JP4526005B2 - 耐候ハードコートフィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐候ハードコートフィルムおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは、長期間にわたって優れた層間密着性を示す耐候ハードコートフィルムおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
保護フィルム、防曇フィルム、熱線遮断フィルムまたはカバーフィルム等の表面硬度を高めて耐擦過性を向上させる手段として、ハードコート層を基材フィルム上の最表面に形成したハードコートフィルムが知られている。ハードコート層としては、真空蒸着により形成された無機質皮膜や、熱硬化型または電子線もしくは紫外線等の活性エネルギー線硬化型の有機系ハードコート層用樹脂組成物により形成された皮膜等が好ましく適用されている。これらのうち、有機系ハードコート層用樹脂組成物は、塗布、乾燥もしくは活性エネルギー線の照射により簡単にハードコート層を形成できるので好ましく適用されている。
【0003】
しかしながら、上述した有機系ハードコート層用樹脂組成物で形成されたハードコート層は、高硬度で優れた耐擦過性を有している反面、高架橋密度からなるハードコート層を形成するための昇温・硬化過程で大きな硬化収縮を起こし、ハードコート層にクラックが生じることがあった。また、基材フィルムとハードコート層との間にプライマー層が設けられているハードコートフィルムにおいては、ハードコート層に生じた硬化収縮によりプライマー層とハードコート層との間で層間剥離が生じることがあった。
【0004】
こうした問題に対し、下記特許文献1には、基材フィルム、プライマー層およびハードコート層が順次形成されたハードコートフィルムにおいて、プライマー層を、反応性シリル基を有するモノマーと紫外線吸収性基を有するモノマーを特定比率で含有する共重合体を含む紫外線吸収性樹脂組成物を使用して形成することが記載されている。そして、その効果として、基材フィルムの紫外線劣化を防止しつつハードコート層との密着性や基材フィルムとの密着性を改善し、耐候性や耐擦過性、耐クラック性などが改善されると記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特願2002−154182号公報(段落番号0014〜0016)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のハードコートフィルムにおいては、プライマー層とハードコート層との間の層間密着性が不十分であり、特に長期間の耐候性試験結果において層間剥離が発生するおそれがあった。そのため、依然として長期耐候性を有するハードコートフィルムへの要請があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、長期間にわたって優れた層間密着性を示す耐候ハードコートフィルムおよびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、基材フィルム、プライマー層および耐候ハードコート層がその順で設けられている耐候ハードコートフィルムであって、前記耐候ハードコート層は、耐候ハードコート層用樹脂組成物と、前記プライマー層を形成するためのプライマー層用樹脂組成物に含まれる硬化剤と、が反応して形成され、前記硬化剤が、前記プライマー層用樹脂組成物に含まれる硬化性樹脂と溶剤との総量を100重量%としたとき、3重量%以上の割合で配合されたイソシアネート硬化剤であり、前記耐候ハードコート層用樹脂組成物が、多官能ウレタンアクリレートおよび2官能以上のモノマーを主成分とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物であり、前記多官能ウレタンアクリレートは、10〜15官能のうちのいずれかのウレタンアクリレート、または、10〜15官能の各種のウレタンアクリレートの混合物であることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、耐候ハードコート層用樹脂組成物とプライマー層用樹脂組成物に含まれる硬化剤とが反応して耐候ハードコート層が形成されるので、プライマー層と耐候ハードコート層との密着性が極めて向上する。こうして形成された耐候ハードコートフィルムは、プライマー層と耐候ハードコート層との間で層間剥離が生じにくく、長期にわたって優れた層間密着性を有している。また、この発明によれば、イソシアネート硬化剤は、プライマー層用樹脂組成物に含まれる硬化性樹脂と溶剤との総量を100重量%としたとき、3重量%以上の割合で配合されるので、少なくともその3重量%のうちの一部のイソシアネート硬化剤が耐候ハードコート層用樹脂組成物と反応して耐候ハードコート層が形成される。さらに、この発明によれば、上記硬化剤が多官能ウレタンアクリレートおよび2官能以上のモノマーを主成分とする樹脂組成物と反応するので、耐擦過性に優れ、硬度の高い耐候ハードコート層が形成される。
【0014】
本発明の耐候ハードコートフィルムにおいて、前記プライマー層用樹脂組成物が、アクリル系紫外線吸収樹脂およびイソシアネート硬化剤を主成分とする樹脂組成物であることが好ましい。
【0015】
この発明によれば、形成されるプライマー層が紫外線吸収機能を有することとなるので、基材フィルムおよび耐候ハードコート層の一方が太陽光に曝されて劣化が進行するのを防ぐことができる。また、本発明の耐候ハードコートフィルムにおいて、前記プライマー層用樹脂組成物が、アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂と前記イソシアネート硬化剤とを主成分とし、さらに溶剤成分を含む2液性の硬化型プライマー層用樹脂組成物であり、前記アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂と前記溶剤とからなるワニスの総量を100重量%としたとき、主成分である前記アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂が前記ワニス中に10〜50重量%の割合で含まれ、前記アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂(溶剤を含まない樹脂成分そのもの)を100として、前記イソシアネート硬化剤(溶剤を含まない硬化剤成分そのもの)の含有比(重量比)で換算して表わした場合に、前記アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂:前記イソシアネート硬化剤が100:8〜38であることが好ましい。さらに、本発明の耐候ハードコートフィルムにおいて、前記耐候ハードコート層用樹脂組成物が、さらに光開始剤と光安定剤を含有することが好ましい。そして、本発明の耐候ハードコートフィルムにおいて、前記多官能ウレタンアクリレートが20〜90重量%、前記2官能以上の多官能モノマーが10〜80重量%、前記光開始剤が0.5〜5重量%、前記光安定剤が0〜0.1重量%であることが好ましい。
【0016】
本発明の耐候ハードコートフィルムにおいて、前記基材フィルムが、PETフィルムであることが好ましい。
【0017】
この発明によれば、製造安定性とハンドリングに優れたPETフィルムを用いるので、耐候ハードコートフィルム全体としての製造安定性とハンドリングが向上する。
【0018】
また、上記課題を解決するための耐候ハードコートフィルムの製造方法は、基材フィルム上に、紫外線吸収樹脂とイソシアネート硬化剤とを有したプライマー層用樹脂組成物を塗布した後、耐候ハードコート層用樹脂組成物を塗布し、その後の硬化処理によりプライマー層および耐候ハードコート層を形成する耐候ハードコートフィルムの製造方法であって、前記硬化処理により、プライマー層用樹脂組成物に含まれるイソシアネート硬化剤と耐候ハードコート層用樹脂組成物とが反応して耐候ハードコート層が形成され、前記プライマー層用樹脂組成物は、硬化性樹脂と溶剤との総量を100重量%としたとき3重量%以上の割合でイソシアネート硬化剤が配合されてなる樹脂組成物であり、前記耐候ハードコート層用樹脂組成物は、多官能ウレタンアクリレートおよび2官能以上のモノマーを主成分とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物であり、前記多官能ウレタンアクリレートは、10〜15官能のうちのいずれかのウレタンアクリレート、または、10〜15官能の各種のウレタンアクリレートの混合物であることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、プライマー層用樹脂組成物と耐候ハードコート層用樹脂組成物を塗布した後に硬化処理をし、プライマー層用樹脂組成物中のイソシアネート硬化剤と耐候ハードコート層用樹脂組成物とを反応させて耐候ハードコート層を形成するので、プライマー層と耐候ハードコート層との層間密着性を向上させることができる。その結果、長期間太陽光や風雨に曝された場合であっても層間剥離の起こらない耐候ハードコートフィルムを製造することができる。また、この発明によれば、プライマー層用樹脂組成物には、硬化性樹脂と溶剤との総量を100重量%としたとき3重量%以上の割合でイソシアネート硬化剤が配合されているので、少なくともその3重量%のうちの一部のイソシアネート硬化剤が、その後に塗布された耐候ハードコート層用樹脂組成物と反応する。その結果、プライマー層上に、プライマー層と密着性に優れた耐候ハードコート層が形成される。さらに、イソシアネート硬化剤が多官能ウレタンアクリレートおよび2官能以上のモノマーを主成分とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物と反応して耐候ハードコート層が形成されるので、耐擦過性に優れ、硬度の高い耐候ハードコート層が形成される。こうして形成された耐候ハードコートフィルムは、層間密着性と耐擦過性に優れている。
【0020】
本発明の耐候ハードコートフィルムの製造方法において、前記プライマー層用樹脂組成物が、アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂と前記イソシアネート硬化剤とを主成分とし、さらに溶剤成分を含む2液性の硬化型プライマー層用樹脂組成物であり、前記アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂と前記溶剤とからなるワニスの総量を100重量%としたとき、主成分である前記アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂が前記ワニス中に10〜50重量%の割合で含まれ、前記アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂(溶剤を含まない樹脂成分そのもの)を100として、前記イソシアネート硬化剤(溶剤を含まない硬化剤成分そのもの)の含有比(重量比)で換算して表わした場合に、前記アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂:前記イソシアネート硬化剤が100:8〜38であることが好ましい。また、本発明の耐候ハードコートフィルムの製造方法において、前記耐候ハードコート層用樹脂組成物が、さらに光開始剤と光安定剤を含有することが好ましい。さらに、本発明の耐候ハードコートフィルムの製造方法において、前記多官能ウレタンアクリレートが20〜90重量%、前記2官能以上の多官能モノマーが10〜80重量%、前記光開始剤が0.5〜5重量%、前記光安定剤が0〜0.1重量%であることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の耐候ハードコートフィルムおよびその製造方法について詳細に説明する。
【0023】
本発明の耐候ハードコートフィルムは、図1に示すように、基材フィルム11、プライマー層12および耐候ハードコート層13がその順で設けられている耐候ハードコートフィルム1であり、その特徴は、その耐候ハードコート層13が、耐候ハードコート層用樹脂組成物と、プライマー層用樹脂組成物に含まれる硬化剤の一部とが反応して形成されることにある。以下、本発明の構成について順に説明する。
【0024】
(基材フィルム)
基材フィルム11としては、有色または無色の各種のプラスチックフィルムを適用することができ、特に限定されない。例えば、ポリエステル系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリアリレート系樹脂フィルム、ポリエチレン系樹脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ABS系樹脂フィルム、ポリスチレン系樹脂フィルム、塩化ビニル系樹脂フィルム等を適用することができる。さらに、この基材フィルム11は、透明、半透明または不透明であってもく、基材フィルム中に紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料等が含まれているものであってもよい。
【0025】
本発明の耐候ハードコートフィルム1において、基材フィルム側が環境側に配置される場合には、基材フィルム11が直接太陽光に曝されるので、上述した各種の基材フィルム11の中でも耐候性のよいものを適用することが望ましい。例えば、太陽光に対して耐候性のよいアクリル系樹脂、耐候処理ポリカーボネート系樹脂、耐候処理ポリエチレンテレフタレート系樹脂等からなる各種のフィルムを好ましく適用することができる。なお、基材フィルム側が環境側に配置される場合とは、耐候ハードコートフィルムの基材フィルム側の面が、粘着剤や接着剤等により例えばウインドウの内側に貼付されているような場合のことである。
【0026】
一方、基材フィルム側が環境側に配置されない場合、すなわち耐候ハードコート層側が環境側に配置される場合には、プライマー層や耐候ハードコート層により耐候性を担保できるので、上述した各種の基材フィルム11を使用できるが、その場合であっても上述のような耐候性のある基材フィルムを用いることが望ましい。なお、耐候ハードコート層側が環境側に配置される場合とは、耐候ハードコートフィルムの基材フィルム側の面が、粘着剤や接着剤等により例えばウインドウの外側に貼付されているような場合のことである。
【0027】
本発明の耐候ハードコートフィルムを構成する基材フィルム11の特に好ましい例としては、ポリエステル系樹脂フィルム、特にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を挙げることができる。このPETフィルムは、製造安定性、ハンドリング性、耐熱性および引張強度が優れているので好ましく用いられる。
【0028】
基材フィルム11には、静防、易滑、離型、マット加工、防爆、防眩、蒸着等の各種の表面処理、コロナ処理または易接着処理等を施してもよい。また、基材フィルム11の厚さは特に限定されず、種々の厚さのものを適用可能であるが、ウインドウ用に用いられる場合には例えば25〜200μm程度のものを適用するのが好ましく、電子機器用に用いられる場合には例えば2〜100μm程度のものを適用するのが好ましい。また、基材フィルム11の形状や製造方法についても特に限定されず、シート状、平板状、曲板状、波板状等の形状、およびそうした形状のフィルムを製造する一般的な周知の製造方法を適用することができる。また、基材フィルム11には、図2に示すように、染料や顔料等の色剤を含有する樹脂を用いて形成された絵柄層や有色層等の化粧層14を、プライマー層12との間に設けてもよい。
【0029】
(プライマー層)
プライマー層12は、基材フィルム11と耐候ハードコート層13との間に設けられ、両者の密着性と耐久性を向上させるように作用する。
【0030】
プライマー層12を形成するためのプライマー層用樹脂組成物としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ウレタン−アクリル共重合体樹脂、ロジンあるいは石油系樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等の樹脂組成物と、硬化剤と、溶剤成分とからなる2液性のプライマー層用樹脂組成物を挙げることができ、より好ましくは、アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂とイソシアネート硬化剤とを主成分とする2液性の硬化型プライマー層用樹脂組成物を挙げることができる。
【0031】
アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂の具体例としては、ザ・インクテック製のプライマー#8(商品名)を挙げることができる。このプライマー#8(商品名)は、固形分45%のアクリル系紫外線吸収樹脂材料である。
【0032】
イソシアネート硬化剤としては、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)のアダクト(付加物)またはヌレートタイプ等、一般に市販されるものが挙げられる。これらのうち、XDI、HDI、IPDIは、無黄変タイプの硬化剤であるので、黄変のない長期安定性に優れたプライマー層の形成に有利である。なお、ヌレートタイプのイソシアネート硬化剤とは、XDIやTDI等のイソシアネートを三量化反応させてできるイソシアヌレート基をもつイソシアネート硬化剤である。
【0033】
こうしたプライマー層用樹脂組成物により形成されたプライマー層12は、基材フィルム11と耐候ハードコート層13との密着性を向上させると共に、太陽光等の紫外線による基材フィルム11または耐候ハードコート層13の劣化を防止することができ、さらに、硬度の向上、層間密着の向上等を図ることができる。
【0034】
本発明で好ましく用いられるアクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂とイソシアネート硬化剤とを主成分とし、さらに溶剤成分を含む2液性の硬化型プライマー層用樹脂組成物の場合においては、アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂と溶剤とからなるワニスの総量を100重量%としたとき、主成分であるアクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂がそのワニス中に10〜50重量%の割合で含まれ、さらに、ワニスの総量を100重量%としたとき、そのワニスに3重量%以上の割合でイソシアネート硬化剤が配合されることが好ましく(このとき、ワニスと硬化剤との総量は形式上103重量%以上と表されることになる)、5重量%以上の割合でイソシアネート硬化剤が配合されることがより好ましい(このとき、ワニスと硬化剤との総量は形式上105重量%以上と表されることになる)。イソシアネート硬化剤の配合量の上限については特に限定されないが、樹脂安定性や加工適正の観点からは15重量%であることが好ましく(このとき、ワニスと硬化剤との総量は形式上115重量%以上と表されることになる)、10重量%であることがより好ましい(このとき、ワニスと硬化剤との総量は形式上110重量%以上と表されることになる)。すなわち、プライマー層用樹脂組成物は、硬化性樹脂と溶剤との総量を100重量%としたとき3重量%以上、好ましくは5重量%以上の割合でイソシアネート硬化剤が配合さた樹脂組成物である。このとき、配合後のプライマー層用樹脂組成物総量は、数値上、103重量%以上(硬化剤配合量3重量%以上の場合)または105重量%以上(硬化剤配合量5重量%以上の場合)となる。
【0035】
なお、前述した各成分の含有割合(重量換算割合)について、アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂と溶剤とからなるワニス中にその硬化性樹脂が40重量%含まれる特に好ましい場合で例示したとき、その硬化性樹脂(溶剤を含まない樹脂成分そのもの)を100とした硬化剤(溶剤を含まない硬化剤成分そのもの)の含有比(重量比)で換算して表せば、硬化性樹脂(好ましくはアクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂):硬化剤(好ましくはイソシアネート硬化剤)が100:8〜38であることが好ましく、100:15〜33であることがより好ましい。なお、この含有比は、ワニス中にその硬化性樹脂が40重量%含まれる特に好ましい場合で例示した場合であるが、ワニス中の硬化性樹脂について、上記範囲内の含有量の場合においても上記同様の換算をしてその換算値で特定することができる。
【0036】
上述のように、イソシアネート硬化剤の配合量を3重量%以上または上記例示における含有比で8以上とした理由は、過剰量のイソシアネート硬化剤が、その後において塗布される耐候ハードコート層用樹脂組成物中の樹脂成分と反応し、耐候ハードコート層を架橋反応により硬化させるためである。イソシアネート硬化剤の配合量が3重量%未満または上記含有比で8未満では、余剰のイソシアネート硬化剤が少なく、耐候ハードコート層用樹脂組成物を十分に硬化させることができないので、プライマー層と後述する耐候ハードコート層との間の層間密着性を改善させることができないことがある。一方、イソシアネート硬化剤の配合量が15重量%または上記含有比で38を超えると、プライマー層を塗布した後にフィルムブロッキングが発生したり、ハードコート層のクラック発生の要因となることがある。
【0037】
また、プライマー層を形成するためのイソシアネート硬化剤の配合量は約2〜5重量%または上記含有比で5〜13であればよいが、上記のようにプライマー層と耐候ハードコート層との層間密着性を向上させるために使用されるイソシアネート硬化剤の余剰量としては、プライマー層を形成するためのイソシアネート硬化剤の配合量よりも1〜10重量%または含有比で3〜25多めになるように調整することが好ましく、その結果として、3〜15重量%または含有比で8〜38の範囲となることが好ましい。
【0038】
プライマー層用樹脂組成物を構成する溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン等を挙げることができ、塗布工程においては、ザーンカップ#3で通常10秒〜40秒程度の粘度に調整して用いられる。
【0039】
また、プライマー層用樹脂組成物中には、上記プライマー層の作用効果を損なわない限度において、アクリル等の樹脂フェラー、マイクロシリカ、紫外線吸収剤、または、静防、易滑等を目的とした各種の添加剤を配合してもよい。
【0040】
プライマー層12は、希釈用溶媒で希釈されて塗工液として任意に調整されたプライマー層用樹脂組成物を塗布(乾燥を含む。)した後、硬化処理することにより形成される。硬化処理はエージングにより行われ、そのエージング条件は、樹脂組成物に応じた温度と時間が任意に選択されるが、通常40〜70℃で12〜72時間程度のエージングが適用される。プライマー層12の厚さは、通常0.5〜10μm程度である。
【0041】
本発明においては、基材フィルム上にプライマー層用樹脂組成物を塗布(乾燥を含む。)し、この段階でエージングせず、引き続いて後述の耐候ハードコート層用樹脂組成物を塗布した後に、エージングする。こうした方法により、プライマー層12と耐候ハードコート層13とが同時に硬化処理されて形成される。さらに、耐候ハードコート層は、プライマー層用樹脂組成物中の過剰量のイソシアネート硬化剤と、耐候ハードコート層用樹脂組成物中の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物中の樹脂成分との反応により形成されるので、プライマー層との密着性が向上する。
【0042】
(耐候ハードコート層)
耐候ハードコート層13は、耐候ハードコートフィルムに耐擦過性を持たせ且つ耐候性を付与するように作用する。
【0043】
耐候ハードコート層を形成するための樹脂組成物としては、多官能ウレタンアクリレートと2官能以上の多官能モノマーとを主成分とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を好ましく用いることができる。
【0044】
多官能ウレタンアクリレートとしては、10〜15官能のうちのいずれかのウレタンアクリレート、または、10〜15官能の各種のウレタンアクリレートの混合物が好ましく用いられる。なお、耐候ハードコート層の所望の作用効果を損なわない限度において、それ以外の官能基を有するウレタンアクリレートを含有してもよい。
【0045】
また、2官能以上の多官能モノマーとしては、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド付加物ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド付加物トリアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、等が挙げることができる。官能基の上限は、ハードコート層のクラック防止およびフィルムのカール防止の観点から、6であることが好ましい。より好ましくは、2〜4官能のモノマーである。
【0046】
特に好ましい耐候ハードコート層用樹脂組成物の具体例としては、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物であるザ・インクテック製のUV−C(商品名)を挙げることができる。このUV−C(商品名)の耐候ハードコート層用樹脂組成物を上述したザ・インクテック製のプライマー#8(商品名)を用いて形成したエージング前のプライマー塗工膜上に塗布(乾燥を含む。)することにより、そのプライマー層用樹脂組成物に含まれる硬化剤の一部と耐候ハードコート層用樹脂組成物とが反応する。その結果、プライマー層と耐候ハードコート層との層間密着性が向上し、長期間優れた耐候性を発揮できる。なお、ザ・インクテック製のUV−C(商品名)は、固形分80%で、紫外線硬化型の10官能ウレタンアクリレートと2官能モノマーとが約4:1の割合となるように77重量%含有し、さらに光開始剤を3重量%含有する樹脂材料である。この樹脂組成物を適用することにより、2H〜3Hの表面硬度の耐候ハードコート層を形成することができる。
【0047】
上述の耐候ハードコート層用樹脂組成物中には、一般的に使用されている各種の光開始剤や光安定剤を含有させて、活性エネルギー線硬化型の耐候ハードコート層とすることが好ましい。このような光開始剤や光安定剤が添加された耐候ハードコート層用樹脂組成物は、活性エネルギー線を照射することにより塗工膜を硬化させて耐候ハードコート層を形成することができると共に、その後のエージング処理により架橋反応させることができる。耐候ハードコート層用樹脂組成物の各成分の配合量は、主成分である多官能ウレタンアクリレートが20〜90重量%、2官能以上の多官能モノマーが10〜80重量%、光開始剤が0.5〜5重量%、光安定剤が0〜0.1重量%であることが好ましい。こうした範囲の耐候ハードコート層用樹脂組成物を用いることにより、目的とする耐候性、耐擦過性、層間密着性等を確保することができる。
【0048】
なお、耐候ハードコート層用樹脂組成物の希釈溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン等を挙げることができ、塗布工程においては、ザーンカップ#3で通常10秒〜40秒程度の粘度に調整して用いられる。また、耐候ハードコート層13の厚さは、通常1〜10μm程度である。
【0049】
上記耐候ハードコート層用樹脂組成物中には、前述した構成成分以外に他の種々の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、シラン、チタネート、アルミネート系のカップリング剤が挙げられる。また、塗料などの層形成用組成物に一般に使用されるレベリング剤、酸化防止剤、タルクなどの充填剤、防錆剤、蛍光性増白剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、染料、増粘剤などを含むものであってもよく、更には、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系などの紫外線吸収剤や紫外線安定剤を含むものであってもよい。また、耐候ハードコート層の耐擦過性や耐汚染性をさらに高めるため、コロイド状に分散したシリカゾルやアルミナなどを含有させることもでき、また、無機微粒子の表面に有機ポリマーが固定された複合無機微粒子を添加することもできる。
【0050】
(耐候ハードコートフィルムの製造方法)
上述した構成からなる本発明の耐候ハードコートフィルム1は、基材フィルム上に、紫外線吸収樹脂とイソシアネート硬化剤とを有し、溶媒で粘度調整されたプライマー層用樹脂組成物を塗布・乾燥した後、粘度調整された耐候ハードコート層用樹脂組成物を塗布・乾燥し、その後の硬化処理によりプライマー層および耐候ハードコート層を形成することにより製造される。本発明の製造方法においては、プライマー層用樹脂組成物に配合されるイソシアネート硬化剤と耐候ハードコート層用樹脂組成物とが硬化処理により反応して耐候ハードコート層が形成されることに特徴がある。その結果、プライマー層と耐候ハードコート層との層間密着性を向上させることができ、長期間太陽光や風雨に曝された場合であっても層間剥離の起こらない耐候ハードコートフィルムを製造することができる。
【0051】
プライマー層用樹脂組成物の塗布手段として、グラビアダイレクトコート、グラビアリバースコート、ナイフコート、バーコート、スリットリバースコート、Tダイコート、マイクログラビアコート、3本リバースコート等の各種の手段を適用することができる。また、プライマー層用樹脂組成物を硬化させずに、引き続いて塗布する耐候ハードコート層用樹脂組成物の塗布手段についても、上記同様の塗布手段を適用することができる。
【0052】
硬化処理としては、例えば30〜70℃で24〜240時間のエージング処理を好ましく適用することができる。
【0053】
本発明の耐候ハードコートフィルムは、さらにその後において、基材フィルム側の表面に、粘着剤を介してセパレータを設けることができる。こうした構成とすることにより、セパレータを剥がして露出した粘着面を被貼着物に貼付することができる。こうした手段により、本発明の耐候ハードコートフィルムを容易に被貼着物に貼付することができる。この場合において、粘着剤としては、アクリル系樹脂を例示でき、セパレータとしては、厚さ50〜150μm程度の両面ポリラミネート紙等を例示することができる。
【0054】
製造された耐候ハードコートフィルムは、例えば、ウインドウの外側や内側、または電子部品等の外側に貼付して用いることができる。ウインドウの外側や電子部品等の外側に貼付する場合においては、基材フィルム側をウインドウの外側面に貼付するので、耐候ハードコート層側が外気環境に曝されるが、本発明の耐候ハードコートフィルムは、外気側に耐候ハードコート層が設けられ、さらにその内側に紫外線吸収機能を持つプライマー層が設けられ、さらにその耐候ハードコート層とプライマー層との長期層間密着性が優れているので、極めて長期にわたって耐候ハードコートフィルムの機能を持たせることができる。
【0055】
また、ウインドウの内側に貼付する場合においては、基材フィルム側をウインドウの内側面に貼付するので、耐候ハードコート層側が室内環境に曝される。なお、その貼着態様によっては、基材フィルムが太陽光に曝されることがあるので、その場合には、耐紫外線性のよい基材フィルムを用いることが望ましい。
【0056】
【実施例】
以下、実施例と比較例により、本発明をさらに詳しく説明する。なお、以下の実施例により本発明の範囲が限定されることはない。また、本願において、重量%は質量%と同義である。
【0057】
(実施例1)
基材フィルム11として、東洋紡株式会社製のPETフィルム(厚さ:50μm、未処理PET)を用いた後、下記配合のプライマー層用塗工液をバーコート(ミヤバー#12)により膜厚8μmとなるように塗布・乾燥した後、直ぐに下記配合の耐候ハードコート層用塗工液をバーコート(ミヤバー#8)により膜厚8μmとなるように塗布・乾燥した。その後、UV照射(160W/cm2)した後、さらに50℃・24時間のエージングを行って、実施例1の耐候ハードコートフィルムを作製した。なお、プライマー層用塗工液中のキシレンジイソシアネート硬化剤は、未処理PET基材への密着性を良好なものとするので、好ましく用いられる。
【0058】
プライマー層用塗工液;
プライマー層用樹脂組成物(▲1▼アクリル系紫外線吸収樹脂ワニス(ザ・インクテック株式会社製、プライマー#8(商品名):固形分45%のアクリル系紫外線吸収樹脂材料)、▲2▼硬化剤(キシレンジイソシアネート)、▲3▼ワニス中のアクリル系紫外線吸収樹脂25重量%、ワニス中のアクリル系紫外線吸収樹脂と溶媒との総量を100重量%としたときに配合する硬化剤5重量%(=配合後のプライマー層用樹脂組成物総量は数値上105重量%となる)、▲4▼組成物中のアクリル系紫外線吸収樹脂:硬化剤=100:20(重量比)……68重量部
希釈用溶剤(メチルエチルケトン)……32重量部
【0059】
耐候ハードコート層用塗工液;
耐候ハードコート層用樹脂組成物(ザ・インクテック株式会社製、UV−C(商品名):固形分80%の紫外線硬化型樹脂、含有割合:10官能ウレタンアクリレート37重量%、2官能モノマー9重量%、光開始剤2重量%)……61重量部
希釈用溶剤(メチルエチルケトン)……39重量部
【0060】
(実施例2)
実施例1の耐候ハードコート層用塗工液において、耐候ハードコート層用樹脂組成物中の10官能ウレタンアクリレート37重量%と2官能モノマー9重量%の代わりに、15官能ウレタンアクリレート37重量%と2官能モノマー9重量%で構成した他は、実施例1と同様にして、実施例2の耐候ハードコートフィルムを作製した。
【0061】
(実施例3)
実施例1の耐候ハードコート層用塗工液において、耐候ハードコート層用樹脂組成物中の10官能ウレタンアクリレート37重量%と2官能モノマー9重量%の代わりに、10官能ウレタンアクリレート37重量%と、5〜6官能モノマー9重量%で構成した他は、実施例1と同様にして、実施例3の耐候ハードコートフィルムを作製した。
【0062】
(実施例4)
実施例1のプライマー層用塗工液において、プライマー層用樹脂組成物を構成するキシレンジイソシアネート硬化剤の配合量5重量%の代わりに、イソフォロンジイソシアネート硬化剤の配合量5重量%で構成した他は、実施例1と同様にして、実施例4の耐候ハードコートフィルムを作製した。
【0063】
(比較例1)
実施例1のプライマー層用塗工液において、プライマー層用樹脂組成物を構成する硬化剤を除いたプライマー層用塗工液を用いた他は、実施例1と同様にして、比較例1の耐候ハードコートフィルムを作製した。
【0064】
(比較例2)
下記プライマー層用塗工液を用いた他は、実施例1と同様にして、比較例2の耐候ハードコートフィルムを作製した。
【0065】
プライマー層用塗工液;
プライマー層用樹脂組成物(アクリル系樹脂と紫外線吸収剤(チバガイキー社製、TINUVIN 400)との混合物で、組成物中のアクリル系樹脂と紫外線吸収剤の含有量は、それぞれ26重量%、3重量%である)……68重量部
希釈用溶剤(酢酸エチル)……32重量部
【0066】
(比較例3)
ポリエステル樹脂18重量部と希釈用溶剤(酢酸エチル)72重量部とからなるプライマー層用塗工液を用いた他は、実施例1と同様にして、比較例3の耐候ハードコートフィルムを作製した。
【0067】
(実施例1〜4および比較例1〜3の結果)
実施例1〜4および比較例1〜3で得られた耐候ハードコートフィルムの層間密着性、擦過性、硬度、耐候性についての評価を行った。得られた結果を表1に示した。
【0068】
(層間密着性)
層間密着性は、テープ密着性で評価した。具体的には、カッターにより長さ20mmのクロスカットを行い、その部分に幅24mmのセロハンテープを貼り10往復擦って密着させた。そして、瞬間的に鋭角(約30°)に剥がして剥離していないかの確認を行って評価した。層間剥離が生じないものを○、層間剥離が生じるおそれのあるものを△、層間剥離が生じたものを×、として表した。結果を表1に示した。
【0069】
(擦過性)
学振式摩耗試験機(テスター産業社製、AB−301)を用い、耐候ハードコートフィルムの耐候ハードコート層側をスチールウールで1500回往復運動させた。なお、スチールウールには500gの荷重を負荷しながら所定回数往復運させた。目視評価にて、キズの付き方が少なく外観に優れているものを○、キズが付くが実用上問題のないものを△、キズが付いて外観が劣るものを×、として表した。結果を表1に表した。
【0070】
(硬度)
JIS K 5400に準拠し、荷重1000gを負荷した三菱ユニ鉛筆2Hで、耐候ハードコートフィルムの耐候ハードコート層側に引っ掻き傷を付けるようにして、硬度を評価した。引っ掻き傷の付き方が少なく外観に優れているものを○、引っ掻き傷が付くが実用上問題のないものを△、引っ掻き傷が付いて外観が劣るものを×、として表した。結果を表1に表した。
【0071】
(耐候性)試験後の層間密着性)
耐候性は、耐候性試験後の層間密着性により評価した。耐候性試験として、耐候ハードコートフィルムをS−UV(岩崎電機社製、UV−W23)にセットし、メタルハライドランプの紫外線を300時間照射した。処理後の耐候ハードコートフィルムについて、上記層間密着性の評価を行った。層間剥離が生じないものを○、層間剥離が生じるおそれのあるものを△、層間剥離が生じたものを×、として表した。結果を表1に示した。
【0072】
(評価結果)
【0073】
【表1】
【0074】
(実施例5)
実施例1の耐候ハードコートフィルムの製造において、プライマー層用塗工液を構成するプライマー層用樹脂組成物に配合された硬化剤の配合量と、プライマー層/耐候ハードコート層間の層間密着性との関係について実験した。耐候ハードコートフィルムは、実施例1に記載のワニス中のアクリル系紫外線吸収樹脂と溶媒との総量を100重量%としたときに配合する硬化剤の配合量を、0,2,4,6,7重量%と変化させた他は、実施例1と同様の方法で作製した耐候ハードコートフィルムを用いた。
【0075】
表2は、プライマー層用塗工液を塗布・乾燥した直後の試料をIR測定した結果と吸光度測定の結果である。また、表3は、得られた試料の層間密着性の結果であり、条件Aは、プライマー層用塗工液を塗布乾燥した直後に耐候ハードコート層用塗工液を塗布乾燥し、その後、50℃で24時間エージングして両層を硬化させた後における層間密着性の試験結果であり、条件Bは、プライマー層用塗工液を塗布乾燥した後、50℃で24時間エージングしてプライマー層を硬化させ、引き続き、耐候ハードコート層用塗工液を塗布乾燥した後、50℃で24時間エージングして硬化させた後における層間密着性の試験結果である。
【0076】
以下の結果より明らかなように、プライマー層を硬化処理した後に耐候ハードコート層を形成した場合は、いずれの場合も層間密着性に劣っていた。また、条件Aにおいて、硬化剤は4重量%以上で良好な層間密着性を示した。
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の耐候ハードコートフィルムによれば、プライマー層と耐候ハードコート層との層間密着性が極めて改善されるので、両層の間で層間剥離が生じにくく、長期にわたって優れた層間密着性を発揮することができる。さらに、本発明の耐候ハードコートフィルムは、飛散防止機能や防汚機能を有し、耐擦過性においても優れており、ウインドウの外面または内面、電子部品の外面等、各種の被貼着物に対する耐候ハードコートフィルムとして好ましく用いることができる。
【0080】
また、本発明の耐候ハードコートフィルムの製造方法によれば、プライマー層用樹脂組成物と耐候ハードコート層用樹脂組成物を塗布乾燥した後に硬化処理をし、プライマー層用樹脂組成物中のイソシアネート硬化剤と耐候ハードコート層用樹脂組成物とを反応させて耐候ハードコート層を形成するので、プライマー層と耐候ハードコート層との層間密着性を向上させることができ、長期間太陽光や風雨に曝された場合であっても層間剥離の起こらない耐候ハードコートフィルムを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐候ハードコートフィルムの一例を示す断面構成図である。
【図2】本発明の耐候ハードコートフィルムの他の一例を示す断面構成図である。
【符号の説明】
1 耐候ハードコートフィルム
11 基材フィルム
12 プライマー層
13 耐候ハードコート層
14 化粧層
Claims (10)
- 基材フィルム、プライマー層および耐候ハードコート層がその順で設けられている耐候ハードコートフィルムであって、
前記耐候ハードコート層は、耐候ハードコート層用樹脂組成物と、前記プライマー層を形成するためのプライマー層用樹脂組成物に含まれる硬化剤と、が反応して形成され、
前記硬化剤が、前記プライマー層用樹脂組成物に含まれる硬化性樹脂と溶剤との総量を100重量%としたとき、3重量%以上の割合で配合されたイソシアネート硬化剤であり、
前記耐候ハードコート層用樹脂組成物が、多官能ウレタンアクリレートおよび2官能以上のモノマーを主成分とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物であり、
前記多官能ウレタンアクリレートは、10〜15官能のうちのいずれかのウレタンアクリレート、または、10〜15官能の各種のウレタンアクリレートの混合物であることを特徴とする耐候ハードコートフィルム。 - 前記プライマー層用樹脂組成物が、アクリル系紫外線吸収樹脂およびイソシアネート硬化剤を主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の耐候ハードコートフィルム。
- 前記プライマー層用樹脂組成物が、アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂と前記イソシアネート硬化剤とを主成分とし、さらに溶剤成分を含む2液性の硬化型プライマー層用樹脂組成物であり、
前記アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂と前記溶剤とからなるワニスの総量を100重量%としたとき、主成分である前記アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂が前記ワニス中に10〜50重量%の割合で含まれ、
前記アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂(溶剤を含まない樹脂成分そのもの)を100として、前記イソシアネート硬化剤(溶剤を含まない硬化剤成分そのもの)の含有比(重量比)で換算して表わした場合に、前記アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂:前記イソシアネート硬化剤が100:8〜38であることを特徴とする請求項1に記載の耐候ハードコートフィルム。 - 前記耐候ハードコート層用樹脂組成物が、さらに光開始剤と光安定剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐候ハードコートフィルム。
- 前記多官能ウレタンアクリレートが20〜90重量%、前記2官能以上の多官能モノマーが10〜80重量%、前記光開始剤が0.5〜5重量%、前記光安定剤が0〜0.1重量%であることを特徴とする請求項4に記載の耐候ハードコートフィルム。
- 前記基材フィルムが、PETフィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐候ハードコートフィルム。
- 基材フィルム上に、紫外線吸収樹脂とイソシアネート硬化剤とを有したプライマー層用樹脂組成物を塗布した後、耐候ハードコート層用樹脂組成物を塗布し、その後の硬化処理によりプライマー層および耐候ハードコート層を形成する耐候ハードコートフィルムの製造方法であって、
前記硬化処理により、プライマー層用樹脂組成物に含まれるイソシアネート硬化剤と耐候ハードコート層用樹脂組成物とが反応して耐候ハードコート層が形成され、
前記プライマー層用樹脂組成物は、硬化性樹脂と溶剤との総量を100重量%としたとき3重量%以上の割合でイソシアネート硬化剤が配合されてなる樹脂組成物であり、前記耐候ハードコート層用樹脂組成物は、多官能ウレタンアクリレートおよび2官能以上のモノマーを主成分とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物であり、
前記多官能ウレタンアクリレートは、10〜15官能のうちのいずれかのウレタンアクリレート、または、10〜15官能の各種のウレタンアクリレートの混合物であることを特徴とする耐候ハードコートフィルムの製造方法。 - 前記プライマー層用樹脂組成物が、アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂と前記イソシアネート硬化剤とを主成分とし、さらに溶剤成分を含む2液性の硬化型プライマー層用樹脂組成物であり、
前記アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂と前記溶剤とからなるワニスの総量を100重量%としたとき、主成分である前記アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂が前記ワニス中に10〜50重量%の割合で含まれ、
前記アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂(溶剤を含まない樹脂成分そのもの)を100として、前記イソシアネート硬化剤(溶剤を含まない硬化剤成分そのもの)の含有比(重量比)で換算して表わした場合に、前記アクリル系紫外線吸収性の熱硬化性樹脂:前記イソシアネート硬化剤が100:8〜38であることを特徴とする請求項7に記載の耐候ハードコートフィルムの製造方法。 - 前記耐候ハードコート層用樹脂組成物が、さらに光開始剤と光安定剤を含有することを特徴とする請求項7又は8に記載の耐候ハードコートフィルムの製造方法。
- 前記多官能ウレタンアクリレートが20〜90重量%、前記2官能以上の多官能モノマーが10〜80重量%、前記光開始剤が0.5〜5重量%、前記光安定剤が0〜0.1重量%であることを特徴とする請求項9に記載の耐候ハードコートフィルムの製造方法。
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