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JP4619753B2 - 燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステム - Google Patents

燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステム Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステムに関し、より詳しくは、燃料電池で利用する原燃料の組成が未知であっても、あるいは燃料電池で利用する原燃料の組成が未知で、しかも変動しても、燃料電池を安全且つ安定して燃料利用率が適正ないし最大になるように運転制御する方法及びそのためのシステムに関する。
燃料電池にはイオン伝導体すなわち電解質に利用される物質の違いにより固体電解質形燃料電池(SOFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、固体高分子形燃料電池(PEFC)、リン酸形燃料電池(PAFC)、その他各種あるが、これらは原理的には同じである。その電解質として、SOFCでは固体電解質(通常固体酸化物)が用いられ、MCFCでは溶融炭酸塩が用いられ、PEFCでは固体高分子電解質が用いられ、PAFCではリン酸が用いられる。
以下、適宜、主としてSOFCを例にして説明するが、他の燃料電池についても同様である。SOFCは、固体電解質を挟んでアノード(燃料極)とカソード(空気極または酸素極)の両電極を配置して構成される。SOFCは、一般的には作動温度が800〜1000℃程度と高いが、600〜800℃程度、例えば750℃程度の作動温度のものも開発されつつある。
SOFCでは、その運転時に、アノード側に水素、一酸化炭素または両者を含む燃料を供給し、カソード側に酸化剤ガスとして空気、酸素富化空気、あるいは酸素を供給して電気化学反応を起こさせることで電力が取り出される。カソード側に供給される空気中の酸素はカソードで酸化物イオン(O2-)となり、電解質を通ってアノードに至る。ここで、アノード側に導入される燃料と反応して電子を放出し、電気と反応生成物(H2OやCO2)を生成する。電解質を通るイオンは、MCFCでは炭酸イオン(CO3 2-)であり、PEFC及びPAFCでは水素イオン(H+)である。
SOFCにおいては、水素と一酸化炭素が燃料となるが、炭化水素のうちメタンは、アノードの構成成分である金属、例えばニッケルの触媒作用により水蒸気改質されて水素と一酸化炭素になる。このため、SOFCでは、水素、一酸化炭素、メタン、あるいはそれらの2種以上からなる燃料であればそのままアノードへ導入すればよいが、燃料にメタン以外のエタン、エチレン、プロパン、ブタン等の炭素数C2以上の炭化水素が含まれていると、SOFCへの配管、特にアノードへの燃料導入管やアノードに炭素を生成し、これが電気化学反応を阻害して電池性能を劣化させてしまう。
SOFCにより需要に応じた必要電力を得る上では、一般的にはメタンのほか炭素数C2以上の炭化水素を含む都市ガスなどを原燃料とし、これを改質した燃料を用いることが想定されている。例えば13Aといわれる都市ガスの組成は、一例としてメタン=87.8%(容量%、以下同じ)、エタン=5.9%、プロパン、ブタン等=6.3%である。これに付臭剤として数ppmレベルのジメチルサルファイドやターシャリーブチルメルカプタン、あるいはテトラヒドロチオフェンなどの硫黄化合物が添加されている。また、天然ガスの場合、メタンを主成分とするが、特に石油系天然ガスや構造性天然ガスではメタンより重質の炭化水素が含まれ、産地等の如何によりそれぞれ組成が異なる。
このため、炭素数C2以上の炭化水素を含む原燃料の場合は、水蒸気改質法や部分酸化法で予備改質して水素、一酸化炭素及びメタンを含む予備改質ガスに変えられる。予備改質に代えて、メタンも改質して水素、一酸化炭素を含む改質ガスに変えてもよい。水蒸気改質法で原燃料を改質する場合、メタン換算スチーム(モル)比(S/C比)は2以上(完全水蒸気改質に必要な水蒸気量の2倍以上)、好ましくは3以上とされる。
ここで、本明細書及び特許請求の範囲において、そのように、予備改質または改質する前の燃料を“原燃料”と言い、その原燃料を水蒸気改質法や部分酸化法で予備改質または改質して燃料電池のアノードへ導入する予備改質済みの燃料(水素、一酸化炭素、メタン、あるいはそれらの2種以上を含む燃料)及び改質済みの燃料(水素、一酸化炭素のうちの一方または両者を含む燃料)を単に“燃料”と言う。
図1は、原燃料として都市ガスを使用して水蒸気改質法で予備改質し、SOFCスタックからのアノードオフガスを燃料及び空気の予熱に利用するとともに、コージェネレーションシステムなどにおける給湯システムに利用する従来のSOFCシステムを示している。図1のとおり、原燃料である都市ガスは、昇圧機、脱硫器を経て予備改質器に供給され、エタン、プロパン、ブタン等を水蒸気で予備改質して水素、一酸化炭素及びメタンを含む予備改質ガスに変えられる。
予備改質ガスは、熱交換器2で予熱された後、燃料としてSOFCスタックのアノードに導入され、カソードからの酸素との電気化学反応により発電する。一方、空気は、ブロワを経て熱交換器1で予熱された後、SOFCスタックのカソードに供給される。なお、SOFCスタックで得られた電力は必要に応じてインバータで交流電流に変えられる。SOFCスタックからのアノードオフガスは燃焼器(図1中オフガス燃焼器)でカソードオフガスと混合し、燃焼する。燃焼ガスは、順次、熱交換器1、熱交換器2に通され、それぞれ空気、予備改質ガスの予熱に利用された後、さらに熱交換器3に通される。ここで給湯システムでの水の加熱に利用された後、排気として放出される。
ところで、例えば、そのようなSOFCシステムにおいては、適量の燃料をアノードへ供給するために原燃料の流量を制御する必要があるが、その制御は一般的には次のように行うことができる。SOFCの効率を決める一つの要因として燃料利用率がある。燃料利用率とは、アノードへの導入する燃料量に対する実際に発電に寄与する燃料量の比率であり、アノードへ導入する燃料のうちどれだけ発電に利用されるかを示す比率である。したがって、燃料利用率が高いほど発電効率が高くなるので、一般的には、できる限り燃料利用率を高めるような工夫をし、できる限り高い燃料利用率で運転する。
しかし、燃料利用率には理論上、そして実用上も上限がある。図2はその事実を説明する図で、SOFCにおいて、電流密度(=0.2A/cm2)を一定にして、燃料利用率を高めた場合のSOFCセル中における燃料出口付近のセル電圧の変化を示している。図2のとおり、SOFCでの燃料利用率が高くなるにつれてセル電圧が漸次低下する。そして、燃料利用率が90%程度を超えると急激にセル電圧が落ち込む。このようにセル電圧が落ちてくる現象は、アノード部分(アノード側)での酸素分圧の増加を意味しており、酸素分圧がある一定値以上に増加すると、アノード中のNiが酸化してNiOに変化し、Niの酸化に伴って起こる格子膨張によりアノードが破損し、安全性を損なってしまう。
そのように電池に十分な燃料が行き渡らず、発電を損なうことを燃料枯れと呼ぶ。SOFCに導入された燃料は順次消費されていくので、燃料枯れは、単セルでも複数のセルを電気的に直列に配置したスタックでも、通常、燃料の出口側で起こる。加えて、実際のSOFCセルあるいはスタックの場合には、若干の燃料リークや、電極内部のガス拡散が律速(支配的)となる。これらに起因して、燃料利用率は85%程度が限度となる。
そこで、図3に示すように、アノードが酸化されないようなセル電位、例えば0.6V程度の下限電位、すなわち限界電圧をセットする。そして、セル電圧が限界電圧を下回らないようにリミッタをかけながら、すなわちセル電圧が限界電圧を下回らないようにしながら、燃料利用率を所定値、つまり限界電圧に対応する限界燃料利用率に安全性の幅をもたせた範囲、すなわち限界燃料利用率に安全性のマージンを加味した範囲に制御する方式がとられる。
上記のような燃料利用率の所定値への制御としては、セル電圧が限界電圧を下回らないように原燃料の供給量を制御することが考えられる。例えば、所定の燃料利用率を80%として、電流値をモニタし(すなわち電流値を計測して監視し)、その計測電流値から算出した所定量の原燃料を供給し、これに合わせて、予備改質用ないし改質用の水蒸気量、空気量も制御して、燃料利用率が常に80%程度になるように制御する。
図4はその制御態様例を示す図である。例えば、燃料利用率を80%(限界電圧、すなわち図3の例で言えば、セル電圧0.6Vに対応する燃料利用率)と設定する。そして発電時に、SOFCスタックからの電流値を経時的にモニタし、燃料利用率が常に80%になるように、その計測電流値から算出した所定の原燃料量を供給するよう制御し、これに合わせて改質用水蒸気量、カソードへの空気量も制御する。これらの制御は、記憶装置、入出力装置を伴う中央処理装置(CPU)により行う。
その制御に際し、原燃料の組成(=原燃料の成分、その量比)があらかじめ分かっている場合には、それに対応して予備改質ガスあるいは改質ガス、すなわち燃料の組成(=燃料の成分、その量比)が分かるので、原燃料の増減量は一義的ないしほぼ一義的に制御することができる。これをアノードへ導入する燃料の側から言えば、予備改質ガスあるいは改質ガスである燃料中の組成は原燃料の増減量により一義的ないしほぼ一義的に制御される。
ところで、都市ガスは、その組成にある程度の自由度があり(すなわち、都市ガスの燃焼性については、燃焼速度MCPは35≦MCP≦47の範囲、ウォッペ指数WIは52.7≦WI≦57.8の範囲と規定されており、その範囲内では変動する)、また、例えばLNGを原料とする都市ガスの場合、通常LPGを添加して組成調整をして送出される。しかし、原料費削減への要請などから、LPG添加量を低減させ、あるいはその組成調整をせずに送出することも検討されており、この場合、LNGの組成はその産地等の如何により変動することから、供給基地の場所、時間によっても変動する場合がある。
また、SCFCの原燃料には多様性があり、その原燃料として各種気体燃料、炭化水素系液体燃料、エーテル系液体燃料、アルコール系液体燃料が使用でき、それらの2種以上
の燃料を混合して利用することも可能である。そのうち気体燃料としては、木材チップなどのガス化によるバイオマス燃料なども利用可能であり、また、下水汚泥、し尿、生ごみ、家畜糞尿、食品系廃棄物などの有機性廃棄物からメタン発酵などにより発生する消化ガス、すなわちバイオガスを利用することも提案されている(特開2003−221204号公報)。これらの原燃料は、組成があらかじめ分かっているものとは限らず、組成が未知のもの、組成が未知でしかも変動するものもあり、また、それら燃料の2種以上を混合して利用する場合には未知でしかも変動する場合が多い。
特開2003−221204号公報
SOFCを運転制御する場合、前述のとおり、原燃料の組成が既知であれば、その組成とSOFC運転時の負荷量から、供給すべき原燃料の量を算出し、燃料利用率が一定になるように原燃料の供給量を調整、制御することができる。しかし、原燃料の組成が(既知であっても)変動する場合、原燃料の組成が未知の場合、あるいは未知でしかも変動する場合には、供給する原燃料の流量を算出することが困難になる。上記のようにSOFCへ供給する原燃料が多様化すると、原燃料の組成は地理的、また時間的にも大きく変動することが想定される。
本発明は、燃料電池に供給する原燃料の組成が未知であっても、また、それが未知で変動しても、燃料電池を安全且つ安定して燃料利用率が適正ないし最大になるように運転制御する方法及びそのためのシステムを提供することを目的とするものである。
本発明は、(1)原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御方法であって、燃料電池のアノードへの燃料導入部に酸素センサを配置してアノードへ導入する燃料中の酸素分圧を測定し、その酸素分圧値から燃料組成を予測して燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御することを特徴とする燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステムを提供する。
より詳しくは、本発明は、(1)原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステムであって、燃料電池のアノードへの燃料導入部に酸素センサを配置してアノードへ導入する原燃料を改質した燃料である燃料中の酸素分圧を測定し、その酸素分圧値から原燃料を改質した燃料である燃料中のC成分、H成分のモル数を求め、そのモル数から実効燃料量Qを算出し、当該実効燃料量Qを基に燃料電池での燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御することを特徴とする燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステムを提供する。
本発明は、(2)原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御方法であって、燃料電池の電流値を計測し、その計測電流値から原燃料の流量を制御するに際して、燃料電池のアノードへの燃料導入部に酸素センサを配置してアノードへ導入する燃料中の酸素分圧を測定して燃料組成を予測し、その予測燃料組成を基に燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御することを特徴とする燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステムを提供する。
より詳しくは、本発明は、(2)原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステムであって、燃料電池の電流値を計測し、その計測電流値から原燃料の流量を制御するに際して、燃料電池のアノードへの燃料導入部に酸素センサを配置してアノードへ導入する原燃料を改質した燃料である燃料中の酸素分圧を測定し、その酸素分圧値から原燃料を改質した燃料である燃料中のC成分、H成分のモル数を求め、そのモル数から実効燃料量Qを算出し、当該実効燃料量Qを基に燃料電池での燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御することを特徴とする燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステムを提供する。
本発明は、(3)原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御方法であって、燃料電池のアノードへの燃料供給管から分岐した分岐管に酸素センサを配置し、分岐燃料に水蒸気を添加して分岐燃料の酸素分圧を測定することでアノードへ導入する燃料中の酸素分圧を測定し、その酸素分圧値から燃料組成を予測して燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御することを特徴とする燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステムを提供する。
より詳しくは、本発明は、(3)原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステムであって、燃料電池のアノードへの燃料供給管から分岐した分岐管に酸素センサを配置し、分岐燃料に水蒸気を添加して分岐燃料の酸素分圧を測定することでアノードへ導入する原燃料を改質した燃料である燃料中の酸素分圧を測定し、その酸素分圧値から原燃料を改質した燃料である燃料中のC成分、H成分のモル数を求め、そのモル数から実効燃料量Qを算出し、当該実効燃料量Qを基に燃料電池での燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御することを特徴とする燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステムを提供する。
本発明によれば、燃料電池を運転するに際して、燃料電池に供給する原燃料の組成が未知であっても、あるいは燃料電池で利用する原燃料の組成が未知で、しかも変動しても、燃料電池を安全且つ安定して燃料利用率が適正ないし最大になるように制御することができる。これにより、燃料電池を安全且つ安定して燃料利用率が適正ないし最大になるように制御できることから、アノード中のNiの酸化に伴って起こるアノードの破損を防止し、燃料電池を安全に運転することができる。
また、本発明は、燃料電池の運転中のほか、起動時においても適用可能である。さらに、本発明は、原燃料の組成が既知である場合やそれがある程度の自由度で変動する場合にも適用できる。この場合には、例えば前述図4のような原燃料の組成が既知の場合の制御に加えて、本発明の制御を補足的に適用してもよく、例えば前述図4のような原燃料の組成が既知の場合の制御に代えて、本発明の制御を適用してもよい。
本発明(1)は、原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステムである。そして、燃料電池のアノードへの燃料導入部に酸素センサを配置してアノードへ導入する燃料中の酸素分圧を測定し、その酸素分圧値から燃料組成を予測して燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御することを特徴とする。
より詳しくは、本発明(1)は、原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステムである。そして、燃料電池のアノードへの燃料導入部に酸素センサを配置してアノードへ導入する原燃料を改質した燃料である燃料中の酸素分圧を測定し、その酸素分圧値から原燃料を改質した燃料である燃料中のC成分、H成分のモル数を求め、そのモル数から実効燃料量Qを算出し、当該実効燃料量Qを基に燃料電池での燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御することを特徴とする。
本発明(2)は、原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステムである。そして、燃料電池の電流値を計測し、その計測電流値から原燃料の流量を制御するに際して、燃料電池のアノードへの燃料導入部に酸素センサを配置してアノードへ導入する燃料中の酸素分圧を測定して燃料組成を予測し、その予測燃料組成を基に燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御することを特徴とする。
より詳しくは、本発明(2)は、原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステムである。そして、燃料電池の電流値を計測し、その計測電流値から原燃料の流量を制御するに際して、燃料電池のアノードへの燃料導入部に酸素センサを配置してアノードへ導入する原燃料を改質した燃料である燃料中の酸素分圧を測定し、その酸素分圧値から原燃料を改質した燃料である燃料中のC成分、H成分のモル数を求め、そのモル数から実効燃料量Qを算出し、当該実効燃料量Qを基に燃料電池での燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御することを特徴とする。
本発明(3)は、原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステムである。そして、燃料電池のアノードへの燃料供給管から分岐した分岐管に酸素センサを配置し、分岐燃料に水蒸気を添加して分岐燃料の酸素分圧を測定することでアノードへ導入する燃料中の酸素分圧を測定し、その酸素分圧値から燃料組成を予測して燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御することを特徴とする。
より詳しくは、本発明は、(3)原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステムである。そして、燃料電池のアノードへの燃料供給管から分岐した分岐管に酸素センサを配置し、分岐燃料に水蒸気を添加して分岐燃料の酸素分圧を測定することでアノードへ導入する原燃料を改質した燃料である燃料中の酸素分圧を測定し、その酸素分圧値から原燃料を改質した燃料である燃料中のC成分、H成分のモル数を求め、そのモル数から実効燃料量Qを算出し、当該実効燃料量Qを基に燃料電池での燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御することを特徴とする。
本発明における原燃料としては、水素、一酸化炭素、メタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン等の炭化水素、これらの二種以上の混合ガス、都市ガス、天然ガス、石油ガス、石炭ガス、発生炉ガス、水性ガス、高炉ガス、石油分解ガスなどの気体燃料、ガソリン、軽油、灯油、ディーゼル油などの炭化水素系液体燃料、ジメチルエーテルなどのエーテル系液体燃料、メタノールやエタノールなどのアルコール系液体燃料、各種有機性廃棄物のメタン発酵や木材チップなどのガス化により得られるバイオマス燃料のほか、それら気体燃料、液体燃料の二種以上の混合燃料、すなわち二種以上の気体燃料の混合燃料、二種以上の液体燃料の混合燃料、少なくとも一種の気体燃料と少なくとも一種の液体燃料の混合燃料も用いられる。
SOFCの燃料は水素、一酸化炭素及びメタンであるが、MCFCの燃料としては水素が用いられ、一酸化炭素はMCFCのアノードでのシフト反応により水素になるのでMCFCの燃料として用いられる。PEFC及びPAFCの燃料としては水素が用いられる。本発明においては、SOFC、MCFCでは、上記のような各種原燃料のうち炭化水素、エーテル類、あるいはアルコール類を含む原燃料は予備改質または改質して燃料として用いられ、水素、一酸化炭素及びメタン(それらの混合ガスを含む)はそのまま燃料として用いられる。また、PEFC、PAFCでは、上記のような各種原燃料のうち炭化水素、エーテル類、あるいはアルコール類を含む原燃料は改質し、改質ガス中の一酸化炭素は水素に変成して燃料として用いられる。水素はそのまま燃料として用いられるが、一酸化炭素または石炭ガス等の一酸化炭素を含む気体燃料はその一酸化炭素を水素に変成して燃料として用いられる。
本発明においては、前記のような各種原燃料、また各原燃料の二種以上の混合燃料(これも原燃料である)の予備改質または改質した燃料を燃料電池のアノードに導入するが、これら予備改質または改質には水蒸気改質法を適用してもよく、部分酸化法を適用してもよい。ここで、SOFCの場合には、水素、一酸化炭素のほか、メタンも燃料となるので、それら改質法により、C2以上の炭化水素を予備改質レベルの改質ガスにして燃料としてもよいが、メタンをも改質した改質レベルの改質ガスにして燃料としてもよい。
以下、本発明に係る、原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御方法及びそのためのシステムの態様について、その原理、メカニズム(機序)などを含めて順次説明する。本発明は各種変形態様が可能であり以下に述べる態様例に限定されないことはもちろんである。またここでは、主としてSOFC(一部、PEFCを含む)を例に説明するが、MCFC、PEFC、あるいはPAFCなどの燃料電池についても同様である。
《本発明の態様例1:水蒸気改質法による改質の場合》
本態様例1は、SOFCに組み込まれた酸素センサからの酸素分圧信号を利用して燃料中の実効燃料量を算出、決定し、別途計測する電流モニタによる電流値から、その電流値に相当する燃料量を算出して、原燃料量、改質用水蒸気量、カソードへ供給する空気量を決定し、それら流量を制御する態様である。
ここで、本明細書中“実効燃料量”とは、燃料電池の運転中、実際に発電に寄与可能な燃料量の意味である。すなわち、その実効燃料量を燃料電池のアノードに導入すると、その燃料量のうち燃料利用率、例えば80%(限界電圧、すなわち図3の例で言えば、セル電圧0.6Vに対応する燃料利用率)に相当する量が発電に寄与して消費され、残りの未利用燃料20%を含む利用済み燃料がアノードオフガスとして排出されることになる。
図5は本態様例1を説明する図である。図5のとおり、SOFCスタックのアノードへの燃料導入部に酸素センサを配置するとともに、SOFCスタックに電流計を配置する。ここで、燃料導入部とは改質器からのガスの出口(=予備改質ガスまたは改質ガスの出口)からアノードの直前までの間を指し、酸素センサはその間に配置する。そして、発電時に、酸素センサにより燃料の酸素分圧を測定し、これを基にアノードに導入している実効燃料量を決定する。一方、SOFCスタックで発電している電流値を電流計でモニタし(すなわち、その電流値を経時的ないし所定間隔を置いて計測し)、その電流値に相当する燃料量を算出し、その算出燃料量を、例えば80%の燃料利用率(限界電圧、すなわち図3の例で言えばセル電圧0.6Vに対応する燃料利用率)に相当する燃料量と比較する。
そして、その比較により、その算出燃料量が燃料利用率80%に相当する燃料量以下であれば、供給原燃料量を増加させるが、その原燃料の増加量の程度を実効燃料量を基に算定して行う。また、算出燃料量が燃料利用率80%に相当する燃料量以上であれば、供給原燃料量を減少させるが、その原燃料の減少量の程度を実効燃料量を基に算定して行う。こうして、アノードに導入している燃料の実効燃料量から、供給すべき原燃料量、これに対応した改質器に供給する水蒸気量、SOFCスタックのカソードに供給する空気量を決定し、それらの決定量に応じてそれらの各流量をそれぞれ流量調整弁V1〜V3により制御する。以上の計算、制御は、記憶装置、入出力装置を伴う中央処理装置(CPU)により行われる。
そのように、本発明においては、アノードに導入している燃料の実効燃料量Qを酸素センサにより測定される酸素分圧により決定する。C2〜C4の飽和炭化水素の水蒸気改質は下記反応式(1)〜(4)で表される。これらの反応式における生成系のCO、H2はいわゆる“反応素過程”を経て生成している。なお、C2〜C4の不飽和炭化水素やC5以上の炭素を含む炭化水素(飽和炭化水素のほか、不飽和炭化水素を含む)についても同様である。
Figure 0004619753
こうして炭化水素の水蒸気改質反応によって、完全に改質した場合のガス組成は、水素と一酸化炭素のほか、水蒸気(余剰水蒸気)と二酸化炭素の4種の成分の混合ガスとなる。このうち二酸化炭素は一酸化炭素と水蒸気の反応成分である。このように、改質ガスはCO、H2、H2O及びCO2を含む系であるが、厳密にはそれら各ガスの構成原子はラジカルやイオンの状態で混在して相互に解離、反応を繰り返しており、COやH2との反応には酸素が関与している。
これをH2とCOについて見れば、以下の反応式(5)及び(6)のように、それぞれ、1/2モル(1/2O2)の酸素が反応してH2OとCO2になる。
Figure 0004619753
ここで、平衡定数Kは、それぞれの気体の分圧Pで示される。例えば(5)式の反応の場合、分母に(5)式の左辺すなわち原系のガスの分圧積を置き、分子に右辺すなわち生成系のガスの分圧積を置くことで記述される。そこで、例えば温度750℃における(5)式における平衡定数をK1、(6)式における平衡定数をK2とすると、K1及びK2は下記式(7)、(8)から、それぞれK1=6.0×109、K2=7.6×109となり、平衡定数K1及びK2はともに非常に大きな値である。
Figure 0004619753
(5)式と(6)式はそれぞれ独立に満たされるべき平衡式であるが、改質ガスでは通常(5)式と(6)式が同時に成り立っているので、下記式(9)のシフト反応式が成立する。これは(5)式から(6)式を引くことで自然に導かれる。このためSOFCのアノードにはCO、H2O、H2及びCO2を含む混合ガスが導入されることになるが、厳密にはそれら成分のほか(5)式及び(6)式で示されるように酸素も含むことになる。
Figure 0004619753
そして、(9)式の平衡定数K3は、上記(7)及び(8)式から下記式(10)のとおりとなる。
Figure 0004619753
上記のとおり、炭化水素の水蒸気改質反応によって、完全に改質した場合のガス組成は、原系である水素及び一酸化炭素と、生成系である水蒸気及び二酸化炭素の4種の成分の混合ガスとなる。ここで、反応式(5)(K1=6.0×109)及び(6)(K2=7.6×109)のように、水素もしくは一酸化炭素の平衡が著しく水蒸気もしくは二酸化炭素側に偏っているために、混合ガスに酸素ガスが混入しても、混入酸素は即座に水素もしくは一酸化炭素と反応して、混合ガスには酸素は僅かしか存在しないが、それでも(7)式及び(8)式から明らかなとおり、酸素が分圧10-20程度のオーダで存在している。
ところで、(9)式のシフト反応は、実際上、速度論的に非常に速い反応であり、触媒反応などの過程では殆ど成立する。また、このシフト反応は等モル反応であるので、シフト平衡を満たすように反応が進んでも、COとH2の総量すなわちCOとH2の両者を合わせたモル量は変わらず、初期のガス組成が決定されていれば、SOFCの運転中に発電に寄与可能な燃料量(=実効燃料量)Q、すなわち発電可能量も一意的に決定される。そして、実効燃料量Qは、以下のようにして燃料中の酸素分圧を測定し、決定することができる。実効燃料量Qは、その全量のうち燃料利用率例えば80%に相当する量が発電に寄与して消費され、未利用燃料はアノードオフガスとして排出される。
〈酸素センサの原理、構造、機能について〉
ガス中の酸素濃度を測定する方法として酸素センサがある。酸素センサには原理的には幾つかの種類があるが、そのうち固体電解質酸素センサは、基本的には、電解質として安定化ジルコニア〔イットリア(Y23)ドープのジルコニアやカルシア(CaO)ドープのジルコニアなど〕をベースとし、安定化ジルコニアを挟む電極間の酸素分圧差を電力に変えて測定するものである。
固体電解質酸素センサは、いわゆるSOFCの原理を応用しており、ガス中の僅かな酸素濃度でも高精度で正確に測定することができる。特に、低濃度の酸素分圧を測定するには、カソード側に空気を供給し、カソード側の酸素分圧を空気分圧としてレファレンス(すなわち照合ガスないし基準ガス)に使用するタイプが適当である。図6はその酸素センサの原理、構造、機能について説明する図である。
図6のとおり、電極保護層としての多孔質セラミック層間に安定化ジルコニアが配置され、両多孔質セラミック層のうち一方側にカソードが、他方側にアノードが設けられる。両電極材料としては好ましくはPt電極が用いられる。そして、カソード側に空気を流通させ、アノード側に被測定ガスを流通させる。これにより両電極間の起電力Eを開回路状態で測定することで、被測定ガス中の酸素分圧を知ることができる。
酸素センサの出力すなわち起電力Eは、SOFCの場合と同様、下記ネルンスト(Nernst)の式(11)で表される。式(11)中、Po2(c)はカソード側(空気側)の酸素分圧、Po2(a)はアノード側(低酸素濃度の被測定ガス側)の酸素分圧、Fはファラデー定数、Rは気体定数、Tは酸素センサ温度(K)である。Po2(c)は、空気をレファレンスとして用いる場合には0.20948になる。
空気の酸素濃度(酸素=20.948vol%)は一定であるので、酸素濃度が低いもう一方の側の酸素濃度の測定ができる。酸素センサでは、センサ起電力Eから、式(11)を用いて計算し低酸素濃度の被測定ガスの酸素分圧を同定する。本発明においては、例えばこのような酸素センサを使用して燃料中の酸素分圧を測定する。なお、図6中下部に、Po2(a)を常用対数で求める場合の式(Z)を示している。
Figure 0004619753
図7〜8は上記原理に基づく固体電解質酸素センサの構成例を模式的に示す図である。図7は二室式の酸素センサで、アルミナチューブの先端内周内に安定化ジルコニアペレットが配置され、アルミナチューブ内に空気導入管が配置されている。ジルコニアペレットの外面に外部電極が配置され、ジルコニアペレットの内面に内部電極が配置されている。これら部材を囲って被測定ガス流通孔を有する保護シールドが配置され、またジルコニアペレットの上面には温度測定用の熱電対が配置される。流通する被測定ガス中にアルミナチューブの保護シールド側を臨ませ、空気導入管から空気を導入流通させながら、両電極間の起電力Eを測定し、併せて熱電対により温度Tを測定する。その測定値を式(11)に代入ことで被測定ガス中の酸素分圧Po2(a)が得られる。
図8は他の形式の酸素センサで、多孔質安定化ジルコニアを挟んでカソード及びアノードが配置され、カソードを囲って空気導入孔を有する蓋が配置されている。カソード側に空気を導入し、アノード側に被測定ガスを流通させながら開回路状態で測定した両電極間のセンサ起電力Eの値を式(11)に代入ことで被測定ガス中の酸素分圧Po2(a)が得られる。本発明で用いる酸素センサは、燃料中の低濃度酸素の分圧を測定できる酸素センサであれば特に限定はないが、例えば図7〜8のような酸素センサを用いる。
〈燃料中の酸素分圧測定値による実効燃料量Qの算出、決定〉
そのように酸素センサで測定した燃料中の酸素分圧値を基にして実効燃料量Qを算出、決定する。その実効燃料量Qは以下のようにして算出、決定することができる。ここで、燃料電池のアノードに導入する燃料に含まれるC成分、H成分及び添加するH2Oの初期のモル量を、それぞれ、C:cモル、H:aモル、H2O:Bモルとする。
例えば、原燃料が1モルのCH4と1モルのC26で構成され、メタン換算スチーム比S/C=2(完全水蒸気改質に必要な水蒸気モル量の2倍)のH2Oを添加するとすると、(1)式及び(2)式から、c=1+2=3モル、a=4+6=10モル、B=(1+2)×2=6モルとなる。このとき、完全水蒸気改質後のガス組成は、H2:a/2+c=8モル、CO:c=3モル、H2O:B−c=3モル、CO2:0モルとなる。
ここで、(9)式のシフト反応により、組成がxモルだけ変化したとすると、シフト反応後の組成は、H2:a/2+c+x=8+xモル、CO:c−x=3−xモル、H2O:B−c−x=3−xモル、CO2:xモルとなる。
そこで、上記シフト反応後の組成について、(5)式:H2+1/2O2→H2Oの平衡反応を考慮すると、平衡定数をK1、酸素分圧をPo2として、下記式(12)が成立する。
Figure 0004619753
同じく、上記シフト反応後の組成について、(6)式:CO+1/2O2→CO2の平衡反応を考慮すると、平衡定数をK2、酸素分圧をPo2として、下記式(13)が成立する。ここで(13)式をxについて整理すると下記式(14)となる。
Figure 0004619753
そして、(12)式に(13)式のx、すなわち(14)式を代入して整理すると下記式(15)のとおり記述される。
Figure 0004619753
〈原燃料が炭化水素だけの場合〉
ところで、炭化水素の水蒸気改質を行う場合に、添加する水蒸気量を増加させていくと、結果として(9)式が満たされるように平衡組成が変化し、その結果、その系内の酸素分圧も変化する。このとき、(5)式及び(6)式の各成分は同じ系内にあるので、正確には(9)のシフト平衡式が満たされるように変化することになる。
したがって、添加水蒸気量を変化させて、それぞれの系内の酸素分圧を測定すれば、その添加水蒸気量に応じたH及びCの組成を計算することができる。原燃料が炭化水素だけの場合、成分の数(変数)はHとCの2種であるので、変化させる水蒸気量の数(すなわち異ならせる水蒸気量の数)は二つすなわち2条件“2点”が必要である。
なお、後述の、原燃料中に炭化水素のほか、一酸化炭素も含まれている場合や一酸化炭素、二酸化炭素、あるいは水蒸気などに含まれるOを含む場合などに関連するが、異ならせる水蒸気量の数(条件)は、そのように原燃料中における成分の数(変数)に対応した数とすればよい。しかし、原燃料として例えば前述バイオマス燃料や混合燃料を使用するときには、原燃料中の成分数があらかじめ予測される数より多いこともあり得る。このような場合には、異ならせる水蒸気量の数(条件)を予測される成分数より多くすることで、その組成をより確実に計算することができる。
ここで、水蒸気量が水素組成に与える影響について、一例として1モルの水素に、水蒸気を1モル加えた平衡組成と10モル加えた平衡組成を考える。前述のとおり、実は(5)式:H2+1/2O2→H2Oの平衡定数がK1=6.0×109と非常に大きいために、水蒸気を1モル加えようが、10モル加えようが、水素の平衡組成は、加えた水蒸気量からは殆ど変化せず(ただし、酸素分圧は変化する)、1モルのままである。これは、多少水蒸気を多く加えても、ガス中の水素組成は殆ど変わらずに、元のガス組成を保つことを表しており、このことを利用して、元のガス中の水素濃度を判定できることになる。同様に、(6)式:CO+1/2O2→CO2の平衡も、(9)式を通じて平衡組成が決定され、元のガス中のCO濃度が判定できる。
そこで、H2Oのモル量Bを2種類すなわち“2条件(2点)”設定し、それぞれをB(1)、B(2)とし、それぞれに対応する平衡酸素分圧をPo2(1)、Po2(2)として、(15)式を書き下すと下記式(16)のとおり記述される。
Figure 0004619753
そして、(16)式を解いてa(H:aモル)を求めると下記式(17)のとおりとなる。
Figure 0004619753
同じく、(16)式を解いてc(C:cモル)を求めると下記式(18)のとおりとなる。
Figure 0004619753
こうして、原燃料の水蒸気改質に際して添加する水蒸気量Bを“2条件(2点)”変化させて、それぞれ酸素分圧を測定し、(17)式及び(18)式に代入することにより、燃料中のa(H:aモル)及びc(C:cモル)の値を特定することができる。その結果として、燃料電池の運転中の実効燃料量Q=a/2+2cは下記式(19)で決定される。本発明においては、原燃料が炭化水素だけの場合、このようにして“燃料電池のアノードへの燃料導入部に酸素センサを配置してアノードへ導入する燃料中の酸素分圧を測定し、その酸素分圧値から燃料組成を予測”するものである。
Figure 0004619753
図9(a)はその操作態様を説明する図である。条件1の添加量の水蒸気を供給しながら、所定の安定時間(例えば10〜20分間)保持した時点で酸素センサにより出力すなわち起電力Eをモニタし、式(11)により酸素分圧値を計算する。引き続き、条件2の添加量の水蒸気を供給しながら、所定の安定時間(例えば10〜20分間)保持した時点で酸素センサにより起電力Eをモニタし、同じく酸素分圧値を計算する。そして、それら酸素分圧値を(19)式に代入することで実効燃料量Qが得られる。それら2条件(2点)への水蒸気添加量の調整は図5で言えば流量調整弁V2により行う。図5の態様の場合、流量調整弁V2により流量調整された水は加熱交換器により加熱され水蒸気として供給される。
得られた実効燃料量Qは、アノードに導入している燃料の組成、すなわち水素及び一酸化炭素の全量を示すものであることから、これにより原燃料の組成を一義的に推定することができる。すなわち、実効燃料量Qにより燃料の組成(=燃料の成分、その量比)が分かるので、原燃料の組成があらかじめ分かっている場合と同様、原燃料の増減量は一義的ないしほぼ一義的に制御することができる。これをアノードへ導入する燃料の側から言えば、燃料中の組成は原燃料の増減量により一義的ないしほぼ一義的に制御できる。このため本発明は、例えば都市ガスのように原燃料の組成が既知の場合にも適用することができる。この場合には、前述図4のような原燃料の組成が既知の場合の制御に代えて適用してもよく、原燃料の組成が既知の場合の制御に加え、本発明を補足的に適用してもよい。この点、本発明の他の態様の場合も同様である。
本発明は、燃料電池を運転制御するに際して、燃料電池に供給する原燃料の組成が未知である場合や、それが未知で変動する場合に、そのようにして燃料の実効燃料量Qを算出、決定し、これを基に原燃料の増減量を制御する。そして、燃料の実効燃料量Qにより原燃料の増減量を制御すること以外は、原燃料の組成があらかじめ分かっている場合の制御と同様であり、燃料電池を運転制御するに際して、原燃料の増減量を制御する運転技術の全部に適用される。
図5は、そのうちの燃料利用率により行う態様例を示している。例えば、図3に示すように、アノードが酸化されないようなセル電位、例えば0.6V程度の下限電位、すなわち限界電圧をセットし、セル電圧が限界電圧を下回らないようにしながら、電流計でモニタする。そして、測定電流値に相当する燃料量が燃料利用率、例えば80%を基にあらかじめセットされた必要燃料量に対して不足する場合には、原燃料の供給量を増加させるが、その増加の程度を実効燃料量Qを基に制御し、これに合わせて水蒸気量、空気量を決定し、それらの決定量に応じて各流量を制御する。
それとは逆に、測定電流値に相当する燃料量が燃料利用率、例えば80%を基にあらかじめセットされた必要燃料量に対して過剰の場合には、原燃料の供給量を減少させるが、その増加の程度を実効燃料量Qを基に制御し、これに合わせて水蒸気量、空気量を決定し、それらの決定量に応じてそれら各流量を制御する。図5において、それら各流量の制御はそれぞれ流量調整弁V1〜V3により行うが、以上の計算、制御は、記憶装置、入出力装置を伴う中央処理装置(CPU)により行われる。
〈原燃料中の窒素等の不活性ガスの影響〉
原燃料には窒素その他の不活性ガスが含まれている可能性があるが、不活性ガスが含まれていても、燃料中の測定酸素分圧から計算、決定される水素、一酸化炭素の実効燃料量は全く影響を受けない。その理由は以下のとおりである。不活性ガスの影響を受けない点は、原燃料が炭化水素だけの場合とは限らず、一酸化炭素その他の成分を含む場合、また後述部分酸化法による改質の場合についても同様である。
原燃料に窒素その他の不活性ガスが混入している場合には、燃料中の個々の成分ガスの分圧を単純に低下させることになる。しかし、(9)式のシフト平衡反応に関しては、原系であるCO=1モルとH2O=1モルとの2モルのガスが、生成系であるH2=1モルとCO2=1モルとの2モルのガスに変化する等モル反応であるので、窒素その他の不活性ガスの混入による分圧変化への影響は相殺される。
例えば、燃料がH2=3モル、CO=2モル、H2O=4モル、CO2=1モル、N2=5モルのような組成であった場合の平衡組成を求めると、xモルのガスが反応して平衡に達したとすると、反応前の全体モル数は15モル、反応後も15モルとなる。そこで、結局、下記式(20)を解くことになり、(20)式のそれぞれの項で現れる分母の15モルの部分は相殺され、窒素その他の不活性ガスが含まれていても平衡組成は変わらないことになる。
Figure 0004619753
一方、(5)式もしくは(6)式の平衡の場合は、上記と同様の条件で計算を行うと、酸素量をmとして、下記式(21)のとおりとなり、酸素分圧の部分に影響が出てくる。ただし、反応系全体に及ぼす影響は、やはり(9)式を通じて相殺されるので、結局、原燃料中に窒素その他の不活性ガスが含まれていても、酸素分圧から計算される水素、一酸化炭素の実効燃料量Qは全く影響を受けないことになる。
Figure 0004619753
〈原燃料中に炭化水素のほか、一酸化炭素も含まれている場合の実効燃料量Qの決定〉
原燃料中に炭化水素だけでなく、一酸化炭素も含まれている場合における、燃料電池の運転中における実効燃料量Qの算出、決定は、以下のとおりとなる。
燃料電池のアノードに導入する燃料に含まれるC成分、H成分、CO成分及び添加するH2Oの初期のモル量を、それぞれ、C:cモル、H:aモル、CO:dモル、H2O:Bモルとする。例えば、原燃料が1モルのCH4と1モルのC26と1モルのCOで構成され、メタン換算スチーム比S/C=2(完全水蒸気改質に必要な水蒸気量の2倍)のH2Oを添加するとすると、(1)式及び(2)式から、c=1+2=3モル、a=4+6=10モル、B=(1+2)×2=6モルとなり、これに1モルのCOを含むから、d=1モルとなる。このとき、完全水蒸気改質後のガス組成は、H2:a/2+c=8モル、CO:c+d=4モル、H2O:B−c=3モル、CO2:0モルとなる。
そして、(9)式のシフト反応により、組成がxだけ変化したとすると、シフト反応後の組成は、H2:a/2+c+xモル、CO:c+d−x=4−xモル、H2O:B−c−x=3−xモル、CO2:xモルとなる。
そこで、上記シフト反応後の組成について、(5)式:H2+1/2O2→H2Oの平衡反応を考慮すると、平衡定数をK1、酸素分圧をPo2として、下記式(22)が成立する。
Figure 0004619753
同じく、上記シフト反応後の組成について、(6)式:CO+1/2O2→CO2の平衡反応を考慮すると、平衡定数をK2、酸素分圧をPo2として、下記式(23)が成立する。(23)式をxについて整理すると下記式(24)となる。
Figure 0004619753
そして、(22)式に(23)式のx、すなわち(24)式を代入して整理すると下記式(25)のとおり記述される。
Figure 0004619753
ここで、H2Oのモル量Bを“3条件(3点)”設定し、それぞれをB(1)、B(2)、B(3)とし、これらのそれぞれに対応する平衡酸素分圧をPo2(1)、Po2(2)、Po2(3)として(25)式に代入し、aを消去して整理すると下記式(26)のとおり記述できる。
Figure 0004619753
こうして、添加水蒸気量を“3条件(3点)”変えて、それぞれの条件での酸素分圧を測定し、(26)式に代入することにより、燃料電池の運転中の実効燃料量Qを算出、決定することができる。
その決定操作は、図9(b)のとおり、条件1の添加量の水蒸気を供給しながら所定の安定時間保持した後、酸素センサにより出力すなわち起電力Eをモニタし、式(11)により酸素分圧値を計算する。次いで、条件2の添加量の水蒸気を供給しながら所定の安定時間保持した後、酸素センサにより起電力Eをモニタし、同じく酸素分圧値を計算する。引き続き、条件3の添加量の水蒸気を供給しながら所定の安定時間保持した後、酸素センサにより起電力Eをモニタし、同じく酸素分圧値を計算する。そして、それら酸素分圧値を(26)式に代入することで実効燃料量Qが得られる。それら3条件(3点)への水蒸気添加量の調整は図5で言えば流量調整弁V2により行う。図5の態様の場合、流量調整弁V2により流量調整された水は加熱交換器により加熱され水蒸気として供給される。
そして、図5のように原燃料の流量制御を燃料利用率により行う場合、例えば、電流計でモニタした電流値に相当する燃料量が燃料利用率、例えば80%を基にあらかじめセットされた必要燃料量に対して不足する場合には、原燃料の供給量を増加させるが、その増加の程度を実効燃料量Qを基に制御し、これに合わせて水蒸気量、空気量を決定し、それらの決定量に応じて各流量を制御する。また、それが過剰の場合には、原燃料の供給量を減少させるが、その減少の程度を実効燃料量Qを基に制御し、これに合わせて水蒸気量、空気量を決定し、それらの決定量に応じて各流量を制御する。図5において、それら各流量の制御はそれぞれ流量調整弁V1〜V3により行うが、以上の計算、制御は、記憶装置、入出力装置を伴う中央処理装置(CPU)により行われる。
〈原燃料中に炭化水素のほか、CO(一酸化炭素)、CO2(二酸化炭素)、あるいはH2O(水蒸気)などに含まれるOを含む場合の実効燃料量Qの決定〉
原燃料中に炭化水素のほか、CO、CO2、あるいはH2O(水蒸気)などに含まれるOを含む場合の実効燃料量Qの算定、決定は、以下のように行うことができる。
燃料電池のアノードに導入する燃料のうち、メタンも含めたすべてのガス中のC成分、H成分、O成分、CO成分及び添加するH2Oの初期のモル量を、それぞれ、C:cモル、H:aモル、O:mモル、H2O:Bモルとする。例えば、原燃料が、1モルのCH4と1モルのC26と1モルのCOで構成され、メタン換算スチーム比S/C=2(完全水蒸気改質に必要な水蒸気量の2倍)のH2Oを添加するとすると、(1)及び(2)式から、c=1+2=3モル、a=4+6=10モル、B=(1+2)×2=6モルとなり、これに1モルのOを含むから、O=1モルとなる。
このとき、完全水蒸気改質後のガス組成は、H2:a/2+c−mモル、CO:cモル、H2O:B−c+mモル、CO2:0モルとなる。そして、(9)式のシフト反応により、組成がxだけ変化したとすると、シフト反応後のガス組成は、H2:a/2+c−m+xモル、CO:c−xモル、H2O:B−c+m−xモル、CO2:xモルとなる。
ここで、実効燃料量をQモルとすると、Q=a/2+2c−mとなる。まず、上記シフト反応後の組成について、(5)式:H2+1/2O2→H2Oの平衡反応を考慮すると、平衡定数をK1、酸素分圧をPo2として、下記式(27)が成立する。
Figure 0004619753
同じく、上記シフト反応後の組成について、(6)式:CO+1/2O2→CO2の平衡反応を考慮すると、平衡定数をK2、酸素分圧をPo2として、下記式(28)が成立する。ここで(28)式をxについて整理すると下記式(29)となる。
Figure 0004619753
そして、(27)式に(28)式のx、すなわち(39)式を代入してmを求め、実効燃料量:Q=a/2+2c−mに代入して整理すると下記式(30)のとおりに簡略化できる。
Figure 0004619753
ここで、H2Oのモル量Bを“3条件(3点)”設定し、それぞれをB(1)、B(2)、B(3)とし、それぞれに対応する平衡酸素分圧をPo2(1)、Po2(2)、Po2(3)とし、(30)式に代入してcを求めると下記式(31)のとおりとなる。
Figure 0004619753
また、(31)式によりaを求めると下記式(32)のとおりとなる。
Figure 0004619753
そして、(32)式を解いて実効燃料量Qを求めると下記式(33)のとおりとなる。
Figure 0004619753
こうして、添加水蒸気量を“3条件(3点)”変えて、それぞれの条件での酸素分圧を測定し、(33)式に代入することにより、メタンのほか、CO、CO2、H2Oが混入した燃料の実効燃料量Qを算定し、決定することができる。その決定操作は、前述“3条件(3点)”変える場合と同様であり、図9(b)のように行うことができる。
例えば、純C26を原燃料として1モル/s(s=秒)で供給し、H2Oを3モル/s、5モル/s、7モル/sの3条件で供給し、それぞれの条件で酸素センサの信号により推定酸素分圧を算定すると表1のとおりとなる。表1の推定酸素分圧と供給水蒸気量を(33)式に代入して、実効燃料量Qを計算するとQ=7となり、原燃料:C26の実効燃料量と一致する。
Figure 0004619753
また、例えば、原燃料として、CH4が1モル/s、C26が1モル/s、COが1モル/sの燃料を供給し、且つ、混入酸素が0.5モル/sであるという条件で、供給水蒸気(H2O)量を5モル/s、7モル/s、9モル/sの“3条件”変えて供給し、それぞれの条件で酸素センサの信号により推定酸素分圧を算定すると表2のとおりとなる。表2の推定酸素分圧と供給水蒸気量を(33)式に代入して、実効燃料量Qを計算するとQ=11となり、CH4を1モル/s、C26を1モル/s、COを1モル/s供給し、且つ、混入酸素(O2)が0.5モル/sであるという燃料の実効燃料量と一致する。
Figure 0004619753
《本発明の態様例2:温度が低い場合における制御態様》
本態様例2は、改質器を経た後の燃料を若干量分岐させて、分岐燃料に水蒸気を添加しながら、その分岐燃料の酸素分圧を酸素センサで測定して、実効燃料量を算出することにより供給原燃料の流量を制御する態様である。この制御は、温度が低い状態で適用でき、その制御を著しく簡略化することができる。
本態様例2での制御の原理、メカニズム(機序)は以下のとおりである。前記(26)式は温度が低い状態では著しく簡略化することができる。この場合、酸素センサの周りはシフト反応温度域でも、より低温域、好ましくは300℃程度に制御されている必要がある。その理由は、(9)式のシフト平衡が右辺(生成系)に移行してCOは殆ど無くなり、H2リッチのガス組成になるからである。
この場合、異なった“2条件(2点)”の水蒸気添加量条件を使用して実効燃料量Qを算出することができる。この態様では、実効燃料量Qは下記式(34)のとおりとなる。
Figure 0004619753
したがって、(9)式のシフト平衡が殆ど右辺側に移行するような、温度が低い状態では、添加水蒸気量を“2条件(2点)”変えて、それぞれの条件での酸素分圧を測定し、(34)式に代入することにより、実効燃料量Qを算出することができる。(34)式のとおり、実効燃料量Qの算出式は著しく簡略化され、添加水蒸気量を“2条件(2点)”変えて酸素分圧を測定することにより実効燃料量Qを算出、決定することができる。
図10は本態様例2を示す図である。図10のとおり、改質器からSOFCスタックへの改質ガス導管、すなわち燃料電池のアノードへの燃料供給管から分岐した分岐管に酸素センサを配置し、酸素センサへの分岐管の途中に水蒸気導入管を配置する。この場合、酸素センサの周りは300℃程度に制御する。そして、分岐燃料に水蒸気を添加しながら酸素センサで分岐燃料中の酸素分圧を検知し、その酸素分圧値によりアノードに導入している実効燃料量Qを決定する。その決定操作は前述図9(a)と同様に行うことができ、またその計算は、図10のような態様では、記憶装置、入出力装置を伴う中央処理装置(CPU)により行われる。
それと同時に、あるいはそれと前後して、SOFCスタックで発電している電流値をモニタし、計測された電流値が実機SOFCスタックについてあらかじめセットした許容値、例えば限界電圧、すなわち燃料利用率を利用する図3の例で言えばセル電圧0.6Vに対応する電流値以下であれば、原燃料の供給量を増加するよう制御し、併せてこれに対応した水蒸気量、空気量を決定し、制御する。
この制御は、図10のように、記憶装置、入出力装置を伴う中央処理装置(CPU)により行うことができる。例えば、原燃料が例えば天然ガスとバイオガスの混合ガスの場合、その組成は未知、あるいはその組成が未知でしかも変動しているが、改質ガスすなわち燃料の組成は酸素センサによる酸素分圧値から実効燃料量Qが分かるので、原燃料の増減量は一義的ないしほぼ一義的に制御することができる。
《本発明の態様例3:PEFCへの適用態様例》
図11は本態様例2をPEFCに対して適用する例を示す図である。図11では、酸素センサをCO変成器からの出導管から分岐管に配置しているが、酸素センサをCO選択酸化器からの出導管から分岐管に配置してもよい。改質器に水蒸気を加え、CO変成器あるいはCO選択酸化器を経た改質ガスの酸素分圧を酸素センサで検知して、実効燃料量Qを決定する。CO変成器を経た改質ガスはシフト反応が進んでCO成分が殆どH2に変換されており、異なった“2条件(2点)”の水蒸気添加量条件を使用して前記式(34)で実効燃料量Qを算出し、決定することができる。それら“2条件(2点)”への水蒸気添加量の調整は流量調整弁V2により行う。流量調整弁V2により流量調整された水は加熱交換器により加熱され水蒸気として供給される。
実効燃料量Qの決定と同時に、あるいはそれと前後して、電流計によりPEFCスタックで発電している電流値をモニタし、計測された電流値が実機PEFCスタックについてあらかじめセットした許容値、例えば限界電圧に対応する電流値以下であれば、原燃料の供給量を増加するよう制御し、併せてこれに対応した水蒸気量、空気量を決定し、制御する。図11において、それら各流量の制御はそれぞれ流量調整弁V1〜V3により行うが、以上の計算、決定、制御は、記憶装置、入出力装置を伴う中央処理装置(CPU)により行われる。
ここで、原燃料が例えば天然ガスとバイオマス燃料の混合ガスのような場合、その組成は未知、あるいはその組成が未知でしかも変動する可能性があるが、改質ガスすなわち燃料の組成については酸素センサで測定される酸素分圧値から実効燃料量Qが分かるので、原燃料の増減量は一義的ないしほぼ一義的に制御することができる。もちろん、本態様においても原燃料の組成が既知の場合にも適用できる。
《本発明の態様例4:部分酸化法による改質の場合》
炭化水素の空気による部分酸化法によるストイキメトリックな改質反応は下記反応式(35)〜(38)で表される。これらの反応式における生成系のCO、H2はいわゆる“反応素過程”を経て生成している。C2〜C4の不飽和炭化水素やC5以上の炭素を含む炭化水素(飽和炭化水素のほか、不飽和炭化水素を含む)についても同様である。
Figure 0004619753
ここで、原燃料のうち、炭化水素も含めたすべてのガスの中のC成分及びH成分、並びに、添加する空気の初期のモル量を、C:cモル、H:aモル、O:mモル、添加(=導入)空気:Pモルとする。例えば、原燃料がCH4:1モルとC26:1モル及びCO:1モルで構成されているとすると、完全部分改質に必要な酸素を添加すると定義して、c=1+2+1=4モル、a=4+6=10モル、P=(1+2)/2/0.21モル、m=1ということになる。
完全部分改質後のガス組成は、H2:a/2+c−m−0.42Pモル、CO:cモル、H2O:m+0.42P−cモル、CO2:0モル、N2:0.79Pモルである。
そして、(9)式のシフト反応により、組成がxだけ変化したとすると、シフト反応後の平衡組成は、H2:a/2+c−m−0.42P+xモル、CO:c−xモル、H2O:m+0.42P−c−xモル、CO2:xモル、N2:0.79Pモルとなる。(5)式及び(6)式の平衡式はそれぞれ下記式(39)及び(40)で表される。
Figure 0004619753
そして、(39)及び(40)式をxについて解くと(41)式のとおりとなる。
Figure 0004619753
ここで、炭化水素の部分酸化による改質の場合、改質反応後の実効燃料量Qは、水蒸気改質の場合とは異なり、導入酸素量分だけ減少しており、(42)式のとおりとなる。
Figure 0004619753
(41)式の結果を(42)式に代入して整理すると(43)式のとおりとなる。この
(43)式のように酸素混入量が顕わに現れない式で記述される。
Figure 0004619753
ここで、(41)式に関して“3条件(3点)”すなわち3通りの改質用空気供給量P(1)、P(2)、P(3)を設定し、それぞれの平衡酸素分圧をPo2(1)、Po2(2)、Po2(3)とすると、下記関係式(44)が成り立つ。
Figure 0004619753
そして、(44)の連立式を解くと(45)式のとおり算出される。
Figure 0004619753
このように、炭化水素の部分酸化による改質の場合も、供給空気量を“3条件(3点)”変えて、その都度酸素分圧を測定することによって、元の燃料中の実効燃料量Qを算出し、決定することができる。その決定操作は、前述“3条件(3点)”変える場合と同様であり、図9(b)のように行うことができる。
ただし、水蒸気改質の場合とは異なり、部分酸化による改質の場合には、酸素を供給することによって実効燃料量が減少していくため、酸素供給後の実効燃料量Qは、最終的に供給する酸素量を決め、(43)式を用いて算出する必要がある。このときの(43)式中のa及びcの値は、3つの空気供給条件に対して測定した酸素分圧を利用し、(45)式を用いて算出した値であり、(43)式中の酸素分圧は、最終的に供給する酸素量をフィックスすなわち固定したときの酸素分圧である。
原燃料として都市ガスを用いる従来の固体酸化物形燃料電池システムを示す図 燃料利用率を説明する図 燃料利用率を利用する燃料電池の運転制御方式を説明する図 都市ガス等の組成が分かった原燃料を用いる固体酸化物形燃料電池の制御態様を示す図 本発明の態様例1を説明する図 酸素センサの原理、構造、機能について説明する図 酸素センサの構造、機能について説明する図 酸素センサの構造、機能について説明する図 本発明において、酸素センサによる燃料中の酸素分圧を基に実効燃料量Qを決定する操作態様を説明する図 本発明の態様例2を説明する図 本発明の態様例3を説明する図
符号の説明
1〜3 熱交換器
V1〜V4 流量調整弁

Claims (10)

  1. 原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御方法であって、燃料電池のアノードへの燃料導入部に酸素センサを配置してアノードへ導入する原燃料を改質した燃料である燃料中の酸素分圧を測定し、
    A:原燃料を水蒸気改質するときは、
    (a)原燃料を改質する際の供給水蒸気量を、下記(b1)〜(b3)の各場合に応じて変化させ、
    (b1)原燃料が炭化水素だけの場合、
    (b2)原燃料が炭化水素とCOを含む場合、
    (b3)原燃料が炭化水素のほか、CO、CO 2 、あるいはH 2 O(水蒸気)などに含まれるOを含む場合、
    (c)前記各供給水蒸気量と(d)前記酸素センサで測定された酸素分圧値とを、(e)原燃料の成分の数に応じて下記式(19)、(26)および(33)のいずれかに代入して原燃料を改質した燃料である燃料中のC成分、H成分のモル数を求め、そのモル数から実効燃料量Qを算出し、当該実効燃料量Qを基に燃料電池での燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御し、
    B:原燃料を部分酸化法で改質するときは、
    (a)原燃料を改質する際の改質用空気供給量を3条件変化させ、(b)各空気供給量と(c)前記酸素センサで測定された酸素分圧値とを、(d)下記式(43)および(45)に代入して原燃料を改質した燃料である燃料中のC成分、H成分のモル数を求め、そのモル数から実効燃料量Qを算出し、当該実効燃料量Qを基に燃料電池での燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御することを特徴とする燃料電池の運転制御方法。
    ただし、式中、B(1)、B(2)、B(3)は各供給水蒸気量、Po2(1)、Po2(2)、Po2(3)はB(1)、B(2)、B(3)に対応する平衡酸素分圧、K1は式:H2+1/2O2→H2Oの平衡定数、K2は式:CO+1/2O2→CO2の平衡定数、aはH(水素)のモル数、cはC(炭素)のモル数である。
    また、式(43)および(45)において、p(1)、p(2)、p(3)は3条件の改質用空気供給量、Po2(1)、Po2(2)、Po2(3)は3条件に対応する平衡酸素分圧である。
    Figure 0004619753
    Figure 0004619753
    Figure 0004619753
    Figure 0004619753
    Figure 0004619753
  2. 原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御方法であって、燃料電池の電流値を計測し、その計測電流値から原燃料の流量を制御するに際して、燃料電池のアノードへの燃料導入部に酸素センサを配置してアノードへ導入する原燃料を改質した燃料である燃料中の酸素分圧を測定し、
    A:原燃料を水蒸気改質するときは、
    (a)原燃料を改質する際の供給水蒸気量を、下記(b1)〜(b3)の各場合に応じて変化させ、
    (b1)原燃料が炭化水素だけの場合、
    (b2)原燃料が炭化水素とCOを含む場合、
    (b3)原燃料が炭化水素のほか、CO、CO 2 、あるいはH 2 O(水蒸気)などに含まれるOを含む場合、
    (c)前記各供給水蒸気量と(d)前記酸素センサで測定された酸素分圧値とを、(e)原燃料の成分の数に応じて下記式(19)、(26)および(33)のいずれかに代入して原燃料を改質した燃料である燃料中のC成分、H成分のモル数を求め、そのモル数から実効燃料量Qを算出し、当該実効燃料量Qを基に燃料電池での燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御し、
    B:原燃料を部分酸化法で改質するときは、
    (a)原燃料を改質する際の改質用空気供給量を3条件変化させ、(b)各空気供給量と(c)前記酸素センサで測定された酸素分圧値とを、(d)下記式(43)および(45)に代入して原燃料を改質した燃料である燃料中のC成分、H成分のモル数を求め、そのモル数から実効燃料量Qを算出し、当該実効燃料量Qを基に燃料電池での燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御することを特徴とする燃料電池の運転制御方法。
    ただし、式中、B(1)、B(2)、B(3)は各供給水蒸気量、Po2(1)、Po2(2)、Po2(3)はB(1)、B(2)、B(3)に対応する平衡酸素分圧、K1は式:H2+1/2O2→H2Oの平衡定数、K2は式:CO+1/2O2→CO2の平衡定数、aはH(水素)のモル数、cはC(炭素)のモル数である。
    また、式(43)および(45)において、p(1)、p(2)、p(3)は3条件の改質用空気供給量、Po2(1)、Po2(2)、Po2(3)は3条件に対応する平衡酸素分圧である。
    Figure 0004619753
    Figure 0004619753
    Figure 0004619753
    Figure 0004619753
    Figure 0004619753
  3. 原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御方法であって、燃料電池のアノードへの燃料供給管から分岐した分岐管に酸素センサを配置し、分岐燃料に水蒸気を添加して分岐燃料の酸素分圧を測定することでアノードへ導入する原燃料を改質した燃料である燃料中の酸素分圧を測定し、添加水蒸気量を“2条件(2点)”変えて、それぞれの条件での酸素分圧を測定し、下記式(34)に代入することにより、実効燃料量Qを算出し、当該実効燃料量Qを基に燃料電池での燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御することを特徴とする燃料電池の運転制御方法。
    ただし、式中、B(1)、B(2)は添加水蒸気量、Po2(1)、Po2(2)はB(1)、B(2)に対応する平衡酸素分圧、K1は式:H2+1/2O2→H2Oの平衡定数、K2は式:CO+1/2O2→CO2の平衡定数である。
    Figure 0004619753
  4. 前記原燃料が、水素、一酸化炭素、メタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、都市ガス、天然ガス、石油ガス、石炭ガス、発生炉ガス、水性ガス、高炉ガス、石油分解ガス、ガソリン、軽油、灯油、ディーゼル油、エーテル類、アルコール類 各種有機性廃棄物のメタン発酵や木材チップなどのガス化によるバイオマス燃料、または、それら燃料の2種以上の混合燃料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池の運転制御方法。
  5. 前記燃料電池が固体酸化物形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池、固体高分子形燃料電池またはリン酸形燃料電池であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池の運転制御方法。
  6. 原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御システムであって、燃料電池のアノードへの燃料導入部に酸素センサを配置し、該酸素センサによりアノードへ導入する原燃料を改質した燃料である燃料中の酸素分圧を測定し、
    A:原燃料を水蒸気改質するときは、
    (a)原燃料を改質する際の供給水蒸気量を、下記(b1)〜(b3)の各場合に応じて変化させ、
    (b1)原燃料が炭化水素だけの場合、
    (b2)原燃料が炭化水素とCOを含む場合、
    (b3)原燃料が炭化水素のほか、CO、CO 2 、あるいはH 2 O(水蒸気)などに含まれるOを含む場合、
    (c)前記各供給水蒸気量と(d)前記酸素センサで測定された酸素分圧値とを、(e)原燃料の成分の数に応じて下記式(19)、(26)および(33)のいずれかに代入して原燃料を改質した燃料である燃料中のC成分、H成分のモル数を求め、そのモル数から実効燃料量Qを算出し、当該実効燃料量Qを基に燃料電池での燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御し、
    B:原燃料を部分酸化法で改質するときは、
    (a)原燃料を改質する際の改質用空気供給量を3条件変化させ、(b)各空気供給量と(c)前記酸素センサで測定された酸素分圧値とを、(d)下記式(43)および(45)に代入して原燃料を改質した燃料である燃料中のC成分、H成分のモル数を求め、そのモル数から実効燃料量Qを算出し、当該実効燃料量Qを基に燃料電池での燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御するようにしてなることを特徴とする燃料電池の運転制御システム。
    ただし、式中、B(1)、B(2)、B(3)は各供給水蒸気量、Po2(1)、Po2(2)、Po2(3)はB(1)、B(2)、B(3)に対応する平衡酸素分圧、K1は式:H2+1/2O2→H2Oの平衡定数、K2は式:CO+1/2O2→CO2の平衡定数、aはH(水素)のモル数、cはC(炭素)のモル数である。
    また、式(43)および(45)において、p(1)、p(2)、p(3)は3条件の改質用空気供給量、Po2(1)、Po2(2)、Po2(3)は3条件に対応する平衡酸素分圧である。
    Figure 0004619753
    Figure 0004619753
    Figure 0004619753
    Figure 0004619753
    Figure 0004619753
  7. 原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御システムであって、燃料電池の電流値を計測し、その計測電流値から原燃料の流量を制御するに際して、燃料電池のアノードへの燃料導入部に酸素センサを配置してアノードへ導入する原燃料を改質した燃料である燃料中の酸素分圧を測定し、
    A:原燃料を水蒸気改質するときは、
    (a)原燃料を改質する際の供給水蒸気量を、下記(b1)〜(b3)の各場合に応じて変化させ、
    (b1)原燃料が炭化水素だけの場合、
    (b2)原燃料が炭化水素とCOを含む場合、
    (b3)原燃料が炭化水素のほか、CO、CO 2 、あるいはH 2 O(水蒸気)などに含まれるOを含む場合、
    (c)前記各供給水蒸気量と(d)前記酸素センサで測定された酸素分圧値とを、(e)原燃料の成分の数に応じて下記式(19)、(26)および(33)のいずれかに代入して原燃料を改質した燃料である燃料中のC成分、H成分のモル数を求め、そのモル数から実効燃料量Qを算出し、当該実効燃料量Qを基に燃料電池での燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御し、
    B:原燃料を部分酸化法で改質するときは、
    (a)原燃料を改質する際の改質用空気供給量を3条件変化させ、(b)各空気供給量と(c)前記酸素センサで測定された酸素分圧値とを、(d)下記式(43)および(45)に代入して原燃料を改質した燃料である燃料中のC成分、H成分のモル数を求め、そのモル数から実効燃料量Qを算出し、当該実効燃料量Qを基に燃料電池での燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御するようにしてなることを特徴とする燃料電池の運転制御システム。
    ただし、式中、B(1)、B(2)、B(3)は各供給水蒸気量、Po2(1)、Po2(2)、Po2(3)はB(1)、B(2)、B(3)に対応する平衡酸素分圧、K1は式:H2+1/2O2→H2Oの平衡定数、K2は式:CO+1/2O2→CO2の平衡定数、aはH(水素)のモル数、cはC(炭素)のモル数である。
    また、式(43)および(45)において、p(1)、p(2)、p(3)は3条件の改質用空気供給量、Po2(1)、Po2(2)、Po2(3)は3条件に対応する平衡酸素分圧である。
    Figure 0004619753
    Figure 0004619753
    Figure 0004619753
    Figure 0004619753
    Figure 0004619753
  8. 原燃料を改質した燃料を用いる燃料電池の運転制御システムであって、燃料電池のアノードへの燃料供給管から分岐した分岐管に酸素センサを配置し、分岐燃料に水蒸気を添加して分岐燃料の酸素分圧を測定することでアノードへ導入する原燃料を改質した燃料である燃料中の酸素分圧を測定し、添加水蒸気量を“2条件(2点)”変えて、それぞれの条件での酸素分圧を測定し、下記式(34)に代入することにより、実効燃料量Qを算出し、当該実効燃料量Qを基に燃料電池での燃料利用率が適正ないし最適になるように原燃料の流量を制御するようにしてなることを特徴とする燃料電池の運転制御システム。
    ただし、式中、B(1)、B(2)は添加水蒸気量、Po2(1)、Po2(2)はB(1)、B(2)に対応する平衡酸素分圧、K1は式:H2+1/2O2→H2Oの平衡定数、K2は式:CO+1/2O2→CO2の平衡定数である。
    Figure 0004619753
  9. 前記原燃料が、水素、一酸化炭素、メタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、都市ガス、天然ガス、石油ガス、石炭ガス、発生炉ガス、水性ガス、高炉ガス、石油分解ガス、ガソリン、軽油、灯油、ディーゼル油、エーテル類、アルコール類 各種有機性廃棄物のメタン発酵や木材チップなどのガス化によるバイオマス燃料、または、それら燃料の2種以上の混合燃料であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の燃料電池の運転制御システム。
  10. 前記燃料電池が、固体酸化物形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池、固体高分子形燃料電池またはリン酸形燃料電池であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の燃料電池の運転制御システム。
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