JP4543478B2 - ホウ素含有水の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はホウ素含有水をアルミニウム化合物およびカルシウム化合物により処理するホウ素含有水の処理方法、ならびにさらにイオン交換樹脂より処理するホウ素含有水の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホウ素化合物は種々の分野で使用されており、これらの分野から発生する排水、あるいは他の分野で発生する排水にはホウ素化合物を含むものがある。このような化合物は有害とされているため、ホウ素含有水からホウ素を除去するための処理が行われている。
【0003】
ホウ素含有水の処理方法として、アルミニウム化合物およびカルシウム化合物によりpH9以上で不溶化物として沈澱させ、固液分離する方法がある(特開昭57−81881号)。しかしこの方法では大量の薬剤を使用して大量の汚泥が生成し、この汚泥を中和するとホウ素が溶出するほかホウ素除去率は必ずしも満足できない。またアルミニウム化合物およびカルシウム化合物で処理して固液分離し、分離液をアニオン交換樹脂で処理する方法も知られている(特開昭57−180493号)。この方法では処理水ホウ素濃度は低くなるが、薬剤使用量、汚泥発生量は多く、またアニオン交換樹脂の再生排液の処理が別途必要になり、処理を複雑にするという問題点がある。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】
本発明の課題は、少ない薬剤により高除去率で効率的にホウ素を除去することができ、発生汚泥量が少なく、しかも汚泥を中和してもホウ素の溶出が少ないホウ素含有水の処理方法を得ることである。
本発明の他の課題は、イオン交換樹脂との組合せによりさらに高除去率でホウ素を除去することができ、イオン交換樹脂の再生排液も効率よく処理することが可能なホウ素含有水の処理方法を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のホウ素含有水の処理方法である。
(1) ホウ素含有水からなる被処理水を、被処理水中のホウ素濃度1000〜3000mg/lに対して、アルミニウムとして200〜5,000mg/lのアルミニウム化合物、およびカルシウムとして2,000〜50,000mg/lのカルシウム化合物の存在下にpH9以上に調整して不溶性析出物を生成させる反応工程と、
反応工程の反応液を分離液と分離汚泥とに固液分離する固液分離工程と、
固液分離工程の分離汚泥の一部を返送汚泥として反応工程に返送する返送工程と、
固液分離工程の分離汚泥の残部を引抜汚泥として排出する引抜工程とを含むホウ素含有水の処理方法。
(2) 分離汚泥中のホウ素濃度が1000mg/l以上となるように返送工程における返送汚泥量を制御する上記(1)記載の方法。
(3) 固液分離工程の分離汚泥の一部を引き抜いた引抜汚泥を、酸で中和してpH5〜8としたのち排出する中和工程を含む上記(1)または(2)記載の方法。
(4) 固液分離工程で分離した分離液をイオン交換樹脂で処理するイオン交換工程を含む上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の方法。
(5) イオン交換樹脂を酸で再生し、排出される再生排液を引抜汚泥中和用の酸とする上記(4)記載の方法。
【0006】
本発明において処理の対象となるホウ素含有水は通常オルトホウ酸(H3BO3)の形でホウ素を含有する水であるが、ホウ酸塩その他の形でホウ素を含むものでもよい。このようなホウ素含有水としては、医薬、化粧品、石けん、金属、半導体、その他のホウ素化合物を使用する製造工程排水、メッキ排水、原子力発電所から発生する放射性排水、地熱発電排水、ゴミ焼却場の洗煙排水などがあげられる。
【0007】
これらのホウ素含有水は発生源あるいは発生時期等によりホウ素含有量が異なる場合がある。例えばホウ酸を用いる金属や半導体の表面処理工程では表面処理時に高濃度ホウ素含有水が生じ、その後の水洗工程では低濃度ホウ素含有水が生じる。このほか別の発生源から異なる濃度のホウ素含有水が生じる。これらのホウ素含有水は異種のものを混合して処理することもでき、また別々に処理することもできる。
【0008】
本発明ではこのようなホウ素含有水を反応工程において、アルミニウム化合物およびカルシウム化合物の存在下にpH9以上、好ましくは11以上に調整して反応させ不溶性析出物を析出させる。反応工程に先立って沈降分離、濾過等の前処理を行って固形分等を除去しておいてもよい。
【0009】
アルミニウム化合物およびカルシウム化合物を存在させる量は被処理水のホウ素濃度その他の条件によって異なるが、被処理水中のホウ素濃度が1000〜3000mg/lに対して、アルミニウムとして200〜5,000mg/l、好ましくは400〜3,000mg/l、カルシウムとして2,000〜50,000mg/l、好ましくは4,000〜30,000mg/lとする。このようなアルミニウムおよびカルシウム濃度とするために、被処理水中にこれらが不足する場合には、アルミニウム化合物および/またはカルシウム化合物を添加することができる。
【0010】
添加するアルミニウム化合物としては硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム等のアルミニウム塩が好ましいが、水酸化アルミニウムその他のアルミニウム化合物でもよい。カルシウム化合物としては水酸化カルシウムがpH調整剤と兼用できるため好ましいが、酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウムその他のカルシウム化合物でもよい。このほかにpH調整剤が必要な場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリが一般に添加することができるが、場合によっては塩酸、硫酸等の酸を添加することができる。
【0011】
これらの薬剤の添加順序は特に制限されないが、水酸化カルシウムを含むpH調整剤は最後に添加するのが好ましい。従ってアルミニウム化合物およびカルシウム化合物が塩の場合は両者のいずれを先に添加してもよいが、水酸化カルシウムのようにpH調整剤として兼用する場合は水酸化カルシウムは最後に添加する。また水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等の不溶性または難溶性化合物を添加する場合には酸性条件下で添加するなどして溶解し、イオン化することができる。
【0012】
反応工程における反応はホウ素含有水にアルミニウム化合物、カルシウム化合物、pH調整剤等を添加して攪拌して行う。この場合アルミニウム化合物およびカルシウム化合物が水酸化物となって析出する際、ホウ素は析出する不溶性析出物中に取り込まれる。この反応は常温、常圧で行うことができるが、加熱、加圧下に行ってもよい。
【0013】
このように反応を行ったのち、反応液を固液分離工程において分離液と分離汚泥に分離する。固液分離手段としては沈降分離が一般的であるが、濾過、遠心分離、膜分離その他の分離手段でもよい。分離液はホウ素濃度が許容限度以内となっている場合にはそのまま放流したり、再利用してもよいが、許容限度を超える場合には後述のイオン交換工程で処理を行う。分離された分離汚泥の一部は返送工程で返送汚泥として反応工程に返送し、残部は引抜工程において引抜汚泥として排出する。
【0014】
引抜汚泥は中和工程において酸で中和し、pH5〜8としたのち排出すると、環境汚染がなく好ましい。この場合中和する酸としては、硫酸や塩酸等の鉱酸を用いることができるが、後述のイオン交換工程で生じる酸性再生排液を用いるのが好ましい。このように引抜汚泥を酸で中和してもホウ素の溶出は少なく、環境汚染のおそれは低い。
【0015】
反応工程に返送する返送汚泥の返送量は固液分離工程で分離する分離汚泥中のホウ素濃度が1000mg/l以上となるように調整するのが好ましい。反応工程に返送汚泥を返送すると、原水中のホウ素が返送汚泥に吸着されて濃縮され、原水中に残留するホウ素は新たに添加されるアルミニウム化合物およびカルシウム化合物の存在下にpH調整して生成する不溶性析出物に捕捉されて除去される。このような操作を繰り返し行うことにより分離汚泥のホウ素濃度は高くなり、ホウ素が高濃縮される。
【0016】
例えばアルミニウム化合物およびカルシウム化合物の存在下にpH9以上で凝集沈殿処理する従来技術では、生成する不溶性析出物(SS)中のホウ素量は0.01(g/g)程度である。すなわち、例えば100mg/lのホウ素を処理すると10000mg/l程度と多量のSSが発生する。このことは汚泥発生量が多いとともに使用薬剤量が多いことを意味する。これに対して発生した析出物を沈殿槽等で固液分離し、汚泥を反応槽に返送することにより汚泥が改質され、分離汚泥濃度およびホウ素濃度を上げることができる。また、反応工程での新たなアルミニウム化合物およびカルシウム化合物の添加量を減らすことができ、その分汚泥発生量も減少する。この場合、薬剤添加量を同等とした場合は処理水中ホウ素濃度が低くなる。
【0017】
汚泥を返送しない従来技術では、固液分離により濃縮されるSS濃度は50000mg/l(ホウ素濃度で500mg/l)程度が限界である。この程度の汚泥濃度の汚泥をpH中性にすると大部分のホウ素が汚泥中から溶出するため、埋立て処理や、石炭火力発電所のように脱硫装置で回収される石コウ(pH5〜8)と混合処分を行うことができない。これに対して汚泥返送により改質し、汚泥中のホウ素濃度を1000mg/l以上とすることにより、pHを中性にしても溶出を防止することができる。これはホウ素濃度を高めることによりポリホウ酸化(高分子化)などによりホウ素化合物の形態が変わるため、中性でも水酸化アルミニウム等に吸着あるいは反応して固定化するものと推定される。
【0018】
前述のように分離汚泥を返送して反応を行うことにより使用薬剤量が減少し、使用薬剤を同等にしたときには高度処理により処理水のホウ素濃度が低くなるため、処理水はそのまま放流可能な場合があり、この場合には本発明の処理はこれで完結する。しかしさらにホウ素濃度を低くする場合には次のイオン交換工程において処理水中の残留ホウ素を除去する。
【0019】
イオン交換工程は固液分離工程で分離した分離液をイオン交換樹脂で処理することによりホウ素を吸着除去する。イオン交換樹脂としてはアニオン交換樹脂が使用される。アニオン交換樹脂は強塩基性、中または弱塩基性のいずれの樹脂でもよく、またホウ素の選択吸着性を高めたホウ素選択性イオン交換樹脂、例えばN−メチルグルカミン型樹脂でもよい。アニオン交換樹脂はSO4形等の酸形またはOH形で使用することができるが、酸を再生剤として再生するものが好ましい。
【0020】
イオン交換による処理は浸漬法等でもよいが、カラム通水法が好ましい。カラム通水の場合の通水速度はSV 0.1〜10hr-1、好ましくは1〜3hr-1程度とすることができる。このようなイオン交換によりホウ酸等のアニオンがアニオン交換樹脂に交換吸着して除去され、処理水はホウ素濃度が低くなっているため、そのまま放流してもよく、また回収して再利用してもよい。
【0021】
ホウ素を吸着した樹脂は再生剤で再生することにより再生することができる。
このとき再生剤として酸を使用し、再生排液を引抜汚泥と混合して中和を行うと、引抜汚泥を中和できるとともに、再生排液中のホウ素も引抜汚泥に捕捉される。そして、この中和反応物は固液分離して固形物を排汚泥として排出し、分離液は原水とともに反応工程に送って処理を繰り返すことができるが、分離液中のホウ素濃度は低く処理は容易である。
【0022】
再生剤として酸を使用する場合、硫酸、塩酸等の鉱酸を使用することができる。アニオン交換樹脂をOH形で使用する場合は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを使用することができ、特にホウ素選択性イオン交換樹脂を用いる場合は、酸で再生後アルカリで再生するのが好ましい。樹脂の再生方法は通常の再生方法を採用することができ、1〜10重量%の酸またはアルカリ水溶液を流速SV 0.1〜10hr-1で通液する薬注工程、および同流速で純水を通液する押出工程を行った後、イオン交換工程と同等の流速で純水を通水する洗浄工程を行うことができる。
【0023】
再生排液は酸濃度またはアルカリ濃度の高い初期の排出部分を中和等に利用することができる。酸性再生排液を引抜汚泥の中和に利用するときは、引抜汚泥と酸性再生排液と混合して反応させ、固液分離して固形分を排汚泥として排出し、分離液を反応工程に返戻する。アルカリ性再生排液が発生する場合にはそのまま反応工程に返戻してアルカリ剤として使用し、含まれるホウ素は不溶性析出物に捕捉させることができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、ホウ素含有水をアルミニウム化合物およびカルシウム化合物の存在下にpH9以上に調整して生成する不溶性析出物を返送汚泥として反応工程に返送することにより、少ない薬剤により高除去率で効率的にホウ素を除去することができ、発生汚泥量が少なく、しかも汚泥を中和してもホウ素の溶出が少なくすることができる。
また分離液をイオン交換樹脂で処理し、その酸性再生排液で引抜汚泥を中和することにより、イオン交換樹脂との組合せによりさらに高除去率でホウ素を除去することができ、イオン交換樹脂の再生排液も効率よく処理することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
図1および図2は別の実施形態のホウ素含有水の処理方法を示すフロー図であり、1は反応槽、2は固液分離槽、3は中和槽、4は脱水機、5はイオン交換槽である。
【0026】
図1の処理方法は、反応工程において反応槽1に原水11を導入し、アルミニウム化合物12、カルシウム化合物13、pH調整剤14等を注入してpH9以上に調整し、攪拌機6で攪拌混合して反応させ不溶性析出物を生成させる。
【0027】
固液分離工程として反応槽1の反応液15は固液分離槽2に送り、その際必要により高分子凝集剤等の凝集剤16を添加してフロックを生成させ、固液分離槽2で静置させることにより固液分離を行う。固液分離槽2で分離した分離液は処理水17として排出する。
【0028】
返送工程において固液分離槽2の分離汚泥18は一部を返送汚泥19として反応槽1に返送し、原水中のホウ素を捕捉させる。分離汚泥18の一部は中和工程において引抜汚泥20として中和槽3に導入し、攪拌機21で攪拌しながら酸22を添加して中和する。中和汚泥23は脱水機4に導入して脱水し、固形分は排汚泥24として排出し、分離液25は反応槽1に返送する。
【0029】
図2の方法では、基本的な処理方法は図1の場合とほぼ同様に行われるが、固液分離槽2の分離液26をイオン交換槽5に導入し、アニオン交換樹脂層27を通過させてイオン交換を行い、ホウ素を樹脂に交換吸着させて除去して、処理水を排出する。アニオン交換樹脂層27が飽和した後は再生剤28として酸を注入してアニオン交換樹脂層27を再生し、再生排液29を中和槽3に導入して引抜汚泥20を中和する。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。各例中、%は特に記載ない限り重量%である。
【0031】
実施例1
ホウ素を110mg/l含みpH6.1の石炭火力排煙脱硫排水を図1のフローで通水した。アルミニウム化合物として硫酸バンド5000mg/l(固形)添加し、カルシウム化合物およびpH調整剤としての消石灰にてpHを12.2〜12.5に調整した。反応槽の滞留時間は原水流量当り3時間とし、固液分離槽の分離汚泥を原水流量の6倍流量で返送したところ、10日間通水後の処理水中ホウ素濃度は5.6mg/l、分離汚泥濃度は153g/lとなった。
上記で得られた引抜汚泥に硫酸を添加しpHを7.1に調整し脱水したところ、脱水濾液中ホウ素濃度は108mg/lとなり、汚泥へのホウ素固定率は92%であった。
【0032】
比較例1
汚泥を返送しない以外は実施例1と同じ試験を行ったところ、処理水中ホウ素濃度は16.8mg/l、沈殿汚泥濃度は37.8g/lとなった。
上記で得られた汚泥に硫酸を添加しpHを7.1に調整し脱水したところ、脱水濾液中ホウ素濃度は265mg/lとなり、汚泥へのホウ素固定率は17%であった。
【0033】
実施例2
ホウ素を110ml/l含みpH6.1の石炭火力排煙脱硫排水(沈殿汚泥と再生排液混合(pH7.1)脱水濾液を5容量%添加)を図2のフローで通水した。アルミニウム化合物として硫酸バンド3000mg/l(固形)添加し、カルシウム化合物およびpH調整剤としての消石灰にてpHを12.1〜12.5に調整(平均消石灰添加量4000mg/l)した。反応槽の滞留時間は原水流量当り3時間とし、固液分離槽の分離汚泥を原水流量の5倍流量で返送したところ、10日間通水後の固液分離槽の分離水中ホウ素濃度は19.8mg/l、分離汚泥濃度は140g/lとなった。更に、固液分離槽の分離水を濾過後、N−メチルグルカミン型ホウ素選択性イオン交換樹脂に通水したところ、処理水中ホウ素濃度140BV平均値で0.1mg/lとなった。通水後のイオン交換樹脂を50g/l硫酸で再生(SV1(l/hr))したところ、ホウ素2000mg/lを含む再生排液が得られた。
再生排液と引抜汚泥を排出容量比(2:9)で混合し硫酸を添加しpHを7.1に調整し脱水したところ、脱水濾液中ホウ素濃度は590mg/lであり、濾液は全量原水と混合し処理した。また、汚泥発生量は、原水当り換算3.6g/l(pH5〜8反応槽:65g/l)であった。
【0034】
比較例2
実施例2と同じ排水を固液分離槽の分離汚泥を循環せず、イオン交換樹脂再生排液を全量原水と混合処理する以外は実施例1と同じ試験を行なったところ、硫酸バンド6200mg/l、消石灰6600mg/lの添加が必要であり、汚泥発生量は原水当り換算12.0g/lであった。
【0035】
比較例3
実施例2と同じ排水をpH7.2に調整して濾過後イオン交換樹脂に通水し、50g/l硫酸で再生したホウ素2000mg/lを含む再生排液に硫酸バンドおよび消石灰を添加し、1時間反応後濾別した。濾液は原水と混合してイオン交換処理したところ、原水当り換算、硫酸バンド4400mg/l(再生排液当り80g/l)および消石灰8800mg/l(再生排液当り160g/l)の添加が必要であった。また、汚泥発生量は、原水当り換算10.5g/l(再生排液当り190g/l)であった。
【0036】
以上の結果より、実施例1は比較例1に比べて少ない薬剤添加量でホウ素を除去でき、発生汚泥量も少なく、また汚泥を酸で中和しても溶解するホウ素は少ないことがわかる。そして実施例2は比較例2、3に比べて使用薬剤量および発生汚泥量が少ないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のホウ素含有水の処理方法のフロー図である。
【図2】別の実施形態のホウ素含有水の処理方法のフロー図である。
【符号の説明】
1 反応槽
2 固液分離槽
3 中和槽
4 脱水機
5 イオン交換槽
Claims (5)
- ホウ素含有水からなる被処理水を、被処理水中のホウ素濃度1000〜3000mg/lに対して、アルミニウムとして200〜5,000mg/lのアルミニウム化合物、およびカルシウムとして2,000〜50,000mg/lのカルシウム化合物の存在下にpH9以上に調整して不溶性析出物を生成させる反応工程と、
反応工程の反応液を分離液と分離汚泥とに固液分離する固液分離工程と、
固液分離工程の分離汚泥の一部を返送汚泥として反応工程に返送する返送工程と、
固液分離工程の分離汚泥の残部を引抜汚泥として排出する引抜工程とを含むホウ素含有水の処理方法。 - 分離汚泥中のホウ素濃度が1000mg/l以上となるように返送工程における返送汚泥量を制御する請求項1記載の方法。
- 固液分離工程の分離汚泥の一部を引き抜いた引抜汚泥を、酸で中和してpH5〜8としたのち排出する中和工程を含む請求項1または2記載の方法。
- 固液分離工程で分離した分離液をイオン交換樹脂で処理するイオン交換工程を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
- イオン交換樹脂を酸で再生し、排出される再生排液を引抜汚泥中和用の酸とする請求項4記載の方法。
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