[go: up one dir, main page]

JP4577819B2 - 湿式不織布、湿式不織布の製造方法、及び電気二重層キャパシタ用セパレータ、リチウムイオン二次電池用セパレータ、並びに電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池 - Google Patents

湿式不織布、湿式不織布の製造方法、及び電気二重層キャパシタ用セパレータ、リチウムイオン二次電池用セパレータ、並びに電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP4577819B2
JP4577819B2 JP2004197234A JP2004197234A JP4577819B2 JP 4577819 B2 JP4577819 B2 JP 4577819B2 JP 2004197234 A JP2004197234 A JP 2004197234A JP 2004197234 A JP2004197234 A JP 2004197234A JP 4577819 B2 JP4577819 B2 JP 4577819B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
nonwoven fabric
wet nonwoven
wet
thermoplastic resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004197234A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005159283A (ja
Inventor
剛 小林
文紀 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Vilene Co Ltd filed Critical Japan Vilene Co Ltd
Priority to JP2004197234A priority Critical patent/JP4577819B2/ja
Publication of JP2005159283A publication Critical patent/JP2005159283A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4577819B2 publication Critical patent/JP4577819B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

Landscapes

  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
  • Cell Separators (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

本発明は湿式不織布、湿式不織布の製造方法、及び電気二重層キャパシタ用セパレータ、リチウムイオン二次電池用セパレータ、並びに電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池に関する。
従来から不織布は、繊維、繊維ウエブの形成方法、繊維ウエブの結合方法、及び後加工を適宜選択し、組み合わせることによって、各種特性をもつものを製造できるため、様々な用途に適用されている。
例えば、不織布の特性の1つである電気絶縁性能を利用した1つの用途として、電気二重層キャパシタのセパレータ用途がある。つまり、電気二重層キャパシタはイオン性溶液中に1対の電極が浸漬された構造を有し、電極に電圧を印加すると、電極と反対符号のイオンが電極の近傍に分布してイオンの層を形成する一方で、電極の内部にイオンと反対符号の電荷が蓄積される。そのため、電極間に負荷をつなげば、電極内部の電荷が放電されるとともに、電極近傍に分布していたイオンは電極近傍から離れて中和状態に戻る。このような電気二重層キャパシタにおいて、1対の電極同士が接触してしまうと、電極近傍においてイオンの層を形成することが困難になるため、1対の電極間にセパレータが配置されている。このセパレータは電極間の電気絶縁性を有することが第1の条件であるため、セパレータとして用いる不織布は繊維が均一に分散しており、しかも緻密な構造を有するのが好ましい。そのため、不織布を電気二重層キャパシタ用セパレータとして用いる場合には、湿式法により湿式繊維ウエブを形成した後に繊維同士を結合させた湿式不織布から構成されているのが好ましい。
このような湿式不織布からなる電気二重層キャパシタ用セパレータとして、「融点または熱分解温度が250℃以上で、平均繊維長0.3mm〜2mm、少なくとも一部が繊維径1μm以下にフィブリル化された液晶性高分子繊維を含有してなる湿式不織布であって、空隙率が68%〜85%である湿式不織布からなる電気二重層キャパシタ用セパレータ」が提案されている(特許文献1)。この電気二重層キャパシタ用セパレータは、実際にはポリエステル芯成分と変性ポリエステル鞘成分からなる芯鞘複合繊維を含む湿式繊維ウエブを形成した後に、加熱ドラムと接触させることによって製造している。このセパレータは、電気絶縁性能は優れているものの、芯鞘複合繊維が加圧融着していることによって皮膜が形成されているため、内部抵抗が高く、イオン透過性の悪いものであった。
このような湿式不織布からなる電気二重層キャパシタ用セパレータに対して、本願出願人は、「フィブリルを有する繊維と、繊度が0.45dtex(デシテックス)以下の細ポリエステル繊維とを含む、面密度が20〜40g/mで、厚さが30〜50μmで、見掛密度が0.5g/cmを越え、0.8g/cm以下の湿式不織布からなる電気二重層キャパシタ用セパレータ」を提案した(特許文献2)。この電気二重層キャパシタ用セパレータは、実際には湿式繊維ウエブを細ポリエステル繊維の融点よりも低い温度の熱カレンダーによって加熱加圧することによって製造していた。この電気二重層キャパシタ用セパレータは細ポリエステル繊維が溶融しておらず、皮膜を形成していないため、特許文献1の電気二重層キャパシタよりも内部抵抗が低く、イオン透過性に優れるものであったが、内部抵抗が更に低く、イオン透過性の更に優れる電気二重層キャパシタ用セパレータが待望されていた。
このような電気二重層キャパシタ用セパレータのように、繊維が均一に分散しており、しかも緻密な構造を有する湿式不織布は、分離性能、液体保持性能、払拭性、隠蔽性などの各種性能に優れているものの、逆に緻密な構造を有するが故にイオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等が悪く、各種用途に適用する場合に障害となる場合があった。例えば、上記電気二重層キャパシタ用セパレータ用途以外に、気体又は液体濾過材用途、リチウムイオン二次電池用セパレータ用途、アルカリ二次電池用セパレータ用途、積層板用基材用途、電極支持材用途、ワイピング材用途、医療用基材用途に適用する場合に、前記性能が劣るため適用できない場合があった。
特開2002−266281号公報(請求項1、請求項7、請求項12、実施例など) 特開2002−270471号公報(請求項1、請求項4、実施例など)
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等に優れ、各種用途に適用できる湿式不織布、湿式不織布の製造方法、及び内部抵抗が低く、イオン透過性に優れる電気二重層キャパシタ用セパレータ、リチウムイオン二次電池用セパレータ、並びに電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは前述のようなイオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等が良くない原因について追求したところ、湿式不織布の緻密な構造に加えて、繊維が加圧融着又は圧着していることによることを突き止めた。本発明はこの知見に基いてなされたもので、本発明の請求項1にかかる発明は、「融点又は炭化温度が300℃以上の樹脂からなる耐熱性繊維が、繊維交点に非繊維状態で凝固した、210℃以上、かつ耐熱性繊維の融点又は炭化温度よりも低い融点をもつ、熱可塑性樹脂繊維が溶融することで繊維形態を消滅してなる熱可塑性樹脂によって固定されていることを特徴とする湿式不織布」である。このように、非繊維状態で凝固した、熱可塑性樹脂繊維が溶融することで繊維形態を消滅してなる熱可塑性樹脂が繊維交点で耐熱性繊維を固定していることによって、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等を高めた湿式不織布である。つまり、繊維が加圧融着又は圧着した場合、繊維が押し潰されて皮膜を形成するため、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等が低くなるが、本発明の請求項1にかかる発明は、非繊維状態で凝固した、熱可塑性樹脂繊維が溶融することで繊維形態を消滅してなる熱可塑性樹脂が繊維交点で耐熱性繊維を固定し、皮膜を形成していないことによって、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等に優れている。
本発明の請求項2にかかる発明は、「熱可塑性樹脂が、繊維のように長く伸びる直線状又は曲線状の皮膜を形成しておらず、面ではなく点で耐熱性繊維を固定していることを特徴とする、請求項1記載の湿式不織布」である。本発明の湿式不織布は、耐熱性繊維が、その繊維交点において非繊維状態で凝固した熱可塑性樹脂によって固定されているため、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等に優れている。つまり、熱可塑性樹脂は繊維のように長く伸びる直線状又は曲線状の皮膜を形成しておらず、面ではなく点で固定した状態にあるため、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等に優れている。
本発明の請求項3にかかる発明は、「熱可塑性樹脂は湿式不織布の10〜60mass%を占めていることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の湿式不織布」である。熱可塑性樹脂量が前記範囲内にあると、機械的強度に優れているため取り扱いやすく、耐熱性にも優れているため、各種用途に適用できる湿式不織布である。
本発明の請求項4にかかる発明は、「熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の湿式不織布」である。熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂からなると、耐熱性に優れているため、各種用途に適用できる湿式不織布である。
本発明の請求項5にかかる発明は、「耐熱性繊維として、フィブリルを有する耐熱性繊維を含んでいることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の湿式不織布」である。フィブリルを有する耐熱性繊維を含んでいると、更に緻密な構造を有する湿式不織布であるため、電気絶縁性、分離性能、液体保持性能、払拭性、或いは隠蔽性などの各種性能により優れている。
本発明の請求項6にかかる発明は、「耐熱性繊維として、全芳香族ポリアミド繊維又は全芳香族ポリエステル繊維を含んでいることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の湿式不織布」である。全芳香族ポリアミド繊維又は全芳香族ポリエステル繊維は耐熱性に優れているため、耐熱性を必要とする用途に好適に使用できる。
本発明の請求項7にかかる発明は、「湿式不織布の目付が5〜25g/m 、厚さが10〜55μm、かつ見掛密度が0.32〜0.7g/cm であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の湿式不織布」である。湿式不織布がこのような物性を有すると、空隙が多いことによって、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等に優れている。
本発明の請求項8にかかる発明は、「湿式不織布の少なくとも一方向における引張り強さが10N/15mm幅以上であることを特徴とする、請求項7に記載の湿式不織布」である。見掛密度が比較的低いにもかかわらず、優れた引張り強さをもつため、取り扱い性に優れ、各種用途に適用できるものである。
本発明の請求項9にかかる発明は、「湿式不織布の目付が5〜25g/m かつ平均流量孔径が1.1μm以下であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の湿式不織布」である。このように、目付が低く、繊維絶対量が少ないにもかかわらず平均流量孔径の小さい、分離性能、液体保持性能、払拭性、隠蔽性などの各種性能に優れるものであるため、各種用途に好適に適用できるものである。
本発明の請求項10にかかる発明は、「ガラス繊維を含み、ガラス繊維も熱可塑性樹脂によって固定されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の湿式不織布」である。このように、ガラス繊維を含んでいると、加圧によって潰れにくく、空隙を維持できるため、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等に優れている。
本発明の請求項11にかかる発明は、「融点又は炭化温度が300℃以上の樹脂からなる耐熱性繊維と、210℃以上、かつ耐熱性繊維の融点又は炭化温度よりも低い融点をもつ熱可塑性樹脂繊維とを用いて湿式繊維ウエブを形成する湿式繊維ウエブ形成工程、この湿式繊維ウエブに対して無圧下で赤外線を照射することにより、前記熱可塑性樹脂繊維を溶融させて繊維形態を消滅させるとともに、溶融した熱可塑性樹脂を耐熱性繊維の交点に凝集させる凝集工程、前記湿式繊維ウエブにおける凝集した熱可塑性樹脂を無圧下で凝固させる凝固工程を備えていることを特徴とする、湿式不織布の製造方法」である。このように無圧下で赤外線を照射しているため、熱可塑性樹脂繊維に由来する熱可塑性樹脂を耐熱性繊維の交点に非繊維状態で凝集させ、凝固させることができ、皮膜を形成しないため、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等に優れる湿式不織布を製造することができる。
本発明の請求項12にかかる発明は、「無圧下で赤外線を照射して、熱可塑性樹脂繊維に由来する熱可塑性樹脂を、皮膜を形成することなく耐熱性繊維の交点に非繊維状態で凝集させることを特徴とする、請求項11記載の湿式不織布の製造方法」である。熱可塑性樹脂が、繊維のように長く伸びる直線状又は曲線状の皮膜を形成しておらず、面ではなく点で耐熱性繊維を固定した状態とすることができるため、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等に優れる湿式不織布を製造することができる。
本発明の請求項13にかかる発明は、「凝固工程の後に、熱可塑性樹脂繊維の軟化温度よりも低い温度におけるカレンダー工程を更に備えていることを特徴とする、請求項11又は請求項12記載の湿式不織布の製造方法」である。このカレンダー工程によって、厚さを調整することができるため、厚さの均一な湿式不織布を製造できる。
本発明の請求項14にかかる発明は、「熱可塑性樹脂繊維の繊度が0.45dtex以下であることを特徴とする、請求項11〜13のいずれかに記載の湿式不織布の製造方法」である。このように熱可塑性樹脂繊維が細いと、熱可塑性樹脂繊維が繊維形態でなくなることによる繊維分散の均一性を損なわず、また、湿式不織布全体にわたって均一に凝固した湿式不織布を製造することが容易である。
本発明の請求項15にかかる発明は、「熱可塑性樹脂繊維が、海島型繊維の海成分を除去することにより製造された島成分繊維、メルトブロー法により製造されたメルトブロー繊維、静電紡糸法により製造された静電紡糸繊維の群の中から選ばれる繊維からなることを特徴とする、請求項14記載の湿式不織布の製造方法」である。このような熱可塑性樹脂繊維はより小さい繊度であることができるため、熱可塑性樹脂繊維が繊維形態でなくなることによる繊維分散の均一性を損なわず、また、湿式不織布全体にわたって均一に凝固することができるため、平均流量孔径の小さい湿式不織布を製造することが容易である。
本発明の請求項16にかかる発明は、「湿式繊維ウエブ形成工程において、更にガラス繊維を用いて湿式繊維ウエブを形成することを特徴とする、請求項11〜15のいずれかに記載の湿式不織布の製造方法。」である。このようにガラス繊維を用いることによって、加圧によって潰れにくく、空隙を維持できる、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等に優れる湿式不織布を製造することが容易である。
本発明の請求項17にかかる発明は、「請求項1〜10のいずれかに記載の湿式不織布からなる電気二重層キャパシタ用セパレータ」である。この電気二重層キャパシタ用セパレータは、内部抵抗が低く、イオン透過性に優れている。
本発明の請求項18にかかる発明は、「請求項1〜10のいずれかに記載の湿式不織布からなるリチウムイオン二次電池用セパレータ」である。このリチウムイオン二次電池用セパレータは、内部抵抗が低く、イオン透過性に優れているため、ハイレート特性に優れるリチウムイオン二次電池を製造することができる。また、耐熱性繊維が比較的耐熱性に優れる熱可塑性樹脂によって固定されており、温度が180℃を超えるような高温になったとしても、孔が開いたり、収縮しないため、電極同士の接触による短絡を生じにくいリチウムイオン二次電池を製造することができる。
本発明の請求項19にかかる発明は、「請求項1〜10のいずれかに記載の湿式不織布をセパレータとして用いた電気二重層キャパシタ」である。この電気二重層キャパシタは容量が大きく、一定体積におけるエネルギー密度が高いものである。
本発明の請求項20にかかる発明は、「請求項1〜10のいずれかに記載の湿式不織布をセパレータとして用いたリチウムイオン二次電池」である。このリチウムイオン二次電池はハイレート特性に優れ、また、温度が180℃を超えるような高温になったとしても、短絡を生じにくいものである。
本発明の湿式不織布は、湿式不織布の基本的な性能である電気絶縁性能、分離性能、液体保持性能、払拭性、或いは隠蔽性等に優れているばかりでなく、相反する性能であるイオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等に優れているため、各種用途に使用できるものである。
本発明の湿式不織布の製造方法によれば、電気絶縁性能、分離性能、液体保持性能、払拭性、或いは隠蔽性等に優れているばかりでなく、相反する性能であるイオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等に優れている湿式不織布を製造できる。
本発明の電気二重層キャパシタ用セパレータは、内部抵抗が低く、イオン透過性に優れる電気二重層キャパシタを製造できる。
本発明の電気二重層キャパシタは容量が大きく、一定体積におけるエネルギー密度が高いものである。
本発明のリチウムイオン二次電池はハイレート特性に優れ、また、温度が180℃を超えるような高温になったとしても、短絡を生じにくいものである。
本発明の湿式不織布は、耐熱性に優れ、各種用途に適用できるように、融点又は炭化温度が300℃以上の樹脂からなる耐熱性繊維を含んでいる。より具体的には、「融点が300℃以上の樹脂」として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイドなどを挙げることができ、また、「炭化温度が300℃以上の樹脂」としては、メタ系全芳香族ポリアミド、パラ系全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリエーテルアミド、ポリベンズイミダゾール、全芳香族ポリエステルなどを挙げることができる。これらの中でも、全芳香族ポリアミド(メタ系全芳香族ポリアミド、パラ系全芳香族ポリアミド)又は全芳香族ポリエステルは、耐熱性に優れているため好適である。この好適である全芳香族ポリアミド耐熱性繊維及び/又は全芳香族ポリエステル耐熱性繊維は、耐熱性に優れているように、耐熱性繊維の50mass%以上を占めているのが好ましく、耐熱性繊維の70mass%以上を占めているのがより好ましく、耐熱性繊維の90mass%以上を占めているのが更に好ましく、耐熱性繊維の100mass%を占めているのが最も好ましい。なお、本発明における「融点」は、JIS K 7121に規定されている示差熱分析により得られる示差熱分析曲線(DTA曲線)から得られる温度をいい、「炭化温度」は、JIS K 7120に規定されている熱重量測定により得られる温度をいう。
特に、このような耐熱性繊維を用いた湿式不織布を電気二重層キャパシタ用のセパレータとして使用した場合に好適である。例えば、有機電解液を使用する電気二重層キャパシタは個々の材料(例えば、集電極、電極、セパレータなど)が水分を含んでいると、耐電圧の高い電気二重層キャパシタやエネルギー密度の高い電気二重層キャパシタを製造することが困難であるため、個々の材料を十分に乾燥する必要があるが、このような耐熱性繊維を用いた湿式不織布からなる電気二重層キャパシタ用セパレータ、集電極、及び電極を組み立てた後に、温度150℃以上の温度で同時に乾燥することができるため、耐電圧の高い電気二重層キャパシタやエネルギー密度の高い電気二重層キャパシタを容易に製造することができる。
また、このような耐熱性繊維を用いた湿式不織布をリチウムイオン二次電池用のセパレータとして使用した場合に好適である。例えば、電池の外部短絡等により異常な大電流が流れ、電池温度が180℃を超えるような温度まで上昇した場合であっても、セパレータである湿式不織布を構成する耐熱性繊維の存在により、セパレータ(湿式不織布)の幅方向における熱収縮が抑制され、電極の露出による短絡を効果的に防止できる、という効果を奏する。
このような耐熱性繊維として、フィブリルを有する耐熱性繊維を含んでいるのが好ましい。フィブリルを有する耐熱性繊維を含んでいることによって、更に緻密な構造を有する湿式不織布であることができ、電気絶縁性、分離性能、液体保持性能、払拭性、隠蔽性などの各種性能により優れているためである。このようなフィブリルを有する耐熱性繊維はその含有比率が高ければ高い程、各種性能に優れているため、耐熱性繊維の50mass%以上がフィブリルを有する耐熱性繊維からなるのが好ましく、耐熱性繊維の70mass%以上がフィブリルを有する耐熱性繊維からなるのがより好ましく、耐熱性繊維の90mass%以上がフィブリルを有する耐熱性繊維からなるのが更に好ましく、耐熱性繊維がフィブリルを有する耐熱性繊維のみからなるのが最も好ましい。なお、「フィブリルを有する耐熱性繊維」とは、機械的剪断力などによって、1本の耐熱性繊維から無数の微細繊維(フィブリル)が発生した耐熱性繊維をいう。
このような耐熱性繊維のうち、フィブリル化していない耐熱性繊維の繊度は緻密な構造をもつ湿式不織布であるように、0.3dtex以下であるのが好ましく、0.1dtex以下であるのがより好ましい。他方、フィブリル化した耐熱繊維のろ水度は緻密な構造をもつ湿式不織布であるように、300mlCSF以下であるのが好ましく、200mlCSF以下であるのがより好ましく、100mlCSF以下であるのが更に好ましい。なお、フィブリル化した耐熱繊維のろ水度は50mlCSF以上であるのが好ましい。本発明における「繊度」はJIS L 1015に規定されているA法により得られる値をいい、「ろ水度」はJIS P8121 カナダ標準ろ水度試験機により測定した値をいう。
なお、上述のような繊度をもつフィブリル化していない耐熱性繊維は、例えば、耐熱性繊維と同じ樹脂成分からなる島成分を備えた海島型繊維の海成分を抽出除去することによって得ることができる。また、上述のようなろ水度をもつフィブリル化した耐熱性繊維は、例えば、リファイナー、パルパー、ビーター、ミル、或いは高圧ホモジナイザーによりフィブリル化して、又はフィブリル化を促進させて得ることができる。
このような耐熱性繊維は耐熱性に優れているように、湿式不織布中、40mass%以上含まれているのが好ましく、50mass%以上含まれているのがより好ましく、60mass%以上含まれているのが更に好ましい。他方、後述の熱可塑性樹脂との関係から、90mass%以下であるのが好ましく、80mass%以下であるのがより好ましい。なお、耐熱性繊維は樹脂組成、フィブリルの有無、繊度、又は濾水度の点で異なる2種類以上の耐熱性繊維を含んでいても良い。2種類以上の耐熱性繊維を含んでいる場合には、その合計質量が前記範囲内にあるのが好ましい。
本発明の湿式不織布においては、上述の耐熱性繊維に加えて、ガラス繊維を含んでいることができる。このようなガラス繊維を含んでいることによって、加圧によって潰れにくく、空隙を維持できる湿式不織布であることができるため、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等に優れている。
このようなガラス繊維の繊維径(円形断面に換算した値)は特に限定するものではないが、緻密な構造を有する湿式不織布であることができ、電気絶縁性、分離性能、液体保持性能、払拭性、隠蔽性などの各種性能に優れているように、3μm以下であるのが好ましく、2μm以下であるのがより好ましく、1μm以下であるのが更に好ましい。他方、抄紙性を考慮すると、0.001μm以上であるのが好ましく、0.01μm以上であるのがより好ましい。また、ガラス繊維の繊維長は湿式不織布を製造できる長さであれば良く、特に限定するものではないが、0.1〜15mmであるのが好ましく、0.1〜10mmであるのがより好ましく、0.1〜5mmであるのが更に好ましい。
このように繊維径の小さいガラス繊維は、例えば、静電紡糸法により製造することができる。より具体的には、特開2003−73964号に開示されている方法により製造することができる。つまり、(1)テトラエトキシシランを主体とするゾル溶液を形成する工程、(2)前記ゾル溶液をノズルから押し出すとともに、押し出したゾル溶液に電界を作用させることにより細くして、ゲル状細繊維を形成し、支持体上にゲル状細繊維を集積させる工程、(3)前記集積させたゲル状細繊維を乾燥して、乾燥ゲル状細繊維を形成する工程、及び(4)前記乾燥ゲル状細繊維を焼結する工程、によってガラス繊維を製造することができる。
なお、このような静電紡糸法によって製造したガラス繊維は一般的に繊維が連続した長繊維であるため、湿式不織布を形成できるように、ゲル状細繊維、乾燥ゲル状細繊維、或いはガラス繊維を切断するのが好ましい。また、静電紡糸法によって製造したゲル状細繊維をコンベアなど支持体上に集積させると、ゲル状細繊維同士が接着した状態となりやすく、また、焼結することによっても接着した状態となりやすいため、焼結後(好ましくは切断した後)に、水中に投入し、リファイナー、パルパー、ビーター、ミル、或いは高圧ホモジナイザー等で個々のガラス繊維に分離させるのが好ましい。なお、このようにリファイナー、パルパー、ビーター、ミル、或いは高圧ホモジナイザー等を使用することによって、ガラス繊維を切断することもできる。
このようなガラス繊維の湿式不織布全体における質量比率は、加圧によって潰れにくく、空隙を維持でき、また、湿式不織布の形態安定性に優れているように、5〜50mass%であるのが好ましく、10〜40mass%であるのがより好ましい。
なお、このようなガラス繊維を含む湿式不織布は電気二重層キャパシタ用セパレータとして好適に使用することができる。ガラス繊維を含んでいることによって、水系電解液、有機系電解液のいずれに対しても、湿式不織布の親和性が増し、内部抵抗を下げる効果があるためである。
本発明の湿式不織布は、前述のような耐熱性繊維(ガラス繊維を含む場合はガラス繊維も)が、その繊維交点において非繊維状態で凝固した熱可塑性樹脂によって固定されているため、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等に優れている。つまり、熱可塑性樹脂は繊維のように長く伸びる直線状又は曲線状の皮膜を形成しておらず、面ではなく点で固定した状態にあるため、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等に優れている。このように、「非繊維状態」とは熱可塑性樹脂が連続した皮膜を形成していないことを意味する。このような状態は、湿式不織布表面における電子顕微鏡写真によって確認することができる。また、熱カレンダー等によって熱と圧力を同時に作用させ、繊維を融着又は圧着させた場合には、非繊維状態とすることは困難である。
また、熱可塑性樹脂は湿式不織布の厚さ方向において、偏在していないのが好ましい。偏在していないことによって、熱可塑性樹脂量が同じであれば、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等に優れているためである。このような状態はエマルジヨン型接着剤によって耐熱性繊維(ガラス繊維を含む場合はガラス繊維も)を接着した場合には困難である。つまり、エマルジョン型接着剤で接着するために乾燥した場合、液体(通常水)の揮発に伴って接着剤も湿式不織布表面へ移動(いわゆるマイグレーション)するためである。
この熱可塑性樹脂は、耐熱性に優れているように、200℃以上(好ましくは210℃以上、より好ましくは220℃以上)の融点をもち、しかも耐熱性繊維の繊維形態を維持し、結果として湿式不織布の形態を維持できるように、耐熱性繊維の融点又は炭化温度よりも低い融点(好ましくは20℃以上低い融点、より好ましくは30℃以上低い融点)をもっている。このような熱可塑性樹脂は耐熱性繊維の種類によって変化するため特に限定するものではないが、200℃以上の融点をもつ熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂などを挙げることができる。これらの中でも、耐熱性に優れているポリエステル樹脂が好適である。
このような熱可塑性樹脂は湿式不織布の機械的強度に優れているように、湿式不織布の10mass%以上を占めているのが好ましく、20mass%以上占めているのがより好ましい。他方、耐熱性繊維(ガラス繊維を含む場合はガラス繊維も)との関係から、60mass%以下占めているのが好ましく、50mass%以下占めているのがより好ましく、40mass%以下占めているのが更に好ましい。なお、熱可塑性樹脂は樹脂組成の点で異なる2種類以上の熱可塑性樹脂を含んでいても良い。2種類以上の熱可塑性樹脂を含んでいる場合には、その合計質量が前記範囲内にあるのが好ましい。
本発明の湿式不織布は前述のような耐熱性繊維(ガラス繊維を含む場合はガラス繊維も)の交点に、熱可塑性樹脂が非繊維状態で凝固したものであるが、その状態は通気度に反映される。つまり、皮膜を形成していると、通気性が低くなり、本発明のように皮膜が形成されていないと、通気性が高くなるのである。より具体的には、本発明の湿式不織布の通気度は120s/100ml以下であるのが好ましく、100s/100ml以下であるのがより好ましい。この「通気度」はJIS P8111に規定するガーレー試験機(B型)に、直径5mmのアダプターを装着した状態で測定した値をいう。
本発明の湿式不織布は、目付が5〜25g/m、厚さが10〜55μm、かつ見掛密度が0.32〜0.7g/cmであるのが好ましい。湿式不織布がこのような物性を同時に満足すると、空隙が多いことによって、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等に優れているためである。つまり、湿式不織布の目付が5g/m未満であると、湿式不織布の均一性が損なわれる傾向があり、25g/mを越えると、厚さが厚くなりやすく、湿式不織布の利点を生かすことができない傾向があるためで、より好ましい目付は10〜25g/mであり、更に好ましい目付は15〜20g/mである。また、湿式不織布の厚さが10μm未満であると、基本的性能である電気絶縁性能、分離性能、液体保持性能、払拭性、隠蔽性などの各種性能が悪くなる傾向にあり、厚さが55μmを越えると、湿式不織布の利点を生かすことができない傾向があるためで、より好ましい厚さは17〜55μmであり、更に好ましい厚さは20〜50μmである。更に、湿式不織布の見掛密度が0.32g/cm未満であると、機械的強度が弱くなり、取り扱いにくくなる傾向があり、見掛密度が0.7g/cmを越えると、緻密な構造となりすぎて、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等が悪くなる傾向があるためで、より好ましい見掛密度は0.35〜0.6g/cmであり、更に好ましい見掛密度は0.35〜0.55g/cmである。この「目付」はJIS P 8124(紙及び板紙−坪量測定方法)に規定する方法に基いて得られる坪量をいい、「厚さ」はJIS B 7502に規定する方法による測定値、すなわち、5N荷重時の外側マイクロメーターによる測定値をいい、更に、「見掛密度(D、単位:g/cm)」は目付(W、単位:g/cm)を厚さ(T、単位:cm)で除した商、つまり、次の式から得られる値をいう。
D=W/T
なお、本発明の湿式不織布は上述のような目付、厚さ、見掛密度を有する空隙の多いものであるにもかかわらず、少なくとも一方向における引張り強さが10N/15mm幅以上(より好ましくは11N/15mm幅以上)の引張り強さが高く、取り扱いやすいものであるのが好ましい。このような引張り強さをもつ方向はどの方向であっても良いが、湿式不織布はその長手方向に対して張力をかけながら取り扱う場合が多いため、湿式不織布の長手方向における引張り強さが10N/15mm幅以上であるのが好ましい。なお、「引張り強さ」は、湿式不織布から長方形の試料(幅:15mm、長さ:200mm)を採取した後に、JIS P−8113に準じて測定した引張り強度をいう。
本発明の湿式不織布は、目付が5〜25g/mかつ平均流量孔径が1.1μm以下であるのが好ましい。このように、目付が低く、繊維絶対量が少ないにもかかわらず平均流量孔径が小さいということは、耐熱性繊維(ガラス繊維を含む場合もある)が均一に分散していることを意味し、分離性能、液体保持性能、払拭性、隠蔽性などの各種性能に優れ、各種用途に適用できるためである。より好ましくは、目付が5〜25g/mかつ平均流量孔径が1μm以下である。なお、「平均流量孔径」は、ASTM−F316に規定されている方法により得られる値をいい、例えば、ポロメータ(Polometer、コールター(Coulter)社製)を用いて、バブルポイント法により測定できる。
本発明の湿式不織布は、湿式不織布の基本的な性能である電気絶縁性能、分離性能、液体保持性能、払拭性、或いは隠蔽性等に優れているばかりでなく、相反する性能であるイオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等にも優れているため、各種用途に使用できるものである。例えば、電気二重層キャパシタ用セパレータ用途、リチウムイオン二次電池用セパレータ用途、アルカリ二次電池用セパレータ用途、気体又は液体濾過材用途、積層板用基材用途、電極支持材用途、ワイピング材用途、医療用基材用途、電子写真装置における定着ロールのクリーニングシート用途、などに好適に使用することができる。
特に、本発明の湿式不織布を電気二重層キャパシタ用セパレータとして用いた場合には、(1)目付が低く、厚さが薄いにもかかわらず、電気絶縁性に優れているため、漏れ電流が発生しにくい安定した電気二重層キャパシタを製造することができる、(2)機械的強度が高いため、電気二重層キャパシタ製造時等における取り扱い性に優れており、ラウンド型の電気二重層キャパシタも製造しやすい、(3)耐熱性繊維(ガラス繊維を含む場合はガラス繊維も)の交点に非繊維状態で熱可塑性樹脂が凝固していることによって空隙が多く、イオン透過性に優れているため、内部抵抗が低く、容量の大きい電気二重層キャパシタを製造できる、(4)目付が低く、厚さが薄い湿式不織布からなるため、一定体積におけるエネルギー密度の高い電気二重層キャパシタを製造できる、(5)耐熱性に優れているため、電気二重層キャパシタ用セパレータ、集電極、及び電極を組み立てた後に、一緒に乾燥できるため、耐電圧の高い電気二重層キャパシタやエネルギー密度の高い電気二重層キャパシタを製造しやすい、など、様々な効果を奏するため、本発明の湿式不織布は電気二重層キャパシタ用セパレータとして好適に使用できる。
なお、本発明の湿式不織布を電気二重層キャパシタ用セパレータとして使用する場合には、見掛密度が0.32〜0.7g/cmであるのが好ましい。見掛密度が0.32g/cm未満であると、機械的強度が弱くなり、取り扱いにくくなる傾向があり、見掛密度が0.7g/cmを越えると、緻密な構造となりすぎて、イオン透過性が悪くなり、容量の大きい電気二重層キャパシタを製造するのが困難になる傾向があるためで、より好ましくは0.35〜0.65g/cmである。
また、本発明の湿式不織布をリチウムイオン二次電池用セパレータとして用いた場合には、内部抵抗が低く、イオン透過性に優れているため、ハイレート特性に優れるリチウムイオン二次電池を製造することができる。そのため、このリチウムイオン二次電池は電動バイクや工具などのパワーを必要とする用途の電池として好適に使用できる。また、耐熱性繊維が比較的耐熱性に優れる熱可塑性樹脂によって固定されており、温度が180℃を超えるような高温になったとしても、セパレータ(湿式不織布)に孔が開いたり、収縮せず、電極同士の接触による短絡を生じにくい、安全性の高いリチウムイオン二次電池を製造することができる。
なお、本発明の湿式不織布をリチウムイオン二次電池用セパレータとして使用する場合には、見掛密度が0.5〜0.7g/cmであるのが好ましい。見掛密度が0.5g/cm未満であると、脱落した電極活物質がセパレータを貫通したり、機械的強度が弱くなり、取り扱いにくくなる傾向がある。他方、見掛密度が0.7g/cmを越えると、緻密な構造となりすぎて、イオン透過性が悪くなり、ハイレート特性に優れるリチウムイオン二次電池を製造するのが困難になる傾向があるためで、より好ましくは0.55〜0.7g/cmである。
本発明の湿式不織布は、例えば、融点又は炭化温度が300℃以上の樹脂からなる耐熱性繊維と、200℃以上、かつ耐熱性繊維の融点又は炭化温度よりも低い融点をもつ熱可塑性樹脂繊維とを用いて湿式繊維ウエブを形成する湿式繊維ウエブ形成工程、この湿式繊維ウエブに対して無圧下で赤外線を照射することにより、前記熱可塑性樹脂繊維を溶融させて繊維形態を消滅させるとともに、溶融した熱可塑性樹脂を耐熱性繊維の交点に凝集させる凝集工程、前記湿式繊維ウエブにおける凝集した熱可塑性樹脂を無圧下で凝固させる凝固工程、によって製造することができる。この製造方法によれば、無圧下で赤外線を照射して、熱可塑性樹脂繊維に由来する熱可塑性樹脂を、皮膜を形成することなく耐熱性繊維の交点に非繊維状態で凝集させ、凝固させることができるため、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性等に優れる前述のような湿式不織布を製造することができる。
湿式繊維ウエブ形成工程においては、まず、前述のような耐熱性繊維と200℃以上、かつ耐熱性繊維の融点又は炭化温度よりも低い融点をもつ熱可塑性樹脂繊維とを用意する。前述の通り、耐熱性繊維はフィブリルを有するものであっても、有さないものであっても良いが、フィブリルを有するのが好ましい。また、後者の熱可塑性樹脂繊維は湿式不織布において耐熱性繊維の交点で非繊維状態で凝固した熱可塑性樹脂のもととなるため、熱可塑性樹脂繊維は前述のような熱可塑性樹脂からなる繊維である。
熱可塑性樹脂繊維の繊度は0.45dtex以下であるのが好ましい。これは、熱可塑性樹脂繊維は後述のように繊維形態を消滅させて耐熱性繊維の交点で凝集し、凝固するが、熱可塑性樹脂繊維が細ければ、熱可塑性樹脂繊維が繊維形態でなくなることによる繊維分散の均一性を損なわず、また、湿式不織布全体にわたって均一に凝固した湿式不織布を製造することができるためで、より好ましい繊度は0.35dtex以下であり、更に好ましい繊度は0.25dtex以下であり、最も好ましい繊度は0.15dtex以下である。熱可塑性樹脂繊維の繊度の下限は特に限定するものではないが、0.00000001dtex程度であるのが好ましく、0.0000001dtex程度であるのがより好ましく、0.00001dtex程度であるのが更に好ましく、0.001dtex程度であるのが更に好ましく、0.01dtex程度であるのが更に好ましい。
上述のように、熱可塑性樹脂繊維の繊度は0.45dtex以下であるのが好ましいが、このような熱可塑性樹脂繊維が、例えば、海島型繊維の海成分を除去することにより製造された島成分繊維、メルトブロー法により製造されたメルトブロー繊維、静電紡糸法により製造された静電紡糸繊維の群の中から選ばれる繊維からなると、より小さい繊度であることができるため、熱可塑性樹脂繊維が繊維形態でなくなることによる繊維分散の均一性を損なわず、また、湿式不織布全体にわたって均一に凝固することができ、平均流量孔径の小さい湿式不織布を製造しやすいため好適である。
より具体的には、海島型繊維の海成分を除去することにより製造された島成分繊維は繊度0.1dtex以下であることができ、好ましくは0.05dtex以下であることができる。なお、島成分繊維の繊度の下限は0.0000001dtex程度が適当である。
なお、島成分繊維は熱可塑性樹脂繊維の一態様であり、湿式不織布において耐熱性繊維の交点で非繊維状態で凝固した熱可塑性樹脂のもととなるため、島成分繊維を構成する樹脂は前述のような熱可塑性樹脂(例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂など)からなる。
このような島成分繊維は、島成分繊維を構成する樹脂を島成分とし、この島成分を除去できない溶媒によって除去できる樹脂を海成分とする海島型繊維を用意し、この海島型繊維の海成分を前記溶媒で除去することによって製造することができる。例えば、熱可塑性樹脂繊維を構成する樹脂として好適なポリエステル、つまりポリエステルからなる島成分繊維は、例えば、ポリスチレンからなる海成分中に、ポリエステルからなる島成分を備えた海島型繊維を常法の複合紡糸法により製造した後、ジメチルホルムアミド(DMF)中に浸漬して、海成分であるポリスチレンを抽出除去して、ポリエステルからなる島成分繊維を製造することができる。
別の熱可塑性樹脂繊維として、メルトブロー法により製造されたメルトブロー繊維を使用することができる。このメルトブロー繊維はメルトブロー法により製造されたもの、つまり、ダイから溶融押し出しした樹脂に対して空気などの気体を吹きつけて細径化したものであるため、メルトブロー繊維の繊度はバラツキが比較的大きい。しかしながら、メルトブロー繊維の平均繊度(メルトブロー繊維100本の算術平均値)は0.3dtex以下であることができ、好ましくは0.05dtex以下であることができる。なお、メルトブロー繊維の平均繊度の下限は0.0001dtex程度が適当である。
なお、メルトブロー繊維も熱可塑性樹脂繊維の一態様であり、湿式不織布において耐熱性繊維の交点で非繊維状態で凝固した熱可塑性樹脂のもととなるため、メルトブロー繊維を構成する樹脂は前述のような熱可塑性樹脂(例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂など)からなる。
このようなメルトブロー繊維は常法のメルトブロー法によって製造することができる。なお、メルトブロー法によって製造したメルトブロー繊維をコンベアなど捕集体上に集積させると、メルトブロー繊維同士が融着した状態となりやすいため、集積した後に、水中に投入し、リファイナー、パルパー、ビーター、ミル、或いは高圧ホモジナイザー等で個々のメルトブロー繊維に分離させるのが好ましい。
更に別の熱可塑性樹脂繊維として、静電紡糸法により製造された静電紡糸繊維を使用することができる。この静電紡糸繊維の繊度は0.01dtex以下であることができ、好ましくは0.007dtex以下であることができる。なお、静電紡糸繊維の繊度の下限は0.00000001dtex程度が適当である。
なお、静電紡糸繊維も熱可塑性樹脂繊維の一態様であり、湿式不織布において耐熱性繊維の交点で非繊維状態で凝固した熱可塑性樹脂のもととなるため、静電紡糸繊維を構成する樹脂は前述のような熱可塑性樹脂(例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂など)からなる。
このような静電紡糸繊維は常法の静電紡糸法によって製造することができる。なお、静電紡糸法によって製造した静電紡糸繊維は一般的に繊維が連続した長繊維であるため、湿式不織布を形成できるように、コンベアなどの捕集体上に集積させた後に、切断するのが好ましい。また、静電紡糸法によって製造した静電紡糸繊維をコンベアなど捕集体上に集積させると、静電紡糸繊維同士が融着した状態となりやすいため、集積した後(好ましくは切断した後)に、水中に投入し、リファイナー、パルパー、ビーター、ミル、或いは高圧ホモジナイザー等で個々の静電紡糸繊維に分離させるのが好ましい。このようにリファイナー、パルパー、ビーター、ミル、或いは高圧ホモジナイザー等を使用することによって、静電紡糸繊維を切断することもできる。
なお、熱可塑性樹脂繊維の繊維長は特に限定されるものではないが、湿式不織布のもととなる湿式繊維ウエブを形成しやすいように、1〜25mmであるのが好ましく、3〜20mmであるのがより好ましい。本発明における繊維長はJIS L 1015のB法(補正ステープルダイヤグラム法)により得られる長さをいう。
このような耐熱性繊維と熱可塑性樹脂繊維との比率は、前述の通り、(耐熱性繊維):(熱可塑性樹脂繊維)=40〜90:60〜10であるのが好ましく、(耐熱性繊維):(熱可塑性樹脂繊維)=50〜80:50〜20であるのがより好ましく、(耐熱性繊維):(熱可塑性樹脂繊維)=60〜80:40〜20であるのが更に好ましい。
このような耐熱性繊維と熱可塑性樹脂繊維とを用いて湿式繊維ウエブを形成する方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法で形成できる。例えば、水平長網方式、傾斜ワイヤー型短網方式、円網方式、順流円網・逆流円網コンビネーション方式、順流円網・円網フォーマーコンビネーション方式、逆流円網・円網フォーマーコンビネーション方式、短網・円網コンビネーション方式、又は長網・円網コンビネーション方式等の方法によって形成できる。
なお、繊維配向が同じ又は異なる湿式繊維ウエブを2枚以上積層した、積層湿式繊維ウエブ(特には、隣接する繊維ウエブの繊維配向が異なる積層湿式ウエブ)を形成するのが好ましい。このような積層湿式繊維ウエブは電気絶縁性能、分離性能、液体保持性能、払拭性、隠蔽性などの各種性能が更に優れる湿式不織布を製造できるためである。より具体的には、同じ種類の網によって抄造した湿式繊維ウエブを積層したり、異なる種類の網(例えば、短網と円網、長網と円網)によって抄造した湿式繊維ウエブを積層して積層湿式繊維ウエブを製造することができ、異なる種類の網によって抄造した湿式繊維ウエブを積層すると、繊維配向の異なる積層湿式繊維ウエブを形成できる。また、抄き上げた湿潤状態の湿式繊維ウエブを乾燥する際には、熱可塑性樹脂繊維が溶融しない温度で乾燥するのが好ましい。
次いで、凝集工程を実施する。この凝集工程は湿式繊維ウエブに対して無圧下で赤外線を照射することにより、前記熱可塑性樹脂繊維を溶融させて繊維形態を消滅させるとともに、溶融した熱可塑性樹脂を耐熱性繊維の交点に凝集させる工程である。そのため、熱可塑性樹脂繊維に由来する熱可塑性樹脂の皮膜が形成されることなく、熱可塑性樹脂は耐熱性繊維の交点で凝集する。つまり、赤外線(特に波長が5.6〜1000μmの遠赤外線が好ましい)を照射すると、湿式繊維ウエブの外側に存在する繊維(耐熱性繊維及び熱可塑性樹脂繊維)の表面及び内部ばかりでなく、湿式繊維ウエブの内側に存在する繊維(耐熱性繊維及び熱可塑性樹脂繊維)の表面及び内部も均一に加熱することができるため、瞬時に熱可塑性樹脂繊維が溶融して繊維形態が消滅する。そして、この溶融した熱可塑性樹脂は最も安定な状態である、耐熱性繊維の交点で凝集する。
この赤外線の照射は熱可塑性樹脂繊維は溶融するものの、耐熱性繊維は溶融又は炭化しない温度で行う。つまり、熱可塑性樹脂繊維が、熱可塑性樹脂繊維の融点以上、耐熱性繊維の融点又は炭化温度よりも低い温度となるまで照射する。このような条件は熱可塑性樹脂繊維及び耐熱性繊維の種類によって変化するため、特に限定するものではない。この赤外線の照射条件は、実験を繰り返すことによって適宜設定することができる。
このように熱可塑性樹脂繊維が溶融した熱可塑性樹脂は、耐熱性繊維の交点で凝集するが、この段階で圧力を作用させると、熱可塑性樹脂の凝集が妨げられ、繊維状態に近い状態、つまり、直線状又は曲線状に熱可塑性樹脂が連続した皮膜の状態で固定され、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性などの透過性を悪くするため、無圧下で行なう必要がある。なお、赤外線は直進性があり、照射されない部分の熱可塑性樹脂繊維は溶融しにくいため、熱可塑性樹脂繊維の軟化温度以上の温度の熱風を吹き付けたり、循環させることによって、熱可塑性樹脂繊維を均一に加熱するのが好ましい。このように熱風を吹き付けたり、循環させると、熱可塑性樹脂が耐熱性繊維の交点で凝集しやすいという付加的な効果も奏する。なお、「軟化温度」は、JIS K 7121に規定されている熱流束示差走差熱量測定(DSC、昇温温度10℃/分)により得られるDSC曲線における融解吸熱曲線の開始点を与える温度をいう。
次いで、凝固工程、つまり湿式繊維ウエブにおける凝集した熱可塑性樹脂を無圧下で凝固させる工程を実施して、本発明の湿式不織布を製造することができる。この凝固工程は凝集した熱可塑性樹脂が凝固するのであればどのような方法であっても良く、特に限定するものではないが、温度200℃未満の気体を吹き付けたり、循環させる方法、或いは温度200℃未満の気体中に放置する方法などがある。なお、この凝固工程においても、未だ溶融状態にある熱可塑性樹脂に対して圧力を加えると、繊維状ではないものの、耐熱性繊維の交点を中心として広い範囲にわたって皮膜が形成され、イオン透過性、気体透過性、或いは液体透過性などの透過性を悪くするため、無圧下で行なう必要がある。
このようにして本発明の湿式不織布を製造できるが、凝固工程後の湿式不織布は厚さのバラツキがある場合がある。また、見掛密度が好適である0.32〜0.7g/cmの範囲内になかったり、少なくとも一方向における引張り強さが10N/15mm幅以上ない場合がある。そのような場合には、熱可塑性樹脂繊維の軟化温度よりも低い温度でカレンダー処理(カレンダー工程)を行って、前記問題点を解決するのが好ましい。好ましくは、熱可塑性樹脂繊維の軟化温度よりも20℃以上低い温度でカレンダー処理を行う。なお、このカレンダー工程における圧力は、厚さのバラツキの程度、所望見掛密度、所望引張り強さ等によって異なるため特に限定するものではない。この圧力は、実験を繰り返すことによって、適宜設定することができる。
なお、平均流量孔径が1.1μm以下である湿式不織布は、フィブリルを有する耐熱性繊維を使用すること、0.05dtex以下の熱可塑性樹脂繊維を使用すること、凝固工程後にカレンダー工程を行うこと、などを単独で又は併用することによって、製造することができる。
また、本発明の湿式不織布を各種用途へ適用するにあたり、各用途への適合性を高める後加工を実施しても良い。例えば、電気二重層キャパシタ用セパレータ用途、リチウムイオン二次電池用セパレータ用途、アルカリ二次電池用セパレータ用途に用いる場合には、電解液との親和性をもたせるために、親水化処理などの親和性付与処理、気体又は液体濾過材用途或いはワイピング用途に用いる場合には、塵埃等の捕捉性を高めるためのエレクトレット化処理、積層板用基材用途に用いる場合には、ワニスとの親和性を高めるための親和性付与処理、電極支持材用途に用いる場合には、金属膜との密着性を高めるための親和性付与処理、医療用基材用途に用いる場合には、汚染液体の透過を抑制するための撥水・撥油処理、などを実施することができる。
以上、耐熱性繊維が熱可塑性樹脂によって固定された湿式不織布の製造方法について説明したが、ガラス繊維を含み、ガラス繊維も熱可塑性樹脂によって固定された湿式不織布は、湿式繊維ウエブを形成する工程において、上述と同様の耐熱性繊維と熱可塑性樹脂繊維に加えて、ガラス繊維を用いて湿式繊維ウエブを形成すること以外は、上述と同様にして製造することができる。
なお、耐熱性繊維、ガラス繊維及び熱可塑性樹脂繊維との比率は、前述の通り、(耐熱性繊維):(ガラス繊維):(熱可塑性樹脂繊維)=35〜85:5〜50:60〜10であるのが好ましく、(耐熱性繊維):(ガラス繊維):(熱可塑性樹脂繊維)=30〜70:10〜40:50〜20であるのがより好ましい。
本発明の電気二重層キャパシタは、前述のような湿式不織布をセパレータとして用いていること以外は、従来の電気二重層キャパシタと全く同様であることができる。なお、電気二重層キャパシタの形状も特に限定するものではなく、円筒型、角型、コイン型などであることができる。
例えば、集電極としては、例えば、アルミニウム薄板、白金薄板などの金属薄板を使用することができ、電極としては、例えば、粒状活性炭に導電剤と接着剤とを混ぜ合わせ、圧粉法、圧延法、塗布法、或いはドクターブレード法によって作製されたものを使用することができる。また、電解液としては、例えば、プロピレンカーボネートをテトラエチルアンモニウム・テトラフルオロボーレイトに溶解させた有機電解液や、プロピレンカーボネートをテトラエチルフォスフォニウム・テトラフルオロボーレイトに溶解させた有機電解液などを使用することができる。
この電気二重層キャパシタの製造方法について簡単に述べると、まず、前述のような集電極、電極、及び前述のような湿式不織布からなるセパレータを用意する。次いで、例えば、集電極、電極、セパレータ、電極、集電極の順に積み重ねることを繰り返したり、このように積み重ねた積層体を巻き上げて電極群を形成する。次いで、電極群を150℃以上の温度で、集電極、電極及びセパレータを同時に乾燥する。次いで、この乾燥した電極群と前記のような有機電解液とをケースに挿入した後、前記ケースを封緘してキャパシタを製造することができる。なお、有機電解液は減圧含浸するのが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池は、前述のような湿式不織布をセパレータとして用いていること以外は、従来のリチウムイオン二次電池と全く同様であることができる。なお、リチウムイオン二次電池の形状も特に限定するものではなく、円筒型、角型、コイン型などであることができる。
例えば、正極材料(正極活物質)としては、リチウム含有金属酸化物、硫化物又は塩化物のようなリチウム含有金属化合物を使用できる。リチウム含有金属酸化物としては、例えばコバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナジウムからなる群より選ばれる少なくとも1種類以上の金属とリチウムとのリチウム複合酸化物を使用できる。このようなリチウム複合酸化物としては、例えば、LiCoO、LiMn、LiNiOなどを挙げることができる。
正極は、前記の正極材料をアセチレンブラック、カーボンブラックなどの導電剤およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの結着剤と混練して正極合剤とした後、この正極合剤を集電体としてのアルミニウム箔やステンレス製のラス板に塗布・乾燥し、加圧成型した後、50℃〜150℃程度の温度で、2時間程度真空下で加熱処理して作製できる。
負極材料(負極活物質)としては、リチウム金属やリチウム合金、及びリチウムを吸蔵・放出可能なカーボン又はグラファイトを含む炭素材料、例えばコークス、天然黒鉛や人造黒鉛などの炭素材料、複合スズ酸化物を使用できる。
負極は、前記の負極材料をアセチレンブラック、カーボンブラックなどの導電剤およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの結着剤と混練して負極合剤とした後、この負極合剤を集電体としての銅箔等に塗布・乾燥し、加圧成型した後、50℃〜150℃程度の温度で、2時間程度真空下で加熱処理して作製できる。
非水電解液としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等の有機溶媒に電解質を溶解したものを使用できる。電解質としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、CF3SO3Li、(CF3SO22NLi、(C25SO22NLi、LiC(SO2CF33などを挙げることができる。これらの電解質は、1種類で使用してもよく、2種類以上組み合わせて使用してもよい。これら電解質は、前記の有機溶媒に通常0.1〜3M、好ましくは0.5〜1.5Mの濃度で溶解させて使用する。
上記構成部材を使用するリチウムイオン二次電池の製造方法は、特に限定されないが、例えばアルミパック型リチウムイオン二次電池は、以下の方法により製造できる。
まず、負極として、負極活物質をPvdf−NMP(ポリフッ化ビニリデン−N−メチルピロリドン)などの溶液に混合して形成した負極合剤のペーストを、銅箔上に塗布し、乾燥し、加圧成型した後に、加熱処理して負極を調製する。
また、正極として、リチウム複合酸化物、導電剤、及びPvdf−NMPなどの溶液に混合して形成した正極合剤のペーストを、アルミニウム箔上に塗布し、乾燥し、加圧成型した後に、加熱処理して正極を調製する。
次いで、本発明の湿式不織布からなるセパレータを負極と正極との間に介在させた複数のユニットと、有機溶媒に電解質を溶解させた非水電解液とをアルミパック内に装填し、封印して、アルミパック型のリチウムイオン二次電池を作製できる。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
パラ系全芳香族ポリアミドからなるフィブリルを有する耐熱性繊維(製品名:トワロン1094、帝人製、炭化温度:500℃以上、濾水度(CSF):150ml)、及びポリエチレンテレフタレートからなる、繊度0.11dtex、繊維長3mmのポリエステル繊維(融点:260℃、軟化温度:253℃)を用意した。
次いで、前記耐熱性繊維をリファイナーによりフィブリル化を促進させた耐熱性繊維(濾水度(CSF):90ml)とポリエステル繊維とを70:30の質量比率で分散させたスラリーを形成した。その後、順流円網、傾斜ワイヤー型短網、順流円網、及びヤンキードライヤーを備えた抄紙機に、前記スラリーを各網へ供給し、それぞれ湿潤繊維ウエブを形成し、それぞれの湿潤繊維ウエブを積層した積層湿潤繊維ウエブを形成し、続いて、この積層湿潤繊維ウエブを温度120℃に設定したヤンキードライヤーにより乾燥して、繊維配向が一方向、ランダム、一方向の三層湿式繊維ウエブを形成した。この三層湿式繊維ウエブ表面の電子顕微鏡写真を図1に示す。このように、耐熱性繊維とポリエステル繊維とが混在した状態にあった。
次いで、温度490℃に設定した遠赤外線セラミックヒータ(Ryoka製)を、上下にそれぞれ12基づつ備えた遠赤外線照射装置の遠赤外線セラミックヒータ間を、速度15m/min.で前記三層湿式繊維ウエブを通過させることにより、ポリエステル繊維を溶融させて繊維形態を消滅させるとともに、溶融したポリエステル樹脂を耐熱性繊維の交点に凝集させた。なお、いずれの遠赤外線セラミックヒーターとも50mm離間させて通過させた。また、移動する三層湿式繊維ウエブに対して、温度220℃の熱風を吹き付けた。
次いで、無圧下、室温で空冷して、凝集したポリエステル樹脂を凝固させて、前駆湿式不織布を製造した。
次いで、この前駆湿式不織布を室温のカレンダーにより押圧(線圧力:50N/cm)して、目付15g/m、厚さ33μm、見掛密度0.45g/cmの湿式不織布を製造した。この湿式不織布表面の電子顕微鏡写真を図2に示す。このように、ポリエステル樹脂繊維が消滅し、ポリエステル樹脂が耐熱性繊維の交点に非繊維状態で凝固した状態にあった。また、ポリエステル樹脂は湿式不織布の厚さ方向において偏在しておらず、均一に分布していた。
(実施例2)
実施例1の前駆湿式不織布を湿式不織布(目付15g/m、厚さ46μm、見掛密度0.33g/cm)とした。つまり、カレンダーにより押圧していない前駆湿式不織布を湿式不織布とした。この湿式不織布は、実施例1と同様に、ポリエステル樹脂繊維が消滅し、ポリエステル樹脂が耐熱性繊維の交点に非繊維状態で凝固した状態にあった。また、ポリエステル樹脂は湿式不織布の厚さ方向において偏在しておらず、均一に分布していた。
(実施例3)
繊度0.11dtex、繊維長3mmのポリエステル繊維に替えて、繊度0.3dtex、繊維長5mmのポリエステル繊維(融点:260℃、軟化温度:253℃)を使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして、三層湿式繊維ウエブの形成、遠赤外線照射、凝固処理、続くカレンダー処理を実施して、目付15g/m、厚さ35μm、見掛密度0.43g/cmの湿式不織布を製造した。この湿式不織布は、実施例1と同様に、ポリエステル樹脂繊維が消滅し、ポリエステル樹脂が耐熱性繊維の交点に非繊維状態で凝固した状態にあった。また、ポリエステル樹脂は湿式不織布の厚さ方向において偏在しておらず、均一に分布していた。
(実施例4)
耐熱性繊維とポリエステル繊維の配合比を40対60としたこと以外は、実施例1と全く同様にして、三層湿式繊維ウエブの形成、遠赤外線照射、凝固処理、続くカレンダー処理を実施して、目付15g/m、厚さ33μm、見掛密度0.45g/cmの湿式不織布を製造した。この湿式不織布は、実施例1と同様に、ポリエステル樹脂繊維が消滅し、ポリエステル樹脂が耐熱性繊維の交点に非繊維状態で凝固した状態にあった。また、ポリエステル樹脂は湿式不織布の厚さ方向において偏在しておらず、均一に分布していた。
(実施例5)
繊度0.11dtex、繊維長3mmのポリエステル繊維に替えて、繊度0.035dtex、繊維長3mmのポリエステル島成分繊維(融点:230℃、軟化温度:219℃)を使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして、三層湿式繊維ウエブの形成、遠赤外線照射、凝固処理、続くカレンダー処理を実施して、目付15g/m、厚さ35μm、見掛密度0.43g/cmの湿式不織布を製造した。この湿式不織布は、実施例1と同様に、ポリエステル島成分繊維が消滅し、ポリエステル樹脂が耐熱性繊維の交点に非繊維状態で凝固した状態にあった。また、ポリエステル樹脂は湿式不織布の厚さ方向において偏在しておらず、均一に分布していた。なお、ポリエステル島成分繊維は、ポリスチレンからなる海成分中に、ポリエステルからなる島成分が25個存在する、複合紡糸法により得た海島型繊維(繊度:2.1dtex、長さ:3mmに切断されたもの)を用意し、この海島型繊維をジメチルホルムアミド(DMF)中に浸漬して、海成分であるポリスチレンを抽出除去した後、風乾して製造した。
(実施例6)
繊度0.11dtex、繊維長3mmのポリエステル繊維に替えて、平均繊度0.035dtexのポリエステルメルトブロー繊維(融点:247℃、軟化温度:231℃)を使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして、三層湿式繊維ウエブの形成、遠赤外線照射、凝固処理、続くカレンダー処理を実施して、目付15g/m、厚さ35μm、見掛密度0.43g/cmの湿式不織布を製造した。この湿式不織布は、実施例1と同様に、ポリエステルメルトブロー繊維が消滅し、ポリエステル樹脂が耐熱性繊維の交点に非繊維状態で凝固した状態にあった。また、ポリエステル樹脂は湿式不織布の厚さ方向において偏在しておらず、均一に分布していた。なお、ポリエステルメルトブロー繊維は、ポリエステル樹脂を押出機に供給して溶融させ、その溶融物を直線上に並ぶ、孔径が0.2mmで、温度300℃に加熱されたオリフィスから吐出量0.1g/分で紡出し、それと同時にオリフィスの両側に位置するスリットから温度320℃に加熱された圧搾空気を噴出して紡出繊維を搬送細化してメルトブロー繊維を形成し、捕集コンベア上に集積させた後、集積させたメルトブロー繊維を水中に投入し、リファイナーにより、個々のメルトブロー繊維に分離させたものを使用した。
(実施例7)
パラ系全芳香族ポリアミドからなるフィブリルを有する耐熱性繊維(製品名:トワロン1094、帝人製、炭化温度:500℃以上、濾水度(CSF):150ml)、静電紡糸法で紡糸したガラス静電紡糸繊維(繊維径:0.7μm)、及びポリエチレンテレフタレートからなる、繊度0.11dtex、繊維長3mmのポリエステル繊維(融点:260℃、軟化温度:253℃)を用意した。
なお、ガラス静電紡糸繊維は次の方法により製造した。
(1)金属化合物としてテトラエトキシシラン、溶媒としてエタノール、加水分解のための水、及び触媒として1規定の塩酸を、1:5:2:0.03のモル比で混合し、温度78℃で、10時間の還流操作を行い、次いで、溶媒をロータリーエバポレーターにより除去した後、温度50℃に加温して、粘度が約2ポイズのゾル溶液を形成した。
(2)内径が0.4mmのステンレス製ノズルに、ポンプにより1つのノズルあたり、1.2mL/時間で前記ゾル溶液を供給し、ノズルからゾル溶液を押し出すとともに、ノズルに電圧(−20kV)を印加し、支持体であるステンレス製無孔ロールをアースして、前記押し出したゾル溶液に電界(2kV/cm)を作用させることによって細径化し、ゲル状細長繊維を形成して、回転するステンレス製無孔ロール上に集積させた。なお、ノズルとステンレス製無孔ロールとの距離は10cmとした。
(3)次いで、集積させたゲル状細長繊維を温度150℃に設定されたヒーターにより乾燥して、平均繊維径が0.7μmの乾燥ゲル状細長繊維(SiO2からなる)がシート状に集積した集積物を形成した。
(4)次いで、この集積物を温度150℃で5時間、温度300℃で5時間、及び温度1000℃で焼結し、完全にガラス化させて、平均繊維径が0.7μmのガラス静電紡糸繊維からなる集積物を形成した。
(5)次いで、前記集積物をリファイナーにより個々のガラス静電紡糸繊維に分離させた。
次いで、前記耐熱性繊維をリファイナーによりフィブリル化を促進させた耐熱性繊維(濾水度(CSF):90ml)と、前記ガラス静電紡糸繊維と、ポリエステル繊維とを50:20:30の質量比率で分散させたスラリーを形成した後、実施例1と全く同様にして、三層湿式繊維ウエブの形成、遠赤外線照射、凝固処理、続くカレンダー処理を実施して、目付15g/m、厚さ35μm、見掛密度0.43g/cmの湿式不織布を製造した。この湿式不織布は、実施例1と同様に、ポリエステル樹脂繊維が消滅し、ポリエステル樹脂が耐熱性繊維及びガラス静電紡糸繊維の交点に非繊維状態で凝固した状態にあった。また、ポリエステル樹脂は湿式不織布の厚さ方向において偏在しておらず、均一に分布していた。
(比較例1)
実施例1と同じフィブリル化を促進させた耐熱性繊維、実施例1と同じポリエステル繊維、及び芯鞘型複合ポリエステル繊維(登録商標:メルティ、ユニチカ製、芯部の融点:255℃、鞘部の融点:110℃、繊度1.1dtex、繊維長:3mm)を用意した。
次いで、耐熱性繊維、ポリエステル繊維、及び芯鞘型複合ポリエステル繊維を50:20:30の質量比率で分散させたスラリーを形成した。その後、順流円網、傾斜ワイヤー型短網、順流円網、及びヤンキードライヤーを備えた抄紙機に、前記スラリーを各網へ供給し、それぞれ湿潤繊維ウエブを形成し、それぞれの湿潤繊維ウエブを積層した積層湿潤繊維ウエブを形成し、続いて、この積層湿潤繊維ウエブを温度120℃に設定したヤンキードライヤーにより乾燥するとともに芯鞘型複合ポリエステル繊維を融着させ、繊維配向が一方向、ランダム、一方向の三層湿式繊維ウエブを形成した。
次いで、この三層湿式繊維ウエブの両面を、温度200℃に加熱した直径が1.2mのシリンダードライヤーにテンポ20m/min.で接触させて熱処理し、目付20g/m、厚さ55μm、見掛密度0.36g/cmの湿式不織布を製造した。この湿式不織布は、芯鞘型複合ポリエステル繊維が繊維の状態で融着し、直線状又は曲線状に皮膜を形成した、面的に融着した状態にあった。
(比較例2)
パラ系全芳香族ポリアミドからなるフィブリルを有する繊維(製品名:トワロン1094、帝人製、炭化温度:500℃以上、濾水度(CSF):150ml)と、ポリエチレンテレフタレートからなる、繊度0.11dtex、繊維長3mmのポリエステル繊維(融点:260℃、軟化温度:253℃)を用意した。
次いで、リファイナーによりフィブリル化を促進させた耐熱性繊維(濾水度(CSF):90ml)とポリエステル繊維とを70:30の質量比率で分散させたスラリーを形成した。その後、順流円網、傾斜ワイヤー型短網、順流円網、及びヤンキードライヤーを備えた抄紙機に、前記スラリーを各網へ供給し、それぞれ湿潤繊維ウエブを形成し、それぞれの湿潤繊維ウエブを積層した積層湿潤繊維ウエブを形成し、続いて、この積層湿潤繊維ウエブを温度120℃に設定したヤンキードライヤーにより乾燥して、繊維配向が一方向、ランダム、一方向の三層湿式繊維ウエブを形成した。
次いで、この乾燥した三層湿式繊維ウエブを温度220℃に設定された一対の熱カレンダーにより、押圧(線圧力:50N/cm)して、目付15g/m、厚さ25μm、見掛密度0.60g/cmの湿式不織布を製造した。この湿式不織布は、ポリエステル繊維が繊維の状態で圧着した状態にあった。
(実施例7)
耐熱性繊維とポリエステル繊維との質量比率を80:20としたこと以外は実施例1と同様にして、三層湿式繊維ウエブを形成した。この三層湿式繊維ウエブは耐熱性繊維とポリエステル繊維とが混在した状態にあった。
次いで、温度490℃に設定した遠赤外線セラミックヒータ(Ryoka製)を、上下にそれぞれ12基づつ備えた遠赤外線照射装置の遠赤外線セラミックヒータ間を、速度10m/min.で前記三層湿式繊維ウエブを通過させることにより、ポリエステル繊維を溶融させて繊維形態を消滅させるとともに、溶融したポリエステル樹脂を耐熱性繊維の交点に凝集させた。なお、いずれの遠赤外線セラミックヒーターとも110mm離間させて通過させた。また、移動する三層湿式繊維ウエブに対して、温度220℃の熱風を吹き付けた。
次いで、無圧下、室温で空冷して、凝集したポリエステル樹脂を凝固させて、前駆湿式不織布を製造した。
次いで、この前駆湿式不織布を60℃に加熱したカレンダーにより押圧(線圧力:180N/cm)して、目付21g/m、厚さ35μm、見掛密度0.6g/cmの湿式不織布を製造した。この湿式不織布はポリエステル繊維が消滅し、ポリエステル樹脂が耐熱性繊維の交点に非繊維状態で凝固した状態にあった。また、ポリエステル樹脂は湿式不織布の厚さ方向において偏在しておらず、均一に分布していた。
(実施例8)
実施例7と同様にして製造した前駆湿式不織布を60℃に加熱したカレンダーにより押圧(線圧力:245N/cm)して、目付17g/m、厚さ26μm、見掛密度0.65g/cmの湿式不織布を製造した。この湿式不織布はポリエステル繊維が消滅し、ポリエステル樹脂が耐熱性繊維の交点に非繊維状態で凝固した状態にあった。また、ポリエステル樹脂は湿式不織布の厚さ方向において偏在しておらず、均一に分布していた。
(比較例3)
市販されているポリエチレン製微孔膜(セルガード社製、目付:15g/m、厚さ:25μm、見掛密度:0.6g/cm)をセパレータとした。
(内部抵抗の測定)
電極として、粒状活性炭、カーボンブラック、及びポリテトラフルオロエチレンを混ぜて練り上げたもの、集電極としてアルミ箔、セパレータとして各実施例及び各比較例の湿式不織布、及び電解液としてテトラエチルアンモニウム・テトラフルオロボーレイトをプロピレンカーボネートに溶解させたものを用意した。
次いで、集電極、電極、実施例1〜実施例7及び比較例1〜比較例2のセパレータ、電極、集電極の順に積み重ねることを繰り返した積層体からなる電極群をそれぞれ形成した。次いで、この電極群を200℃の温度で乾燥した。次いで、この乾燥した電極群と前記電解液とをケースに挿入した後、ケースを封緘して、コインセル型のキャパシタをそれぞれ10個づつ作製した。
その後、各キャパシタの内部抵抗を、充放電試験機により測定した充放電カーブから求めた。すなわち、1Aの定電流で2分間、2.5Vまで充電した後、2分間で放電する操作により得られた充放電カーブから求めた。この結果は表1に示す通りであった。この内部抵抗は2Ω以下であれば、イオン透過性に優れるものと判断できるが、表1から明らかなように、本発明の湿式不織布からなるセパレータは1.7Ω以下の優れたイオン透過性を示すものであった。これは湿式不織布に皮膜が形成されておらず、空隙の多い構造に起因すると予測された。
(短絡防止性の評価)
上記(内部抵抗の測定)で用いたコインセル型のキャパシタをそれぞれ10個づつ作製した時に、短絡してしまい、不良品となったキャパシタの百分率(不良率)を算出した。この結果は表1に示す通りであった。本発明の湿式不織布からなるセパレータを用いた場合、不良品のキャパシタを生じず、短絡防止性に優れるものであった。これは湿式不織布構成繊維が均一に分散しているとともに、長手方向における引張強さに優れているためであると予測された。
(引張り強さの測定)
各実施例及び各比較例の湿式不織布から長方形の試料(幅:15mm、長さ(長手方向):200mm)を採取した後に、JIS P−8113に準じて、引張強さを測定した。この結果は表1に示す通りであった。この引張強さは7N/15mm幅以上あれば、コイン型およびラウンド型のいずれのキャパシタにおいても支障なく使用することができる。表1から明らかなように本発明の湿式不織布は11.4N/15mm幅以上あり、優れた引張強さを有する、取り扱い性の優れるものであった。
(通気度の測定)
各実施例及び各比較例の湿式不織布の通気度を、JIS P8111に規定するガーレー試験機(B型)に、直径5mmのアダプターを装着した状態で測定した。この結果は表1に示す通りであった。
(平均流量孔径の測定)
各実施例及び各比較例の湿式不織布の平均流量孔径を、ポロメータ(Polometer、コールター(Coulter)社製)を用いて、バブルポイント法により測定した。この結果は表1に示す通りであった。
Figure 0004577819
#:総合評価
◎:内部抵抗が低く、引張強さも十分で、特に良好な湿式不織布(セパレータ)
×1:内部抵抗が高いため使用できない
×2:内部抵抗が高く、しかも引張り強さも低いため使用できない
(リチウムイオン二次電池の作製)
まず、メソフェーズ小球体を黒鉛化したものと、Pvdf−NMP(ポリフッ化ビニリデン−N−メチルピロリドン:13重量%)溶液を、固形分の質量比90:10で混合したペーストを、銅箔上に塗布・乾燥し、加圧成型した後に加熱処理した負極を4枚調製した。
また、正極として、LiCoO:アセチレンブラック:Pvdf−NMP溶液(12重量%)を、固形分の質量比85:5:10で混合したペーストを、アルミニウム箔上に塗布・乾燥し、加圧成型した後に加熱処理して正極を3枚調製した。
次いで、セパレータとして、実施例7〜8及び比較例3のセパレータをそれぞれ用い、負極と正極との間に介在させた複数のユニットを形成した。その後、複数のユニットと、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネートを体積比で1:1で混合した溶媒に、1mol/LのLiPFを溶解させた非水電解液をアルミパック内に装填して、アルミパック型リチウムイオン二次電池(セルサイズ:40×60mm、電池容量:180mAh)を作製した。
(リチウムイオン二次電池の電池特性評価)
作製したリチウムイオン電池を、定電流−定電圧(0.5C、3時間)で4.2Vまで充電し、放電終止電圧3.0Vで定電流放電を行った。0.2C電流値での放電容量を100%とした時の、各放電レート特性を算出した。この結果は表2に示す通りであった。表2から明らかなように、本発明の湿式不織布からなるセパレータを使用した電池は放電特性の優れてものであった。これは湿式不織布に皮膜が形成されておらず、空隙の多い構造であることによって、イオン透過性に優れていることに起因すると予測された。
Figure 0004577819
(安全性試験)
作製した各リチウムイオン電池を満充電まで充電した後、ラミネートパックに釘を刺し、電池表面最高温度の測定と状態を観察した。この結果は表3に示す通りであった。表3から明らかなように、本発明の湿式不織布からなるセパレータを使用した電池は、セパレータ(湿式不織布)に孔が開いて短絡しても、収縮せず、電極同士の接触による短絡を防止できる、安全性の高いものであった。
Figure 0004577819
(引張り強さの測定)
実施例8、9及び比較例3のセパレータから試験片(幅:15mm、長さ:200mm)を採取した後、JIS P−8113に準じて引張強度を測定した。この結果は表4に示す通りであった。この引張り強さが7N/15mm幅以上あれば、リチウムイオン二次電池のセパレータとして支障なく使用することができる。表4から明らかなように、本発明の湿式不織布からなるセパレータは10.7N/15mm幅以上あり、優れた強度を有するものであった。
(通気度の測定)
実施例8、9及び比較例3のセパレータ(湿式不織布)の通気度を、JIS P8111に規定するガーレー試験機(B型)に、直径5mmのアダプターを装着した状態で測定した。この結果は表4に示す通りであった。
(平均流量孔径の測定)
実施例8、9及び比較例3のセパレータ(湿式不織布)の平均流量孔径を、ポロメータ(Polometer、コールター(Coulter)社製)を用いて、バブルポイント法により測定した。この結果は表4に示す通りであった。
Figure 0004577819
#:総合評価
◎:安全性が高く、放電レート特性(ハイレート)に優れている
*:安全性が低い
実施例1の三層湿式繊維ウエブ表面の電子顕微鏡写真 実施例1の湿式不織布表面の電子顕微鏡写真
符号の説明
1 耐熱性繊維
2 ポリエステル樹脂繊維

Claims (20)

  1. 融点又は炭化温度が300℃以上の樹脂からなる耐熱性繊維が、繊維交点に非繊維状態で凝固した、210℃以上、かつ耐熱性繊維の融点又は炭化温度よりも低い融点をもつ、熱可塑性樹脂繊維が溶融することで繊維形態を消滅してなる熱可塑性樹脂によって固定されていることを特徴とする湿式不織布。
  2. 熱可塑性樹脂が、繊維のように長く伸びる直線状又は曲線状の皮膜を形成しておらず、面ではなく点で耐熱性繊維を固定していることを特徴とする、請求項1記載の湿式不織布。
  3. 熱可塑性樹脂は湿式不織布の10〜60mass%を占めていることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の湿式不織布。
  4. 熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の湿式不織布。
  5. 耐熱性繊維として、フィブリルを有する耐熱性繊維を含んでいることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の湿式不織布。
  6. 耐熱性繊維として、全芳香族ポリアミド繊維又は全芳香族ポリエステル繊維を含んでいることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の湿式不織布。
  7. 湿式不織布の目付が5〜25g/m、厚さが10〜55μm、かつ見掛密度が0.32〜0.7g/cmであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の湿式不織布。
  8. 湿式不織布の少なくとも一方向における引張り強さが10N/15mm幅以上であることを特徴とする、請求項7に記載の湿式不織布。
  9. 湿式不織布の目付が5〜25g/mかつ平均流量孔径が1.1μm以下であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の湿式不織布。
  10. ガラス繊維を含み、ガラス繊維も熱可塑性樹脂によって固定されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の湿式不織布。
  11. 融点又は炭化温度が300℃以上の樹脂からなる耐熱性繊維と、210℃以上、かつ耐熱性繊維の融点又は炭化温度よりも低い融点をもつ熱可塑性樹脂繊維とを用いて湿式繊維ウエブを形成する湿式繊維ウエブ形成工程、この湿式繊維ウエブに対して無圧下で赤外線を照射することにより、前記熱可塑性樹脂繊維を溶融させて繊維形態を消滅させるとともに、溶融した熱可塑性樹脂を耐熱性繊維の交点に凝集させる凝集工程、前記湿式繊維ウエブにおける凝集した熱可塑性樹脂を無圧下で凝固させる凝固工程を備えていることを特徴とする、湿式不織布の製造方法。
  12. 無圧下で赤外線を照射して、熱可塑性樹脂繊維に由来する熱可塑性樹脂を、皮膜を形成することなく耐熱性繊維の交点に非繊維状態で凝集させることを特徴とする、請求項11記載の湿式不織布の製造方法。
  13. 凝固工程の後に、熱可塑性樹脂繊維の軟化温度よりも低い温度におけるカレンダー工程を更に備えていることを特徴とする、請求項11又は請求項12記載の湿式不織布の製造方法。
  14. 熱可塑性樹脂繊維の繊度が0.45dtex以下であることを特徴とする、請求項11〜13のいずれかに記載の湿式不織布の製造方法。
  15. 熱可塑性樹脂繊維が、海島型繊維の海成分を除去することにより製造された島成分繊維、メルトブロー法により製造されたメルトブロー繊維、静電紡糸法により製造された静電紡糸繊維の群の中から選ばれる繊維からなることを特徴とする、請求項14記載の湿式不織布の製造方法。
  16. 湿式繊維ウエブ形成工程において、更にガラス繊維を用いて湿式繊維ウエブを形成することを特徴とする、請求項11〜15のいずれかに記載の湿式不織布の製造方法。
  17. 請求項1〜10のいずれかに記載の湿式不織布からなる電気二重層キャパシタ用セパレータ。
  18. 請求項1〜10のいずれかに記載の湿式不織布からなるリチウムイオン二次電池用セパレータ。
  19. 請求項1〜10のいずれかに記載の湿式不織布をセパレータとして用いた電気二重層キャパシタ。
  20. 請求項1〜10のいずれかに記載の湿式不織布をセパレータとして用いたリチウムイオン二次電池。
JP2004197234A 2003-07-02 2004-07-02 湿式不織布、湿式不織布の製造方法、及び電気二重層キャパシタ用セパレータ、リチウムイオン二次電池用セパレータ、並びに電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池 Expired - Fee Related JP4577819B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004197234A JP4577819B2 (ja) 2003-07-02 2004-07-02 湿式不織布、湿式不織布の製造方法、及び電気二重層キャパシタ用セパレータ、リチウムイオン二次電池用セパレータ、並びに電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003270502 2003-07-02
JP2003366583 2003-10-27
JP2004197234A JP4577819B2 (ja) 2003-07-02 2004-07-02 湿式不織布、湿式不織布の製造方法、及び電気二重層キャパシタ用セパレータ、リチウムイオン二次電池用セパレータ、並びに電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005159283A JP2005159283A (ja) 2005-06-16
JP4577819B2 true JP4577819B2 (ja) 2010-11-10

Family

ID=34743423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004197234A Expired - Fee Related JP4577819B2 (ja) 2003-07-02 2004-07-02 湿式不織布、湿式不織布の製造方法、及び電気二重層キャパシタ用セパレータ、リチウムイオン二次電池用セパレータ、並びに電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4577819B2 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5191091B2 (ja) * 2005-08-09 2013-04-24 日本バイリーン株式会社 リチウムイオン二次電池用セパレータ及びリチウムイオン二次電池
JP2007083467A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Japan Vilene Co Ltd 複合シート
JP4904857B2 (ja) * 2006-03-13 2012-03-28 パナソニック株式会社 非水電解液二次電池
JP2008000682A (ja) * 2006-06-22 2008-01-10 Toyobo Co Ltd フィルタおよびその製造方法
JP4907424B2 (ja) * 2007-05-11 2012-03-28 日本バイリーン株式会社 電解コンデンサ用セパレータ、この製造方法及びこれを用いた電解コンデンサ
JPWO2009050864A1 (ja) 2007-10-18 2011-02-24 株式会社クラレ 積層体、キャパシタ用セパレータおよびキャパシタ
CA2748248C (en) * 2008-12-25 2016-11-01 Kuraray Co., Ltd. Filter materials and filter cartridges
JP5591046B2 (ja) * 2010-09-29 2014-09-17 ダイワボウホールディングス株式会社 絶縁性不織布およびその製造方法
US9666848B2 (en) * 2011-05-20 2017-05-30 Dreamweaver International, Inc. Single-layer lithium ion battery separator
TWI618279B (zh) 2012-04-04 2018-03-11 Asahi Kasei Fibers Corp 分隔件材料
JP6138128B2 (ja) 2012-07-31 2017-05-31 日本バルカー工業株式会社 親水化シートおよびその製造方法
JP5501418B2 (ja) * 2012-08-28 2014-05-21 日本バイリーン株式会社 複合シート
JP6367713B2 (ja) 2012-09-19 2018-08-01 旭化成株式会社 セパレータ及びその製造方法、並びに、リチウムイオン二次電池
JP6337093B2 (ja) * 2014-03-19 2018-06-06 Jxtgエネルギー株式会社 極細繊維の製造方法
JP6963954B2 (ja) * 2017-09-26 2021-11-10 三菱製紙株式会社 湿式不織布の製造方法
KR102452483B1 (ko) * 2017-12-26 2022-10-06 피브르웨이 메텔리얼 사이언스 & 테크놀로지 디벨롭먼트 컴퍼니., 리미티드. 리튬이온 배터리 격막 기재와 그 제조방법 및 응용
WO2019126978A1 (zh) * 2017-12-26 2019-07-04 广州华创化工材料科技开发有限公司 一种一次成形的锂离子电池隔膜及其制备方法和应用
JP6906485B2 (ja) * 2018-02-26 2021-07-21 株式会社ダイセル 二次電池用セパレータ
WO2019163933A1 (ja) * 2018-02-26 2019-08-29 株式会社ダイセル 二次電池用セパレータ

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05283053A (ja) * 1991-03-13 1993-10-29 Mitsui Petrochem Ind Ltd 密閉型鉛蓄電池用セパレータ
JP2001155709A (ja) * 1999-09-14 2001-06-08 Japan Vilene Co Ltd 電池用セパレータ
JP2002270471A (ja) * 2001-03-09 2002-09-20 Japan Vilene Co Ltd 電気二重層キャパシタ用セパレータ
JP2003142065A (ja) * 2001-08-15 2003-05-16 Mitsubishi Paper Mills Ltd 電気化学素子用セパレーターおよびその製造方法
JP2004241601A (ja) * 2003-02-06 2004-08-26 Mitsubishi Paper Mills Ltd 電気二重層キャパシタ用セパレータ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05283053A (ja) * 1991-03-13 1993-10-29 Mitsui Petrochem Ind Ltd 密閉型鉛蓄電池用セパレータ
JP2001155709A (ja) * 1999-09-14 2001-06-08 Japan Vilene Co Ltd 電池用セパレータ
JP2002270471A (ja) * 2001-03-09 2002-09-20 Japan Vilene Co Ltd 電気二重層キャパシタ用セパレータ
JP2003142065A (ja) * 2001-08-15 2003-05-16 Mitsubishi Paper Mills Ltd 電気化学素子用セパレーターおよびその製造方法
JP2004241601A (ja) * 2003-02-06 2004-08-26 Mitsubishi Paper Mills Ltd 電気二重層キャパシタ用セパレータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005159283A (ja) 2005-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4577819B2 (ja) 湿式不織布、湿式不織布の製造方法、及び電気二重層キャパシタ用セパレータ、リチウムイオン二次電池用セパレータ、並びに電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池
JP5031835B2 (ja) 耐熱性超極細繊維状分離膜及びそれを利用した二次電池
JP5031836B2 (ja) 耐熱性超極細繊維層を有する分離膜及びそれを利用した二次電池
KR102112646B1 (ko) 세퍼레이터
JP3810844B2 (ja) 電池用セパレーター及び電池
JP5924540B2 (ja) 耐熱性、高強度超極細繊維状分離膜およびその製造方法およびこれを利用した2次電池
JP5706214B2 (ja) セパレータ
JP2002266281A (ja) 湿式不織布およびそれを用いてなる電気化学素子用セパレーター、ならびに電気二重層キャパシター用セパレーター
US20220158299A1 (en) Lithium ion battery separator and lithium ion battery
JP6347690B2 (ja) 電気化学素子用セパレータ
JP4851082B2 (ja) 不織布及び不織布の製造方法、並びに不織布を用いた電気二重層キャパシタ用セパレータ、リチウムイオン二次電池用セパレータ、電気二重層キャパシタ又はリチウムイオン二次電池
JP2010115919A (ja) 複合構造体およびそれからなる電子部品用セパレータ
JP4584702B2 (ja) 不織布及び不織布の製造方法、並びに不織布を用いた電気二重層キャパシタ用セパレータ、リチウムイオン二次電池用セパレータ、電気二重層キャパシタ又はリチウムイオン二次電池
JP4468790B2 (ja) 不織布、電気二重層キャパシタ用セパレータ、リチウムイオン二次電池用セパレータ、電気二重層キャパシタ及びリチウムイオン二次電池
JP7191536B2 (ja) 電気化学素子用セパレータ
JP2001185455A (ja) 電気二重層キャパシタの製造方法
JP4350953B2 (ja) リチウム二次電池用セパレータ及びリチウム二次電池
JP2006089872A (ja) 不織布の製造方法
JP5236317B2 (ja) 電気化学素子用セパレータ及びその製造方法、並びにこれを用いたアルミ電解コンデンサ又は電気二重層キャパシタ
JP4919585B2 (ja) セパレータ用不織布、セパレータ用不織布の製造方法、及びこれからなる電気二重層キャパシタ用セパレータ
JP2010239061A (ja) 蓄電デバイス用セパレータ
JP7595425B2 (ja) 電気化学素子用セパレータ
JP2006089871A (ja) 不織布の製造方法
JP2019087455A (ja) リチウムイオン電池セパレータ及びリチウムイオン電池
JP2019212491A (ja) リチウムイオン電池セパレータ及びリチウムイオン電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070508

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091109

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100413

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100713

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100818

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100820

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4577819

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees