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JP4593389B2 - 紙送りローラ - Google Patents

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Description

本発明は、紙送り用のゴムローラに関し、詳しくは、インクジェットプリンター、レーザープリンター、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、自動預金支払機(ATM)等における紙送り機構に使用されるゴムローラに関するものである。
インクジェットプリンター、レーザープリンター、静電式複写機、ファクシミリ装置等のOA機器や、自動預金支払機(ATM)等において、紙、フィルム等を搬送する紙送り機構には、天然ゴム、ウレタンゴム、EPDMゴム、ポリノルボーネンゴム、シリコーンゴム、塩素化ポリエチレンゴムといったゴムやエラストマー組成物等からなる紙送り用のゴムローラが使用されている。
近年、特に、個人使用目的のOA機器が増加し、多様な用紙が通紙されるようになっており、多様な用紙に対しても安定した紙やフィルム等の搬送性を得るために耐磨耗性および高い摩擦係数の確保が要求されている。そこで、ゴムローラの硬度を低下させて高い摩擦係数を得ることが提案されている。しかし、ゴムローラの硬度を低下させると、耐磨耗性が悪くなるという問題がある。また、硬度を低くするために、軟化剤であるオイルを多く添加すると、多く添加したオイルはブリードして表面に析出し、印刷物にローラ跡が残るという問題もある。
前記問題を解消するものとして、特開2001−335180号公報(特許文献1)では、図4に示すように、芯体2とその外周面に装着された環状弾性体3とからなる給紙部材1において、環状弾性体3の内周面において複数の凸部4を設けることにより、環状弾性体3のゴム弾性が上昇し、給紙部材表面の摩擦係数を高めることのできる給紙部材1が提案されている。
また、本出願人は、特開2005−035732号公報(特許文献2)において、図5に示すように、ゴムローラ5の内周面5aをローレット面とし、該内周面の表面粗さRmaxを0.05mm以上2.0mm以下とし、かつJIS K6253に準拠するショアA硬度を20以上60以下とすることにより、ブリードの析出を防止し、高い摩擦係数を有するゴムローラを提案している。
しかし、特許文献1の給紙部材および特許文献2のゴムローラは、いずれもソリッドゴム1層からなるものであり、このようなソリッドゴム1層からなる紙送りローラでは、通紙枚数が多くなると摩擦係数が低下して用紙が送れなくなるいわゆる不送りが発生する恐れがある。
また、ソリッドゴム1層からなる紙送りローラでは、通紙時にキュー・キュー、シュー・シュー等の「鳴き」と呼ばれる不快な異音が発生することが多い。通紙時における鳴きの発生は、用紙がローラ表面と擦れることによりローラが振動し、この振動で給紙装置の軸芯や軸受部材、ハウジング等が共振、共鳴することにより異音が発生する。したがって、鳴きを低減させるためには、紙送りローラの振動をローラの内部で吸収させ、軸芯に振動が伝わらないようにする必要がある。一方、前記特許文献1の給紙部材や特許文献2のゴムローラには凸部あるいはローレット面によって隙間が形成されているが、この隙間が形成されているのは軸芯に接しているローラの内周面であるため、振動吸収性の点では十分とは言えず、軸芯に振動が伝わってしまって結果的に鳴きが発生しやすいという問題がある。
特開2001−335180号公報 特開2005−035732号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、高い摩擦係数および耐磨耗性を有するとともに、通紙枚数が多くなっても摩擦係数の低下が少なく、通紙時における「鳴き」と呼ばれる異音の発生を大幅に低減できる紙送りローラを提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、ゴムローラの中空部に軸芯を装着して用いられる紙送りローラであって、
前記ゴムローラは2以上の積層したゴム層からなり、最外周層以外のいずれか1層のゴム層の外周面にはローレット溝が設けられ、該ローレット溝とその外周側のゴム層の内周面とによって形成される空隙の体積の総和をV1、積層したゴム層の体積の総和をV2としたときのV1/V2の値が0.3以上0.7以下であることを特徴とする紙送りローラを提供している。
前記のように、ゴムローラを2以上の積層したゴム層から構成し、最外周層以外のいずれか1層のゴム層の外周面にローレット溝を設けると、該ローレット溝とその外周側のゴム層の内周面とによって形成される空隙が紙送り時に発生する振動や衝撃を吸収するクッションの役割を担うことができる。そのため、ローラ全体の硬度を柔らかくすることができ、紙送りローラと用紙との接触面積を高めて、ゴムローラ全体としての摩擦係数を高めることができる。また、通紙枚数が多くなっても摩擦係数の低下を少なくすることができる。
特に、ゴムローラを2以上の積層したゴム層から構成し、前記ローレット溝を、軸芯に接する内周面ではなく、最外周層以外のいずれか1層のゴム層の外周面に設けているので、紙送り時に発生する振動や衝撃を、軸芯から離れたローラ内部の空隙で吸収させることができる。よって、紙送りローラに発生した振動や衝撃が軸芯まで伝わりにくいため、鳴きの発生を大幅に低減させることができる。
本発明の紙送りローラにおいて、ローレット溝とその外周側のゴム層の内周面とによって形成される空隙の体積の総和をV1、積層したゴム層の体積の総和をV2としたときのV1/V2の値を0.3以上0.7以下としているのは、0.3未満であると、ローレット溝とその外周側のゴム層の内周面とによって形成される空隙が狭くなるため、クッション性能が低下し、紙送りローラとしての必要な摩擦係数および十分な振動吸収性が得られず、鳴きの発生を低減できないことによる。一方、0.7を越えるとゴムローラの外径フレが大きくなると共に耐磨耗性が悪くなることによる。
より好ましくは、V1/V2の値は0.4以上0.6以下である。
ローレット溝の形状は適宜でよいが、軸線方向に連続させて、周方向に一定ピッチで設けることが好ましく、ピッチ、溝幅および溝の深さは、前記V1/V2の値が0.3以上0.7以下となるように適宜設定することができる。
ローレット溝を外周面に設けたゴム層は、ゴム材料、加硫剤、必要に応じて配合する各種配合剤の混練物からなるゴム組成物を、内面に所望の凹凸(ローレット模様)を形成した金型を用いて加硫成形することにより得られる。
また、本発明の紙送りローラにおいて、前記ローレット溝が設けられたゴム層より外周側のゴム層を外層、該ローレット溝が設けられたゴム層および該ゴム層より内周側のゴム層を内層としたとき、JIS K6253に準拠するショアA硬度を、外層では20以上60以下、内層では15以下とすることが好ましい。なお、内層の下限は「0」以上であるが、この「0」は硬度があるが低すぎて硬度計では針が動かず「0」を指している状態である。
前記のように、外層のショアA硬度を20以上60以下としていることにより、高い摩擦係数を得ることができると共に耐摩耗性も維持することが可能となる。該範囲としているのは、20より小さい場合には、ローラの耐磨耗性が低下しやすく、60より大きい場合には、摩擦係数が低下してローラとしての性能が十分に出せない恐れがあることに因る。
なお、前記した外層のショアA硬度は、ゴム層単体でJIS K6253に準拠して測定した値である。
また、前記のように、内層を外層より柔らかくし、内層のショアA硬度を0以上15以下とすることにより、ローラ全体としてより高い摩擦係数が得られると共に、振動吸収性を高めて鳴きを低減させることができる。
なお、前記した内層のショアA硬度は、ゴム層単体でJIS K6253に準拠して測定した値である。
なお、本発明の紙送りローラの外層は、1〜2層であることが好ましく、内層も1〜2層であることが好ましい。
本発明の紙送りローラを構成するゴム層は、ゴムを主成分とする組成物を架橋することによって得られる。用いられるゴムとしては、例えば、天然ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、ポリノルボルネンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン等が挙げられる。特に、主鎖の大半が飽和炭化水素からなり主鎖に二重結合をあまり含まないので、高濃度オゾン雰囲気、光線照射等の環境下に長時間曝されても分子主鎖切断が起こりにくいという理由から、前記外層のゴム成分にはEPDMゴムが好適に用いられる。EPDMゴムには、ゴム成分のみからなる非油展タイプのEPDMゴムと、EPDMのゴム成分とともに親展油を含む油展タイプのEPDMゴムとが存在するが、本発明の紙送りローラにはいずれのタイプのものでも用いることができる。
また、前記内層のゴム成分には、反撥弾性が小さく、振動減衰に優れたブチルゴムも好適に用いられる。
本発明の紙送りローラを構成するゴム層は、前記組成物を架橋することによって得られる。架橋形態は特に限定されず、硫黄架橋、金属塩架橋、パーオキサイド架橋、樹脂架橋、電子線架橋等を適用することができる。一般的には硫黄架橋がなされるが、この硫黄架橋において加硫促進剤が併用されてもよい。使用条件によっては、硫黄架橋でローラ表面にブルームが発生する場合があり、その際は樹脂架橋を用いてもよい。
また、前記組成物には、必要に応じて、軟化剤、充填材、補強剤等が適宜配合される。配合される軟化剤としては、例えばパラフィン系鉱物油、ナフテン系鉱物油、芳香族系鉱物油、炭化水素系オリゴマーからなる合成油等のオイルや、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルセパゲート、ジオクチルアジペート等の可塑剤が挙げられる。よって、前記内層の組成物に添加する前記軟化剤の量を外層より増やすことにより外層より硬度の低い内層のゴム層が得られる。
また、配合される充填材としては、例えばシリカ、酸化亜鉛等が挙げられる。また、配合される補強剤としては、例えばカーボンブラックが挙げられる。
架橋ゴム組成物のローラ状の成形品を得る場合、まず、前記各原料を混練するが、この混練物の架橋は混練物の成形前または成形後に行っても、また、作業時間を短縮するために混練物の成形と同時に行ってもよい。混練物の成形と同時に架橋を行いローラ状のゴム層を作製する場合、型部を所望のチューブ形状にした金型を加熱し、該加熱した金型内に前記混練物を充填し、圧縮成形(プレス加硫)することにより得られる。
本発明の紙送りローラにおける積層したゴム層は、別個に夫々のゴム層を成形し、外層側のゴム層の中空部に内周側のゴム層を内部に圧入し、あるいは、内周側のゴム層に外周側のゴム層を外嵌して一体化させてもよい。
また、ローレット溝が設けられたゴム層に接する外周側のゴム層は、接着剤を介して該ローレット溝が設けられたゴム層に外嵌して接着剤を介して一体化されてもよい。
本発明の紙送りローラは、通紙時においてローラ表面に生じる振動や衝撃をローラ内部で効果的に吸収させ、軸芯に振動や衝撃を伝えにくくしているため、鳴きを大幅に低減することができる。一方、リタードローラは、複数枚の用紙が進入した時にはトルクリミッタが釣り合って停止する場合があり、この状態になると紙とリタードローラとの間にスティックスリップが発生し、鳴きが発生することが多い。よって、前記紙送りローラはリタードローラとして用いた際には高い摩擦係数による紙送り性能の向上のみならず、鳴きの低減できる。
前記したように、本発明によれば、ゴムローラを2以上の積層したゴム層から構成し、前記ローレット溝を、最外周層以外のいずれか1層のゴム層の外周面に設け、ローレット溝とその外周側のゴム層の内周面とによって形成される空隙の体積の総和をV1、積層したゴム層の体積の総和をV2としたときのV1/V2の値を0.3以上0.7以下としたことにより、耐磨耗性および高い摩擦係数が得られ、通紙枚数が増えても摩擦係数の低下を少なくすることができると共に、紙送り時に発生する振動や衝撃を軸芯から離れたローラ内部の空隙で効果的に吸収させることができるため、「鳴き」と呼ばれる異音の発生を大幅に低減させることができる。
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は第一実施形態を示し、(A)は本発明にかかる紙送りローラ10を軸芯11と共に示した概略図である。軸芯11が紙送りローラ10の中空部に圧入されることにより、または両者を接着剤で接合することにより紙送りローラ10が軸芯11に固定している。
紙送りローラ10は、外層のゴム層12と内層のゴム層13の2層から構成されている。外層のゴム層12は、EPDMゴムに従来公知の架橋剤、軟化剤、その他の充填材を配合して混練し、得られた混練物をチューブ状の金型に充填してプレス加硫することにより得られる。外層のゴム層12のJIS K6253に準拠するショアA硬度は25である。
一方、内層のゴム層13は、ブチルゴムに従来公知の架橋剤、軟化剤、その他の充填材を配合して混練し、この混練物をローレット模様が形成された金型に充填してプレス加硫することにより得られ、内層のゴム層13の外周面を、図1(B)に示すように、ローレット溝である凹部13aを設け、凹部13aでない部分が凸部13bとなり、該凹部13aを周方向に交互に連続させたローレット面としている。ローレット溝である凹部13aは細幅で窪ませた形状とし、凸部13bは台形状に突出した形状としている。
内層のゴム層13のJIS K6253に準拠するショアA硬度は15である。
外層のゴム層12は、ローレット溝が設けられた内層のゴム層13に接着剤を介して外挿され紙送りローラ10が形成される。凹部13aと外層のゴム層12の内周面とによって形成される空隙の体積の総和をV1、内層のゴム層12と外層のゴム層13の体積の総和をV2としたときのV1/V2の値を0.3以上0.7以下(本実施形態では0.5)としている。
前記構成とすることにより、本実施形態の紙送りローラ10は、耐磨耗性および高い摩擦係数が得られ、通紙枚数が増えても摩擦係数の低下を少なくすることができると共に、紙送り時に発生する振動や衝撃を軸芯から離れたローラ内部の空隙で効果的に吸収させることができるため、「鳴き」と呼ばれる異音の発生を大幅に低減させることができる。
図2は第二実施形態の紙送りローラ10ー1を示し、外層のゴム層12ー1と、外周面にローレット溝の凹部13aー1と、凸部13bー1を設けた内層のゴム層13ー1と、該内層のゴム層13ー1の内周面側に配置する最内層のゴム層50とからなる3層構造としている。
前記外層のゴム層12ー1と、中間層となる前記内層のゴム層13ー1とは第一実施形態と同一のゴム組成物からなると共にショアA硬度を有するものとしている。
最内層のゴム層50は内層のゴム層13ー1と同様のゴム組成物を用いているがショアA硬度はゴム層13−1より若干低くして13程度としている。
これら3層のゴム層12ー1、13ー1、50は夫々個別に成形し、最内層のゴム層50に内層のゴム層13ー1を外嵌し、さらに、内層のゴム層13ー1に外層のゴム層12ー1を外嵌し、それぞれ接着剤を介して固着して一体化している。
前記凹部13aー1と外層のゴム層12ー1の内周面とによって形成される空隙の体積の総和をV1、最内層のゴム層50、内層のゴム層13ー1、外層のゴム層12−1の体積の総和をV2としたときのV1/V2の値を0.3以上0.7以下としている。
図3は第三実施形態の紙送りローラ10−2を示し、3層構造である点は第二実施形態と同様とし、最内層のゴム層50−1は内層(中間層)のゴム層13−1と同様に外周面にローレット溝となる凹部50a−1を設けている。該凹部50a−1はゴム層13−1で凹部13a−1を設けて以内部分(凸部13b−1)と対応する位置に設けている。
前記凹部13aー1と外層のゴム層12ー1の内周面とによって形成される空隙の体積の総和をV1ー1、前記凹部50a−1とゴム層13−1の内周面によって形成される空隙の体積V1−2とし、V1=V1−1+V1−2とした時、3層のゴム層12−1、13−1、50−1の体積の総和V2に対して、V1/V2の値を0.3以上0.7以下としている。
以下、本発明の紙送りローラの実施例1〜3および比較例1〜3について詳述する。
実施例1〜3、比較例2,3の外層のゴム層および内層のゴム層は、表1に示す配合に基づき作製した。EPDMゴムは住友化学製「エスプレン670F」を用いた。このEPDMゴムは、EPDMポリマー100重量部に対してプロセスオイル100重量部を含有する。よって、表中の数値の半分が実際のポリマー成分(ゴム分)である。ブチルゴムはJSR製「ブチル268」を用いた。酸化珪素は日本シリカ製「ニプシールVN3」を用いた。炭酸カルシウムは備北粉化製「BF300」を用いた。パラフィンオイルは出光興産製「PW−380」を用いた。酸化亜鉛は三井金属製「酸化亜鉛2種」を用いた。ステアリン酸は日本油脂製「つばき」)を用いた。カーボンブラックは東海カーボン製「シーストSO」を用いた。粉末硫黄は鶴見化学工業製のものを用いた。加硫促進剤としてテトラエチルチウラムジスルフィドおよびジベンゾチアジルスルフィドは大内新興化学製の「ノクセラーTET」および「ノクセラーDM」を用いた。
Figure 0004593389
表中の各配合の数値単位はゴムポリマーを100とした場合の重量部である。
内層のゴム層は、内層の全ての原料を混練機により80℃で20分間混練し、得られた混練物をプレス加硫により、160℃で20分間かけて成形と同時に架橋して内径9mm、外径15mm、長さ60mmのチューブ状のコットを作製した。プレス加硫の際にはローレット模様が形成された金型が用いられ、内層のゴム層の外周面にはローレット溝である凹部と凸部とを周方向に交互に連続させたローレット面が形成されている。このコットを10mm幅に定寸カットして内層のゴム層とした。
一方、外層のゴム層は、外層の全ての原料を混練機により80℃で15分間混練し、得られた混練物をプレス加硫により、160℃で20分間かけて成形と同時に架橋して内径14mm、外径21mm、長さ60mmのチューブ状のコットを作製した。このコットを円筒研削盤で外径20mmに研磨し、10mm幅に定寸カットして外層のゴム層とした。
前記内層のゴム層の中空部に芯金を圧入して固着し、該内層のゴム層に接着剤を介して前記外層のゴム層を外挿することにより紙送りローラを作製した。
比較例1では、表1に示す外層のゴム層と同じ原料を用いたソリッドゴム1層からなる紙送りローラを作製した。外層のゴム層の全ての原料を同様に混練し、得られた混練物をプレス成形により、170℃で20分間かけて成形と同時に架橋して内径9mm、外径21mm、長さ38mmのチューブ状のコットを作製した。このコットを円筒研削盤で外径20mmに研磨し、10mm幅に定寸カットした。このゴムの中空部に芯金を圧入して固着することによりソリッドゴム1層からなる紙送りローラを作製した。
(実施例1〜3)
実施例1では空隙率を30%、実施例2では空隙率を50%、実施例3では空隙率を70%とした。なお、空隙率(%)は、内層のゴム層のローレット溝と外層のゴム層の内周面とによって形成される空隙の体積の総和をV1、内層と外層のゴム層の体積の総和をV2としたとき、(V1/V2)×100で求められる値である。
(比較例2、3)
比較例2では空隙率を範囲外の20%、比較例3では空隙率を範囲外の80%とした。
前記実施例1〜3、比較例1〜3の紙送りローラについて、後述する方法により、各種評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 0004593389
(硬度の測定)
JIS K6253の「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」の記載に従い、試験機デュロメータタイプAにて硬度を測定した。この硬度は国際規格表示である従来のショアAと同じである。
(初期摩擦係数の測定)
測定紙として富士ゼロックス社の60mm×210mmサイズのP紙(普通紙)を紙送りローラとテフロン(登録商標)板との間にセットし、用紙に対して250gfの鉛直荷重をかけ、周速度300mm/secで紙送りローラを回転させ、そのときの搬送力Fをロードセルで測定する。摩擦係数はF/250より算出した。
(通紙状況の観察および5万枚通紙後の摩擦係数)
複写機「VIVACE455」(富士ゼロックス製)に紙送りローラを装着し、前記P紙を5万枚通紙し、通紙状況を目視で観察して評価した。また、5万枚通紙後の摩擦係数の測定も前記と同様の方法で行った。
(「鳴き」の評価)
複写機「VIVACE455」(富士ゼロックス製)に紙送りローラを装着し、前記P紙を1000枚通紙し、「鳴き」の有無を確認した。
表2に示すように、空隙率を30〜70%とした実施例1〜3は、高い初期摩擦係数を有する共に、5万枚通紙後の摩擦係数も高い値を維持した。また、鳴きの発生もなく優れた紙送りローラであった。
一方、比較例2は、空隙率の値が低すぎるため、振動が十分にローラ内部で吸収できず鳴きが発生した。また、5万枚通紙後の摩擦係数も実施例1〜3に比べ若干低い値となった。
また、比較例3は、空隙率の値が高すぎるため、耐摩耗性が悪く、5万枚通紙することはできなかった。
さらに、ソリッドゴム1層の比較例1は、空隙がないため、振動をローラ内で吸収できず鳴きが発生し、5万枚通紙後の摩擦係数も実施例1〜3に比べ若干低い値となった。
以上の結果から、紙送りローラを内層と外層のゴム層で構成し、内層の外周面に空隙率が30〜70%となるようにローレット溝を設けることにより、高い摩擦係数が得られると共に通紙枚数が多くなっても摩擦係数が大きく低下せず、かつ「鳴き」と呼ばれる不快な異音も発生しないことが確認された。
本発明の紙送りローラを示し、(A)は全体概略図、(B)は断面図である。 第二実施形態の紙送りローラの断面図である。 第三実施形態の紙送りローラの断面図である。 従来の紙送りローラの断面図である。 従来の紙送りローラの断面図である。
符号の説明
10 紙送りローラ
11 軸芯
12 外層のゴム層
13 内層のゴム層
13a 凹部(ローレット溝)
13b 凸部

Claims (5)

  1. ゴムローラの中空部に軸芯を装着して用いられる紙送りローラであって、
    2以上の積層したゴム層からなり、最外周層以外のいずれか1層のゴム層の外周面にはローレット溝が設けられ、該ローレット溝とその外周側のゴム層の内周面とによって形成される空隙の体積の総和をV1、積層したゴム層の体積の総和をV2としたときのV1/V2の値が0.3以上0.7以下であることを特徴とする紙送りローラ。
  2. 前記ローレット溝が設けられたゴム層より外周側のゴム層を外層、該ローレット溝が設けられたゴム層および該ゴム層より内周側のゴム層を内層としたとき、JIS K6253に準拠するショアA硬度が、外層のゴム層では20以上60以下、内層のゴム層では15以下である請求項1に記載の紙送りローラ。
  3. 前記ローレット溝が設けられたゴム層に接する外周側のゴム層は、該ローレット溝が設けられたゴム層に外嵌して接着剤を介して一体化させている請求項1または請求項2に記載の紙送りローラ。
  4. 前記紙送りローラがリタードローラとして用いられるものである請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の紙送りローラ。
  5. 前記最外周層がエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムを含む組成物からなり、ローレット溝が設けられているゴム層がブチルゴムを含む組成物からなる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の紙送りローラ。
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