JP4627397B2 - フイルター用不織布および抽出パック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はフィルター用不織布および抽出パックに関し、さらに詳しくはコーヒー粉末、紅茶、緑茶、烏龍茶等を袋に入れ、これを既存のコップに取り付けて熱湯を注ぐことにより、粉洩れがなく、簡便に成分の抽出をすることができるフイルター用不織布およびこれを用いた抽出パックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コーヒー粉末等をフィルターとしての袋状物に充填し、該袋状物を紙製などの簡易な固定具により既存のコップなどに固定し、熱湯を注ぎ、成分を抽出するドリップ方式による抽出方法が多く採用され、この袋状物には、紙や不織布等からなるフィルター材が用いられている。
しかし、紙製のフイルターでは、紙が緻密に構成されているため、コーヒー粉末の粉洩れが少なく、良好な抽出が行えるが、抽出成分中に紙成分が入りこみ、紙臭さが生じるという欠点があった。
一方、不織布製のフイルターでは、不織布の繊維間隙が比較的大きいため、粉洩れが生じ易いという欠点があった。そこで、近年では、繊維の細い極細繊維からなる不織布と繊維の太い合成繊維からなる不織布を積層し、熱エンボス加工により貼り合わせ加工を施した積層不織布が用いられている(例えば、特許文献1参照)。この積層不織布には、別々の工程で生産された不織布が用いられるため、極細繊維不織布や合成繊維不織布の繊度、目付、素材などを適宜選択ができる利点があるが、ハンドリング性などの点から使用する極細繊維不織布の目付けを10g/m2 以上としなければならないため、積層不織布に占める極細繊維の割合が大きくなり、不織布に吸着される抽出成分が多くなり、抽出速度が遅く、かつコスト高になるなどの問題があった。また紅茶、緑茶、烏龍茶等の成分抽出を行う場合でも粉洩れが生じ易いなどの問題があった。
【0003】
さらに、特許文献2には、スパンボンド繊維ウエブにメルトブロー法の極細繊維ウエブを積層した後、熱圧着する方法が記載されている。しかし、この方法は極細繊維ウエブがスパンボンド繊維ウエブの接着剤として働き、層間剥離の問題は生じないが、表面の毛羽立ち性や強力に劣るものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−14299号公報
【特許文献2】
特公昭60−11148号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、極細繊維の構成比を小さく、かつ積層不織布の目付を低くした場合でも、耐水圧に優れ、粉漏れを防ぐことができ、さらに熱シール加工が可能なフィルター用不織布およびこれを用いた抽出パックを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、合成長繊維不織布と極細繊維不織布を同一ラインで積層させることにより、極細繊維の構成比率を小さくすることができ、かつ、積層する各不織布の繊維径を特定し、かつ積層不織布自体の部分熱圧着率、目付、平均みかけ密度および最大開口径を適切に選定することにより、粉洩れがなく、耐水圧などの特性を満足するフィルター用不織布が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、上記課題を達成するために本願で特許請求される発明は以下の通りである。
【0007】
(1)平均繊維径が1〜6μmであるポリオレフイン系極細繊維不織布(A)と、該極細繊維不織布(A)の上下に積層された、平均繊維径が10〜30μmであるポリオレフイン系合成長繊維不織布(B)とを有し、かつ、前記極細繊維不織布(A)と接する側の前記合成長繊維不織布(B)の少なくとも表面の繊維間隙を、該極細繊維不織布(A)を構成する極細繊維が覆うように充填された積層不織布であって、該積層不織布は、前記(A)と(B)の重量比(A:B)が5:95〜30:70であり、部分熱圧着率が3〜35%、目付が10〜50g/m2 、縦方向の引張強力が15N/5cm以上であり、引張強力の縦/横比が1.0〜3.0、平均みかけ密度が0.05〜0.4g/cm3 、およびJIS−K−3832によるバブルポイント法により測定される最大開口径が50μm以下であることを特徴とするフイルター用不織布。
(2)前記極細繊維不織布(A)が2層以上形成されていることを特徴とする(1)に記載のフイルター用不織布。
(3)前記積層不織布の耐水圧が1.0kPa以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載のフイルター用不織布。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のフイルター用不織布を袋状とし、該袋内に被抽出物を充填し、封入したことを特徴とする抽出パック。
(5)前記被抽出物が、コーヒー粉末、または紅茶、緑茶もしくは烏龍茶の葉であることを特徴とする(4)に記載の抽出パック。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のフィルター用不織布には、平均繊維径が1〜6μm、好ましくは2〜5μmである極細繊維不織布(A)と、該極細繊維不織布の上下に積層される2層の、平均繊維径が10〜30μm、好ましくは12〜25μmである合成長繊維不織布(B)とを有する積層不織布が用いられる。
本発明に用いられる極細繊維不織布(A)は、コーヒー粉末等の粉洩れをなくし、積層不織布の最大開口径および耐水圧を特定の範囲にする役割を有する。極細繊維の平均繊維径が1μm未満では粉洩れ性は良くなるが、繊維強度が低下し、極細繊維の生産性が低下する。一方、6μmを超えると繊維強度は高くなり、生産性が良くなるが、極細繊維不織布(A)の繊維間隙が大きくなり、粉洩れが生じ易くなる。
本発明に用いられる合成長繊維不織布(B)は、積層不織布の強度を確保する役割を有する。合成長繊維の平均繊維径が10μm未満では、粉洩れ性は良くなるが、繊維強度が低下し、合成長繊維の生産性が低下する。一方、30μmを超えると、繊維強度は高くなり、生産性が良くなるが、繊維間隙が大きくなり、粉洩れ性が低下する。
【0009】
本発明に用いられる積層不織布は、極細繊維不織布(A)を構成する極細繊維と接する側の合成長維維不織布(B)の少なくとも表面の繊維開口部が、該極細繊維で被覆されていることが必要である。上記平均繊維径を有する2層の合成長繊維不織布(B)の間に上記平均繊維径を有する極細繊維不織布(A)を介在させることにより、極細繊維と接する側の合成長繊維不織布(B)の繊維開口部(間隙)を極細繊維で覆い、充填させた状態とすることができる。このような構成とすることにより積層不織布の開口径分布を均一にすることができ、従って、最大開口径および耐水圧を特定の範囲にすることが容易となり、効率的にコーヒー粉末等の粉洩れをなくし、極細繊維不織布(A)の使用量を少なくし、さらに目付を小さくすることが可能になる。また合成長繊維不織布(B)の繊維間隙部の極細繊維による充填度を調整することにより、フィルターの用途に応じた性能を容易に得ることが可能となる。
【0010】
また積層不織布を構成する極細繊維不織布(A)と合成長繊維不織布(B)の重量比(A:B)は、5:95〜30:70であることが必要であり、より好ましくは10:90〜25:75である。極細繊維不織布(A)の割合が5%未満では、合成長繊維不織布(B)の繊維開口部を被覆するための繊維量が不足するため、積層不織布の最大開口径が大きくなり、粉洩れ生じ易くなり、耐水圧が不足する。極細繊維不織布(A)の割合が30重量%を超えると、抽出速度が遅くなり、コスト高となる。また合成長繊維の繊維間隙が大きすぎると極細繊維が繊維間隙に埋没し、または通過してしまうため、合成長繊維の平均繊維径および繊維量を上記の範囲とすることが重要である。
【0011】
ポリオレフィン系極細繊維または合成長繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレンなど、また鞘がポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリエステル、芯がポリプロピレン、ポリエステルなどの組み合わせからなる芯鞘構造等の複合繊維を用いることができる。
【0012】
本発明における積層不織布は、公知のスパンボンド法およびメルトブロー法により一連の連続した工程で得ることができる。例えば、スパンボンド法による溶融紡糸方式で合成樹脂を溶融し、紡糸口金から紡糸、延伸してからコンベアネット上に開繊、捕集して合成長繊維ウエブを形成させ、その上にメルトブロー法により単層または2層以上からなる極細繊維ウエブを重ね、さらに上記スパンボンド法により合成繊長繊維ウエブを重ねて積層し、これらのウエブをエンボスロールと平滑ロール間を通させ、熱エンボス加工で部分熱圧着させることにより得られる。
【0013】
上記工程において、合繊長繊維ウエブの上に極細繊維ウエブを複層形成させることが好ましい。例えば、1層目で極細繊維による合成長繊維ウエブの表面層のプレコートを行い、2層目以降で完全にコートする。この場合、1層目の目付と、2層目以降の目付をほぼ同程度にすることが好ましい。このような方法を採用することにより、低目付の極細繊維を均一に合成長繊維の繊維開口部に集中して効率的に薄く被覆状に極細繊維を充填させることができる。このように極細繊維と合成長繊維の積層構成を、太い繊維からなる合成長繊維の表面層を細い繊維の極細繊維で薄い膜状に被覆するように積層させることにより、広い範囲の開口径分布を、狭い範囲の小さい開口径分布とすることができる。積層不織布の開口径分布は、繊維量ではなく極細繊維径により決定される。
また得られる積層不織布の熱シール加工性を向上させるため、該積層不織布の融点と30〜150℃程度の融点差を有する合成繊維不織布をさらに接合させてもよい。例えば、ポリオレフイン系繊維からなる積層不織布に、ポリエステル長繊維不織布を熱エンボス加工で接合した複合不織布としてもよい。
【0014】
本発明における積層不織布の目付は、10〜50g/m2 、好ましくは12〜30g/m2 である。目付が10g/m2 未満では繊維間隙が大きく、粉洩れし易くなる。一方、50g/m2 を超えると粉洩れが少なくなるが、耐水圧が大きくなり、通液性が低下し、抽出時間が長くなる。
また積層不織布の平均みかけ密度は、0.05〜0.40g/cm3 、好ましくは0.08〜0.35g/cm3 である。みかけ密度が0.05g/cm3 未満では繊維間隙が大きくなり、粉洩れが多くなる。一方、0.40g/cm3 超えると繊維間隙が小さくなり、粉洩れが良くなるが、耐水圧が大きくなり、通液性が低下し、抽出時間が長くなる。
【0015】
また積層不織布の部分熱圧着率は、3〜35%、好ましくは5〜30%である。凹凸の表面構造を有するエンボスロールと表面が平滑なフラットロールからなる一対の加熱ロール間を通過させる部分熱圧着により、不織布全体に均等に分散した圧着部を形成させることができるため、不織布を構成する繊維間隙を小さくし、粉洩れをなくすことができる。部分熱圧着率が3%未満では、圧着部分が少なく、強度が低く、粉洩れし易い。一方、35%を超えると粉洩れが少なくなるが、通液性が低下する。ここで部分熱圧着率は、不織布全体に対する圧着部分の面積の割合を示す。
【0016】
さらに積層不織布の最大開口径は、50μm以下である。最大開口径が50μm超えると構成繊維の間隙が大きくなり、粉洩れ量が多くなる。本発明において、最大開口径とは、後述するようにJIS−K−3832のバブルポイント法に準じて測定された値をいう。
さらに本発明の積層不織布は、不織布の強度および取扱性等の点から、縦方向の引張強力が15N/5cm以上、より好ましくは20N/5cm以上であり、引張強力の縦/横比が1.0〜3.0、より好ましくは1.2〜2.5、耐水圧が1.0kPa以上、より好ましくは1.5kPa以上であることが好ましい。
【0017】
本発明のフィルター用不織布は、上記特性を有する積層不織布で構成されるが、この不織布をコーヒー粉末等の抽出用不織布して使用する場合に、熱湯を注いだ際の不織布の浮き上がりを防止するために親水処理を施すことが好ましい。
親水処理は、例えば、不織布に、親水剤の0.05〜5.0重量%、好ましくは0.1〜3重量%水溶液を部分的にまたは全面に塗布して行うことができる。親水剤には、食品用として用いられる界面活性剤、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどが用いられ、これらの成分は、水溶液、エチルアルコール溶液またはエチルアルコールと水の混合溶液としてグラビアロール方式、キスロール方式、浸漬方式、スプレー方式などにより塗布することができる。
【0018】
本発明のフイルター用不織布は、例えば、これを袋状とし、該袋内に被抽出物を充填し、公知の方法により封入した抽出パックとして好適に使用することができる。被抽出物としては、コーヒー粉末、紅茶、緑茶または烏龍茶の葉などが用いられる。本発明のフイルター用不織布を抽出パックの袋材として用いることにより、出粉洩れが殆どなく、抽出液中に粉等が漏れ出ることがないため、また適切な抽出速度で抽出することができるため、コーヒー等の抽出を簡便に容易に行うことができ、さらに抽出パックを安価に提供することができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中の特性は、下記の方法で測定した。
1)目付(g/m2 ):JIS−L−1906に準じ、縦20cm×横25cmの試料を3カ所切り取り、重量を測定し、その平均値を単位当たりの質量に換算して求める。
2)平均繊維径(μm):顕微鏡で500倍の拡大写真を取り、10本の平均値で求める。
3)平均みかけ密度(g/cm3 ):目付と荷重10kPaの厚みから単位容積当たりの重量を求め3個所の平均で求める。
4)耐水圧:JIS−L−1906、低水圧法に準じて測定する。
【0020】
5)最大開口径:JIS−K−3832、バブルポイント法に準じ、下記のようにして測定する。
試料(直径40mm円形)を液体に満たし、毛細管現象を用いて試料の全孔に液体が入っている状態にする。この試料の下面から次第に空気圧をかけていき、気体圧力が毛細管内の液体表面張力に打ち勝った時、気泡がでてくる。この時に最初に気泡がでるのは最大孔径からであり、そのときの気体圧力を測定し、最大孔径を算出する。
6)粉洩れ性:コーヒー粉末を2g入れた積層不織布に、20ccの熱湯を注ぎ、抽出液中の粉の溜まり状態で判定する。
○…粉の溜まりがほとんどない。
△…粉が少しあるが飲んでも違和感がほとんどない。
×…粉が多くあり、口の中に固形分が入り、飲みにくい。
【0021】
7)超音波シール強度:試料の幅5cm×長さ30cmを縦、横各々6枚切り取り、出力40KHzの超音波シール機(ブラザーミシン製品)の幅1mm丸刃形状のヘッドホーンを用い、各々3カ所をシールさせて超音波シールする。ついで、シール強度を、引張試験機で、つかみ間隔10cm、引張速度10cm/min、上下方向に取り付け、最高強度を測定し、平均値で示す。
8)引張強度:引張試験機を用い、幅5cm×長さ30cm試料を切り取り、つかみ間隔10cm、引張速度10cm/minで測定し、5%中間応力、破断時の強度、破断時の伸度を縦、横方向、各々3点測定し、平均値で示す。
【0022】
〔実施例1〜5および比較例1〜2〕(ポリプロピレン系積層不織布)
公知のスパンボンド法でポリプロピレン樹脂(MFR39)を用い、エクストルーダー、ギヤポンプ、紡糸口金を通じ、溶融紡糸、延伸、開繊、捕集工程で、繊維径、目付を変えて表1に示すそれぞれの合成長繊維ウエブを得た。
この合成長繊維ウエブ上に、メルトブロー方式でポリプロピレン樹脂(MFR90) を用いて表1に示す繊維径および目付を有する1層または2層の極細繊維ウエブを積層させた。この際には、合成長繊維の太い繊維間隙の表面層を、細い繊維の薄い膜状の極細繊維ウエブで被覆するようにし、細い繊維の薄い膜状の極細繊維が、破れず、かつ太い繊維間隙の裏面層に極細繊維がでないように圧力、吸引力などの積層条件を調節した。実施例1、2では極細繊維ウエブを2層目に、実施例3、4、5では極細繊維ウエブを2層目および3層目に形成した。また、比較例1、2では極細繊維ウエブは積層しなかった。
さらに極細繊維ウエブ上に上記と同様にして合成長繊維ウエブを積層した。次いでエンボスロールと平滑ロール間で、加熱(温度155℃)、加圧(500N/cm)で熱圧着し、部分熱圧着加工して積層不織布を得た。得られた不織布または積層不織布の特性を調べ、その結果を表1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】
表1から、本発明の積層不織布は、目付が小さいにもかからわず、最大開口径が小さく、耐粉漏れ性、耐水圧性に優れ、また不織布強度および超音波シール性に優れ、フィルター用不織布として好適であることわかった。これに対し、比較例1、2では最大開口径が大きく、粉漏れのし易いフィルター不織布であった。
【0025】
〔実施例6〕(抽出パック)
実施例1で得られた積層不織布を袋状とし、コーヒー粉末を充填し、開口部を超音波シールして抽出パックを製造した。この抽出パックをカップに取り付けて熱湯を注ぎコーヒーの抽出を行ったが、抽出パックが湯圧で浮き上がるこもなく、粉漏れもなく、コーヒーの抽出を速やかにに行うことができた。
【0032】
【発明の効果】
本願の請求項1〜5に記載のフイルター用不織布によれば、極細繊維の構成比が小さく、かつ積層不織布自体の目付が低いにもかかわらず、最大開口径を小さくして粉漏れを防ぐことができ、また優れた耐水圧を得ることができる。従って、このフイルター用不織布は、コーヒー粉末、紅茶、緑茶、烏龍茶などの葉を粉砕した粒子形状の被抽出物を入れる包装材として好適に使用することができる。また、被抽出物を充填した抽出パックに熱湯を注いでも、該パックの浮き上がりを防止して成分抽出を速やかに行うことができる。
Claims (5)
- 平均繊維径が1〜6μmであるポリオレフイン系極細繊維不織布(A)と、該極細繊維不織布(A)の上下に積層された、平均繊維径が10〜30μmであるポリオレフイン系合成長繊維不織布(B)とを有し、かつ、前記極細繊維不織布(A)と接する側の前記合成長繊維不織布(B)の少なくとも表面の繊維間隙を、該極細繊維不織布(A)を構成する極細繊維が覆うように充填された積層不織布であって、該積層不織布は、前記(A)と(B)の重量比(A:B)が5:95〜30:70であり、部分熱圧着率が3〜35%、目付が10〜50g/m2 、縦方向の引張強力が15N/5cm以上であり、引張強力の縦/横比が1.0〜3.0、平均みかけ密度が0.05〜0.4g/cm3 、およびJIS−K−3832によるバブルポイント法により測定される最大開口径が50μm以下であることを特徴とするフイルター用不織布。
- 前記極細繊維不織布(A)が2層以上形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフイルター用不織布。
- 前記積層不織布の耐水圧が1.0kPa以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のフイルター用不織布。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のフイルター用不織布を袋状とし、該袋内に被抽出物を充填し、封入したことを特徴とする抽出パック。
- 前記被抽出物が、コーヒー粉末、または紅茶、緑茶もしくは烏龍茶の葉であることを特徴とする請求項4に記載の抽出パック。
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