JP4637978B2 - 耐食性塗料及びこれを塗装した耐食性鉄鋼材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐食性塗料及びこれを塗装した耐食性鉄鋼材料に関し、特に各種鉄鋼材料表面に下塗りしたときに優れた耐食性・防錆性を発揮する耐食性塗料及び耐食性鉄鋼材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
産業機械、車両、化学工業施設、建築物、橋梁等の構造物等に用いられている鉄鋼材料の腐食対策として、亜鉛粉末を顔料とし有機材、無機材をビヒクル(液状バインダー成分)とした構成のジンクリッチペイントが主に使われている。ジンクリッチペイントは主に重防食塗装の下塗りに用いられ、防食機構の特徴は塗膜に含まれる亜鉛粉末の犠牲防食作用である。しかしジンクリッチペイントの塗膜の防食能は、前述のように亜鉛粉末の犠牲防食作用に強く依存することから、使用環境によっては、亜鉛の消失速度が大きく鉄鋼材料に対する保護作用が長続きしない場合がある。
【0003】
そこで、塗膜中の亜鉛粉末の含有量を高めたり、膜厚を厚くする等の対策がとられているが、鋼材面との密着性の低下や塗膜のヒビ割れ或いはダレなどが起こりやすくなり、塗膜の防食性能と物理的性質や施工性を両立しがたく万全とはいえない。そこで従来のジンクリッチペイントの長所を保持し、更に長期にわたり犠牲防食作用を発揮する高性能ジンクリッチペイントの開発が期待され、これまでにも各種の提案がなされてきている。例えば、特開昭59-52645号、特開昭59-167249号では、亜鉛粉末の他にZn-Mg合金粉末を含有させたジンクリッチペイントが、また特開昭59-198142号では亜鉛粉末の他にZn-Mg合金粉末とMn粉末を含有させたジンクリッチペイントが提案された。
【0004】
更に、特開平1-311178号では塗料におけるZn-(5〜15%)Mg合金粉末の高寿命防食性能が示された。また特開平2-73932号では金属組織がZnとMgZn2 より構成されるZn-Mg合金粉末の高寿命防食性能が示された。また一方、特開平8-60324号ではZn-Mg-Al溶融メッキ層ではあるが、メッキ層の金属組織がZnとMg2Zn11で構成されるものがZnとMgZn2で構成されるものよりもさらに耐食性に優れることが示された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来技術のZn-(5〜15%)Mg合金粉末やZnとMgZn2 より構成されるZn-Mg合金粉末等は、Zn粉末に比べて防食性は向上するが未だ十分な防食性とはいえず更なる改善が求められている。またZn-Mg合金の金属組織や混合状態及び塗膜中の存在状態と耐食性との関係が必ずしも明確になっていない。従って、かかる現状に鑑みて本発明の課題は、Zn-Mg合金の金属組織や塗膜中の混合状態と耐食性との関係を解明し、従来よりも優れた耐食性・防錆性を発揮する耐食性塗料及び耐食性鉄鋼材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するためにZnとMgの合金粉末について鋭意研究した結果、金属粉末の構成がZn相とZn-Mg合金(Zn-Mg共晶又は金属間化合物)相だけからなるものよりも、これに更にZnとMgの固溶体の金属相を含有させたものが塗料化した際に、防食性が優れ、且つ、該固溶体の量が多い程防食性・防錆性が優れることを見いだした。その後更に検討した結果、これら粉末の金属組織の混合状態によっては、性能発現が不安定で継続して十分な防食性が得られない場合もあることが判明した。
【0007】
そこでさらに、塗料化して十分な防食性が得られる塗膜条件について検討を重ねた結果、塗膜成分中に「Zn粉末」と「Zn−Mg合金粉末」及び「ZnにMgが固溶した金属粉末」とがそれぞれ粒子として混在するとき、十分な防食性が得られることを見出し本発明を完成した。即ち、本発明の請求項1記載の発明は、Mg含有量が0.3〜6wt%で残部がZnを主成分とした金属粉末をビヒクル(液状バインダー成分)である加水分解エチルシリケートに混合してなる塗料であって、当該金属粉末が汎用の粉末製造方法である揮発法(蒸発凝固法)で得られた平均粒径が5〜15μmの範囲内にある金属粉末であり、その構成が、Zn相、Zn−Mg共晶(合金)及び/又はZn−Mg金属間化合物とからなるZn−Mg合金相及びZnの結晶層にMgが溶け込んだ状態の結晶体であるZnとMgの固溶体相の3種を主成分とし、当該ZnとMgの固溶体粉末の比率が金属粉末全体に対して0.1〜1.5wt%であり、かつ、これらがそれぞれ粉末粒子として塗料中に混在することを特徴とする耐食性塗料である。
【0008】
また、上記発明における金属粉末は、蒸発凝固法で得られた平均粒径が5〜15μmの範囲内にある。
【0009】
また本発明の請求項2記載の発明は、鋼材面に請求項1記載の高耐食性塗料が塗装されたものであって、塗装の膜厚が80μm以下でその塗膜成分中にZn粉末とZn−Mg合金粉末、及びZnとMgの固溶体粉末がそれぞれ混在されていることを特徴とする耐食性鉄鋼材料である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
先ず本発明において塗料顔料用粉末に使用される金属粉末の構成を、高耐食性塗料を塗装した高耐食性鉄鋼材料の断面を模式的に示した第1図で説明する。
第1図はショットブラスト処理した鋼板1の表面に本発明の高耐食性塗料からなる塗膜2が形成された模式断面図であり、この塗膜2の成分中にはZn粉末3とZn-Mg合金粉末4とZnとMgの固溶体粉末5の三種の粉末がそれぞれ混在している。尚、粉末6は必須粉末ではなく、不可避的不純物で上記三種以外の粉末であり、製法・原料により不可避的に混入するものを示す。
ここで耐食性を最大限に発揮させるためには、これらの金属粉末の平均粒径は5〜15μmの粉末を用いるのが好ましい。平均粒径が15μm以上の粉末を用いると粒子間の接触が悪くなり、若干耐食性が劣り、5μm以下の粒子では製造可能ではあるがコストがかかり経済的に好ましくないためである。
【0011】
ここで、本発明のZn-Mg合金とは、Zn-Mg共晶(合金)とZn-Mg金属間化合物の両者を含めた意味である。ここでZn-Mg共晶(合金)は溶液から同時に結晶として析出する二種の結晶の混合物のことである。Zn−Mg金属間化合物とは、両者が簡単な整数比で結合してできた化合物で、例えばMgZn、MgZn2、Mg2Zn11、Mg7Zn3、等が挙げられる。さらにZnとMgの固溶体とは、Znの結晶層にMgが溶け込んだ状態の混晶体である。
これらの濃度と識別は塗膜断面のSEM像(走査型電子顕微鏡;Scanning Electron Microscope)と、SEM像と同じ断面(同視野)のEPMA(Electron Probe Microanalyser)による、Zn元素とMg元素それぞれの特性X線像で確認することができる。
【0012】
また特に全体の金属粉末中のMg含有量としては0.3〜6wt%、より好ましくは0.5〜5wt%で残部がZnを主成分とした金属粉末からなる構成が好ましい。ここでMg濃度が0.3wt%以下だとMgによる防食性の向上効果が低減し、また6wt%以上ではMgがZnの溶出を過剰に抑制し、場合によってはかえって防食性が悪化するおそれがあるためである。またMgはZnに比べて高価でありMgの量を増やすのはコスト的にも不利である。本発明では、塗膜2における三種の金属粉末が混在した構成であれば、これらの配合比率については特に限定されないが、防食性能を最大限に発揮させるためには、ZnとMgの固溶体粉末5の比率が、0.1〜1.5wt%程度が好ましい。この固溶体粉末の割合が低いと十分な耐食性が得られない。
【0013】
金属粉末の製造方法としては、Mg濃度が0.3〜6wt%の金属材料(通常は、Mg含有のZnインゴットと微調整用としての純Znや純Mg等を適宜配合したもの)を加熱溶融して汎用の粉末製造方法である揮発法(蒸発凝固法)、アトマイズ法(噴霧法)等で処理することで金属粉末は製造することができる。特に確実にZn粉末相とZnにMgが固溶した金属粉末相とZn−Mg金属間化合物粉末相からなる混合成分として構成させるためには、これら3種の沸点の差異を利用できる揮発法(ガス中の蒸発凝固法)で製造するのが好ましい。この場合の冷却速度は15℃/sec以上にするのが好ましい。尚、これらの製造法では、三種以外にごく微量の不可避的不純物が存在する。
【0014】
かかる金属粉末をビヒクル(液状バインダー)に配合して塗料とするが、この場合のビヒクルとしては、アルキルシリケート、アルカリシリケート、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂およびその他ジンクリッチペイントに用いられている液状バインダーを使用できる。塗料のタイプとしては、エマルジョンタイプ、溶剤タイプのいずれでもよい。ただし耐食性を最大限に発揮させるためには、高沸点系溶剤に溶解させた加水分解エチルシリケート(アルキルシリケートの一種)が好ましい。また耐食性を損なわない限り通常のその他の添加剤を加えることができるが、防食下塗りとして用いる場合、上塗り塗料としての密着性を向上させるためにはホウ素などの第三成分を添加してもよい。
【0015】
金属粉末と液状バインダーとの混合比は、最大限に防食性を発揮させるためには、金属粉末を60〜90wt%好ましくは70〜80wt%、液状バインダーを10〜40wt好ましくは20〜30wt%を均一に混合するのが好ましい。かかる混合により得られた塗料を鋼板等に塗装する。塗装に際して、アルカリシリケートやアルキルシリケート等の無機系バインダーを用いたときには、鋼材や鋼板との密着性を確保するためにある程度の素地調整をする必要がある。手工具や動力工具で処理し塗布してもかまわないが、より高い接着性を確保するためにはブラスト処理をしてから塗布するのが好ましい。
【0016】
エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂等の有機系バインダーを用いたときには、直接鋼板、鋼材に塗布してもかまわないが、予め表面をブラスト処理したり、燐酸塩処理、クロメート処理してから塗布すれば、より優れた耐食性の塗装鋼板が得られる。この場合、塗料の膜厚は厚くなるほど防食性は増すが、割れやダレを防ぐためには80μm以下、好ましくは10〜80μmの膜厚で塗装するのが好ましい。こうして出来た塗膜成分中には、Zn粉末とZnとMgの金属間化合物等の粉末とZnにMgが固溶した金属粉末とが混在されていることによって、高耐食性が発揮される。
【0017】
本発明で、3種の金属粉末が混在されていれば、高耐食性が発揮されるのかについての明確な理由はまだ分かっていないが、次のようなことが考えられる、
塩素イオンが存在するような腐食環境下で、下記条件下の塗膜等を比較すると形成される腐食生成物(白錆)の組成(主成分は共に ZnCl2・4Zn(OH)2 と ZnO )の割合が下記のようになっていると推測される。
a)3種の金属粉末が混在されている粉末を用いた塗膜、
ZnCl2・4Zn(OH)2 > ZnO
b)一つの粉末粒子の金属組織が3種の金属層からなる粉末のみを用いた塗膜、
ZnCl2・4Zn(OH)2 >> ZnO
c)Zn粉末を用いた塗膜、
ZnCl2・4Zn(OH)2 << ZnO
【0018】
ここで ZnCl2・4Zn(OH)2は錆層が緻密で密着性も良く電気伝導性がかなり小さい。従って環境遮断効果が大きくなるので塗膜層を保護する作用が大きく、粉末の過溶出を抑えるという利点がある。しかし過度に粉末の溶出が抑えられることと電気伝導性が低いために鉄(鋼板、鋼材)に対する犠牲防食効果も過度に押さえ込まれてしまう欠点もある。(Zn-Mg合金粉末を用いるとこの ZnCl2・4Zn(OH)2の割合が高い。塩素イオンが存在するような腐食環境下ではZnの腐食は ZnCl2・4Zn(OH)2 を経て ZnOになる。MgはZnCl2・4Zn(OH)2から ZnO になるのを防ぐ働きをすると考えられる。)
【0019】
ZnO は錆層がポーラスで錆層の密着性もZnCl2・4Zn(OH)2よりも悪く、電気伝導性も高いので腐食環境下では、粉末を保護する作用が小さい。従って犠牲防食効果は抑えられないが粉末が過度に溶出し粉末の消失が早くなる。(Zn粉末のみの塗膜の場合は当然 ZnO の割合が非常に高い。)
つまり腐食生成物の主成分である ZnCl2・4Zn(OH)2 と ZnO の比率が耐食性に重要な因子となる。3種の金属粉末が混在されている前記a)の塗膜の場合、 ZnCl2・4Zn(OH)2 と ZnO の比率がよく、犠牲防食効果もあり、塗膜の保護作用もあり粉末の溶出も適度に抑えられているために耐食性が向上すると考えられる。しかし3種の金属が全ての粒子に含有された前記b)の塗膜の場合、3種の金属粉末が混在されている粉末を用いた塗膜よりも腐食生成物中の ZnCl2・4Zn(OH)2 の割合が高すぎるために犠牲防食効果が過度に抑えられてしまい耐食性が向上しないと考えられる。
【0020】
ここで、実施の形態の一例を添付図に基づいて説明する。
図2は、後述する実施例1における本発明品である粉末の金属組織がZnとZn−Mg合金及びZnとMgの固溶金属とが粉末粒子として混在するもの(Mg含有量1.93wt%)で、これらをバインダーに混合して鋼板に塗布したときに十分な防食性が得られた時の塗膜断面の3000倍のSEM像(走査電子顕微鏡写真;Scanning Electron Microscope)である。
【0021】
また図5は、後述する比較例1における粉末の金属組織が(ZnとZn−Mg合金及びZnとMgの固溶金属とが)全ての粒子中にMgが存在するもの(Mg含有量4wt%)で、これらをバインダーに混合して鋼板に塗布したときに十分な防食性が得られなかった時の塗膜断面の2500倍のSEM像(走査電子顕微鏡写真;Scanning Electron Microscope)である。
このSEM像とは試料に電子ビームをあてたときに得られる二次電子を画像化したものである。
【0022】
ここで図3(又は図6)は、図2(又は図5)のSEM像と同じ断面(同視野)のEPMA(Electron Probe Microanalyser)による、Znの特性X線像であり、各粒子中のZn元素の分布を示している。更に図4(又は図7)は、図2(又は図5)のSEM像と同じ断面(同視野)のEPMAによる、Mgの特性X線像であり、各粒子中のMg元素の分布を示している。
このEPMAは試料に電子ビームをあてたときに得られる特性X線の二次元分布を示したものであり、特性X線の波長から元素の種類が、その強度から元素の含有量が分かる。
【0023】
図2〜図4(又は図5〜図7)の顕微鏡写真から各粒子によってZnやMgの分布が異なることが分かる。即ち、図2〜図4の3つの写真は同じ視野のもので、この内図2の写真はその視野中の全体像、図3の写真はその視野中のZn元素の分布を、図4の写真はMg元素の分布を示しているから、例えば
・Zn粒子については、図3においてZn分布か確認されるが、図4においてMg分布が確認されない粒子であって、つまりその粒子はZnのみでMgは含んでいないことになる。
・ZnにMgが固溶した金属粒子としては、図3においてZnが濃く分布し、図4においてMgが薄く分布している粒子である。
・ZnとMgの金属間化合物粒子としては、図3においてZnが薄く分布し、図4においてMgが濃く分布している粒子である。塗膜にはこれらの累積粒子が図2のように混在し、結果としてMgが不均一に分布している層になっているのが分かる。
【0024】
また図5〜図7の場合も同じ視野のもので、この内図5はその視野中の全体像、図6はその視野中のZn元素の分布を、図7はMg元素の分布を示しているから、例えば全ての粒子内のある部位において、
・Zn層は、図6でZnの分布は確認されるが、図7においてMgは確認されない部位である。
・ZnにMgが固溶した層は、図6においてZnが濃く分布し、図7においてMgが薄く分布している層である。
・ZnとMgの金属間化合物層は、図6においてZnが薄く分布し、図7においてMgが濃く分布している層である。
全ての粒子中の部位にこれらの層が存在し、Mgは粒子全体に均一に分布しており、塗膜はこの同一粒子による均一(Mgが均一に分布している)層になっていることが分かる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例を挙げて説明する。
実施例1
粉末の金属組織がZnとZn-Mg合金(Zn-Mg共晶又は金属間化合物組織)及びZnとMgの固溶金属とを有するもので、かつ
(1)「Zn」と「ZnにMgが固溶した金属」と「ZnとMgの金属間化合物」がそれぞれ粉末粒子として混在したMg含有量1.93wt%とMg含有量2.61wt%の2種類のZn-Mg粉末Aと、
(2)「Zn」と「ZnにMgが固溶した金属」と「ZnとMgの金属間化合物」が粉末粒子に統合され、且つMgが全ての粒子全体に均一に分布している、Mg含有量0.53wt%とMg含有量4wt%の2種類のZn−Mg粉末Bと、
(3)・純Zn粉末とを
それぞれ塗料顔料として使用し、塗料バインダーには加水分解エチルシリケートを用い、塗料顔料75wt%とバインダー25wt%を混合して各種塗料を作成した。
但し、上記の粉末Aには、三種以外の粉末としてごく微量の不可避的不純物が存在していることを確認した。
【0026】
Zn-Mg粉末Aを使用した塗膜は「Zn」粒子と「ZnにMgが固溶した金属」粒子と「ZnとMgの金属間化合物」粒子が混在した前述した如き図2〜図4の状態になっており、Zn-Mg粉末Bを使用した塗膜は図5〜図7の状態になっている。
これらの塗料を用いて、幅50mm、長さ100mm、厚さ3.2mmの表面をショットブラスト処理した鋼板に60μmの塗膜を形成した各種サンプルを作成した。そして、塗膜を3%塩水浸漬、室温環境で腐食させ電位の経時変化で評価した。その結果を第1表に標記した。
なお、不可避的な不純物粒子を、粉末製造時に意図的に取り除いた粉末Aについても、取り除いていない粉末Aと同等の効果が得られることが確認された。
ここで不純物粒子の取り除き方としては、粉末製造時に温度の高い条件において、先に生成した粒子と違う槽にバルブを切り替えることで行った。
【0027】
【表1】
【0028】
第1表の結果から明らかなように、塗料顔料に、粉末の金属組織がZnとZn-Mg合金(Zn-Mg共晶又は化合物組織)及びZnとMgの固溶金属を有するもので、かつこれらが粉末粒子として混在したZn-Mg粉末Aを用いた塗料が、他の比較用塗料に比べて防食電位の保持時間が長く、防食性に極めて優れていることが分かる。
【0029】
実施例2
上記の実施例1で使用したと同じ塗料を用いて、幅50mm、長さ150mm、厚さ3.2mmの表面をショットブラスト処理した鋼板に60μmの塗膜を形成した各種サンプルを作成した。そして、サンプル表面をクロスカットしてJIS2371に基づくSST(塩水噴霧試験)で赤錆発生までの時間で防食性能を評価した。その結果を第2表に標記した。なお、不可避的な不純物粒子を、粉末製造時に意図的に取り除いた粉末Aについても、取り除いていない粉末Aと同等の効果が得られることが確認された。
【0030】
【表2】
【0031】
第2表の結果から明らかなように、塗料顔料に、粉末の金属組織がZnとZn-Mg合金(Zn-Mg共晶又は化合物組織)及びZnとMgの固溶金属を有するもので、かつこれらが粉末粒子として混在したZn-Mg粉末Aを用いた塗料が、他の比較用塗料に比べて赤錆発生時間が長く、防食性・防錆性に極めてすぐれていることが分かる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、粉末の金属組織がZnとZn-Mg合金(Zn-Mg共晶又は化合物組織)及びZnとMgの固溶金属とを有するもので、かつ塗料中にこれらが粉末粒子として混在させることにより、従来品よりも優れた防食性・防錆性を発揮するものである。従って、本発明の耐食性塗料は、産業機械、車両、化学工業施設、建築物、橋梁等の構造物等に用いられている鉄鋼材料の腐食対策として好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高耐食性塗料の塗膜を形成させた鋼板の模式断面図である。
【図2】混在する金属粉末粒子をバインダーに混合して鋼板に塗布した時に十分な防食性が得られた塗膜断面のSEM像である。
【図3】図2のSEM像と同じ断面(同視野)のEPMAによる、Znの特性X線像である。
【図4】図2のSEM像と同じ断面(同視野)のEPMAによるMgの特性X線像である。
【図5】混合金属粉末粒子をバインダーに混合して鋼板に塗布した時に十分な防食性が得られなかった塗膜断面のSEM像である。
【図6】図5のSEM像と同じ断面(同視野)のEPMAによる、Znの特性X線像である。
【図7】図5のSEM像と同じ断面(同視野)のEPMAによる、Mgの特性X線像である。
【符号の説明】
1 鋼板
2 塗膜
3 Zn粉末
4 Zn-Mg合金粉末
5 ZnとMgの固溶体粉末
Claims (2)
- Mg含有量が0.3〜6wt%で残部がZnを主成分とした金属粉末をビヒクルである加水分解エチルシリケートに混合してなる塗料において、
当該金属粉末が汎用の粉末製造方法である揮発法(蒸発凝固法)で得られた平均粒径が5〜15μmの範囲内にある金属粉末であり、その構成が、Zn相、Zn−Mg共晶(合金)及び/又はZn−Mg金属間化合物とからなるZn−Mg合金相及びZnの結晶層にMgが溶け込んだ状態の混晶体であるZnとMgの固溶体相の3種を主成分とし、当該ZnとMgの固溶体粉末の比率が前記金属粉末全体に対して0.1〜1.5wt%であり、かつ、これらがそれぞれ粉末粒子として塗料中に混在することを特徴とする耐食性塗料。 - 鋼材面に請求項1記載の高耐食性塗料が塗装されたものであって、塗装の膜厚が80μm以下でその塗膜成分中にZn粉末とZn−Mg合金粉末、及びZnとMgの固溶体粉末がそれぞれ混在されていることを特徴とする耐食性鉄鋼材料。
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