JP4621337B2 - 消火用ノズル及び消火方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、消火用ノズル及び消火方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許第2795444号公報に火炎の制御方法及び装置についての提案がなされている。この公報には、区画された空間での火災(区画火災)の発生初期に、スプレージェット式のノズルから火源元に向けて噴霧を行うと火源元が冷却されて火勢が衰えることについての記載がある。また、この公報には、不燃性液体と不燃性気体とを各別の通路を経て1つのチャンバーに導入した後、そのチャンバーに設けた1つの出口から上記の不燃性液体と不燃性気体とを噴出させることのできるノズルについての記載がある。また、このノズルにおいて、チャンバーに1つだけ設けた出口の中心に紡錘形の噴霧形状改変器を配備し、その噴霧形状改変器の作用によって横断面楕円形の噴霧を形成することについての記載がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載されているノズルのように、1つのチャンバーに1つの出口が設けられているに過ぎないノズルでは、上記の噴霧形状改変器の作用によって横断面楕円形の噴霧が形成されるとしても、その出口から噴出する不燃性液体と不燃性気体との混合物を噴霧し得る範囲がどうしても狭い範囲に限定されていしまう。そのため、より広い範囲への噴霧を可能にするためにはノズルの設置数を増やすことが必要になり、それだけコストが高くなるという問題が起こる。
【0004】
この問題に対処するには、チャンバーの大きさを大きくしてその容積を増大させておくと共に1つのチャンバーに複数の出口を設けることによって、より広い範囲への噴霧を可能にすることが考えられるけれども、そのようにすると、火災発生初期において、大きなチャンバー内では不燃性気体と不燃性液体との混合を均一にすることができないため、複数の出口から不燃性気体と不燃性液体との混合比がばらついた噴霧水が放出されることになり、散水噴霧が均一でなく消火に有効な噴霧を行うことができないおそれが生じる。
【0005】
本発明は以上の状況に鑑みてなされたものであり、火災が発生したときに、当該消火用ノズルの大きさの割りに初期消火を広い範囲で行うことができ、しかも、火災発生初期において、初期消火に有効な噴霧が開始されるまでの時間を大幅に短縮することが可能な消火用ノズルを提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、1つの流体室(上記チャンバーに相当する)を複数の小室に分け、それぞれの小室に流体出口を具備させておくことによって、火災発生初期での他の小室の流体出口からの噴霧状態の良否にそれほど影響されることなく、残りの小室の流体出口からの噴霧が良好に行われるようになる消火用ノズルを提供することを目的とする。
【0007】
さらに、本発明は、水などの不燃性液体を無駄に大量に消費することなく、区画火災を効果的に消火することのできる消火方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る消火用ノズルは、不燃性液体を導入する液体入口と不燃性気体を導入する気体入口と上記液体又は気体を外部に噴出する流体出口とを有する流体室を備えている。ここで、流体室は、上掲の公報に示されているチャンバーに相当している。
【0009】
本発明では、上記流体室が、上記液体入口と上記気体入口と上記流体出口とを個別に有する複数の小室に分かれている。そのため、不燃性液体又は不燃性気体を個々の小室の流体出口から全体として広範囲に噴出させることが可能になる。そのため、当該消火用ノズルの大きさの割りに初期消火を広い範囲で行うことができるようになって、冒頭で説明した公報記載の従来のノズルと比べると、その設置数を少なくしてコスト低減を図りやすくなる。また、必ずしも他の小室に不燃性液体が満たされていなくても、不燃性液体が満たされた小室の流体出口からは初期消火に有効な噴霧が開始されるようになるので、それだけ初期消火作用が迅速に行われるようになる(初期消火性能の向上作用)。
【0010】
本発明では、上記した複数の小室のそれぞれに、その小室に導入された上記液体を上記流体出口から拡散状態に噴出させるための流体制御手段が備わっている。そのため、不燃性気体の導入を停止し、不燃性液体の導入のみにした場合、不燃性液体を比較的粒子径の大きな水滴として拡散噴出することが可能となる。この点に関し、流体制御手段無しに不燃性液体を導入し、出口から噴出させるだけでは、不燃性液体は拡散状態で噴霧されることなく、棒状で噴出されることになり、期待する消火効果は得られなくなる。
【0011】
そして本発明では、上記流体制御手段が、上記小室に配備されてその小室に導入された上記液体又は上記気体に旋回流を与えるスクリュー羽根を備えた流体制御用チップである。これによると、小室に導入された不燃性液体又は不燃性気体がスクリュー羽根に沿って旋回方向に流動した後、流体出口から消火に有効な良好な拡散状態で外部へ噴出する。
【0012】
上記小室は、不燃性液体給送口と不燃性気体給送口とを備えるノズル本体に取り付けられた中空のノズルチップの内部空間によって形成しておくことが可能であり、この構成を採用することによって、当該消火用ノズルの製作が容易になる。また、上記ノズル本体に、上記不燃性液体給送口と各ノズルチップの小室の液体入口とを個別に連通させる液体通路及び上記不燃性気体給送口と各ノズルチップの小室の気体入口とを個別に連通させる気体通路が備わっている、という構成を採用することが望ましく、このように構成しておくことによって、上記した初期消火性能の向上作用がいっそう顕著に発揮されるようになる。
【0013】
本発明では、上記ノズル本体に取り付けられた複数の上記ノズルチップが、中央部のセンターチップと、そのセンターチップの周囲に円環状に並べられたサイドチップとに分かれており、センターチップの小室の流体出口の向きに対する複数のサイドチップの小室の流体出口のそれぞれの向きが、センターチップの小室の流体出口の軸線に対して傾斜した放射方向に定められていることが望ましい。これによれば、1つの当該消火用ノズルによって不燃性液体を噴霧し得る範囲が広くなり、しかも、その噴霧範囲内の全体に万遍なく不燃性液体が噴霧されるようになって消火性能が向上する。
【0014】
次に、本発明に係る消火方法では、火災発生初期に火源元に向けて水のミストを噴出することによりその火源元を冷却する作用と窒息させる作用とを行う第1消火工程と、第1消火工程を行った後に、火源元に上記ミストよりも大きな粒子径の水滴を含む霧滴を噴出させてその火源元を着火温度以下の温度に冷却する第2消火工程とが行われる。
【0015】
この消火方法において、第1工程では、火源元の冷却と窒息とが行われて優れた消炎作用が発揮される。特に、区画火災の場合では、火災初期の強い火勢が水のミストを効率よく水蒸気に変化させるので、水蒸気が区画内に早期に蓄積充満して非常に大きな火炎抑制作用が発揮される。この第1工程は、火勢の強い火災発生初期だけに行うことが望ましく、火勢が衰えてくるとミストの水蒸気化が促進されにくくなる。第1工程で火勢の衰えた火源元には、第2工程で上記ミストよりも粒子径の大きな水滴を含む霧滴が噴出されるので、その霧滴によって火源元が着火温度以下の温度にまで冷却されて消火が行われる。
【0016】
この消火方法によると、火災初期に水のミストを水蒸気化するためのエネルギーを火源元の火勢によって得ているので、水のミストの水蒸気化を図るためのエネルギーを特別に与える必要がなくなり、同時に、火源元の火勢を水蒸気化のためのエネルギーとして利用するので、それだけ火源元の火勢を弱めるのに要する時間が短くなって初期消火が効率よく行われるという利点がある。
【0017】
そして、本発明に係る消火方法では、上記した消火用ノズルを用い、その消火用ノズルの複数の小室のそれぞれに不燃性液体と不燃性気体とを導入して各小室の流体出口からミストを拡散状態に噴出させることにより上記第1消火工程を行い、上記消火用ノズルを用い、その消火用ノズルの複数の小室のそれぞれに不燃性液体だけを導入して各小室の流体出口からミストよりも大きな粒子径の水滴を含む霧滴を噴出させて上記第2消火工程を行う。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る消火用ノズルの正面図、図2は同消火用ノズルの側面図、図3は図1のIII−III線に沿う部分の概略断面図である。
【0019】
図1及び図2のように、この消火用ノズルは、略円筒面に形成された外周面を備えるノズル本体10の先端部に先窄まり裁頭円錐形状のヘッド部12を具備させてあり、そのヘッド部12の端面の中央に、後述するセンターチップ31が取り付けられ、かつ、ヘッド部12の傾斜した外周面に等間隔で後述する複数のサイドチップ32…が取り付けられている。
【0020】
図3のように、ノズル本体10は、その基部側の継手部材20とその継手部材20に同心状に取り付けられたヘッド部材25とにより形成されており、ヘッド部材25に上記したヘッド部12が具備されていると共に、継手部材20とヘッド部材25との結合部分の必要箇所に水密性を保つシール材61,62が介在されている。図3で判るように、ノズル本体10の中央部に比較的広い空間でなる空気溜まり室11が軸線方向に長く形成されていて、この空気溜まり室11に空気給送口13が連通されている。また、空気溜まり室11の周囲に環状に水溜め室14が形成されていて、この水溜め室14の一箇所に水給送口15が連通されている。
【0021】
ノズル本体10の先端部側の中央に上記したセンターチップ31の取付口部16が凹入状に形成されていると共に、その取付口部16の周囲の複数箇所に上記したサイドチップ32の取付口部17が等間隔おきに凹入状に形成されている。そして、上記の空気溜まり室11の前端から前方へまっすぐに延び出た空気通路33がセンターチップ取付口部16の底部に連通していると共に、空気溜まり室11の前端からその空気溜まり室11の軸線に対して傾斜した放射方向に延び出た空気通路34がサイドチップ取付口部17の底部に連通している。ここで、空気通路34は個々のサイドチップ取付口部17に対して各別に設けられている。また、上記の水溜め室14の前端から前方へまっすぐに延び出た水通路35がサイドチップ取付口部17の底部に連通していると共に、水溜め室14の前端からその水溜め室14の軸線に対して傾斜した求心方向に延び出た水通路36がセンターチップ取付口部16の底部に連通している。ここで、水通路35は個々のサイドチップ取付口部17に対して各別に設けられている。また、水通路36は、水溜め室14の一箇所又は複数箇所から延び出てセンターチップ取付口部16の底部に連通している。
【0022】
図3で判るように、センターチップ31は、センターチップ取付口部16の雌ねじにねじ合わされた雄ねじを有する筒状の取付部37と、この取付部37に連設された先端部38とを有する中空体でなり、その内部空間が上記した空気通路33や水通路36に連通する空気入口33aや水入口36aを有する小室39として形成されていると共に、先端部38の端面中央に1つの流体出口41が形成されている。図例のセンターチップ31において、流体出口41は、小室39側の円形の径小孔42とこの径小孔42に連続する先拡がりの開放孔43とによって形成されている。サイドチップ32もセンターチップ31と同様の構成になっている。すなわち、センターチップ31とサイドチップ32とには、同じ構成のノズルチップが用いられており、サイドチップ取付口部17に取り付けられたノズルチップがサイドチップ32として機能し、センターチップ取付口部16に取り付けられたノズルチップがセンターチップ31として機能するようになっている。したがって、サイドチップ32におて、センターチップ31と同一部分には同一符号を付してある。なお、34aは空気入口、35aは水入口である。
【0023】
センターチップ31やサイドチップ32の各小室39の内容積は上記した空気溜まり室11や水溜め室14の内容積に比べて非常に小さくなっている。そのため、空気溜まり室11に空気が充満し、水溜め室14に水が充満した状態では、その後の空気溜まり室11への空気給送又は水溜め室14への水給送によって、センターチップ31やサイドチップ32の各小室39に安定した量の空気又は水が送り込まれる。
【0024】
センターチップ31やサイドチップ32の各小室39には小さなチップでなる流体制御手段70が備わっている。図5及び図6にこの流体制御手段70の具体例を示してある。すなわち、図5は流体制御手段70の正面図、図6は図5のVI矢視図である。この流体制御手段70は、側面視においてX形に交差するように傾斜方向が互いに反対向きになっている2つのスクリュー羽根72,72を備えていると共に、それらのスクリュー羽根の基部相互間に亘る隔壁71を備えている。図例の流体制御手段70は、所定長さの円柱棒材の左右半分ずつを縦に切削することにより形成されている。したがって、正面投映像の外側輪郭線イは正円形になっている。図例の消火用ノズルにおいて、流体制御手段70は、センターチップ31やサイドチップ32の各小室39内に圧入などの適宜手段で回転しないように固定されている。
【0025】
以上説明した消火用ノズルにおいて、センターチップ31の小室39の流体出口41の向きに対する複数のサイドチップ32…の小室39…の流体出口41…のそれぞれの向きは、センターチップ31の小室39の流体出口41の軸線に対して傾斜した放射方向に定められている。
【0026】
この実施形態の消火用ノズルでは、冒頭で説明した従来のノズルのチャンバー(流体室)が、センターチップ31の小室39や複数のサイドチップ32の小室39などの複数の小室に分割されている。そのため、不燃性液体である水を水給送口15から水溜め室14に連続して給送すると共に、不燃性気体である空気を空気給送口13から空気溜まり室11に連続して給送すると、水溜め室14の水が水通路35,36を経てセンターチップ31やサイドチップ32の各小室39に流入し、空気溜まり室11の空気が空気通路34,35を経てセンターチップ31やサイドチップ32の各小室39に流入する。そのため、各小室39内で水と空気が混合し攪拌される。また、これと併せて、各小室39に備わっている流体制御手段70の作用で上記の水や空気に旋回流が与えられるため、水と空気の混合攪拌が激しく行われる。その結果、水と空気とがセンターチップ31やサイドチップ32の流体出口41から消火に有効な良好な拡散状態を継続して噴出する。流体出口41が径小孔42と開放孔43とによって形成されていることも、良好な拡散状態を継続させることに役立っている。
【0027】
図例の消火用ノズルでは、図1及び図2のように複数のサイドチップ32がノズル本体10のヘッド部12に斜めに傾斜して取り付けられており、しかも、ヘッド部12の端面中央にセンターチップ31が取り付けられているので、それらの各チップ31,32の各流体出口41のそれぞれから噴出する水は、全体として非常に広い範囲に噴出し、しかも、そのその噴出領域の内側にはセンターチップ31の流体出口41から水が噴出されているので、火源元に万遍なく水が噴霧される。また、空気溜まり室11に空気が充満し、水溜め室14に水が充満しておりさえすれば、特定の小室39での水と空気との混合攪拌度合が他の小室39での水と空気との混合攪拌度合によって影響を受けにくいので、各小室39での混合攪拌状態に見合う水噴霧が行われて初期消火に有効な噴霧が短時間で開始されるようになる。
【0028】
図例の消火用ノズルでは、空気給送口13に空気Aを給送し、水給送口15に水Wを給送するという操作を併せて行うと、センターチップ31やサイドチップ32の各流体出口41…からは空気混じりの水が拡散状態で噴出する。これに対し、空気給送口13への空気の給送を遮断し、水給送口15に水を給送するという操作を行うと、センターチップ31やサイドチップ32の各流体出口41…からは空気の混じっていない水が拡散状態で噴出する。しかも、空気混じりの水が拡散状態で噴出する前者の操作では、噴出した水が粒子径の非常に小さなミストになるのに対し、水だけが拡散状態で噴出する後者の操作では、噴出した水がミストよりも粒子径の大きな水滴を含む霧滴になる。この作用を使い分けると、特に区画火災の現場での消火に大きな効果が発揮される。そのような消火方法を次に説明する。
【0029】
すなわち、この消火方法では、火災発生初期に火源元に向けて水のミストを噴出することによりその火源元を冷却する作用と窒息させる作用とを行う第1消火工程と、第1消火工程を行った後に、火源元に上記ミストよりも大きな粒子径の水滴を含む霧滴を噴出させてその火源元を着火温度以下の温度に冷却する第2消火工程とが行われる。
【0030】
第1工程で火源元に向けて噴出される水のミストの粒子径は100μm程度に定めることができる。ミストの粒子径は上記した各小室39に導入される水や空気の量を調整したり圧力を調整したりすることによって増減することが可能である。火災発生初期、たとえば火災発生から最初の5分間程度の間は、火源元の火勢が強い。そのため、火災発生初期に水のミストを火源元に向けて拡散状態に噴出させると、強い火勢によってミストが効率よく水蒸気化し、発生した水蒸気が区画内に早期に蓄積充満するので、火源元の冷却と窒息とが行われて優れた消炎作用が発揮される。
【0031】
こうして火勢の強い火災発生初期に第1工程を行うと、火源元の火勢が急速に衰えるので、第2工程で上記ミストよりも粒子径の大きな水滴を含む霧滴を噴出することによって、火源元が着火温度以下の温度にまで冷却されて完全消火に至る。
【0032】
図1〜図3で説明した消火用ノズルにおいて、1つのセンターチップ31と8つのサイドチップ32とを具備させ、各小室39に設けられている流体出口41の径小孔42の直径を3.8mm、各水通路33,35や空気通路33,34の直径を2.5mmに定め、水圧や空気圧を0.5MPaに定めた場合には、流体出口41からの水噴出量が30リットル/min程度になる。そして、この条件下では、区画火災に対する完全消火が短時間で行われることを確認している。
【0033】
図4は消火用ノズルの変形例を示している。この消火用ノズルでは、水給送口がノズル本体10の基部に同心状に形成されていて、この給送口15に通路15aを介して水溜め室14が設けられている。その他の構成や作用は、図1〜図3で説明したところと同様であるので、説明の重複を避けるため、同一又は相応する部分に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0034】
以上説明した実施形態では、不燃性液体として水を採用し、不燃性気体として空気を採用したけれども、この点は、不燃性液体として、消火活動に使用可能な他の不燃性液体を用いることが可能であり、同様に、不燃性気体として、消火活動に使用可能な窒素などの他の不燃性気体を用いることが可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る消火用ノズルは、大きさの割りに消火を広い範囲で行うことができる。また、1つの流体室を複数の小室に分け、それぞれの小室に流体制御手段を具備させたので、不燃性気体と不燃性液体の2流体噴霧放出の場合でも、不燃性液体のみの1流体噴霧放出の場合でも、期待する粒子径の液体を噴出することが可能になる。さらに、火災発生初期での他の小室の流体出口からの噴霧状態の良否にそれほど影響されることなく、残りの小室の流体出口からの噴霧が良好に行われるようになる。
【0036】
本発明に係る消火方法によれば、水などの不燃性液体を無駄に大量に消費することなく、区画火災を効果的に消火することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る消火用ノズルの正面図である。
【図2】 同消火用ノズルの側面図である。
【図3】 図1のIII−III線に沿う部分の概略断面図である。
【図4】 消火用ノズルの変形例を示した概略断面図である。
【図5】 流体制御手段の正面図である。
【図6】 図5のVI矢視図である。
【符号の説明】
10 ノズル本体
13 空気給送口(不燃性気体給送口)
15 水給送口(不燃性液体給送口)
31 センターチップ(ノズルチップ)
32 サイドチップ(ノズルチップ)
33,34 空気通路(気体通路)
33a,34a 空気入口(気体入口)
35,36 水通路(液体通路)
35a,36a 水入口(液体入口)
39 小室
41 流体出口
70 流体制御手段
72 スクリュー羽根
Claims (4)
- 不燃性液体を導入する液体入口と不燃性気体を導入する気体入口と上記液体又は気体を外部に噴出する流体出口とを有する流体室を備えた消火用ノズルにおいて、
上記流体室が、上記液体入口と上記気体入口と上記流体出口とを個別に有する複数の小室に分かれており、それらの各小室に、その小室に導入された上記液体を上記流体出口から拡散状態に噴出させるための流体制御手段が備わっている消火用ノズルであって、
上記流体制御手段が、上記小室に配備されてその小室に導入された上記液体又は上記気体に旋回流を与えるスクリュー羽根を備えた流体制御用チップであることを特徴とする消火用ノズル。 - 上記小室が、不燃性液体給送口と不燃性気体給送口とを備えるノズル本体に取り付けられた中空のノズルチップの内部空間によって形成されていると共に、上記ノズル本体に、上記不燃性液体給送口と各ノズルチップの小室の液体入口とを個別に連通させる液体通路及び上記不燃性気体給送口と各ノズルチップの小室の気体入口とを個別に連通させる気体通路が備わっている請求項1に記載した消火用ノズル。
- 上記ノズル本体に取り付けられた複数の上記ノズルチップが、中央部のセンターチップと、そのセンターチップの周囲に円環状に並べられたサイドチップとに分かれており、センターチップの小室の流体出口の向きに対する複数のサイドチップの小室の流体出口のそれぞれの向きが、センターチップの小室の流体出口の軸線に対して傾斜した放射方向に定められている請求項2に記載した消火用ノズル。
- 火災発生初期に火源元に向けて水のミストを噴出することによりその火源元を冷却する作用と窒息させる作用とを行う第1消火工程と、第1消火工程を行った後に、火源元に上記ミストよりも大きな粒子径の水滴を含む霧滴を噴出させてその火源元を着火温度以下の温度に冷却する第2消火工程とを行う消火方法において、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載した消火用ノズルを用い、その消火用ノズルの複数の小室のそれぞれに不燃性液体と不燃性気体とを導入して各小室の流体出口からミストを拡散状態に噴出させることにより上記第1消火工程を行い、
上記消火用ノズルを用い、その消火用ノズルの複数の小室のそれぞれに不燃性液体だけを導入して各小室の流体出口からミストよりも大きな粒子径の水滴を含む霧滴を噴出させて上記第2消火工程を行うことを特徴とする消火方法。
Priority Applications (1)
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