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JP4661073B2 - 積層フィルム - Google Patents

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JP4661073B2 JP2004111093A JP2004111093A JP4661073B2 JP 4661073 B2 JP4661073 B2 JP 4661073B2 JP 2004111093 A JP2004111093 A JP 2004111093A JP 2004111093 A JP2004111093 A JP 2004111093A JP 4661073 B2 JP4661073 B2 JP 4661073B2
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Description

本発明は、積層フィルムに関するものである。
熱可塑性樹脂フィルムは、包装材料をはじめ、ラベル・グラフィック・OHP・離型・インクリボン・電気絶縁・感熱孔版・スタンピングなどの種々の工業材料や、オーディオ・ビデオ・データストレージなどの磁気材料などとして幅広く利用されている。これら種々の用途において、一般的には高剛性でかつ高温下での寸法安定性にすぐれた材料が必要とされている。
これらの用途においては、一般に、フィルムは支持体として用いられており、フィルムに印刷、蒸着、スパッタ、メッキ、ラミネート、コーティング、成形加工などの種々の加工が高温下にて施されるため、その処理工程おいて高剛性であることが、支持体であるフィルムの腰が強くなりハンドリングがよくなるという点から重要であるとともに、寸法安定性が高いことは加工時の変形を抑制できるため精度良く加工を施せるために重要である。この中で特に、高温下での寸法安定性にも優れ、成形加工性や表面加工特性にも優れたフィルム(例えば特許文献1参照)が存在する。
一方、熱可塑性樹脂を多層に積層したフィルムとしては、種々提案されており、例えば、耐引裂性に優れた多層に積層したフィルムをガラス表面に貼りつけることにより、ガラスの破損および飛散を大幅に防止できるもの(特許文献2、)、屈折率の異なる樹脂層を交互に多層に積層することより、選択的に特定の波長を反射するフィルム(特許文献3)等が存在する。
しかし、これらのフィルムは高温下での寸法安定性が不十分であったり、成形加工性についても満足すべきものではなかった。
特開2003-11217号公報(第2頁) 特開平6-190995号公報(第2頁) 特表平9-506837号公報(第2頁)
本発明は上記した背景技術の問題点に鑑み、高剛性でかつ高温下での寸法安定性に優れ、さらに加熱後の透明性や、広い温度範囲での成型加工性にも優れたフィルムを提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、本発明の積層フィルムは以下の構成からなる。すなわち、ポリエチレンテレフタレートからなる層とポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルからなる層によって形成される厚みが30nm未満の層が50層以上の積層フィルムであって、ポリエチレンテレフタレートの融点がポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルの融点より5℃以上高く、動的粘弾性測定におけるα緩和温度が、(ポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルのα緩和温度+10)℃〜(ポリエチレンテレフタレートのα緩和温度−10)℃の間にのみ1つ観察され、かつ融点が2つ以上存在することを特徴とする。
本発明の積層フィルムは、ポリエチレンテレフタレートからなる層とポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルからなる層によって形成される厚みが30nm未満の層が50層以上の積層フィルムであって、ポリエチレンテレフタレートの融点がポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルの融点より5℃以上高く、動的粘弾性測定における積層フィルムのα緩和の温度が、(ポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルのα緩和温度+10)℃〜(ポリエチレンテレフタレートのα緩和温度−10)℃の間にのみ1つ少なくとも観察され、かつ融点が2つ以上存在することを特徴とする積層フィルムであるため、高剛性でかつ高温下での寸法安定性に優れ、さらに加熱後の透明性や、広い温度範囲での成型加工性にも優れたフィルムを得ることができる。
また積層フィルムの熱膨張係数が110ppm以下とすることにより、高温下での寸法安定性に優れ、高温下での高精度な成形が可能となるものである。
さらに、加熱試験後のヘイズ上昇値が15%以下とすることにより、加熱後の透明性に優れ、成形体とした場合光沢のある外観の優れたものとなるものである。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の積層フィルムは、ポリエチレンテレフタレートからなる層と、ポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルからなる層によって形成される厚みが30nm未満の層が50層以上の積層フィルムである。さらに好ましくは厚みが30nm未満である層を500層以上含んでおり、最も好ましくは厚みが30nm未満である層を1000層以上含んでいることである。層が50層より少ない場合には、フィルム中に占める微細構造制御が達成された部位の割合が極端に低下するため、高温下での寸法安定性および成型加工性の効果が十分ではなくなる。
また、ここで層厚みが30nm未満の場合、サイズ効果による層間の相互作用のために従来の方法では達することができなかった結晶部および非晶部の微細構造制御が達成され、熱可塑性樹脂の特徴を損なうことなく、高温下での寸法安定性を飛躍的に向上するため好ましい。より好ましくは、15nm未満である。15nm未満の場合、さらに高温下での寸法安定性が向上するものである。また、厚みが30nm未満の層が500層以上の場合には高温下での寸法安定性と成形性がさらに向上する。また、厚みが30nm未満の層が1000層以上の場合には、高温下での寸法安定性と成型加工性がさらに向上する。上限値は特に限定されないが、50000層以下であることが好ましい。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の層、例えば熱可塑性樹脂Cを有していても良い。例えば、熱可塑性樹脂A、熱可塑性樹脂B、熱可塑性樹脂Cの3種からなる場合には、A(BCA)n、A(BCBA)n、A(BABCBA)nなどの規則的順列で積層されることがより好ましい。ここでnは繰り返しの単位数であり、例えばA(BCA)nにおいてn=3の場合、厚み方向にABCABCABCAの順列で積層されているものを表す。また、2種類の熱可塑性樹脂からなる場合、それらが交互に積層された構造を有することがより好ましい。
ここで、本発明における熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチルサクシネート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル樹脂であることがより好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂として好ましいポリエステルとは、ジカルボン酸成分とジオール成分との重縮合体でのことを言う。ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられ、またこれらのエステル誘導体も含まれる。グリコール成分としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。特に、ポリエステル樹脂の中でも、ポリエチレン−2,6−ナフタレートやポリエチレンテレフタレートが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートがさらに好ましい。またこれらの熱可塑性樹脂としてはホモ樹脂であってもよく、共重合または2種類以上のブレンドであってもよい。また、各層中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤などが添加されていてもよい。
本発明の積層フィルムは、動的粘弾性測定における積層フィルムのα緩和温度が、(ポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルのα緩和温度+10)℃〜(ポリエチレンテレフタレートのα緩和温度−10)℃の間にのみ1つ観察され、かつ融点が2つ以上存在することが必要である。α緩和温度がこのような範囲となるため、厚みが30nm未満でポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルからなる層が50層以上積層されている。本発明の積層フィルムは、本来動的粘弾性測定において異なるα緩和温度をもつポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルを積層しているにもかかわらず、非常に微細な層構造となるため、積層フィルム自体のα緩和温度は、(ポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルのα緩和温度+10)℃〜(ポリエチレンテレフタレートのα緩和温度−10)℃の間に単一の樹脂であるかのように一つ観察されるものである。これに対し、DSCによる融点測定においては、ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステル個々の融点のピークが存在し、それぞれの樹脂の熱的性質が損なわれないことが必要である。このような場合に結晶部および非晶部の微細構造制御が達成され、各熱可塑性樹脂の特徴を損なうことなく、高剛性でかつ高温下での寸法安定性に優れ、さらに加熱後の透明性や広い温度範囲での成形加工性にも優れたフィルムを得ることができる。ここで、本発明におけるα緩和とは、動的粘弾性測定において、フィルム非晶部の比較的長い分子鎖の運動に起因するものであり、延伸フィルムのガラス転移温度に相当するものである(村上謙吉著 レオロジー基礎論 第132頁参照)。本発明積層フィルムのα緩和温度はより好ましくは(ポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルのα緩和温度+12)℃〜(ポリエチレンテレフタレートのα緩和温度−12)℃である。この場合上述の効果のうち加熱後の透明性がさらに向上するため好ましい。α緩和温度をこのような温度範囲にするためには積層フィルム内でのポリエチレンテレフタレートの重量比率を20wt%〜80wt%にすることが好ましい。またさらに好ましくは(ポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルのα緩和温度+15)℃〜(ポリエチレンテレフタレートのα緩和温度−15)℃である。この場合上述の効果のうち高温下での寸法安定性と加熱後の透明性がさらに向上するため、より好ましい。α緩和温度をこのような温度範囲にするためには積層フィルム内でのポリエチレンテレフタレートの重量比率を35wt%〜65wt%にすることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートの重量比率が20wt%未満の場合、一方の結晶制御が十分でなく、高温下での寸法安定性の効果が低減する場合がある。また80wt%より大きい場合も同様である。
本発明に用いる熱可塑性樹脂は、ポリエチレンテレフタレートの融点がポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルの融点より5℃以上高い。このような樹脂を用いると、30nm未満の層が50層以上である場合、両樹脂の結晶からなるラメラの周期構造が層内に形成されるため、高剛性でかつ高温下での寸法安定性に優れ、さらに加熱後の透明性や広い温度範囲での成形加工性にも優れたフィルムが得られるため好ましい
また、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルに起因するα緩和以外に、第3の熱可塑性樹脂や各種添加剤に起因するα緩和および/または融点のピークが観察されてもよいものである。
本発明の積層フィルムは、雰囲気温度を50℃から65℃まで変化させたときの長手方向および/または幅方向の熱膨張係数が110ppm以下であることが好ましい。より好ましくは100ppm以下である。110ppm以下の膨張の場合、加工時等に問題なく使用することができる。さらに延伸倍率を高めフィルムの配向を高めることで100ppm以下とすることができ、この場合ではさらに膨張の影響が少なく寸法安定性が向上するため好ましい。熱膨張係数の下限は特に定めるものではなく、低いほど好ましい。特に限定されないが、一般的には90ppm程度である。また熱膨張係数が110ppmより高いと、高温下での寸法安定性が低下し、たるみが発生したり皺が入りやすくなるため好ましくない。
本発明の積層フィルムは210℃の雰囲気中で30分加熱試験を実施した後のヘイズ上昇値が15%以下であることが好ましい。ここでいうヘイズの上昇値とは、加熱後のヘイズ(%)と加熱前のヘイズ(%)の差である。より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下、最も好ましくは2%以下である。ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルを50層以上積層することにより、ヘイズ上昇値を15%以下にすることができ、この場合光線の透過性の観点から問題ない範囲であり、成形体等に用いるのに適している。さらにフィルム製膜時の熱処理温度をポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルの融点Tm以下(ここで融点はポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルとする)にすることにより、ヘイズ上昇値を10%以下にすることができ、この場合透過光の散乱がより少なり、成形体としたとき外観が白く濁って見えることがないため好ましい。ここで融点Tmとは、DSCにて試料を一定速度で昇温したとき、融解による吸熱が最も大きくなる温度のことである。また、積層精度を30%以下にすることにより、ヘイズ上昇値を5%以下にすることができ、この場合透過光の散乱がさらに少なく、透明性に優れたフィルムを得ることができ、成形体とした場合、光沢のあるものとなるため好ましい。積層精度を30%以下にするためには、製膜時に異なる種類の熱可塑性樹脂を積層させるユニットとして200層〜2000層のスリットを有し、かつそのスリットの加工精度が±10μm以下であるフィードブロックとを用いることが好ましく、加えて積層数を増加させるために用いるスタティックミキサーは、その流路長Lが次に示す式に当てはまるものであることが好ましい。すなわちL≧Q/(40√A)である(ここでL:スタティックミキサーの流路長[m]、Q:ポリマー押出量[t/h]、A:総流路断面積[m]である)。またさらに製膜時のポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルのTm以下とし、なおかつ上述のような、フィードブロックおよびスタティックミキサーを用いた場合には、ヘイズ上昇値を2%以下にすることができ、この場合透過光の散乱が非常に少なく、透明性に非常に優れたフィルムを得ることができ、成形体とした場合さらに光沢感のあるものとなるため好ましい。ヘイズ上昇値の下限は特に定めるものではなく、上昇値が低いほど散乱が少なくなるため好ましい。
本発明の積層フィルムは小角X線散乱測定において、end方向および/あるいはedge方向において、スポット状の散乱が観察されることが好ましい。本発明において、スポット状の散乱とは、ラメラ構造の厚みが大きいということを指している。このような構造とするためには、厚みが30nm未満の層を50層以上とすることが好ましく、またさらに長手方向と幅方向の物性の差が少なくなるように、延伸倍率を調整することがより好ましい。このような場合、隣り合う層との相互作用が強まり、高温下での寸法安定性と成形性を向上させるため好ましい。
本発明の積層フィルムはポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルのΔTmが60℃以下であることが好ましい。ここでいうΔTmとはDSCにて求まる、融点Tmと降温結晶化温度Tmcの差である。降温結晶化温度Tmcとは、融点以上まで昇温して熱履歴を取り去った試料を一定速度で降温した時に、結晶化による放熱が最も大きくなる温度のことである。ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルのΔTmが60℃以下で、30nm未満の層が50層以上含まれる場合であれば、層内で両樹脂の結晶からなるラメラの周期構造が形成されるために適切な結晶化速度となり、高温下での寸法安定性と成形性が向上するため好ましい。
本発明の積層フィルムは、その厚みが1μm以上600μm以下であることが好ましい。厚みが1μmより小さい場合、皺が入りやすいなど取り扱い性が悪くなるため好ましくなく、さらに積層数が1000層以上の場合には1層あたりの厚みが小さくなりすぎるため好ましくない。また600μmより大きい場合製膜が困難であったり、層の数が多くなりすぎるため生産効率が悪くなったり、厚みが大きすぎるため加工時等に取り扱い性が悪いため好ましくない。
本発明の積層フィルムは二軸延伸フィルムであることが好ましい。二軸延伸されたフィルムは、高剛性でかつ高温下での寸法安定性に優れるためである。
本発明の積層フィルムは長手方向と幅方向の物性の差が小さく、縦横にバランス化されていることが好ましい。具体的には長手方向の破断伸度(%)と幅方向の破断伸度(%)の値の差が50%以内である。このような構造にすることにより、高温下での寸法安定性や広い温度範囲での成形加工性が向上するだけでなく、加熱後の透明性も優れたフィルムを得ることができるため好ましい。縦横にバランス化された構造を持つためには、未延伸フィルムの幅方向の厚みにおいて、フィルムエッジ部分の厚みがフィルム中心部分の厚みの2.5倍以内であることが好ましい。未延伸フィルムがこのような厚みである場合、ニ軸延伸後の幅方向の厚みムラが少なく、製膜性が良好となるため好ましい。また延伸前に施す予熱工程の時間は20秒以内であることが好ましい。予熱時間が20秒より長いとフィルムの結晶化が進み、延伸性が悪くなるため好ましくない。さらに縦延伸および横延伸時の予熱工程で予熱温度と延伸温度は、ポリエチレンテレフタレートのガラス転移温度とポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルのガラス転移温度の間の温度とすることが好ましく、延伸倍率は、2.8倍〜3.5倍の間とすることが好ましい。このような延伸条件で製膜した場合、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステル両方の樹脂の結晶化が制御されるため、加熱後の透明性が優れたフィルムになるとともに、長手方向・幅方向の配向が同程度となり縦横にバランス化されるため、高温下での寸法安定性や広い温度範囲での成形加工性が向上するものである。一方従来の積層フィルムではこのような温度条件で延伸すると、破れが多発するなどの問題があった。本発明の構成とすることにより、このような温度条件で延伸が可能となったものである。
本発明の積層構造としては、少なくともポリエチレンテレフタレート層ポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステル層とを厚み方向に規則的に積層した構造を有していることが好ましい。すなわち、本発明において、積層フィルム中のポリエチレンテレフタレート層ポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステル層との厚み方向における配置の序列がランダムな状態ではないことが好ましく、ポリエチレンテレフタレート層ポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステル層以外の第3の層以上についてはその配置の序列については特に限定されるものではない。本発明の積層フィルムにおいては、熱機械試験機を用い、本発明の測定条件にて測定した際、少なくとも長手方向の180℃における変形率が−1%以上3%以下であることが好ましい。より好ましくは、−0.3%以上1.5%以下である。すなわち、このようなフィルムは高温下での寸法安定性に優れたフィルムと言えるものであり、従来は制御することが困難であった長手方向の寸法安定性が大幅に向上したものである。一方、変形率が−1.0%未満の場合、収縮が大きく、成形加工の際に高度な寸法安定性を要求される場合には使用が困難となる。また、変形率が3より大きい場合には、膨張量が大きいために、同様に使用が困難となる。また、さらに好ましくは長手方向および幅方向の180℃における変形率が−1%以上3%以下であることが好ましい。
本発明の積層フィルムでは、長手方向と幅方向の少なくとも一方向の降伏点応力が100MPa以下であり、かつ破断伸度が180%以上であることがこのましい。このようなフィルムは、低応力で変形しかつ大変形にも追従できるため、成型加工性に優れたフィルムといえる。より好ましくは、少なくとも一方向の破断伸度が200%以上である。破断伸度が180%未満の場合、大変形を要求される成型加工ではフィルム切れが生じるため好ましくない。
本発明の積層フィルムは、長手方向と幅方向の合計のヤング率が7GPa以上であることが好ましい。このようなフィルムは、剛性に優れており、加工工程でのハンドリング性に優れる。また、より好ましくは7.5GPa以上である。
本発明の積層フィルムには、易滑層、易接着層、粘着層、反射防止膜、ハードコート層、近赤外線遮蔽層、電磁波遮蔽層、帯電防止層、導電層、防汚層、結露防止層などが内部や表層に形成されていてもよい。これらの層としては、特に限定されず各種の従来から知られている技術等を用いることができる。
次に、本発明の積層フィルムの好ましい製造方法を以下に説明する。
ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルをペレットなどの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、事前乾燥を熱風中あるいは真空下で行い、押出機に供給される。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルタ等を介して異物や変性した樹脂をろ過される。さらに、樹脂はダイにて目的の形状に成形された後、吐出される。
多層フィルムを得るための方法としては、2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出された熱可塑性樹脂を、マルチマニホールドダイやフィールドブロックやスタティックミキサー等を用いて多層に積層する方法等を使用することができる。また、これらを任意に組み合わせても良い。ここで本発明の効果を効率よく得るためには、500層以上のフィードブロックを少なくとも用いることが好ましい。また、さらにこのフィードブロック部での圧力損失が3MPa以上10MPa以下であることがより好ましい。少なくとも500層以上のフィードブロックを用いると、積層精度が良好となるため好ましい。また、フィードブロック部での圧力損出が3MPa以上10MPa以下であると、さらに積層精度が高い積層フィルムを得られやすくなり好ましい。
ダイから吐出された多層に積層されたシートは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングフィルムが得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させる方法や、スリット状、スポット状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させる方法が好ましい。このようにして得られたキャスティングフィルムは、必要に応じて二軸延伸することが好ましい。二軸延伸とは、縦方向および横方向に延伸することをいう。二軸延伸されたフィルムは、高剛性でかつ高温下での寸法安定性に優れるため好ましい。延伸は、逐次二軸延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに縦および/または横方向に再延伸を行ってもよい。
ここで、縦方向への延伸とは、フィルムに長手方向の分子配向を与えるための延伸を言い、通常は、ロールの周速差により施される。この延伸は1段階で行ってもよく、また、複数本のロール対を使用して多段階に行っても良い。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂の過半量がポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。さらに長手方向と幅方向の物性の差を小さくして、寸法安定性や成形性を向上させたい場合には、2.8倍〜3.5倍が好ましく用いられる。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+100℃が好ましい。また長手方向と幅方向の物性の差を小さくして、寸法安定性や成形性を向上させたい場合には、ポリエチレンテレフタレートのガラス転移温度とポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルのガラス転移温度の間の温度で予熱・延伸することが好ましい。
このようにして得られた一軸延伸されたフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
また、横方向の延伸とは、フィルムに幅方向の配向を与えるための延伸を言い、通常は、テンターを用いて、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、幅方向に延伸する。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂の過半量がポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。さらに長手方向と幅方向の物性の差を小さくして、寸法安定性や成形性を向上させたい場合には、2.8倍〜3.5倍が好ましく用いられる。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。さらに長手方向と幅方向の物性の差を小さくして、寸法安定性や成形性を向上させたい場合には、ポリエチレンテレフタレートのガラス転移温度とポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルのガラス転移温度の間の温度で予熱・延伸することが好ましい。
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。より好ましくはポリエチレンテレフタレートの融点以下、ポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルの融点以上(ここではポリエチレンテレフタレートの融点>ポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステル)である。このようにポリエチレンテレフタレートの融点以下、ポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルの融点以上で熱処理された場合、前述の層内に周期構造が形成されるようになり、より高い寸法安定性と成形加工性が得られるようになるものである。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に弛緩処理などを併用してもよい。
そして、このようにして得られた本発明の積層フィルムは、成形体として、各種成形加工などに好適に用いられる。加工方法は特に限定されないが、例えば表面加工、エンボス加工、サンドマット加工、絞り加工、真空成形、真空圧空成形、インモールドラミ、冷間延伸、インモールドスタンピング、インサート成形などの易成形性が求められる加工方法において、製品または支持体として用いられるとき、必要な形状に成形加工できるものである。また本発明の積層フィルムは転写箔の材料に好適である。転写箔はベースフィルム上に剥離層・インキ・接着層などが重なった構成であり、熱や圧力を用いて成形済み製品に絵柄を転写する際に用いられる。本発明の積層フィルムは広い温度範囲での成形加工性に優れるため、転写箔のベースフィルムとして用いて、複雑な形状の製品に絵柄を転写するのに好適である。さらに本発明の積層フィルムは携帯電話用のリチウムイオン電池等の外装材に好適である。リチウムイオン電池の外装材用途では深いしぼり比での成形が要求され、その構成としては未延伸ポリプロピレンフィルム、アルミ箔に加え、ナイロンフィルム、PETフィルムなどを貼り合わせたものとなっている。本発明の積層フィルムは従来に比べて深いしぼりや複雑な形状にも加工でき、さらに高剛性であり透明性が高く外観の点で優れ、耐薬品性にも優れる特徴を有している。よって本発明の積層フィルムを未延伸ポリプロピレンフィルム、アルミ箔と貼り合わせてリチウムイオン電池の外装材として好適に用いることができる。
本発明に使用した物性値の評価法を記載する。
(物性値の評価法)
(1)積層数
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡HU−12型((株)日立製作所製)を用い、フィルムの断面を3000〜500000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および層数を測定した。なお本測定では200000倍に拡大し、RuO4で染色して観察を行なった。
(2)動的粘弾性
動的粘弾性はセイコーインスツルメンツ(株)社製EXSTRA6000&DMS6100を用いて評価した。長手方向について、昇温速度2℃/minで−150℃から220℃まで昇温し、そのtanδからα緩和のピーク温度を読みとり、α緩和温度とした。周波数は1Hz、試料形状は長さ20mm、幅10mmとした。
(3)融点・降温結晶化温度
試料の融点は、示差熱量分析(DSC)を用い、JIS−K−7122(1987年)に従って測定・算出した。装置はセイコー電子工業(株)製”ロボットDSC−RDC220”、またデータ解析は”ディスクセッションSSC/5200”を用いて評価を行なった。サンプル質量は5mg、昇温および降温速度は20℃/minとした。
(4)熱膨張係数
熱膨張係数は、熱機械試験機セイコーインスツルメンス(株)社製EXTAR6000&TMA/SS6000を用いて評価した。試料は長さ20mm、幅4mmとし、長手方向、幅方向それぞれについて、定荷重伸び量試験機のチャック間(距離L=150mm)にフィルムを把持した。昇温速度10℃/minで30℃から150℃まで昇温し、続いて降温速度10℃/minで150℃から30℃まで降温した。この降温過程での65℃から50℃までの変形量を平均傾きから求めた。測定中の荷重は367.5kPaに一定になるようにした。
(5)ヘイズ
23℃、相対湿度65%において、フィルムを2時間放置した後、スガ試験機(株)製全自動直読ヘイズコンピューター「HGM−2DP」を用いて、波長590nmにおけるヘイズを測定した。3回の測定値の平均値を該サンプルのヘイズとした。また加熱試験後のヘイズの上昇値を測定する方法としては、試料を収縮変形しないように金属製の枠に貼りつけ、210℃に設定したTABAI製ギアオーブンGHPS−222中で30分間加熱し取り出した。この加熱後の試料のヘイズを上述の方法で測定し、加熱試験後のヘイズ上昇値を求めた。
加熱後のヘイズ上昇値=加熱後のヘイズ(%)− 加熱前のヘイズ(%)
(6)小角X線散乱測定による結晶構造
理学電機(株)社製X線発生装置RU−200を用いて行った。X線源はCuKα線(Niフィルター使用)、出力50kV 200mA、スリット系0.5mmφ、カメラ半径405mm、露出時間60minとした。得られた結果を表2に示す。
(7)寸法安定性
寸法安定性は、熱機械試験機セイコーインスツルメンス(株)社製EXTAR6000&TMA/SS6000を用いて評価した。試料は長さ20mm、幅4mmとし、長手方向、幅方向それぞれについて、定荷重伸び量試験機のチャック間(距離L=150mm)にフィルムを把持し、昇温速度10℃/minで30℃から150℃まで昇温した時の180℃における変形量を寸法安定性とした。測定中の荷重は367.5kPaに一定になるようにした。なお、変形量がマイナスの場合、収縮をあらわし、変形量がプラスの場合、伸びを示しているものである。また、n数は3回とし、その平均値を採用した。
(8)、破断伸度、
破断伸度はインストロンタイプの引張試験機(オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置“テンシロンAMF/RTA−100”)を用いて、25℃、65%RHの環境下にてJIS−K7127(1999年)に準拠して測定した。フィルム長手方向およびフィルム幅方向それぞれについて、幅10mmの試料フィルムを、試長間100mm、引張り速度200mm/分の条件で引張り、破断伸度を求めた。なお、n数は5回とし、その平均値を採用した。
(9)固有粘度
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、算出した。また、溶液粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示した。なお、n数は3回とし、その平均値を採用した。
(10)真空成形テスト
真空成形装置SANWA KOGYO PLAVAC TYPE FB−7を用いてテストした。193℃に加熱した試料に、深さ15mm、直径50mmの円柱状のカップを押し当て、さらにカップ内の空気を一瞬で抜き取って真空にした。このとき試料がカップの形状に追従して変形するものは、成形性が高いと判断し、○とした。また試料がカップに追従して変形するものの、角部分が十分に成形されないものを△とした。さらに試料がカップに追従せず、ほとんど変形しないものは成形性が低いと判断し、×とした。
(実施例1)
熱可塑性樹脂Aとして、融点Tm255℃、降温結晶化温度Tmc192℃、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(PET)である東レ社製F20Sを用いた。この樹脂は、比較例1と同様の延伸条件および熱処理条件でPET単体の二軸延伸フィルムとしたとき、動的粘弾性測定におけるα緩和温度が118℃に観察されるものである。また熱可塑性樹脂Bとして融点Tm223℃、降温結晶化温度Tmc168℃、固有粘度1.2のポリブチレンテレフタレート(PBT)である東レ社製トレコン1200Sを用いた。この樹脂は、実施例1と同様の延伸条件および熱処理条件でPBT単体の二軸延伸フィルムとしたとき、動的粘弾性測定におけるα緩和温度が49℃に観察されるものである。ただし本発明で用いたPBTは融点が223℃であるため熱処理条件を235℃とするとフィルムが融解する問題がある。このためPBTの両表面にPETの層を積層し、PET/PBT/PETという3層の構成にして製膜し、α緩和温度を測定した。これらの熱可塑性樹脂は、それぞれ乾燥した後、押出機に供給した。
熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ、押出機にて280℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、177層のフィードブロック(圧力損失1MPa)にて合流させた。合流した熱可塑性樹脂AおよびBは、スタティックミキサーに供給して、スクエア状の流路にて3回分割・結合され、PETが705層、PBTが704層からなる厚み方向に交互に積層された構造とし、両表層部分がPETとなった。ここで、積層厚み比(=重量比)がA/B=1になるよう、吐出量にて調整した。このようにして得られた計1409層からなる積層体をTダイに供給しシート状に成形した後、静電印加しながら、表面温度20℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。この時キャスティングフィルムは幅方向の厚みにおいて、フィルムエッジ部分の厚みがフィルム中心部分の厚みの2.3倍となるようにした。
得られたキャストフィルムは、60℃に設定したロール群で10秒間予熱し、さらに70℃に設定したロール群で加熱し、縦方向に3倍延伸した。この一軸延伸フィルムをテンターに導き、70℃の熱風で予熱後、横方向に3.2倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で235℃の熱風にて熱処理を行い、つづいて5%の弛緩処理を施し、室温まで徐冷後、巻き取った。得られたフィルムの厚みは、12μmであった。得られたフィルムは高剛性でかつ高温下での寸法安定性に優れ、さらに加熱後の透明性や、広い温度範囲での成型加工性にも優れたフィルムであった。得られた結果を表1および表3に示す。
(実施例2)
スクエアー状流路のスタティックミキサーにて分割・結合される回数が2回であること以外は、実施例1と同様の装置・条件で、計705層からなる積層フィルムを得た。積層フィルムの厚みは12μmとした。得られたフィルムは高剛性でかつ高温下での寸法安定性に優れ、さらに加熱後の透明性や、広い温度範囲での成型加工性にも優れたフィルムであった。得られた結果を表1に示す。
(実施例3)
スクエア状流路のスタティックミキサーにて分割・結合される回数が1回であること以外は実施例1と同様の装置・条件で、計353層からなる積層フィルムを得た。積層フィルムの厚みは12μmとした。得られたフィルムは高剛性でかつ高温下での寸法安定性に優れ、さらに加熱後の透明性や、広い温度範囲での成型加工性にも優れたフィルムであった。得られた結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1と同様の装置・条件で、計1409層からなる積層フィルムを得た。但し、製膜速度を調整してフィルム厚みを25μmとした。得られたフィルムは高剛性でかつ高温下での寸法安定性に優れ、さらに加熱後の透明性や、広い温度範囲での成型加工性にも優れたフィルムであった。得られた結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1と同様の装置・条件で、計1409層からなる積層フィルムを得た。但し、製膜速度を調整してフィルム厚みを40μmとした得られたフィルムは高剛性でかつ高温下での寸法安定性に優れ、さらに加熱後の透明性や、広い温度範囲での成型加工性にも優れたフィルムであった。得られた結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1と同様の装置・条件で、計1409層からなる積層フィルムを得た。但し、それぞれの熱可塑性樹脂の層厚みがA:B=3:1になるように調整した。得られたフィルムは高剛性でかつ高温下での寸法安定性に優れ、さらに加熱後の透明性や、広い温度範囲での成型加工性にも優れたフィルムであった。得られた結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1と同様の装置・条件で、計1409層からなる積層フィルムを得た。但し、それぞれの熱可塑性樹脂の層厚みがA:B=2:3となるように調整した。得られたフィルムは高剛性でかつ高温下での寸法安定性に優れ、さらに加熱後の透明性や、広い温度範囲での成型加工性にも優れたフィルムであった。得られた結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例1と同様の装置・条件で、計1409層からなる積層フィルムを得た。但し延伸後に行う熱処理温度は210℃とした。得られたフィルムは高剛性でかつ高温下での寸法安定性に優れ、さらに加熱後の透明性や、広い温度範囲での成型加工性にも優れたフィルムであった。得られた結果を表2に示す。
(実施例9)
705層でかつスリットの加工精度が±5μmのフィードブロック(圧力損失7MPa)を用い、またスタティックミキサーは、その流路長Lが次の式を満たすものを用い、}かつ分割・結合される回数が1回であること以外は実施例1と同様の装置・条件で、計1409層からなるフィルムを得た。ここでスクエアミキサーは0.7L=Q/40√A (L:スタティックミキサーの流路長[m]、Q:ポリマー
押出量[t/h]、A:総流路断面積[m2] ) を満たすものである。得られたフィルムは高剛性でかつ高温下での寸法安定性、広い温度範囲での成形加工性に優れ、また加熱後の透明性がさらに優れたフィルムであった。得られた結果を表2に示す。
(実施例10)
実施例9と同様の装置・条件で計1409層からなる積層フィルムを得た。但し延伸後に行う熱処理温度は210℃とした。得られたフィルムは高剛性でかつ高温下での寸法安定性、広い温度範囲での成形加工性に優れ、また加熱後の透明性が非常に優れたフィルムであった。得られた結果を表2に示す。
(実施例11)
熱可塑性樹脂Aとして融点Tm255℃、降温結晶化温度Tmc192℃、固有粘度0.65のPETである東レ社製F20Sを用い、熱可塑性樹脂Bとして融点Tmが229℃のDuPont社製ポリプロピレンテレフタレート(PPT)を用いたこと以外は実施例1と同様の装置・条件で、計1409層からなる積層フィルムを得た。なおここで用いたPPT樹脂は実施例1と同様の延伸条件および熱処理条件でPPT単体の二軸延伸フィルムとしたとき、動的粘弾性測定におけるα緩和温度が58℃に観察されるものである。ただし本発明で用いたPPTは融点が192℃であるため、熱処理温度を235℃とするとフィルムが融解する問題がある。このためPPTの両表面にPETの層を積層し、PET/PPT/PETという3層の構成にして製膜し、α緩和温度を測定した。得られたフィルムは高剛性でかつ高温下での寸法安定性に優れ、さらに加熱後の透明性や、広い温度範囲での成型加工性にも優れたフィルムであった。得られた結果を表2に示す。
(比較例1)
熱可塑性樹脂Aとして、融点Tm255℃、降温結晶化温度Tmc192℃、固有粘度0.65のPETである東レ社製F20Sを用いた。この熱可塑性樹脂Aを乾燥した後、押出機に供給した。
熱可塑性樹脂Aは、押出機にて280℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、Tダイに供給しシート状に成形した後、静電印加しながら、表面温度20℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。
得られたキャストフィルムは、85℃に設定したロール群で予熱し、さらに90℃に設定したロール群で加熱し、縦方向に3.3倍延伸した。この一軸延伸フィルムをテンターに導き、100℃の熱風で予熱後、横方向に4.0倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で235℃の熱風にて熱処理を行い、つづいて5%の弛緩処理を施し、室温まで徐冷後、巻き取った。得られたフィルムの厚みは、15μmであった。本フィルムは、高温下での寸法安定性と成形加工性が不適であった。得られた結果を表2に示す。
(比較例2)
フィードブロック(圧力損失1MPa)が41層で、スタティックミキサーを用いないこと以外は実施例1と同様の装置・条件で、計41層からなる積層フィルムを得た。得られた積層フィルムは、高温下での寸法安定性や加熱後の透明性、さらに成形加工性が不十分であった。得られた結果を表2および表3に示す。
Figure 0004661073
Figure 0004661073
Figure 0004661073
本発明は、各種成形体や転写箔、リチウムイオン電池の外装材などに好適に用いられるものであるが、その応用範囲がこれに限られるものではない。

Claims (10)

  1. ポリエチレンテレフタレートからなる層とポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルからなる層によって形成される厚みが30nm未満の層が50層以上の積層フィルムであって、ポリエチレンテレフタレートの融点がポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルの融点より5℃以上高く、動的粘弾性測定におけるα緩和温度が、(ポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルのα緩和温度+10)℃〜(ポリエチレンテレフタレートのα緩和温度−10)℃の間にのみ1つ観察され、かつ融点が2つ以上存在することを特徴とする積層フィルム。
  2. 積層フィルムの熱膨張係数が110ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 加熱試験後のヘイズ上昇値が15%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 小角X線散乱測定において、end方向および/またはedge方向において、スポット状の散乱が観察されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンテレフタレートを含んでなるポリエステルの、融点と降温結晶化温度の差(ΔTm)が、60℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
  6. 積層フィルムの厚みが1μm以上600μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルム。
  7. 二軸延伸フィルムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルム。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の積層フィルムを含んでなる成形体。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の積層フィルムを含んでなる転写
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の積層フィルムを含んでなるリチウムイオン電池外装材。
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