JP2004345803A - 昇降体の非常止め装置、非常止め復帰装置及び非常止め復帰方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】昇降体に組み込み可能に小型の非常止め装置を実現することにある。
【解決手段】昇降体1の上部に昇降体落下に伴う重力の加速度を利用して上下動する反力発生器3を設け、この反力発生器によって変位する上昇位置をリンク機構11に伝達し、このリンク機構に連結されるくさび引上げロッド4を引上げ、非常止め機構5のくさび7を上昇させ、くさび効果を利用して昇降体を非常停止する昇降体の非常止め装置である。
【選択図】 図3
【解決手段】昇降体1の上部に昇降体落下に伴う重力の加速度を利用して上下動する反力発生器3を設け、この反力発生器によって変位する上昇位置をリンク機構11に伝達し、このリンク機構に連結されるくさび引上げロッド4を引上げ、非常止め機構5のくさび7を上昇させ、くさび効果を利用して昇降体を非常停止する昇降体の非常止め装置である。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータのロープ破断時に昇降体を非常停止する昇降体の非常止め装置、非常止め復帰装置及び非常止め復帰方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータシステムでは、巻上機の回転によるメインロープの上下移動に伴う乗りかご(以下、主昇降体と呼ぶ)の昇降動作と、この主昇降体底部に吊りロープで吊り下げられ、主昇降体の昇降動作に連動して昇降させるコンペンロープのロープ振れ止め装置(以下、従昇降体と呼ぶ)の昇降動作とがあり、何れもロープの破断時に落下する危険があるので、昇降体の安全対策が必要となる。
【0003】
主昇降体による安全対策としては、調速機(ガバナ)等の過速検知用固定機器が設置され、主昇降体が定格速度を越える所定の速度以上になった時、電動機への入力を断とし、電磁ブレーキをきかせる一方、過速検知用固定機器は、メインロープとは別のガバナロープにより主昇降体に接続し、当該主昇降体上部などに設置するリンク機構を介して非常止め装置を作動させる安全対策が講じられている。
【0004】
従って、一般的な故障による非常停止操作は、主昇降体自体に装備される安全装置が作動することにより、当該主昇降体を停止させることが可能である。
【0005】
一方、従昇降体による安全対策は、前述するように主昇降体に吊りロープを介して従昇降体が吊下げられ、当該従昇降体が主昇降体の昇降動作に連動して昇降するようになっているが、従昇降体を吊下げている吊りロープが破断した場合、従昇降体が落下する。この吊りロープの破断による従昇降体の落下は、主昇降体の安全装置に依存できない異状である。
【0006】
そこで、吊りロープの強度設計に過剰な安全係数を用いて吊りロープの破断を防ぐとか、落下による従昇降体の破壊を前提とし、その周辺機器の安全対策に力点をおいて設計するなどの対策が講じられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような従来技術のうち、前者の主昇降体による安全対策では、大きな過速検知用固定機器の設置スペースが必要であり、また昇降路頂部及び機械室等の容積を増大させる問題がある。
【0008】
一方、後者の従昇降体による安全対策は、吊りロープの安全係数を上げるとか、落下時の他の周辺機器の安全対策に力点をおく方法が採用されているが、それは、従昇降体に対する安全装置を設置する場合、昇降路内に比較的大規模な固定部分を装備しなければならず、また従昇降体は1つの昇降路内に1台しか設置しないわけでないこと等から、従来の一般的な安全装置に採用されている過速検知式の従昇降体用安全装置を開発できない状況にある。従って、従昇降体の安全装置は、出来うれば、現在昇降路内に組み込まれている主昇降体を含む各種の構成部分だけで独立して作動させることが望ましい。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、従来の過速検知方式に代えて加速度検知方式を採用し、小型化により昇降体に組み込み可能とし、ロープ破断時に純粋に機械的作動順序に従って昇降体を非常停止する昇降体の非常止め装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の他の目的は、既設の設備を有効に活用し、非常停止された昇降体を可動状態に復帰させる昇降体の非常止め復帰装置及び非常止め復帰方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記課題を解決するために、本発明に係る昇降体の非常止め装置は、昇降体の少なくとも一側部に取付けられ、当該昇降体をガイドするガイドレールの両側を囲むように上部側方向に絞込んだ形状とした空隙部を有し、この空隙部にくさびが内装される非常止め機構と、昇降体に設置され、常時は所定の下げ位置に定位し、当該昇降体の落下に伴う加速度の増加に応じて上昇位置に変位するおもりをもつ反力発生器と、おもりの上昇に伴ってくさびを引上げるくさび引上げ部材とを設けた構成である。
【0012】
この発明は以上のような構成とすることにより、昇降体の落下時に落下による加速度の増加を受けて反力発生器のおもりが上昇位置に変位するので、このおもりに接続されるくさび引上げ部材を介してくさびを引上げるので、容易にくさび効果を発揮し、昇降体を停止させることが可能である。よって、従来の非常止め機構に反力発生器を追加するだけであるので、昇降体に小型に組み込み可能であり、しかも落下による昇降体内の見掛け上の重力の減少しても、確実に落下を検知し、昇降体を停止させることが可能である。
【0013】
なお、反力発生器とくさび引上げ部材との間に、反力発生器に揺動可能に支持される揺動リンクを設けた場合でも同様の効果を奏する。
【0014】
また、昇降体の両側に前記非常止め機構が設けられている場合、2つの揺動リンクを組み合わせることにより、両側のくさび引上げ部材を上昇させることが可能である。
【0015】
また、反力発生器を構成するおもりを直動するようにガイドする直動ガイド体と、この反力発生器に取付けられ、くさび引上げ部材を吊り下げるロッド吊下部材とを設けた構成であってもよい。
【0016】
さらに、本発明は、昇降体の両側に前記非常止め機構が設けられている場合、反力発生器を構成するおもりを直動するようにガイドする直動ガイド体と、昇降体の両側に配置される非常止め機構のくさびに連結されるくさび引上げ部材にそれぞれ連結され、反力発生器を構成するおもりの上昇位置の変位に応じて前記昇降体両側に配置される前記くさび引上げ部材を同時に引上げるロッド吊下部材とを設ければ、昇降体の両側に配置される非常止め機構のくさびを同時に作用させることが可能であり、落下する昇降体に大きな制動力を与えて停止させることができる。
【0017】
さらに、前述する揺動リンクの枢支部分や直動ガイド体に回転式ダンパや直動式ダンパを設ければ、瞬間的に上下動する反力発生器のおもりによる影響を除去し、ロープの破断以外の急変による誤作動を未然に回避することが可能である。
【0018】
(2) 前記非常止め装置によって非常停止された昇降体を可動状態に復帰する本発明に係る昇降体の非常止め復帰装置は、昇降路の底部にガイドレールを抱え込んで摺動可能に設けられたフックと、昇降路の頂部に設置される巻上機に連結され、ロープが巻装されている巻取りドラムとを設けることにより、昇降体の非常停止時、巻上機の回転動作により前記巻取りドラムから前記ロープ先端を降下させて前記フックに取付け、当該ロープを巻き上げて当該フックを前記昇降体に引っ掛けて上昇させ、非常止め機構のくさびを解除することが可能であり、しかも既存のエレベータ設備を利用して従昇降体を容易に復帰させることが可能である。
【0019】
(3) また、本発明は、巻上機の回転動作により昇降路内に昇降動作する主昇降体及びこの主昇降体の下部に設けられ、前記主昇降体の昇降動作に連動して昇降するコンペンロープの振れ止め機能をもつ従昇降体とを有し、請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の非常止め装置により非常停止された前記従昇降体を可動状態に復帰する昇降体の非常止め復帰方法であって、
主昇降体の底部から所定長さ位置に自動開閉フックを介してコンペンロープが設けられ、主昇降体を降下を降下させつつ自動開閉フックを前記従昇降体中心部に形成される振れ止めリングを通過させた後、自動開閉フックを自動開放し、従昇降体の下側から抱え込むように押し上げることにより、従昇降体を強制的に上昇させ、非常止め装置を解除する方法とすることにより、既存の設備を利用して従昇降体を容易に復帰させることが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1及び図2は本発明に係る昇降体の非常止め装置の第1の実施の形態を説明する図である。なお、図1は加速度検知方式を採用した非常止め装置を備えたエレベータシステムの構成図、図2は非常止め装置を構成する非常止め機構を示す図である。
【0022】
これらの図において、1はエレベータ利用者を目的階に運搬する主昇降体、2は主昇降体1の両側部近傍、かつ昇降路の上下方向に架設されるガイドレールであって、この主昇降体1の両側部にはガイドレール2に摺動しながら当該主昇降体1を上下方向にガイドするガイド装置(図示せず)が設けられている。
【0023】
なお、主昇降体1は、エレベータの乗りかごに相当するが、本発明に係るエレベータ昇降体の非常止め装置は、メインロープやコンペンロープのロープ振れ止め装置である従昇降体にも同様に適用できることから、以下、主昇降体、従昇降体を含めて単に昇降体1と呼ぶ。
【0024】
この非常止め装置は、具体的には、昇降体1の上部に当該昇降体1の落下による加速度に応じた反力を発生する反力発生器3が取付けられている。この反力発生器3は、所要とする重量を有するおもり3aと昇降体1上部に設置されるおもり3aを支える弾性体3bとで構成されている。なお、弾性体3bは、一般的なばねだけでなく、昇降体1の落下による加速度に応じた反力を発生する機能ないし性質をもつ部材であれば特に限定するものではない。
【0025】
また、非常止め装置としては、反力発生器3を構成するおもり3aにはくさび引上げロッド4の上端部が連結され、当該ロッド4下端部には図2に示す非常止め機構5が接続されている。この非常止め機構5は、ガイドレール2を囲む内側部分が下部側から上部方向にいくに従って絞り込んだ状態をなす例えば三角形状ないし台形形状の空隙部6aが形成され、この空隙部6aの壁面上下方向にガイド溝6bが形成された非常止め外体6と、この非常止め外体6の空隙部6aとガイドレール2の各面との間に内装されるくさび7と、このくさび7の外側に突設され、ガイド溝6bにそってくさび7をガイドする直動ユニット8とによって構成されている。そして、前記例えば逆凹形状に形成されるくさび引上げロッド4の各下端部に両くさび7,7の頂部が連結されている。
【0026】
次に、以上のような非常止め装置の動作について説明する。
【0027】
通常時、おもり3aは、例えば1Gの通常重力が弾性体3bに加わっている。その結果、おもり3aは、弾性体3bの弾性力に抗して定常位置Aに存在し、これに伴って反力発生器3に連結されるくさび引上げロッド4の下端部に連結されるくさび7は、図2に示すガイドレール2の左側に示すごとく非常止め外体6の空隙部6aの下側に遊動可能な状態になっている。つまり、くさび引上げロット4は、反力発生器3との機械的連結によって通常時下げ位置(ブレーキ開放位置)に定位し、それに伴ってくさび7も下げ位置(ブレーキ開放位置)に定位している。
【0028】
ところで、昇降体1の落下が開始すると、昇降体1の見かけ上の重力が急激に減少し、おもり3aにおける弾性体3bの反力に対抗する荷重も大きく減少する。その結果、弾性体3bは、おもり3aをB位置に上昇させ、反力発生器3に連結されるくさび引上げロッド4を介してくさび7が引上げられ、図2のガイドレール2の右側に示すごとくガイドレール2に接触し、摩擦抵抗によって更に上昇する。従って、くさび7は、ガイドレール2と非常止め外体6との間のくさび効果を発揮し、両くさび7,7がガイドレール2を両側から締め付けるので、昇降体1が減速・停止する。
【0029】
この停止によって昇降体1内部の重力が回復しても、くさび7がガイドレール2とガイドレール2との間に嵌合された状態となるので、おもり3aの位置はBを保持し、積極的な復帰操作をしない限り、昇降体1はそれ以上落下せずに停止したままの状態となる。
【0030】
従って、以上のような実施の形態によれば、昇降体1の落下時、おもり3aと弾性体3bからなる反力発生器3を用いて加速度を検知し、非常止め機構5を作動させるので、昇降体1に小型の反力発生器3を設置し、かつ、従来と同様な非常止め機構5を用いることにより、ロープ破断時に確実に昇降体1を停止させ、昇降体1の落下を防止することができる。
【0031】
(第2の実施の形態)
図3は本発明に係る昇降体の非常止め装置の第2の実施の形態を示す構成図である。なお、この非常止め装置における非常止め機構5は図2と同様な構成であるので、ここでは非常止め機構5の詳細な構成は図2の説明に譲り、以下、図1及び図2と異なる構成部分について説明する。
【0032】
この第2の実施の形態は、前述同様に昇降体1に当該昇降体1の落下による加速度に応じた反力を発生する反力発生器3が取付けられている。この反力発生器3としては、例えばおもり3aと弾性体3bとによって構成されている。
【0033】
このおもり3aには図12に示すリンク式伝導機構のごときリンク機構11が取付けられている。このリンク機構11は、反力発生器3を挟んでくさび引上げロッド4とは反対側に設置されるリンク支持体11aと、このリンク支持体11aに一端部、前記おもり3aに胴部を揺動可能に枢支してなる揺動リンク11bとで構成され、この揺動リンク11bの他端部にはくさび引上げロッド4の上端部が連結されている。このくさび引上げロッド4は所要の位置で折れ曲がるような形態に形成させている。
【0034】
次に、以上のような非常止め装置の動作について説明する。
【0035】
通常時、おもり3aは、弾性体3bの弾性力に抗して定常位置に存在し、これに伴っておもり3aに回動可能に設けられた揺動リンク11b他端部のくさび引上げロッド4下端部に連結されるくさび7は、図2に示すガイドレール2の左側に示すごとく非常止め外体6の空隙部6aの下側に遊動可能な状態に設定されている。つまり、くさび引上げロット4は、通常時下げ位置(ブレーキ開放位置)に定位し、それに伴ってくさび7も下げ位置(ブレーキ開放位置)に定位している(図3の上段参照)。
【0036】
しかし、昇降体1の落下が開始すると、昇降体1の見かけ上の重力が急激に減少し、おもり3aにおける弾性体3bの反力に対抗する荷重も大きく減少する。その結果、おもり3aが弾性体3bの反力に対抗して上昇するが、このとき、揺動リンク11bの一端部がリンク支持体11aに枢支されているので、リンク11bの他端部が上昇し、くさび引上げロット4を引上げるように作用するので、くさび引上げロット4が上昇する。
【0037】
このくさび引上げロット4が上昇すると、くさび7が図2のガイドレール2の右側に示す如くガイドレール2に接触し、摩擦抵抗によって更に上昇し、前述同様にガイドレール2を両側から締め付け、昇降体1を減速・停止させる(図3下段参照)。
【0038】
従って、以上のような実施の形態によれば、昇降体1に反力発生器3とリンク機構11とを設置し、かつ、従来の非常止め機構5を用いることにより、ロープの破断時に反力発生器3による加速度検知方式を用いて、昇降体1を確実に停止させ、昇降体1の落下を防止することができる。
【0039】
なお、上記実施の形態では、昇降体1の一側部に非常止め機構5を設けた例について述べたが、例えば昇降体1の両側部にそれぞれ非常止め機構5を設けた構成であっても、同様の機構手段のもとに非常止め機構5を作動させることができる。
【0040】
図4は昇降体1の両側部に非常止め機構5を設けた例である。
【0041】
この非常止め機構5は、昇降体1の上部ほぼ中心部分に第1のリンク支持体11aaが固定され、この第1のリンク支持体11aaを挟んで両側に反力発生器3と第2のリンク支持体11abが設置され、これら第1のリンク支持体11aa、第2のリンク支持体11abにはそれぞれ一端側が枢支可能に第1の揺動リンク11baと第2の揺動リンク11bbが取付けられている。
【0042】
この第1の揺動リンク11baは、第1のリンク支持体11aaとともに、おもり3aにも枢支可能に取付けられ、第1のリンク支持体11aaとは反対側となる端部には図示右側に示すくさび引上げロット4が連結されている。一方、第2の揺動リンク11bbは、その一端側が第2のリンク支持体11abに枢支され、他端部が図示左側に示すくさび引上げロット4に連結されている。これら第1の揺動リンク11ba及び第2の揺動リンク11bbの一端部は互いに枢支可能に連結され、昇降体1の落下に伴っておもり3aが上昇したとき、第1の揺動リンク11baを通して第2の揺動リンク11bbの一端部を押し下げ、第2の揺動リンク11bbのくさび引上げロット4連結側端を第2リンクの支持体11abを介して上部に変位するような作用させ、結果として図示左側に示すくさび引上げロット4を引上げる。
【0043】
このような非常止め装置においては、通常時、おもり3aは、弾性体3bの弾性力に抗して定常位置に存在し、これに伴っておもり3aに回動可能に設けられた第1の揺動リンク11baは所定の定位置に設定され、これら連結されている第2の揺動リンク11bbも定位置に設定されている。これら第1の揺動リンク11ba及び第2の揺動リンク11bbが定位置にある場合、各揺動リンク11ba、11bbに連結される各くさび引上げロット4も通常時下げ位置(ブレーキ開放位置)に定位し、両側のくさび7も下げ位置(ブレーキ開放位置)に定位している(図4上段参照)。
【0044】
一方、ロープの破断等により昇降体1の落下が開始すると、昇降体1の見かけ上の重力が急激に減少し、おもり3aにおける弾性体3bの反力に対抗する荷重も大きく減少する。その結果、おもり3aが弾性体3bの反力に対抗して上昇するが、このとき、第1の揺動リンク11baのくさび引上げロット側端部が上昇し、くさび引上げロット側とは反対側端部が下降する。その結果、図4下段に示す図示右側のくさび引上げロット4が上昇する。
【0045】
また、第1の揺動リンク11baのくさび引上げロット側とは反対側端部が下降すると、これに連結される第2の揺動リンク11bbが押し下げられ、当該第2の揺動リンク11bbを介して、図4下段に示す図示左側のくさび引上げロット4も上昇する。すなわち、おもり3aの上昇に伴い、両側のくさび引上げロット4が上昇し、それぞれくさび7を持ち上げるので、各くさび7は図2のガイドレール2の右側に示す如くガイドレール2に接触し、摩擦抵抗によって更に上昇し、前述同様にガイドレール2を両側から締め付け、昇降体1を減速・停止させる。
【0046】
従って、以上のような実施の形態によれば、図3に示すリンク支持体及び揺動リンク等をもう1組追加するだけで、ロープの破断時に加速度検知方式をとった1つの反力発生器3を用いて、両側の非常止め機構5を作動させることができ、よって、昇降体1をより確実に停止でき、昇降体1の落下を防止できる。しかも、反力発生器3及びリンク機構11は、小型であるので、昇降体1に大きなスペースを取ることなく設置できる。
【0047】
(第3の実施の形態)
図5は本発明に係る昇降体の非常止め装置の第3の実施の形態を示す構成図である。なお、この非常止め装置における非常止め機構5は図2と同様な構成であるので、ここでは非常止め機構5の詳細な構成は図2の説明に譲り、以下、図1及び図2と異なる構成部分について説明する。
【0048】
この非常止め装置は、昇降体1上部におもり3a及び弾性体3bよりなる反力発生器3を設置する点は第1の実施の形態と同様である。
【0049】
さらに、この非常止め装置は、昇降体1上部に直動ガイド体12が立設され、またおもり3aの一側部に直動ガイド体12に係合する例えば断面コ字形状のアーム13が取付けられている。
【0050】
また、おもり3aの直動ガイド部材12とは反対側方向にはL字形状のロッド吊下部材14が取付けられ、このロッド吊下部材14の下端部にはくさび引上げロッド4が接続されている。つまり、直動ガイド体12及びロッド吊下部材14はロッド引上げ機構を構成し、おもり3aが定位置から上昇したとき、くさび引上げロッド4を垂直に引上げる機能をもっている。
【0051】
従って、この非常止め装置は、ロープの破断により昇降体1の落下が開始すると、昇降体1の見かけ上の重力が急激に減少し、おもり3aにおける弾性体3bの反力に対抗する荷重も大きく減少するので、おもり3aが上昇する。その結果、おもり3aが直動ガイド体12にそって上側に上昇すると、ロッド吊下部材14に接続されるくさび引上げロッド4が上側方向に上昇するので、この引上げロッド4によりくさび7が引上げられ、図2のガイドレール2の右側に示す如くガイドレール2に接触し、摩擦抵抗によって更に上昇する。従って、くさび7は、ガイドレール2と非常止め外体6との間のくさび効果を発揮し、両くさび7,7がガイドレール2を両側から締め付けることにより、昇降体1が減速・停止する。
【0052】
従って、この非常止め装置によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0053】
なお、上記実施の形態は、アーム13が直動ガイド体12を抱え込むようにして上昇したが、例えば直動ガイド体12に溝を形成し、その溝にそってアーム13が上昇するような構成であってもよい。
【0054】
(第4の実施の形態)
図6は本発明に係る昇降体の非常止め装置の第4の実施の形態を示す構成図である。なお、この非常止め装置における非常止め機構5は図2と同様な構成であるので、ここでは非常止め機構5の詳細な構成は図2の説明に譲り、以下、図1及び図2と異なる構成部分について説明する。
【0055】
この非常止め装置は、昇降体1の両側に図2に示す非常止め機構5,5が設けられ、さらに昇降体1の上部に反力発生器3が設けられている。また、図5と同様に昇降体1上部に直動ガイド体12が立設され、またおもり3aの一側部に直動ガイド体12に係合する例えば断面コ字形状のアーム13が設けられている。
【0056】
さらに、おもり3aには昇降体1上部を跨ぐような逆凹形状のロッド吊下部材16が取付けられ、このロッド吊下部材16の両下端部にくさび引上げロッド4が連結されている。
【0057】
この非常止め装置においては、同図上段の定常状態からロープの破断により昇降体1の落下が開始すると、前述するようにおもり3aが上昇するが、このおもり3aに追従してロッド吊下部材16も上昇し、各くさび引上げロッド4を上側方向に引上げるので、くさび7は、ガイドレール2と非常止め外体6との間のくさび効果を発揮し、2つのくさび7,7がガイドレール2を両側から締め付け、昇降体1は減速・停止する(同図下段参照)。
【0058】
従って、以上のような実施の形態によれば、反力発生器3に逆凹形状のロッド吊下部材16を取付け、このロッド吊下部材16で昇降体1両側に存在するくさび引上げロッド4を引上げる構成であるので、非常に小型の非常止め装置を実現でき、しかも落下する昇降体1に対し非常に高い制動力をもって停止させることができる。
【0059】
なお、上記実施の形態は、アーム13が直動ガイド体12を抱え込むようにして上昇したが、例えば直動ガイド体12に溝を形成し、その溝にそってアーム13が上昇するような構成でもよい。
【0060】
(第5の実施の形態)
図7(a)、(b)は本発明に係る昇降体の非常止め装置の第5の実施の形態を示す構成図である。なお、この非常止め装置における非常止め機構5は図2と同様な構成であるので、ここでは非常止め機構5の詳細な構成は図2の説明に譲り、以下、図1及び図2と異なる構成部分について説明する。
【0061】
図7(a)は、図3に示す構成において、支持体11a内に回転式減衰器(ダンパ)18aを取り付け、この回転式減衰器18aに揺動リンク11bの端部が連結されている。
【0062】
図7(b)は、図5に示す構成において、直動ガイド体12a上部に直動式減衰器(ダンパ)18bを取り付け、おもり3aの瞬時的な上下動を不動作とするものである。
【0063】
これらの実施の形態は、昇降体1の通常の挙動範囲内での振動や揺動が生じた場合、昇降体1の落下とご認識するような状態が発生しても、回転式減衰器18a又は直動式減衰器18bにより、通常挙動の持続時間内に充分なくさび引上げ量に達しないように作動速度を規制し、結果として誤作動を回避するものである。
【0064】
従って、このような実施の形態によれば、昇降体1に比較的大きな振動や衝撃等が加わり、おもり3aが瞬時に上昇するような状態が発生しても、回転式減衰器18a又は直動式減衰器18bで吸収し、よって、ロープの破断以外の急変による誤作動を未然に回避できる。
【0065】
(第6の実施の形態)
図8は本発明に係る非常止め復帰装置の第1の実施の形態を説明する構成図である。
【0066】
この実施の形態は、前述する各実施の形態による非常止め装置により非常停止された昇降体1を可動状態に復帰させる例である。
【0067】
この非常止め復帰装置は、昇降路21の昇降路頂部22に設置される巻上機の回転軸に予備巻取りドラム23を連結し、この予備巻取りドラム23に予備ロープ24が巻装されている(同図左図参照)。
【0068】
一方、昇降路底25にガイドレール2を抱え込んで摺動可能とするフック26が設けられている。
【0069】
ロープの破断時、昇降体1が前述する各実施の形態で説明する非常止め装置により昇降路途中で非常停止された状態となるが、この停止された昇降体1を可動状態に復帰させる必要がある。
【0070】
この復帰に対しては、巻上機の回転軸に予備巻取りドラム23を連結し、巻上機の回転動作により予備巻取りドラム23に巻装される予備ロープ24を降下させていく。この予備ロープ24は、昇降体1の脇を通過し、ロープ先端がフック26に到達させる。ここで、予備ロープ24の先端をフック26に取付ける(同図中央図参照)。
【0071】
この状態において、巻上機を介して予備巻取りドラム23を回転し予備ロープ24を巻き取っていくと、フック26がガイドレール2にそって上昇し、昇降体1の底部に引っ掛ける(同図右図参照)。フック26は、ガイドレール2にそって上昇するので、昇降体1底部に確実に引っ掛ける状態を作り出すことが可能である。
【0072】
昇降体1にフック26を引っ掛けた後、なおも予備巻取りドラム23を回転させると、昇降体1に取付けられている非常止め外体6が強制的に上昇する一方、くさび7が降下するので、可動状態に復帰させることができる。
【0073】
なお、昇降体1にフック26を引っ掛けた後、所要速度と高速度とを繰り返しつつ昇降体1を引上げれば、比較的容易にくさび7が解除し、昇降体1を可動状態にすることができる。
【0074】
(第7の実施の形態)
図9は本発明に係る非常止め復帰装置の第2の実施の形態を示す構成図である。
【0075】
この実施の形態は、前述する各実施の形態による非常止め装置により非常停止された昇降体1を可動状態に復帰させる例であるが、図8に示す昇降体1底部のフック26に代え、予備巻取りドラム23から吊下げられる予備ロープ24先端部と昇降体1の上部とにそれぞれ対をなす連結器27a,27bが設けられている(同図左図参照)。
【0076】
この状態において、巻上機の回転軸に予備巻取りドラム23を連結し、巻上機の回転動作により予備巻取りドラム23に巻装される予備ロープ24を降下させていき、当該ロープの先端部が昇降体側連結器27bに所定の距離まで近づいたとき、互いの連結器27a,27bが自動的に嵌合される(同図中央図参照)。なお、昇降路側連結器27aは、ガイドレール2を抱え込んだ状態で摺動する構成となっている。
【0077】
以上のように対をなす連結器27a,27bが連結された後、同図右図に示すように巻上機を介して予備巻取りドラム23を回転させて予備ロープ24を巻き取っていくと、昇降体1に取付けられている非常止め外体6が強制的に上昇する一方、くさび7が降下するので、可動状態に復帰させることができる。
【0078】
なお、通常、昇降体1の両側に非常止め機構5を設けているので、図8、図9において巻上機の回転軸に2つの予備巻取りドラム23を連結し、同様の構成を採用することにより実現できる。
【0079】
(第8の実施の形態)
図10は本発明に係る非常止め復帰方法の第1の実施の形態を示す図である。
【0080】
この実施の形態は、主昇降体1aの上部に従昇降体(メインロープのロープ振れ止め装置)1bが配置され、主昇降体1aの昇降動作に連動し従昇降体1bが昇降するエレベータシステムにおいて、従昇降体1bを吊下げる吊りロープ31が破断し、非常止め装置により従昇降体1bが非常停止した場合の当該従昇降体1bを復帰させる例である。
【0081】
この非常止め復帰装置では、巻上機32に掛け渡されているメインロープ33を介して主昇降体1aを上昇させていくが(同図左図参照)、このとき低速にて主昇降体1aを上昇させ、主昇降体1aが従昇降体1bの下側から押し上げるようにし(同図右図参照)、従昇降体1bを強制的に上昇させると、くさび7が降下するので、従昇降体1bを可動状態に復帰させることができる。
【0082】
(第9の実施の形態)
図11は本発明に係る非常止め復帰方法の第2の実施の形態を説明する図である。
【0083】
この実施の形態は、主昇降体(乗りかご)1aの下部に従昇降体1bが配置され、主昇降体1aの昇降動作に連動して従昇降体1bが昇降するエレベータシステムにおいて、例えば主昇降体1aから従昇降体1bを吊下げている吊りロープ36が破断し、非常止め装置により従昇降体1bが非常停止した場合の当該従昇降体1bを復帰させる例である。
【0084】
この非常止め復帰装置においては、主昇降体1a底部から導出される比較的短い所定長さのフック固定部材37に自動開閉フック38を介してコンペンロープ39を接続する構成とする。このフック固定部材37は、例えば硬質のワイヤ、筒体、棒体等の何れでもよい。また、自動開閉フック38は、コンペンロープ39を傷つけずに緩やかに抱え込むような構成となっている。
【0085】
この状態において、非常止め装置により従昇降体1bが非常停止している場合、巻上機32に掛け渡されているメインロープ33を介して主昇降体1aを低速下降させつつ従昇降体1bに接近していく(同図左図参照)。なおも主昇降体1aを下降させ続けると、自動開閉フック38が従昇降体1bの中心部に添着される振れ止めリング40を通過した後、自動開閉フック38が開放する(同図中央図参照)。
【0086】
自動開閉フック38が開放した後、巻上機を回転動作させ、メインロープ33を介して低速にて主昇降体1aを上昇させていくと、自動開閉フック38が従昇降体1bの下側から抱え込むようにして強制的に上昇させると、くさび7が降下するので(同図右図参照)、従昇降体1bを可動状態に復帰させることができる。
【0087】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0088】
また、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、加速度検知方式の反力発生器を用い、昇降体の落下による加速度を利用しつつ、リンク機構を介して非常止め機構のくさび引上げロッドを引上げることにより、くさび効果により昇降体を強制停止させるので、昇降体に小スペースで簡単に取付けることができ、ロープ破断時に昇降体を確実に停止させることができる昇降体の非常止め装置を提供できる。
【0090】
また、昇降路の途中に非常止め装置により非常停止された昇降体の復帰に対しても、既存の機器を有効に活用して昇降体を可動状態に復帰できる昇降体の非常止め復帰装置及びその非常止め復帰方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る昇降体の非常止め装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】非常止め装置を構成する非常止め機構の断面構成図。
【図3】本発明に係る昇降体の非常止め装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図4】図3に示す非常止め装置の他の例を示す構成図。
【図5】本発明に係る昇降体の非常止め装置の第3の実施の形態を示す構成図。
【図6】本発明に係る昇降体の非常止め装置の第4の実施の形態を示す構成図。
【図7】本発明に係る昇降体の非常止め装置の第5の実施の形態を示す構成図。
【図8】本発明に係る昇降体の非常止め復帰装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図9】本発明に係る昇降体の非常止め復帰装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図10】本発明に係る昇降体の非常止め復帰方法の第1の実施の形態を説明する図。
【図11】本発明に係る昇降体の非常止め復帰方法の第2の実施の形態を説明する図。
【符号の説明】
1…主昇降体,従昇降体等の昇降体、2…ガイドレール、3…反力発生器、4…くさび引上げロッド、5…非常止め機構、6…非常止め外体、7…くさび、11…リンク機構、11a,11aa,11ab…リンク支持体、11b、11ba,11bb…揺動リンク、12…直動ガイド体、13…アーム、14,16…ロッド吊下部材、18a…回転式減衰器(ダンパ)、18b…直動式減衰器(ダンパ)、27a,27b…連結器、21…昇降路、23…予備巻取りドラム、24…予備ロープ、26…フック、31,36…吊りロープ、32…巻上機、33…メインロープ、37…フック固定部材、38…自動開閉フック、39…コンペンロープ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータのロープ破断時に昇降体を非常停止する昇降体の非常止め装置、非常止め復帰装置及び非常止め復帰方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータシステムでは、巻上機の回転によるメインロープの上下移動に伴う乗りかご(以下、主昇降体と呼ぶ)の昇降動作と、この主昇降体底部に吊りロープで吊り下げられ、主昇降体の昇降動作に連動して昇降させるコンペンロープのロープ振れ止め装置(以下、従昇降体と呼ぶ)の昇降動作とがあり、何れもロープの破断時に落下する危険があるので、昇降体の安全対策が必要となる。
【0003】
主昇降体による安全対策としては、調速機(ガバナ)等の過速検知用固定機器が設置され、主昇降体が定格速度を越える所定の速度以上になった時、電動機への入力を断とし、電磁ブレーキをきかせる一方、過速検知用固定機器は、メインロープとは別のガバナロープにより主昇降体に接続し、当該主昇降体上部などに設置するリンク機構を介して非常止め装置を作動させる安全対策が講じられている。
【0004】
従って、一般的な故障による非常停止操作は、主昇降体自体に装備される安全装置が作動することにより、当該主昇降体を停止させることが可能である。
【0005】
一方、従昇降体による安全対策は、前述するように主昇降体に吊りロープを介して従昇降体が吊下げられ、当該従昇降体が主昇降体の昇降動作に連動して昇降するようになっているが、従昇降体を吊下げている吊りロープが破断した場合、従昇降体が落下する。この吊りロープの破断による従昇降体の落下は、主昇降体の安全装置に依存できない異状である。
【0006】
そこで、吊りロープの強度設計に過剰な安全係数を用いて吊りロープの破断を防ぐとか、落下による従昇降体の破壊を前提とし、その周辺機器の安全対策に力点をおいて設計するなどの対策が講じられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような従来技術のうち、前者の主昇降体による安全対策では、大きな過速検知用固定機器の設置スペースが必要であり、また昇降路頂部及び機械室等の容積を増大させる問題がある。
【0008】
一方、後者の従昇降体による安全対策は、吊りロープの安全係数を上げるとか、落下時の他の周辺機器の安全対策に力点をおく方法が採用されているが、それは、従昇降体に対する安全装置を設置する場合、昇降路内に比較的大規模な固定部分を装備しなければならず、また従昇降体は1つの昇降路内に1台しか設置しないわけでないこと等から、従来の一般的な安全装置に採用されている過速検知式の従昇降体用安全装置を開発できない状況にある。従って、従昇降体の安全装置は、出来うれば、現在昇降路内に組み込まれている主昇降体を含む各種の構成部分だけで独立して作動させることが望ましい。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、従来の過速検知方式に代えて加速度検知方式を採用し、小型化により昇降体に組み込み可能とし、ロープ破断時に純粋に機械的作動順序に従って昇降体を非常停止する昇降体の非常止め装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の他の目的は、既設の設備を有効に活用し、非常停止された昇降体を可動状態に復帰させる昇降体の非常止め復帰装置及び非常止め復帰方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記課題を解決するために、本発明に係る昇降体の非常止め装置は、昇降体の少なくとも一側部に取付けられ、当該昇降体をガイドするガイドレールの両側を囲むように上部側方向に絞込んだ形状とした空隙部を有し、この空隙部にくさびが内装される非常止め機構と、昇降体に設置され、常時は所定の下げ位置に定位し、当該昇降体の落下に伴う加速度の増加に応じて上昇位置に変位するおもりをもつ反力発生器と、おもりの上昇に伴ってくさびを引上げるくさび引上げ部材とを設けた構成である。
【0012】
この発明は以上のような構成とすることにより、昇降体の落下時に落下による加速度の増加を受けて反力発生器のおもりが上昇位置に変位するので、このおもりに接続されるくさび引上げ部材を介してくさびを引上げるので、容易にくさび効果を発揮し、昇降体を停止させることが可能である。よって、従来の非常止め機構に反力発生器を追加するだけであるので、昇降体に小型に組み込み可能であり、しかも落下による昇降体内の見掛け上の重力の減少しても、確実に落下を検知し、昇降体を停止させることが可能である。
【0013】
なお、反力発生器とくさび引上げ部材との間に、反力発生器に揺動可能に支持される揺動リンクを設けた場合でも同様の効果を奏する。
【0014】
また、昇降体の両側に前記非常止め機構が設けられている場合、2つの揺動リンクを組み合わせることにより、両側のくさび引上げ部材を上昇させることが可能である。
【0015】
また、反力発生器を構成するおもりを直動するようにガイドする直動ガイド体と、この反力発生器に取付けられ、くさび引上げ部材を吊り下げるロッド吊下部材とを設けた構成であってもよい。
【0016】
さらに、本発明は、昇降体の両側に前記非常止め機構が設けられている場合、反力発生器を構成するおもりを直動するようにガイドする直動ガイド体と、昇降体の両側に配置される非常止め機構のくさびに連結されるくさび引上げ部材にそれぞれ連結され、反力発生器を構成するおもりの上昇位置の変位に応じて前記昇降体両側に配置される前記くさび引上げ部材を同時に引上げるロッド吊下部材とを設ければ、昇降体の両側に配置される非常止め機構のくさびを同時に作用させることが可能であり、落下する昇降体に大きな制動力を与えて停止させることができる。
【0017】
さらに、前述する揺動リンクの枢支部分や直動ガイド体に回転式ダンパや直動式ダンパを設ければ、瞬間的に上下動する反力発生器のおもりによる影響を除去し、ロープの破断以外の急変による誤作動を未然に回避することが可能である。
【0018】
(2) 前記非常止め装置によって非常停止された昇降体を可動状態に復帰する本発明に係る昇降体の非常止め復帰装置は、昇降路の底部にガイドレールを抱え込んで摺動可能に設けられたフックと、昇降路の頂部に設置される巻上機に連結され、ロープが巻装されている巻取りドラムとを設けることにより、昇降体の非常停止時、巻上機の回転動作により前記巻取りドラムから前記ロープ先端を降下させて前記フックに取付け、当該ロープを巻き上げて当該フックを前記昇降体に引っ掛けて上昇させ、非常止め機構のくさびを解除することが可能であり、しかも既存のエレベータ設備を利用して従昇降体を容易に復帰させることが可能である。
【0019】
(3) また、本発明は、巻上機の回転動作により昇降路内に昇降動作する主昇降体及びこの主昇降体の下部に設けられ、前記主昇降体の昇降動作に連動して昇降するコンペンロープの振れ止め機能をもつ従昇降体とを有し、請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の非常止め装置により非常停止された前記従昇降体を可動状態に復帰する昇降体の非常止め復帰方法であって、
主昇降体の底部から所定長さ位置に自動開閉フックを介してコンペンロープが設けられ、主昇降体を降下を降下させつつ自動開閉フックを前記従昇降体中心部に形成される振れ止めリングを通過させた後、自動開閉フックを自動開放し、従昇降体の下側から抱え込むように押し上げることにより、従昇降体を強制的に上昇させ、非常止め装置を解除する方法とすることにより、既存の設備を利用して従昇降体を容易に復帰させることが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1及び図2は本発明に係る昇降体の非常止め装置の第1の実施の形態を説明する図である。なお、図1は加速度検知方式を採用した非常止め装置を備えたエレベータシステムの構成図、図2は非常止め装置を構成する非常止め機構を示す図である。
【0022】
これらの図において、1はエレベータ利用者を目的階に運搬する主昇降体、2は主昇降体1の両側部近傍、かつ昇降路の上下方向に架設されるガイドレールであって、この主昇降体1の両側部にはガイドレール2に摺動しながら当該主昇降体1を上下方向にガイドするガイド装置(図示せず)が設けられている。
【0023】
なお、主昇降体1は、エレベータの乗りかごに相当するが、本発明に係るエレベータ昇降体の非常止め装置は、メインロープやコンペンロープのロープ振れ止め装置である従昇降体にも同様に適用できることから、以下、主昇降体、従昇降体を含めて単に昇降体1と呼ぶ。
【0024】
この非常止め装置は、具体的には、昇降体1の上部に当該昇降体1の落下による加速度に応じた反力を発生する反力発生器3が取付けられている。この反力発生器3は、所要とする重量を有するおもり3aと昇降体1上部に設置されるおもり3aを支える弾性体3bとで構成されている。なお、弾性体3bは、一般的なばねだけでなく、昇降体1の落下による加速度に応じた反力を発生する機能ないし性質をもつ部材であれば特に限定するものではない。
【0025】
また、非常止め装置としては、反力発生器3を構成するおもり3aにはくさび引上げロッド4の上端部が連結され、当該ロッド4下端部には図2に示す非常止め機構5が接続されている。この非常止め機構5は、ガイドレール2を囲む内側部分が下部側から上部方向にいくに従って絞り込んだ状態をなす例えば三角形状ないし台形形状の空隙部6aが形成され、この空隙部6aの壁面上下方向にガイド溝6bが形成された非常止め外体6と、この非常止め外体6の空隙部6aとガイドレール2の各面との間に内装されるくさび7と、このくさび7の外側に突設され、ガイド溝6bにそってくさび7をガイドする直動ユニット8とによって構成されている。そして、前記例えば逆凹形状に形成されるくさび引上げロッド4の各下端部に両くさび7,7の頂部が連結されている。
【0026】
次に、以上のような非常止め装置の動作について説明する。
【0027】
通常時、おもり3aは、例えば1Gの通常重力が弾性体3bに加わっている。その結果、おもり3aは、弾性体3bの弾性力に抗して定常位置Aに存在し、これに伴って反力発生器3に連結されるくさび引上げロッド4の下端部に連結されるくさび7は、図2に示すガイドレール2の左側に示すごとく非常止め外体6の空隙部6aの下側に遊動可能な状態になっている。つまり、くさび引上げロット4は、反力発生器3との機械的連結によって通常時下げ位置(ブレーキ開放位置)に定位し、それに伴ってくさび7も下げ位置(ブレーキ開放位置)に定位している。
【0028】
ところで、昇降体1の落下が開始すると、昇降体1の見かけ上の重力が急激に減少し、おもり3aにおける弾性体3bの反力に対抗する荷重も大きく減少する。その結果、弾性体3bは、おもり3aをB位置に上昇させ、反力発生器3に連結されるくさび引上げロッド4を介してくさび7が引上げられ、図2のガイドレール2の右側に示すごとくガイドレール2に接触し、摩擦抵抗によって更に上昇する。従って、くさび7は、ガイドレール2と非常止め外体6との間のくさび効果を発揮し、両くさび7,7がガイドレール2を両側から締め付けるので、昇降体1が減速・停止する。
【0029】
この停止によって昇降体1内部の重力が回復しても、くさび7がガイドレール2とガイドレール2との間に嵌合された状態となるので、おもり3aの位置はBを保持し、積極的な復帰操作をしない限り、昇降体1はそれ以上落下せずに停止したままの状態となる。
【0030】
従って、以上のような実施の形態によれば、昇降体1の落下時、おもり3aと弾性体3bからなる反力発生器3を用いて加速度を検知し、非常止め機構5を作動させるので、昇降体1に小型の反力発生器3を設置し、かつ、従来と同様な非常止め機構5を用いることにより、ロープ破断時に確実に昇降体1を停止させ、昇降体1の落下を防止することができる。
【0031】
(第2の実施の形態)
図3は本発明に係る昇降体の非常止め装置の第2の実施の形態を示す構成図である。なお、この非常止め装置における非常止め機構5は図2と同様な構成であるので、ここでは非常止め機構5の詳細な構成は図2の説明に譲り、以下、図1及び図2と異なる構成部分について説明する。
【0032】
この第2の実施の形態は、前述同様に昇降体1に当該昇降体1の落下による加速度に応じた反力を発生する反力発生器3が取付けられている。この反力発生器3としては、例えばおもり3aと弾性体3bとによって構成されている。
【0033】
このおもり3aには図12に示すリンク式伝導機構のごときリンク機構11が取付けられている。このリンク機構11は、反力発生器3を挟んでくさび引上げロッド4とは反対側に設置されるリンク支持体11aと、このリンク支持体11aに一端部、前記おもり3aに胴部を揺動可能に枢支してなる揺動リンク11bとで構成され、この揺動リンク11bの他端部にはくさび引上げロッド4の上端部が連結されている。このくさび引上げロッド4は所要の位置で折れ曲がるような形態に形成させている。
【0034】
次に、以上のような非常止め装置の動作について説明する。
【0035】
通常時、おもり3aは、弾性体3bの弾性力に抗して定常位置に存在し、これに伴っておもり3aに回動可能に設けられた揺動リンク11b他端部のくさび引上げロッド4下端部に連結されるくさび7は、図2に示すガイドレール2の左側に示すごとく非常止め外体6の空隙部6aの下側に遊動可能な状態に設定されている。つまり、くさび引上げロット4は、通常時下げ位置(ブレーキ開放位置)に定位し、それに伴ってくさび7も下げ位置(ブレーキ開放位置)に定位している(図3の上段参照)。
【0036】
しかし、昇降体1の落下が開始すると、昇降体1の見かけ上の重力が急激に減少し、おもり3aにおける弾性体3bの反力に対抗する荷重も大きく減少する。その結果、おもり3aが弾性体3bの反力に対抗して上昇するが、このとき、揺動リンク11bの一端部がリンク支持体11aに枢支されているので、リンク11bの他端部が上昇し、くさび引上げロット4を引上げるように作用するので、くさび引上げロット4が上昇する。
【0037】
このくさび引上げロット4が上昇すると、くさび7が図2のガイドレール2の右側に示す如くガイドレール2に接触し、摩擦抵抗によって更に上昇し、前述同様にガイドレール2を両側から締め付け、昇降体1を減速・停止させる(図3下段参照)。
【0038】
従って、以上のような実施の形態によれば、昇降体1に反力発生器3とリンク機構11とを設置し、かつ、従来の非常止め機構5を用いることにより、ロープの破断時に反力発生器3による加速度検知方式を用いて、昇降体1を確実に停止させ、昇降体1の落下を防止することができる。
【0039】
なお、上記実施の形態では、昇降体1の一側部に非常止め機構5を設けた例について述べたが、例えば昇降体1の両側部にそれぞれ非常止め機構5を設けた構成であっても、同様の機構手段のもとに非常止め機構5を作動させることができる。
【0040】
図4は昇降体1の両側部に非常止め機構5を設けた例である。
【0041】
この非常止め機構5は、昇降体1の上部ほぼ中心部分に第1のリンク支持体11aaが固定され、この第1のリンク支持体11aaを挟んで両側に反力発生器3と第2のリンク支持体11abが設置され、これら第1のリンク支持体11aa、第2のリンク支持体11abにはそれぞれ一端側が枢支可能に第1の揺動リンク11baと第2の揺動リンク11bbが取付けられている。
【0042】
この第1の揺動リンク11baは、第1のリンク支持体11aaとともに、おもり3aにも枢支可能に取付けられ、第1のリンク支持体11aaとは反対側となる端部には図示右側に示すくさび引上げロット4が連結されている。一方、第2の揺動リンク11bbは、その一端側が第2のリンク支持体11abに枢支され、他端部が図示左側に示すくさび引上げロット4に連結されている。これら第1の揺動リンク11ba及び第2の揺動リンク11bbの一端部は互いに枢支可能に連結され、昇降体1の落下に伴っておもり3aが上昇したとき、第1の揺動リンク11baを通して第2の揺動リンク11bbの一端部を押し下げ、第2の揺動リンク11bbのくさび引上げロット4連結側端を第2リンクの支持体11abを介して上部に変位するような作用させ、結果として図示左側に示すくさび引上げロット4を引上げる。
【0043】
このような非常止め装置においては、通常時、おもり3aは、弾性体3bの弾性力に抗して定常位置に存在し、これに伴っておもり3aに回動可能に設けられた第1の揺動リンク11baは所定の定位置に設定され、これら連結されている第2の揺動リンク11bbも定位置に設定されている。これら第1の揺動リンク11ba及び第2の揺動リンク11bbが定位置にある場合、各揺動リンク11ba、11bbに連結される各くさび引上げロット4も通常時下げ位置(ブレーキ開放位置)に定位し、両側のくさび7も下げ位置(ブレーキ開放位置)に定位している(図4上段参照)。
【0044】
一方、ロープの破断等により昇降体1の落下が開始すると、昇降体1の見かけ上の重力が急激に減少し、おもり3aにおける弾性体3bの反力に対抗する荷重も大きく減少する。その結果、おもり3aが弾性体3bの反力に対抗して上昇するが、このとき、第1の揺動リンク11baのくさび引上げロット側端部が上昇し、くさび引上げロット側とは反対側端部が下降する。その結果、図4下段に示す図示右側のくさび引上げロット4が上昇する。
【0045】
また、第1の揺動リンク11baのくさび引上げロット側とは反対側端部が下降すると、これに連結される第2の揺動リンク11bbが押し下げられ、当該第2の揺動リンク11bbを介して、図4下段に示す図示左側のくさび引上げロット4も上昇する。すなわち、おもり3aの上昇に伴い、両側のくさび引上げロット4が上昇し、それぞれくさび7を持ち上げるので、各くさび7は図2のガイドレール2の右側に示す如くガイドレール2に接触し、摩擦抵抗によって更に上昇し、前述同様にガイドレール2を両側から締め付け、昇降体1を減速・停止させる。
【0046】
従って、以上のような実施の形態によれば、図3に示すリンク支持体及び揺動リンク等をもう1組追加するだけで、ロープの破断時に加速度検知方式をとった1つの反力発生器3を用いて、両側の非常止め機構5を作動させることができ、よって、昇降体1をより確実に停止でき、昇降体1の落下を防止できる。しかも、反力発生器3及びリンク機構11は、小型であるので、昇降体1に大きなスペースを取ることなく設置できる。
【0047】
(第3の実施の形態)
図5は本発明に係る昇降体の非常止め装置の第3の実施の形態を示す構成図である。なお、この非常止め装置における非常止め機構5は図2と同様な構成であるので、ここでは非常止め機構5の詳細な構成は図2の説明に譲り、以下、図1及び図2と異なる構成部分について説明する。
【0048】
この非常止め装置は、昇降体1上部におもり3a及び弾性体3bよりなる反力発生器3を設置する点は第1の実施の形態と同様である。
【0049】
さらに、この非常止め装置は、昇降体1上部に直動ガイド体12が立設され、またおもり3aの一側部に直動ガイド体12に係合する例えば断面コ字形状のアーム13が取付けられている。
【0050】
また、おもり3aの直動ガイド部材12とは反対側方向にはL字形状のロッド吊下部材14が取付けられ、このロッド吊下部材14の下端部にはくさび引上げロッド4が接続されている。つまり、直動ガイド体12及びロッド吊下部材14はロッド引上げ機構を構成し、おもり3aが定位置から上昇したとき、くさび引上げロッド4を垂直に引上げる機能をもっている。
【0051】
従って、この非常止め装置は、ロープの破断により昇降体1の落下が開始すると、昇降体1の見かけ上の重力が急激に減少し、おもり3aにおける弾性体3bの反力に対抗する荷重も大きく減少するので、おもり3aが上昇する。その結果、おもり3aが直動ガイド体12にそって上側に上昇すると、ロッド吊下部材14に接続されるくさび引上げロッド4が上側方向に上昇するので、この引上げロッド4によりくさび7が引上げられ、図2のガイドレール2の右側に示す如くガイドレール2に接触し、摩擦抵抗によって更に上昇する。従って、くさび7は、ガイドレール2と非常止め外体6との間のくさび効果を発揮し、両くさび7,7がガイドレール2を両側から締め付けることにより、昇降体1が減速・停止する。
【0052】
従って、この非常止め装置によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0053】
なお、上記実施の形態は、アーム13が直動ガイド体12を抱え込むようにして上昇したが、例えば直動ガイド体12に溝を形成し、その溝にそってアーム13が上昇するような構成であってもよい。
【0054】
(第4の実施の形態)
図6は本発明に係る昇降体の非常止め装置の第4の実施の形態を示す構成図である。なお、この非常止め装置における非常止め機構5は図2と同様な構成であるので、ここでは非常止め機構5の詳細な構成は図2の説明に譲り、以下、図1及び図2と異なる構成部分について説明する。
【0055】
この非常止め装置は、昇降体1の両側に図2に示す非常止め機構5,5が設けられ、さらに昇降体1の上部に反力発生器3が設けられている。また、図5と同様に昇降体1上部に直動ガイド体12が立設され、またおもり3aの一側部に直動ガイド体12に係合する例えば断面コ字形状のアーム13が設けられている。
【0056】
さらに、おもり3aには昇降体1上部を跨ぐような逆凹形状のロッド吊下部材16が取付けられ、このロッド吊下部材16の両下端部にくさび引上げロッド4が連結されている。
【0057】
この非常止め装置においては、同図上段の定常状態からロープの破断により昇降体1の落下が開始すると、前述するようにおもり3aが上昇するが、このおもり3aに追従してロッド吊下部材16も上昇し、各くさび引上げロッド4を上側方向に引上げるので、くさび7は、ガイドレール2と非常止め外体6との間のくさび効果を発揮し、2つのくさび7,7がガイドレール2を両側から締め付け、昇降体1は減速・停止する(同図下段参照)。
【0058】
従って、以上のような実施の形態によれば、反力発生器3に逆凹形状のロッド吊下部材16を取付け、このロッド吊下部材16で昇降体1両側に存在するくさび引上げロッド4を引上げる構成であるので、非常に小型の非常止め装置を実現でき、しかも落下する昇降体1に対し非常に高い制動力をもって停止させることができる。
【0059】
なお、上記実施の形態は、アーム13が直動ガイド体12を抱え込むようにして上昇したが、例えば直動ガイド体12に溝を形成し、その溝にそってアーム13が上昇するような構成でもよい。
【0060】
(第5の実施の形態)
図7(a)、(b)は本発明に係る昇降体の非常止め装置の第5の実施の形態を示す構成図である。なお、この非常止め装置における非常止め機構5は図2と同様な構成であるので、ここでは非常止め機構5の詳細な構成は図2の説明に譲り、以下、図1及び図2と異なる構成部分について説明する。
【0061】
図7(a)は、図3に示す構成において、支持体11a内に回転式減衰器(ダンパ)18aを取り付け、この回転式減衰器18aに揺動リンク11bの端部が連結されている。
【0062】
図7(b)は、図5に示す構成において、直動ガイド体12a上部に直動式減衰器(ダンパ)18bを取り付け、おもり3aの瞬時的な上下動を不動作とするものである。
【0063】
これらの実施の形態は、昇降体1の通常の挙動範囲内での振動や揺動が生じた場合、昇降体1の落下とご認識するような状態が発生しても、回転式減衰器18a又は直動式減衰器18bにより、通常挙動の持続時間内に充分なくさび引上げ量に達しないように作動速度を規制し、結果として誤作動を回避するものである。
【0064】
従って、このような実施の形態によれば、昇降体1に比較的大きな振動や衝撃等が加わり、おもり3aが瞬時に上昇するような状態が発生しても、回転式減衰器18a又は直動式減衰器18bで吸収し、よって、ロープの破断以外の急変による誤作動を未然に回避できる。
【0065】
(第6の実施の形態)
図8は本発明に係る非常止め復帰装置の第1の実施の形態を説明する構成図である。
【0066】
この実施の形態は、前述する各実施の形態による非常止め装置により非常停止された昇降体1を可動状態に復帰させる例である。
【0067】
この非常止め復帰装置は、昇降路21の昇降路頂部22に設置される巻上機の回転軸に予備巻取りドラム23を連結し、この予備巻取りドラム23に予備ロープ24が巻装されている(同図左図参照)。
【0068】
一方、昇降路底25にガイドレール2を抱え込んで摺動可能とするフック26が設けられている。
【0069】
ロープの破断時、昇降体1が前述する各実施の形態で説明する非常止め装置により昇降路途中で非常停止された状態となるが、この停止された昇降体1を可動状態に復帰させる必要がある。
【0070】
この復帰に対しては、巻上機の回転軸に予備巻取りドラム23を連結し、巻上機の回転動作により予備巻取りドラム23に巻装される予備ロープ24を降下させていく。この予備ロープ24は、昇降体1の脇を通過し、ロープ先端がフック26に到達させる。ここで、予備ロープ24の先端をフック26に取付ける(同図中央図参照)。
【0071】
この状態において、巻上機を介して予備巻取りドラム23を回転し予備ロープ24を巻き取っていくと、フック26がガイドレール2にそって上昇し、昇降体1の底部に引っ掛ける(同図右図参照)。フック26は、ガイドレール2にそって上昇するので、昇降体1底部に確実に引っ掛ける状態を作り出すことが可能である。
【0072】
昇降体1にフック26を引っ掛けた後、なおも予備巻取りドラム23を回転させると、昇降体1に取付けられている非常止め外体6が強制的に上昇する一方、くさび7が降下するので、可動状態に復帰させることができる。
【0073】
なお、昇降体1にフック26を引っ掛けた後、所要速度と高速度とを繰り返しつつ昇降体1を引上げれば、比較的容易にくさび7が解除し、昇降体1を可動状態にすることができる。
【0074】
(第7の実施の形態)
図9は本発明に係る非常止め復帰装置の第2の実施の形態を示す構成図である。
【0075】
この実施の形態は、前述する各実施の形態による非常止め装置により非常停止された昇降体1を可動状態に復帰させる例であるが、図8に示す昇降体1底部のフック26に代え、予備巻取りドラム23から吊下げられる予備ロープ24先端部と昇降体1の上部とにそれぞれ対をなす連結器27a,27bが設けられている(同図左図参照)。
【0076】
この状態において、巻上機の回転軸に予備巻取りドラム23を連結し、巻上機の回転動作により予備巻取りドラム23に巻装される予備ロープ24を降下させていき、当該ロープの先端部が昇降体側連結器27bに所定の距離まで近づいたとき、互いの連結器27a,27bが自動的に嵌合される(同図中央図参照)。なお、昇降路側連結器27aは、ガイドレール2を抱え込んだ状態で摺動する構成となっている。
【0077】
以上のように対をなす連結器27a,27bが連結された後、同図右図に示すように巻上機を介して予備巻取りドラム23を回転させて予備ロープ24を巻き取っていくと、昇降体1に取付けられている非常止め外体6が強制的に上昇する一方、くさび7が降下するので、可動状態に復帰させることができる。
【0078】
なお、通常、昇降体1の両側に非常止め機構5を設けているので、図8、図9において巻上機の回転軸に2つの予備巻取りドラム23を連結し、同様の構成を採用することにより実現できる。
【0079】
(第8の実施の形態)
図10は本発明に係る非常止め復帰方法の第1の実施の形態を示す図である。
【0080】
この実施の形態は、主昇降体1aの上部に従昇降体(メインロープのロープ振れ止め装置)1bが配置され、主昇降体1aの昇降動作に連動し従昇降体1bが昇降するエレベータシステムにおいて、従昇降体1bを吊下げる吊りロープ31が破断し、非常止め装置により従昇降体1bが非常停止した場合の当該従昇降体1bを復帰させる例である。
【0081】
この非常止め復帰装置では、巻上機32に掛け渡されているメインロープ33を介して主昇降体1aを上昇させていくが(同図左図参照)、このとき低速にて主昇降体1aを上昇させ、主昇降体1aが従昇降体1bの下側から押し上げるようにし(同図右図参照)、従昇降体1bを強制的に上昇させると、くさび7が降下するので、従昇降体1bを可動状態に復帰させることができる。
【0082】
(第9の実施の形態)
図11は本発明に係る非常止め復帰方法の第2の実施の形態を説明する図である。
【0083】
この実施の形態は、主昇降体(乗りかご)1aの下部に従昇降体1bが配置され、主昇降体1aの昇降動作に連動して従昇降体1bが昇降するエレベータシステムにおいて、例えば主昇降体1aから従昇降体1bを吊下げている吊りロープ36が破断し、非常止め装置により従昇降体1bが非常停止した場合の当該従昇降体1bを復帰させる例である。
【0084】
この非常止め復帰装置においては、主昇降体1a底部から導出される比較的短い所定長さのフック固定部材37に自動開閉フック38を介してコンペンロープ39を接続する構成とする。このフック固定部材37は、例えば硬質のワイヤ、筒体、棒体等の何れでもよい。また、自動開閉フック38は、コンペンロープ39を傷つけずに緩やかに抱え込むような構成となっている。
【0085】
この状態において、非常止め装置により従昇降体1bが非常停止している場合、巻上機32に掛け渡されているメインロープ33を介して主昇降体1aを低速下降させつつ従昇降体1bに接近していく(同図左図参照)。なおも主昇降体1aを下降させ続けると、自動開閉フック38が従昇降体1bの中心部に添着される振れ止めリング40を通過した後、自動開閉フック38が開放する(同図中央図参照)。
【0086】
自動開閉フック38が開放した後、巻上機を回転動作させ、メインロープ33を介して低速にて主昇降体1aを上昇させていくと、自動開閉フック38が従昇降体1bの下側から抱え込むようにして強制的に上昇させると、くさび7が降下するので(同図右図参照)、従昇降体1bを可動状態に復帰させることができる。
【0087】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0088】
また、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、加速度検知方式の反力発生器を用い、昇降体の落下による加速度を利用しつつ、リンク機構を介して非常止め機構のくさび引上げロッドを引上げることにより、くさび効果により昇降体を強制停止させるので、昇降体に小スペースで簡単に取付けることができ、ロープ破断時に昇降体を確実に停止させることができる昇降体の非常止め装置を提供できる。
【0090】
また、昇降路の途中に非常止め装置により非常停止された昇降体の復帰に対しても、既存の機器を有効に活用して昇降体を可動状態に復帰できる昇降体の非常止め復帰装置及びその非常止め復帰方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る昇降体の非常止め装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】非常止め装置を構成する非常止め機構の断面構成図。
【図3】本発明に係る昇降体の非常止め装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図4】図3に示す非常止め装置の他の例を示す構成図。
【図5】本発明に係る昇降体の非常止め装置の第3の実施の形態を示す構成図。
【図6】本発明に係る昇降体の非常止め装置の第4の実施の形態を示す構成図。
【図7】本発明に係る昇降体の非常止め装置の第5の実施の形態を示す構成図。
【図8】本発明に係る昇降体の非常止め復帰装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図9】本発明に係る昇降体の非常止め復帰装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図10】本発明に係る昇降体の非常止め復帰方法の第1の実施の形態を説明する図。
【図11】本発明に係る昇降体の非常止め復帰方法の第2の実施の形態を説明する図。
【符号の説明】
1…主昇降体,従昇降体等の昇降体、2…ガイドレール、3…反力発生器、4…くさび引上げロッド、5…非常止め機構、6…非常止め外体、7…くさび、11…リンク機構、11a,11aa,11ab…リンク支持体、11b、11ba,11bb…揺動リンク、12…直動ガイド体、13…アーム、14,16…ロッド吊下部材、18a…回転式減衰器(ダンパ)、18b…直動式減衰器(ダンパ)、27a,27b…連結器、21…昇降路、23…予備巻取りドラム、24…予備ロープ、26…フック、31,36…吊りロープ、32…巻上機、33…メインロープ、37…フック固定部材、38…自動開閉フック、39…コンペンロープ。
Claims (9)
- ロープの破断により落下する昇降体を非常停止させる昇降体の非常止め装置において、
前記昇降体の少なくとも一側部に取付けられ、当該昇降体をガイドするガイドレールの両側を囲むように上部側方向に絞込んだ形状とした空隙部を有し、この空隙部にくさびが内装される非常止め機構と、
前記昇降体に設置され、常時は所定の下げ位置に定位し、当該昇降体の落下に伴う加速度の増加に応じて上昇位置に変位するおもりをもつ反力発生器と、
前記おもりの上昇に伴って前記くさびを引上げるくさび引上げ部材と
を備えたことを特徴とする昇降体の非常止め装置。 - 請求項1に記載の昇降体の非常止め装置において、
前記反力発生器に揺動可能に支持され、その一端側が前記くさび引上げ部材とは反対側に枢支可能に支持され、かつ、他端部が前記くさび引上げ部材の上端部と連結される揺動リンクを設けたことを特徴とする昇降体の非常止め装置。 - 請求項1に記載の昇降体の非常止め装置において、
前記昇降体の両側に前記非常止め機構が設けられている場合、
前記反力発生器に揺動可能に支持され、その一端側が第1のくさび引上げ部材とは反対側に位置する第1のリンク支持体に枢支可能に支持され、かつ、他端部が前記第1のくさび引上げ部材の上端部と連結される第1の揺動リンクと、
前記第1のリンク支持体を挟んで前記反力発生器とは反対側に位置する第2のリンク支持体に揺動可能に支持され、その一端側が前記第1の揺動リンクの一端部に枢支可能に支持され、かつ、他端部が前記第2のくさび引上げ部材の上端部と連結される第2の揺動リンクとを設けたことを特徴とする昇降体の非常止め装置。 - 請求項1に記載の昇降体の非常止め装置において、
前記昇降体に立設され、前記反力発生器を構成するおもりを直動するようにガイドする直動ガイド体と、
前記反力発生器に取付けられ、前記くさび引上げ部材を吊り下げるロッド吊下部材とを設けたことを特徴とする昇降体の非常止め装置。 - 請求項1に記載の昇降体の非常止め装置において、
前記昇降体の両側に前記非常止め機構が設けられている場合、
前記昇降体に立設され、前記反力発生器を構成するおもりを直動するようにガイドする直動ガイド体と、
前記昇降体の両側に配置される前記非常止め機構のくさびに連結される前記くさび引上げ部材にそれぞれ連結され、前記反力発生器を構成するおもりの上昇位置の変位に応じて前記昇降体両側に配置される前記くさび引上げ部材を同時に引上げるロッド吊下部材とを設けたことを特徴とする昇降体の非常止め装置。 - 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の非常止め装置によって非常停止された昇降体を可動状態に復帰する昇降体の非常止め復帰装置において、
昇降路の底部にガイドレールを抱え込んで摺動可能に設けられたフックと、
前記昇降路の頂部に設置される巻上機に連結され、ロープが巻装されている巻取りドラムとを備え、
前記昇降体の非常停止時、巻上機の回転動作により前記巻取りドラムから前記ロープ先端を降下させて前記フックに取付け、当該ロープを巻き上げて当該フックを前記昇降体に引っ掛けて上昇させ、前記非常止め機構のくさびを解除することを特徴とする昇降体の非常止め復帰装置。 - 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の非常止め装置によって非常停止された昇降体を可動状態に復帰する昇降体の非常止め復帰装置において、
昇降体上部に設置された昇降体側連結器と、
前記昇降路の頂部に設置される巻上機に連結され、ロープが巻装されている巻取りドラムと、
この巻取りドラムに巻装されたロープの先端に設けられた昇降路側連結器とをを備え、
前記昇降体の非常停止時、巻上機の回転動作により前記巻取りドラムから前記ロープ先端を降下させて前記昇降路側連結器を前記昇降体側連結器に自動連結させ、当該ロープを巻き上げて前記昇降体を上昇させ、前記非常止め機構のくさびを解除することを特徴とする昇降体の非常止め復帰装置。 - 巻上機の回転動作により昇降路内に昇降動作する主昇降体及びこの主昇降体の上部に設けられ、前記主昇降体の昇降動作に連動して昇降するコンペンロープの振れ止め機能をもつ従昇降体とを有し、請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の非常止め装置により非常停止された前記従昇降体を可動状態に復帰する昇降体の非常止め復帰方法において、
前記巻上機に掛け渡されているメインロープを介して主昇降体を上昇させ、前記従昇降体の下側から押し上げることにより、前記従昇降体を強制的に上昇させ、前記非常止め装置を解除することを特徴とする昇降体の非常止め復帰方法。 - 巻上機の回転動作により昇降路内に昇降動作する主昇降体及びこの主昇降体の下部に設けられ、前記主昇降体の昇降動作に連動して昇降するコンペンロープの振れ止め機能をもつ従昇降体とを有し、請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の非常止め装置により非常停止された前記従昇降体を可動状態に復帰する昇降体の非常止め復帰方法において、
前記主昇降体の底部から所定長さ位置に自動開閉フックを介してコンペンロープが設けられ、前記主昇降体を降下を降下させつつ前記自動開閉フックを前記従昇降体中心部に形成される振れ止めリングを通過させた後、前記自動開閉フックを自動開放し、前記従昇降体の下側から抱え込むように押し上げることにより、前記従昇降体を強制的に上昇させ、前記非常止め装置を解除することを特徴とする昇降体の非常止め復帰方法。
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