JP4597394B2 - エレベータ用複段式緩衝器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータ用昇降路の下部に設けられ、例えばエレベータのかごが過下降した際に、このかごを下側から受け止めて緩衝するエレベータ用緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータ101は、図9および図10に示すように、上下方向に延ばされて設置されたガイドレール118に案内されつつ昇降移動して、図示しない乗客や荷物などを運ぶかご102、およびこのかご102を円滑に昇降移動させるためにメインロープ116を介して連結されている図示しない釣り合い重り、ならびにこれらのかご102および釣り合い重りを、メインロープ116を介してバランスよく円滑に、かつ、互いに相対的に昇降移動させる図示しない巻き上げ機などを具備している。かご102および釣り合い重りが昇降移動するエレベータ用昇降路104の内部には、その最下部のピットの床105の上に、かご102および釣り合い重りが過下降した際に、それらに衝撃を殆ど与えることなく安全に受け止めるためのエレベータ用緩衝器(以下、緩衝器と略称する。)が、かご102の下端部102aおよび釣り合い重りの下端部のそれぞれと当接可能な位置に設置されている。
【0003】
緩衝器は、これが受け止める対象物が、かご102であるか、釣り合い重りであるかに拘らず、その構造および作動原理は殆ど同じなので、以下の説明においては、エレベータ101のかご102を受け止める側の緩衝器について説明し、釣り合い重りを受け止める側の緩衝器は、その図示および説明を省略する。
【0004】
緩衝器の中には、例えば、図9および図10に示すように、1組のシリンダ106およびプランジャ107から構成されている、いわゆる1段テレスコピック型の緩衝器103a,103bがある。以下の説明において、これらの緩衝器103a,103bは、その内部に衝撃緩衝手段としての油とばね108とを内蔵している、いわゆる油圧式およびばね式の緩衝機構を併用している複合方式の緩衝器とする。
【0005】
まず、図9に示されている緩衝器103aについて説明する。この緩衝器103aが具備しているシリンダ106およびプランジャ107のそれぞれの長さは、過下降したかご102がプランジャ107に当接して、これを押し下げる際に、緩衝器103aの内部に収納されている油とばね108がその衝撃を弾性的に緩和して吸収できる大きさに形成されている。これにより、緩衝器103aは、かご102を安全に停止させることができる。
【0006】
シリンダ106の頂部106aの外周付近には、緩衝器103aの作動あるいは非作動に応じて、後述するカム111によって、その通電状態を切り換えられるスイッチ109が、スイッチ取り付け腕110を介して取り付けられている。このスイッチ109は、後述する緩衝器103aの非作動状態においては、その通電状態がオン状態となるように設定されている。この場合、図示しない電源から巻き上げ機へ電流が流れて、巻き上げ機は作動できる。したがって、緩衝器103aの非作動状態においては、かご102は、エレベータ用昇降路104内を昇降移動できる。また、このスイッチ109は、後述する緩衝器103aの作動状態においては、その通電状態がオフ状態となるように設定されている。この場合、電源から巻き上げ機へ流れる電流は、その流れを遮断されて、巻き上げ機はその作動を停止させられる。したがって、緩衝器103aの作動状態においては、かご102は、後述するように、その過下降を規制される。
【0007】
プランジャ107の頂部107aの外周付近には、緩衝器103aの作動あるいは非作動(伸縮状態)に応じて、前述したスイッチ109を作動させて、その通電状態を切り換えるためのスイッチ切り換え部材としてのカム111が、カム取り付け腕112を介して取り付けられている。このカム111は、略棒状に形成された長尺形状の剛体により構成されている。カム111は、その長手方向が、緩衝器103aの長手方向である、プランジャ107がシリンダ106に対して伸縮する方向に沿うように、プランジャ107の頂部107aの外周付近から鉛直方向下向きに延ばされてプランジャ107に取り付けられている。
【0008】
また、カム111は、緩衝器103aの非作動状態において、プランジャ107の頂部107a付近からシリンダ106の頂部106a付近に設けられているスイッチ109まで届く長さに形成されている。それとともに、カム111は、緩衝器103aの作動あるいは非作動状態、すなわち、プランジャ107がシリンダ106に対して伸縮する長さに拘らず、常にスイッチ109と接触しているように、そのプランジャ107の頂部107aの径方向および周方向のそれぞれに対する取り付け位置を、シリンダ106の頂部106aの径方向および周方向のそれぞれに対して所定の位置に取り付けられているスイッチ109の取り付け位置に合わせられている。さらに、カム111は、その下端部111aの形状が、緩衝器103aの非作動状態において、スイッチ109にその外側斜め上方から接触するように、シリンダ106の径方向外側に向けて張り出されて、かつ、斜め下方に向けて傾けられて形成されている。スイッチ109は、カム111の下端部111aと接触している状態においては、前述したように、その通電状態がオン状態となるように設定されている。
【0009】
かご102が、プランジャ107の頂部107aと当接することなく、エレベータ用昇降路104の内部を昇降移動している場合においては、緩衝器103aは非作動状態である。すなわち、かご102がプランジャ107の頂部に当接しておらず、プランジャ107に外力が作用していない状態、つまり、かご102によってプランジャ107がシリンダ106の内部に押し込まれていない状態が、緩衝器103aの非作動状態である。この緩衝器103aの非作動状態において、スイッチ109はその通電状態をオン状態に保持されている。スイッチ109の通電状態がオン状態の場合には、前述したように電源から巻き上げ機に電流が流れ、巻き上げ機は作動できる。これにより、かご102はエレベータ用昇降路104の内部を昇降移動できる。
【0010】
かご102が、予め設定されている図示しない最下階の適正な停止位置で停止せず、さらに下降すると、いわゆる過下降状態となってプランジャ107の頂部107aと当接する。かご102がプランジャ107の頂部107aにその上方から当接すると、プランジャ107にこれをシリンダ106側に向けて押し下げるように外力が作用する。これにより、かご102が過下降してプランジャ107の頂部107aと当接すると、プランジャ107はシリンダ106の内部に向けて没入する。このように、プランジャ107がシリンダ106の内部に押し込まれた状態となると、緩衝器103aは作動状態となる。この緩衝器103aの作動状態において、スイッチ109は、前述したように、その通電状態をオフ状態に保持される。
【0011】
詳しく述べると、プランジャ107のシリンダ106内への没入とともに、カム111は下方に向けて動く。すると、スイッチ109は、カム111の下端部111aとの接触状態を解除されるとともに、カム111にその長手方向中間部から上端部にかけて接触する状態となる。スイッチ109は、カム111にその長手方向中間部から上端部にかけて接触している状態においては、その通電状態がオフ状態となるように設定されている。
【0012】
スイッチ109の通電状態がオフ状態の場合には、前述したように電源から巻き上げ機に流れる電流が遮断される。これにより、巻き上げ機はその作動を停止させられるので、かご102の過下降は止まる。前述したように、スイッチ109の通電状態がオフ状態の場合、すなわち、緩衝器103aの作動状態においては、かご102は、その下端部102aを緩衝器103aによって弾性的に支持されているので、その過下降を止められる際の衝撃を、緩衝器103aによって弾性的に緩和されて吸収される。これにより、かご102は安全に停止できる。
【0013】
かご102が、その過下降を緩衝器103aによって止められた後、適正な停止位置まで上昇するように処置された際、プランジャ107に対する負荷は実質的に取り除かれた状態となる。この際、プランジャ107は、緩衝器103aに内蔵されている油およびばね108の弾性復元力によって、シリンダ106に対してその内部から、緩衝器103aの非作動状態の位置まで突出するように押し戻される。このプランジャ107の突出にともなって、カム111もスイッチ109と接触しつつ上方に向けて動く。プランジャ107がそのシリンダ106の内部からの突出が止まるまで押し戻され、緩衝器103aが非作動状態となった際に、カム111は、その下端部111aにおいてスイッチ109と接触している状態となる。これにより、スイッチ109は、その通電状態がオン状態となるので、電源から巻き上げ機に電流が流される。したがって、巻き上げ機は作動可能状態となり、かご102は適正な状態で昇降移動を行うことができる。
【0014】
以上説明したように、緩衝器103aが非作動状態から作動状態になり、再び非作動状態に戻る過程において、スイッチ109はその通電状態をオン状態からオフ状態を経て再びオン状態に切り換えられる。これにより、緩衝器103aが作動状態の間遮断されていた電流が再び電源から巻き上げ機に流れて、かご102は再び昇降移動可能な状態となる。したがって、スイッチ109は、エレベータ101が備える図示しない装置全体の機能が復旧して、エレベータ101が適正な状態で運転可能になったことを検出する、いわゆる復帰確認スイッチとしての役割も兼ねている。
【0015】
プランジャ107が、緩衝器103aが非作動状態となる位置まで戻りきらない場合には、スイッチ109は、前述したように、カム111にその長手方向中間部から上端部にかけて接触している状態となっており、その通電状態をオフ状態に保持されている。これにより、電源から巻き上げ機に流れる電流は遮断された状態に保持されているので、エレベータ101が運転されて、かご102が昇降移動するおそれはない。換言すると、かご102が適正な状態で昇降移動している場合には、緩衝器103aはそのストローク(圧縮ストローク)の長さ(量)を、過下降したかご102を止める際の衝撃を弾性的に緩和して吸収し、かご102を安全に停止させることができる大きさに維持している。
【0016】
次に、図10に示されている緩衝器103bについて説明する。この緩衝器103bは、スイッチ113のオン状態およびオフ状態を切り換えるスイッチ切り換え部材が、略棒状に形成されている長尺形状の剛体からなるカム111ではなく、柔軟性を有しているとともに、伸縮性の乏しい紐状の部材から構成されている点が、前述した図9に示されている緩衝器103aと異なっている。
【0017】
この緩衝器103bが有しているスイッチ切り換え部材としてのスイッチ切り換え紐114は、その一端部を、プランジャ107の頂部107a付近に設けられているスイッチ切り換え紐取り付け腕115に接続されている。また、このスイッチ切り換え紐114は、その他端部を、スイッチ113に接続されている。スイッチ113は、シリンダ106の頂部106a付近に設けられているスイッチ取り付け腕117の上側に取り付けられている。
【0018】
スイッチ切り換え紐114は、その長さを、緩衝器103bの非作動状態においては、緊張してスイッチ113を上向きに引っ張って、その通電状態をオン状態にできるとともに、緩衝器103bの作動状態においては、弛緩してスイッチ113を上向きに引っ張ることができずに、その通電状態をオフ状態とする寸法に設定されている。すなわち、スイッチ切り換え紐114は、緩衝器103bの非作動状態においては、スイッチ113の通電状態をオン状態とする張力を得ることができるとともに、緩衝器103bの作動状態においては、その張力を失ってスイッチ113の通電状態をオフ状態とするように設定されている。また、この緩衝器103bは、その非作動状態において、スイッチ切り換え紐114に前述した大きさの張力を与えることができるとともに、そのストローク量を、かご102が過下降してこの緩衝器103bと当接した際の衝撃を弾性的に緩和して吸収し、かご102を安全に停止させることができる大きさに維持するように設定されている。
【0019】
以上説明した構成からなるこの緩衝器103bは、前述した緩衝器103aと同様に、かご102が過下降してプランジャ107の頂部107aと当接し、作動状態となると、スイッチ113の通電状態をオフ状態にして、電源から巻き上げ機に流れる電流を遮断する。それとともに、かご102の下端部102aを弾性的に受け止めて支持し、その過下降が止められる際の衝撃を、弾性的に緩和して吸収する。これにより、かご102は、過下降した際においても、安全に停止できる。
【0020】
近年、ビルなどの建築物の高層化にともなって、エレベータは、そのかごが昇降移動するスピードが高速化される傾向にある。また、エレベータの輸送能力を向上させるために、かごも大型化してその重量が増大する傾向にある。これにともなって、釣り合い重りも高速で昇降移動するとともに、大型化して重量が増大する傾向にある。このような高速で昇降移動する大型で重量の重いかごおよび釣り合い重りを具備するエレベータにおいては、過下降したかごおよび釣り合い重りを安全に停止させるために、例えば、緩衝器のストローク量を長くして、その衝撃吸収力を向上させることが好ましい。
【0021】
この場合の緩衝器を具体的に説明すると、1個のシリンダに対して、プランジャを複数個取り付ける。この際、最も下側に取り付けられたプランジャをシリンダに対して伸縮動作可能に設けるとともに、隣接するプランジャ同士においても、上側のプランジャを下側のプランジャに対して伸縮動作可能に設ける。すなわち、この場合の緩衝器は、いわゆる複段テレスコピック型の緩衝器である。
【0022】
以上説明したように、プランジャを複段化して、緩衝器のストローク(総圧縮ストローク)の量を長大化することによって、高速移動する大型のかごや釣り合い重りが過下降した際の運動エネルギーを十分に吸収できる。したがって、複段テレスコピック型の緩衝器は、高速移動する大型のかごや釣り合い重りが過下降しても、それらを止める際の衝撃を弾性的に緩和して吸収し、安全に停止させることができる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
複段テレスコピック型の緩衝器において、スイッチ切り換え部材を、前述した緩衝器103aと同様に、例えば剛体からなるカムで構成する場合であると、シリンダに取り付けられたスイッチを作動させるために、プランジャの複段化、すなわち緩衝器の総ストローク量の長大化にともなって、カムも長大化させる必要がある。カムの全長は、複数段設けられたプランジャのうち、最も上側に配置されているプランジャの頂部付近から、緩衝器の最も下側に配置されているシリンダの頂部付近に取り付けられているスイッチまで届く大きさに設定される。これにより、プランジャが複数段設けられた緩衝器の総圧縮ストロークは、シリンダの全長より長くなるので、緩衝器の総圧縮ストロークに合わせて設定されたカムの全長も、シリンダの全長より長くなる。
【0024】
この場合、過下降したかごがプランジャに当接して、これを押し下げる際に、この複段テレスコピック型の緩衝器が有する衝撃緩衝能力を発揮して、プランジャがその押し下げを止められる前に、カムの下端部がエレベータ用昇降路のピットの床に接触するおそれがある。すると、この複段テレスコピック型の緩衝器は、これが具備している複数段のプランジャの押し下げを妨げられて、過下降したかごの運動エネルギーを吸収できなくなるおそれがある。すなわち、この複段テレスコピック型の緩衝器は、かごを止める際の衝撃を弾性的に緩和して吸収できなくなるおそれがある。したがって、この複段テレスコピック型の緩衝器は、かごを安全に停止させることができなくなるおそれがある。
【0025】
あるいは、複段テレスコピック型の緩衝器において、以上説明した剛体のカムでスイッチ切り換え部材を構成したことによる問題点を解決するために、前述した緩衝器103bと同様に、柔軟性を有するとともに、伸縮性の乏しい紐状の部材によりスイッチ切り換え部材を構成する場合を考えると、このような紐状の部材から構成されるスイッチ切り換え紐は、その長さが長くなる程、伸縮率の誤差が集積されて、その長手方向に沿った伸縮の幅が大きくなる。この複段テレスコピック型の緩衝器において、スイッチ切り換え紐の全長は、前述した1段テレスコピック型の緩衝器103bにおいて設定されていた、プランジャ107の長さと同等の大きさよりも十分に長い、複数段からなるプランジャを備える緩衝器の総圧縮ストロークの長さと同等の大きさに設定されている。これにより、前述した1段テレスコピック型の緩衝器103bにおいては問題とならなかったスイッチ切り換え紐の長手方向に沿った伸縮の幅が、この複段テレスコピック型の緩衝器においては、スイッチを正常に作動させることができなくなる程度に影響を与えるおそれがある。
【0026】
具体的には、この複段テレスコピック型の緩衝器の非作動状態において、スイッチ切り換え紐は、その自重および複数段のプランジャから受ける張力により、スイッチの通電状態をオン状態に保持する張力を得ることができない程度に伸びてしまうおそれがある。すなわち、実際には、複段テレスコピック型の緩衝器が非作動状態であるにも拘らず、スイッチ切り換え紐が実質的に弛緩した状態となることにより、スイッチはその通電状態をオフ状態に切り換えられてしまうおそれがある。これにより、巻き上げ機はその作動を停止させられるので、かごはエレベータ用昇降路内を円滑に昇降移動できなくなるおそれがある。
【0027】
また、スイッチ切り換え部材をスイッチ切り換え紐で構成した場合、この複段テレスコピック型の緩衝器が作動して、各プランジャが互いに伸縮動作している最中に、スイッチ切り換え紐が隣接している各プランジャ同士の隙間に入り込んだり、あるいはスイッチ取り付け腕もしくはスイッチに絡まったりなどするおそれがある。この場合、スイッチ切り換え紐は、その長さが実質的に短くなったのと同じ状態となる。これにより、実際には、複段テレスコピック型の緩衝器が作動状態であるにも拘らず、スイッチ切り換え紐が実質的に緊張した状態となることにより、スイッチはその通電状態をオン状態に切り換えられてしまうおそれがある。
【0028】
さらに、弾性復元力が1段テレスコピック型の緩衝器よりも強められているこの複段テレスコピック型の緩衝器において、スイッチ切り換え紐が隣接している各プランジャ同士の隙間に入り込んだり、あるいはスイッチ取り付け腕もしくはスイッチに絡まったりなどしている状態で、緩衝器を非作動状態に戻そうと各プランジャが突出する。この場合、スイッチ切り換え紐は、各プランジャから与えられる張力に耐え切れずに、切断されてしまうおそれがある。すなわち、複段テレスコピック型の緩衝器において、スイッチ切り換え部材をスイッチ切り換え紐で構成した場合、この緩衝器、ひいてはエレベータ全体が故障し易くなるおそれがある。したがって、複段テレスコピック型の緩衝器において、スイッチ切り換え部材をスイッチ切り換え紐で構成すると、この緩衝器、ひいてはエレベータ全体の信頼性が低下するおそれがある。
【0029】
さらに、以上説明した複段テレスコピック型の緩衝器においては、スイッチがシリンダに1個しか取り付けられていないため、スイッチ切り換え部材を剛体あるいは紐状部材で形成するかに拘らず、複数個設けられているプランジャのうち、作動状態になったプランジャが再び非作動状態に戻ったか否かを確認することができない。
【0030】
よって、本発明が解決しようとする課題は、故障し難く、安全性が高い複段式エレベータ用緩衝器を得ることにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係るエレベータ用複段式緩衝器は、シリンダと、このシリンダに対してその上方に複数段に伸縮動作可能に突出する複数個のプランジャと、これら各プランジャを上方に向かって弾性的に付勢する付勢手段とを備えるエレベータ用複段式緩衝器において、前記各段のプランジャに個々にスイッチ切り換え部材を設けるとともに、上から2段目以下の前記各プランジャおよび前記シリンダに、前記各スイッチ切り換え部材に対応するスイッチをそれぞれ設け、前記各段のプランジャが伸縮動作する際に、前記各スイッチ切り換え部材を介してそれらに対応する前記各スイッチを作動させ、これら各スイッチの作動により前記各段のプランジャの伸縮動作を検出することを特徴とするものである。
【0032】
この発明のエレベータ用複段式緩衝器においては、各段のプランジャごとに分けてスイッチ切り換え部材およびスイッチを設けたので、各段のプランジャの伸縮状態に拘らず、スイッチ切り換え部材がエレベータ用昇降路のピットの床と互いに干渉し合うおそれがなく、各スイッチを適正に作動させることができる。
【0033】
また、前記課題を解決するために、前記請求項1の発明を実施するにあたり、この発明に従属する請求項2に記載の発明に係るエレベータ用複段式緩衝器のように、前記各スイッチ切り換え部材に対しては、それら各スイッチ切り換え部材の上下の動きを案内し、かつ前記各プランジャの周方向への動きを規制するガイド部材がそれぞれ設けられている構成とするとよい。
【0034】
この発明のエレベータ用複段式緩衝器においては、各スイッチ切り換え部材を上下方向に案内しつつ、それらが各プランジャの周方向に沿って回転するのを規制するガイド部材を設けたので、各スイッチ切り換え部材が各スイッチから外れるのを抑制して、各スイッチをより適正に作動させることができる。
【0035】
また、前記課題を解決するために、前記請求項1または2の発明を実施するにあたり、これらの発明に従属する請求項3に記載の発明に係るエレベータ用複段式緩衝器のように、前記各スイッチは、それぞれ支持部材を介して支持され、これら各支持部材に、前記各スイッチに接続されている配線を案内する配線ガイド穴が形成されている構成とするとよい。
【0036】
この発明のエレベータ用複段式緩衝器においては、各スイッチを支持部材を介して支持するとともに、それら各支持部材に、各スイッチに接続されている配線を案内する配線ガイド穴を形成したので、各プランジャの伸縮状態に拘らず、各配線を適正な状態に容易に保持できる。
【0037】
また、前記課題を解決するために、前記請求項3の発明を実施するにあたり、この発明に従属する請求項4に記載の発明に係るエレベータ用複段式緩衝器のように、前記各配線ガイド穴には、低摩擦材が設けられている構成とするとよい。
【0038】
この発明のエレベータ用複段式緩衝器においては、各配線ガイド穴に、低摩擦材を設けたので、各プランジャの伸縮動作に伴う各配線の移動時の摩擦抵抗を実質的に減らすことができる。
【0039】
また、前記課題を解決するために、前記請求項1または2の発明を実施するにあたり、これらの発明に従属する請求項5に記載の発明に係るエレベータ用複段式緩衝器のように、前記スイッチに接続されている前記配線が、湾曲自在な配線ガイド保護部材内に収納されている構成とするとよい。
【0040】
この発明のエレベータ用複段式緩衝器においては、配線を、湾曲自在な配線ガイド保護部材内に収納したので、各プランジャの伸縮動作などに伴う配線トラブルを抑制できる。
【0041】
また、前記課題を解決するために、前記請求項1〜5の発明を実施するにあたり、これらの発明に従属する請求項6に記載の発明に係るエレベータ用複段式緩衝器のように、前記各スイッチおよび前記各スイッチ切り換え部材は、前記シリンダおよび前記各プランジャごとに、それらの周方向に沿って位置をずらすように配置されている構成とするとよい。
【0042】
この発明のエレベータ用複段式緩衝器においては、各スイッチ切り換え部材および各スイッチを、シリンダおよび各プランジャごとに、それらの周方向に沿って位置をずらして配置したので、それらの各プランジャからの張り出しを抑制してコンパクト化できる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態に係るエレベータ用複段式緩衝器を用いたエレベータを、図1および図2に基づいて説明する。
【0044】
本実施形態のエレベータ1は、図1に示すように、エレベータ用昇降路2内を上下方向に沿って昇降移動して図示しない乗客や荷物などを運ぶかご3、このかご3を昇降移動させる昇降移動装置としての巻き上げ機4などから構成されている。かご3は、これをバランス良く円滑に昇降移動させるための釣り合い重り5とメインロープ6を介して接続されている。エレベータ用昇降路2の内部には、昇降移動するかご3および釣り合い重り5を上下方向に沿って案内するガイドレール7が設けられている。かご3と釣り合い重り5とは、巻き上げ機4が駆動されることにより、この巻き上げ機4に巻き掛けられたメインロープ6を介して、それぞれバランスよく円滑に、かつ、互いに相対的に、ガイドレール7に案内されて昇降移動させられる。
【0045】
かご3および釣り合い重り5には、それらが予め設定されている定格速度以上の速度で急降下した際などに、ガイドレール7を挟み込むなどして、それらを安全に停止させるための停止装置8が、それぞれの下端部3aおよび5aに設けられている。かご3が急降下すると、このかご3にメインロープ6を介して接続されている釣り合い重り5は、急上昇する。同様に、釣り合い重り5が急降下すると、この釣り合い重り5にメインロープ6を介して接続されているかご3は、急上昇する。そのような状況において、停止装置8を作動させると、急降下している側のかご3あるいは釣り合い重り5は、その急降下を止められるが、急上昇している反対側のかご3あるいは釣り合い重り5は、慣性力によりそのまま急上昇を続け、いわゆる跳ね上がり現象を生じる。この跳ね上がり現象が大きいと、メインロープ6に弛みが生じて、巻き上げ機4のプーリ9に設けられている図示しないシーブ溝からメインロープ6が外れるおそれがある。メインロープ6がシーブ溝から外れると、巻き上げ機4によってかご3および釣り合い重り5を適正な状態で昇降移動させることができなくなるおそれが生じる。また、シーブ溝から外れたメインロープ6が、エレベータ用昇降路2内の図示しない他の装置などに引っ掛かるなどして、他の装置の故障を招くおそれがある。さらには、急上昇した後降下したかご3あるいは釣り合い重り5が、それらの反対側の急停止させられたかご3あるいは釣り合い重り5から、メインロープ6を介して引っ張られることによってその降下を停止させられる際に、メインロープ6に極めて大きな負荷を掛けて、その耐久性などを損わせるおそれがある。
【0046】
このようなかご3および釣り合い重り5の跳ね上がり現象、ならびにこの跳ね上がり現象にともなう種々のトラブルを防止するために、エレベータ用昇降路2内には、その下端部にコンペンセータ装置と称されるエレベータ用補償ロープ張り車装置10が設けられている。このエレベータ用補償ロープ張り車装置10は、一端部をかご3に連結されるとともに、他端部を釣り合い重り5に連結されて、エレベータ用昇降路2内に垂れ下げられるように複数本並設された補償ロープ11、エレベータ用昇降路2内の下端部に上下方向に設置された左右一対のコンペンレール12(図1において片方のみを図示。)、これら各コンペンレール12に対して、それらの間を図示しないガイドシューを介して上下方向に摺動自在に設けられている支持枠13、および前記各補償ロープ11が巻き掛けられるとともに、前記支持枠13に回転自在に取り付けられた張り車14などから構成されている。
【0047】
支持枠13を図示しないばねや負荷などを用いて下方に向けて付勢することにより、支持枠13に取り付けられた張り車14を介して、各補償ロープ11に適度な張力を与える。これにより、メインロープ6とは反対側から、かご3および釣り合い重り5を引っ張る。かご3あるいは釣り合い重り5のいずれか一方が急降下し、反対側のかご3あるいは釣り合い重り5が急上昇しようとすると、各補償ロープ11によって、その急上昇を抑制される向きに引っ張られる。各補償ロープ11は、それらが巻き掛けられている張り車14が回転することにより、その繰り出しおよび引き戻しが円滑に行われる。また、張り車14が取り付けられている支持枠13も、かご3あるいは釣り合い重り5のいずれか一方が急上昇して補償ロープ11が引っ張られるのにともなって、各コンペンレール12に案内されつつ上昇した後、ばねや負荷などによって、かご3あるいは釣り合い重り5の急上昇を抑制するように、下方に向けて弾性的に引き戻される。
【0048】
以上説明したエレベータ用補償ロープ張り車装置10の働きによって、かご3および釣り合い重り5の跳ね上がり現象は抑制されるとともに、この跳ね上がり現象にともなう種々のトラブルも抑制される。
【0049】
さらに、エレベータ用昇降路2の内部には、その最下端部としてのピット15の床16の上に、かご3および釣り合い重り5が、予め設定されている最下階の適正な停止位置で停止せずに下がり過ぎる、いわゆる過下降を起こした際に、それらに衝撃を殆ど与えることなく安全に受け止めるための安全装置としての、本発明の第1の実施の形態に係る複段式のエレベータ用緩衝器17(以下、緩衝器17と略称する。)が設置されている。緩衝器17は、図1に示すように、ピット15の床16の上において、かご3の下端部3aおよび釣り合い重り5の下端部5aのそれぞれと当接可能な位置に1台ずつ設置されている。
【0050】
緩衝器17は、これが受け止める対象物が、かご3であるか、釣り合い重り5であるかに拘らず、その構造および作動原理は同じなので、以下の説明においては、エレベータ1のかご3を受け止める側の緩衝器17について説明し、釣り合い重り5を受け止める側の緩衝器17は、図2においてその図示を省略するとともに、説明も省略する。
【0051】
本実施形態の緩衝器17は、図2に示すように、シリンダ18と、このシリンダ18に対してその上方に複数段に伸縮動作可能に突出する複数個のプランジャ19と、これら各プランジャ19を上方に向かって弾性的に付勢する図示しない付勢手段とを備えている。本実施形態の緩衝器17においては、プランジャ19は、3段に分けられて組まれており、上側からシリンダ側に向けて順番に、第1プランジャ19a、第2プランジャ19b、第3プランジャ19cとする。これら3段のプランジャ19a〜19cおよびシリンダ18から構成される緩衝器本体20の内部には、前述したように、各段のプランジャ19a〜19cを上方に向かって弾性的に付勢する付勢手段であるとともに、かご3が緩衝器17に当接してこれを押し下げる際に、その衝撃を弾性的に緩和して吸収する衝撃緩衝手段としての図示しない油が内蔵されている。すなわち、本実施形態の緩衝器17は、油圧式である。
【0052】
また、各段のプランジャ19a〜19cの軸方向(伸縮動作方向)に沿った長さは、シリンダ18の軸方向に沿った長さよりも短く形成されている。それとともに、各段のプランジャ19a〜19cおよびシリンダ18から構成される緩衝器本体20の全長は、その内部に内蔵されている油が、過下降したかご3を安全に受け止めて停止させることができる衝撃緩衝性能を発揮できる大きさに形成されている。さらに、各段のプランジャ19a〜19cは、それぞれの下側に隣接して設けられている第2プランジャ19b、第3プランジャ19c、およびシリンダ18に対して、それらの周方向に沿って大きく回転しないように、図示しない回転止め部材によって、前記周方向への回転運動が規制されている。
【0053】
前記第1〜第3の各段のプランジャ19a〜19cには、後述する第1〜第3の各スイッチ25a〜25cを切り換えるためのスイッチ切り換え部材としての第1〜第3のカムブラケット21a〜21cがそれぞれ1個ずつ設けられている。これら第1〜第3の各カムブラケット21a〜21cは、剛体により形成されており、第1〜第3の各段のプランジャ19a〜19cの頂部(上端部)に設けられている第1〜第3の各支持部材22a〜22cに設けられて、支持されている。第1〜第3の各支持部材22a〜22cは、第1〜第3の各段のプランジャ19a〜19cの頂部から、それらの径方向外側の一定の方向に向けて、向きを揃えられて張り出されるように設けられている。第1〜第3の各カムブラケット21a〜21cは、第1〜第3の各支持部材22a〜22cのそれぞれの外側縁部のうち、向きを揃えられて張り出されている部分から下方に向けて延びるように取り付けられている。第1〜第3の各カムブラケット21a〜21cは、それぞれ第1〜第3の各支持部材22a〜22cによって前記上下方向に沿って延ばされた姿勢を保持されたまま、第1〜第3の各段のプランジャ19a〜19cのそれぞれの伸縮動作にともなって、互いに独立に上下動する。
【0054】
同様に、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cのうち、第1スイッチ25aおよび第2スイッチ25bも、第1〜第3の各支持部材22a〜22cのうち、第2支持部材22bおよび第3支持部材22cのそれぞれの外側縁部のうち、前述したように向きを揃えられて張り出されている部分に、それらの径方向外側から取り付けられている。また、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cのうち、第3スイッチ25cは、第1〜第3の各支持部材22a〜22cと同様にシリンダ18の頂部に設けられているシリンダ側支持部材22dの外側縁部のうち、第1〜第3の各支持部材22a〜22cが張り出されている向きに取り付け位置を揃えられて、その径方向外側から取り付けられている。第1〜第3の各スイッチ25a〜25cのうち、第1スイッチ25aおよび第2スイッチ25bは、それぞれ第2支持部材22bおよび第3支持部材22cを介して、第2プランジャ19bおよび第3プランジャ19cのそれぞれの伸縮動作にともなって、互いに独立に上下動する。
【0055】
各カムブラケット21a〜21cは、それらの一端部としての各下端部に、緩衝器本体20にかご3の下端部3aが当接しておらず、緩衝器本体20が最も伸長している状態、すなわち、緩衝器17の非作動状態において、各スイッチ25a〜25cと当接してそれらの通電状態をオン状態に保持する第1〜第3のカム部23a〜23cがそれぞれ一体に形成されている。これら第1〜第3の各カム部23a〜23cは、それぞれ第1〜第3の各スイッチ25a〜25cにそれらの外側斜め上方から接触するように、緩衝器本体20の径方向外側に向けて張り出されて、かつ、斜め下方に向けて傾けられて形成されている。第1〜第3の各スイッチ25a〜25cは、緩衝器17の非作動状態において、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21cが有している第1〜第3の各カム部23a〜23cのそれぞれと接触している状態では、前述したように、それぞれの通電状態がオン状態となるように設定されている。
【0056】
また、各カムブラケット21a〜21cは、それらが取り付けられている各支持部材22a〜22cの外側縁部と、これら外側縁部から鉛直下方に向けて延ばされるとともに、それらの先端部に前記第1〜第3のカム部23a〜23cを有している第1〜第3のブラケット部24a〜24cとが一体に形成された構成となっている。すなわち、本実施形態の各カムブラケット21a〜21cは、それらの各カム部23a〜23cとブラケット部24a〜24cとが一体に形成された構成となっているとともに、各支持部材22a〜22cとも一体に形成された構成となっている。
【0057】
以下、各カムブラケット21a〜21c、各支持部材22a〜22c、および各スイッチ25a〜25cのそれぞれの大きさ、形状、および取り付け位置、ならびにそれらの相対的な関係を詳しく説明する。
【0058】
シリンダ18の頂部には、各段のプランジャ19a〜19cと同様に、シリンダ側支持部材22dが設けられている。このシリンダ側支持部材22dの外側縁部には、第3スイッチ25cが設けられている。この第3スイッチ25cはその取り付け位置を、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21cが第1〜第3の各支持部材22a〜22cに設けられている向きと同じ向きに揃えられて、シリンダ側支持部材22dの外側縁部に取り付けられている。すなわち、第3スイッチ25cは、シリンダ18の頂部と略同等の高さ位置において、その外周よりも僅かに大きく外側に張り出された位置で、第3カムブラケット21cと接触可能にシリンダ側支持部材22dに取り付けられている。
【0059】
第3プランジャ19cの頂部には、前述したように第3支持部材22cが設けられており、この第3支持部材22bの外側縁部には、第3カムブラケット21cが一体に設けられている。第3カムブラケット21cの長手方向に沿った長さは、緩衝器17の非作動状態において、第3プランジャ19cの頂部に設けられている第3支持部材22cから、シリンダ18の頂部と略同等の高さ位置に設けられている第3スイッチ25cまで届く大きさに設定されている。すなわち、第3カムブラケット21cの長手方向に沿った長さは、緩衝器17の非作動状態において、第3プランジャ19cがシリンダ18の頂部から突出している部分の軸方向に沿った長さと略同等の大きさに設定されている。
【0060】
また、第3支持部材22cは、その第3プランジャ19cの径方向外側に向けて張り出されている部分の大きさが、その外側縁部に設けられている第3カムブラケット21cの第3カム部23cが、緩衝器17の非作動状態において、第3スイッチ25cにその径方向外側から当接する大きさに設定されている。これにより、第3カムブラケット21cは、緩衝器17の非作動状態において、その下端部に有している第3カム部23cによって、第3スイッチ25cの通電状態をオン状態に設定して保持できる。それとともに、第3支持部材22cは、その第3プランジャ19cの径方向外側に向けて張り出されている部分の大きさが、第3プランジャ19cがシリンダ18内へ押し込まれ、緩衝器17が作動状態となった際において、その外側縁部に設けられている第3カムブラケット21cの第3ブラケット部24cが、第3スイッチ25cにその径方向外側から連続的に接触する大きさに設定されている。
【0061】
第3プランジャ19cの軸方向に沿った長さは、前述したように、シリンダ18の軸方向に沿った長さよりも短く形成されている。これにより、過下降したかご3の下端部3aが緩衝器本体20と当接して、第3支持部材22cがシリンダ側支持部材22dに接触するように、第3プランジャ19cがシリンダ18内へ、その没入が止まるまで押し込まれた際にも、第3カムブラケット21cの下端部である第3カム部23cと、ピット15の床16とが互いに干渉し合うおそれはない。
【0062】
第3スイッチ25cは、第3プランジャ19cがシリンダ18内へ押し込まれ、これにともなって第3カムブラケット21cが下がり、その第3カム部23cとの当接が解除され、第3カムブラケット21cの第3ブラケット部24cと接触すると、その通電状態をオン状態からオフ状態に切り換えられて保持されるように設定されている。前述した第3カムブラケット21cの第3ブラケット部24cの形状および配設状態、第3支持部材22cの形状および大きさ、ならびに第3スイッチ25cの取り付け位置などにより、第3プランジャ19cがシリンダ18内へ押し込まれた状態においては、その没入の深さに拘らず、第3カムブラケット21cの第3ブラケット部24cは、第3スイッチ25cの通電状態を連続してオフ状態に保持できる。
【0063】
以上説明したように、第3カムブラケット21cは、第3プランジャ19cのシリンダ18からの突没状態に応じて、第3スイッチ25cの通電状態のオン状態およびオフ状態の切り換え、ならびにその保持を適正な状態で行うことができる。
【0064】
第3プランジャ19cの頂部に設けられている第3支持部材22cの外側縁部には、前述したように第2スイッチ25bが設けられている。この第2スイッチ25bは、第3カムブラケット21cの第3ブラケット部24cが第3支持部材22cに一体に取り付けられている部分に、その径方向外側から取り付けられる。すなわち、第2スイッチ25bは、第3プランジャ19cの頂部と略同等の高さ位置において、第3スイッチ25cおよび第3カムブラケット21cよりも外側に張り出された位置で、第2カムブラケット21bと接触可能に第3支持部材22cに取り付けられている。これにより、第3プランジャ19cのシリンダ18への突没状態に拘らず、第2スイッチ25bと第3スイッチ25cとが互いに干渉し合うおそれはない。
【0065】
第2プランジャ19bの頂部には、前述したように第2支持部材22bが設けられており、この第2支持部材22bの外側縁部には、第2カムブラケット21bが一体に設けられている。第2カムブラケット21bの長手方向に沿った長さは、緩衝器17の非作動状態において、第2プランジャ19bの頂部に設けられている第2支持部材22bから、第3プランジャ19cの頂部と略同等の高さ位置に設けられている第2スイッチ25bまで届く大きさに設定されている。すなわち、第2カムブラケット21bの長手方向に沿った長さは、緩衝器17の非作動状態において、第2プランジャ19bが第3プランジャ19cの頂部から突出している部分の軸方向に沿った長さと略同等の大きさに設定されている。
【0066】
また、第2支持部材22bは、その第2プランジャ19bの径方向外側に向けて張り出されている部分の大きさが、その外側縁部に設けられている第2カムブラケット21bの第2カム部23bが、緩衝器17の非作動状態において、第2スイッチ25bにその径方向外側から当接する大きさに設定されている。これにより、第2カムブラケット21bは、緩衝器17の非作動状態において、その下端部に有している第2カム部23bによって、第2スイッチ25bの通電状態をオン状態に設定して保持できる。それとともに、第2支持部材22bは、その第2プランジャ19bの径方向外側に向けて張り出されている部分の大きさが、第2プランジャ19bが第3プランジャ19c内へ押し込まれた際に、その外側縁部に設けられている第2カムブラケット21bの第2ブラケット部24bが、第2スイッチ25bにその径方向外側から連続的に接触する大きさに設定されている。これにより、第2プランジャ19bの第3プランジャ19cへの突没状態、および第3プランジャ19cのシリンダ18への突没状態のそれぞれに拘らず、第2カムブラケット21bと、第3カムブラケット21cおよび第3スイッチ25cとが、互いに干渉し合うおそれはない。
【0067】
第2プランジャ19bの軸方向に沿った長さは、前述したように、シリンダ18の軸方向に沿った長さよりも短く形成されている。これにより、過下降したかご3の下端部3aが緩衝器本体20と当接して、第2支持部材22bが第3支持部材22cに接触するように、第2プランジャ19bが第3プランジャ19c内へ、その没入が止まるまで押し込まれ、かつ、第3支持部材22cがシリンダ側支持部材22dに接触するように、第3プランジャ19cがシリンダ18内へ、その没入が止まるまで押し込まれた際にも、第2カムブラケット21bの下端部である第2カム部23bと、ピット15の床16とが互いに干渉し合うおそれはない。
【0068】
また、第2スイッチ25bは、第2プランジャ19bが第3プランジャ19c内へ押し込まれ、これにともなって第2カムブラケット21bが下がり、その第2カム部23bとの当接が解除され、第2カムブラケット21bの第2ブラケット部24bと接触すると、その通電状態をオン状態からオフ状態に切り換えられて保持されるように設定されている。前述した第2カムブラケット21bの第2ブラケット部24bの形状および配設状態、第2支持部材22bの形状および大きさ、ならびに第2スイッチ25bの取り付け位置などにより、第2プランジャ19bが第3プランジャ19c内へ押し込まれた状態においては、その没入の深さに拘らず、第2カムブラケット21bの第2ブラケット部24bは、第2スイッチ25bの通電状態を連続してオフ状態に保持できる。
【0069】
以上説明したように、第2カムブラケット21bは、第3プランジャ19cのシリンダ18への突没状態に拘らず、第2プランジャ19bの第3プランジャ19cからの突没状態に応じて、第2スイッチ25bの通電状態のオン状態およびオフ状態の切り換え、ならびにその保持を適正な状態で行うことができる。
【0070】
第2プランジャ19bの頂部に設けられている第2支持部材22bの外側縁部には、前述したように第1スイッチ25aが設けられている。この第1スイッチ25aは、第2カムブラケット21bの第2ブラケット部24bが第2支持部材22bに一体に取り付けられている部分に、その径方向外側から取り付けられる。すなわち、第1スイッチ25aは、第2プランジャ19bの頂部と略同等の高さ位置において、第2スイッチ25bおよび第2カムブラケット21bよりも外側に張り出された位置で、第1カムブラケット21aと接触可能に第2支持部材22bに取り付けられている。これにより、第2プランジャ19bの第3プランジャ19cへの突没状態、および第3プランジャ19cのシリンダ18への突没状態のそれぞれに拘らず、第1スイッチ25aと、第2スイッチ25bおよび第3スイッチ25cとが互いに干渉し合うおそれはない。
【0071】
第1プランジャ19aの頂部には、前述したように第1支持部材22aが設けられており、この第1支持部材22aの外側縁部には、第1カムブラケット21aが一体に設けられている。第1カムブラケット21aの長手方向に沿った長さは、緩衝器17の非作動状態において、第1プランジャ19aの頂部に設けられている第1支持部材22aから、第2プランジャ19bの頂部と略同等の高さ位置に設けられている第1スイッチ25aまで届く大きさに設定されている。すなわち、第1カムブラケット21aの長手方向に沿った長さは、緩衝器17の非作動状態において、第1プランジャ19aが第2プランジャ19bの頂部から突出している部分の軸方向に沿った長さと略同等の大きさに設定されている。
【0072】
また、第1支持部材22bは、その第1プランジャ19aの径方向外側に向けて張り出されている部分の大きさが、その外側縁部に設けられている第1カムブラケット21aの第1カム部23aが、緩衝器17の非作動状態において、第1スイッチ25aにその径方向外側から当接する大きさに設定されている。これにより、第1カムブラケット21aは、緩衝器17の非作動状態において、その下端部に有している第1カム部23aによって、第1スイッチ25aの通電状態をオン状態に設定して保持できる。それとともに、第1支持部材22aは、その第1プランジャ19aの径方向外側に向けて張り出されている部分の大きさが、第1プランジャ19aが第2プランジャ19b内へ押し込まれた際に、その外側縁部に設けられている第1カムブラケット21aの第1ブラケット部24aが、第1スイッチ25aにその径方向外側から連続的に接触する大きさに設定されている。これにより、第1プランジャ19aの第2プランジャ19bへの突没状態、第2プランジャ19bの第3プランジャ19cへの突没状態、および第3プランジャ19cのシリンダ18への突没状態のそれぞれに拘らず、第1カムブラケット21aと、第2カムブラケット21bおよび第2スイッチ25b、ならびに第3カムブラケット21cおよび第3スイッチ25cとが、互いに干渉し合うおそれはない。
【0073】
第1プランジャ19aの軸方向に沿った長さは、前述したように、シリンダ18の軸方向に沿った長さよりも短く形成されている。これにより、過下降したかご3の下端部3aが緩衝器本体20と当接して、第1支持部材22aが第2支持部材22bに接触するように、第1プランジャ19aが第2プランジャ19b内へ、その没入が止まるまで押し込まれ、かつ、第2支持部材22bが第3支持部材22cに接触するように、第2プランジャ19bが第3プランジャ19c内へ、その没入が止まるまで押し込まれ、さらに、第3支持部材22cがシリンダ側支持部材22dに接触するように、第3プランジャ19cがシリンダ18内へ、その没入が止まるまで押し込まれた際にも、第1カムブラケット21aの下端部である第1カム部23aと、ピット15の床16とが互いに干渉し合うおそれはない。すなわち、緩衝器17の作動状態において、緩衝器本体20が最も短縮された状態においても、第1カムブラケット21aの第1カム部23aと、ピット15の床16とが互いに干渉し合うおそれはない。
【0074】
また、第1スイッチ25aは、第1プランジャ19aが第2プランジャ19b内へ押し込まれ、これにともなって第1カムブラケット21aが下がり、その第1カム部23aとの当接が解除され、第1カムブラケット21aの第1ブラケット部24aと接触すると、その通電状態をオン状態からオフ状態に切り換えられて保持されるように設定されている。前述した第1カムブラケット21aの第1ブラケット部24aの形状および配設状態、第1支持部材22aの形状および大きさ、ならびに第1スイッチ25aの取り付け位置などにより、第1プランジャ19aが第2プランジャ19b内へ押し込まれた状態においては、その没入の深さに拘らず、第1カムブラケット21aの第1ブラケット部24aは、第1スイッチ25aの通電状態を連続してオフ状態に保持できる。
【0075】
以上説明したように、第1カムブラケット21aは、第2プランジャ19bの第3プランジャ19cへの突没状態、および第3プランジャ19cのシリンダ18への突没状態のそれぞれに拘らず、第1プランジャ19aの第2プランジャ19bからの突没状態に応じて、第1スイッチ25aの通電状態のオン状態およびオフ状態の切り換え、ならびにその保持を適正な状態で行うことができる。
【0076】
第1プランジャ19a、第2プランジャ19b、および第3プランジャ19cは、過下降したかご3の下端部3aが緩衝器本体20に当接して、これを下方に向けて短縮させる際に、上側から順番に、もしくはそれぞれ略均等に押し下げられるように設定されることが好ましい。また、第1プランジャ19a、第2プランジャ19b、および第3プランジャ19cは、この緩衝器17によって受け止められたかご3が上昇して緩衝器本体20が伸長する際に、下側から順番に、もしくはそれぞれ略均等に上方に向けて突出するように設定されることが好ましい。特に、第1プランジャ19a、第2プランジャ19b、および第3プランジャ19cが、上側から順番に押し下げられるとともに、下側から順番に突出するように設定されることが好ましい。この場合、第1プランジャ19a、第2プランジャ19b、および第3プランジャ19cの伸縮動作、すなわち緩衝器本体20の伸縮動作を、第1スイッチ25a、第2スイッチ25b、および第3スイッチ25cのそれぞれによって、段階的に検出できる。したがって、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cは、緩衝器17の作動状態あるいは非作動状態を段階的に検出できる検出スイッチとしての役割を果たすように設定されている。
【0077】
第1スイッチ25a、第2スイッチ25b、および第3スイッチ25cは、エレベータ1に設けられている図示しない制御部に接続されている。これら第1〜第3の各スイッチ25a〜25cの通電状態がオン状態になっている場合、前述したように、それぞれに対応している第1〜第3の各プランジャ19a〜19cは、それぞれの下側に隣接している第2プランジャ19b、第3プランジャ19c、もしくはシリンダ18から突出している状態となっている。したがって、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cのすべての通電状態がオン状態の場合、緩衝器本体20は最も伸長した状態となっており、制御部は第1〜第3の各スイッチ25a〜25cによって、緩衝器17が非作動状態であることを検出できる。すなわち、制御部はエレベータ1が正常な状態で作動していることを、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cによって検出できる。この場合、制御部は、巻き上げ機4をはじめとするエレベータ1の装置全体に、図示しない電源から電流が流れるように設定する。
【0078】
また、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cの通電状態がオフ状態になっている場合、前述したように、それぞれに対応している第1〜第3の各プランジャ19a〜19cは、それぞれの下側に隣接している第2プランジャ19b、第3プランジャ19c、もしくはシリンダ18内へ没入している状態となっている。したがって、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cのうち、少なくとも1個の通電状態がオフ状態となった場合、緩衝器本体20はかご3によって短縮された状態となっており、制御部は第1〜第3の各スイッチ25a〜25cによって、緩衝器17が作動状態であることを検出できる。すなわち、制御部はエレベータ1が正常な状態で作動していないことを、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cによって検出できる。この場合、制御部は、少なくとも巻き上げ機4に電源から電流が流れないように設定する。これにより、巻き上げ機4はその作動を停止され、巻き上げ機4の駆動にともなうメインロープ6を介したかご3の過下降は規制される。この際、かご3は、緩衝器17によってこれと当接した際の衝撃を弾性的に緩和して吸収される。すなわち、かご3は緩衝器17によって安全に受け止められて、その過下降を停止させられる。
【0079】
かご3が、その過下降を緩衝器17によって停止させられた後、適正な停止位置まで上昇するように処置された際、第1〜第3の各プランジャ19a〜19cに対する負荷は実質的に取り除かれた状態となる。この際、第1〜第3の各プランジャ19a〜19cは、緩衝器本体20に内蔵されている油の弾性復元力によって、それぞれの下側に隣接している第2プランジャ19b、第3プランジャ19c、およびシリンダ18に対してそれらの内部から、緩衝器本体20の長さが最も伸長した場合の長さに戻るまで突出されて押し戻される。すなわち、第1〜第3の各プランジャ19a〜19cは、緩衝器17が非作動状態となる位置まで突出されて押し戻される。すると、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cは、前述したように、それらの通電状態はすべてオン状態となる。これにより、制御部は第1〜第3の各スイッチ25a〜25cによって、緩衝器17が非作動状態に戻ったことを検出できる。すなわち、制御部はエレベータ1が正常な状態で作動可能な状態となったことを、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cによって検出できる。この場合、制御部は、再び巻き上げ機4をはじめとするエレベータ1の装置全体に電源から電流が流れるように設定する。これにより、巻き上げ機4は作動可能状態となるので、かご3は再び適正な状態でエレベータ用昇降路2内を昇降移動できる。
【0080】
第1〜第3の各スイッチ25a〜25cは、第1〜第3の各プランジャ19a〜19cのそれぞれが、緩衝器17の非作動状態となる位置まで戻りきらない場合には、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21cが有している第1〜第3の各ブラケット部24a〜24cと接触している状態となっており、それらの通電状態をオフ状態に保持されている。
【0081】
以上説明したように、緩衝器17が非作動状態から作動状態になり、再び非作動状態に戻る過程において、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cは、それらのうち少なくとも1個がその通電状態をオン状態からオフ状態を経て再びオン状態に切り換えられる。これにより、緩衝器17が作動状態の間遮断されていた電流が再び電源から巻き上げ機4に流れて、かご3は再び昇降移動可能な状態となる。したがって、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cは、緩衝器17の作動状態あるいは非作動状態を検出する検出スイッチとして設定されているとともに、緩衝器17の機能が復旧して、エレベータ1を適正な状態で運転させることが可能になったことを検出する、いわゆる復帰確認スイッチとしての役割も兼ねるように設定されている。
【0082】
また、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cは、第1〜第3の各プランジャ19a〜19cのそれぞれが、緩衝器17の非作動状態となる位置まで戻りきらない場合には、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21cが有している第1〜第3の各ブラケット部24a〜24cと接触している状態となっており、それらの通電状態をオフ状態に保持されている。これにより、電源から巻き上げ機4に流れる電流は遮断された状態に保持されているので、不適正な状態でエレベータ1が運転されて、かご3が昇降移動するおそれはない。
【0083】
かご3が適正な状態で昇降移動している場合には、緩衝器17はそのストローク(圧縮ストローク)の長さ(量)を、過下降したかご3を止める際の衝撃を弾性的に緩和して吸収し、かご3を安全に停止させることができる大きさに維持している。
【0084】
第1〜第3の各スイッチ25a〜25cからは、これらを制御部や電源などに接続するための第1配線26a、第2配線26b、および第3配線26cが、それぞれ延出されて設けられている。
【0085】
第1配線26aは、第1スイッチ25aから引き出された後、第2支持部材22bの外側縁部に沿って配設され、第2プランジャ19bの径方向において、第2支持部材22bの第1スイッチ25aが設けられている側とは反対側の張り出し部まで延出される。この際、第1配線26aは、弛んで他のスイッチ25b,25cや各カムブラケット21a〜21cなどに絡まないように、留め具としてのインシュロック27を用いて所定の間隔ごとに第2支持部材22bに保持される。このように、第2プランジャ19bを挟んで第1スイッチ25aが設けられている側とは反対側の張り出し部まで延出された第1配線26aは、シリンダ18の外周よりも外側において、ピット15の床16に向けて下ろされる。
【0086】
同様に、第2配線26bは、第2スイッチ25bから引き出された後、第3支持部材22cの外側縁部に沿って配設され、第3プランジャ19cの径方向において、第3支持部材22cの第2スイッチ25bが設けられている側とは反対側の張り出し部まで延出される。この際、第2配線26bは、弛んで他のスイッチ25cや他のカムブラケット21b,21cなどに絡まないように、留め具としてのインシュロック27を用いて所定の間隔ごとに第3支持部材22cに保持される。このように、第3プランジャ19cを挟んで第2スイッチ25bが設けられている側とは反対側の張り出し部まで延出された第2配線26bは、シリンダ18の外周よりも外側において、ピット15の床16に向けて下ろされる。
【0087】
同様に、第3配線26cは、第3スイッチ25cから引き出された後、シリンダ側支持部材22dの外側縁部に沿って配設され、シリンダ18の径方向において、シリンダ側支持部材22dの第3スイッチ25cが設けられている側とは反対側まで延出される。この際、第3配線26cは、弛んで図示しない他の装置などに絡まないように、留め具としてのインシュロック27を用いて所定の間隔ごとにシリンダ側支持部材22dに保持される。このように、シリンダ18を挟んで第3スイッチ25cが設けられている側とは反対側まで延出された第3配線26cは、シリンダ18の外周よりも外側において、ピット15の床16に向けて下される。
【0088】
以上説明したように配設された第1〜第3の各配線26a〜26cは、ピット15の床16付近において1本に束ねられるなどして、制御部や電源などに接続される。これにより、第1〜第3の各配線26a〜26cは、緩衝器本体20の伸縮動作、すなわち、緩衝器17の作動あるいは非作動に拘らず、他の器具や装置などと互いに干渉し合って、ショートしたりするなどの種々のトラブルを引き起こすおそれがない。
【0089】
以上説明した構成および構造からなる本実施形態のエレベータ用複段式緩衝器17によれば、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21cは、第1〜第3の各プランジャ19a〜19cのそれぞれの突没状態に応じて、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cの通電状態のオン状態およびオフ状態の切り換え、ならびにそれらの保持を、それぞれ互いに独立に適正な状態で行うことができる。したがって、このエレベータ用複段式緩衝器17は、故障が起き難いので信頼性が高いとともに、安全性も向上できる。ひいては、このエレベータ用複段式緩衝器17を備えたエレベータ1の信頼性および安全性も向上できる。また、このエレベータ用複段式緩衝器17は、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21cの第1〜第3の各カム部23a〜23cと、第1〜第3の各ブラケット部24a〜24cとをそれぞれ一体に形成するとともに、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21cと第1〜第3の各支持部材22a〜22cとをそれぞれ一体に形成した構成となっているので、部品数を削減できる。したがって、このエレベータ用複段式緩衝器17は、部品代や、その製造作業にかかる労力や時間を抑制して、コストを低く抑えることができる。
【0090】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るエレベータ用複段式緩衝器31(以下、緩衝器31と略称する。)を、図3に基づいて説明する。
【0091】
この第2実施形態の緩衝器31は、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21cをそれぞれ案内する第1〜第3の各ガイド部材32a〜32cを備えている点が、前述した第1実施形態のエレベータ用複段式緩衝器17と異なっており、その他の構成、作用、および効果は同様である。よって、その異なっている部分について説明するとともに、前述した第1実施形態と同一の構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0092】
本実施形態の緩衝器31には、図3に示すように、第2支持部材22b、第3支持部材22c、およびシリンダ側支持部材22dに、第1カムブラケット21a、第2カムブラケット21b、および第3カムブラケット21cのそれぞれを互いに独立に案内する第1ガイド部材32a、第2ガイド部材32b、および第3ガイド部材32cがそれぞれ1個ずつ設けられている。
【0093】
第1ガイド部材32aは、その取り付け位置が第2プランジャ19bの頂部と略同等の高さ位置において、第1スイッチ25aに近接してその略真上に位置するように、第2支持部材22bの外側縁部に取り付けられる。この場合、第1スイッチ25aは、第1ガイド部材32aを取り付けるスペース分、前述した第1実施形態の取り付け位置よりも、第2カムブラケット21bの長手方向に沿って僅かに下方に下げられてその第2ブラケット部24bに取り付けられる。第1ガイド部材32aには、第1カムブラケット21aの第1ブラケット部24aを、第1プランジャ19aの伸縮動作にともなって上下方向に沿って摺動自在に案内するとともに、第1プランジャ19aの周方向に沿った回転を規制して、第1スイッチ25aに接触しているように案内する図示しないブラケット部ガイド穴が設けられている。第1カムブラケット21aは、その第1ブラケット部24aを第1ガイド部材32aのブラケット部ガイド穴に通されることによって、第1プランジャ19aの伸縮動作に拘らず、その第1カム部23aあるいは第1ブラケット部24aの第1スイッチ25aへの接触の精度を高められる。
【0094】
同様に、第2ガイド部材32bは、その取り付け位置が第3プランジャ19cの頂部と略同等の高さ位置において、第2スイッチ25bに近接してその略真上に位置するように、第3支持部材22cの外側縁部に取り付けられる。この場合、第2スイッチ25bは、第2ガイド部材32bを取り付けるスペース分、前述した第1実施形態の取り付け位置よりも、第3カムブラケット21cの長手方向に沿って僅かに下方に下げられてその第3ブラケット部24cに取り付けられる。第2ガイド部材32bには、第2カムブラケット21bの第2ブラケット部24bを、第2プランジャ19bの伸縮動作にともなって上下方向に沿って摺動自在に案内するとともに、第2プランジャ19bの周方向に沿った回転を規制して、第2スイッチ25bに接触しているように案内するブラケット部ガイド穴が設けられている。第2カムブラケット21bは、その第2ブラケット部24bを第2ガイド部材32bのブラケット部ガイド穴に通されることによって、第2プランジャ19bの伸縮動作に拘らず、その第2カム部23bあるいは第2ブラケット部24bの第2スイッチ25bへの接触の精度を高められる。
【0095】
同様に、第3ガイド部材32cは、その取り付け位置がシリンダ18の頂部と略同等の高さ位置において、第3スイッチ25cに近接してその略真上に位置するように、シリンダ側支持部材22dの外側縁部に取り付けられる。この場合、第3スイッチ25cは、第3ガイド部材32cを取り付けるスペース分、前述した第1実施形態の取り付け位置よりも、シリンダ18の軸方向に沿って僅かに下方に下げられてシリンダ側支持部材22dに取り付けられる。第3ガイド部材32cには、第3カムブラケット21cの第3ブラケット部24cを、第3プランジャ19cの伸縮動作にともなって上下方向に沿って摺動自在に案内するとともに、第3プランジャ19cの周方向に沿った回転を規制して、第3スイッチ25cに接触しているように案内するブラケット部ガイド穴が設けられている。第3カムブラケット21cは、その第3ブラケット部24cを第3ガイド部材32cのブラケット部ガイド穴に通されることによって、第3プランジャ19cの伸縮動作に拘らず、その第3カム部23cあるいは第3ブラケット部24cの第3スイッチ25cへの接触の精度を高められる。
【0096】
この第2実施形態の緩衝器31は、以上説明した点以外は、第1実施形態のエレベータ用複段式緩衝器17と同じであり、本発明の課題を解決できるのはもちろんであるが、前述したように、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21cのそれぞれの上下方向への動きを案内するとともに、それぞれの周方向への動きを規制する第1〜第3の各ガイド部材32a〜32cを備えているので、以下の点で優れている。
【0097】
本実施形態の緩衝器31においては、第1〜第3の各ガイド部材32a〜32cを設けることにより、第1〜第3の各プランジャ19a〜19cの伸縮動作に拘らず、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21cの第1〜第3の各スイッチ25a〜25cのそれぞれへの接触の精度を向上できる。したがって、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cのそれぞれの通電状態の切り換え動作およびそれらの保持動作の精度を向上して、緩衝器31の信頼性および安全性を向上できる。ひいてはこの緩衝器31を備えるエレベータの信頼性および安全性を向上できる。また、第1〜第3の各ガイド部材32a〜32cが、第1〜第3の各プランジャ19a〜19cの回転を規制する回転止めの役割も兼ねるため、回転止め専用の部材や装置を設ける必要がなく、部品数を削減できる。したがって、この緩衝器31は、部品代や、その製造作業にかかる労力や時間を抑制して、コストを低く抑えることができる。
【0098】
次に、本発明の第3の実施の形態に係るエレベータ用複段式緩衝器41(以下、緩衝器41と略称する。)を、図4(a)および(b)に基づいて説明する。
【0099】
この第3実施形態の緩衝器41は、第1〜第3の各配線26a〜26cをそれぞれ案内する第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cを備えている点が、前述した第1実施形態のエレベータ用複段式緩衝器17と異なっており、その他の構成、作用、および効果は同様である。よって、その異なっている部分について説明するとともに、前述した第1実施形態と同一の構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0100】
本実施形態の緩衝器41には、図4(a)に示すように、第2支持部材43bおよび第3支持部材43c、ならびにシリンダ側支持部材43dに、第1〜第3の各配線26a〜26cをそれぞれ案内する第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cがそれぞれ1個ずつ形成されている。これら第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cは、第2支持部材43bおよび第3支持部材43c、ならびにシリンダ側支持部材43dに、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cに近接して、かつ、鉛直方向に沿って略一直線上に位置するように設けられている。
【0101】
第3配線ガイド穴42cは、図4(a)および(b)に示すように、シリンダ側支持部材43dの外側縁部の第3スイッチ25cが取り付けられている部分とシリンダ18との間において、シリンダ側支持部材43dをその厚み方向に沿って貫通して、第3スイッチ25cに近接して設けられる。同様に、第2配線ガイド穴42bは、第3支持部材43cの外側縁部の第2スイッチ25bが取り付けられている部分と第3プランジャ19cとの間において、第3支持部材43cをその厚み方向に沿って貫通して、第2スイッチ25bに近接して設けられる。この際、第2配線ガイド穴42bは、第3配線ガイド穴42cの略鉛直上方に位置するように設けられる。同様に、第1配線ガイド穴42aは、第2支持部材43bの外側縁部の第1スイッチ25aが取り付けられている部分と第2プランジャ19bとの間において、第2支持部材43bをその厚み方向に沿って貫通して、第1スイッチ25aに近接して設けられる。この際、第1配線ガイド穴42aは、第2配線ガイド穴42bおよび第3配線ガイド穴42cの略鉛直上方に位置するように設けられる。
【0102】
以上説明したように、第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cは、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cに近接して、それらと第2プランジャ19bおよび第3プランジャ19c、ならびにシリンダ18との間において鉛直方向に沿って一直線上に位置するように設けられる。これにより、第1〜第3の各配線26a〜26cは、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cのそれぞれから近い位置において、鉛直方向に沿って略一直線上に揃えられるようにピット15の床16に向けて下される。
【0103】
この第3実施形態の緩衝器41は、以上説明した点以外は、第1実施形態のエレベータ用複段式緩衝器17と同じであり、本発明の課題を解決できるのはもちろんであるが、前述したように、第1〜第3の各配線26a〜26cを、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cのそれぞれに近接した位置において、鉛直方向に沿って略一直線上に揃えるようにして案内できる第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cを備えているので、以下の点で優れている。
【0104】
本実施形態の緩衝器41においては、第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cを設けることによって、第1〜第3の各配線26a〜26cの長さを短くできる。これにより、第1〜第3の各配線26a〜26cを適正な状態で容易に保持できるので、それらが他の器具や装置などと互いに干渉し合って、ショートしたりするなどの種々のトラブルを引き起こすおそれをより低減できる。したがって、この緩衝器41の信頼性および安全性をより向上できる。ひいてはこの緩衝器31を備えるエレベータの信頼性および安全性をより向上できる。
【0105】
また、第1〜第3の各配線26a〜26cの配線経路を確保するために、専用の配線用部材や装置などを設ける必要がない。例えば、第2支持部材43bおよび第3支持部材43cのそれぞれの、第1スイッチ25aおよび第2スイッチ25bが取り付けられている側とは反対側への張り出し部を設ける必要がない。したがって、この緩衝器41は、第1〜第3の各配線26a〜26cの配線作業にかかる労力や時間を削減して、作業効率を向上できるとともに、それらにかかるコストや部品代も削減して、コストを低く抑えることができる。また、この緩衝器41は、第1〜第3の各配線26a〜26cの配線経路を確保するための専用の配線用部材や装置などを設ける必要がないので、軽量化およびコンパクト化できる。これにより、この緩衝器41は、これを設置する際に空間的制限を受け難く、省スペースで設置できる。
【0106】
次に、本発明の第4の実施の形態に係るエレベータ用複段式緩衝器51(以下、緩衝器51と略称する。)を、図5(a)および(b)に基づいて説明する。
【0107】
この第4実施形態の緩衝器51は、前述した第3実施形態のエレベータ用複段式緩衝器41が備えている第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cに、さらに低摩擦材52が設けられている点が、前述した第1実施形態のエレベータ用複段式緩衝器17と異なっており、その他の構成、作用、および効果は同様である。よって、その異なっている部分について説明するとともに、前述した第1実施形態と同一の構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0108】
本実施形態の緩衝器51には、図5(a)に示すように、第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cに、低摩擦材52がそれぞれ1個ずつ取り付けられている。これら各低摩擦材52は、図5(b)に示すように、筒部52aと、この筒部52aの一端部から径方向外側に向けて張り出すように設けられているフランジ部52bとから構成されている。各低摩擦材52は、例えば、第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cに、それぞれの内周部および上側開口縁部を覆うように、それらの上方から嵌着されて取り付けられる。これにより、第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cは、それぞれの内周部および上側開口縁部などの摩擦抵抗を実質的に低減できる。ひいては、第1〜第3の各配線26a〜26cの摩擦抵抗を実質的に低減できる。したがって、第1〜第3の各配線26a〜26cは、例えば第1〜第3の各プランジャ19a〜19cのそれぞれが伸縮動作する際に、第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cの内周部および上側開口縁部などに直接擦れたり、あるいは引っ掛かったりするなどのおそれが殆どない。各低摩擦材52は、少なくとも第2支持部材43bおよび第3支持部材43c、ならびにシリンダ側支持部材43dを形成している材料よりも摩擦係数の低い材料によって形成される。
【0109】
この第4実施形態の緩衝器51は、以上説明した点以外は、第1実施形態のエレベータ用複段式緩衝器17と同じであり、本発明の課題を解決できるのはもちろんであるが、前述したように、第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cに、さらに低摩擦材52が設けられているので、以下の点で優れている。
【0110】
本実施形態の緩衝器51においては、第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cに、それぞれの内周部および上側開口縁部を覆うように低摩擦材52を設けた。これにより、第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cの部分における第1〜第3の各配線26a〜26cのそれぞれの摩擦抵抗を実質的に低減して、第1〜第3の各プランジャ19a〜19cのそれぞれの伸縮動作の際に、第1〜第3の各配線26a〜26cをそれぞれ適正な状態に保持しつつ、鉛直方向に沿って円滑に案内できる。したがって、この緩衝器51の信頼性および安全性をさらに向上できる。ひいてはこの緩衝器51を備えるエレベータの信頼性および安全性をさらに向上できる。
【0111】
次に、本発明の第5の実施の形態に係るエレベータ用複段式緩衝器61(以下、緩衝器61と略称する。)を、図6(a)〜(c)に基づいて説明する。
【0112】
この第5実施形態の緩衝器61は、第1配線26aおよび第2配線26bが、それぞれ第1配線ガイド保護部材62aおよび第1配線ガイド保護部材62bの内部に収納されている点が、前述した第1実施形態のエレベータ用複段式緩衝器17と異なっており、その他の構成、作用、および効果は同様である。よって、その異なっている部分について説明するとともに、前述した第1実施形態と同一の構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0113】
本実施形態の緩衝器61には、図6(a)に示すように、第2支持部材43bと第3支持部材43cとにわたって、それらを上下方向に接続するように第1配線ガイド保護部材としての第1多段リンク式配線ガイド62a(以下、第1配線ガイド62aと称する。)が設けられている。この第1配線ガイド62aは、その一端部としての上端部を、第1スイッチ25aと第2プランジャ19bとの間に配置されて第2支持部材43bに取り付けられる。また、この第1配線ガイド62aは、その他端部としての下端部を、第2スイッチ25bと第3プランジャ19cとの間に配置されて第3支持部材43cに取り付けられる。この際、第1配線ガイド62aは、図6(a)および(b)に示すように、緩衝器本体20が最も伸長した状態において、その正面視が略J字形状となるように第2支持部材43bおよび第3支持部材43cに取り付けられる。すなわち、第1配線ガイド62aは、その長さが、緩衝器本体20が最も伸長した状態における第2支持部材43bと第3支持部材43cとの間の上下方向の間隔の大きさよりも大きくなるように、ゆとりをもたされて第2支持部材43bおよび第3支持部材43cに取り付けられる。
【0114】
第1スイッチ25aから延出された第1配線26aは、第2支持部材43bに沿って配線された後、第1配線ガイド62aの内部にその上端から挿入される。第1配線26aは、第1配線ガイド62aの内部に収納されるとともに、これに案内されてその下端から引き出される。第1配線26aは、第1配線ガイド62aの下端から引き出された後、第2スイッチ25bから延出された第2配線26bとともに、後述する第2多段リンク式配線ガイド62bの内部に収納されて、ピット15の床16に向けて案内される。
【0115】
緩衝器61には、図6(a)に示すように、第3支持部材43cとシリンダ側支持部材43dとにわたって、それらを上下方向に接続するように第2配線ガイド保護部材としての第2多段リンク式配線ガイド62b(以下、第2配線ガイド62bと称する。)が設けられている。この第2配線ガイド62bは、その一端部としての上端部を、第2スイッチ25bと第3プランジャ19cとの間において、第3支持部材43cに取り付けられた第1配線ガイド62aの下端部に近接して配置されて第3支持部材43cに取り付けられる。また、この第2配線ガイド62bは、その他端部としての下端部を、第3スイッチ25bとシリンダ18との間に配置されてシリンダ側支持部材43dに取り付けられる。この際、第2配線ガイド62bは、図6(a)および(b)に示すように、緩衝器本体20が最も伸長した状態において、その正面視が略J字形状となるように第3支持部材43cおよびシリンダ側支持部材43dに取り付けられる。すなわち、第2配線ガイド62bは、その長さが、緩衝器本体20が最も伸長した状態における第3支持部材43cとシリンダ側支持部材43dとの間の上下方向の間隔の大きさよりも大きくなるように、ゆとりをもたされて第3支持部材43cおよびシリンダ側支持部材43dに取り付けられる。
【0116】
第2スイッチ25bから延出された第2配線26bは、第3支持部材43cに沿って配線された後、第1配線26aとともに、第1配線ガイド62aの内部にその上端から挿入される。第1配線26aおよび第2配線26bは、第2配線ガイド62bの内部に収納されるとともに、これに案内されてその下端から引き出される。第1配線26aおよび第2配線26bは、第2配線ガイド62bの下端から引き出され、シリンダ側支持部材43dに配線された後、ピット15の床16に向けて下される。
【0117】
第1配線ガイド62aおよび第2配線ガイド62bは、図6(c)に示すように、それぞれ内部に図示しない空洞を有する複数個の駒63が、それらの空洞が連続して延長するように、かつ、隣接する駒63同士が所定の範囲内で互いの接続の向きを変えることができるように、いわゆる鎖状に連結されて形成されている。すなわち、第1配線ガイド62aおよび第2配線ガイド62bは、複数個の駒63が多段にわたって緩やかな曲率で湾曲自在にリンクした構造になっている。本実施形態においては、第1配線ガイド62aおよび第2配線ガイド62bは、第2プランジャ19bおよび第3プランジャ19cの伸縮動作に応じて、それらの周方向に沿って円滑に湾曲できるように取り付けられている。
【0118】
このような構成および構造、ならびに前述した第2支持部材43b、第3支持部材43c、およびシリンダ側支持部材43dへの取り付け状態により、第1配線ガイド62aおよび第2配線ガイド62bは、それらの内部に第1配線26aおよび第2配線26bを収納して外部から保護しつつ、第2プランジャ19bおよび第3プランジャ19cの伸縮動作に応じて緩やかに湾曲して、第1配線26aおよび第2配線26bに無理な形状変化などの負担を掛けることなく円滑に案内できる。したがって、第2プランジャ19bおよび第3プランジャ19cが伸縮動作して第1配線26aおよび第2配線26bが弛んだり、あるいは例えば地震が起きた際に、第1配線ガイド62aおよび第2配線ガイド62bが不特定の方向に揺れたりすることなどにより、他の器具や装置に絡まって種々の配線トラブルを起こすおそれを抑制できる。
【0119】
この第5実施形態の緩衝器61は、以上説明した点以外は、第1実施形態のエレベータ用複段式緩衝器17と同じであり、本発明の課題を解決できるのはもちろんであるが、前述したように、第1配線26aおよび第2配線26bを内部に収納して円滑に案内できる第1配線ガイド62aおよび第2配線ガイド62bを備えているので、以下の点で優れている。
【0120】
本実施形態の緩衝器61においては、第2プランジャ19bおよび第3プランジャ19cの伸縮動作とともに上下動する第1配線26aおよび第2配線26bを、第2プランジャ19bおよび第3プランジャ19cの伸縮動作に応じて、一定の向きに緩やかに湾曲可能な第1配線ガイド62aおよび第2配線ガイド62bのそれぞれの内部に収納した。これにより、第1配線ガイド62aおよび第2配線ガイド62bは、第1配線26aおよび第2配線26bを、第2プランジャ19bおよび第3プランジャ19cの伸縮動作に拘らず、外部から保護しつつ、無理な負担を掛けることなく円滑に案内できる。したがって、この緩衝器61は、配線トラブルを抑制して故障を極めて起き難くし、安全性を極めて向上できる。ひいてはこの緩衝器61を備えるエレベータの信頼性および安全性を極めて向上できる。
【0121】
次に、本発明の第6の実施の形態に係るエレベータ用複段式緩衝器71(以下、緩衝器71と略称する。)を、図7(a)〜(c)に基づいて説明する。
【0122】
この第6実施形態の緩衝器71は、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21c、および第1〜第3の各スイッチ25a〜25cが、それぞれシリンダ18および第1〜第3の各プランジャ19a〜19cごとに、それらの周方向に沿って位置をずらすように配置されている点が、前述した第1実施形態のエレベータ用複段式緩衝器17と異なっており、その他の構成、作用、および効果は同様である。よって、その異なっている部分について説明するとともに、前述した第1実施形態と同一の構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0123】
本実施形態の緩衝器71は、図7(a)に示すように、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cが、それぞれ第2支持部材22b、第3支持部材22c、およびシリンダ側支持部材22dに対して、第1〜第3の各スイッチブラケット72a〜72cを介して取り付けられている。第1〜第3の各スイッチ25a〜25cは、図7(b)および(c)に示すように、それぞれ第2プランジャ19b、第3プランジャ19c、およびシリンダ18ごとに、緩衝器本体20の周方向に沿って位置をずらされて取り付けられている。この際、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cは、図7(a)〜(c)に示すように、それぞれシリンダ18の外周部からその径方向外側への張り出しの大きさが略同等となるように配置されて、第2支持部材22b、第3支持部材22c、およびシリンダ側支持部材22dに取り付けられている。本実施形態においては、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cの、シリンダ18の外周部からその径方向外側への張り出しの大きさは、シリンダ側支持部材22dに取り付けられている第3スイッチ25cの張り出しの大きさと略同等に設定されている。
【0124】
また、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21cは、それぞれ第1〜第3の各プランジャ19a〜19cの伸縮動作に応じて、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cの通電状態の切り換え動作およびそれらの状態の保持ができるように配置されて、第1〜第3の各支持部材22a〜22cに取り付けられている。すなわち、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21cは、それぞれ第1〜第3の各スイッチ25a〜25cに対応するように、第1〜第3の各プランジャ19a〜19cごとに、それぞれ緩衝器本体20の周方向に沿って位置をずらされて、かつ、それぞれシリンダ18の外周部からその径方向外側への張り出しの大きさが略同等となるように配置されて、第1〜第3の各支持部材22a〜22cに取り付けられている。本実施形態においては、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21cの、シリンダ18の外周部からその径方向外側への張り出しの大きさは、第3支持部材22cに取り付けられて第3スイッチ25cを作動させる第3カムブラケット21cの張り出しの大きさと略同等に設定されている。
【0125】
この第6実施形態の緩衝器71は、以上説明した点以外は、第1実施形態のエレベータ用複段式緩衝器17と同じであり、本発明の課題を解決できるのはもちろんであるが、前述したように、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21c、および第1〜第3の各スイッチ25a〜25cが、それぞれシリンダ18および第1〜第3の各プランジャ19a〜19cごとに、それらの周方向に沿って位置をずらされて配置されているので、以下の点で優れている。
【0126】
本実施形態の緩衝器71においては、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21c、および第1〜第3の各スイッチ25a〜25cを、それぞれシリンダ18および第1〜第3の各プランジャ19a〜19cごとに、それらの周方向に沿って位置をずらして配置した。これにより、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21c、および第1〜第3の各スイッチ25a〜25cのシリンダ18の外周部からその径方向外側への張り出しの大きさを、前述した第1実施形態において最も内側に配置されている第3スイッチ25cおよびこれを作動させる第3カムブラケット21cの張り出しの大きさと略同等となるように設定できる。したがって、この緩衝器71は、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21c、および第1〜第3の各スイッチ25a〜25cの、シリンダ18の外周部からその径方向外側への張り出しの大きさを抑制してコンパクト化できるので、設置場所の空間的制限を受け難く、省スペースで設置可能である。ひいてはこの緩衝器71を備えるエレベータをコンパクト化して、省スペースで設置可能にできる。
【0127】
次に、本発明の第7の実施の形態に係るエレベータ用複段式緩衝器81(以下、緩衝器81と略称する。)を、図8(a)および(b)に基づいて説明する。
【0128】
この第7実施形態の緩衝器81は、これが備える第1〜第3の各スイッチ82a〜82cの構造、およびそれらを作動させる第1〜第3の各カムブラケット83a〜83cの形状が、前述した第1実施形態のエレベータ用複段式緩衝器17が備える第1〜第3の各スイッチ25a〜25cの構造、および第1〜第3の各カムブラケット21a〜21cの形状と異なっており、その他の構成、作用、および効果は同様である。よって、その異なっている部分について説明するとともに、前述した第1実施形態と同一の構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0129】
本実施形態の緩衝器81は、図8(a)に示すように、第1〜第3の各カムブラケット83a〜83cが、それらの第1〜第3の各支持部材22a〜22cへの接続部分から、第1〜第3の各ブラケット部84a〜84c、およびそれらの先端部に設けられている第1〜第3の各カム部85a〜85cにかけて、略一直線状に形成されている。第1〜第3の各カムブラケット83a〜83cは、第1〜第3の各スイッチ82a〜82cに、それらの側方から作用するように構成されている。具体的に説明すると、第1〜第3の各カムブラケット83a〜83cは、図8(b)に示すように、第1〜第3の各カム部85a〜85cの第1〜第3の各スイッチ82a〜82cに接する部分が、第1〜第3の各プランジャ19a〜19cが下方に向けて動く際に、第1〜第3の各スイッチ82a〜82cを緩衝器本体20の周方向に沿って一方の向きに押すことができるように、テーパをつけられて形成されている。また、第1〜第3の各スイッチ82a〜82cも、第1〜第3の各プランジャ19a〜19cの伸縮動作に伴う第1〜第3の各カムブラケット83a〜83cの上下動によって、緩衝器本体20の周方向に沿って一方の向きに押されたり、あるいは元の位置まで突出したりして、それらの通電状態の切り換えおよび保持が行われるように構成されている。
【0130】
この第7実施形態の緩衝器81は、以上説明した点以外は、第1実施形態のエレベータ用複段式緩衝器17と同じであり、本発明の課題を解決できるのはもちろんであるが、前述したように、第1〜第3の各スイッチ82a〜82cの通電状態の切り換えおよび保持が、緩衝器本体20の周方向に沿った動作により行われるように構成されているので、以下の点で優れている。
【0131】
本実施形態の緩衝器81においては、第1〜第3の各スイッチ82a〜82cの通電状態の切り換えおよび保持を、緩衝器本体20の周方向に沿った動作により行うことができる構成とした。これにより、この緩衝器81の第1〜第3の各スイッチ82a〜82cの緩衝器本体20の径方向外側への突出部分を小さくできるとともに、第1〜第3の各スイッチ82a〜82cの通電状態の切り換えを行う、第1〜第3の第1〜第3の各カムブラケット83a〜83cの各カム部85a〜85cの緩衝器本体20の径方向外側への突出部分を小さくできる。したがって、この緩衝器71は、全体として緩衝器本体20の径方向外側への突出部分を小さくしてコンパクト化できるので、設置場所の空間的制限を受け難く、省スペースで設置可能である。ひいてはこの緩衝器81を備えるエレベータをコンパクト化して、省スペースで設置可能にできる。
【0132】
なお、本発明に係るエレベータ用複段式緩衝器(以下、緩衝器と略称する。)は、前述した第1〜第7の実施の形態には制約されない。例えば、緩衝器が有する付勢手段(衝撃緩衝手段)は油ではなく、例えば、ばねでも構わない。あるいは油とばねとを併用した構成としても構わない。また、緩衝器が備えるプランジャの段数は3段に限るものではなく、かごの大きさや重さなどに応じて、かごが過下降した際に、その衝撃を緩衝して安全に受け止めることができる段数に設定すればよい。また、各支持部材と各カムブラケットとは、一体型ではなく、個別に形成したもの同士をボルトおよびナットなどにより接続する構成しても構わない。同様に、各カムブラケットの各ブラケット部と各カム部とも、一体型ではなく、個別に形成したもの同士をボルトおよびナットなどにより接続する構成としても構わない。また、第4実施形態の緩衝器において、各配線ガイド穴に低摩擦材を設ける代わりに、各配線ガイド穴の内周部および上側開口縁部を低摩擦材でコーティングしても構わない。また、各実施形態の緩衝器が備える部品をそれぞれ組み合わせて使用しても構わない。例えば、第4実施形態の緩衝器51に、第2実施形態の緩衝器31が有している第1〜第3の各ガイド部材32a〜32cを取り付けても構わない。あるいは、第6実施形態の緩衝器71に、第5実施形態の緩衝器61が有している多段リンク式配線ガイド(配線ガイド保護部材)を取り付けても構わない。さらに、本発明に係る緩衝器は、ビルなどの大型建築物のみならず、一般家庭用のエレベータにも適用できる。特に、第3〜第7実施形態の緩衝器41〜81は、コンパクト設計であり、省スペースで設置できるので、一般家庭用のエレベータに適している。
【0133】
【発明の効果】
請求項1〜6に記載の発明に係るエレベータ用複段式緩衝器によれば、各段のプランジャの伸縮状態に拘らず、スイッチ切り換え部材とエレベータ用昇降路の下部とが互いに干渉し合うおそれをなくして、各スイッチを適正に作動させることができるので、故障を起き難くして、安全性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るエレベータ用複段式緩衝器を備えたエレベータを簡略して示す側面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るエレベータ用複段式緩衝器を簡略して示す側面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るエレベータ用複段式緩衝器を簡略して示す側面図。
【図4】(a)は、本発明の第3の実施の形態に係るエレベータ用複段式緩衝器を簡略して示す側面図。(b)は、図4(a)のエレベータ用複段式緩衝器が備える配線ガイド穴の付近を拡大して示す側面図。
【図5】(a)は、本発明の第4の実施の形態に係るエレベータ用複段式緩衝器を簡略して示す側面図。(b)は、図5(a)のエレベータ用複段式緩衝器が備える低摩擦材が設けられた配線ガイド穴の付近を拡大して示す側面図。
【図6】(a)は、本発明の第5の実施の形態に係るエレベータ用複段式緩衝器を簡略して示す側面図。(b)は、図6(a)のエレベータ用複段式緩衝器が備える多段リンク式配線ガイドの各支持部材への取り付け状態を示す正面図。(c)は、図6(a)のエレベータ用複段式緩衝器が備える多段リンク式配線ガイドの構成を拡大して示す正面図。
【図7】(a)は、本発明の第6の実施の形態に係るエレベータ用複段式緩衝器を簡略して示す側面図。(b)は、図7(a)のエレベータ用複段式緩衝器を示す平面図。(c)は、図7(a)のエレベータ用複段式緩衝器の外周部を拡大して示す平面図。
【図8】(a)は、本発明の第7の実施の形態に係るエレベータ用複段式緩衝器を簡略して示す側面図。(b)は、図8(a)のエレベータ用複段式緩衝器が備える各カムブラケットの各カム部と各スイッチとの接触状態を示す正面図。
【図9】スイッチ切り換え部材を剛体のカムとした従来の技術に係る1段テレスコピック型エレベータ用複段式緩衝器を簡略して示す側面図。
【図10】スイッチ切り換え部材を紐状部材とした従来の技術に係る1段テレスコピック型エレベータ用複段式緩衝器を簡略して示す側面図。
【符号の説明】
17,31,41,51,61,71,81…エレベータ用複段式緩衝器
18…シリンダ
19…プランジャ
19a…第1プランジャ
19b…第2プランジャ
19c…第3プランジャ
22a,32a…第1支持部材
22b,32b,43b…第2支持部材
22c,32c,43c…第3支持部材
22d,43d…シリンダ側支持部材
25a,82a…第1スイッチ
25b,82b…第2スイッチ
25c,82c…第3スイッチ
26a…第1配線
26b…第2配線
26c…第3配線
42a…第1配線ガイド穴
42b…第2配線ガイド穴
42c…第3配線ガイド穴
52…低摩擦材
62a…第1多段リンク式配線ガイド(第1配線ガイド保護部材)
62b…第2多段リンク式配線ガイド(第2配線ガイド保護部材)
Claims (6)
- シリンダと、このシリンダに対してその上方に複数段に伸縮動作可能に突出する複数個のプランジャと、これら各プランジャを上方に向かって弾性的に付勢する付勢手段とを備えるエレベータ用複段式緩衝器において、
前記各段のプランジャに個々にスイッチ切り換え部材を設けるとともに、上から2段目以下の前記各プランジャおよび前記シリンダに、前記各スイッチ切り換え部材に対応するスイッチをそれぞれ設け、前記各段のプランジャが伸縮動作する際に、前記各スイッチ切り換え部材を介してそれらに対応する前記各スイッチを作動させ、これら各スイッチの作動により前記各段のプランジャの伸縮動作を検出することを特徴とするエレベータ用複段式緩衝器。 - 前記各スイッチ切り換え部材に対しては、それら各スイッチ切り換え部材の上下の動きを案内し、かつ前記各プランジャの周方向への動きを規制するガイド部材がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用複段式緩衝器。
- 前記各スイッチは、それぞれ支持部材を介して支持され、これら各支持部材に、前記各スイッチに接続されている配線を案内する配線ガイド穴が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータ用複段式緩衝器。
- 前記各配線ガイド穴には、低摩擦材が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のエレベータ用複段式緩衝器。
- 前記スイッチに接続されている前記配線が、湾曲自在な配線ガイド保護部材内に収納されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータ用複段式緩衝器。
- 前記各スイッチおよび前記各スイッチ切り換え部材は、前記シリンダおよび前記各プランジャごとに、それらの周方向に沿って位置をずらすように配置されていることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のエレベータ用複段式緩衝器。
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