JP4530519B2 - 螺旋状ホース及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は螺旋状ホースに関するものであって、平常時には扁平に折り畳んで直線状に延ばした状態で取り扱うことができ、内部に流体を送入して加圧することにより、螺旋状の形態を取るホースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にホースと呼ばれる筒状体は、その用途に応じて相当程度の耐圧性能を有しており、内部に流体を通しつつある程度自由に屈曲し得る程度の柔軟性を有している。また一部の例外はあるものの、通常は耐圧性能を確保するための補強体と、流体の漏出を阻止するための気密層とを有している。
【0003】
そしてホースの形状は、少なくとも流体を通している状態においては断面は略円形であって内部に流体の流路が形成され、また長さ方向については、その柔軟性の範囲内である程度の屈曲は可能であるものの、概ね直線状に真っ直ぐに延びた形状が常態となっている。
【0004】
ゴムホースなどにおいては、コイル状乃至螺旋状に巻いた形状で取り扱われることが多いが、それはあくまでもかかる形状に屈曲することが可能であるに過ぎず、螺旋状の形態を常態とするものではなく一時的形態であって、巻いたホースを延ばせば常態に戻って直線状となる。
【0005】
またプラスチックホースなどにおいては、螺旋状に成形されたホースも知られているが、これはホースの素材を螺旋管状に成形したものであって、内圧の有無に拘らずかかる形状に固定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、平常状態においては扁平に折り畳んだ状態で直線状に延び、コンパクトに収納したり容易に移動したりすることができ、且つ、内圧を作用させることにより断面略円形に膨らむと共に、その長さ方向に螺旋状の形態を採るホースを提供することを目的とするものである。
【0007】
かかるホースは、内圧を作用させながら螺旋の軸方向に極めて大きい範囲で伸縮することが可能となり、例えば消防ホースに適用した場合には、過剰な長さのホースを不必要に蛇行させることなく、筒先の位置を大幅に前進後退させることが可能となる。
【0008】
また本発明の螺旋状ホースにおける螺旋の外側を筒状の布帛で覆うことにより、螺旋状ホース内に流体圧力を作用させて螺旋を形成することで、その外側を覆った筒状の布帛を断面円形に膨らませ、速やかに大口径の筒体を形成することができる。かかる大口径の筒体は、イベント会場におけるアーチ型バルーンや、オイルフェンスの浮体として利用できる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
而して本発明の螺旋状ホースは、ホース本体の長さ方向に延びてその長さ方向に伸縮性を有する伸縮性たて糸と、ホース本体の周方向に延びるよこ糸とを織成してなる筒状の織布に、気密処理を施してなるホース本体に、そのホース本体の周方向の一部にその長さ方向に沿って、そのホース本体の長さ方向の伸長を抑制する伸長抑制手段を講じたことを特徴とするものである。
【0010】
本発明における前記筒状の織布として、伸縮性たて糸とよこ糸とを筒状に織成した筒状布よりなるものとし、その筒状布の少なくとも内面に気密性の内張りを施してホース本体を形成することができる。
【0011】
また前記筒状の織布として、伸縮性たて糸とよこ糸とを織成した織布の両側縁を接合して筒状となしたものを使用することもできる。この場合には、その筒状の織布の少なくとも内面に気密性の内張りを施したものでもよく、また気密処理を施した前記織布の両側縁を接合して筒状とすることにより、ホース本体を形成することもできる。
【0012】
また本発明におけるホース本体の一部における長さ方向の伸長を抑制する手段としては、ホース本体における筒状の織布の、周方向の一部のたて糸として、長さ方向の伸縮性を有しない非伸縮性たて糸を使用することにより、伸長を抑制したものとすることができる。
【0013】
またホース本体の長さ方向の伸長を抑制する他の手段としては、前記ホース本体の周方向の一部に、そのホース本体の長さ方向に沿って、長さ方向の伸縮性を有しない柔軟なテープ状物を添着することにより、伸長を抑制したものとすることもできる。この場合においては、前記テープ状物を、ホース本体の内面に沿って添着することが好ましい。
【0014】
また前記筒状の織布が伸縮性たて糸とよこ糸とを織成した織布の両側縁を接合して筒状となしたものである場合には、当該織布の両側縁を前記テープ状物を介して接合することが好ましい。
【0015】
またホース本体の長さ方向の伸長を抑制するさらに他の手段としては、前記ホース本体の外側に、伸縮性を有しないたて糸とよこ糸とを織成してなるカバー筒状布を嵌合し、当該カバー筒状布における長さ方向に延びる帯状部を除いた全周に所定間隔毎に輪切り状の切り込みを形成し、前記帯状部においてホース本体の伸長を抑制したものとすることもできる。
【0016】
次に、本発明における螺旋状ホースの製造方法の発明は、ホース本体の長さ方向に延びてその長さ方向に伸縮性を有する伸縮性たて糸と、ホース本体の周方向に延びるよこ糸とを織成して筒状の織布を形成し、当該筒状の織布に気密処理を施してホース本体を形成すると共に、当該ホース本体の周方向の一部に長さ方向に沿って、そのホース本体の長さ方向の伸長を抑制する伸長抑制手段を講じることを特徴とするものである。
【0017】
この方法におけるホース本体は、伸縮性たて糸とよこ糸とを筒状に織成して筒状布を形成し、当該筒状布の少なくとも内面に気密性の内張りを施して形成することができる。
【0018】
また他の方法として、伸縮性たて糸とよこ糸とを織成した織布の両側縁を接合して筒状とすることにより筒状の織布を形成することができる。この場合には、その筒状の織布の少なくとも内面に気密性の内張りを施してホース本体とすることができ、また前記織布に気密処理を施し、当該織布の両側縁を接合してホース本体とすることもできる。
【0019】
また本発明における伸長抑制手段としては、前記ホース本体における筒状の織布の、周方向の一部のたて糸として、長さ方向の伸縮性を有しない非伸縮性たて糸を使用することにより、伸長を抑制することができる。
【0020】
また伸長抑制のための他の手段として、前記ホース本体の周方向の一部に、そのホース本体の長さ方向に沿って、長さ方向の伸縮性を有しない柔軟なテープ状物を添着することにより、伸長を抑制することもできる。この場合には、前記テープ状物をホース本体の内面に沿って添着することが好ましい。
【0021】
また前述のように、伸縮性たて糸とよこ糸とを織成した織布の両側縁を接合することにより筒状の織布を形成する場合においては、前記織布の両側縁を、柔軟なテープ状物を介して接合することが好ましい。
【0022】
この場合において、筒状の織布の周方向の一部の外面に、その筒状の織布の長さ方向に沿ってテープ状物を添着すると共に、その筒状の織布の少なくとも外面に気密処理を施し、その筒状の織布の内外面を反転して前記テープ状物を筒状の織布の内面に位置せしめることが好ましい。
【0023】
またホース本体の内面にテープ状物を添着する方法として、筒状の織布の周方向の一部の外面に、その筒状の織布の長さ方向に沿ってテープ状物を添着すると共に、その筒状の織布の少なくとも外面に気密処理を施し、その筒状の織布の内外面を反転してホース本体を形成すると共に、前記テープ状物を当該ホース本体の織布の内面に位置せしめることもできる。
【0024】
さらに、ホース本体に前記テープ状物を添着する場合には、筒状の織布を所定の割合で長さ方向に伸長した状態で、前記テープ状物を添着することにより、得られる螺旋状ホースにおける螺旋の径を調節することができる。
【0025】
また本発明における伸長制御のためのさらに他の手段として、前記ホース本体の外側に、伸縮性を有しないたて糸とよこ糸とを筒状に織成し、その長さ方向に延びる帯状部を除いた全周に所定間隔毎に輪切り状の切り込みを形成したカバー筒状布を嵌合し、前記帯状部においてホース本体の伸長を抑制せしめることも可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に従って説明する。図1は本発明の螺旋状ホース1を示すものであって、この螺旋状ホース1は柔軟な筒状のホース体2よりなっている。そして当該ホース体2は、平常状態においては扁平に折り畳まれ、且つ長さ方向には直線的に延びるものであり、内圧を作用させた状態において、図面に示すように螺旋状をなすものである。
【0027】
図2は本発明の螺旋状ホース1におけるホース体2の一例を示すものであって、(a)はそのホース体2の一部の斜視図であり、(b)はその主要部の拡大横断面図である。
【0028】
図面において3はホース本体であって、当該ホース本体3の長さ方向に延びる伸縮性たて糸4と、ホース本体3の周方向に延びるよこ糸5とを筒状に織成して筒状布6を形成し、当該筒状布6の内面に気密性の内張り7を形成して気密処理を施したものである。
【0029】
そしてその筒状布6における伸縮性たて糸4として、長さ方向に伸縮性を有する糸条を使用する。当該伸縮性たて糸4の素材としては、合成繊維の捲縮加工糸や、ポリウレタン弾性糸などを使用することができる。またよこ糸5としては、通常の天然繊維又は合成繊維を使用することができ、伸縮性を有しないものを使用するのが好ましい。
【0030】
また内張り7は、ゴムや、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレタン弾性体、ポリエステルエラストマーなどの柔軟な材料が使用され、これらの材料よりなるチューブを筒状布6内に引き込み、内圧をかけて膨らませ、筒状布6の内面に接着することにより形成することができる。また一般に消防用ホースなどにおいてジャケットの内面に内張りを施すための方法が種々提案されており、それらを適宜選択して採用することもできる。
【0031】
なおこの例においては、内張り7は少なくとも筒状布6の内面に形成されることが必要であるが、筒状布6の外面にも同様のゴム又は軟質プラスチックの皮膜を形成しても差し支えない。
【0032】
而して本発明においては、このホース本体3の内面に、その周方向の一部においてホース本体3の長さ方向に延びる、伸縮性を有しない柔軟なテープ状物8を添着することにより、ホース本体3の長さ方向の伸長を部分的に抑制している。当該テープ状物8としては、細幅の織物が適しており、添着の手段としては、縫製、接着などの手段によることができる。
【0033】
なおこのテープ状物8は、ホース本体3における内張り7の内側に添着することもできるが、図2(b)に示すように筒状布6の内面にテープ状物8を添着し、その内側に内張り7を形成するのが好ましい。
【0034】
テープ状物8を筒状布6の内面に添着する方法として、当該テープ状物8を筒状布6内に引き込み、これを接着又は縫着して添着することもできるが、テープ状物8を筒状布6の外面に接着又は縫着して添着すると共に、その筒状布6の外面に気密性の皮膜を形成しておき、これを適宜の方法で内外面を裏返して、前記皮膜を内張り7とすると共に、テープ状物8を筒状布6の内面に位置せしめることもできる。
【0035】
なお本発明においてテープ状物8は、ホース本体3の外面に添着することもできるが、ホース本体3に内圧がかかって伸長力が作用したときに、その外面に添着したテープ状物8が剥がれる恐れがあるので、テープ状物8はホース本体3の内面に添着することが好ましい。
【0036】
次に図3は、本発明におけるホース体2の他の例を示すものであって、織布9の両側縁を接合して筒状の織布を形成し、その筒状の織布に気密処理を施してホース本体3を形成し、前記筒状の織布の両側縁をテープ状物8を介して接合したものである。
【0037】
前記織布9は図3(b)に示すように、伸縮性たて糸4とよこ糸5とを織成したものであって、その伸縮性たて糸4及びよこ糸5の素材は、図2においてのべたと同様のものを使用することができる。
【0038】
その織布9に対してゴム10のフリクション加工などの方法により気密処理が施される。なお気密処理は、織布9の両側縁を接合した筒状の織布に対して施しても良く、また予め織布9に気密処理を施しておき、それの両側縁を接合してホース本体3を形成しても良い。
【0039】
そして織布9の両側縁はテープ状物8を挟んで重ね合わせ、これらを一体として縫合し、又は接着する。織布9の両側縁を接合し、それと別個にテープ状物8を添着することもできるが、織布9の両側縁をテープ状物8を介して接合することにより、織布9の両側縁の接合とテープ状物8の添着とを一工程で行うことができるので好ましい。
【0040】
また織布9の接合部は強度が劣るので、それをテープ状物8で補強することができると共に、織布9の接合部は縫合又は接着により伸縮しにくくなるので、その接合位置と伸長抑制手段としてのテープ状物8の添着位置とを一致せしめることにより、加圧時にスムーズな螺旋形状が得られる。
【0041】
図3(c)は気密処理の他の例を示すものであって、織布9の両側縁を前記テープ状物8を介して接合して筒状としたのち、その内面に内張り7を形成して気密処理を施したものである。筒状の織布の内面への内張り7の形成は、図2において説明したと同様に行うことができる。
【0042】
図4は織布9の両側縁をテープ状物8を介して接合する際の他の構造を示すものであって、織布9の両側縁を外方に突出させた状態で、その間にテープ状物8を挟んで接合したものである。織布9の両側縁をテープ状物8を挟んで縫合又は接着する操作を容易に行うことができる。
【0043】
なお、以上述べたホース本体3にテープ状物8を添着する構造においては、ホース本体3が長さ方向に収縮した状態でテープ状物8を添着しても良いが、場合によってはホース本体3をその長さ方向に若干伸長した状態において、テープ状物8を添着することもできる。
【0044】
すなわち本発明の螺旋状ホース1は、内圧が作用したときにホース本体3が長さ方向に張力が作用して筒状布6の伸縮性により伸長し、その周方向の一部においてその伸長がテープ状物8により抑制されることにより、ホース体2がテープ状物8を添着した位置が内側となるように彎曲し、その彎曲に基づいて螺旋状ホース1全体として螺旋形状をなすのである。
【0045】
そして螺旋の径はホース体2における彎曲の内側と外側との伸長率の差によって定まるので、前述のようにホース本体3を若干引き伸ばした状態でテープ状物8を添着することにより、彎曲の内側に対する外側の伸長率が小さくなり、螺旋の径がより大きいものとなり、ホース本体3の伸長の割合を調節することにより、螺旋の径を調節することができる。
【0046】
また逆に、ホース本体3にテープ状物8を添着する際に、ホース本体3に若干の弛みをもたせながら添着することにより、螺旋状ホース1の螺旋の径を小さいものとすることも可能である。
【0047】
図5は、本発明においてホース体2の一部において伸長を抑制するための他の手段における、筒状の織布11を示すものである。この筒状の織布11は、筒状に織成された筒状布6であっても良く、また通常の織布9の両側縁を接合して筒状としたものであっても差し支えない。
【0048】
図5において筒状の織布11はたて糸とよこ糸とを織成してなるものであるが、たて糸としては、筒状の織布11の大部分を占める伸縮性たて糸4と、筒状の織布11の周方向の一部を構成する非伸縮性たて糸12とよりなっており、これらのたて糸とよこ糸5とで筒状の織布11を形成している。
【0049】
すなわちこの例においては、筒状の織布11を構成するたて糸のうちの大部分を占める伸縮性たて糸4により筒状の織布11は伸縮性を有しており、その周方向の一部において、非伸縮性たて糸12を使用することにより伸長が抑制されているのである。そしてこの筒状の織布11に気密処理を施すことにより、ホース体2となっている。
【0050】
なお、一般に織布を織成する際には、たて糸にテンションをかけながらよこ糸を織り込んで織成するのであるが、上記筒状の織布11を織成する際には、たて糸4,12にテンションをかけると伸縮性たて糸4が伸び切った状態で織成され、内圧をかけても螺旋を形成しなくなる。従って少なくとも伸縮性たて糸4にはテンションをかけないか、又はテンションが極端に小さい状態でよこ糸5を織り込んで織成する必要がある。
【0051】
図6は、本発明のさらに他の例を示すものである。3は図2乃至図4において説明したと同様のホース本体であって、当該ホース本体3における筒状の織布のたて糸は、全てが伸縮性たて糸4である。
【0052】
そしてそのホース本体3の外側に、カバー筒状布13が嵌合されている。当該カバー筒状布13は、伸縮性を有しない通常のたて糸とよこ糸とを筒状に織成したものであり、その長さ方向に延びる帯状部14を除いた全周に、所定間隔毎に輪切り状の切り込み15が形成されている。
【0053】
そしてこの例においては、カバー筒状布13の切り込み15が開くことによりホース本体3が伸長することができると共に、帯状部14においてはホース本体3の伸長が抑制されている。
【0054】
【作用】
而して本発明の螺旋状ホース1においては、基本的にはたて糸とよこ糸とを織成した筒状の織布に気密処理を施した構造を有しているので、その筒状の織布により耐圧力を有しており、且つ筒状の織布の柔軟性に基づいて不使用時に扁平に折り畳むことが可能な構造を有している。
【0055】
そして前記筒状の織布におけるたて糸として、伸縮性たて糸4が使用されているので、内圧がかかったときには伸縮性たて糸4に張力が作用し、ホース本体3は長さ方向に伸長する。
【0056】
しかしながらそのホース本体3の周方向の一部において伸長が抑制されているので、内圧がかかって張力が作用したときにも、当該伸長が抑制された部分は伸長することはない。
【0057】
従って内圧がかかってホース体2の長さ方向に張力が作用したときには、前記伸長が抑制された部分は伸長せず、それ以外の部分は伸長してその両者の間に伸長量に差が生じ、ホース体2は伸長が抑制された部分が内側となるように彎曲するのである。そして長尺のホース体2の全長に亙ってその彎曲が連続し、螺旋状を呈するのである。
【0058】
なおホース体2の彎曲は同一平面状で彎曲するため、原理的には同一の位置でグルグルと回転する形状となり、螺旋の軸方向の移動は生じない。しかしながら一周したホース体2が前と同一の位置を占めることは不可能であるので、結果的に軸方向の移動が生じ、ピッチの小さい螺旋状を呈する。そして螺旋は小さい力で軸方向の伸縮が可能であるので、軸方向に引っ張ることにより自由なピッチの螺旋形状を得ることができるのである。
【0059】
なおホースにおける補強体の構造として、ブレードは長さ方向の伸縮性を有しており、その周方向の一部にテープ状物8を添着するなどの手段で伸長を抑制すれば、加圧時に螺旋状を呈するものとすることができる。
【0060】
しかしながらこの構造では、ブレードが基本的に屈曲可能であるため、加圧時に螺旋状を呈したとしても、特別な支持手段を設けない限り、螺旋の各ピッチがドミノ倒し状に倒れた状態となり、図1に示すように軸方向に進行する螺旋を形成することができない。
【0061】
【発明の効果】
従って本発明によれば、常時は直線状に延びており、且つ扁平に折り畳むことが可能であり、折り畳んだ状態でコイル状に巻き、又はジグザグに折り畳んでコンパクトに収納し、運搬することができる。
【0062】
そしてその螺旋状ホース1内に流体を送入して内圧を作用させたときには、伸長を抑制した部分は伸長することなく、それ以外の部分がホース本体3の伸縮性に基づいて伸長し、自然に螺旋状の形状を呈するのである。
【0063】
本発明の螺旋状ホース1は、これを消防用ホースの筒先に近い箇所に接続することにより、過剰のホース部分を螺旋部分に吸収して過剰のホースが不必要に蛇行するのを防止することができ、また螺旋部分を螺旋の軸方向に伸縮させることにより、筒先を自由に前進後退させることができるので、安全に消火活動をすることができる。
【0064】
特に図6に示すようにホース本体3にカバー筒状布13を嵌合した構造は、カバー筒状布13により補強されているので耐圧力が高く、高圧の消防用ホースとして充分に使用可能である。
【0065】
また本発明の螺旋状ホース1における螺旋の外側を筒状の布帛で覆い、螺旋状ホース1内に圧縮空気などの流体を送入して前記筒状の布帛内で螺旋を形成することにより、筒状の布帛を断面円形に膨らませ、速やかに大口径の筒体を形成することができる。
【0066】
従来大口径の筒体を膨らませる場合には、気密性の筒体内に空気などの流体を送入して膨らませていたが、その筒体を膨らませるに足りるだけの多量の流体を送入する必要があった。しかしながら本発明の螺旋状ホース1を使用すれば、当該螺旋状ホース1に内圧を作用させるに足りるだけの流体を送入すれば良く、その流体量は少なくて済み、短時間で筒体を膨らませることができる。また筒体自体が気密性を有している必要はなく、また筒体の形状も直線状に限らず、彎曲した形状であっても良い。
【0067】
かかる大口径の筒体の用途としては、イベント会場におけるアーチ型バルーンや、オイルフェンスの浮体などとして利用することが可能であり、さらに広範囲の利用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の螺旋状ホースの斜視図
【図2】 本発明の螺旋状ホースを構成するホース体を示すものであって、(a)はその一部の斜視図であり、(b)は主要部の拡大横断面図である。
【図3】 本発明におけるホース体の他の例を示すものであって、(a)はその一部の斜視図、(b)はそのホース体を構成する気密処理された織布の拡大横断面図であり、(c)は気密処理された織布の他の例の拡大横断面図である。
【図4】 本発明におけるホース体のさらに他の例を示すその一部の斜視図
【図5】 本発明のさらに他の例における筒状の織布の主要部の斜視図
【図6】 本発明におけるホース体のさらに他の例を示すものであって、(a)は平常状態の一部の斜視図であり、(b)は内圧が作用して彎曲した状態の一部の斜視図である。
1 螺旋状ホース
2 ホース体
3 ホース本体
4 伸縮性たて糸
5 よこ糸
6 筒状布
7 内張り
8 テープ状物
9 織布
11 筒状の織布
12 非伸縮性たて糸
13 カバー筒状布
14 帯状部
15 切り込み
Claims (22)
- ホース本体(3)の長さ方向に延びてその長さ方向に伸縮性を有する伸縮性たて糸(4)と、ホース本体(3)の周方向に延びるよこ糸(5)とを織成してなる筒状の織布(11)に、気密処理を施してなるホース本体(3)に、そのホース本体(3)の周方向の一部にその長さ方向に沿って、そのホース本体(3)の長さ方向の伸長を抑制する伸長抑制手段(8,12,14)を講じたことを特徴とする、螺旋状ホース
- 前記筒状の織布(11)が、伸縮性たて糸(4)とよこ糸(5)とを筒状に織成した筒状布(6)よりなり、その筒状布(6)の少なくとも内面に気密性の内張り(7)を施してホース本体(3)を形成したことを特徴とする、請求項1に記載の螺旋状ホース
- 前記筒状の織布(11)が、伸縮性たて糸(4)とよこ糸(5)とを織成した織布(9)の両側縁を接合して筒状となしたものであることを特徴とする、請求項1に記載の螺旋状ホース
- 前記ホース本体(3)が、前記筒状の織布(11)の少なくとも内面に気密性の内張り(7)を施したものであることを特徴とする、請求項3に記載の螺旋状ホース
- 前記ホース本体(3)が、気密処理を施した前記織布(9)の両側縁を接合して筒状としたものであることを特徴とする、請求項3に記載の螺旋状ホース
- 前記ホース本体(3)における筒状の織布(11)の、周方向の一部のたて糸として、長さ方向の伸縮性を有しない非伸縮性たて糸(12)を使用することにより、伸長を抑制したことを特徴とする、請求項1に記載の螺旋状ホース
- 前記ホース本体(3)の周方向の一部に、そのホース本体(3)の長さ方向に沿って、長さ方向の伸縮性を有しない柔軟なテープ状物(8)を添着することにより、伸長を抑制したことを特徴とする、請求項1に記載の螺旋状ホース
- 前記テープ状物(8)を、ホース本体(3)の内面に沿って添着したことを特徴とする、請求項7に記載の螺旋状ホース
- 前記筒状の織布(11)が伸縮性たて糸(4)とよこ糸(5)とを織成した織布(9)の両側縁を接合して筒状となしたものであって、当該織布(9)の両側縁を前記テープ状物(8)を介して接合したことを特徴とする、請求項7に記載の螺旋状ホース
- 前記ホース本体(3)の外側に、伸縮性を有しないたて糸とよこ糸とを織成してなるカバー筒状布(13)を嵌合し、当該カバー筒状布(13)における長さ方向に延びる帯状部(14)を除いた全周に所定間隔毎に輪切り状の切り込み(15)を形成し、前記帯状部(14)においてホース本体(3)の伸長を抑制したことを特徴とする、請求項1に記載の螺旋状ホース
- ホース本体(3)の長さ方向に延びてその長さ方向に伸縮性を有する伸縮性たて糸(4)と、ホース本体(3)の周方向に延びるよこ糸(5)とを織成して筒状の織布(11)を形成し、当該筒状の織布(11)に気密処理を施してホース本体(3)を形成すると共に、当該ホース本体(3)の周方向の一部に長さ方向に沿って、そのホース本体(3)の長さ方向の伸長を抑制する伸長抑制手段(8,12,14)を講じることを特徴とする、螺旋状ホースの製造方法
- 伸縮性たて糸(4)とよこ糸(5)とを筒状に織成して筒状布(6)を形成し、当該筒状布(6)の少なくとも内面に気密性の内張り(7)を施してホース本体(3)を形成することを特徴とする、請求項11に記載の螺旋状ホースの製造方法
- 伸縮性たて糸(4)とよこ糸(5)とを織成した織布(9)の両側縁を接合して筒状とすることにより筒状の織布(11)を形成することを特徴とする、請求項11に記載の螺旋状ホースの製造方法
- 前記筒状の織布(11)の少なくとも内面に気密性の内張り(7)を施すことを特徴とする、請求項13に記載の螺旋状ホースの製造方法
- 前記織布(9)に気密処理を施し、当該織布(9)の両側縁を接合して筒状の織布(11)を形成することを特徴とする、請求項13に記載の螺旋状ホースの製造方法
- 前記ホース本体(3)における筒状の織布(11)の、周方向の一部のたて糸として、長さ方向の伸縮性を有しない非伸縮性たて糸(12)を使用することにより、伸長を抑制することを特徴とする、請求項11に記載の螺旋状ホースの製造方法
- 前記ホース本体(3)の周方向の一部に、そのホース本体(3)の長さ方向に沿って、長さ方向の伸縮性を有しない柔軟なテープ状物(8)を添着することにより、伸長を抑制することを特徴とする、請求項11に記載の螺旋状ホースの製造方法
- 前記テープ状物(8)を、ホース本体(3)の内面に沿って添着することを特徴とする、請求項17に記載の螺旋状ホースの製造方法
- 前記織布(9)の両側縁を、長さ方向の伸縮性を有しない柔軟なテープ状物(8)を介して接合して筒状の織布(11)とすることを特徴とする、請求項13に記載の螺旋状ホースの製造方法
- 筒状の織布(11)の周方向の一部の外面に、その筒状の織布(11)の長さ方向に沿ってテープ状物(8)を添着すると共に、その筒状の織布(11)の少なくとも外面に気密処理を施し、その筒状の織布(11)の内外面を反転してホース本体(3)を形成すると共に、前記テープ状物(8)を当該ホース本体(3)の筒状の織布(11)の内面に位置せしめ、当該テープ状物(8)によりホース本体(3)の伸長を抑制することを特徴とする、請求項11に記載の螺旋状ホースの製造方法
- 筒状の織布(11)を所定の割合で長さ方向に伸長した状態で、前記テープ状物(8)を添着することを特徴とする、請求項17、18、19又は20に記載の螺旋状ホースの製造方法
- 前記ホース本体(3)の外側に、伸縮性を有しないたて糸とよこ糸とを筒状に織成し、その長さ方向に延びる帯状部(14)を除いた全周に所定間隔毎に輪切り状の切り込み(15)を形成したカバー筒状布(13)を嵌合し、前記帯状部(14)においてホース本体(3)の伸長を抑制せしめることを特徴とする、請求項11に記載の螺旋状ホースの製造方法
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