JP4004787B2 - フェノール樹脂、エポキシ樹脂、その製造方法及び半導体封止材用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気絶縁材料、特に半導体封止材用樹脂や積層板用樹脂として有用な耐熱性、耐湿性、耐クラック性および成形性のバランスに優れたフェノール樹脂およびエポキシ樹脂ならびに半導体封止材用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体関連技術は急速に進歩しており、各部品およびその原料に対する要求特性が厳しいものとなってきている。特に、半導体のメモリーの集積度の向上に伴う配線の微細化、チップサイズの大型化が進んでおり、更には実装方法もスルーホール実装から表面実装への移行が進んでいる。しかしながら、表面実装の自動化ラインにおいては、リード線の半田付けの際に半導体パッケージが急激な温度変化を受け、半導体封止材用樹脂成形部にクラックが生じたり、リード線樹脂間の界面が劣化して耐湿性が低下するという問題がある。
半導体封止材用樹脂組成物に用いられるフェノール樹脂としては、従来、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹脂等のフェノール樹脂が使用されたり、また主剤として、クレゾールノボラック骨格を有するエポキシ樹脂が使用されている。しかしこれらの樹脂を用いた場合、半導体パッケージの吸湿特性が悪く、その結果として前述のような半田浴浸漬時におけるクラックの発生が避けられないという問題がある。
【0003】
そこで最近では、半導体封止材用樹脂組成物の耐湿性、耐熱性を改善するために、エポキシ樹脂原料および、エポキシ樹脂の硬化剤としてのフェノール樹脂を改良する検討がなされており、たとえば、特開昭61−291615号公報において、フェノール類とジシクロペンタジエン(以下、DCPDと称することがある。)から誘導されるエポキシ樹脂を必須成分とする耐湿性、耐熱性および内部可塑性のバランスに優れたエポキシ樹脂組成物が提案されている。しかしながら、必ずしも成形性が十分とはいえない。
また特開平9−48839号公報では、DCPD・フェノール変性エポキシ樹脂において、エポキシ樹脂またはその原料となるフェノール樹脂を蒸留あるいは再沈殿を行い、低分子量成分の量を調整することにより、耐熱性を損なわずに良好な流動性が得られることが開示されている。しかしながら、蒸留による調整は困難であり、また樹脂中の残存フェノール量が増加するなどの問題点がある。また再沈殿による調整は溶剤を使用するため、樹脂から再び溶剤を除去する必要がある等の問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、硬化後の耐熱性に優れるとともに、流動性が良好で半導体を封止する際の成形性に優れるフェノール樹脂、エポキシ樹脂およびそれらの製造方法ならびにそれらの樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、酸触媒の存在下でフェノール、ジシクロペンタジエンおよび特定のノルボルネン化合物を反応させることにより、ポリスチレン換算数平均分子量が320以下であり、かつ1分子中にフェノール性水酸基を1つのみ含有し、少なくともフェノール−ノルボルネン化合物の1:1付加体を含む一官能性成分(以下、単に「一官能性成分」と称することがある。)が含まれるフェノール樹脂が得られ、該フェノール樹脂が硬化後の耐熱性と成形時の流動性のバランスが優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、フェノール、ジシクロペンタジエンおよび下記の一般式(1)で示されるノルボルネン化合物を反応させて得られるフェノール樹脂であって、ポリスチレン換算数平均分子量が320以下であり、かつ1分子中にフェノール性水酸基を1つのみ含有し、少なくとも下記の一般式(2)で示されるフェノール−ノルボルネン化合物付加体(フェノール−ノルボルネン化合物の1:1付加体)を含む一官能性成分の含有量が、該樹脂の2質量%を超え10質量%以下であることを特徴とするフェノール樹脂に関する。
【化3】
【化4】
さらに、酸触媒の存在下にフェノールとジシクロペンタジエンとを接触させる反応工程を含むフェノール樹脂の製造方法において、反応工程において上記一般式(1)で示されるノルボルネン化合物をジシクロペンタジエンと該ノルボルネン化合物の合計量に対して5質量%を超え30質量%以下となるように共存させことにより、ポリスチレン換算数平均分子量が320以下で、かつフェノール性水酸基を1つのみ含有し、少なくとも上記一般式(2)で示されるフェノール−ノルボルネン化合物付加体を含む一官能性成分の含有量が該樹脂の2質量%を超え10質量%以下にすることを特徴とするフェノール樹脂の製造方法に関する。
また、上記製造法により得られたフェノール樹脂とエピハロヒドリン類との反応で得られるエポキシ樹脂に関する。
さらに、エポキシ樹脂、上記製造法により得られるフェノール樹脂等からなる硬化剤、硬化促進剤および無機充填剤を必須成分として含有する半導体封止材用のエポキシ樹脂組成物あるいは上記製造法により得られるエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤および無機充填剤を必須成分として含有する半導体封止材用のエポキシ樹脂組成物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のフェノール樹脂は、酸触媒の存在下にて、フェノール、ジシクロペンタジエンおよび特定のノルボルネン化合物を反応させることにより製造される。
フェノールは、製造方法の違いにより、不純物の少ない合成系フェノールと、純度が若干低い石炭抽出系フェノールに大別されるが、いずれも好ましく使用することができる。
【0008】
ジシクロペンタジエンは、工業的に入手できるいずれのものも使用できるが、下記の一般式(1)で示されるノルボルネン化合物を含むものが好ましい。該ノルボルネン化合物の含有量が少ないジシクロペンタジエンを用いる場合は、別途用意した該ノルボルネン化合物を使用してもよい。
【化5】
【0009】
上記ノルボルネン化合物としては、具体的にはビニルノルボルネン、メチルエテニルノルボルネン、プロペニルノルボルネン、イソプロペニルノルボルネン、プロピニルノルボルネン、ブタンジエニルノルボルネンなどが挙げられる。これらの化合物は単独でも複数混合していてもよく、その組成割合は特に限定されない。
【0010】
酸触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸およびギ酸、酢酸、シュウ酸などの有機酸、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素・エーテル錯体、三フッ化ホウ素・フェノール錯体、三フッ化ホウ素・水錯体、三フッ化ホウ素・アルコール錯体、三フッ化ホウ素・アミン錯体などのフリーデル・クラフツ触媒、または、これらの混合物等が用いられる。これらの中でも特に、触媒活性および触媒除去の容易さの点から、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素・フェノール錯体、三フッ化ホウ素・エーテル錯体が好ましく用いられる。
【0011】
本発明のフェノール樹脂は、上記のフェノール、ジシクロペンタジエンおよびノルボルネン化合物を酸触媒の存在下で反応させることにより得られ、ポリスチレン換算数平均分子量が320以下でありかつ1分子中にフェノール性水酸基を1つのみ含有し、少なくとも下記の一般式(2)で示されるフェノール−ノルボルネン化合物付加体を含む一官能性成分の含有量が、該樹脂の2質量%を超え10質量%以下に制御することを特徴とする。含有量が2質量%以下では樹脂の流動性の改善効果が十分でなく、10質量%を超える場合は樹脂の耐熱性が必要以上に低下するため好ましくない。
【化6】
一官能性成分として上記一般式(2)で示される化合物以外の化合物、例えばフェノールとジシクロペンタジエンの1:1付加物等を含んでいてもよく、それらの含有比率は特に限定されるものではないが、特に上記の一般式(2)で示される化合物は、フェノールと上記一般式(1)で示されるノルボルネン化合物とがほぼ定量的に反応することで生成するため、上記のノルボルネン化合物の量を調整することにより、樹脂中の量を容易に制御することが可能である。
【0012】
一般式(2)で示される化合物を含む一官能性成分は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により分取して単離した成分を核磁気共鳴(NMR、磁気周波数400MHz)で分析することにより同定することができる。同定は、1H−NMR測定チャートにおいて、0〜6ppmおよび6.5〜8.5ppmのピークの面積強度を用いて計算される分子中の脂肪族水素含有率により行うことができる。
一般式(2)で示される化合物を含む一官能性成分のフェノール樹脂中の含有量は、GPC分析により、ポリスチレン換算数平均分子量320以下相当の領域に検出されるそれらの量を測定することにより求めることができる。なおポリスチレン換算数平均分子量とは、GPC測定において、同等の保持時間を有するポリスチレンの分子量に換算した分子量から計算した数平均分子量である。
【0013】
反応に使用する上記ノルボルネン化合物の量としては、得られる樹脂の物性を改善できる範囲で特に制限されるものではないが、ジシクロペンタジエンと該ノルボルネン化合物の合計量に対して5質量%を超え30質量%以下が好ましく、さらには7質量%を超え20質量%以下が好ましい。これらの範囲で調整することにより、上記の一般式(2)で示される化合物の樹脂中の含有量を好ましく制御することが可能であり、5質量%以下の場合は、得られるフェノール樹脂の流動特性の改善効果が十分ではなく、また、30質量%を超える場合は、流動特性が改善される反面、硬化性が著しく低下するため好ましくない。
【0014】
反応に使用するジシクロペンタジエンとフェノールのモル比は、目的とするフェノール樹脂の分子量および溶融粘度により、適宜に調節される。通常は、フェノール/ジシクロペンタジエン=1〜20(モル比)の範囲が好ましい。特に溶融粘度を低くするには、フェノール/ジシクロペンタジエン=2〜15(モル比)の範囲が好ましい。なお、溶融粘度が低いフェノール樹脂、及びこれをエポキシ化して得られる溶融粘度の低いエポキシ樹脂は、いずれも半導体封止材料に用いた場合にフィラーの高充填が可能で線膨張係数が小さくなり、また、耐湿性が向上するので好ましい。
【0015】
反応に使用する触媒の濃度は、フェノール、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン化合物および酸触媒の合計量に対して0.01〜0.5質量%、さらには0.03〜0.3質量%とするのが好ましい。例えば、フェノールとジシクロペンタジエンとを三フッ化ホウ素・フェノール錯体の存在下に反応させる場合は、フェノール、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン化合物および三フッ化ホウ素・フェノール錯体の合計量に対して、三フッ化ホウ素が上記範囲となるようにする。触媒濃度が0.5質量%より多い場合は、反応の進行が速くなりすぎ、また0.01質量%未満の場合は、反応の進行が著しく遅くなるため好ましくない。
なお、触媒濃度は反応の全工程にわたって維持する必要がある。したがって、フェノールと酸触媒を先に反応器に仕込み、ジシクロペンタジエンおよびノルボルネン化合物を滴下して反応させる場合、反応開始時点の触媒濃度は、実際上フェノールに対する濃度となるが、反応開始時から終了時まで上記の触媒濃度の範囲が維持されるようにする。
【0016】
また、上記触媒濃度領域においては、水分が触媒活性および反応生成物の組成に影響する。水分量が多いと触媒活性が低下し、反応の進行が遅くなる結果、樹脂組成の制御が困難となる。そのため、反応開始前における触媒添加前のフェノール、ジシクロペンタジエンおよびノルボルネン化合物中の水分濃度を500ppm以下とすることが好ましい。特にフェノールは水分を含有し易いため、適宜、脱水操作を行って水分を制御することが好ましい。脱水方法としては例えば、窒素気流下においてフェノールを必要に応じて有機溶剤とともに共沸する方法等が挙げられる。
上記酸触媒の使用量と原料中の水分量は、上記の範囲に限定されるものではなく、樹脂組成を制御しうる範囲で適宜そのバランスを調整することが好ましい。
反応に際しては、通常、反応器内を窒素、アルゴン等の不活性ガスで置換する。不活性ガスで置換された密閉系において反応を行うのが好ましいが、反応器内に不活性ガスを供給しつつ開放系で反応を行なうこともできる。反応においては、系内に水分が入り込まないようにして、反応系中の水分量を500ppm以下とすることが好ましい。
【0017】
反応方法は特に限定されるものではないが、例えば、反応器に所定量のフェノールおよび酸触媒等を仕込み、次いでノルボルネン化合物を含むジシクロペンタジエンを滴下して反応を行う方法が挙げられる。
反応温度は、反応の進行度に応じて適宜調整すれば良く、特に限定されるものではないが、本発明においては、通常30〜150℃、好ましくは50〜120℃の範囲で反応を行うことにより、反応の進行を好ましく制御することができる。
反応時間は、樹脂中の一官能性成分の量が所望の量となるところで停止させれば良く、特に制限されるものではないが、通常10分〜60時間、好ましくは1〜20時間、さらに好ましくは2〜10時間の範囲で反応を行うことにより、効率的に反応を行うことができる。
反応の終点は、反応液中の樹脂組成を確認することによって決められる。
【0018】
反応は触媒を失活させることにより終了させる。その際、反応を確実に停止させることが重要である。失活の手段は特に制限されないが、最終的に得られるフェノール樹脂中のホウ素、フッ素等のイオン性不純物の残存量が100ppm以下となるような手段を用いるのが好ましい。失活剤として、アルカリ金属、アルカリ土類金属もしくはそれらの酸化物、水酸化物、炭酸塩、水酸化アンモニウム、アンモニアガス等の無機塩基類等を用いることができるが、速く簡潔な処理が可能で、かつ処理後のイオン性不純物の残存量も少ないことからハイドロタルサイト類を失活剤として用いるのが好ましい。
【0019】
上記の反応液は、濾過により失活剤等を除去したのち濃縮工程で処理される。濃縮工程では、未反応のフェノールが回収されるとともに一官能性成分の量も調整されて、本発明のフェノール樹脂が得られる。
濃縮条件は、濃縮系内の温度や圧力と蒸気圧との関係から一定の条件が定められるものではないが、以下の条件で行うことにより最も効率的な濃縮が可能となる。
すなわち、系内温度については、樹脂の分解が起こらない範囲であれば特に制限されるものではないが、250℃以下が好ましく、さらに好ましくは180〜220℃の範囲である。
系内圧力については、常圧、減圧、加圧のいずれの条件下で実施しても良いが、前記の温度範囲で濃縮を円滑にかつ迅速にすませるために系内を減圧下にすることが好ましい。具体的には、66.5kPa(500torr)以下の範囲が好ましく、特に40kPa(300torr)以下にすることが好ましい。
さらに、樹脂中の未反応フェノールを効率良く除去するために、減圧条件下において系内に窒素あるいは高圧水蒸気等を吹き込む操作を行うのが好ましい。
系内に導入する水蒸気あるいは窒素の圧力については特に限定されるものではないが、具体的には0.3〜2.0MPaの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜1.5MPaの範囲で吹き込み操作を行った場合に効率良く不純物を除去できる。
【0020】
濃縮方法は特に制限されるものではないが、好ましい濃縮方法として以下の例が挙げられる。濾過を行った反応液(濾液)を濃縮を行う釜に移送した後、加熱を開始すると同時に系内を連続的に減圧していく。系内が200℃に到達した時点で系内をフル減圧とし、13kPa(100torr)以下とする。任意の時間、この状態で濃縮を行った後、減圧下において高圧水蒸気を系内に吹き込み、最終的に水蒸気を残留させないよう窒素を吹き込むことにより濃縮を終了する。
濃縮の終了点は、GPC分析により、未反応フェノールおよびポリスチレン換算数平均分子量320以下の領域に検出される一官能性成分の量を確認することによって決定される。フェノール樹脂中における一官能性成分の含有量は、2質量%を超え10質量%以下になっていることが必要である。また、未反応フェノールの含有量は製品を使用する際の環境への配慮の点からは少ない方が好ましいが、生産効率および品質の面から、樹脂中の残存量が500ppm以下になるようにすれば十分であり好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下である。すなわち、500ppmより多い場合は、樹脂の性能や環境への影響の面から好ましくなく、一方、より少なくしようとすると濃縮時間が長くなる等の問題があるため、それらのバランスを考慮することが大切である。
【0021】
反応工程において、一般式(2)で示される化合物を含む一官能性成分の生成量を特定量に制御し、反応工程終了時に一官能性成分の合計の含有量が樹脂全体の2質量%を超え25質量%以下であれば、後の濃縮工程で一官能性成分を容易に調整することができ、最終的にそれらの含有量が適量に制御されたフェノール樹脂を得ることが可能となる。
濃縮工程においては、減圧下で高圧水蒸気の吹き込み操作を行うことにより、樹脂中の一官能性成分の含有量を2質量%を超え10質量%以下とすることができる。さらには、一官能性成分の含有量を2〜8質量%にするのが好ましい。
なお、この一官能性成分中には一般式(2)で示されるフェノール−ノルボルネン化合物付加体(フェノール−ノルボルネン化合物の1:1付加体)が含有されている。
以上のように、反応工程および濃縮工程において一官能性成分の量を制御することにより、本発明の耐熱特性と流動性のバランスの良好なフェノール樹脂を得ることが可能となる。
【0022】
また本発明のフェノール樹脂を封止材用樹脂として使用した場合に、優れた硬化性、成形性等を示し、硬化後に優れた耐熱性、耐湿性等を付与するために、フェノール樹脂の樹脂物性を以下のように制御することが重要である。ジシクロペンタジエン1分子にフェノールが2分子付加した、フェノール性水酸基を2つ含有する化合物(以下、二核体成分と称することがある。)の樹脂中における含有量は、樹脂の粘度、流動性、硬化性等に大きく影響するため、適宜調整することが重要である。
フェノール樹脂中の二核体成分の含有量としては、30〜90質量%が好ましく挙げられ、特に40〜80質量%の範囲において好ましい硬化特性を示す。二核体成分の含有量が30質量%未満の場合は樹脂の流動性が低下して成形性が悪くなり、また90質量%より多い場合は流動性は良好であるものの硬化後の架橋密度が低下するため好ましくない。二核体成分の量は、主としてフェノールとジシクロペンタジエンの反応モル比によって制御可能であり、モル比を適宜調整して二核体成分の量を制御するのが好ましい。
また、樹脂粘度は成形時の流動特性に大きく影響を与えるため適度に調節する必要がある。粘度の規定については特に限定されるものではないが、例えばキャノン−フェンスケ動粘度管手法による、n−ブタノールの50%樹脂溶液の溶液粘度を把握することが有効であり、同法による溶液粘度において10mm2/sec〜200mm2/secの範囲に入るものが好ましく、特に30mm2/sec〜180mm2/secの範囲で制御された樹脂は好ましい流動特性を発揮する。
また、樹脂中のフェノール性水酸基含有量は硬化特性等に影響するため、適宜調節する必要がある。フェノール性水酸基含有量の規定については特に制限されるものではないが、例えばピリジン−無水酢酸溶液中でのアセチル化物のアルカリ逆滴定法で測定された樹脂中水酸基の当量で165g/eq〜300g/eqの範囲が好ましく、特に170g/eq〜250g/eqに調整された樹脂は好ましい硬化特性を発揮するだけでなく、流動性とのバランスが良く成型時のハンドリングが非常に良好である。
本明細書に記載の製造方法によれば、上記の樹脂物性を満足するフェノール樹脂を製造することができる。
以上のようにして得られたフェノール樹脂は、耐熱性、耐湿性、耐クラック性に優れ、さらに流動性に優れるため成形性が良好であり、電気絶縁材料、特に半導体封止材用あるいは積層板用のエポキシ樹脂の硬化剤として、もしくはエポキシ樹脂の原料として有用であるが、特にその用途が限定されるものではない。
【0023】
続いて本発明のエポキシ樹脂の製造方法について説明する。
本発明のエポキシ樹脂は、上記のフェノール樹脂を、塩基触媒の存在下でエピハロヒドリン類と反応させグリシジル化することにより得ることができる。
グリシジル化の反応は、常法により行うことができる。具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基の存在下、通常10〜150℃、好ましくは30〜80℃の温度で、フェノール樹脂を、エピハロヒドリン類すなわちエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン等のグリシジル化剤と反応させたのち、水洗、乾燥することにより得ることができる。
グリシジル化剤の使用量は、フェノール樹脂に対して好ましくは2〜20倍モル当量、特に好ましくは3〜7倍モル当量である。
また反応の際、減圧下にて、グリシジル化剤との共沸蒸留により水を留去することによって反応をより速く進行させることができる。
また本発明のエポキシ樹脂を電子分野で使用する場合、副生する塩化ナトリウム等の塩は、水洗工程で完全に除去しておかなければならない。この際、未反応のグリシジル化剤を蒸留により回収して反応溶液を濃縮した後、濃縮物を溶剤に溶解して水洗してもよい。好ましい溶剤としては、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、ブチルセロソルブ等を挙げることができる。水洗した濃縮物は、加熱濃縮を行う。
【0024】
本発明のエポキシ樹脂を封止材用樹脂として使用した場合に、優れた硬化性、成形性等を示し、硬化後に優れた耐熱性、耐湿性等を付与するために、エポキシ樹脂の樹脂物性を以下のように制御することが重要である。
樹脂中の二核体成分にグリシジル基が2つ付加した化合物(以下、二核体エポキシ化成分と表現することがある)の含有量は、樹脂の粘度、流動性、硬化性に大きく影響を与えるため、適宜調整することが重要である。すなわちエポキシ樹脂中の二核体エポキシ化成分の含有量は、30〜90質量%であるのが好ましく、特に40〜80質量%の範囲が好ましい。30質量%未満の場合は、流動性が低下し硬化物の成形性に大きく影響を与え、また90質量%より多い場合は良好な流動性が得られるものの、架橋密度が低下し硬化特性を悪化させるため好ましくない。
樹脂粘度は成形時の流動特性に大きく影響を与えるため適度に調節する必要がある。この粘度の規定については特に限定されるものではないが、例えばキャノン−フェンスケ動粘度管手法による、1,4−ジオキサンの50%樹脂溶液の溶液粘度を把握することが有効であり、同法による溶液粘度において、100mm2/sec以下の範囲が好ましく、特に70mm2/sec以下の範囲で制御された化合物は好ましい流動特性を発揮する。
エポキシ樹脂中のエポキシ基の含量は、通常200〜500g/eq、好ましくは250〜450g/eqであるのが望ましい。エポキシ基の含量が500g/eq以上の場合には、架橋密度が低くなりすぎるため好ましくない。
本発明に記載の製造法によれば、上記の物性を満足するエポキシ樹脂を製造することができる。
このようにして得られたエポキシ樹脂は、従来の方法で得られる同様の構造を有するエポキシ樹脂と比較すると流動性に優れ成形性が良好である。またエポキシ基の濃度が高いため硬化性および耐熱性に優れる。特に耐ハンダクラック性に著しく優れる等の利点から半導体封止材料用途が極めて有用である。また、積層板用のエポキシ樹脂組成物原料としても有用であり、エポキシ樹脂の溶剤への溶解性に優れるために電気積層板用途でのワニス等として用いることができる。
また、本発明のエポキシ樹脂を臭素化多価フェノール類で変性を施したオリゴマー型エポキシ樹脂を積層板用途に用いることもできる。さらにはこれに多官能型エポキシ樹脂を配合或いは変性して耐熱性を付与させたものも使用できる。また高分子型エポキシ樹脂を得るため、2段法反応の原料樹脂として当該樹脂を使用することも可能である。その他、粉体塗料、ブレーキシュー等にも有用であり、特にその用途が限定されるものではない。
【0025】
続いて、本発明の半導体封止材用エポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤および無機充填剤を必須成分として含有するが、エポキシ樹脂として本発明のエポキシ樹脂を用い、または、硬化剤として本発明のフェノール樹脂を用いることを特徴とする。
エポキシ樹脂として、本発明のエポキシ樹脂を用いる場合、さらにその他のエポキシ樹脂を併用しても構わない。他のエポキシ樹脂としては、公知のものが何れも使用でき、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型2官能エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中でも、特に耐熱性に優れる点からオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が、また流動性に優れる点からビフェニル型二官能エポキシ樹脂が好ましい。上記の他の公知のエポキシ樹脂は、本発明のフェノール樹脂を硬化剤として用いる場合にもエポキシ樹脂として用いることができる。
【0026】
硬化剤としては、本発明のフェノール樹脂に加え、通常エポキシ樹脂の硬化剤として常用されている化合物はすべて使用することができ、特に限定されるものではないが、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族アミン類、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族アミン類、フェノールノボラック樹脂、オルソクレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ビスフェノールFノボラック樹脂、フェノール類−ジシクロペンタジエン重付加型樹脂、ジヒドロキシナフタレンノボラック樹脂、キシリデンを結接基とした多価フェノール類、フェノールアラルキル樹脂、ナフトール類樹脂、ポリアミド樹脂およびこれらの変性物、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸などの酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミド、イミダゾール、三フッ化ホウ素・アミン錯体、グアニジン誘導体等の潜在性硬化剤等が挙げられる。
中でも半導体封止材用としては上記フェノールノボラック樹脂等の芳香族炭化水素−ホルムアルデヒド樹脂が耐熱性、成形性に優れ、またフェノールアラルキル樹脂が耐熱性、成形性、低吸水性に優れる点から好ましい。
硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂組成物に十分な耐熱性を付与する量であれば特に限定されないが、好ましくはエポキシ樹脂の一分子中に含まれるエポキシ基の数と、硬化剤中の活性水素の数が当量付近となる量である。
【0027】
また、硬化促進剤を適宜使用することができる。硬化促進剤としては公知のものがいずれも使用できるが、例えば、リン系化合物、第三級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸・アミン錯塩等が挙げられ、これらは単独のみならず2種以上の併用も可能である。
【0028】
無機充填剤は、半導体封止材料の機械的強度、硬度を高め、低吸水率、低線膨張係数を達成し、クラック防止効果を高めることができる。
用いる無機充填剤としては特に限定されないが、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、タルク、クレー、ガラス繊維等が挙げられる。これらの中でも、特に半導体封止材料用途においては溶融シリカ、結晶シリカが一般的に用いられており、特に流動性に優れる点から溶融シリカが好ましい。また球状シリカ、粉砕シリカ等も使用できる。
無機充填剤の配合量は特に限定されるものではないが、組成物中75〜95質量%の範囲であることが好ましく、特に半導体封止剤用途において耐ハンダクラック性が非常に優れるため、この範囲が好ましい。本発明においては75質量%以上としても流動性、成形性を全く損なうことがない。
【0029】
上記の成分の他に必要に応じて、着色剤、難燃剤、離型剤、またはカップリング剤などの公知の各種の添加剤も適宜配合することができる。半導体封止材料としては、テトラブロモA型エポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等の臭素化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン、ヘキサブロモベンゼン等の難燃剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、天然ワックス、合成ワックス等の雌型剤及びシリコンオイル、合成ゴム、シリコーンゴム等の低応力添加剤等の添加剤を適宜配合することが好ましい。
【0030】
また、上記の各成分を用いて成型材料を調製するには、エポキシ樹脂、硬化剤、および無機充填剤、さらには硬化促進剤、その他の添加剤をミキサー等によって十分に均一に混合した後、更に熱ロールまたはニーダー等で溶融混練し、射出成形あるいは冷却後粉砕等を行う。
【0031】
【実施例】
次に本発明を製造例、実施例およびその比較例により具体的に説明する。
なお、フェノール樹脂の特性は以下の方法により測定した。
1)一官能性成分の含有量(質量%)
一官能性成分をフェノール樹脂中から分取GPC、オープンカラム等を用い単離精製し、NMR等を用いて同定を行った。また、分析GPCを用いポリスチレン換算数平均分子量320以下の範囲内に検出される物質の量を測定し、フェノール樹脂全体の測定チャートの面積比からフェノール樹脂全体に対する一官能性成分の含有量とした。測定はフェノール樹脂の1質量%テトラヒドロフラン(THF)溶液でWATERS社製高速液体クロマトグラフィーシステム「ミレニアム」を用いて行った。
2)OH当量
フェノール樹脂をピリジン−無水酢酸混合溶液中で加熱還流し、反応後の溶液を水酸化カリウムで逆滴定することにより決定した。
3)軟化点
JIS K2207に記載の環球式軟化点測定法に従い測定した。
4)溶液粘度
フェノール樹脂はn−ブタノール溶液、エポキシ樹脂は1,4−ジオキサン溶液とし、それぞれ固形分濃度50±0.001%として、逆流型キャノンフェンスケ粘度計で恒温槽水温25℃で測定した。
5)二核体成分量および二核体エポキシ化成分量
樹脂の1質量%THF溶液を用い、WATERS社製の示差屈折検出器「WATERS410」により検出し、同社製高速液体クロマトグラフィーシステム「ミレニアム」を用いて測定した。
【0032】
<製造実施例1>
[フェノール樹脂(I)の製造]
攪拌機、温度計を設置した4つ口フラスコにフェノール1500gにトルエン100gを添加して、共沸脱水を行い、フェノール中の水分を400ppmとした。このフェノール1050g(11.1モル)に三フッ化ホウ素・フェノール錯体1.5gを添加し十分攪拌した。その後攪拌しながら以下の組成を有するノルボルネン化合物を含むジシクロペンタジエン188g(ジシクロペンタジエン1.3モル)を系内温度70℃に保ちながら2時間かけて添加した。
該組成の内訳はジシクロペンタジエン89.9質量%、ビニルノルボルネン3.3質量%、プロペニルノルボルネン、イロプロペニルノルボルネンの合計5.3質量%、その他炭素数3のアルキル基付加ノルボルネン1.2質量%、炭素数4のアルキル基付加ノルボルネン0.3質量%であった。
その後、系内温度を150℃に昇温後加熱攪拌を3時間保持した。系内温度を90℃まで低下させた後、得られた反応生成物溶液にハイドロタルサイト「KW−1000」(商品名:協和化学工業(株)製)10gを添加し反応を失活させた。反応溶液をろ過し、得られた溶液から未反応フェノールを蒸留回収しながら190℃に昇温し13kPa(100torr)の減圧下で窒素バブリングを施し3時間保持した。その結果、赤褐色のフェノール樹脂(I)413gを得た。
この樹脂中のフェノール−ノルボルネン化合物1:1付加体を含む一官能性成分の含有量は5.7質量%であった。また二核体成分の含有量は62質量%であった。
この樹脂の各物性を測定したところ、軟化点は86℃、水酸基当量は178g/eqであった。n−ブタノール50質量%溶液の25℃における溶液粘度は85mm2/secであった。
【0033】
<製造実施例2>
[エポキシ樹脂(I)の製造]
(グリシジル化反応)
撹拌機、還流冷却器および温度計付きの3リットル4つ口フラスコに、製造実施例1で製造したフェノール樹脂(I)178gとエピクロルヒドリン400gとを仕込んだ後、撹拌、溶解した。反応系内の圧力を20kPa(150torr)に調節し、68℃に昇温した。そこへ、濃度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液100gを連続的に添加しながら3.5時間反応させた。該反応により生成する水および水酸化ナトリウム水溶液の水を、水−エピクロルヒドリン共沸混合物の還流により分解し、反応系外へ連続的に除去した。反応終了後、反応系を常圧に戻し、110℃まで昇温して反応系の水を完全に除去した。過剰のエピクロルヒドリンを常圧下で蒸留除去し、さらに2kPa(15torr)の減圧下に140℃で蒸留を行った。
(水洗)
生成した樹脂、塩化ナトリウムの混合物に、メチルイソブチルケトン300gおよび10質量%の水酸化ナトリウム水溶液36gを加え、85℃で1.5時間反応を行った。反応終了後、メチルイソブチルケトン750gおよび水300gを加え、下層の無機塩水溶液を分液除去した。油層と水層の分離性は非常に良かった。
次にメチルイソブチルケトン液層に水150gを加えて洗浄し、リン酸で中和し、水層を分離したのちさらに水800gで洗浄して水層を分離した。
定量的に無機塩類を回収した後、メチルイソブチルケトン液層を常圧下で蒸留し、続いて0.67kPa(5torr)、140℃で減圧蒸留を行い、216gのエポキシ樹脂(I)を得た。
得られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量が265g/eq、1,4−ジオキサン50質量%の溶液粘度が21mm2/sec、二核体エポキシ化成分の含有量が51質量%であった。
【0034】
<製造比較例1>
[フェノール樹脂(II)の製造]
組成内訳がジシクロペンタジエン97.1質量%、ビニルノルボルネン1.9質量%、プロペニルノルボルネン、イロプロペニルノルボルネンの合計0.9質量%、その他炭素数3のアルキル基付加ノルボルネン0.1質量%の混合不飽和炭化水素類を用いた以外は製造実施例1と同様に製造を行い、赤褐色のフェノール樹脂(II)410gを得た。
この樹脂中のフェノール−ノルボルネン化合物1:1付加体を含む一官能性成分の含有量は0.8質量%であった。また二核体成分の含有量は66質量%であった。
この樹脂の各物性を測定したところ、軟化点は89℃、水酸基当量は172g/eqであった。n−ブタノール50質量%溶液の25℃における溶液粘度は89mm2/secであった。
【0035】
<製造比較例2>
[エポキシ樹脂(II)の製造]
製造比較例1で製造したフェノール樹脂(II)172gを使用した以外は、製造実施例2と同様に製造を行い、213gのエポキシ樹脂(II)を得た。
得られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量が263g/eq、1,4−ジオキサン50質量%の溶液粘度が25mm2/sec、二核体エポキシ化成分の含有量が54質量%であった。
【0036】
<製造比較例3>
[フェノール樹脂(III)の製造]
炭素数10以下のノルボルネン化合物の含有量が22.1質量%のジシクロペンタジエン188g(ジシクロペンタジエン1.1モル)を用いた以外は製造実施例1と同様に製造を行い、赤褐色のフェノール樹脂(III)422gを得た。
この樹脂中のフェノール−ノルボルネン化合物1:1付加体を含む一官能性成分の含有量は11.3質量%であった。また二核体成分の含有量は57質量%であった。
この樹脂の各物性を測定したところ、軟化点は82℃、水酸基当量は185g/eqであった。n−ブタノール50質量%溶液の25℃における溶液粘度は76mm2/secであった。
【0037】
<製造比較例4>
[エポキシ樹脂(III)の製造]
(グリシジル化反応)
製造比較例3で製造したフェノール樹脂(III)176gを使用した以外は製造実施例2と同様に製造を行い、215gのエポキシ樹脂(III)を得た。
得られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量が267g/eq、1,4−ジオキサン50質量%の溶液粘度が21mm2/sec、二核体エポキシ化成分の含有量が51質量%であった。
【0038】
<実施例1および比較例1、2>
上記で製造したフェノール樹脂を用いてエポキシ樹脂組成物としての流動性と硬化性についての比較を行った。表1で示される配合に従って調製した混合物を熱ロールにて100℃、8分間混練し、その後粉砕したものを120〜140MPa(1200〜1400kg/cm2)の圧力にてタブレットを作成し、それを用いてトランスファー成形機にてプランジャー圧力8MPa(80kg/cm2)、金型温度175℃、成形時間100秒の条件下にて封止し、厚さ2mmのフラットパッケージを評価用試験片として作成した。その後175℃で8時間の後硬化を施した。エポキシ樹脂組成物の流動性の指標としてゲルタイムと試験用金型を用い175℃、7MPa(70kg/cm2)、120秒の条件のスパイラルフローの測定を行った。また、評価用試験片を用いて硬化性の指標としてDMAによるガラス転移温度の測定を行った。また85℃、85%RHの雰囲気中168時間放置し吸湿処理を行い吸水率の測定を行った。また、この後260℃のハンダ浴に10秒浸せきさせた際のクラック発生率を調べた。これらの結果を表1に示す。実施例1は流動性と耐熱性のバランスがよく、比較例1は流動性が悪く、また比較例2は耐熱性が劣る。
なお、フェノールノボラックはタマノール758(荒川化学(株)製、軟化点83℃、水酸基当量104g/eq)を用いた。オルソクレゾールノボラックエポキシはESCN−220L(住友化学(株)製、軟化点66℃、エポキシ当量212g/eq)を用いた。
【0039】
【表1】
【0040】
<実施例2および比較例3、4>
上記で製造したエポキシ樹脂を用いてエポキシ樹脂組成物としての流動性と硬化性についての比較を行った。表2で示される配合に従って調製した混合物を熱ロールにて100℃、8分間混練し、その後粉砕したものを120〜140MPa(1200〜1400kg/cm2)の圧力にてタブレットを作成し、それを用いてトランスファー成形機にてプランジャー圧力8MPa(80kg/cm2)、金型温度175℃、成形時間100秒の条件下にて封止し、厚さ2mmのフラットパッケージを評価用試験片として作成した。その後175℃で8時間の後硬化を施した。エポキシ樹脂組成物の流動性の指標としてゲルタイムと試験用金型を用い175℃、7MPa(70kg/cm2)、120秒の条件のスパイラルフローの測定を行った。また、評価用試験片を用いて硬化性の指標としてDMAによるガラス転移温度の測定を行った。また85℃、85%RHの雰囲気中168時間放置し吸湿処理を行い吸水率の測定を行った。また、この後260℃のハンダ浴に10秒浸せきさせた際のクラック発生率を調べた。これらの結果を表2に示す。実施例2は流動性と耐熱性のバランスがよく、比較例3は流動性が悪く、また比較例4は耐熱性が劣る。
なお、フェノールノボラックはフェノライトTD−2131(大日本インキ化学(株)製、軟化点80℃、水酸基当量104g/eq)を用いた。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、流動性が良好で半導体を封止する際の成形性に優れる上に、更に封止硬化後の耐熱性に優れるフェノール樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物及び半導体封止材料を提供することができる。
Claims (7)
- フェノール、ジシクロペンタジエンおよび下記の一般式(1)で示されるノルボルネン化合物から、下記( I )から( IV )の工程を含む方法で製造して得られるフェノール樹脂であって、ポリスチレン換算数平均分子量が320以下で、かつ1分子中にフェノール性水酸基を1つのみ含有し、少なくとも下記の一般式(2)で示されるフェノール−ノルボルネン化合物付加体を含む一官能性成分の含有量が、該樹脂の2質量%を超え10質量%以下であることを特徴とするフェノール樹脂。
( I )酸触媒の存在下にフェノール、ジシクロペンタジエンおよび前記一般式(1)で示されるノルボルネン化合物を反応させる工程、
( II )触媒を失活させて反応を停止させる工程、
( III )失活剤を反応液から除去する工程、
( IV )失活剤を除去した後の反応液を濃縮し、前記一官能性成分のフェノール樹脂中の含有量を2質量%を超え10質量%以下に調整する工程。
- 以下の工程( I )から( IV )からなる、ポリスチレン換算数平均分子量が320以下で、かつ1分子中にフェノール性水酸基を1つのみ含有し、請求項1記載の一般式(2)で示されるフェノール−ノルボルネン化合物付加体を少なくとも含む一官能性成分の含有量が、該樹脂の2質量%を超え10質量%以下であるフェノール樹脂の製造方法。
( I )酸触媒の存在下に請求項1記載の一般式(1)で示されるノルボルネン化合物をジシクロペンタジエンとノルボルネン化合物の合計量に対して5質量%を超え30質量%以下とし、フェノール、ジシクロペンタジエンおよび前記一般式(1)で示されるノルボルネン化合物を反応させる工程、
( II )触媒を失活させて反応を停止させる工程、
( III )失活剤を反応液から除去する工程、
( IV )失活剤を除去した後の反応液を濃縮し、前記一官能性成分のフェノール樹脂中の含有量を2質量%を超え10質量%以下に調整する工程。 - 前記工程( I )において、ポリスチレン換算数平均分子量が320以下で、かつ1分子中にフェノール性水酸基を1つのみ含有し、請求項1記載の一般式(2)で示されるフェノール−ノルボルネン化合物付加体を少なくとも含む一官能性成分の含有量が、該樹脂全体の2質量%を超え25質量%以下となるように反応させる請求項2に記載のフェノール樹脂の製造方法。
- 請求項1に記載のフェノール樹脂とエピハロヒドリン類との反応で得られるエポキシ樹脂。
- 請求項2あるいは3に記載の製造方法によりフェノール樹脂を製造し、次いで塩基触媒の存在下で当該フェノール樹脂とエピハロヒドリン類を反応させるエポキシ樹脂の製造方法。
- エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤および無機充填剤を必須成分として含有する半導体封止材用のエポキシ樹脂組成物において、硬化剤が請求項1に記載のフェノール樹脂であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 請求項4に記載のエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤および無機充填剤を必須成分として含有することを特徴とする半導体封止材用のエポキシ樹脂組成物。
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