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JP4570155B2 - 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ Download PDF

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JP4570155B2 JP2005232022A JP2005232022A JP4570155B2 JP 4570155 B2 JP4570155 B2 JP 4570155B2 JP 2005232022 A JP2005232022 A JP 2005232022A JP 2005232022 A JP2005232022 A JP 2005232022A JP 4570155 B2 JP4570155 B2 JP 4570155B2
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Description

本発明は、電子写真複写機、レーザープリンター、ファクシミリ等に広く適用できる電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置および画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。
複写機、レーザープリンター、ファクシミリ等に応用されている電子写真感光体を用いた電子写真方式とは、例えばコロナ放電等によって電子写真感光体(以後、感光体ともいう)表面を暗所で帯電させ、次いで画像露光して感光体上に静電潜像を形成し、現像部において、その静電潜像を現像剤にて可視化させ、その可視像を転写材へ転写、定着して画像を形成する。そして、転写後に感光体上に残存した現像剤は、種々のクリーニング工程を経て感光体上から除去され、再び感光体上に静電潜像が形成されるというプロセスよりなるものである。
従来、電子写真方式に用いられる電子写真感光体の光導電体として、種々の無機及び有機光導電体が知られているが、一般に、有機の光導電体を用いた有機感光体はセレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電体に比べ、感光波長域の自由度、成膜性、可撓性、膜の透明性、量産性、毒性やコスト面等において利点を持つため、現在では有機感光体が主流となっている。
近年、電子写真感光体の高耐久化に対する期待が高まる中、適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気特性、光学特性を備えていることは勿論、耐久性に優れ、高品質な画像を長期にわたって維持することが重要な技術課題となっている。更には、低温低湿から高温高湿に至る、いかなる環境においてもその特性が充分に発揮され、画像の欠陥が発生しない環境特性を有していることもまた重要な要素である。
有機感光体は、導電性支持体とその上に形成された有機感光層から構成される。その導電性支持体の形状は、シート状や円筒状等用いられる電子写真装置の構成により選ばれるが、寸法精度や形状安定性はもとより、その製造方法により製造コストは異なってくる。
例えば、円筒状支持体の例を挙げると、押出・引き抜き加工を施すED管や、押し出し後に外表面にしごき加工を施すEI管、しぼり・しごき加工を施すことにより製作されるDI管等、各種のものが用いられており、いずれも表面切削を要しないために量産性に優れ、コストダウンが図れる。
しかしながら、このような押出しや引き抜き加工を経て製造された支持体には、その加工方向に数〜10μm程度の筋状の欠陥が無数に存在する。このような支持体上には均一な感光層が形成されず、凹凸部が電気的なリークまたは絶縁部となり、画像上に黒点や白点等の欠陥がみられるという問題があった。このような課題に対して、支持体表面の微小な凹凸部を機械的に除去する種々の方法が考案されている。
ダイヤモンドバイトを用いた旋盤により切削加工して振れを抑え、かつ外径精度を出す切削加工は、支持体表面の微小突起を完全に取り去る方法として有効ではあるが、表面を平滑にするためにバイトの送り量を少なくしなければならず、加工時間が長くなり、また高価なダイヤモンドバイトが必要であるために生産性が低く、低コストという要求に応えられない。さらには、例えば薄肉の支持体のように形状の寸法精度を悪化させるような素材に対して、高精度化の要求に応えるのは困難である。
一般的に、導電性支持体上に感光層を形成した電子写真感光体をレーザービームをライン走査する方式の電子写真装置に適用した場合、得られる画像に干渉縞模様が現れることがある。
この種の干渉縞の発生は、感光層内で吸収されなかった透過光が、支持体を含む感光層内でレーザービームの多重反射を起こし、感光層表面の入射光との間で干渉を生じることに起因するものと考えられている。
そこで、干渉縞の発生を防止するために、支持体表面の粗面化や下引き層に金属酸化物やシリコーン樹脂粒子を含有することにより、下引き層表面に粗面化処理を施す等、様々な方法が検討されている。
まず、支持体表面を前記切削加工にて粗面化する方法は、支持体表面の微小突起を除去すると同時に干渉縞を防止する表面処理法としても有効であるが、切削の粗さが規則的であるため干渉縞は消えても切削のスジとレーザー光との干渉によるモアレ現象が起きてしまう。
そこで、支持体表面を粗面化する他の方法として特許文献1、特許文献2、特許文献3等に乾式および湿式(液体)で行う処理方法が示されている。
湿式(液体)ホーニング処理は、水等の液体に粉末状の粒状研磨材(砥粒)を懸濁させ、高速度で支持体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、表面粗さは吹き付け圧力、速度、砥粒の量、濃度、種類、形状、大きさ、硬度、比重及び懸濁温度等により制御することができる。同様に、乾式ホーニング処理は、砥粒をエアーにより、高速度で導電性支持体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、湿式ホーニング処理と同じように表面粗さを制御することができる。これら湿式または乾式ホーニング処理に用いる砥粒としては、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、ステンレス、鉄、ガラスビーズ、プラスチックショット等の粒子が挙げられる。
このように砥粒を処理すべき支持体表面に衝突させることによって粗面を形成するため、粗さのコントロールが難しい。さらには砥粒が支持体表面へ突き刺さり、残存してしまうために、円筒状支持体外内面を洗浄してこれらを除去する工程を経てたとしても、支持体表面の研磨剤を完全に除去することは困難である。そのような支持体上に直接感光層を形成した場合、支持体表面の汚れ、形状の不均一性はそのまま感光層の成膜ムラとなって現れ、反転現像系における白画像上の黒ポチ、正転現像系における黒画像上の白抜けが発生してしまう。
したがって、電子写真感光体を形成する場合、導電性支持体上に直接感光層を形成するよりも、支持体上の欠点の被覆、支持体の保護、感光層の塗布性の向上に加えて、感光層の電気的破壊の保護、感光層への電荷注入性改良等のために下引き層を設けることが有効である。感光体の繰り返し安定性や環境安定性に関しては、感光層のみならず下引き層に依存する部分が極めて大きい。
そこで、従来、電子写真感光体においては、導電性支持体と感光層との間に、導電性支持体からの電荷の注入を防止し、帯電性を安定させ、且つ、残留電位を蓄積しないことを目的として、下引き層と称される樹脂層が積層されている。
下引き層を形成する材料としては、特許文献4および特許文献5にはセルロース系樹脂が、特許文献6および特許文献7にはナイロン系樹脂が、特許文献8および特許文献9にはマレイン酸系樹脂が、そして特許文献10にはポリビニルアルコール樹脂が、特許文献11および特許文献12にはポリアミド樹脂から形成される下引き層がそれぞれ開示されている。
しかし、これらは、有機樹脂中のイオン性不純物に起因すると考えられている環境変動の影響を受けやすく、高温高湿下や低温低湿下で特性劣化を生じ、特に低温低湿下では下引き層の抵抗が高くなることにより、残留電位の上昇を引き起こしていた。そこで、特許文献13等に、架橋性の樹脂を下引き層に用いた例が開示されているが、繰り返し使用の際に残留電位が上昇してしまうといった問題があり、電気特性の耐久性に関しては十分なものではなかった。
これを解消するものとして、特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17には有機金属化合物と有機樹脂、特許文献18には有機ジルコニウム化合物を含有する中間層、また、特許文献19にはジルコニウム化合物とシランカップリングの硬化膜、さらに、特許文献20には、その好ましい硬化度等が開示されている。これらに開示されているように、下引き層が無機系の硬化膜により形成されているため、高温高湿、低温低湿などの環境においても電気特性が安定し、抵抗値も残留電位を大幅に上昇させるものではない。しかしながら、これらの中間層を支持体上に形成した場合、特に有機金属化合物を主成分とした場合には、粘弾性の低さから、塗布、乾燥後の膜にクラックが発生しやすい。また、これを改善するために有機樹脂を含有する技術も、特に有機樹脂に特有の環境変動による電気特性の不安定さの問題が再発することになり、更には塗工ムラや、ゲル化等を防止するための樹脂の選択やその含有量の調整が不可欠であることを含めると上記の問題点を完全に解決するに至っていない。加えて、これらの技術は厚膜化が困難であるために、支持体表面に存在する微小な凹凸部の影響を受けやすい。そのために、例えば切削加工やホーニング処理によって支持体表面の欠陥部を被覆すると同時に、干渉縞を防止する表面処理を施すことが不可欠となり、製造コストが高くなってしまう。
このように厚膜化が困難である有機金属化合物からなる下引き層の課題として、電荷リーク防止効果が小さいことが挙げられる。
最近では、コロトロン等の非接触帯電方式の帯電装置に代わり、オゾン、NOXガスの発生量の低減、高圧電源の不要による低コスト化、帯電器の小型化等のためにローラを接触させて帯電させる帯電方式が検討され、製品化されるようになっている。このようなローラによる接触帯電ではオゾン、NOX等のガスの発生は防止できるものの、ローラが常時電子写真感光体表面に接触し、更に接触帯電するが故に、電子写真感光体表面にピンホールが発生するといった、従来のコロナ放電による帯電プロセスを用いた装置では発生しなかった新たな画像欠陥という問題が発生するようになってきている。
ピンホールリークは感光層の塗膜欠陥により発生する場合もあるが、それ以外に電子写真装置の作動中において、該装置を構成する部材から発生する異物、ゴミ、キャリア粉等の導電性の異物が感光体に接触または感光体中に貫入して接触帯電装置と感光体基体との導電路を形成しやすくなっているために生じる場合もある。従って、下引層には、上述した電気特性に加えてリーク防止性が要求される。
これに対して、接触帯電方式を用いた装置に用いられる電子写真感光体において、導電性支持体の欠陥を隠蔽しつつ残留電位の上昇等を改善して安定な電気特性を得るために、種々の検討が行われている。
例えば、金属酸化物粒子を結着樹脂中に分散させたものがあり、このような下引層は、金属酸化物粒子及び結着樹脂を含む塗布液を支持体上に塗布し、乾燥させることにより形成される。
特許文献21、特許文献22および特許文献23には導電性粒子を分散した下引き層が開示されている。 しかしながら、このように導電性粒子を分散させた下引き層は、電子写真用感光体の静電的特性を向上させるために、すなわち残留電位の上昇を抑えるために、樹脂量を少なくする必要がある。しかし、下引き層中の樹脂が少なくなると支持体との接着性が悪くなり、繰り返し使用によって、支持体と下引き層との間での剥れが生じやすくなる。特にフレキシブルにレイアウトでき、装置の小型化及び耐久性の向上が期待できるベルト状支持体を用いた場合にはその問題は顕著になる。
また、残留電位の上昇を抑制するためには、薄膜化も有効な手段ではあるが、上述した接触帯電手段を有する画像形成装置では、ピンホールリークが発生する可能性がある。
一方、帯電電位の低下等によって地汚れが発生する場合があるが、この地汚れを抑制するためには、導電性粒子の含有量を少なくする必要がある。しかし、電気抵抗が高くなるために繰り返し使用による影響は著しく、残留電位の増加が画像品質を低下させてしまう。地汚れとは、本来、画像を印字しない白地領域に無数の黒点が発生する現象であり、導電性支持体からの電荷注入が主な原因である。
以上のように、電荷注入を制御する機能と、導電性粒子の含有による抵抗調整機能とを下引き層1層に両有する方法では残留電位の上昇を防止し、地汚れ効果が良好で、さらに環境安定性に優れた下引き層は得られない。
これに対して、下引き層を積層化する技術が提案されている。
例えば、特許文献24および特許文献25等に提案されているように、アルミニウム等の導電性支持体上に導電性粒子を含有させた層を形成し、さらにこの導電性粒子を含有させた層上に、電荷注入を防止する機能を有する樹脂層を形成した2層構造の下引き層を有する方法が提案されている。この方法によると、導電性微粉末を含有させた層に導電性支持体層の表面の凹凸や汚れ等の欠陥の隠蔽とともに電気抵抗の調整機能を持たせ、その上に形成する樹脂層に電荷注入制御機能を持たせている。
また別の方法としては、特許文献26に提案されているように、アルミニウム等の導電性支持体上に陽極酸化皮膜を形成し、更にこの陽極酸化皮膜上に、電荷注入を防止する機能を有する樹脂層を形成するものである。
陽極酸化被膜は、一般に5〜6μmの膜厚に形成され、この膜厚では支持体表面の欠陥部分全体が絶縁体化されることにより有効であることが知られているが、この方法は、電源設備投資や電気エネルギーが多く必要となること、陽極酸化膜は多孔質の膜であるために封孔処理を必要とすること、処理時間が長いこと、したがって、面処理費用が多大であるという問題があった。
しかしながら、これらの方法はいずれも電荷注入制御の機能を有機樹脂層に持たせているために、環境の影響による電気特性の不安定さに起因する画像劣化の問題は避けられない。
更に別の方法としては、特許文献27に提案されているように、導電性支持体上に偏平形状を有する導電性粒子としてグラファイトを含有させた層を形成し、この導電層の上に有機樹脂あるいは有機金属化合物等、公知の材料からなる電荷注入を制御する中間層を形成するものである。しかしながら、その粒径および形状に起因する課題は多く、特に過剰な凹凸が形成されやすいために支持体との接着性の低下や、その上に形成される中間層による被覆効果が低い場合には、感光層の成膜性へ多大な影響を与えてしまう。このような問題を発生させないためには、粒径や樹脂の選択等の高度な塗布液のコントロールが不可欠である。
一方、接触帯電方式を用いた画像形成装置において、感光体の欠陥部位の存在や、またはキャリア粉等の導電性の異物が感光体に接触または感光体中に貫入した場合に発生するピンホールリークを防止するために、下引き層を厚膜化する技術が、特許文献28、特許文献29、特許文献30等に提案されている。また、分散性を向上させるための技術が、特許文献31、特許文献32等に開示されている。一般に金属酸化物粒子は樹脂溶液中において凝集傾向が強く均一な分散が困難であり、一旦分散しても二次凝集や沈降が起こるために、例えば、一次粒径が100nm以下の超微粒子のみで分散膜を安定して形成することは非常に困難であった。
また、厚膜化による残留電位の上昇が懸念されるために、適当な膜抵抗を有する下引き層を形成することは困難であった。さらに、厚膜化により支持体への接着性が不十分となるために支持体の粗面加工の必要性が生じるためにコストアップとなってしまう。この厚膜化は、小径ドラムのみならず、ドラム状感光体よりもフレキシブルにレイアウトでき、装置の小型化および耐久性の向上が期待できるベルト状感光体においても、種々の問題を抱えている。すなわち、ベルト状感光体は画像形成時において、ベルト駆動ローラー等と当接する際に発生するローラー部の曲率による応力や駆動時・停止時のテンションによる応力等、ドラム状感光体よりも受ける機械的負荷が大きく、剥離やクラックが発生しやすくなる。
特開昭51−58954号公報 特開平3−64762号公報 特開2003−202691号公報 特開昭47−6341号公報 特開昭48−3544号公報 特開昭48−47344号公報 特開昭52−25638号公報 特開昭49−69332号公報 特開昭52−10138号公報 特開昭58−105155号公報 特開昭52−25638号公報 特開昭58−95351号公報 特公平04−31577号公報 特開昭58−93062号公報 特開2001−51438号公報 特開2004−70142号公報 特開2004−70144号公報 特開昭61−94057号公報 特開平2−189559号公報 特開平3−73962号公報 特開昭58−93063号公報 特開昭59−84257号公報 特開昭59−93453号公報 特開昭60−111255号公報 特開昭60−97363号公報 特開平1−312553号公報 特開平2000−181113号公報 特開2004−233563号公報 特開2004−287027号公報 特開2004−198814号公報 特開2004−226751号公報 特開2004−233678号公報
従って、上記の従来技術の課題は、近年の複写機、レーザープリンター等の高画質・高耐久化に対し、極めて重要な課題となっている。本発明の目的は、長期にわたり優れた環境安定性と高画質を維持し、さらには、接触帯電装置に用いた場合にもピンホール等によるリーク防止と電気特性を両立し、小型化にも対応し得る電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置、及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するべく検討を重ねた結果、導電性支持体上に少なくとも下引き層、中間層および感光層を順次積層してなる電子写真感光体において、下引き層が少なくとも、平均粒径の異なる2種の金属酸化物と熱硬化性樹脂を含有し、かつ該中間層が有機金属化合物を主成分として含有することにより、成膜性、密着性が良好で、外部環境の変動による影響がなく、暗減衰が少なく低い残留電位を示す、すなわち安定した現像コントラストが得られる、優れた電子写真特性を長期にわたって維持できる電子写真感光体を低コストで提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。さらには、画像形成装置の小型化、接触帯電手段を有する画像形成装置にも対応し得る電子写真感光体の提供が可能となる。
即ち、上記課題は、本発明は、(1)「導電性支持体上に、少なくとも下引き層、中間層および感光層を順次積層してなる電子写真感光体を有し、該下引き層が少なくとも、平均粒径の異なる2種の金属酸化物と熱硬化性樹脂を含有し、かつ該中間層が有機金属化合物を主成分として含有するものでありさらに、接触配置された帯電部材により帯電を行なう帯電手段、画像露光手段、現像手段、および転写手段を有することを特徴とする画像形成装置」
(2)「前記金属酸化物が酸化チタンであり、かつ一方の酸化チタン(T)の平均粒径を(D)、他方の酸化チタン(T)の平均粒径を(D)とした場合、0.2<D/D≦0.5の関係を満たすことを特徴とする前記第(1)項に記載の画像形成装置」、
(3)「前記酸化チタン(T)の平均粒径(D)が0.05μm<D<0.20μmであり、かつ(T)と(T)との重量混合比率が、0.2≦T/(T+T)≦0.8であることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の画像形成装置」、
(4)「前記中間層が下記一般式(1)で示される有機金属化合物から生成される重合物を含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載の画像形成装置」、
Figure 0004570155
(式中、XはZr、Tiを表し、Rはアルキル基を表し、R’は、有機基を表し、mおよびnは、それぞれ0以上であり、m+n=4である。)
(5)「前記中間層が有機金属化合物とシランカップリング剤とを含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(6)「前記中間層の膜厚が0.05〜0.5μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(7)「前記下引き層の膜厚が3〜15μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(8)「前記導電性支持体の表面粗さが十点平均粗さRzにおいて0.05〜1.0μmであり、かつ最大高さRyにおいて0.5〜1.5μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(9)「前記導電性支持体がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる無切削管であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(10)「前記導電性支持体が直径30mm以下の導電性円筒状支持体であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(11)「前記導電性支持体がエンドレスベルトであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項の何れかに記載の画像形成装置」、により達成される。
(12)「少なくとも前記第(1)項乃至第(11)項の何れかに記載の画像形成装置を用いることを特徴とする画像形成方法」により達成される。
13)「前記画像形成装置本体に対して、着脱自在に装着し得るプロセスカートリッジであって、前記(1)〜(11)のいずれかに記載の電子写真感光体と帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、クリーニング手段の中から選ばれた少なくとも1つの手段カートリッジ容器に組み込んで構成したものであることを特徴とするプロセスカートリッジ」により達成される。
14)「前記帯電手段が、接触配置された帯電部材により帯電を行なう帯電手段であることを特徴とする(13)記載のプロセスカートリッジ」により達成される。
15)「前記(14)に記載のプロセスカートリッジを装着したことを特徴とする画像形成装置」により達成される。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも下引き層、中間層および感光層を順次積層してなる電子写真感光体において、下引き層が少なくとも、平均粒径の異なる2種の金属酸化物と熱硬化性樹脂を含有し、かつ該中間層が有機金属化合物を主成分として含有することを特徴とするものである。
なお、本発明における金属酸化物の平均粒径とは、特別な記載のない限り体積平均粒径を示し、超遠心式自動粒度分布測定装置:CAPA−700(堀場製作所製)により求めたものである。この際、累積分布の50%に相当する粒子径(Median系)として算出されたものである。
本発明の下引き層に含有される金属酸化物としては、可視光および近赤外光に殆ど吸収のない、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化錫、酸化インジウム等が望ましい。
しかし、金属酸化物の抵抗が適切でないと、支持体からの電荷注入が促進され、画像欠陥を引き起こすので、10〜1011Ω・cmの範囲の比抵抗を有するものを好適に用いることができる。
本発明に用いられる金属酸化物の比抵抗は次の方法で測定した。金属酸化物のような粉体は、充填率によりその比抵抗値が異なるので、一定の条件下で測定する必要がある。本発明においては、特開平5−113688号公報(図1)に示された測定装置と同様の構成の装置を用いて、金属酸化物の比抵抗値を測定した。測定装置において、電極面積は4.0cmである。測定前に片側の電極に4kgの荷重を1分間かけ、電極間距離が4mmになるように試料量を調節する。測定の際は、上部電極の重量(1kg)の荷重状態で測定を行ない、印加電圧は100Vにて測定する。10Ω・cm以上の領域は、HIGH RESISTANCE METER(横河ヒューレットパッカード)、それ以下の領域についてはデジタルマルチメーター(フルーク)により測定した。本発明で用いた酸化チタンの比抵抗は、10〜10Ω・cmであった。
下引き層に含有される金属酸化物は、支持体表面の欠陥部の被覆、モアレ画像の防止、感光層のキャリア注入性の改良、等を目的としている。中でも、酸化チタンは、適当な導電性を有しており、導電性キャリアを電子とするN型半導性粒子であるため、支持体からの正孔注入を効率的にブロックする。また、他の金属酸化物に比べて屈折率が高く、下引き層とした際の光の透過率が低くなるので、支持体からの画像などへの影響が少ない等の理由から本発明で用いられる金属酸化物としては特に酸化チタンが好ましい。
本発明で用いられる酸化チタンは、通常工業生産に使用されているような製法に準じて得られるものを用いることができる。鉱石を硫酸と反応させ硫酸塩溶液を作り、溶液の清澄、加水分解による含水酸化チタンの沈殿、含水酸化チタンの洗浄、焼成、粉砕・表面処理する工程よりなる硫酸法をはじめとして、塩素法、弗酸法、塩化チタンカリウム法、四塩化チタン水溶液法等の製法に準じて得られるが、中でも高純度の酸化チタンを得るには塩素法の方が好ましい。塩素法は原料のチタンスラグを塩素により塩素化し四塩化チタンとし、これを分離・凝縮・精製後酸化し、生成した酸化チタンを粉砕・分級、必要に応じ表面処理し、濾過・洗浄・乾燥後、粉砕することで酸化チタンを製造する製造法である。
酸化チタンは、結晶構造の違いによりルチル形とアナタース形とを有し、この結晶形により比重、屈折率、硬度等の物性が異なる。本実施形態においてはルチル形を用いているが、アナタース形を用いてもよいし、両者を併用してもよい。一般に、金属酸化物には、NaO、KO等の吸湿性物質およびイオン性物質等の不純物が含有されており、この純度低下が電子写真特性に影響する場合があることから、本発明に用いられる金属酸化物としては、95%以上のものが望ましい。
さらに、酸化チタン粒子は、分散性向上等の諸特性を改善するために、含水アルミナ処理や、含水二酸化ケイ素系処理または酸化亜鉛処理等による表面被覆処理を施したもの等を適宜用いることができ、また均一な表面処理を行うために、酸化チタン粒子の表面に複数回の表面処理を施すことも有効である。
また、適切な比抵抗を得るために、必要に応じて酸化錫等を用いて導電性被覆層を設けることも有効である。
本発明では、下引き層を形成する特定の粒径を有する2種の酸化チタンの粒径比および/またはその混合比が非常に重要な因子となる理由について次のように考えている。
本発明のように、特定範囲の粒径を有する酸化チタンを特定の比率で含有することにより、塗布液の分散安定性が良好で、かつ塗布液の粘度調整が容易に行なえるために、均一な塗膜形成が可能となり、耐リーク性と繰り返し使用による残留電位上昇が引き起こす画像劣化を抑制できる。
この2種の酸化チタンの粒径比(D/D)が、1/5<D/D≦1/2の範囲を超えた場合、すなわち、微粒子から構成される下引き層では、モアレ画像防止の効果は低く、また、大粒径の酸化チタンを含有した場合、塗工液での酸化チタン粒子の沈降が発生しやすくなるために、分散性が悪化する。
一方、下引き層に要求される機能の一つとして接着性が挙げられる。一般に、支持体と感光層、あるいは支持体と中間層との接着機能を、主に結着樹脂に持たせている。このために、支持体として小径ドラムやエンドレスベルトを用いた場合の下引き層は、接着性向上を目的とする樹脂含有量の増大による残留電位の上昇を引き起こさない電気特性と機械的負荷に対する耐久性を両立することが不可欠である。特に、本発明の下引き層は、ドラム状感光体よりもフレキシブルにレイアウトできるベルト状感光体において、極めて有効である。画像形成時に受ける転写、クリーニング手段等の負荷に加え、ベルト駆動ローラー等と当接する際に発生するローラー部の曲率による応力や駆動時・停止時のテンションによる応力等の機械的負荷に対しても、剥離やクラックの発生を抑制できる。
このように、本発明の下引き層の構成により、従来の技術では成し得なかった接着性の低下あるいはクラック等発生の課題解決に至った理由については、結着樹脂と特定の粒径を有し、特定の重量混合比率で含有されている小粒径の酸化チタン粒子(T)が結着樹脂とともにその機能を担うために、残留電位の上昇を引き起こす結着樹脂の含有量を増加させることなく、支持体表面の微小な凹凸部の間隙を埋めて、密着性を著しく向上させているものと考えられる。
また、本発明のように、特定の粒径を有する2種の酸化チタンを特定の比率で含有することにより、従来の下引き層中に形成されていた空間が、酸化チタンと結着樹脂によって充填され、緻密な膜形成が可能となると同時に、結着樹脂との接触面積が増大するために、局所的に高電場が印加された場合に発生するピンホールリークを防止できる。
この下引き層を構成する結着樹脂としては、熱硬化性樹脂が特に有効に用いられる。前述したように樹脂の電気特性は、温湿度の影響を著しく受けるものであるため、黒点欠陥等の画像欠陥の発生を抑制するための手段が必要である。本発明では、熱硬化性樹脂を用いることによって三次元網目構造が形成され、この構造が塗膜内部への水分子等の取り込みを防止し、かつ成膜性が改善された状態の下引き層を得ることができるために、高温高湿下における抵抗の急激な低下がなくなる。
この効果は、前述した特定の粒径および混合比で含有されている金属酸化物と組み合わせることによってさらに向上し、構造的に緻密でかつ吸湿性の低い下引き層を得ることができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等などが挙げられる。
上記した熱硬化性樹脂は、水酸基、カルボキシル基、アミノ基を有するため、適当な硬化剤を含有させることによって、架橋、硬化させることができる。
硬化剤としては、メラミン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、フェノール樹脂等、公知の硬化剤を用いることができる。
また、本発明には、電気抵抗や金属酸化物の分散性の面から、アルキッド−メラミン樹脂またはフェノール樹脂が好適に用いられる。これらの樹脂の市販品であっても特に制限なく使用することができ、単独、あるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。
アルキッド樹脂の市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製の「ベッコゾール」シリーズ、「スーパーベッコゾール」シリーズ、などが挙げられる。
メラミン樹脂の市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製のブチル化メラミン樹脂である「スーパーベッカミン」シリーズ、三井サイテック社製の「サイメル」シリーズ、住友化学社製の「スミマール」シリーズ、三和ケミカル社製の「ニカラック」シリーズ、などが挙げられる。
フェノール樹脂の市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製の「プライオーフェン」シリーズが挙げられる。
一般的な有機感光体に用いられる感光層は、その多くが低分子化合物として開発されており、低分子化合物は単独で成膜性がないため、通常、不活性高分子に分散・混合して用いられる。例えば、機能分離型積層感光体の場合、このような低分子電荷輸送物質と不活性高分子から構成される電荷輸送層は、電子写真プロセスにおいて繰り返し使用された場合に、現像システムやクリーニングシステムによる機械的な感光体表面への負荷による摩耗のために、膜厚減少を引き起こす。また、帯電部材を感光体に接触させて感光体表面を帯電させる接触帯電装置は、電源の低圧化が図れ、オゾン発生量が少ない等の長所を有する反面、従来用いられてきたコロナチャージャーよりも、摩耗を促進させる。この膜厚減少は、電界強度の上昇を招き、下引き層が導電性支持体からの電荷注入を十分にブロックすることができないために、本来、画像を印字しない白地領域に無数の黒点が発生する現象、すなわち地汚れの発生を誘発させ、画像品質は著しくする。
したがって、支持体からの電荷注入によって発生する地汚れを抑制し、さらに環境変動による影響のない、安定した電子写真特性を長期にわたって維持するためには、下引き層と感光層との間に中間層を設けることが極めて有効な手段である。さらに、この技術によって、適当な導電性を下引き層に持たせることができ、特に接触帯電手段を有する画像形成装置に用いた場合に発生しやすいピンホールリークの防止効果が期待される厚膜化が可能となる。
本発明は、導電性支持体上に、少なくとも下引き層、中間層および感光層を順次積層してなる電子写真感光体において、下引き層が少なくとも、平均粒径の異なる2種の金属酸化物と熱硬化性樹脂を含有し、かつ中間層が有機金属化合物を主成分として含有することを特徴とするものである。
詳しくは、特定の粒径および混合比で含有されている粒径の異なる2種の金属酸化物と熱硬化性樹脂から構成される下引き層上に、有機金属化合物を主成分とする中間層が形成されるものであり、特に下引き層の構成が非常に重要な因子となる。
一般に、有機金属化合物からなる中間層は、その粘弾性の低さ故にクラック等が発生してしまい、その成膜性に致命的な欠点を有するものであったが、本発明の下引き層との組合せにより、成膜不良による画像欠陥の課題を解決でき、さらにはこの無機系の硬化膜特有の優れた環境安定性を十分に発揮し得る。
このように、従来、有機金属化合物を含有する中間層が抱えていた成膜性の課題を解決するために、本発明の構成が極めて有効である理由について次のように考えている。
一般に、有機金属化合物を主成分とした場合、成膜時の体積収縮が大きいため、クラック発生の問題が懸念されていた。これは、モアレ画像の防止や支持体表面の欠陥部の被覆を目的として施される切削加工やホーニング処理等の表面処理により、または中間層との接着性やモアレ画像防止を目的に含有された下引き層中の導電性粒子等により、凹凸部が存在することは不可避であるが、これがクラック等の発生を誘発する過剰な表面物性を有することに起因するものと考えられる。これに対し、本発明の下引き層の構成は、特定の粒径および混合比でもって含有されている金属酸化物と熱硬化性樹脂が、下引き層の適切な充填化を実現し、かつその表面特性が中間層の成膜時における体積収縮の局所的な応力集中を緩和している。すなわち、本発明の下引き層自身が、有機金属化合物を主成分とする中間層との間に生じる歪みを吸収する緩衝層としての機能をも担っているために、クラックや細孔の発生を抑制できるものと考えられる。したがって、本発明の中間層の成膜性を飛躍的に高めることができる。
以上のように、本発明の下引き層の構成は、環境条件によって変動する特性が画質に悪影響を与え、更にはゲル化等の問題を引き起こすために塗工液のコントロールを困難にしていた有機樹脂を含有することなく、従来の技術では成し得なかった良好な成膜性および電気特性の両立を可能にする。
また、適当な導電性を有する厚膜の下引き層が、支持体欠陥部の被覆、モアレ防止およびピンホール防止機能を有し、下引き層とその上に形成される薄膜の中間層がともに、残留電位の蓄積を引き起こすことなく、地汚れの原因となる支持体からの電荷注入を防止する機能を有する。したがって、像露光によって感光層で発生した電荷のうち、支持体側へ流出されるべき電荷が中間層および下引き層にトラップされることなく、電荷の流れが円滑に行われるために、露光部と非露光部との電気特性の差により発生するゴースト画像の発生を抑制することができる。
このように、接触帯電手段を備えた画像形成装置においても耐リーク性が良好であると同時に、環境変動の影響を受けない電気特性を有し、かつ優れた現像コントラストが得られる電子写真感光体を提供できる。更には、支持体の低コスト化が可能となり、小径ドラムやベルト状支持体を用いた画像形成装置における、剥離やクラックに起因する画像欠陥の課題をも解決し得る電子写真感光体が提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の電子写真感光体において、導電性支持体上に、少なくとも平均粒径の異なる2種の金属酸化物と熱硬化性樹脂を含有する下引き層、有機金属化合物を主成分として含有する中間層および感光層を順次積層してなる電子写真感光体において、成膜性、密着性が良好で、外部環境の変動による影響がなく、優れた電子写真特性を長期にわたって維持できる電子写真感光体を低コストで提供できる。更に、本発明によれば、特に接触帯電方式を用いた小径ドラム及びベルト状電子写真感光体において優れた効果が得られることから、省スペース化を実現し得る小型化画像形成装置の提供を可能とする。
以下、本発明の電子写真感光体を図面に沿って詳細に説明する。
説明の都合上、主に積層型感光体について説明するが、本発明は積層型感光体に限定されるものではない。
図1は、本発明において用いられる電子写真感光体の一例を示す断面図であり、導電性支持体(21)上に、平均粒径の異なる2種の金属酸化物と熱硬化性樹脂を含有する下引き層(22)と、有機金属化合物を主成分として含有する中間層(23)と、少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層(26)が順次形成されているものである。
図2は、別の構成を示す断面図であり、導電性支持体(21)上に、平均粒径の異なる2種の金属酸化物と熱硬化性樹脂を含有する下引き層(22)と、有機金属化合物を主成分として含有する中間層(23)と、少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層(24)と、少なくとも電荷輸送物質を含有する電荷輸送層(25)が順次形成されているものである。
図3は、更に別の構成を示す断面図であり、導電性支持体(21)上に、平均粒径の異なる2種の金属酸化物と熱硬化性樹脂を含有する下引き層(22)と、有機金属化合物を主成分として含有する中間層(23)と、少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層(24)と、少なくとも電荷輸送物質を含有する電荷輸送層(25)が順次形成されており、更にその上に保護層(27)が形成されているものである。
本発明の構成は、導電性支持体上に、少なくとも平均粒径の異なる2種の金属酸化物と熱硬化性樹脂を含有する下引き層、有機金属化合物を主成分として含有する中間層、および感光層が順次形成されていれば、上記に示す層等が任意に組み合わされていても構わない。
以下、更に詳細に説明する。
導電性支持体(21)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨などの表面処理した管などを使用することができる。アルミ素管についてはJIS3003系、JIS5000系、JIS6000系等のアルミニウム合金を、EI法、ED法、DI法、II法など一般的な方法により管状に成形を行なったもの、さらにはダイヤモンドバイト等による表面切削加工や研磨、陽極酸化処理等を行なったものを用いることができる。
また、フレキシブルにレイアウトできることから装置の小型化が図れるエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(21)として有効に用いることができる。
前述したように導電性支持体のコストダウンのために無切削アルミニウム管が用いられることがある。このための無切削アルミニウム管としては、特開平3−192265号公報に記載されているように、アルミニウム円板を深絞り加工してカップ状とした後、外表面をしごき加工によって仕上げたDI管、アルミニウム円板をインパクト加工してカップ状とした後、外表面をしごき加工によって仕上げたII管、アルミニウム押出管の外表面をしごき加工によって仕上げたEI管、押出加工後冷間引抜き加工したED管が知られている。その表面粗さは、請求項8に記載したように、十点平均粗さ(Rz)が0.05〜1.0μm、かつ最大高さ(Ry)が0.5〜1.5μmの範囲であることが好ましい。これらの無切削アルミニウム管は、モアレ等の異常画像が発生しやすいものであるが、本発明の構成によれば、後記する実施例からも明らかなように、無切削アルミニウム管を使用してもモアレ等の異常画像が発生せず、低コストでかつ長期にわたって高画質を維持できる優れた電子写真感光体を得ることができる。
この他、さらに近年ではプラスチックを加工した支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性支持体(21)として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、2−ブタノン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフルオロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体(21)として良好に用いることができる。
下引き層(22)は、本発明に示す金属酸化物と熱硬化性樹脂を含有する。熱硬化性樹脂としては、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられるが、電気抵抗や金属酸化物の分散性の面から、アルキッド−メラミン樹脂またはフェノール樹脂が好適に用いられる。これらの結着樹脂は、単独でも、2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、下引き層(22)は、金属酸化物を含有することにより、適当な抵抗値を有していることが必要である。金属酸化物は、10〜1011Ω・cmの範囲の比抵抗を有するものを好適に用いることができる。本発明の下引き層(22)は、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる平均粒径の異なる2種の金属酸化物を含有するものであるが、一般に、これらの金属酸化物に含有されているNaO、KO等の吸湿性物質およびイオン性物質等の不純物が電子写真特性に影響する場合があることから、本発明に用いられる金属酸化物の純度は、95%以上のものが望ましい。
さらに、これらの金属酸化物の中でも、酸化チタンは、適当な導電性を有しており、導電性キャリアを電子とするN型半導性粒子であるため、支持体からの正孔注入を効率的にブロックする。また、他の金属酸化物に比べて屈折率が高く、下引き層とした際の光の透過率が低くなるので、支持体からの画像などへの影響が少ない等の理由から特に好ましい。
また、これらの金属酸化物は、分散性向上等の諸特性を改善するために、含水アルミナ処理、含水二酸化ケイ素系処理等による表面被覆処理を施したもの等を適宜用いることができ、均一な表面処理を行うために、金属酸化物粒子の表面に複数回の表面処理を施すことも有効である。
また、適切な比抵抗を得るために、必要に応じて酸化錫等を用いて導電性被覆層を設けることも有効である。
金属酸化物と結着樹脂との重量比は、3/1〜8/1であることが好ましい。3/1以下であると、下引き層中のキャリア輸送性能が低下するために残留電位の蓄積が生じたり、光応答性が低下するようになる。一方、8/1以上であると、下引き層中の空隙が増大し、下引き層上に中間層を形成した場合に気泡が生じるようになる。
下引き層(22)の形成の際には、本発明の金属酸化物および結着樹脂と、必要に応じてその他の添加剤を適当な溶剤に混合・分散させた下引き層用塗工液が用いられる。溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤、エチルセロソルブ、メチルセルソルブ等が挙げられ、これらは単独、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
下引き層用塗工液中に、金属酸化物を分散させる方法としては、ボールミル、ロールミル、サンドミル、超音波分散機等による方法が挙げられる。また、浸漬塗工法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法等が挙げられる。
下引き層(22)の塗膜の熱硬化は、下引き層塗布後直ちに行ってもよいが、下引き層上の中間層(23)を形成する際の過熱によって行ってもよい。
乾燥温度は、10℃〜250℃、好ましくは100℃〜200℃の範囲で5分〜5時間、好ましくは10分〜2時間の送風乾燥または静止乾燥により行うことができる。
下引き層(22)の膜厚は、1μm以上が好ましく、更に好ましくは、請求項7に記載するように3〜10μm程度が適当である。
中間層(23)は、下記一般式(1)で示される有機金属化合物を主成分として含有する。
Figure 0004570155
(式中、XはZr、Tiを表し、Rはアルキル基を表し、R’は、有機基を表し、mおよびnは、それぞれ0以上であり、m+n=4である。)
一般式(1)中のR’で表される有機機としては、アセチルアセトン、2,4−ヘプタンジオンなどのβ−ジケトン類、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチルなどのケトエステル類、乳酸、酢酸、サリチル酸、リンゴ酸などのヒドロキシカルボン酸類、乳酸メチル、乳酸エチル、サリチル酸エチル、リンゴ酸エチルなどのヒドロキシカルボン酸エステル類、ジエチレングリコール、オクタンジオール、ヘキサンジオールなどのグリコール類、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトアルコール類から水素や水酸基が一部抜け、ジルコニウムと結合したものが好ましい特性を与える。
本発明に用いられる有機金属化合物としては、以下のような公知の材料が使用できる。
ジルコニウム化合物の例としては、ジルコニウムトリn−ブトキサイドペンタンジオネート、ジルコニウムジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、ジルコニウムトリイソプロポキサイドペンタンジオネート、ジルコニウムジイソプロポサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、ジルコニウムトリn−ブトキサイドエチルアセトアセテート、ジルコニウムジ−n−ブトキサイド(ビスエチルアセトアセテート)、ジルコニウムトリn−ブトキサイドメチルアセトアセテート、ジルコニウムジ−n−ブトキサイド(ビスメチルアセトアセテート)、ジルコニウムジイソプロポキサイドビス(2,2,6,6,−テトラメチル−3,5,−ヘプタンジオネート)、ジルコニウムビス(トリエタノールアミン)ジ−n−ブトキサイド、ジルコニウムラクテート、メタクリレートジルコニウムブトキサイド、ステアリレートジルコニウムブトキサイド、イソステアレートジルコニウムブトキサイド等が挙げられるがこれらに限定されるものでなく、これらを単独もしくは2種以上組み合わせて用いてもよい。
チタニウム化合物の例としては、チタニウムトリn−ブトキサイドペンタンジオネート、チタニウムジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタニウムトリイソプロポキサイドペンタンジオネート、チタニウムジイソプロポサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタニウムトリn−ブトキサイドエチルアセトアセテート、チタニウムジ−n−ブトキサイド(ビスエチルアセトアセテート)、チタニウムトリn−ブトキサイドメチルアセトアセテート、チタニウムジ−n−ブトキサイド(ビスメチルアセトアセテート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(2,2,6,6,−テトラメチル−3,5,−ヘプタンジオネート)、チタニウムビス(トリエタノールアミン)ジ−n−ブトキサイド、チタニウムラクテート、メタクリレートチタニウムブトキサイド、ステアリレートチタニウムブトキサイド、イソステアレートチタニウムブトキサイド等が挙げられるがこれらに限定されるものでなく、これらを単独もしくは2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明において、中間層の形成には、上記金属有機化合物の外にも、シランカップリング剤を混合して用いてもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルモノメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、モノフェニルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明において、シランカップリング剤を使用する場合、有機金属化合物とシランカップリング剤との混合割合は、必要に応じて適宜設定することができるが、電子写真特性上、塗膜形成後の体積抵抗率が1010〜1013Ω・cmになるように混合比を設定するのが好ましい。中間層(23)のバルク抵抗は、通常の方法で測定される。例えば、電極上に中間層を形成した後、対向電極を蒸着法などにより形成し、サンドイッチセルのようなサンプルを形成する。これを用い、暗状態において、電圧−電流特性を評価することにより、バルク抵抗が測定できる。この際、対向電極として、導電性ゴムや金属箔を圧着して測定することも可能である。
中間層(23)は、有機金属化合物を主成分とする、例えばジルコニウム化合物とシランカップリング剤を含有する中間層用塗工液を下引き層上に塗布することによって、ジルコニウム化合物とシランカップリング剤とが反応し、環境変動による影響を受けない電気特性的に安定した無機の硬化膜を形成する。
中間層(23)の形成の際には、本発明の有機金属化合物を適当な溶剤に混合した中間層用塗工液が用いられる。必要に応じてシランカップリング剤を用いることもできる。この中間層用塗工液に用いられる溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル系溶剤が挙げられ、これらは単独、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
中間層(23)を形成する塗工法としては、浸漬塗工、スプレー塗工、ブレード塗工、ワイヤーバー塗工等が挙げられ、乾燥温度は、10℃〜250℃、好ましくは100℃〜200℃の範囲で5分〜6時間、好ましくは10分〜2時間の送風乾燥または静止乾燥により行うことができる。なお、中間層(23)の塗膜の熱硬化は、中間層塗布後直ちに行ってもよいが、下引き層(22)あるいは中間層上の感光層(26)(積層構成の場合には、電荷発生層(25))を形成する際の過熱によって行ってもよい。
中間層(23)の膜厚は、残留電位の上昇や感度低下を引き起こすことなく、電気的なブロッキング機能を有する3μm以下が好ましく、更に好ましくは、請求項6に記載するように0.05〜0.5μm程度が適当である。
本発明において、有機金属化合物を主成分とする中間層(23)が、膜中にクラックや細孔等を発生させることなく形成できるのは、下引き層(22)に異なる粒径の酸化チタンと熱硬化性樹脂から構成される下引き層(23)が応力の局部集中を緩和する緩衝層としての機能を有するためと考えられる。したがって、本発明の中間層(23)は、従来の有機樹脂成分を含有する中間層が有していた塗布液のゲル化、感度低下や繰り返し使用において残留電位の上昇を引き起こすといった課題を解決できるものである。
さらに、中間層(23)の下に形成されている下引き層(22)が、支持体表面の欠陥部の隠蔽効果を持ち、さらに接触帯電手段を有する画像形成装置に用いた場合にも、ピンホールの発生を防止するために、厚膜化の必要性はなくなり、薄膜であっても、電子写真特性上の問題はない。
次に、感光層(26)について説明する。本発明における感光層(26)は積層構成でも単層構成でもよいが、ここでは、説明の都合上、まず、積層構成について述べる。
はじめに電荷発生層(24)について説明する。
電荷発生層(24)は、画像露光により潜像電荷を発生分離させることを目的とし、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファスセレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファスシリコン等が挙げられる。アモルファスシリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系染料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾ−ル系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層(24)に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。このうちポリビニルブチラールが使用されることが多く、有用である。
これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いてもよい。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
また、電荷発生層(24)のバインダー樹脂として、高分子電荷輸送物質を用いることができる。
高分子電荷輸送物質として、以下のような公知の材料が使用できる。
たとえば、ポリ−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾ−ル環を有する重合体、特開昭57−78402号公報等に例示されるヒドラゾン構造を有する重合体、特開昭63−285552号公報等に例示されるポリシリレン重合体、特開平8−269183号公報、特開平9−151248号公報、特開平9−71642号公報、特開平9−104746号公報、特開平9−328539号公報、特開平9−272735号公報、特開平9−241369号公報、特開平11−29634号公報、特開平11−5836号公報、特開平11−71453号公報、特開平9−221544号公報、特開平9−227669号公報、特開平9−157378号公報、特開平9−302084号公報、特開平9−302085号公報、特開平9−268226号公報、特開平9−235367号公報、特開平9−87376号公報、特開平9−110976号公報、特開2000−38442号公報に例示される芳香族ポリカーボネートが挙げられる。これらの高分子電荷輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
また、電荷発生層(24)には低分子電荷輸送物質を含有させることができる。
電荷発生層(24)に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤や増感剤、分散剤等の各種添加剤を添加することができる。
電荷発生層(24)を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とに大別できる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂とともに、例えばテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶剤を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート法、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層(24)の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
次に、電荷輸送層(25)について説明する。
電荷輸送層(25)は、帯電電荷を保持させ、かつ露光により電荷発生層(24)で発生した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的達成のために電気抵抗が高いことが要求され、また保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的と達成するためには、誘電率が小さくかつ電荷移動性が良いことが要求される。これらの要件を満足させるための電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層(24)上に塗布、乾燥することにより形成できる。
電荷輸送物質としては、前記電荷発生層(24)で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質を用いることができる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂等が挙げられ、単独でも2種以上の樹脂を混合して用いてもよい。
電荷輸送物質の含有量は、結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。
また、電荷輸送層(25)には、結着樹脂としての機能と電荷輸送物質としての機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これらの高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は、耐摩耗性に優れ有効である。本発明においては、これらの高分子電荷輸送物質に前述の結着樹脂や低分子電荷輸送物質を混合して用いることも可能である。高分子電荷輸送物質としては、前記電荷発生層(24)で記載したような公知の材料を用いることができるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖および/又は側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。中でも、下記の一般式(1)〜(10)の高分子電荷輸送物質が特に有効に用いられ、これらを以下に例示し、具体例を示す。
[一般式(1)]
Figure 0004570155
[式中、R、R、Rはそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、Rは水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R、Rは置換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表される2価基を表す。なお、一般式(1)は2つの共重合種が交互共重合の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
Figure 0004570155
{式中、R101、R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)または、
Figure 0004570155
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表す。)を表す。ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。}]
[一般式(2)]
Figure 0004570155
(式中、R、Rは置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一または異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)なお、一般式(2)は2つの共重合種が交互共重合の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
[一般式(3)]
Figure 0004570155
(式中、R、R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)なお、一般式(3)は2つの共重合種が交互共重合の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
[一般式(4)]
Figure 0004570155
(式中、R11、R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)なお、一般式(4)は2つの共重合種が交互共重合の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
[一般式(5)]
Figure 0004570155
(式中、R13、R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10、Ar11、Ar12は同一又は異なるアリレン基、X、Xは置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)なお、一般式(5)は2つの共重合種が交互共重合の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
[一般式(6)]
Figure 0004570155
(式中、R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y、Y、Yは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)なお、一般式(6)は2つの共重合種が交互共重合の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
[一般式(7)]
Figure 0004570155
(式中、R19、R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、Ar19は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)なお、一般式(7)は2つの共重合種が交互共重合の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
[一般式(8)]
Figure 0004570155
(式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)なお、一般式(8)は2つの共重合種が交互共重合の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
[一般式(9)]
Figure 0004570155
(式中、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)なお、一般式(9)は2つの共重合種が交互共重合の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
[一般式(10)]
Figure 0004570155
(式中、R26、R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)なお、一般式(10)は2つの共重合種が交互共重合の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
電荷輸送層(25)には必要に応じて、レベリング剤や可塑剤等を添加することが可能である。
併用できるレベリング剤としてはジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
また、併用できる可塑剤としては、例えばハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタレン、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート等やポリエステル等の重合体および共重合体などが挙げられ、その使用量は結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン等が挙げられる。中でも、環境への負荷低減等の意図から、非ハロゲン系溶剤の使用は望ましく、具体的には、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン等の環状エーテルやトルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、およびそれらの誘導体が良好に用いられる。
塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。塗工の際に、塗工液が下層の感光層を溶解してしまうような場合は、下層と塗工液の接触時間、下層と塗工液中の溶媒との接触量を制御し易い、スプレー塗工法、リングコート法などを用いるのが良い。
電荷輸送層(25)の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
更に、電荷輸送層(25)が感光体の最表層となる場合、無機および/または有機粒子を含有させることも有効である。
一般に、有機感光体は、耐久性が低いことが大きな欠点となっている。
感光体表面の摩耗や傷などの機械的負荷に対する耐久性と繰り返し使用による残留電位の蓄積や帯電性低下などの静電特性上の耐久性に大別されるが、機械的耐久性に劣ることも感光体の寿命を決定する要因となっている。また、これらの耐久性以外に、感光体表層は、コロナ帯電時に生ずるオゾンによって生成する低抵抗物質の付着、あるいはトナーのクリーニング不良によるフィルミング、融着といった画像劣化を引き起こす要因を持っている。そのため、機械的耐久性とともに感光体寿命を左右する感光体表面への各種付着物に対する離型性も求められる。
これらの要求を満たすために、感光体の最表層への無機および/または有機粒子の含有はきわめて有効である。無機粒子材料としては、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などが挙げられ、有機粒子材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられる。また、これらの材料の他に、公知の材料の使用も可能であり、上述した無機および/または有機粒子は単独もしくは2種類以上を混合して用いることも可能である。
更にこれらの粒子は、分散性向上、表面性改質等の理由から少なくとも1種の無機物、有機物で表面処理させることが好ましい。
粒子の分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤すべてを使用することができるが、上述した粒子の絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al、TiO、ZrO、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理が粒子分散性において好ましい。シランカップリング剤による処理は、やや抵抗が下がるものの、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。表面処理量については、用いる粒子の平均一次粒径によって異なるが、3〜30重量%が適しており、5〜20重量%がより好ましい。
分散溶媒としてはメチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類が使用される。分散手段としてはボールミル、サンドミル、振動ミルなど公知の分散手段が使用可能である。
電荷輸送層(25)が最表層の場合、無機および/または有機粒子の含有量は全固形分に対して0〜40重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜30重量%である。含有量が0.1重量%未満であると、耐摩耗性の点で好ましくない。また、40重量%を越えると膜の不透明化による解像度の低下、感度低下による画像濃度低下など画像劣化が発生する。また、粒子の体積平均粒径は0.05〜1.0μm、好ましくは0.05〜0.8μmに粉砕、分散するのが好ましい。粒径が0.05μmより小さいと均一な分散が行ないにくく、粒径が1.0μmより大きいと粒子が感光体表面に頭出し、クリーニングブレードを傷つけクリーニング不良が発生する場合がある。
次に、感光層(26)が単層構成の場合について述べる。
これまで、感光層が積層の場合について述べたが、本発明においては、感光層(26)が単層構成でも構わない。単層構成の感光層(26)は、前述した電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂等を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを中間層(23)上に塗布、乾燥することにより形成できる。結着樹脂としては、電荷発生層(24)や電荷輸送層(25)の説明で挙げた材料を用いることができる。さらに、前述した高分子電荷輸送物質も結着樹脂と電荷輸送物質の機能を併せ持つため、良好に使用される。
また、先の電荷輸送層(25)の説明に記載した無機、有機粒子も良好に使用できる。
感光層(26)は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン等の溶剤に溶解ないし分散し、これを浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。
また、必要により前記の可塑剤やレベリング剤等の各種添加剤を添加することもできる。感光層(26)の膜厚は、5〜50μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
本発明の電子写真感光体には、感光層保護の目的で、保護層(27)が感光層(26)(積層構成の場合には、電荷輸送層(25))の上に設けられることもある。
これに使用される材料としては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン/ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、AS樹脂、AB樹脂、BS樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
保護層(27)にはその他、耐摩耗性を向上する目的で、電荷輸送層(25)の説明に記載した無機および/または有機粒子を添加することもできる。保護層(27)の形成法としては、通常の塗布法が採用される。なお、保護層(27)の厚さは、0.5〜10μm程度が適当である。また、以上のほかに真空薄膜作製法にて形成したi−C、a−SiCなど公知の材料も保護層として用いることができる。また、必要により、前述の電荷輸送物質、酸化防止剤、可塑剤やレベリング剤を添加することもできる。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤は、有機物を含む層ならばいずれに添加してもよく、公知の酸化防止剤をすべて使用することが可能である。
また、2種以上の酸化防止剤を混合して添加することにより効果が顕著に高まることがあり、有効である。本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
(フェノール系化合物)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコールエステル、トコフェロール類など。
(パラフェニレンジアミン類)
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(ハイドロキノン類)
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(有機硫黄化合物類)
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
(有機燐化合物類)
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0〜10重量%である。
本発明は、上記電子写真感光体を提供すると共に、本発明の電子写真感光体、帯電手段、画像露光手段、現像手段、および転写手段を用いることを特徴とする画像形成方法、本発明の電子写真感光体、帯電手段、画像露光手段、現像手段、および転写手段を有することを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
以下に、本発明の画像形成方法及び画像形成装置を、図面に基づいて説明する。
図4は、本発明の画像形成方法及び画像形成装置を示す概略図である。
感光体(11)には、上記本発明の電子写真感光体が用いられている。
図4においては、感光体(11)は、ドラム状の形状を示しているが、シート状であってもよく、図5に示すようにエンドレスベルト状のものであってもよい。
帯電手段(12)は、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。帯電手段(12)は、オゾン発生の低減や消費電力の低減の観点から、感光体に対し接触もしくは近接配置したものが良好に用いられる。中でも、帯電手段への汚染を防止するため、感光体と帯電手段表面の間に適度な空隙を有する感光体近傍に近接配置された帯電機構が有効に使用される。本発明の効果は前述したように接触配置した帯電手段を用いた場合に顕著となる。本発明の転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、転写チャージャと分離チャージャを併用したものが効果的である。
また、露光手段(13)、除電手段(1A)等に用いられる光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を挙げることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
現像手段(14)により感光体上に現像されたトナー(15)は、受像媒体(18)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング手段(17)により、感光体より除去される。クリーニング手段は、ゴム製のクリーニングブレードやファーブラシ、マグファーブラシ等のブラシ等を用いることができる。また、転写効率およびクリーニング効率を向上するため、感光体の表面エネルギーを低減させるべく潤滑剤、例えば脂肪酸金属塩を感光体表面へ供給し、画像形成を行なう方法も有効である。感光体表面への低表面エネルギー化剤の供給手段については、現像剤中に脂肪酸金属塩を含有させる方法、またはステアリン酸亜鉛等の固形素材を、クリーニング手段を兼ねたブラシロールを介して供給する方法、およびその他公知の方法が用いられる。
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段には、公知の方法が適用され、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
図5は、本発明の別の画像形成方法及び画像形成装置を示す概略図である。感光体(11)には、上記本発明の電子写真感光体が用いられている。感光体(11)は、駆動手段(1C)により駆動され、帯電手段(12)による帯電、露光手段(13)による像露光、現像(図示せず)、転写手段(16)による転写、クリーニング前露光手段(1B)によるクリーニング前露光、クリーニング手段(17)によるクリーニング、除電手段(1A)による除電が繰返し行なわれる。図6においては、感光体(この場合は支持体が透光性である)の支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
以上の電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図5において支持体側よりクリーニング前露光を行なっているが、これは感光層側から行なってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行なってもよい。一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
本発明は、さらに、上記電子写真感光体を有すると共に、帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、転写手段、およびクリーニング手段の中から選ばれた少なくとも一つの手段を有し、電子写真感光体とこの手段とを画像形成装置本体に一体的に着脱自在としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ、並びに画像形成装置用プロセスカートリッジを装着した画像形成装置を提供するものである。
これまでに説明した画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でこれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、転写手段、およびクリーニング手段のうち、少なくとも一つの手段を含んだ一つの装置(部品)である。
図6は、本発明の画像形成装置用プロセスカートリッジの一例を示す概略図である。感光体(11)には、上記本発明の電子写真感光体が用いられている。プロセスカートリッジの形態等には、多数のものが挙げられるが、図6に示すものは、接触帯電手段を用いた一般的な形態のプロセスカートリッジの例である。
本発明で使用される導電性支持体は、サーフコム1400D(東京精密製)を用い、表面粗さRz(JIS B0601−1994規格)を評価長さ(Ln):4mm、基準長さ(L):0.8mm、最大高さRy(JIS B0601−1994規格)を評価長さ(L):4mm、基準長さ(L):0.8mmにて測定した。
十点平均粗さ(Rz)とは、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さ(L)だけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高(Yp)の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの標高(Yv)の絶対値の平均値との和である。
最大高さ(Ry)とは、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さ(L)だけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線の長さから最も高い山頂までの高さ(Yp)と、最も低い谷底までの深さ(Yv)との和である。
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中使用する部は、すべて重量部を表す。
(実施例1)
[感光体作製例1]
導電性円筒状支持体として、直径30mm、長さ340mmの3003系アルミニウム合金からなるED管(十点平均粗さ(Rz):0.55μm、最大高さ(Ry):0.7μm)を用意した。このED管上に、下記組成の下引き層用塗工液、中間層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、本発明の感光体1を得た。
〔下引き層用塗工液〕
下記組成からなる混合物をボールミルで72時間分散し、下引き層用塗工液を作成した。この下引き層用塗工液を、上記ED管上に浸漬塗布した後、120℃で25分間乾燥し、約3.0μmの下引き層を形成した。
酸化チタンT 40部
(CR−EL 平均粒径:0.25μm、石原産業(株)社製)
酸化チタンT 60部
(PT−401M 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製
アルキッド樹脂 20部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)
社製)
メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業
(株)社製)
メチルエチルケトン 100部
〔中間層用塗工液〕
下記構成の中間層用塗工液を前記下引き層上に、リング塗工機により塗布し、140℃で10分間加熱し、約0.15μm中間層を形成した。
トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネート 10部
(オルガチックスZC540、松本製薬(株)製)
エチルアルコール 75部
n−ブチルアルコール 25部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記組成の電荷発生層用塗工液を前記中間層上に浸漬塗布した後、120℃で20分間加熱乾燥して、0.2μmの電荷発生層を形成した。
オキソチタニウムフタロシアニン顔料 2部
ポリビニルブチラール 0.2部
(エスレックBM−S、積水化学工業(株)製)
テトラヒドロフラン 50部
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記組成の電荷輸送層用塗工液を前記電荷発生層上に浸漬塗布した後、135℃で20分間加熱乾燥して、20μmの電荷輸送層を形成した。
下記構造式で表される電荷輸送物質(D−1) 10部
Figure 0004570155
ビスフェノールZポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050:帝人化成社製)
シリコーンオイル 0.002部
(KF−50、信越化学工業社製)
テトラヒドロフラン 100部
(実施例2)
[感光体作製例2]
感光体作製例1における下引き層の膜厚を6.0μmに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体2を作製した。
(実施例3)
[感光体作製例3]
感光体作製例2における中間層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例2と同様に感光体3を作製した。
〔中間層用塗工液〕
トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネート 10部
(オルガチックスZC540、松本製薬(株)製)
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 0.24部
(A1110、日本ユニカー(株)製)
エチルアルコール 75部
n−ブチルアルコール 25部
(実施例4)
[感光体作製例4]
感光体作製例3における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例3と同様に感光体4を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタンT 40部
(CR−EL 平均粒径:0.25μm、石原産業(株)社製)
酸化チタンT 40部
(PT−401M 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 16部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)
社製)
メラミン樹脂 9部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業
(株)社製)
メチルエチルケトン 80部
(実施例5)
[感光体作製例5]
感光体作製例3における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例3と同様に感光体5を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタンT 20部
(CR−EL 平均粒径:0.25μm、石原産業(株)社製)
酸化チタンT 80部
(PT−401M 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 20部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)
社製)
メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業
(株)社製)
メチルエチルケトン 100部
(比較例1)
[感光体作製例6]
感光体作製例3における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例3と同様に感光体6を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタンT 100部
(CR−EL 平均粒径:0.25μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 20部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)
社製)
メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業
(株)社製)
メチルエチルケトン 100部
(比較例2)
[感光体作製例7]
感光体作製例6において、中間層を設けない以外は感光体作製例6と同様に感光体7を作製した。
(実施例6)
[感光体作製例8]
感光体作製例1における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体8を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタンT 40部
(TA−3000 平均粒径:0.30μm、富士チタン工業(株)社製)
酸化チタンT 60部
(PT−401M 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製
フェノール樹脂 23部
(ブライオーフェン J−325、固形分:70%、大日本インキ化学工業(株)
社製)
2−メトキシ−1−プロパノール 100部
(実施例7)
[感光体作製例9]
感光体作製例8における下引き層の膜厚を6.0μmに変更した以外は、感光体作製例8と同様に感光体9を作製した。
(実施例8)
[感光体作製例10]
感光体作製例9における中間層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例9と同様に感光体10を作製した。
〔中間層用塗工液〕
トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネート 16.5部
(オルガチックスZC540、松本製薬工業(株)製)
N(3−トリブトキシシリルプロピル)−1,6−ヘキシレンジアミン 5部
(KBM−6063、信越化学工業(株)製)
イソプロピルアルコール 400部
(比較例3)
[感光体作製例11]
感光体作製例3において、下引き層用塗工液を下記組成のものに変更し、4.5μmの下引き層を設けた以外は感光体作製例3と同様に感光体11を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタンT 40部
(CR−EL 平均粒径:0.25μm、石原産業(株)社製)
酸化チタンT 60部
(PT−401M 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
ポリアミド樹脂 25部
(アミランCM8000、東レ(株)社製)
メチルアルコール 64部
n−ブチルアルコール 16部
(比較例4)
[感光体作製例12]
感光体作製例3において下引き層を設けない以外は、感光体作製例3と同様に感光体12を作製した。
(比較例5)
[感光体作製例13]
感光体作製例2における中間層用塗工液を下記組成のものに変更し、中間層の膜厚を1.0μmに変更した以外は、感光体作製例2と同様に感光体13を作製した。
〔中間層用塗工液〕
ポリアミド樹脂 8部
(CM8000、東レ(株)社製)
メチルアルコール 60部
n−ブチルアルコール 32部
(比較例6)
[感光体作製例14]
感光体作製例2において中間層を設けない以外は、感光体作製例2と同様に感光体14を作製した。
(比較例7)
[感光体作製例15]
感光体作製例2における中間層用塗工液を下記組成のものに変更し、1.5μmの中間層を設けた以外は感光体作製例2と同様に感光体15を作製した。
〔中間層用塗工液〕
トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネート 20部
(オルガチックスZC540、松本製薬工業(株)製)
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 2部
(A1110、日本ユニカー(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 1.5部
(エスレックBM−S、積水化学(株)製)
n−ブチルアルコール 70部
(実施例9)
[感光体作製例16]
感光体作製例3における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例3と同様に感光体16を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
上記電荷輸送物質(D−1) 10部
ビスフェノールZポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050:帝人化成社製)
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子
(ルブルンL−2、ダイキン工業(株)製) 1部
クシ型フッ素系グラフトポリマー
(GF300、東亜合成化学工業社製) 0.1部
テトラヒドロフラン 70部
(実施例10)
[感光体作製例17]
感光体作製例3における電荷輸送層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例3と同様に感光体17を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記構造式で表される高分子電荷輸送(PD−1) 10部
Figure 0004570155
(k=0.42、j=0.58、Mw=160000(ポリスチレン換算))
テトラヒドロフラン 100部
(実施例11)
[感光体作製例18]
感光体作製例1における導電性円筒状支持体を、直径24mm、長さ246mmの3003系アルミニウム合金からなるED管(十点平均粗さ(Rz):0.80μm、最大高さ(Ry):1.0μm)に変更し、中間層用塗工液および電荷発生層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体18を作製した。
〔中間層用塗工液〕
ジプロピルオキシチタンアセチルアセトネート 10部
(TC100、松本製薬工業(株)社製)
イソプロピルアルコール 70部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造式で表されるビスアゾ顔料 2.5部
Figure 0004570155
ポリビニルブチラール 2.0部
(エスレックBM−1:積水化学工業(株)製)
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
(実施例12)
[感光体作製例19]
感光体作製例18における下引き層の膜厚を6.0μmに変更した以外は、感光体作製例18と同様に感光体19を作製した。
(実施例13)
[感光体作製例20]
感光体作製例19における中間層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例19と同様に感光体20を作製した。
〔中間層用塗工液〕
ジプロピルオキシチタンアセチルアセトネート 10部
(オルガチックスTC100、松本製薬工業(株)社製)
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 1部
(A1110、日本ユニカー(株)製)
イソプロピルアルコール 40部
n−ブチルアルコール 20部
(比較例8)
[感光体作製例21]
感光体作製例19における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更し、中間層を設けない以外は、感光体作製例19と同様に感光体21を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタンT 40部
(CR−EL 平均粒径:0.25μm、石原産業(株)社製)
酸化チタンT 40部
(PT−401M 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 16部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)
社製)
メラミン樹脂 9部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業
(株)社製)
メチルエチルケトン 80部
(実施例14)
[感光体作製例22]
感光体作製例20における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例20と同様に感光体22を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタンT 85部
(CR−EL 平均粒径:0.25μm、石原産業(株)社製)
酸化チタンT 15部
(PT−401M 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 20部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)
社製)
メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業
(株)社製)
メチルエチルケトン 100部
(実施例15)
[感光体作製例23]
感光体作製例20における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例20と同様に感光体23を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタンT 30部
(CR−EL 平均粒径:0.25μm、石原産業(株)社製)
酸化チタンT 50部
(TTO−F1 平均粒径:0.04μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 16部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)
社製)
メラミン樹脂 9部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業
(株)社製)
メチルエチルケトン 100部
(比較例9)
[感光体作製例24]
感光体作製例20における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例20と同様に感光体24を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタンT 100部
(CR−EL 平均粒径:0.25μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 20部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)
社製)
メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業
(株)社製)
メチルエチルケトン 100部
(比較例10)
[感光体作製例25]
感光体作製例20における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例20と同様に感光体25を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタンT 100部
(PT−401M 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 20部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)
社製)
メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業
(株)社製)
メチルエチルケトン 100部
(比較例11)
[感光体作製例26]
感光体作製例18において、下引き層用塗工液を下記組成のものに変更し、1.0μmの下引き層を設けた以外は感光体作製例5と同様に感光体26を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
ポリアミド 8部
(CM8000、東レ社製)
メチルアルコール 60部
n−ブチルアルコール 32部
(比較例12)
[感光体作製例27]
感光体作製例20において下引き層を設けない以外は、感光体作製例20と同様に感光体27を作製した。
(比較例13)
[感光体作製例28]
感光体作製例27における中間層用塗工液を下記組成のものに変更し、1.5μmの中間層を設けた以外は感光体作製例27と同様に感光体28を作製した。
〔中間層用塗工液〕
ジプロピルオキシチタンアセチルアセトネート 10部
(オルガチックスTC100、松本製薬工業(株)社製)
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 1部
(A1110、日本ユニカー(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 1.5部
(エスレックBM−1、積水化学(株)製)
イソプロピルアルコール 70部
(比較例14)
[感光体作製例29]
感光体作製例20における中間層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例20と同様に感光体29を作製した。
〔中間層用塗工液〕
ジプロピルオキシチタンアセチルアセトネート 10部
(オルガチックスTC100、松本製薬工業(株)社製)
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 1部
(A1110、日本ユニカー(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 1.5部
(エスレックBM−1、積水化学(株)製)
イソプロピルアルコール 70部
(実施例16)
[感光体作製例30]
感光体作製例20における電荷輸送層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例20と同様に感光体30を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記構造式で表される高分子電荷輸送(PD−2) 10部
Figure 0004570155
(k=0.50、j=0.50、Mw=135000(ポリスチレン換算))
テトラヒドロフラン 100部
(実施例17)
[感光体作製例31]
感光体作製例20における電荷輸送層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例20と同様に感光体31を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記構造式で表される高分子電荷輸送(PD−3) 10部
Figure 0004570155
(k=0.50、j=0.50、Mw=155000(ポリスチレン換算))
テトラヒドロフラン 100部
(実施例18)
[感光体作製例32]
感光体作製例20における電荷輸送層上に、下記組成の保護層用塗工液をスプレー塗工した後、110℃20分間加熱乾燥して、5μmの保護層を設けた以外は感光体作製例20と同様に感光体32を作製した。
〔保護層用塗工液〕
上記電荷輸送物質(D−1) 7部
ビスフェノールZポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050:帝人化成社製)
アルミナ微粒子 6部
(スミコランダムAA−03 中心粒径0.3μm 住友化学工業製)
分散助剤 0.08部
(ビックケミージャパン製BYK−P104)
テトラヒドロフラン 700部
シクロヘキサノン 200部
(実施例19)
[感光体作製例33]
導電性支持体として、厚さ30μmのニッケルシームレスベルト(十点平均粗さ(Rz):0.70μm、最大高さ(Ry):1.1μm)を用意した。このニッケルシームレスベルト上に下記組成の下引き層用塗工液、中間層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、本発明の感光体33を得た。
〔下引き層用塗工液〕
下記組成からなる混合物をボールミルで72時間分散し、下引き層用塗工液を作成した。この下引き層用塗工液を上記ニッケルシームレスベルト上にスプレー塗布した後、120℃で25分間乾燥し、約3.0μmの下引き層を形成した。
酸化チタンT 40部
(CR−EL 平均粒径:0.25μm、石原産業(株)社製)
酸化チタンT 60部
(PT−401M 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 20部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)
社製)
メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業
(株)社製)
メチルエチルケトン 100部
〔中間層用塗工液〕
下記構成の中間層用塗工液を前記下引き層上に、スプレー塗工機により塗布し、140℃で10分間加熱し、約0.15μm中間層を形成した。
トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネート 10部
(オルガチックスZC540、松本製薬(株)製)
エチルアルコール 75部
n−ブチルアルコール 25部
(実施例20)
[感光体作製例34]
感光体作製例33における下引き層の膜厚を6.0μmに変更した以外は、感光体作製例33と同様に感光体34を作製した。
(実施例21)
[感光体作製例35]
感光体作製例34における下引き層用塗工液および中間層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例34と同様に感光体35を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタンT 40部
(CR−EL 平均粒径:0.25μm、石原産業(株)社製)
酸化チタンT 40部
(PT−401M 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 16部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)
社製)
メラミン樹脂 9部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業
(株)社製)
メチルエチルケトン 80部
〔中間層用塗工液〕
トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネート 10部
(オルガチックスZC540、松本製薬(株)製)
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 0.24部
(A1110、日本ユニカー(株)製)
エチルアルコール 75部
n−ブチルアルコール 25部
(実施例22)
[感光体作製例36]
感光体作製例35における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例35と同様に感光体36を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタンT 85部
(CR−EL 平均粒径:0.25μm、石原産業(株)社製)
酸化チタンT 15部
(PT−401M 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 20部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)
社製)
メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業
(株)社製)
メチルエチルケトン 100部
(比較例15)
[感光体作製例37]
感光体作製例34における中間層用塗工液を下記組成のものに変更し、1.5μmの中間層を設けた以外は、感光体作製例34と同様に感光体37を作製した。
〔中間層用塗工液〕
トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネート 20部
(オルガチックスZC540、松本製薬工業(株)製)
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 2部
(A1110、日本ユニカー(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 1.5部
(エスレックBM−S、積水化学(株)製)
n−ブチルアルコール 70部
(実施例23)
[感光体作製例38]
感光体作製例35における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例35と同様に感光体38を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタンT 40部
(CR−EL 平均粒径:0.25μm、石原産業(株)社製)
酸化チタンT 60部
(PT−401M 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
フェノール樹脂 23部
(ブライオーフェン J−325、固形分:70%、大日本インキ化学工業(株)
社製)
2−メトキシ−1−プロパノール 100部
(実施例24)
[感光体作製例39]
感光体作製例35における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例35と同様に感光体39を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタンT 30部
(PT−401M 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
酸化チタンT 50部
(TTO−F1 平均粒径:0.04μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 16部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)
社製)
メラミン樹脂 9部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業
(株)社製)
メチルエチルケトン 100部
(比較例16)
[感光体作製例40]
感光体作製例35における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更し、3.0μmの下引き層を設けた以外は、感光体作製例35と同様に感光体40を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタンT 100部
(TA−3000 平均粒径:0.30μm、富士チタン工業(株)社製)
アルキッド樹脂 20部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)
社製)
メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業
(株)社製)
メチルエチルケトン 100部
(比較例17)
[感光体作製例41]
感光体作製例40における下引き層の膜厚を6.0μmに変更した以外は、感光体作製例40と同様に感光体41を作製した。
(比較例18)
[感光体作製例42]
感光体作製例35における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更し、3.0μmの下引き層を設けた以外は、感光体作製例35と同様に感光体42を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタンT 100部
(CR−EL 平均粒径:0.25μm、石原産業(株)社製)
フェノール樹脂 23部
(ブライオーフェン J−325、固形分:70%、大日本インキ化学工業(株)
社製)
2−メトキシ−1−プロパノール 100部
(比較例19)
[感光体作製例43]
感光体作製例42における下引き層の膜厚を6.0μmに変更した以外は、感光体作製例42と同様に感光体43を作製した。
(比較例20)
[感光体作製例44]
感光体作製例35における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例35と同様に感光体44を作製した
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタンT 100部
(PT−401M 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
フェノール樹脂 23部
(ブライオーフェン J−325、固形分:70%、大日本インキ化学工業(株)
社製)
2−メトキシ−1−プロパノール 100部
以上のように作製した感光体を表1に示す。
Figure 0004570155
以上のように作製した電子写真感光体1〜32について、中間層形成後の電子写真感光体の表面へのクラックあるいは細孔等の発生を確認した。その後、中間層上に電荷発生層、電荷輸送層あるいは電荷発生層、電荷輸送層および保護層を順次形成した電位写真感光体を図6に示した電子写真プロセス用カートリッジに装着した。
電子写真感光体1〜17については、図6に示した電子写真プロセス用カートリッジに装着後、これを像露光手段に780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる書き込み)および帯電手段に接触帯電ローラを備えた画像形成装置(株式会社リコー製imagio MF−2200)に搭載し、初期の暗部電位(VD)、露光部電位(VL)を測定した。なお、露光部電位については、図6の装置の現像部に電位計プローブを装着し、帯電、画像露光後、現像部位まで移動した際の感光体表面電位を測定した。帯電電位(暗部電位:VD)を−600V、VLを−100(V)になるように初期設定を行なった。ΔVD、ΔVLは、それぞれ、初期時と5万枚通紙試験後の暗部電位、露光部電位の電位変化量を表わす。続いて、常温常湿(23℃55%RH)、低温低湿(15℃25%RH)および高温高湿(30℃80%RH)の環境下でA4サイズPPC用紙を縦方向送りで5万枚通紙し、VD、VLの測定および画像評価を実施した。
同様に、電子写真感光体18〜32について、図6に示した電子写真プロセス用カートリッジに装着後、このプロセスカートリッジを画像露光光源:655nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる書き込み)に改造した複写機(リコー製:FAX1160L)に装着し、常温常湿(23℃55%RH)、低温低湿(15℃25%RH)および高温高湿(30℃80%RH)の環境下でA4サイズPPC用紙を縦方向送りで5万枚通紙し、VD、VLの測定および画像評価を実施した。
ΔVD、およびΔVLは、それぞれ、初期時と5万枚通紙試験後の暗部電位、露光部電位の電位変化量を表わす。
ΔVD=(初期時における暗部電位:−600V)−(5万枚通紙後における暗部電位)
ΔVL=(初期時における露光部電位:−100V)−(5万枚通紙後における露光部電位)
評価結果を表2、3に示す。
中間層表面へのクラックあるいは細孔等の発生の評価は目視にて、
◎:全く見られない
○:極僅かに観察される
△:若干観察される
×:画像品質を低下させるレベルのクラックが発生する
とした。
モアレ画像、ピンホールリーク、地汚れの評価は、
○:全く見られない
△:僅かに観察されるが、実使用上問題ない
×:画像品質を低下させるレベル
とした。
ゴーストの評価は
○:全く見られない
×:画像品質を低下させる可能性がある
とした。
Figure 0004570155
Figure 0004570155
続いて、以上のように作製した電子写真感光体33〜43について、画像形成装置(IPSiO Color 5000)に搭載し、装置を72時間連続作動させて下引き層および中間層の剥離、クラック等の評価を行った。
評価結果を表4に示す。
Figure 0004570155
本発明に係る電子写真感光体の1例を示す模式断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の別の例を示す模式断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の更に別の例を示す模式断面図である。 本発明に係る電子写真装置の1例を示す概略図である。 本発明に係る電子写真装置の別の例を示す概略図である。 本発明に係るプロセスカートリッジの1例を示す。 本発明に係る導電性支持体の表面状態に関する十点平均粗さ(Rz)を示す模式図である。 本発明に係る導電性支持体の表面状態に関する最大高さ(Ry)を示す模式図である。
符号の説明
11 電子写真感光体
12 帯電手段
13 露光手段
14 現像手段
15 トナー
16 転写手段
17 クリーニング手段
18 受像媒体
19 定着手段
21 導電性支持体
22 電荷発生層
23 電荷輸送層
24 感光層
25 下引き層
26 保護層
1A 除電手段
1B クリーニング前露光手段
1C 駆動手段

Claims (15)

  1. 導電性支持体上に、少なくとも下引き層、中間層および感光層を順次積層してなる電子写真感光体を有し、該下引き層が少なくとも、平均粒径の異なる2種の金属酸化物と熱硬化性樹脂を含有し、かつ該中間層が有機金属化合物を主成分として含有するものでありさらに、接触配置された帯電部材により帯電を行なう帯電手段、画像露光手段、現像手段、および転写手段を有することを特徴とする画像形成装置
  2. 前記金属酸化物が酸化チタンであり、かつ一方の酸化チタン(T)の平均粒径を(D)、他方の酸化チタン(T)の平均粒径を(D)とした場合、0.2<D/D≦0.5の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置
  3. 前記酸化チタン(T)の平均粒径(D)が0.05μm<D<0.20μmであり、かつ(T)と(T)との重量混合比率が、0.2≦T/(T+T)≦0.8であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置
  4. 前記中間層が下記一般式(1)で示される有機金属化合物から生成される重合物を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置
    Figure 0004570155
    (式中、XはZr、Tiを表し、Rはアルキル基を表し、R’は、有機基を表し、mおよびnは、それぞれ0以上であり、m+n=4である。)
  5. 前記中間層が有機金属化合物とシランカップリング剤とを含有することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像形成装置
  6. 前記中間層の膜厚が0.05〜0.5μmであることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の画像形成装置
  7. 前記下引き層の膜厚が3〜15μmであることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の画像形成装置
  8. 前記導電性支持体の表面粗さが十点平均粗さRzにおいて0.05〜1.0μmであり、かつ最大高さRyにおいて0.5〜1.5μmであることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の画像形成装置
  9. 前記導電性支持体がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる無切削管であることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の画像形成装置
  10. 前記導電性支持体が直径30mm以下の導電性円筒状支持体であることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の画像形成装置
  11. 前記導電性支持体がエンドレスベルトであることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の画像形成装置
  12. 少なくとも請求項1乃至11の何れかに記載の画像形成装置を用いることを特徴とする画像形成方法。
  13. 前記画像形成装置本体に対して、着脱自在に装着し得るプロセスカートリッジであって、請求項1乃至11の何れかに記載の電子写真感光体と帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、クリーニング手段の中から選ばれた少なくとも1つの手段カートリッジ容器に組み込んで構成したものであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  14. 前記帯電手段が、接触配置された帯電部材により帯電を行なう帯電手段であることを特徴とする請求項13記載のプロセスカートリッジ。
  15. 請求項14に記載のプロセスカートリッジを装着したことを特徴とする画像形成装置。
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