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JP4572562B2 - フィルム状接着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、多数の電極や回路が設けられたシートやフィルム間を接着しかつ電気的に接続するフィルム状接着剤に関する。
液晶製品内の電子部品の基板上に形成された電極と回路との接続等、電極(電気端子)や回路をその上に狭ピッチで多数設けたシートやフィルム間を接着しかつ電気的に接続する手段として、導電粒子を含有するフィルム状接着剤が用いられている。フィルム状接着剤は、一般的に、フィルム状の絶縁性接着性樹脂中に導電粒子を分散させたシート状の接着剤であり、接合対象の間に挟まれ、加圧、加熱されて接合対象を接着する。
すなわち、加圧、加熱により、シート状の樹脂が流動し、それぞれの接合対象上の相対峙する電極間の隙間を封止すると同時に、導電粒子の一部が対峙する電極間に噛み込まれて電気的接続が達成される
フィルム状接着剤は、液晶表示装置(LCD)等の精密機器周辺の接続に使用されるため高い信頼性が要求されている。そこで、導通/絶縁性能に加え、耐環境性が求められており、例えばLCDへ適用される場合は、60℃−90%×1000時間の高温高湿試験や85℃×1000時間の高温放置試験に耐えられる高い耐熱性、耐湿性等が要求される。
従来、フィルム状接着剤を構成する絶縁性接着性樹脂としては主にエポキシ系の熱硬化性樹脂組成物が用いられていた。特に、フィルム形状を維持するための平均分子量約50000程度の高分子量エポキシ樹脂(フェノキシ樹脂)と、加熱時に速やかに反応し接着性能を発現する平均分子量約400程度の低分子量エポキシ樹脂及び硬化剤とから成る組成物が広く使用されていた。
しかし、ここで用いられるエポキシ樹脂は、高分子量エポキシ、低分子量エポキシのいずれもビスフェノールAを基本骨格としたものであり、その硬化物のTg(一次相転移点)は100℃前後と低く、その結果耐熱性に問題を生じ、又高温高湿試験で接続不良を生じる等耐熱・耐湿性に問題があった。
そこで、その対策として低分子量エポキシ樹脂を、ビスフェノールA型から、剛直な骨格を持つナフタレン型に置き換えることでTgを上げ、耐熱・耐湿性を向上した樹脂組成物が提案されている(特開平8−315885号公報;特許文献1)。すなわち、特許文献1には、(1)フェノキシ樹脂、(2)ナフタレン型エポキシ樹脂、(3)潜在性硬化剤を必須とする接着剤組成物(絶縁性接着性樹脂)と導電性粒子よりなる回路接続材料(フィルム状接着剤)が開示されている。
ここで(1)フェノキシ樹脂とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)から求められた平均分子量が10000以上の高分子量エポキシ樹脂に相当し、ビスフェノールA型、F型、AD型等の種類が用いられており、その結果、良好な接着性等の優れた特徴が得られるが、一方、耐熱・耐湿性の向上には寄与は小さい。従って、この組成物によっても、耐熱・耐湿性の向上は小さく、問題の完全解決には至らなかった。そこで、さらに、耐熱・耐湿性を向上することができる絶縁性接着性樹脂及び該樹脂と導電性粒子よりなるフィルム状接着剤の開発が望まれていた。
特開平8−315885号公報
本発明は、絶縁性接着性樹脂及び導電性粒子からなり、優れた耐熱・耐湿性を有するフィルム状接着剤を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、低分子量エポキシ樹脂として剛直な骨格を持つナフタレン型又はビフェニル型エポキシ樹脂を用い、かつ特定の架橋剤を加えることによって、高い耐熱・耐湿性を有する絶縁性接着性樹脂及びフィルム状接着剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、その請求項1として、
(1)平均分子量が10000以上のフェノキシ樹脂、
(2)平均分子量が1000以下のナフタレン型又はビフェニル型エポキシ樹脂
(3)1分子内に3つ以上のエポキシ基を有し、かつ平均分子量が1000以下である架橋剤、及び
(4)潜在性硬化剤
を必須成分とする絶縁性樹脂に、導電性粒子を含有してなることを特徴とするフィルム状接着剤を提供する。
ここで、フェノキシ樹脂とは、前記のように、高分子量エポキシ樹脂を意味する。フェノキシ樹脂としては、ビスフェノールA、F、S、AD等を骨格とするビスフェノール型フェノキシ樹脂等の他、ビフェニル、ターフェニル、ナフタレン、アントラセン、ベンゾアントラセン、ピレン又はジシクロペンタジエン等の残基(該化合物から1以上の原子又は基を除去した基)が、結合基を通して繋がった剛直な骨格を有するフェノキシ樹脂も用いることができる。
本発明においては(1)として、平均分子量が10000以上のフェノキシ樹脂が用いられるが、ここで平均分子量とは、THF展開のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)から求められたポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。前記の剛直な骨格を有するもの以外のフェノキシ樹脂を用いる場合、例えばビスフェノール型フェノキシ樹脂を用いる場合は、耐熱・耐湿性をさらに向上させるために、平均分子量20000以上が好ましい。請求項2は、この好ましい態様に該当し、前記のフィルム状接着剤であって、(1)フェノキシ樹脂の平均分子量が20000以上であることを特徴とするフィルム状接着剤を提供するものである。
平均分子量が大きいほどフィルム形成性が高く、また接続温度における樹脂の溶融粘度を高い範囲に設定できる。これらの観点や他の樹脂との相溶性等の点から、平均分子量としては、10000〜150000の範囲が好ましく、10000〜80000程度のものがより好ましい。フェノキシ樹脂として、水酸基やカルボキシル基等の極性基を含有するものを用いると、均一な外観や特性を有するフィルムが得られることや、硬化時の反応促進により短時間硬化が得られるので好ましい。
前記の例示した(1)フェノキシ樹脂の中では、剛直な骨格を有するフェノキシ樹脂を用いると、耐熱・耐湿性をさらに向上できるので好ましく、特にビフェニル型エポキシ樹脂やナフタレン型エポキシ樹脂がその入手の容易さや取扱いの容易さの点から好ましい。請求項3は、この特に好ましい態様に該当し、前記のフィルム状接着剤であって、(1)フェノキシ樹脂が、ビフェニル型エポキシ樹脂又はナフタレン型エポキシ樹脂であることを特徴とするフィルム状接着剤を提供するものである。
ビフェニル型フェノキシ樹脂は、例えば、ジヒドロキシビフェニルの水酸基とエピクロロヒドリンを反応させて、高分子量化することにより得られる。このフェノキシ樹脂としては、市販のビフェニル型の高分子量エポキシ樹脂を用いることもできる。
前記(2)の平均分子量が1000以下のエポキシ樹脂は、加熱時に速やかに硬化剤と反応し接着性能を発現する役割をするものである。ここで平均分子量とは、(1)の場合と同様に、GPCから求められた重量平均分子量を意味する。本発明は、(2)の低分子量エポキシ樹脂として、ナフタレン型又はビフェニル型エポキシ樹脂を用いることを特徴とする。剛直な骨格を有するナフタレン型又はビフェニル型エポキシ樹脂を、(2)の低分子量エポキシ樹脂として用いることにより、優れた耐熱・耐湿性が達成される。
ここで、ビフェニル型エポキシ樹脂は、1分子内に少なくとも1個以上のビフェニル環を含んだ骨格を有しており、例えばヒドロキシビフェニルやジヒドロキシビフェニルの水酸基とエピクロロヒドリン等を反応させ、該水酸基の水素原子を置換して得られる。ナフタレン型エポキシ樹脂は、1分子内に少なくとも1個以上のナフタレン環を含んだ骨格を有しており、例えばナフトールやナフタレンジオールの水酸基とエピクロロヒドリン等を反応させ、該水酸基の水素原子を置換して得られる。前記(2)の平均分子量が1000以下のエポキシ樹脂としては、市販の低分子量エポキシ樹脂を用いることも可能である。
前記(3)の1分子内に3つ以上のエポキシ基を有し、かつ平均分子量が1000以下である架橋剤としては、トリフェニルメタン型、テトラフェニルエタン型、クレゾールノボラック型、ナフタレン型等、1分子内に2以上の芳香族環を有する芳香族化合物のエポキシが例示される。
架橋剤を使用することにより、接着時の加熱により架橋が起き、その結果耐熱性、耐湿性が向上する。特に架橋剤を、(1)フェノキシ樹脂及び(2)低分子エポキシ樹脂の合計重量に対して5重量%以上80重量%以下配合することにより、耐熱性、耐湿性の向上が顕著になるので好ましい。請求項4はこの好ましい態様に該当し、前記のフィルム状接着剤であって、(1)フェノキシ樹脂及び(2)エポキシ樹脂の合計重量に対する(3)架橋剤の配合量が、5重量%以上80重量%以下であることを特徴とするフィルム状接着剤を提供するものである。
前記の(1)フェノキシ樹脂、(2)低分子量エポキシ樹脂や(3)架橋剤としては、不純物イオン(Na+ 、Cl- 等)や、加水分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度品を用いることが、エレクトロマイグレーション防止のために好ましい。
前記(4)の潜在性硬化剤とは、低温での貯蔵安定性にすぐれ、室温ではほとんど硬化反応をおこさないが、加熱等により所定の条件とすると速やかに硬化反応をおこす硬化剤である。潜在性硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ポリアミンの塩、ジシアンジアミド及びこれらの変性物が例示される。
例示された硬化剤は、アニオンまたはカチオン重合型等のいわゆるイオン重合性の触媒型硬化剤であり、速硬化性を得やすく、また化学当量的な考慮が少なくてよいことから好ましい。特にイミダゾール系硬化剤は、低温での貯蔵安定性にすぐれ、速硬化性等に優れているので好ましい。請求項6は、この好ましい態様に該当し、前記のフィルム状接着剤であって、前記(4)潜在性硬化剤がイミダゾール系硬化剤であることを特徴とするフィルム状接着剤を提供するものである。
さらに、これらの潜在性硬化剤を、ポリウレタン系、ポリエステル系等の高分子物質や、Ni、Cu等の金属薄膜及びケイ酸カルシウム等の無機物で被覆してマイクロカプセル化したものは可使時間が延長できるため好ましい。これらの潜在性硬化剤は、単独または2種以上の混合体として使用できる。
前記(2)低分子量エポキシ樹脂及び(4)潜在性硬化剤の配合割合は、(1)フェノキシ樹脂と(2)低分子量エポキシ樹脂の合計重量に対し、(2)が、10〜80重量%の範囲、(4)が、5〜40重量%の範囲が好ましい。(2)が10重量%以下の場合、硬化速度が低下することがある。一方、(2)が80重量%以上の場合、シート形成が困難になる場合がある。又、(4)が5重量%以下の場合、硬化速度が低下し、硬化が不十分になる場合があり、一方40重量%以上の場合、未反応の硬化剤が残留しやすくなり、耐熱、耐湿性を低下させる場合がある。請求項4は、この好ましい態様に該当し、前記のフィルム状接着剤であって、前記(1)フェノキシ樹脂と前記(2)平均分子量1000以下のエポキシ樹脂の合計重量に対し、前記(2)平均分子量1000以下のエポキシ樹脂が、10〜80重量%の範囲であり、かつ前記(4)潜在性硬化剤が、5〜40重量%の範囲であることを特徴とするフィルム状接着剤を提供するものである。
本発明のフィルム状接着剤の絶縁性樹脂には、前記の(1)及び(2)のエポキシ樹脂の他に、本発明の趣旨を損なわない範囲で、他のエポキシ化合物等を単独にあるいは2種以上混合して添加することが可能である。
本発明のフィルム状接着剤は、前記のようにして得られる絶縁性樹脂に、導電性粒子を含有させたものである。導電性粒子を含有させることにより、接続時に、接続対象上の多数の相対峙する電極間の間隔にばらつきがあり、一部の電極間に隙間が生じても、この隙間にある導電性粒子により電極間の導通が達成され、良好な電気的接続が得られる。
導電性粒子としては、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子、カーボン粒子、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等に前記の金属やカーボン等を被覆して導通層を形成したもの、微細な金属粒子が鎖状に多数繋がった形状を有する金属粉末、該金属粉末が、鎖の太さ方向に多数繋がり凝集した鎖状二次凝集体からなる金属粉末、及び針状の金属粉末が例示される。プラスチックを核とした場合や熱溶融金属粒子の場合、加熱、加圧により変形性を有するので接続時に電極との接触面積が増加し信頼性が向上するので好ましい。
又、微細な金属粒子が鎖状に多数繋がった形状を有する金属粉末、該金属粉末が、鎖の太さ方向に多数繋がり凝集した鎖状二次凝集体からなる金属粉末、又は針状の金属粉末を用いると、金属粉末の充填密度をあまり高くすることなしに、厚み方向の抵抗を低くし、良好な電気的接続を達成できるとともに、面方向の絶縁抵抗をより高く保つことができ、隣り合う電極間の短絡を防ぐ効果がより高くなるので好ましい。特に、これらの金属粉末を含有する導電性粒子を、フィルムの厚み方向に配向させることにより、この効果がさらに顕著になる。請求項7及び請求項8はこの好ましい態様に該当するものである。
すなわち、請求項7は、前記のフィルム状接着剤であって、前記導電性粒子が、微細な金属粒子が鎖状に多数繋がった形状を有する金属粉末、前記金属粉末を、鎖の太さ方向に多数繋げ凝集させた鎖状二次凝集体からなる金属粉末、又は針状の金属粉末を含有することを特徴とするフィルム状接着剤を提供するものである。又、請求項8は、請求項7のフィルム状接着剤であって、前記導電性粒子を、フィルムの厚み方向に配向させたことを特徴とするフィルム状接着剤を提供するものである。
前記の鎖状又は針状の金属粉末は、例えば、強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種類以上の金属の合金、強磁性を有する金属と他の金属の合金、強磁性を有する金属を含む複合体から形成される。これらの金属粉末を用いることにより、後述する磁場による金属粉末の配向を行うことができるので好ましい。請求項9はこの好ましい態様に該当するものであり、導電性粒子として鎖状又は針状の金属粉末を用いるフィルム状接着剤であって、前記鎖状又は針状の金属粉末が、強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種類以上の金属の合金、強磁性を有する金属と他の金属の合金、又は強磁性を有する金属を含む複合体から形成されることを特徴とするフィルム状接着剤を提供するものである。
ここで、強磁性を有する金属を含む複合体としては、強磁性を有する金属単体や強磁性を有する2種以上の金属の合金にて形成した鎖の表面を、Cu、Rb、Rh、Pd、Ag、Re、PtおよびAuからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属で被覆した複合体が例示される。強磁性を有する金属としては、鉄、ニッケル、コバルトが例示される。
鎖状又は針状の金属粉末を、フィルムの厚み方向に配向させる方法は特に限定されないが、該金属粉末が、前記のような強磁性を有するものである場合は、該鎖状又は針状の金属粉末を絶縁性樹脂溶液に分散し、得られた分散溶液を、下地面と交差する方向に磁場を印加した下地上に塗布して該金属粉末を配向させ、該下地上で溶媒の除去等により固化、硬化させて配向を固定する方法が好ましく例示される。
又は、強磁性を有する鎖状又は針状の金属粉末を、下地面と交差する方向に磁場を印加した下地上に散布して、鎖状又は針状の金属粉末を、前記磁場の方向に配向させるとともに、その上に、絶縁性樹脂溶液を塗布して固化または硬化させて配向を固定する方法も使用することができる。これらの製造方法によれば、金属粉末を膜の厚み方向に配向させた異方導電膜を、より効率よく形成することができる。
鎖状又は針状の金属粉末の長さや太さは、電極の間隔等に基づき適宜選択され、特に限定されないが、長さ/太さが3以上の場合、良好な電気的接続を達成しながら、面方向の絶縁抵抗をより高く保つとの効果が充分達成されるので好ましい。鎖状又は針状の金属粉末の、製造方法も特に限定されないが、特開2003−331951号公報に記載の方法等が好ましく例示される。
導電性粒子の配合量は、フィルム状接着剤の全体積に対して、0.01〜30体積%の範囲から選ばれ、用途により使い分ける。過剰な導電性粒子による隣接回路の短絡等を防止するためには、0.01〜10体積%とするのがより好ましい。
本発明のフィルム状接着剤中には、さらに、本発明の趣旨を損なわない範囲で、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃剤、チキソトロピック剤、カップリング剤及びフェノール樹脂やメラミン樹脂、イソシアネート類等の硬化剤等を含有することもできる。これらの中では、導電性粒子やシリカ等の充填剤及びシラン、チタン、クロム、ジルコニウム、アルミニウム等の各系のカップリング剤が特に有効である。カップリング剤としては、アミノ基やエポキシ基及びイソシアネート基含有物が、接着性の向上の点から特に好ましい。
本発明のフィルム状接着剤は、前記の各成分を混合することにより得ることができる。例えば、前記の(1)〜(4)の成分等を溶解し、導電性粒子等を分散する溶媒中に、各成分を溶解、均一分散し、分散溶液を得た後、該分散溶液のうすい膜を形成し、その後、溶媒を乾燥等により除去することにより、フィルム状接着剤が得られる。用いられる溶媒の種類や該分散溶液の濃度等は、前記の成分を溶解、分散し、うすい膜を形成できる範囲であれば特に限定されない。フィルム状接着剤の厚みも特に限定されないが、通常10〜30μm程度である。
本発明のフィルム状接着剤を、接合対象の間に挟み、加圧、加熱することにより、該接合対象を接着し、該接合対象上の相対峙する電極、回路間を電気的に接続することができる。加圧の条件や加熱の条件は、電極、回路間の電気的接続が充分達成される範囲で選ばれ、加熱の条件は、絶縁性樹脂が硬化して充分な接着が達成される範囲で選ばれるが、具体的な範囲は、電極、回路のサイズや、絶縁性樹脂の種類により変動し特に限定されない。
接合対象は、多数の電極を狭ピッチでその表面に有する基板等であり、該基板としては、半導体、ガラス、セラミック等の無機物、ポリイミド、ポリカーボネート等の有機物、ガラス/エポキシ等の無機物と有機物の組み合わせ等が適用できる。本発明のフィルム状接着剤は、例えば、フレキシブルプリント配線板(FPC)の端子、TAB(Tape Automated Bonding)テープの端子やドライバICの端子と、ガラス基板上に形成されたITO(Indium Tin Oxide)やアルミニウム、クロムの電極パターンの接続等に用いられ、接続された電気部品は、高い信頼性を有するものとして、液晶製品等に使用される。
本発明のフィルム状接着剤は、多数の電極や回路が設けられたシートやフィルム間を接着しかつ電気的に接続するために使用されるが、優れた耐熱性、耐湿性を有する。従って、本発明のフィルム状接着剤を使用して得られた電気部品が、高温、高湿の環境下で長時間使用されても、その特性の変化は小さいので、液晶製品等高い信頼性が要求される用途に使用することができる。
次に発明を実施するための最良の形態を実施例により説明する。実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
〔塗工溶液の作製〕
導電粒子としては3μmから15μmまでの鎖長分布を有する鎖状ニッケル微粒子(平均粒径200nmのニッケル微粒子が直鎖状に連結したもの)を用いた。絶縁性樹脂としては、分子量48000のビスフェノールA型エポキシ樹脂〔JER(株)製、エピコート1256〕と、ナフタレン型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、HP4032D〕、架橋剤〔JER(株)製、エピコート1032〕及びマイクロカプセル型のイミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、ノバキュアHX3941〕を重量比で40/30/20/10の割合で用い、シクロヘキサノンに溶解し固形分50%の溶液を作製した。この溶液に、固形分の総量(Ni粉末+樹脂)に占める割合で表される金属充填率が、0.5体積%となるように前記Ni粉末を添加した後、遠心ミキサーを用いて攪拌することでNi粉末を均一分散し、接着剤用の複合材料を調製した。
〔フィルム状接着剤の作製〕
前記で調製した複合材料を、離型処理したPETフィルム上にドクターナイフを用いて塗布した後、磁束密度100mTの磁場中、60℃、30分間で乾燥し、固化させることによって、塗布膜中の鎖状粒子が磁場方向に配向した、総厚み20μmのフィルム状接着剤を得た。
〔抵抗評価〕
幅15μm、長さ100μm、高さ16μmのAuメッキバンプが15μm間隔で726個配列されたICチップと、幅20μm、スペース10μmで同数のITO電極が形成されたガラス基板とを用意した。このICチップと回路基板との間に、前記で得られたフィルム状接着剤を挟み、200℃に加熱しながら、1バンプ当たり30gfの圧力で15秒間加圧して接着させ、IC−ガラス基板接合体を得た。その後、ITO電極、前記フィルム状接着剤により形成された異方導電膜及びAuバンプを介して導電接続された連続する644個の電極間の、導体抵抗も含めた抵抗値(単位kΩ)を、デジタルマルチメーターを用いて測定した。その結果を表1に示す。
〔耐熱試験〕
前記のIC−ガラス基板接合体を100℃に設定した恒温槽内に投入し、100時間経過後に取り出し、再び前記と同様にして抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。
〔Tg測定〕
前記で得られたフィルム状接着剤を200℃で30秒間加熱硬化した試料を準備し、粘弾性測定装置(セイコーインスツルメンツ社製、商品名:DMS−6100)により求めた。
上記分子量48000のビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりに、分子量39000のビフェニル系エポキシ樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして総厚みが20μmのフィルム状接着剤を作製し、実施例1と同様にして抵抗評価、耐熱試験及びTg測定を行った。その結果を表1に示す。
導電粒子として、直径が3.5μmで、表面を金メッキした球状樹脂粒子を7体積%加えたこと以外は実施例1と同様にして総厚みが20μmのフィルム状接着剤を作製し、実施例1と同様にして抵抗評価、耐熱試験及びTg測定を行った。その結果を表1に示す。
比較例1
架橋剤を用いずに、代わりにビスフェノールA型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、850CRP〕用いたこと以外は実施例1と同様にして総厚みが20μmのフィルム状接着剤を作製し、実施例1と同様にして抵抗評価、耐熱試験及びTg測定を行った。その結果を表1に示す。
比較例2
架橋剤を用いずに、代わりにビスフェノールA型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製850CRP〕用い、導電粒子として直径が3.5μmで、表面を金メッキした球状樹脂粒子を7体積%加えたこと以外は実施例1と同様にして総厚みが20μmのフィルム状接着剤を作製し、実施例1と同様にして抵抗評価、耐熱試験及びTg測定を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004572562
表1の結果は、本発明例(実施例1〜3)のフィルム状接着剤を用いて接着された場合は、高温の環境下に長時間置かれた場合でも抵抗値の増加は小さく、又高いTgが得られており、優れた耐熱性が達成できると考えられる。特にビフェニル型エポキシを(1)フェノキシ樹脂として用いた、実施例2は、この効果が大きい。一方、本発明の範囲外の比較例1、2では、同条件での抵抗値の増加は比較的大きいとともに、Tgが低く、耐熱性に関して本発明例より劣ることが示されている。この結果より明らかなように、本発明例のフィルム状接着剤を用いることにより、優れた耐熱性を達成することができる。

Claims (8)

  1. (1)平均分子量が10000以上の、ビフェニル型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂から選ばれるフェノキシ樹脂、
    (2)平均分子量が1000以下でかつ1分子内に2つのエポキシ基を有するナフタレン型又はビフェニル型エポキシ樹脂、
    (3)1分子内に3つ以上のエポキシ基を有し、かつ平均分子量が1000以下である架橋剤、及び
    (4)潜在性硬化剤
    を必須成分とする絶縁性樹脂に、導電性粒子を含有してなることを特徴とするフィルム状接着剤。
  2. 前記(1)フェノキシ樹脂の平均分子量が20000以上であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム状接着剤。
  3. 前記(1)フェノキシ樹脂及び前記(2)エポキシ樹脂の合計重量に対する前記(3)架橋剤の配合量が、5重量%以上80重量%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフィルム状接着剤。
  4. 前記(1)フェノキシ樹脂と前記(2)平均分子量1000以下のエポキシ樹脂の合計重量に対し、前記(2)平均分子量1000以下のエポキシ樹脂が、10〜80重量%の範囲であり、かつ前記(4)潜在性硬化剤が、5〜40重量%の範囲であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のフィルム状接着剤。
  5. 前記(4)潜在性硬化剤がイミダゾール系硬化剤であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のフィルム状接着剤。
  6. 前記導電性粒子が、微細な金属粒子が鎖状に多数繋がった形状を有する金属粉末、前記金属粉末を、鎖の太さ方向に多数繋げ凝集させた鎖状二次凝集体からなる金属粉末、又は針状の金属粉末を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のフィルム状接着剤。
  7. 前記導電性粒子を、フィルムの厚み方向に配向させたことを特徴とする請求項6に記載のフィルム状接着剤。
  8. 前記金属粉末が、強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種類以上の金属の合金、強磁性を有する金属と他の金属の合金、又は強磁性を有する金属を含む複合体から形成されることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のフィルム状接着剤。
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