JP3306453B2 - 地下排水施設 - Google Patents
地下排水施設Info
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A20/00—Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use
- Y02A20/20—Controlling water pollution; Waste water treatment
Landscapes
- Sewage (AREA)
- Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小河川を含む水路に流
入する雨水等の流入水を地下(特に15〜60m程度の
大深度の深さの地下)に設けられた流入水路(特にわず
かに傾斜して設けられた大容量の地下放水路)に集め、
この集めた流入水を排水ポンプ機場に導いて放流先の河
川等に放流する構成の地下排水施設に係り、特に大規模
な地下排水施設の排水ポンプの動力低減、ポンプ井容積
の縮減、及び排水ポンプ起動時の上流側流入水の流下追
従遅れ、あるいはポンプ停止時のアップサージ対策に好
適な地下排水施設に関するものである。
入する雨水等の流入水を地下(特に15〜60m程度の
大深度の深さの地下)に設けられた流入水路(特にわず
かに傾斜して設けられた大容量の地下放水路)に集め、
この集めた流入水を排水ポンプ機場に導いて放流先の河
川等に放流する構成の地下排水施設に係り、特に大規模
な地下排水施設の排水ポンプの動力低減、ポンプ井容積
の縮減、及び排水ポンプ起動時の上流側流入水の流下追
従遅れ、あるいはポンプ停止時のアップサージ対策に好
適な地下排水施設に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、大規模な地下排水施設が計画され
地下の深い場所に、大きな断面積を有する流入水路を長
距離埋設するようになっている。特に、大深度地下利用
が実用化されつつある。ここで、大深度地下とは、上部
構造物への影響がない深層部の堅固な地盤で、地表面よ
り概ね50m以深の空間をいう。
地下の深い場所に、大きな断面積を有する流入水路を長
距離埋設するようになっている。特に、大深度地下利用
が実用化されつつある。ここで、大深度地下とは、上部
構造物への影響がない深層部の堅固な地盤で、地表面よ
り概ね50m以深の空間をいう。
【0003】従来は、このような大規模な地下排水施設
と比べると、流入水路もあまり深い場所になく、距離も
短かかったため、開水路運用(管渠の上部に空間ができ
る水位で流下させる)排水システムが主流であった。ま
た、閉水路運用(管渠に対して満水状態で流下させ
る)、開閉共存の考え方もあるが、いずれも貯留効果を
持たせるための貯留槽を持っていた。
と比べると、流入水路もあまり深い場所になく、距離も
短かかったため、開水路運用(管渠の上部に空間ができ
る水位で流下させる)排水システムが主流であった。ま
た、閉水路運用(管渠に対して満水状態で流下させ
る)、開閉共存の考え方もあるが、いずれも貯留効果を
持たせるための貯留槽を持っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の開水路
運用で排水ポンプを設置すると、大容量高揚程のポンプ
が必要となり、原動機の容量も大きくなる。また、吐出
側のバルブも大口径かつ高圧のものが必要で、このバル
ブ開閉の駆動機も大きなものとなる。
運用で排水ポンプを設置すると、大容量高揚程のポンプ
が必要となり、原動機の容量も大きくなる。また、吐出
側のバルブも大口径かつ高圧のものが必要で、このバル
ブ開閉の駆動機も大きなものとなる。
【0005】このように従来の比較的小規模な地下排水
施設の延長線上で大規模地下排水施設を建設すると、建
設時のコスト増だけでなくランニングコスト増にもなり
不経済なものになる。
施設の延長線上で大規模地下排水施設を建設すると、建
設時のコスト増だけでなくランニングコスト増にもなり
不経済なものになる。
【0006】また、開閉共存、閉水路運用では、貯留効
果が少なくなるため貯留槽を設けたり、ポンプ井容積を
大きくする必要があり、やはり建設時のコスト増になっ
ていた。
果が少なくなるため貯留槽を設けたり、ポンプ井容積を
大きくする必要があり、やはり建設時のコスト増になっ
ていた。
【0007】また、流入水路が非常に長くなることか
ら、上流側の水は排水ポンプが運転されてもすぐに追従
して動くことができず、従来のポンプ井の水位のみで、
排水ポンプを運転する方法では、上流側の河川等があふ
れてしまう流下追従遅れという問題点があった。
ら、上流側の水は排水ポンプが運転されてもすぐに追従
して動くことができず、従来のポンプ井の水位のみで、
排水ポンプを運転する方法では、上流側の河川等があふ
れてしまう流下追従遅れという問題点があった。
【0008】一方、地下排水施設では、降雨による流入
量の急激な増加に対応させて計画水量の排水を行わせる
ため、流入水がポンプ井に達する前に、つまりポンプ井
の水位が低い状態から排水ポンプの運転を開始するいわ
ゆる待機運転が必要となる。このような待機運転の場
合、あるいは流入量の変化に合わせ、排水ポンプの吐出
量を容易にかつ経済的に調節することが要望される。こ
のような要望を満たす手段として、従来よりポンプ羽根
車の翼角を可変にした立軸可動翼ポンプが知られている
(特開昭57−186092号公報)。
量の急激な増加に対応させて計画水量の排水を行わせる
ため、流入水がポンプ井に達する前に、つまりポンプ井
の水位が低い状態から排水ポンプの運転を開始するいわ
ゆる待機運転が必要となる。このような待機運転の場
合、あるいは流入量の変化に合わせ、排水ポンプの吐出
量を容易にかつ経済的に調節することが要望される。こ
のような要望を満たす手段として、従来よりポンプ羽根
車の翼角を可変にした立軸可動翼ポンプが知られている
(特開昭57−186092号公報)。
【0009】しかし、従来の立軸可動翼ポンプは比較的
低揚程(例えば、約30m以下)の循環ポンプなどに用
いられているが、全揚程が50乃至60mに及ぶ高揚程
で、かつ大容量の排水ポンプには次の理由から用いられ
ていない。
低揚程(例えば、約30m以下)の循環ポンプなどに用
いられているが、全揚程が50乃至60mに及ぶ高揚程
で、かつ大容量の排水ポンプには次の理由から用いられ
ていない。
【0010】(1)全揚程が高くなると、それに応じて
可動翼に加わる流体力が大きくなるため、羽根車の翼角
を調節する翼角操作機構に加わる荷重が大きくなり、翼
角操作機構が大形なものになってしまう。一方、翼角操
作機構は羽根車ハブ内の限られた空間に収納しなければ
ならないという大きさ上の制限があるため、翼角操作機
構の許容荷重にも制限がある。したがって、全揚程が高
くかつ大容量の排水ポンプに可動翼ポンプをそのまま適
用することができない。
可動翼に加わる流体力が大きくなるため、羽根車の翼角
を調節する翼角操作機構に加わる荷重が大きくなり、翼
角操作機構が大形なものになってしまう。一方、翼角操
作機構は羽根車ハブ内の限られた空間に収納しなければ
ならないという大きさ上の制限があるため、翼角操作機
構の許容荷重にも制限がある。したがって、全揚程が高
くかつ大容量の排水ポンプに可動翼ポンプをそのまま適
用することができない。
【0011】(2)全揚程が高くなると、下記の数1で
表される比速度Nsを従来よりも低い値にしなければな
らなくなるから、効率及び吸込性能が低下してしまうと
いう問題がある。つまり、数1において、ポンプの回転
数Nは吸込圧とキャビテーション条件により決まり、吐
出量Qと揚程Hは排水計画から与えられるので、揚程H
が高くなると必然的に比速度Nsを低い値にしなければ
ならなくなる。
表される比速度Nsを従来よりも低い値にしなければな
らなくなるから、効率及び吸込性能が低下してしまうと
いう問題がある。つまり、数1において、ポンプの回転
数Nは吸込圧とキャビテーション条件により決まり、吐
出量Qと揚程Hは排水計画から与えられるので、揚程H
が高くなると必然的に比速度Nsを低い値にしなければ
ならなくなる。
【0012】
【数1】
【0013】しかし、可動翼羽根車は駆動軸に支持され
たハブに回転可能に軸支され、その軸周りに回転して翼
角を調節する構成が一般であることから、羽根車のケー
シング側のチップ面及び駆動軸側のハブ面を、それぞれ
ケーシング内面とハブ外面に合わせて同心の球面に形成
しなければならない。このような形状上の制約から、低
比速度にすると効率及び吸込性能が低下してしまうとい
う問題がある。
たハブに回転可能に軸支され、その軸周りに回転して翼
角を調節する構成が一般であることから、羽根車のケー
シング側のチップ面及び駆動軸側のハブ面を、それぞれ
ケーシング内面とハブ外面に合わせて同心の球面に形成
しなければならない。このような形状上の制約から、低
比速度にすると効率及び吸込性能が低下してしまうとい
う問題がある。
【0014】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決することに有り、第1の目的は、排水ポンプの動力
低減によるランニングコストの低減及び建設費の低減が
可能な地下排水施設及び排水ポンプ運転方法を提供する
ことにある。
解決することに有り、第1の目的は、排水ポンプの動力
低減によるランニングコストの低減及び建設費の低減が
可能な地下排水施設及び排水ポンプ運転方法を提供する
ことにある。
【0015】本発明の第2の目的は、上流側の流入水の
追従遅れあるいは、排水ポンプ停止時のアップサージ等
が生じても、上流側河川等があふれない信頼性高い地下
排水施設を提供することにある。
追従遅れあるいは、排水ポンプ停止時のアップサージ等
が生じても、上流側河川等があふれない信頼性高い地下
排水施設を提供することにある。
【0016】
【0017】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明の地下排水施設は、大深度地下に傾斜の
小さな大容量の流入水路が配設され、この流入水路に地
表や地表近くの様々な配水路から立坑を介して排水を流
下させ、前記流入水路に溜った配水を前記流入水路の一
部に設けたポンプ機場から河川や海等へ排水するように
構成した大深度地下排水システムにおいて、前記ポンプ
機場に、ポンプの設計点揚程よりも地表から深い位置に
ポンプを設置し、これによって前記流入水路が閉水路の
状態で計画水量を排水可能とし、前記ポンプは、前記流
入水路が開水路の状態にあるときには締切運転にならな
い程度の小容量で排水可能にその仕様が設定されてなる
ことを特徴とする。
るため、本発明の地下排水施設は、大深度地下に傾斜の
小さな大容量の流入水路が配設され、この流入水路に地
表や地表近くの様々な配水路から立坑を介して排水を流
下させ、前記流入水路に溜った配水を前記流入水路の一
部に設けたポンプ機場から河川や海等へ排水するように
構成した大深度地下排水システムにおいて、前記ポンプ
機場に、ポンプの設計点揚程よりも地表から深い位置に
ポンプを設置し、これによって前記流入水路が閉水路の
状態で計画水量を排水可能とし、前記ポンプは、前記流
入水路が開水路の状態にあるときには締切運転にならな
い程度の小容量で排水可能にその仕様が設定されてなる
ことを特徴とする。
【0018】また、この排水ポンプを可動翼ポンプまた
は回転数制御ポンプとし排水待機を可能としたことを特
徴とする。
は回転数制御ポンプとし排水待機を可能としたことを特
徴とする。
【0019】また、他の手段としては、排水ポンプを小
容量高揚程ポンプと大容量低揚程ポンプに分けてそれぞ
れ開水路、閉水路で計画水量出る位置に配置し、高揚程
小容量ポンプを排水待機運転したことを特徴とする。
容量高揚程ポンプと大容量低揚程ポンプに分けてそれぞ
れ開水路、閉水路で計画水量出る位置に配置し、高揚程
小容量ポンプを排水待機運転したことを特徴とする。
【0020】上記第2の目的を達成するため、本発明の
地下排水施設は、流入側の河川、管渠、放水路等の越流
せきの高さを最高水位より下げて決め地下の流入水路に
水を導入したことを特徴とする。
地下排水施設は、流入側の河川、管渠、放水路等の越流
せきの高さを最高水位より下げて決め地下の流入水路に
水を導入したことを特徴とする。
【0021】また、他の手段としては、ポンプに対し上
流側の流入立坑ほど、相対的に流入量に対して大きくし
たことを特徴とする。
流側の流入立坑ほど、相対的に流入量に対して大きくし
たことを特徴とする。
【0022】
【0023】
【作用】このように構成されることから、本発明によれ
ば、次の作用により目的が達成できる。
ば、次の作用により目的が達成できる。
【0024】まず、排水ポンプのポンプ仕様が、開水路
でなく閉水路で計画水量排水可能なように決められてい
ることから、ポンプの全揚程は小さくてすみ、同じ水量
を排水するための動力は小さくなる。この場合、開水路
に比べ、閉水路系での運用はバッファ効果が小さいた
め、ポンプ井水位の上昇が速くポンプ起動までの時間が
長いと水があふれてしまうことがある。
でなく閉水路で計画水量排水可能なように決められてい
ることから、ポンプの全揚程は小さくてすみ、同じ水量
を排水するための動力は小さくなる。この場合、開水路
に比べ、閉水路系での運用はバッファ効果が小さいた
め、ポンプ井水位の上昇が速くポンプ起動までの時間が
長いと水があふれてしまうことがある。
【0025】これに対しては、ポンプを可動翼とするこ
とにより、ポンプ井の水が上昇しないうちに、あるいは
上昇を始めた時点で翼角全閉(最小翼角)で起動し、ポ
ンプ井水位の上昇に応じて翼角を開きポンプ井水位を一
定に保つよう運転することにより対応できる。また、可
動翼ポンプとすることにより、初期の吐出水量を少量に
することが可能で、吐出側にせきを設ければ吐出バルブ
をなくすことができる。
とにより、ポンプ井の水が上昇しないうちに、あるいは
上昇を始めた時点で翼角全閉(最小翼角)で起動し、ポ
ンプ井水位の上昇に応じて翼角を開きポンプ井水位を一
定に保つよう運転することにより対応できる。また、可
動翼ポンプとすることにより、初期の吐出水量を少量に
することが可能で、吐出側にせきを設ければ吐出バルブ
をなくすことができる。
【0026】さらに、この可動翼ポンプの起動タイミン
グをポンプ井の水位のみでなく、上流側の流入立坑水位
監視も入れることにより上流側の洪水防止が可能とな
り、ポンプ停止まぎわには翼角全閉として運転し、停止
時のアップサージを小さくすることが可能である。
グをポンプ井の水位のみでなく、上流側の流入立坑水位
監視も入れることにより上流側の洪水防止が可能とな
り、ポンプ停止まぎわには翼角全閉として運転し、停止
時のアップサージを小さくすることが可能である。
【0027】このことは、ポンプを回転数制御ポンプと
しても同様に可能で、低速回転で起動し、ポンプ井水位
の上昇により回転数を上昇させれば良い。
しても同様に可能で、低速回転で起動し、ポンプ井水位
の上昇により回転数を上昇させれば良い。
【0028】また、可動翼ポンプを使うかわりに小容量
高揚程ポンプと大容量低揚程ポンプに分けて設置するこ
とも可能である。すなわち、翼角全閉での待機運転から
小水量排水までを小容量高揚程ポンプでポンプ井水位上
昇後の排水運転を大容量低揚程ポンプで行なうことによ
り可能となる。もちろんこれには、地下排水施設の計画
により3段階、4段階というようにポンプの容量、揚程
を増やすこともできる。次に、流入側の河川、管渠、放
水路に越流せきを設け、このせきの高さをポンプ停止時
のアップサージに見合う水量分、各々の河川、管渠、放
水路の最高水位より低くしておけば、ポンプ停止時にア
ップサージが生じても各々の最高水位内にすることが可
能となる。
高揚程ポンプと大容量低揚程ポンプに分けて設置するこ
とも可能である。すなわち、翼角全閉での待機運転から
小水量排水までを小容量高揚程ポンプでポンプ井水位上
昇後の排水運転を大容量低揚程ポンプで行なうことによ
り可能となる。もちろんこれには、地下排水施設の計画
により3段階、4段階というようにポンプの容量、揚程
を増やすこともできる。次に、流入側の河川、管渠、放
水路に越流せきを設け、このせきの高さをポンプ停止時
のアップサージに見合う水量分、各々の河川、管渠、放
水路の最高水位より低くしておけば、ポンプ停止時にア
ップサージが生じても各々の最高水位内にすることが可
能となる。
【0029】また、ポンプ運転後、各越流せきを直下の
流入水路の水が動き出すまでには、長距離の場合には数
十分ということも考えられる。これに対しては、この間
の分の流入量に相当する水量分、最高水位よりせきの高
さを低くすることにより、最高水位内で流入水路の水は
動き出すことが可能である。
流入水路の水が動き出すまでには、長距離の場合には数
十分ということも考えられる。これに対しては、この間
の分の流入量に相当する水量分、最高水位よりせきの高
さを低くすることにより、最高水位内で流入水路の水は
動き出すことが可能である。
【0030】また、これは、上流側ほど水の追従が悪く
なるので、上流側ほど流入量に対して相対的に流入立坑
を大きくしてバッファ効果を持たせることによっても可
能となる。
なるので、上流側ほど流入量に対して相対的に流入立坑
を大きくしてバッファ効果を持たせることによっても可
能となる。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1により説明す
る。
る。
【0038】図示のように、地表面の小河川、管渠及び
放水路等に流入した排水は、流入立坑1,2,3を介し
て連結された流入水路(地下大水路、地下放水路)4に
流入する。流入水路4に流入した排水はポンプ場のポン
プ井6に流下し、ポンプ7により揚水され、吐出管10
と越流せき11を経て放流先の大河川に排水される。ま
た、流入水路4には空気孔5が適宜設けられている。
放水路等に流入した排水は、流入立坑1,2,3を介し
て連結された流入水路(地下大水路、地下放水路)4に
流入する。流入水路4に流入した排水はポンプ場のポン
プ井6に流下し、ポンプ7により揚水され、吐出管10
と越流せき11を経て放流先の大河川に排水される。ま
た、流入水路4には空気孔5が適宜設けられている。
【0039】ポンプ7の特性仕様は、流入水が流入水路
4を満管状態で流下する、いわゆる閉水路運用を条件と
して、所定の計画水量を排水可能なように決められてい
る。
4を満管状態で流下する、いわゆる閉水路運用を条件と
して、所定の計画水量を排水可能なように決められてい
る。
【0040】流入立坑1,2,3から水が流入し、流入
水路4が満管になり閉水路になるとポンプ井6の水位は
上がりポンプ7の実揚程は、低くなるため、開水路の状
態から計画水量排水したときより小さくなる。
水路4が満管になり閉水路になるとポンプ井6の水位は
上がりポンプ7の実揚程は、低くなるため、開水路の状
態から計画水量排水したときより小さくなる。
【0041】図2(a)及び図2(b)はこの両者のポ
ンプの運転状態を比較した図で、ポンプP1は開水路で
計画水量排出できるようにしているため、実揚程はH1
が必要で動力も大きくなる。これに対し、ポンプP2は
閉水路で計画水量出せるようにしているため、実揚程は
H2ですみ、動力も小さくなる。
ンプの運転状態を比較した図で、ポンプP1は開水路で
計画水量排出できるようにしているため、実揚程はH1
が必要で動力も大きくなる。これに対し、ポンプP2は
閉水路で計画水量出せるようにしているため、実揚程は
H2ですみ、動力も小さくなる。
【0042】ポンプ7の設置位置は、ポンプの特性曲線
Q−Hカーブの傾向により、図3のように最大実揚程で
も締切運転にならず、できれば30〜50%計画水量以
上流れるように決定するのが良い。このようにポンプ設
置位置を閉水路で計画水量流れるように決めれば、大幅
な動力低減がはかれる。
Q−Hカーブの傾向により、図3のように最大実揚程で
も締切運転にならず、できれば30〜50%計画水量以
上流れるように決定するのが良い。このようにポンプ設
置位置を閉水路で計画水量流れるように決めれば、大幅
な動力低減がはかれる。
【0043】次に、図1のポンプ7を可動翼ポンプにす
ると、さらに大きなメリットが出てくる。可動翼ポンプ
は翼角を最小付近にすると所要動力が少ないために締切
運転でも連続運転が可能である。従って待機運転が可能
となる。
ると、さらに大きなメリットが出てくる。可動翼ポンプ
は翼角を最小付近にすると所要動力が少ないために締切
運転でも連続運転が可能である。従って待機運転が可能
となる。
【0044】今、図3(a),図3(b)において流入
水路4が開水路の状態レベルL1で翼角最小でポンプを
起動し、水位上昇しレベルL2に達したら翼角を開いて
いく。運転点は図4で1→2→3→4→5と移る。さら
に流入量が多くなると、水位が上昇し実揚程が少なくな
るから、運転点は5→6へ移り計画水量排水となる。通
常、可動翼ポンプの翼操作は、1分〜3分程度で全閉→
全開操作が可能なので、開水路の状態でポンプを待機運
転させれば、翼角が全開になるまでの時間にHWLにな
らないようにポンプ井の大きさを決められるので、ポン
プ井6の大きさは小さくてすむ。また、初期の排水時は
翼角が小さいので、吐出量が少量であるから従来のよう
な吐出弁をつける必要がなく、吐出側の放水先の手前に
せきを設けるだけでシステムを作ることができる。これ
は大規模なものほどメリットがあり、大口径高圧の吐出
弁を省略が可能となる。
水路4が開水路の状態レベルL1で翼角最小でポンプを
起動し、水位上昇しレベルL2に達したら翼角を開いて
いく。運転点は図4で1→2→3→4→5と移る。さら
に流入量が多くなると、水位が上昇し実揚程が少なくな
るから、運転点は5→6へ移り計画水量排水となる。通
常、可動翼ポンプの翼操作は、1分〜3分程度で全閉→
全開操作が可能なので、開水路の状態でポンプを待機運
転させれば、翼角が全開になるまでの時間にHWLにな
らないようにポンプ井の大きさを決められるので、ポン
プ井6の大きさは小さくてすむ。また、初期の排水時は
翼角が小さいので、吐出量が少量であるから従来のよう
な吐出弁をつける必要がなく、吐出側の放水先の手前に
せきを設けるだけでシステムを作ることができる。これ
は大規模なものほどメリットがあり、大口径高圧の吐出
弁を省略が可能となる。
【0045】また、可動翼ポンプの起動方法として、単
にポンプ井の水位のみでなく、上流側の流入水路、流入
立坑の水位も監視し、水位上昇によりポンプを起動させ
ることも可能である。大規模な地下排水施設では、ポン
プ7と流入立坑の距離が離れており、ポンプが起動して
も流入立坑付近の水が動くまでに数十分かかることも考
えられる。この対応として上記のように、流入立坑の水
位が上昇しはじめたらポンプを起動させ小量排水開始す
ることで、追従遅れによる洪水を防止することができ
る。
にポンプ井の水位のみでなく、上流側の流入水路、流入
立坑の水位も監視し、水位上昇によりポンプを起動させ
ることも可能である。大規模な地下排水施設では、ポン
プ7と流入立坑の距離が離れており、ポンプが起動して
も流入立坑付近の水が動くまでに数十分かかることも考
えられる。この対応として上記のように、流入立坑の水
位が上昇しはじめたらポンプを起動させ小量排水開始す
ることで、追従遅れによる洪水を防止することができ
る。
【0046】さらに、停止時においては、通常の固定翼
排水ポンプでは、ポンプを停止させると流入水路系にア
ップサージが起こることが考えられる場合には、ポンプ
停止時にアップサージにより河川、管渠、放水路などが
あふれることも考えられる。これを可動翼ポンプにし、
翼角を徐々に閉じながら全閉付近で待機運転した後に停
止させることにより、流入水路系のアップサージを大幅
に低減することができる。上記効果は、ポンプ7を回転
数制御のポンプにすることによっても達成できる。すな
わち、流入水路4開水路の状態レベルL1で低速回転起
動し、レベルL2に達したら回転数を上昇させれば良
い。
排水ポンプでは、ポンプを停止させると流入水路系にア
ップサージが起こることが考えられる場合には、ポンプ
停止時にアップサージにより河川、管渠、放水路などが
あふれることも考えられる。これを可動翼ポンプにし、
翼角を徐々に閉じながら全閉付近で待機運転した後に停
止させることにより、流入水路系のアップサージを大幅
に低減することができる。上記効果は、ポンプ7を回転
数制御のポンプにすることによっても達成できる。すな
わち、流入水路4開水路の状態レベルL1で低速回転起
動し、レベルL2に達したら回転数を上昇させれば良
い。
【0047】また、停止時においても低速回転で待機運
転したのち停止させることによって、流入水路系のアッ
プサージ低減が可能となる。
転したのち停止させることによって、流入水路系のアッ
プサージ低減が可能となる。
【0048】ここで、図1のポンプ7に好適な可動翼ポ
ンプの一実施例を図5,図6を参照して説明する。図5
はポンプ場周りの拡大立面図であり、図6は可動翼ポン
プの断面図である。それらの図に示すように、ポンプ7
に、2台の立軸斜流可動翼ポンプ7a,7bを二段連結
した立軸多段可動翼ポンプが用いられている。下段の可
動翼ポンプ7aの吸込口はエルボ形の吸込管21を介し
てポンプ井6に連通され、吐出口は上段の可動翼ポンプ
7bに直結されている。可動翼ポンプ7bの吐出口は吐
出エルボ管22を介して吐出管10に連結され、放流先
の大河川に開口されている。ポンプ7の駆動軸は吐出エ
ルボ管22部から上方に引き出され、駆動機23にカッ
プリングを介して連結されている。また、駆動軸は後述
するように中空状に形成され、その中空部に翼角の操作
軸が挿通されており、この操作軸の上端に翼角制御装置
24が連結されている。ここでは、斜流可動翼の実施例
を示すが、軸流型でもよい。
ンプの一実施例を図5,図6を参照して説明する。図5
はポンプ場周りの拡大立面図であり、図6は可動翼ポン
プの断面図である。それらの図に示すように、ポンプ7
に、2台の立軸斜流可動翼ポンプ7a,7bを二段連結
した立軸多段可動翼ポンプが用いられている。下段の可
動翼ポンプ7aの吸込口はエルボ形の吸込管21を介し
てポンプ井6に連通され、吐出口は上段の可動翼ポンプ
7bに直結されている。可動翼ポンプ7bの吐出口は吐
出エルボ管22を介して吐出管10に連結され、放流先
の大河川に開口されている。ポンプ7の駆動軸は吐出エ
ルボ管22部から上方に引き出され、駆動機23にカッ
プリングを介して連結されている。また、駆動軸は後述
するように中空状に形成され、その中空部に翼角の操作
軸が挿通されており、この操作軸の上端に翼角制御装置
24が連結されている。ここでは、斜流可動翼の実施例
を示すが、軸流型でもよい。
【0049】次に、各可動翼ポンプ7a,7bの構成を
図6を用いて説明する。図示のように可動翼ポンプ7
a,7bの主要部は同一の構成となっている。したがっ
て、同一の機能・構成を有する部品には同一の符号を付
して説明を省略するとともに、可動翼ポンプ7bについ
ては相違点についてのみ説明する。可動翼ポンプ7aの
外殻は、アウターケーシング31と、このアウターケー
シング31の吸込側に連結されたケーシングライナ32
とにより、回転対称形に形成されている。このアウター
ケーシング31の内部に、回転対称軸を一致させて回転
対称形のインナーケーシング33が案内羽根34により
固定されている。インナーケーシング33の内側に中空
状の駆動軸35が配置され、軸受36を介してインナー
ケーシング33に支持されている。この駆動軸35の下
端に羽根車ハブ37がフランジ接続により取り付けられ
ている。羽根車ハブ37の外周縁はインナーケーシング
33の下端外周に対し、摺動可能にかつ水封部材を介し
て取り付けられている。羽根車ハブ37にはケーシング
ライナー32の内面に向かって延びる複数の羽根車38
が取り付けられている。各羽根車38は、翼角を変更可
能にそれぞれ2個の軸受39,40で支持されたステム
軸41を介して、羽根車ハブ37に取付けられている。
また、羽根車ハブ37の吸込側に、インナーケーシング
33を延長する形状の羽根車ハブカバー42が取り付け
られている。駆動軸35の中空部と羽根車ハブ37の中
心部に設けられた通孔に操作軸43が挿通されている。
この操作軸43の下端にスパイダ44が取り付けられて
いる。このスパイダ44は前記ステム軸41に取り付け
られたアーム45と、それぞれボールジョイントを介し
てターンバックル46により連結されている。これらの
アーム45、ターンバックル46、ボールジョイントに
より、操作軸43の上下直線運動を羽根車38の翼角回
転運動に変換するリンク機構が構成されている。このリ
ンク機構は周知のもの(例えば、特開平1−18739
9号公報参照)を適用できるから詳細構成の図示を省略
する。
図6を用いて説明する。図示のように可動翼ポンプ7
a,7bの主要部は同一の構成となっている。したがっ
て、同一の機能・構成を有する部品には同一の符号を付
して説明を省略するとともに、可動翼ポンプ7bについ
ては相違点についてのみ説明する。可動翼ポンプ7aの
外殻は、アウターケーシング31と、このアウターケー
シング31の吸込側に連結されたケーシングライナ32
とにより、回転対称形に形成されている。このアウター
ケーシング31の内部に、回転対称軸を一致させて回転
対称形のインナーケーシング33が案内羽根34により
固定されている。インナーケーシング33の内側に中空
状の駆動軸35が配置され、軸受36を介してインナー
ケーシング33に支持されている。この駆動軸35の下
端に羽根車ハブ37がフランジ接続により取り付けられ
ている。羽根車ハブ37の外周縁はインナーケーシング
33の下端外周に対し、摺動可能にかつ水封部材を介し
て取り付けられている。羽根車ハブ37にはケーシング
ライナー32の内面に向かって延びる複数の羽根車38
が取り付けられている。各羽根車38は、翼角を変更可
能にそれぞれ2個の軸受39,40で支持されたステム
軸41を介して、羽根車ハブ37に取付けられている。
また、羽根車ハブ37の吸込側に、インナーケーシング
33を延長する形状の羽根車ハブカバー42が取り付け
られている。駆動軸35の中空部と羽根車ハブ37の中
心部に設けられた通孔に操作軸43が挿通されている。
この操作軸43の下端にスパイダ44が取り付けられて
いる。このスパイダ44は前記ステム軸41に取り付け
られたアーム45と、それぞれボールジョイントを介し
てターンバックル46により連結されている。これらの
アーム45、ターンバックル46、ボールジョイントに
より、操作軸43の上下直線運動を羽根車38の翼角回
転運動に変換するリンク機構が構成されている。このリ
ンク機構は周知のもの(例えば、特開平1−18739
9号公報参照)を適用できるから詳細構成の図示を省略
する。
【0050】このように形成された可動翼ポンプ7aの
上部に同一構成のケーシング31,32を有する可動翼
ポンプ7bが連結されている。可動翼ポンプ7aの駆動
軸35の上端は可動翼ポンプ7bの羽根車ハブ37にフ
ランジ等により連結されている。また、可動翼ポンプ7
aの操作軸43の上端は、可動翼ポンプ7bの操作軸4
3’の下端にねじカップリング47により連結されてい
る。すなわち、操作軸43,43’の端部に切られた雄
ねじを、雌ねじが切られたカップリング47にねじ込ん
で連結されている。上段の可動翼ポンプ7bの駆動軸3
5’と操作軸43’の上端は図5に示すように吐出エル
ボ管22からまっすぐ上に引き出され、それぞれ駆動機
23と翼角制御装置24に連結されている。翼角制御装
置24は操作軸43’と43を軸方向に進退させるアク
チュエータを具備して構成されている。このアクチュエ
ータとしては、油圧又は空圧シリンダ、電動機等が用い
られる。
上部に同一構成のケーシング31,32を有する可動翼
ポンプ7bが連結されている。可動翼ポンプ7aの駆動
軸35の上端は可動翼ポンプ7bの羽根車ハブ37にフ
ランジ等により連結されている。また、可動翼ポンプ7
aの操作軸43の上端は、可動翼ポンプ7bの操作軸4
3’の下端にねじカップリング47により連結されてい
る。すなわち、操作軸43,43’の端部に切られた雄
ねじを、雌ねじが切られたカップリング47にねじ込ん
で連結されている。上段の可動翼ポンプ7bの駆動軸3
5’と操作軸43’の上端は図5に示すように吐出エル
ボ管22からまっすぐ上に引き出され、それぞれ駆動機
23と翼角制御装置24に連結されている。翼角制御装
置24は操作軸43’と43を軸方向に進退させるアク
チュエータを具備して構成されている。このアクチュエ
ータとしては、油圧又は空圧シリンダ、電動機等が用い
られる。
【0051】上記構成の立軸多段可動翼ポンプの動作を
説明する。まず、基本動作を説明する。駆動機23の運
転を開始すると、上段の駆動軸35’と羽根車ハブ37
を介して上段の羽根車38が回転する。これと同時に上
段の羽根車ハブ37に連結された下段の駆動軸35と羽
根車ハブ37を介して下段の羽根車38が回転する。こ
れにより、吸込エルボ管21からポンプ井6内の流入水
が吸い込まれ、吸い込まれた揚水は吐出管10を介して
大河川に放出される。このとき、各可動翼ポンプ7a,
7bは直列に連結されているので、ポンプ7の全揚程は
各ポンプ7a,7bの全揚程を加え合わせたものにな
る。言い換えれば、各ポンプ7a,7bの全揚程は、排
水計画から定まる必要揚程のよりも小さな揚程でよく、
例えば約1/2でよいことになる。したがって、羽根車
38に加わる荷重もそれに応じて小さくなるので、翼角
操作機構に加わる荷重を小さくできる。その結果、翼角
操作機構の構成部材は従来と同様の大きさよいことか
ら、羽根車ハブ37内に組み込むことができ、かつ一段
当たりの全揚程が小さいので比速度を大きく維持できる
から、単段の可動翼ポンプに比べて、キャビテーション
を回避して効率の高い、高揚程かつ大容量の用途に適し
た可動翼ポンプを実現できる。
説明する。まず、基本動作を説明する。駆動機23の運
転を開始すると、上段の駆動軸35’と羽根車ハブ37
を介して上段の羽根車38が回転する。これと同時に上
段の羽根車ハブ37に連結された下段の駆動軸35と羽
根車ハブ37を介して下段の羽根車38が回転する。こ
れにより、吸込エルボ管21からポンプ井6内の流入水
が吸い込まれ、吸い込まれた揚水は吐出管10を介して
大河川に放出される。このとき、各可動翼ポンプ7a,
7bは直列に連結されているので、ポンプ7の全揚程は
各ポンプ7a,7bの全揚程を加え合わせたものにな
る。言い換えれば、各ポンプ7a,7bの全揚程は、排
水計画から定まる必要揚程のよりも小さな揚程でよく、
例えば約1/2でよいことになる。したがって、羽根車
38に加わる荷重もそれに応じて小さくなるので、翼角
操作機構に加わる荷重を小さくできる。その結果、翼角
操作機構の構成部材は従来と同様の大きさよいことか
ら、羽根車ハブ37内に組み込むことができ、かつ一段
当たりの全揚程が小さいので比速度を大きく維持できる
から、単段の可動翼ポンプに比べて、キャビテーション
を回避して効率の高い、高揚程かつ大容量の用途に適し
た可動翼ポンプを実現できる。
【0052】次に、翼角操作について説明する。翼角制
御装置24により操作軸43と43’を軸方向に変位さ
せると、スパイダー44とターンバックル46とアーム
45を介して、羽根車38の翼角が上・下段同時に開閉
方向に調整される。これにより、ポンプ7の吐出量を広
い範囲にわたって可変することができ、ポンプ性能の大
幅な調整が可能になる。したがって、待機運転又は流入
水量の変動が大きい地下排水施設に適用して好適であ
る。
御装置24により操作軸43と43’を軸方向に変位さ
せると、スパイダー44とターンバックル46とアーム
45を介して、羽根車38の翼角が上・下段同時に開閉
方向に調整される。これにより、ポンプ7の吐出量を広
い範囲にわたって可変することができ、ポンプ性能の大
幅な調整が可能になる。したがって、待機運転又は流入
水量の変動が大きい地下排水施設に適用して好適であ
る。
【0053】また、上記図6の立軸多段可動翼ポンプに
おいて、下段の可動翼ポンプ7aの羽根車38の翼角
を、上段の可動翼ポンプ7bの羽根車38の翼角より
も、若干(例えば、1〜2度程度)大きくなるように、
操作軸43と43’又はスパイダー44の軸方向位置関
係を設定することが好ましい。これによれば、次のよう
な利点がある。
おいて、下段の可動翼ポンプ7aの羽根車38の翼角
を、上段の可動翼ポンプ7bの羽根車38の翼角より
も、若干(例えば、1〜2度程度)大きくなるように、
操作軸43と43’又はスパイダー44の軸方向位置関
係を設定することが好ましい。これによれば、次のよう
な利点がある。
【0054】(1)上段ポンプ7bの翼角開度が最小の
閉鎖状態になっても、下段ポンプ7aの翼角開度は若干
開いているので、上段ポンプ7bの吸込圧力を一定以上
確保できるから、吸込圧低下による上段ポンプ7bのキ
ャビテーションを確実に防止できる。
閉鎖状態になっても、下段ポンプ7aの翼角開度は若干
開いているので、上段ポンプ7bの吸込圧力を一定以上
確保できるから、吸込圧低下による上段ポンプ7bのキ
ャビテーションを確実に防止できる。
【0055】(2)一般に翼角度が大きい方が大流量に
おけるキャビテーション性能がよいから、ポンプ7を設
計点よりも大流量側で使用する場合に好適である。な
お、上段ポンプ7bは大流量側でキャビテーション性能
が悪化することになるが、上段の吸込圧力は下段により
昇圧されるので、本実施例の場合キャビテーションは問
題とならない。
おけるキャビテーション性能がよいから、ポンプ7を設
計点よりも大流量側で使用する場合に好適である。な
お、上段ポンプ7bは大流量側でキャビテーション性能
が悪化することになるが、上段の吸込圧力は下段により
昇圧されるので、本実施例の場合キャビテーションは問
題とならない。
【0056】(3)翼角度を変えると、小流量時に特有
の流体の失速や逆流が発生する流量が変化するが、上下
段の翼角に差を設けることにより、上下のポンプ7a,
bの双方で同時に失速や逆流が発生するのを防止できる
から、小流量でも安定した運転を行うことができる。
の流体の失速や逆流が発生する流量が変化するが、上下
段の翼角に差を設けることにより、上下のポンプ7a,
bの双方で同時に失速や逆流が発生するのを防止できる
から、小流量でも安定した運転を行うことができる。
【0057】また、図6の立軸多段可動翼ポンプによれ
ば、各段ごとにケーシング、駆動軸、操作軸等を分割
し、それらをフランジなどの継ぎ手により連結する構成
であることから、ポンプの組立て及び分解が容易であ
る。すなわち、ポンプを組み立てる場合は、まず上段の
可動翼ポンプ7bをケーシングライナー32を残して組
立てる。次に、下段の操作軸43を上段の操作軸43’
にねじカップリング47により連結した後、下段の駆動
軸35を上段の羽根車ハブ37に接合する。次に、上段
のケーシングライナー32を取付けてから、下段の可動
翼ポンプ7aの可動翼斜流ボール部を組み立てる。ポン
プを分解する場合は、逆の手順により下段の可動翼ポン
プ7aの可動翼斜流ボール部、駆動軸35、操作軸43
を取外した後、上段の可動翼斜流部を分解する。
ば、各段ごとにケーシング、駆動軸、操作軸等を分割
し、それらをフランジなどの継ぎ手により連結する構成
であることから、ポンプの組立て及び分解が容易であ
る。すなわち、ポンプを組み立てる場合は、まず上段の
可動翼ポンプ7bをケーシングライナー32を残して組
立てる。次に、下段の操作軸43を上段の操作軸43’
にねじカップリング47により連結した後、下段の駆動
軸35を上段の羽根車ハブ37に接合する。次に、上段
のケーシングライナー32を取付けてから、下段の可動
翼ポンプ7aの可動翼斜流ボール部を組み立てる。ポン
プを分解する場合は、逆の手順により下段の可動翼ポン
プ7aの可動翼斜流ボール部、駆動軸35、操作軸43
を取外した後、上段の可動翼斜流部を分解する。
【0058】図7に立軸多段可動翼ポンプの他の実施例
を示す。本実施例は、図6実施例の下段の可動翼ポンプ
を固定翼の立軸ポンプ7cに代えたものである。上段の
可動翼ポンプ7bは図6実施例と同一の構成であり、下
段の固定翼ポンプ7cはインナーケーシング33に対し
回転自由に設けられた羽根車ハブ49に羽根車50が翼
角を固定して取り付けられている。
を示す。本実施例は、図6実施例の下段の可動翼ポンプ
を固定翼の立軸ポンプ7cに代えたものである。上段の
可動翼ポンプ7bは図6実施例と同一の構成であり、下
段の固定翼ポンプ7cはインナーケーシング33に対し
回転自由に設けられた羽根車ハブ49に羽根車50が翼
角を固定して取り付けられている。
【0059】本実施例によっても、可動翼ポンプ7bが
固定翼ポンプ7cに直列に連結されているので、ポンプ
7の全揚程は各ポンプ7b,7cの全揚程を加え合わせ
たものになる。したがって、単段の可動翼ポンプに比べ
て、高い全揚程のポンプに適用できる。また、本実施例
によれは、図6実施例に比べてポンプの構造が簡単にな
り、翼各の操作力も小さくてすむ。一方、翼角調整によ
るポンプ性能の変化は小さい。なお、図7の実施例の上
段と下段を入れ替えて、上段を固定翼にすることもでき
る。この場合は、下段の可動翼を閉鎖近くで運転するこ
とがある場合は、上段のキャビテーションの問題があ
る。
固定翼ポンプ7cに直列に連結されているので、ポンプ
7の全揚程は各ポンプ7b,7cの全揚程を加え合わせ
たものになる。したがって、単段の可動翼ポンプに比べ
て、高い全揚程のポンプに適用できる。また、本実施例
によれは、図6実施例に比べてポンプの構造が簡単にな
り、翼各の操作力も小さくてすむ。一方、翼角調整によ
るポンプ性能の変化は小さい。なお、図7の実施例の上
段と下段を入れ替えて、上段を固定翼にすることもでき
る。この場合は、下段の可動翼を閉鎖近くで運転するこ
とがある場合は、上段のキャビテーションの問題があ
る。
【0060】また、図6,7の実施例はいずれも立軸斜
流ポンプを適用した例を示したが、立軸軸流ポンプを適
用してもよい。さらに、直列に連結する可動翼ポンプの
段数についても、二段に限られるものではなく、計画揚
程に応じて適宜選択する。
流ポンプを適用した例を示したが、立軸軸流ポンプを適
用してもよい。さらに、直列に連結する可動翼ポンプの
段数についても、二段に限られるものではなく、計画揚
程に応じて適宜選択する。
【0061】図8は、図1実施例のポンプ7を、上記可
動翼ポンプの代わりに、小容量高揚程ポンプ8と大容量
低揚程ポンプ9を組合せて構成した実施例である。可動
翼ポンプでの実施例の翼角全閉付近の運転を小容量高揚
程ポンプで、翼角全開付近の運転を大容量低揚程ポンプ
で運転することにより、同様の効果が得られる。ポンプ
の運転特性を図9に示す。ここでは2種のポンプを示し
たが、もちろん何段階に分けて数種のポンプを設置して
も良いことは言うまでもない。
動翼ポンプの代わりに、小容量高揚程ポンプ8と大容量
低揚程ポンプ9を組合せて構成した実施例である。可動
翼ポンプでの実施例の翼角全閉付近の運転を小容量高揚
程ポンプで、翼角全開付近の運転を大容量低揚程ポンプ
で運転することにより、同様の効果が得られる。ポンプ
の運転特性を図9に示す。ここでは2種のポンプを示し
たが、もちろん何段階に分けて数種のポンプを設置して
も良いことは言うまでもない。
【0062】次に、ポンプ停止時のアップサージ及びポ
ンプが運転されてから流入水路の水が動き出すまでの時
間遅れに対する効果を説明する。
ンプが運転されてから流入水路の水が動き出すまでの時
間遅れに対する効果を説明する。
【0063】河川からの排水は、せきを越流して流入立
坑1に流入する。この時せきの高さは、ポンプ停止時の
アップサージによる水量又は、ポンプ運転後越流せきの
直下の流入水路の水が流れ出すまでの時間に相当する流
入量が河川に入っても河川の最高水位に達しないように
高さを決めてある。このようにすることにより、ポンプ
停止のアップサージや、流入水路が長いことによる水の
追従遅れに対しても洪水等の心配がなくなる。また、地
下排水施設全体のバッファも小さくてすむ。
坑1に流入する。この時せきの高さは、ポンプ停止時の
アップサージによる水量又は、ポンプ運転後越流せきの
直下の流入水路の水が流れ出すまでの時間に相当する流
入量が河川に入っても河川の最高水位に達しないように
高さを決めてある。このようにすることにより、ポンプ
停止のアップサージや、流入水路が長いことによる水の
追従遅れに対しても洪水等の心配がなくなる。また、地
下排水施設全体のバッファも小さくてすむ。
【0064】図10は流入水路の水の追従遅れによる洪
水を防ぐための他の実施例で、ポンプ7に対して上流側
ほど水の追従が悪くなるので、上流側など流入量に対し
相対的に流入立坑を大きくしてバッファ効果を持たせた
ものである。
水を防ぐための他の実施例で、ポンプ7に対して上流側
ほど水の追従が悪くなるので、上流側など流入量に対し
相対的に流入立坑を大きくしてバッファ効果を持たせた
ものである。
【0065】以上説明したように、本発明の地下排水施
設の各実施例によれば、 (1)ポンプを閉水路において計画水量排水できる位置
に設置しているので、動力の低減ができる。
設の各実施例によれば、 (1)ポンプを閉水路において計画水量排水できる位置
に設置しているので、動力の低減ができる。
【0066】(2)ポンプを排水待機させているので、
ポンプ井等、地下排水施設のバッファが小さくてすむ。
ポンプ井等、地下排水施設のバッファが小さくてすむ。
【0067】(3)ポンプ起動時、小水量排水が可能な
ので吐出弁が不要になる。
ので吐出弁が不要になる。
【0068】(4)ポンプ起動時における流入水路の追
従遅れ、ポンプ停止時におけるアップサージを小さくで
きるので、洪水等の問題がなくなる。
従遅れ、ポンプ停止時におけるアップサージを小さくで
きるので、洪水等の問題がなくなる。
【0069】(5)立坑への流入を越流により行なって
いるので、河川、管渠、放水路をバッファとして利用で
き、洪水問題解決及び地下排水施設のバッファを小さく
することができる。
いるので、河川、管渠、放水路をバッファとして利用で
き、洪水問題解決及び地下排水施設のバッファを小さく
することができる。
【0070】(6)ポンプに対して上流側ほど相対的に
バッファ効果が大きいので、洪水等の問題がなくなる。
バッファ効果が大きいので、洪水等の問題がなくなる。
【0071】図11に、図6の立軸多段可動翼ポンプの
翼角制御装置のアクチュエータを上段可動翼ポンプ7b
のインナーケーシング33内に収納してなる一実施例の
断面図を示す。図示のように、上段の可動翼ポンプ7b
の羽根車ハブ37の上部に、駆動軸35’に連結して油
圧シリンダ55を設け、この油圧シリンダ55のピスト
ン56に操作軸57,58を取付け、この操作軸57,
58にスパイダー44を固定する。操作軸58の下端は
回転自由にはね車ハブカバー60に軸支されている。は
ね車ハブカバー60は支持片61により吸込管21に支
持されている。操作軸57,58にはシリンダ55の油
圧室に連通する油路が穿設されており、その油路ははね
車ハブカバー60から外部に引き出されたホース62を
介して油圧源に連通されている。また、羽根車ハブカバ
ー60の操作軸58の軸受部にホース63を介してボス
油が供給されるようになっている。このように構成によ
り、ホース62を介して油圧シリンダ55の油圧室に圧
油を給排して、操作軸を軸方向に変位駆動して翼角を制
御する。本実施例によれば、翼角制御機構をコンパクト
にすることができる。なお、本実施例の翼角制御機構は
特開昭58−35294号公報等により周知の機構であ
る。
翼角制御装置のアクチュエータを上段可動翼ポンプ7b
のインナーケーシング33内に収納してなる一実施例の
断面図を示す。図示のように、上段の可動翼ポンプ7b
の羽根車ハブ37の上部に、駆動軸35’に連結して油
圧シリンダ55を設け、この油圧シリンダ55のピスト
ン56に操作軸57,58を取付け、この操作軸57,
58にスパイダー44を固定する。操作軸58の下端は
回転自由にはね車ハブカバー60に軸支されている。は
ね車ハブカバー60は支持片61により吸込管21に支
持されている。操作軸57,58にはシリンダ55の油
圧室に連通する油路が穿設されており、その油路ははね
車ハブカバー60から外部に引き出されたホース62を
介して油圧源に連通されている。また、羽根車ハブカバ
ー60の操作軸58の軸受部にホース63を介してボス
油が供給されるようになっている。このように構成によ
り、ホース62を介して油圧シリンダ55の油圧室に圧
油を給排して、操作軸を軸方向に変位駆動して翼角を制
御する。本実施例によれば、翼角制御機構をコンパクト
にすることができる。なお、本実施例の翼角制御機構は
特開昭58−35294号公報等により周知の機構であ
る。
【0072】
【発明の効果】本発明の地下排水施設によれば、排水ポ
ンプの動力低減がはかれ、ポンプ場も小さくなり建設
費、ランニングコストの低減ができる。
ンプの動力低減がはかれ、ポンプ場も小さくなり建設
費、ランニングコストの低減ができる。
【0073】また、上流側の流入水の追従遅れ、ポンプ
停止のアップサージに対しても、上流側河川等があふれ
ない信頼性の高い地下排水施設を得ることができる。
停止のアップサージに対しても、上流側河川等があふれ
ない信頼性の高い地下排水施設を得ることができる。
【0074】
【図1】本発明の一実施例を示す地下排水施設の縦断面
図である。
図である。
【図2】本発明の実施例のポンプ運転状態の説明図であ
り、(a)はポンプ井周り断面図、(b)はポンプ運転
状態を説明する線図である。
り、(a)はポンプ井周り断面図、(b)はポンプ運転
状態を説明する線図である。
【図3】本発明の実施例のポンプ設置位置と起動条件を
説明する図であり、(a)はポンプ運転状態を説明する
線図、(b)はポンプ井周り断面図である。
説明する図であり、(a)はポンプ運転状態を説明する
線図、(b)はポンプ井周り断面図である。
【図4】可動翼ポンプを用いた本発明の実施例の運転状
態を説明する線図である。
態を説明する線図である。
【図5】本発明の立軸多段可動翼ポンプを適用したポン
プ場周りの拡大図である。
プ場周りの拡大図である。
【図6】本発明の立軸多段可動翼ポンプの一実施例の断
面図である。
面図である。
【図7】本発明の立軸多段可動翼ポンプの他の実施例の
断面図である。
断面図である。
【図8】本発明の他の実施例を示す地下排水施設の縦断
面図である。
面図である。
【図9】小容量高揚程ポンプと大容量低揚程ポンプを組
み合わせた本発明の実施例の運転状態を説明する線図で
ある。
み合わせた本発明の実施例の運転状態を説明する線図で
ある。
【図10】本発明の他の実施例を示す地下排水施設の縦
断面図である。
断面図である。
【図11】図6の立軸多段可動翼ポンプの翼角制御装置
のアクチュエータを上段可動翼ポンプのインナーケーシ
ング内に収納してなる一実施例の断面図である。
のアクチュエータを上段可動翼ポンプのインナーケーシ
ング内に収納してなる一実施例の断面図である。
1 流入立坑 2 流入立坑 3 流入立坑 4 流入水路 5 空気孔 6 ポンプ井 7 排水ポンプ 7a,7b 可動翼ポンプ 7c 固定翼ポンプ 8 小容量高揚程グループ 9 大容量低揚程ポンプ 10 吐出管 11 越流せき 13 吐出弁 14 水位計 23 駆動機 24 翼角制御装置 31 ケーシング 32 ケーシングライナー 33 インナーケーシング 35,35’ 駆動軸 37 羽根車ハブ 38 羽根車 43 操作軸 44 スパイダー 45 アーム 46 ターンバックル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03F 5/22 E03B 5/00 F04D 29/22 F04D 29/24
Claims (18)
- 【請求項1】 大深度地下に傾斜の小さな大容量の流入
水路が配設され、この流入水路に地表や地表近くの様々
な配水路から立坑を介して排水を流下させ、前記流入水
路に溜った配水を前記流入水路の一部に設けたポンプ機
場から河川や海等へ排水するように構成した大深度地下
排水システムにおいて、 前記ポンプ機場に、ポンプの
設計点揚程よりも地表から深い位置にポンプを設置し、
これによって前記流入水路が閉水路の状態で計画水量を
排水可能とし、前記ポンプは、前記流入水路が開水路の
状態にあるときには締切運転にならない程度の小容量で
排水可能にその仕様が設定されてなることを特徴とする
地下排水施設。 - 【請求項2】 地下に設けられ流入した水を流下させる
流入水路と、河川、管渠、放水路等から前記流入水路に
導水するための流入立坑と、前記流入路途中に設けられ
た空気孔と、前記流入水路の下流端に配置したポンプ井
と、該ポンプ井に設けられたポンプとを備えた地下排水
施設において、前記流入水路が閉水路の状態で計画水量
を排水可能とし、開水路においても締切運転にならない
ポンプを設置したことを特徴とする地下排水施設。 - 【請求項3】 請求項2において、前記ポンプ井に設け
るポンプを可動翼ポンプとし、翼角最小付近で排水待機
運転し、ポンプ井の水位上昇又はその水位上昇速度に応
じてポンプの翼角を調整し、排水量調整を行なうことを
特徴とする地下排水施設。 - 【請求項4】 請求項2において、前記ポンプ井に設け
るポンプを、複数の立軸ポンプを同一軸上に多段に連結
してなり、少なくとも一段の立軸ポンプが、駆動軸に対
して翼角を変更可能に軸支された可動翼羽根車と、該可
動翼羽根車を支持軸周りに回転させて翼角を操作する翼
角操作機構とを有してなる可動翼ポンプである立軸多段
可動翼ポンプとしたことを特徴とする地下排水施設。 - 【請求項5】 請求項4において、前記立軸ポンプが全
て可動翼ポンプであり、該各可動翼ポンプの駆動軸が中
空に形成され、前記翼角操作機構が、駆動軸の中空部に
挿通された操作軸と、該操作軸と前記可動翼羽根車とに
連結され該操作軸の軸方向運動を前記可動翼羽根車の翼
角回転運動に変換するリンク機構とを含んでなり、前記
各段の駆動軸と操作軸をそれぞれ連結してなることを特
徴とする地下排水施設。 - 【請求項6】 請求項4において、前記立軸ポンプの上
段側の少なくとも一段が可動翼ポンプであり、該可動翼
ポンプの駆動軸が中空に形成され、前記翼角操作機構
が、駆動軸の中空部に挿通された操作軸と、該操作軸と
前記可動翼羽根車とに連結され該操作軸の軸方向運動を
前記可動翼羽根車の翼角回転運動に変換するリンク機構
とを含んでなり、前記立軸ポンプの各段の駆動軸を連結
するとともに、上段側の可動翼ポンプの操作軸を連結し
てなることを特徴とする地下排水施設。 - 【請求項7】 請求項4乃至6のいずれかにおいて、前
記可動翼ポンプが二段以上の場合、前記翼角操作機構
は、上段側の翼角が最小翼角になるとき下段側の翼角が
最小翼角より若干大きな角度位置になるように設定され
たことを特徴とする地下排水施設。 - 【請求項8】 請求項4乃至7のいずれかにおいて、前
記可動翼ポンプの翼角最小付近で排水待機運転し、ポン
プ井の水位上昇又はその水位上昇速度に応じてポンプの
翼角を調整し、排水量調整を行なうことを特徴とする地
下排水施設。 - 【請求項9】 請求項2において、前記ポンプ井に設け
るポンプを回転数制御型とし、低速回転で排水待機運転
し、ポンプ井の水位上昇又はその水位上昇速度に応じて
回転数を調整し、排水量調整を行なうことを特徴とする
地下排水施設。 - 【請求項10】 地下に設けられ流入した水を流下させ
る地下流入水路と、河川、管渠、放水路等から前記地下
流入水路に導水するための流入立坑と、前記地下流入水
路途中に設けられた空気孔と、前記地下流入水路の下流
端に配置したポンプ井と、該ポンプ井に設けられたポン
プとを備えた地下排水施設において、前記ポンプ井に、
地下流入水路が開水路の状態で計画水量を排水可能であ
りかつ排水待機運転される小容量高揚程ポンプと、閉水
路の状態で計画水量を排水可能な大容量低揚程ポンプと
を設置したことを特徴とする地下排水施設。 - 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかにおい
て、ポンプ吐出側にバルブを設置せず越流せき又はサイ
ホン形成して運用することを特徴とする地下排水施設。 - 【請求項12】 請求項1乃至11のいずれかにおい
て、上流側流入水路、流入立坑の水位上昇を検知してポ
ンプの排水待機運転を行なう地下排水施設。 - 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれかにおい
て、ポンプの停止前に一定時間排水待機運転を行なう地
下排水施設。 - 【請求項14】 請求項1乃至13のいずれかにおい
て、河川、管渠、放水路の越流せきの高さをポンプ停止
時のアップサージに見合う水量分、河川、管渠、放水路
の最高水位より下げて決めたことを特徴とする地下排水
施設。 - 【請求項15】 請求項1乃至14のいずれかにおい
て、河川、管渠、放水路の越流せきの高さを、ポンプ運
転後各越流せき直下の流入水路の水が動き出すまでにか
かる時間に見合う各々の河川、管渠、放水路の流入分、
各河川、管渠、放水路の最高水位より下げて決めたこと
を特徴とする地下排水施設。 - 【請求項16】 請求項14又は15おいて、河川、管
渠、放水路の越流せきの高さを請求項14又は15のど
ちらか低い方に決めたことを特徴とする地下排水施設。 - 【請求項17】 地下に設けられ流入した水を流下させ
る地下流入水路と、河川、管渠、放水路等から前記地下
流入水路に導水するための流入立坑と、前記地下流入水
路途中に設けられた空気孔と、前記地下流入水路の下流
端に配置したポンプ井と、該ポンプ井に設けられたポン
プとを備えた地下排水施設において、上流側の流入立坑
は下流側の流入立坑に比較し、相対的に流入量に対して
大きく形成されたことを特徴とする地下排水施設。 - 【請求項18】 大深度地下に傾斜の小さな大容量の流
入水路を配設し、この流入水路に地表や地表近くの様々
な配水路から立坑を介して排水を流下させ、前記流入水
路に溜った配水を前記流入水路の一部に設けたポンプ機
場から河川や海等へ排水する大深度地下排水施設の排水
ポンプ運転方法において、前記ポンプ機場の排水ポンプ
により、前記流入水路が閉水路状態のときに計画水量で
排水し、前記流入水路が開水路状態のときには前記排水
ポンプが締切運転にならない程度の小容量で排水運転す
ることを特徴とする排水ポンプ運転方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10667392A JP3306453B2 (ja) | 1991-12-13 | 1992-04-24 | 地下排水施設 |
US07/988,755 US5360290A (en) | 1991-12-13 | 1992-12-10 | Underground drainage facility, vertical-shaft multi-stage adjustable vane pump, and method of running drainage pump |
US08/332,085 US5624226A (en) | 1991-04-24 | 1994-11-01 | Underground drainage facility, vertical-shaft multi-stage adjustable vane pump, and method of running drainage pump |
US08/780,236 US5733065A (en) | 1991-12-13 | 1997-01-08 | Underground drainage facility, vertical-shaft multi-stage adjustable vane pump, and method of running drainage pump |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33030191 | 1991-12-13 | ||
JP3-330301 | 1991-12-13 | ||
JP10667392A JP3306453B2 (ja) | 1991-12-13 | 1992-04-24 | 地下排水施設 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000368164A Division JP3496121B2 (ja) | 1991-12-13 | 2000-12-04 | 地下排水施設用ポンプ及び立軸多段可動翼ポンプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05214761A JPH05214761A (ja) | 1993-08-24 |
JP3306453B2 true JP3306453B2 (ja) | 2002-07-24 |
Family
ID=26446792
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10667392A Expired - Fee Related JP3306453B2 (ja) | 1991-04-24 | 1992-04-24 | 地下排水施設 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3306453B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107190833B (zh) * | 2017-06-14 | 2018-05-25 | 水利部交通运输部国家能源局南京水利科学研究院 | 一种水利设备 |
-
1992
- 1992-04-24 JP JP10667392A patent/JP3306453B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05214761A (ja) | 1993-08-24 |
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