールに通すことによって粉粒体16の表面に割れ目21が出来るとしても、繊維13が絡合しているので粉粒体16が細かく粉砕されることはない。
【0013】
長さが2〜5mm前後のパルプ繊維13と粒径50μm前後の炭酸カルシウム14とアクリル樹脂エマルジョン15によって造粒した粒径350μm前後の粉粒体16を、カルボキシルメチルセルロースソーダー塩(C.M.C.)によって増粘したアクリル樹脂エマルジョン組成物12を塗布した坪量98g/m2 の壁張り用難燃性裏打紙の塗布面に散布積層して得られた生地17を、市販のパソコン用インクジェットプリンターに通してインクを塗着したところ、画像が鮮明で立体感のある印刷物が得られた。
【0014】
【発明の効果】
上記の通り本発明によると、インクに対する吸収性が粉粒体16によって付与されるので、プラスチックフイルムや金属シートを生地本体11に使用して耐水性に優れたインクジェット用生地17を得ることが出来る。
【0015】
インクジェットプリンターのノズルから噴射されるインクは、生地17の表面で飛散せず、ノズルに向き合う粉粒体16によって限定された狭い箇所に点状に付着するので、インクジェット画像が鮮明に再現される。
【0016】
生地本体11に散布接着された粉粒体全体16がインクに被覆され、インクを盛り上げて塗着したかの如き観を呈し、又、粉粒体16による細かい起伏(凹凸)が表面に出来るので、オフセットやグラビア印刷画像や写真画像に比して色彩に深みを帯び、輪郭が鮮鋭で油絵の如く立体感があり、芸術的にも価値のあるインクジェット画像を再現することが出来る。
【0017】
粉粒体16が不燃性の無機質微粉末14を含有するので、内装材や外装材に適した不燃性のインクジェット印刷物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット用生地の断面図であり、その一部を円で囲んで拡大して図示している。
【符号の説明】
11 生地本体
12 接着剤
13 繊維
14 無機質微粉末
15 バインダー
16 粉粒体
17 インクジェット用生地
18 隙間
19 微細隙間
20 塗料
21 割れ目
Claims (1)
- インクジェット生地本体(11)の表面に塗布された接着剤(12)の塗布面に、セルロース系繊維(13)と無機質微粉末(14)とバインダー(15)によって造粒されて内部に隙間(19)を有する粒径1mm以下の粉粒体(16)が散布接着されており、粉粒体(16)の表面に割れ目21が発生していることを特徴とするインクジェット用生地。
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