JP4607278B2 - ゲート内蔵式ポンプ設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポンプ設備に関し、詳しくは、中小河川などの水路の流れを制御するゲートに付帯される排水用のポンプ設備(ゲート内蔵式ポンプ設備)に関する。
【0002】
【従来の技術】
中小河川などの水路の流れを制御するゲートに付帯される排水用のポンプ設備としては、軸流ポンプや斜流ポンプなどを使用したものが一般的である。
そして、従来のポンプ設備においては、例えば、図13に示すように、ポンプ51を、昇降手段53により昇降され、水路54a,54bの流れを制御するゲート52の外側に、ポンプ軸が垂直となるような姿勢で配設して用いたり、図14に示すように、ポンプ51を、ポンプ軸が水路の流れ方向と平行に(ゲート52の厚み方向と平行に)なるような姿勢で、昇降手段53により昇降され、水路54a,54bの流れを制御するゲート52の内部に収納するように配設して用いたりしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来のポンプ設備のうち、図13に示したポンプ設備の場合、ポンプ51がゲート52の外側に配設され、ゲート52の厚み中心に対して水路の流れ方向に偏心して取り付けられていることから、外観上の突き出し部により、設置空間が制約されるという問題点があるとともに、昇降手段53に対する偏心荷重が作用しやすいという問題点がある。
【0004】
また、図14に示したポンプ設備においては、ポンプ51がゲート52の内部に収納されるように配設されているが、ポンプ51の回転軸(ポンプ軸)が、ゲート52の厚み方向(すなわち水路の流れ方向)に平行になるように配設されており、ポンプ51の一部が、ゲート52から、その厚みに方向に突き出ているため、図13に示したポンプ設備ほどではないが、外観上の突き出し部により、設置空間が制約されるという問題点がある。
【0005】
また、図13及び図14に示すような、従来のポンプでは、処理水量の増大に対応しようとすると、羽根車の直径を大きくすることが必要になり、ポンプ全体が大型化して、大幅な重量の増加を招くという問題点がある。
【0006】
また、河川などの水路には、ポンプ内を閉塞させるような異物が流下してくる場合があるため、閉塞防止措置を講じることが必要であるが、従来のポンプでは、性能確保上、羽根形状やポンプ構造は複雑化しており、ポンプ閉塞に対する抜本的な対策をとることが容易でないという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、ゲートの重量バランスを損なうことなくゲートに内蔵することが可能であるともに、水路の幅を有効に利用することが可能で、羽根車の直径を小さくして、軽量化を図ることができ、しかも閉塞の生じにくいゲート内蔵式ポンプ設備を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明(請求項1)のゲート内蔵式ポンプ設備は、
昇降手段により昇降され、水路の流れを制御するゲートに付帯され、前記ゲートにより仕切られる一方の水路から、他方の水路に排水を行うために用いられるポンプ設備であって、
排水量が羽根幅に比例し、水が羽根内を2度通過するように構成された貫流羽根車を用いてなる貫流ポンプが、貫流羽根車の回転軸が前記ゲートの厚み方向(すなわち水路の流れ方向)と直交するような態様で、前記ゲート内に内蔵されていること
を特徴としている。
【0009】
本発明のゲート内蔵式ポンプ設備においては、排水量が羽根幅に比例し、水が羽根内を2度通過するように構成された貫流羽根車を用いてなる貫流ポンプが、貫流羽根車の回転軸がゲートの厚み方向(すなわち水路の流れ方向)と直交するような態様で、ゲート内に内蔵されるようにしているので、ポンプをゲートに内蔵しやすくなるとともに、ポンプを構成する貫流羽根車における水の流れ方向(吸込口→吐出口への流れ方向)を、水路の流れ方向と一致させることが可能になり、水路の幅を有効に利用して貫流羽根車の直径を小さくし、重量の軽減を図ることが可能になる。
【0010】
また、貫流羽根車を用いたポンプ(貫流ポンプ)においては、圧力係数を大きく取ることができるため、同一ヘッドでは貫流羽根車の直径を小さくすることが可能であり、この面からも軽量化を図ることが可能になる。
【0011】
さらに、貫流羽根車は、羽根枚数を多くして、羽根間通路を狭くすることが可能で、異物が流入しにくく、流入しても排出しやすい作動機構とすることが可能であるため、閉塞しにくい信頼性の高いゲート内蔵式ポンプ設備を得ることが可能になる。
【0012】
上述のように、本発明(請求項1)のゲート内蔵式ポンプ設備においては、貫流ポンプが、昇降手段により昇降されるゲートに内蔵されるため、ゲートから突出することがなく、設置空間の制約が改善され、しかもゲートの重量バランスを良好に保つことが可能になるため、ゲートの昇降手段に対する偏心荷重などの負荷も軽減される。
【0013】
また、請求項2のゲート内蔵式ポンプ設備は、前記貫流羽根車を駆動するための駆動手段が、前記ゲート内に内蔵された水中モータであって、該水中モータが、(a)前記貫流羽根車と同軸上に配設されているか、又は、(b)動力伝達手段を介して前記貫流羽根車を駆動することが可能な位置に、所定の姿勢で配設されていること
を特徴としている。
【0014】
貫流羽根車を駆動するための駆動手段として、水中モータを用い、これをゲート内に内蔵するとともに、貫流羽根車と同軸上に配設するか、又は、動力伝達手段を介して貫流羽根車を駆動することが可能な位置に配設することにより、貫流羽根車とその駆動手段の両方がゲートに内蔵された、簡潔な外観形状を有し、設置空間の制約のより少ないゲート内蔵式ポンプ設備を構成することが可能になる。
【0015】
また、請求項3のゲート内蔵式ポンプ設備は、前記貫流羽根車を駆動するための駆動手段が、前記ゲートの外側上部に配設された陸上モータであって、該陸上モータが、動力伝達手段を介して前記貫流羽根車を駆動することが可能な位置に、所定の姿勢で配設されていることを特徴としている。
【0016】
貫流羽根車を駆動するための駆動手段として、ゲートの外側上部に陸上モータを配設し、該陸上モータにより、動力伝達手段を介して貫流羽根車を駆動するようにした場合、防水性を備えた、高価な水中モータを用いることなく、ゲートに内蔵させたポンプを駆動させることが可能になる。
【0017】
また、ゲートの外側上部に陸上モータを配設した場合、ゲート厚み中心に対して河川流れ方向に偏心しないような態様で陸上モータをゲートに配設することが可能になり、昇降手段に対する負荷の増大を回避することが可能になる。
【0018】
また、請求項4のゲート内蔵式ポンプ設備は、前記貫流羽根車を駆動するための駆動手段が、地上に配設された油圧ポンプであって、該油圧ポンプからの油圧により前記貫流羽根車が駆動されるように構成されていることを特徴としている。
【0019】
貫流羽根車を駆動するための駆動手段として、油圧ポンプを地上に配設し、該油圧ポンプからの油圧により貫流羽根車を駆動するようにした場合、ポンプに油圧伝達用の配管を施工するだけで済ませることが可能になり、昇降手段に対する負荷を軽減することが可能になるとともに、コストの低減を図ることが可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態にかかるゲート内蔵式ポンプ設備において用いられている貫流羽根車内の水の流れ状態を示す図、図2(a)は貫流羽根車の正面断面図、図2(b)は貫流羽根車の側面断面図である。
【0021】
図1及び図2に示すように、貫流羽根車1は、一対の円形の側板2a,2b(図2)間に、一方の側板2aから他方の側板2bに達する羽根3を、側板2a,2bの外周に沿って、略放射状に所定の間隔をおいて多数枚取り付けることにより形成されており、各羽根3は、回転方向に対して前向きに、いくらか湾曲した状態で取り付けられている。
そして、側板2a,2bには、駆動手段により回転駆動されるシャフト4が取り付けられている。
【0022】
このように構成された貫流羽根車1が矢印Yの方向に回転すると、図1に示すように、各羽根3の近傍に、貫流羽根車1を貫通する流れが生ずる。これは、貫流羽根車1の内部負圧の吸引作用によって、流れの軸対称性が崩れ、円周上の一部分で内部に向かう流れ(渦)5が生じることによるものである。
【0023】
そして、流体工学における連続の法則により、流入した量と同量の水が、残りの円周部分から外部に流れ出る(すなわち、水が羽根内を2度通過する)ことになり、結果として、水を吸い込み側から吐出側へ排出するポンプとしての作用を果たすことになる。
【0024】
図3は上記の貫流羽根車1を用いてなる貫流ポンプPの構造を示す図であり、(a)は正面断面図、(b)は側面断面図である。
図3(a),(b)に示すように、この貫流ポンプPは、貫流羽根車1がケーシング11内に配設されており、シャフト4が軸受け12(図3(a))により回転可能に支持された構造を有している。
【0025】
なお、上述のような貫流羽根車1を用いた貫流ポンプPは、軸流ポンプや斜流ポンプに比べて圧力係数を大きく取ることができるため、同一ヘッドでは、回転数が同じ場合に羽根車直径が小さくて済むという特徴を有している。
【0026】
また、上述の貫流ポンプPに用いられている貫流羽根車1の場合、羽根3の枚数が多いため、異物が流入しにくく、また、羽根内を2度通過することにより、流入しても排出しやすいという作動機構上の特徴を有している。
【0027】
なお、図3の貫流ポンプPにおいて、貫流羽根車1と軸受け12の間に軸封装置(図示せず)を用いた場合には、軸受け12の潤滑方式として、汎用のグリース又はオイル潤滑方式を採用することができるが、軸封装置を用いない場合には、水中軸受けを採用することが必要になる。しかし、いずれにしても、ポンプ本体が複雑な構造となることはない。
【0028】
また、貫流ポンプPを構成するケーシング11は、貫流羽根車1への水の吸い込み、吐出の通路となる機能を果たすものであり、ケーシング11の形状によりポンプ性能も影響を受けるものである。しかし、形状は二次元で羽根幅方向には一定であることから、容易に製作することが可能である。
【0029】
また、シャフト4は、動力を貫流羽根車1に伝達するものであるが、貫流羽根車1内を貫通するものではなく、側板2a,2bに取り付けるのが一般的である。
【0030】
図4は、本発明の実施形態にかかるゲート内蔵式ポンプ設備の要部構成を示す側面断面図である。
この実施形態のゲート内蔵式ポンプ設備においては、貫流ポンプPが、昇降手段21により昇降され、水路22a,22bの流れを制御するゲートGの厚み方向のほぼ中心に設置されているとともに、貫流ポンプPの出口には逆止弁13が設けられ、ゲートGの前後の水路22a,22bの水位差により貫流ポンプPの停止中に貫流ポンプP内を水が逆流しないように構成されている。
【0031】
次に、本発明のゲート内蔵式ポンプ設備における、貫流ポンプと、これを駆動する駆動手段の配設態様について、いくつかの例を挙げて説明する。
なお、水路の流れを制御するゲート内蔵式ポンプ設備においては、安全性を考慮して、1つのゲートGに、2つの貫流ポンプPが設置されるのが一般的であることから、以下の各例でも、2つの貫流ポンプが用いられている場合について説明する。ただし、本発明においては、1つのゲートに設置される貫流ポンプの数に制約はなく、一つのゲートに1つの貫流ポンプ、又は3つ以上の貫流ポンプを設置することも可能である。
【0032】
まず、図5は、本発明のゲート内蔵式ポンプ設備における、貫流ポンプPと駆動手段(水中モータ)M1の配設態様の一例を示す図である。
この例では、ゲートGの下部の中央に、2つの貫流ポンプPが内蔵され、かつ、各貫流ポンプPと同軸上に、駆動手段として2つの駆動手段(水中モータ)M1が内蔵されており、一対の貫流ポンプPと駆動手段(水中モータ)M1を、左右対称に所定の位置に配設することにより、重量バランスが保たれるように構成されている。
なお、貫流ポンプPと駆動手段(水中モータ)M1の間には動力伝達用継ぎ手7が挿入されている。
この図5のような構成は、ゲートGの幅が、2つの貫流ポンプPの長さと、2つの駆動手段(水中モータ)M1の長さの合計よりも大きい場合に可能になる。
【0033】
また、図6,図7及び図8は、ゲートGの幅が、2つの貫流ポンプPの長さと、2つの駆動手段(水中モータ)M1を横方向に並べて配設することができるだけの長さがない場合などに好適な貫流ポンプPと駆動手段(水中モータ)M1の配設態様を示している。
【0034】
すなわち、図6では、一つの貫流ポンプPと、一つの駆動手段(水中モータ)M1を横方向に並べて、上下2段に配設するとともに、重量バランスを考慮して、貫流ポンプPと、駆動手段(水中モータ)M1の位置関係を、上下で逆にしている。
【0035】
また、図7では、2つの貫流ポンプPをゲートGの下部に横に並べて配設し、駆動手段(水中モータ)をゲートの両端側に回転軸が縦方向になるように配設し、動力伝達用継ぎ手7及びギアなどの動力伝達方向変更手段8を介して、駆動手段(水中モータ)M1の動力が貫流ポンプPに伝達されるように構成されている。
【0036】
また、図8は、2つの駆動手段(水中モータ)M1をゲートGの下部に、横に並べて内蔵し、各駆動手段(水中モータ)M1のそれぞれの上方に貫流ポンプPを配設し、ギアなどの動力伝達方向変更手段8を介して、駆動手段(水中モータ)M1からの動力が貫流ポンプPに伝達されるように構成されている。
【0037】
また、図9及び図10は、駆動手段として陸上モータM2を用い、ゲートGの外側上部にこの駆動手段(陸上モータ)M2を配設するようにしたものであり、図9では、駆動手段(陸上モータ)M2を、回転軸が垂直方向になるように配設し、図10では、駆動手段(陸上モータ)M2を、回転軸が水平方向となるように配設し、動力伝達用継ぎ手7及びギアなどの動力伝達方向変更手段8を介して、駆動手段(陸上モータ)M2からの動力が貫流ポンプPに伝達されるように構成されている。
なお、図9及び図10に示すような構成とした場合、水中ポンプを用いることが不要になり、コストの低減を図ることが可能になる。
【0038】
また、図11は、貫流ポンプPを、回転軸が垂直になるような態様でゲートGに内蔵して貫流羽根車を水路の深さ方向に伸ばすととともに、回転軸が垂直になるように、ゲートGの外側上部に駆動手段(陸上モータ)M2を配設するようにしたものである。この場合、水中ポンプを用いることが不要になるとともに、ギアなどの動力伝達方向変更手段8も不要になるため、構造を簡略化することが可能になるとともに、さらなるコストの低減を図ることが可能になる。
【0039】
なお、本発明のゲート内蔵式ポンプ設備においては、貫流ポンプを、回転軸が垂直になるように配設しても、ポンプの作動に悪影響を与えることはない。
なお、図11の構成において、陸上モータの代わりに水中モータを用い、回転軸が垂直になるような姿勢で、ゲートGに内蔵させるように構成することも可能である。
【0040】
また、図12は、貫流ポンプPを駆動するための駆動手段として、油圧ポンプOPを用い、この油圧ポンプOPを地上に配設するとともに、油圧をホースなどの油圧伝達手段14によりポンプ部まで伝達することにより、貫流ポンプPを駆動するようにしたものである。
この場合、地上に配設された油圧ポンプOPからの油圧により貫流ポンプPを駆動することができるようになるため、駆動手段をゲートGに取り付けたり、ゲートに内蔵させたりすることができない場合にも対応することが可能になり、有意義である。また、駆動手段をゲートGに取り付けることができる場合でも、他の条件を勘案して、地上に駆動手段を配設する方が有利な場合には、図12に示すような構成を採用することが可能である。
【0041】
本発明のゲート内蔵式ポンプ設備においては、上述のように、重量バランスを崩すことなく、種々の駆動方法を選ぶことが可能になるが、これは、本発明のゲート内蔵式ポンプ設備が、上述のような貫流ポンプを採用していることによるものである。
【0042】
なお、本発明において、貫流羽根車の羽根幅を調整により排水量の変動に対応することが可能であるが、貫流羽根車の幅を調整する方法としては、文字通り、羽根幅を調整する方法や、所定の幅の貫流羽根車ユニットを必要に応じて所定個数連結する方法など、実質的に貫流羽根車の羽根幅を調整することが可能な種々の方法を適用することが可能であり、これらの態様はいずれも本発明の範囲内に含まれるものである。
【0043】
なお、本発明は、さらにその他の点においても、上記実施形態に限定されるものではなく、水路の種類、ゲートの具体的な形状及び構造、貫流羽根車の具体的な構成、駆動手段の種類や、貫流ポンプと駆動手段の配設態様などに関し、発明の要旨の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0044】
【発明の効果】
上述のように、本発明のゲート内蔵式ポンプ設備は、排水量が羽根幅に比例するようにし、かつ、水の流れ方向(吸込口→吐出口への流れ方向)が水路の流れ方向と一致するようにするために、ポンプとして、貫流羽根車を備えたポンプ(貫流ポンプ)を採用し、貫流羽根車の回転軸(ポンプ軸)がゲートの厚み方向(すなわち水路の流れ方向)と直交するような態様で、ゲートに組み込むようにしているので、ポンプをゲートに内蔵しやすくなるとともに、従来の軸流、斜流ポンプに比べ、水路の幅を有効に利用することが可能になり、羽根車直径を大きくすることなく排水量の増大を図ることが可能になり、重量の軽減を図ることが可能になる。
【0045】
また、貫流羽根車を用いたポンプ(貫流ポンプ)においては、圧力係数を大きく取ることができるため、同一ヘッドでは貫流羽根車の直径を小さくすることが可能であり、この面からも軽量化を図ることが可能になる。
【0046】
さらに、貫流羽根車は、羽根枚数を多くして、羽根間通路を狭くすることが可能で、異物が流入しにくく、流入しても排出しやすい作動機構とすることが可能であるため、閉塞しにくい信頼性の高いゲート内蔵式ポンプ設備を得ることができる。
【0047】
また、本発明(請求項1)のゲート内蔵式ポンプ設備においては、貫流ポンプが、昇降手段により昇降されるゲートに内蔵されるため、ゲートから突出することがなく、設置空間の制約が改善され、しかもゲートの重量バランスを良好に保つことが可能になるため、ゲートの昇降手段に対する偏心荷重などの負荷を軽減することができる。
【0048】
さらに、河川などの水路の幅に適応したポンプを設備することが可能になり、かつ、ポンプ内での閉塞が少ないためコストの低減と、信頼性の向上を図ることが可能になる。
【0049】
また、請求項2のゲート内蔵式ポンプ設備のように、貫流羽根車を駆動するための駆動手段として、水中モータを用い、これをゲート内に内蔵するとともに、貫流羽根車と同軸上に配設するか、又は、動力伝達手段を介して貫流羽根車を駆動することが可能な位置に配設することにより、貫流羽根車とその駆動手段の両方がゲートに内蔵された、簡潔な外観形状を有し、設置空間の制約のより少ないゲート内蔵式ポンプ設備を構成することが可能になる。
すなわち、貫流ポンプがゲートから突き出すことを防止することが可能になるとともに、駆動手段との組み合わせ態様によっては、ゲート幅も小さくすることが可能になり、かつ、駆動手段の配置の自由度が高いため、重量バランスのとれたゲート内蔵式ポンプ設備を得ることが可能になる。
【0050】
また、請求項3のゲート内蔵式ポンプ設備のように、貫流羽根車を駆動するための駆動手段として、ゲートの外側上部に陸上モータを配設し、該陸上モータにより、動力伝達手段を介して貫流羽根車を駆動するようにした場合、防水性を備えた、高価な水中モータを用いることなく、ゲートに内蔵させたポンプを駆動させることが可能になる。
【0051】
また、ゲートの外側上部に陸上モータを配設した場合、ゲート厚み中心に対して河川流れ方向に偏心しないような態様で陸上モータをゲートに配設することが可能になり、昇降手段に対する負荷の増大を回避することができる。
【0052】
また、請求項4のゲート内蔵式ポンプ設備のように、貫流羽根車を駆動するための駆動手段として、油圧ポンプを地上に配設し、該油圧ポンプからの油圧により貫流羽根車を駆動するようにした場合、ポンプに油圧伝達用の配管を施工するだけで済ませることが可能になり、昇降手段に対する負荷を軽減することが可能になるとともに、コストの低減を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるゲート内蔵式ポンプ設備において用いられている貫流羽根車内の水の流れ状態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態にかかるゲート内蔵式ポンプ設備において用いられている貫流羽根車を示す図であって、(a)は正面断面図、(b)は側面断面図である。
【図3】図2の貫流羽根車を用いてなる貫流ポンプの構造を示す図であり、(a)は正面断面図、(b)は側面断面図である。
【図4】本発明の実施形態にかかるゲート内蔵式ポンプ設備の要部構成を示す側面断面図である。
【図5】本発明のゲート内蔵式ポンプ設備における、貫流ポンプと駆動手段の配設態様の一例を示す図である。
【図6】本発明のゲート内蔵式ポンプ設備における、貫流ポンプと駆動手段の配設態様の他の例を示す図である。
【図7】本発明のゲート内蔵式ポンプ設備における、貫流ポンプと駆動手段の配設態様のさらに他の例を示す図である。
【図8】本発明のゲート内蔵式ポンプ設備における、貫流ポンプと駆動手段の配設態様のさらに他の例を示す図である。
【図9】本発明のゲート内蔵式ポンプ設備における、貫流ポンプと駆動手段の配設態様のさらに他の例を示す図である。
【図10】本発明のゲート内蔵式ポンプ設備における、貫流ポンプと駆動手段の配設態様のさらに他の例を示す図である。
【図11】本発明のゲート内蔵式ポンプ設備における、貫流ポンプと駆動手段の配設態様のさらに他の例を示す図である。
【図12】本発明のゲート内蔵式ポンプ設備における、貫流ポンプと駆動手段の配設態様のさらに他の例を示す図である。
【図13】従来のゲートに付帯される排水用のポンプ設備を示す図である。
【図14】従来のゲートに付帯される排水用のポンプ設備の他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 貫流羽根車
2a,2b 一対の円形の側板
3 羽根
4 シャフト
5 渦
7 動力伝達用継ぎ手
8 ギアなどの動力伝達方向変更手段
11 ケーシング
12 軸受け
13 逆止弁
14 油圧伝達手段
21 昇降手段
22a,22b 水路
G ゲート
M1 駆動手段(水中モータ)
M2 駆動手段(陸上モータ)
OP 油圧ポンプ
P 貫流ポンプ
Y 貫流羽根車の回転方向を示す矢印
Claims (4)
- 昇降手段により昇降され、水路の流れを制御するゲートに付帯され、前記ゲートにより仕切られる一方の水路から、他方の水路に排水を行うために用いられるポンプ設備であって、
排水量が羽根幅に比例し、水が羽根内を2度通過するように構成された貫流羽根車を用いてなる貫流ポンプが、貫流羽根車の回転軸が前記ゲートの厚み方向(すなわち水路の流れ方向)と直交するような態様で、前記ゲート内に内蔵されていること
を特徴とするゲート内蔵式ポンプ設備。 - 前記貫流羽根車を駆動するための駆動手段が、前記ゲート内に内蔵された水中モータであって、該水中モータが、(a)前記貫流羽根車と同軸上に配設されているか、又は、(b)動力伝達手段を介して前記貫流羽根車を駆動することが可能な位置に、所定の姿勢で配設されていること
を特徴とする請求項1記載のゲート内蔵式ポンプ設備。 - 前記貫流羽根車を駆動するための駆動手段が、前記ゲートの外側上部に配設された陸上モータであって、該陸上モータが、動力伝達手段を介して前記貫流羽根車を駆動することが可能な位置に、所定の姿勢で配設されていることを特徴とする請求項1記載のゲート内蔵式ポンプ設備。
- 前記貫流羽根車を駆動するための駆動手段が、地上に配設された油圧ポンプであって、該油圧ポンプからの油圧により前記貫流羽根車が駆動されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のゲート内蔵式ポンプ設備。
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