JP4615913B2 - 燃料油組成物 - Google Patents
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Description
ところで、ディーゼルエンジン車は、ガソリンエンジン車に比べて、燃費効率がよく、二酸化炭素の削減に有効である上、燃料油として用いられる軽油は、ガソリンに比べてコストが低いというメリットがある。しかしながら、ディーゼル車から排出される燃焼ガス中に含まれるPMが、近年、環境汚染の問題で大きくとりあげられている。このPMは、すすなどの燃料油の細かな燃えかすであって、人体に入ると呼吸器系に悪影響を与えることが知られている。したがって、排出ガス中のPMの削減がディーゼル車の最大の課題となっている。
そのため、わが国では、2005年に達成をめざす新規制において、メーカー各社は現行規制の1/3までPM排出量を削減しなければならず、また、東京都においては都内を走るディーゼル車にDPF(ディーゼル微粒子除去装置:ディーゼル・パティキュレート・フィルター)の装着を義務づけられており、他の自治体にも広がる可能性が大きい。
GTL軽油はその合成経路から明らかなように、排ガス中のPMの原因と考えられる芳香族成分、SOxの原因である硫黄分をほとんど含まないため、低環境負荷型の燃料油基材として適しているといえる。
しかしながら、GTL軽油を用いた燃料油は、従来の軽油を前提として設計されたディーゼルエンジンにおいては、GTL軽油が低密度であるため出力が低下し、燃費が悪化するという問題がある。またノルマルパラフィンの含有量が高いことから、燃料油として用いた場合には低温流動性が十分でなく、冬季使用において燃料系に設置されているフィルタを閉塞するという問題がある。
一方、芳香族成分が実質的に含まれていないため、噴射ポンプで使用されているゴムシール材(特にNBR系ゴム)に対して膨潤性が小さく、通常の軽油からGTL軽油に燃料を切り替えた際にゴムシール材の収縮によりシール部からの燃料漏れが懸念される。
GTL軽油の低温流動性を改善する方法や、石油系燃料と混合する方法などこれまで種々検討されており、実質的に硫黄を含まないパラフィン組成物と極性基含有潤滑性向上剤を含む異性化率の低い軽油(例えば、特許文献1参照)、異性化GTL軽油(例えば,特許文献2参照)、従来のディーゼル燃料油より沸点範囲の広い、ワイドカットフィッシャートロプシュ由来の異性化GTL軽油(例えば、特許文献3参照)、分解軽油基材とGTL軽油の混合(例えば、特許文献4参照)、水素化分解軽油とGTL軽油の混合(例えば、特許文献5参照)、蒸留範囲が150〜380℃の精製された基油とGTL軽油の混合(例えば、特許文献6参照)等が挙げられるが、低温流動性が不十分であったり、低温流動性が改善されていても軽質カットまたは異性化率の向上しか検討はなされておらず、低温流動性向上剤の効果を引き出す方法は見出されておらず、満足のいくものではなかった。
(1)基材として(A)GTL(Gas To Liquid)を含み、以下の性状値を有することを特徴とする燃料油組成物、
(a)沸点;155〜380℃
(b)密度;15℃で測定した値が0.77〜0.83g/cm3
(c)動粘度;2.0〜3.5mm2/s
(d)硫黄分含有量;10質量ppm以下
(e)全芳香族化合物含有量;3〜20容量%
(f)2環芳香族化合物含有量;3容量%以下
(g)3環以上の芳香族化合物含有量;0.5容量%以下
(h)曇り点;3℃以下
(i)目詰まり点:−5℃以下
(j)流動点;−7.5℃以下
(k)セタン価;50〜75
(l)アニリン点;70〜90℃
(2)さらに、(m)炭素数20以上のノルマルパラフィン中に含まれる炭素数25以上のノルマルパラフィンの割合が1.5質量%以上、である上記(1)の燃料油組成物、
(3)基材として、(A)GTL10〜80容量%、(B)灯油留分15〜60容量%、(C)その他の軽油基材0〜75容量%の割合で含む上記(1)又は(2)の燃料油組成物、
(4)(A)成分に対する(B)成分の容量比(B)/(A)が、0.25〜1.5である上記(3)の燃料油組成物、
(5)(A)成分が、ノルマルパラフィンの含有量が50〜60質量%である上記(1)〜(4)の燃料油組成物、
(6)(A)成分が、炭素数20以上のパラフィン中に含まれるノルマルパラフィンの割合が0〜50質量%である上記(1)〜(5)の燃料油組成物、
(7)(A)成分が、炭素数6〜30の飽和炭化水素の含有量97質量%以上であって、炭素数20以上のノルマルパラフィン中に含まれる炭素数25以上のノルマルパラフィン含有量3質量%以上、かつ90容量%留出時の蒸留温度330〜360℃である上記(1)〜(6)の燃料油組成物、
(8)(B)成分が、沸点範囲150〜300℃、単環芳香族化合物含有量10〜30容量%、2環芳香族化合物含有量1.0容量%以下、3環以上の芳香族化合物含有量0.1容量%以下、アニリン点70℃以下、硫黄含有量10ppm以下である上記(3)又は(4)の燃料油組成物、
(9)(C)成分が、曇り点5℃以下、ワックス析出率0.45質量%/℃以下、炭素数20以上のノルマルパラフィン中に含まれる炭素数25以上のノルマルパラフィン含有量3質量%以上、かつ、95容量%留出温度と80容量%留出温度の差が25℃以上である請求3又は4記載の燃料油組成物、
(10)30℃で測定した動粘度が2.5〜3.5mm2/sである上記(1)〜(9)の燃料油組成物、
(11)目詰まり点−12℃以下、流動点−20℃以下であって、かつ、30℃で測定した動粘度が2.0〜3.0mm2/sである上記(1)〜(9)の燃料油組成物、
(12)流動性向上剤50〜1000質量ppmを含む上記(1)〜(11)の燃料油組成物、及び
(13)流動性向上剤がエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を主成分とする上記(12)の燃料油組成物、
を提供するものである。
(a)沸点;155〜380℃
(b)密度;15℃で測定した値が0.77〜0.83g/cm3
(c)動粘度;2.0〜3.5mm2/s
(d)硫黄分含有量;10質量ppm以下
(e)全芳香族化合物含有量;3〜20容量%
(f)2環芳香族化合物含有量;3容量%以下
(g)3環以上の芳香族化合物含有量;0.5容量%以下
(h)曇り点;3℃以下
(i)目詰まり点:−5℃以下
(j)流動点;−7.5℃以下
(k)セタン価;50〜75
(l)アニリン点;70〜90℃
ここでいう沸点とは、JIS K 2254「蒸圧法蒸留試験方法」により測定される初留点から終点までの範囲を示す。
さらに、当該燃料油組成物の密度は、15℃において、0.77〜0.83g/cm3であることを要し、密度を上記範囲にすることで発熱量の低下を抑え、燃料消費率の悪化を抑制することができる。密度は、JIS K 2249「原油及び石油製品−密度試験方法」により測定される。
動粘度は、JIS K 2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」により測定される。
動粘度の範囲を2.5〜3.5mm2/sに設定することで2号軽油として、また、2.0〜3.0mm2/sに設定することで3号軽油として好適に適用することができる。
さらに、当該燃料油組成物の硫黄含有量は、10質量ppm以下であることを要し、好ましくは5質量ppm以下である。硫黄含有量を上記範囲にすることにより排気ガス中の硫黄酸化物(SOx)の発生量を抑制するとともに、排気ガス後処理触媒の硫黄被毒を抑制することができ、この触媒再生の頻度を減少させることができることから燃料消費量も改善することができる。
硫黄分は、JIS K 2541−2「原油及び石油製品−硫黄分試験方法第2部微量電量滴定式酸化法」により測定できる。
好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。炭素数20以上のノルマルパラフィン中に含まれる炭素数25以上のノルマルパラフィンの割合を上記範囲にすることによって流動性向上剤の効果が大きくなり、目詰まり点と流動点を下げることができる。特に目詰まり点を下げることに有効である。
この割合の上限については、特に制限はないが、通常、15質量%程度である。
炭素数20以上および炭素数25以上のノルマルパラフィンの量については、ガスクロマトグラフィ(GC)によって測定できる。
目詰まり点及び流動点を上記範囲に設定することで2号軽油として、また、目詰まり点を−12℃以下、流動点を−20℃以下に設定することで3号軽油として好適に適用することができる。
曇り点及び流動点については、JIS K 2269「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」により測定される。
目詰まり点については、JIS K 2288「石油製品−軽油−目詰まり点試験方法」により測定できる。
セタン価は、JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」により測定できる。
また、アニリン点については、JIS K 2256「石油製品−アニリン点及び混合アニリン点試験方法」により測定できる。
(A)成分の混合割合は、容量%で10〜80が好ましい。さらに好ましくは
15〜60容量%である。(A)成分の混合割合を上記範囲にすることによって(A)成分による排ガスのPM低減効果を確保し、密度の低下による燃費の悪化を抑え、低温流動性向上剤の添加効果を得ることができる。
また、(B)成分の混合割合は、容量%で15〜60が好ましい。さらに好ましくは20〜55容量%である。(B)成分の混合割合を上記範囲にすることで、低温流動性の悪化および動粘度の低下を抑えることができる。(C)成分の混合割合は、容量%で0〜75が好ましい。さらに好ましくは5〜50容量%である。(C)成分の混合割合を上記範囲にすることで(B)成分に由来する低温流動性改善効果、及び(A)成分に由来する排ガスのPM低減効果を確保することができる。
0.3〜1.3である。(A)成分に対する(B)成分の容量比を上記範囲にすることで曇り点、ゴム膨潤性及び動粘度を適正な範囲に保ち、噴射ポンプや噴射ノズル等の摩耗を抑えることができる。
また、異性化触媒としては白金,レニウム,パラジウム等をアルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト等の担体に担持した通常用いられる異性化触媒を使用することができる。反応温度としては200〜400℃の範囲、反応圧力としては0.3〜10MPaの範囲、LHSVとしては0.3〜10hr-1の範囲で好適に異性化反応が行われる。
また、炭素数20以上のノルマルパラフィン中に含まれる炭素数25以上のノルマルパラフィン含有量3質量%以上であることが好ましく、より好ましくは
5質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上である。上記範囲にすることで流動性向上剤の添加効果を十分確保することができる。
さらに、90容量%留出温度330〜360℃が好ましく、さらに好ましくは、340〜355℃である。90容量%留出温度を上記温度範囲にすることによって、流動性向上剤の添加効果を確保し曇り点を適正な範囲に保つことができる。90容量%留出温度については、JIS K 2254「蒸圧法蒸留試験方法」により測定できる。
また、全パラフィン中のノルマルパラフィン含有量が50〜60質量%であることが好ましい。
さらに、炭素数20以上のパラフィン中に含まれるノルマルパラフィン含有量0〜50質量%であることが好ましい。より好ましくは10〜40質量%である。炭素数20以上のパラフィン中に含まれるノルマルパラフィン含有量を上記範囲にすることで異性化時の収率低下及び処理コストの増大、低温流動性の悪化を抑えることができる。
具体的には、上記性状を有する(C)成分として、脱硫軽油(DGO)、間脱軽油の脱硫品、水素化分解軽油、脱ろう軽油等の基材を単独で又は混合して使用することができる。
ここで流動性向上剤とは、流動点等を低下させる目的で配合される添加剤をいい、このようなものとしては、例えば界面活性剤系流動性向上剤,エチレン−酢酸ビニル系共重合体,エチレン−アルキルアクリレート系共重合体,塩素化ポリエチレン,ポリアルキルアクリレート,アルケニルこはく酸アミド系化合物等が使用できる。流動性向上剤の添加量については特に制限されないが、効果及び経済性のバランスを考慮すると50〜1,000質量ppmの範囲で添加することが好ましく、100〜700質量ppmの範囲がさらに好ましく、200〜500質量ppmの範囲が特に好ましい。
具体的には、アミン系酸化防止剤として、N,N´−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミンやN,N´−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン等が挙げられ、フェノール系酸化防止剤として、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール等が挙げられ、これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、セタン価向上剤としては、例えば硝酸ヘキシル,硝酸オクチル等の硝酸アルキル等が使用される。
<GTL軽油の製造>
GTL軽油は天然ガスや重質油を水性ガスに変換し、これをフィッシャートロプッシュ合成(FT合成)によって合成油を得、さらに該合成油中の高沸点留分を分取し、必要に応じて水素化分解、異性化等を行って得る軽油の沸点範囲に相当する留分である。図1にFTプラントの2段処理方法の概要図をしめす。
以下図1に基づいて製造工程の概要を説明する。
1はFTプラント、2は軽質分、3は重質分、4−1.4−2,4−3,4−4、は蒸留工程、5は水素化分解処理工程、6は異性化処理工程である。(a)は灯軽油留分、(b)は減圧軽油相当留分、(c)は中間留分(灯軽油)、(d)はナフサ留分、(e)はガス、(f−1)、(f−2)、(f−3)はそれぞれ蒸留残分を示す。
一方、重質分(炭素数7〜95の炭化水素、流動点78℃、沸点88〜724℃)(3)は、蒸留工程(4−2)により灯軽油留分(a)、減圧軽油相当留分(b)、
ナフサ留分(d)、蒸留残分(f−2)沸点500℃以上に分離される。灯軽油留分(a)は異性化処理工程6へ、引き続き減圧軽油相当留分(b)は、水素化分解処理工程5によって高沸点留分を分解する。その際ガス(e)が分離される。
分解された留分はさらに蒸留工程(4−3)で灯軽油留分(a)、ナフサ留分(d)、蒸留残分(f−3)沸点420℃以上に分離される。
灯軽油留分(a)は異性化処理工程6によって異性化処理され蒸留工程(4−4)によってGTL軽油として用いられる中間留分(灯軽油)(c)が得られる。
尚、水素化分解条件は第1表に、異性化条件は第2表に示す。
第5表に示す割合で表4に示した基材を混合してGTL混合軽油を製造した。
*10:High Frequency Reciprocation Wear Rig
*:それぞれの混合軽油に潤滑性向上剤(三洋化成工業(株)製「サンフリックFM−6」)140質量ppmを添加
<評価方法>
1.密度;JIS K2249に準じ、振動式密度試験方法にて測定した。
2.動粘度;JIS K 2283に準じ、測定した。
3.流動点;JIS K 2269に準じ、測定した。
4.曇り点;JIS K 2269に準じ、測定した。
5.目詰まり点;JIS K 2288に準じ、測定した。
6.潤滑性;石油学会規格「JPI−5S−50−97」に準じ、HFRR〔High Frequency Reciprocation Wear Rig ,PSC Instruments社製〕を用いて、試験燃料バス中で、直径10mm、材質EN31/52100のディスク上で、直径6mm、材質EN31/52100のベアリングボールを、下記の条件にて摺動させた。 試験油温度:60℃、室温:23℃ 相対湿度:50%、荷重:1.96N、振動ストローク:1mm、振動周波数:50Hz、試験時間:75分試験後、ボールの摩耗跡の直径をX、Y方向測定して、平均値を摩耗幅(μm)とした。尚、摩耗跡の測定は、測定用顕微鏡で約2μmの測定精度で行った。
7.セタン価;JIS K 2280に基づいて測定した。
8.ワックス析出率;試料20gにろ過助剤を200ppm加え、所定の温度まで急冷して30分間保持した後、テフロンろ紙(目開き10μm)で減圧ろ過した。残った油分をアセトン40mlで4回洗浄し、ノルマルヘキサン300mlでワックスを溶解、回収した。次にノルマルヘキサンを蒸発・除去した後105〜110℃で乾燥して秤量し、ワックス分とした。この操作を試料の曇り点−2℃、曇り点−4℃及び曇り点−6℃の条件で行い、横軸に冷却温度、縦軸にワックス析出量をプロットし、その傾きの絶対値をワックス析出率とした。ワックス析出率が低いほど、ワックスの析出に対する温度依存性が低く、良好な低温流動性を有する。
9.ゴム膨潤性;アニリン点が75〜85℃(○)、85℃を超え90℃未満(△)、90℃以上(×)としてアニリン点の値で評価した。
硫黄分;JIS K 2541−2「原油及び石油製品−硫黄分試験法 第2部微量電量滴定式酸化法」に準拠して測定した。
窒素分;JIS K 2609「化学発光法」に準拠して測定した。
芳香族分、多環芳香族分;石油学会規格「JPI−5S−49−97」に準拠して測定した。
ノルマルパラフィン、イソパラフィン;島津製作所製ガスクロマトグラフGC−9Aとクロマトパック3Aデータ処理装置を用い、次の条件で測定した。
カラム;J&W製DB−1メガボアーカラム60m(30mカラム2本接続)
カラム温度;100〜300℃(5℃/分で昇温)
キャリアーガス;ヘリウム
インジェクター温度;340℃
検出器;水素化炎イオン検出器(FID)
上記データ処理装置を用い、得られたガスクロマトグラムにおいて、ベースラインから上の全面積(S)とノルマルパラフィンピークの谷から谷を結ぶ線より上の部分の面積(Pi)とを求め、(Pi/S)×100の式により炭素数iのノルマルパラフィン含有量(質量%)を算出した。
それぞれの評価結果を第4表および第5表に示す。
2.軽質分
3.重質分
4−1、4−2、4−3、4−4.蒸留工程
5.水素化分解処理工程
6.異性化処理工程
(a).灯軽油留分
(b).減圧軽油相当留分
(c).中間留分(灯軽油)
(d).ナフサ留分
(e).ガス
(f−1)、(f−2)、(f−3).蒸留残分
Claims (13)
- 基材として(A)GTL(Gas To Liquid)を含み、以下の性状値を有することを特徴とする燃料油組成物。
(a)沸点;155〜380℃
(b)密度;15℃で測定した値が0.77〜0.83g/cm3
(c)動粘度;2.0〜3.5mm2/s
(d)硫黄分含有量;10質量ppm以下
(e)全芳香族化合物含有量;3〜20容量%
(f)2環芳香族化合物含有量;3容量%以下
(g)3環以上の芳香族化合物含有量;0.5容量%以下
(h)曇り点;3℃以下
(i)目詰まり点:−5℃以下
(j)流動点;−7.5℃以下
(k)セタン価;50〜75
(l)アニリン点;70〜90℃ - さらに、(m)炭素数20以上のノルマルパラフィン中に含まれる炭素数25以上のノルマルパラフィンの割合が1.5質量%以上、である請求項1記載の燃料油組成物。
- 基材として、(A)GTL10〜80容量%、(B)灯油留分15〜60容量%、(C)その他の軽油基材0〜75容量%の割合で含む請求項1又は2記載の燃料油組成物。
- (A)成分に対する(B)成分の容量比(B)/(A)が、0.25〜1.5である請求項3記載の燃料油組成物。
- (A)成分が、ノルマルパラフィンの含有量が50〜60質量%である請求項1〜4いずれか1項に記載の燃料油組成物。
- (A)成分が、炭素数20以上のパラフィン中に含まれるノルマルパラフィンの割合が0〜50質量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料油組成物。
- (A)成分が、炭素数6〜30の飽和炭化水素の含有量97質量%以上であって、炭素数20以上のノルマルパラフィン中に含まれる炭素数25以上のノルマルパラフィン含有量3質量%以上、かつ90容量%留出時の蒸留温度330〜360℃である請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料油組成物。
- (B)成分が、沸点範囲150〜300℃、単環芳香族化合物含有量10〜30容量%、2環芳香族化合物含有量1.0容量%以下、3環以上の芳香族化合物含有量0.1容量%以下、アニリン点70℃以下、硫黄含有量10ppm以下である請求項3又は4記載の燃料油組成物。
- (C)成分が、曇り点5℃以下、ワックス析出率0.45質量%/℃以下、炭素数20以上のノルマルパラフィン中に含まれる炭素数25以上のノルマルパラフィン含有量3質量%以上、かつ、95容量%留出温度と80容量%留出温度の差が25℃以上である請求3又は4記載の燃料油組成物。
- 30℃で測定した動粘度が2.5〜3.5mm2/sである請求項1〜9いずれか1項に記載の燃料油組成物。
- 目詰まり点−12℃以下、流動点−20℃以下であって、かつ、30℃で測定した動粘度が2.0〜3.0mm2/sである請求項1〜9いずれか1項に記載の燃料油組成物。
- 流動性向上剤50〜1000質量ppmを含む請求項1〜11いずれか1項に記載の燃料油組成物。
- 流動性向上剤がエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を主成分とする請求項12記載の燃料油組成物。
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