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JP2002266281A - 湿式不織布およびそれを用いてなる電気化学素子用セパレーター、ならびに電気二重層キャパシター用セパレーター - Google Patents

湿式不織布およびそれを用いてなる電気化学素子用セパレーター、ならびに電気二重層キャパシター用セパレーター

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Publication number
JP2002266281A
JP2002266281A JP2001054112A JP2001054112A JP2002266281A JP 2002266281 A JP2002266281 A JP 2002266281A JP 2001054112 A JP2001054112 A JP 2001054112A JP 2001054112 A JP2001054112 A JP 2001054112A JP 2002266281 A JP2002266281 A JP 2002266281A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
wet nonwoven
separator
fiber
wet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001054112A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Tsukuda
貴裕 佃
Wakana Aizawa
和佳奈 相澤
Masatoshi Midorikawa
正敏 緑川
Kazuchiyo Takaoka
和千代 高岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2001054112A priority Critical patent/JP2002266281A/ja
Publication of JP2002266281A publication Critical patent/JP2002266281A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

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  • Cell Separators (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Paper (AREA)
  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性および電解液保持性に優れ、電気化学素
子の内部抵抗を低くしうる湿式不織布およびそれを用い
てなる電気化学素子用セパレーター、ならびに電気二重
層キャパシター用セパレーターを提供する。 【解決手段】融点または熱分解温度が250℃以上で、
平均繊維長0.3mm〜2mm、少なくとも一部が繊維
径1μm以下にフィブリル化された液晶性高分子繊維を
含有してなる湿式不織布であって、空隙率が68%〜8
5%であることを特徴とする湿式不織布およびそれを用
いてなる電気化学素子用セパレーター、ならびに電気二
重層キャパシター用セパレーター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性と電解液保
持性に優れ、電気化学素子の内部抵抗を低くしうる湿式
不織布およびそれを用いてなる電気化学素子用セパレー
ター、ならびに電気二重層キャパシター用セパレーター
に関するものである。本発明における電気化学素子と
は、一次電池、二次電池、電解コンデンサー、電気二重
層キャパシター(電気二重層コンデンサーともいう)な
どを指す。これらの電気化学素子に用いられる電解液は
水溶液系、有機電解液系の何れでも良い。
【0002】
【従来の技術】各種電池や電気二重層キャパシターなど
の電気化学素子に用いられるセパレーターに要求される
最も重要な特性として電解液保持性が挙げられる。この
電解液保持性が低い場合には、電気化学素子の内部抵抗
が高くなってしまい、その結果、電気化学素子の容量不
足、電圧低下、短寿命化などの問題が生じる。例えば、
リチウム一次・二次電池などの電池セパレーターとし
て、特開平6−163023号公報には、ポリエチレン
とエチレン−プロピレンラバーの混合物からなる微孔性
多孔膜が開示されている。
【0003】しかし、このタイプのセパレーターは、細
孔径がサブミクロン程度とかなり小さいため、電解液の
粘性が高い場合には、電解液がセパレーターに浸透しに
くく、電池組立効率が悪い問題があった。また、細孔が
セパレーターのZ方向に直線的に形成されているため、
電解液の保持能力がやや低く、充放電の繰り返しに伴っ
て電極の膨潤が進行するため、セパレーターが圧迫され
てセパレーターに保持されている電解液が押し出され、
容量が徐々に低下する問題があった。
【0004】このため、最近では透気性に優れる不織布
をセパレーターとして用いることが提案されている。不
織布の場合は、Z方向に繊維一本一本が比較的無秩序に
積層、接着しているため、細孔が直線的には形成され
ず、電解液保持性に優れる利点がある。しかし、不織布
は厚みが薄くなるほどピンホールができやすく、特に乾
式不織布は電解液保持性が不十分な傾向にあり、且つ厚
みを均一にすることが難しい問題がある。この問題を解
決する方法としては、フィブリル化やミクロフィブリル
化された繊維を用いて湿式抄紙することが有効である。
【0005】例えば、本発明者らは、特開平9−273
11号公報において、ガス透過性および電解液保持性に
優れ、ピンホールがなく、内部短絡を防止することがで
きる電池セパレーター用不織布を提供することを目的と
し、少なくとも一部が繊維径1μm以下にフィブリル化
された有機繊維を含有してなり、且つ透気度が100m
mHg以上である電池セパレーター用不織布を開示して
いる。
【0006】また、電気二重層キャパシターなどは、電
極の活性を上げる目的で、電極とセパレーターを一緒に
巻き付けた状態や積層した状態で200℃以上の高温で
数時間〜1日程度処理することが一般に行われている。
最近では処理温度がますます高くなる傾向にある。その
ため、ポリオレフィンの多孔質体では溶融してしまい、
セルロース繊維からなる多孔質体では炭化するためセパ
レーターとして使用できない問題がある。そのため電解
液保持性と耐熱性の両方に優れるセパレーターが求めら
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
見られる上記問題点を解決するものである。即ち、本発
明の目的は、耐熱性および電解液保持性に優れ、電気化
学素子の内部抵抗を低くしうる湿式不織布およびそれを
用いてなる電気化学素子用セパレーター、ならびに電気
二重層キャパシター用セパレーターを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため鋭意検討した結果、フィブリル化され
た有機繊維の種類および湿式不織布の空隙率について検
討を重ねた結果、地合と厚みの均一性が高く、耐熱性お
よび電解液保持性に優れ、電気化学素子の内部抵抗を低
くしうる湿式不織布およびそれを用いてなる電気化学素
子用セパレーター、ならびに電気二重層キャパシター用
セパレーターを実現できることを見出し、本発明に至っ
たものである。
【0009】即ち本発明は、融点または熱分解温度が2
50℃以上で、平均繊維長0.3mm〜2mm、少なく
とも一部が繊維径1μm以下にフィブリル化された液晶
性高分子繊維を含有してなる湿式不織布であって、空隙
率が68%〜85%であることを特徴とする湿式不織布
である。
【0010】本発明においては、液晶性高分子繊維が、
全芳香族ポリアミド繊維であることが好ましい。
【0011】本発明においては、液晶性高分子繊維が、
全芳香族ポリエステル繊維であることが好ましい。
【0012】本発明の湿式不織布は、微細セルロール繊
維を含有してなることが好ましい。
【0013】本発明の湿式不織布は、フィブリル化され
ていない繊度0.5dtex以下の有機繊維を1種類以
上含有することが好ましい。
【0014】本発明の湿式不織布は、平均繊維径3μm
以下のマイクロガラス繊維を含有することが好ましい。
【0015】本発明の湿式不織布は、融点が200℃以
上の成分を芯部に、融点が200℃未満の成分を鞘部に
配した芯鞘複合繊維を含有することが好ましい。
【0016】本発明の湿式不織布は、150℃〜250
℃で熱処理されてなることが好ましい。
【0017】本発明の湿式不織布は、最大孔径が0.9
μm〜6μmであることが好ましい。
【0018】本発明の湿式不織布は、ガーレー透気度が
0.5s/100ml〜20s/100mlであること
が好ましい。
【0019】本発明は、本発明の湿式不織布からなるこ
とを特徴とする電気化学素子用セパレーターである。
【0020】本発明は、本発明の湿式不織布からなるこ
とを特徴とする電気二重層キャパシター用セパレーター
である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の湿式不織布および
電気化学素子用セパレーターについて詳細に説明する。
【0022】本発明におけるフィブリル化された液晶性
高分子繊維とは、例えば、機械的剪断力などによって主
に繊維軸と平行な方向に非常に細かく分割された部分を
持つ有機繊維を指す。本発明に用いられるフィブリル化
された液晶性高分子繊維は、少なくとも一部が、すなわ
ち分割された部分が繊維径1μm以下であれば良い。ま
た、本発明においてはこのような液晶性高分子繊維の集
合体も指す。
【0023】本発明における少なくとも一部が繊維径1
μm以下にフィブリル化された液晶性高分子は、リファ
イナー、ビーター、高圧ホモジナイザー、摩砕装置など
を用いて製造される。これらの装置1種類だけを使用し
ても良いし、2種類以上を組み合わせて処理しても良
い。具体的な方法としては、例えば以下のような方法が
挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0024】液晶性高分子繊維を繊維長5mm以下、好
ましくは3mm以下に切断したものを原料とし、これを
水に分散させて懸濁液とする。懸濁液の濃度は重量百分
率で最大25%、好ましくは1〜10%であり、さらに
好ましくは、1〜2%である。この懸濁液をエマルジョ
ンや分散体製造用の高圧均質化装置に導入し、少なくと
も10kg/cm2、好ましくは200〜500kg/
cm2、さらに好ましくは400〜500kg/cm2
圧力を加え、この操作を数回から数十回繰り返し均質化
装置に通過させる。この間に高速で器壁に衝突させ、急
速に減速させることにより生じる剪断力が有機繊維に加
えられるが、その効果は主として繊維軸と平行な方向に
引き裂き、ほぐすような力として与えられ、次第にフィ
ブリル化する。
【0025】本発明における融点または熱分解温度が2
50℃以上の液晶性高分子繊維としては、全芳香族ポリ
アミド、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステル
アミド、全芳香族ポリエーテル、全芳香族ポリカーボネ
ート、全芳香族ポリアゾメジン、ポリフェニレンスルフ
ィド(PPS)、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチア
ゾール(PBZT)などからなる単繊維または複合繊維
が挙げられる。これらの中でも、特に耐熱性に優れる全
芳香族ポリアミド繊維や全芳香族ポリエステル繊維が好
ましい。特に全芳香族ポリアミド繊維の中でもパラアラ
ミド繊維が好ましい。
【0026】パラアラミド繊維は、ポリ−p−フェニレ
ンテレフタルアミド、ポリ−p−ベンズアミド、ポリ−
p−アミドヒドラジド、ポリ−p−フェニレンテレフタ
ルアミド−3,4−ジフェニルエーテルテレフタルアミ
ドなどを紡糸して繊維化したものである。
【0027】全芳香族ポリエステルは、芳香族ジオー
ル、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸
の3つのモノマーを組み合わせて、組成比を変えて合成
される。例えばp−ヒドロキシ安息香酸と2−ヒドロキ
シ−6−ナフトエ酸との共重合体が挙げられる。全芳香
族ポリエステル繊維は、このようなポリマーを紡糸して
繊維化したものである。
【0028】本発明における湿式不織布中のフィブリル
化された液晶性高分子繊維の含有量としては、10%以
上70%以下であることが好ましい。10%未満では、
湿式不織布の耐熱性が不十分になりやすく、70%より
多くなると、抄紙スラリーの濾水性が著しく低下するた
め、抄紙性が悪くなる傾向がある。また、濾水性を向上
させるため繊度の大きな繊維を配合するとフィブリル化
繊維が脱落しやすくなったり、湿式不織布の地合や厚み
が不均一になりやすい。
【0029】本発明におけるフィブリル化された液晶性
高分子繊維は、非常に細いため、繊維本数が相当多く存
在するだけでなく、アスペクト比が非常に大きいため、
フィブリル化繊維同士や他の繊維との絡み合う頻度が高
く、緻密な湿式不織布を形成することができる。そのた
め、電解液保持性に優れる湿式不織布が得られる。ま
た、繊維本数の多さと絡み合いの良さから、湿式不織布
全体にあまねく分布し、湿式不織布の耐熱性に大きく貢
献する。
【0030】本発明の湿式不織布は、空隙率が68%〜
85%であることを特徴とする。空隙率が68%未満で
は、電解液保持量が少なくなり、内部抵抗が高めになっ
てしまい、85%より高いと、湿式不織布の密度が低く
なりすぎて、孔径が大きめになり、電極活物質がセパレ
ーターを貫通して内部短絡しやすくなる傾向がある。
【0031】本発明における空隙率は、湿式不織布を構
成する繊維の比重と湿式不織布の密度から計算して求め
られる。すなわち、湿式不織布を構成する繊維の比重か
ら湿式不織布の比重を算出し、湿式不織布の比重と密度
との差を比重で除した値を100倍したものが空隙率
(%)である。
【0032】本発明における微細セルロース繊維とは、
セルロース繊維1本1本のほとんどが繊維径1μm以下
で、平均繊維長が2mm以下、好ましくは1mm以下の
セルロース繊維である。水素結合による自己結着力によ
って膜を形成しうるものが好ましい。
【0033】本発明における微細セルロース繊維は、リ
ンターをはじめとする各種パルプ、リントなどを原料と
し、機械的剪断力によって微細化されて製造されたもの
である。機械的剪断力を与える装置としては、リファイ
ナー、ビーター、高圧ホモジナイザー、摩砕装置などが
挙げられる。これらの装置1種類だけでも良いし、2種
類以上組み合わせて用いて製造されたものでも良い。
【0034】本発明に用いられる微細セルロース繊維
は、他の繊維に絡みつくため、繊維間の結合力を強め
る。従って、微細セルロース繊維を含有することによっ
て、湿式不織布の引張強度が強くなる。さらに微細セル
ロース繊維が水素結合により自己結着力により膜を形成
する場合には、湿式不織布にピンホールができにくくな
り、電極活物質の貫通防止効果が高まるだけでなく、湿
式不織布の突刺強度も強くなる。
【0035】本発明に湿式不織布中の微細セルロース繊
維の含有量は、1%〜30%が好ましく、3%〜10%
がより好ましい。含有量が1%未満では、ピンホール抑
制効果と内部短絡防止効果が小さく、30%より多い
と、抄紙用スラリーの濾水性が著しく低下して抄紙しに
くくなる傾向がある。
【0036】本発明におけるフィブリル化されていない
繊度0.5dtex以下の有機繊維としては、アクリ
ル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ
イミド、ポリアミドイミド、全芳香族ポリアミド、全芳
香族ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PE
EK)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニ
レンスルフィド(PPS)、ポリビニルアルコール、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体などの樹脂からなる
単繊維や複合繊維が挙げられる。また、これらの中から
2種類以上を組み合わせてなる分割型複合繊維を分割さ
せたものであっても良い。
【0037】本発明におけるフィブリル化されていない
繊度0.5dtex以下の有機繊維は、フィブリル化さ
れた液晶性高分子繊維を捕捉する働きをなし、湿式不織
布の地合を均一にする効果がある。本発明における湿式
不織布が、フィブリル化されていない繊度0.5dte
x以下の有機繊維を含有する場合の含有量としては、3
%以上が好ましく、5%以上がより好ましい。
【0038】本発明の湿式不織布は、さらに平均繊維径
3μm以下のマイクロガラス繊維を含有してなることが
好ましい。マイクロガラス繊維を含有することによっ
て、耐熱寸法安定性が向上するため、空隙率が減少しに
くく、電解液保持性に優れる効果があるだけでなく、湿
式不織布の熱収縮が抑制されるため、電極同士の短絡が
起こりにくく、電気化学素子の製造歩留りが高くなる効
果も併せ持つ。平均繊維径が3μmより太くなると、湿
式不織布の摩擦や二次加工処理によってマイクロガラス
繊維が折れて脱落し、ピンホールなどの欠点が生じやす
くなる。
【0039】ここでマイクロガラス繊維とは、蒸気吹付
法、スピニング法、火焔挿入法、ロータリー法などで製
造される極細ガラス繊維であり、平均繊維径が、一般的
には5μm以下であるものを指している。
【0040】本発明における湿式不織布中のマイクロガ
ラス繊維の含有量としては、特に制限はないが、20%
以下であることが好ましく、特に10%以下であること
が好ましい。10%、特に20%より多いと、セパレー
ターの耐折強度や層間強度などが弱くなり、電極との巻
回性に問題が生じる傾向がある。
【0041】本発明の湿式不織布は、融点が200℃以
上の成分を芯部に、融点が200℃以下の成分を鞘部に
配した芯鞘複合繊維を含有してなることが好ましい。融
点が200℃以上の成分としては、ポリエステル、ポリ
アミドなどが挙げられる。融点が200℃未満の成分と
しては、低融点ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエ
チレンなどが挙げられる。
【0042】融点が200℃以上の成分を芯部に、融点
が200℃未満の成分を鞘部に配した芯鞘複合繊維は湿
式抄紙の乾燥工程で、鞘部が溶融して他の繊維に融着
し、湿式不織布の強度を発現させる結着材としての役割
を果たす。また、電気化学素子の製造工程である200
℃程度での乾燥工程を経ても融点200℃以上の芯部が
繊維形状を保持できるため、湿式不織布の熱収縮が抑制
され、電解液保持性に重要な空隙率も減少し難くなる効
果がある。
【0043】本発明における湿式不織布中の該芯鞘複合
繊維の含有量としては、特に制限はないが、50%以下
が好ましい。50%より多くなると、鞘部の融着による
孔の閉塞が無視できなくなり、電解液保持性が低下しや
すくなる。
【0044】本発明におけるフィブリル化された液晶性
高分子繊維や微細セルロース繊維以外の有機繊維の長さ
としては、特に限定されるものではないが、湿式不織布
の地合が均一になりやすいことから、1〜30mmが好
ましく、1〜10mmがより好ましい。繊維長が1mm
より短いと、フィブリル化繊維の捕捉能が低下し、30
mmより長くなると繊維同士がよれて湿式不織布の厚み
むらが生じやすくなる。
【0045】本発明の湿式不織布は、最大孔径が0.9
μm〜6μmであることが好ましい。ここで、最大孔径
とは、ASTM−F−80で規定されるバブルポイント
法で測定される最大孔径を指す。基本的には電極活物質
の粒径よりも湿式不織布の最大孔径が小さければ、脱落
した電極活物質がセパレーターを貫通することはなく、
内部短絡は生じない。しかし、実際には平均粒径よりも
小さな電極活物質も存在するため、セパレーターとして
用いられる湿式不織布の最大孔径は、電極活物質の平均
粒径よりも小さめであることが好ましい。現在、主に使
用されている電極活物質の平均粒径は、3μm、6μ
m、8μmなどである。従って、本発明における最大孔
径が0.9μm〜6μmの湿式不織布はセパレーターと
して、電極活物質の平均粒径に応じて使用できる。
【0046】本発明の湿式不織布は、ガーレー透気度が
0.5s/100ml〜20s/100mlであること
が好ましい。ガーレー透気度が、0.5s/100ml
未満では、湿式不織布の孔径が大きすぎるか、ピンホー
ルが存在する状態であることが多く、内部短絡防止性で
問題が生じやすく、20s/100mlより値が大きく
なると、湿式不織布の密度が高めになり、イオン透過性
が悪くなるため内部抵抗が高くなりやすい。
【0047】本発明における湿式不織布を製造する方法
としては、長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜型抄紙機、さ
らには2種以上を組み合わせたコンビネーションマシン
などを用いて湿式抄紙する方法が挙げられる。
【0048】湿式抄紙法は、通常、繊維を固形分濃度が
0.1〜5%程度になるように分散助剤、増粘剤などを
用いて水中に均一に分散してスラリーとし、さらにスラ
リー中に水を追加し、固形分濃度を0.1〜0.001
%に希釈して希薄水性スラリーとし、これを抄紙機を用
いてシート化するものである。
【0049】本発明における湿式不織布の坪量は、特に
制限はないが、5〜50g/m2が好ましく、10〜3
0g/m2がさらに好ましく用いられる。
【0050】本発明における湿式不織布の厚みは、特に
制限はないが、電気化学素子が小型化できること、収容
できる電極面積を大きくでき容量を稼げる点から薄い方
が好ましい。具体的には電池組立時に破断しない程度の
強度を持ち、ピンホールが無く、高い均一性を備える厚
みとして10〜200μmが好ましく用いられ、20〜
100μmがより好ましく用いられる。10μm未満で
は、電気化学素子の製造時の短絡不良率が増加するため
好ましくない。一方、200μmより厚くなると、電気
化学素子に収納できる電極面積が減少するため電気化学
素子の容量が低いものになる。
【0051】本発明の湿式不織布の厚みが所望の厚みよ
りも厚い場合には二次加工処理により厚みを薄くする必
要がある。この二次加工処理としては、スーパーカレン
ダー、マシンカレンダー、熱カレンダー、ソフトカレン
ダー、熱ソフトカレンダーなどのカレンダーを用いてカ
レンダー処理を施して厚み調整が行われる。なるべく電
解液保持性を損なわないようにするため、加熱しないで
カレンダー処理を行うことがより好ましい。
【0052】本発明において加圧処理または加圧熱処理
することにより、電気化学素子用セパレーターの表面平
滑性が向上するため電極との密着性が良くなり、電極と
の巻回時に電極と非水電解液電池用セパレーター間にず
れや空隙が生じにくくなる。
【0053】本発明の湿式不織布は、150℃〜250
℃、より好ましくは180℃〜250℃で熱処理されて
なることが好ましい。予め、高温で熱処理することによ
って湿式不織布を構成する有機繊維の一部が軟化、溶融
して自他繊維と融着するため、セパレーターの耐熱寸法
安定性が向上する。そのため、セパレーターを電極と一
緒に高温乾燥処理しても、セパレーターが熱収縮しにく
く、電極同士が接触する事故を防止することができる。
熱処理することによって、セパレーターの引張強度や突
刺強度が向上するため、電極と一緒に巻回する際にセパ
レーターの破断や貫通事故が生じにくくなり、電気化学
素子の生産効率と歩留りが向上する。熱処理温度は、高
温乾燥処理の温度以上にすることが好ましい。
【0054】活性炭や活性炭素繊維を電極活物質として
用いる電気化学素子の場合、セパレーター内に不純物が
あると、活性炭や活性炭素繊維が不純物を吸着してしま
い、その結果、活性炭や活性炭素繊維の細孔が潰れた
り、比表面積が減少し、電気化学素子の容量が理論値よ
りも大幅に低下する場合がある。湿式不織布には、湿式
抄紙時に用いられる界面活性剤や消泡剤などの添加薬品
が微量ではあるが付着していることが多く、湿式不織布
を電気化学素子用セパレーターとして用いる場合、これ
らの付着物が活性炭や活性炭素繊維に吸着して容量が低
下する場合がある。湿式不織布を150℃〜250℃で
熱処理することによって、これらの付着物が揮発して除
去される効果もある。150℃より低い温度では、これ
ら付着物が揮発しにくい。
【0055】本発明における湿式不織布の熱処理方法
は、150℃〜250℃に加熱したロールに湿式不織布
の片面、より好ましくは両面を接触させて連続処理する
方法が挙げられる。湿式不織布を熱ロールに接触させる
時間が長いほど良く、少なくとも片面で5秒以上接触さ
せることが好ましい。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限定されるものではない。
【0057】<湿式不織布および電気化学素子セパレー
ター、ならびに電気二重層キャパシター用セパレーター
の作製>
【0058】実施例1 平均繊維長0.5mmで、少なくとも一部が繊維径1μ
m以下にフィブリル化されたパラアラミド繊維20%、
繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリエステル繊維
30%、繊度0.4dtex、繊維長3mmのポリエス
テル繊維20%、芯部に融点255℃のポリエステル、
鞘部に融点110℃の変性ポリエステルを配した芯鞘複
合繊維30%を分散助剤とともにパルパーを用いて水中
に分散させた。これを水で所定濃度に希釈したスラリー
を調製した。次いで、円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、
坪量18g/m2の湿式不織布を作製した。該湿式不織
布の両面を、200℃に加熱した直径1.2mのドラム
ロールに速度20m/minで接触させて熱処理し、坪
量19g/m2、厚み58μm、空隙率76.6%の電
気化学素子用セパレーターおよび電気二重層キャパシタ
ー用セパレーターとした。
【0059】実施例2 平均繊維長0.4mmで、少なくとも一部が繊維径1μ
m以下にフィブリル化されたパラアラミド繊維50%、
繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリエステル繊維
20%、実施例1で用いた芯鞘複合繊維30%を分散助
剤とともにパルパーを用いて水中に分散させた。これを
水で所定濃度に希釈したスラリーを調製した。次いで、
実施例1と同様にして湿式抄紙し、坪量18g/m2
湿式不織布を作製した。該湿式不織布の両面を、200
℃に加熱した直径1.2mのドラムロールに速度20m
/minで接触させて熱処理し、坪量19g/m2、厚
み55μm、空隙率75.5%の電気化学素子用セパレ
ーターおよび電気二重層キャパシター用セパレーターと
した。
【0060】実施例3 実施例2で用いたパラアラミド繊維20%、繊度0.1
dtex、繊維長3mmのポリエステル繊維40%、実
施例1で用いた芯鞘複合繊維30%、平均繊維長0.6
mmの微細セルロース繊維10%を分散助剤とともにパ
ルパーを用いて水中に分散させた。これを水で所定濃度
に希釈したスラリーを調製した。次いで、実施例1と同
様にして湿式抄紙し、坪量16g/m2の湿式不織布を
作製した。該湿式不織布の両面を、180℃に加熱した
直径1.2mのドラムロールに速度20m/minで接
触させて熱処理し、坪量17g/m2、厚み40μm、
空隙率69.6%の電気化学素子用セパレーターおよび
電気二重層キャパシター用セパレーターとした。
【0061】実施例4 平均繊維長0.8mmで、少なくとも一部が繊維径1μ
m以下にフィブリル化された全芳香族ポリエステル繊維
30%、繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリエス
テル繊維10%、繊度0.4dtex、繊維長3mmの
ポリエステル繊維20%、実施例1で用いた芯鞘複合繊
維30%、平均繊維径0.3μmのマイクロガラス繊維
10%を分散助剤とともにパルパーを用いて水中に分散
させた。これを水で所定濃度に希釈したスラリーを調製
した。次いで、実施例1と同様にして湿式抄紙し、坪量
20g/m2の湿式不織布を作製した。該湿式不織布の
両面を、220℃に加熱した直径1.2mのドラムロー
ルに速度20m/minで接触させて熱処理し、坪量2
0g/m2、厚み70μm、空隙率80.8%の電気化
学素子用セパレーターおよび電気二重層キャパシター用
セパレーターとした。
【0062】実施例5 平均繊維長1.6mmで、少なくとも一部が繊維径1μ
m以下にフィブリル化された全芳香族ポリエステル繊維
30%、繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリエス
テル繊維30%、実施例1で用いた芯鞘複合繊維30
%、実施例3で用いた微細セルロース繊維5%、実施例
4で用いたマイクロガラス繊維5%を分散助剤とともに
パルパーを用いて水中に分散させた。これを水で所定濃
度に希釈したスラリーを調製した。次いで、実施例1と
同様にして湿式抄紙し、坪量23g/m2の湿式不織布
を作製した。該湿式不織布の両面を、200℃に加熱し
た直径1.2mのドラムロールに速度10m/minの
速度で接触させて熱処理し、坪量24g/m2、厚み7
0μm、空隙率76.3%の電気化学素子用セパレータ
ーおよび電気二重層キャパシター用セパレーターとし
た。
【0063】比較例1 平均繊維長0.4mmで、少なくとも一部が繊維径1μ
m以下にフィブリル化されたパラアラミド繊維20%、
繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリエステル繊維
40%、実施例1で用いた芯鞘複合繊維30%、平均繊
維長0.6mmの微細セルロース繊維10%を分散助剤
とともにパルパーを用いて水中に分散させた。これを水
で所定濃度に希釈したスラリーを調製した。次いで、円
網抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量18g/m2の湿式
不織布を作製した。該湿式不織布をスーパーカレンダー
処理して厚みを35μmに調整し、空隙率63%の電気
化学素子用セパレーターおよび電気二重層キャパシター
用セパレーターとした。
【0064】<電気化学素子1の作製>電極活物質とし
て平均粒径8μmの活性炭85%、導電材としてカーボ
ンブラック7%、結着材としてポリテトラフルオロエチ
レン8%を混練して厚み0.2mmのシート状電極を作
製した。これを厚み50μmのアルミニウム箔の両面に
導電性接着剤を用いて接着させ、圧延して有効電極面積
105mm巾、19.9m長の電極を作製した。この電
極を正極および負極として用いた。実施例1〜5および
比較例1で作製した電気二重層キャパシター用セパレー
ターを110mm巾、20m長にスリットし、これを負
極と正極の間に介して積層し、巻回機を用いて渦巻き型
に巻回して渦巻き型素子を作製した。正極側および負極
側の最外層には何れもセパレーターを配した。この渦巻
き型素子をアルミニウム製ケースに収納した。次いで、
ケースに取り付けられた正極端子および負極端子に正極
リードおよび負極リードを溶接した後、電解液注液口を
残してケースを封口した。この素子を収納したケースご
と200℃に3時間加熱し乾燥処理した。次いで、この
ケース内に電解液を注入し、注液口を密栓して電気二重
層キャパシター、すなわち電気化学素子1を作製した。
電解液には、プロピレンカーボネートに1.5mol/
lになるように(C253(CH3)NBF4を溶解さ
せたものを用いた。
【0065】<電気化学素子2の作製>実施例1〜5お
よび比較例1で作製した電気化学素子用セパレーターを
56mm巾、600mm長にスリットし、これを負極と
正極の間に介して積層し、巻回機を用いて渦巻き型に巻
回して渦巻き型素子を作製した。これをニッケルメッキ
した鉄製の直径18mm、高さ65mmの円筒状電池缶
に収納した。このとき負極端子と正極端子に負極リード
と正極リードをそれぞれ溶接した。この電池缶の中にプ
ロピレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1
の体積比で混合した溶媒にLiPF6を1mol/lに
なるように溶解させた非水電解液を注入した。次いで、
電池缶と電池蓋をかしめて封口し、円筒型非水電解液電
池を作製し、これを電気化学素子2とした。ここで、負
極には、平均粒径6μmコークス粉末90%と結着剤ポ
リテトラフルオロエチレン10%を混練して負極合剤を
作製した後、適量のN−メチルピロリドンを加えてスラ
リー状となし、これを負極集電体である厚み100μm
の帯状銅箔の両面に塗布し、乾燥後、ローラープレス機
を用いて圧縮成型し、厚み180μm、巾55mm、長
さ556mmにしたものを用いた。正極には平均粒径6
μmのLiCoO290%、導電性グラファイト6%、
結着剤ポリテトラフルオロエチレン4%を混練して正極
合剤を調製した後、これを正極集電体である厚み20μ
mの帯状アルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥後、ロー
ラープレス機を用いて圧縮成形し、厚み150μm、巾
53mm、長さ528mmにしたものを用いた。
【0066】上記の実施例1〜5および比較例1により
得られた電気化学素子用セパレーターおよび電気二重層
キャパシター用セパレーター、ならびにそれらを用いて
作製した電気化学素子について、下記の試験方法により
測定し、その結果を下記表に示した。
【0067】<最大孔径>ASTM−F−80に規定さ
れるバブルポイント法に準拠して測定した最大孔径を示
した。
【0068】<ガーレー透気度>ガーレー透気度計を用
いて、各セパレーター試料について10点測定し、平均
値を求めた。
【0069】<熱収縮率>15cm×10cmの大きさ
に切り取ったセパレーター試料をアルミニウム板に載
せ、縦方向に直角な2辺をクリップで挟んで固定し、2
00℃に設定した恒温乾燥機の中に3時間静置した。横
方向の寸法を計り、元の寸法に対する収縮による寸法変
化の割合を求め、熱収縮率(%)とした。
【0070】<突刺強度>各セパレーター試料の面に直
角に、直径1mmで先端にRをつけた針を1mm/sの
速度で降ろしていき、セパレーターを貫通したときの荷
重を突刺強度とし、20カ所の平均値を求めた。
【0071】<電解液保液率>15cm×10cmの大
きさに切り取ったセパレーター試料の重量(W1)を計
測し、次いでセパレーター試料を電解液に1分間浸漬し
た後、ピンセットで該試料を取り出し、つるした。電解
液が垂れなくなったところで該試料の重量(W 2)を計
測した。下記の数式1より、セパレーターの自重に対す
る電解液保液率(%)を求め、表1に記した。電解液と
しては、プロピレンカーボネートに1.5mol/lに
なるように(C253(CH3)NBF4を溶解させた
ものを用いた。
【0072】
【数1】 電解液保液率(%)=(W2−W1)/W1×100
【0073】<内部短絡不良率1>実施例1〜5および
比較例1で得られた電気二重層キャパシター用セパレー
ターを用いて作製した電気化学素子1に2.5Vの直流
電圧を72時間印加した後、2.5Vまで充電し、充電
直後の漏れ電流を測定し、10mA以上の漏れ電流が観
測されたものを内部短絡不良と見なし、100個あたり
の内部短絡不良率を求め、内部短絡不良率1とした。
【0074】<内部短絡不良率2>実施例1〜5および
比較例1で得られた電気化学素子用セパレーターを用い
て作製した電気化学素子2を1CmAの定電流で4.2
Vまで充電し、4.2V到達後は定電圧充電に切り替
え、総時間2.5時間で充電が完了するようにした。充
電終了後、開路電圧が0Vを示したものや3Vを下回っ
たものを内部短絡不良と見なし、100個あたりの内部
短絡不良率を求め、内部短絡不良率2とした。
【0075】<内部抵抗>実施例1〜5および比較例1
で得られた電気二重層キャパシター用セパレーターを用
いて作製した電気化学素子1について内部抵抗を測定
し、その値を示した。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】評価:表1および表2の結果から明らかな
ように、本発明における実施例1〜5で作製した電気化
学素子用セパレーターおよび電気二重層キャパシター用
セパレーターは、融点または熱分解温度が250℃以上
で、平均繊維長0.3mm〜2mm、少なくとも一部が
繊維径1μm以下にフィブリル化された液晶性高分子繊
維を含有してなり、空隙率が68%〜85%であるた
め、耐熱性および電解液保持性に優れ、電気化学素子の
内部抵抗が低く優れていた。また、何れも最大孔径が
0.9μm〜6μmであるため、電極活物質がセパレー
ターを貫通することがなく、内部短絡が生じず優れてい
た。また、ガーレー透気度が0.5s/100ml〜2
0s/100mlであるため、イオン透過性が良好で内
部抵抗の低減に寄与した。このように本実施例によれ
ば、電気化学素子用セパレーターおよび電気二重層キャ
パシター用セパレーターとして有用であることが示され
た。
【0079】実施例1〜5で作製した電気化学素子用セ
パレーターおよび電気二重層キャパシター用セパレータ
ーは、フィブリル化されていない繊度0.5dtex以
下の有機繊維を1種類以上含有してなるため、地合が均
一であった。また、何れも融点が200℃以上の成分を
芯部に、融点が200℃未満の成分を鞘部に芯鞘複合繊
維を含有し、さらに150℃〜250℃で熱処理されて
なるため、十分な突刺強度を有していた。特に、実施例
3および5で作製した電気化学素子用セパレーターおよ
び電気二重層キャパシター用セパレーターは、微細セル
ロース繊維を含有してなるため、突刺強度が著しく強く
なった。また、実施例3および5で作製した電気化学素
子用セパレーターおよび電気二重層キャパシター用セパ
レーターのように、微細セルロース繊維を含有してなる
場合は、最大孔径がより小さくなっており、さらに粒径
の小さな電極活物質からなる電極を用いる場合にもセパ
レーターとして有用である可能性が高い。
【0080】実施例4および5で作製した電気化学素子
用セパレーターおよび電気二重層キャパシター用セパレ
ーターは、マイクロガラス繊維を含有してなるため、熱
収縮率がより小さく、耐熱寸法安定性が優れているだけ
でなく、電解液との親和性が高いため、電解液保持性に
も優れていた。
【0081】一方、比較例1で作製した電気化学素子用
セパレーターおよび電気二重層キャパシター用セパレー
ターは、空隙率が63%と低かったため、電解液保持性
がやや悪く、電気化学素子の内部抵抗が著しく高くなっ
てしまった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04H 1/42 D04H 1/42 X D21H 13/24 D21H 13/24 15/10 15/10 H01G 9/02 H01G 9/02 301 301 H01M 2/16 N H01M 2/16 P H01G 9/00 301C (72)発明者 高岡 和千代 東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱 製紙株式会社内 Fターム(参考) 4L047 AA05 AA12 AA22 AA24 BA21 CB10 CC12 4L055 AF04 AF09 AF33 AF35 AF44 AF47 BE20 EA06 EA08 EA12 EA16 EA20 FA18 FA19 FA30 GA01 GA31 GA39 5H021 CC02 CC17 EE07 EE08 EE11 EE28 HH00 HH02 HH03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点または熱分解温度が250℃以上
    で、平均繊維長0.3mm〜2mm、少なくとも一部が
    繊維径1μm以下にフィブリル化された液晶性高分子繊
    維を含有してなる湿式不織布であって、空隙率が68%
    〜85%であることを特徴とする湿式不織布。
  2. 【請求項2】 液晶性高分子繊維が、全芳香族ポリアミ
    ド繊維であることを特徴とする請求項1記載の湿式不織
    布。
  3. 【請求項3】 液晶性高分子繊維が、全芳香族ポリエス
    テル繊維であることを特徴とする請求項1記載の湿式不
    織布。
  4. 【請求項4】 湿式不織布が、微細セルロース繊維を含
    有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記
    載の湿式不織布。
  5. 【請求項5】 湿式不織布が、フィブリル化されていな
    い繊度0.5dtex以下の有機繊維を1種類以上含有
    することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の湿式不織布。
  6. 【請求項6】 湿式不織布が、平均繊維径3μm以下の
    マイクロガラス繊維を含有することを特徴とする請求項
    1〜5の何れか1項に記載の湿式不織布。
  7. 【請求項7】 融点が200℃以上の成分を芯部に、融
    点が200℃未満の成分を鞘部に配した芯鞘複合繊維を
    含有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に
    記載の湿式不織布。
  8. 【請求項8】 150℃〜250℃で熱処理されてなる
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の湿
    式不織布。
  9. 【請求項9】 最大孔径が0.9μm〜6μmであるこ
    とを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の湿式
    不織布。
  10. 【請求項10】 ガーレー透気度が0.5s/100m
    l〜20s/100mlであることを特徴とする請求項
    1〜9の何れか1項に記載の湿式不織布。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10の何れか1項に記載の
    湿式不織布を用いてなることを特徴とする電気化学素子
    用セパレーター。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10の何れか1項に記載の
    湿式不織布を用いてなることを特徴とする電気二重層キ
    ャパシター用セパレーター。
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