JP4566439B2 - 圧電/電歪デバイスおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電/電歪素子の変位動作を左右一対の両可動部に伝達して、両可動部の他端部側にて挟持された被制御部品を制御し、または、他端部側にて被検査部品を挟持する左右一対の両可動部の変位動作を圧電/電歪素子により検出して、被検査部品の特性を検出する形式の圧電/電歪デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
当該形式の従来の圧電/電歪デバイスは、図1に示すように、基体10aを構成する左右の両可動部11,12の外側面にそれぞれ圧電/電歪素子10bを配設しているもので、両可動部11,12は、その一端部側にて連結部13により互いに連結されて、その可動部本体11a,12aが他端部側に延びていて、各可動部本体11a,12aの他端部が被制御部品や被検査部品等部品Hが取付けられる取付部11b,12bに形成されている。
【0003】
各取付部11b,12bは、各可動部本体11a,12aの他端から所定の幅で内側の突出して、互いに所定間隔を保持して対向している。部品Hは、その両側面にて、接着剤h1,h2を介して、各取付部11b,12bの内側面11b1,12b1(接合面)に固着されて、両可動部11,12の両取付部11b,12bにて挟持される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
当該形式の圧電/電歪デバイスにおいて、取付けられる部品Hがデバイスの長手方向に長い場合には、図2に示すように、各取付部11b,12bの長さL4を長くする必要がある。この場合、デバイスの全長L1は、各取付部11b,12bの長さL4が伸びた分だけ長くなる。このように、取付ける部品Hの長さhと各取付部11b,12bの長さL4とが同じである場合には、デバイスの全長L1は部品Hの長さhに制約されることになる。
【0005】
一方、図2に示す長い部品Hを各取付部11b,12bに取付ける場合、各取付部11b,12bの長さL4を変えることなく、例えば図1に示すままにする場合には、部品Hの長さhに拘わらず、デバイスの全長L1は変わらない。しかしながら、この場合には、各取付部11b,12bの長さL4が部品Hの長さhより短くなって、部品Hに対する接合面の面積(接着面積)が小さくなり、接着剤h1,h2として通常の樹脂製の接着剤を使用する場合には、部品Hに対する接着強度が低減することになる。部品Hに対する接着強度が低減することは、最悪の場合には、部品Hが各取付部11b,12bから外れることになる。
【0006】
長手方向の寸法hの長い部品Hは、それ以外の寸法や密度が変わらない場合、長さhが長くなった分だけ部品Hの質量も増大することになって、接着面積が小さいとき、例えば、各取付部11b,12bが図1に示す状態にある場合には、各接着剤h1,h2にかかる衝撃が大きくなって、各取付部11b,12bから外れ易くなる。
【0007】
当該形式の圧電/電歪デバイスにおいて、部品Hが取付部11b,12bの一方から外れると、取付部11b,12bの他方で、部品Hを支持して部品Hに加わる衝撃を受承しなければならない。この状態では、部品Hは他方の取付部から外れ易く、また、取付け状態の支持バランスが崩れて、捻れ力の作用で支持している1本の取付部やそれと連結している可動部が折れるおそれもある。
【0008】
これに対処するためには、接着力の極めて高い接着剤を使用しなければならないが、接着面積がどれだけ小さくても十分な接着強度が確保できるような、特殊な接着剤は一般的ではないとともに、このような特殊な特性の接着剤を使用する場合においても自ずと限界がある。
【0009】
当該形式の圧電/電歪デバイスにおいて、両取付部11b,12bの変位を大きくしてデバイス特性を向上させる場合には、両可動部11、12の可動部本体11a,12aを長くして、可動部本体11a,12aの変位量を大きくする必要があるが、デバイスの全長L1を長くすることなく両可動部11,12の可動部本体11a,12aを長くするには、両取付部11b,12bを短くしなければならない。この結果、各取付部11b,12bにおける接合面11b1,12b1の接着面積が一層小さくなって、各取付部11b,12bの接合面11b1,12b1に対する部品Hの接着力が一層弱くなって、部品Hは接合面11b1,12b1から一層外れ易くて脱落し易くなる。
【0010】
当該形式の圧電/電歪デバイスにおいては、部品Hを両可動部11,12の取付部11b,12bに取付けるには、一般に、樹脂製の接着剤h1,h2を介して各接合面11b1,12b1に接着するが、樹脂製の接着剤h1,h2は室温以上の温度変化に対して硬度やヤング率に低下をきたす。圧電/電歪デバイスの使用状態の温度変化は、例えば室温〜100℃の範囲の程度ではあるが、この温度範囲であっても、高温の場合には接着剤h1,h2が柔らかくなる。このため、外力が加わった場合の接着剤h1,h2の歪みは、室温の状態とこれより高温の状態とでは大きく異なることになり、当該形式の圧電/電歪デバイスのデバイス特性は、室温の状態では設定された通りであっても、高温の状態では大きく異なることになる。
【0011】
図3および図4は、室温等の低温時と、室温より高温時におけるデバイスのそれぞれの作動状態を示している。このような温度変化の影響は、接着面積が小さくなるほど接着剤にかかる歪みがより大きくなるため温度変動の影響もより大きくなる。従って、接着面積は大きい方が温度変動の影響を小さくすることができる。
【0012】
当該形式の圧電/電歪デバイスにおいて、部品Hの大きさが大きくなり質量が増えた場合には、デバイス自体を固定するための固定部13は、部品Hとデバイス自身を合わせた質量を支えなければならず、衝撃を受けた場合には、固定部13が外れ易くなる。接着面積を増やすために、固定部13の長さL2を長くすると、デバイスの全長L1も長くなる。
【0013】
従って、本発明の目的は、当該形式の圧電/電歪デバイスにおいて、デバイスの全長を変えることなく、かつ、取付部の接合面における接着面積を低減すことなく、各可動部の変位を大きくすること、および、各取付部と部品の接着およびデバイス自身の固定を十分に確保することにあり、さらには、特に大きく重い部品や接着強度を要する場合の部品とデバイスを強固に取付けることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、圧電/電歪デバイスおよびその製造方法に関するもので、相対向する一対の可動部およびこれら両可動部を一端部側にて互いに連結する固定部を有する基体における前記両可動部の少なくとも一方の外側面に圧電/電歪素子を配設してなる圧電/電歪デバイスを適用対象とするものである。
【0015】
しかして、本発明に係る圧電/電歪デバイスにおいては、前記基体は前記両可動部の他端部側に被制御部品または被検査部品を取付ける一対の長尺の取付部を備えており、同取付部は前記可動部の他端から反転した状態で同可動部の内側面に沿って所定幅のスリット状の隙間を保持して所定長さ延びていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明に係る圧電/電歪デバイスにおいては、前記基体を構成する固定部はその相対向する側部に、前記各可動部の内側面に沿って延びる所定幅のスリット状の一対の隙間を備える構成とすることができる。
【0017】
本発明に係る圧電/電歪デバイスにおいては、前記基体は、複数のセラミックグリーンシートを多数積層し焼成してなるセラミック積層体にて構成されているものであり、または、 複数の金属板を多数積層し接合してなる金属積層体にて構成することができ、また、1枚の金属製の平板を屈曲して構成することもできるものである。
【0018】
また、本発明に係る圧電/電歪デバイスにおいては、前記基体を構成する可動部と取付部間のスリット状の隙間、および/または、固定部の両可動部に沿ったスリット状の隙間は、当該圧電/電歪デバイスの動作時における前記可動部の変位を規制しない寸法に設定することができ、また、前記各取付部は前記各可動部と同一または近似する厚みに形成することができる。これらの基体を構成する各取付部の内側面には、被制御部品または被検査部品が接着剤を介して固着されていて、当該圧電/電歪デバイスは、前記被制御部品または被検査部品を前記両取付部にて挟持した状態で使用することができる。
【0019】
本発明に係る圧電/電歪デバイスにおけるより具体的な構成は、相対向する一対の板状の可動部、これら両可動部を一端部側にて互いに連結する固定部、および、前記各可動部の他端部側に連結する取付部を有する基体と、同基体を構成する前記両可動部の少なくとも一方の外側面に配設された圧電/電歪素子を備えている圧電/電歪デバイスであって、前記各可動部と前記各取付部間にはスリット状の隙間が介在し、同スリット状の隙間の長さL12が前記各可動部と前記各取付部を連結している各連結部の長さL5よりも大きく設定されていることを特徴とするものである。当該圧電/電歪デバイスにおいては、前記スリット状の隙間の長さL12を前記各連結部の長さL5の少なくとも2倍、好ましくは5倍以上とする。
【0020】
なお、当該圧電/電歪デバイスにおける連結部の長さL5、および、スリット状の隙間の長さL12は、図21に示す圧電/電歪デバイスにおいて規定する部位の寸法を意味する。
【0021】
本発明に係る圧電/電歪デバイスの製造方法は、相対向する一対の可動部と、これら両可動部を一端部側にて互いに連結する固定部と、前記各可動部の他端側から反転した状態で同可動部の内側面に沿って所定幅のスリット状の隙間を保持して所定長さ延びる取付部を有する基体における前記両可動部の少なくとも一方の外側面に圧電/電歪素子を配設してなる圧電/電歪デバイスを製造する方法である。
【0022】
しかして、本発明に係る圧電/電歪デバイスの第1の製造方法は、前記基体の形成材料としてセラミックグリーンシートを多数積層し焼成してなる基体ブロックを採用し、同基体ブロックの所定の部位を前記セラミックグリーンシートの積層方向に沿って切断して、前記各可動部、前記固定部、および前記各取付部を有する基体を形成することを特徴とするものである。
【0023】
本発明に係る圧電/電歪デバイスの第2の製造方法は、前記基体の形成材料として可撓性で屈曲加工の可能な金属製の平板を採用して、同平板を前記基体が平面状に展開された形状に打抜き加工して打抜構造体を形成し、同打抜構造体の所定の部位を屈曲して前記各可動部、前記固定部、および前記各取付部を有する基体を形成することを特徴とするものである。
【0024】
また、本発明に係る圧電/電歪デバイスの第3の製造方法は、複数の金属製の板を多数積層し接着してなる基体ブロックを採用し、同基体ブロックの所定の部位を前記金属板の積層方向に沿って切断して、前記各可動部、前記固定部、および、前記各取付部を有する基体を形成することを特徴とするものである。
【0025】
【発明の作用・効果】
本発明に係る圧電/電歪デバイスは、基体を構成する各可動部にそれぞれ長尺の取付部を備えているもので、各取付部の接合面が大きくて、各取付部と部品との接着面積を大きく設定することができる。このため、当該圧電/電歪デバイスによれば、各取付部の接合面に対する部品の接着力が強くて、部品は各取付部から容易に外れることがなく、衝撃に対して強い接合構造を構成することができるとともに、部品の一方の取付部からの離脱に起因する他方の取付部の損傷を防止することもできる。
【0026】
また、当該接合構造では、各取付部が各可動部の他端から反転した状態で、可動部の内側面に沿って所定幅のスリット状の隙間を保持して所定長さ延びている。このため、デバイスの全長を長くすることなく、かつ、両可動部の変位特性を低下させることなく、各取付部と部品の接着力の強い接合構造を構成することができる。
【0027】
また、当該接合構造は、取付部に接着する部品が大きくて質量が増大して、接着剤にかかる外力が大きくなった場合でも、デバイスの全長を長くしなくても接着面積を広く取れるので、接着面積当たりの歪みを小さくできる。このため、当該接合構造によれば、接着剤の温度変化に起因するデバイス特性に及ぼす影響を接着面積が狭い場合に比較して大幅に抑制して、設定されたデバイス特性を安定した状態で発揮する動作範囲を、低温から高温までの幅広い温度範囲に拡大することができる。
【0028】
本発明に係る圧電/電歪デバイスにおいて、基体を構成する固定部の両側にスリット状の溝部を設けた場合、溝部の長さを深くすることで、デバイスの全長を長くすることなく、固定部の面積を増大させることができる。これにより、当該圧電/電歪デバイスを固定する接着面積を広くすることができて接着力が強くなり、当該圧電/電歪デバイスを強固に固定できる。 当該圧電/電歪デバイスに取付ける部品については、大型で質量が増大して、固定部がデバイスと部品を合わせた質量を保持しなければならない場合でも、接着力を十分高くできるのでデバイスの固定を安定化させることができる。
【0029】
本発明に係る圧電/電歪デバイスを構成する基体としては、セラミックグリーンシートを多数積層し焼成してなるセラミック積層体にて構成されている基体(第1の基体)や、1枚の金属製の平板を屈曲して構成されている基体(第2の基体)、複数の金属板を多数積層し接着してなる金属積層体にて構成されている基体(第3の基体)を採用することができる。この場合、これらの基体を構成する各可動部と各取付部間のスリット状の隙間は、当該圧電/電歪デバイスの動作時における各可動部の変位を規制しないスリット幅に設定することが好ましく、また、各取付部は各可動部と同一または近似する厚みに形成することが好ましい。
これにより、長尺の取付部に起因する可動部の変位特性に及ぼす影響を極力防止することができる。
【0030】
当該基体は、第1の基体にあっては、その形成材料として、セラミックグリーンシートを多数積層し焼成してなる基体ブロックを採用し、同基体ブロックの所定の部位をセラミック層の積層方向に沿って切断して基体を形成する手段により容易に製造することができる。また、第2の基体にあっては、その形成材料として、可撓性で屈曲加工の可能な金属製の平板を採用して、同平板を基体が平面状に展開された形状に打抜き加工して打抜構造体を形成し、同打抜構造体の所定の部位を屈曲して形成することにより容易に製造することができる。第3の基体にあっては、その形成材料として、可撓性で屈曲加工の可能な金属製の平板を採用して、同平板を多数積層し接着してなる基体ブロックを採用し、同基体ブロックの所定の部位を積層方向に沿って切断して基体を形成する手段により容易に製造することができる。
【0031】
本発明に係る圧電/電歪デバイスによれば、各種トランスヂューサー、各種アクチュエータ、周波数領域機能部品(フィルタ)、トランス、通信用や動力用の振動子、発振子、ディスクリミネータなどの能動素子のほか、超音波センサ、加速度センサ、角速度センサや衝撃センサ、質量センサ等の各種センサ用のセンサ素子として利用することができ、特に光学機器、精密機器等の各種精密部品の変位や位置決め調整、角度調整機構に用いられる各種アクチュエータに好適に利用することができる。なお、本発明に係る圧電/電歪デバイスは、電気的エネルギーと機械的エネルギーを相互に変換する素子を包含する概念である。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて説明するに、図5および図6には、本発明に係る第1の圧電/電歪デバイスが示されている。当該圧電/電歪デバイス10は、基体10aと一対の圧電/電歪素子10bからなり、また、基体10aはセラミックグリーンシートの積層体を焼成したものにて構成されている。
【0033】
当該圧電/電歪デバイス10において、基体10aは、一端側が閉塞しかつ他端側が開放状態にあるコ字状を呈するもので、左右一対の可動部11,12と、両可動部11,12をその一端部側にて互いに連結する固定部13と、各可動部11,12の他端部側に連結部14を介して連結する取付部15,16にて構成されている。これらの各部位11〜16はセラミック構造体からなる一体構造のものである。
【0034】
当該基体10aにおいては、各可動部11,12はその外側面に各圧電/電歪素子10bを貼着されていて動作部を構成し、固定部13はその上面側または下面側にて、例えば、ハードディスクの磁気ヘッドを保持するサスペンションのジンバルに接着されて固定され、かつ、各取付部15,16の内側面には、例えば、被制御部品であるハードディスク用の磁気ヘッドHが接着されて固定される。
【0035】
当該基体を構成する各取付部15,16は、各可動部11,12の他端部側から反転した状態で、各可動部11,12の内側面に沿って一端部側へ所定長さ延びていて、各可動部11,12の内側面との間に、所定のスリット状の隙間15a,16aを保持している。各取付部15,16は、各可動部11,12の略中央部にまで延びていて、その内側面が磁気ヘッドHの接合面15b,16bに形成されている。各接合面15b,16bの全面には、接着剤15c,16cを介して磁気ヘッドHの各側面が接合される。接着剤15c,16cとしては、エポキシ樹脂等からなる接着剤が採用されていて、大きな接着面積が確保されている。
【0036】
各取付部15,16と各可動部11,12のスリット状の隙間15a,16aは、当該圧電/電歪デバイス10の動作時に、各可動部11,12の変位が規制されない寸法に設定されている。換言すれば、各可動部11,12が変位動作した際、各可動部11,12が各取付部15,16に当接しない間隔に設定されている。これにより、各可動部11,12の内面側に位置する取付部15,16に起因する各可動部11,12の変位特性、および、これに起因するデバイス特性に及ぼす影響を防止している。
【0037】
当該圧電/電歪デバイス10においては、各圧電/電歪素子10bに電圧が印加されていない非作動時には図5に示す状態にあり、圧電/電歪デバイス10の長軸m(固定部13の中心軸)と取付部15,16の中心軸nとはほぼ一致している。この状態で、例えば、図7(a)の波形図に示すように、一方の圧電/電歪素子10bにおける一対の電極17a,17bに所定のバイアス電位Vbを有するサイン波Wbをかけ、同図(b)に示すように、他方の圧電/電歪素子10bにおける一対の電極17a,17bに、前記サイン波Wbとはほぼ180度位相の異なるサイン波Waをかける。この結果、一方の圧電/電歪素子10bにおける一対の電極17a,17bに対して、例えば、最大値の電圧が印加された段階では、一方の圧電/電歪素子10bにおける圧電/電歪層17cは、その主面方向に収縮変位する。
【0038】
これにより、当該圧電/電歪デバイス10においては、例えば図6に示すように、一方の可動部11に対して図示右方向(矢印A方向)に撓ませる応力が発生し、この応力によって可動部11は同方向に撓む。この場合、他方の圧電/電歪素子10bにおける一対の電極17a,17bは、電圧が印加されない状態になるため、他方の可動部12は、一方の可動部11の撓みに追従して可動部11と同じ方向へ撓む。この結果、両可動部11a,11bは、圧電/電歪デバイス10の長軸mに対して、図示右方向へ変位する。この変位の変位量は、各圧電/電歪素子10bに対する印加電圧の最大値に応じて変化する。電圧の最大値が大きくなるほど、変位量は大きくなる。
【0039】
このように、当該圧電/電歪デバイス10においては、圧電/電歪素子10bの微小な変位が、両可動部11,12の撓みを利用して大きな変位動作に増幅されて両可動部11,12に伝達されることになるため、取付部15,16を圧電/電歪デバイス10の長軸mに対して大きく変位させることが可能となり、例えば磁気ヘッドHの位置制御を的確に行うことができる。
【0040】
ところで、当該圧電/電歪デバイス10においては、従来のこの種形式の圧電/電歪デバイスに比較して、下記のごとき種々の顕著な作用効果を奏するものである。すなわち、当該圧電/電歪デバイス10においては、デバイスの全長を長くすることなく部品H(例えば磁気ヘッド)の接着面積を大きく設定して接着力を大幅に増大して、部品Hの各取付部15,16からの脱落や、各取付部15,16の損傷を防止することができる。また、部品Hを各取付部15,16の接合面15b,16bに介在させる接着剤15c,16cの厚みを薄くして、接着剤15c,16cの温度変化に起因するデバイス特性に及ぼす影響を大幅に低減することができる。また、各可動部11,12のアーム長さ(可動部本体11a,12a)を長く設定することが可能であって、両可動部11,12の最大変位量を増大してデバイス特性の向上を図ることができる。
【0041】
この種形式の従来の圧電/電歪デバイスを示す図1と、本発明の一例に係る圧電/電歪デバイス10を示す図8には、圧電/電歪デバイスおよび基体の各部位の寸法関係を同一符号で示している。これら各図において、符号L1はデバイスの長さ(基体の全長でもある)、符号L2は基体における固定部の長さ、符号L3は基体における可動部のアームの長さ、符号L4は基体における取付部の接合面の長さである。また、符号L5は、本発明に係る圧電/電歪デバイスの特有の部位である連結部の長さ、符号L6は、本発明に係る圧電/電歪デバイスの特有の部位である、可動部と取付部間のスリット状の隙間の間隔である。
【0042】
これらの図1,図8を参照すると明らかなように、本発明に係る圧電/電歪デバイス10は従来の圧電/電歪デバイスに比較して、下記のごとき優れた作用効果を確認することができる。すなわち、当該圧電/電歪デバイス10の作用効果の第1は、部品Hに対する接合部の長さL4が極めて長くて、基体の全長L1を長くせずして、部品Hに対する接着面積を大きく設定することができることであり、これにより、部品Hに対する接着力が著しく強くなって、部品Hの各取付部15,16からの脱落や、各取付部15,16の損傷を防止することができるものである。
【0043】
当該圧電/電歪デバイス10の作用効果の第2は、接合部の長さL4に起因して、部品Hに対する接着面積を大きく設定して部品Hの接着力を増大させることから、部品Hと各取付部15,16の接合面15b,16bに介在させる接着剤15c,16cの厚みを薄くすることができることであり、これにより、接着剤15c,16cの温度変化によるデバイス特性に及ぼす影響を大幅に低減することができるものである。
【0044】
当該圧電/電歪デバイス1の作用効果の第3は、各可動部11,12のアーム長さL3と取付部15,16の接合面15b,16bの長さL4を互いに独立して設定することができることであり、これにより、基体の材質上の特性を考慮して、各可動部11,12のアーム長さL3、取付部15,16の接合面15b,16bの長さL4を任意に長く設定してデバイス特性を向上させ、かつ、部品Hに対する接着力を一層強力にすることができるものである。
【0045】
当該圧電/電歪デバイス10においては、使用する部品Hが図9に示すように短い場合には、接着剤15c,16cを部品Hの一端面側に回り込ませて接着強度を十分に確保するようにすることができ、また、図10に示すように、部品Hが光ファイバーの断面のような円柱形である場合には、部品Hの外周と両取付部15,16間に接着剤15c,16cを充填して接着強度を十分に確保するようにすることができる。
【0046】
次ぎに、当該圧電/電歪デバイス10を製造する具体的な方法を、図11〜図14に基づいて説明する。当該製造方法は、本発明に係る製造方法の第1の製造方法であり、当該製造方法では、各構成部材を以下のごとく定義する。図11に示す各セラミックグリーンシート18を積層して得られる図12に示す積層体を、セラミックグリーン積層体10A1と称し、当該セラミックグリーン積層体10A1を焼成して一体化した図13に示す積層体をセラミック積層体10A2と称し、当該セラミック積層体10A2から不要な部分を切除して取付部15,16、可動部11,12、および、固定部13が一体の図14に示す基体をセラミック基体10aと称する。
【0047】
なお、当該製造方法においては、実際には、圧電/電歪デバイス10を同一基板内に縦方向および横方向にそれぞれ複数個配置した形態で、最終的にセラミック積層体10A2をチップ単位に切断して、圧電/電歪デバイス10を同一工程で多数個取りするものであるが、説明を簡単にするために、圧電/電歪デバイス10の1個取りする方法について説明する。
【0048】
本発明に係る第1の製造方法を採用するには、先ず、ジルコニア等のセラミック粉末にバインダ、溶剤、分散剤、可塑剤等を添加混合してスラリーを作製し、当該スラリーを脱泡処理後、リバースロールコーター法、ドクターブレード法等の方法により、所定の厚みを有するセラミックグリーンシートを作製する。
【0049】
次に、セラミックグリーンシートを金型を用いた打抜加工やレーザ加工等の方法により、種々の形状や厚さに加工して、図11に示す複数枚の基体形成用のセラミックグリーンシート18を得る。これらセラミックグリーンシート18a〜18jは、少なくとも可動部11,12間に空間を形成するための窓部k1が形成された複数枚(例えば4枚)のセラミックグリーンシート18c,18d,18g,18h、可動部11,12間に空間を形成するための窓部k1と互いに対向する接合面15b,16bを有する取付部15,16を形成するための窓部k2が形成された複数枚(例えば7枚)のセラミックグリーンシート18e…18f、スリット状の隙間15a,16aとなる窓部k3が形成された複数枚(例えば2枚)のセラミックグリーンシート18b,18i、後に可動部11,12 間となる複数枚(例えば2枚)のセラミックグリーンシート18a,18jを用意する。
【0050】
その後、図12に示すように、セラミックグリーンシート18a,18jにより、セラミックグリーンシート18c〜18h、セラミックグリーンシート18b,18i、セラミックグリーンシート18e…18fを挟み込むようにして、これらセラミックグリーンシート18を積層し圧着して、セラミックグリーン積層体10A1とする。この積層にあたっては、セラミックグリーンシート18e…18fを中央に位置させて積層する。この場合、窓部k2の存在により、圧着時に圧力がかからない部位が発生するため、積層・圧着の順番等を変更し、そのような部位が生じないようにする必要がある。その後、セラミックグリーン積層体10A1を焼成して、図13に示すセラミック積層体10A2を得る。
【0051】
なお、セラミックグリーン積層体10A1を形成するための積層回数や順序は、設定された構造に応じて適宜変更されるものであり、設定された構造に対応して、例えば窓部k1〜k3の形状、セラミックグリーンシート18の枚数等を適宜変更することにより、設定された構造のセラミックグリーン積層体10A1を得ることができる。また、窓部k1〜k3の形状は、所望の機能に応じて決定することができ、セラミックグリーンシート18の枚数、各セラミックグリーンシート18の厚みも特に限定されるものではない。
【0052】
積層した各セラミックグリーンシート18に対する圧着は、熱を加えることにより、より一層積層性を向上させることができる。また、セラミックグリーンシート18の積層に当たっては、セラミック粉末、バインダを主体としたペースト、スラリー等をセラミックグリーンシート18上に塗布、印刷して、接合補助層とすることで、セラミックグリーンシート18の界面の積層性を向上させることができる。この場合、セラミック粉末として、セラミックグリーンシート18に使用されているセラミックと同一または類似する組成のセラミック粉末を採用することが好ましく、これにより、セラミックグリーンシート18の積層の信頼を確保することができる。
【0053】
なお、セラミックグリーンシート18a,18jが薄い厚みの場合には、プラスチックフィルム、特に、表面にシリコーン系の離型剤をコーティングしたポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて取り扱うことが好ましい。
【0054】
得られたセラミック積層体10A2には、図13に示すように、その両表面、すなわち、積層されているセラミックグリーンシート18a,18jが形成する表面に、それぞれ圧電/電歪素子10bを形成するための圧電/電歪素子体(後述する圧電/電歪素子体30)を形成する。圧電/電歪素子体30の形成法としては、スクリーン印刷法、ディッピング法、塗布法、電気泳動法等の厚膜形成法や、イオンビーム法、スパッタリング法、真空蒸着、イオンプレーティング法、化学気相成長法(CVD)、めっき等の薄膜形成法を用いることができる。このような膜形成法を用いて圧電/電歪素子体30を形成することにより、接着剤を用いることなく、圧電/電歪素子10bを可動部11,12に一体的に接合して配設することができ、信頼性、再現性を確保できると共に、集積化を容易にすることができる。
【0055】
圧電/電歪素子体30の形成には、特に、厚膜形成法を採用することが好ましい。圧電/電歪層31〜34の形成に厚膜形成法を用いれば、平均粒径0.01〜5μm、好ましくは0.05〜3μmの圧電セラミックスの粒子、粉末を主成分とするペースト、スラリー、サスペンション、エマルジョンや、ゾル等を用いて膜化することができ、それを焼成することによって良好な圧電/電歪特性を得ることができるからである。
【0056】
なお、圧電/電歪素子体30を形成する電気泳動法は、膜を高い密度で、かつ、高い形状精度で形成できるという利点がある。また、スクリーン印刷法は、膜形成とパターン形成とを同時にできるため、製造工程の簡略化に有利である。
【0057】
圧電/電歪素子体30の形成について、より具体的に説明するならば、先ず、セラミックグリーン積層体10A1を1200℃〜1600℃の温度で焼成して一体化してセラミック積層体10A2を得た後、当該セラミック積層体10A2の両表面の所定位置に可動部11,12の電極36を印刷、焼成し、次いで、圧電/電歪層34を印刷、焼成し、さらに、他方の電極35印刷、焼成し、これらを所定回数繰り返すとともに、この間に複数の圧電/電歪層33〜31を圧電/電歪層34と同様に形成する。その後、各電極35,36を駆動回路に電気的に接続するための端子37,38を印刷、焼成する。なお、当該圧電/電歪素子体30の形成では、最下層の電極36を印刷、焼成し、圧電/電歪層34と電極35を印刷、焼成し、この単位で任意の回数、印刷、焼成を繰り返して、圧電/電歪素子体30を形成してもよい。
【0058】
当該圧電/電歪素子体30の形成において、一方の電極36として白金(Pt)、圧電/電歪層31〜34としてジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、他方の電極35として金(Au)、端子37,38として銀(Ag)というように、各部材の焼成温度が積層順に従って低くなるように材料を選定すると、ある焼成段階において、それより以前に焼成された材料の再焼結が起こらず、電極材等の剥離や凝集といった不具合の発生を回避することができる。なお、適当な材料を選択することにより、圧電/電歪素子体30の各部材と端子37,38を逐次印刷して、1回で一体焼成することも可能であり、最外層の圧電/電歪層31を形成した後に低温で最外層の電極35等を設けることもできる。圧電/電歪素子体30の各部材と端子37,38とは、必ずしも熱処理を必要としない。
【0059】
圧電/電歪素子体30の形成においては、セラミックグリーン積層体10A1の両表面、即ち、セラミックグリーンシート18a,18jの各表面に予め圧電/電歪素子体30を形成しておき、セラミックグリーン積層体10A1と圧電/電歪素子体30とを同時に焼成することも好適に行われる。同時焼成にあたっては、セラミックグリーン積層体10A1と圧電/電歪素子体30の全ての構成膜に対して焼成を行うようにしてもよく、一方の電極36とセラミックグリーン積層体10A1とを同時焼成したり、他方の電極35を除く他の構成膜とセラミックグリーン積層体10A1とを同時焼成する方法等が挙げられる。
【0060】
圧電/電歪素子体30とセラミックグリーン積層体10A1とを同時焼成する方法としては、スラリー原料を用いたテープ成形法等によって圧電/電歪層31〜34の前駆体を成形し、この焼成前の圧電/電歪層31〜34の前駆体をセラミックグリーン積層体10A1の表面上に熱圧着等で積層し、同時に焼成して取付部15,16、可動部11,12、圧電/電歪層31〜34、固定部13とを同時に作製する方法が挙げられる。但し、この方法では、上述した膜形成法を用いて、セラミックグリーン積層体10A1の表面および/または圧電/電歪層31〜34に予め電極36を形成しておく必要がある。
【0061】
その他の方法としては、セラミックグリーン積層体10A1の少なくとも最終的に可動部となる部分に、スクリーン印刷により圧電/電歪素子体30の各構成層である電極35,36、圧電/電歪層31〜34を形成し、同時に焼成することが挙げられる。
【0062】
圧電/電歪素子体30の構成膜の焼成温度は、これを構成する材料によって適宜決定されるが、一般には、500℃から1500℃であり、圧電/電歪層31〜34に対しては、好ましくは1000℃〜1400℃である。この場合、圧電/電歪層31〜34の組成を制御するためには、圧電/電歪層31〜34の材料の蒸発源の存在下に焼結することが好ましい。なお、圧電/電歪層31〜34とセラミックグリーン積層体10A1を同時焼成する場合には、両者の焼成条件を合わせることが必要である。圧電/電歪素子体30は、必ずしもセラミック積層体10A2またはセラミックグリーン積層体10A1の両面に形成されるものではなく、片面のみでももちろんよい。
【0063】
圧電/電歪素子体30を、セラミック積層体10A2上に直接形成しないで、別体として前述の方法で形成し、これを任意に切断して圧電/電歪素子10bを形成し、このように形成された圧電/電歪素子10bを、予め形成した基体10aに有機樹脂、ガラス等の接着剤で貼り付けて作成することもできる。
【0064】
圧電/電歪素子体30が形成されたセラミック積層体10A2は、所定の部位を切断されて、本発明に係る圧電/電歪デバイス10に形成される。圧電/電歪素子体30と一体のセラミック積層体10A2を、図13に示す切断線C1,C2,C3に沿って切断することにより、セラミック積層体10A2の側部と先端部が切除される。この切除によって、図14に示すように、セラミック基体10aと圧電/電歪素子10bが一体化された、互いに対向する接合面15b,16bを有する取付部15,16を有する圧電/電歪デバイス10が形成される。
【0065】
セラミック積層体10A2と圧電/電歪素子体30の切断のタイミングは、切断線C1,C2に沿って切断した後に切断線C3に沿って切断してもよく、切断線C3に沿って切断した後に切断線C1,C2に沿って切断してもよい。もちろん、これらの切断を同時に行うようにしてもよい。また、切断線C3と対向する固定部13の端面も、例えば圧電/電歪デバイスの全長を精密に制御する等の際に切断線C4として適宜切断するようにしてもよい。
【0066】
当該製造方法においては、セラミック積層体10A2から不要な部分を切除すると同時に、セラミック基体10aと圧電/電歪素子10bが一体の、互いに対向する接合面15b,16bを有する取付部15,16を有する圧電/電歪デバイス10を得ることができるため、製造工程の簡略化を図ることができると共に、圧電/電歪デバイス10の歩留まりを向上させることができる。
【0067】
当該製造方法は、同一の基板(セラミック積層体10A2と圧電/電歪素子体30の一体の構造体)を、圧電/電歪デバイス10が縦方向および横方向にそれぞれ複数個配置した状態に構成して、同一工程で圧電/電歪デバイス10を多数個取りする場合に特に好ましい。切除の方法としては、ダイシング加工、ワイヤーソウ加工等の機械加工のほか、YAGレーザ、エキシマレーザ等のレーザ加工や電子ビーム加工を適用することが可能である。セラミック積層体10A2の切り出しには、これらの加工方法を組み合わせて加工することになる。例えば、図13に示す切断線C1,C2は、ワイヤーソウ加工とし、切断線C1,C2に直交する切断線C3,C4(固定部13、取付部15,16の端面の形成)をダイシング加工とすることが好ましい。また、後述する圧電/電歪デバイス20の作成方法と同様に、個々に切断されて形成されたセラミック基体10aと圧電/電歪素子10bを別々に準備して、これらを接着して圧電/電歪デバイス10を作成することもできる。
【0068】
基体10aを構成する取付部15,16および固定部13の材料としては、剛性を有する限りにおいて特に限定されないが、セラミックグリーンシート積層法を適用できるセラミックを用いることが好ましい。具体的には、安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニアをはじめとするジルコニア、アルミナ、マグネシア、窒化珪素、窒化アルミニウム、酸化チタンを主成分とする材料等が挙げられるほか、これらの混合物を主成分とした材料が挙げられるが、機械的強度や靭性が高い点において、ジルコニア、特に安定化ジルコニアを主成分とする材料と部分安定化ジルコニアを主成分とする材料が好ましい。
【0069】
基体10aを構成する可動部11,12は、上述したように、圧電/電歪素子10bの変位により駆動する部分である。可動部11,12は、可撓性を有する薄板状の部材であって、表面に配設された圧電/電歪素子10bの伸縮変位を屈曲変位として増幅して、取付部15,16に伝達する機能を有する。従って、可動部11,12の形状や材質は、可撓性を有し、屈曲変形によって破損しない程度の機械的強度を有するものであれば足り、取付部15,16の応答性、操作性を考慮して適宜選択することができる。
【0070】
可動部11,12の厚みL10は、2μm〜100μm程度とすることが好ましく、可動部11,12と圧電/電歪素子10bとを組み合わせた厚みは、7μm〜500μmとすることが好ましい。電極35,36の厚みは、0.1μm〜50μm、圧電/電歪層31〜34の厚みは、3μm〜300μmとすることが好ましい。
【0071】
可動部11,12を構成する材料としては、取付部15,16や固定部13と同様のセラミックスを好適に用いることができ、ジルコニア、特に、安定化ジルコニアを主成分とする材料や部分安定化ジルコニアを主成分とする材料は、薄肉であっても機械的強度が大きいこと、靭性が高いこと、圧電/電歪層や電極材との反応性が小さいことから最も好適に用いられる。
【0072】
安定化ジルコニアおよび部分安定化ジルコニアにおいては、次のように安定化または部分安定化されたものが好ましい。すなわち、ジルコニアを安定化または部分安定化させる化合物としては、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化セリウム、酸化カルシウム、および、酸化マグネシウムがあり、少なくともそのうちの1つの化合物を添加、含有させることにより、または、1種類の化合物の添加のみならず、それら化合物を組み合わせて添加することによっても、目的とするジルコニアの安定化は可能である。
【0073】
なお、それぞれの化合物の添加量としては、酸化イットリウムや酸化イッテルビウムの場合にあっては、1〜30モル%、好ましくは1.5〜10モル%、酸化セリウムの場合にあっては、6〜50モル%、好ましくは8〜20モル%、酸化カルシウムや酸化マグネシウムの場合にあっては、5〜40モル%、好ましくは5〜20モル%とする。その中でも、特に酸化イットリウムを安定化材として用いることが好ましく、この場合には、1.5〜10モル%、さらに好ましくは2〜4モル%とする。また、焼結助剤等の添加物として、アルミナ、シリカ、遷移金属酸化物等を0.05〜20wt%の範囲で添加することが可能であるが、圧電/電歪素子10bの形成手法として、膜形成法による焼成一体化を採用する場合は、アルミナ、マグネシア、遷移金属酸化物等を添加物として添加することも好ましい。また、機械的強度と安定した結晶相が得られるように、ジルコニアの平均結晶粒子径を0.05〜1μmとすることが望ましい。また、上述のように、可動部11,12については、取付部15,16および固定部13と同様のセラミックスを用いることができるが、好ましくは、実質的に同一の材料を用いて構成することが、接合部分の信頼性、圧電/電歪デバイス10の強度、構造の煩雑さの低減を図る上で有利である。
【0074】
図15は、第1の圧電/電歪デバイス10を変形した変形例を示すもので、変形例に係る圧電/電歪デバイス10Aにおいては、基体10aを構成する固定部13における各可動部11,12側の部位に、隙間15a,16aに対向するスリット状の隙間13a,13bが設けられていて、スリット状の各隙間15a,16aとスリット状の各隙間13a,13bの奥壁部に、樹脂製の弾性部材19a,19bが充填されているものである。
【0075】
当該圧電/電歪デバイス10Aは、スリット状の隙間15a,16aを介して各取付部15,16に対向する各可動部11,12の外方からの衝撃に対処すべく意図しているものである。当該圧電/電歪デバイス10Aにおいては、各可動部11,12に外方からの衝撃を受けた場合、各可動部11,12と各固定部15,16の連結部14に集中する応力は、弾性部材19a,19bにより分散されかつ吸収されるものであり、連結部14での応力集中に起因する各可動部11,12の耐衝撃性を向上させている。
【0076】
図16および図17は、本発明に係る第2の圧電/電歪デバイス20を示している。当該圧電/電歪デバイス20は、基体20aと一対の圧電/電歪素子20bからなり、また、基体20aは、1枚の金属製の平板を屈曲して構成されているものである。当該圧電/電歪デバイス20において、基体20aは、左右一対の可動部21,22と、両可動部21,22をその一端部側にて互いに連結する固定部23と、各可動部21,22の他端部側に連結部24を介して連結する一対の取付部25,26にて構成されている。これらの各部位21〜26は、1枚の金属製の平板にて一体的に形成されており、また、圧電/電歪素子20bは、第1の圧電/電歪デバイス10を構成する圧電/電歪素子10bと同じものである。
【0077】
当該基体20aにおいては、各可動部21,22はその外側面に各圧電/電歪素子20bを貼着されていて動作部を構成し、固定部23はその下面側にて、例えば、ハードディスクの磁気ヘッドを保持するサスペンションのジンバルに接着されて固定され、かつ、各取付部25の内側面には、例えば、被制御部品であるハードディスク用の磁気ヘッドHが接着されて固定される。
【0078】
当該基体20aを構成する各可動部21,22は、平板状の固定部23の各側縁部から屈曲されて起立する細幅の平板状を呈するもので、固定部23を越えて他端側へ所定長さ延びている。各取付部25,26は、各可動部21,22とは連結部24を介して一体のもので、各可動部21,22の他端部側から反転した状態で、各可動部21,22の内側面に沿って一端部側へ所定長さ延びていて、各可動部21,22の内側面との間に、所定のスリット状の隙間25a,26aを保持している。
【0079】
各取付部25,26は、各可動部21,22の略中央部にまで延びていて、その内側面が磁気ヘッドHの接合面25b,26bに形成されていて、各接合面25b,26bの全面に、圧電/電歪デバイス10と同様に、磁気ヘッドHの各側面が接着剤を介して接合される。接着剤としては、エポキシ樹脂等からなる接着剤が採用されていて、大きな接合面積が確保されている。
【0080】
当該圧電/電歪デバイス20を構成する基体20aは、各可動部21,22の他端部側から反転した状態で各可動部21,22の内側面に沿って一端部側へ所定長さ延びる各取付部25,26を備えていて、各取付部25,26が各可動部21,22の内側面との間に所定のスリット状の隙間25a,26aを保持している点、および、各取付部25,26の内側面が部品Hの接合面25b,26bに形成されている点で、圧電/電歪デバイス10と実質的に同様であって、圧電/電歪デバイス10と同様に作動し、同様の作用効果を奏するものである。しかして、本発明に係る第2の圧電/電歪デバイス20を構成する基体20aは、下記に示す本発明に係る第2の製造方法にて形成される。
【0081】
本発明に係る第2の圧電/電歪デバイス20を構成する基体20aは、図18に示す基体原板20Aを用いて形成される。基体原板20Aは、金属製の平板を、基体20aが平板状に展開された形状に打抜き加工して形成されているもので、同図に示す各2点鎖線E1,E2,E3に沿って折曲げ加工される。基体原板20Aは、この折曲げ加工により、可動部21,22、固定部23、連結部24および取付部25,26からなる基体20aに形成される。当該基体20においては、各可動部21,22と各取付部25,26間に、スリット状の隙間25a,26aが確保される。このように折曲げ加工して作成された基体20aにおける各可動部21,22の外側面に、圧電/電歪素子20bが接着剤を介して貼着されて、圧電/電歪デバイス20が形成される。
【0082】
第1の圧電/電歪デバイス10および第2の圧電/電歪デバイス20を構成する圧電/電歪素子10a,20aには、従来公知の圧電/電歪素子を採用することができるが、各圧電/電歪デバイス10,20には、本出願人が開発した図20に示す圧電/電歪素子30Aが採用される。圧電/電歪素子30Aは、圧電/電歪層が4層構造のものであり、圧電/電歪層31,32,33、34と、これらの両圧電/電歪層間に介在し包囲する第1,第2電極35,36と、一対の端子37,38にて構成されている。当該圧電/電歪素子30Aは、図13に示す圧電/電歪素子体30を切断して切出されたものに相当する。
【0083】
圧電/電歪素子30Aを構成する圧電/電歪層31〜34には、圧電セラミックが用いられるが、電歪セラミック、強誘電セラミック、反強誘電セラミック等を用いることも可能である。但し、圧電/電歪デバイスをハードディスクドライブの磁気ヘッド位置決め等に使用する場合には、取付部の変位量と駆動電圧または出力電圧とのリニアリティが重要であることから、歪み履歴の小さい材料を用いることが好ましい。抗電界が10kV/mm以下の材料を用いることが好ましい。
【0084】
圧電/電歪層31〜34を形成するための材料としては、具体的には、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ナトリウムビスマス、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス等の単独、または、これらの適宜の混合物等を挙げることができる。特に、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛を主成分とする材料、または、チタン酸ナトリウムビスマスを主成分とする材料が好適である。
【0085】
圧電/電歪層31〜34を形成するための材料には、適宜の材料を添加して、圧電/電歪層の特性を調整することができる。添加材としては、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セシウム、カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズ等の酸化物、または、最終的に酸化物となる材料の単独、もしくは、これらの適宜の混合物等を挙げることができる。例えば、主成分であるジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛等に、ランタンやストロンチウムを含有させることにより、抗電界や圧電特性を調整し得る利点がある。なお、シリカ等のガラス化し易い材料の添加は避けるべきである。何故ならば、シリカ等のガラス化し易い材料は、圧電/電歪層の熱処理時に圧電/電歪層と反応し易く、その組成を変化させて圧電特性を劣化させるからである。
【0086】
圧電/電歪素子30Aを構成する電極35,36は、室温で固体であって、導電性に優れた金属材料で形成されることが好ましい。金属材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛等の金属の単体、または、これら金属の合金等を挙げることができる。また、これらの金属材料に圧電/電歪層と同じ材料または異なる材料のセラミックスを分散させてなるサーメット材料を用いることもできる。
【0087】
圧電/電歪素子30Aは、圧電/電歪層31〜34と各電極35,36を互いに積層した状態で、一体的に焼成することにより形成することが好ましい。この場合には、電極35,36としては、白金、パラジウム、またはこれらの合金等の高融点金属材料からなるもの、高融点金属材料と圧電/電歪層31〜34の形成材料や他のセラミック材料との混合物であるサーメット材料からなる電極を採用することが好ましい。電極35,36の厚みは、圧電/電歪素子30の変位に影響を及ぼす要因になることから、極力薄い薄膜状であることが好ましい。このため、圧電/電歪層31〜34と一体に焼成されて形成される電極が極力薄い薄膜状となるためには、電極35,36を形成する材料は金属ペースト、例えば金レジネートペースト、白金レジネートペースト、銀レジネートペースト等の形態で使用することが好ましい。
【0088】
圧電/電歪素子30Aの厚みは、各実施形態の圧電/電歪デバイス10,20の圧電/電歪素子10b,20bとして使用する場合には、40μm〜180μmの範囲が好ましい。厚みが40μm未満である場合には、取扱い中に破損し易く、また、厚みが180μmを越える場合には、デバイスの小型化が困難となる。また、圧電/電歪素子は、圧電/電歪素子30のごとく多層構造とすることによりその出力を増加させて、デバイスの変位の拡大を図ることができる。また、圧電/電歪素子を多層構造とすることにより、デバイスの剛性が向上することから、デバイスの共振周波数が高くなって、デバイスの変位動作を高速化できる利点がある。
【0089】
圧電/電歪素子30Aは、圧電/電歪層31〜34と電極35,36を印刷またはテープ成形により積層して焼成してなる大面積の原板、例えば、圧電/電歪素子体30を、ダイサー、スライサー、ワイヤーソウ等により所定寸法に多数個切出す手段で作成される。圧電/電歪素子30Aは、セラミック基体に比較して薄くて硬度が低いため、原板の切削速度を速く設定できて高速で大量に加工処理できる。
【0090】
圧電/電歪素子30Aは、単純な板状構造であって取扱いが容易であり、また、表面積が小さいため汚れの付着量が少なくて汚れを除去し易い。但し、圧電/電歪素子30Aは、セラミック材料を主体とすることから、超音波洗浄では、適切な洗浄条件を設定する必要がある。原板から切出された圧電/電歪素子においては、US洗浄で精密洗浄した後、大気中、100℃〜1000℃で熱処理することにより、セラミック材料の微細な気孔に入り込んでいる水分と有機物を完全に除去するようにすることが好ましい。
【0091】
圧電/電歪素子30Aを、各実施形態に係る圧電/電歪デバイス10,20を構成する圧電/電歪素子10b,20bとして採用する場合、各圧電/電歪素子30Aの基体に対する接着手段としては、エポキシ樹脂、UV樹脂、ホットメルト接着剤等の樹脂系接着剤や、ガラス、セメント、半田、ロウ材等の無機系の接着剤を使用することが好ましく、また、樹脂系接着剤に金属粉末やセラミック粉末を混合したものを使用することもできる。接着剤の硬度はショアDで80以上が好ましい。
【0092】
なお、基体における圧電/電歪素子30Aが接着される表面の部位には、予め、ブラスト、エッチング、めっき等の粗面加工を施しておくことが好ましい。接着部位の表面粗さをRa=0.1μm〜5μm程度にすることにより、接着面積を広げて接着強度を向上させることができる。この場合、圧電/電歪素子側の接着部位の表面も粗い方が好ましい。電極を基体とは導通させたくない場合には、最下層の圧電/電歪層の表面に電極を配置しないようにする。
【0093】
接着剤として、半田、ロウ材を用いる場合には、濡れ性をよくするために、圧電/電歪素子の表面に金属材料の電極層を配置することが好ましい。接着剤の厚みは、1μm〜50μmの範囲であることが好ましい。接着剤の厚みは、薄い方がデバイスの変位および共振特性のばらつきを減らす点、および省スペース化の点で好ましいが、接着強度、変位、共振等の特性を確保するためには、採用する接着剤毎に最適の厚みを設定するようにする。
【0094】
基体に圧電/電歪素子を接着する際には、圧電/電歪素子の電極が基体の固定部側となるようにして、圧電/電歪素子が固定部の屈曲位置に完全にかかるように接着する。圧電/電歪素子は、基体の固定部側の端部と一致させて接着することが好ましいが、圧電/電歪素子の端子と外部端子との接続を容易にするために、圧電/電歪素子を基体の端部から外方へ突出させて接着してもよい。但し、圧電/電歪素子は、金属製である基体に比較して破損し易いので、取扱いに注意が必要である。圧電/電歪素子を基体の所定位置に接着剤で貼り付けた後、切断加工、洗浄してデバイスを作成する
【0095】
本発明に係る第3の圧電/電歪デバイスは、第1の圧電/電歪デバイス10を構成する基体10aと同一形状の基体を、セラミックから金属に置き換えたもので、基体を形成する際に、基体材料を、セラミックから金属に変更したものである。また、当該圧電/電歪デバイスの製造には、本発明に係る第3の製造方法が採用される。
【0096】
第3の製造方法においては、第1の製造方法でのセラミックグリーンシートに替えて金属板を準備し、これを積層して接着することにより基体を形成する。接着する手段としては、有機樹脂、ガラス等の接着剤による接着、ロウ付け、半田付け、拡散接合、超音波接合、熱圧着、クラッディング法等を採用することができる。また、各積層した金属板を、溶接等により一体化する手段を採用することもできる。
【0097】
積層する各金属板の窓部の作成は、金型による打ち抜きの他に、レーザー加工、放電加工、エッチング、サンドブラスト等を採用することができる。基体を構成する金属板の材料は、圧電/電歪デバイス20の基体20aの材料と同じ材料を採用することができる。
【0098】
なお、当該製造方法においては、基体の構成材料として、金属板とセラミック板を合わせて使用することができ、これにより、ハイブリット構造の基体を形成することができる。さらに飛躍すれば、基体の構成材料として樹脂を採用して、樹脂製の基板を形成することができ、圧電/電歪デバイスの用途によっては、樹脂製の基体を構成部材とする圧電/電歪デバイスを構成することも可能である。
【0099】
当該製造方法においては、金属板の積層一体化のための接着回数や順序は、何等限定されるものではなく、金属板の枚数、形状、厚み等については、設定された構造に応じて適宜決定される。鋳造による金属部材( 厚板 )を部分的に挟むうようにすることもできる。なお、当該製造方法においては、接着方法や材料に問題無ければ、金属板に替えて、カーボン材料や樹脂材料を採用することもできる。
【0100】
使用する圧電/電歪素子については、圧電/電歪デバイス10、20の圧電/電歪素子10b,20bと同様、圧電/電歪素子30A1を採用することができる。例えば、圧電/電歪素子体30を、基体の所定位置に接着剤で貼り付けた後、切断加工、洗浄して、圧電/電歪デバイスを形成することができる。圧電/電歪素子は4層以上で構成されることが好ましい。また、圧電/電歪素子は10層以下で構成されることが好ましい。圧電/電歪素子は印刷多層法で作成されることが好ましい。圧電/電歪素子の電極の位置ずれが50μm以下であることが好ましい。圧電/電歪層の層数を増やせば、駆動力の増大は図られるが、それに伴い消費電力も増えるため実際に実施する場合には用途に応じて適宜層数を決めればよい。薄膜や厚膜等の膜形成方法を用いて製造することが好ましい。圧電/電歪素子を、スパッタ法、CVD法、ゾルゲル法等で支持基板上に作成して、支持基板ごと貼り付けてもよく、支持基板から剥がして貼り付けてもよい。
【0101】
金属材料で基体を構成する際には、少なくとも可動部は冷間圧延加工された金属板を採用することが好ましい。
【0102】
【実施例】
(実施例1):本実施例では、本発明に係る第1の圧電/電歪デバイス10を作成し、当該圧電/電歪デバイス10、および、部品Hの各部位の寸法関係を図21に示している。当該圧電/電歪デバイス10における同一系統の符号Lは、デバイスの長さ(基体の全長)L1、基体における固定部の長さL2、基体における可動部のアームの長さL3、基体における取付部の接合面の長さL4、連結部の長さL5、可動部と取付部間のスリット状の隙間の間隔L6、両可動部間の間隔L7、両取付部部間の間隔L8、取付部の厚みL9、可動部の厚みL10、可動部の高さL11(紙面の表裏方向の距離)、スリット状の隙間の長さL12をそれぞれ示している。
【0103】
また、他の同一系統の符号Mは、デバイスの全幅M1、圧電/電歪素子の実質的駆動部の端部が固定部にかかる長さM2、取付部と圧電/電歪素子との厚みM3、部品Hの横方向長さM4、部品Hの縦方向の長さM5、接着剤の厚みM6をそれぞれ示している。
【0104】
当該圧電/電歪デバイス10においては、両取付部の間隔L8と圧電/電歪デバイスの横方向長さM4の関係についてはL8≧M4であり、より好ましくはL8−M4である。L8<M4の場合には、部品Hを挿入する際に両取付部間を拡げる必要があり、両取付部間を拡げる際にデバイスを破損するおそれがある。接着剤の厚みM6については、0.1〜0.005mm、好ましくは、0.05〜0.01mmである。接着剤の厚みM6が0.1mmより厚い場合には、高温時の両可動部の変位に対する温度の影響が大きくなる。また、両取付部部間の間隔L8と電歪デバイスの横方向長さM4の差が小さいことから、部品Hを両取付部間に挿入したり、部品Hを各取付部間に接着剤を注入することが難しくて、接着剤の厚みの制御が難しい。このため、接着剤の厚みM6を0.01mmより薄く設定する場合には、部品Hに対する接着強度にばらつきが発生し易い。このため、接着剤の厚みM6は、より好ましくは0.01〜0.03mmである。
【0105】
当該圧電/電歪デバイス10においては、連結部の長さL5と可動部の厚みL10の関係についてはL5≧L10、連結部の長さL5と取付部の厚みL9の関係につていはL5≧L9である。連結部は、可動部と取付部を連結する部位であって、構造上最も弱い部位であることから、連結部の長さL5がこれらの関係を満たさない場合には、連結部が破損し易くなる。部品Hの縦方向の長さM5と取付部の接合面の長さL4の関係については、M5≧L4である。取付部の接合面は、部品Hに対する接着強度を確保すべく機能するものであり、取付部の接合面の長さL4を部品Hの縦方向の長さM5より長くしても意味がない。但し、採用する部品が当該部品Hと形状を異にする場合には、たとえば、図8および図9に示す形状の部品である場合には、この限りではない。
【0106】
当該圧電/電歪デバイス10においては、可動部と取付部間のスリット状の隙間(スリット隙間)の間隔L6は、0.2〜0.001mmであり、好ましくは0.1〜0.01mm、さらに好ましくは0.07〜0.03mmである。スリット隙間の間隔L6が0.001mm未満では、両可動部の高変位時に取付部と接触して可動部の変位動作を規制することなる。また、スリット隙間の間隔L6が0.2mmよりも大きい場合には、デバイスの横方向の全幅M1が大きくなって無意味である。部品Hを取付部に接合する場合には、注入する接着剤がスリット隙間に回り込んで、スリット隙間を埋め込み易い。スリット隙間の間隔L6が0.03mm以上である場合には、接着剤のスリット隙間への回り込みが抑制される。
【0107】
この場合、接着剤が取付部の接合面からはみ出さないように接着剤の量を制御することが重要であり、また、スリット隙間の間隔L6は接着剤の厚みM6より大きくすることが好ましい。なお、当該圧電/電歪デバイス10においては、両可動部の高変位動作時に、可動部と取付部との当接を利用して、可動部の外部からの衝撃に対するストッパー機能を持たせる態様とすることもできる。
【0108】
スリット状の隙間の長さL12については、連結部の長さL5の2倍以上、好ましくは5倍以上とする。これにより、部品Hの長さM5と取付部の長さL4が同じにできない場合でも、換言すればM5>L4の場合においても、部品Hに対する接着面積をより大きく設定して接着強度を確保し、かつ、可動部のアームの長さL3を長く設定して大きな変位を確保することができる。
【0109】
当該圧電/電歪デバイス10においては、取付部の厚みL9は0.2〜0.11mm、好ましくは0.1〜0.02mm、より好ましくは0.07〜0.03mmである。取付部の厚みL9が0.2mmを越えるとデバイスの全幅M1が大きくなって好ましくなく、取付部の厚みL9が0.01未満であると折損し易い。可動部の厚みL10は、0.2〜0.001mm、好ましくは0.1〜0.01mm、より好ましくは0.08〜0.03mmである。デバイスの省スペース化の点からすれば、固定部の長さL2、可動部のアーム長さL3、連結部の長さL5、スリット隙間の間隔L6、取付部の厚みL9、可動部の厚みL10、接着剤の厚みM6はできるだけ小さいほうが好ましく、これにより、デバイスの全長L1および全幅M1が小さくなる。
【0110】
当該圧電/電歪デバイス10においては、可動部のアーム長さL3は0.2〜3mm、好ましくは0.3〜2mmである。取付部の接合面の長さL4は0.05〜2mmである。両可動部間の間隔L7は0.1〜2mm、好ましくは0.2〜1.6mmである。取付部の厚みL9は0.002〜0.1mm、好ましくは0.01〜0.08mmである。可動部の高さL11は0.05〜2mm、好ましくは0.1〜0.5mmである。取付部と圧電/電歪素子間との厚みM3は0.0007〜0.5mmである。これらの寸法にあっては、可動部のアーム長さL3/両可動部間の間隔L7は0.5〜10、好ましくは0.5〜5である。両可動部間の間隔L7/可動部の厚みL10は0.5〜20、好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜10である。可動部の厚みL10と可動部の高さL11とは、L10<L11である。可動部の厚みL10と、圧電/電歪素子の実質的駆動部の端部が固定部にかかる長さM2とは、M2>(L10)/2である。
【0111】
(実施例2):本実施例では、本発明に係る第1の圧電/電歪デバイス10を変形した変形例で、基体が図15に示す圧電/電歪デバイスの基体に対応する形式の圧電/電歪デバイス10Bを作成していて、当該圧電/電歪デバイス10Bの各部位の寸法関係を図22に示している。当該圧電/電歪デバイス10Bにおける同一系統の符号Lは、実施例1にて形成した圧電/電歪デバイス10と同一であるが、その一部の部位の寸法および部品Hの各部位の寸法は省略している。但し、当該圧電/電歪デバイス10Bでは、圧電/電歪デバイス10には存在しない、固定部におけるスリット状の隙間の幅L13、および固定部側のスリット状の隙間の長さL14を付加している。
【0112】
当該圧電/電歪デバイス10Bにおいては、固定部のスリット状の隙間の幅L13は0.2〜0.001mm、好ましくは0.1〜0.01mm、さらに好ましくは0.07〜0.03mmである。また、固定部のスリット状の隙間の長さL14は、固定部が部品Hと干渉するまでの長さとすることができるが、好ましくは0.05〜2mm、さらに好ましくは0.1〜0.5mmである。なお、その他の部位の寸法は、実施例1にて作成している圧電/電歪デバイス10と同一寸法に設定している。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の圧電/電歪デバイスの一例を示す平面図である。
【図2】従来の圧電/電歪デバイスの他の一例を示す平面図である。
【図3】従来の一例に係る圧電/電歪デバイスの動作状態を示す平面図である。
【図4】同圧電/電歪デバイスの動作時の不具合が発生した状態を示す平面図である。
【図5】本発明に係る第1の圧電/電歪デバイスを示す平面図である。
【図6】同圧電/電歪デバイスの動作状態を示す平面図である。
【図7】同圧電/電歪デバイスの各圧電/電歪素子に印加される電圧の波形図(a),(b)である。
【図8】同圧電/電歪デバイスの従来の圧電/電歪デバイス(図1に図示)に対する寸法関係を示す平面図である。
【図9】同圧電/電歪デバイスの異なる部品を挟持した状態を示す平面図である。
【図10】同圧電/電歪デバイスのさらに異なる部品を挟持した状態を示す平面図である。
【図11】同圧電/電歪デバイスの基体を構成する各セラミックグリーンシートを示す斜視図である。
【図12】同セラミックグリーンシートを積層して形成されたセラミックグリーンシート積層体を示す一部省略斜視図である。
【図13】同セラミックグリーンシート積層体を焼成して形成したセラミック積層体と圧電/電歪素子体を一体とした構造体を示す斜視図である。
【図14】同構造体を切断して形成した同圧電/電歪デバイスを示す斜視図である。
【図15】同圧電/電歪デバイスの変形例を示す平面図である。
【図16】本発明に係る第2の圧電/電歪デバイスを示す斜視図である。
【図17】同圧電/電歪デバイスであって、部品を挟持していない状態を示す斜視図である。
【図18】同圧電/電歪デバイスを構成する基体を形成するための基体原板を示す斜視図である。
【図19】同基体原板から形成された基体を示す斜視図である。
【図20】本発明の圧電/電歪デバイスで採用される圧電/電歪素子を拡大して示す斜視図である。
【図21】本発明に係る実施例1で作成した圧電/電歪デバイスの寸法関係を示す平面図である。
【図22】本発明に係る実施例2で作成した圧電/電歪デバイスの寸法関係を示す平面図である。
【符号の説明】
10,10A,10B…圧電/電歪デバイス、10A1…セラミックグリーンシート積層体、10A2…セラミック積層体、10a…基体、10b…圧電/電歪素子、11,12…可動部、13…固定部、13a,13b…スリット状の隙間、14…連結部、15,16…取付部、15a,16a…スリット状の隙間、15b,16b…接合面、15c,16c…接着剤、17a,17b…電極、17c…圧電/電歪層、18(18a〜18j)…セラミックグリーンシート、19a,19b…弾性部材、20…圧電/電歪デバイス、20A…基体原板、20a…基体、20b…圧電/電歪素子、21,22…可動部、23…固定部、24…連結部、25,26…取付部、25a,26a…隙間、25b,26b…接合面、30…圧電/電歪素子体、30A…圧電/電歪素子、31〜34…圧電/電歪層、35,36…電極、37,38…端子。
Claims (19)
- 相対向する一対の可動部およびこれら両可動部を一端部側にて互いに連結する固定部を有する基体における前記両可動部の少なくとも一方の外側面に圧電/電歪素子を配設してなる圧電/電歪デバイスであって、前記基体は前記両可動部の他端部側に被制御部品または被検査部品を取付けるための一対の長尺の取付部を備えており、同取付部は前記可動部の他端から反転した状態で同可動部の内側面に沿って所定幅のスリット状の隙間を保持して所定長さ延びていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
- 請求項1に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体を構成する固定部は前記各可動部の内側面に沿って延びる所定幅のスリット状の一対の隙間を備えていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
- 請求項1または2に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体はセラミックで構成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
- 請求項3に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体は複数のセラミックグリーンシートを多数積層してなるセラミック積層体にて構成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
- 請求項1または2に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体は金属で構成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
- 請求項5に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体は複数の金属板を積層してなる金属積層体から構成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
- 請求項5に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体は1枚の金属製の平板を屈曲して構成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
- 請求項1,2,3,4,5,6または7に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体が有する可動部と取付部間のスリット状の隙間は、当該圧電/電歪デバイスの動作時における前記可動部の変位を規制しない寸法に設定されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
- 請求項1,2,3,4,5,6,7または8に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体を構成する各取付部と各可動部とは同一または近似する厚みに形成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
- 請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記基体を構成する両取付部の内側面には被制御部品または被検査備品が接着剤を介して固着されていて、当該圧電/電歪デバイスは、前記部品を前記両取付部にて挟持した状態で使用されることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
- 相対向する一対の板状の可動部、これら両可動部を一端部側にて互いに連結する固定部、および、前記各可動部の他端部側に連結する取付部を有する基体と、同基体を構成する前記両可動部の少なくとも一方の外側面に配設された圧電/電歪素子を備えている圧電/電歪デバイスであって、前記各可動部と前記各取付部間にはスリット状の隙間が介在し、同スリット状の隙間の長さL12が前記各可動部と前記各取付部を連結している各連結部の長さL5よりも大きく設定されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
- 請求項11に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記スリット状の隙間の長さL12は前記各連結部の長さL5の少なくとも2倍であることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
- 請求項11に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、前記スリット状の隙間の長さL12は前記各連結部の長さL5の少なくとも5倍であることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
- 相対向する一対の可動部と、これら両可動部を一端部側にて互いに連結する固定部と、前記各可動部の他端側から反転した状態で同可動部の内側面に沿って所定幅のスリット状の隙間を保持して所定長さ延びる取付部を有する基体における前記両可動部の少なくとも一方の外側面に圧電/電歪素子を配設してなる圧電/電歪デバイスを製造する方法であり、前記基体の形成材料としてセラミックグリーンシートを多数積層し焼成してなる基体ブロックを採用し、同基体ブロックの所定の部位を前記セラミックグリーンシートの積層方向に沿って切断して、前記各可動部、前記固定部、および前記各取付部を有する基体を形成することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
- 請求項14に記載の圧電/電歪デバイスの製造方法は、請求項4に記載の圧電/電歪デバイスを構成する基体を形成する方法であることを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
- 相対向する一対の可動部と、これら両可動部を一端部側にて互いに連結する固定部と、前記各可動部の他端側から反転した状態で同可動部の内側面に沿って所定幅のスリット状の隙間を保持して所定長さ延びる取付部を有する基体における前記両可動部の少なくとも一方の外側面に圧電/電歪素子を配設してなる圧電/電歪デバイスを製造する方法であり、前記基体の形成材料として可撓性で屈曲加工の可能な金属製の平板を採用して、同平板を前記基体が平面状に展開された形状に打抜き加工して打抜構造体を形成し、同打抜構造体の所定の部位を屈曲して前記各可動部、前記固定部、および、前記各取付部を有する基体を形成することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
- 請求項16に記載の圧電/電歪デバイスの製造方法は、請求項7に記載の圧電/電歪デバイスを構成する基体を形成する方法であることを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
- 相対向する一対の可動部と、これら両可動部を一端部側にて互いに連結する固定部と、前記各可動部の他端側から反転した状態で同可動部の内側面に沿って所定幅のスリット状の隙間を保持して所定長さ延びる取付部を有する基体における前記可動部の少なくとも一方の外側面に圧電/電歪素子を配設してなる圧電/電歪デバイスを製造する方法であり、前記基体の形成材料として金属板を多数積層してなる基体ブロックを採用し、同基体ブロックの所定部位を前記金属板の積層方向に沿って切断して前記各可動部、前記固定部、および、前記各取付部を有する基体を形成することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
- 請求項18に記載の圧電/電歪デバイスの製造方法は、請求項6に記載の圧電/電歪デバイスを構成する基体を形成する方法であることを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
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