JP4569997B2 - 高分子電荷輸送材料及びそれの製造方法及びそれを用いたエレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電荷輸送材料に関するものであり、有機エレクトロルミネセンス素子や電子写真感光体に適用可能な高分子電荷輸送材料である。
【0002】
【従来の技術】
有機電界発光(エレクトロルミネセンス;以下ELという)素子は、有機物の電界発光現象を利用した有機材料からなる発光素子であり、自発光型の平面表示素子や平面光源として注目されている。この有機EL素子は、1960年代のアントラセン単結晶の研究から始まり、イーストマン・コダック社のC.W.Tangらによる薄膜積層型素子が開発され、特開昭59−194393号公報、特開昭63−264692号公報、特開昭63−295695号公報、アプライド・フィジックス・レター第51巻第12号第913頁(1987年)、およびジャーナル・オブ・アプライドフィジックス第65巻第9号第3610頁(1989年)等に開示されている。現在においても、この薄膜積層型の有機EL素子は、幅広い分野において研究開発が行われている。
【0003】
一般的に有機薄膜EL素子は、陽極、正孔注入輸送層、有機発光層及び陰極の順に積層させた構成を有しており、以下に示すようにして作製される。まず、ガラスや樹脂フィルム等の透明絶縁性の基板上に、陽極として主にインジウムとスズの複合酸化物(以下、ITOという)からなる透明導電膜を、蒸着法またはスパッタリング法等により形成する。次に、この陽極上に銅フタロシアニンや芳香族アミン化合物等に代表される有機正孔注入・輸送材料からなる単層膜または多層膜を蒸着法により100nm程度以下の厚さで形成する。さらに、この正孔注入輸送層上に有機発光層としてトリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下Alqという)等の有機蛍光体膜を100nm程度以下の厚さで蒸着法により形成する。この有機発光層上にMg:Ag等の合金、あるいはLiF/Alのような積層型の陰極を200nm程度の厚さで、蒸着法により形成することにより有機薄膜EL素子が作製される。
【0004】
以上のようにして作製される有機薄膜EL素子の電極間に直流低電圧を印可することにより、陽極から正孔(プラスの電荷)、陰極から電子(マイナスの電荷)が有機層内に注入され、印可された電場によりこの正孔と電子が有機層内部を移動し、有機発光層内でこれらが再結合して励起子を形成する。形成された励起子は有機発光層である有機蛍光体より発光を生じさせて基底状態に戻る。この発光を利用した素子が有機薄膜EL素子であり、この素子に印可する直流電圧は、通常20V以下であり、発光層にAlq、陰極にLiF/Al合金を用いたEL素子では、50,000cd/m2以上の輝度が得られている。
【0005】
しかしながら、上記の有機薄膜EL素子に利用されている電荷輸送材料の大半は、これまで低分子化合物がほとんどを占めており、これら低分子化合物で電荷輸送膜を形成した場合、低分子化合物の低い耐熱性および高い結晶性により、熱的安定性に優れた有機薄膜EL素子を得ることが困難であった。このために、熱的安定性に優れた電荷輸送材料が望まれている。
【0006】
これらの電荷輸送材料は、以下に示すように電子写真技術における感光体にも用いられている。電子写真技術においては、非晶質セレン感光体を用いた電子写真複写機が実用化されて以来、数多くの無機及び有機感光体材料の開発が行われている。この電子写真感光体の感光体材料としては、従来セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機感光体材料が用いられてきたが、これらの無機感光体材料については毒性を有するものもあるために、環境問題を引き起こす可能性が指摘され、代わって感度及び耐久性の高い低公害な有機感光体材料の開発が急速に進展している。
【0007】
有機感光体材料を用いた電子写真感光体は、一般に導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層が順次積層された構造となっている。ここで、電荷発生層とは光を吸収することにより電荷を発生する機能を有する層であり、電荷輸送層は電荷発生層で生じた電荷が感光体内を移動することを可能にする機能を有する層である。このように、有機感光体材料を電子写真感光体に用いた場合、上述の環境問題を引き起こす恐れは低いが、高い電荷発生性及び電荷輸送性を同時に有する材料が少ないため、通常電荷発生層及び電荷輸送層を積層した二層構造を必要としている。
【0008】
以上のようにして構成される電子写真感光体を用いた電子写真プロセスでは、この電子写真感光体をコロナ放電により帯電させ、画像を露光することにより静電潜像を感光体表面に形成し、この静電潜像を潜像の電荷とは反対に帯電したトナーを用いて現像し、これを普通紙に転写して定着することにより印画が行われる。このプロセスにおいては、電子写真感光体は暗所において電荷を表面に保持できること、光照射により電気抵抗が減少して速やかに表面電荷を放出させる光導電性に優れていることなどが要求される。また、この感光体はクリーニングすることにより再利用されるために、繰り返し使用に耐え得る優れた耐久性も求められている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、有機薄膜EL素子あるいは電子写真感光体において電荷輸送材料として用いられてきた材料は、求められている特性を必ずしも満足させているわけではなく、優れた正孔輸送性を有した耐久性の高い電荷輸送材料の開発が期待されている。
【0010】
薄膜の結晶性を抑え、耐熱性や機械的強度を向上させる手段として高分子材料を用いる試みがなされている。一つには電荷輸送あるいは発光などの機能性を有する有機低分子を高分子中に分散させたもの、もう一つには機能性を有した分子を主鎖あるいは側鎖にもつ高分子材料がある。本発明の目的は、優れた正孔輸送性、耐熱性及び機械的強度を有する電荷輸送材料及びその製造方法及びそれを用いたエレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、芳香族第三級アミンを主鎖骨格とし、下記一般式(4)で示されることを特徴とする高分子電荷輸送材料である。
【化4】
式中、nは重合度を表す正の整数、mは芳香族三級アミンの数を表す正の整数(ただしm=1を除く)、R1およびR2は置換基を有していてもよいアリーレン基、R3は置換基を有していてもよいアリール基、R4は置換基を有していてもよいアリーレン基またはアルキル基、あるいは蛍光性を有する化合物を示す。前記の置換基は、アルキル基、アルコキシ基、エステル基、シアノ基からなる群から選ばれる。R5およびR6はアルキレン基またはカルボニル基を示す。
【0012】
請求項2の発明は、芳香族第三アミンとハロゲン化有機化合物とのフリーデル・クラフツ反応により得られることを特徴とする、下記一般式(5)で示される高分子電荷輸送材料の製造方法である。
【化5】
【0013】
請求項3の発明は、芳香族第三アミンとハロゲン化有機化合物とのフリーデル・クラフツ反応により得られることを特徴とする、下記一般式(6)で示される高分子電荷輸送材料の製造方法である。
【化6】
【0014】
請求項4の発明は請求項1記載の高分子電荷輸送材料を用いることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の高分子電荷輸送材料は、芳香族三級アミンとハロゲン化有機化合物との重縮合(例えばフリーデル−クラフツ反応)により得られるものである。例えば、ほぼ等モルの芳香族三級アミンとハロゲン化有機化合物とを、クロロベンゼン溶媒中で触媒に塩化すずを用いて反応させることにより、容易に合成することが可能である。
【0016】
フリーデル−クラフツ反応は塩化アルミニウムのような触媒の存在下において、芳香族あるいはオレフィン化合物とハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アリール化合物を反応させてアルキル化合物またはアシル化合物を得るものであり、有機合成に広く利用されている。本発明は、このフリーデル−クラフツ反応を用いて容易に電荷輸送性能を有する高分子材料を得ることができることを特徴としている。
【0017】
本発明の高分子電荷輸送材料は、数平均分子量が1,000〜5,000,000であることが好ましく、特に10,000〜500,000がより好ましい。芳香族三級アミン化合物を主鎖骨格に導入することで高い正孔輸送性能を維持することができ、さらに高分子材料とすることで結晶性を抑制し、ガラス転移温度を低分子化合物よりも高くすることが可能となり、薄膜の作製も湿式法などで容易に行うことができる。
【0018】
上記一般式(4)〜(6)で示される本発明の高分子電荷輸送材料において、R1と、R2はアリーレン基、R3はアリール基を示す。ここでアリーレン基およびアリール基は、フェニル基、ナフチル基、ビフニレン基、トリフェニレン基などの芳香族化合物やピリジン環、キノリン環、チオフェン環等に代表される酸素原子や窒素原子および硫黄原子等のヘテロ原子を一つあるいは複数含む芳香族化合物を具体例として挙げることができる。さらに、上記のアリーレン基及びアリール基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基等に代表されるアルキル基(ここで飽和環状炭化水素基もアルキル基に含む)、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ターシャリーブトキシ基等に代表されるアルコキシ基、シアノ基等の置換基を有していてもよい。R1〜 R3は互いに同一でも異なっていても良い。
【0019】
R4としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、シクロヘキシル基等に代表されるアルキル基(ここで飽和環状炭化水素基もアルキル基に含む)またはフェニレン基、ナフチレン基、ビフニレン基、トリフェニレン基などの芳香族化合物やピリジン環、キノリン環、チオフェン環等に代表される酸素原子や窒素原子および硫黄原子等のヘテロ原子を一つあるいは複数含む芳香族化合物を具体例として挙げることができる。また、蛍光性を有する化合物としては特に限定するものではないが、フリーデル・クラフツ反応により容易に導入するにはハロゲン化アルキルを有する蛍光性化合物が好ましく、例えば、アントラセン、ベンゾアントラセン、フルオレン等に代表される蛍光性を有する芳香族化合物やカルバゾール、アクリドン等に代表される酸素原子や窒素原子および硫黄原子等のヘテロ原子を一つあるいは複数含む芳香族化合物を具体例として挙げることができ、さらにはクマリンやDCM等に代表されるレーザー色素およびEL素子に用いられているAlqやジスチリルアリーレン誘導体等も具体例として挙げることができる。上記のR4は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、トリフルオロメチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、メトキシ基やエトキシ基、イソプロポキシ基等に代表されるアルコキシ基、シアノ基、またはフェニル基やトリル基、ナフチル基等に代表されるアリール基を置換基として有していてもよい。
【0020】
R5およびR6としては、メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基、ターシャリーブチレン基等に代表されるアルキレン基(ここで飽和環状炭化水素基もアルキレン基に含む)またはカルボニル基を具体例として挙げることができる。
【0021】
R7としては、メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基、ターシャリーブチレン基に代表されるアルキレン基(ここで飽和環状炭化水素基もアルキル基に含む)またはフェニレン基、ナフチレン基、ビフニレン基、トリフェニレン基などの芳香族化合物やピリジン環、キノリン環、チオフェン環等に代表される酸素原子や窒素原子および硫黄原子等のヘテロ原子を一つあるいは複数含む芳香族化合物を具体例として挙げることができる。上記のR7は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、トリフルオロメチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、メトキシ基やエトキシ基、イソプロポキシ基等に代表されるアルコキシ基、シアノ基、またはフェニル基やトリル基、ナフチル基等に代表されるアリール基を置換基として有していてもよい。
【0022】
以上示した本発明の高分子電荷輸送性材料は、有機薄膜EL素子および電子写真感光体の電荷輸送層に適用でき、その適用方法としては他の電荷輸送材料や発光材料等と混合して用いることも可能である。また、薄膜形成としてはスピンコート法、キャスト法、印刷等の一般的な方法により可能である。
【0023】
これまでに示してきた芳香族三級アミンとハロゲン化有機化合物との重縮合(フリーデル−クラフツ反応)により得られる電荷輸送材料または発光材料を用いた有機EL素子について述べる。透明あるいは半透明の陽極付き透明基板上に、正孔注入輸送材料として銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニン誘導体の薄膜を、蒸着法あるいはスピンコート法で作製する。次に、フリーデル・クラフツ反応により合成した高分子材料の薄膜をスピンコート方法に代表されるウエットプロセスにより積層する。最後に、電子注入・輸送層としてAlqに代表される有機金属錯体やオキサジアゾール誘導体などの薄膜を形成する。この有機層の上に、仕事関数が低く電気伝導性の高い金属、あるいはアルミニウム:リチウム(Al:Li)、マグネシウム:銀(Mg:Ag)等の合金、さらにはフッ化リチウムなどの仕事関数の低い金属からなる化合物を数Å蒸着した後に上記のような仕事関数が低く電気伝導性の高い金属を蒸着することで形成される陰極を蒸着方法などで形成する。
【0024】
本発明における高分子電荷輸送材料は、単独あるいは他の機能性を有する低分子および高分子材料と積層または混合させて用いることも可能である。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
不活性ガス雰囲気中で、N,N’−ジフェニル− N,N’−ジ(パラ−トリル)ベンジジン1.0mMとa、a’−ジクロロ−パラ−キシレン1.0mMにクロロベンゼン3.0mlを加え、これに8.0mol%の四塩化すずを加えて、80℃で12時間反応させた。これを、良溶媒にクロロホルム、貧溶媒としてアセトンを用いた再沈殿法で精製することにより、下記化学式(9)に示す、白色粉末状の高分子電荷輸送材料を得た。
【0026】
【化7】
【0027】
図1に、上述のようにして得られた高分子電荷輸送材料の1H−NMRスペクトル(日本電子(株)社製 JEOL A−500を使用、重クロロホルム溶媒)を示す。
1H−NMR(CDCl3、TMS) σ(ppm):2.0〜2.4(6H、CH3)、3.4〜3.9(4H、CH2)、6.5〜7.5(28H、CH)
また、この高分子電荷輸送材料について、ポンプとして日本分光工業社製の880−PUを用い、検出器として日本分光工業社製の示差屈折計830−RIを用い、スチレンゲルを固定相、クロロホルムを移動相としてGPC測定を行ったところ、重量平均分子量は210,000(昭和電工社製 標準ポリスチレン換算)であることが分かった。
次に、この高分子電荷輸送材料について、セイコー電子工業社製のDSC220を用い、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minでガラス転移点(Tg)を測定したところ、121℃であることが分かった。さらに、この高分子電荷輸送材料からなるキャスト膜を白金電極上に形成し、窒素雰囲気下、アセトニトリル中で、参照電極にAg/AgClを用い、東方技研製PS−06により、この高分子電荷輸送材料の酸化電位を測定した結果、酸化電位は1.03Vであることが分かった。また、このキャスト膜は掃引を繰り返し行っても同様な酸化還元波がみられた。
【0028】
(実施例2)
不活性ガス雰囲気中で、N,N’−ジフェニル− N,N’−ジ(パラ−トリル)ベンジジン1.0mMと9,10−ビスクロロメチルアントラセン1.0mMにクロロベンゼン9.0mlを加え、これに8.0mol%の四塩化すずを加えて、40℃で2時間反応させた。これを、良溶媒にクロロホルム、貧溶媒としてアセトンを用いた再沈殿法で精製することにより、下記化学式(10)に示す、黄色粉末状の高分子電荷輸送材料を得た。
【0029】
【化8】
【0030】
上述のようにして得られた高分子電荷輸送材料について、1H−NMRスペクトル(日本電子(株)社製 JEOL A−500を使用、重クロロホルム溶媒)の測定を行った。その結果を図2に示す。
1H−NMR(CDCl3, TMS) s(ppm):0.7〜0.9(6H、CH2)、1.1〜1.6(6H、CH2)、2.2〜2.6(4H、CH2)、4.4〜5.0(4H、CH2)、6.6〜8.3(32H、CH)
また、この高分子電荷輸送材料についてGPC測定を行ったところ、分子量が290,000であることが分かった。次に、この高分子電荷輸送材料についてガラス転移点(Tg)を測定したところ144℃であることが分かった。さらに、この高分子電荷輸送材料の酸化電位を測定した結果、酸化電位は0.87V、0.99Vであることが分かった。また、このキャスト膜は掃引を繰り返し行っても同様な酸化還元波がみられた。
この高分子電荷輸送材料の蛍光測定を行ったところ、極大波長が480nmの青緑色の発光がみられた。
【0031】
上記実施例の高分子電荷輸送材料は、主鎖に導入した芳香族三級アミン化合物の低分子材料に比べてガラス転移点が高くなり、高い耐熱性が期待できる。また、酸化電位も導入した芳香族三級アミン化合物の低分子材料と同程度の値を示すことから、高分子に導入してもその電荷輸送性能は維持されていることが分かる。また、蛍光特性を有する材料を主鎖に導入することで、電荷輸送性および蛍光特性を同時に示す高分子材料を得ることができる。
【0032】
(実施例3)
フリーデル・クラフツ反応で得られた高分子材料を用いた有機EL素子の作製を以下に述べる。洗浄したITO付きガラス基板上に、実施例1において合成した高分子材料のトルエン溶液からスピンコート法により厚さ50nmの薄膜を積層した。さらに、発光および電子注入・輸送層としてAlqを50nmの厚さに蒸着した。最後に、マグネシウムと銀を共蒸着して陰極を作製した。作製した素子からは、Alqによる輝度8、300cd/m2の緑色発光が得られた。さらに、ポリマー層と発光層の界面に、トリフェニルジアミン誘導体を10nm挟んだ素子からは、輝度20、000cd/m2の緑色の発光が得られた。
【0033】
本発明で得られた高分子電荷輸送材料を用いた素子は、低分子材料のみを用いた素子と同程度の発光特性を示し、低分子素子が破壊する印過電圧においても安定な発光がみられ、素子の高い耐久性を確認することができた。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、芳香族三級アミンを主鎖とし、電荷輸送性、蛍光特性を有する、高耐熱性、高耐久性の高分子電荷輸送材料を提供できる。また、芳香族三級アミンとハロゲン化有機化合物のフリーデル・クラフツ反応により容易に高分子電荷輸送材料の製造方法を提供することができる。また、該高分子電荷輸送材料を用いて高い耐久性を有するEL素子を提供することができる
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1に係わる高分子電荷輸送材料の1H−NMRスペクトルを示す図。
【図2】 本発明の実施例2に係わる高分子電荷輸送材料の1H−NMRスペクトルを示す図。
Claims (4)
- 芳香族第三アミンとハロゲン化有機化合物とのフリーデル・クラフツ反応により得られることを特徴とする、下記一般式(2)で示される高分子電荷輸送材料の製造方法。
- 芳香族第三アミンとハロゲン化有機化合物とのフリーデル・クラフツ反応により得られることを特徴とする、下記一般式(3)で示される高分子電荷輸送材料の製造方法。
- 請求項1記載の高分子電荷輸送材料を用いることを特徴とするエレクトロニクスルミネッセンス素子。
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