JP2001158973A - 亜鉛系めっき鋼板用表面処理皮膜及び表面処理鋼板 - Google Patents
亜鉛系めっき鋼板用表面処理皮膜及び表面処理鋼板Info
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Abstract
しても、亜鉛に起因する白錆の発生を抑制することので
きる新規なノンクロメート処理鋼板を提供する。 【解決手段】 皮膜の主成分を、Ceの酸化物及び/又
は水酸化物、並びにSiの酸化物及び/又は水酸化物と
することにより白錆の発生が抑制された亜鉛系めっき鋼
板用表面処理皮膜である。具体的には、皮膜中に占める
全酸化物に対するCeの酸化物及び/又は水酸化物の比
率が0.10〜0.60;皮膜中に占める全酸化物に対
するSiの酸化物及び/又は水酸化物の比率が0.2〜
0.8の範囲であり;且つ、Siの酸化物及び/又は水
酸化物に占めるSiO2の比率が0.15〜0.90で
あることが好ましい。
Description
された亜鉛系めっき鋼板用表面処理皮膜、及び該皮膜が
施された表面処理鋼板に関するものである。
水分等と反応し、亜鉛表面に白色の粉状錆が発生して外
観を著しく損なうという問題を抱えている。その為、亜
鉛に起因する白錆の発生防止を目的としてクロメート処
理が施されていた。
害なフッ化物イオン、クロム酸イオン等を含む為、環境
負荷が大きく、また、皮膜中に含まれる6価クロムの溶
出が避けられないため、人体への有害性も懸念されてい
る。そこで、有害なイオンを含まない処理浴で処理した
としても、亜鉛に起因する白錆の発生を抑制することの
できる新規なノンクロメート処理鋼板の提供が切望され
ている。
に鑑みてなされたものであり、その目的は、亜鉛に起因
する白錆の発生を抑制することのできる新規なノンクロ
メート処理鋼板を提供することにある。
ができた本発明の亜鉛系めっき鋼板用表面処理皮膜は、
皮膜の主成分を、Ceの酸化物及び/又は水酸化物、並
びにSiの酸化物及び/又は水酸化物とすることにより
白錆の発生が抑制されたものであるところに要旨を有す
るものである。ここで、皮膜中に占める全酸化物に対す
るCeの酸化物及び/又は水酸化物の比率が0.10〜
0.60であり;皮膜中に占める全酸化物に対するSi
の酸化物及び/又は水酸化物の比率が0.2〜0.8の
範囲であり;且つ、Siの酸化物及び/又は水酸化物に
占めるSiO2の比率が0.15〜0.90であること
が推奨される。また、SiO2の粒径が20nm以下で
あるものは本発明の好ましい態様である。
も本発明の範囲内に包含される。
得るノンクロメート処理鋼板を提供すべく鋭意検討して
きた。その結果、皮膜の主成分を、Ceの酸化物及び/
又は水酸化物(以下、「Ce酸化物」で代表させる場合
がある)、並びにSiの酸化物及び/又は水酸化物(以
下、「Si酸化物」で代表させる場合がある)とするこ
とにより所期の目的が達成されることを見出し、本発明
を完成した。
e及びSi」という二種類の元素の酸化物及び/又は水
酸化物に特定することにより、白錆の発生を極めて有効
に防止し得、クロメート処理鋼板に匹敵するか若しくは
それ以上の耐食性を有する亜鉛系めっき鋼板が得られる
ことを見出した点に技術的思想を有するものである。
表面に表面結露等の空気中水分が付着すると、当該水分
がめっき金属の主成分である亜鉛を溶解し、溶出した亜
鉛イオンがZn(OH)2、ZnO、ZnCl2・4Zn(O
H)2等の水酸化物、酸化物、塩基性塩化物等を生成する
ことにより発生すると考えられている。この様な白錆生
成機構を考慮すれば、白錆の発生防止手段として、亜
鉛と、水分等の腐食環境との接触を遮断し得る強固なバ
リア層を形成すること、及び溶出した亜鉛イオンが水
と化学的に反応する前に当該亜鉛イオンを固定化(吸
着)することが考えられるが、上述した本発明の構成を
採用すれば、これらの作用が同時に得られることが分か
った。
ても、Ce酸化物やSi酸化物を包含する様な技術は開
示されているが、上記特定の二種類の組合わせが特に白
錆発生の防止に有効であることまで言及したものは今ま
で開示されていない。
は、金属板表面に希土類金属元素及び/又はIVA属元
素の化合物もしくはこれらの混合物を主成分とする皮膜
を第一層として被覆し、さらにその表面に樹脂を主成分
とする皮膜を第二層として被覆してなる無機/有機複合
表面処理金属板が開示されている。上記公報は、「希土
類元素は防食機能を有している」点に鑑み、特に当該希
土類元素の酸素酸化合物及び/又は酸素酸水素化合物に
よる優れたバリヤー効果を発揮するという知見に基づい
てなされたものであり、上記の二層構造とすることによ
り耐食性及び密着性を高めようというものである。実施
例には、希土類金属元素であるCeの酸化物(Ce
O2)にリン酸及びシリカを添加した第一層皮膜、並び
に樹脂マトリックス成分にアクリル系エマルジョンを使
用した第二層の組合わせが開示されている。
止等の耐食性改善にはCe等の希土類元素の添加が有効
であるという程度の認識レベルにとどまっており、希土
類元素のなかでも特にCeに着目し、Ce酸化物と白錆
発生防止効果との関係を言及したものではない。即ち、
非常に多くの希土類元素化合物のなかでも特にCe酸化
物は後記する通り、緻密なバリヤー効果を発揮するがC
e酸化物単独では防食効果は不充分であり、併用するS
i酸化物のZn吸着作用(Znイオン溶出防止作用)と
相俟って始めて、白錆発生を極めて有効に防止すること
ができるという本願発明独自の知見は上記公報には開示
も示唆もされていない。実際のところ、上記公報の実施
例で挙げられているのは、「第一層皮膜がCeO2及び
アクリル系エマルジョンに、リン酸及びシリカを;第二
層皮膜がアクリル系エマルジョンを添加してなる二層タ
イプの金属板」であり、第一層皮膜中にCeO2及びシ
リカに加えてエマルジョン及びリン酸をも必須成分とし
て含有するものであるが、この様な二層皮膜は、上記C
eO2の代わりにCeの酸素酸化物化合物(ポリリン酸
/Ce化合物)を使用した二層皮膜や、当該Ceの酸素
酸化物化合物に更にリン酸及びシリカを添加した二層皮
膜に比べ、耐食性が劣ることが示されている。換言すれ
ば、上記公報のメインテーマはあくまでも「Ce等の希
土類元素の酸素酸化合物による耐食性向上効果」を明ら
かにした点にあり、そのなかでも特にCe酸化物に着目
した場合、最も優れた白錆防止効果を発揮し得るのは当
該Ce酸化物とSi酸化物とを併用した皮膜であること
までは、上記公報からは到底読取れないのである。実際
のところ、本発明の如く上記特定の二種類の酸化物を併
用してなる皮膜を使用した場合には、上記公報におい
て、白錆発生防止効果に最も優れていると評価された皮
膜の一つ(第一層がポリリン酸/Ce化合物、並びにリ
ン酸及びシリカを添加した皮膜;第二層がSBRラテッ
クスにコロイダルシリカを添加した皮膜)と比較して
も、白錆発生防止効果が格段に優れていることを確認し
ている(後記する実施例参照)。
位概念で表現されている「希土類元素の化合物」のなか
でも特に「Ce酸化物」に着目したものであり、「Ce
酸化物」による耐食性効果を一層有効に発揮させる為に
は、当該Ce酸化物とSi酸化物を併用することが有効
であり、この様な構成を採用することにより、バリア効
果の強化に加え、溶出亜鉛イオン吸着効果も有効に発揮
される結果、主にバリア効果の強化しか付与されていな
かった上記公報の皮膜に比べ、格段に優れた白錆発生防
止効果が得られる点で、上記公報の選択発明と位置づけ
られると思料される。
説明する。
物及び/又は水酸化物、並びにSiの酸化物及び/又は
水酸化物を主成分として含有するものである。このうち
本発明皮膜に用いられるCeの酸化物及び/又は水酸化
物としては、Ce(III)またはCe(IV)の酸化物、
水酸化のいずれも使用することができ、例えばCe
2O3、Ce(OH)3;CeO2、CeO2・xH2O、C
e(OH)4、Ce(OH)3(OOH)等が挙げられ
る。
び/又は水酸化物としてはSi(II)またはSi(IV)
の酸化物、水酸化物のいずれも使用することができ、例
えばSiO、SiO2(シリカ)、コロイドシリカ(水
和により表面にOH基を有するSiO2のコロイド懸濁
液)、ケイ酸塩等が挙げられる。
酸化物は、後者のSiの酸化物及び/又は水酸化物を固
定して皮膜中に保持する糊の役割を有し、亜鉛表面にバ
リア性のある緻密な皮膜を形成することにより亜鉛の溶
出を防止する作用を有する。これに対し、後者のSiの
酸化物及び/又は水酸化物は、大別してSiO2による
作用と、SiO2以外のSiの酸化物及び/又は水酸化
物による作用に分けられる。このうちSiO2は、溶出
する亜鉛と難溶性の化合物を形成して自由な亜鉛イオン
を固着し、白錆発生を防止するものである。一方、Si
O2以外のSiの酸化物及び/又は水酸化物は、Ceの
酸化物及び/又は水酸化物中でSi−Oのネットワーク
を形成して皮膜を補強し、SiO2粒子保持特性を増加
させると共に、Ce塩皮膜のバリア性を向上させる。即
ち、SiO2はZnイオンの溶出防止に寄与する化合物
であり;一方、SiO2以外のSiの酸化物及び/又は
水酸化物は、Ce化合物による緻密なバリヤー皮膜の形
成に寄与する化合物であり、これらの両化合物の作用
が、前記Ceの酸化物及び/又は水酸化物の作用と相俟
って相乗的に発揮される結果、所望の優れた白錆発生防
止作用が得られるのである。
又は水酸化物、並びにSiの酸化物及び/又は水酸化物
を、皮膜中に主成分として含有するものであるが、本発
明において「主成分」とは、要するに上記特定の二種類
の酸化物及び/又は水酸化物が皮膜中に主体的に存在し
ていれば良く、具体的には、皮膜中に上記酸化物及び/
又は水酸化物が合計で約60%以上存在するものは本発
明の範囲内に包含される。従って、本発明で特定する上
記二種類の酸化物及び/又は水酸化物が「主成分」とし
て上記範囲内で皮膜中に含有されている以上、これら以
外の酸化物及び/又は水酸化物、例えば、亜鉛めっき皮
膜に起因する酸化物及び/又は水酸化物(Zn,Zn−
Al,Zn−Mg,Zn−Fe,Zn−Ni等の酸化物
及び/又は水酸化物)等が皮膜中に含有されていても構
わない。
皮膜中に占める上記元素の酸化物及び/又は水酸化物の
比率を所定範囲に制御することが推奨される。
e酸化物及び/又は水酸化物の比率は0.10〜0.6
0であることが好ましい。上記比率が0.10未満では
SiO2粒子の保持力が不充分であり、バリア性のある
緻密な皮膜が得られない。より好ましくは0.15以上
である。但し、上記比率が0.60を超えると皮膜中に
占めるSiO2の比率が少なくなり、これではSiO2に
よる亜鉛イオン溶出防止作用が充分に得られず、所望の
白錆発生防止効果が発揮されない。より好ましくは0.
50以下である。
i酸化物及び/又は水酸化物の比率は0.2〜0.8で
あることが好ましい。上記比率が0.2未満では、皮膜
中に占めるSiO2の割合が少なくなり、溶出亜鉛イオ
ンの固着能が低下する。より好ましくは0.30以上で
ある。但し、上記比率が0.8を超えると、相対的にC
eの酸化物及び/又は水酸化物の占める比率が少なくな
り、SiO2の保持特性が低下する為、所望の白錆発生
防止効果が有効に発揮されない。より好ましくは0.7
5以下である。
に占めるSiO2の比率は0.15〜0.90であるこ
とが好ましい。上記比率が0.15未満では、SiO2
による溶出亜鉛イオンの固着能が低下し、所望の白錆発
生防止効果が得られない。より好ましくは0.25以上
である。但し、上記比率が0.90を超えると、SiO
2以外のSiの酸化物及び/又は水酸化物によるバリヤ
ー皮膜補強効果が低下し、所望の白錆発生防止効果が得
られない。より好ましくは0.75以下である。
定するに当たっては、XPS(X線光電子分光法)を採
用すれば良い。即ち、XPSにより皮膜中に含有される
元素を同定した後、Ce3d5,Si2p,基板物質M
について、通常XPSにおける組成分析に用いられる手
法により原子分率を算出する。この様にして得られた原
子分率は、金属など酸化物以外の物質として存在する原
子の割合も含んでいる可能性がある。よって、夫々の元
素のピークについて、予想される構成物質に基づいてピ
ーク分離を行い、元素のピーク面積に対する酸化物のピ
ーク面積の割合を求め、これを先に求めた原子分率に乗
ずることにより、着目している元素で酸化物に含まれる
原子の割合を算出する。当然のことながら、状態分析の
結果、酸化物以外の物質がない場合は、最初に求められ
た原子分率がそのまま酸化物の原子分率となる。
SiOx)を求めるには、上記の如くSi2pのピーク
を構成物質に基づいてピーク分離を行った後、SiO2
に相当するピーク(結合エネルギー=103.3〜10
3.8eV)の面積を求め、Si2pのピーク面積に対
する割合を求めてSiO2/SiOxとする。
0nm以下であることが好ましい。20nmを超えると
単位面積当たりに占めるSiO2粒子の合計表面積の比
率が小さくなり、所望の亜鉛イオン吸着効果が得られな
い。実用的には5〜10nmの粒径が推奨される。
通りであるが、その他、本発明の作用を損なわない範囲
で、皮膜に通常用いられる成分(MoOx、WOx、Z
rOx、MnOx、TiOx等)を適宜添加することが
できる。
あることが好ましい。20nm未満では、皮膜形成によ
る亜鉛イオンの吸着効果及びバリア効果が不充分であ
る。皮膜の膜厚を大きくすれば、より優れた作用が得ら
れるが、実用性を考慮すればその上限を100nmとす
ることが推奨される。
明する。本発明では、上記成分を主成分とする処理液に
亜鉛めっき鋼を浸漬するか、または処理液を亜鉛めっき
鋼板表面にスプレーすれば良い。即ち、現在汎用されて
いるクロメート処理設備をそのまま適用することができ
る。
単独で施された単層皮膜を用いても良いが、更により優
れた特性の付与を目指して、上記皮膜の上に樹脂皮膜が
施された二層皮膜などの複数皮膜を用いても良い。
としては特に限定されず、例えば溶融亜鉛めっき鋼板、
溶融亜鉛−アルミ合金めっき鋼板、溶融亜鉛−アルミニ
ウム−マグネシウム合金めっき鋼板等の溶融亜鉛めっき
鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板;電気亜鉛めっき
鋼板、電気亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板、電気亜鉛−
鉄合金めっき鋼板、電気亜鉛−クロム合金めっき鋼板等
の電気亜鉛めっき鋼板等が挙げられる。
ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、
前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは
全て本発明の技術範囲に包含される。
会社製、特級)を所定量溶解した水溶液に、シリカ源と
して、表1のNo.3及び8についてはオルト珪酸ナト
リウム(ナカライテック社製)を、その他のサンプル
(No.1、2、4〜7、9〜13、15)については
粒径を調整したコロイダルシリカ溶液(日産化学社製
「ST−OXS」,「ST−OX」,「ST−O」,
「ST−OL」,「ST−OZL」)を加えた後、更に
反応促進剤として過酸化水素(和光純薬工業株式会社
製)を添加して処理浴を調整した。
リカの代わりにアルミナゾル(日産化学社製、アルミナ
ゾル−520)を、No.15については硝酸セリウム
の代わりに硝酸ランタン六水和物(和光純薬工業株式会
社製、特級)を用いて処理浴を調整した。
20g/m2)をアルカリ脱脂(ファインクリーナ F
C4386 20g/L,40℃,1.5分間浸漬)し
た後水洗し、上記方法で調整した処理液(40℃)に5
秒間浸漬して皮膜を形成した(表1のNo.1〜1
5)。その後、水洗、乾燥を行って試験材を得、SST
試験(5%,35℃の塩水を噴霧)による白錆発生まで
の時間により耐食性を評価した。
報の記載に準じ、ポリリン酸/Ce(IV)化合物
(「PP−CeIV」と略記する)、シリカ、リン酸及
び樹脂を含有する皮膜を作成した(表1のNo.1
6)。
(IV)をポリリン酸(昭和化学社製;平均分子量約3
38)中に溶解(モル比Ce/Pで1/6の割合)した
後、200℃で12時間加熱することによりPP−Ce
IVを得た。また、樹脂としては、市販の水分散カルボ
キシル基含有SBRラテックス(日本合成ゴム社製:樹
脂固形分50重量)を使用した。
PP−CeIV、及び添加物としてオルソリン酸及びコ
ロイダルシリカ溶液(日産化学製、ST−O)を配合し
て、夫々の濃度がCe換算で100g/L(0.7
M),オルソリン酸はH3PO4として20g/L,コロ
イダルシリカはSiO2換算で5g/L(0.08M)
になる様に調整した。また、第2層形成用の処理液とし
て、上記樹脂を固形分換算で100g/L,コロイダル
シリカ溶液を5g/L(0.08M)となる様に水中に
分散して調整した。
処理液を電気亜鉛めっき鋼板(めっき付着量20g/m
2)に塗布し、乾燥して皮膜を形成した(第一層の膜厚
約0.5μm、第二層の膜厚約0.5μm)。尚、乾燥
時間は第一層の場合、雰囲気温度200℃で30秒間、
第二層の場合、雰囲気温度200℃で15秒間とした。
ーカライジング社製「ジンクロム3367」)したクロ
メート処理材(Cr目付量10〜30mg/m2)を作
成した(表1のNo.17)。
の各酸化物分率及び皮膜厚さは、前述のXPSにより求
めた。測定条件は以下の通りである。
m角に切断して用いた。当該試料は、化成処理を行った
こと以外は特別な処理を施さず、例えば洗浄等の特別な
処理は行わないものとする。また、No.16に関して
は、第二層の樹脂を塗布する前の試料について測定し
た。 測定装置:パーキン・エルマー社製PH15400MC
X線光電子分光装置 X線出力:MgKα(400W) 測定条件:光電子取出角度(45度) 分析領域:1.1mmφ
(スパッタ速度5nm/分)により表面をエッチング
し、夫々の深さにて、XPSで通常用いられる組成分析
の手法を用いて各元素の原子分率を求め、酸素と亜鉛の
原子分率が等しくなる深さをもって膜厚とした。
た。用いたスペクトルは以下の通りである。 Ce3d5(結合エネルギー892〜877eV) Si2p (結合エネルギー105〜98eV) Zn2p (結合エネルギー1027〜1017eV) ZnLMM(運動エネルギー985〜997eV) Al2p (結合エネルギー67〜77eV) La3d5(結合エネルギー840〜830eV) 得られたスペクトルについては平滑化(領域11点)を
行い、更にスペクトルの2回微分関数のピークから元ス
ペクトルに含まれるピーク位置を測定した。
4.7eVとなる様に、エッチング後では、ZnLMM
ピークで金属Znのピークが出現した場合は、金属Z
nのピーク位置が992.1eVとなる様に、Cls及
び金属Znのピークが得られない場合はCe3d5のピ
ークが、先の述べた、で補正したスペクトルと同じ
位置となる様にチャージアップ補正を行った。
ープに接する様に直線を引きベースライン補正を行っ
た。但し、Si2pピークはCe4dピークのスロープ
上に位置する為、Ceのピーク強度が大きい場合には、
Si2pピークの束縛エネルギーが低い側のスロープに
接する様に直線を引きベースラインとした。
uss−Lorents関数(混合割合50%)でフィ
ッティングを行うことによりピーク分離して、各酸化物
の割合及びSiO2/SiOxを求めた。更に、SiO2
の粒径は、TEM(透過型電子顕微鏡)による皮膜断面
観察及び電子線回折に基づいて粒子状組織及び粒子の結
晶系を評価することにより皮膜中のSiO2を確認し、
得られたTEM像により粒径を評価した。
白錆発生までの時間を表1に併記する。
ができる。
皮膜中に本発明で特定する所定の酸化物を主成分として
含有し、しかも各酸化物の比率及びSiO2の粒径が本
発明の好ましい要件を満足する実施例であるが、いずれ
も、No.17のクロメート処理材と同程度若しくはそ
れ以上の優れた白錆発生防止効果を示す。このうちN
o.2はNo.1,3に比べ、皮膜中のSiO2量が最
も多い為、白錆発生防止効果が一段と向上するものと考
えられる。また、No.10及び11は、皮膜内の粒子
状コロイダルシリカの粒径が最も小さい為、亜鉛吸着面
積が大きくなり、優れた耐食性を発揮したものと考えら
れる。
酸化物及び/又は水酸化物の比率が本発明の好ましい要
件を下回る/超える比較例;No.6/No.7はSi
の酸化物及び/又は水酸化物の比率が本発明の好ましい
要件を下回る/超える比較例;No.8/No.9はS
iO2の比率が本発明の好ましい要件を下回る/超える
比較例;No.16はCeの酸化物及び/又は水酸化物
の比率が本発明の好ましい要件を超え、Siの酸化物及
び/又は水酸化物の比率が本発明の好ましい要件を下回
る比較例であるが、いずれもクロメート処理材に比べ、
白錆発生防止効果に劣っていた。
たNo.14;コロイダルシリカの代わりにアルミナゾ
ルを用いたNo.15も同様に白錆発生防止効果に劣る
ものであった。
で、有害なイオンを含まない処理浴で処理したとして
も、亜鉛に起因する白錆の発生を抑制することのできる
新規なノンクロメート処理鋼板を提供することができ
た。
Claims (4)
- 【請求項1】 皮膜の主成分を、Ceの酸化物及び/又
は水酸化物、並びにSiの酸化物及び/又は水酸化物と
することにより白錆の発生が抑制されたものであること
を特徴とする亜鉛系めっき鋼板用表面処理皮膜。 - 【請求項2】 皮膜中に占める全酸化物に対するCeの
酸化物及び/又は水酸化物の比率が0.10〜0.60
であり、 皮膜中に占める全酸化物に対するSiの酸化物及び/又
は水酸化物の比率が0.2〜0.8の範囲であり、且
つ、 Siの酸化物及び/又は水酸化物に占めるSiO2の比
率が0.15〜0.90である請求項1に記載の表面処
理皮膜。 - 【請求項3】 SiO2の粒径が20nm以下である請
求項1または2に記載の表面処理皮膜。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の表面処
理皮膜が施されたものである表面処理鋼板。
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