次世代移動通信システムは、バーストパケットデータ(packet data)を複数の移動局へ送信するパケットサービス通信システム(packet service communication system)に発展していっている。上記パケットサービス通信システムは、大容量のデータの送信に適合するように設計されている。このようなパケットサービス通信システムは、高速のパケットサービスのために発展している。このような点に関して、非同期通信方式の標準団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)は、上記高速のパケットサービスを提供するために、高速順方向パケット接続(High Speed Downlink Packet Access;以下、“HSDPA”と称する)方式を提案し、同期通信方式の標準団体である3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)は、上記高速のパケットサービスを提供するために、1xEV−DO/V(1x Evolution Data Only/Voice)方式を提案する。上記HSDPA方式及び1xEV−DO/V方式のすべては、ウェブ(web)/インターネットサービスの円滑な送信のために、高速パケットサービスの提供を提案しており、上記高速パケットサービスを提供するためには、平均送信量(Average Throughput)だけではなく、最大の送信量(Peak Throughput)を最適化して、音声サービスのようなサーキット(circuit)データだけではなく、パケットデータの送信を円滑にする。
特に、上記HSDPA方式を使用する通信システム(以下、“HSDPA通信システム”と称する)は、高速のパケットデータの送信を支援するために、下記3種類の方式、すなわち、適応変調及び符号化(Adaptive Modulation and Coding;以下、“AMC”と称する)方式、ハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Retransmission Request;以下、“HARQ”と称する)方式、及び高速のセル選択(Fast Cell Select;以下、“FCS”と称する)方式を新たに導入した。上記HSDPA通信システムは、上記AMC方式、HARQ方式、及びFCS方式を使用して、データ送信率を増加させている。データ送信率を高めるための他の通信システムとしては、上記1xEV−DO/V方式を使用する通信システム(以下、“1x EV−DO/V通信システム”と称する)が存在し、上記1xEV−DO/V通信システムもシステム性能を保証するためにデータ送信率を増加させる。上記AMC方式、HARQ方式、及びFCS方式のような新たな方式だけではなく、割り当てられた帯域幅(band width)の限界を克服するための、すなわち、データ送信率を増加させるための他の方式としては、多重アンテナ(multiple antenna)方式が存在する。上記多重アンテナ方式は、空間軸(space domain)を活用するので、周波数軸での帯域幅資源の限界を克服することができる。
ここで、上記多重アンテナ方式について説明する。まず、移動通信システムは、1つの基地局(base station;BS)を介して複数の移動局が通信する形態から構成される。上記基地局が上記複数の移動局に高速のデータ送信を遂行する場合に、無線チャンネル上の特性によって、フェージング(fading)現象が発生する。このようなフェージング現象を克服するために、上記多重アンテナ方式の一種である送信アンテナダイバーシティ(transmit antenna diversity)方式が提案された。ここで、上記送信アンテナダイバーシティ方式とは、少なくとも2個以上の送信アンテナ、すなわち、多重アンテナを用いて信号を送信することによって、フェージング現象による送信データの損失を最小にして、データ送信率を高める方式を意味する。以下、上記送信アンテナダイバーシティ方式について説明する。
一般に、移動通信システムに存在する無線チャンネル環境は、有線チャンネル環境とは異なって、多重経路干渉(multipath interference)、シャドーイング(shadowing)、電波減衰、時変雑音、及び干渉などのような多くの要因により実際の送信信号から歪曲された信号を受信する。ここで、上記多重経路干渉によるフェージングは、反射体やユーザ、すなわち、移動局の移動性に密接な関連を有し、実際の送信信号と干渉信号とが混在した形態で受信される。従って、上記受信信号は、実際の伝送の間に非常な歪曲を受けた形態になって、全体の移動通信システムの性能を低下させる要因として作用する。結果的に、上記フェージング現象は、受信信号の大きさ(amplitude)及び位相(phase)を歪曲させることができ、無線チャンネル環境で、高速のデータ通信を抑制する主な原因であり、上記フェージング現象を解決するための多くの研究が進められている。結果的に、データを高速で送信するためには、移動通信システムは、フェージング現象のような移動通信チャンネルの特性による損失、及び個別ユーザの干渉を最小にしなければならない。フェージング現象による不安定な通信を防止するための方式としてダイバーシティ方式を使用し、このようなダイバーシティ方式のうちの1つである空間ダイバーシティ(space diversity)方式を実現するために、多重アンテナを使用する。
そして、上記フェージング現象を効率的に解決するための方式として送信アンテナダイバーシティ方式が幅広く使用されている。上記送信アンテナダイバーシティ方式は、無線チャンネル環境で、独立したフェージング現象を受けた複数の送信信号を受信して、フェージング現象による歪曲に対処する。上記送信アンテナダイバーシティ方式は、時間ダイバーシティ(time diversity)方式、周波数ダイバーシティ(frequency diversity)方式、多重経路ダイバーシティ(multipath diversity)方式、及び空間ダイバーシティ(space diversity)方式に区分される。すなわち、移動通信システムは、高速のデータ通信を遂行するために、通信性能に非常な影響を及ぼす上記フェージング現象を良く克服しなければならない。このようなフェージング現象を克服しなければならない理由は、上記フェージング現象が、受信信号の振幅(amplitude)を数dBから数十dBまで減少させるためである。上記フェージング現象を克服するために、上記ダイバーシティ方式が使用される。例えば、符号分割多重接続(Code Division Multiple Access;以下、“CDMA”と称する)方式は、チャンネルの遅延分散(delay spread)を用いて、ダイバーシティ性能を得ることができるレイク(Rake)受信器を採択している。ここで、上記レイク受信器は、多重経路信号を受信する一種の受信ダイバーシティ方式である。しかしながら、上記レイク受信器で使用された受信ダイバーシティ方式は、チャンネルの遅延分散が比較的小さい場合には、目的のダイバーシティ利得を有することができない、という短所を有する。
上記時間ダイバーシティ方式は、インターリービング(interleaving)及びコーディング(coding)のような方法を用いて、無線チャンネル環境から発生するバーストエラー(burst error)に効率的に対応し、一般的に、ドップラー拡散(doppler spread)チャンネルで使用される。しかしながら、上記時間ダイバーシティ方式は、低速ドップラー拡散チャンネルでは、そのダイバーシティ効果を有することが難しい、という問題点がある。上記空間ダイバーシティ方式は、一般的に、チャンネルの遅延分散が比較的小さいチャンネル、例えば、室内チャンネル及び低速のドップラー拡散チャンネルである歩行者チャンネルのような遅延分散が比較的小さいチャンネルで使用される。上記空間ダイバーシティ方式は、少なくとも2つのアンテナを使用して、ダイバーシティ利得を取得する方式であって、1つのアンテナを介して送信された信号がフェージング現象により減衰された場合に、残りのアンテナを介して送信された信号を受信してダイバーシティ利得を取得する方式である。ここで、上記空間ダイバーシティ方式は、複数の受信アンテナを使用する受信アンテナダイバーシティ方式と複数の送信アンテナを使用する送信アンテナダイバーシティ方式と複数の受信アンテナ及び複数の送信アンテナを使用する多重入力多重出力(Multiple Input Multiple Output:以下、“MIMO”と称する)方式とに分類される。
以下、上記送受信アンテナダイバーシティ方式のうちの1つの方式であるMIMO適応アンテナアレイ(Multiple Input Multiple Output-Adaptive Antenna Array;以下、“MIMO−AAA”と称する)方式について説明する。
上記MIMO−AAA方式は、複数の受信アンテナから構成されたアンテナアレイを介して受信された受信信号の信号ベクトル(vector)に、適正加重値(weight)ベクトルの内積(scalar product)を適用することによって、受信器が望む方向で受信された信号に関して、その受信信号の大きさを最大化し、上記受信器が望まない方向で受信された信号に関して、その受信信号の大きさを最小化する方式である。また、上記受信器は、上記信号に対する送信加重値ベクトルを計算した後に、送信器へ上記信号を送信し、これによって、上記送信器から上記受信器へ送信される信号のビームを効率的に生成することができる。すなわち、上記MIMO−AAA方式によると、受信側では、上記信号が上記受信器で受信される場合に、目的の受信信号のみを最大の大きさで増幅し、送信側では、上記信号を上記受信器へ最大の大きさで放射することによって、通話品質を向上させると同時に、システム全体の容量の増大及びサービス半径の増大を有する、という長所がある。
上記MIMO−AAA方式は、周波数分割多重接続(Frequency Division Multiple Access;以下、“FDMA”と称する)方式と、時間分割多重接続(Time Division Multiple Access;以下、“TDMA”と称する)方式と、CDMA方式とを使用する移動通信システムにすべて適用可能であるが、以下、説明の便宜上、上記CDMA方式を使用する移動通信システム(以下、“CDMA移動通信システム”と称する)を例に挙げて、上記MIMO−AAA方式について説明する。
図1を参照して、上記CDMA移動通信システムの送信器及び受信器の構成を説明する。
図1は、一般的なCDMA移動通信システムにおける送信器及び受信器の構成を示すブロック図である。
図1を説明するに先立って、下記の説明で、上記CDMA移動通信システムが上記MIMO−AAA方式を適用すると仮定する。従って、上記送信器及び受信器は、複数の送信アンテナ及び複数の受信アンテナをそれぞれ備えなければならない。しかしながら、図1によると、上記送信器及び受信器は、別途の送信アンテナ及び受信アンテナを備えるものではなく、同一のアンテナが、デュプレクサー(duplexer)を使用することによって、時分割(time division)方式を通して上記送信器及び上記受信器に使用されると仮定する。また、図1では、N個のアンテナを使用する。さらに、上記送信器は、基地局(Base Station:BS)又は移動局(Mobile Station:MS)になることがことができ、上記受信器も、上記基地局又は上記移動局になることができる。
一番目に、上記CDMA移動通信システムの送信器について説明する。
図1を参照すると、上記送信器は、エンコーダ(encoder)101と、インターリーバー(interleaver)103と、送信ビーム生成器105と、信号処理器107と、第1の拡散器111と、第2の拡散器121と、...、第Nの拡散器131とを含むN個の拡散器と、第1のRF処理器113と、第2のRF処理器123と、...、第NのRF処理器133とを含むN個の無線周波数(Radio Frequency:以下、“RF”と称する)処理器(processor)とから構成される。また、デュプレクサー140は、上記送信器及び上記受信器のすべてに共通的に使用され、第1のアンテナ141と、第2のアンテナ143と、...、第Nのアンテナ145とを含むN個のアンテナも、上記送信器及び上記受信器のすべてに共通的に使用される。
まず、送信されるデータが発生すると、上記送信データは、エンコーダ101へ入力される。エンコーダ101は、上記送信データをあらかじめ設定されているエンコーディング(encoding)方式を使用してエンコーディングした後に、インターリーバー103へ出力する。ここで、上記エンコーディング方式は、ターボ(turbo)エンコーディング方式、あるいは、畳込み(convolutional)エンコーディング方式を含む。インターリーバー103は、エンコーダ101からの信号を受信すると、バーストエラー(burst error)を防止するために、あらかじめ設定されているインターリービング方式を介して上記信号をインターリービングして送信ビーム生成器105へ出力する。ここで、インターリーバー103から出力される信号を“z ' k”で示す。信号処理器107は、インターリーバー103から出力された信号z ' kに基づいて加重値を計算した後に、送信ビーム生成器105へ出力する。すると、送信ビーム生成器105は、インターリーバー103から出力された信号z ' k及び信号処理器107で計算された加重値を考慮して、送信ビーム(transmission beam)を生成し、第1の拡散器111、第2の拡散器121、...、第Nの拡散器131のそれぞれへ出力する。すなわち、送信ビーム生成器105は、インターリーバー103から出力された信号を受信して、第1のアンテナ141、第2のアンテナ143、...、第Nのアンテナ145のそれぞれを介して送信されることができるように上記送信ビームを生成して、第1の拡散器111、第2の拡散器121、...、第Nの拡散器131のそれぞれへ出力する。上記送信ビームを生成するための具体的な動作は、本発明とは直接的に関係がないので、その詳細な説明を省略する。
送信ビーム生成器105から出力された信号の集合を“y ' k”で示す。すなわち、上記y ' kは、送信ビーム生成器105から生成された信号の集合であり、k番目のアンテナにマッピングされる。
第1の拡散器111は、送信ビーム生成器105から出力された信号y ' 1を受信して、あらかじめ設定されている拡散コード(spreading code)を使用して信号y ' 1を拡散した後に、第1のRF処理器113へ出力する。第1の拡散器111から出力された信号を受信すると、第1のRF処理器113は、上記信号に対してRF処理を施してデュプレクサー140へ出力する。ここで、上記RF処理器のそれぞれは、増幅器(amplifier)と、周波数変換器(frequency converter)と、フィルター(filter)と、アナログ/デジタル変換器(analog to digital converter)とから構成されてRF信号を処理する。また、第2の拡散器121は、送信ビーム生成器105から出力された信号y ' 2を受信して、あらかじめ設定されている拡散コードを使用して信号y ' 2を拡散する。その後に、第2の拡散器121は、第2のRF処理器123へ信号y ' 2を出力する。第2のRF処理器123は、第2の拡散器121から出力された信号を受信すると、上記信号に対してRF処理を施してデュプレクサー140へ出力する。このような方式にて、第Nの拡散器131は、送信ビーム生成器105から出力された信号y ' Nを受信して、あらかじめ設定されている拡散コードを使用して信号y ' Nを拡散した後に、第NのRF処理器133へ出力する。第Nの拡散器131から出力された信号を受信すると、第NのRF処理器133は、上記信号に対してRF処理を施してデュプレクサー140へ出力する。
デュプレクサー140は、制御器(図示せず)の制御下に、上記信号の送信時点及び受信時点をスケジューリング(scheduling)することによって、上記信号の送受信動作を制御する。また、デュプレクサー140の送受信動作に従って、第1のアンテナ141と、第2のアンテナ143と、...、第Nのアンテナ145とは、送信アンテナ(Tx.ANT)として動作することもでき、受信アンテナ(Rx.ANT)として動作することもできる。
二番目に、上記CDMA移動通信システムの基地局受信器について説明する。
上記受信器は、第1のRF処理器151と、第2のRF処理器161と、...、第NのRF処理器171とを含むN個のRF処理器と、上記RF処理器のそれぞれに対応する第1の多重経路探索器153と、第2の多重経路探索器163と、...、第Nの多重経路探索器173とを含むN個の多重経路探索器(multipath searcher)と、上記多重経路探索器のそれぞれで探索したL個の多重経路に関する信号を処理するための第1のフィンガー180−1と、第2のフィンガー180−2と、...、第Lのフィンガー180−Lとを含むL個のフィンガー(finger)と、上記L個のフィンガーのそれぞれから出力された多重経路信号を結合する多重経路結合器(multipath combiner)191と、デインターリーバー(de-interleaver)193と、デコーダ(decoder)195とから構成される。
まず、複数の送信器から送信された信号は、多重経路フェージング無線チャンネル(fading radio channel)を介して上記N個のアンテナで受信される。デュプレクサー140は、第1のアンテナ141を介して受信された信号を第1のRF処理器151へ出力する。デュプレクサー140から出力された信号を受信すると、第1のRF処理器151は、上記信号に対してRF処理を施して基底帯域(baseband)デジタル信号に変換する。すると、第1のRF処理器151は、第1の多重経路探索器153へ上記基底帯域デジタル信号を出力する。第1のRF処理器151から出力された基底帯域デジタル信号を受信すると、第1の多重経路探索器153は、上記基底帯域デジタル信号をL個の多重経路成分に分離し、上記分離されたL個の多重経路成分を第1のフィンガー180−1乃至第Lのフィンガー180−Lのそれぞれへ出力する。ここで、第1のフィンガー180−1乃至第Lのフィンガー180−Lのそれぞれは、L個の多重経路のそれぞれに一対一にマッピングされて、多重経路成分を処理する。上記N個の受信アンテナを介して受信された信号のそれぞれに対して、L個の多重経路を考慮するので、N×L個の信号に対して信号処理を行わなければならない。上記N×L個の信号のうち、同一の経路を有する信号が同一のフィンガーへ出力される。
また、デュプレクサー140は、第2のアンテナ143を介して受信された信号を第2のRF処理器161へ出力する。デュプレクサー140から出力された信号を受信すると、第2のRF処理器161は、上記信号をRF処理して基底帯域デジタル信号へ変換した後に、第2の多重経路探索器163へ出力する。第2のRF処理器161から出力された上記基底デジタル信号を受信すると、第2の多重経路探索器163は、上記基底デジタル信号をL個の多重経路成分に分離し、上記分離されたL個の多重経路成分のそれぞれを第1のフィンガー180−1乃至第Lのフィンガー180−Lのそれぞれへ出力する。
同一の方式にて、デュプレクサー140は、第Nのアンテナ145を介して受信された信号を第NのRF処理器171へ出力する。デュプレクサー140から出力された信号を受信すると、第NのRF処理器171は、上記信号をRF処理して基底帯域デジタル信号に変換した後、第Nの多重経路探索器173へ出力する。第NのRF処理器171から出力された上記基底帯域デジタル信号を受信すると、第Nの多重経路探索器173は、上記基底帯域デジタル信号をL個の多重経路成分に分離し、上記分離されたL個の多重経路成分のそれぞれを第1のフィンガー180−1乃至第Lのフィンガー180−Lのそれぞれへ出力する。
このような方式にて、上記N個の受信アンテナのそれぞれを介して受信された信号のL個の多重経路信号のうち、同一の多重経路信号は、同一のフィンガーへ入力される。例えば、第1のアンテナ141乃至第Nのアンテナ145からの第1の多重経路信号は、第1のフィンガー180−1へ入力される。このような方式にて、第1のアンテナ141乃至第Nのアンテナ145の第Lの多重経路信号は、第Lのフィンガー180−Lへ入力される。一方、第1のフィンガー180−1乃至第Lのフィンガー180−Lのそれぞれは、実際入出力される信号が相互に異なるだけで、その構成及び動作が同一である。従って、説明の便宜上、第1のフィンガー180−1の動作についてのみ説明する。
第1のフィンガー180−1は、上記N個の多重経路探索器のそれぞれに対応するN個の逆拡散器、すなわち、第1の逆拡散器181と、第2の逆拡散器182と、...、第Nの逆拡散器183とのN個の逆拡散器と、第1の逆拡散器181乃至第Nの逆拡散器183のそれぞれから出力された信号を受信して、受信ビーム(beam)を生成するための加重値を計算する信号処理器184と、信号処理器184で計算した加重値を使用して受信ビームを生成するための受信ビーム生成器185とから構成される。
まず、第1の多重経路探索器153から出力された第1の多重経路信号は、第1の逆拡散器181へ入力される。第1の逆拡散器181は、第1の多重経路探索器153から出力された第1の多重経路信号を、あらかじめ設定されている逆拡散コード(de-spreading code)をもって逆拡散して、信号処理器184及び受信ビーム生成器185へ出力する。ここで、上記逆拡散コードは、上記送信器のそれぞれで使用された拡散コードと同一であり、上記逆拡散過程を“時間プロセシング(temporal processing)”と称する。また、第2の多重経路探索器163から出力された第1の多重経路信号は、第2の逆拡散器182へ入力される。第2の逆拡散器182は、第2の多重経路探索器163から出力された第1の多重経路信号をあらかじめ設定されている拡散コードをもって逆拡散して、信号処理器184及び受信ビーム生成器185へ出力する。このような方式にて、第Nの多重経路探索器173から出力された第1の多重経路信号は、第Nの逆拡散器183へ入力される。第Nの逆拡散器183は、第Nの多重経路探索器173から出力された第1の多重経路信号をあらかじめ設定されている拡散コードをもって逆拡散して、信号処理器184及び受信ビーム生成器185へ出力する。
信号処理器184は、第1の逆拡散器181乃至第Nの逆拡散器183から出力された信号を受信して、受信ビームの生成のための加重値集合w kを計算する。ここで、第1の多重経路探索器153乃至第Nの多重経路探索器173のそれぞれから出力された第1の多重経路信号の集合を“x k”であると定義する。ここで、第1の多重経路信号集合x kは、k番目の時点で第1のアンテナ141乃至第Nのアンテナ145のそれぞれを介して受信された第1の多重経路信号の集合を示し、第1の多重経路信号集合x kを構成する第1の多重経路信号のそれぞれは、すべてベクトル信号である。そして、上記加重値集合w kは、k番目の時点で、第1のアンテナ141乃至第Nのアンテナ145のそれぞれを介して受信された第1の多重経路信号のそれぞれに適用される加重値集合を示し、上記加重値集合w kを構成する加重値のそれぞれは、すべてベクトル信号である。
そして、第1の多重経路信号集合x k内のすべての第1の多重経路信号が逆拡散された信号の集合を“y k”であると定義する。ここで、第1の多重経路信号の逆拡散信号集合y kは、k番目の時点で、第1のアンテナ141乃至第Nのアンテナ145のそれぞれを介して受信された第1の多重経路信号のそれぞれが逆拡散された信号の集合を示し、第1の多重経路信号の逆拡散信号集合y kを構成する逆拡散信号のそれぞれは、すべてベクトル信号である。以下、説明の便宜上、“集合”については、その用語を省略し、下線が引かれた(underlined)パラメータ(parameter)は、特定のエレメント(element)の集合を示す。
また、第1の逆拡散器181乃至第Nの逆拡散器183のそれぞれは、あらかじめ設定されている逆拡散コード(de-scrambling code)で第1の多重経路信号x kを逆拡散するので、目的の受信信号の受信電力(power)が干渉信号(interference signal)の受信電力に比べてプロセス利得(process gain)だけ増幅される。
一方、上述したように、第1の多重経路信号x kの逆拡散された信号y kは、信号処理器184へ入力される。信号処理器184は、第1の多重経路信号x kが逆拡散された信号y kをもって加重値w kを計算して、受信ビーム生成器185へ出力する。結果的に、信号処理器184は、第1のアンテナ141乃至第Nのアンテナ145のそれぞれから出力された総計でN個の第1の多重経路信号であるx kが逆拡散された信号y kをもって、第1のアンテナ141乃至第Nのアンテナ145のそれぞれから出力された第1の多重経路信号x kに適用された総計でN個の加重値であるw kを計算する。受信ビーム生成器185は、上記総計でN個の第1の多重経路信号x kが逆拡散された信号y k及び総計でN個の加重値w kを受信する。そして、受信ビーム生成器185は、上記総計でN個の加重値w kをもって受信ビームを生成した後に、第1の多重経路信号x kが逆拡散された信号y k及び上記受信ビームの該当加重値w kの内積を計算して、第1のフィンガー180−1の出力信号zkとして出力する。ここで、第1のフィンガー180−1の出力信号zkは、式(1)のように表現される。
式(1)において、Hは、エルミート(Hermitian)演算子、すなわち、共役(conjugate)転置(transpose)を示す。また、上記受信器のN個のフィンガーのそれぞれからの出力信号zkの集合z kが、最終的に多重経路結合器191へ入力される。
上記では、第1のフィンガー180−1のみを例に挙げてその動作を説明したが、第1のフィンガー180−1だけではなく、残りのフィンガーも第1のフィンガー180−1と同一の動作を遂行する。従って、多重経路結合器191は、第1のフィンガー180−1乃至第Lのフィンガー180−Lから出力された信号を結合して、デインターリーバー193へ出力する。デインターリーバー193は、多重経路結合器191から出力された信号を送信器で適用したインターリービング(interleaving)方式に相当するデインターリービング方式にてデインターリービングした後に、デコーダ195へ出力する。デコーダ195は、デインターリーバー193から出力された信号を送信器で適用したエンコーディング(encoding)方式に相当するデコーディング(decoding)方式にてデコーディングして、最終の受信データとして出力する。
信号処理器184は、あらかじめ設定されているアルゴリズム(algorithm)により受信されることを望む送信器から送信された信号の平均自乗エラー(Mean Square Error:以下、“MSE”と称する)が最小になるように加重値w kを計算する。そして、受信ビーム生成器185は、信号処理器184が生成した加重値w kを使用して受信ビームを生成し、MSEが最小になるように受信ビームを生成する過程を“空間プロセシング(spatial processing)”と称する。もちろん、MSEが最小になるように送信ビームを生成する過程も、“空間プロセシング”と称する。従って、上記MIMO−AAA方式がCDMA移動通信システムに使用される場合に、時間プロセシングと空間プロセシングとが同時に遂行される。このように、上記時間プロセシングと上記空間プロセシングとを同時に遂行する動作を“空間−時間プロセシング(spatial-temporal processing)”と称する。
一方、信号処理器184は、上述したように、フィンガー別に逆拡散される前の多重経路信号及び逆拡散された後の多重経路信号を受信して、あらかじめ設定されているアルゴリズムに従って、上記MIMO−AAA方式の利得を最大化することができる加重値w kを計算する。同一の方式にて、送信器でも、上記MIMO−AAA方式の利得を最大化することができる加重値w kをあらかじめ設定されているアルゴリズムに従って計算する。信号処理器184及び送信ビーム生成器105は、上記MSEを最小化するように動作する。従って、最近では、上記MSEを適応的に最小化するための加重値計算アルゴリズムに関する研究が活発に進められている。しかしながら、上記MSEを適応的に最小化するための加重値計算アルゴリズムは、主に、基準(reference)信号を基準にしてエラーを減少させるアルゴリズムであり、上記アルゴリズムは、基準信号が存在しない場合に、ブラインド(blind)方式として、常数係数(Constant Modulus:以下、“CM”と称する)方式及び判定指向(Decision-Directed:以下、“DD”と称する)方式を支援する。
しかしながら、上記基準信号を基準にしてエラーを減少させるアルゴリズムは、チャンネルが急速に変化する環境、例えば、高速フェージングチャンネル(fast fading channel)のようなチャンネルが急速に変化する環境や高次変調方式、例えば、16値直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation;QAM)方式のような高次変調方式を使用する環境では、システムで望む最小のMSE値に収束することが難しいか、あるいは、特定のMSE値に収束するとしても、上記最小MSEの値が比較的大きい値に決定される。このように、上記最小のMSE値が比較的大きい値に決定される場合に、上記MIMO−AAA方式を使用することによって発生する利得が減少されるので、高速のデータ通信システムでは適合しない、という問題点がある。また、送信器及び受信器のすべてが送信ビーム及び受信ビームを生成するための加重値をそれぞれ計算しなければならないため、上記加重値の計算に必要な演算量による負荷が大きく発生する、という問題点があった。
以下、本発明の好適な一実施例を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。下記の説明において、本発明の要旨のみを明瞭にする目的で、関連した公知の機能又は構成に関する具体的な説明は省略する。そして、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であり、これは、使用者及び運用者の意図又は慣例に従って変わっても良い。従って、その用語は、本発明の全体の内容に基づいて定義されなければならない。
本発明を説明するに先立って、符号分割多重接続(Code Division Multiple Access:以下、“CDMA”と称する)方式を使用する移動通信システム(以下、“CDMA移動通信システム”と称する)の受信器で受信された信号モデル(model)を説明する。上記受信器は、信号を受信することができる基地局(BS:Base Station)の受信器になることもでき、又は移動局(MS:Mobile Station)の受信器になることもできる。ここで、上記基地局受信器を一例にして、受信された信号モデルを説明する。
上記基地局の受信器は、複数の受信アンテナ(RxANT)を有する受信アンテナアレイ(Rx antenna array)を備える。また、本発明は、周波数分割多元接続(Frequency Division Multiple Access;以下、“FDMA”と称する)方式と、時間分割多元接続(Time Division Multiple Access;以下、“TDMA”と称する)方式と、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access;以下、“CDMA”と称する)方式と、直交周波数分割多元(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;以下、“OFDM”と称する)方式とを使用する移動通信システムのすべてに適用されることができるとしても、説明の便宜上、上記OFDM方式を使用する移動通信システム(以下、“OFDM移動通信システム”と称する)及び上記CDMA方式を使用する移動通信システム(以下、“CDMA移動通信システム”と称する)を参照して説明する。
まず、上記基地局がサービスするセル内の任意の移動局、すなわち、第mの移動局の送信器から送信された信号は、式(2)のように表現される。
式(2)において、sm(t)は、第mの移動局の送信信号を示し、pmは、第mの移動局の送信電力を示し、bm(t)は、第mの移動局のユーザ情報ビットシーケンス(user information bit sequence)を示し、cm(t)は、Tcのチップ(chip)周期を有する第mの移動局のユーザ拡散コードシーケンス(user spreading code sequence)を示す。
一方、上記移動局送信器から送信された送信信号は、多重経路ベクトルチャンネル(multipath vector channel)を介して上記基地局の受信器で受信される。上記多重経路ベクトルチャンネルのチャンネルパラメータ(channel parameter)は、上記ビット周期Tbに比べて比較的低速で変化すると仮定する。従って、上記多重経路ベクトルチャンネルのチャンネルパラメータは、所定のビット周期の間では一定であると仮定する。すると、上記基地局の受信器で受信された第mの移動局の第1の多重経路に対する複素(complex)基底帯域受信信号は、式(3)のように表現される。ここで、式(3)に示す受信信号は、上記基地局受信器で受信された無線周波数(Radio Frequency;以下、“RF”と称する)信号をダウンコンバーティング(down converting)した後の基底帯域信号を示すことに留意しなければならない。
式(3)において、x m1(t)は、上記第mの移動局の第1の多重経路を介して受信された複素基底帯域受信信号の集合を示し、αm1は、上記第mの移動局の第1の多重経路に適用されたフェージング減衰度を示し、φm1は、上記第mの移動局の第1の多重経路に適用された位相遷移量を示し、τm1は、上記第mの移動局の第1の多重経路に適用された時間遅延量を示し、a m1は、上記第mの移動局の第1の多重経路に適用されたアレイ応答(Array Response;AR)の集合を示す。ここで、上記基地局の受信器は、複数、例えば、N個の受信アンテナを備えるので、上記第mの移動局が送信した信号は、N個の受信アンテナのそれぞれを介して基地局受信器で受信される。従って、第1の多重経路を介して受信された信号の数はNであり、従って、上記第mの移動局の第1の多重経路を介して受信器で受信されたN個の複素基底帯域信号は、上記複素基底帯域信号の集合を構成する。以下、説明の便宜上、“集合”については、その用語を省略し、下線が引かれたパラメータは、特定のエレメントの集合を示す。
一方、現在の線形(linear)アンテナアレイを使用する場合に、上記アレイ応答a m1は、式(4)のように表現される。
式(4)において、‘d’は、離れている受信アンテナ間の間隔を示し、λは、使用周波数帯域での波長を示し、Nは、上記受信アンテナの個数を示し、θm1は、第mの移動局の第1の多重経路に適用される到来方向(Direction Of Arrival;DOA)を示す。
また、上記基地局がサービスするセル内に存在する移動局の個数がMであり、上記M個の移動局のそれぞれに対して、L個の多重経路が存在すると仮定すると、上記基地局で受信された受信信号は、上記M個の移動局のそれぞれから送信された送信信号と加法性白色雑音(Addictive White Noise;AWN)とが加算された形態であり、これを示すと、式(5)の通りである。
式(5)において、n(t)は、M個の移動局のそれぞれから送信された送信信号のそれぞれに加算された上記加法性白色雑音の集合を示す。
式(5)の受信信号で上記基地局が受信することを望む信号がx 11であると仮定する。ここで、上記x 11は、第1の移動局が第1の多重経路を介して送信された信号を示す。このように、上記基地局が受信することを望む信号がx 11であると仮定したので、上記信号x 11を除いたすべての信号は、干渉信号及び雑音として見なされる。従って、式(5)は、式(6)のように表現されることができる。
式(6)において、i(t)は、干渉信号を示し、式(7)のように表現される。
式(7)の第1の項は、上記基地局が受信することを望む移動局の送信信号であるが、上記基地局が受信することを望まない他の多重経路による干渉信号(Inter-Path Interference;IPI)を示し、式(7)の第2の項は、他の移動局による多元接続干渉(Multiple Access Interference;MAI)を示す。
また、上記x(t)は、上記基地局受信器の該当チャンネルカード(channel card)、すなわち、第1の移動局に割り当てられたチャンネルカード(m=1)内の該当多重経路のフィンガー(finger)、すなわち、第1のフィンガー(l=1)であらかじめ設定された逆拡散コードc1(t−τ11)をもって逆拡散されるが、上記逆拡散された信号y(t)は、式(8)の通りである。ここで、上記逆拡散コードc1(t−τ11)は、移動局送信器で信号を送信する間に使用された逆拡散コードc1(t−τ11)と同一である。そして、上記基地局は、図1に関連して説明したような複数の受信器を備えており、上記受信器のそれぞれを“チャンネルカード”と称し、1つの移動局に対して1つのチャンネルカードを割り当てる。また、図1に関連して説明するように、上記チャンネルカードは、多重経路の数に相当する複数のフィンガーが備えられており、上記フィンガーのそれぞれは、該当多重経路信号に一対一にマッピングされる。
式(8)において、‘k’は、任意のk番目のサンプリング(sampling)時点を示す。
上記逆拡散される前の信号x(t)を上記逆拡散コードc1(t−τ11)をもって逆拡散した後の信号y(t)を生成する場合に、上記受信信号のうちから上記基地局受信器が受信することを望む信号成分の電力は、逆拡散器の特性に従ってプロセス利得Gだけ増幅される。このように、上記基地局受信器が受信することを望む信号成分の電力がプロセス利得Gだけ増幅されるとしても、上記基地局受信器が受信することを望まない信号成分の電力は、まったく変化がないという事実が分かる。従って、逆拡散される前の受信信号と逆拡散された後の受信信号との間の相関行列(correlation matrix)を計算することができる。上記逆拡散される前の受信信号と逆拡散された後の受信信号との間の相関行列を求めるためには、上記逆拡散された後の受信信号y(t)のサンプリング時点と同一の時点であるk番目の時点で上記逆拡散される前の受信信号x(t)をサンプリングする。このように、k番目の時点で、上記逆拡散される前の受信信号x(t)をサンプリングした信号は、式(9)の通りである。
結局、上記逆拡散される前の受信信号x(t)と逆拡散された後の受信信号y(t)との間の相関行列を計算するためには、上記逆拡散された後の受信信号y(t)のサンプリング時点と同一の時点であるk番目の時点で、上記逆拡散される前の受信信号x(t)をサンプリングして、式(9)のような信号を取得し、上記逆拡散される前の受信信号x(t)及び逆拡散された後の受信信号y(t)は、定常的(stationary)であると仮定する。
すると、ここで、2ステップ(2-step)の最小平均自乗(Least Mean Square;以下、“LMS”と称する)方式について説明する。
任意の時点で、N個の受信アンテナを介して受信された複素受信信号、すなわち、第1の受信アンテナを介して受信された複素受信信号x1乃至第Nの受信アンテナを介して受信された複素受信信号xNを含む逆拡散される前の受信信号の集合をx=[x1,x2,...,xN]Tであると定義する。ここで、上記‘T’は、転置(transpose)演算を示す演算子である。また、上記N個の受信アンテナを介して受信された複素受信信号x1,x2,...,xNが逆拡散された後の受信信号の集合をy=[y1,y2,...,yN]Tであると定義する。上記逆拡散された後の受信信号yは、上記基地局受信器が受信することを望む信号成分sと上記基地局受信器が受信することを望まない信号成分uとの和によって決定され、式(10)のように表現される。
そして、上記N個の受信アンテナを介して受信された複素受信信号x1,x2,...,xNのそれぞれに乗じられる複素加重値(complex weight value)の集合、すなわち、第1の受信アンテナを介して受信された複素受信信号x1に乗じられる複素加重値乃至第Nの受信アンテナを介して受信された複素受信信号xNに乗じられる複素加重値w1,w2,...,wNから構成された加重値集合をw=[w1,w2,...,wN]Tであると定義する。
従って、任意のユーザのチャンネルカード、すなわち、任意の移動局に割り当てられたチャンネルカード内のフィンガーからの出力信号zは、上記加重値wと逆拡散された後の受信信号yの内積を計算することによって得られ、式(11)のように表現される。
式(11)において、‘i’は、受信アンテナの個数を示す。
上記出力信号zは、式(10)及び式(11)を使用して、上記基地局受信器が受信することを望む信号成分w H sと上記基地局受信器が受信することを望まない信号成分w H uとに区分されることができる。一方、上記LMS方式は、知っている基準信号及び受信信号のエラーを最小化し、特に、式(12)のコスト関数(Cost function)J(w)を最小化する。
式(12)において、‘J’は、コスト関数(cost function)を示し、上記コスト関数Jの値を最小化する加重値wを決定しなければならない。また、式(12)において、ekは、受信信号(received signal)と所望の受信信号(desired reception signal)との差、すなわち、エラーを示し、dkは、上記所望の信号を示す。非ブラインド(non-blind)方式を使用するビーム生成アルゴリズムでは、上記受信することを望む信号dkとして、例えば、パイロット(pilot)信号を使用する。しかしながら、本発明は、ブラインド(blind)方式を使用するビーム生成アルゴリズムを提案し、従って、上記非ブラインド方式を使用するビーム生成アルゴリズムについては、具体的な説明を省略する。
一方、式(12)において、上記コスト関数Jは、2次凸(convex)関数の形態を有する。従って、上記コスト関数Jの値を最小にするためには、上記コスト関数Jを微分して、その値が0になるようにしなければならない。上記コスト関数Jの微分値は、式(13)の通りである。
しかしながら、実際のチャンネル環境で最適の加重値w optを一回の処理過程で取得することは難しく、時点ごとに逆拡散された後の受信信号y kが入力されるので、上記最適の加重値w optを適応的に、あるいは、再帰的に取得するためには、式(14)のような再帰式(recursive formula)を使用しなければならない。
式(14)において、‘k’は、k番目の時点を示し、w R,kは、k番目の時点で受信された加重値を示し、μは、常数利得(constant gain)値を示し、v R,kは、k番目の時点での追跡ベクトルを示す。ここで、上記k番目の時点での追跡ベクトルv R,kは、上記コスト関数Jの微分値を最小値、例えば、0に収束させるためのベクトルを示す。下記の説明において、説明の便宜上、送信器の送信ビームを生成するのに使用される加重値は、“送信加重値”であると称し、受信器の受信ビームを生成するのに使用される加重値は、“受信加重値”であると称する。
結局、式(14)は、現在の時点で使用される加重値w R,kが与えられたとき、上記加重値w R,kから追跡ベクトルv R,kの方向に常数利得値μだけ前進するか、あるいは、後進して生成された値を次の時点で使用される加重値w R,k+1として更新(update)する過程を示す。
また、式(14)を平均自乗(MS)基準から見ると、式(15)のように表現される。
本発明は、MIMO−AAA方式を使用して送信ビームを生成するための加重値フィードバック装置及び方法を提案する。また、本発明は、送信ビーム及び受信ビームのための加重値を2ステップの加重値生成方式を使用して生成することができる装置及び方法を提案する。
ここで、上記送信加重値w T,kは、式(16)のように計算される。
式(16)に示すように、復元された信号を用いて、上記送信器の加重値を受信器で計算する。従って、上記受信器は、上記送信器が使用するために、上記計算された加重値を上記送信器へ送信しなければならない。
上記受信器は、復元された信号z kを用いて送信器の加重値を計算し、上記復元された信号z kは、逆拡散された受信信号及び受信加重値に基づいて計算されることができる。従って、本発明の好ましい実施例によると、上記受信器が計算した送信器の加重値は、上記送信器へ送信される。
以下、上記受信加重値を計算する手順を式(17)乃至式(28)を参照して説明する。説明の便宜上、拡散及び逆拡散動作に関する説明を省略する。また、下記式(17)乃至式(28)で使用されたパラメータ(parameter)は、図1を参照して説明したものと同一である。まず、上記送信器からビームを生成する前の信号を図2では、“z ' k”と定義する。このとき、チャンネルをマトリックス(matrix)Hとして定義すると、xkは、式(17)のように示すことができる。
ここで、受信ビーム生成器によって受信された信号は、式(18)のように表現される。
式(18)において、計算の便宜上、雑音値を省略する。この場合に、k番目のスナップ(snap)で発生するエラー信号は、式(19)のように表現される。
ここで、送信アンテナ加重値を求めるために、式(19)をwTに関して微分してエラー微分値を求めると、式(20)の通りである。
式(20)において、上記エラー値εkは、式(21)のように表現される。
また、式(21)を用いて送信ビーム生成ベクトルを示すと、式(22)の通りである。
また、式(22)の両辺に上記wTを乗じることによって、上記受信器の受信信号の再整理を通して式(23)及び式(24)を得ることができる。
式(22)は、式(24)を用いて式(22)を再整理することによって、式(25)のように示すことができる。
最終的に、上記送信ビーム生成ベクトルを整理すると、式(26)の通りである。
上述したように、最適の加重値w optを取得する動作は、受信ビームを生成するための最も重要な要素として作用する。本発明は、上記2ステップLMS方式を使用して、基準信号及び受信信号のエラーを最小化する。すなわち、本発明は、式(12)に関連して説明したコスト関数の値を最小化する加重値w R,k及びw T,kを取得することによって、上記最適の加重値w optを取得する。結果的に、本発明は、式(12)で受信することを望む信号d(k)を検出する新たな方式を提案し、上記受信器が計算した受信加重値w R,kを使用して送信加重値w T,kを計算した後に、送信器へフィードバックする方式を提案する。
本発明で提案する、受信することを望む信号d(k)を検出する方式は、“ブラインド方式”であり、上記ブラインド方式を使用することによって、任意の推定値を使用して受信信号を適応的に収束させなければならず、上記受信信号の適応的な収束のためには、2ステップLMS方式を使用する。すなわち、上記2ステップLMS方式を使用することは、第1のステップである収束ステップ及び第2のステップである安定化ステップを介して上記信号d(k)を取得することを意味する。
次いで、上記2ステップのLMS方式のうち、上記第1のステップである信号収束ステップについて説明する。
まず、上記受信信号の適応的な収束のために使用される“CM”方式について説明する。
上記CM方式は、ゴダール(Godard)により提案され、一般的に、ブラインド等化器(equalizer)で使用されており、ビーム生成アルゴリズムでも使用されている。上記ゴダールが提案したCM方式を使用する場合に、コスト関数Jは、式(27)のように表現される。
式(27)において、‘p’は、任意の正の整数を示し、Rpは、ゴダール係数(Godard Modulus)を示す。ここで、上記ゴダール係数Rpは、式(28)のように表現される。
最近のOFDM移動通信システムでは、一般的に、QPSK変調方式以上の比較的高次変調方式を使用するので、上記コスト関数Jは、式(29)のように、実数部及び虚数部に分離されて計算される。ここで、上記コスト関数Jを実数部と虚数部に分離して計算する理由は、高次変調方式の使用によって送受信される信号が実数成分及び虚数成分を有するためである。
本発明では、2ステップLMS方式を使用し、p=2と仮定する。従って、“d(k)=R2,R+jR2,I”である。また、初期の時点、すなわち、k=0時点でのコスト関数Jの値は、0(J=0)であると仮定し、これに関連して、図12を参照して説明する。
図12は、k=0の時点で、p=2、“d(k)=R2,R+jR2,I”、及びJ=0である場合の移動通信システムで使用されたCM方式のグラフである。
上述したように、図12は、p=2、“d(k)=R2,R+jR2,I”、及びk=0である時点でのコスト関数Jの値が0である場合に使用されたCM方式を示す。すなわち、式(29)によってR2値が決定される場合に、座標面で円を形成する。従って、受信された信号は、任意の点から引かれた延長線が上記円と交わる点として判断される。図12に示すように、受信器で復元された信号zkは、円に投影される。
上記では、収束ステップについて説明した。次いで、上記d(k)を取得するための第2のステップである安定化ステップについて説明する。
上記収束ステップを介してMSEがあらかじめ設定された値に収束すると、上記収束ステップから安定化ステップへ転換して式(30)のような演算を遂行する。ここで、上記MSEがあらかじめ設定された値に収束するにつれて収束ステップから安定化ステップへ変化する過程は、下記で説明するので、その詳細な説明は、省略する。
上記収束ステップと同様に、上記安定化ステップでも、実数部と虚数部を分離して計算しなければならない。式(30)において、Prは、判定指向(DD)方式によって上記受信することを望む信号d(k)と最も近似した信号として投影されることを意味する。ここで、上記DD方式は、上記信号d(k)を受信信号と最も近似した判定値として反映する方式を意味する。ここで、図7を参照して上記DD方式について説明する。
図7は、移動通信システムでBPSK方式を使用する場合のDD方式を概略的に示すグラフである。
図7を参照すると、まず、上記移動通信システムにおいて、BPSK(Binary Phase Shift Keying)方式を使用することを仮定したので、受信信号がI−Q平面(domain)で(1.2,−0.2)である場合に、上記受信することを望む信号d(k)は、+1と−1との距離を計算した後に最も近似した判定値である1として投影される。
次いで、図2を参照して、本発明の実施例での機能を遂行するCDMA移動通信システムの基地局の送信器及び受信器の構成を説明する。
図2は、本発明の実施例での機能を遂行するためのCDMA移動通信システムの基地局の送信器及び受信器の構成を示すブロック図である。
図2を説明するにあたって、本発明の第1実施例での機能を遂行するための基地局の送信器及び受信器の構成は、図1と関連して説明した基地局の送信器及び受信器の構成と同一である。ただ、図2に新たに付加されたフィードバック情報生成器286と、信号処理器284の手順を決定する加重値と、信号処理器284が決定した加重値を上記基地局の受信器に対応する上記移動局の送信器へ送信するためのフィードバック動作のみが相互に異なる、という点に留意しなければならない。また、説明の便宜上、図2を参照して、上記基地局受信器の構成のうち、本発明と直接的に関連した構成のみを説明する。また、本発明の第1の実施例は、LMS方式を使用する場合に該当する。
また、図2を説明するに先立って、下記の説明において、上記CDMA移動通信システムが上記MIMO−AAA方式を使用すると仮定する。すると、上記送信器及び上記受信器は、複数の送信アンテナ及び複数の受信アンテナを備えなければならない。しかしながら、図2によると、上記送信器及び受信器は、別途の送信アンテナ及び受信アンテナを備えるものではなく、同一のアンテナは、デュプレクサーを使用することによって、時分割方式を通して上記送信器及び上記受信器に使用されると仮定する。また、図2では、N個のアンテナを使用する。
次いで、一番目に、上記CDMA移動通信システムの基地局送信器について説明する。
図2を参照すると、上記基地局の送信器は、エンコーダ(encoder)201と、インターリーバー(interleaver)203と、送信ビーム生成器205と、信号処理器207と、第1の拡散器211、第2の拡散器221、...、第Nの拡散器231を含むN個の拡散器(spreader)と、第1のRF処理器213、第2のRF処理器223、...、第NのRF処理器233を含むN個のRF処理器とから構成される。また、デュプレクサー240は、上記基地局の送信器及び受信器のすべてに共通的に使用され、第1のアンテナ241、第2のアンテナ243、...、第Nのアンテナ245を含むN個のアンテナは、上記基地局の送信器及び受信器のすべてに共通的に使用される。
まず、送信されるデータが発生すると、上記送信データは、エンコーダ201へ入力される。エンコーダ201は、上記送信データをあらかじめ設定されているエンコーディング(encoding)方式を介してエンコーディングした後に、インターリーバー203へ出力する。ここで、上記送信されるデータは、上記基地局受信器の信号処理器284で生成された送信加重値w T,kを含むフィードバック情報(FeedBack Information;FBI)データである。上記送信加重値w T,kについては、下記で説明するので、ここでは、その詳細な説明を省略する。また、上記エンコーディング方式は、ターボ(turbo)エンコーディング方式、あるいは、畳込み(convolutional)エンコーディング方式になることができる。エンコーダ201から出力された信号を受信すると、インターリーバー203は、バーストエラー(burst error)を防止するために、あらかじめ設定されているインターリービング方式を通して上記信号をインターリービングした後に、送信ビーム生成器205へ出力する。ここで、インターリーバー203から出力された信号を“z ' k”で示す。すると、信号処理器207は、インターリーバー203から出力された信号z ' kに基づいて加重値を計算した後に、送信ビーム生成器205へ出力する。送信ビーム生成器205は、インターリーバー203から出力された信号z ' k及び信号処理器207で計算された加重値を考慮して、送信ビーム(transmission beam)を生成した後に、第1の拡散器211、第2の拡散器221、...、第Nの拡散器231のそれぞれへ出力する。ここで、送信ビーム生成器205は、インターリーバー203から出力された信号を受信して、第1のアンテナ241、第2のアンテナ243、...、第Nのアンテナ245のそれぞれを介して送信されることができるように上記送信ビームを生成して、第1の拡散器211、第2の拡散器221、...、第Nの拡散器231のそれぞれへ出力する。
上記送信ビームを生成するための具体的な動作は、本発明とは直接的な関連がないので、ここでは、その詳細な説明を省略する。もちろん、上記基地局の受信器が上記移動局の送信器から上記フィードバック情報データを以前の時点で受信した場合に、送信ビーム生成器205は、上記フィードバック情報データに含まれている送信加重値w T,kを使用して、上記送信ビームを生成することができる。上記送信加重値w T,kを受信して上記送信ビームを生成する過程は、図3を参照して説明するので、ここでは、その詳細な説明を省略する。送信ビーム生成器205から出力された信号の集合を“y ' k”で示す。結局、上記y ' kは、送信ビーム生成器205から生成された信号の集合であり、k番目のアンテナにマッピングされる
第1の拡散器211は、送信ビーム生成器205から出力された信号y ' 1を受信して、あらかじめ設定されている拡散コード(spreading code)をもって信号y ' 1を拡散した後に、第1のRF処理器213へ出力する。第1の拡散器211から出力された信号を受信すると、第1のRF処理器213は、上記信号に対してRF処理を施してデュプレクサー240へ出力する。ここで、上記RF処理器のそれぞれは、増幅器(amplifier)と、周波数変換器(frequency converter)と、フィルター(filter)と、アナログ/デジタル変換器(analog to digital converter)とから構成されてRF信号を処理する。また、第2の拡散器221は、送信ビーム生成器205から出力された信号y ' 2を受信して、あらかじめ設定されている拡散コードを使用して信号y ' 2を拡散する。その後に、第2の拡散器221は、第2のRF処理器223へ信号y ' 2を出力する。第2の拡散器221から出力された信号を受信すると、第2のRF処理器223は、上記信号に対してRF処理を施してデュプレクサー240へ出力する。このような方式にて、第Nの拡散器231は、送信ビーム生成器205から出力された信号y ' Nを受信して、あらかじめ設定されている拡散コードを使用して信号y ' Nを拡散した後に、第NのRF処理器233へ出力する。第Nの拡散器231から出力された信号を受信すると、第NのRF処理器233は、上記信号に対してRF処理を施してデュプレクサー240へ出力する。
デュプレクサー240は、制御器(図示せず)の制御下に、上記信号の送信時点及び受信時点をスケジューリング(scheduling)することによって、上記信号の送受信動作を制御する。また、デュプレクサー240の送受信動作に従って、第1のアンテナ241と、第2のアンテナ243と、...、第Nのアンテナ245とは、送信アンテナ(Tx.ANT)として動作することもでき、受信アンテナ(Rx.ANT)として動作することもできる。
二番目に、上記CDMA移動通信システムの基地局受信器について説明する。
上記受信器は、第1のRF処理器251と、第2のRF処理器261と、...、第NのRF処理器271とを含むN個のRF処理器と、上記RF処理器のそれぞれに対応する第1の多重経路探索器253と、第2の多重経路探索器263と、...、第Nの多重経路探索器273とを含むN個の多重経路探索器(multipath searcher)と、上記多重経路探索器のそれぞれで探索したL個の多重経路に関する信号を処理するための第1のフィンガー280−1と、第2のフィンガー280−2と、...、第Lのフィンガー280−Lとを含むL個のフィンガー(finger)と、上記L個のフィンガーのそれぞれから出力された多重経路信号を結合する多重経路結合器(multipath combiner)291と、デインターリーバー(de-interleaver)293と、デコーダ(decoder)295とから構成される。
まず、複数の送信器から送信された信号は、多重経路フェージング無線チャンネル(fading radio channel)を介して上記N個のアンテナで受信される。デュプレクサー240は、第1のアンテナ241を介して受信された信号を第1のRF処理器251へ出力する。デュプレクサー240から出力された信号を受信すると、第1のRF処理器251は、上記信号に対してRF処理を施して基底帯域(baseband)デジタル信号に変換する。すると、第1のRF処理器251は、第1の多重経路探索器253へ上記基底帯域デジタル信号を出力する。第1のRF処理器251から出力された基底帯域デジタル信号を受信すると、第1の多重経路探索器253は、上記基底帯域デジタル信号をL個の多重経路成分に分離し、上記分離されたL個の多重経路成分を第1のフィンガー280−1乃至第Lのフィンガー280−Lのそれぞれへ出力する。ここで、第1のフィンガー280−1乃至第Lのフィンガー280−Lのそれぞれは、L個の多重経路のそれぞれに一対一マッピングされて、多重経路成分を処理する。上記N個の受信アンテナを介して受信された信号のそれぞれに対して、L個の多重経路を考慮するので、N×L個の信号に対して信号処理を行わなければならない。上記N×L個の信号のうち、同一の経路を有する信号が同一のフィンガーへ出力される。
また、デュプレクサー240は、第2のアンテナ243を介して受信された信号を第2のRF処理器261へ出力する。デュプレクサー240から出力された信号を受信すると、第2のRF処理器261は、上記信号をRF処理して基底帯域デジタル信号へ変換した後に、第2の多重経路探索器263へ出力する。第2のRF処理器261から出力された上記基底デジタル信号を受信すると、第2の多重経路探索器263は、上記基底デジタル信号をL個の多重経路成分に分離し、上記分離されたL個の多重経路成分のそれぞれを第1のフィンガー280−1乃至第Lのフィンガー280−Lのそれぞれへ出力する。
同一の方式にて、デュプレクサー240は、第Nのアンテナ245を介して受信された信号を第NのRF処理器271へ出力する。デュプレクサー240から出力された信号を受信すると、第NのRF処理器271は、上記信号をRF処理して基底帯域デジタル信号に変換した後に、第Nの多重経路探索器273へ出力する。第NのRF処理器271から出力された上記基底帯域デジタル信号を受信すると、第Nの多重経路探索器273は、上記基底帯域デジタル信号をL個の多重経路成分に分離し、上記分離されたL個の多重経路成分のそれぞれを第1のフィンガー280−1乃至第Lのフィンガー280−Lのそれぞれへ出力する。
このような方式にて、上記N個の受信アンテナのそれぞれを介して受信された信号のL個の多重経路信号のうち、同一の多重経路信号は、同一のフィンガーへ入力される。例えば、第1のアンテナ241乃至第Nのアンテナ245からの第1の多重経路信号は、第1のフィンガー280−1へ入力される。このような方式にて、第1のアンテナ241乃至第Nのアンテナ245の第Lの多重経路信号は、第Lのフィンガー280−Lへ入力される。一方、第1のフィンガー280−1乃至第Lのフィンガー280−Lのそれぞれは、実際入出力される信号が相互に異なるだけで、その構成及び動作が同一である。従って、説明の便宜上、第1のフィンガー280−1の動作についてのみ説明する。
第1のフィンガー280−1は、上記N個の多重経路探索器のそれぞれに対応するN個の逆拡散器、すなわち、第1の逆拡散器281と、第2の逆拡散器282と、...、第Nの逆拡散器283とのN個の逆拡散器と、第1の逆拡散器281乃至第Nの逆拡散器283のそれぞれから出力された信号を受信して、受信ビーム(beam)を生成するための受信加重値w R,kと、上記基地局の受信器に対する移動局の送信器の送信加重値w T,kとを計算する信号処理器284と、信号処理器284で計算した受信加重値w R,kに基づいて上記受信ビームを生成するための受信ビーム生成器285と、信号処理器284で計算した送信加重値w T,kを含むフィードバック情報を生成するためのフィードバック情報生成器286とから構成される。
まず、第1の多重経路探索器253から出力された第1の多重経路信号は、第1の逆拡散器281へ入力される。第1の逆拡散器281は、第1の多重経路探索器253から出力された第1の多重経路信号を、あらかじめ設定されている逆拡散コード(de-spreading code)をもって逆拡散して、信号処理器284及び受信ビーム生成器285へ出力する。また、第2の多重経路探索器263から出力された第1の多重経路信号は、第2の逆拡散器282へ入力される。第2の逆拡散器282は、第2の多重経路探索器263から出力された第1の多重経路信号をあらかじめ設定されている拡散コードをもって逆拡散して、信号処理器284及び受信ビーム生成器285へ出力する。このような方式にて、第Nの多重経路探索器273から出力された第1の多重経路信号は、第Nの逆拡散器283へ入力される。第Nの逆拡散器283は、第Nの多重経路探索器273から出力された第1の多重経路信号をあらかじめ設定されている拡散コードをもって逆拡散して、信号処理器284及び受信ビーム生成器285へ出力する。
信号処理器284は、第1の逆拡散器281乃至第Nの逆拡散器283から出力された信号を受信して、受信ビームの生成のための受信加重値w R,kを計算する。ここで、第1の多重経路探索器253乃至第Nの多重経路探索器273のそれぞれから出力された第1の多重経路信号の集合を“x k”であると定義する。ここで、第1の多重経路信号集合x kは、k番目の時点で第1のアンテナ241乃至第Nのアンテナ245のそれぞれを介して受信された第1の多重経路信号の集合を示し、第1の多重経路信号集合x kを構成する第1の多重経路信号のそれぞれは、すべてベクトル信号である。そして、上記受信加重値w R,kは、k番目の時点で、第1のアンテナ241乃至第Nのアンテナ245のそれぞれを介して受信された第1の多重経路信号のそれぞれに適用される受信加重値の集合を示し、上記受信加重値の集合w R,kを構成する加重値のそれぞれは、すべてベクトル信号である。
そして、第1の多重経路信号集合x k内のすべての第1の多重経路信号が逆拡散された信号の集合を“y k”であると定義する。ここで、第1の多重経路信号の逆拡散信号集合y kは、k番目の時点で、第1のアンテナ241乃至第Nのアンテナ245のそれぞれを介して受信された第1の多重経路信号のそれぞれが逆拡散された信号の集合を示し、第1の多重経路信号の逆拡散信号集合y kを構成する逆拡散信号のそれぞれは、すべてベクトル信号である。以下、説明の便宜上、“集合”については、その用語を省略し、下線が引かれた(underlined)パラメータ(parameter)は、特定のエレメント(element)の集合を示すことに留意しなければならない。また、第1の逆拡散器281乃至第Nの逆拡散器283のそれぞれがあらかじめ設定されている逆拡散コードを使用して第1の多重経路信号x kを逆拡散するので、受信することを望む信号の受信電力(power)が、干渉信号(interference signal)の受信電力に比べてプロセス利得(process gain)だけ増幅される。
一方、上述したように、第1の多重経路信号x kの逆拡散信号y kは、信号処理器284へ入力される。信号処理器284は、第1の多重経路信号x kが逆拡散された信号y kに基づいて受信加重値w R,kを計算して、受信ビーム生成器285へ出力する。結果的に、信号処理器284は、第1のアンテナ241乃至第Nのアンテナ245のそれぞれから出力された総計でN個の第1の多重経路信号であるx kが逆拡散された信号y kをもって、第1のアンテナ241乃至第Nのアンテナ245のそれぞれから出力された第1の多重経路信号x kに適用された総計でN個の受信加重値w R,kを計算する。受信ビーム生成器285は、上記総計でN個の第1の多重経路信号x kが逆拡散された信号y k及び総計でN個の受信加重値w R,kを受信する。そして、受信ビーム生成器285は、上記総計でN個の受信加重値w R,kをもって受信ビームを生成した後に、第1の多重経路信号x kが逆拡散された信号y k及び上記受信ビームの該当受信加重値w R,kの内積を計算して、第1のフィンガー280−1の出力信号zkとして出力する。また、上記基地局受信器のN個のフィンガーのそれぞれから出力された出力信号zkの集合であるz kが、最終的に、多重経路結合器291へ入力される。また、信号処理器284は、受信加重値w R,kを使用して、送信加重値w T,kを計算した後に、上記送信加重値w T,kをフィードバック情報生成器286へ出力する。従って、フィードバック情報生成器286は、上記送信加重値w T,kを含むフィードバック情報を生成する。ここで、上記基地局送信器は、フィードバック情報生成器286から生成されたフィードバック情報を送信する。例えば、上記フィードバック情報は、専用物理チャンネル(Dedicated Physical Channel:DPCH)を介して送信されることができる。
上記の説明では、第1のフィンガー280−1のみを例に挙げてその動作を説明したが、第1のフィンガー280−1だけではなく、残りのフィンガーも第1のフィンガー280−1と同一の動作を遂行する。従って、多重経路結合器291は、第1のフィンガー280−1乃至第Lのフィンガー280−Lから出力された信号を結合して、デインターリーバー293へ出力する。デインターリーバー293は、多重経路結合器291から出力された信号を送信器で適用したインターリービング(interleaving)方式に相当するデインターリービング方式にてデインターリービングした後に、デコーダ295へ出力する。デコーダ295は、デインターリーバー293から出力された信号を送信器で適用したエンコーディング(encoding)方式に相当するデコーディング(decoding)方式にてデコーディングして、最終の受信データとして出力する。
図2は、上記基地局の受信器が送信加重値w T,kを計算し、上記送信加重値w T,kを上記基地局の送信器へ送信する場合を示す。しかしながら、上記基地局の送信器及び受信器は、上記移動局の送信器及び受信器として使用されることができる。すなわち、図2を参照して、上記フィードバック情報を生成して送信する側面を中心にして説明したものに留意しなければならない。次いで、図3を参照して、本発明の実施例での機能を遂行するCDMA移動通信システムの移動局の送信器及び受信器の構成を説明する。
図3は、本発明の実施例での機能を遂行するCDMA移動通信システムの移動局の送信器及び受信器の構成を示すブロック図である。図3を説明するにあたっては、本発明の第1実施例での機能を遂行するための移動局の送信器及び受信器の構成は、図1と関連して説明した送信器及び受信器の構成と同一である。ただ、図3に新たに付加されたフィードバック情報生成器307と、送信ビーム生成器305がフィードバック送信加重値を使用して送信ビームを生成する動作のみ相互に異なる、という点に留意しなければならない。
また、図3を説明するに先立って、上記CDMA移動通信システムは、上記MIMO−AAA方式を使用すると仮定する。すると、上記送信器及び受信器は、複数の送信アンテナ及び受信アンテナを備えなければならない。しかしながら、図2では、上記送信器及び受信器は、別途の送信アンテナ及び受信アンテナを備えるものではなく、同一のアンテナは、デュプレクサーを使用することによって、時分割方式を通して上記送信器及び上記受信器に使用されると仮定する。また、図3では、N個のアンテナを使用すると仮定する。
次いで、一番目に、上記CDMA移動通信システムの移動局の送信器について説明する。
図3を参照すると、上記送信器は、エンコーダ301と、インターリーバー303と、送信ビーム生成器305と、フィードバック情報処理器307と、第1の拡散器311、第2の拡散器321、...、第Nの拡散器331を含む複数の拡散器と、第1のRF処理器313、第2のRF処理器323、...、第NのRF処理器333を含むN個のRF処理器とから構成される。また、デュプレクサー340は、上記移動局の送信器及び受信器のすべてに共通的に使用され、第1のアンテナ341、第2のアンテナ343、...、第Nのアンテナ345を含むN個のアンテナは、上記移動局の送信器及び受信器のすべてに共通的に使用される。ここで、エンコーダ301と、インターリーバー303と、第1の拡散器311、第2の拡散器321、...、第Nの拡散器331と、第1のRF処理器313、第2のRF処理器323、...、第NのRF処理器333は、図2に示したエンコーダ201と、インターリーバー203と、第1の拡散器211、第2の拡散器221、...、第Nの拡散器231と、第1のRF処理器213、第2のRF処理器223、...、第NのRF処理器233と同一の動作を遂行するので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
フィードバック情報処理器307は、上記移動局の受信器が受信したフィードバック情報を分析して、上記フィードバック情報に含まれている送信加重値w T,kを検出し、上記検出された送信加重値w T,kを送信ビーム生成器305へ送信する。上記移動局の受信器がフィードバック情報を受信する手順は、下記で説明するので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
送信ビーム生成器305は、上記送信加重値w T,kに相当する送信ビームを生成する。
二番目に、上記CDMA移動通信システムの移動局の受信器について説明する。
上記受信器は、第1のRF処理器351と、第2のRF処理器361と、...、第NのRF処理器371とを含むN個のRF処理器と、上記RF処理器のそれぞれに対応する第1の多重経路探索器353と、第2の多重経路探索器363と、...、第Nの多重経路探索器373とを含むN個の多重経路探索器(multipath searcher)と、上記多重経路探索器のそれぞれで探索したL個の多重経路に関する信号を処理するための第1のフィンガー380−1と、第2のフィンガー380−2と、...、第Lのフィンガー380−Lとを含むL個のフィンガー(finger)と、上記L個のフィンガーのそれぞれから出力された多重経路信号を結合する多重経路結合器(multipath combiner)391と、デインターリーバー(de-interleaver)393と、デコーダ(decoder)395とから構成される。ここで、第1のRF処理器351、第2のRF処理器361、...、第NのRF処理器371と、第1の多重経路探索器353、第2の多重経路探索器363、...、第Nの多重経路探索器373と、第1のフィンガー380−1、第2のフィンガー380−2、...、第Lのフィンガー380−Lと、多重経路結合器391と、デインターリーバー393と、デコーダー395とは、図2に示した第1のRF処理器251、第2のRF処理器261、...、第NのRF処理器271と、第1の多重経路探索器253、第2の多重経路探索器263、...、第Nの多重経路探索器273と、第1のフィンガー280−1、第2のフィンガー280−2、...、第Lのフィンガー280−Lと、多重経路結合器291と、デインターリーバー293と、デコーダー295と同一の動作を遂行するので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
デコーダー395から最終的に出力された受信データは、送信加重値w T,kを含むフィードバック情報であり、デコーダー395から出力されたフィードバック情報は、フィードバック情報処理器307へ入力される。
図3は、上記移動局の受信器がフィードバック情報を受信し、上記移動局の送信器が上記フィードバック情報に含まれている送信加重値w T,kを使用して、上記送信ビームを生成する場合を示す。しかしながら、上記移動局の送信器及び受信器は、上記基地局の送信器及び受信器として使用されることもできる。すなわち、図3を参照して、送信加重値w T,kを含むフィードバック情報を受信する側面を中心として説明したことに留意しなければならない。
次いで、図4を参照して信号処理器の構成を説明する。
図4は、本発明での機能を遂行する信号処理器の構成を示すブロック図である。
図4を説明するにあたって、説明の便宜上、上記基地局の受信器の構成のうち、本発明と直接的に関連する構成のみを説明する。ここで、上記基地局の受信器が上記送信加重値w T,kを計算する場合を例に挙げて説明したので、図4に示す信号処理器の構成は、上記移動局の受信器にも適用されることができるのは勿論である。
図4を参照すると、まず、任意の時点kでの受信信号x kが入力される場合に、逆拡散器410は、あらかじめ設定されている逆拡散コードを使用して受信信号x kを逆拡散し、上記逆拡散された受信信号y kを信号処理器430及び受信ビーム生成器420へ出力する。信号処理器430は、加重値計算器431と、メモリ433と、収束判断器435とから構成される。説明の便宜上、図4に示す信号処理器430は、図2に示した基地局受信器の第1のフィンガー280−1の構成を例に挙げて説明する。従って、1つの逆拡散器410のみが図4に示されるとしても、逆拡散器410は、第1のフィンガー280−1の第1の逆拡散器281乃至第Nの逆拡散器283のN個の逆拡散器の動作と実質的に同一の動作を遂行することができる。
信号処理器430の加重値計算器431は、上記逆拡散された受信信号y kを受信して、あらかじめ設定されている常数利得値μ、初期加重値w R,0、及び受信ビーム生成器420から出力された第1のフィンガー280−1の出力信号z kを上記逆拡散された受信信号y kに適用することによって、上記受信加重値w R,k及び上記送信加重値w T,kを計算して、メモリ433へ出力する。ここで、メモリ433は、加重値計算器431で計算した上記受信加重値w R,k及び上記送信加重値w T,kに対するバッファリング(buffering)動作を遂行し、加重値計算器431は、上記受信加重値w R,k及び上記送信加重値w T,kを更新する際に、メモリ433に貯蔵されている上記受信加重値w R,k及び上記送信加重値w T,kを使用することができる。すなわち、任意の時点kで計算された受信加重値w R,k及び送信加重値w T,kを使用して、次の時点k+1での受信加重値w R,k及び送信加重値w T,kを更新する。また、加重値計算器431は、収束判断器435の制御下に、上記受信加重値w R,k及び上記送信加重値w T,kを計算する。すなわち、収束判断器435は、加重値計算器431が上記受信加重値w R,k及び上記送信加重値w T,kを計算する際に、加重値計算器431の計算方式を制御することができる。ここで、上記受信加重値w R,k及び上記送信加重値w T,kは、上記CM方式またはDD方式によって計算されることができる。収束判断器435を使用して上記CM方式及びDD方式のうちのいずれか1つの方式を選択する手順について説明する。
上述したように、本発明は、信号収束ステップ及び信号安定化ステップを含む2ステップのLMS方式を介して目的の受信信号d(k)を取得することができる。上記CM方式は、信号が低速で収束する、という短所がある。また、上記DD方式は、フェージングがひどいチャンネル、すなわち、高速フェージングチャンネル(fast fading channel)及び高次変調方式では、収束しない確率が高い、という短所がある。従って、本発明は、上記CM方式と上記DD方式とが、その特性に合うように、信号収束ステップ及び信号安定化ステップにおいて使用されるように制御動作を遂行し、比較的高速でありながらも、小さいMSE値に収束するように制御する。従って、収束ステップ及び安定化ステップを区分する過程は、性能向上において、非常に重要な要素として作用する。
本発明は、上記収束ステップと安定化ステップとを区分するためには、下記のような方式を使用する。
まず、時間領域(time domain)t=1,2,3,4,...でのMSEを“St”であると定義する。すなわち、上記Stは、任意の時点‘t’で受信された信号のMSEを示す。この場合に、上記収束ステップと安定化ステップとを区分するための基準として、現在の時点t=tでのStと次の時点t=t−1でのSt−1との差を“dt”であると定義する。上記StとSt−1との差dtを式(31)のように定義する。
すなわち、上記収束ステップから上記安定化ステップへの遷移は、上記dtがあらかじめ設定された第1のしきい値dPの絶対値以下の値を有する場合である(dt≦|dp|)。ここで、第1のしきい値dPは、上記OFDM移動通信システムに適合したあらかじめ設定された値である。結果的に、StとSt−1との差dtが非常に小さい場合には、収束ステップから安定化ステップへ遷移する。
次いで、図8を参照して、上記信号収束ステップから信号安定化ステップへ遷移するステップを説明する。
図8は、本発明の実施例による信号収束ステップから信号安定化ステップへ遷移する条件を概略的に示すグラフである。
図8を参照すると、以前の区間の任意の時点t−1での受信信号のMSEであるSt−1 beforeと以前の区間の現在の時点tでの受信信号のMSEであるSt beforeとの差がdt beforeであり、次の区間の任意の時点t−1での受信信号のMSEであるSt−1 afterと次の区間の任意の時点tでの受信信号のMSEであるSt afterとの差がdt afterである。図8において、縦軸は、エラーレベル(error level)を示し、横軸は、反復(iteration)回数を示す。従って、上記“以前の区間”は、比較的反復回数が少ない区間を示し、上記“次の区間”は、上記以前の区間に比べて、比較的反復回数が多い区間を示す。上記以前の区間のSt−1 beforeとSt beforeとの差dt beforeは、第1のしきい値dpの絶対値を超過する値を有するので、上記以前の区間では、そのまま収束ステップが保持される。上記次の区間のSt−1 afterとSt afterとの差dt afterは、第1のしきい値dpの絶対値未満の値を有するので、上記次の区間では、 安定化ステップへ遷移するようになる。しかしながら、第1のしきい値dpの絶対値のみを基準にして安定化ステップへ遷移する場合には、初期収束領域は識別されない。従って、上記初期収束領域を識別するために、第2のしきい値dp_referenceを設定し、上記dtが第1のしきい値dpの絶対値以下の値を有しながらも、上記Stが第2のしきい値dp_reference未満の値を有する場合に(dt≦|dp|,St<dp_reference)、上記収束ステップから安定化ステップへ遷移する。
結局、図4において、収束判断器435は、StとSt−1との差dtを使用して、受信信号のMSE値が第1のしきい値dpに収束したか否かに従って、そして、上記Stが第2のしきい値dp_reference未満の値を有するか否かに従って、加重値計算器431がCM方式を使用するか、又は、DD方式を使用するかを制御する。すなわち、収束判断器435は、上記収束ステップでは、加重値計算器431がCM方式を使用するように制御し、上記安定化ステップでは、加重値計算器431がDD方式を使用するように制御する。
次いで、図5を参照して、本発明の実施例によるMIMO−AAA方式を使用して、データを送受信する手順を説明する。
図5は、本発明の実施例によるMIMO−AAA方式を使用してデータを送受信する手順を示すフロー図である。
図5を参照すると、まず、基地局500は、受信信号を逆拡散し(ステップ511)、上記逆拡散された受信信号を使用して受信加重値w R,k及び送信加重値w T,kを計算する(ステップ513)。また、基地局500は、送信加重値w T,kを含むフィードバック情報を生成し、上記生成されたフィードバック情報を移動局550へ送信する(ステップ515)。移動局550は、基地局500からのフィードバック情報を受信し(ステップ551)、上記受信されたフィードバック情報から送信加重値w T,kを検出する(ステップ553)。移動局550は、上記検出された送信加重値w T,kを使用して送信ビームを生成する(ステップ555)。図5では、基地局500が送信加重値w T,kを移動局550へフィードバックし、移動局550が送信加重値w T,kを使用して上記送信ビームを生成する過程を例に挙げて説明したが、上述したように、移動局550が送信加重値w T,kを基地局500にフィードバックし、基地局500が上記フィードバックされた送信加重値w T,kを使用して、上記送信ビームを生成することも可能である。
次いで、図6を参照して、本発明の実施例による基地局受信器の信号受信手順を説明する。
図6は、本発明の実施例による基地局受信器の信号受信手順を示すフローチャートである。
図2では、基地局受信器がフィードバック情報を生成する場合を例に挙げて説明したので、図6を参照して、上記基地局受信器の信号受信手順を説明する。上記移動局受信器が上記フィードバック情報を生成する場合にも、上記基地局受信器の信号受信手順と同一の手順を遂行するという点に留意しなければならない。図6を参照すると、まず、上記基地局受信器は、ステップ611で、初期加重値w R,0、w T,0と、常数利得値μと、第1のしきい値dpと、第2のしきい値dp_referenceとを設定し、ステップ613に進行する。ステップ613で、上記基地局受信器は、通信が終了されたか否かを検査する。上記検査の結果、上記通信が終了された場合には、上記基地局受信器は、現在までの信号受信手順を終了する。
ステップ613で、検査の結果、通信が終了されない場合に、上記基地局受信器は、ステップ615へ進行する。ステップ615で、上記基地局受信器は、上記受信信号x kが逆拡散された信号y kを受信した後に、ステップ617へ進行する。
ステップ617で、上記基地局受信器は、上記逆拡散された信号y k及び受信加重値w R,kを使用して、上記基地局受信器のそれぞれのフィンガーから出力された信号zkの集合z kを計算した後に(z k=w k H y k)、ステップ619へ進行する。ここで、上記z kは、上記受信加重値w R,kを使用して生成された受信ビームによって生成されたフィンガー(finger)の出力信号の集合となる。
このとき、上記基地局受信器が初期段階に存在するので、上記基地局は、上記信号収束ステップに存在することができる。従って、ステップ619で、上記基地局受信器は、上記CM方式に従って、上記受信信号x kと受信することを望む信号dkとの差であるエラー関数ekを計算した後に(ek=dk,CM-zk)、ステップ621へ進行する。
ステップ621で、上記基地局受信器は、上記逆拡散された信号y kとエラー関数ekとを使用して、コスト関数の微分値を計算した後に(∇J(w R,k)=−2e* k y k)、ステップ623へ進行する。
ステップ623で、上記基地局受信器は、ビーム生成係数、すなわち、受信加重値w R,k及び送信加重値w T,kを計算した後に(w R,k=w R,k-1−μy ke* k、w T,k=w T,k-1−μz ke* k w T,k *)、ステップ625へ進行する。ステップ625で、上記基地局受信器は、StとSt−1との差dtが収束条件を満足するか、すなわち、上記dtが第1のしきい値dpの絶対値以下の値を有しながらも、上記Stが第2のしきい値dp_reference未満の値を有するか否かを検査する(dt≦|dp|,St<dp_reference)。上記検査の結果、上記dtが第1のしきい値dpの絶対値以下の値を有しないか、あるいは、上記Stが第2のしきい値dp_reference未満の値を有しない場合に、すなわち、上記dtが第1のしきい値dpの絶対値を超過するか、あるいは、上記Stが第2のしきい値dp_reference以上の値を有する場合に、上記基地局受信器は、ステップ627へ進行する。ステップ627で、上記基地局受信器は、現在計算されている送信加重値w T,kを移動局送信器へ送信し、また、現在計算されている受信加重値w R,kをそのまま維持し、ステップ629へ進行する。ステップ629で、上記基地局受信器は、あらかじめ設定されている単位の時間を遅延した後に、ステップ631へ進行する。ここで、上記あらかじめ設定されている単位の時間を遅延する理由は、k番目のスナップで決定された値を(k+1)番目のスナップに使用するためである。すなわち、状態遷移遅延(state transition delay)時間を考慮するためである。ステップ631で、上記基地局受信器は、上記k値を1増加させ、すなわち、現在の時点kから次の時点k+1へ遷移した後に、ステップ613へ戻る。
一方、ステップ625で、上記検査の結果、上記dtが第1のしきい値dpの絶対値以下の値を有しながらも、上記Stが第2のしきい値dp_reference未満の値を有する場合に、上記基地局受信器は、ステップ633へ進行する。ステップ633で、上記基地局受信器は、あらかじめ設定されている単位時間だけ遅延した後に、ステップ635へ進行する。ここで、上記あらかじめ設定されている単位時間だけ遅延する理由も、上記状態遷移遅延時間を考慮するためである。ステップ635で、上記基地局受信器は、上記k値を1増加させ、すなわち、現在の時点kから次の時点k+1へ遷移した後に、ステップ637へ戻る。ステップ637で、上記基地局受信器は、通信が終了されたか否かを検査する。上記検査の結果、通信が終了された場合には、上記基地局受信器は、現在までの手順を終了する。
ステップ637で、検査の結果、通信が終了されなかった場合に、上記基地局受信器は、ステップ639へ進行する。ステップ639で、上記基地局受信器は、現在安定化ステップに存在するので、上記DD方式に従って、上記受信信号x kと受信することを望む信号dkとの差であるエラー関数ekを計算した後に(ek=dk,DD-zk)、ステップ641へ進行する。ステップ641で、上記基地局受信器は、上記逆拡散された信号y k及びエラー関数ekを使用して、コスト関数の微分値を計算した後に(∇J(w R,k)=−2e* k y k)、ステップ643へ進行する。ステップ643で、上記基地局受信器は、ビーム生成係数、すなわち、加重値(w R,k=w R,k-1−μy ke* k、w T,k=w T,k-1−μz ke* k w T,k *)を計算した後に、ステップ645へ進行する。ステップ645で、上記基地局受信器は、現在計算されている送信加重値w T,kを移動局送信器へ送信し、また、現在計算されている受信加重値w R,kをそのまま維持し、その後に、上記基地局受信器は、ステップ633へ戻る。
次いで、図9を参照して、受信アンテナ、例えば、スマートアンテナ(smart antenna)を使用する場合に、受信アンテナの個数に従って、本発明の2ステップの加重値生成方式の特性をシミュレーションした結果について説明する。
図9は、本発明の実施例による2ステップの加重値生成方式を使用する場合の基地局受信器の受信アンテナの個数に従う特性曲線を示すグラフである。
図9は、6つの受信アンテナを有する基地局受信器と10個の受信アンテナを有する基地局受信器とに対する放射パターンを示す。例えば、任意の移動局が57°に位置していると仮定すると、上記6つの受信アンテナを有する基地局受信器に比べて、10個の受信アンテナを有する基地局受信器が約0.2の正規化されたアンテナ利得(antenna gain)を有することが分かることができ、また、受信ビームをさらに正確に生成することができる。結果的に、移動通信システムの容量という観点では、上記受信アンテナの個数が増加するほど受信信号の大きさを増幅させることができ、従って、正確な通信サービスを可能にし、システム容量を増加させることができる。
次いで、図10を参照して、本発明の実施例での機能を遂行するOFDM移動通信システムの基地局送信器及び基地局受信器の構成について説明する。
図10は、本発明の実施例での機能を遂行する移動通信システムの基地局送信器及び基地局受信器の構成を示すブロック図である。
図10を説明するに先立って、図10に示す基地局送信器及び基地局受信器の構成が図2に示した基地局送信器及び基地局受信器の構成とは異なるとしても、図10に示す基地局送信器及び基地局受信器は、図2を参照して説明されたCDMA移動通信システムの基地局送信器及び基地局受信器と実質的に同一の動作を遂行する、という点に留意しなければならない。すなわち、上記OFDM移動通信システムの基地局送信器及び基地局受信器も、上記CDMA移動通信システムの基地局送信器及び基地局受信器と同様に、受信加重値w R,k及び送信加重値w T,kを計算し、上記計算された送信加重値w T,kを移動局へ送信することができる。また、下記の説明では、上記OFDM移動通信システムが上記MIMO−AAA方式を適用すると仮定する。すると、上記送信器及び受信器は、複数の送信アンテナ及び複数の受信アンテナをそれぞれ備えなければならない。しかしながら、図10では、上記送信器及び受信器は、別途の送信アンテナ及び受信アンテナを備えるものではなく、同一のアンテナは、デュプレクサーを使用することによって、時分割方式を通して上記送信器及び上記受信器に使用されると仮定する。また、N個のアンテナを使用する。
まず、一番目に、上記OFDM移動通信システムの基地局送信器について説明する。
図10を参照すると、上記基地局送信器は、シンボルマッピング器(symbol mapper)1011と、直列/並列変換器(serial to parallel converter)1013と、パイロットシンボル挿入器(pilot symbol inserter)1015と、逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform:以下、“IFFT”と称する)器1017と、並列/直列変換器(parallel to serial converter)1019と、保護区間挿入器(guard interval inserter)1021と、送信ビーム生成器1023と、信号処理器1022と、デジタル/アナログ変換器(digital to analog converter)1025と、RF処理器(processor)1027とから構成される。また、デュプレクサー1029は、上記基地局送信器及び基地局受信器のすべてに共通的に使用され、第1のアンテナ1031、第2のアンテナ1033、...、第Nのアンテナ1035を含むN個のアンテナも、上記基地局送信器及び基地局受信器のすべてに共通的に適用される。
まず、送信される情報データビット(information data bits)が発生すると、すなわち、送信加重値w T,kを含むフィードバック情報データが発生すると、上記フィードバック情報データは、シンボルマッピング器1011へ入力される。上記フィードバック情報データを受信すると、シンボルマッピング器1011は、上記フィードバック情報データに対するシンボル変換を行うために、あらかじめ設定されている変調方式を介して上記フィードバック情報データを変調した後、直列/並列変換器1013へ出力する。ここで、上記あらかじめ設定されている変調方式としては、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式、あるいは、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)方式が使用されることができる。直列/並列変換器1013は、シンボルマッピング器1011から出力された直列変調シンボルを受信すると、上記直列変調シンボルを並列変調シンボルへ変換した後に、パイロットシンボル挿入器1015へ出力する。すると、パイロットシンボル挿入器1015は、パイロットシンボルを直列/並列変換器1013から出力された並列変調シンボルに挿入した後に、上記パイロットシンボルを有する並列変調シンボルをIFFT器1017へ出力する。
IFFT器1017は、パイロットシンボル挿入器1015から出力された信号を受信すると、上記信号に対するN−ポイント(n-point)IFFTを遂行した後に、並列/直列変換器1019へ出力する。並列/直列変換器1019は、IFFT器1017から出力された信号を受信して、上記並列信号を直列信号に変換した後に、保護区間挿入器1021へ出力する。保護区間挿入器1021は、並列/直列変換器1019から出力された直列信号を受信すると、保護区間信号を上記直列信号に挿入した後に、上記保護区間信号を含む信号を信号処理器1022へ出力する。信号処理器1022は、保護区間挿入器1021から出力された信号を考慮して加重値を計算して、送信ビーム生成器1023へ出力する。すると、送信ビーム生成器1023は、保護区間挿入器1021から出力された信号及び信号処理器1022で計算された加重値を考慮して送信ビームを生成し、上記送信ビームが第1のアンテナ1031、第2のアンテナ1033、...、第Nのアンテナ1035のそれぞれへ送信されることができるように、デジタル/アナログ変換器1025へ出力する。ここで、送信ビーム生成器1023は、上記送信ビームを生成するための加重値を別途に計算して、上記送信ビームを生成することができる。上記送信ビームを生成するための具体的な動作は、本発明とは直接的な関連がないので、ここでは、その詳細な説明を省略する。もちろん、上記基地局受信器が、以前の時点で、上記フィードバック情報データを上記移動局送信器から受信した場合に、送信ビーム生成器1023は、上記フィードバック情報データに含まれている送信加重値w T,kを使用して、上記送信ビームを生成することができる。また、上記保護区間は、上記OFDM通信システムでOFDMシンボルを送信する場合に、以前のOFDMシンボル送信時間に送信された以前のOFDMシンボルと現在のOFDMシンボル送信時間に送信された現在のOFDMシンボルとの間の干渉(interference)を除去するために、送信される信号に挿入されなければならない。上記保護区間は、時間領域のOFDMシンボルの最後の一定のサンプルをコピーして、有効なOFDMシンボルに挿入する形態の“サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix)”方式、あるいは、時間領域のOFDMシンボルの先頭の一定のサンプルをコピーして、有効なOFDMシンボルに挿入する“サイクリックポストフィックス(Cyclic Postfix)”方式のうちのいずれか1つの方式にて挿入される。デジタル/アナログ変換器1025は、送信ビーム生成器1023から出力された信号を受信してアナログ信号へ変換した後に、RF処理器1027へ出力する。ここで、RF処理器1027は、フィルター(filter)及びフロントエンドユニット(front end unit)を含み、デジタル/アナログ変換器1025から出力された信号を実際のエアー(air)を介して送信が可能であるようにRF処理を遂行した後に、デュプレクサー1029へ出力する。デュプレクサー1029は、RF処理器1027から出力された信号を受信して、該当信号送信時点で、上記アンテナを介してエアー上に送信する。
二番目に、上記OFDM移動通信システムの基地局受信器について説明する。
上記基地局受信器は、デュプレクサー1029と、RF処理器1037と、アナログ/デジタル変換器(analog/digital converter)1039と、受信ビーム生成器1041と、信号処理器1043と、フィードバック情報生成器1045と、保護区間除去器(guard interval remover)1047と、直列/並列変換器1049と、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:以下、“FFT”と称する)器1051と、パイロットシンボル抽出器(pilot symbol extractor)1053と、同期及びチャンネル推定器(synchronization &channel estimator)1055と、等化器(equalizer)1057と、並列/直列変換器1059と、シンボルデマッピング器(symbol demapper)1061とから構成される。
まず、上記移動局送信器から送信された信号は、多重経路チャンネル(multipath channel)を通り、雑音が付加された形態で上記基地局受信器のアンテナを介して受信される。上記アンテナを介して上記基地局受信器で受信された信号は、デュプレクサー1029へ入力される。すると、デュプレクサー1029は、該当信号受信時点で、上記アンテナを介して上記基地局受信器で受信された信号をRF処理器1037へ出力する。デュプレクサー1029からの信号を受信すると、RF処理器1037は、上記信号が中間周波数(IF;Intermediate Frequency)帯域を有するようにダウンコンバーティング(down converting)を行った後に、アナログ/デジタル変換器1039へ出力する。アナログ/デジタル変換器1039は、RF処理器1037から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換した後に、受信ビーム生成器1041及び信号処理器1043へ出力する。信号処理器1043は、アナログ/デジタル変換器1039から出力された信号を受信すると、受信加重値w R,kを計算した後に、上記受信加重値w R,kを使用して送信加重値w T,kを計算する。その後に、信号処理器1043は、上記送信加重値w T,kをフィードバック情報生成器1045へ出力する。フィードバック情報生成器1045は、上記送信加重値w T,kを含むフィードバック情報を生成する。ここで、フィードバック情報生成器1045から生成されたフィードバック情報が、上記基地局送信器から送信される。例えば、上記フィードバック情報は、専用物理チャンネルを介して送信されることができる。
一方、受信ビーム生成器1041から出力された信号は、保護区間除去器1047へ入力される。すなわち、保護区間除去器1047は、受信ビーム生成器1041から出力された信号を受信して上記保護区間信号を除去した後に、直列/並列変換器1049へ出力する。直列/並列変換器1049は、保護区間除去器1047から出力された直列信号を並列信号に変換した後に、FFT器1051へ出力する。FFT器1051は、直列/並列変換器1049からの並列信号を受信すると、上記並列信号に対してN−ポイントFFTを遂行した後に、等化器1057及びパイロットシンボル抽出器1053へ出力する。等化器1057は、FFT器1051から出力された信号を受信して、上記信号に対してチャンネル等化(channel equalization)を遂行した後に、並列/直列変換器1059へ出力する。並列/直列変換器1059は、等化器1057から出力された並列信号を受信して、上記並列信号を上記直列信号に変換した後に、シンボルデマッピング器1061へ出力する。シンボルデマッピング器1061は、並列/直列変換器1059からの信号を受信すると、上記移動局送信器で適用した変調方式に相当するあらかじめ設定された復調方式を介して上記信号を復調し、これによって、受信情報データビットを出力する。
一方、FFT器1051から出力された信号は、パイロットシンボル抽出器1053へ入力される。パイロットシンボル抽出器1053は、FFT器1051から出力された信号からパイロットシンボルを検出し、上記検出されたパイロットシンボルを上記同期及びチャンネル推定器1055へ出力する。同期及びチャンネル推定器1055は、パイロットシンボル抽出器1053から出力されたパイロットシンボルを用いて、同期及びチャンネル推定を遂行し、その結果を等化器1057へ出力する。
図10は、上記基地局受信器が送信加重値w T,kを計算し、上記送信加重値w T,kを上記移動局送信器へ送信する場合を示す。しかしながら、上記基地局の送信器及び受信器は、上記移動局の送信器及び受信器として使用されることができる。すなわち、図10を参照して、上記フィードバック情報を生成して送信する側面を中心にして説明したものに留意しなければならない。
次いで、図11を参照して、本発明の実施例での機能を遂行するOFDM移動通信システムの移動局送信器及び移動局受信器の構成を説明する。
図11は、本発明の実施例での機能を遂行するOFDM移動通信システムの移動局送信器及び移動局受信器の構成を示す。
図11を説明するに先立って、上記OFDM移動通信システムが上記MIMO−AAA方式を使用すると仮定する。すると、上記送信器及び受信器は、複数の送信アンテナ及び複数の受信アンテナを備えなければならない。しかしながら、図11によると、上記送信器及び受信器は、別途の送信アンテナ及び受信アンテナを備えるものではなく、同一のアンテナは、デュプレクサーを使用することによって、時分割方式を通して上記送信器及び上記受信器に使用されると仮定する。また、N個のアンテナを使用する。
次いで、上記OFDM移動通信システムの移動局送信器について説明する。
図11を参照すると、上記移動局の送信器は、シンボルマッピング器1111と、直列/並列変換器1113と、パイロットシンボル挿入器1115と、IFFT器1117と、並列/直列変換器1119と、保護区間挿入器1121と、送信ビーム生成器1123と、フィードバック情報処理器1125と、デジタル/アナログ変換器1127と、RF処理器1129とから構成される。また、デュプレクサー1131は、上記移動局の送信器及び受信器のすべてに共通的に使用され、第1のアンテナ1133と、第2のアンテナ1135と、...、第Nのアンテナ1137とを含むN個のアンテナも、上記移動局の送信器及び受信器のすべてに共通的に使用される。ここで、シンボルマッピング器1111と、直列/並列変換器1113と、パイロットシンボル挿入器1115と、IFFT器1117と、並列/直列変換器1119と、保護区間挿入器1121と、送信ビーム生成器1123と、デジタル/アナログ変換器1127と、RF処理器1129と、デュプレクサー1131との構成及び動作は、図10に示したシンボルマッピング器1011と、直列/並列変換器1013と、パイロットシンボル挿入器1015と、IFFT器1017と、並列/直列変換器1019と、保護区間挿入器1021と、送信ビーム生成器1023と、デジタル/アナログ変換器1025と、RF処理器1027と、デュプレクサー1029との構成及び動作と同一であるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
フィードバック情報処理器1125は、上記移動局受信器が受信したフィードバック情報を分析して、上記フィードバック情報に含まれている送信加重値w T,kを検出し、上記検出された送信加重値w T,kを送信ビーム生成器1123へ送信する。上記移動局受信器がフィードバック情報を受信する手順は、下記で説明するので、ここでは、その詳細な説明を省略する。送信ビーム生成器1123は、上記送信加重値w T,kに相当する送信ビームを生成する。
二番目に、上記OFDM移動通信システムの移動局受信器について説明する。
上記移動局受信器は、RF処理器1139と、アナログ/デジタル変換器1141と、受信ビーム生成器1143と、信号処理器1145と、保護区間除去器1147と、直列/並列変換器1149と、FFT器1151と、パイロットシンボル抽出器1153と、同期及びチャンネル推定器1155と、等化器1157と、並列/直列変換器1159と、シンボルデマッピング器1161とから構成される。ここで、RF処理器1139と、アナログ/デジタル変換器1141と、受信ビーム生成器1143と、信号処理器1145と、保護区間除去器1147と、直列/並列変換器1149と、FFT器1151と、パイロットシンボル抽出器1153と、同期及びチャンネル推定器1155と、等化器1157と、並列/直列変換器1159と、シンボルデマッピング器1161との構成及び動作は、図10に示したRF処理器1037と、アナログ/デジタル変換器1039と、受信ビーム生成器1041と、信号処理器1043と、保護区間除去器1047と、直列/並列変換器1049と、FFT器1051と、パイロットシンボル抽出器1053と、同期及びチャンネル推定器1055と、等化器1057と、並列/直列変換器1059と、シンボルデマッピング器1061との構成及び動作と同一であるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。シンボルデマッピング器1161から最終的に出力された受信データは、送信加重値w T,kを含むフィードバック情報であり、シンボルデマッピング器1161から出力されたフィードバック情報は、フィードバック情報処理器1125へ入力される。
図11は、上記移動局受信器がフィードバック情報を受信し、上記移動局送信器が上記フィードバック情報に含まれている送信加重値w T,kを使用して、上記送信ビームを生成する場合を示す。しかしながら、上記移動局送信器及び受信器は、上記基地局送信器及び受信器として使用されることができる。すなわち、図11を参照して、送信加重値w T,kを含むフィードバック情報を受信する側面を中心として説明したことに留意しなければならない。
以上、本発明の詳細について具体的な実施例に基づき説明してきたが、本発明の範囲を逸脱しない限り、各種の変形が可能なのは明らかである。従って、本発明の範囲は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及び該記載と同等なものにより定められるべきである。