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JP4642818B2 - 回折格子の製造方法 - Google Patents

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JP4642818B2
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Description

本発明は、X線タルボ干渉計に用いられる回折格子(位相型回折格子及び/又は振幅型回折格子)の製造方法に関する。
X線透視装置は例えば医療用画像診断技術に関して広く用いられているが、被写体によるX線吸収の大小によって画像のコントラストを形成する原理であるために、血液、血管壁やそのまわりの軟組織についてはX線吸収係数が殆ど等しく、十分なコントラストを得難いという問題がある。長い時間を掛けて撮像すればある程度のコントラストを得ることはできるが、X線の照射線量が増大し、患者の負担を増大させるという問題がある。また、例えば画像中の血管のコントラストを強調するためにヨウ素などの造影物質を注射する方法も考えられるが、これも患者の負担を増大させてしまい、また検査コストも増大してしまう。
一方、例えばX線干渉計を利用する手法のように、X線を波として把握し、被写体中を波が伝わる速さの違いをコントラスト形成に利用する位相コントラスト法も知られている。即ち、被写体を透過することによるX線の位相シフトを検出する手法である。この位相コントラスト法は、X線の吸収に頼る方法に比べて約1000倍の感度改善が実現でき、付随してX線照射量を例えば1/100〜1/1000に軽減できるという利点がある。また、空間分解能を向上させるという観点からも、上記の感度の改善は極めて好ましい効果をもたらすといえる。
本願の発明者はX線干渉計を利用して画像診断を行うことの有用性を早くから見出しており、例えば特許文献1においては、マッハツェンダー型のX線干渉計を構成し、このX線ビームパス中に被検査部位を配置し、得られたX線干渉図形のモアレ像を解析することで、被写体による位相シフトの分布を示す画像を得ることができると提案している。このような構成によれば、X線を用いて、血管や血液分布を無造影で、あるいは、重元素を含まない物質注入により容易に可視化できるとする。
本発明者はX線干渉計を利用して画像診断する方法を研究してきたが、例えば非特許文献においては、X線干渉計のX線供給源の大きさが大きい為に生ずる2枚の回折格子を通過するX線の半影効果(Penambra effect)を改善する方法が提案されているが構成が複雑で実用化に課題が残る。
また、特許文献2では、この回折格子の作製方法として、X線光あるいは紫外光による光学リソグラフィによってレジストからなる構造体を作製し、その後、金電気メッキ法によってX線吸収金属部を作製するという方法を用いている。この方法は、加工精度の点から、レジスト材料の影響を大きく受け、精度の高いものを作ることが困難である。上述の比特許文献1においては、直接プラズマエッチング法によってシリコン基板に溝部を作製し、その後、この溝部に金メッキあるいはスパッタ法によってX線吸収金属部を作るという手法が用いられている。この方法はシリコン材料自体が導電体であるため、金メッキ法によってX線吸収金属部を作製するときに、シリコン材料に一度絶縁層を作製すると共に溝の底部に銅、チタンなどの金属シード層を作製することが必要である。この手法は、プロセスが非常に多く、複雑であるという点とX線吸収体である金の厚みを高くすることが困難(現在では幅2〜3μm高さ15μmぐらいまでのものが可能)であり、感度向上のためにはもっとこの厚みを高くする必要がある。
特開2001−29340号公報 特開2006−259264号公報 F.Pfeiffer et al.,Nature Phys.2(2006)258
ここで近年、高輝度X線が得られる大規模設備(例えば、わが国のSPring8等)の利用等、可干渉で高輝度なX線を得られる環境が整備されるにつれて、空間的に可干渉な光源と2枚の回折格子を用いて入射波面の勾配を検出する構成のタルボ干渉計をX線分野に適用することが研究されている。
このタルボ干渉計は、簡素な光学系で実現できること等、種々の優位性が指摘されるところであるが、このX線タルボ干渉計を良好に機能させ得る上記2枚の回折格子を安定的に製造する方法については、加工上の特別な技術が必要になり、未だ確立されていないのが実情である。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に、この課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下のような、X線タルボ干渉計に用いられる回折格子の製造方法が提供される。紫外線透過型基板の表面に所定のパターンでX線吸収金属部が形成された回折格子を準備し、紫外線透過型基板及びX線吸収金属部の表面に紫外線感光樹脂層を形成して、光学リソグラフィー法により、X線吸収金属部を光学リソグラフィーマスクとして紫外線透過型基板の裏面から紫外線を照射して、X線吸収金属部に対応する紫外線感光樹脂層を現像により除去し、そして、電鋳法により、X線吸収金属部に電圧を印加して紫外線感光樹脂層が除去された部分にX線吸収金属部を積層させる。
これにより、X線吸収金属部を光学リソグラフィーマスクとして利用した、光学リソグラフィー法によりアスペクト比の大きな加工を十分な精度をもって行うことができる。また、電鋳法の際に、X線吸収金属部に電圧を印加するため、正確に当該X線吸収金属部を埋め込むことができる。
上記回折格子の製造方法においては、好ましくは、紫外線透過型基板の表面に金属シード層を形成し、その金属シード層の表面に紫外線感光樹脂層を形成して、光学リソグラフィー法により、金属シード層の表面に形成された紫外線感光樹脂層に光学リソグラフィーマスクを用いたパターニングを行って現像により紫外線感光樹脂層を除去し、そして、電鋳法により、金属シード層に電圧を印加して当該紫外線感光樹脂層が除去された部分にX線吸収金属部を形成し、X線吸収金属部が形成された部分以外の部分に対応する紫外線感光樹脂層及び金属シード層を除去した後、紫外線透過型基板及びX線吸収金属部の表面に紫外線感光樹脂層を形成して、光学リソグラフィー法により、X線吸収金属部を光学リソグラフィーマスクとして紫外線透過型基板の裏面から紫外線を照射して、X線吸収金属部に対応する紫外線感光樹脂層を現像により除去し、そして、電鋳法により、金属シード層を介してX線吸収金属部に電圧を印加して紫外線感光樹脂層が除去された部分にX線吸収金属部を積層させる。
これにより、X線吸収金属部を光学リソグラフィーマスクとして利用した、光学リソグラフィー法によりアスペクト比の大きな加工を十分な精度をもって行うことができる。また、電鋳法の際に、金属シード層又はX線吸収金属部に電圧を印加するため、正確に当該X線吸収金属部を埋め込むことができる。
上記回折格子の製造方法においては、好ましくは、光学リソグラフィー法により、X線吸収金属部を光学リソグラフィーマスクとして紫外線透過型基板の裏面から紫外線を照射して、X線吸収金属部に対応する紫外線感光樹脂層を現像により除去し、そして、電鋳法により、X線吸収金属部に電圧を印加して紫外線感光樹脂層が除去された部分にX線吸収金属部をさらに積層させる工程を所定回数繰り返すことにより、X線吸収金属部のスリット幅と厚みとのアスペクト比を1対5以上とする。
これにより、上記した工程を所定回数繰り返すだけで、アスペクト比の大きい加工を必要とする振幅型回折格子を製造することができる。
また、本発明の観点によれば、以下のような、X線タルボ干渉計に用いられる回折格子の製造方法が提供される。紫外線透過型基板の表面に金属シード層を形成し、その金属シード層の表面に紫外線感光樹脂層を形成して、光学リソグラフィー法により、金属シード層の表面に形成された紫外線感光樹脂層に光学リソグラフィーマスクを用いたパターニングを行って現像により紫外線感光樹脂層を除去し、そして、電鋳法により、金属シード層に電圧を印加して当該紫外線感光樹脂層が除去された部分にX線吸収金属部を形成し、X線吸収金属部が形成された部分以外の部分に対応する紫外線感光樹脂層及び金属シード層を除去する。
これにより、厚みが小さくても良い(アスペクト比が例えば1以下の加工で十分な)位相型回折格子においては、コストや工数の少ない製造方法を採用して製造コストを低減することができる。また、電鋳法の際に、金属シード層に電圧を印加するため、正確に当該X線吸収金属部を埋め込むことができる。
上記回折格子の製造方法においては、好ましくは、紫外線透過型基板は、ガラス、石英ガラス、水晶等の紫外線を透過できる比較的大きな面積を高精度に鏡面加工の可能な基板材料である。
また、本発明の観点によれば、以下のような、X線タルボ干渉計に用いられる回折格子の製造方法が提供される。X線透過型基板の表面に所定のパターンでX線吸収金属部が形成された回折格子を準備し、X線透過型基板及びX線吸収金属部の表面にX線感光樹脂層を形成して、X線リソグラフィー法により、X線吸収金属部をX線リソグラフィーマスクとしてX線透過型基板の裏面からX線を照射して、X線吸収金属部に対応するX線感光樹脂層を現像により除去し、そして、電鋳法により、X線吸収金属部に電圧を印加してX線感光樹脂層が除去された部分にX線吸収金属部を積層させる。
これにより、X線吸収金属部をX線リソグラフィーマスクとして利用した、X線リソグラフィー法によりアスペクト比の大きな加工を十分な精度をもって行うことができる。また、電鋳法の際に、X線吸収金属部に電圧を印加するため、正確に当該X線吸収金属部を埋め込むことができる。
上記回折格子の製造方法においては、好ましくは、X線透過型基板の表面に金属シード層を形成し、その金属シード層の表面にX線感光樹脂層を形成して、X線リソグラフィー法により、金属シード層の表面に形成されたX線感光樹脂層にX線リソグラフィーマスクを用いたパターニングを行って現像によりX線感光樹脂層を除去し、そして、電鋳法により、金属シード層に電圧を印加して当該X線感光樹脂層が除去された部分にX線吸収金属部を形成した後、X線感光樹脂層及びX線吸収金属部の表面にX線感光樹脂層を形成して、X線リソグラフィー法により、X線吸収金属部をX線リソグラフィーマスクとしてX線透過型基板の裏面からX線を照射して、X線吸収金属部に対応するX線感光樹脂層を現像により除去し、そして、電鋳法により、金属シード層もしくはX線吸収金属部に電圧を印加してX線感光樹脂層が除去された部分にX線吸収金属部を積層させる。
これにより、X線吸収金属部をX線リソグラフィーマスクとして利用した、X線リソグラフィー法によりアスペクト比の大きな加工を十分な精度をもって行うことができる。また、電鋳法の際に、金属シード層もしくはX線吸収金属部に電圧を印加するため、正確に当該X線吸収金属部を埋め込むことができる。
上記回折格子の製造方法においては、好ましくは、X線リソグラフィー法により、X線吸収金属部をX線リソグラフィーマスクとしてX線透過型基板の裏面からX線を照射して、X線吸収金属部に対応するX線感光樹脂層を現像により除去し、そして、電鋳法により、金属シード層もしくはX線吸収金属部に電圧を印加してX線感光樹脂層が除去された部分にX線吸収金属部をさらに積層させる工程を所定回数繰り返すことにより、X線吸収金属部のスリット幅と厚みとのアスペクト比を1対5以上とする。
これにより、上記した工程を所定回数繰り返すだけで、アスペクト比の大きい加工を必要とする振幅型回折格子を製造することができる。
また、本発明の観点によれば、以下のような、X線タルボ干渉計に用いられる回折格子の製造方法が提供される。X線透過型基板の表面に金属シード層を形成し、その金属シード層の表面にX線感光樹脂層を形成して、X線リソグラフィー法により、金属シード層の表面に形成されたX線感光樹脂層にX線リソグラフィーマスクを用いたパターニングを行って現像によりX線感光樹脂層を除去し、そして、電鋳法により、金属シード層に電圧を印加して当該X線感光樹脂層が除去された部分にX線吸収金属部を形成する。
これにより、厚みが小さくても良い(アスペクト比が例えば1以下の加工で十分な)位相型回折格子においては、コストや工数の少ない製造方法を採用して製造コストを低減することができる。また、電鋳法の際に、金属シード層に電圧を印加するため、正確に当該X線吸収金属部を埋め込むことができる。
上記回折格子の製造方法においては、好ましくは、X線透過型基板は、シリコン、ガラス、石英ガラス、アルミナ等のX線を透過できる比較的大きな面積を高精度に鏡面加工の可能な基板材料である。
上記回折格子の製造方法においては、好ましくは、現像により紫外線感光樹脂層を除去する工程又はX線感光樹脂層を除去する工程において、紫外線感光樹脂層又はX線感光樹脂層の未感光部分を除去して乾燥させる際に、臨界乾燥条件下で乾燥させる。
上記した、臨界の意味は水の分子間の引力と運動エネルギーとが釣り合う点である。したがって、温度と圧力とを共に臨界以上にすると分子の運動エネルギーが分子間引力より大きくなり物質は液体とも気体とも異なる特殊な状態をとる。この状態を超臨界流体と呼び表面張力を持たない流体となるので3次元構造体の隣の樹脂のスリット同士でスティッキングを起こさない乾燥方法が可能となる。
上記回折格子の製造方法においては、好ましくは、現像により紫外線感光樹脂層を除去する工程又はX線感光樹脂層を除去する工程において、紫外線感光樹脂層又はX線感光樹脂層の未感光部分を水洗い洗浄により除去した後に、Oアッシング洗浄により当該水洗い洗浄では取りきれなかった未感光樹脂を酸化させて灰に置換することにより当該未感光樹脂を取り除く。
これにより、感光した樹脂を酸化燃焼させて灰に置換して容易に取り除く事を可能としてメッキ液との不必要な化学反応の発生を防ぎX線吸収金属部の析出積層をスリット形状通りに正確に埋め込むことができる。
上記回折格子の製造方法においては、好ましくは、電鋳法により、紫外線感光樹脂層又はX線感光樹脂層が除去された部分にX線吸収金属部を形成する工程において、金属シード層への電圧の印加を一旦中断して、紫外線感光樹脂層又はX線感光樹脂層が除去された部分からメッキ溶液を流出させるポンピング工程を複数回繰り返す。
これにより、ヘルムホルツ電気二重層の発生を防ぎX線吸収金属部の析出積層を樹脂のスリット形状の隙間に正確に埋め込むことができる。
上記回折格子の製造方法においては、好ましくは、電鋳法により、紫外線感光樹脂層又はX線感光樹脂層が除去された部分にX線吸収金属部を形成する工程において、金属シード層に流れるメッキ電流を短時間極性反転するパルス波形とする。
これにより、ヘルムホルツ電気二重層の発生を防ぎメッキ層の積層を樹脂のスリット形状の隙間に正確に埋め込むことができる。
上記回折格子の製造方法においては、好ましくは、X線吸収金属部は、白金、金、銀、プラチナ、チタンの内から選択された一つ又は二つ以上の組み合わせよりなる。
上記回折格子の製造方法においては、好ましくは、X線吸収金属部は、2μm以上10μm以下のスリット幅を有するとともに、2μm以上10μmの間隔を隔ててストライプ状に形成されている。
上記回折格子の製造方法においては、好ましくは、金属シード層は、クロム、銅、金、アルミニウム、チタンの内から選択された一つ又は二つ以上の組み合わせよりなる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に関わるX線タルボ干渉計概念示した図である。図2(a)はX線タルボ干渉計で得られるタルボ干渉像の例を示す図、図2(b)は縞走査法により得られる微分位相像を示す図、図2(c)はX線位相型CTの例を示す図である。図3は、位相型回折格子構造概念図であり、図4は、振幅型回折格子構造概念図である。
先ず、本発明の方法で製造される回折格子が使用されるX線タルボ干渉計の光学系について、図1を参照しながら説明する。このX線タルボ干渉計では、1枚目の回折格子(位相型回折格子)10と2枚目の回折格子(振幅型回折格子)20とを特定の距離だけ離して平行に配置し、観察したい試料2を位相型回折格子10の前に配置する。2枚の回折格子10及び20のそれぞれは、X線を吸収するy方向に細長いX線吸収金属部11及び21(図3及び図4参照)を、x方向に周期的に並べて配置した構成となっている。
ここで、回折格子10及び20の周期が波長に比べて十分に大きいとき、位相型回折格子10を通過した後の光は、回折角が非常に小さくなるために、回折された多数の光が重なり合って干渉する。そして、各回折光の位相が揃う条件を満たすような距離だけ離れた位置において、位相型回折格子10の透過直後と同じパターン、即ち自己像が干渉の結果として現れる(タルボ効果)。
次に、試料2を位相型回折格子10の前に配置したときの自己像に着目すると、干渉する各回折光は試料2の内部において僅かに異なる光路を通過しているため、そのときの位相差によって干渉縞の様子が変化する。従って、この変形した自己像の位置に前記の振幅型回折格子20を重ねることによって、いわゆるモアレ縞の画像(タルボ干渉像)Gを取得でき、この画像Gにおいては微分位相が等高線のように現れることになる(図2の(a)を参照)。なお、図2の(a)は、直径1.2mmのプラスチック球を試料2として採用した際のタルボ干渉像である。
上記のタルボ干渉像Gを観察するだけでは上記微分位相を定量的に取得することは困難であるが、縞の位相を人為的に変化させたときの干渉縞の変化を解析することによって、微分位相を決定することができる(縞走査法)。例えば、図1において2枚の回折格子10及び20の相対位置関係をx方向にずらすことでモアレ縞の位相を変化させながら複数のタルボ干渉像Gを取得して解析することにより、図2(b)に示すような定量的な微分位相像を得ることができる。また、この画像を単純に積分処理すれば、位相像そのものを得ることもできる。
更に、試料2に対して多数の投影方向から前記の図2(b)に示すような微分位相像を取得し、これを積分することで位相像とし、多数の投影方向からの位相像を合成することで、図2(c)に示すように、位相型X線CT(コンピュータ断層撮影)を行うことも可能である。図2(c)では、試料2としてのプラスチック球をコンピュータ上で仮想的に1/8だけ切り取った断面が示されており、試料2としてのプラスチック球の形成時に生じたと思われる内部の泡の様子も明確に観察することができる。
X線タルボ干渉計は、図1のように試料2の後に回折格子10及び20を2枚配置するだけという簡素な光学系であり、また、結晶のような繊細な光学素子を用いないため、精密な光学素子調整や高い安定性をそれほど必要としないという特徴を有している。また、モアレ縞として強度を検出するので、空間分解能の高い検出器を必ずしも必要としない点でも有利である。更には、タルボ干渉計は原理的に小さな光源を必要とするが単色性はそれほど必要でなく、球面波のような発散光も使用できるので、巨大な設備を必要とする前記シンクロトロン放射光以外のX線源を利用できる余地があり、装置の小型化に貢献して病院などでの実用化に道を拓くものとして期待されている。
なお、上記のように有用性が指摘されるX線タルボ干渉計であるが、一般にX線は物質による吸収が非常に小さく、位相変化もそれほど大きくないため、上記の回折格子10及び20は、可視光領域のタルボ干渉計のそれよりも製造が困難である。また当然ながら、タルボ干渉計を機能させるには、X線の可干渉距離よりも回折格子10及び20の各X線吸収金属部11(図3参照)及び21(図4参照)の周期を小さくする必要があり、10μm以下、望ましくは5μm程度とする必要がある。
そして、いわゆる分数タルボ効果による自己像は、位相型回折格子10の位相シフト量がπ/2になるときに、最も高いコントラストが得られるという性質がある。そして、位相シフト量がπ/2を実現するのに必要な位相型回折格子10の厚さを本願の発明者が試算したところ、波長が0.7Å〜1.1Åの場合で、位相型回折格子10のX線吸収金属部11としてX線吸収能の高い金を材料として用いた場合、位相型回折格子10では1μm〜10μmとなった。
一方、振幅型回折格子20については、タルボ干渉計で得られるモアレ縞の可視性の向上という観点からは振幅型回折格子20の強度透過率を小さくすることが重要であり、例えば強度透過率1%を実現できる程度のX線吸収を得られれば理想的である。この点、例えば強度透過率1%を実現するのに必要な振幅型回折格子20の厚さを本願の発明者が同様に試算したところ、金を材料として用いたとしても、波長が0.7Å〜1.1Åの場合で10μm〜100μmの厚みが必要になるとの結果が得られた。
従って、X線タルボ干渉計を実現するにあたっては、そのような2枚の回折格子10及び20、特に、極めて大きいアスペクト比(例えば、5以上)が要求される振幅型回折格子20を製造できるか否かが重要な鍵となっている。
以上の課題を解決すべく、本願の発明者は鋭意研究を重ね、以下に説明するような位相型回折格子10及び振幅型回折格子20の製造方法を提案するに至ったものである。以下、それぞれについて詳細に説明する。
先ず、図3及び図4を参照して、2つの回折格子10及び20の具体的な構成を説明する。図3に示す位相型回折格子10は、例えば厚さ約150μmのガラス基板Bの一方側面に一体的に形成されている。この位相型回折格子10は、ガラス基板B上に等間隔で多数並べて設けられた細長い前記X線吸収金属部11を有している。X線吸収金属部11のそれぞれは、X線吸収能に優れた金を素材としており、そのガラス基板Bから突出する厚みt1(位相型回折格子10の厚みに相当する)は、何れのX線吸収金属部11においても互いに等しくなっており、1μm以上5μm以下としている。X線吸収金属部11とX線吸収金属部11との間は、単なる空間になっている。
複数のX線吸収金属部11の幅w1は互いに等しく構成されており、その幅w1は、2μm以上10μm以下とされている。また、X線吸収金属部11の周期d1も、2μm以上10μm以下とされている。
一方、図4に示す振幅型回折格子20は、前記の位相型回折格子10を厚み方向(X線の光軸方向)に引き伸ばしたものに相当する。具体的には、振幅型回折格子20のそれぞれのX線吸収金属部21は、小幅で細長くかつ大きな厚みを有する形状としており、これが幅方向に等間隔で多数並べて設けられている。X線吸収金属部21のそれぞれは、前記位相型回折格子10と同様にX線吸収能に優れた金を素材としており、その厚みt2(振幅型回折格子20の厚みに相当する)は、20μm以上300μm以下としている。X線吸収金属部21とX線吸収金属部21との間には、樹脂部材22がサンドイッチ状に介在されている。言い換えれば、X線吸収金属部21と樹脂部材22とが交互に重ねられて接合された構成となっている。なお、隣り合うX線吸収金属部21及び21の間には、樹脂部材22に代えて、酸化ケイ素からなる保持部材が介在されていても良い。
そして、複数のX線吸収金属部21は幅w2が互いに等しく構成されており、その幅は、2μm以上10μm以下とされている。また、X線吸収金属部21の周期(幅)d2も、2μm以上10μm以下とされている。
以上の構成により、図1のX線タルボ干渉計において、振幅型回折格子20の直後の位置で正確なモアレ縞のタルボ干渉像Gを確実に得ることができる。更に、位相型回折格子10においては、それをX線が通過する際の位相シフト量をπ/2とするのに十分な厚みとできる。また、振幅型回折格子20では、モアレ縞の可視性が良好な低い透過強度率を実現するのに十分な厚みとできる。従って、鮮明なモアレ縞が得られ、信頼性及び精度の高いX線タルボ干渉計を実現できる。
〔位相型回折格子の製造方法〕
図5〜図7は、光学リソグラフィーを用いた位相型回折格子及び振幅型回折格子の製造方法を説明するための図である。次に、前記位相型回折格子10の製造方法について、図5及び図6を参照して説明する。まず、図5(a)に示すように、前述のガラス基板Bの一側の面に図5(b)に示す金属シード層41(例えばクロム金属)をスパッタリングで形成させ、図5(c)に示す感光性樹脂(例えば、ポリビニルアルコール樹脂)31を塗布する一方、これをパターン露光するための位相型回折格子用の光学リソグラフィーマスク(光学マスク)34を用意する。この光学マスク34としては、適宜のガラス基板32の一側の面にクロムや酸化クロムによりパターン33を薄膜状に形成したものを用いることができる。
次に、図5(d)に示すように、光源として紫外線供給源を用い、前記光学マスク34のパターン33を、ガラス基板B上の紫外線感光性樹脂31に対して正確に転写する。そして、図6(e)の現像工程で、紫外線感光性樹脂31の未感光紫外線感光性樹脂を選択的に除去し、図6(f)の金メッキ工程により、前記紫外線感光性樹脂31が除去された部分にX線吸収金属部11を形成する。更に、図6(g)のように、前述の紫外線感光硬化樹脂31及びその紫外線感光硬化樹脂31に対応する金属シード層41を除去する。以上の工程により、位相型回折格子10を製造することができる。
〔振幅型回折格子の製造方法〕
次に、振幅型回折格子20の製造方法について、図6(h)及び図7を参照して説明する。
振幅型回折格子20は、図6(g)に示した位相型回折格子10のX線吸収金属部11を利用して製造することができる。
まず、図6(h)に示すように、位相型回折格子10のX線吸収金属部11が形成されたガラス基板Bの表面に紫外線感光性樹脂(例えば、ポリビニールアルコール樹脂)31を、例えばロールコートやスピンコート等を用いて塗布する。
次に、図7(i)に示すように、光源として紫外線を用い、X線吸収金属部11が形成されたガラス基板Bの裏面から紫外線50を照射して、光学リソグラフィーを行い、当該X線吸収金属部11を光学リソグラフィーマスクとして利用することで、X線吸収金属部11に対応する部分を除く部分に対応する紫外線感光性樹脂31を感光硬化させる。
図7(j)に示すように、X線吸収金属部11に対応した未感光紫外線感光性樹脂を現像により取り除く。
図7(k)に示すように、X線吸収金属部11に金属シード層41を介して電圧を印加して、上記した金メッキ工程により、前記紫外線感光性樹脂31が除去された部分にX線吸収金属部21を形成する。
X線吸収金属部21を光学リソグラフィーマスクとして利用して、図6(h)及び図7(i)〜図7(k)の工程を繰り返す事でX線吸収金属部21の金メッキを必要回数析出積層させてアスペクト比の高い振幅型回折格子20(図8参照)を製造することができる。
以上に示すように、厚みが小さくても良い(アスペクト比が例えば1以下の加工で十分な)位相型回折格子10においては、図5及び図6に示すようなコストや工数の少ない製造方法を採用して製造コストを低減する一方で、厚みの大きな(アスペクト比が例えば5以上の加工が要求される)振幅型回折格子20においては、X線吸収金属部21を光学リソグラフィーマスクとして利用した、いわゆる光学リソグラフィーによりアスペクト比の大きな加工を十分な精度をもって行うことができる。
図6(e)に示す紫外線感光硬化型樹脂の現像乾燥を行こなう工程では、微細加工に成る程スリット間の間隔が狭まり図9(a)に示すように水の表面張力で3次元構造体の隣のスリット同士でスティッキングを起こしてしまうケースが増えてくる。この対策法として、図10に示す水の超臨界点を超えた高温高圧の条件下における乾燥が効果的である。図10における臨界点の意味は水の分子間の引力と運動エネルギーとが釣り合う点であり、温度と圧力とを共に臨界点以上にすると分子の運動エネルギーが分子間引力より大きくなり物質は液体とも気体とも異なる特殊な状態をとる。この状態を超臨界流体と呼び表面張力を持たない流体となるので3次元構造体の隣の樹脂のスリット同士でスティッキングを起こさない乾燥方法が可能となる。
本実施形態としてチャンバーの温度を40℃に保ち、不燃性ガスの二酸化炭素を30分間50ml/分でパージして20分間で0ml/分にテーパーオフした後、チャンバー内圧を12MPaに加圧30分保持し、20分間かけて8MPaに減圧し、更に160分間で0MPaに減圧して乾燥して制作した回折格子の実施例を図9(b)に示す。
本実施形態におけるガラス基板Bの表面の紫外線感光性樹脂31を感光させて樹脂のパターニングを行い未感光部分の樹脂を取り除く工程において、未感光樹脂を水洗して取り除いた後に水洗では取りきれなかった不要な未感光樹脂の残留物を取り除く方法に酸素によるOアッシング洗浄を行い、感光した樹脂を酸化燃焼させて灰に置換して容易に取り除く事を可能としてメッキ液との不必要な化学反応の発生を防ぎX線吸収金属部の析出積層をスリット形状通りに正確に埋め込むことを特徴とする回折格子の製造方法を提供している。
回折格子のX線吸収金属をメッキ工程で3次元構造体の樹脂のスリット溝にX線吸収金属を3次元構造体に隙間なく析出積層させるためには溝の内壁の未感光樹脂の残留物を取り除く酸素プラズマによるアッシング洗浄方法が近年樹脂の微細加工の技術として進められている。本発明の実施例として酸素プラズマ発生電力容量500W、基板バイアス50W、酸素流量50sccm、の条件で30秒間のアッシングと3分間の休止を繰り返して未感光樹脂の残留物を取り除くことができた。
紫外線感光硬化型樹脂の現像乾燥を行こなう工程でスティッキング防止方法を講じ、3次元構造体のスリット溝の内壁の未感光樹脂の残留物を取り除く酸素プラズマによるアッシング洗浄を行った後に3次元構造体のスリット溝に電鋳法でX線吸収金属を析出積層させる図11に示す電鋳工程におけるX線吸収金属がメッキ電解の陰極近傍に発生するヘルムホルツ電気二重層により電界が乱される影響を改善する方法として、メッキ電流をメッキ工程の途中で中断し感光樹脂スリット空隙部のメッキ溶液をスリット空隙部から流出させるポンピングの手順を5分間程度のサイクルで繰り返す事によりヘルムホルツ電気二重層の発生を防ぎX線吸収金属部の析出積層を樹脂のスリット形状の隙間に正確に埋め込むことを可能とさせる。
図11に示す電解メッキによる電鋳法でX線吸収金属を析出積層させる工程において、電鋳のX線吸収金属がメッキ電解の陰極近傍に発生するヘルムホルツ電気二重層により乱される影響を改善する方法として、図12に示す、メッキ電流をパルス波形とし短時間極性反転する方法によりヘルムホルツ電気二重層の発生を防ぎメッキ層の積層を樹脂のスリット形状の隙間に正確に埋め込むことができる。
(第2実施形態)
図13〜図16は、X線リソグラフィー法を用いた位相型回折格子及び振幅型回折格子の製造方法を説明するための図である。この第2実施形態では、上記した第1実施形態の光学リソグラフィー法を用いた位相型回折格子及び振幅型回折格子の製造方法と異なり、X線リソグラフィー法を用いた位相型回折格子及び振幅型回折格子の製造方法について説明する。なお、この第2実施形態では、X線リソグラフィー法を用いること以外は、上記した第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
〔位相型回折格子の製造方法〕
X線リソグラフィー法を用いた第2実施形態にかかる位相型回折格子110の製造方法について、図13及び図14を参照して説明する。まず、図13(a)に示すように、前述のシリコン基板Cの一側の面に図13(b)に示す金属シード層141(例えばクロム金属)をスパッタリングで形成させ、図13(c)に示すX線感光性樹脂(例えば、エポキシ樹脂と感放射線性カチオン重合開始剤を溶媒に溶解させたネガ型レジスト)131を塗布する一方、これをパターン露光するための位相型回折格子用のX線リソグラフィーマスク(X線マスク)134を用意する。このX線マスク134としては、例えば、適宜のシリコン基板132の一側の面に金パターン133を薄膜状に形成したものを用いることができる。
次に、図13(d)に示すように、光源としてX線供給源を用い、前記X線マスク134の金パターン133を、シリコン基板C上のX線感光性樹脂131に対して正確に転写する。X線に曝された部分は感光性樹脂131の樹脂の分子が重合して分子量が増大して現像液に溶解しなくなる。そして、図14(e)の現像工程でX線感光性樹脂131の未感光X線感光性樹脂を選択的に除去し、図14(f)の金メッキ工程により、前記X線感光性樹脂131が除去された部分にX線吸収金属部111を形成する。以上の工程により、位相型回折格子110を製造することができる。
〔振幅型回折格子の製造方法〕
次に、X線リソグラフィー法を用いた第2実施形態にかかる振幅型回折格子120の製造方法について、図14(g)〜図15を参照して説明する。
振幅型回折格子120は、図14(f)に示した位相型回折格子110のX線吸収金属部111を利用して製造することができる。
まず、図14(g)に示すように、位相型回折格子110のX線吸収金属部111の表面及びX線感光性樹脂131の表面にX線感光性樹脂(例えば、エポキシ樹脂と感放射線性カチオン重合開始剤を溶媒に溶解させたネガ型レジスト)131を、例えばロールコートやスピンコート等を用いて塗布する。
次に、図15(h)に示すように、光源としてX線供給源を用い、X線吸収金属部111が構成されたシリコン基板Cの裏面からX線150を照射して、X線リソグラフィーを行い、当該X線吸収金属部111をX線リソグラフィーマスクとして利用することで、X線吸収金属部111に対応する部分を除く部分に対応するX線感光性樹脂131を感光硬化させる。
図15(i)に示すように、X線吸収金属部111に対応する未感光X線感光性樹脂131を現像により取り除く。
図15(j)に示すように、X線吸収金属部111に金属シード層141を介して電圧を印加して、上記した金メッキ工程により、前記X線感光性樹脂131が除去された部分にX線吸収金属部121を形成する。
X線吸収金属部121をX線リソグラフィーマスクとして利用して、図14(g)及び図15(h)〜図15(j)の工程を繰り返す事でX線吸収金属部121の金メッキを必要回数析出積層させてアスペクト比の高い振幅型回折格子120(図16参照)を製造することができる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態において、X線吸収金属部を金で形成することとしたが、金に限定するものでもなく、任意の素材を用いて差し支えない。ただし、X線吸収能の優れたもの、例えば白金、金、銀、プラチナ、チタン等が好適である。
また、上記実施形態において、金属シード層を例えばクロム金属で形成することとしたが、本発明はクロムに限定するものでもなく、例えば、銅、金、アルミニウム、チタンなどを用いることができる。
また、第1実施形態において、紫外線透過型基板としてガラス基板を用いる例について説明したが、本発明はこれに限らず、石英ガラス、水晶等の紫外線を透過できる比較的大きな面積を高精度に鏡面加工の可能な基板材料であれば、ガラス基板に限定されない。また、第2実施形態において、X線透過型基板としてシリコン基板を用いる例について説明したが、本発明はこれに限らず、ガラス、石英ガラス、アルミナ等のX線を透過できる比較的大きな面積を高精度に鏡面加工の可能な基板材料であれば、シリコン基板に限定されない。
本発明に関わるX線タルボ干渉計概念示した図である。 X線タルボ干渉計で観測した3次元画像を示した図である。 位相型回折格子構造概念図である。 振幅型回折格子構造概念図である。 光学リソグラフィーを用いた位相型回折格子及び振幅型回折格子の製造工程を説明するためのフローチャートである。 光学リソグラフィーを用いた位相型回折格子及び振幅型回折格子の製造工程を説明するためのフローチャートである。 光学リソグラフィーを用いた位相型回折格子及び振幅型回折格子の製造工程を説明するためのフローチャートである。 光学リソグラフィーを用いた位相型回折格子及び振幅型回折格子の製造工程を説明するためのフローチャートである。 感光性樹脂の紫外線照射現像後の乾燥で水又は溶液の表面張力で樹脂構造体が隣同士でスティッキングする対策法を示した図である。 感光性樹脂の紫外線照射現像後の乾燥で水又は溶液の表面張力を打ち消す高温高圧条件下の超臨界の乾燥法の概念図である。 電解メッキでX線吸収金属部を析出積層させるメッキ電解槽の概念図である。 電解メッキの陰極近傍で起きるヘルムホルツ電気二重層を解消すパルス反転通電法の概念図である。 X線リソグラフィーを用いた位相型回折格子及び振幅型回折格子の製造工程を説明するためのフローチャートである。 X線リソグラフィーを用いた位相型回折格子及び振幅型回折格子の製造工程を説明するためのフローチャートである。 X線リソグラフィーを用いた位相型回折格子及び振幅型回折格子の製造工程を説明するためのフローチャートである。 X線リソグラフィーを用いた位相型回折格子及び振幅型回折格子の製造工程を説明するためのフローチャートである。
記号の説明
1 X線タルボ干渉計のX線源
2 試料
10,110 位相型回折格子
11,111 X線吸収金属部
20,120 振幅型回折格子
21,121 X線吸収金属部
22 樹脂部材
3 画像検出部
31 感光性樹脂
32 ガラス基板
33 パターン
34 光学リソグラフィーマスク
132 シリコン基板
133 金パターン
134 X線リソグラフィーマスク
41,141 金属シード層
42 電解メッキ陽極
43 電解メッキ陰極
50 紫外線
150 X線
B ガラス基板
C シリコン基板

Claims (3)

  1. X線タルボ干渉計に用いられる回折格子の製造方法であって、
    紫外線透過型基板の表面に所定のパターンでX線吸収金属部が形成された回折格子を準
    備し、前記紫外線透過型基板及び前記X線吸収金属部の表面に紫外線感光樹脂層を形成し
    て、光学リソグラフィー法により、前記X線吸収金属部を光学リソグラフィーマスクとし
    て前記紫外線透過型基板の裏面から紫外線を照射して、前記X線吸収金属部に対応する前
    記紫外線感光樹脂層を現像により除去し、そして、電鋳法により、前記X線吸収金属部に
    電圧を印加して前記紫外線感光樹脂層が除去された部分にX線吸収金属部を積層させるこ
    とを特徴とする、回折格子の製造方法。
  2. 紫外線透過型基板の表面に金属シード層を形成し、その金属シード層の表面に紫外線感
    光樹脂層を形成して、光学リソグラフィー法により、前記金属シード層の表面に形成され
    た紫外線感光樹脂層に光学リソグラフィーマスクを用いたパターニングを行って現像によ
    り前記紫外線感光樹脂層を除去し、そして、電鋳法により、前記金属シード層に電圧を印
    加して当該紫外線感光樹脂層が除去された部分にX線吸収金属部を形成し、前記X線吸収
    金属部が形成された部分以外の部分に対応する前記紫外線感光樹脂層及び前記X線吸収
    金属部が形成された部分以外の部分に対応する前記金属シード層を除去した後、
    前記紫外線透過型基板及び前記X線吸収金属部の表面に紫外線感光樹脂層を形成して、
    光学リソグラフィー法により、前記X線吸収金属部を光学リソグラフィーマスクとして前
    記紫外線透過型基板の裏面から紫外線を照射して、前記X線吸収金属部に対応する前記紫
    外線感光樹脂層を現像により除去し、そして、電鋳法により、前記金属シード層を介して
    前記X線吸収金属部に電圧を印加して前記紫外線感光樹脂層が除去された部分にX線吸収
    金属部を積層させることを特徴とする、請求項1に記載の回折格子の製造方法。
  3. X線タルボ干渉計に用いられる回折格子の製造方法であって、
    X線透過型基板の表面に所定のパターンでX線吸収金属部が形成された回折格子を準備
    し、前記X線透過型基板及び前記X線吸収金属部の表面にX線感光樹脂層を形成して、X
    線リソグラフィー法により、前記X線吸収金属部をX線リソグラフィーマスクとして前記
    X線透過型基板の裏面からX線を照射して、前記X線吸収金属部に対応する前記X線感光
    樹脂層を現像により除去し、そして、電鋳法により、前記X線吸収金属部に電圧を印加し
    て前記X線感光樹脂層が除去された部分にX線吸収金属部を積層させることを特徴とする
    、回折格子の製造方法。
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