JP4608107B2 - 未修飾生体高分子のフッ化アシル活性化基質への固定化 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的には、生体高分子が固定化された固形支持体に関し、具体的には、未修飾生体高分子が固定化された固形支持体と、未修飾生体高分子を固形支持体に固定化する方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
生体高分子の合成と生体高分子の分析には、生体高分子を固形支持体に結合する必要がしばしばある。例えば、有機および無機材料が、ペプチド、オリゴヌクレオチドおよび低分子有機分子の固相合成に利用される。この合成は、アミノ酸誘導体または核酸誘導体のような活性化モノマーを、固形支持体に一方の端が結合した成長中のオリゴマー鎖に1つずつ付加していくことを伴う。合成が完了すると、新たに合成された生体高分子は前記固形支持体から切断されて、生化学的な研究または診断への応用に利用され、あるいは、前記固形支持体から生体高分子を切断せずに利用される。
【0003】
生体高分子の分析のためには、生体高分子はいくつかの方法で固形支持体に結合される。ブロッティング技術では、天然の生体高分子はまず膜の上に捕捉され、その後、熱、放射線または化学的な技術により前記膜上に固定化される。こうして固定化された生体高分子は、サザンブロット法と逆ハイブリダイゼーション解析技術のような分析に利用することができる。
【0004】
さらに、合成または天然のオリゴヌクレオチドが、活性化されたオリゴヌクレオチドを固形支持体に共有結合で結合することにより固定化されている。核酸を固形支持体(基質)に共有結合で結合するための現在の方法は、DNA(またはRNA)の修飾を伴う。例えば、オリゴヌクレオチドは通常5’−アミノ末端に変化した誘導体となり、前記DNAを活性化した表面に共有結合するうえでより反応しやすくなる。他の結合方法は、末端のリン酸基またはスルフィドラル基と表面のカルボジイミドその他の活性化合物との反応を用いている(Lundら、Nucleic Acid Res.16巻、10861−80頁、1988年およびBischoffら、Analyt.Biochem.164巻、336−344頁、1987年を参照せよ)。
【0005】
天然のポリヌクレオチド中に存在する反応基は弱く、結合の効率が悪いと一般に理解されている。さらに、天然オリゴヌクレオチドが反応性が高い表面の原子団に曝されると、過剰な架橋が起こりうる。この架橋は、結合した核酸が完全にハイブリダイゼーションに参加することを阻む。これらの条件は2本鎖DNAの短い断片やオリゴヌクレオチドの場合には最も著しい。そこで、オリゴヌクレオチドは、効率的な結合のために、例えば5’−アミノ末端に変化した誘導体となるといった修飾を加えられなければならないことが多い。前記5’−アミノリンカーにより、アミノ基を含むDNAは、シリル化されたスライドにチップ表面のアルデヒド基とシッフ基反応により選択的に結合することが可能になる。天然の未修飾DNAに比べてアミノ基が修飾されたDNAの選択性はcDNAでは約10:1で、1本鎖15量体については約10,000:1である。これらの中間の長さのDNA分子はこれらの中間の選択比を示す。さらに、前記5’末端でのアミノ基を介するDNAとチップとの結合により、ハイブリダイゼーション反応の間に結合した分子に立体的に接近することが許容される。したがって、後から修飾することは、例えばオリゴヌクレオチドプローブをアレイ作成のために結合させるためには必須だと考えられてきた。かかる事後修飾の過程には相当な費用と時間のかかる追加のステップが必要である。
【0006】
そこで、生体高分子、特に未修飾生体高分子を固形支持体に結合するためのより効率的な方法を開発することが望ましい。ポリヌクレオチドのような未修飾生体高分子を固形支持体に直接結合する方法を開発することが特に望ましい。
【0007】
発明の概要
本発明は、1本鎖または2本鎖DNAの短い断片と長い断片の両方とも、スペーサーアームなしで、かつ、これらのポリヌクレオチドを修飾せずに、直接フッ化アシルで活性化された支持体に効率よく結合することができるという発見に基づいている。本発明はまた、プロテインA、抗体、ストレプトアビジン等のような他の生体高分子もこれらの生体高分子を修飾することなく固形支持体に結合することができるという発見にも基づいている。
【0008】
したがって、本発明の1の局面は、未修飾の生体高分子を固形支持体に結合する方法を提供することである。この方法は、(a)未修飾の生体高分子を用意すること、(b)フッ化アシル官能基側鎖を含む少なくとも1つの表面がある固形支持体を用意すること、(c)前記未修飾生体高分子と前記固形支持体との結合が起こるのに十分な条件下で、前記生体高分子と前記固形支持体を接触させることを含む。
【0009】
本発明の実施態様によると、前記生体高分子は、核酸、タンパク質、糖質、脂質およびこれらの類似体でもかまわない。本発明の1の実施態様では、前記生体高分子はオリゴヌクレオチドであり、該オリゴヌクレオチドは、合成されたオリゴヌクレオチド、増幅されたDNA、cDNA、1本鎖DNA、2本鎖DNA、PNA、RNAまたはmRNAであってもよい。また、本発明の実施態様によると、前記固形支持体は、高分子材料、カラス、セラミック、天然繊維、シリコン、金属およびこれらの複合材料であってもよい。
【0010】
本発明の別の局面は、サンプル中の生体高分子のターゲットを分析する方法を提供することである。この方法は、(a)フッ化アシル基側鎖を少なくとも1つの表面に有する材料で作製された固形支持体を用意すること、(b)前記生体高分子のターゲットと複合体を形成することができ、第2の生体高分子を含む試薬を用意すること、(c)未修飾試薬または未修飾生体高分子のいずれかが前記固形支持体と結合できる条件下で、前記固形支持体を前記未修飾試薬または前記未修飾生体高分子のターゲットと接触させること、(d)前記試薬と前記生体高分子のターゲットを含む複合体が形成できる条件下で、前記未修飾試薬と結合した固形支持体を前記生体高分子のターゲットと接触させるか、あるいは前記未修飾生体高分子のターゲットと結合した固形支持体を前記試薬と接触させること、(e)前記サンプル中に含まれる前記生体高分子のターゲットの有無または量の測定値として、前記複合体の存在を検出し測定することを含む。
【0011】
本発明のさらなる局面は、複数の未修飾生体高分子と固形支持体を含まれる装置を提供することである。前記固形支持体はフッ化アシル官能基側鎖を含む少なくとも1つの表面を有し、前記生体高分子は前記フッ化アシル官能基側鎖との反応によって前記固形支持体を結合している。
【0012】
本発明は、ジェノセンサーアレイ(genosensor arrays)のようなポリヌクレオチドアレイと、差次的遺伝子発現マイクロアレイのようなその他のアレイを基本とするシステムの製作に利用するのに好適である。前記ポリヌクレオチドアレイは、生物活性を評価し同定するために使用される。本発明は、ポリヌクレオチドの配列決定を目的とするポリヌクレオチドアレイの製作にも利用できる。さらに、本発明はハイブリダイゼーションアッセイおよびイムノアッセイに利用できる。
【0013】
本発明は多くの利点を提供する。本発明により、未修飾の生体高分子は固形支持体に直接結合することが可能になる。よって、本発明は、生体高分子のアレイを作るための過程を簡単にし、さらに多目的に利用できるようにする。
【0014】
本発明には、技術的な利点とともに経済的な利点がある。第1に、アミノ修飾されたDNAのような、修飾された生体高分子をコストをかけて生産することを回避できる。オリゴヌクレオチドを事後修飾する作業は時間がかかり、コストも2倍と相当増大する。第2に、事後修飾の過程がもはや不要になるため、アレイをつくる仕事が非常に簡単になる。
【0015】
発明の詳細な説明
本発明の1の局面は、未修飾生体高分子を固形支持体に結合する方法を提供することである。この方法は、(a)未修飾生体高分子を用意すること、(b)フッ化アシル官能基側鎖を含む少なくとも1つの表面を有する固形支持体を用意すること、(c)前記未修飾生体高分子が前記固形支持体と結合できる条件下で、前記生体高分子を前記固形支持体と接触させることを含む。
【0016】
ここで用いられる「生体高分子」という用語は、核酸、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、タンパク質、糖質、脂質およびこれらの類似体を指す。ここで用いられる「ポリヌクレオチド」という用語は、分離した断片として、またはより大きな構築体の構成部分となった、デオキシリヌクレオチドまたはリボヌクレオチドのポリマーを指す。ここで用いられる「ポリヌクレオチド」は、DNA、RNA、PNA(ペプチド核酸)のようなDNAの類似体または合成されたオリゴヌクレオチドであってもよい。前記DNAは、1本鎖または2本鎖か、あるいはPCR技術により増幅されたDNAであってもよい。前記RNAはmRNAであってもよい。前記オリゴヌクレオチドの長さは3bpないし10kbでよい。本発明の1の実施態様に従うと、ポリヌクレオチドの長さは約50bpないし10kbの範囲内であり、100bpないし1.5kbであることが好ましい。本発明の別の実施態様に従うと、合成されたオリゴヌクレオチドの長さは、約3ないし100個のヌクレオチドの範囲内である。本発明のさらなる実施態様に従うと、前記オリゴヌクレオチドの長さは約15ないし20個のヌクレオチドの範囲内である。
【0017】
ここで用いられる「ポリペプチド」は、あるアミノ酸のα−カルボキシル基が別のアミノ酸のα−アミノ基とペプチド結合により結合している、アミノ酸のポリマーを指す。タンパク質はジスルフィド結合で結びつけられた1つまたは複数のポリペプチドを含むこともある。前記タンパク質の例には、抗体、抗原、リガンド、レセプター等が含まれるが、これらに限られない。
【0018】
本発明の生体高分子は該生体高分子を修飾することなく固形支持体に結合できることが、本発明の発見である。例えば、本発明の1の実施態様に従うと、オリゴヌクレオチド、プロテインA、抗体またはストレプトアビジンのような、しかしこれらに限らない、生体高分子は、該生体高分子を何ら修飾することなく固形支持体に結合することができる。
【0019】
本発明の目的のためには、本発明の固形支持体は該固形支持体の少なくとも1つの表面にフッ化アシル官能基を形成するために誘導体とすることができるいかなる材料であってもよい。固形支持体の例には、高分子材料、ガラス、セラミック、天然繊維、シリコン、金属およびこれらの複合材料が含まれるが、これらに限られない。
【0020】
本発明の1の実施態様に従うと、本発明の固形支持体は、フッ化アシル官能基側鎖を有する少なくとも1つの表面がある高分子材料で作製されてもよい。前記固形支持体の詳しい説明および前記固形支持体の製造方法は、「生体高分子を固定化するためのポリマー試薬」という名称の出願中の米国特許出願第08/797,222号明細書に記載されており、関連する内容は引用によりここにその全体が取り込まれている。
【0021】
簡潔には、固形支持体の作製に適するポリマー材料は、前記固形支持体の少なくとも1つの表面にフッ化アシル官能基側鎖を形成することができるように誘導体とすることができるいかなる材料でもかまわない。例えば、カルボキシル官能基側鎖を有するポリマー材料またはカルボキシル基を支持するように改変することができるポリマー材料は、適当な試薬を用いてフッ化アシル官能基を形成するように反応させることができる。本発明の1の実施態様では、固形支持体はエチレンアクリル酸コポリマー、エチレンメタクリル酸コポリマーまたは誘導ポリプロピレンで製造される。本発明の技術分野の通常の技量を有する者は、カルボキシル基を支持するように誘導体とすることができるポリマー材料で、前記カルボキシル基が表面のフッ化アシル官能基を提供するように改変することができる材料には、広範囲の材料が含まれることを認識するはずである。例えば、フッ化アシルに変換するのに適したカルボキシル基を提供するために、無水コハク酸のような環状無水物と反応させられたアミノ化ポリプロピレンは特に有用である。
【0022】
【化1】
【0023】
他の適当なポリマー材料には、カルボキシル基側鎖を露出するために鹸化されたメチルメタクリレートまたはメチルアクリレートが含まれる。
【0024】
さらに他のポリマー材料で、反応性のあるカルボキシル基を提供するために容易に分子の一部を変更できるものは、水酸化ポリアクリロニトリルまたは水酸化ポリメタクリロニトリルである。
【0025】
【化2】
【0026】
本発明に従うと、前記固形支持体の少なくとも1つの表面にフッ化アシル官能基を形成するための適当な試薬には、カルボキシル反応性のフッ素化試薬が広く含まれる。最も好ましい試薬は、以下の反応でカルボキシル基側鎖と反応する、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド((diethylaminosulphur)trifluoride(DAST))である。
【0027】
【化3】
【0028】
他の試薬にはフッ化シアヌールが含まれる。
【0029】
【化4】
【0030】
ヘキサフルオロリン酸テトラメチルフルオロホルムアミジニウムも含まれる。
【0031】
【化5】
【0032】
本発明の最も好ましい実施態様では、厚さ約0.5mmのシートに成形されたエチレンアクリル酸コポリマーまたはエチレンメタクリル酸コポリマーの少なくとも1つの表面を、5%のDAST溶液に数時間曝して修飾する。ジクロロメタンとアセトニトリルの洗浄を用いた反応停止後、このフィルムは、以下に記載のとおり、生体高分子を固定化または合成するためにいつでも使用できる。有利なことには、フッ化アシルで活性化されたポリマー材料は常温で驚異的に安定であり、涼しく乾いた環境で保存すると、貯蔵寿命が無限であることが発見された。
【0033】
本発明の固形支持体は、エチレンアクリル酸コポリマーまたはエチレンメタクリル酸コポリマー製の固形支持体を用意すること、該固形支持体の少なくとも1つの表面を活性化試薬と反応させることにより、該表面を誘導体にすることを含む方法により準備されてもよい。適当な活性化試薬はアクリルまたはメタクリルのカルボキシル基と反応して、例えば活性化アシル官能基のような、反応性のある側鎖の官能基を形成することができる試薬である。
【0034】
本発明の別の実施態様に従うと、本発明の固形支持体は、不活性の固形支持体にフッ化アシル官能基側鎖を含むポリマー材料でコーティングすることにより調製してもよい。例えば、ポリグルタミン酸のカルボキシル基は、DASTのような適当なフッ化試薬によりフッ化アシルに変換されうる。この変換されたポリマー材料をマイクロタイタープレート等の固形支持体にコーティングするために使用してもよい。
【0035】
本発明の固形支持体は生物活性の評価または同定のための生体高分子アレイの調製に特に有用であるため、前記固形支持体は少なくとも1つの平らな表面を有する素子の形状とすることが好ましい。前記固形支持体のサイズはいろいろであってもよいが、固定化生体高分子の最終的な用途に依存する。本発明の技術分野の通常の技量を有する者は、小型化された固形支持体上に固定化された生体高分子のアレイが多年にわたり開発中であることを承知している。これらの固形支持体は平方ミリメートルの単位で計測でき、異なる生体高分子が前記小型化された固形支持体の異なる部位特異的な場所に結合した、多数の異なる固定化生体高分子をこれらの固形支持体は有することができる。ディップスティック形状の固形支持体も本発明の範囲に含まれる。本発明の技術分野に知られているとおり、ディップスティックは各辺が数センチメートルの矩形をしているのが典型的である。反対に、ゲノム全体の配列決定に用いられるポリヌクレオチドアレイのような大きな生体高分子アレイは、1メートル以上の単位の大きさであってもかまわない。
【0036】
特殊な検査機器を含む多数の異なる検査技術に適応するために、適当な固形支持体はさまざまな形状のいずれの形をとってもよい。例えば、固形支持体の作製用と同じポリマー材料で生体高分子アレイホルダーを成形することは有利である。かかるシステムでは、前記ホルダーは固形支持体であり、ロボットアームが反応ステーションと検出ステーションの間で生体高分子アレイを移動する自動診断システムによって容易に取り扱われる形状を含めて、いかなる形状であってもよい。かかるホルダーが固形支持体のときには、該ホルダーは生体高分子を結合するために適した平らなまたは連続的な表面を取り込んでいることが好ましい。
【0037】
本発明の1の実施態様に従うと、本発明の固形支持体は多孔質または非孔質の材料でできたものであってもよい。本発明の別の実施態様に従うと、本発明の固形支持体は、糸、シート、フィルム、ゲル、膜、ビーズ、板等の構造の形状をとることができる。本発明のさらなる実施態様に従うと、固形支持体は、ウェルか、槽か、台か、疎水性または親水性のパッチか、打ち抜き接着性貯留部か、ウェルまたはその他の液体の流れの物理的な障壁を形成する積層された打ち抜きガスケットかの形状をした隔離された領域を有する平らな素子の形状をしたプラスチックで作製されていてもよい。かかる固形支持体の例には、マイクロプレートまたはこれに類するものが含まれるが、これらに限られない。
【0038】
本発明の生体高分子は、未修飾の前記生体高分子と本発明の固形支持体との結合ができる条件下で、前記生体高分子を前記固形支持体と接触させることにより、該固形支持体と結合される。前記未修飾生体高分子を固形支持体に共有結合で結合するための条件は、前記生体高分子が前記固形支持体のフッ化アシルと反応することができる場合に十分である。理論に拘束されることを望むわけではないが、本発明の条件下では未修飾生体高分子は固形支持体に含まれるフッ化官能基が生体高分子の求核官能基と置換することにより、前記固形支持体と結合するのかもしれない。
【0039】
本発明の1の実施態様に従うと、未修飾ポリヌクレオチドにフッ化アシルとの反応を起こさせるような条件下で、前記固形支持体のフッ化アシルで活性化された表面を接触させるステップは、pHが好ましくは中性または塩基性の水性バッファーの存在下で、前記固形支持体の表面を前記未修飾ポリヌクレオチドに曝すことにより達成される。中性または塩基性のpH条件下で前記フッ化アシル官能基を前記未修飾ポリヌクレオチドと接触させることにより、前記オリゴヌクレオチドは前記固形支持体の表面に直接結合されることになる。本発明の目的のためには、塩基性のpH条件とは、8より高いpH条件をいう。塩基性のpH条件により前記ポリヌクレオチドの前記固形支持体への結合が可能になるとき、この塩基性のpH条件は十分である。本発明の1の実施態様に従うと、本発明の塩基性のpH条件とは、約9ないし12のpHである。用いる方法に応じて前記塩基性pH条件は異なることを理解すべきである。本発明の技術分野の通常の技量を有する者は、本発明の開示を考慮して、特定の結合反応の塩基性のpH条件を容易に確かめることができる。
【0040】
本発明の固形支持体は、当業者に知られた方法により、未修飾生体高分子と接触することができる。例えば、接触のステップは、ジェットプリント法、固形素子または開放キャピラリー素子接触プリント法、マイクロフルイディックチャンネルプリント法、シルクスクリーン法、および電気化学的または電磁的な力に基づく印刷素子を用いる技術によって実行されるものでもかまわない。代替策としては、前記接触のステップは前記未修飾生体高分子を前記固形支持体にスポットをすることにより実行されるものでもかまわない。
【0041】
例えば、1の実施態様では、前記固形支持体は手作業でスポットすることにより未修飾オリゴヌクレオチドに曝される。手作業でのスポットの例には、ピペッターまたはビオメックのピンツールでの手作業のスポットが含まれるが、これらに限られない。この場合には、好ましい水溶性塩基は、pHが9ないし10の範囲の炭酸水素ナトリウム−炭酸である。他の実施態様では、前記固形支持体はジェットプリント法の技術により未修飾ポリヌクレオチドに曝される。商業的に入手可能なジェットプリンターを使用する熱インクジェットプリント技術と、米国特許第4,877,745号明細書に記載の圧電マイクロジェットプリント技術とが、未修飾ポリヌクレオチドを固形支持体にスポットするのに利用できる。この場合には、水溶性塩基はpHが約10ないし12のLiCl塩溶液である。
【0042】
本発明の固形支持体は、生体高分子が前記固形支持体との接触が起こるかぎり、いかなる方法によって前記生体高分子に曝されてもかまわないことを理解すべきである。ここに明示的に記載されていない他の水性バッファーシステムであっても、ひとたび生体高分子と固形支持体が互いに接触すると両者の結合が起こるのに十分な条件をかかる水性バッファーが提供するものであるかぎり、本発明に用いてもかまわないことも理解すべきである。
【0043】
本発明の実施態様に従うと、水様液中に含まれる未修飾生体高分子の濃度は、分子のタイプ、分子のサイズ、分子の構造および前記分子の溶解度に影響を与えうる他の因子に応じて、異なるものであってもよい。例えば、結合したポリマーがポリヌクレオチドのときには、該ポリヌクレオチドは5nMないし40:Mの範囲であることが好ましい。5nMないし5:Mの範囲であることがより好ましい。
【0044】
本発明に従うと、生体高分子の固形支持体への結合に続いて、望ましくない反応を防ぐために未反応のフッ化アシル官能基をブロックすることが好ましい。本発明の目的のためには、前記固形支持体に残存するフッ化アシル基は、残存する表面の反応基を不活性化できるいかなる化学物質によってブロックされてもよい。例えば、未反応のフッ化アシル官能基は、カルボキシアミドを形成する水酸化アンモニウムまたはエステルを形成するエタノールと反応させてもかまわない。しかし、本発明の技術分野の通常の技量を有する者は、多くのブロック反応が可能であることを認識している。
【0045】
前記のとおり、固定化生体高分子を利用する多くの用途では、生体高分子が固形支持体表面の部位特異的な場所に固定化されることが要求される。グリッドと、各生体高分子が部位特異的な場所に位置する1xnの碁盤の目状の固定化生体高分子とを含む、規則正しい生体高分子のアレイを調製するためには、前記活性化ポリマー材料の予め選択された部位が、所望の未修飾生体高分子溶液に曝される。本発明に従うと、これは、ある量の未修飾生体高分子溶液を前記固形支持体の予め選択された位置に、手作業でアプライ、すなわち適用することにより達成することができる。代替策として、商業的に入手可能なジェットプリンターを使用する熱インクジェットプリント技術と、米国特許第4,877,745号明細書に記載の圧電マイクロジェットプリント技術とが、選択された固形支持体表面の部位に選択された未修飾生体高分子をスポットするために利用できる。
【0046】
本発明の1の実施態様に従うと、少なくとも1ないし約1536個の異なる未修飾生体高分子を、本発明の固形支持体の少なくとも1ないし約1536箇所の別々の隔離された領域に結合することができる。
【0047】
フッ化アシルで活性化された固形支持体に未修飾生体高分子を結合することは、ジェノセンサーおよび差次的遺伝子発現マイクロアレイのようなアレイに基づくシステムの構築に利用するのに好適である。本発明の未修飾生体高分子が結合した固形支持体は、リガンド結合アッセイ用あるいは逆ハイブリダイゼーション法(プローブが結合したもの)またはサザンブロット法(ターゲットが結合したもの)のいずれかのよるハイブリダイゼーションアッセイ用の装置として使用してもかまわない。かかる装置はイムノアッセイ法にも使用できる。
【0048】
したがって、本発明の1の局面はサンプル中の生体高分子ターゲットを解析するための方法を提供する。この方法は、(a)少なくとも1つの表面にフッ化アシル官能基側鎖を有する材料でできた固形支持体を用意すること、(b)前記生体高分子ターゲットと複合体を形成できる第2の生体高分子を含む試薬を用意すること、(c)前記試薬と前記生体高分子ターゲットはともに未修飾であり、前記試薬または前記生体高分子ターゲットのいずれかが前記固形支持体に結合できる条件下で、前記固形支持体を前記試薬または前記生体高分子ターゲットのいずれかと接触させること、(d)前記未修飾試薬と前記未修飾生体高分子ターゲットとの複合体が形成できる条件下で、前記試薬と結合した固形支持体を前記生体高分子ターゲットと接触させることあるいは前記生体高分子ターゲットと結合した固形支持体を前記試薬と接触させること、(e)サンプル中に含まれる前記生体高分子ターゲットの有無または量の測定値として前記複合体の有無を検出し測定することを含む。
【0049】
本発明の目的のためには、前記生体高分子ターゲットか前記試薬かのいずれかが本発明の固形支持体と結合できる。例えば、サザンブロット法またはノザンブロット法では、生体高分子ターゲットが先に固形支持体と結合する。好ましくは標識されたプローブが、前記生体高分子ターゲットの存在を検出するために、前記固形支持体と接触するために用いられる。反対に、リガンド結合アッセイ法またはアフィニティ精製アッセイ法では、プローブが先に固形支持体と結合することが好ましい。
【0050】
本発明の目的のためには、本発明の試薬は、前記生体高分子ターゲットを認識し前記生体高分子ターゲットと結合することができる生体高分子を含む。試薬は、核酸、ポリペプチド、タンパク質、糖質、脂質およびこれらの類似体からなるグループから選択される生体高分子を含む。例えば、前記生体高分子ターゲットがポリヌクレオチドのときには、前記試薬はこのターゲットのポリヌクレオチドと相補的なポリヌクレオチドを含む。前記生体高分子ターゲットがレセプターまたはリガンドのときには、前記試薬は、前記生体高分子を認識し、前記生体高分子と結合することができるリガンドまたはレセプターを含む。生体高分子ターゲットが抗原のときには、前記試薬は前記抗原を認識する抗原を含むものであってもよく、その逆であってもよい。さらに、前記生体高分子ターゲットは結合試薬で標識されてもよい。この場合には、前記試薬は標識された生体高分子を認識する結合試薬を含む。例えば、本発明の生体高分子はビオチンで標識されてもよい。この場合には、前記試薬は前記生体高分子ターゲットのビオチンと結合可能なストレプトアビジンを含む。
【0051】
本発明の目的のためには、条件は、前記試薬が前記生体高分子ターゲットと結合して複合体を形成することができる場合には十分である。かかる条件は、分子のタイプと結合のタイプに応じて異なる。本発明の技術分野の通常の技量を有する者は、本発明の開示を考慮して、適当な結合条件を容易に決定することができる。
【0052】
本発明の実施態様に従うと、前記生体高分子ターゲットと本発明の試薬の両方とも、レポーター分子で標識することができる。レポーター分子の例には、化学発光化合物、酵素、蛍光化合物、金属複合体、磁性粒子、ビオチン、ハプテン、電波発信器および放射発光化合物が含まれるが、これらに限られない。本発明の技術分野の通常の技量を有する者は、ひとたび生体高分子ターゲットが決定されると、使用すべきレポーター分子のタイプを決定することが容易にできる。
【0053】
本発明の別の局面は、ハイブリダイゼーションアッセイ法、イムノアッセイ法その他のアッセイ法を実行するための素子を提供することでもある。本発明の素子は、複数の未修飾生体高分子と固形支持体とを含む。前記固形支持体はフッ化アシル官能基側鎖を含む少なくとも1つの表面を有し、前記生体高分子は、前記フッ化アシル官能基側鎖との反応により、前記固形支持体と結合する。
【0054】
本発明の目的のためには、前記結合した生体高分子は同じものであっても異なるものであってもよい。前記生体高分子が異なる場合には、アレイを形成する固形支持体の別々の隔離された領域に位置することが好ましい。例えば、固形支持体はマイクロプレートであってもよい。アレイを形成するために、異なる生体高分子をマイクロプレートの異なるウェルに結合してもよい。本発明の1の実施態様に従うと、プローブのような、少なくとも1ないし1536個の未修飾生体高分子が、マイクロプレートの少なくとも1ないし1536個のウェルに結合してもよい。
【0055】
マイクロプレートのような前記装置の固形支持体は、フッ化アシル官能基で処理された表面であってもよく、生体高分子を前記フッ化アシル官能基側鎖との反応によって前記固形支持体に結合してもよい。代替策として、本発明の生体高分子はフッ化アシル官能基側鎖を含むプラスチックディスクの表面にプリントされたものであってもよく、前記ディスクは前記マイクロプレートの底に挿入されてもよい。
【0056】
以下の実施例は本発明の範囲を例示することを意図するものであって、限定するものではない。かかる実施例は使用されるであろうものの典型的なものであるが、本発明の技術分野の通常の技量を有する者に知られた他の手順が代替的に使用されてもかまわない。実際、本発明の技術分野の通常の技量を有する者は、本明細書の開示に基づき、過度の実験を伴うことなく、さらなる実施態様を予見し作成することが容易にできる。
【0057】
【実施例】
実施例1
cDNAの未修飾ポリヌクレオチドがプリントされたアレイへのハイブリダイゼーション
プライマーのアレイのプリント
アクチン、G3PDH、p53およびTNFアルファの遺伝子の増幅に用いる未修飾オリゴヌクレオチドプライマーを、LiCl:水を体積比60:25でおおよそ飽和した飽和LiCl、pH12のストック溶液に希釈することにより調製した。得られたプリントインクは、オリゴヌクレオチドの最終濃度が10μMであった。BioDot Dispenserシステムを使用して、それぞれのインクを12.5nlジェット噴射することにより、フッ化アシルで活性化されたエチレンメタクリル酸コポリマー(EMA)製の成形されたピース(バイオチップ)の上にプライマーを付着してアレイを形成した。9x8のアレイは、4個の遺伝子について3’と5’のプライマーの対のそれぞれを9回繰り返してスポットしたものからなる(9x2x4=72個のスポット)。プリント後、前記アレイは終夜真空乾燥し、残存する表面の反応基を2時間エタノール中で不活性化(ブロック)した。ハイブリダイゼーションに使用する準備として、前記アレイを短時間水でリンスした。
【0058】
cDNAプローブアレイのプリント
同様の手法で、2本鎖DNAプローブをフッ化アシルで活性化された基質にプリントした。cDNAはビオチン標識を取り込むことなく第1鎖DNAをPCRで増幅した。cDNAのPCR産物(cDNAアンプリコン)は、プライマーと、dNTPsと、補助因子と、Taq酵素とを除去するために、ゲル濾過スピンカラム(Xtreme、Pierce Chemical)を使用して精製した。前記アンプリコンは脱イオン水で前記カラムから溶出し、1M LiCl、pH12に希釈して、cDNAの最終濃度5nMでLiCl:水が体積比1:1のインクができるようにプリント用に調製した。アレイがアクチンcDNA、ベータミクログロブリンcDNA、G3PDHcDNA、p53cDNA、トランスフェリンcDNAおよびTNFアルファcDNAという6個の遺伝子について9回の繰り返しからなる(9x6=54個のスポット)ことを除いて、プライマープリントについて記載したのと同じスポット手順が用いられた。分注された液滴のサイズは約16nlであった。
【0059】
ハイブリダイゼーション
cDNAアレイが結合したバイオチップを、ハイブリダイゼーションの直前に、15分間200μlの変性剤(0.15M NaCl、0.5M NaOH)中で変性し、ストリンジェンシーバッファー(2xSSC、0.01% SDS、pH7.0)でリンスした。プライマーアレイのバイオチップの場合には、変性のステップは用いられなかった。以下のとおり、第1鎖cDNAのプール(肝臓)由来のアクチン、G3PDH、p53およびTNFアルファのビオチン標識されたPCR産物を、プライマーアレイまたはcDNAアレイとのハイブリダイゼーションのために調製した:10μlのPCR溶液を10μlの水で希釈し50μlの変性剤を加えた。この溶液を10分間常温でインキュベーションして、その後、150μlの中和バッファー(0.3M Tris、pH 7.5、2.4xSSC、0.02% SDS)を添加した。混合した後、この溶液を24穴ポリプロピレン細胞培養プレートのウェルに入れ、前記バイオチップを浸した。ハイブリダイゼーションは、cDNAアレイについては60分間25°C、プライマーアレイについては60°C60分間、加湿チャンバー中で振盪しながら行った。前記バイオチップはその後ハイブリダイゼーション溶液から取り出して、2xSSC、0.01% SDSを含む別のウェルに(ハイブリダイゼーションに用いたのと同じ温度での)10分間のストリンジェンシーリンスのために移した。前記ストリンジェンシーバッファーでの最後のリンスの後、前記バイオチップは過剰の溶液を除くためにブロットし、すなわち吸い取り紙で乾かし、ストレプトアビジン−アルカリフォスファターゼ結合体中で30分間常温で静置した。ストリンジェンシーバッファー中での大量のリンスの後、前記バイオチップを再度ブロットし、ELF試薬(アルカリフォスファターゼ用の蛍光基質、Molecular Probe、Inc.)中に置いてシグナルを現像した。前記シグナルは30分間現像した。短時間の水でのリンスの後、このアレイのシグナルはCCDカメラシステムを用いて読みとられた。
【0060】
結果
図1aに示すとおり、アクチンとG3PDH由来の標識されたターゲットcDNAはこれらに対応する固相のプライマーと特異的なハイブリダイゼーションをしたが、p53由来のcDNAはG3PDHプライマーと交差的なハイブリダイゼーションを示した。TNFアルファもアクチンおよびp53の3’プライマーと交差的なハイブリダイゼーションをした。これらの結果は、同じ手順で固定化したプローブcDNAとハイブリダイゼーションをした標識cDNAターゲットを用いた結果と同様である(図1b)。
【0061】
cDNAターゲットの未修飾オリゴヌクレオチドプライマーの対の手作業でスポットされたアレイへのハイブリダイゼーション
プライマーアレイの手作業でのスポット
アクチン、p53およびTNFアルファの増幅用オリゴヌクレオチドプライマーは、0.5M 炭酸水素ナトリウムバッファー、pH9中で、以下のスポット用濃度で調製された。
プライマー μM(最終濃度)
アクチン 3’ 5.01
アクチン 5’ 5.00
p53 3’ 3.73
p53 5’ 3.83
TNF 3’ 3.80
TNF 5’ 3.70
【0062】
これらのそれぞれについて約1μlの液滴を、フッ化アシルで活性化されたプラスチック支持体(EMA)上に、手動のピペッターを使用してスポットし、図2に示すパターンと同様のアレイを作った。
【0063】
スポット後、前記アレイは加湿したチャンバーで25°C、1時間インキュベーションを行った。これらは、その後、前記チャンバーから取り出して、25分間常温で風乾し、次に30°Cで10分間さらに乾燥した。前記プラスチック支持体をエタノール中に60分間浸して残存する表面の反応基をブロックし、最後に10分間脱イオン水中に浸した。
【0064】
ハイブリダイゼーション
第1鎖cDNAプール(肝臓)由来のアクチン、p53およびTNFアルファのビオチン標識PCR産物を以下のとおりプライマーアレイとのハイブリダイゼーション用に調製した:10μlのPCR溶液を10μlの水で希釈し、30μlの変性剤を加えた。この溶液を10分間常温でインキュベーションした後、150μlの中和バッファーを加えた。混合した後、この溶液を24穴ポリプロピレン細胞培養プレートのウェルに入れて、バイオチップを浸した。ハイブリダイゼーションは60分間60°Cで加湿チャンバー中で振盪しながら進行させた。前記バイオチップはその後ハイブリダイゼーション溶液から取り出して、2xSSC、0.01% SDSを含む別のウェルに置いて60°C10分間ストリンジェンシーリンスを行った。前記ストリンジェンシーバッファー中での最後のリンスの後、前記バイオチップをブロットして余分な溶液を除き、ストレプトアビジン−アルカリフォスファターゼ結合体中で30分間常温に置いた。ストリンジェンシーバッファー中での大量のリンスの後、前記バイオチップを再度ブロットして、シグナル現像用のELF試薬中に置いた。シグナルは30分間現像された。短時間の水でのリンスに続いて、アレイのシグナルはCCDカメラシステムを使用して読みとられた。
【0065】
結果
図3はハイブリダイゼーションの結果を示す。ビオチン標識cDNAターゲットは、対応する固定化プライマープローブに対して特異的にハイブリダイゼーションをした。アクチンおよびp53のターゲットは表面につながれた非相補的なプライマープローブに対してほとんど交差的なハイブリダイゼーションが見られなかった。しかし、TNFのターゲットは、特に3’プライマーに対して顕著な交差的なハイブリダイゼーションを示した。
【0066】
実施例3
ビオチン標識オリゴヌクレオチドターゲットのアミノ修飾または未修飾のオリゴヌクレオチドプローブのプリントされたアレイとのハイブリダイゼーション
Fibプローブアレイのプリント
5’アミノ修飾(Fib−a)および未修飾オリゴヌクレオチド(Fib)プローブは、飽和LiCl、pH12への希釈により、飽和LiCl:水が体積比60:25となるプリント用インクで、最終濃度がFibについては10μMから40μM、Fib−aについては10μMとなるように調製された。BioDot Dispenserシステムを使用して、各プローブについて9回の繰り返しスポットを、それぞれのインクを16nlずつジェット噴射することにより、フッ化アシルで活性化されたエチレンメタクリル酸コポリマー(EMA)製の成形されたピース(バイオチップ)の上に付着してアレイを形成した。プリント後、前記アレイは終夜真空乾燥し、残存する表面の反応基を2時間エタノール中で不活性化(クエンチ)した。ハイブリダイゼーションに使用する準備として、前記アレイを短時間水でリンスした。
【0067】
Fibプローブ:
5’−CGGCTGGACACGCTTCTGTAG−3’
Fib−aプローブ:
5’−NH2− CGGCTGGACACGCTTCTGTAG−3’
Fibターゲット:
5’−ビオチン−CTACAGAAGCGTGTCCAGCCG−3’
【0068】
ハイブリダイゼーション
Fibターゲット(最終濃度100nM)を20μlの1μMストック溶液と30μlの変性剤を混合して調製した。前記ターゲットを10分間常温で変性条件下に置いた後、150μlの中和バッファーを加えた。前記バイオチップを24穴ポリプロピレン細胞培養プレートのウェルに入れた前記溶液中に浸し、該プレートを60分間60°Cで加湿チャンバー中に置いた。2xSSC、0.01% SDS、pH7.0のストリンジェンシーバッファー中での10分間のリンスに続き、ストリンジェンシーバッファー中で調製されたストレプトアビジン−アルカリフォスファターゼ結合体中で30分間常温でインキュベーションした。ストリンジェンシーバッファー中での大量のリンスの後、前記バイオチップを2回ストリンジェンシーバッファーでリンスして未結合の結合体を除き、シグナルを現像するためにELF試薬中に30分間浸した。短時間の水でのリンスに続いて、バイオチップのアレイのシグナルはCCDカメラシステムを使用して読みとられた。
【0069】
結果
図4は、ビオチン化Fibターゲットオリゴヌクレオチドが、アレイのアミノ修飾および未修飾の両方の相補的なプローブに対してハイブリダイゼーションをしたことを示す。
【0070】
前記アレイの各プローブスポットについての平均シグナル強度の画像解析は、3個の別々のバイオチップアレイについて行った。図5は、標準偏差から推測される数値範囲を考慮すると、アミノ修飾プローブと未修飾プローブに対するハイブリダイゼーションがほぼ同レベルであったことを示す。
【0071】
実施例4
フッ化アシルで活性化したポリプロピレンフィルム上のアレイに並べられたcDNAの調製とキャラクタリゼーション
ポリプロピレンフィルムの活性化
高周波プラズマ(米国特許第5,554,501号)により表面をアミノ化し、アミン官能基を無水コハク酸との反応によりカルボキシル基に変換した。フッ化アシルによる活性化は、共に出願中の米国特許出願第08/797,222号出願明細書に既に記載のとおり、DAST試薬を使用して達成された。フッ化アシルで活性化されたポリプロピレンフィルムは、アルゴン存在下−20°Cで乾燥状態で必要なときまで保存された。
【0072】
cDNAアレイのプリント
第1鎖cDNA(肝臓腫瘍)のPCR増幅由来の未修飾cDNAは、プライマーと、dNTPsと、補助因子と、Taq酵素とを除去するために、ゲル濾過スピンカラム(Xtreme、Pierce Chemical)を使用して精製した。この精製cDNAは水でカラムから溶出され、カップリングのために0.5M 炭酸水素ナトリウムバッファー、pH9で希釈された。384本ピンHDRTシステムを備えたBiomek2000(登録商標)ロボットシステムが基質にcDNA溶液をプリントするために使用された。BAPAマーカー、すなわち5−(ビオチンアミド)ペンチルアミン(Pierce Chemical)も前記フィルムの両端にプリントし、これにより結合したcDNAを挟んだ。ハイブリダイゼーションと無関係にストレプトアビジン−酵素結合体と結合するBAPAは、アッセイがうまくいっていること(robustness)についての内部対照の役割を果たす。プリント後、前記フィルムを35°C15分間乾燥してから、残存する表面の反応基をブロックするために2時間エタノール中に浸した。前記フィルムを脱イオン水で短時間リンスして、風乾した。8cmx12cmのフィルムを12枚に分割し、それぞれの短冊(strip)には各cDNAの3x3の繰り返しを2回と、前記BAPAマーカーの3x3の繰り返しを6回とが含まれた。得られたcDNAアレイフィルムをハイブリダイゼーションまで−20度または室温で乾燥状態で保存した。
【0073】
ハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーションのために、それぞれのフィルムの短冊を、顕微鏡用ガラス製スライド上に分注した150μlの変性剤中で15分間変性した。この変性のステップに続いて、前記フィルムの短冊を前記スライドから取り出して、残存する変性剤を除去するためにストリンジェンシーバッファー中でリンスした。第1鎖cDNAのプール(肝臓腫瘍)由来のアクチン、G3PDHおよびTNFアルファのビオチン標識されたPCR産物の混合物を、15mlポリプロピレン試験管中で以下のとおりハイブリダイゼーション用に調製した:それぞれのcDNAのPCR溶液15μlを混合し180μlの水で希釈した。そして337.5μlの変性剤を添加した。変性を10分間常温で行い、1687.5μlの中和バッファーを前記試験管に添加した。150μlのアリコートを顕微鏡用ガラス製スライドに移し、フィルムアレイを、DNAの結合した面を下にして、この溶液の上に載せた。ハイブリダイゼーションは加湿チャンバー中で振盪しながら60分間60°Cで行った。前記フィルムの短冊を前記ハイブリダイゼーション溶液から取り出し、50mlポリプロピレン製ねじ蓋付き培養試験管に移して、まず短時間リンスした後、60°Cに予め加熱した40mlの2xSSC、0.01% SDSバッファーに60°C10分間ストリンジェンシーリンスのために浸した。このストリンジェンシーバッファー中での最後のリンスの後、前記フィルムをブロットして余分な溶液を除き、30分間常温でストレプトアビジン−アルカリフォスファターゼ結合体の溶液を顕微鏡用ガラス製スライド上に置いた。大量のストリンジェンシーバッファー中でのリンスに続き、前記フィルムを再度ブロットして、シグナル現像用のELF試薬中に置いた。シグナルは30分間現像した。短時間水でリンスした後、アレイシグナルはCCDカメラシステムを使用して読みとられた。
【0074】
結果
対応するcDNAの混合物のハイブリダイゼーションによって決定したところ、cDNAとBAPAマーカーのアレイをフッ化アシルで活性化されたポリプロピレンフィルム上にプリントすることには成功していた(図6)。図6は、(3枚の別々のフィルム短冊に7日目にハイブリダイゼーションを行った)フッ化アシルで活性化されたポリプロピレンフィルム上のcDNAとBAPAマーカーのBiomekHDRTによるプリントを示す。フィルムアレイの保存は、常温でも−20°Cでも、約3箇月の期間ではハイブリダイゼーションに悪影響を与えなかった(図7)。図7は、ポリプロピレンを用いたcDNAアレイの安定性を示す。長期にわたるアッセイ条件の相違を説明するために、シグナル強度をBAPAマーカー強度に対して規格化(normalized)した。全てのcDNAプローブについて、どちらの保存条件でもハイブリダイゼーション効率が変わらなかった。TNFのシグナルはBAPAマーカーのシグナルよりもいつも弱かったが、他のcDNAハイブリダイゼーションシグナルはBAPAマーカーのシグナルとほぼ同じ強度のままであった。
【0075】
実施例5
タンパク質の固定化
タンパク質、バッファーおよびその他の試薬
1.ビオチン化アルカリフォスファターゼ:Pierce Immunopure(登録商標)(ロット番号#95120774)
2.ウサギ抗ヤギIgG(H+L):Zymed Laboratories、South San Francisco、カリフォルニア州(ロット番号#2112098)
3.3.ヤギ抗ビオチンIgG:Sigma Chemical Co.(ロット番号#116H8842)、アフィニティ精製抗体、PBS中に1mg/mlで再構成。
4.プロテインA:Zymed Laboratories、South San Francisco、カリフォルニア州(ロット番号#21212416);脱イオン水2ml中に5mgを再構成(2.5mg/ml)。
5.ストレプトアビジン(S.avidinii由来):Zymed Laboratories、South San Francisco、カリフォルニア州(ロット番号#70536128);脱イオン水1ml中に5mgを再構成(5mg/ml)。
6.カゼイン:Hammersten(ロット番号#BDH44020)
7.カップリングバッファー:1M 炭酸ナトリウム、pH9または10をタンパク質溶液で0.8Mに希釈
8.ELF(登録商標)試薬(ELF(登録商標)−97内在性フォスファターゼ検出キット):Molecular Probes、Eugene、オレゴン州(ロット番号#6771)
9.高塩濃度バッファー:1.0M Tris、1.5M NaCl、pH7.5(Digene Neutralizing Buffer);Digene Diagnostics、Beltsville、メリーランド州(ロット番号#0094MX95)
10.クエンチ/ブロックバッファー:1mg/ml カゼイン、50mM 炭酸、0.15M NaCl、pH8.5
11.TBS:50 mM Tris、0.15 M NaCl、pH7.5
【0076】
方法
タンパク質のバイオチップへの固定化
タンパク質(プロテインA、ストレプトアビジン、ウサギ抗ヤギIgG)q1M 炭酸バッファー、pH9または10で0.5−1.0mg/mlの濃度に希釈した。これらのタンパク質溶液をフッ化アシルで活性化したプラスチック製バイオチップの表面に0.5μlの液滴として添加した。チップは加湿したチャンバー中で25°C1時間インキュベーションをした。チップを前記チャンバーから取り出し、完全に風乾した(約15分)後、クエンチ/ブロック溶液中に置いた。チップを24穴プレート中で1.0mlの溶液に入れ、最小限30分間激しくvortexで撹拌することにより、クエンチした。クエンチ後、チップを脱イオン水で10分間振盪しながらリンスして、風乾した。
【0077】
ELF試薬によるアルカリフォスファターゼの検出
それぞれのチップについて、Molecular Probes社の手順(すなわち19部の試薬Bを1部の試薬Aに加える)に従って50μlのELF試薬を調製して、前記チップの表面に適用した。ELF試薬が付着したチップを、湿度を維持するために水を半分満たした箱の中で30分間インキュベーションをした。その後、前記チップを脱イオン水で3回リンスした。前記チップを365nmの紫外線励起光と520nmのレンズフィルターで写真撮影した。CCDカメラの露出時間は10秒が典型的であった。
【0078】
実験結果
プロテインAのバイオチップへの固定化
シグナル現像と検出:
TBS中に1:100希釈したウサギ抗ヤギIgGで1時間、続けて、TBS中のヤギ抗ビオチンIgGで1時間、その後2xSSC、0.01% SDS中のビオチン−アルカリフォスファターゼ結合体で1時間、それぞれインキュベーションした。ELFで現像した。固定化されたプロテインAはここに記載のサンドイッチイムノアッセイ法においてウサギ(Rb)抗体を捕捉する機能があることが証明された。
【0079】
ストレプトアビジンのバイオチップへの固定化
0.8M 炭酸バッファー、pH9中で1mg/mlに調製された。室温で1時間インキュベーションをした。異なるブロック試薬(1mg/ml)中でVortexerにより1時間撹拌してクエンチした。
【0080】
シグナル現像と検出
2xSSC,0.01% SDSバッファー中で1:100に希釈したビオチン化アルカリフォスファターゼを1時間インキュベーションした。ELF試薬のインキュベーションは30分間室温で行った。固定化ストレプトアビジンは、非特異的結合を減少させることを目的とするさまざまなブロック条件下で、ビオチン化酵素を特異的に捕捉する機能があることが証明された(図9)。
【0081】
抗体のバイオチップへの固定化
ヤギ抗ビオチンIgGはバイオチップに以下のとおり固定化された:
1.PBS、pH7.2中の1.0mg/ml、30分間のインキュベーション
2.PBS、pH7.2中の1.0mg/ml、60分間のインキュベーション
3.0.8M 炭酸バッファー、pH10中の0.5mg/ml、30分間のインキュベーション
4.0.8M 炭酸バッファー、pH10中の0.5mg/ml、60分間のインキュベーション
【0082】
シグナル現像と検出:
高塩濃度バッファー中で1:100希釈したビオチン−アルカリフォスファターゼ結合体と、抗体とのインキュベーションと同じ時間インキュベーションをした。ELF試薬による現像は室温で30分間行った。ヤギ抗ビオチンIgGという抗体の固定化はpH7.2でもpH10でも成功したことが、ビオチン標識されたレポーター酵素(アルカリフォスファターゼ)の特異的な捕捉により証明された。
【0083】
以上は本発明の範囲を例示することを目的とするものであって、限定することを目的とするものではない。実際、本発明の技術分野の通常の技量を有する者は、ここでの開示に基づいて過度の実験を伴うことなく、さらなる実施態様を予見し作成することができる。
【0084】
本発明の特長とその入手方法は、添付する図面とともに以上の説明を参照することにより、より明確となり、最もうまく理解できる。これらの図面は本発明の典型的な実施態様のみを描写しており、本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1aはアクチン、G3PDH、p53およびTNF由来の標識されたターゲットcDNAの、これらに対応する固相プライマーに対するハイブリダイゼーションの結果を示す。
図1bは標識されたcDNAターゲットの、同じ手順で固定化されたこれらに対応するプローブcDNAに対するハイブリダイゼーションの結果を示す。
【図2】 手動ピペッターでのスポットにより作られたアレイパターンを示す。
【図3】 cDNAターゲットの、未修飾オリゴヌクレオチドプライマーの対を手作業でスポットしたアレイに対するハイブリダイゼーションの結果を示す。
【図4】 ビオチン化Fibターゲットオリゴヌクレオチドの、アレイのアミノ修飾および未修飾の相補的なプローブに対するハイブリダイゼーションの結果を示す。
【図5】 アレイの各プローブのスポットについての平均シグナル強度の画像解析である。
【図6】 フッ化アシルで活性化されたポリプロピレンフィルム上のcDNAとBAPAマーカーのBiomekHDRTによるプリントを示す。
【図7】 ポリプロピレンに基づくcDNAアレイの安定性を示す。
【図8】 プロテインAの固定化を示す。
【図9】 ストレプトアビジンの固定化を示す。
【図10】 ヤギ抗ビオチンIgG抗体の固定化を示す。
Claims (60)
- (a)未修飾核酸を用意するステップ、(b)フッ化アシル官能基側鎖を含む表面が少なくとも1つある固形支持体を用意するステップ、(c)前記未修飾核酸と前記固形支持体とが結合できるのに十分な条件下で、前記核酸を前記固形支持体と接触させるステップを含む、未修飾核酸を固形支持体と結合する方法。
- 前記核酸は、ポリヌクレオチドである、請求項1に記載の方法。
- 前記ポリヌクレオチドは、合成オリゴヌクレオチド、増幅されたDNA、cDNA、1本鎖DNA、2本鎖DNA、PNA、RNAまたはmRNAからなるグループから選択される、請求項2に記載の方法。
- 前記ポリヌクレオチドの長さは3bpないし10kbの範囲内にある、請求項2に記載の方法。
- 前記ポリヌクレオチドの長さは100bpないし1.5kbの範囲内にある、請求項4に記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドの長さは3ないし100個のオリゴヌクレオチドの範囲内にある、請求項3に記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドの長さは15ないし20個のオリゴヌクレオチドの範囲内にある、請求項6に記載の方法。
- 前記固形支持体は、ポリマー材料、ガラス、セラミック、天然繊維、シリコン、金属およびこれらの複合材料からなるグループから選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記固形支持体は、エチレンアクリル酸、エチレンメタルリル酸、カルボキシ化PVDF、カルボキシ化ポリプロピレンまたはカルボキシ化ポリエチレンおよびこれらのコポリマーからなるグループから選択されるポリマー材料である、請求項1に記載の方法。
- 前記(b)のステップには、さらに不活性の固形支持体を、フッ化アシル官能基側鎖を含むポリマー材料か、あるいはフッ化アシル官能基側鎖を支持することができるポリマー材料でコーティングすることを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記固形支持体の材料は多孔質または非孔質である、請求項1に記載の方法。
- 前記固形支持体の形状は、糸、シート、フィルム、ゲル、膜、ビーズ、または板である、請求項1に記載の方法。
- 前記固形支持体は、ウェルか、槽か、台か、疎水性または親水性のパッチか、打ち抜き接着性貯留部か、積層された打ち抜きガスケットかの形状をした隔離された領域を有する平らな素子の形状をしたプラスチックで作製される、請求項1に記載の方法。
- 前記固形支持体はマイクロプレートである、請求項13に記載の方法。
- 前記プラスチックはフッ化アシル官能基で処理された表面を有するポリプロピレンである、請求項13に記載の方法。
- 前記接触のステップは、ジェットプリント法、固形素子または開放キャピラリー素子接触プリント法、マイクロフルイディックチャンネルプリント法、シルクスクリーン法および電気化学的または電磁的な力に基づく印刷素子を用いる技術からなるグループから選択される技術により実行される、請求項1に記載の方法。
- 前記接触のステップは前記未修飾核酸を前記固形支持体にスポットすることにより実行される、請求項16に記載の方法。
- 前記条件は塩基性pH条件である、請求項1に記載の方法。
- 前記塩基性pH条件はプリント溶液をpH8ないし13に維持される、請求項18に記載の方法。
- 前記プリント溶液は塩を含む、請求項19に記載の方法。
- 前記塩はLiClである、請求項20に記載の方法。
- 前記プリント溶液は炭酸水素ナトリウム−炭酸バッファーを含む、請求項21に記載の方法。
- 前記塩基性pH条件はpH9ないし12である、請求項18に記載の方法。
- 前記核酸はポリヌクレオチドで、該ポリヌクレオチドはpH9ないし10の条件下で前記固形支持体にスポットされる、請求項1に記載の方法。
- 前記核酸はポリヌクレオチドで、該ポリヌクレオチドをpH10ないし12の条件下で前記固形支持体にジェットプリントする、請求項1に記載の方法。
- サンプル中の核酸ターゲットを分析する方法であって、(a)フッ化アシル基側鎖を少なくとも1つの表面に有する材料で作製された固形支持体を用意するステップと、(b)前記核酸ターゲットと複合体を形成でき、第2の核酸を含む試薬を用意するステップと、(c)前記試薬または前記核酸ターゲットのいずれかを前記固形支持体と結合できる条件下で、前記試薬または前記核酸ターゲットのいずれかと前記固形支持体を接触させるステップと、(d)前記試薬と前記核酸ターゲットを含む複合体を形成できる条件下で、前記試薬と結合した前記固形支持体を前記核酸ターゲットと接触させるステップまたは前記核酸と結合した固形支持体を前記試薬と接触させるステップと、(e)前記サンプル中に含まれる前記核酸ターゲットの存在または量の測定値として、前記複合体の存在を検出し測定するステップとを含み、前記試薬および前記核酸ターゲットは未修飾である、サンプル中の核酸ターゲットを分析する方法。
- 前記(c)のステップにおいて前記試薬は前記固形支持体の表面に結合し、前記(d)のステップにおいて、前記試薬と前記核酸ターゲットを含む複合体を形成できる条件下で、前記未修飾試薬と結合した前記固形支持体は前記核酸ターゲットと接触する、請求項26に記載の方法。
- 前記(c)のステップにおいて前記核酸ターゲットは前記固形支持体の表面に結合し、前記(d)のステップにおいて、前記核酸ターゲットと結合した前記固形支持体は、前記試薬と前記核酸ターゲットを含む複合体を形成できる条件下で、前記試薬と接触する、請求項26に記載の方法。
- 前記核酸ターゲットは、ポリヌクレオチドである、請求項26に記載の方法。
- 前記試薬は、核酸ポリヌクレオチドである、請求項26に記載の方法。
- 前記核酸ターゲットはポリヌクレオチドで、前記試薬は該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドプローブを含む、請求項26に記載の方法。
- 前記複合体は前記ポリヌクレオチドと前記ポリヌクレオチドプローブを含み、前記複合体は前記ポリヌクレオチドプローブと前記ポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションにより形成される、請求項31に記載の方法。
- 前記(c)のステップにおいて、前記試薬または前記核酸ターゲットは前記固形支持体の表面に共有結合により結合する、請求項26に記載の方法。
- 前記複合体はさらに色素、化学発光化合物、酵素、蛍光化合物、金属複合体、磁性粒子、ビオチン、ハプテン、および放射発光化合物からなるグループから選択されるレポーター分子を含む、請求項26に記載の方法。
- 前記固形支持体は、ポリマー材料、ガラス、セラミック、天然繊維、シリコン、金属およびこれらの複合材料からなるグループから選択される、請求項26に記載の方法。
- 前記固形支持体は、エチレンアクリル酸、エチレンメタルリル酸、カルボキシ化PVDF、カルボキシ化ポリプロピレンまたはカルボキシ化ポリエチレンおよびこれらのコポリマーからなるグループから選択されるポリマー材料である、請求項26に記載の方法。
- 前記(a)のステップには、さらに不活性の固形支持体を、フッ化アシル官能基側鎖を含むポリマー材料か、あるいはフッ化アシル官能基側鎖を支持することができるポリマー材料かでコーティングすることを含む、請求項26に記載の方法。
- 前記固形支持体の形状は、糸、シート、フィルム、ゲル、膜、ビーズ、または板である、請求項26に記載の方法。
- 前記固形支持体は、ウェルか、槽か、台か、疎水性または親水性のパッチか、打ち抜き接着性貯留部か、積層された打ち抜きガスケットかの形状をした隔離された領域を有する平らな素子の形状をしたプラスチックで作製される、請求項26に記載の方法。
- 前記固形支持体はマイクロプレートである、請求項39に記載の方法。
- 前記プラスチックはフッ化アシル官能基で表面処理されたポリプロピレンである、請求項39に記載の方法。
- 前記試薬または前記核酸ターゲットは、フッ化アシル官能基側鎖を含むプラスチックディスクの表面にプリントされ、該ディスクは前記マイクロプレートのウェルの底に挿入され、前記未修飾試薬または未修飾核酸ターゲットと結合した固形支持体を形成する、請求項26に記載の方法。
- 同じまたは異なる未修飾試薬か、前記核酸ターゲットかを前記平らな素子の異なる隔離された領域に結合してアレイを形成する、請求項39に記載の方法。
- 少なくとも1ないし1536個の未修飾試薬または核酸ターゲットを平らな素子の少なくとも1ないし1536箇所別々の隔離された領域に結合する、請求項39に記載の方法。
- 前記平らな素子はマイクロプレートで、前記隔離された領域は該マイクロプレートのウェルである、請求項44に記載の方法。
- 複数の未修飾核酸と固形支持体を含む素子であって、該固形支持体はフッ化アシル官能基側鎖を含む少なくとも1つの表面を有し、該フッ化アシル官能基側鎖との反応により前記核酸は前記固形支持体と結合する素子。
- 前記核酸は、ポリヌクレオチドである、請求項46に記載の素子。
- 前記オリゴヌクレオチドは、合成オリゴヌクレオチド、増幅されたDNA、cDNA、1本鎖DNA、2本鎖DNA、PNA、RNAまたはmRNAからなるグループから選択される、請求項47に記載の素子。
- 前記核酸は同じものでも異なるものでもよい、請求項46に記載の素子。
- 前記固形支持体は、ポリマー材料、ガラス、セラミック、天然繊維、シリコン、金属およびこれらの複合材料からなるグループから選択される、請求項46に記載の素子。
- 前記固形支持体は、エチレンアクリル酸、エチレンメタルリル酸、カルボキシ化PVDF、カルボキシ化ポリプロピレンまたはカルボキシ化ポリエチレンおよびこれらのコポリマーからなるグループから選択されるポリマー材料である、請求項46に記載の素子。
- 前記固形支持体の形状は、糸、シート、フィルム、ゲル、膜、ビーズ、または板である、請求項46に記載の素子。
- 前記固形支持体は、ウェルか、槽か、台か、疎水性または親水性のパッチか、打ち抜き接着性貯留部か、積層された打ち抜きガスケットかの形状をした隔離された領域を有する平らな素子の形状をしたプラスチックで作製される、請求項46に記載の素子。
- 前記固形支持体はマイクロプレートである、請求項53に記載の素子。
- 前記プラスチックはフッ化アシル官能基で表面処理されている、請求項53に記載の素子。
- 前記プラスチックは、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエチレンおよびこれらのコポリマーからなるグループから選択される、請求項55に記載の素子。
- 前記核酸は異なる隔離された領域に結合してアレイを形成し、該核酸は同じものでも異なるものでもよい、請求項53に記載の素子。
- 前記素子は、(a)複数の未修飾核酸を用意すること、(b)フッ化アシル官能基側鎖を含む少なくとも1つの表面を有する固形支持体を用意すること、(c)前記複数の未修飾核酸のそれぞれが前記固形支持体と該固形支持体の別々の場所で結合することができる条件下で、前記複数の核酸と前記固形支持体を接触することを含む方法により調製される、請求項46に記載の素子。
- 前記固形支持体は複数の隔離された場所を有し、前記核酸は前記固形支持体とそれぞれの隔離された場所で結合する、請求項58に記載の素子。
- 前記核酸は同じものまたは異なるものである、請求項58に記載の素子。
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