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JP2000093537A - 消火方法およびその装置 - Google Patents

消火方法およびその装置

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Publication number
JP2000093537A
JP2000093537A JP10264693A JP26469398A JP2000093537A JP 2000093537 A JP2000093537 A JP 2000093537A JP 10264693 A JP10264693 A JP 10264693A JP 26469398 A JP26469398 A JP 26469398A JP 2000093537 A JP2000093537 A JP 2000093537A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
fire
gas
fire extinguishing
spray nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10264693A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Uetake
徹 植竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bunka Shutter Co Ltd
Original Assignee
Bunka Shutter Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bunka Shutter Co Ltd filed Critical Bunka Shutter Co Ltd
Priority to JP10264693A priority Critical patent/JP2000093537A/ja
Publication of JP2000093537A publication Critical patent/JP2000093537A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Fire-Extinguishing By Fire Departments, And Fire-Extinguishing Equipment And Control Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的な消火を行うことができ、かつ、水損
を低減できる消火方法およびその装置を提供すること。 【解決手段】 消火対象空間12,13内で発生する火
災の消火を行う際に、この空間12,13内に置かれた
可燃物の種類(例えば、木材や灯油等)を把握し、その
可燃物の種類に応じた粒子径の水微粒子を噴霧する。よ
り具体的には、例えば、いわゆる二流体式のノズルであ
るガス噴霧ノズル20を用い、ガス(空気または不活性
ガス)と水との供給量の比(気液比)を変化させること
により可燃物の種類に応じた粒子径に調整するととも
に、可燃物の燃焼状況に応じて気液比を一定に保ちなが
ら水量を変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消火対象空間の内
部で火災が発生した際の消火方法およびその装置に係
り、倉庫、駐車場、居室等の建物や各種構造物の内部空
間、あるいは船舶、航空機、車両等の内部空間等におい
て火災が発生した際の消火、燃焼抑制、さらには消煙に
利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、建物内で発生する火災の消火装
置としては、スプリンクラーによる設備が多く用いられ
ている。
【0003】また、北欧の船舶等では、船内で火災が発
生した際の消火装置として、ガス噴霧ノズルから空気の
圧力で噴霧される水微粒子(いわゆるウォーターミス
ト)により消火を行う装置が用いられている。
【0004】さらに、厨房等では、油火災に対応するた
め化学消火剤を放出する設備が用いられることもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たスプリンクラーによる設備では、放出水量が多く、ま
た、どのような火災に対しても一律な放水が行われるこ
とが多いため、建物自体あるいは建物内部の各種の設置
物や搬入物等につき、必要以上に水損が発生する場合が
ある。
【0006】また、船舶における水微粒子による消火で
は、船舶においてスプリンクラーによる消火に必要な水
量を確保することは困難である、あるいはスプリンクラ
ーを船内で使用すると船内が水損を被り使用できなくな
るという不都合は解消できるものの、積み荷の種類の変
更への対応は採られておらず、必ずしも水損を最小限に
抑える消火は行われていない状況である。
【0007】さらに、厨房等での使用に限らず、一般に
化学消火剤の放出による消火を行うと、被放出部が金属
の場合には、錆や腐食を防ぐため念入りに掃除をしなけ
ればならない等、放出後の事後処理に非常に手間がかか
るという問題があるうえ、化学消火剤の使用は、環境上
好ましいものではなく、また、人体にとっても好ましい
ものではない。
【0008】本発明の目的は、効率的な消火を行うこと
ができ、かつ、水損を低減できる消火方法およびその装
置を提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の消火方法は、消
火対象空間内で発生する火災の消火を行う際に、この空
間内に置かれた可燃物の種類を把握し、この空間内に可
燃物の種類に応じた粒子径の水微粒子を噴霧することを
特徴とするものである。
【0010】ここで、可燃物の種類とは、木材、灯油、
金属、プラスチック、紙、ガラス、化学物質、野菜、果
物等の別をいい、通常、燃えないとされる物であって
も、一時的に火災の対象物となるか、あるいは熱を保有
するものであれば本発明においては広く可燃物として取
り扱うものとする。また、消火対象空間に置かれた可燃
物には、倉庫や保管庫に置かれる搬入物や貯蔵物等の如
く、頻繁に若しくは定期的に種類が変更されるものの
他、建物の内部に常設される設備や固定物、あるいは専
ら特定種類の物だけを扱う倉庫や試験場等に置かれるそ
の特定種類の物等の如く、ある程度の期間若しくは半永
久的に種類が固定されるものも含まれる。
【0011】さらに、水微粒子(いわゆるウォーターミ
スト)とは、通常のスプリンクラーによるような放水に
比較して粒子径が微小な水粒子、例えば、ザウター平均
粒径が1000μm以下、望ましくは40〜400μm
の水粒子である。そして、水微粒子の粒子径としては、
噴霧特性を示す各種代表粒径のうち平均粒径を用いるこ
とができ、特に、いわゆるザウター平均粒径を用いるこ
とが好適である。ここで、ザウター平均粒径(または体
積/表面積平均粒径)とは、噴霧粒群の総体積を総表面
積で除した値である。なお、質量メジアン粒径、最大粒
径、モード粒径等の他の代表粒径を用いてもよく、ま
た、複数の代表粒径を併せて考慮してもよい。
【0012】このような本発明の消火方法においては、
消火対象空間内に水微粒子を噴霧してこの空間内で発生
した火災の消火を行うにあたって、予め可燃物の種類を
把握しておき、その把握した可燃物の種類に応じた粒子
径の水微粒子を噴霧する。このため、水微粒子の粒子径
には可燃物の種類によって最適な値があることから(米
国防火協会(NationalFire Protection Association)
発行の「ウォーターミスト防火システムの設置基準(NF
PA 750 Standard for the installation of Water Mist
Fire Protection Systems)1996年版」P.30参
照)、この最適な値での消火作業を行うことが可能とな
る。
【0013】なお、可燃物の種類の把握は、予め行うも
のとされているが、これは少なくとも噴霧開始時点にお
いて把握できていればよい趣旨であり、火災発生前から
把握しておくのみならず、噴霧直前にセンサ等を用いた
自動把握手段(例えば、可燃物の大きさ、形状、重量、
色、透明度、表面粗さ、硬度等を検出して自動的に種類
を把握する手段)で把握するようにしてもよく、あるい
は噴霧直前に人間が把握して何らかの選択、設定、切換
等の処理や操作を噴霧装置に対して行うようにしてもよ
い。
【0014】この結果、消火に用いられる水が効率的に
消火作業に使用されるので、必要量の水の確保が容易に
なり、貯水槽等の水源設備の小型化を図ることもできる
ようになるうえ、これに伴い、大きな水源を確保できな
い船舶等における火災に適した消火が可能となる。
【0015】また、必要量以上の無駄な水の使用が回避
されるため、水損による被害を極めて小さくすることが
でき、さらには、消火に最適な粒子径の水微粒子が噴霧
されるので、可燃物の種類を考慮せずにどのような可燃
物の火災に対しても一律な粒子径で噴霧を行う場合に比
べ、早期に消火目的を達成できることから、時間的な面
でも水損抑制効果は助長されることになる。
【0016】さらに、本発明は、水微粒子を噴霧するに
あたって、可燃物の種類に応じた粒子径とすることに最
大の利点があるわけだが、水微粒子を噴霧して消火を行
うという点だけに着目しても、スプリンクラーを用いる
場合に比べ、少量の水で消火を行うことが可能となる。
このため、消火対象空間の水損による被害が小さく抑え
られる。
【0017】そして、水微粒子を噴霧して消火を行うの
で、次に述べる〜のようなウォーターミスト特有の
作用が得られる。 冷却効果(燃焼熱の除去):ミスト状の水は、微粒子
で総表面積が大きくなるため熱を吸収しやすい。従っ
て、蒸発速度が速く、この蒸発過程において火災より熱
を取り去る。なお、燃焼を止めるためには、30〜60
%の燃焼熱を除去すればよい。 酸素排除効果(酸素濃度の低下):蒸発により膨張し
た水蒸気は、火の周りの空気を押し退け、酸素濃度を低
下させ、燃焼を止める。 輻射熱遮断効果(輻射熱の減少):ミスト状の水は、
火元から放射された輻射熱を吸収し、周囲への延焼およ
びフラッシュオーバーの発生を防止する。そして、小さ
な粒子であるため、効果的に輻射熱を吸収する。 遮煙、消煙効果:消火作用に伴い消煙作用が得られ
る。また、噴霧箇所の周囲への煙の拡散および周囲から
の煙の侵入を防止する遮煙作用が得られる。
【0018】また、水微粒子を噴霧して消火を行うの
で、化学消火剤の放出による消火を行う場合のような事
後処理上の手間、環境や人体への悪影響の懸念という問
題も生じることはなく、これらにより前記目的が達成さ
れる。
【0019】また、本発明の消火方法をより具体化した
ものの一つとして、前述した消火方法において、水微粒
子の噴霧は、ガスの圧力および水圧により消火対象空間
内にガスの放出とともに水微粒子を噴霧するガス噴霧ノ
ズルにより行い、水微粒子の粒子径の調整は、このガス
噴霧ノズルに供給するガスと水との供給量の比を変化さ
せることにより行うことを特徴とするものが挙げられ
る。
【0020】ここで、ガスとは、空気または不活性ガス
をいい、不活性ガスとしては、例えば、二酸化炭素、窒
素、CHF3(フルオロホルム)、CF3CFHCF3
4 10等を用いることができる。
【0021】また、ガス噴霧ノズルは、ガスおよび水の
二流体を対象とする、いわゆる二流体式のノズルであ
り、例えば、水を噴出する水ノズル部およびこの水ノズ
ル部の外側に配置されたガスノズル部を有し、水ノズル
部からガスノズル部内に噴出された水をガスの圧力によ
りガスノズル部から吹き出して水微粒子を噴霧する構成
を備えたもの等がある。
【0022】このような本発明の消火方法においては、
いわゆる二流体式のノズルであるガス噴霧ノズルを用い
て水微粒子の噴霧を行うので、このガス噴霧ノズルへの
ガスと水との供給量の比(以下、気液比という。)を変
化させることにより、水微粒子の粒子径を自在に調整す
ることが可能となる。
【0023】すなわち、ガス噴霧ノズルには、気液比が
小さいときには粒子径が大きく、逆に、気液比が大きく
なると粒子径が小さくなるという特性があり、しかもそ
の対応が一対一であることから(後述の図4参照)、気
液比をある値に設定すれば、所望の粒子径を得ることが
できる。このため、可燃物の種類に応じて気液比を調整
すれば、その可燃物の火災を消火するのに最適な値の粒
子径の水微粒子を噴霧させることができるようになる。
【0024】また、ガス噴霧ノズルの上記特性から、気
液比さえ一定に保てば、粒子径は一定に保持されるの
で、粒子径を可燃物の種類に応じた最適な値である一定
値に保持しながら水の供給量を変化させることができ
る。つまり、水の給水量を増加させるときには、それに
応じてガスの給水量も増加させ、気液比が一定に保たれ
るようにすればよい。
【0025】このため、ある種類の可燃物の火災が発生
した場合、その可燃物の燃焼状況(火災の規模や燃焼の
勢い)に応じた水量の供給を行うことができる。例え
ば、初期の火災であれば、小水量の供給とし、火災が進
展していくにつれて供給水量を増加させていくことがで
きる。そして、これらのあらゆる燃焼状況への対応にお
いて、気液比は常に一定であり、従って、粒子径も常に
一定であり、消火対象となっている可燃物の種類に適し
た値となっている。このように可燃物の種類への対応に
加え、可燃物の燃焼状況への対応も同時に、しかも容易
に採ることができる点が、いわゆる二流体式のガス噴霧
ノズルを用いた消火の最大の利点である。
【0026】また、可燃物の種類に応じた粒子径の水微
粒子を噴霧することによって得られる水の効率的使用お
よび水損による被害低減という効果に加え、可燃物の燃
焼状況に応じた水量での消火を行うことができるので、
この面でも同様に水の効率的使用および水損による被害
低減という効果が得られ、さらに各効果が助長されるこ
とになる。
【0027】そして、二流体式のガス噴霧ノズルを用い
た消火を行うので、一つ(一種類)のノズルで可燃物の
種類への対応および可燃物の燃焼状況への対応を図るこ
とができるため、一流体式の水噴霧ノズルで同様な対応
を図ろうとする場合に比べ、消火設備として用意すべき
配管の本数やノズルの個数を減少させることが可能とな
り、設備コストの低減や設置管理の手間の軽減が図ら
れ、また、可燃物の種類に応じて天井部に位置するノズ
ルを随時取り替える等の手間のかかる作業を行う必要も
なくなる。
【0028】さらに、ガスとして空気ではなく不活性ガ
スを使用した場合には、消火対象空間内への不活性ガス
の送り込みにより空間内の酸素濃度が減少するので、消
火作業の一層の促進が図られる。
【0029】また、本発明の消火方法をより具体化した
別の一例として、前述した消火方法において、水微粒子
の噴霧は、水圧により消火対象空間内に水微粒子を噴霧
する水噴霧ノズルにより行い、水微粒子の粒子径の調整
は、この水噴霧ノズルに供給する水圧を変化させること
により行うことを特徴とするものが挙げられる。
【0030】ここで、水噴霧ノズルとしては、例えば、
内部に螺旋状の流路を有し、同一密度で同一粒径のミス
トを円錐状に噴霧する全面円錐ノズル(いわゆるフルコ
ーンノズル)、あるいは内部に螺旋状の流路を有し、外
郭部が大粒径で密度が低く、内部が小粒径で密度が高い
円錐状のミストを噴霧する中空丸吹きノズル(いわゆる
ホロコーンノズル)等を用いることができるが、これら
はいずれも一流体(本発明においては水)を対象とす
る、いわゆる一流体式のノズルである。
【0031】このような本発明の消火方法においては、
水噴霧ノズルに供給する水圧を変化させることにより水
微粒子の粒子径を調整し、可燃物の種類に応じた最適な
値とする。すなわち、水噴霧ノズルは、供給水圧を上げ
ると粒子径が小さくなり、逆に、供給水圧を下げると粒
子径が大きくなる特性があり、しかもその対応が一対一
であることから、供給水圧をある値に設定すれば、所望
の粒子径を得ることができる。このため、可燃物の種類
に応じて供給水圧を調整すれば、その可燃物の火災を消
火するのに最適な値の粒子径の水微粒子を噴霧させるこ
とができるようになる。
【0032】また、このような一流体式の水噴霧ノズル
の特性から、前述した二流体式のガス噴霧ノズルの場合
とは異なり、可燃物の燃焼状況に応じて供給水量を変化
させようとして供給水圧を調整すると、水微粒子の粒子
径も変化してしまうため、可燃物の種類に応じた最適な
粒子径を保持することができなくなってしまう。つま
り、供給水圧の調整は、可燃物の種類への対応のために
のみ行うことができ、可燃物の燃焼状況への対応のため
に行うことはできない。従って、可燃物の種類への対応
のみならず、可燃物の燃焼状況への対応も同時に図る必
要がある場合には、水噴霧ノズルを同一の消火対象空間
内に複数設けておき、可燃物の燃焼状況に応じてそれら
の複数の水噴霧ノズルのうち作動させるものの個数を調
整するようにすることが好ましい。この場合には、複数
の水噴霧ノズルをすべて同一種類のものとすることが最
も単純で制御上、管理上好ましいが、異なる種類のもの
としてもよい。
【0033】さらに、このように一流体式の水噴霧ノズ
ルを用いて消火を行う場合において、不活性ガスを併せ
て送り込むようにしてもよく、そうすることで酸素濃度
の減少による消火作業の促進が図られる。
【0034】また、本発明の消火方法をより具体化した
さらに別の一例として、前述した消火方法において、水
圧により消火対象空間内に水微粒子を噴霧する異なる種
類の複数の水噴霧ノズルを設けておき、消火対象空間内
に置かれた可燃物の燃焼状況を把握し、この可燃物の燃
焼状況に応じて水圧を変化させるとともに、複数の水噴
霧ノズルのうち作動させるものを選択することにより、
可燃物の燃焼状況に応じた水圧でかつ可燃物の種類に応
じた粒子径の水微粒子を噴霧することを特徴とするもの
が挙げられる。
【0035】ここで、異なる種類の複数の水噴霧ノズル
とは、同じ水圧をかけたときに各々異なる粒子径の水微
粒子を噴霧可能な性能を有する複数のノズルのことであ
る。これは、見方を変えれば、異なる水圧をかけたとき
に同じ粒子径の水微粒子を噴霧可能な性能を有する複数
のノズルとみることもできる。例えば、同じ水圧に対し
て大きな粒子径の水微粒子を噴霧するノズルAと小さな
粒子径の水微粒子を噴霧するノズルBがある場合、前述
した一流体式の水噴霧ノズルの特性から、ノズルAの水
圧を上げたとするとノズルAの粒子径は小さくなるの
で、ノズルAの水圧を上げてノズルAとノズルBとの粒
子径を一致させれば、異なる水圧に対して同じ粒子径の
水微粒子を噴霧可能な複数のノズルA,Bが得られる。
【0036】このような本発明の消火方法においては、
可燃物の燃焼状況を把握し、この可燃物の燃焼状況に応
じて水圧を変化させるので、火災の進展状況に即した水
量での消火が可能となるうえ、異なる種類の複数の水噴
霧ノズルが用意されているので、火災の各段階において
最適に設定される水圧に対し、その都度、可燃物の種類
に応じた粒子径の水微粒子を噴霧するノズルを選択する
ことが可能となる。つまり、水圧を変えると粒子径も変
わってしまうという一流体式の水噴霧ノズルの特性に対
し、作動させるノズルの選択を火災の各段階で変更して
いくことにより、どのような水圧に対しても粒子径を一
定(可燃物の種類に応じた最適な値)に保つことがで
き、可燃物の種類および可燃物の燃焼状況の両方に対応
した消火を行うことが可能となる。
【0037】また、以上に述べた本発明の消火方法を実
現する装置として、次のような本発明の消火装置を採用
することができる。
【0038】すなわち、本発明の消火装置は、消火対象
空間の内部に臨んで設けられてガスの圧力および水圧に
よりこの空間内にガスの放出とともに水微粒子を噴霧す
るガス噴霧ノズルと、このガス噴霧ノズルにガスを供給
するガス供給手段と、ガス噴霧ノズルに水を供給する水
供給手段と、消火対象空間内に置かれた可燃物の種類に
応じてガス供給手段によるガスの供給量と水供給手段に
よる水の供給量との比を調整する気液比調整手段とを備
えたことを特徴とするものである。
【0039】ここで、気液比調整手段としては、例え
ば、ガスの供給量と水の供給量とをそれぞれ個別に調整
できるようにガス供給手段に圧縮機を設け、水供給手段
にポンプを設けた構成のもの等を採用することができ
る。
【0040】このような本発明の消火装置においては、
いわゆる二流体式のノズルであるガス噴霧ノズルに対し
てガス供給手段および水供給手段によりガスおよび水を
供給するに際し、気液比調整手段によりガスと水との供
給量の比を調整する。このため、可燃物の種類への対応
に加え、可燃物の燃焼状況への対応も同時に、しかも容
易にとることが可能となる等、前述した本発明の消火方
法で述べた各作用効果が実現される。
【0041】なお、気液比調整手段は、可燃物の種類を
その都度人間が把握して人間が手動で操作してもよく、
また、火災発生やその程度も人間が判断してよい。しか
し、これらの把握や操作あるいは判断は、次に示す本発
明の消火装置のように自動的に行うことが望ましい。
【0042】すなわち、前記消火装置において、消火対
象空間内に置かれた可燃物の種類を予め記憶する記憶手
段と、消火対象空間内の火災発生を感知する感知手段
と、この感知手段からの信号を受けて記憶手段に記憶さ
れた情報に基づき気液比調整手段を調整してガス噴霧ノ
ズルを自動的に作動させる制御手段とを備えた構成とす
ることが望ましい。
【0043】ここで、感知手段は、火災発生を感知する
のみのものであってもよいが、それのみならず、火災の
程度すなわち燃焼状況をも感知できるようなものとする
ことが望ましい。感知手段としては、温度センサ、煙セ
ンサ、熱センサ、赤外線や紫外線等の炎の輻射を感知す
る炎センサ、ガスセンサ、臭いセンサ、燃焼音を感知す
る音センサ等の各種感知器、あるいは火災の発生してい
ない通常時の状況を画像認識させておきこれと火災発生
の際の画像との違いを感知する画像認識感知装置等を用
いることができ、この際、同一種類の複数個の感知器等
を併用あるいは複数種類の感知器等を併用してもよい。
【0044】このような構成とした場合には、予め記憶
手段に記憶された情報および感知手段からの情報に基づ
き、制御手段により気液比調整手段の調整操作が自動的
に行われ、可燃物の種類に応じた最適な粒子径の水微粒
子の噴霧が自動的に行われるので、緊急時における対応
がより確実なものとなり、無人の倉庫等で発生した火災
の消火も適切に処理できるようになる。また、このよう
な自動化により、例えば、一つの倉庫に多くの保管室が
設けられ、それぞれの保管室に異なる種類の可燃物が保
管されているような場合には、これらの各保管室で発生
する火災に対する集中管理が可能となる。
【0045】また、本発明の消火装置は、消火対象空間
の内部に臨んで設けられて水圧によりこの空間内に水微
粒子を噴霧する水噴霧ノズルと、この水噴霧ノズルに水
を供給する水供給手段と、消火対象空間内に置かれた可
燃物の種類に応じて水供給手段による供給水圧を調整す
る水圧調整手段とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0046】ここで、水圧調整手段としては、例えば、
ポンプを回転させるモータを可変にしたもの、水供給手
段の配管経路にあたかも多段ポンプを形成するように複
数のポンプを直列に配置しておき作動させるポンプの個
数を調整するもの、水供給手段の配管経路に異なる性能
のポンプを複数配しておきその中から適当なポンプを選
択して作動させるもの、水供給手段に異なる水圧で封水
された圧力タンクを複数設けておきそれらを弁の開閉操
作により切り換えて使用するもの等が挙げられる。な
お、圧力タンクを予圧をかけるためではなく、水源その
ものとして用いる場合には、十分な容量のものを用意し
ておくことが好ましい。
【0047】このような本発明の消火装置においては、
いわゆる一流体式のノズルである水噴霧ノズルに対して
水圧調整手段を操作して水供給手段による供給水圧を調
整することで、可燃物の種類に応じた最適な粒子径の水
微粒子の噴霧が可能となり、前述した本発明の消火方法
で述べた各作用効果が実現される。
【0048】なお、水圧調整手段は、可燃物の種類をそ
の都度人間が把握して人間が手動で操作してもよく、ま
た、火災発生やその程度も人間が判断してよい。しか
し、これらの把握や操作あるいは判断は、前述した二流
体式のガス噴霧ノズルの場合と同様に、自動的に行うこ
とが望ましい。
【0049】すなわち、前記消火装置において、消火対
象空間内に置かれた可燃物の種類を予め記憶する記憶手
段と、消火対象空間内の火災発生を感知する感知手段
と、この感知手段からの信号を受けて記憶手段に記憶さ
れた情報に基づき水圧調整手段を操作して水噴霧ノズル
を自動的に作動させる制御手段とを備えた構成とするこ
とが望ましい。このような自動化による効果は、前述し
た二流体式のガス噴霧ノズルの場合と同様である。
【0050】また、可燃物の種類への対応のみならず、
可燃物の燃焼状況への対応も同時に図る必要がある場合
には、水噴霧ノズルを同一の消火対象空間内に複数設け
ておき、可燃物の燃焼状況に応じてそれらの複数の水噴
霧ノズルのうち作動させるものの個数を調整するように
することが好ましいが、この場合には、感知手段により
燃焼状況を自動的に把握し、その情報に基づき制御手段
により作動させるべきノズルの個数の調整を自動的に行
うことが望ましい。
【0051】さらに、感知手段により火災発生を感知す
るのではなく、水噴霧ノズルに火災の熱で溶けることに
より水噴霧ノズルを自動的に作動させるヒューズを設け
てもよく、この場合には、消火対象空間内に置かれた可
燃物の種類を予め記憶する記憶手段と、水噴霧ノズルの
作動開始を感知する流水検知手段と、この作動感知手段
からの信号を受けて記憶手段に記憶された情報に基づき
水圧調整手段を操作する制御手段とを備えた構成とする
ことが望ましい。
【0052】また、本発明の消火装置は、消火対象空間
の内部に臨んで設けられて水圧によりこの空間内に水微
粒子を噴霧する異なる種類の複数の水噴霧ノズルと、こ
れらの水噴霧ノズルに水を供給する水供給手段と、消火
対象空間内に置かれた可燃物の燃焼状況に応じて水供給
手段による供給水圧を調整する水圧調整手段と、可燃物
の燃焼状況に応じた水圧の下で複数の水噴霧ノズルのう
ち作動させるものを可燃物の種類に応じて選択する選択
手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0053】ここで、選択手段としては、複数の水噴霧
ノズルの各々に対する水の供給経路を開放/遮断できる
ように配置された遠隔操作可能な複数の開閉弁、例え
ば、電磁弁等を用いることができる。
【0054】このような本発明の消火装置においては、
水圧調整手段により供給水圧を調整することで可燃物の
燃焼状況に応じた水量での消火が行われるとともに、選
択手段により作動させるノズルを複数種類のノズルの中
から選択することで可燃物の種類に応じた粒子径の水微
粒子の噴霧が行われ、しかも水圧が変化してもその都度
選択するノズルを変更することにより異なる水圧に対し
て常に一定の粒子径を保持することが可能となり、前述
した本発明の消火方法で述べた各作用効果が実現され
る。
【0055】なお、水圧調整手段や選択手段は、可燃物
の燃焼状況や可燃物の種類をその都度人間が把握して人
間が手動で操作してもよいが、次のように自動化するこ
とが望ましい。
【0056】すなわち、前記消火装置において、消火対
象空間内に置かれた可燃物の種類を予め記憶する記憶手
段と、消火対象空間内の火災発生および可燃物の燃焼状
況を感知する感知手段と、この感知手段からの信号を受
けて水圧調整手段を操作するとともに記憶手段に記憶さ
れた情報に基づき選択手段を操作して水噴霧ノズルを自
動的に作動させる制御手段とを備えた構成とすることが
望ましい。このような自動化による効果は、前述した二
流体式のガス噴霧ノズルの場合と同様である。
【0057】なお、以上に述べた本発明において、消火
というときは、完全な消火を意味するのみでなく、燃焼
抑制の意味も含まれるものとする。また、消火方法、消
火装置というときは、水微粒子の噴霧によって同時に消
煙効果も得られることから、消煙あるいは煙の勢いを抑
制する方法、装置という意味も含まれる。
【0058】また、消火対象空間は、倉庫、工場、駐車
場、居室あるいは通路等の建物の内部空間であってもよ
く、船舶、航空機、車両等の内部空間であってもよく、
さらにはトンネルや地下街等の各種構造物に設けられた
空間であってもよい。
【0059】さらに、水微粒子の粒子径範囲の説明にお
いて、最適な値という記載がなされているが、これは必
ずしも理論的に最適な唯一の値という意味に限られるも
のではなく、ある程度の幅をもって把握される比較的適
切な範囲の値、あるいは本発明の方法や装置を実施する
にあたって実現できる範囲内でのより適切と考えられる
値という意味をも含むものである。すなわち、理論的に
最適な唯一の値が見つかれば、勿論そのような値での噴
霧が好ましいが、これに限定されるものではなく、可燃
物の種類に対し、実験等を通じて一応判明している適切
な粒径範囲若しくはその近傍範囲での噴霧であれば足
り、また、同じ粒子径の水微粒子のみを噴霧可能なノズ
ルを用いることが理想的ではあるが、通常、ノズルから
噴霧される水微粒子は様々な粒子径のものが混在してい
るため、これらの水微粒子の群が、上述した実験等を通
じて得られる可燃物に適した粒径範囲若しくはその近傍
範囲に収まっていれば足りる趣旨である。
【0060】
【発明の実施の形態】以下に本発明の各実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0061】[第一実施形態]図1には、本発明の第一
実施形態に係る消火装置10およびこの消火装置10を
設置した倉庫11の全体構成が示されている。倉庫11
は、消火対象空間である複数の保管室12,13を備え
ており、これらの各保管室12,13に収納される保管
物は、随時変更されるものである。ここでは、説明の便
宜上、保管室12には、木材14が保管され、保管室1
3には、ドラム管に入った灯油15が保管されているも
のとする。
【0062】図1において、消火装置10は、各保管室
12,13の天井に設けられてガスの圧力および水圧に
より各保管室12,13の空間内にガスの放出とともに
水微粒子を噴霧するガス噴霧ノズル20と、各ガス噴霧
ノズル20に二酸化炭素等の不活性ガスを供給するガス
供給手段30と、各ガス噴霧ノズル20に水を供給する
水供給手段40と、各保管室12,13内での火災発生
およびその程度を感知する感知手段50と、消火装置1
0の全体を集中管理する制御装置60とを備えて構成さ
れている。
【0063】図2には、各保管室12,13の天井に設
けられたガス噴霧ノズル20および感知手段50の配置
の一例が示されている。なお、図1の配置と図面上での
対応がとれないのは、図1では簡略化のため一部の図示
が省略されているからである。図2において、ガス噴霧
ノズル20は、図中丸印で示され、天井の全面に渡って
略等間隔で縦横に二次元的に整列配置され、一方、感知
手段50は、図中四角印で示され、各保管室12,13
を数区画(ここでは6区画)に分割して主としてその区
画内での火災発生の感知を担当するように配置されてい
る。一つの感知手段50が分担する領域は、図中一点鎖
線で示され、この領域内には、複数個(ここでは16
個)のガス噴霧ノズル20が配置されている。
【0064】また、図2は、配置の一例を示すにすぎ
ず、ガス噴霧ノズル20や感知手段50の個数や配置位
置は、各保管室12,13の大きさや形状等に応じて適
宜定めればよく、また、ガス噴霧ノズル20や感知手段
50は、天井に限らず、壁面や床面等に設けるようにし
てもよい。
【0065】図3には、ガス噴霧ノズル20の拡大断面
図が示されている。図3において、ガス噴霧ノズル20
は、ガス(本実施形態では不活性ガス)および水の二流
体を対象とする、いわゆる二流体式のノズルであって、
水を噴出する水ノズル部21およびこの水ノズル部21
の外側に配置されたガスノズル部22を有している。
【0066】ガス噴霧ノズル20は、水供給手段40に
より送られてくる水圧のかかった水を図中右側の水入口
23から取り込み、これを水ノズル部21からガスノズ
ル部22内の空間24に噴出するとともに、ガス供給手
段30により送られてくる不活性ガスを図中上側のガス
入口25から取り込み、この不活性ガスの圧力により、
水ノズル部21から空間24に噴出された水を、図中左
側のガスノズル部22の先端の噴出孔26から吹き出し
て水微粒子を噴霧する構成となっている。
【0067】図4には、ガス噴霧ノズル20の特性を示
す気液比−粒径グラフの一例が示されている。グラフの
横軸は、ガスの供給量(Nリットル)を水の供給量(リ
ットル)で除した値である気液比X(Nリットル/リッ
トル)であり、縦軸は、ザウター平均粒径D(μm)で
ある。
【0068】このグラフによれば、ガス噴霧ノズル20
には、気液比Xが小さいときにはザウター平均粒径Dが
大きく、逆に、気液比Xが大きくなるとザウター平均粒
径Dが小さくなるという特性があり、しかも上限から下
限までの幅はあるものの気液比Xとザウター平均粒径D
との対応は一対一であることがわかる。従って、気液比
Xをある値に設定すれば、所望のザウター平均粒径Dを
有する水微粒子を噴霧させることができる。例えば、気
液比をX1(Nリットル/リットル)程度とすれば、ザ
ウター平均粒径は、D1(μm)程度となり、木材等の
普通火災の消火に適した噴霧を行うことができ、気液比
をX2(Nリットル/リットル)程度とすれば、ザウタ
ー平均粒径は、D2(μm)程度となり、灯油等の液体
火災の消火に適した噴霧を行うことができる。但し、こ
のようなグラフ特性はノズルの種類によって異なるた
め、事前に実験を行って使用するノズルの特性を把握し
ておくことが必要である。なお、木材等の普通火災に対
しては、粒径を大きくし、灯油等の液体火災に対して
は、粒径を小さくするのが適切であるという事実は、前
述した米国文献(NFPA750)の記載等により明らかにさ
れていることである。
【0069】図1において、ガス供給手段30は、二酸
化炭素等の不活性ガスを溜めておくガスボンベ31と、
このガスボンベ31内の不活性ガスを各ガス噴霧ノズル
20に加圧して送る圧縮機32と、これらと各保管室1
2,13の各ガス噴霧ノズル20とを繋ぐ配管33と、
この配管33の途中に各保管室12,13の各ガス噴霧
ノズル20毎に対応して設けられた電磁弁等の開閉弁3
4とを備えて構成されている。
【0070】水供給手段40は、水を溜めておく貯水槽
41と、この貯水槽41内の水をガス噴霧ノズル20に
加圧して送るポンプ42と、これらと各保管室12,1
3の各ガス噴霧ノズル20とを繋ぐ配管43と、この配
管43の途中に各保管室12,13の各ガス噴霧ノズル
20毎に対応して設けられた電磁弁等の開閉弁44とを
備えて構成されている。また、貯水槽41には、水道管
45から水が適宜補給されるようになっている。
【0071】さらに、配管33,43の途中に図示され
ない圧力タンクを接続しておき、圧縮機32やポンプ4
2による加圧が開始されるまでの間若しくは各ガス噴霧
ノズル20にかかるガスの圧力や水圧が所定値に達する
までの間において予圧を与えるようにしてもよく、この
ようにすることで消火開始直後から安定した状態の水微
粒子の噴霧を行うことができる。
【0072】そして、ガス供給手段30に設けられた圧
縮機32および水供給手段40に設けられたポンプ42
は、ともにこれらを駆動する可変モータの操作により回
転速度の調整が可能となっており、これによりガスおよ
び水の供給量はそれぞれ個別に調整される。従って、こ
れらの圧縮機32およびポンプ42、並びにこれらと制
御装置60とを接続する信号ケーブル等により、ガス供
給手段30によるガスの供給量と水供給手段40による
水の供給量との比を調整する気液比調整手段70が構成
されている。
【0073】感知手段50としては、煙、熱、炎、ガ
ス、音等を感知可能な各種センサを用いることができる
が、これらを単体で用いてもよく、同一種類の複数個の
センサを一組としてもよく、あるいは別の種類のセンサ
を併用して一組としてもよい。そして、このような単体
のセンサまたは一組のセンサ群が、図2の一点鎖線で示
した各領域で発生する火災の発生の感知およびその程度
の把握を担当することになる。
【0074】制御装置60は、各保管室12,13内に
置かれた可燃物の種類を予め記憶するROMやRAM等
の記憶手段61と、管理者の入力操作用のキーボードや
ライトペン等の入力手段62と、CRT表示装置やプリ
ンタ等の出力手段63と、各保管室12,13の各感知
手段50からの信号を入力する入力部64と、記憶手段
61および入力手段62や入力部64からの情報に基づ
き制御プログラムに従って各種の処理や判断を行うCP
U(中央演算処理装置)を含む制御手段65と、この制
御手段65の処理や判断の結果を圧縮機32およびポン
プ42並びに各開閉弁34,44に出力する出力部66
とを備えて構成されている。
【0075】記憶手段61には、随時変更される可燃物
の種類がその都度管理者によって入力手段62により入
力され、記憶されるようになっており、このような情報
管理は、各保管室12,13毎に行われる。また、記憶
手段61には、可燃物の種類に応じた最適な粒子径の水
微粒子の噴霧を行うための情報として、事前の実験結果
より得られた可燃物の種類に対する気液比Xの情報が記
憶されている。例えば、木材14に対しては気液比X
1、灯油15に対しては気液比X2の如きである(図4
参照)。そして、これらの情報は、随時あるいは必要に
応じて出力手段63により参照可能となっている。
【0076】制御手段65は、各感知手段50からの火
災発生および可燃物の燃焼状況に関する信号を受け、火
災の発生場所(どの保管室のどの区画か)およびその程
度を把握できるようになっている。また、制御手段65
は、その処理や判断の結果に基づき、各開閉弁34,4
4に信号を送り、これらを操作して火災の発生場所に対
応したガス噴霧ノズル20のみを作動させるとともに、
圧縮機32およびポンプ42に信号を送り、これらの駆
動用モータの起動および回転数の制御を行って不活性ガ
スおよび水の供給量を可燃物の種類に応じた気液比X
で、かつ、可燃物の燃焼状況に応じた供給水量となるよ
うに調整可能となっている。
【0077】このような第一実施形態においては、以下
のようにして消火装置10による自動消火を行う。
【0078】先ず、自動消火の事前準備として、管理者
は、各保管室12,13に現在置かれている可燃物の種
類を入力手段62により制御装置60に予め入力してお
く。例えば、図1の如く、保管室12には、木材14が
置かれているという情報を入力し、保管室13には、灯
油15を入力しておく。これらの情報は、制御装置60
の記憶手段61に記憶されるが、随時書き替え可能であ
るから、各保管室12,13の可燃物が入れ替えられる
都度に早急に入力手段62による書き替え作業を行って
おくことが好ましい。
【0079】次に、実際に火災が発生した際の自動消火
の手順について説明する。保管室12,13のいずれか
で火災が発生すると、その火災が発生した保管室の感知
手段50が火災発生を感知する。この感知手段50によ
る火災発生の感知信号は、制御装置60に送られ、入力
部64を介して制御手段65に伝達される。
【0080】続いて、制御手段65は、感知手段50か
らの信号を受け、保管室12,13のいずれで火災が発
生したのか、その程度はどの位か、また、どの区画で発
生したのかを把握する。
【0081】そして、制御手段65は、保管室12の感
知手段50からの信号であれば、記憶手段61の情報に
基づき、保管室12に置かれている可燃物は木材14で
あると判断し、さらに木材14に対応する気液比X1を
読み取り、一方、保管室13の感知手段50からの信号
であれば、可燃物は灯油15であると判断し、さらに灯
油15に対応する気液比X2を読み取る。
【0082】その後、制御手段65は、把握した状況に
基づき、出力部66を介して火災が発生した保管室の開
閉弁34,44のみを開操作する。この際、火災が発生
した保管室のすべてのガス噴霧ノズル20に対応する開
閉弁34,44を開くのではなく、火災発生を感知した
感知手段50の担当する領域(図2中の一点鎖線内)の
ガス噴霧ノズル20に対応する開閉弁34,44のみを
開く。なお、火災が保管室の全域で発生していれば、そ
の保管室のすべてのガス噴霧ノズル20に対応する開閉
弁34,44を開くことになる。
【0083】また、この開閉弁34,44の開操作と並
行して、制御手段65は、把握した状況に基づき、出力
部66を介して気液比調整手段70を起動操作し、気液
比Xを所望の値に調整する。すなわち、圧縮機32およ
びポンプ42を個々に操作してガスと水との供給量の比
を調整することにより、保管室12の木材14の火災で
あれば、気液比をX1とし、保管室13の灯油15の火
災であれば、気液比をX2とする。この際、可燃物の燃
焼状況をも考慮し、火災発生の初期の段階であれば、圧
縮機32およびポンプ42の駆動モータの回転数をとも
に低く設定する。これによりザウター平均粒径D1,D
2の所望の粒子径を有する水微粒子の噴霧が開始される
とともに、供給水圧の低い初期消火に適した水量での噴
霧が行われる。
【0084】さらに、自動消火作業を続けていく過程
で、火災が進展し、感知手段50により火の勢いが増し
てきたことを感知した場合には、圧縮機32およびポン
プ42の駆動モータの回転数を、ともに当初の設定値よ
りも上げていき、気液比X1,X2を保ちながら(従っ
て、ザウター平均粒径D1,D2を保ちながら)、供給
水圧を高くし、可燃物の燃焼状況に応じた水量での消火
を行う。
【0085】また、自動消火作業を続けていく過程で、
感知手段50により火災発生の領域が拡大してきたこと
を感知した場合には、新たに火災発生を感知した感知手
段50の担当する区画のガス噴霧ノズル20に対応する
開閉弁34,44も開き、噴霧領域を拡大する。
【0086】その後、消火が進み、感知手段50により
火の勢いが衰えてきたことを感知した場合には、圧縮機
32およびポンプ42の駆動モータの回転数をともに下
げ、気液比X1,X2を保ちながら供給水圧を低くし、
小水量での消火を行ってもよく、また、感知手段50に
より火災領域が縮小してきたことを感知した場合には、
既に消火が完了した領域の噴霧を中止するため、その領
域のガス噴霧ノズル20に対応する開閉弁34,44を
閉じるようにしてもよい。
【0087】そして、最終的に消火が完了した時点で、
圧縮機32およびポンプ42をともに停止させ、すべて
の開閉弁34,44を閉じる。なお、消火完了の判断の
み人間が行うようにしてもよい。また、圧縮機32およ
びポンプ42の起動停止や回転数調整および各開閉弁3
4,44の開閉操作は、原則として自動制御で行われる
が、制御途中であっても適宜手動操作を優先的に介入さ
せることができるようにしてもよい。
【0088】このような第一実施形態によれば、次のよ
うな効果がある。すなわち、各保管室12,13に置か
れた可燃物の種類を記憶手段61に予め記憶し、この情
報に基づいて水微粒子の噴霧を行うので、可燃物の種類
に応じた粒子径の水微粒子の噴霧を行うことができる。
【0089】このため、消火に用いられる水を効率的に
消火作業に使用できるので、必要量の水を容易に確保で
き、貯水槽41等の水源設備の小型化を図ることができ
るうえ、これに伴い、大きな水源を確保できない船舶等
における火災に適した消火を行うこともできる。
【0090】また、必要量以上の無駄な水の使用を回避
できるため、水損による被害を極めて小さくすることが
でき、さらには、消火に最適な粒子径の水微粒子を噴霧
できるので、可燃物の種類を考慮せずにどのような可燃
物の火災に対しても一律な粒子径で噴霧を行う場合に比
べ、早期に消火目的を達成できることから、時間的な面
でも水損抑制効果が助長される。
【0091】さらに、水微粒子を噴霧して消火を行うと
いう点だけに着目しても、スプリンクラーを用いる場合
に比べ、少量の水で消火を行うことができるため、水損
による被害を小さく抑えることができるうえ、ウォータ
ーミスト特有の作用である、冷却効果(燃焼熱の除
去)、酸素排除効果(酸素濃度の低下)、輻射熱遮
断効果(輻射熱の減少)、遮煙、消煙効果を得ること
もできる。
【0092】また、水微粒子を噴霧して消火を行うの
で、化学消火剤の放出による消火を行う場合のような事
後処理上の手間、環境や人体への悪影響の懸念という問
題も回避できる。
【0093】そして、いわゆる二流体式のノズルである
ガス噴霧ノズル20を用いて水微粒子の噴霧を行うの
で、図4に示したようなガス噴霧ノズル20の特性を利
用して、気液比Xを変化させることにより、水微粒子の
粒子径を自在に調整することができる。
【0094】このため、制御手段65により、記憶手段
61に記憶された各保管室12,13の可燃物の種類に
関する情報に基づき、気液比調整手段70を操作して気
液比Xを調整する制御を行うことで、ザウター平均粒径
Dを消火対象となる可燃物の種類に応じた最適な値とす
ることができる。
【0095】また、ガス噴霧ノズル20を使用するの
で、その特性から、気液比Xさえ一定に保てば、ザウタ
ー平均粒径Dを一定に保持することができるため、ザウ
ター平均粒径Dを可燃物の種類に応じた最適な値である
一定値に保持しながら、水の供給量を変化させることが
できる。
【0096】このため、可燃物の燃焼状況に応じた水量
の供給を行うことができるので、この面でも、水の効率
的使用および水損による被害低減という効果を得ること
ができ、前述した可燃物の種類に応じた粒子径の水微粒
子を噴霧することによって得られる同効果と合わせ、よ
り一層その効果が助長されることになる。
【0097】そして、二流体式のガス噴霧ノズル20を
用いた消火を行うので、一つ(一種類)のノズルで可燃
物の種類への対応および可燃物の燃焼状況への対応を図
ることができるため、一流体式の水噴霧ノズルで同様な
対応を図ろうとする場合に比べ、消火設備として用意す
べき配管の本数やノズルの個数を減少させることがで
き、設備コストの低減や設置管理の手間の軽減を図るこ
とができ、また、可燃物の種類に応じて天井部に位置す
るノズルを随時取り替える等の手間のかかる作業も回避
できる。
【0098】さらに、ガス噴霧ノズル20に供給するガ
スとして不活性ガスを使用するので、各保管室12,1
3内への不活性ガスの送り込みにより空間内の酸素濃度
を減少させることができるため、消火作業を一層促進す
ることができる。
【0099】また、感知手段50および制御装置60が
設けられ、自動化が図られているので、手動操作の場合
に比べて緊急時において確実な対応をとることができ、
無人の倉庫11で発生した火災の消火も適切に処理でき
る。
【0100】そして、このような自動化により、一つの
倉庫11に複数の保管室12,13が設けられ、それぞ
れの保管室12,13に異なる種類の可燃物が保管さ
れ、さらにそれらが随時変更されるような場合において
も、火災に対する集中管理を好適に行うことができる。
【0101】また、各保管室12,13には、複数の感
知手段50が設けられ、火災発生を感知した感知手段5
0を中心とした一部のガス噴霧ノズル20のみから水微
粒子の噴霧が行われるようになっており(図2参照)、
火災が各保管室12,13の全体に拡がらない限り、全
部のガス噴霧ノズル20から噴霧が行われるわけではな
いので、建物およびその中の設備等の水損による被害を
最小限に抑えることができ、使用水量も少なくすること
ができる。なお、火災が発生した保管室に設けられた全
部のガス噴霧ノズル20から噴霧が行われるようにして
もよい。
【0102】さらに、最終的に消火が完了した時点で、
圧縮機32およびポンプ42が停止され、すべての開閉
弁34,44が閉じられるようになっているので、必要
以上の水微粒子の噴霧を回避でき、この点でも水損によ
る被害を低減することができる。消火完了の判断を人間
が行い、手動により圧縮機32およびポンプ42を停止
させ、あるいは各開閉弁34,44を閉じた場合も同様
である。
【0103】[第二実施形態]図5には、本発明の第二
実施形態に係る消火装置110およびこの消火装置11
0を設置した倉庫111の全体構成が示されている。倉
庫111は、前記第一実施形態の倉庫11と同様であ
り、複数の保管室112,113を備えている。
【0104】図5において、消火装置110は、各保管
室112,113の天井に設けられて水圧により各保管
室112,113の空間内に水微粒子を噴霧する水噴霧
ノズル120と、各水噴霧ノズル120に水を供給する
水供給手段140と、各保管室112,113内での火
災発生およびその程度を感知する感知手段150と、消
火装置110の全体を集中管理する制御装置160とを
備えて構成されている。
【0105】水噴霧ノズル120は、各保管室112,
113にそれぞれ複数個(図5では2個)ずつ設けら
れ、これらは全て同一種類のノズルであるが、説明の便
宜上、保管室112のノズルには、120A,120B
の符号、保管室113のノズルには、120C,120
Dの符号を付すものとする。
【0106】図6には、水噴霧ノズル120の拡大断面
図が示されている。水噴霧ノズル120は、中空丸吹き
ノズル(いわゆるホロコーンノズル)であり、水供給手
段140により水圧のかかった水を水入口121に送り
込み、内部に設けられた螺旋状の流路122を通し、こ
れを噴出孔123から吹き出す構成となっている。この
際、各保管室112,113の空間内へは、噴出孔12
3から、外郭部が大粒径で密度が低く、内部が小粒径で
密度が高い円錐状のミストが噴霧される。
【0107】なお、本第二実施形態に用いられる水噴霧
ノズルは、このようなホロコーンノズルに限定されるも
のではなく、例えば、図7に示すようなフルコーンノズ
ルを用いた水噴霧ノズル130としてもよく、要するに
水圧により水微粒子を噴霧できる構成のノズルであれば
よい。
【0108】図7には、水噴霧ノズル130の拡大図が
図中上側半分を断面にした状態で示されている。水噴霧
ノズル130は、全面円錐ノズル(いわゆるフルコーン
ノズル)であり、水供給手段140により水圧のかかっ
た水を水入口131に送り込み、内部に設けられた螺旋
状の流路132を通し、これを噴出孔133から吹き出
す構成となっている。この際、噴出孔133から吹き出
された水は、各保管室112,113の空間内に同一密
度で同一粒径の水微粒子(ミスト)として円錐状に噴霧
される。
【0109】図5において、水供給手段140は、水を
溜めておく貯水槽141と、この貯水槽141内の水を
水噴霧ノズル120A,120Bおよび120C,12
0Dにそれぞれ別々に加圧して送るポンプ142A,1
42Bと、これらと各水噴霧ノズル120A,120B
および120C,120Dとをそれぞれ繋ぐ配管143
A,143Bと、これらの配管143A,143Bの途
中に各水噴霧ノズル120A〜120D毎に対応して設
けられた電磁弁等の開閉弁144とを備えて構成されて
いる。また、貯水槽141には、水道管145から水が
適宜補給されるようになっている。
【0110】さらに、配管143A,143Bの途中に
は、タンク上部に送り込まれた圧縮空気により加圧され
た水を下部に有する圧力タンク146A,146Bが接
続されるとともに、これらの接続位置と各ポンプ142
A,142Bとの間には電磁弁等の開閉弁147A,1
47Bが設けられ、これらにより配管143A,143
B内の水には、予圧が与えられ、ポンプ142A,14
2Bによる加圧が行われなくても消火開始直後から所定
圧で安定した状態の水微粒子の噴霧を行うことができ、
特に、各保管室112,113が貯水槽141よりも高
所にある場合に有効である。
【0111】そして、水供給手段140に設けられたポ
ンプ142A,142Bは、これらを駆動する可変モー
タの操作により回転速度の調整が可能となっており、こ
れにより各水噴霧ノズル120A〜120Dへの水の供
給圧力が調整される。従って、これらのポンプ142
A,142Bおよびこれらと制御装置160とを接続す
る信号ケーブル等により、水供給手段140による供給
圧力を調整する水圧調整手段170が構成されている。
【0112】感知手段150としては、煙、熱、炎、ガ
ス、音等を感知可能な各種センサを用いることができ、
前記第一実施形態の感知手段50の場合と同様である。
【0113】制御装置160は、前記第一実施形態の制
御装置60と略同様な構成であり、記憶手段161、入
力手段162、出力手段163、入力部164、制御手
段165、および出力部166を備えて構成されてい
る。
【0114】但し、記憶手段161は、各保管室11
2,113内に置かれた可燃物の種類を予め記憶すると
いう点で、前記第一実施形態の記憶手段61と同様であ
るが、前記第一実施形態では、可燃物の種類に対する気
液比Xの情報が記憶されていたのに対し、本第二実施形
態では、可燃物の種類に対する供給水圧の情報が記憶さ
れている点で異なる。例えば、木材114に対しては水
圧5kgf/cm2 、灯油115に対しては7kgf/
cm2 の如きであり、これらの数値はノズルの種類によ
って異なる。
【0115】また、出力部166は、前記第一実施形態
の出力部66とは異なり、制御手段165の処理や判断
の結果をポンプ142A,142Bおよび開閉弁147
A,147B並びに各開閉弁144に出力するようにな
っている。
【0116】さらに、前記第一実施形態の制御手段65
は、圧縮機32およびポンプ42の駆動用モータの回転
数の制御を行って不活性ガスおよび水の供給量を可燃物
の種類に応じた気液比Xで、かつ、可燃物の燃焼状況に
応じた供給水量となるように調整する構成とされていた
が、本第二実施形態の制御手段165は、ポンプ142
A,142Bの駆動用モータの回転数の制御を行って可
燃物の種類に応じた供給水圧に調整するとともに、各開
閉弁144を操作して、作動させる水噴霧ノズル120
の個数を変更することにより可燃物の燃焼状況に応じた
供給水量に調整する構成とされている。
【0117】このような第二実施形態においては、以下
のようにして消火装置110による自動消火を行う。
【0118】先ず、自動消火の事前準備として、管理者
は、各保管室112,113に現在置かれている可燃物
の種類を入力手段162により制御装置160に予め入
力しておく。例えば、図5の如く、保管室112には、
木材114が置かれているという情報を入力し、保管室
113には、灯油115を入力しておく。そして、これ
らの情報は、制御装置160の記憶手段161に記憶さ
れる。
【0119】次に、実際に火災が発生した際の自動消火
の手順について説明する。保管室112,113のいず
れかで火災が発生すると、その火災が発生した保管室の
感知手段150が火災発生を感知する。この感知手段1
50による火災発生の感知信号は、制御装置160に送
られ、入力部164を介して制御手段165に伝達され
る。
【0120】続いて、制御手段165は、感知手段15
0からの信号を受け、各保管室112,113のいずれ
で火災が発生したのか、また、その程度はどの位かを把
握する。
【0121】そして、制御手段165は、保管室112
の感知手段150からの信号であれば、記憶手段161
の情報に基づき、保管室112に置かれている可燃物は
木材114であると判断し、さらに木材114に対応す
る供給水圧を読み取り、一方、保管室113の感知手段
150からの信号であれば、可燃物は灯油115である
と判断し、さらに灯油115に対応する供給水圧を読み
取る。なお、供給水圧は、実際にはポンプ142A,1
42Bの回転数、あるいは回転数を制御するための電圧
値等として記憶されている。
【0122】その後、制御手段165は、把握した状況
に基づき、出力部166を介して火災が発生した保管室
の水噴霧ノズル120に対応する開閉弁144のみを開
操作する。この際、火災が保管室112で発生し、か
つ、その程度が初期の段階であれば、例えば、ノズル1
20Aのみを作動させ、火災が進展してきたらノズル1
20Bも作動させて供給水量を増すようにする。従っ
て、供給水量の調整は、供給水圧を調整するのではな
く、作動させるノズルの個数を変更することにより行
う。
【0123】また、制御手段165は、把握した状況に
基づき、出力部166を介して火災が発生した保管室の
水噴霧ノズル120に水を供給するためのポンプのみを
起動する。この際、可燃物の種類に応じて各ポンプ14
2A,142Bの回転数を制御して供給水圧を調整し、
最適な粒子径の水微粒子の噴霧を行うようにする。例え
ば、保管室112で火災が発生したことを感知した場合
には、ポンプ142Aのみを起動するとともに開閉弁1
47Aを開き、可燃物が木材114であるから供給水圧
を低くして粒子径の大きな水微粒子を噴霧する。一方、
保管室113で火災が発生したことを感知した場合に
は、ポンプ142Bのみを起動するとともに開閉弁14
7Bを開き、可燃物が灯油115であるから供給水圧を
高くして粒子径の小さな水微粒子を噴霧する。
【0124】なお、各ポンプ142A,142Bを起動
する前であっても、各圧力タンク146A,146Bに
より予圧がかけられているので、安定した状態で水微粒
子の噴霧を行うことができる。また、各圧力タンク14
6A,146Bの圧力は、各保管室112,113に置
かれた可燃物の種類に応じた圧力としておくことが好ま
しい。
【0125】その後、消火が進み、感知手段150によ
り火の勢いが衰えてきたことを感知した場合には、作動
させる水噴霧ノズル120の個数を減らし、小水量での
消火を行ってもよい。例えば、保管室112の火災であ
れば、ノズル120Bに対応する開閉弁144を閉め、
初期の段階の消火の場合と同様にノズル120Aのみで
消火を行うようにしてもよい。
【0126】そして、最終的に消火が完了した時点で、
各ポンプ142A,142Bを停止させ、すべての開閉
弁144を閉じる。なお、消火完了の判断のみ人間が行
うようにしてもよい。また、各ポンプ142A,142
Bの起動停止や回転数調整および各開閉弁144の開閉
操作は、原則として自動制御で行われるが、制御途中で
あっても適宜手動操作を優先的に介入させることができ
るようにしてもよい。
【0127】このような第二実施形態によれば、前記第
一実施形態と略同様に、次のような効果を得ることがで
きる。すなわち、各保管室112,113に置かれた可
燃物の種類を記憶手段161に予め記憶し、この情報に
基づいて水噴霧ノズル120への供給水圧を調整して水
微粒子の噴霧を行うので、可燃物の種類に応じた粒子径
の水微粒子の噴霧を行うことができる。このため、効率
的な水の使用、これに伴う必要量の水の確保の容易化、
貯水槽141等の水源設備の小型化、水損による被害の
低減等を図ることができる。
【0128】また、水微粒子を噴霧して消火を行うの
で、ウォーターミスト特有の作用である、冷却効果
(燃焼熱の除去)、酸素排除効果(酸素濃度の低
下)、輻射熱遮断効果(輻射熱の減少)、遮煙、消
煙効果を得ることもできるうえ、化学消火剤の放出によ
る消火を行う場合のような事後処理上の手間、環境や人
体への悪影響の懸念という問題も回避できる。
【0129】さらに、各保管室112,113には、そ
れぞれ複数の水噴霧ノズル120が設けられているの
で、作動させる水噴霧ノズル120の個数を変更するこ
とにより、可燃物の燃焼状況に対応した消火を行うこと
ができる。従って、水圧の調整による可燃物の種類への
対応に加え、このような対応を採ることが可能であるの
で、水損による被害の低減等の効果をより一層図ること
ができる。
【0130】そして、感知手段150および制御装置1
60が設けられ、自動化が図られているので、手動操作
の場合に比べて緊急時への確実な対応、無人の倉庫11
1での火災発生への対応を図ることができるうえ、多数
の保管室があるような場合において集中管理を好適に行
うことができる。
【0131】[第三実施形態]図8には、本発明の第三
実施形態に係る消火装置210およびこの消火装置21
0を設置した倉庫211の全体構成が示されている。倉
庫211は、前記第一、第二実施形態と同様に、消火対
象空間である保管室を複数有しているが、ここでは保管
室212のみを図示し、他は省略するものとする。
【0132】図8において、消火装置210は、保管室
212の天井に設けられて水圧により保管室212の空
間内に水微粒子を噴霧する水噴霧ノズル220と、この
水噴霧ノズル220に水を供給する水供給手段240
と、この水供給手段240の経路の途中に設けられて水
噴霧ノズル220の作動を感知する流水検知手段250
と、消火装置210の全体を集中管理する制御装置26
0とを備えて構成されている。
【0133】図9には、水噴霧ノズル220の拡大図が
示されている。水噴霧ノズル220は、ノズル先端の噴
出孔221から噴出された圧力のかかった水を前方の球
状の拡散用部材223に衝突させることにより、前記第
二実施形態のホロコーンノズルからなる水噴霧ノズル1
20あるいはフルコーンノズルからなる水噴霧ノズル1
30と同様に、水微粒子を噴霧することができる、いわ
ゆる一流体式のノズルであるが、噴出孔221と拡散用
部材223との間には、火災の熱で溶ける棒状のヒュー
ズ222が設けられている。水噴霧ノズル220は、通
常の状態では、噴出孔221と拡散用部材223との間
で突っ張るように配置されたヒューズ222により噴出
孔221が塞がれ、火災発生時には、ヒューズ222が
溶けることにより噴出孔221が開口し、水微粒子の噴
霧が自動的に開始されるようになっている。なお、ヒュ
ーズの形状は、このような棒状のものに限定されるもの
ではなく、例えば、膜状のものとしてもよい。
【0134】前記第二実施形態では、各保管室112,
113に感知手段150が設けられていたが(図5参
照)、本第三実施形態の消火装置210では、火災の発
生を感知するための感知手段は設けられておらず、その
代わりにヒューズ222によって自動化が図られてい
る。
【0135】図8において、水供給手段240は、水を
溜めておく貯水槽241と、この貯水槽241内の水を
水噴霧ノズル220に加圧して送るポンプ242と、こ
れらと水噴霧ノズル220とを繋ぐ配管243とを備え
て構成されている。また、貯水槽241には、水道管2
49から水が適宜補給されるようになっている。
【0136】さらに、配管243の途中には、予圧を与
えるための圧力タンク244およびその開閉弁245
と、保管室212よりも高所に位置する高架水槽246
およびその開閉弁247とが設けられ、圧力タンク24
4の接続位置とポンプ242との間には、開閉弁248
が設けられている。これらの開閉弁245,247,2
48は、電磁弁等により構成され、自動または手動で遠
隔操作可能になっている。
【0137】そして、水供給手段240に設けられたポ
ンプ242は、前記第二実施形態の場合と同様に、これ
を駆動する可変モータの操作により回転速度の調整が可
能となっており、これにより水噴霧ノズル220への水
の供給圧力が調整されるようになっている。従って、ポ
ンプ242およびこれと制御装置260とを接続する信
号ケーブル等により、水供給手段240による供給圧力
を調整する水圧調整手段270が構成されている。
【0138】流水検知手段250は、ヒューズ222が
火災の熱で溶けて水噴霧ノズル220から噴霧が開始さ
れると配管243内の水の移動が生じるため、これを捉
えて水噴霧ノズル220の作動を感知すべく、配管24
3の途中に設けられている。流水検知手段250として
は、配管243を流れる水の流量変化(若しくは流速変
化)を電磁流量計、オリフィス、ベンチュリー等で捉え
て作動感知を行うものを採用することができる。
【0139】制御装置260は、前記第二実施形態の制
御装置160と略同様な構成であり、記憶手段261、
入力手段262、出力手段263、入力部264、制御
手段265、および出力部266を備えて構成されてい
る。
【0140】記憶手段261には、前記第二実施形態の
場合と全く同様に、保管室212内に置かれた可燃物の
種類が予め記憶され、また、可燃物の種類に対する供給
水圧の情報が記憶されている。
【0141】また、前記第二実施形態の入力部164に
は、感知手段150からの信号が入力されるようになっ
ていたが、本第三実施形態の入力部264には、流水検
知手段250からの信号が入力されるようになってい
る。一方、出力部266は、前記第二実施形態の出力部
166とは異なり、制御手段265の処理や判断の結果
をポンプ242および開閉弁245,247,248に
出力するようになっている。
【0142】このような第三実施形態においては、以下
のようにして消火装置210による自動消火を行う。
【0143】先ず、自動消火の事前準備として、管理者
は、保管室212に現在置かれている可燃物の種類、例
えば、木材であるのか灯油であるのか等の情報を入力手
段262により制御装置260に予め入力しておく。そ
して、この情報は、制御装置260の記憶手段261に
記憶される。
【0144】次に、実際に火災が発生した際の自動消火
の手順について説明する。保管室212で火災が発生す
ると、その火災の熱で水噴霧ノズル220のヒューズ2
22が溶ける。この際、ポンプ242はまだ起動されて
いないが、開閉弁245,247のいずれかまたは両方
を予め開いておけば、圧力タンク244または高架水槽
246の圧力により水噴霧ノズル220から水微粒子の
噴霧が自動的に開始される。なお、これらの圧力は、保
管室212内の可燃物の種類に応じた圧力としておくこ
とが好ましい。
【0145】続いて、水噴霧ノズル220からの噴霧が
開始されると、流水検知手段250はこれを捉え、その
信号は制御装置260に送られ、入力部264を介して
制御手段265に伝達される。これにより制御手段26
5は、保管室212で火災が発生したことを把握する。
また、保管室212に水噴霧ノズル220を複数設ける
とともに、これらに例えば火災初期に溶けるヒューズ、
火災中期に溶けるヒューズ、火災盛期に溶けるヒューズ
というように火災の程度に応じて溶け方の異なるヒュー
ズ222をそれぞれ取り付けておくことにより、可燃物
の燃焼状況に応じて水噴霧ノズル220の作動個数が自
動的に調整されるようにしてもよく、このようにするこ
とで可燃物の燃焼状況に応じた水量での消火を行うこと
が可能となる。
【0146】さらに、制御手段265は、記憶手段26
1の情報に基づき、保管室212に置かれている可燃物
の種類は木材である、あるいは灯油である等と判断し、
さらにその種類に対応する供給水圧を読み取る。なお、
供給水圧は、実際にはポンプ242の回転数、あるいは
回転数を制御するための電圧値等として記憶されてい
る。
【0147】そして、制御手段265は、出力部266
を介してポンプ242の回転数を制御して供給水圧を調
整するとともに、開閉弁248を開き、最適な粒子径の
水微粒子の噴霧を行うようにする。例えば、保管室21
2内に置かれた可燃物が木材であれば供給水圧を低くし
て粒子径の大きな水微粒子を噴霧し、一方、可燃物が灯
油であれば供給水圧を高くして粒子径の小さな水微粒子
を噴霧する。
【0148】その後、消火が進み、最終的に消火が完了
した時点で、ポンプ242を停止させるとともに、開閉
弁245,247,248を閉じ、水微粒子の噴霧を中
止する。
【0149】このような第三実施形態によれば、前記第
二実施形態と同様に、可燃物の種類に応じた粒子径の水
微粒子の噴霧を行うことによる効率的な水の使用、これ
に伴う必要量の水の確保の容易化、貯水槽241等の水
源設備の小型化、水損による被害の低減、およびウォー
ターミスト特有の作用である遮煙、消煙効果等の各効果
を得ることができる。
【0150】また、前記第二実施形態のような感知手段
150は設けられていないが、ヒューズ222や流水検
知手段250が設けられているので、これらと制御装置
260とにより前記第二実施形態と同様に自動化を図る
ことができ、無人の倉庫211での火災発生への対応や
多数の保管室の集中管理等を行うことができる。
【0151】[第四実施形態]図10には、本発明の第
四実施形態に係る消火装置310およびこの消火装置3
10を設置した倉庫311の全体構成が示されている。
倉庫311は、前記第一、第二実施形態と同様に、消火
対象空間である保管室を複数有しているが、ここでは保
管室312のみを図示し、他は省略するものとする。
【0152】図10において、消火装置310は、保管
室312の天井に設けられて水圧により保管室312の
空間内に水微粒子を噴霧する異なる種類の複数の水噴霧
ノズル320A,320B,320Cと、各水噴霧ノズ
ル320A,320B,320Cに水を供給する水供給
手段340と、保管室312内での火災発生およびその
程度を感知する感知手段350と、消火装置310の全
体を集中管理する制御装置360とを備えて構成されて
いる。
【0153】各水噴霧ノズル320A,320B,32
0Cは、すべて前記第二実施形態のホロコーンノズルか
らなる水噴霧ノズル120あるいはフルコーンノズルか
らなる水噴霧ノズル130と同様な、いわゆる一流体式
のノズルである。但し、各水噴霧ノズル320A,32
0B,320Cの性能は異なり、同じ水圧をかけたとき
に各々異なる粒子径の水微粒子を噴霧する性能を有して
いる。ここでは、ノズル320Aの粒子径が最も大き
く、ノズル320Cの粒子径が最も小さく、ノズル32
0Bの粒子径がその中間であるものとする。
【0154】水供給手段340は、水を溜めておく貯水
槽341と、この貯水槽341内の水を各水噴霧ノズル
320A,320B,320Cに加圧して送るポンプ3
42と、これらと各水噴霧ノズル320A,320B,
320Cとを繋ぐ配管343と、この配管343の途中
に各水噴霧ノズル320A,320B,320C毎に対
応して設けられた電磁弁等の開閉弁344A,344
B,344Cとを備えて構成されている。また、貯水槽
341には、水道管345から水が適宜補給されるよう
になっている。なお、配管343の途中に圧力タンクを
接続して予圧を与えるようにしてもよい。
【0155】そして、水供給手段340に設けられたポ
ンプ342は、前記第二、第三実施形態の場合と同様
に、これを駆動する可変モータの操作により回転速度の
調整が可能となっており、これにより各水噴霧ノズル3
20A,320B,320Cへの水の供給圧力が調整さ
れるようになっている。従って、ポンプ342およびこ
れと制御装置360とを接続する信号ケーブル等によ
り、水供給手段340による供給圧力を調整する水圧調
整手段370が構成されている。
【0156】また、水供給手段340に設けられた各開
閉弁344A,344B,344Cは、各水噴霧ノズル
320A,320B,320Cに対する水の供給経路を
開放/遮断するようになっている。従って、開閉弁34
4A,344B,344Cおよびこれらと制御装置36
0とを接続する信号ケーブル等により、使用すべきノズ
ルを選択する選択手段380が構成されている。
【0157】制御装置360は、前記各実施形態の制御
装置60,160,260と略同様な構成であり、記憶
手段361、入力手段362、出力手段363、入力部
364、制御手段365、および出力部366を備えて
構成されている。
【0158】記憶手段361には、保管室312内に置
かれた可燃物の種類が予め記憶されている点で、前記各
実施形態の場合と同様である。但し、可燃物の燃焼状況
に対する供給水圧の情報、およびその水圧の下において
選択使用すべきノズル(つまり、その水圧の下で可燃物
の種類に応じた最適な粒子径の水微粒子を噴霧可能なノ
ズル)の情報が記憶されている点で、前記各実施形態の
場合と異なっている。
【0159】例えば、図11に示すように、各ノズル3
20A,320B,320Cへの供給水圧を上げると、
各ノズルの粒子径は、それぞれ小さくなる。つまり、全
体的に粒子径が小さい方にずれるわけである。ここで、
仮に、水圧を上げた後のノズル320A,320Bの粒
子径が、水圧を上げる前のノズル320B,320Cの
粒子径と一致するとした場合には、使用すべきノズルを
選択することにより、異なる水圧に対して同じ粒子径の
水微粒子の噴霧を行うことができる。
【0160】従って、例えば、可燃物の種類が木材の場
合であれば、火災の初期段階で水圧を低くするときに
は、ノズル320Bを選択し、火災が進展して水圧を高
くするときには、ノズル320Aを選択することで、粒
子径を木材の消火に適した最適な値に保持することがで
きる。また、可燃物の種類が灯油の場合であれば、火災
の初期段階で水圧を低くするときには、ノズル320C
を選択し、火災が進展して水圧を高くするときには、ノ
ズル320Bを選択することで、粒子径を灯油の消火に
適した最適な値に保持することができる。ここで、ノズ
ル320Bのみに着目すれば、一つのノズルが、木材お
よび灯油の両方の消火に使用されることもあり得ること
がわかる。
【0161】但し、実際には、上記の説明の如く、水圧
を上げたときに正確に各ノズルの粒子径がずれるわけで
はないので、各水圧の下において最適な粒子径に近い状
態となるノズルを選択していくことになる。このような
使用ノズルの選択による粒子径の調整は、設備が複雑化
するという点を除けば、ノズルの種別の数が多い程、正
確なものとなり好ましい。
【0162】記憶手段361には、以上の如く、可燃物
の燃焼状況(水圧)および可燃物の種類の両方を考慮し
た選択情報が記憶されており、制御手段365は、この
情報に基づき各種の処理や判断を行うようになってい
る。
【0163】また、入力部364には、感知手段350
からの信号が入力されるようになっており、出力部36
6は、制御手段365の処理や判断の結果をポンプ34
2および各開閉弁344A,344B,344Cに出力
するようになっている。
【0164】このような第四実施形態においては、以下
のようにして消火装置310による自動消火を行う。
【0165】先ず、自動消火の事前準備として、管理者
は、保管室312に現在置かれている可燃物の種類、例
えば、木材であるのか灯油であるのか等の情報を入力手
段362により制御装置360に予め入力しておく。そ
して、この情報は、制御装置360の記憶手段361に
記憶される。
【0166】次に、実際に火災が発生した際の自動消火
の手順について説明する。保管室312で火災が発生し
たことを感知手段350が感知すると、その信号は制御
装置360に送られ、入力部364を介して制御手段3
65に伝達される。これにより制御手段365は、保管
室312での火災発生および可燃物の燃焼状況を把握す
る。
【0167】続いて、制御手段365は、記憶手段36
1の情報に基づき、保管室312に置かれている可燃物
の種類は木材である、あるいは灯油である等と判断する
とともに、把握した可燃物の燃焼状況に対応する供給水
圧を読み取る。なお、供給水圧は、実際にはポンプ34
2の回転数、あるいは回転数を制御するための電圧値等
として記憶されている。
【0168】そして、制御手段365は、出力部366
を介してポンプ342の回転数を制御して供給水圧を調
整する。例えば、火災の初期の段階では、水圧を低くし
て小水量での消火を行い、火災が進展したときには、そ
れに応じて水圧を上げていく。
【0169】また、これと並行して、制御手段365
は、記憶手段361の情報に基づき、設定した水圧の下
において可燃物の種類に応じた最適な粒子径となるノズ
ルを把握し、出力部366を介して選択手段380によ
りそのノズルを選択してそのノズルのみを作動させる。
例えば、保管室312に木材が保管されている場合に
は、火災の初期の段階では、ノズル320Bを選択し、
火災が進展して水圧を上げるときには、ノズル320A
を選択する(図11参照)。
【0170】その後、消火が進み、感知手段350によ
り火の勢いが衰えてきたことを感知した場合には、水圧
を下げるとともに選択手段380によりノズル320B
を再度選択して小水量での消火を行ってもよい。
【0171】そして、最終的に消火が完了した時点で、
ポンプ342を停止させ、すべての開閉弁344A,3
44B,344Cを閉じる。なお、消火完了の判断のみ
人間が行うようにしてもよい。また、ポンプ342の起
動停止や回転数調整および選択手段380の操作は、原
則として自動制御で行われるが、制御途中であっても適
宜手動操作を優先的に介入させることができるようにし
てもよい。
【0172】このような第四実施形態によれば、前記各
実施形態と略同様に、次のような効果を得ることができ
る。すなわち、感知手段350により可燃物の燃焼状況
を把握し、これに応じて水圧を調整するので、可燃物の
燃焼状況に応じた水量での消火を行うことができるう
え、保管室312に置かれた可燃物の種類を記憶手段3
61に予め記憶し、この情報に基づいて選択手段380
により水噴霧ノズルを選択して作動させるので、可燃物
の種類に応じた粒子径の水微粒子の噴霧を行うことがで
きる。このため、効率的な水の使用、これに伴う必要量
の水の確保の容易化、貯水槽341等の水源設備の小型
化、水損による被害の低減等を図ることができる。
【0173】また、水微粒子を噴霧して消火を行うの
で、ウォーターミスト特有の作用である、冷却効果
(燃焼熱の除去)、酸素排除効果(酸素濃度の低
下)、輻射熱遮断効果(輻射熱の減少)、遮煙、消
煙効果を得ることもできるうえ、化学消火剤の放出によ
る消火を行う場合のような事後処理上の手間、環境や人
体への悪影響の懸念という問題も回避できる。
【0174】さらに、感知手段350および制御装置3
60が設けられ、自動化が図られているので、手動操作
の場合に比べて緊急時への確実な対応、無人の倉庫31
1での火災発生への対応を図ることができるうえ、多数
の保管室があるような場合において集中管理を好適に行
うことができる。
【0175】[変形の形態]なお、本発明は前記各実施
形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成で
きる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
【0176】すなわち、前記第一実施形態では、圧縮機
32およびポンプ42は、各保管室12,13に共通の
ものとされていたが、各保管室12,13毎に別々に設
けるようにしてもよく、そうすることで各保管室12,
13で同時に火災が発生した場合において、各保管室1
2,13に保管されている可燃物の種類が異なるか、あ
るいは各保管室12,13の可燃物の燃焼状況が異なる
ときに、各保管室12,13において効率的な消火を行
うことができる。一方、前記第二実施形態では、各保管
室112,113毎にポンプ142A,142Bが設け
られていたが、前記第一実施形態のように各保管室11
2,113に共通のものとしてもよく、そうすることで
設備の簡易化を図ることができる。また、前記第三、第
四実施形態の場合も同様であり、ポンプ等は、各保管室
に共通のものとしてもよく、各保管室毎に別々に設ける
ようにしてもよい。
【0177】また、前記各実施形態では、感知手段5
0,150,350やヒューズ222および制御装置6
0,160,260,360等が設けられ、自動化が図
られていたが、圧縮機やポンプあるいは開閉弁等を手動
で操作する装置としてもよい。しかし、自動化しておく
ことが操作の確実化等の点で好ましい。
【0178】さらに、前記各実施形態の倉庫11,11
1,211,311には、消火装置10,110,21
0,310のみが設けられ、専ら消火若しくは火災の抑
制を中心として行い、その結果として消煙も行うことが
できるように記載されていたが、消煙装置を別途併設す
るか、あるいは本発明の消火装置における記憶手段に記
憶させる情報として消煙に最適な粒子径の情報も加え、
制御手段による処理や判断等に専ら消煙を行うモードを
加えるようにしてもよい。このようにしておくことで、
例えば、先ず消火のための噴霧を行い、消火後には、燻
焼煙や水蒸気等を消すための消煙用の噴霧をすることが
できるので、消防隊の火災室での見通しを確保すること
等ができる。また、保管室ではなく通路や避難階段等の
避難路部分には、消煙のみを行う装置を設けておいても
よい。なお、消煙を行う場合においても、消火を行う場
合と同様に、可燃物から発生する煙の種類(燻焼煙また
は燃焼煙)に応じた最適な粒子径の水微粒子を噴霧する
ことにより、効率的な消煙を行うことができるので、避
難路における煙による見通しの遮断を軽減でき、避難上
都合がよい等の効果を得ることができ、また、前記第一
実施形態のような二流体式のノズルを使用して消煙を行
えば、煙濃度に応じて粒子径を一定に保持したまま水量
のみを変えて水微粒子を噴霧することができるので、水
損による被害を低減でき、避難上も都合がよい等の効果
を得ることができる。
【0179】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、可
燃物の種類に応じた粒子径の水微粒子を噴霧するので、
効率的に水を使用でき、これに伴い必要量の水の確保の
容易化、水源設備の小型化、水損による被害の低減等を
図ることができるうえ、ウォーターミスト特有の作用で
ある、冷却効果、酸素排除効果、輻射熱遮断効果、遮
煙、消煙効果を得ることもできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る消火装置およびこ
れを設置した消火対象空間の全体構成図。
【図2】第一実施形態のガス噴霧ノズルおよび感知手段
の配置の一例を示す図。
【図3】第一実施形態のガス噴霧ノズルの拡大断面図。
【図4】第一実施形態のガス噴霧ノズルの特性である気
液比−粒径グラフを示す図。
【図5】本発明の第二実施形態に係る消火装置およびこ
れを設置した消火対象空間の全体構成図。
【図6】第二実施形態の水噴霧ノズルの拡大断面図。
【図7】第二実施形態に使用できる別のタイプの水噴霧
ノズルの一部断面を含む図。
【図8】本発明の第三実施形態に係る消火装置およびこ
れを設置した消火対象空間の全体構成図。
【図9】第三実施形態のヒューズを備えた水噴霧ノズル
の拡大図。
【図10】本発明の第四実施形態に係る消火装置および
これを設置した消火対象空間の全体構成図。
【図11】第四実施形態のノズルの選択に関する説明
図。
【符号の説明】
10,110,210,310 消火装置 12,13,112,113,212,312 消火対
象空間である保管室 20 ガス噴霧ノズル 120A〜120D,130,220,320A〜32
0C 水噴霧ノズル 30 ガス供給手段 40,140,240,340 水供給手段 50,150,350 感知手段 61,161,261,361 記憶手段 65,165,265,365 制御手段 70 気液比調整手段 170,270,370 水圧調整手段 380 選択手段

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消火対象空間内で発生する火災の消火を
    行う際に、この空間内に置かれた可燃物の種類を把握
    し、この空間内に可燃物の種類に応じた粒子径の水微粒
    子を噴霧することを特徴とする消火方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の消火方法において、前
    記水微粒子の噴霧は、ガスの圧力および水圧により前記
    消火対象空間内にガスの放出とともに水微粒子を噴霧す
    るガス噴霧ノズルにより行い、前記水微粒子の粒子径の
    調整は、このガス噴霧ノズルに供給するガスと水との供
    給量の比を変化させることにより行うことを特徴とする
    消火方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の消火方法において、前
    記水微粒子の噴霧は、水圧により前記消火対象空間内に
    水微粒子を噴霧する水噴霧ノズルにより行い、前記水微
    粒子の粒子径の調整は、この水噴霧ノズルに供給する水
    圧を変化させることにより行うことを特徴とする消火方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の消火方法において、水
    圧により前記消火対象空間内に水微粒子を噴霧する異な
    る種類の複数の水噴霧ノズルを設けておき、前記消火対
    象空間内に置かれた可燃物の燃焼状況を把握し、この可
    燃物の燃焼状況に応じて水圧を変化させるとともに、前
    記複数の水噴霧ノズルのうち作動させるものを選択する
    ことにより、可燃物の燃焼状況に応じた水圧でかつ可燃
    物の種類に応じた粒子径の水微粒子を噴霧することを特
    徴とする消火方法。
  5. 【請求項5】 消火対象空間の内部に臨んで設けられて
    ガスの圧力および水圧によりこの空間内にガスの放出と
    ともに水微粒子を噴霧するガス噴霧ノズルと、このガス
    噴霧ノズルにガスを供給するガス供給手段と、前記ガス
    噴霧ノズルに水を供給する水供給手段と、前記消火対象
    空間内に置かれた可燃物の種類に応じて前記ガス供給手
    段によるガスの供給量と前記水供給手段による水の供給
    量との比を調整する気液比調整手段とを備えたことを特
    徴とする消火装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の消火装置において、前
    記消火対象空間内に置かれた可燃物の種類を予め記憶す
    る記憶手段と、前記消火対象空間内の火災発生を感知す
    る感知手段と、この感知手段からの信号を受けて前記記
    憶手段に記憶された情報に基づき前記気液比調整手段を
    調整して前記ガス噴霧ノズルを自動的に作動させる制御
    手段とを備えたことを特徴とする消火装置。
  7. 【請求項7】 消火対象空間の内部に臨んで設けられて
    水圧によりこの空間内に水微粒子を噴霧する水噴霧ノズ
    ルと、この水噴霧ノズルに水を供給する水供給手段と、
    前記消火対象空間内に置かれた可燃物の種類に応じて前
    記水供給手段による供給水圧を調整する水圧調整手段と
    を備えたことを特徴とする消火装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の消火装置において、前
    記消火対象空間内に置かれた可燃物の種類を予め記憶す
    る記憶手段と、前記消火対象空間内の火災発生を感知す
    る感知手段と、この感知手段からの信号を受けて前記記
    憶手段に記憶された情報に基づき前記水圧調整手段を操
    作して前記水噴霧ノズルを自動的に作動させる制御手段
    とを備えたことを特徴とする消火装置。
  9. 【請求項9】 消火対象空間の内部に臨んで設けられて
    水圧によりこの空間内に水微粒子を噴霧する異なる種類
    の複数の水噴霧ノズルと、これらの水噴霧ノズルに水を
    供給する水供給手段と、前記消火対象空間内に置かれた
    可燃物の燃焼状況に応じて前記水供給手段による供給水
    圧を調整する水圧調整手段と、可燃物の燃焼状況に応じ
    た水圧の下で前記複数の水噴霧ノズルのうち作動させる
    ものを可燃物の種類に応じて選択する選択手段とを備え
    たことを特徴とする消火装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の消火装置において、
    前記消火対象空間内に置かれた可燃物の種類を予め記憶
    する記憶手段と、前記消火対象空間内の火災発生および
    可燃物の燃焼状況を感知する感知手段と、この感知手段
    からの信号を受けて前記水圧調整手段を操作するととも
    に前記記憶手段に記憶された情報に基づき前記選択手段
    を操作して前記水噴霧ノズルを自動的に作動させる制御
    手段とを備えたことを特徴とする消火装置。
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