JP4616947B2 - エポキシ樹脂の製造方法および該方法によって得られるエポキシ樹脂 - Google Patents
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Description
本発明は、加水分解性ハロゲン含量が低減されたエポキシ樹脂の製造方法に関する。
【従来の技術】
エポキシ樹脂は、その硬化物が電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性等の特性に優れていることから、半導体封止材料をはじめとして、電気絶縁材料、プリント配線板、ソルダーレジスト、接着剤、塗料等の幅広い分野で使用されている。
エポキシ樹脂は、通常、水酸化アルカリ金属等のアルカリの存在下で多価フェノールにエピハロヒドリンを付加させ、ついで生成した1,2−ハロヒドリンエーテル基を閉環させる、いわゆるエポキシ化反応によって製造される。前記多価フェノールとしては、電気および電子産業における封止材料等の用途に使用するエポキシ樹脂の場合、o−クレゾールノボラック等のノボラック樹脂が多く使用されている。
一般に、電気および電子産業分野で使用されるエポキシ樹脂には加水分解性ハロゲン含量が低いことが要求される。これは、加水分解性ハロゲンが電気絶縁性の低下、リード線の腐食等、いわゆる電子素子の信頼性に悪影響を与えるためである。
従来、エポキシ樹脂中の加水分解性ハロゲン含量を減少させる方法としては、エポキシ化反応後、得られた粗エポキシ樹脂の脱ハロゲン化による再閉環反応を行うことが提案されている。
例えば特開昭62−256821号公報には、フェノール性水酸基のオルソ位が置換されたビスフェノール類とエピハロヒドリンとから製造された粗エポキシ樹脂を苛性アルカリにて系内の水分量を所定量以下の条件下で後処理することにより、エポキシ樹脂中のハロゲン含量を低減させる方法が開示されている。
また、特開昭63−268723号公報には、多価フェノールとエピハロヒドリンとから製造される粗エポキシ樹脂に水酸化アルカリ金属水溶液と疎水性溶剤とを添加し、疎水性溶剤と水とを共沸させて水を系外に抜き出しながら再閉環反応を行わせることにより、加水分解性ハロゲン含量を低減する方法が開示されている。
【発明が解決しようとする課題】
前記した特開昭62−256821号公報は、原料としてフェノール性水酸基のオルソ位が置換されたビスフェノール類を用いているため、苛酷な条件下での再閉環反応でも、オルソ位の置換基による立体障害により副反応が起こりにくくしたものである。従って、特開昭62−256821号公報は、上記ビスフェノール類に代えてノボラック樹脂を用いた場合に、副反応が起こるのを防止する手段を開示するものではない。
一方、前記した特開昭63−268723号公報には、o−クレゾールノボラックとエピクロルヒドリンとを使用して、加水分解性塩素量が低減されたエポキシ樹脂を製造する例が挙げられているが、該公報に記載の再閉環反応では、加水分解性塩素量が低減しても、エポキシ樹脂のエポキシ当量が増大するという欠点がある。これは、副反応としてエポキシ樹脂の高分子量化が起こっているためである。
このようなエポキシ当量の増大は、エポキシ樹脂硬化物の品質を低下させるため好ましくない。
本発明の目的は、エポキシ当量の増大をひき起こすことなく、加水分解性ハロゲン含量が低減されたエポキシ樹脂の製造方法および該方法によって得られるエポキシ樹脂を提供することである。
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく研究を重ねる過程で、減圧下での再閉環反応における反応系内の水分率と温度とに着目し、これらを適切な範囲に調整して再閉環反応を行わせるときは、エポキシ当量を実質的に増大させることなく、加水分解性ハロゲン含量を低減させることができるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明のエポキシ樹脂の製造方法は、ノボラックとエピハロヒドリンとを反応させて得た粗エポキシ樹脂にアルカリを添加して再処理するに際して、前記粗エポキシ樹脂をケトン溶剤に溶解させ、ついで水分率が0.5〜1.4重量%に維持された減圧下、アルカリを添加して50〜75℃で再処理することを特徴とする。
ここで、再処理とは、主として前記した再閉環反応を意味するが、これに限定されるものではなく、広く加水分解性ハロゲン含量を低減させるための処理をいう。また、前記水分率は、粗エポキシ樹脂をケトン溶剤に溶解させて得た樹脂液を再処理する間の樹脂液中の水分濃度を意味する。従って、再処理前に水洗等で多量の水と樹脂液とが接触した場合は、本発明の水分率を超える水を含むため、再処理開始と共に過剰の水分が共沸で系外へ排出される。また、再処理前に樹脂液と水の接触がない場合は、樹脂液の0.5重量%相当以上の水を加えて再処理を開始する必要がある。
前記再処理では、反応の進行に伴って水分率が増大するので、生成した水を系外に排出するために、減圧下、反応系内の水をケトン溶剤と共沸させて系外に抜き出し、ついで凝縮させて水層と油層の2層に分離し、油層は反応系内に還流させるのが好ましい。
本発明の製造方法によって製造されるエポキシ樹脂は、加水分解性ハロゲン含量が100ppm以下、好ましくは50ppm以下であり、かつエポキシ当量が下記(1) 式で表されるものである。
【数2】
(OH+56)×1.09≦WPE≦(OH+56)×1.16 ・・・(1)
式中、OHはエポキシ樹脂の原料ノボラックの水酸基当量(g/eq)、
WPEはエポキシ樹脂のエポキシ当量(g/eq)を示す。
例えばノボラックが水酸基当量120g/eqのo−クレゾールノボラックの場合、得られるo−クレゾールノボラックノボラックのエポキシ当量は前記(1) 式から約204〜191g/eqとなる。
すなわち、本発明のエポキシ樹脂は、加水分解性ハロゲン含量は低減されているものの、エポキシ当量は、再閉環反応の前後において、ハロヒドリンエーテル基の閉環でエポキシ当量が変化する程度を超えて実質的に変化しないことを意味している。
【発明の実施の形態】
本発明における粗エポキシ樹脂は、前記したようにノボラックとエピハロヒドリンとにアルカリを添加しエポキシ化反応させて製造される。前記ノボラックとしては、例えばフェノールノボラック、ブロモフェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック(o−クレゾールノボラック等)が挙げられ、特にo−クレゾールノボラックを使用するのが好ましい。ノボラックは、通常、酸性触媒の存在下でフェノール類とホルマリンとを反応させて製造される。
また、エピハロヒドリンとしては、特に限定されないが、例えばエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられ、これらのうち入手の容易性からエピクロルヒドリンを使用するのが好ましい。
アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記水酸化物は、濃度が20〜55重量%程度の水溶液の形態で使用してもよく、さらに2種以上を混合して使用してもよい。
エポキシ化反応を行うためには、まず原料ノボラックをエピハロヒドリンまたは該エピハロヒドリンと有機溶媒との混合液に混合溶解する。このとき、エピハロヒドリンはフェノール性水酸基1モルに対して2〜15倍モル量の範囲で使用される。
前記有機溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の炭化水素類、メタノール、エタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、ジオキサン、ジエトキシエタン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。かかる有機溶媒は必要に応じて使用すればよく、有機溶媒を添加する場合は、エピハロヒドリン100重量部に対して100重量部以下であるのがよい。
上記のようにして混合溶解された溶液を用いて、常法に従いエポキシ化反応が行われる。すなわち、フェノール性水酸基1モルに対して0.9〜1.1モルのアルカリを常圧ないし減圧下30〜100℃の温度で徐々に前記溶液に添加して反応を行わせる。その際、系中の水分を制御する目的で、共沸脱水させるのが好ましい。
反応終了後、反応液から過剰のエピハロヒドリンと有機溶媒を蒸留等によって除去し、粗エポキシ樹脂を得る。
ついで、粗エポキシ樹脂をケトン溶剤に溶解させる。ケトン溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、特にメチルイソブチルケトンを使用するのが好ましい。溶解後、必要なら粗エポキシ樹脂中に含有されているゲル分をろ過等によって除去する。
粗エポキシ樹脂中には比較的多量の塩(例えばアルカリとして水酸化ナトリウムを使用した場合には塩化ナトリウム)が含有されているので、これを除去するために、必要なら適量の水を加えて水層と油層とに分液し、塩を含有した水層を除去する。
次に、粗エポキシ樹脂を溶解したケトン溶剤の溶液(以下、樹脂液という)である油層を減圧下50〜75℃で加熱して溶液中の水分率を0.5〜1.4重量%に調整する。
調整後、同一条件(減圧下50〜75℃)下にて樹脂液にアルカリを添加して、粗エポキシ樹脂中に残存するハロヒドリンエーテル基を閉環させる再閉環反応を行わせる。
温度が前記範囲を超えた場合には、エポキシ樹脂の高分子量化が起こり、エポキシ当量が増大する。一方、温度が前記範囲を下回る場合は、反応速度が遅くなり、生産性が低下するという欠点がある。
水分率が前記範囲を超えた場合には、再閉環反応が充分に進行せず、従って加水分解性ハロゲン含量を低減させるのが困難になる。一方、水分率が前記範囲を下回る場合には、エポキシ当量が増大すると共に、ゲル化により再閉環後の後述するろ過が困難になる。
再閉環反応の間、反応系内の水をケトン溶剤と共沸させて系外に抜き出し、ついで凝縮させて水層と油層の2層に分離し、油層は反応系内に還流させる。このようにして系内の水を抜き出すことにより、系内の水分率を前記範囲内に維持する。
前記アルカリとしては、前記エポキシ化反応に使用したアルカリと同様のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が例示されるが、これらに限定されるものではない。また、アルカリは濃度が20〜55重量%程度の水溶液の形態で使用してもよく、さらに2種以上を混合して使用してもよい。
また、アルカリの添加量は、粗エポキシ樹脂中に残留するハロヒドリンエーテル基の量よりも過剰量であるのが好ましく、通常ハロヒドリンエーテル基の量の2〜4倍当量であるのがよい。
再閉環反応は、前記した条件にて約1〜4時間で終了する。ついで、反応液に炭酸ガスを吹き込む等して中和し、ろ過等によって塩を除去した後、乾燥してエポキシ樹脂を得る。
このエポキシ樹脂は、加水分解性ハロゲン含量が低減されているので、電子、電気産業分野における封止材料等に使用するのに好適であると共に、エポキシ樹脂の高分子量化が抑制されているので、エポキシ当量が前記した(1) 式で表される範囲内に維持され、そのため加工時の溶融流動性に優れ、接着性、耐熱性、耐湿性等の諸物性にも優れている。
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明の製造方法を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものでない。
なお、以下の説明において、エポキシ当量および加水分解性塩素含有量はそれぞれ以下の方法にて測定した。
(1) エポキシ当量
試料に0.1N−塩酸のジオキサン溶液を加え、15分間攪拌しながら反応させた。これを0.1N−水酸化ナトリウムのメタノール溶液で電位差滴定を行い、ブランクの滴定量との差から塩酸と反応したエポキシ基の当量を求め、これで試料量を除した値をエポキシ当量(g/eq)とした。
(2) 加水分解性塩素含有量
試料をジオキサンに溶解し、1N−水酸化カリウムのエタノール溶液を添加し、室温で10分間反応させ、遊離した塩素量を酢酸酸性下0.01N−硝酸銀溶液で電位差滴定で測定し、これを試料重量で除した値を加水分解性塩素含有量(ppm)とした。
実施例1
軟化点95℃で水酸基当量が120g/eqであるo−クレゾールノボラック120重量部、エピクロルヒドリン648重量部および1,4−ジオキサン207重量部を反応槽に仕込み、均一に攪拌溶解させた。得られた混合溶液を60mmHgの減圧下39℃に保ち、49%水酸化カリウム水溶液22.9重量部を1時間かけて滴下し、同一条件下で3.5時間反応を行わせた。この間、留出した凝縮液は分液ポットに受けて水相は除去し、油相は系内へ還流させた。さらに、系内を150mmHg、60℃に調節し、49%水酸化ナトリウム水溶液61.2重量部を4時間かけて滴下した。この間も、前記と同様に留出する水分は除去し油層は系内に還流させた。
反応終了後、反応液からエピクロルヒドリンおよび1,4−ジオキサンを減圧下加熱して留去し、粗エポキシ樹脂を得た。その一部をサンプリングし、大過剰のメチルイソブチルケトンに溶解し、ついで大過剰の温水で5回洗浄と分液を繰り返し、メチルイソブチルケトンを蒸留にて留去した。その結果、得られた樹脂のエポキシ当量は194g/eqであった。
一方、粗エポキシ樹脂235重量部をメチルイソブチルケトン410重量部に溶解し、さらに温水230重量部を加え、ろ過した後、分液し塩水層を抜き取った。残った油層(樹脂液)を255mmHg、70℃に調整し、水分率を測定したところ0.8重量%であった。この条件で49%水酸化ナトリウム水溶液1.6重量部を樹脂液に添加し、2時間にわたり再閉環反応を行った。その間、留出分を凝縮させ静置分液し、水層は除去し、油層は系内へ還流させた。
ついで、系内を大気圧に戻し、炭酸ガスを吹き込んで中和した後、ろ過して塩類を除去し、さらにメチルイソブチルケトンを蒸留にて留去してo−クレゾールノボラックエポキシ樹脂を得た。炭酸ガスによる中和後のろ過は非常に容易であった。これはエポキシ樹脂の高分子量化が抑制されていることを示している。
得られたエポキシ樹脂はエポキシ当量が195g/eq、加水分解性塩素量が20ppmであった。
実施例2〜7および比較例1、2
再閉環反応を表1に示す条件で行った他は実施例1と同様にしてo−クレゾールノボラックエポキシ樹脂を得た。炭酸ガスで中和後のろ過性、得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量および加水分解性塩素量を表1に併せて示す。
【表1】
表1から、比較例1および2では、樹脂液中の水分率が高いため、エポキシ当量の増大は抑制されているものの、加水分解性塩素量が100ppmを大きく超えていることから、再閉環反応が不完全であることがわかる。これに対して、実施例1〜7では、エポキシ当量は実質的に変化することなく、加水分解性塩素量が著しく低減されていた。
実施例8〜10および比較例3
ノボラックとして軟化点125℃で水酸基当量が120g/eqであるo−クレゾールノボラック120重量部を用い、かつ表2に示す条件で再閉環反応を行った他は実施例1と同様にしてo−クレゾールノボラックエポキシ樹脂を得た。該樹脂の粗エポキシ樹脂におけるエポキシ当量を実施例1と同様にして測定したところ、204g/eqであった。
炭酸ガスで中和後のろ過性、得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量および加水分解性塩素量を表2に併せて示す。
【表2】
表2から、比較例3では、樹脂液中の水分率が低いために、加水分解性塩素量は著しく低減されているものの、中和後の塩類のろ過が非常に困難であり、得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量も実施例8〜10と比較して高くなっていることがわかる。このように、低水分率で再閉環反応を行うと、分子間反応による高分子量化が起き、エポキシ当量の増大およびろ過性の悪化により、目標品質のエポキシ樹脂が得られないばかりか、生産効率の低下をひき起こす。
これに対して、実施例8〜10では、エポキシ当量は実質的に変化することなく、加水分解性塩素量が低減されていた。
実施例11
実施例5において再閉環反応時の49%水酸化ナトリウム水溶液の添加量を1.6重量部から8.0重量部に変更した他は実施例5と同様にしてo−クレゾールノボラックエポキシ樹脂を得た。その際、炭酸ガスで中和後のろ過は異常なく行えた。また、得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は194g/eqで加水分解性塩素量は8ppmであった。
比較例4
実施例8において、再閉環反応を温度80℃、圧力300mmHg(樹脂液中の水分率は0.6重量%)に変更した他は、実施例8と同様にしてo−クレゾールノボラックエポキシ樹脂を得た。その際、炭酸ガスで中和後のろ過は非常に困難であった。これは、得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量が206g/eqまで上昇していたことから、分子間反応による高分子量化が起きたことが原因であると考えられる。一方、得られたエポキシ樹脂の加水分解性塩素量は11ppmで充分に低下していた。
【発明の効果】
以上のように本発明の製造方法によれば、水分率を所定範囲内に設定し、かつ比較的低い温度で粗エポキシ樹脂の再処理を行うため、エポキシ樹脂の高分子量化が抑制され、その結果エポキシ当量の実質的変化を伴うことなく、加水分解性ハロゲン含量を低減させることができるという効果がある。
従って、本発明の製造方法によって得られるエポキシ樹脂は、加水分解性ハロゲン含量およびエポキシ当量がいずれも最適な範囲にあるため、高品質なエポキシ樹脂を提供できるという効果がある。
Claims (7)
- ノボラックとエピハロヒドリンとを反応させて得た粗エポキシ樹脂にアルカリを添加して再処理するエポキシ樹脂の製造方法において、
前記粗エポキシ樹脂をケトン溶剤に溶解させ、ついで水分率が0.5〜1.4重量%に維持された減圧下、アルカリを添加して50〜75℃で再処理することを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。 - 前記再処理が、減圧下、反応系内の水をケトン溶剤と共沸させて系外に抜き出し、ついで凝縮させて水層と油層の2層に分離し、油層は反応系内に還流させて行われる請求項1記載のエポキシ樹脂の製造方法。
- 前記ケトン溶剤がメチルイソブチルケトンである請求項1または2記載のエポキシ樹脂の製造方法。
- 前記アルカリが、前記粗エポキシ樹脂中に残留するハロヒドリンエーテル基の量よりも過剰に添加される請求項1ないし3のいずれかに記載のエポキシ樹脂の製造方法。
- 加水分解性ハロゲン含量が100ppm以下であり、かつエポキシ当量が下記(1)式で表されるエポキシ樹脂を製造する、請求項1ないし4のいずれかに記載のエポキシ樹脂の製造方法。
【数1】
(OH+56)×1.09≦WPE≦(OH+56)×1.16・・・(1)
式中、OHはエポキシ樹脂の原料ノボラックの水酸基当量(g/eq)、WPEはエポキシ樹脂のエポキシ当量(g/eq)を示す。 - 前記加水分解性ハロゲン含量が50ppm以下である請求項5記載のエポキシ樹脂の製造方法。
- 前記エポキシ樹脂がo−クレゾールノボラックエポキシ樹脂である請求項5ないし6のいずれかに記載のエポキシ樹脂の製造方法。
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