JP4588840B2 - 超音波プローブ及び超音波プローブシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、消化管、気管支等体腔内に挿入し、超音波振動子を覆うバルーンに超音波伝達媒体を注入して膨張させた状態で超音波観察を行う超音波プローブ及び超音波プローブシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、体腔に挿入される内視鏡の先端部に超音波探触子を設けた超音波内視鏡や、直腸へ挿入して超音波観察を行う直腸プローブ等、体腔内挿入型の超音波プローブが医学的診断に用いられている。
【0003】
このような超音波プローブでは、観察対象部位と超音波探触子との間に空気が介在すると良好な画像を得ることができなくなる。このため、観察対象部位付近に水を溜めたり、超音波プローブに水等の超音波伝達媒体を充填したバルーンを装着して良好な超音波画像の描出を行うようにしていた。
【0004】
このバルーンを用いる超音波プローブとしては様々な提案がなされており、例えば特開平7−136168号公報にはバルーンを挿入部先端部に効率よく、かつ容易に装着することを可能にするため、弾性体で形成され、口径が変化するバルーン装着部を設けた超音波診断装置用バルーンの装着治具が開示されている。
【0005】
前記バルーンを用いる超音波プローブでは超音波画像の描出を行う場合、バルーンの大きさを制御しなければならない。このとき、術者は、バルーン内へ注入又は吸引して排出させる超音波伝達媒体の量を調整しながら行うことが一般的である。
【0006】
そして、バルーンへ過剰に超音波伝達媒体を注入した際に、バルーンの破裂或いは先端部からの脱落を防止するため、超音波プローブにおいては超音波伝達媒体を送るための媒体用管路をある程度細径に形成したり、小さなシリンジを用いることによって超音波伝達媒体の注入量を制限するようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、超音波媒体の注入量を制限するために管路を細径に形成したものでは、バルーンを所望の大きさに膨張させるまでに時間がかかり、術者にとって煩わしい作業になってしまう。また、小さなシリンジを用いた場合には、バルーン内に気泡が入ってしまった際、その気泡を除去することが困難であった。これは、バルーン内の気泡を取り除くためにはいったんバルーン内に多量の超音波伝達媒体を供給し、その後吸引する方法が効果的であるからである。
【0008】
これらの問題を解決するため、本出願人は特願平11−295849において超音波内視鏡にバルーンの破裂や脱落を防止する構成を提案している。図19(a)の超音波伝達媒体を注入してバルーンを膨らませている状態を説明する図で示すように、超音波内視鏡先端部100の超音波送受信部101の前後に、薄肉チューブ状のバルーン102の両端部にOリング状に形成したOリング部102a,102bをそれぞれ装着する溝部103,104を形成していた。前記超音波送受信部101の前方部に位置する前方側Oリング配置溝部103は、底面に対して傾斜した先端側傾斜面103a及び底面に対して略垂直な基端側側面を有し、前記後方側Oリング配置溝部104は底面に対して略垂直な先端側及び基端側側面を有している。
【0009】
このことにより、このバルーン102内に超音波伝達媒体である脱気水105の注入を続けた際、図19(b)のバルーン内の内部圧力が上昇して脱気水105を排出している状態を説明する図に示すようにバルーン102が破裂する膨張限界に達する以前にバルーン102のOリング部102aが前方側Oリング配置溝部103から外れ、バルーン102内の脱気水105が排出される。このことにより、バルーン102の破裂及び挿入部先端部からの脱落を防止している。
【0010】
しかし、前記バルーンを用いる超音波内視鏡では挿入方向に対して前方を走査する構成の前方走査型の超音波プローブに実現することが困難であった。また、再度超音波検査を行うためには、破裂を防止するために前方側Oリング配置溝部103から外れた前記Oリング部102aを前方側Oリング配置溝部103に装着する作業を行うために、超音波内視鏡をいったん体腔内から抜去しなければならない。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、超音波伝達媒体がバルーン内に過剰に注入されて内部圧力が所定以上に上昇した際に、Oリング部がOリング配置溝部から外れることなく過剰に注入された超音波伝達媒体をバルーン外に確実に排出して、バルーンの破裂を防止する前方走査型に対応した超音波プローブ及び超音波プローブシステムを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に超音波プローブは、被検体に挿入するための先端硬性部と、前記先端硬性部の先端に配置された超音波送受信部と、前記先端硬性部および前記超音波送受信部との間に配置された溝であって、前記超音波送受信部を覆うバルーンの開放端部であるOリング部を嵌入配置するためのバルーン装着用環状溝と、を含む超音波プローブにおいて、
前記バルーン装着用環状溝は、前記Oリング部を密着させるために表面を滑らかに形成した底面である液密面と、前記液密面よりも浅く形成され、前記液密面および前記超音波送受信部の間、及び前記液密面および前記先端硬性部の間に形成され、前記液密面から離れるに従って段階的又は連続的に浅くなるOリング部移動面と、前記Oリング移動面のうち前記超音波送受信部側の端部に形成され、前記先端硬性部の挿入軸方向に対して垂直な面である前方側側面と、前記Oリング移動面のうち前記先端硬性部の端部に形成され、前記先端硬性部の挿入軸方向に対して垂直な面である後方側側面と、前記液密面および前記超音波送受信部との間に配置された前記Oリング部移動面に所定深さで形成された溝である前方側排出溝と、前記液密面および前記先端硬性部との間に配置された前記Oリング部移動面に所定深さで形成された溝である後方側排出溝と、を具備し、
前記前方側排出溝は、前記超音波送受信部に延出されて前記超音波送受信部の表面から前記液密面まで連通しており、前記後方側排出溝は、前記先端硬性部に延出されて前記先端硬性部の表面から前記液密面まで連通している。
本発明の一態様による超音波プローブシステムは、請求項1に記載の超音波プローブと、前記超音波送受信部を覆うバルーンと、を備え、前記バルーンの開放端部であるOリング部は、前記液密面の円周よりも細径である。
【0013】
この構成によれば、バルーンの内部圧力が上昇して、液密面に配置されていたバルーンのOリング部がOリング部移動面を移動すると、排出溝の溝開口がバルーンの内部側と外部側とに位置して、Oリング部がバルーン装着用環状溝から外れることなく、バルーン内の超音波伝達媒体が排出溝を通ってバルーン外に排出される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図7は本発明の第1実施形態に係り、図1は超音波内視鏡システムの1構成例を説明する図、図2はプローブに装着されるバルーンの構成を説明する図、図3は超音波送受信部に形成されるバルーン装着用環状溝の構成を説明する図、図4はバルーン装着用環状溝の構成を説明する拡大図、図5はバルーン装着状態及び超音波伝達媒体注入状態を説明する図、図6はバルーン装着用溝の1作用を説明する図、図7はバルーン装着用溝の他の作用を説明する図である。
【0015】
図4(a)はバルーン装着用環状溝の長手方向断面図、図4(b)は図4(a)のA−A線断面図、図5(a)は超音波送受信部にバルーンを装着した状態を示す図、図5(b)はバルーン内に超音波伝達媒体を注入している状態を示す図、図6(a)は超音波伝達媒体が過剰に供給されてバルーンの内部圧力が所定以上に上昇することによってOリング部が前方側に移動する状態を説明する図、図6(b)はOリング部が前方側に移動してバルーン内の超音波伝達媒体を排出している状態を示す図、図7(a)はバルーンの先端面を体腔壁に押し付けて超音波検査を行う状態を説明する図、図7(b)はバルーンの先端面を必要以上に押し付けて、バルーンの内部圧力が所定以上に上昇することによってOリング部が後方側に移動する状態を説明する図、図7(c)はOリング部が後方側に移動してバルーン内の超音波伝達媒体を排出している状態を示す図である。
【0016】
図1に示すように本実施形態の超音波内視鏡システムは、体腔内に挿入される挿入部10の先端硬性部11から突設する前方セクタ走査型の超音波送受信部30を有するいわゆる超音波プローブを備えた超音波内視鏡1と、この超音波内視鏡1に設けられている照明光学系に照明光を供給する光源部(不図示)や前記超音波振動子の制御を行う駆動制御部及び超音波振動子との信号の送受を行う信号処理部等を備えた超音波診断装置2と、この超音波診断装置2で生成された画像信号を超音波画像として表示するモニタ3と、このモニタ3に表示された画像を記録する画像記録装置4等で主に構成されている。
【0017】
前記超音波内視鏡1は、体腔内に挿入される可撓性を有する挿入部10と、この挿入部10の基端部に連結された把持部を兼ねる主操作部5と、この主操作部5の後端部に設けられ接眼部6を備えた副操作部7と、前記主操作部5の側部から延出し基端部に、図示しない光源部に着脱自在に接続される光源用コネクタ8aを備えた光源ケーブル8と、前記副操作部7の側部から延出し基端部に前記超音波診断装置2に着脱自在に接続される超音波用コネクタ9aを備えた超音波コード9とで主に構成されている。
【0018】
前記挿入部10は、先端側から順に、硬質な部材で形成された先端硬性部11、上下左右方向に湾曲自在な湾曲部12、柔軟で細長なシースで形成された可撓管部13を連接している。前記主操作部5には処置具挿入口5aが設けられている。また、この主操作部5には前記湾曲部12を所望の方向に湾曲操作する湾曲操作ノブ5bや送気及び送水の操作を行う送気・送水ボタン5c、吸引を行う吸引ボタン5dが設けられている。
【0019】
図2に示すように本実施形態で使用するバルーン20は、天然ゴム、シリコンゴム等、伸縮性を有し、生体適合性及び超音波透過性に優れた材質で袋状に形成されている。このバルーン20の開口部21には一点鎖線に示す縁部22を端側から丸めてOリング状に形成したOリング部23が設けられている。このOリング部23の径寸法(図中d)及びOリング部23の開口径寸法(図中D)は適宜設定されるものである。
【0020】
図3に示すように超音波内視鏡1の先端硬性部11の先端面11aには図示しないイメージガイドの先端面に臨まれた照明窓、ライトガイドの先端面に臨まれた観察窓が設けられるとともに、前記処置具挿入口5aに連通した処置具挿通用チャンネルの開口が形成されており、この先端面11aから突出して前方セクタ走査型の超音波送受信部30が設けられている。
【0021】
前記超音波送受信部30の根元部側周面にはこの超音波送受信部30を覆うように配置されるバルーン20のOリング部23を配置されるバルーン装着用環状溝(以下、環状溝と略記する)31が周方向に形成されている。
【0022】
図3及び図4(a)に示すように前記環状溝31は、前記バルーン20に設けた点線に示すOリング部23が密着するように配置されて液密を確保する面であり、前記超音波送受信部30の側周面30aから所定の深さ寸法に形成されてこの環状溝31の底面となる密着性を高めるように表面が滑らかな液密面32と、この液密面32の挿入方向前方側に位置して前記液密面32より深さ寸法を浅く形成した前方側平面33a及びこの前方側平面33aから側周面方向に垂直に立ちあがる前方側側面33bで構成した前方側段部33と、前記液密面32の後方側に位置して前記液密面32より深さ寸法を浅く形成した後方側平面34a及びこの後方側平面34aから側周面方向に垂直に立ちあがる後方側側面34bで構成した後方側段部34とで形成されている。即ち、前記環状溝31は凸の字を倒立させた形状である。
【0023】
前記前方側平面33aとこの前方側平面33aに対して前記液密面32から立ち上がっている面とで形成される稜線及び前記後方側平面34aとこの後方側平面34aに対して前記液密面32から立ち上がっている面とで形成される稜線には適切な半径寸法に形成処理したいわゆるR面取り部を設けている。
このことによって、R面、前方側平面33aで形成される前方側面部及びR面、後方側平面34aで形成される後方側面部が、バルーン20の内部圧力が上昇した際等にこのOリング部23が移動することが可能なOリング部移動面になっている。
【0024】
なお、前記液密面32の幅寸法Wは、前記Oリング部23の径寸法よりも幅広に形成してある。また、前記バルーン装着用環状溝31の底面(液密面32)における外径寸法を前記開口径寸法に対して装着部径寸法と呼び、Oリング部23の開口径寸法は環状溝31の装着部径寸法よりも小さく構成されている。そして、この装着部経寸法と開口径寸法とを適宜設定することにより、Oリング部23の環状溝31に対する装着力が所望の力量になる。
【0025】
前記前方側段部33の前方側平面33a及び前方側側面33bには例えば長手方向に長細な前方側排出溝35が形成されている。この前方側排出溝35の一開口は前記液密面32近傍に位置し、他開口は前記側周面30aに形成されている。同様に、前記後方側段部34の後方側平面34a及び後方側側面34bには長細な後方側排出溝36が形成されている。
【0026】
前記前方側排出溝35は、前記前方側段部33の前方側平面33aと前方側側面33bとにわたって形成されており、前記前方側平面33aにおける前記前方側排出溝35の底面35aの位置は、前記液密面32と面一致又はそれよりも浅く形成してある。同様に、前記後方側排出溝36は、前記後方側段部34の後方側平面34aと後方側側面34bとにわたって形成されており、前記後方側平面34aにおける前記後方側排出溝36の底面36aの位置は、前記液密面32と面一致又はそれよりも浅く形成してある。このことによって、前記Oリング部23が液密面32上に配置状態のとき、前記排出溝35,36を通ってバルーン20内の超音波伝達媒体がバルーン外に排出されない構成になっている。
【0027】
図4(a),(b)に示すように前記環状溝31に形成される全ての稜線にはR面取り部が設けられている。このことによって、バルーン20の表面が稜線に当たって傷が付くことや、前記Oリング部23が稜線に引っかかること等を防止している。
【0028】
また、前記排出溝35,36は、周方向に例えば4本形成されており、前記前方側平面33aに形成されている少なくとも1つの前方側排出溝35に、バルーン20内に脱気水等、超音波伝達媒体の注入或いは吸引を可能にするバルーン管路37の開口37aが設けられている。このことにより、前記Oリング部23が環状溝31の液密面32に配置された状態であるとき、バルーン20内に超音波伝達媒体の注入を行える。開口37aの位置は前方側排出溝35内であれば先端側であっても基端側であってもよい。
上述のように構成したバルーン装着用環状溝31の作用を説明する。
まず、図5(a)に示すようにバルーン20のOリング部23を環状溝31の液密面32に嵌め込む。このことによって、前記Oリング部23が中心方向に収縮しようとする力が働いて、液密面32にOリング部23が液密に接した状態になってバルーン20が超音波送受信部30に装着される。この後、術者が必要に応じて前記バルーン管路37を介して脱気水等の超音波伝達媒体40を注入していくことによって図5(b)に示すようにバルーン20が徐々に膨らんでいく。
【0029】
そして、引き続き術者がバルーン20内に超音波伝達媒体40を注入し続けると、バルーン20がさらに膨張して内部圧力が上昇していく。このことによって、バルーン20には矢印に示すように先端側へ引っ張ろうとする力やOリング部23を外側に広げようとする力が徐々に加わる。
【0030】
そして、前記バルーン20を先端側へ引っ張ろうとする力やOリング部23を外側に広げようとする力が前記Oリング部23の中心方向に収縮しようとする装着力より大きくなると、図6(a)に示すように前記Oリング部23に拡張させる力及び先端側に引っ張る力が作用して、前記液密面32上に配置されていたOリング部23が矢印に示すようにOリング部移動面であるR面を乗り越えて図中破線及び図6(b)に示すように前方側段部33の前方側平面33a上に移動する。このとき、稜線にはR面が施されているので、バルーン20の表面が稜線に当たって表面に傷が付くことやOリング部23が稜線に引っかかることがない。
【0031】
そして、前記Oリング部23の移動に伴い、前記バルーン20の内側及び外側に前方側排出溝35の溝開口が位置することにより、バルーン20内に注入されていた超音波伝達媒体40が、この前方側排出溝35を通ってバルーン20外に排出される。このことによって、図6(b)の矢印に示すようにバルーン20が収縮して超音波伝達媒体40の供給過剰によるバルーン20の破裂及び脱落が防止される。このとき、Oリング部23は前方側平面33a上に位置している。
【0032】
また、図7(a)に示すようにバルーン20を体腔壁に押し付けて超音波観察を行っている際、誤って術者が矢印方向に過剰な力でバルーン20を体腔壁に押し付けてしまった場合、バルーン20の内部圧力が上昇して、バルーン20には矢印に示すように外側に広げようとする力やOリング部23を根元側に押し付けようとする力が徐々に加わる。
【0033】
そして、前記バルーン20を外側に広げようとする力やOリング部23を根元側へ押し付けようとする力が前記Oリング部23の装着力より大きくなると、図7(b)に示すように前記Oリング部23に拡張させる力及び根元側に押し込む力が作用して、前記液密面32上に配置されていたOリング部23が矢印に示すようにOリング部移動面であるR面を乗り越えて図中破線及び図7(c)に示すように後方側段部34の後方側平面34a上に移動する。
【0034】
このことにより、上述と同様、前記バルーン20の内側及び外側に前方側排出溝35の溝開口が位置することにより、バルーン20内に注入されていた超音波伝達媒体40が、この後方側排出溝36を通ってバルーン20外に排出される。したがって、バルーン20が収縮していくことにより、術者が誤って過剰な力でバルーン20を体腔壁に押し付けてしまった場合に発生するバルーン20の破裂及び脱落が防止される。このとき、Oリング部23は後方側平面34a上に位置している。
【0035】
なお、上述の実施形態において、前記バルーン20のOリング部23の径寸法及び前記Oリング部23の開口径寸法と前記環状溝31の液密面32における装着部径寸法との差及び前記液密面32と底面33a,34aとの段差を適宜設定することによって、前記環状溝31に配置されるバルーン20の最大膨張可能な径寸法を所望の大きさに設定可能である。
【0036】
このように、バルーンに設けたOリング部を装着するバルーン装着用環状溝を、Oリング部が密着する液密面と、この液密面の前方側及び後方側に位置してOリング部の移動を可能にしたOリング部移動面と、このOリング部移動面に形成した所定の深さ寸法の排出溝とで構成したことにより、バルーン装着用環状溝の液密面に袋状のバルーンの開口側に形成したOリング部を配置することによってバルーン内へ超音波伝達媒体を注入することによってバルーンを膨張させることができる。
【0037】
また、バルーン内に超音波伝達媒体を過剰に注入したとき或いは検査中に膨らんでいるバルーンに過剰な外力が働いて、内部圧力が所定圧力以上に上昇したときにはこの内部圧力によってOリング部がOリング部移動面上に配置されることによって、バルーンの内部と外部とを連通する排出溝によって超音波伝達媒体がバルーン外に排出されてバルーンの破裂及び脱落を防止することができる。
【0038】
これらのことによって、バルーンのOリング部を装着するバルーン装着用環状溝が1箇所であってもバルーンの破裂及び脱落の防止が可能であるので、前方走査型超音波プローブにバルーンを装着して超音波検査を行える。また、このバルーンは、Oリング部が1箇所で済むため安価に提供される。
【0039】
さらに、引き続き超音波検査を行う場合、超音波内視鏡をいったん体腔内から抜去してOリング部を環状溝の液密面に配置する際、バルーンのOリング部が環状溝から完全に外れた状態にならずに、段部の底面上に配置されているので、Oリング部を液密面に嵌め込む作業を容易に行うことができる。
【0040】
図8は本発明の第2実施形態にかかるバルーン装着用環状溝の他の構成を説明する図である。
本実施形態の環状溝31Aは、バルーン20の内部圧力が上昇することによって、Oリング部23がバルーン装着用環状溝31から外れることなくOリング部移動面上を移動することにより、バルーン20内の超音波伝達媒体40が排出溝35,36を通ってバルーン外に排出されることよって、バルーン20の破裂及び脱落を防止する一方、超音波伝達媒体40が排出されてバルーン20の内部圧力が低下したとき、Oリング部23の有する装着力によって、再び液密面32上にOリング部23が配置されて液密状態を保持する構成である。
【0041】
図に示すように本実施形態においては環状溝31の液密面32の前方側及び後方側に設けられている前方側段部33及び後方側段部34に、前方側平面33a及び後方側平面34aを形成する代わりに、前記液密面32から滑らかに傾斜して連続的に外周面からの深さ寸法が浅くなるように変化する前方側傾斜面33c及び後方側傾斜面34cを形成している。つまり、R面、前方側傾斜面33cで形成される前方側面部及びR面、後方側傾斜面34cで形成される後方側面部が、バルーン20の内部圧力が変化した際等にこのOリング部23が移動可能なOリング部移動面になっている。
【0042】
なお、図中R部を設けることなく、液密面32から直接、前記傾斜面33c,34cを形成する構成であってもよい。その他の構成は前記第1実施形態と同様であり、同部材には同符合を付して説明を省略する。
【0043】
このことにより、前記第1実施形態で説明したようにバルーン20内に超音波伝達媒体40が過剰に注入されたり或いは検査中に膨らんでいるバルーン20に過剰な外力が作用してバルーン20の内部圧力が上昇したとき、前記バルーン20のOリング部23がR面及び前方側傾斜面33c又はR面及び後方側傾斜面34cを矢印U方向に移動する。このため、前記第1実施形態と同様にバルーン20の内側及び外側に排出溝35,36の溝開口が位置することにより、バルーン20内に注入されていた超音波伝達媒体40が、この排出溝35,36を通ってバルーン20外に排出されて、バルーン20の破裂及び脱落を防止される。
【0044】
さらに、本実施形態においては超音波伝達媒体40が十分に排出された状態又は術者が超音波伝達媒体40の吸引を行ってバルーン20内の圧力が低下すると、バルーン20の収縮に伴い、拡開状態になっていたOリング部23の装着力によって開口径寸法が収縮していく。つまり、前記Oリング部23は、前記前方側傾斜面33c及びR面又は前記後方側傾斜面34c及びR面を矢印D方向に移動して、再び液密面32上に配置されて液密状態になる。
【0045】
なお、バルーン20のOリング部23が移動するにあたって、上述したように環状溝31の各稜には適切なR面取り部が設けられているのでバルーン20やOリング部23が傷ついたり、Oリング部の移動に支障を来すことがない。
【0046】
また、前記バルーン20のOリング部23の径寸法及び前記バルーン20のOリング部23の開口径寸法と環状溝31の液密面32の装着部径寸法との差及び液密面32に対するR面の段差、及び前方側傾斜面33c及び後方側傾斜面34cの傾斜角度を適宜設定することにより、前記バルーン20の最大膨張可能な径寸法を所望の大きさに設定可能である。
【0047】
このように、バルーン装着用環状溝を構成する段部に所定の傾斜角度の傾斜面を設けたことによって、前記第1実施形態の効果に加えて、排出溝を通してバルーン外に超音波伝達媒体を排出して、バルーン内の圧力が低下することにより、バルーンの収縮に伴ってOリング部が傾斜面を移動して液密面上に再び配置することができる。このことによって、超音波内視鏡を抜去してOリング部を液密面に嵌め直す作業が不要になる。つまり、超音波内視鏡を体腔内から抜去することなく、超音波伝達媒体の注入を行うことにより再びバルーンを膨張させて超音波検査を行える。
【0048】
なお、前記図8に示したように環状溝31の前方側段部33及び後方側段部34に、それぞれ傾斜面33c,34cを形成する代わりに、図9の環状溝の他の構成を示す図に示すように前記液密面32から滑らかに且つ連続的に外周面からの深さ寸法が浅くなるように変化する前方側凹曲面33d及び後方側凹局面34dを形成して環状溝31Bを構成してもよい。
【0049】
このとき、前記曲面33d,34dの半径寸法を、前記バルーン20のOリング部23の半径寸法より大きく設定している。また、前方側排出溝35及び後方側排出溝36の底面の位置を前記液密面32より所定の高さ寸法hだけ高い位置になるようにしている。このことにより、上述と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0050】
そして、この形態では前記前方側段部33及び後方側段部34に代えて、前方側凹曲面33dと前方側側面33bで構成した前方側面部38及び後方側凹局面34dと後方側側面34bとで構成した後方側面部39と呼ぶ。
【0051】
ここで、前記バルーン20のOリング部23の径寸法及び前記バルーン20のOリング部23の開口径寸法と環状溝31の液密面32の装着部径寸法との差及び凹曲面の半径寸法及び高さ寸法hを適宜設定することにより、前記バルーン20の最大膨張可能な径寸法を所望の大きさに設定可能である。
【0052】
また、前記環状溝31の前方側段部33及び後方側段部34に、それぞれ傾斜面33c,34cを形成する代わりに、図10の環状溝の別の構成を示す図に示すように前記液密面32から滑らかに且つ連続的に外周面からの深さ寸法が浅くなるように変化する前方側凸曲面33e及び後方側凸曲面34eを形成して環状溝31Bを構成するようにしてもよい。
【0053】
このことにより、上述した効果に加えて環状溝31の幅寸法を極力小さくすることができる。したがって、先端硬性部11の長さ寸法を短くして超音波内視鏡の操作性の向上を図れる。その他の作用及び効果は図8及び図9に示した実施形態と同様である。
【0054】
ここで、前記バルーン20のOリング部23の径寸法及び前記バルーン20のOリング部23の開口径寸法と環状溝31の液密面32の装着部径寸法との差及び凸曲面の半径寸法及び段差の高さ寸法を適宜設定することにより、前記バルーン20の最大膨張可能な径寸法を所望の大きさに設定可能である。
【0055】
なお、本実施形態においては超音波内視鏡1に前方セクタ走査型の超音波送受信部30を設けたものを記載しているが、超音波走査方式はラジアル走査型若しくはリニア走査型等どのような形式であってもよい。また、走査機構についても機械走査、電子走査のどちらであってもよい。
【0056】
図11ないし図14はラジアル走査型の超音波送受信部にバルーンを装着する実施形態にかかり、図11は超音波送受信部に形成されるバルーン装着用環状溝の構成を説明する図、図12はプローブに装着されるバルーンの構成を説明する図、図13はバルーン装着状態及びバルーン内の超音波伝達媒体が排出されている状態を説明する図、図14は気管チューブと超音波プローブとの関係及び作用を示す図である。
【0057】
図13(a)は超音波送受信部にバルーンを装着した状態を示す図、図13(b)はバルーン内から超音波伝達媒体が排出されている状態を示す図、図14(a)はバルーンが膨張した状態で気管チューブから超音波プローブを抜去する状態を示す図、図14(b)はバルーン内から超音波伝達媒体が排出されている状態を示す図である。
【0058】
図11に示すように本実施形態においては超音波内視鏡の先端硬性部11にはラジアル走査型の超音波送受信部30Aが設けられている。この超音波送受信部30Aには図12に示すバルーン20AのOリング部20a,20bを装着するため、先端部に先端側Oリング配置溝41が形成され、基端部に環状溝42が形成されている。
【0059】
前記先端側Oリング配置溝41は、断面形状が単純な略U字形状の溝であり、前記環状溝42は前記図10に示した環状溝31Bと略同一構造であり、本図においては排出溝35,36から段部を省いた形状にしている。
【0060】
図12に示すように本実施形態で使用するバルーン20Aは、両端が開口したチューブ状である。両端部にはOリング状に形成した先端側Oリング部20aと基端側Oリング部20bとが設けられている。前記先端側Oリング部20aの径寸法は、前記先端側Oリング配置溝41の幅寸法と略同一又はそれより小さく、前記基端側Oリング部20bの径寸法は上述した実施形態と同様、液密面32の幅寸法よりも小さく構成してある。
【0061】
なお、前記先端側Oリング部20aの径寸法及び開口径寸法と、基端側Oリング部20bの径寸法及び開口径寸法とは異なっていてもかまわないが略同一であることが望ましい。また、前記バルーン20Aの基端側Oリング部20bの開口径寸法は、先端側Oリング配置溝41の装着部径寸法より小さく、基端側Oリング部20bの開口径寸法は環状溝42の装着部径寸法よりも小さい。
【0062】
図13(a)に示すように術者がバルーン20A内に超音波伝達媒体40を注入していくとバルーン20Aが膨らんでいく。そして、このバルーン20A内にさらに超音波伝達媒体40を注入すると、二点鎖線に示すようにバルーン20Aがさらに膨張して内部圧力が上昇し、矢印に示すように外側に広げようとする力やOリング部20bを根元側へ押し付けようとする力が加わる。
【0063】
そして、前記バルーン20Aの内部圧力がある程度に達すると、図13(b)に示すように前記基端側Oリング部20bが拡張されて、前記基端側Oリング部20bが環状溝42の液密面32上から後方側凸曲面34e上に移動する。このことにより、バルーン20A内に注入されていた超音波伝達媒体40が後方側排出溝36を通ってバルーン外に排出されて、バルーン20Aの破裂及び脱落が防止される。
【0064】
その後、前記バルーン20A内の圧力が低下して基端側Oリング部20bに掛かっていた先端方向に引っ張る力と径方向に広げる力とが解除されるとともに、基端側Oリング部20bの装着力によって前記基端側Oリング部20bが再び液密面32に配置されて液密状態を保持する。
【0065】
次いで、超音波伝達媒体40の注入を行うことにより、体腔内から超音波内視鏡を抜去することなく、再びバルーン20Aを膨張させて超音波検査を行える。
一方、図14(a)に示すように気管チューブ50を使用して検査を行っていた際、誤って術者がバルーン20Aが膨張した状態の超音波内視鏡1を気管チューブ50から矢印に示すように抜去しようとした場合、バルーン20Aが気管チューブ50の先端面に当接する。
【0066】
このとき、バルーン20Aの基端側Oリング部20bには先端方向に引っ張る力と、径方向に広げようとする力とが加わる。そして、超音波内視鏡1を抜去しようとする力量がある程度に達すると、基端側Oリング部20bは環状溝42の液密面32上から前方側凸曲面33e上に移動する。
【0067】
このことにより、バルーン20A内に注入されていた超音波伝達媒体40が前方側排出溝35を通ってバルーン外に排出されて、バルーン20Aの破裂及び脱落を防止される。
【0068】
その後、術者が抜去動作を止めると、基端側Oリング部20bに掛かっていた先端方向に引っ張る力と径方向に広げる力とが解除されるとともに、基端側Oリング部20bの装着力によって前記基端側Oリング部20bが再び液密面32に配置されて液密状態を保持する。
なお、前記先端側Oリング部20aの径寸法及び開口径寸法と、基端側Oリング部20bの径寸法及び開口径寸法とを略同一に構成することにより、バルーン20Aに先端側/基端側の区別を付けることなく、上述した作用を得られる。
【0069】
ところで、挿入部10の先端硬性部11から突設する超音波送受信部30Aに配置した袋状のバルーン20に超音波伝達媒体を過剰に供給したとき、バルーンが破裂したり、超音波送受信部30Aから脱落することを以下に示す構成で防止するようにしてもよい。
【0070】
図15ないし図18はバルーン内の圧力が高くなることによって発生するバルーンの破裂や脱落を防止する超音波プローブにかかり、図15は超音波送受信部及びバルーンのOリング部を配置する溝部を説明する図、図16は超音波送受信部にバルーンを装着状態を示す図、図17はバルーン内の超音波伝達媒体をバルーン外に排出している状態を説明する図、図18(a)ないし図18(c)はバルーンのOリング部を配置する溝部の他の構成を説明する図である。
【0071】
図15(a)は長手方向断面図、図15(b)は図15(a)のB−B線断面図、図16(a)は長手方向断面図、図16(b)は図16(a)のC−C線断面図、図17(a)は長手方向断面図、図17(b)は図17(a)のD−D線断面図である。
【0072】
図15(a)に示すように本実施形態の前方セクタ走査型の超音波送受信部30の基端部にはバルーン20のOリング部23を嵌入配置するバルーン装着溝60が設けられている。このバルーン装着溝60は、溝幅が前記Oリング部23の径寸法と略同寸法に形成されており、底面61は前記Oリング部23と接した際に液密となる程度に滑らかな表面にされている。これに対して、前方側及び後方側の側面62,63にはOリング部23が接した場合でも液密を保持することがてきない程度に表面に梨地処理(図15(b)参照)や微細な凹凸が残る加工が施されている。
【0073】
また、図15(b)に示すようにバルーン装着溝60の底面61の断面形状は略円形形状であり、その一部に切り欠いて形成した平面部61bが1つ設けられている。つまり、底面61の断面形状は円形部61aと平面部61bとで形成されている。そして、この円形部61aと平面部61bとで形成される稜線には適切なR面取り部が設けられている。
【0074】
バルーン20のOリング部23をバルーン装着溝60に嵌め込む。すると、図16(b)に示すようにOリング部23の装着力によって底面61の円形部61a及び平面部61bに接して液密状態が保持される。したがって、バルーン20内へ図示しないバルーン管路から超音波伝達媒体40を供給することにより、図16(a)に示すようにバルーン20が膨張する。
【0075】
ここで、術者がバルーン20内への超音波伝達媒体40を供給を続けると、バルーン20がさらに膨張して、バルーン20には矢印に示すように外側へ広げようとする力が加わる。
【0076】
そして、バルーン20の内部圧力がある程度上昇すると、Oリング部23を外側に拡開させる力がOリング部23にかかる。このとき、バルーン装着溝60の底面61に設けられている平面部61bに対するOリング部23の密着力が円形部61aに対する密着力より弱いため、拡開させようとする内部圧力が平面部61bを締め付ける力より大きくなったとき、図17(a),(b)に示すように平面部61bに位置するOリング部23が底面61から離れて浮き上がった状態になって隙間65が形成される。
【0077】
このことによって、Oリング部23と底面61との液密状態が解除され、Oリング部23と側面62,63とが液密にならないことにより、超音波伝達媒体40が平面部61bのOリング部23が浮き上がった隙間65から外部へ流出し、バルーン20が収縮、若しくはそれ以上に膨張しなくなる。
【0078】
このように、バルーン装着溝の底面を円形部と平面部とで構成し、Oリング部の有する底面に対する密着力に変化を持たせることにより、密着力の弱い平面部でOリング部が隙間を形成して、バルーン内の超音波伝達媒体を外部に排出することができる。
【0079】
また、バルーン装着溝の幅寸法をバルーンのOリング部の径寸法と略同幅寸法で形成したことによって、先端硬性部の長さを短く構成することができる。このことによって、超音波内視鏡の操作性の向上を図れる。
【0080】
なお、本実施形態においてはバルーン装着溝60の底面61の円形部61aに1つの平面部61bを形成したものを示しているが、図18(a)に示すようにバルーン装着溝60の底面61に平面部61bを2箇所以上設ける構成であったり、図18(b)に示すように平面部61bを設ける代わりに円形部61aより曲率の大きな曲面部61cを設けたり、図18(c)に示すようにバルーン装着溝60の底面61の外形形状を楕円形部61dとするようにしてもよい。
【0081】
なお、バルーン20のOリング部23の径寸法及びバルーン20のOリング部23における開口径寸法とバルーン装着溝60の底面61の装着部径寸法との差、及び底面61の平面部61bの大きさ及び数、曲面とした場合の曲率を適宜設定することによってバルーン20の最大膨張可能な径寸法を所望の大きさに設定可能である。
【0082】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0083】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0084】
(1)超音波送受信部近傍の外周面に少なくとも1つのバルーン装着用環状溝を形成した超音波プローブと、このバルーン装着用環状溝に配置されるOリング状に形成したOリング部を少なくとも1つの開放端部を形成した超音波伝達媒体の注入、排出によって膨縮するバルーンとを備える超音波プローブシステムにおいて、
前記バルーン装着用環状溝は、前記Oリング部の外形寸法より幅広で、前記外周面から所定の深さ寸法で前記Oリング部が密着するように表面を滑らかに形成した底面である液密面と、この液密面から挿入方向の前方側及び後方側に形成され、前記外周面からの深さ寸法が外周面側にいくにしたがって段階的又は連続的に浅くなる前記Oリング部が移動可能なOリング部移動面と、このOリング部移動面に所定深さで形成され、一端が前記液密面近傍に位置して他端が前記外周面近傍に位置する排出溝とを具備する超音波プローブシステム。
【0085】
(2)前記Oリング部移動面の段階的に変化する段部稜線を滑らかな曲面で形成した付記1記載の超音波プローブシステム。
【0086】
(3)前記Oリング部移動面は、連続的に深さ寸法が浅くなる傾斜面である付記1記載の超音波プローブシステム。
【0087】
(4)前記Oリング部移動面は、連続的に深さ寸法が浅くなる凸形状若しくは凹形状の曲面である付記1記載の超音波プローブシステム。
【0088】
以上説明したように本発明によれば、超音波伝達媒体がバルーン内に過剰に注入されて内部圧力が所定以上に上昇した際に、Oリング部がOリング配置溝部から外れることなく過剰に注入された超音波伝達媒体をバルーン外に確実に排出して、バルーンの破裂を防止することができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図7は本発明の第1実施形態に係り、図1は超音波内視鏡システムの1構成例を説明する図
【図2】プローブに装着されるバルーンの構成を説明する図
【図3】超音波送受信部に形成されるバルーン装着用環状溝の構成を説明する図
【図4】バルーン装着用環状溝の構成を説明する拡大図
【図5】バルーン装着状態及び超音波伝達媒体注入状態を説明する図
【図6】バルーン装着用溝の1作用を説明する図
【図7】バルーン装着用溝の他の作用を説明する図
【図8】本発明の第2実施形態にかかるバルーン装着用環状溝の他の構成を説明する図
【図9】環状溝の他の構成を示す図
【図10】環状溝の別の構成を示す図
【図11】図11ないし図14はラジアル走査型の超音波送受信部にバルーンを装着する実施形態にかかり、図11は超音波送受信部に形成されるバルーン装着用環状溝の構成を説明する図
【図12】プローブに装着されるバルーンの構成を説明する図
【図13】バルーン装着状態及びバルーン内の超音波伝達媒体が排出されている状態を説明する図
【図14】気管チューブと超音波プローブとの関係及び作用を示す図
【図15】図15ないし図18はバルーン内の圧力が高くなることによって発生するバルーンの破裂や脱落を防止する超音波プローブにかかり、図15は超音波送受信部及びバルーンのOリング部を配置する溝部を説明する図
【図16】超音波送受信部にバルーンを装着状態を示す図
【図17】バルーン内の超音波伝達媒体をバルーン外に排出している状態を説明する図
【図18】バルーンのOリング部を配置する溝部の他の構成例を説明する図
【図19】従来の超音波プローブにバルーンを装着した状態及びバルーン内の超音波伝達媒体が排出されている状態を説明する図
【符号の説明】
30…超音波送受信部
31…バルーン装着用環状溝
32…液密面
33…前方側段部
33a…前方側平面
34…後方側段部
34a…後方側平面
35…前方側排出溝
36…後方側排出溝
Claims (2)
- 被検体に挿入するための先端硬性部と、
前記先端硬性部の先端に配置された超音波送受信部と、
前記先端硬性部および前記超音波送受信部との間に配置された溝であって、前記超音波送受信部を覆うバルーンの開放端部であるOリング部を嵌入配置するためのバルーン装着用環状溝と、を含む超音波プローブにおいて、
前記バルーン装着用環状溝は、
前記Oリング部を密着させるために表面を滑らかに形成した底面である液密面と、
前記液密面よりも浅く形成され、前記液密面および前記超音波送受信部の間、及び前記液密面および前記先端硬性部の間に形成され、前記液密面から離れるに従って段階的又は連続的に浅くなるOリング部移動面と、
前記Oリング移動面のうち前記超音波送受信部側の端部に形成され、前記先端硬性部の挿入軸方向に対して垂直な面である前方側側面と、
前記Oリング移動面のうち前記先端硬性部の端部に形成され、前記先端硬性部の挿入軸方向に対して垂直な面である後方側側面と、
前記液密面および前記超音波送受信部との間に配置された前記Oリング部移動面に所定深さで形成された溝である前方側排出溝と、
前記液密面および前記先端硬性部との間に配置された前記Oリング部移動面に所定深さで形成された溝である後方側排出溝と、を具備し、
前記前方側排出溝は、前記超音波送受信部に延出されて前記超音波送受信部の表面から前記液密面まで連通しており、
前記後方側排出溝は、前記先端硬性部に延出されて前記先端硬性部の表面から前記液密面まで連通していることを特徴とする超音波プローブ。 - 請求項1に記載の超音波プローブと、
前記超音波送受信部を覆うバルーンと、を備え、
前記バルーンの開放端部であるOリング部は、前記液密面の円周よりも細径であることを特徴とする超音波プローブシステム。
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