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JP4657966B2 - 医療用複室容器 - Google Patents

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JP4657966B2
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Description

本発明は、内部において輸液などの薬液に薬剤の調製や配合を行うことができる輸液用容器に関するものである。
輸液に際し、2種以上の液体(薬液)を混合して使用する場合がある。この場合、従来では、別途準備した2つの薬液を使用時に混合することにより準備していた。最近では、薬液の投与を速やかなものとすること、ならびに混合忘れなどを防止することより、1つの医療用容器の薬剤室を剥離可能な仕切部により2つの薬剤室に区分し、それぞれに、あらかじめ混合すると、経時的に変質、劣化する薬剤を分離して収納したいわゆる複室の医療用容器が使用されるようになってきている。
しかしながら、薬剤を混合しないで患者に投与するおそれがある。このため、確実に各収納部に収納されている薬剤を混合した後に患者に投与することを保証する方法が工夫されている。例えば、特開2002−136570号公報(特許文献1)のように、薬剤室を剥離可能な仕切部により区分するとともに、さらに、薬剤排出口と薬剤を収納する分室との間を区切る隔壁である排出用弱シール部を備える容器が提案されている。また、本件出願人は、排出ポートの付近に設けられ、第1の薬剤室と排出ポートとの連通を阻害する連通阻害部を備えるものを提案している(特開2005−288022号公報:特許文献2)。
特開2002−136570号公報(特許文献1) 特開2005−288022号公報(特許文献2)
特許文献1および2のものでは、排出口付近に設けられた排出用弱シール部もしくは連通阻害部を剥離しないかぎり、薬剤の投与ができないものとなっており、上記の剥離作業の必要性は、2室に区分して充填されている薬液の混合、すなわち仕切用弱シールの剥離が必要であることを十分に作業者に喚起できる。このため、2室の薬液が混合されずに投与されることを防止できる。
さらに、特許文献2のものでは、連通阻害部が、略逆U字状をしていることも起因し、特許文献1のものよりその剥離が容易であり、仕切部の剥離作業と同時もしくは一連して剥離が行うことができ、投与準備が容易であるという利点を備えている。しかし、搬送中もしくは投与準備中に、連通阻害部が設けられている第1の薬剤室に過剰な圧力が負荷された場合に、連通阻害部のみが剥離する可能性も否定できないものであった。連通阻害部のシール強度を高くすることが考えられるが、これは逆に、投与準備時における連通阻害部の剥離作業を困難化するとともに、連通阻害用弱シールの末端まで剥離できず、薬液が完全に排出されない可能性が出てくることにもなる。
そこで、本発明は、仕切部により少なくとも2室に区分され、かつ、それぞれに薬剤が充填されており、さらに、第1の薬剤室と排出ポートとの連通を阻害する連通阻害部を備える医療用容器であって、仕切部および連通阻害部の剥離作業が容易であり、かつ、搬送中もしくは投与準備中などに連通阻害部が設けられている第1の薬剤室に圧力が負荷されても連通阻害部の剥離が生じにくく、かつ連通阻害用弱シールの末端まで確実に剥離する医療用容器を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 可撓性材料により作製され、上端部および下端部を有し、内部空間が剥離可能な仕切部により第1の薬剤室と第2の薬剤室に区分された容器本体と、前記第1の薬剤室の下端部に設けられた排出ポートと、前記第1の薬剤室に収納された第1の薬剤と、前記第2の薬剤室に収納された第2の薬剤と、前記第1の薬剤室と前記排出ポートとの連通を阻害する剥離可能な連通阻害部とを備える医療用複室容器であって、
前記連通阻害部は、前記容器本体の前記下端部より前記排出ポートの先端部上方を取り囲むように前記仕切部方向に延び、前記第1の薬剤室と区画された区画部を形成し、かつ、該連通阻害部は、前記第1の薬剤室側となる周縁部に形成された少なくとも1つの角部を備え、前記医療用複室容器は、前記連通阻害部より前記第1の薬剤室側であり、前記連通阻害部に近接し、かつ、該連通阻害部に接触しない位置に設けられ、前記連通阻害部の前記角部を保護するための剥離可能な保護部を備えている医療用複室容器。
(2) 前記連通阻害部は、前記仕切部と前記排出ポート間に位置し、前記容器本体の横方向に延びる上部線状部と、該上部線状部の一端付近から延び前記容器本体の下端部に到達する第1の側部線状部と、該上部線状部の他端付近から延び前記容器本体の下端部に到達する第2の側部線状部と、前記上部線状部と前記第1の側部線状部を接続する第1の角部線状部と、前記上部線状部と前記第2の側部線状部を接続する第2の角部線状部とを備え、前記保護部は、前記連通阻害部の前記第1の角部線状部および前記第2の角部線状部を保護するものである上記(1)に記載の医療用複室容器。
(3) 前記保護部のシール強度は、前記連通阻害部のシール強度と同じもしくはより大きいものとなっている上記(1)または(2)に記載の医療用複室容器。
(4) 前記保護用弱シール部のシール強度は、前記仕切用弱シール部のシール強度よりも大きく、また、前記連通阻害用弱シール部のシール強度と同等もしくは大きいものとなっている上記(1)または(2)に記載の医療用複室容器。
(5) 前記仕切部のシール強度は、前記連通阻害部のシール強度より大きく、前記保護部のシール強度は、前記仕切部のシール強度よりも大きいものとなっている上記(1)または(2)に記載の医療用複室容器。
(6) 前記保護部は、前記角部の上部を被包し、端部が前記容器本体の前記前記下端部側に、該下端部に到達しないように延びる連続線状保護部である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の医療用複室容器。
(7) 前記保護部は、前記連通阻害部の前記第1の側部線状部の下端部付近かつ前記下端側シール部と離間した位置に始端を有し、前記第1の角部線状部、前記上部線状部、前記第2の角部線状部の上部を被包し、前記連通阻害部の前記第2の側部線状部の下端部付近かつ前記下端側シール部と離間した位置にて終端する連続線状保護部である上記(2)ないし(5)のいずれかに記載の医療用複室容器。
(8) 前記保護部は、前記連通阻害部の前記第1の側部線状部の中央部もしくは上部付近に始端を有し、前記第1の角部線状部、前記上部線状部、前記第2の角部線状部の上部を被包し、前記連通阻害部の前記第2の側部線状部の中央部もしくは上部付近にて終端する連続線状保護部である上記(2)ないし(5)のいずれかに記載の医療用複室容器。
(9) 前記連続線状保護部の端部は、前記始端および前記終端に向かって幅が狭くなるものである上記(6)ないし(8)のいずれかに記載の医療用複室容器。
(10) 前記連続線状保護部は、前記連通阻害部の前記上部線状部の上部に位置する部分に設けられた欠損部を有している上記(6)ないし(9)のいずれかに記載の医療用複室容器。
(11) 前記保護部は、前記連通阻害部の前記第1の角部線状部に近接しかつ前記第1の薬剤室側となる位置に設けられた第1の角部保護部と、前記第2の角部線状部に近接しかつ前記第1の薬剤室側となる位置に設けられた第2の角部保護部を有する分割型保護部である上記(2)ないし(5)のいずれかに記載の医療用複室容器。
(12) 前記分割型保護部は、前記連通阻害部の前記上部線状部の上部に位置する部分に設けられた上部線状部保護部を備えている上記(11)に記載の医療用複室容器。
(13) 前記分割型保護部は、前記連通阻害部の前記第1の側部線状部または/および前記第2の側部線状部に近接しかつ前記第1の薬剤室側となる位置に設けられた側部保護部を備えている上記(11)または(12)に記載の医療用複室容器。
(14) 前記医療用複室容器は、前記保護部に近接しかつ、前記連通阻害部からみて前記保護部より離間する位置に設けられた第2の保護部を備えている上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の医療用複室容器。
(15) 前記仕切部は、中央弱シール部と、該中央弱シール部の両端部と連続し、該中央弱シール部より剥離しにくいもしくは剥離しない2つの側部シール部を備えている上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の医療用複室容器。
(16) 前記中央弱シール部は、前記連通阻害部の上方かつ前記保護部の上方となるように設けられている上記(15)に記載の医療用複室容器。
(17) 前記医療用複室容器は、前記第2の薬剤室を押圧することにより、前記仕切部の剥離と同時もしくは続いて前記保護部および前記連通阻害部が剥離するものである上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の医療用複室容器。
本発明の医療用複室容器では、連通阻害部は、容器本体の下端部より排出ポートの先端部上方を取り囲むように仕切部方向に延び、第1の薬剤室と区画された区画部を形成し、かつ、該連通阻害部は、前記第1の薬剤室側となる周縁部に形成された少なくとも1つの角部を備え、前記医療用複室容器は、前記連通阻害部より前記第1の薬剤室側であり、前記連通阻害部に近接し、かつ、該連通阻害部に接触しない位置に設けられ、前記連通阻害部の前記角部を保護するための剥離可能な保護部を備えている。
このため、連通阻害部の角部は、保護部により保護されているため、搬送中もしくは保管時などに連通阻害部が設けられている第1の薬剤室に圧力が負荷されても連通阻害部の剥離を防止でき、かつ、連通阻害部のシール強度を高める必要もなく、むしろ低く設定することも可能であり、仕切部および連通阻害部の剥離作業の低下もなく、かつ連通阻害用弱シール部の末端まで容易に剥離可能とする。
以下、本発明の医療用複室容器について、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施例の医療用複室容器の正面図である。
本発明の医療用複室容器1は、可撓性材料により作製され、上端部5および下端部6を有し、内部空間が剥離可能な仕切部9により第1の薬剤室21と第2の薬剤室22に区分された容器本体2と、第1の薬剤室21に収納された第1の薬剤と、第2の薬剤室22に収納された第2の薬剤と、第1の薬剤室21の下端部に設けられた排出ポート3と、第1の薬剤室21と排出ポート3との連通を阻害する剥離可能な連通阻害部10とを備えている。
連通阻害部10は、容器本体2の下端部6より排出ポート3の先端部上方を取り囲むように仕切部方向に延び、第1の薬剤室21と区画された区画部23を形成する。連通阻害部10は、第1の薬剤室21側となる周縁部に形成された少なくとも1つの角部10を備える。医療用複室容器1は、連通阻害部10より第1の薬剤室側21であり、連通阻害部10に近接し、かつ、連通阻害部に接触しない位置に設けられ、連通阻害部10の角部10を保護するための剥離可能な保護部11を備えている。
本発明の医療用複室容器1は、図1に示すように、容器本体2と、第1の薬剤と、第2の薬剤と、排出ポート3、混注ポート4とを備えている。
また、本発明の容器本体2は、図1に示すように、第1の薬剤室21と、第2の薬剤室22と、仕切部9と、連通阻害部10と、排出ポート取付部27、混注ポート取付部28、薬剤注入部29を備えている。
容器本体2は、上端部5および下端部6を備えている。この例では、上端部5は、上端側シール部5により形成されている、下端部6は、下端側シール部6により形成されている。なお、上端部5および下端部6は、シール部でなくもよい。
容器本体2は、インフレーション成形法により筒状に成形されたものが好ましい。なお、容器本体2は、例えばブロー成形法などの種々の方法により製造されたものであってもよい。また、容器本体2は、筒状体の外周部の全周をシールしたもの、上下端のみをシールしたもの、1枚のシートを2つ折りにして、折り曲げ部(側辺部7または8)以外の3辺をシールしたものなどの袋状物であってもよい。
また、容器本体2の側辺には、強シール部である側辺部7,8が設けられていてもよい。また、容器本体2の下端側シール部6には、図1に示すように、排出ポート3を取り付けるための排出ポート取付部27、第1の薬剤室21内に薬剤を注入するための薬剤注入部29が設けられている。排出ポート取付部27および薬剤注入部29は、下端側シール部6の一部を容器本体2内部と外部とが連通する非シール部である。なお、下端側シール部6には薬剤注入部29が設けられていることが好ましいが、なくてもよい。また、上端側シール部5には、混注ポートを取り付けるための混注ポート取付部28が設けられている。混注ポート取付部28は、上端側シール部5の一部を容器本体内部と外部とが連通する非シール部である。
図1に示すように、容器本体2は、仕切部9により、第1の薬剤室21と第2の薬剤室22に区画されている。仕切部9は、中央弱シール部9aと、中央弱シール部9aの両側部に形成された側部弱シール部9bとにより形成されている。本発明の実施例においては、仕切部9は、図1に示すように、容器本体2の薬剤室の横方向全体を横切るように設けられている。そして、中央弱シール部9aは、仕切部9の中央部分に位置し、側部弱シール部9bは、容器本体2の側辺シール部7,8に到達するように設けられている。中央弱シール部9a及び側部弱シール部9bは、容器本体2のシート材を帯状に剥離可能に融着することにより形成されている。このような構成により、薬剤室の中央付近には、中央弱シール部9aのみが形成されており、その両側には中央弱シール部9aに重なって側部弱シール部9bが形成されている。また、この実施例では、側部弱シール部9bは中央弱シール部9aより幅が広く、かつ、その上縁は、側辺部に向かうに従って、容器本体の上端側に向かうように湾曲している。このため、第2の薬剤室22を圧迫したとき、薬剤室22内の薬剤が、中央弱シール部9aに向かうように構成されている。
なお、この実施例の医療用複室容器1において、側部弱シール部9bは、中央弱シール部9aより幅が広いものとなっているが、同程度の幅、あるいは狭幅のものとしてもよい。
実施例の仕切部9は、いずれか一方の薬剤室を手指等で強く圧迫したとき(例えば、押圧したときあるいは絞ったとき)に剥離して第1の薬剤室21と第2の薬剤室22とを連通可能なものである。また、中央弱シール部9aは、第2の薬剤室22を圧迫したとき、側部弱シール部9bより剥離しやすいものである。
また、実施例の側部弱シール部9bは、中央弱シール部9aおよび連通阻害部10より剥離しにくいものとなっている。
仕切部9(中央弱シール部9a)の剥離強度としては、輸送中に2つ折り梱包形態の容器本体2に対して加えられる圧力では剥離せず、容器本体2を手指などで強く圧迫した(絞った)ときに剥離する程度であることが好ましい。仕切部9は、容器本体2を融着することにより形成されることが好ましい。融着としては、熱融着、高周波融着、超音波融着などであることが好ましい。容器本体2は、このように仕切部9に区分された2つの薬剤室21、22を有しているため、異なる成分の薬剤を無菌的に容器本体2内で混合することができる。また、図1に示す実施例において仕切部9は、容器本体2に対して水平に直線的に設けられているが、これに限定されるものではない。なお、本発明の実施例では、容器本体の仕切部9は、中央弱シール部9aおよび側部弱シール部9bにより構成されているが、これに限定されるものではなく、中央弱シール部9aのみにより構成してもよい。
仕切部9(中央弱シール部9a)の剥離強度(初期の剥離強度)は、0.1〜5N/10mm、特に、0.3〜3N/10mmであることが好ましい。シール強度がこの範囲内であれば、輸送や保管中等に誤って中央弱シール部が剥離することがなく、また、中央弱シール部を剥離する作業も容易である。剥離強度がこの範囲内であれば、輸送や保管中等に誤って仕切部9が剥離することがなく、また、仕切部9を剥離する作業も容易である。また、剥離強度がこの範囲内であれば、仕切部9(中央弱シール部9a)は、連通阻害部10、側部弱シール部9bより必ず先に剥離する。
本発明の実施例の側部弱シール部9bの剥離強度は、連通阻害部10より大きくなっている。また、側部弱シール部9bは、通常の使用方法では剥離しないことが好ましい。また、側部弱シール部9bは、容器本体2を熱融着、高周波融着、超音波融着などにより融着することにより形成されることが好ましい。なお、側部弱シール部は、剥離不能な強シール部であってもよい。
側部弱シール部9bの剥離強度(初期の剥離強度)は、3N/10mm以上、特に、4N/10mm以上であることが好ましい。さらに、中央弱シール部と側部弱シール部とのシール強度差(初期の剥離強度差)としては、側部弱シール部のシール強度が、中央弱シール部のシール強度(初期の剥離強度)より、3〜30N/10mm、特に、4〜25N/10mm大きいものであることが好ましい。このようにすることにより、いずれかの薬剤室を圧迫した際、仕切部9の全体が一気に剥離することを抑制し、少なくとも中央弱シール部9a部分からの剥離が確実なものとなる。
剥離強度の具体的な測定方法としては、以下のようにして行うことができる。医療用複室容器を、各測定対象シール部を含む部分を容器の幅方向に10mmの長さに切断して、それぞれの切断片のシール部を引張速度300mm/分で剥離させた際の測定値の平均値である。
なお、本発明の実施例では、仕切部9の両側に側部弱シール部9bが形成されているが、側部弱シール部9bが形成されていなくてもよく、易剥離性の中央弱シール部9aのみにより容器本体2が仕切られていてもよい。
側部弱シール部9bを有する場合の中央弱シール部9aの長さ(側部弱シール部9bを除く長さ)は、薬剤室の横幅に対して0.2〜0.8であることが好ましい。特に、0.3〜0.7であることが好ましい。具体的には、中央弱シール部9aの長さは、薬剤室の横幅にもよるが横幅190mmの場合70〜110mm、特に80〜100mmであることが好ましい。中央弱シール部9aの幅は、8〜20mm、特に、10〜15mmであることが好ましい。側部弱シール部9bの幅は、6〜50mm、特に8〜30mmであることが好ましい。
中央弱シール部9aの長さが、上述したようなものであることにより、ワンアクションで容易に連通阻害部10を剥離することができる。
また、仕切部9(中央弱シール部9a)は、図1に示すように、連通阻害部10の上方となる位置に設けられていることが好ましい。また、側部弱シール部9bは、図示するように、連通阻害部10の上方となる位置の両側に設けられていることが好ましい。このような位置に仕切部9が設けられていることにより、仕切部9(中央弱シール部9a)が剥離した際、容器本体2の連通阻害部10が形成されている部分が大きく膨らむため連通阻害部10が剥離しやすくなる。
なお、側部弱シール部9bは、実質的に剥離することができないシール部となっていてもよい。側部弱シール部9bに相当する部分を必ずしも剥がれるシールとする必要はなく、当該部分が強シール部となっていてもよい。なお、仕切部9もしくは側部弱シール部9bは、帯状に形成されていなくてもよい(図示せず)。例えば、仕切部9は、V字形状、半円形状、半楕円形状に形成されていてもよい。また、仕切部9(中央弱シール部9a)は、細く作製されていることにより、剥離しやすいものとなっていてもよい。また、この実施例では、排出ポート3および連通阻害部10が容器本体2下部の中央付近に設けられているため、それに対応して中央弱シール部9a(のみ形成された部分)も容器本体2の中央付近に設けられている。排出ポート3および連通阻害部10が容器本体2の側辺側に寄った位置に設けられる場合には、それに対応して、中央弱シール部9a(のみ形成された部分)も容器本体2の横方向の中央付近から側辺側に寄った位置に設けることが好ましい。
仕切部9により区分される第1の薬剤室21と第2の薬剤室22との容積比は、1:1〜1:5であることが好ましい。
容器本体2は、水蒸気バリアー性を有することが好ましい。水蒸気バリアー性の程度としては、水蒸気透過度が、50g/m・24hrs・40℃・90%RH以下あることが好ましく、より好ましくは10g/m・24hrs・40℃・90%RH以下であり、さらに好ましくは1g/m・24hrs・40℃・90%RH以下である。この水蒸気透過度は、JIS K7129(A法)に記載の方法により測定される。
このように容器本体2が水蒸気バリアー性を有することにより、医療用複室容器1の内部からの水分の蒸散が防止できる。その結果、充填される薬剤(具体的には、薬液)の減少、濃縮を防止することができる。また、医療用複室容器1の外部からの水蒸気の侵入も防止することができる。
このような容器本体2の形成材料として、ポリオレフィン類が含有されるとき、本発明の有用性が大きいものとなる。したがって、本発明においては、容器本体2の形成材料として、ポリオレフィン類を含むものであるのが好ましい。容器本体2の形成材料として、特に好ましいものとして、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン類に、スチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマーあるいはエチレン−プロピレン共重合体やエチレン−ブテン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体などのオレフィン系熱可塑性エラストマーをブレンドし柔軟化した軟質樹脂を用いてもよい。この材料は、高強度で柔軟性に富み、耐熱性(特に滅菌時の耐熱性)、耐水性が高い他、加工性が特に優れ、製造コストの低減を図ることができる点で好ましい。
さらに、上記のブレンド樹脂を用いる場合には、2種以上の融点の異なる材料を用いることになり、容器本体2の上端側シール部5や下端側シール部6、側辺部7、8、仕切部9(中央弱シール部9a,側部弱シール部9b)、および連通阻害部10の各シール条件の設定、各シール部分の剥離強度の安定化を容易かつ良好に図ることができる。
また、容器本体2は、上述したような材料よりなる単層構造のもの(単層体)であってもよいし、また種々の目的で、複数の層(特に異種材料の層)を重ねた多層積層体であってもよい。多層積層体の場合、複数の樹脂層を重ねたものであってもよいし、少なくとも1層の樹脂層に金属層を積層したものであってもよい。複数の樹脂層を重ねたものの場合、それぞれの樹脂の利点を併有することができ、例えば、容器本体2の耐衝撃性を向上させたり、対ブロッキング性を付与したりすることができる。また、金属層を有するものの場合、容器本体2のガスバリアー性などを向上させることができる。例えば、アルミ箔などのフィルムが積層された場合、ガスバリアー性の向上とともに、容器本体2の透明性を維持することができ、内部の視認性を確保することができる。なお、容器本体2が多層積層体である場合、その内表面部分を形成する材料が、前述した材料であるのが好ましい。
容器本体2を構成するシート材料の厚さは、その層構成や用いる素材の特性(柔軟性、強度、水蒸気透過度、耐熱性など)に応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常は、100〜550μm程度であるのが好ましく、200〜400μm程度であるのがより好ましい。また、容器本体2としては、引張弾性率で500MPa以下、好ましくは50〜300MPaの押出フィルムあるいはインフレーション成型したチューブを用いることが好ましい。
容器本体2は、上記樹脂を用いてブロー成形することにより作製したもの、上記樹脂により形成された2枚のシートの周縁部を融着して形成したもの、上記樹脂により形成された1枚のシートを折り返すとともに周縁部を融着して形成したもの、上記樹脂を用いて押出成形により筒状に形成したものの開口周縁を融着することにより作製したものなどのいずれでもよい。
容器本体2の薬剤室21、22には、薬剤が収納されている。薬剤室21、22には異なった成分のものが収容されていることが好ましい。このような薬剤(輸液剤)としては、例えば、腹膜透析液、経中心静脈輸液剤、経末梢静脈用注射剤、液状栄養剤などのように2つ以上の薬剤を輸液の際に混合する必要のあるものが好ましい。また、輸液剤としては、例えば生理食塩水、電解質溶液、リンゲル液、高カロリー輸液、ブドウ糖液、注射用水、アミノ酸電解質溶液などが挙げられるが、これに限定されるものではない。例えば、薬剤室の一方にブドウ糖電解質液、他方にアミノ酸液を収納し、さらに両室にビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、パンテノール、ニコチン酸アミドなどの水溶性ビタミン等を、安定性等を考慮して適宜振り分け収納することができる。
また、容器本体2の上端側シール部5には、ハンガーなどに吊り下げるための孔(吊り下げ部)25が設けられている。さらに、薬剤の品質保持のために、容器本体2に酸素バリアー性や遮光性などを付与するためにアルミ箔などのフィルムを積層してもよい。あるいは、これらの薄膜を有する樹脂フィルムを中間層として設けてもよい。
また、この実施例では、連通阻害部10は、連通阻害用シール部により形成されている。そして、連通阻害部1010は、排出ポート3の上端部の上方を取り囲むように形成されている。この連通阻害部10により、第1の薬剤室21から区画された区画部23が形成されている。この区画部23は、空き室となっている。しかし、区画部23には、所定の液体(例えば、注射用水または生理食塩水)が入れられていてもよい。また、区画部23は、乾燥状態でもよいが、滅菌のための微量の液体が充填されていてもよい。さらに、連通阻害部10に若干の水蒸気や薬剤が通る通路を形成し、第1の薬剤室21と上記のようなレベルで連通するものであってもよい。連通阻害部10は、シート材を、剥離可能に熱シール(熱融着、高周波融着、超音波融着)することにより形成することができる。
連通阻害部10は、仕切部9の中央弱シール部9a部分の下側となる位置に形成されていることが好ましい。このような位置に形成されることにより、第1の薬剤室21または第2の薬剤室22を圧迫したとき(例えば押圧したときあるいは絞ったとき)に、上述したように連通阻害部10が剥離しやすくなる。
連通阻害部10は、図1に示すように、第1の薬剤室21側となる周縁部に形成された少なくとも1つの角部10を備える。特に、図1に示す実施例では、連通阻害部10は、反転したU字形状に形成されている。具体的には、連通阻害部10は、仕切部9と排出ポート3間に位置し、容器本体2の横方向に延びる上部線状部10aと、上部線状部10aの一端付近から延び容器本体2の下端側シール部6に到達する第1の側部線状部10bと、上部線状部10aの他端付近から延び容器本体2の下端側シール部6に到達する第2の側部線状部10cと、上部線状部10aと第1の側部線状部10bを接続する第1の角部線状部10dと、上部線状部10aと第2の側部線状部10cを接続する第2の角部線状部10eとを備える。なお、連通阻害部10は、このようなものに限定されるものではなく、例えば、逆V字状であり、排出ポートの上方に頂点(角部)を有する角部が一つのみのものであってもよい。
連通阻害部10の剥離のための強度は、側部弱シール部9bより低いものとなっている。
また、医療用複室容器1は、第1の薬剤室21を圧迫することにより、仕切部9(中央弱シール部9a)の剥離に続いて連通阻害部10が剥離するものであってもよい。このようなものであれば、容器本体2の第1の薬剤室21を圧迫し、仕切部9の剥離時の流体の力により、連通阻害部10を剥離させることができる。
連通阻害部のシール強度(初期の剥離強度)は、1〜25N/10mm、特に、2〜20N/10mmであることが好ましい。また、連通阻害部の幅(帯幅)は、2〜20mm、特に、3〜18mmであることが好ましい。
そして、医療用複室容器1は、連通阻害部10を保護する保護部11を備えている。
本発明の医療用複室容器1における連通阻害部10を保護する保護部11は、連通阻害部10に接触しないように形成されている。つまり、図1に示す実施例のように、連通阻害部10と保護部11間には、弱シール非形成部分12が存在している。このように保護部11を連通阻害部10と近接するものの連続させないことより、不用意な衝撃により保護用弱シールが剥離したとしても、その剥離は、一旦弱シール非形成部分12により終了するため、保護部11の剥離と連続して連通阻害部10が剥離することを防止できる。連通阻害部10と保護部11との離間距離(この実施例では、弱シール非形成部分12の幅)は、0.1〜10mmが好ましく、特に、0.3〜7mmが好ましい。
さらに、保護部11は、下端側シール部6と離間する(言い換えれば、下端側シール部に接触しない)ように設けられていることが好ましい。このようにすることにより、連通阻害部10の第1の側部線状部10bおよび第2の側部線状部10cの下端側シール部6との接続部分を保護しないものとなり、通常の剥離作業時における第1の側部線状部10bおよび第2の側部線状部10cの下端側シール部6との接続部分の剥離性を阻害しない。そして、保護部10と容器本体の下端側シール部6との離間距離は、2〜100mmが好ましく、特に、5〜80mmが好ましい。
そして、保護部11のシール強度は、連通阻害部10のシール強度より、大きいものとなっていることが好ましい。このようにすることにより、不用意な連通阻害部10の剥離を保護部11により阻害でき、かつ、通常の剥離作業時における連通阻害部10の剥離性を低下させない。保護部11のシール強度(初期の剥離強度)は、連通阻害部10の角部線上部を完全に覆うように設置されることが好ましい。
また、保護部11のシール強度は、連通阻害部10のシール強度と同じもしくはそれより大きいものであってもよい。このようにすることにより、不用意な連通阻害部10の剥離を保護部11により阻害でき、かつ、通常の剥離作業時における仕切部9の剥離性を低下させない。保護部11のシール強度は、仕切部9(この実施例では、中央弱シール部9a)のシール強度と同じもしくはそれより大きいものであってもよい。
特に、仕切部9(中央弱シール部9a)のシール強度は、連通阻害部10のシール強度より大きく、保護部11のシール強度は、仕切部9(中央弱シール部9a)のシール強度よりも大きいものであってもよい。このようにすることにより、不用意な連通阻害部10の剥離を保護部11により阻害でき、かつ、通常の剥離作業時における連通阻害部10および仕切部9の剥離性を低下させない。
また、保護部11の形態としては、例えば、図1に示す実施例の医療用複室容器1のようなものであってもよい。この保護部11は、角部の上部を被包し、端部が容器本体2の下端部側に下端部6に到達しないように延びる連続線状保護部となっている。
この実施例における保護部11は、連通阻害部10の第1の側部線状部10bの下端部付近かつ下端側シール部6と離間した位置に始端を有し、第1の角部線状部10d、上部線状部10a、第2の角部線状部10eの上部を被包し、第2の側部線状部10cの下端部付近かつ下端側シール部6と離間した位置にて終端する連続線状保護部となっている。この実施例における保護部11では、その始端と下端側シール部6間には、弱シール非形成部分13aが、また、その終端と下端側シール部6間には、弱シール非形成部分13bが形成されている。このような連続する線状の保護部であれば、連通阻害部10は、下端側シール部6と接続する側部線状部の末端部分以外の部分が、満遍なく保護され、連通阻害部10の不用意な剥離が防止でき、かつ、通常の剥離作業時における連通阻害部10の側部線状部の末端部分の剥離性を阻害しない。
この実施例における保護部11は、上述したように、連続線状保護部であり、そして、容器本体2の横方向に延び、連通阻害部10の上部線状部10aを保護する上部線状部保護部11aと、第1の側部線状部10bを保護する第1の側部線状部保護部11bと、第2の側部線状部10cを保護する第2の側部線状部保護部11cと、第1の角部線状部10dを保護する第1の角部保護部11dと、第2の角部線状部10eを保護する第2の角部保護部11eとを備える。
そして、図2に示す実施例の医療用複室容器20のように、連続線状保護部11は、連通阻害部10の上部線状部10aの上部に位置する部分に設けられた弱シール欠損部15を備えていてもよい。このような弱シール欠損部15を設けることにより、剥離作業時の保護部11の剥離が容易となる。また、このような弱シール欠損部15を設けても、連通阻害部10の2つの角部の保護低下も実質的に生じない。弱シール欠損部15としては、図2に示すように、上部線状部10aの上縁より下縁に向かって幅が狭くなる形態が好ましい。また、弱シール欠損部15としては、上部線状部10aの中点に対して対称に2つ設けることが好ましいが、このようなものに限定されるものではなく、上部線状部10aの中点付近に1つ設けたもの、さらには、上部線状部10aに2以上の複数個設けたものなどでもよい。また、弱シール欠損部15は、上部線状部10aの上縁より延び下縁に到達するものでも、その途中で終端するものでもよい。
また、図3に示す実施例の医療用複室容器30のように、連続線状保護部11の端部は、始端および終端に向かって幅が狭くなるものであってもよい。特に、図3に示す連続線状保護部11では、始端および終端に向かって幅が徐々に狭くなっている。つまり、この医療用複室容器30の連続線状保護部11では、連通阻害部10の第1の側部線状部10bおよび第2の側部線状部10cを保護する部分が、その端部に向かって幅が狭くなっている。この実施例のものにおいても連通阻害部10の保護すべき2つの角部は、十分に保護可能であり、かつ、剥離作業時における剥離は容易となる。
そして、図4に示す実施例の医療用複室容器40のように、連続線状保護部11としては、上述したように、連通阻害部10の上部線状部10aの上部に位置する部分に設けられた弱シール欠損部15を備えるとともに、上述したように、連続線状保護部11の端部は、始端および終端に向かって幅が狭くなるものであってもよい。
また、保護部の形態としては、例えば、図5に示す実施例の医療用複室容器50のようなものであってもよい。
この実施例の保護部51は、連通阻害部10の第1の側部線状部10bの中央部もしくは上部付近に始端を有し、第1の角部線状部10d、上部線状部10a、第2の角部線状部10eの上部を被包し、第2の側部線状部10cの中央部もしくは上部付近にて終端する連続線状保護部となっている。この実施例の保護部51は、容器本体2の横方向に延び、連通阻害部10の上部線状部10aを保護する上部線状部保護部51aと、第1の角部線状部10dを保護する第1の角部保護部51bと、第2の角部線状部10eを保護する第2の角部保護部51cとを備える。上述した保護部11とこの保護部51との相違は、保護部51では、その始端および終端と下端側シール部6間の離間距離が、図1の保護部11より長いものとなっている点である。保護部51は、第1の角部線状部10d、上部線状部10aおよび第2の角部線状部10eを保護しているが、第1の側部線状部10bおよび第2の側部線状部10cを実質的に保護しないものとなっている。この実施例のものにおいても連通阻害部10の保護すべき2つの角部は、十分に保護可能であり、かつ、保護部51は全体として短いものとなるので、剥離作業時における剥離は容易となる。
そして、保護部の幅(帯幅)は、1〜20mm、特に、3〜18mmであることが好ましい。なお、保護部の幅は、均一なものでなくてもよい。
また、図6に示す実施例の医療用複室容器60のように、保護部11に近接しかつ、連通阻害部10からみて保護部11より離間する位置に設けられた第2の保護部16を備えていてもよい。
この第2の保護部16は、保護部11に接触しないように形成されている。つまり、図6に示す実施例のように、第2の保護部16と保護部11間には、弱シール非形成部分が存在している。さらに、第2の保護部16は、下端側シール部6と離間する(言い換えれば、下端側シール部に接触しない)ように設けられていることが好ましい。このようにすることにより、通常の剥離作業時における第1の側部線状部10bおよび第2の側部線状部10cの下端側シール部6との接続部分の剥離性を阻害しない。
そして、この実施例における保護部11の幅としては、1〜20mmであることが好ましく、特に、3〜9mmであることが好ましい。また、第2の保護部16の幅としては、1〜20mmであることが好ましく、特に、3〜9mmであることが好ましい。なお、各弱シール部の幅は、均一なものでなくてもよい。そして、第2の保護部16と保護部11との離間距離としては、0.1〜10mmであることが好ましく、特に、0.3〜7mmであることが好ましい。また、第2の保護用弱シール部のシール強度としては、1〜25N/10mm、特に、2〜20N/mmであることが好ましい。また、第2の保護部のシール強度としては、保護部11のシール強度と同等であることが好ましく、また、若干高いもの、さらには、若干低いものであってもよい。
また、保護部の形態としては、例えば、図7に示す実施例の医療用複室容器70のようなものであってもよい。
この実施例の保護部71は、連通阻害部10の第1の角部線状部10dに近接しかつ第1の薬剤室21側となる位置に設けられた第1の角部保護部71aと、第2の角部線状部10eに近接しかつ第1の薬剤室側となる位置に設けられた第2の角部保護部71bを有する分割型保護部となっている。つまり、この実施例の保護部71では、連通阻害部10の第1の角部線状部10dおよび第2の角部線状部10eのみを保護するものとなっている。
また、図8に示す実施例の医療用複室容器80のように、上述した分割型保護部であっても、図1に示し上述した線状保護部11と同様に、連通阻害部10の上部線状部10aを保護する上部線状部保護部71c、第1の側部線状部10bを保護する第1の側部線状部保護部71d、第2の側部線状部10cを保護する第2の側部線状部保護部71eを有するものであってもよい。なお、上部線状部保護部71c、第1の側部線状部保護部71d、第2の側部線状部保護部71eのすべてを有するものとしてもよいが、上部線状部保護部71c、第1の側部線状部保護部71d、第2の側部線状部保護部71eのうち任意のものを有するものとしてもよい。例えば、上部線状部保護部71cのみ有するもの、第1の側部線状部保護部71dおよび第2の側部線状部保護部71eのみを有するものとしてもよい。
そして、この実施例の分割型保護部71では、各保護部の形状は、連続型保護部に非弱シール形成部を設けて分断した形態となっている。つまり、この実施例の分割型保護部71では、各保護部は、所定幅にて所定長延びるものとなっている。保護部71の幅としては、1〜20mm、特に、3〜18mmであることが好ましい。なお、保護部の幅は、均一なものでなくてもよい。
また、図9に示す実施例の医療用複室容器90のように、上述した分割型保護部における各保護部71の形態は、円形状であってもよい。さらには、各保護部の形態は、楕円状、半円状、多角形状などであってもよい。各保護部71の面積としては、3mm〜250m程度が好ましく、特に、19mm〜200mmが好ましい。
そして、図9に示す医療用複室容器90では、保護部71は、連通阻害部10の上部線状部10aを保護する上部線状部保護部71c、第1の側部線状部10bを保護する第1の側部線状部保護部71d、第2の側部線状部10cを保護する第2の側部線状部保護部71eを有するものとなっている。なお、上部線状部保護部71c、第1の側部線状部保護部71d、第2の側部線状部保護部71eのすべてを有するものとしてもよいが、上部線状部保護部71c、第1の側部線状部保護部71d、第2の側部線状部保護部71eのうち任意のものを有するものとしてもよい。例えば、上部線状部保護部71cのみ有すもの、第1の側部線状部保護部71dおよび第2の側部線状部保護部71eのみを有するものとしてもよい。
そして、上述した分割型保護部における連通阻害部10と保護部との離間距離は、0.1〜10mmが好ましく、特に、0.3〜7mmが好ましい。
そして、上述したいずれの実施例の医療用複室容器においても中央弱シール部9aは、連通阻害部10の上方かつ保護部11,51,71の上方となるように設けられている。また、保護部11,51,71の形成領域の容器本体2の横方向の幅は、中央弱シール部9aの形成領域の容器本体2の横方向の幅よりも狭いものとなっている。さらに、いずれの実施例の医療用複室容器も第2の薬剤室22を押圧することにより、仕切部9(具体的には、中央弱シール部9a)の剥離と同時もしくは続いて、保護部および連通阻害部が剥離するものとなっている。このため、剥離作業が容易である。
また、上述したいずれの実施例の医療用複室容器においても排出ポート3および混注ポート4が設けられている。
排出ポート3は、例えば、図1に示すように、容器本体2の下端側シール部6に形成された排出ポート取付部27に取り付けられている。排出ポート取付部27は、下端側シール部6の中心に設けられている。具体的には、図1に示すように、容器本体2の下端側シール部6に固定されている。排出ポートとしては、公知のものを使用することができる。また、混注ポート4は、第2の薬剤室22と連通するように設けられている。具体的には、図1に示すように、容器本体2の上端側シール部5に形成された混注ポート取付部28に固定されている。混注ポートとしては、公知のものを使用することができる。
図1は、本発明の実施例の医療用複室容器の正面図である。 図2は、本発明の他の実施例の医療用複室容器の正面図である。 図3は、本発明の他の実施例の医療用複室容器の正面図である。 図4は、本発明の他の実施例の医療用複室容器の正面図である。 図5は、本発明の他の実施例の医療用複室容器の正面図である。 図6は、本発明の他の実施例の医療用複室容器の正面図である。 図7は、本発明の他の実施例の医療用複室容器の正面図である。 図8は、本発明の他の実施例の医療用複室容器の正面図である。 図9は、本発明の他の実施例の医療用複室容器の正面図である。
符号の説明
1 医療用複室容器
2 容器本体
3 排出ポート
9 仕切部
10 連通阻害部
11 保護部
21 第1の薬剤室
22 第2の薬剤室

Claims (17)

  1. 可撓性材料により作製され、上端部および下端部を有し、内部空間が剥離可能な仕切部により第1の薬剤室と第2の薬剤室に区分された容器本体と、前記第1の薬剤室の下端部に設けられた排出ポートと、前記第1の薬剤室に収納された第1の薬剤と、前記第2の薬剤室に収納された第2の薬剤と、前記第1の薬剤室と前記排出ポートとの連通を阻害する剥離可能な連通阻害部とを備える医療用複室容器であって、
    前記連通阻害部は、前記容器本体の前記下端部より前記排出ポートの先端部上方を取り囲むように前記仕切部方向に延び、前記第1の薬剤室と区画された区画部を形成し、かつ、該連通阻害部は、前記第1の薬剤室側となる周縁部に形成された少なくとも1つの角部を備え、前記医療用複室容器は、前記連通阻害部より前記第1の薬剤室側であり、前記連通阻害部に近接し、かつ、該連通阻害部に接触しない位置に設けられ、前記連通阻害部の前記角部を保護するための剥離可能な保護部を備え、前記保護部は、前記角部の上部を被包し、端部が前記容器本体の前記前記下端部側に、該下端部に到達しないように延びる保護部であることを特徴とする医療用複室容器。
  2. 前記連通阻害部は、前記仕切部と前記排出ポート間に位置し、前記容器本体の横方向に延びる上部線状部と、該上部線状部の一端付近から延び前記容器本体の下端部に到達する第1の側部線状部と、該上部線状部の他端付近から延び前記容器本体の下端部に到達する第2の側部線状部と、前記上部線状部と前記第1の側部線状部を接続する第1の角部線状部と、前記上部線状部と前記第2の側部線状部を接続する第2の角部線状部とを備え、前記保護部は、前記連通阻害部の前記第1の角部線状部および前記第2の角部線状部を保護するものである請求項1に記載の医療用複室容器。
  3. 前記保護部のシール強度は、前記連通阻害部のシール強度と同じもしくはより大きいものとなっている請求項1または2に記載の医療用複室容器。
  4. 前記保護用弱シール部のシール強度は、前記仕切用弱シール部のシール強度よりも大きく、また、前記連通阻害用弱シール部のシール強度と同等もしくは大きいものとなっている請求項1または2に記載の医療用複室容器。
  5. 前記仕切部のシール強度は、前記連通阻害部のシール強度より大きく、前記保護部のシール強度は、前記仕切部のシール強度よりも大きいものとなっている請求項1または2に記載の医療用複室容器。
  6. 前記保護部は、連続線状保護部である請求項1ないし5のいずれかに記載の医療用複室容器。
  7. 前記保護部は、前記連通阻害部の前記第1の側部線状部の下端部付近かつ前記下端側シール部と離間した位置に始端を有し、前記第1の角部線状部、前記上部線状部、前記第2の角部線状部の上部を被包し、前記連通阻害部の前記第2の側部線状部の下端部付近かつ前記下端側シール部と離間した位置にて終端する連続線状保護部である請求項2ないし5のいずれかに記載の医療用複室容器。
  8. 前記保護部は、前記連通阻害部の前記第1の側部線状部の中央部もしくは上部付近に始端を有し、前記第1の角部線状部、前記上部線状部、前記第2の角部線状部の上部を被包し、前記連通阻害部の前記第2の側部線状部の中央部もしくは上部付近にて終端する連続線状保護部である請求項2ないし5のいずれかに記載の医療用複室容器。
  9. 前記連続線状保護部の端部は、前記始端および前記終端に向かって幅が狭くなるものである請求項6ないし8のいずれかに記載の医療用複室容器。
  10. 前記連続線状保護部は、前記連通阻害部の前記上部線状部の上部に位置する部分に設けられた欠損部を有している請求項6ないし9のいずれかに記載の医療用複室容器。
  11. 前記保護部は、前記連通阻害部の前記第1の角部線状部に近接しかつ前記第1の薬剤室側となる位置に設けられた第1の角部保護部と、前記第2の角部線状部に近接しかつ前記第1の薬剤室側となる位置に設けられた第2の角部保護部を有する分割型保護部である請求項2ないし5のいずれかに記載の医療用複室容器。
  12. 前記分割型保護部は、前記連通阻害部の前記上部線状部の上部に位置する部分に設けられた上部線状部保護部を備えている請求項11に記載の医療用複室容器。
  13. 前記分割型保護部は、前記連通阻害部の前記第1の側部線状部または/および前記第2の側部線状部に近接しかつ前記第1の薬剤室側となる位置に設けられた側部保護部を備えている請求項11または12に記載の医療用複室容器。
  14. 前記医療用複室容器は、前記保護部に近接しかつ、前記連通阻害部からみて前記保護部より離間する位置に設けられた第2の保護部を備えている請求項1ないし13のいずれかに記載の医療用複室容器。
  15. 前記仕切部は、中央弱シール部と、該中央弱シール部の両端部と連続し、該中央弱シール部より剥離しにくいもしくは剥離しない2つの側部シール部を備えている請求項1ないし14のいずれかに記載の医療用複室容器。
  16. 前記中央弱シール部は、前記連通阻害部の上方かつ前記保護部の上方となるように設けられている請求項15に記載の医療用複室容器。
  17. 前記医療用複室容器は、前記第2の薬剤室を押圧することにより、前記仕切部の剥離と同時もしくは続いて前記保護部および前記連通阻害部が剥離するものである請求項1ないし16のいずれかに記載の医療用複室容器。
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