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JP4632027B2 - 鉛フリーのスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金電気メッキ浴 - Google Patents

鉛フリーのスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金電気メッキ浴 Download PDF

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Description

本発明は鉛フリーであるスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金電気メッキ浴(従って、スズ−銀−鉛合金浴などの鉛を含むスズ合金メッキ浴は排除される)に関して、スズ又はスズ合金アノード表面への銀又は銅の置換析出を有効に防止することにより、メッキ浴中の銀又は銅の過剰な消耗を抑止して、浴組成を安定にできるものを提供する。
近年、人体や環境に対する鉛の影響が懸念されるようになり、また、純粋のスズメッキではホイスカー発生の恐れがあることから、鉛を含まないハンダメッキの開発が要望されている。
鉛フリーのハンダの有力候補としては、スズ−ビスマス合金、スズ−銀合金、或はスズ−銅合金などが検討されているが、スズ−ビスマス合金は機械加工でクラックが発生し易い問題があり、一方、スズ−銀合金、スズ−銅合金ではこのような問題は少ない。
上記スズ−銀系合金又はスズ−銅系合金の電気メッキ浴の従来技術としては、特許文献1〜7が挙げられる。
特許文献1には、各種ノニオン系界面活性剤を含有可能なスズ−銀合金、スズ−銅合金を含むスズ合金メッキ浴が記載されており(請求項1、段落35参照)、その実施例4〜6には、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ビスフェノールAポリエトキシレートを含有するスズ−銀合金メッキ浴が、実施例9〜10には、ドデシルアルコールポリエトキシレート、オクチルフェノールポリエトキシレートを含有するスズ−銅合金メッキ浴が具体的に記載されている。
特許文献2には、各種ノニオン系界面活性剤を含有するスズ−銀合金、スズ−銅合金を含むスズ合金メッキ浴が記載されており(請求項1、段落21参照)、その実施例12にはラウリルアミンポリエトキシレートを含有するスズ−銀合金メッキ浴が、実施例7、実施例14、実施例16には、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、α−ナフトールポリエトキシレートを含有するスズ−銅合金メッキ浴が具体的に記載されている。
特許文献3には、各種ノニオン系界面活性剤を含有可能な銀−スズ合金を含む銀合金メッキ浴が記載されており(請求項1、請求項4、段落32〜37参照)、その実施例17〜18には、ビスフェノールAポリエトキシレート、ノニルフェノールポリエトキシレートを含有する銀−スズ合金メッキ浴の具体例が記載されている。
特許文献4には、各種ノニオン系界面活性剤を含有可能なスズ−銅合金メッキ浴が記載されており(請求項1、請求項4〜5、段落19〜22参照)、その実施例3及び実施例7には、トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO15)、トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO15)ポリプロポキシレート(PO3)を含有するスズ−銅合金メッキ浴の具体例が記載されている。
特許文献5には、各種ノニオン系界面活性剤を含有可能なスズ−銅系合金メッキ浴が記載されており(請求項1、段落51〜54参照)、その実施例9A〜10Aには、トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO15)ポリプロポキシレート(PO3)を含有するスズ−銅合金メッキ浴が、実施例4B〜7Bには、α−ナフトールポリエトキシレートを含有するスズ−銅−銀合金メッキ浴が具体的に記載されている。
特許文献6には、各種ノニオン系界面活性剤を含有するスズ−銅系合金メッキ浴が記載されており(請求項1〜2、段落23〜26参照)、その実施例10〜14には、トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO15)ポリプロポキシレート(PO3)を含有するスズ−銅−鉄合金メッキ浴が、実施例16〜19には、β−ナフトールポリエトキシレートを含有するスズ−銅−ニッケル合金メッキ浴が、実施例20〜24には、β−ナフトールポリエトキシレートを含有するスズ−銅−コバルト合金メッキ浴が具体例が記載されている。
特許文献7には、各種ノニオン系界面活性剤を含有可能なスズ−銅系合金メッキ浴が記載されており(請求項1〜2、段落19〜22参照)、その実施例1〜3には、トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO15)ポリプロポキシレート(PO3)を含有するスズ−銅合金メッキ浴が、実施例14には、トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO15)ポリプロポキシレート(PO3)を含有するスズ−銅−鉄合金メッキ浴が、実施例17〜18には、トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO15)ポリプロポキシレート(PO3)を含有するスズ−銅−ニッケル合金メッキ浴が、実施例21には、トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO15)ポリプロポキシレート(PO3)を含有するスズ−銅−アンチモン合金メッキ浴が具体的に記載されている。
特開平10−25595号公報 特開2000−26991号公報 特開2000−192279号公報 特開2001−49486号公報 特開2001−164396号公報 特開2001−172791号公報 特開2001−262391号公報
実際のスズ−銀系合金、又はスズ−銅系合金電気メッキにおいては、コスト低減による生産性の見地からアノードにスズ又はスズ合金を使用するが、銀又は銅の電極電位はスズに対して貴であるため、電気メッキに際してアノードを無通電浸漬すると、アノードからスズが溶解するとともに、銀又は銅がアノード表面に置換析出するという問題がある。特に、銀は電極電位が貴に大きく傾いているため、浴中では不安定で析出し易い。
この置換による銀又は銅の消耗が進行すると、メッキ浴中の銀又は銅濃度が低下し、メッキ浴組成が変動して、電析物の合金組成が変わってしまうと共に、コストアップにもつながる。さらには、被メッキ物に銀又は銅が置換析出した場合、電着皮膜のハンダ濡れ性、接合強度にも悪影響を及ぼす。
上記特許文献1〜2のスズ−銀合金及びスズ−銅合金を含むスズ合金メッキ浴、特許文献3の銀−スズ合金を含む銀合金メッキ浴、実施例4〜7のスズ−銅系合金メッキ浴にあっては、電気メッキに際して、銀又は銅のアノード表面への置換析出の防止を目的とするものではなく、従って、その防止機能を期待することができないか、きわめて不充分である。
本発明は鉛フリーのスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金電気メッキ浴において、メッキ処理時のスズ又はスズ合金アノード表面への銀又は銅の置換析出を有効に防止して、浴組成を安定化することを技術的課題とする。
本発明者らは、上記特許文献1〜7に多数列挙された各種のノニオン系界面活性剤について、これらの界面活性剤の含有がスズ又はスズ合金アノード表面上への銀又は銅の置換析出に及ぼす影響を鋭意研究した結果、同じノニオン系界面活性剤の中でも、所定のHLBを有する特定の化学構造種のものは、それ以外のものに対して置換防止機能に明白な差異性があることを突き止めた。
即ち、所定のHLBを有するジ又はトリスチレン化フェノールポリアルコキシレート、ジ又はトリスチレン化クレゾールポリアルコキシレートより選ばれた特定化学構造種のノニオン系界面活性剤では、この置換析出の防止効果が特異的に大きく、これら以外のノニオン系界面活性剤に対して顕著な優位性を示し、特定化学構造種を含むメッキ浴ではメッキ浴組成が安定化し、もって電気メッキに際して良好な外観の電着皮膜が得られることを見い出して、本発明を完成した。
即ち、本発明1は、可溶性第一スズ塩と、可溶性銀塩と、塩酸、硫酸、ホウフッ化水素酸よりなる無機酸、有機スルホン酸、カルボン酸よりなる有機酸から選ばれた酸の少なくとも一種とを含有する鉛フリーのスズ−銀系合金電気メッキ浴において、
HLBが7.3〜15.2のジスチレン化フェノールポリアルコキシレート、HLBが7.0〜10.4のトリスチレン化フェノールポリアルコキシレート、HLBが8.2〜15.0のジスチレン化クレゾールポリアルコキシレート、HLBが7.7〜13.9のトリスチレン化クレゾールポリアルコキシレートよりなるノニオン系界面活性剤の少なくとも1種を添加して、スズ又はスズ合金製のアノード表面上への銀の置換析出を防止することを特徴とする鉛フリーのスズ−銀系合金電気メッキ浴である。
本発明2は、上記本発明1において、スズ−銀系合金がスズ−銀−銅合金であって、電気メッキ浴に銅の供給源として可溶性銅塩を含有することを特徴とする鉛フリーのスズ−銀系合金電気メッキ浴である。
本発明3は、可溶性第一スズ塩と、可溶性銅塩と、塩酸、硫酸、ホウフッ化水素酸よりなる無機酸、有機スルホン酸、カルボン酸よりなる有機酸から選ばれた酸の少なくとも一種とを含有する鉛フリーのスズ−銅系合金電気メッキ浴において、
HLBが7.3〜15.2のジスチレン化フェノールポリアルコキシレート、HLBが7.0〜10.4のトリスチレン化フェノールポリアルコキシレート、HLBが8.2〜15.0のジスチレン化クレゾールポリアルコキシレート、HLBが7.7〜13.9のトリスチレン化クレゾールポリアルコキシレートよりなるノニオン系界面活性剤の少なくとも1種を添加して、スズ又はスズ合金製のアノード表面上への銅の置換析出を防止することを特徴とする鉛フリーのスズ−銅系合金電気メッキ浴である。
本発明4は、上記本発明1〜3のいずれかにおいて、スズ−銀系合金又はスズ−銅系合金がさらに他の金属を含む多元合金であって、電気メッキ浴に当該他の金属の可溶性塩を含有し、当該他の金属が亜鉛、インジウム、アンチモン、鉄、コバルト、ニッケル、イリジウムよりなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする鉛フリーのスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金電気メッキ浴である。
本発明5は、上記本発明1〜4のいずれかにおいて、さらに、界面活性剤、錯化剤、酸化防止剤、平滑剤、半光沢剤、光沢剤、電導性塩並びにpH調整剤の少なくとも一種を含有することを特徴とする鉛フリーのスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金電気メッキ浴である。
本発明6は、アノードとカソードを鉛フリーのスズ合金メッキ浴中に浸漬し、スズ又はスズ合金をアノードとし、被メッキ物をカソードとして電気メッキを行うに際して、
上記本発明1〜5のいずれかのスズ合金電気メッキ浴を用いることにより、アノード表面上に銀又は銅が置換析出するのを防止可能にしたことを特徴とする鉛フリーのスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金電気メッキ方法である。
本発明7は、上記本発明1〜5のいずれかのスズ合金電気メッキ浴を用いて、素地上に鉛フリーのスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金の皮膜を形成した電子部品である。
(1)上記特許文献1〜7には、各種ノニオン系界面活性剤が列挙されているが、後述の試験例にも示すように、適正な選択種ではない通常のノニオン系界面活性剤、或は、ノニオン以外の界面活性剤をメッキ浴に含有させてもスズ又はスズ合金アノード表面上への銀又は銅の置換析出を有効に防止することはできない。
ちなみに、特許文献4〜7に記載されているトリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO15)、トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO15)ポリプロポキシレート(PO3)は、HLBが12.4又は10.6であり、本発明のHLBの適正範囲から外れる。
これに対して、本発明では、スズ−銀系合金又はスズ−銅系合金メッキ浴に所定のHLBを有する特定化学構造種のノニオン系界面活性剤を添加するため、スズ又はスズ合金製のアノード表面への銀又は銅の置換析出を有効に防止できる(特に、電極電位が貴に大きく傾いている銀の析出をも円滑に防止できる)。このため、メッキ浴中の銀又は銅の過剰な消耗をなくし、メッキ浴組成の変動を抑えて安定化でき、もって電気メッキに際して、緻密性、平滑性などに優れ、色調ムラのない良好な外観のスズ−銀系合金又はスズ−銅合金の電着皮膜を得ることができる。
(2)アノード表面への銀又は銅の置換析出を有効に防止できるため、メッキ操作のたびにアノードを洗浄する手間が要らず、メッキ操作を簡便化できる。
本発明は、第一に、所定のHLBを有する特定化学構造種のノニオン系界面活性剤を含有する鉛フリーのスズ−銀系合金電気メッキ浴であり(本発明1〜2参照)、第二に、同ノニオン系界面活性剤を含有する鉛フリーのスズ−銅系合金電気メッキ浴であり(本発明3参照)、第三に、これらの電気メッキ浴を用いることにより、アノード表面上に銀又は銅が置換析出することを防止する鉛フリーのスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金電気メッキ方法であり(本発明6参照)、第四に、これらのメッキ浴により素地表面上にスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金皮膜を形成した電子部品である(本発明7参照)。
尚、本発明の鉛フリーのスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金電気メッキ浴、或は電気メッキ方法では、生産性の見地から、アノードは、白金などの不溶性材料ではなく、スズ又はスズ合金を材質とする(従って、銀又は銅の置換析出の防止が課題となる)。
本発明1の対象となるスズ−銀系合金は、スズ−銀合金の2元合金に限らず、本発明2及び本発明4に示すように、スズ−銀−銅合金、スズ−銀−亜鉛合金、スズ−銀−インジウム合金、スズ−銀−アンチモン合金、スズ−銀−鉄合金、スズ−銀−コバルト合金、スズ−銀−ニッケル合金、スズ−銀−イリジウム合金の3元合金、或は、スズと銀を含むその他の多元合金を包含するが、鉛フリーであるためにスズ−銀−鉛合金などの鉛を含む合金は排除される。
尚、本発明では便宜的に、スズ−銀−銅合金はスズ−銅系合金ではなく、スズ−銀系合金に属するものとする。
メッキ浴中では、スズ、銀などの金属供給源は酸性、中性又はアルカリ性の水に溶解する金属化合物として浴の種類に応じて任意の形態で含有され、一般には金属の可溶性塩の形態をとる。
そこで、スズ−銀合金電気メッキ浴(2元合金浴)の基本組成を述べると、可溶性第一スズ塩と、可溶性銀塩と、ベース酸から構成される。
上記可溶性第一スズ塩としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−プロパノールスルホン酸、p−フェノールスルホン酸などの有機スルホン酸の第一スズ塩を初め、ホウフッ化第一スズ、スルホコハク酸第一スズ、硫酸第一スズ、酸化第一スズ、塩化第一スズなどが挙げられる。
上記可溶性銀塩としては、硫酸銀、亜硫酸銀、炭酸銀、硝酸銀、酸化銀、スルホコハク酸銀、上記有機スルホン酸の銀塩、クエン酸銀、酒石酸銀、グルコン酸銀、シュウ酸銀などが挙げられる。
また、スズ−銀−亜鉛合金、スズ−銀−インジウム合金などの3元合金電気メッキ浴、或はそれ以上の多元合金浴の場合には、亜鉛、インジウム、アンチモン、鉄、ニッケルなどの各可溶性塩がさらに含有される。
上記インジウムの可溶性塩としては、スルファミン酸インジウム、硫酸インジウム、ホウフッ化インジウム、酸化インジウム、メタンスルホン酸インジウム、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸インジウムなどが挙げられる。
亜鉛の可溶性塩としては、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、ピロリン酸亜鉛、シアン化亜鉛、メタンスルホン酸亜鉛、2−ヒドロキシエタンスルホン酸亜鉛、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸亜鉛などが挙げられる。
アンチモンの可溶性塩としては、ホウフッ化アンチモン、塩化アンチモン、酒石酸アンチモニルカリウム、ピロアンチモン酸カリウム、酒石酸アンチモン、メタンスルホン酸アンチモン、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸アンチモンなどが挙げられる。
鉄の可溶性塩としては、硫酸鉄、塩化鉄、酢酸鉄、チオシアン酸鉄、メタンスルホン酸鉄、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸鉄などが挙げられる。
コバルトの可溶性塩としては、硫酸コバルト、塩化コバルト、酢酸コバルト、ホウフッ化コバルト、メタンスルホン酸コバルト、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸コバルトなどが挙げられる。
ニッケルの可溶性塩としては、硫酸ニッケル、ギ酸ニッケル、塩化ニッケル、スルファミン酸ニッケル、ホウフッ化ニッケル、酢酸ニッケル、メタンスルホン酸ニッケル、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ニッケルなどが挙げられる。
他の上記合金成分となる特定金属の可溶性塩も、同様に、酸化物、ハロゲン化物、無機酸又は有機酸の塩(特に、有機スルホン酸塩)などが挙げられる。
一方、本発明3の対象となるスズ−銅系合金は、スズ−銅合金の2元合金に限らず、本発明4に示すように、スズ−銅−亜鉛合金、スズ−銅−インジウム合金、スズ−銅−アンチモン合金、スズ−銅−鉄合金、スズ−銅−コバルト合金、スズ−銅−ニッケル合金、スズ−銅−イリジウム合金の3元合金(スズ−銅−銀合金は、前述の通り、スズ−銀系合金に属するため省略する)、或は、スズと銅を含むその他の多元合金を包含するが、鉛フリーであるためにスズ−銅−鉛合金などの鉛を含む合金は排除される。
スズ−銅系合金メッキ浴中では、上記スズ−銀系合金浴と同様に、スズ、銅などの金属供給源は酸性、中性又はアルカリ性の水に溶解する金属化合物として浴の種類に応じて任意の形態で含有され、一般には金属の可溶性塩の形態をとる。
従って、スズ−銅合金電気メッキ浴(2元合金浴)の基本組成は、スズ−銀合金浴と同様に、可溶性第一スズ塩と、可溶性銅塩と、ベース酸から構成される。
上記可溶性銅塩としては、前記有機スルホン酸の銅塩、硫酸銅、塩化銅、酸化銅、炭酸銅、酢酸銅、ピロリン酸銅、シュウ酸銅などが挙げられる。
また、スズ−銅−亜鉛合金などの3元合金電気メッキ浴、或はそれ以上の多元合金浴の場合には、亜鉛、インジウム、アンチモン、鉄、ニッケルなどの各可溶性塩がさらに含有されることになる。この点は、前記スズ−銀系の3元合金、或は多元合金メッキ浴と同様である。
上記可溶性金属塩は夫々単用又は併用でき、メッキ浴に対する当該可溶性塩の浴中の総濃度は金属塩換算で0.05〜350g/L、好ましくは10〜200g/Lである。また、スズとその他の金属の混合割合は、所望するスズ合金メッキ皮膜の組成比に応じて適宜決定される。
具体的には、可溶性第一スズ塩の含有量は1〜300g/Lが適当であり、好ましくは5〜190g/Lである。
可溶性銀塩の含有量は0.01〜10g/Lで適当であり、好ましくは0.05〜5g/Lである。
可溶性銅塩の含有量は0.01〜30g/Lが適当であり、好ましくは0.05〜5g/Lである。
上記ベース酸としては、有機スルホン酸、脂肪族カルボン酸などの有機酸、ホウフッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、スルファミン酸、塩酸、硫酸、過塩素酸などの無機酸が挙げられ、これらの塩を使用することもできる。これらの酸は単用又は併用でき、酸の含有量は5〜400g/Lであり、好ましくは20〜300g/Lである。
上記ベース酸の中では、スズの溶解性や排水処理の容易性の点で有機スルホン酸が好ましい。
当該有機スルホン酸は、アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、芳香族スルホン酸などであり、アルカンスルホン酸としては、化学式Cn2n+1SO3H(例えば、n=1〜11)で示されるものが使用でき、具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1―プロパンスルホン酸、2―プロパンスルホン酸、1―ブタンスルホン酸、2―ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸などが挙げられる。
上記アルカノールスルホン酸としては、化学式
m2m+1-CH(OH)-Cp2p-SO3H(例えば、m=0〜6、p=1〜5)
で示されるものが使用でき、具体的には、2―ヒドロキシエタン―1―スルホン酸(イセチオン酸)、2―ヒドロキシプロパン―1―スルホン酸(2−プロパノールスルホン酸)、2―ヒドロキシブタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシペンタン―1―スルホン酸などの外、1―ヒドロキシプロパン―2―スルホン酸、3―ヒドロキシプロパン―1―スルホン酸、4―ヒドロキシブタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシヘキサン―1―スルホン酸などが挙げられる。
上記芳香族スルホン酸は、基本的にベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、ナフトールスルホン酸などであり、具体的には、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、スルホサリチル酸、ニトロベンゼンスルホン酸、スルホ安息香酸、ジフェニルアミン−4−スルホン酸などが挙げられる。
上記有機スルホン酸では、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−プロパノールスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸などが好ましい。
上記脂肪族カルボン酸としてはC1〜C6のカルボン酸が使用でき、具体的には、酢酸、プロピオン酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、スルホコハク酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられる。
本発明のスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金電気メッキ浴には、スズ又はスズ合金アノード表面への銀又は銅の置換析出を有効に防止し、メッキ浴組成の安定化によって優れた外観のメッキ皮膜を形成する見地から、所定のHLBを有する特定化学構造種のノニオン系界面活性剤を添加することが必要である。
所定のHLBを有する特定化学構造種のノニオン系界面活性剤は、次の(a)〜(d)の通りである。
(a)HLBが7.3〜15.2(好ましくは8.4〜14.5)のジスチレン化フェノールポリアルコキシレート
(b)HLBが7.0〜10.4(好ましくは7.9〜9.9)のトリスチレン化フェノールポリアルコキシレート
(c)HLBが8.2〜15.0(好ましくは9.9〜14.3)のジスチレン化クレゾールポリアルコキシレート
(d)HLBが7.7〜13.9(好ましくは9.1〜13.1)のトリスチレン化クレゾールポリアルコキシレート
上記ノニオン系界面活性剤(a)〜(d)は共にアルキレンオキシド付加物であり、付加するアルキレンオキシドとしてはC2〜C4アルキレンオキシドが適しており、好ましくはエチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)である。
一般に、EOの付加数が増すと親水性が増してHLBは増大し、POの付加数が増すと親油性が増してHLBは減少する。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのHLBは、通常、HLB=E/5(E:エチレンオキシドの重量分率(%))で表すことができる。従って、ノニオン系界面活性剤(a)〜(d)では、水系での乳化作用などを有効に確保する見地から、上記計算式に準拠しながら、EOとPOの付加数、或は、スチレン基の付加数を調整することにより、所定領域のHLBに調整することができる。
また、ノニオン系界面活性剤にあっては、その種類が特定されると、HLBが所望の範囲内に指定された相当品を製造会社から入手することはそれほど困難ではない。
そこで、上記特定化学構造種ごとの具体例を個別的に列挙すると、例えば、ジスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO9モル)はHLB=7.3〜15.2の特定領域に属し、トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO7モル)はHLB=7.0〜10.4の特定領域に属し、ジスチレン化クレゾールポリプロポキシレート(PO2モル)・ポリエトキシレート(EO15モル)はHLB=8.2〜15.0の特定領域に属し、トリスチレン化クレゾールポリエトキシレート(EO10モル)はHLB=7.7〜13.9の特定領域に属する。
上記ノニオン系界面活性剤(a)〜(d)は単用又は併用でき、その含有量はスズ−銀系合金電気メッキ浴においては、銀1モル/Lに対して0.005〜5モル/Lが適当であり、好ましくは0.01〜2モル/L、より好ましくは0.05〜1モル/Lである。また、スズ−銅系合金電気メッキ浴における銅1モル/Lに対する当該ノニオン系界面活性剤の含有量(モル/L)は、スズ−銀系合金浴と同様である。
本発明では、鉛フリーのスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金電気メッキ浴に上記特定化学構造種のノニオン系界面活性剤を含有することが必要条件であるが、他種のノニオン系界面活性剤やノニオン系以外の両性、アニオン、カチオンなどの界面活性剤が共存しても差し支えない。
これらの界面活性剤は、上記特定化学構造種のノニオン系界面活性剤のうち、水溶性の低いものの可溶化を促進したり、メッキ皮膜の外観、緻密性、平滑性、密着性、均一電着性等を改善するために添加される。
当該界面活性剤としては、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性などの各種界面活性剤を単用又は併用でき、その添加量はメッキ浴に対して0.01〜100g/L程度が適し、0.1〜50g/L程度が好ましい。
上記ノニオン性界面活性剤は、C1〜C20アルカノール、フェノール、ナフトール、モノスチレン化フェノール、モノスチレン化クレゾール、クミルフェノール、ビスフェノール類、C1〜C25アルキルフェノール、C1〜C25アルキルナフトール、C1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)、ソルビタンエステル、ポリアルキレングリコール、アルキレンジアミン、C1〜C22脂肪族アミド、スルホンアミド、りん酸、多価アルコール、グルコシド等にエチレンオキシド(EO)及びプロピレンオキシド(PO)から選ばれた少なくとも一種のアルキレンオキシドを2〜300モル付加縮合したアルキレンオキシド付加物である。
従って、上記アルカノール、フェノール、ナフトールなどのEO単独の付加物、PO単独の付加物、或は、EOとPOが共存した付加物のいずれでも良い。具体的には、α−ナフトール又はβ−ナフトールのエチレンオキシド付加物(即ち、α−ナフトールポリエトキシレートなど)が好ましい。
上記アルキレンオキシドを付加縮合させるC1〜C20アルカノールとしては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、エイコサノール、ヘキサデカノール、cis−9−オクタデセノール、ドコサノールなどが挙げられる。
上記アルキレンオキシドを付加縮合させるビスフェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールFなどが挙げられる。
上記アルキレンオキシドを付加縮合させるC1〜C25アルキルフェノールとしては、モノ、ジ、若しくはトリアルキル置換フェノール、例えば、p−ブチルフェノール、p−イソオクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ヘキシルフェノール、2,4−ジブチルフェノール、2,4,6−トリブチルフェノール、p−ドデシルフェノール、p−オクタデシルフェノールなどが挙げられる。
上記アルキレンオキシドを付加縮合させるC1〜C25アルキルナフトールのアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシルなどが挙げられ、ナフタレン核の任意の位置にあって良い。
上記アルキレンオキシドを付加縮合させるC1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)は、下記の一般式(a)で表されるものである。
Ra・Rb・(MO)P=O …(a)
(式(a)中、Ra及びRbは同一又は異なるC1〜C25アルキル、但し、一方がHであっても良い。Mは、H又はアルカリ金属を示す。)
上記アルキレンオキシドを付加縮合させるソルビタンエステルとしては、モノ、ジ又はトリエステル化した1,4−、1,5−又は3,6−ソルビタン、具体的には、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタン混合脂肪酸エステルなどが挙げられる。
アルキレンオキシドを付加縮合させるC1〜C22脂肪族アミドとしては、プロピオン酸、ブタン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、ドコサン酸などのアミドが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、下記一般式(b)で表される第4級アンモニウム塩、下記一般式(c)で表されるピリジニウム塩などが挙げられる。
(R1・R2・R3・R4N)+・X- …(b)
(式(b)中、Xはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C5アルカンスルホン酸又は硫酸、R1、R2及びR3は同一又は異なるC1〜C20アルキル、R4はC1〜C10アルキル又はベンジルを示す。)
6−(C64N−R5)+・X- …(c)
(式(c)中、Xはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C5アルカンスルホン酸又は硫酸、R5はC1〜C20アルキル、R6はH又はC1〜C10アルキルを示す。)
上記塩の形態のカチオン性界面活性剤の例としては、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルジメチルエチルアンモニウム塩、オクタデシルジメチルエチルアンモニウム塩、ジメチルベンジルドデシルアンモニウム塩、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩、ヘキサデシルピリジニウム塩、ドデシルピリジニウム塩、オクタデシルピリジニウム塩、ドデシルアミンアセテート、オクタデシルアミンアセテートなどが挙げられる。
上記アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、(モノ、ジ、トリ)アルキルナフタレンスルホン酸塩などが挙げられる。
上記アルキル硫酸塩としては、ドデシル硫酸ナトリウム、cis−9−オクタデセニル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレン(EO12)ノニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EO15)ドデシルエーテル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレン(EO15)ノニルフェニルエーテル硫酸塩などが挙げられる。
上記アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、(モノ、ジ、トリ)アルキルナフタレンスルホン酸塩としては、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、イミダゾリンベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸類などが挙げられる。また、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとアルキルアミン又はジアミンとの縮合生成物の硫酸化又はスルホン酸化付加物も使用できる。
代表的なカルボキシベタイン又はイミダゾリンベタインとしては、ドデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、テトラデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、オクタデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−ウンデシル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−オクチル−1−カルボキシメチル−1−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。硫酸化又はスルホン酸化付加物としては、エトキシル化アルキルアミンの硫酸付加物、スルホン酸化ドデシル酸誘導体ナトリウム塩などが挙げられる。
上記スルホベタインとしては、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアンモニウム−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、N−ココイルメチルタウリンナトリウム、N−ヘキサデカノイルメチルタウリンナトリウムなどが挙げられる。
上記アミノカルボン酸類としては、ジオクチルアミノエチルグリシン、N−ドデシルアミノプロピオン酸、オクチルジ(アミノエチル)グリシンナトリウム塩等が挙げられる。
また、本発明5に示すように、本発明のスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金電気メッキ浴には、さらに必要に応じて、錯化剤、酸化防止剤、平滑剤、半光沢剤、光沢剤、電導性塩、pH調整剤、緩衝剤、防腐剤、消泡剤などの各種添加剤を含有することができる。
上記錯化剤は主に銀塩又は銅塩に作用して、浴の安定性を向上することなどを目的として添加される。
当該錯化剤としては、グルコン酸、クエン酸、グルコヘプトン酸、グルコノラクトン、グルコヘプトラクトン、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、ジグリコール酸、乳酸、及びこれらの塩、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、イミノジプロピオン酸(IDP)、及びこれらの塩、イオウ系錯化剤などが挙げられる。
このイオウ系錯化剤は分子内にローンペアを有するイオウ原子を含む化合物であり、具体例としては、チオ尿素、或は、ジメチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素、アリルチオ尿素、アセチルチオ尿素、チオセミカルバジドなどのチオ尿素誘導体などのチオアミド類、チオグリコール(HS−CH2CH2OH)、チオグリコール酸(HSCH2COOH)、メルカプトプロピオン酸(CH3CH(SH)COOH)、メルカプトコハク酸などのメルカプタン類、チオジグリコール(HOCH2CH2−S−CH2CH2OH)、H−(OCH2CH2)12−S−(CH2CH2O)12−H、チオジグリコール酸(HOOCCH2−S−CH2COOH)、ジチオジアニリン、ジピリジルジスルフィド、3,6−ジチオ−1,8−オクタンジオール、4,7−ジチオ−1,10−デカンジオールなどのスルフィド類、或は、亜硫酸塩等が挙げられる。
上記酸化防止剤は浴中のSn2+の酸化防止を目的としたもので、アスコルビン酸又はその塩、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、フロログルシン、クレゾールスルホン酸又はその塩、フェノールスルホン酸又はその塩、カテコールスルホン酸又はその塩、ヒドロキノンスルホン酸又はその塩、レゾルシンスルホン酸又はその塩、ヒドロキシナフタレンスルホン酸又はその塩、ヒドラジンなどが挙げられる。
上記平滑剤としては、β−ナフトール、β−ナフトール−6−スルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸、m−クロロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、(o−、p−)メトキシベンズアルデヒド、バニリン、(2,4−、2,6−)ジクロロベンズアルデヒド、(o−、p−)クロロベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド、2(4)−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、2(4)−クロロ−1−ナフトアルデヒド、2(3)−チオフェンカルボキシアルデヒド、2(3)−フルアルデヒド、3−インドールカルボキシアルデヒド、サリチルアルデヒド、o−フタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−バレルアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、グリオキサール、アルドール、スクシンジアルデヒド、カプロンアルデヒド、イソバレルアルデヒド、アリルアルデヒド、グルタルアルデヒド、1−ベンジリデン−7−ヘプタナール、2,4−ヘキサジエナール、シンナムアルデヒド、ベンジルクロトンアルデヒド、アミン−アルデヒド縮合物、酸化メシチル、イソホロン、ジアセチル、ヘキサンジオン−3,4、アセチルアセトン、3−クロロベンジリデンアセトン、sub.ピリジリデンアセトン、sub.フルフリジンアセトン、sub.テニリデンアセトン、4−(1−ナフチル)−3−ブテン−2−オン、4−(2−フリル)−3−ブテン−2−オン、4−(2−チオフェニル)−3−ブテン−2−オン、クルクミン、ベンジリデンアセチルアセトン、ベンザルアセトン、アセトフェノン、(2,4−、3,4−)ジクロロアセトフェノン、ベンジリデンアセトフェノン、2−シンナミルチオフェン、2−(ω−ベンゾイル)ビニルフラン、ビニルフェニルケトン、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、クロトン酸、プロピレン−1,3−ジカルボン酸、ケイ皮酸、(o−、m−、p−)トルイジン、(o−、p−)アミノアニリン、アニリン、(o−、p−)クロロアニリン、(2,5−、3,4−)クロロメチルアニリン、N−モノメチルアニリン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、N−フェニル−(α−、β−)ナフチルアミン、メチルベンズトリアゾール、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,3−ベンズトリアジン、イミダゾール、2−ビニルピリジン、インドール、キノリン、モノエタノールアミンとo−バニリンの反応物、ポリビニルアルコール、カテコール、ハイドロキノン、レゾルシン、ポリエチレンイミン、エチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
また、ゼラチン、ポリペプトン、N−(3−ヒドロキシブチリデン)−p−スルファニル酸、N−ブチリデンスルファニル酸、N−シンナモイリデンスルファニル酸、2,4−ジアミノ−6−(2′−メチルイミダゾリル(1′))エチル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2′−エチル−4−メチルイミダゾリル(1′))エチル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2′−ウンデシルイミダゾリル(1′))エチル−1,3,5−トリアジン、サリチル酸フェニル、或は、ベンゾチアゾール類も平滑剤として有効である。
上記ベンゾチアゾール類としては、ベンゾチアゾール、2-メチルベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(メチルメルカプト)ベンゾチアゾール、2-アミノベンゾチアゾール、2-アミノ-6-メトキシベンゾチアゾール、2-メチル-5-クロロベンゾチアゾール、2-ヒドロキシベンゾチアゾール、2-アミノ-6-メチルベンゾチアゾール、2-クロロベンゾチアゾール、2,5-ジメチルベンゾチアゾール、6-ニトロ-2-メルカプトベンゾチアゾール、5-ヒドロキシ-2-メチルベンゾチアゾール、2-ベンゾチアゾールチオ酢酸などが挙げられる。
上記光沢剤、或は半光沢剤としては、上記平滑剤とも多少重複するが、ベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、2,4,6−トリクロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、フルフラール、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、3−アセナフトアルデヒド、ベンジリデンアセトン、ピリジデンアセトン、フルフリリデンアセトン、シンナムアルデヒド、アニスアルデヒド、サリチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、グルタルアルデヒド、パラアルデヒド、バニリンなどの各種アルデヒド、トリアジン、イミダゾール、インドール、キノリン、2−ビニルピリジン、アニリン、フェナントロリン、ネオクプロイン、ピコリン酸、チオ尿素類、N―(3―ヒドロキシブチリデン)―p―スルファニル酸、N―ブチリデンスルファニル酸、N―シンナモイリデンスルファニル酸、2,4―ジアミノ―6―(2′―メチルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、2,4―ジアミノ―6―(2′―エチル―4―メチルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、2,4―ジアミノ―6―(2′―ウンデシルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、サリチル酸フェニル、或は、ベンゾチアゾール、2―メルカプトベンゾチアゾール、2―メチルベンゾチアゾール、2―アミノベンゾチアゾール、2―アミノ―6―メトキシベンゾチアゾール、2―メチル―5―クロロベンゾチアゾール、2―ヒドロキシベンゾチアゾール、2―アミノ―6―メチルベンゾチアゾール、2―クロロベンゾチアゾール、2,5―ジメチルベンゾチアゾール、5―ヒドロキシ―2―メチルベンゾチアゾール、2−ベンゾチアゾールチオ酢酸等のベンゾチアゾール類などが挙げられる。
上記pH調整剤としては、塩酸、硫酸等の各種の酸、アンモニア水、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の各種の塩基などが挙げられる。
上記緩衝剤としては、ホウ酸類、リン酸類、塩化アンモニウム、シュウ酸、コハク酸などのジカルボン酸類、乳酸、酒石酸などのオキシカルボン酸類などが挙げられる。
上記導電性塩としては、硫酸、塩酸、リン酸、スルファミン酸、スルホン酸などのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、アミン塩などが挙げられるが、上記pH調整剤で共用できる場合もある。
上記防腐剤としては、ホウ酸、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、塩化ベンザルコニウム、フェノール、フェノールポリエトキシレート、チモール、レゾルシン、イソプロピルアミン、グアヤコールなどが挙げられる。
上記消泡剤としては、プルロニック界面活性剤、高級脂肪族アルコール、アセチレンアルコール及びそれらのポリアルコキシレートなどが挙げられる。
本発明のメッキ浴では、上記各種添加剤の含有濃度は、バレルメッキ、ラックメッキ、高速連続メッキ、ラックレスメッキ等の使用方法に応じて、適宜選択すれば良い。
本発明のメッキ浴を用いて電気メッキを行う場合、浴温は0℃程度以上が好ましく、10〜50℃程度がより好ましい。陰極電流密度は0.01〜150A/dm2程度が好ましく、0.1〜30A/dm2程度がより好ましい。
また、浴のpHは、酸性からほぼ中性までの広い領域とすることができるが、特に、弱酸性〜強酸性の範囲が好ましい。
本発明6は、本発明1〜5の鉛フリーのスズ−銀合金系又はスズ−銅系合金メッキ浴を用いて電気メッキする方法であり、アノードとカソードを当該スズ合金メッキ浴中に浸漬し、スズ又はスズ合金をアノードとし、被メッキ物をカソードとして電気メッキを行うに際して、前記所定のHLBを有する特定化学構造種のノニオン系界面活性剤を必須成分とする当該スズ−銀系合金又はスズ−銅系合金メッキ浴を用いることにより、アノード表面上にビスマスが置換析出するのを防止するようにした鉛フリーのスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金電気メッキ方法である。
本発明のスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金メッキ浴を用いた電気メッキ方法は、特に、電気部品又は電子部品を被メッキ物とした場合に、ハンダ付け性に優れたメッキ皮膜を形成でき、安全性にも優れていることから有用性が高い。
この被メッキ物としての電気部品又は電子部品には特に制限はなく、その具体例としては、半導体デバイス、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フィルムキャリア、IC、コネクタ、スイッチ、抵抗、可変抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶振動子、リード線などが挙げられる(本発明7参照)。
また、メッキ皮膜の膜厚についても特に制限はないが、通常、0.1〜20μm程度が好ましい。
以下、本発明のスズ−銀系合金及びスズ−銅系合金電気メッキ浴の実施例、当該メッキ浴にスズアノードを浸漬した際の、銀又は銅の置換析出の防止度合とメッキ浴組成(銀又は銅濃度)の評価試験例、並びに当該スズ合金メッキ浴を用いて電気メッキした際の電着皮膜の目視外観と皮膜組成の評価試験例を順次説明する。
尚、本発明は下記の実施例、試験例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
《スズ−銀系合金及びスズ−銅系合合金電気合金メッキ浴の実施例》
下記の実施例1〜23のうち、実施例1〜12はスズ−銀系合金メッキ浴の例であり、実施例13〜23はスズ−銅系合金メッキ浴の例である。実施例1〜12のうち、実施例10はスズ−銀−亜鉛合金メッキ浴の例、実施例11はスズ−銀−インジウム合金メッキ浴の例、実施例12はスズ−銀−銅合金メッキ浴の例、その他はスズ−銀合金メッキ浴の例である。実施例13〜23のうち、実施例22はスズ−銅−亜鉛合金メッキ浴の例、実施例23はスズ−銅−インジウム合金メッキ浴の例、その他はスズ−銅合金メッキ浴の例である。また、実施例1〜23のうち、実施例1、10〜13、22〜23は所定のHLBを有する特定化学構造種のノニオン系界面活性剤の併用例、その他の実施例は共に所定のHLBを有する特定化学構造種のノニオン系界面活性剤の単用例である。
一方、下記の比較例1〜8のうち、比較例1〜4はスズ−銀合金メッキ浴の例であり、このうち、比較例1は特定化学構造種のノニオン系界面活性剤を使用しないブランク例、比較例2は特定化学構造種以外のノニオン系界面活性剤を使用した例、比較例3〜4は特定化学構造種のノニオン系界面活性剤であるが、HLBが所定範囲から外れるものを使用した例である。また、比較例5〜8はスズ−銅合金メッキ浴の例であり、このうち、比較例5は特定化学構造種のノニオン系界面活性剤を使用しないブランク例、比較例6は特定化学構造種以外のノニオン系界面活性剤を使用した例、比較例7〜8は特定化学構造種のノニオン系界面活性剤であるが、HLBが所定範囲から外れるものを使用した例である。 尚、図1の最左欄には、各実施例及び比較例での銀又は銅イオンに対する界面活性剤(SAA)のモル比を表記した。例えば、下記の実施例1では、特定化学構造種のノニオン系界面活性剤の合計モル濃度は(0.002+0.0008=)0.0028モル/Lであり、銀濃度は0.00927モル/Lであるため、銀イオンに対する上記界面活性剤のモル比は0.0028/0.00927=0.3である。
(1)実施例1
下記の組成でスズ−銀合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 1g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 130g/L
チオ尿素 5g/L
ジスチレン化フェノールポリエトキシレート(HLB7.3) 0.002モル/L
ジスチレン化フェノールポリエトキシレート(HLB15.2) 0.0008モル/L
(2)実施例2
下記の組成でスズ−銀合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 1g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
チオ尿素 5g/L
トリスチレン化フェノールポリエトキシレート(HLB10.4) 0.0028モル/L
ビスフェノールAポリエトキシレート(HLB15.4) 1g/L
(3)実施例3
下記の組成でスズ−銀合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 60g/L
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 2g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 150g/L
チオ尿素 10g/L
トリスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB11.7) 0.0028モル/L
(4)実施例4
下記の組成でスズ−銀合金電気メッキ浴を建浴した。
エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 60g/L
エタンスルホン酸銀(Ag+として) 2g/L
エタンスルホン酸(遊離酸として) 130g/L
チオ尿素 10g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB8.2) 0.0037モル/L
β−ナフトールポリエトキシレート(HLB16) 2g/L
(5)実施例5
下記の組成でスズ−銀合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 1g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
メチルチオ尿素 4g/L
トリスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB7.7) 0.006モル/L
トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム 0.5g/L
(6)実施例6
下記の組成でスズ−銀合金電気メッキ浴を建浴した。
2−ヒドロキシエタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L
2−ヒドロキシエタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.2g/L
2−ヒドロキシエタンスルホン酸(遊離酸として) 100g/L
1,3−ジメチルチオ尿素 2g/L
トリスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB12.2)0.00093モル/L
ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド 0.3g/L
(7)実施例7
下記の組成でスズ−銀合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 1g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
チオ尿素 5g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.6)0.0000465モル/L
(8)実施例8
下記の組成でスズ−銀合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 1g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
チオ尿素 5g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.6) 0.00093モル/L
(9)実施例9
下記の組成でスズ−銀合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 1g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
チオ尿素 5g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.6) 0.0186モル/L
(10)実施例10
下記の組成でスズ−銀−亜鉛合金電気メッキ浴を建浴した。
2−ヒドロキシプロパン
−1−スルホン酸第一スズ(Sn2+として) 30g/L
2−ヒドロキシプロパン
−1−スルホン酸銀(Ag+として) 0.5g/L
メタンスルホン酸亜鉛(Zn2+として) 3g/L
2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸(遊離酸として)120g/L
チオ尿素 3g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB12.5) 0.00092モル/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.8) 0.00092モル/L
(11)実施例11
下記の組成でスズ−銀−インジウム合金電気メッキ浴を建浴した。
2−ヒドロキシプロパン
−1−スルホン酸第一スズ(Sn2+として) 30g/L
2−ヒドロキシプロパン
−1−スルホン酸銀(Ag+として) 0.5g/L
メタンスルホン酸インジウム(In3+として) 1g/L
チオ尿素 3g/L
2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸(遊離酸として)120g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB12.5) 0.00092モル/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.8) 0.00092モル/L
(12)実施例12
下記の組成でスズ−銀−銅合金電気メッキ浴を建浴した。
2−ヒドロキシプロパン
−1−スルホン酸第一スズ(Sn2+として) 60g/L
2−ヒドロキシプロパン
−1−スルホン酸銀(Ag+として) 1g/L
メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 1g/L
2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸(遊離酸として)150g/L
チオ尿素 10g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB12.5) 0.0025モル/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.8) 0.002モル/L
(13)実施例13
下記の組成でスズ−銅合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 1g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 130g/L
2,2′−ジピリジル 2.5g/L
ジスチレン化フェノールポリエトキシレート(HLB7.3) 0.002モル/L
ジスチレン化フェノールポリエトキシレート(HLB15.2) 0.0011モル/L
(14)実施例14
下記の組成でスズ−銅合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 1g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
2,2′−ジピリジル 2.5g/L
ジスチレン化フェノールポリエトキシレート(HLB11.9) 0.0027モル/L
ビスフェノールAポリエトキシレート(HLB15.4) 1g/L
(15)実施例15
下記の組成でスズ−銅合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 60g/L
メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 2g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 150g/L
2,2′−ジピリジル 5g/L
トリスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB11.7) 0.003モル/L
(16)実施例16
下記の組成でスズ−銅合金電気メッキ浴を建浴した。
エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 60g/L
エタンスルホン酸銅(Cu2+として) 2g/L
エタンスルホン酸(遊離酸として) 130g/L
2,2′−ジピリジル 5g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB8.2) 0.0038モル/L
β−ナフトールポリエトキシレート(HLB16) 2g/L
(17)実施例17
下記の組成でスズ−銅合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 1g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
2,2′−ジピリジル 2.5g/L
トリスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB7.7) 0.0063モル/L
トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム 0.5g/L
(18)実施例18
下記の組成でスズ−銅合金電気メッキ浴を建浴した。
2−ヒドロキシエタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L
2−ヒドロキシエタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.2g/L
2−ヒドロキシエタンスルホン酸(遊離酸として) 100g/L
2,2′−ジチオジエタノール 0.5g/L
トリスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB12.2) 0.0016モル/L
ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド 0.3g/L
(19)実施例19
下記の組成でスズ−銅合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 1g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
2,2′−ジピリジル 2.5g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.6) 0.000785モル/L
(20)実施例20
下記の組成でスズ−銅合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 1g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
2,2′−ジピリジル 2.5g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.6) 0.0016モル/L
(21)実施例21
下記の組成でスズ−銅合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 1g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/L
2,2′−ジピリジル 2.5g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.6) 0.0205モル/L
(22)実施例22
下記の組成でスズ−銅−亜鉛合金電気メッキ浴を建浴した。
2−ヒドロキシプロパン
−1−スルホン酸第一スズ(Sn2+として) 30g/L
2−ヒドロキシプロパン
−1−スルホン酸銅(Cu2+として) 0.5g/L
メタンスルホン酸亜鉛(Zn2+として) 3g/L
2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸(遊離酸として)120g/L
2,2′−ジチオジエタノール 1.25g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB12.5) 0.0014モル/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.8) 0.001モル/L
(23)実施例23
下記の組成でスズ−銅−インジウム合金電気メッキ浴を建浴した。
2−ヒドロキシプロパン
−1−スルホン酸第一スズ(Sn2+として) 30g/L
2−ヒドロキシプロパン
−1−スルホン酸銅(Cu2+として) 0.5g/L
メタンスルホン酸インジウム(In3+として) 1g/L
2,2′−ジチオジエタノール 1.25g/L
2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸(遊離酸として)120g/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB12.5) 0.0014モル/L
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB13.8) 0.001モル/L
(24)比較例1
下記の組成でスズ−銀合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 1g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 130g/L
チオ尿素 5g/L
(25)比較例2
下記の組成でスズ−銀合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 1g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 130g/L
チオ尿素 5g/L
ビスフェノールAポリエトキシレート(HLB15.4) 3g/L
(26)比較例3
下記の組成でスズ−銀合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 60g/L
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 2g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 150g/L
チオ尿素 10g/L
トリスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB15.2) 0.0037モル/L
(27)比較例4
下記の組成でスズ−銀合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 60g/L
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 2g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 150g/L
チオ尿素 10g/L
トリスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB4.9) 0.00185モル/L
ノニルフェノールポリエトキシレート(HLB15.0) 8g/L
(28)比較例5
下記の組成でスズ−銅合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 1g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 130g/L
2,2′−ジピリジル 2.5g/L
(29)比較例6
下記の組成でスズ−銅合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 1g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 130g/L
2,2′−ジピリジル 2.5g/L
オクチルフェノールポリエトキシレート(HLB15) 3g/L
(30)比較例7
下記の組成でスズ−銅合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 60g/L
メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 2g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 150g/L
2,2′−ジピリジル 5g/L
トリスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB14.9) 0.0022モル/L
(31)比較例8
下記の組成でスズ−銅合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 60g/L
メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 2g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 150g/L
2,2′−ジピリジル 5g/L
トリスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB6.0) 0.0022モル/L
ビスフェノールAポリエトキシレート(HLB15.4) 9g/L
そこで、上記実施例1〜23及び比較例1〜8の各スズ−銀系合金又はスズ−銅系合金メッキ浴にスズアノードを浸漬して、スズアノード上での銀又は銅の置換析出の防止度合とメッキ浴組成の安定性について、評価試験を行った。
《メッキ浴にアノードを浸漬した場合のアノード上での置換析出防止性とメッキ浴組成の安定性の評価試験例A》
35℃に加温した実施例1〜23及び比較例1〜8の各スズ−銀系合金又はスズ−銅系合金メッキ浴100mLにスズ極板(60mm×20mm)を8時間無撹拌下にて浸漬した後、スズアノードの外観を目視観察するとともに、当該8時間経過時点でのメッキ浴中の銀又は銅イオン濃度を原子吸光分析法にて測定し、初期濃度に対する残留率に換算表示した。
図1はその結果である。
(1)スズ−銀系合金メッキ浴について
同図1によると、本発明の特定化学構造種のノニオン系界面活性剤を含まないブランク例の比較例1では、スズアノードは銀の置換析出により黒色に変色し、特定化学構造種以外の通常のノニオン系界面活性剤を用いた比較例2も、同様に黒色に変じていた。また、本発明の特定化学構造種のノニオン系界面活性剤を含むが、そのHLBが適正範囲を越える比較例3、或は、当該HLBが適正範囲より低い比較例4では、銀の置換析出はアノードの広い部分に及んで黒変し、アノードの一部だけが金属光沢を保持していた。
ちなみに、アノードの無通電浸漬を開始して8時間経過後のメッキ浴中の銀の残留率は比較例1〜2では31〜39%しかなく、銀が置換析出により急速に消耗されていることを裏付けた。さらに、比較例3〜4でも54〜62%の残留率にとどまった。
これに対して、実施例1〜12では、銀の置換析出は良好に防止され、アノードはスズの全面又は大半が金属光沢を保持していた。この点は、実施例1〜13における8時間経過後のメッキ浴中の銀の残留率が、71〜97%の高い割合を示したことからも裏付けられる。
当該実施例1〜12について詳述すると、銀に対する特定化学構造種の界面活性剤の濃度(重量比)が2倍以上の高い場合には、スズアノードの全面が金属光沢を保持したが、例えば、実施例7のように、濃度が相対的に低い場合にはアノード表面の一部が黒色に変じていた。一般に、銀は電極電位が大きく貴に傾いて浴から析出し易いため、本発明の界面活性剤の濃度が低い場合には、アノードの全面で置換析出を阻止することは容易でなく、一部で銀が置換析出したものと推定される。
また、スズ−銀の2元合金メッキ浴である実施例1〜9では、浴中の銀の残留率が高く、アノードでの銀の置換析出を有効に防止できたが、スズ−銀−亜鉛合金メッキ浴(実施例10)、スズ−銀−インジウム合金メッキ浴(実施例11)、スズ−銀−銅合金メッキ浴(実施例12)に示すように、スズ−銀系の3元合金メッキ浴にあっても、本発明の特定化学構造種の界面活性剤を添加すると、88〜94%の高い銀の残留率で裏付けられる通り、銀の置換析出防止に優れた効果を発揮することが明らかになった。
以上のように、実施例1〜12を比較例1〜2と対比すると、スズ−銀合金電気メッキ浴においては、スズ又はスズ合金アノードでの銀の置換析出を有効に防止するためには、本発明の特定化学構造種のノニオン系界面活性剤をメッキ浴に添加することが重要である点が明らかになった。
また、実施例1〜12を比較例3〜4に対比すると、本発明で選択した特定化学構造種のノニオン系界面活性剤であっても、スズ又はスズ合金アノード上での銀の置換析出を有効に防止するためには、さらに所定領域のHLBを有することが必要である点が明らかになった。
(2)スズ−銅系合金メッキ浴について
同図1によると、本発明の特定化学構造種のノニオン系界面活性剤を含まないブランク例の比較例5、或は、特定化学構造種以外の通常のノニオン系界面活性剤を用いた比較例6では、スズアノードは銅の置換析出により赤銅色に変じ、また、本発明の特定化学構造種のノニオン系界面活性剤を含むが、そのHLBが適正範囲から外れる比較例7〜8では、銅の置換析出はアノードの広い部分に及び、アノードの一部だけが金属光沢を保持していた。
これに対して、実施例13〜23では、銅の置換析出は良好に防止され、アノードはスズの全面又は大半が金属光沢を保持していた。この点は、実施例13〜23での8時間経過後のメッキ浴中の銅の残留率が、76〜98%の高い割合を示したことからも裏付けられる。
即ち、前述のスズ−銀系合金メッキ浴の場合と同様に、実施例13〜23を比較例5〜8に対比すると、スズ−銅系合金メッキ浴において、スズ又はスズ合金アノードでの銅の置換析出を有効に防止するためには、本発明の特定化学構造種であって、且つ、所定領域のHLBを有するノニオン系界面活性剤をメッキ浴に添加することが必要である点が明らかになった。
しかも、本発明の界面活性剤の添加濃度が増すと、浴中の銅の残留率(8時間経過時点)が一層高まって、スズ又はスズ合金アノードでの銅の置換析出防止により良く寄与すること、また、スズ−銅の2元合金メッキ浴ばかりでなく、スズ−銅−亜鉛合金やスズ−銅−インジウム合金の3元合金メッキ浴の場合にあっても、本発明の界面活性剤を添加すると、93〜94%の高い銅の残留率が裏付けるように、銅の置換析出防止を有効に防止できることが認められた。
このように、所定のHLBを有する特定化学構造種のノニオン系界面活性剤を含有する実施例の電気メッキ浴においては、スズ又はスズ合金アノードを浴に無通電浸漬した場合、アノードでの銀又は銅の置換析出を有効に防止でき、もってメッキ浴の組成を安定化させることができる。
そこで、本発明の界面活性剤を添加したスズ−銀合金メッキ浴、又はスズ−銅合金メッキ浴を用いて、電気メッキを行った場合に、得られる電着皮膜の目視外観の優劣を評価するとともに、電着皮膜の組成(皮膜中の銀又は銅の含有率)を調べた。
《電気メッキにより浴から得られた電着皮膜の目視外観と組成の評価試験例B》
(1)スズ−銀合金電気メッキについて
(実施例24)
先ず、下記の組成でスズ−銀合金電気メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 1g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として) 130g/L
チオ尿素 5g/L
ジスチレン化フェノールポリエトキシレート(HLB7.3) 0.002モル/L
ジスチレン化フェノールポリエトキシレート(HLB15.2) 0.0008モル/L
β−ナフトールポリエトキシレート(HLB16) 1g/L
2−メルカポトベンゾチアゾール 0.1g/L
ハイドロキノン 1g/L
次いで、上記実施例24のスズ−銀合金電気メッキ浴を用いて、銅板上に下記の条件で電気メッキを行い、得られた電着皮膜の目視外観と皮膜中の銀の組成を調べた。
[電気メッキの条件]
陰極電流密度:3A/dm2
浴温:35℃
撹拌:カソードロッカー(1m/分)
その結果、実施例24のメッキ浴から得られた電着皮膜の銀の含有率は3.1重量%であり、当該皮膜は均一且つ緻密で、色調ムラのない良好な外観を呈した。尚、本発明の特定化学構造種のノニオン系界面活性剤を含まないスズ−銀合金メッキ浴である比較例1では、粗いメッキ皮膜しか得られなかった。
(2)スズ−銅合金電気メッキについて
(実施例25)
先ず、下記の組成でスズ−銅合金電気メッキ浴を建浴した。
エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 60g/L
エタンスルホン酸銅(Cu2+として) 2g/L
エタンスルホン酸(遊離酸として) 130g/L
2,2′−ジピリジル 5g/L
トリスチレン化クレゾールポリエトキシレート(HLB12.2)0.00185モル/L
ベンザルアセトン 0.1g/L
安息香酸 0.5g/L
ドデシルアルコールポリエトキシレート(HLB14.9) 0.3g/L
アクリル酸 0.02g/L
ハイドロキノン 0.8g/L
次いで、上記実施例25のスズ−銅合金電気メッキ浴を用いて、銅板上に下記の条件で電気メッキを行い、得られた電着皮膜の目視外観と皮膜中の銀の組成を調べた。
[電気メッキの条件]
陰極電流密度:5A/dm2
浴温:30℃
撹拌:カソードロッカー(1m/分)
その結果、実施例25のメッキ浴から得られた電着皮膜の銅の含有率は3.8重量%であり、当該皮膜は均一且つ緻密で、色調ムラのない良好な外観を呈した。尚、本発明の特定化学構造種のノニオン系界面活性剤を含まないスズ−銅合金メッキ浴である比較例5では、粗いメッキ皮膜しか得られなかった。
以上のように、スズ−銀系合金又はスズ−銅系合金電気メッキ浴に本発明の所定のHLBを有する特定化学構造種のノニオン系界面活性剤を添加すると、スズアノード上での銀又は銅の置換析出を有効に防止して、メッキ浴の組成を安定にできるため、メッキ浴から得られる電着皮膜の外観にも優れることが確認できた。
実施例1〜23及び比較例1〜8の各スズ−銀系合金又はスズ−銅系合金メッキ浴にスズアノードを所定時間に亘り浸漬した場合のスズアノードの目視外観と浴中の銀又は銅の残留率の評価試験結果を示す図表である。

Claims (7)

  1. 可溶性第一スズ塩と、可溶性銀塩と、塩酸、硫酸、ホウフッ化水素酸よりなる無機酸、有機スルホン酸、カルボン酸よりなる有機酸から選ばれた酸の少なくとも一種とを含有する鉛フリーのスズ−銀系合金電気メッキ浴において、
    HLBが7.3〜15.2のジスチレン化フェノールポリアルコキシレート、HLBが7.0〜10.4のトリスチレン化フェノールポリアルコキシレート、HLBが8.2〜15.0のジスチレン化クレゾールポリアルコキシレート、HLBが7.7〜13.9のトリスチレン化クレゾールポリアルコキシレートよりなるノニオン系界面活性剤の少なくとも1種を添加して、スズ又はスズ合金製のアノード表面上への銀の置換析出を防止することを特徴とする鉛フリーのスズ−銀系合金電気メッキ浴。
  2. スズ−銀系合金がスズ−銀−銅合金であって、電気メッキ浴に銅の供給源として可溶性銅塩を含有することを特徴とする請求項1に記載の鉛フリーのスズ−銀系合金電気メッキ浴。
  3. 可溶性第一スズ塩と、可溶性銅塩と、塩酸、硫酸、ホウフッ化水素酸よりなる無機酸、有機スルホン酸、カルボン酸よりなる有機酸から選ばれた酸の少なくとも一種とを含有する鉛フリーのスズ−銅系合金電気メッキ浴において、
    HLBが7.3〜15.2のジスチレン化フェノールポリアルコキシレート、HLBが7.0〜10.4のトリスチレン化フェノールポリアルコキシレート、HLBが8.2〜15.0のジスチレン化クレゾールポリアルコキシレート、HLBが7.7〜13.9のトリスチレン化クレゾールポリアルコキシレートよりなるノニオン系界面活性剤の少なくとも1種を添加して、スズ又はスズ合金製のアノード表面上への銅の置換析出を防止することを特徴とする鉛フリーのスズ−銅系合金電気メッキ浴。
  4. スズ−銀系合金又はスズ−銅系合金がさらに他の金属を含む多元合金であって、電気メッキ浴に当該他の金属の可溶性塩を含有し、当該他の金属が亜鉛、インジウム、アンチモン、鉄、コバルト、ニッケル、イリジウムよりなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鉛フリーのスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金電気メッキ浴。
  5. さらに、界面活性剤、錯化剤、酸化防止剤、平滑剤、半光沢剤、光沢剤、電導性塩及びpH調整剤の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鉛フリーのスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金電気メッキ浴。
  6. アノードとカソードを鉛フリーのスズ合金メッキ浴中に浸漬し、スズ又はスズ合金をアノードとし、被メッキ物をカソードとして電気メッキを行うに際して、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のスズ合金電気メッキ浴を用いることにより、アノード表面上に銀又は銅が置換析出するのを防止可能にしたことを特徴とする鉛フリーのスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金電気メッキ方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のスズ合金電気メッキ浴を用いて、素地上に鉛フリーのスズ−銀系合金又はスズ−銅系合金の皮膜を形成した電子部品。
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