JP4512294B2 - 電子内視鏡装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スコープの先端に固体撮像素子を設け、体内器官等の被写体像に対応したビデオカラー信号を生成し、ビデオカラー信号に基づいてモニタ装置の画面に被写体のカラー画像を再現する電子内視鏡装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子内視鏡装置はカラー画像を再生するものが主流であり、これに伴い、電子内視鏡装置を用いる医療分野では、カラー画像再生に基づく新たな医療検査法として色素内視鏡検査法等が開発されるに至った。例えば、内視鏡診断の補助診断法として、胃内壁や大腸内壁等に適当な色素溶液を撒布して粘膜の微妙な凹凸を強調して、その形態観察を行い易くするという検査法が知られている。
【0003】
詳述すると、胃内壁や大腸内壁は全体的に赤橙系を呈し、その微妙な凹凸の形態観察を行いにくいものとなっている。このような場合には、赤橙系色に対して明瞭な色コントラストを発揮する青色系の色素溶液、例えばインジゴカルミン溶液がスコープの鉗子孔を通して粘膜壁に撒布されると、その色素溶液は粘膜壁の凹部に集まる傾向にあるのに対し、粘膜壁の凸部からは排除される傾向にあり、このため粘膜壁面の微妙な凹凸形態が色コントラストにより非常に観察し易くなる。
【0004】
しかし、上述したような色素内視鏡検査法では、人体に無害でかつ安価な色素を用意しなければならず、また色素撒布のために検査時間が長くなり患者の苦痛が増大する、あるいは一旦色素撒布を行った直後にはその粘膜壁を元の状態で観察することができない等の問題点がある。この問題を改善するために、最近では特開2001−25025号に示されるように、画像処理によってあたかも色素撒布したかのような色コントラストで再現しうる電子内視鏡装置が考えられている。
【0005】
具体的には、特定の画素の信号レベル値とその周囲8画素の平均信号レベル値とを比較し、特定画素の信号レベル値が低い場合には被写体の対応部位は周囲から窪んでいると判断して、赤色画素信号および緑色画素信号の信号レベル値を低減することにより青色を強調する擬似色素撒布処理を行う。これにより、モニタ装置に再現されるカラー画像は、あたかも青色系色素溶液を撒布したかのような色コントラストを呈する。
【0006】
しかし上記のような擬似色素撒布処理では、モニタ装置で再現されるカラー画像の輝度が全体に低下して見難い画像となるという新たな問題点が生じる。なぜなら、輝度信号は例えばNTSC方式では赤色画素信号、緑色画素信号および青色画素信号を0.3:0.59:0.11の割合で混合して生成されるので赤色画素信号および緑色画素信号に大きく依存しており、このため赤色および緑色画素信号を低減する方式では輝度信号が低減され易い傾向があるためである。従って、画像全体の輝度を向上させるために光量を上げる調光がさらに必要となり、結果として検査に時間がかかって患者の負担が大きくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑み、再現カラー画像の輝度を低減させることなく擬似色素撒布処理を行う電子内視鏡装置を得ることを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電子内視鏡装置は、スコープの先端に設けた固体撮像素子から得られる1フレーム分の第1色画素信号、第2色画素信号および第3色画素信号に基づいてビデオカラー信号を生成し、このビデオカラー信号に基づいてモニタ装置の画面に再現カラー画像を表示する。かかる電子内視鏡装置において、1フレーム分の第1色画素信号に含まれる特定画素における色画素信号の信号レベル値をその特定画素の近接周囲画素の平均信号レベル値と比較する第1の比較手段と、第1の比較手段によって特定画素の信号レベル値が近接周囲画素の平均信号レベル値より小さいと判定された時に、特定画素の信号レベル値を増加するレベル増加手段と、1フレーム分の第2または第3色画素信号に含まれる特定画素における色画素信号の信号レベル値をその特定画素の近接周囲画素の平均信号レベル値と比較する第2の比較手段と、第2の比較手段によって特定画素の信号レベル値が近接周囲画素の平均信号レベル値より小さいと判定された時に、特定画素の信号レベル値を低減するレベル低減手段と、レベル増加手段から得られた第1色画素信号と、レベル低減手段から得られた第2色画素信号および第3色画素信号に基づいてカラーバランスを変更したビデオカラー信号を生成するビデオカラー信号生成手段とを備えることを最も主要な特徴とする。
【0009】
上記電子内視鏡装置においては、第1色画素信号が青色画素信号であり、第2および第3色画素信号がそれぞれ赤色画素信号および緑色画素信号である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0011】
図1は本発明に係る電子内視鏡装置の第1実施形態を示すブロック図である。電子内視鏡装置は、可撓管20を有するスコープ10と、スコープ10に着脱自在な電子内視鏡用のプロセッサ100と、プロセッサ100に接続されるモニタ装置200とを備える。
【0012】
スコープ10には光ファイバ束から成る光ガイド部材12が可撓管先端部20aにまで挿通しており、光ガイド部材12の基端側はスコープ10のプロセッサ100への装着時にプロセッサ100に設けられた光源102に光学的に接続される。光源102は、例えばキセノンランプやハロゲンランプなどの白色光源ランプである。
【0013】
光源102の光射出側(図中左側)には絞り112が設けられ、この絞り112は図示しない絞り調整回路によりその開度が調整され、これにより光ガイド部材12に供給する照明光の光量が適宜調節される。
【0014】
本実施形態ではカラー画像を再現するために面順次方式が採用されるので、絞り112のさらに光ガイド部材12側には回転式のカラーフィルタ114が設けられる。このカラーフィルタ114は円板状を呈し、白色光に含まれる赤色光成分のみを透過する赤色フィルタ、緑色光成分のみを透過する緑色フィルタおよび青色光成分のみを透過する青色フィルタが円周方向に沿って等間隔に配されている。各色フィルタの間は遮光領域とされる。カラーフィルタ114は一定速度で回転させられ、光源102から供給された白色照明光が、各色フィルタを透過することによって赤色(R)照明光、緑色(G)照明光および青色(B)照明光に順次変換される。
【0015】
カラーフィルタ114を経た赤色照明光、緑色照明光または青色照明光は集光レンズ116によって光ガイド部材12の入射端面12aに集光させられ、さらに光ガイド部材12によって可撓管先端部20aへ導かれる。このようにカラーフィルタ114が一定速度で回転することにより、可撓管先端部20aからは赤色照明光、緑色照明光および青色照明光が一定時間だけ間欠的に射出され、その前方に位置する被写体、例えば消化器官の内壁Xが各色照明光により順次照明される。
【0016】
可撓管先端部20aには固体撮像素子例えばCCDから成る撮像センサ14が設けられ、この撮像センサ14は対物レンズ系16と組み合わされる。3色照明光は被写体により反射され、対物レンズ系16によってCCDの受光面に結像される。各色照明光により被写体が照明されている間は撮像センサ14によって各色の光学的被写体像が1フレーム分のアナログ電気信号、即ちアナログ画素信号に光電変換され、その後に続く遮光期間においてこのアナログ画素信号が撮像センサ14から読み出される。これにより、各色照明光に対応したアナログ画素信号がそれぞれ1フレーム分だけ順に読み出される。
【0017】
撮像センサ14から読み出された3色のアナログ画素信号は、プロセッサ100のCCDプロセス回路120に順次入力され、ここで撮像センサ14の特性やスコープ10の光学特性に応じた処理、例えばクランプ処理やサンプルホールド処理、ガンマ補正処理、ホワイトバランス補正処理、輪郭強調処理および増幅処理等が施される。CCDプロセス回路120で処理された3色のアナログ画素信号はA/D変換器122に送られ、そこで例えば8ビットのデジタル画素信号に変換されて、次いでフレームメモリ124に書き込まれて一時的に格納される。従ってこのフレームメモリ124には赤色デジタル画素信号、緑色デジタル画素信号および青色画素信号がそれぞれ1フレーム分だけ格納される。
【0018】
これら1フレーム分のデジタル画素信号は、撮像センサ14の受光面にマトリクス状に配された多数個の画素のそれぞれについて例えば256階調で表された信号レベル値による画素データの画素数分の集合であり、この信号レベル値には輝度情報と光の3原色に関する色濃度情報とが含まれる。信号レベル値が大きいほど輝度が高く(明るい)、色濃度が低い(色が薄い)ことを示している。凹凸形状の被写体を撮像した場合には、凹部は周囲より暗いため、その凹部に相当する画素の信号レベル値は相対的に小さくなり、逆に凸部に相当する画素の信号レベル値は相対的に大きくなる。
【0019】
図2にはフレームメモリ124に格納された1フレーム分の赤色デジタル画素信号がm×nのマトリクス状に配置された8ビット構成の赤色画素データr11〜rmnとして模式的に示され、各赤色画素データr11〜rmnはその該当赤色画素信号のレベル値を示す。図2に示すように、フレームメモリ124からの個々の赤色画素データの読み出しはライン読み出し方向および画素読み出し方向に従って行われる。具体的には、第1ラインに含まれる赤色画素データr11〜r1nが画素読み出し方向に沿って一画素ずつ読み出され、第1ラインの全画素データの読み出しが終了すると、第2ラインに含まれる赤色画素データr21〜r2nが画素読み出し方向に沿って一画素ずつ読み出される。同様にして、第mラインまでの赤色画素データが読み出される。
【0020】
赤色画素データr11〜rmnが読み出された後、所定時間をおいて緑色画素データg11〜gmnが同様の方法で読み出され、さらにその後、所定時間をおいて青色画素データb11〜bmnが同様の方法で順次読み出される。
【0021】
再び図1を参照すると、フレームメモリ124の後段にはデマルチプレクサ128および擬似色素撒布処理回路130を介して3つのフレームメモリ、即ちR信号用メモリ140r、G信号用メモリ140gおよびB信号用メモリ140bが接続される。デマルチプレクサ128は1つの入力端子INと2つの出力端子OUT1およびOUT2とを備え、入力端子INに入力された画素データを、システムコントロール回路150からの選択信号に基づいて第1または第2出力端子OUT1、OUT2のいずれか一方に振り分けて出力するスイッチ機能を有する。デマルチプレクサ128の第1出力端子OUT1は3つのメモリ140r、140g、140bに直接接続され、第2出力端子OUT2は擬似色素撒布処理回路130を介して3つのメモリ140r、140g、140bに間接的に接続される。
【0022】
本実施形態のプロセッサ100においては、あたかも青色系色素溶液を撒布したかの様に赤色、緑色および青色のカラーバランスを変更する擬似色素撒布モードと、そのようなカラーバランス変更を行わない通常モードとのいずれか一方を選択可能であり、モード選択はプロセッサ100の表面に設けられた操作パネル118のモード切替スイッチSW(図1参照)により設定される。電源を投入した直後の初期状態では通常モードが自動的に選択される。
【0023】
通常モードが選択されているときには、デマルチプレクサ128において実線で示すように第1出力端子OUT1が選択され、フレームメモリ124から読み出された各色画素データはそのまま3つのメモリ140r、140g、140bにそれぞれ書き込まれる。即ち、赤色画素データはR信号用メモリ140rに格納され、緑色画素データはG信号用メモリ140gに、青色画素データはB信号用メモリ140bにそれぞれ格納される。
【0024】
R信号用メモリ140r、G信号用メモリ140gおよびB信号用メモリ140bに格納された3色の画素データは、これらメモリ140r、140g、140bから同時に読み出され、D/A変換器142によりアナログ信号に変換され、ビデオプロセス回路144に送られる。ビデオプロセス回路144はカラーエンコーダを備え、ここで3色アナログ画素信号から輝度信号、色差信号、および色差信号を変調したクロマ信号が生成され、さらに輝度信号とクロマ信号と同期信号とを多重したNTSC方式のコンポジットビデオ信号などのアナログビデオカラー信号が生成される。
【0025】
アナログビデオカラー信号はプロセッサ100からモニタ装置200に出力される。モニタ装置200ではアナログビデオカラー信号に基づいて画面上にカラーの被写体像が再現される。ここで再現されるカラー画像は、白色光で照明した被写体を肉眼で見たときのカラーバランスに極めて近いカラーバランスを有する。
【0026】
プロセッサ100にはキーボードやマウス等の外部入力装置300が接続され、この外部入力装置300から入力された患者名や図示しないタイマ回路から得られる検査日時等の文字情報はシステムコントロール回路150により文字パターン信号に変換されてビデオプロセス回路に出力され、ここで3色画素データに付加される。これにより、モニタ装置200の画面上には光学的被写体像の再現カラー画像と共に文字情報が表示される。
【0027】
一方、擬似色素撒布モードが設定されているときには、デマルチプレクサ128は破線で示すように第2出力端子OUT2を選択し、赤色画素データ、緑色画素データおよび青色画素データは擬似色素撒布処理回路130に入力される。擬似色素撒布処理回路130では、赤色画素データおよび緑色画素データについて、全画素のうち、近接する周囲画素の平均信号レベル値より低い信号レベル値を持つ画素はその信号レベル値が低減される。一方、青色画素データについて、全画素のうち、近接する周囲画素の平均信号レベル値より低い信号レベル値を持つ画素はその信号レベル値が増大させられる。
【0028】
このように、擬似色素撒布モードを設定すると、凹部や窪み部に対応する画素について赤色成分および緑色成分が抑えられるとともに青色成分が強調され、モニタ装置200の画面には、あたかもインジゴカルミン溶液等の赤橙色系に対して明瞭な色コントラストを発揮する青色系の色素溶液を被写体に撒布したときに得られるような再現カラー画像が表示され、凹凸形態が容易に観察できる。特に、信号レベル値が周囲より低い画素はいっそう強調の度合いが大きくなるため、色コントラストが大きくなって、胃内壁や大腸内壁などの微妙な凹凸が強調され得る。
【0029】
システムコントロール回路150はプロセッサ100の全動作を制御するマイクロコンピュータであり、中央演算処理ユニット(CPU)、種々のルーチンを実行するためのプログラムやパラメータを格納する読み出し専用メモリ(ROM)、データ等を一時的に格納する書き込み/読み出し自在なメモリ(RAM)、入出力インターフェース(I/O)を備える。
【0030】
タイミングジェネレータ152では基本クロック発生回路(不図示)から得られる基本クロックパルス及びシステムコントロール回路150からの制御信号に基づいて種々の制御クロックパルスが生成され、これら制御クロックパルスによりスコープ10およびプロセッサ100の各回路が動作させられる。具体的には、撮像センサ14からのアナログ画素信号の読み出し、CCDプロセス回路120の処理、A/D変換器122のサンプリング、フレームメモリ124に対する画素データの書き込み/読み出し、デマルチプレクサ128の切替え、擬似色素撒布処理回路130における擬似色素撒布処理等を制御する。なお、図1では図の複雑化を避けるために、タイミングジェネレータ152と、D/A変換器142およびビデオプロセス回路144との接続関係は省略される。
【0031】
操作パネル118はプロセッサ100の筐体の外側壁面に取付けられ、前述のモード切替スイッチSWの他にホワイトバランスや光量などを手動で調整するスイッチや、種々のモードを設定するためのスイッチを複数個備えている。また、その側方には電源回路154のON/OFFを切替える主電源ボタン156が設けられる。電源回路154は図示しない商用電源に接続され、主電源スイッチ156をONに切替えると、プロセッサ100の各回路や光源102およびスコープ10へ給電され、プロセッサ100およびスコープ10は作動可能状態となる。
【0032】
擬似色素撒布処理回路130はプログラミング可能な集積回路、例えばPLD(Programmable Logic Device)から成り、特定の画素を中心としてその画素と近接する周囲の8画素の信号レベル値とにそれぞれ重み付けを行って積和演算によって求めた値を中心の特定画素の信号レベル値とするいわゆる空間フィルタリング処理を行う。
【0033】
図3を参照して、擬似色素撒布処理回路130の構成および作用について詳述する。図3は擬似色素撒布処理回路130の回路構成を詳細に示すブロック図である。
【0034】
擬似色素撒布処理回路130は、互いに直列に接続された2つの一ライン遅延回路D1およびD2を備える。第1の一ライン遅延回路D1の入力端子はデマルチプレクサ128の第2出力端子OUT2に接続され、第1の一ライン遅延回路D1の出力端子は第2の一ライン遅延回路D2の入力端子に接続される。各一ライン遅延回路D1およびD2は、赤色画素データ、緑色画素データまたは青色画素データが入力されると、それぞれ一ライン分の転送時間に相当する時間だけ遅らせて出力する。
【0035】
また、第2出力端子OUT2には互いに直列に接続された1組の一画素遅延回路DL1およびDL2が接続される。第1の一画素遅延回路DL1の入力端子はデマルチプレクサ128の第2出力端子OUT2に接続され、第1の一画素遅延回路DL1の出力端子は第2の一画素遅延回路DL2の入力端子に接続される。各一画素遅延回路DL1およびDL2は、赤色画素データ、緑色画素データまたは青色画素データが入力されると、それぞれ一画素分の転送時間に相当する時間だけ遅らせて出力する。
【0036】
同様に、第1の一ライン遅延回路D1の出力端子には第3の一画素遅延回路DL3および第4の一画素遅延回路DL4が順に接続され、第2の一ライン遅延回路D2の出力端子には第5の一画素遅延回路DL5および第6の一画素遅延回路DL6が順に接続され、それぞれの一画素遅延回路DL3、DL4、DL5およびDL6では各色画素データは一画素分の転送時間に相当する時間だけ遅れて出力される。
【0037】
フレームメモリ124から前述したような順序で赤色画素データr11〜rmn(図2参照)が読み出されると、ディマルチプレクサ128の出力端子OUT2を介して擬似色素撒布処理回路130に一画素ずつ入力される。例えば出力端子OUT2から赤色画素データr33が入力された段階では、係数器1311には画素データr11、r13、r31およびr33の総和が、係数器1312には画素データr12、r21、r23およびr32の総和が、係数器1313には画素データr22がそれぞれ入力されることになる。
【0038】
即ち、係数器1311、1312および1313にそれぞれ入力された9個の赤色画素データは、図2に示したm×nのマトリクス状に配置された赤色画素データから抽出された3×3のマトリクス状の赤色画素データを構成することになり、係数器1313に入力される赤色画素データは、係数器1311および1312に入力された赤色画素データに囲まれる。言い換えると、係数器1311および1312に入力された8個の赤色画素データr11、r12、r13、r21、r23、r31、r32およびr33は、係数器1313に入力される赤色画素データr22に対する近接周囲画素データとなる。
【0039】
各一画素遅延回路の後段には係数器131が設けられ、この係数器131には固定値’−1/8’が重み係数として設定されている第1の係数器1311および第2の係数器1312と、重み係数’1’が設定されている第3の係数器1313とを備える。第1の係数器1311には出力端子OUT2、第2の一画素遅延回路DL2、第2の一ライン遅延回路D2および第6の一画素遅延回路DL6からの出力を加算した信号が入力され、この入力に重み係数’−1/8’を乗算して加算器133に出力する。第2の係数器1312には第1の一画素遅延回路DL1、第1の一ライン遅延回路D1、第4の一画素遅延回路DL4および第5の一画素遅延回路DL5からの出力を加算した信号が入力され、この入力に重み係数’−1/8’を乗算して加算器133に出力する。第3の係数器1313には第3の一画素遅延回路DL3の出力が入力され、この入力に重み係数’1’を乗算する即ち同じ値のまま加算器133に出力する。各係数器1311、1312、1313の入力画素データは一画素の転送時間毎に画素読み出し順に更新される。加算器133では係数器1311、1312および1313の各出力を全て加算し、その結果をクリップ回路134へ出力する。
【0040】
このように、2個の一ライン遅延回路D1およびD2、6個の一画素遅延回路DL1〜DL6、係数器131および加算器133によって、中心画素の信号レベル値とその近接周囲画素の平均信号レベル値との差ΔRが算出される。即ち、図2で示されるように3×3のマトリクスで表される9画素の赤色画素データのレベル値をそれぞれr11、r12、・・・・、r32、r33とすると、それら信号レベル値にはそれぞれ重み係数が乗算されて、総和が算出される。このとき、中心画素の信号レベル値r22には常に重み係数’1’が乗算され、近接周囲画素の各信号レベル値には負の重み係数’−1/8’が乗算される。これにより、中心画素の赤色画素データr22とその近接周囲画素の赤色画素データr11、r12、r13、r21、r23、r31、r32およびr33の相加平均値との赤色差データΔRが算出される。なお、緑色差データΔGおよび青色差データΔBも同様に算出される。
【0041】
クリップ回路134のクリップ値には0が設定されており、差データΔR(またはΔG、ΔB)の正負が判定される。差データΔRがクリップ値0以上であった場合には出力値は0となり、差データΔRがクリップ値0より小さい、即ち負の値であった場合には入力値である差データΔRがそのまま出力される。このように、2個の一ライン遅延回路D1およびD2、6個の一画素遅延回路DL1〜DL6、係数器131、加算器133およびクリップ回路134は、特定画素の信号レベル値を近接周囲画素の平均信号レベル値と比較する比較手段としての機能を有する。
【0042】
係数器136は、第1の濃度係数k1が設定される係数器1361と、第2の濃度係数k2が設定される係数器1362とを備えており、これら係数器1361および1362の双方にはクリップ回路134から出力された差データΔR(ΔG、ΔB)または0が入力され、それぞれに濃度係数k1およびk2が掛け合わせられて選択器138へ出力される。
【0043】
第1の濃度係数k1および第2の濃度係数k2は、システムコントロール回路150によりそれぞれ独立して値が設定される。第1の濃度係数k1は、通常モード設定時には’0’に設定され、擬似色素撒布モード設定時には適当な正の値例えば’20’に設定される。クリップ回路134の出力は負の値である差データΔRまたは0であるから、係数器1361の出力は負の値もしくは0となる。一方、第2の濃度係数k2は、通常モード設定時には’0’に設定され、擬似色素撒布モード設定時には適当な負の値例えば’−20’に設定される。クリップ回路134の出力は負の値である差データΔR(ΔG、ΔB)または0であるから、係数器1362の出力は正の値もしくは0となる。
【0044】
選択器138は、係数器1361および1362の出力のいずれか一方を選択して加算器140に出力する。加算器140には、選択器138の出力値と、第3の一画素遅延回路DL3の出力である中心画素の信号レベル値とが入力され、両者の和が出力される。選択器138はタイミングジェネレータ152から出力される選択パルス信号に基づいて、何れの係数器の出力を選択するかを決定する。
【0045】
図4は、擬似色素撒布モード設定時における選択器138の動作を具体的に説明するためのタイミングチャートである。図4の(a)〜(d)はそれぞれ図3の(a)〜(d)に対応している。
【0046】
係数器1361からは、最初のフレームに対応する各色画素データについて、赤色画素データの差データΔRと係数k1(=20)との積R11、緑色画素データの差データΔGと係数k1との積G11、青色画素データの差データΔBと係数k1との積B11が順に出力され、これら1フレーム分の3色画素データに対応する積データが出力されると、次フレームに対応する積データR12、G12およびB12が順次出力される(図4(a)参照)。
【0047】
一方、係数器1362からは、最初のフレームに対応する各色画素データについて、赤色差データΔRと係数k2(=−20)との積R21、緑色差データΔGと係数k2との積G21、青色差データΔBと係数k2との積B21が順に出力され、この出力タイミングはR11、G11およびB11の出力タイミングと同じである。これら1フレーム分の3色画素データに対応する積データが出力されると、次フレームに対応する積データR22、G22およびB22が順次出力される(図4(b)参照)。
【0048】
選択パルス信号(c)は、少なくとも赤色および緑色積データ(最初のフレームではR11およびR21、G11およびG21)が出力される間ハイレベル(H)となり、青色積データ(最初のフレームではB11、B21)が出力される間ローレベル(L)となる。選択器138は、選択パルス信号(c)がHのときは係数器1361からの出力を選択して加算器140に出力し、選択パルス信号(c)がLのときは係数器1362からの出力を選択して加算器140に出力する。
【0049】
従って、加算器140に入力される積データは、順にR11、G11、B21、R12、G12、B22、R13、G13・・・となる(図4(d)参照)。加算器140からの出力、即ち擬似色素撒布処理回路130から出力される赤色画素データRij、緑色画素データGijおよび青色画素データBijは以下の(1)〜(3)式で表される。加算器140は各色画素信号の信号レベル値を変更するカラーバランス変更手段としての機能を有する。なお、パラメータiおよびjは条件1≦i≦m、1≦j≦nを満たすものである。
【0050】
【数1】
【0051】
ΔR<0の時に入力赤色画素データrijに加算されるべきデータ’k1・ΔR’は上述したように負の値であるため、出力赤色画素データRijは入力赤色画素データrijよりもレベル値が低減される。これは出力緑色画素データGijについても同様である。一方、ΔB<0の時に入力青色画素データbijに加算されるべきデータ’k2・ΔB’は上述したように正の値であるため、出力青色画素データBijは入力青色画素データbijよりもレベル値が増加させられる。
【0052】
このように、擬似色素撒布モードが選択されているときには、擬似色素撒布処理回路130において中心画素の赤色信号レベル値が近接周囲画素の画素平均値よりも低い場合(ΔR<0)には被写体の凹部に相当する箇所であると判断され、中心画素の赤色信号レベル値は低減されて出力される。一方、中心画素の赤色信号レベル値が近接周囲画素の画素平均値と同じまたは高い場合(ΔR≧0)には被写体の平坦部または凸部に相当する箇所であると判断され、中心画素の信号レベル値はなんら変更されることなく出力される。このような擬似色素撒布処理は、緑色画素データに対しても施される。
【0053】
一方、中心画素の青色信号レベル値が近接周囲画素の画素平均値よりも低い場合(ΔB<0)には被写体の凹部に相当する箇所であると判断され、中心画素の青色信号レベル値は増加されて出力される。中心画素の青色信号レベル値が近接周囲画素の画素平均値と同じまたは高い場合(ΔB≧0)には被写体の平坦部または凸部に相当する箇所であると判断され、中心画素の信号レベル値はなんら変更されることなく出力される。
【0054】
従って、擬似色素撒布モードが選択されると、凹凸のある被写体を撮像すれば、凹部に相当する画素についてのみ赤色成分および緑色成分のレベルが低減され、青色成分のレベルが高められ、その再現カラー画像においてはあたかも青色系色素溶液を撒布したかのような様相を呈する。
【0055】
特に、各色の画素データの差データΔR、ΔGおよびΔBの絶対値が大きいほど、即ち当該画素に対応する箇所の窪み量が大きいほど信号レベル値から減算されるべき値’k1・ΔR’または’k1・ΔG’、あるいは加算されるべき値’k2・ΔB’が大きくなり、再現カラー画像における該当箇所の青色成分がいっそう強調される。実際に青色色素溶液を撒布した場合には、凹部が深いほどそこに溜まる色素溶液の量は多くなるので再現カラー画像においても青色濃度が濃くなる。従って、本実施形態における擬似色素撒布処理で得られる再現カラー画像は、色素溶液を実際に撒布した時に得られる再現カラー画像に極めて近いものとみなせる。
【0056】
従来では、青色デジタル画素信号には何ら処理を施すことはなく、赤色および緑色デジタル画素信号を低減することによって相対的に青色成分を強調していた。しかし、赤色および緑色デジタル画素信号が輝度信号に寄与する割合が高いため、輝度信号レベル自体が低下する要因となって、結果として暗く観察し難い再現カラー画像しか得られなかった。しかし、本実施形態の電子内視鏡装置では青色デジタル画素信号のレベルを向上させることにより、輝度信号レベルを向上させることができ、観察し易い再現カラー画像を得ることができる。
【0057】
濃度係数k1およびk2は、モード切替スイッチSWのOFF時即ち通常モード選択時には自動的に0に設定され、モード切替スイッチSWのON時即ち擬似色素撒布モード選択時には操作パネル118により所定値に設定される。第1の濃度係数k1は赤色および緑色デジタル画素信号のレベルを低減する度合いを決定するパラメータであり、本実施形態では’20’に設定されているが、とくにこの値に限定されることはない。第2の濃度係数k2は青色デジタル画素信号のレベル増加の度合いを決定するパラメータであり、本実施形態では’−20’に設定されているが、とくにこの値に限定されることはない。なお、2つの濃度係数k1およびk2の絶対値が一致する必要はなく、第1の濃度係数k1は正の値、第2濃度係数k2は負の値であればよく、外部入力装置300から操作者の好みに応じた値に変更することが可能である。
【0058】
この濃度係数k1、k2を変えるということは、実際に色素溶液を撒布する場合に置き換えると、濃度の異なる何種類かの色素溶液を用いることに相当する。即ち、外部入力装置300を介して濃度係数k1、k2を変えるという簡単な操作であたかも色素溶液の濃度を変えて撒布したような効果が得られる。
【0059】
図5はシステムコントロール回路150において実行される濃度係数設定ルーチンを示すフローチャートである。この濃度係数設定ルーチンの実行はプロセッサ100の主電源スイッチ156のONにより開始される。
【0060】
まず、ステップS102においてモード切替スイッチSWのONであるか否かが判定され、モード切替スイッチSWがOFFである場合にはさらにステップS104において外部入力装置300の所定のキーKEYがONであるか否かが判定される。モード切替スイッチSWおよびキーKEYのいずれか一方でもONであれば、ステップS106において擬似色素撒布モードが設定され、ステップS108において第1の濃度係数k1が’20’、第2の濃度係数k2が’−20’に設定されてステップS102に戻る。モード切替スイッチSWおよびキーKEYの双方がOFFであると判定されると、ステップS110において通常モードが設定され、ステップS112において第1の濃度係数k1および第2の濃度係数k2が共に’0’に設定されてステップS102に戻る。
【0061】
以上のように、第1実施形態の電子内視鏡装置によると、周囲より信号レベル値の低い画素については赤色成分および緑色成分を抑えるだけでなく青色成分を強調することにより、擬似色素撒布処理された再現カラー画像の輝度の低下を抑制することができる。また色コントラストの良好な観察し易い再現カラー画像を得ることができる。
【0062】
図6および図7は本発明による電子内視鏡装置の第2実施形態を示す図であり、図6は電子内視鏡装置全体のブロック図、図7はプロセッサ100内の第1擬似色素撒布処理回路527の詳細ブロック図である。第2実施形態の電子内視鏡装置は、撮像方式が面順次方式ではなく同時方式を採用している点で第1実施形態と異なっているが、その他の構成は第1実施形態と同様であり、同じ構成については同符号を付し、説明を省略する。なお、図の複雑化を避けるためにタイミングジェネレータ152と、第1〜第3擬似色素散布処理回路527、529、531、D/A変換器142およびビデオプロセス回路144との接続関係は省略される。
【0063】
撮像方式が同時方式であるため、図1に示すような回転カラーフィルタは設けられず、光源102から出射された白色照明光はそのまま被写体Xに導かれる。撮像センサ514は補色チップフィルタが受光面上に配されたCCDを備え、撮像センサ514から読み出されるアナログ画素信号は補色信号である。アナログ画素信号はCCDプロセス回路120を経てA/D変換器122によってデジタル画素信号に変換され、フレームメモリ124に順次1フレーム分だけ書き込まれる。フレームメモリ124から読み出された補色信号であるデジタル画素信号はRGB変換器525において原色の赤色デジタル画素信号、緑色デジタル画素信号および青色デジタル画素信号に変換され、それぞれ第1擬似色素撒布処理回路527、第2擬似色素撒布処理回路529および第3擬似色素撒布処理回路531に入力される。
【0064】
第1〜第3擬似色素撒布処理回路527、529および531は、それぞれ赤色デジタル画素信号、緑色デジタル画素信号および青色デジタル画素信号にそれぞれ擬似色素撒布処理を施し、同一画素の赤色デジタル画素信号、緑色デジタル画素信号および青色デジタル画素信号が同時にD/A変換器142に出力される。
【0065】
図7を参照して第1擬似色素撒布処理回路527について説明する。第1擬似色素撒布処理回路527は、選択器が設けられておらずクリップ回路134の後段の係数器536には濃度係数k1のみが設定されていること以外は第1実施形態の擬似色素撒布処理回路130と同一構成である。第1擬似色素撒布処理回路527には赤色デジタル画素信号のみが入力される。クリップ回路134から出力された差データΔRは係数器536において第1の濃度係数k1(正の値)と掛け合わせられ、加算器140に出力される。
【0066】
従って、擬似色素撒布モードが選択されているときには、第1の濃度係数k1には0ではない正の値(例えば20)が設定され、擬似色素撒布処理回路130において中心画素の赤色信号レベル値が周囲の近接画素の画素平均値よりも低い場合(ΔR<0)には被写体の凹部に相当する箇所であると判断され、中心画素の赤色信号レベル値は低減されて出力される。一方、中心画素の赤色信号レベル値が周囲の近接画素の画素平均値と同じまたは高い場合(ΔR≧0)には被写体の平坦部または凸部に相当する箇所であると判断され、中心画素の信号レベル値はなんら変更されることなく出力される。
【0067】
通常モードが選択されているときには第1の濃度係数k1には0が設定され、入力赤色画素データrijは何ら処理を施されずに出力赤色画素データRijとしてD/A変換器142に出力される。第2擬似色素撒布処理回路529は第1擬似色素撒布処理回路527と同一の構成を有し、擬似色素撒布モードでは中心画素の緑色信号レベル値が周囲の近接画素の画素平均値よりも低い場合(ΔG<0)にのみ、中心画素の緑色信号レベル値が低減される。
【0068】
第3擬似色素撒布処理回路531はクリップ回路の後段の係数器に設定される濃度係数がk2(負の値)であること以外は第1擬似色素撒布処理回路527と同一の構成である。即ち、中心画素の青色信号レベル値が周囲の近接画素の画素平均値よりも低い場合(ΔB<0)には被写体の凹部に相当する箇所であると判断され、中心画素の青色信号レベル値は増加されて出力される。
【0069】
このように、第2実施形態の電子内視鏡装置においても、第1実施形態と同様、周囲の近接画素の平均信号レベル値より信号レベル値の低い画素については赤色成分および緑色成分を抑えるだけでなく青色成分を強調することにより、擬似色素撒布処理された再現カラー画像の輝度の低下を抑制することができる。また色コントラストの良好な観察し易い再現カラー画像を得ることができる。また第2実施形態においては、赤色デジタル画素信号、緑色デジタル画素信号および青色デジタル画素信号が同時に処理されるため、第1実施形態の構成に比べて処理時間が短縮される。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の電子内視鏡装置は、再現カラー画像の輝度を低減させることなく擬似色素撒布処理を行うことができるので、検査時間が短くなって患者の負担が軽減するという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子内視鏡装置の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示す擬似色素撒布処理回路に入力されるべき赤色デジタル画素信号をマトリクス状に配列して示す模式図である。
【図3】図1に示すプロセッサ内の擬似色素撒布処理回路の詳細ブロック図である。
【図4】図3に示す選択器の擬似色素撒布モード設定時における動作を具体的に説明するためのタイミングチャートである。
【図5】プロセッサのシステムコントロール回路において実行される濃度係数設定ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】本発明による第2実施形態の電子内視鏡装置を示すブロック図である。
【図7】図2に示す第1擬似色素撒布処理回路の詳細ブロック図である。
【符号の説明】
10 スコープ
14 固体撮像素子
100 プロセッサ
128 デマルチプレクサ
130 擬似色素撒布処理回路
140 加算器
150 システムコントロール回路
200 モニタ装置
Claims (1)
- スコープの先端に設けた固体撮像素子から得られる1フレーム分の青色画素信号、赤色画素信号および緑色画素信号に基づいてビデオカラー信号を生成し、このビデオカラー信号に基づいてモニタ装置の画面に再現カラー画像を表示する電子内視鏡装置であって、
前記1フレーム分の青色画素信号について特定の青色画素における青色画素信号の信号レベル値をその特定の青色画素の近接周囲の青色画素の平均信号レベル値と比較する第1の比較手段と、
前記第1の比較手段によって前記特定の青色画素の信号レベル値が前記近接周囲の青色画素の平均信号レベル値より小さいと判定された時に、前記特定の青色画素の信号レベル値を増加するレベル増加手段と、
前記1フレーム分の赤色または緑色画素信号について特定の赤色または緑色の画素における赤色または緑色の色画素信号の信号レベル値をその特定の赤色または緑色の画素の近接周囲の赤色または緑色の画素の平均信号レベル値と比較する第2の比較手段と、
前記第2の比較手段によって前記特定の赤色または緑色の画素の信号レベル値が前記近接周囲の赤色または緑色の画素の平均信号レベル値より小さいと判定された時に、前記特定の赤色または緑色の画素の信号レベル値を低減するレベル低減手段と、
前記レベル増加手段から得られた青色画素信号と、前記レベル低減手段から得られた赤色画素信号および緑色画素信号に基づいてカラーバランスを変更したビデオカラー信号を生成するビデオカラー信号生成手段と
を備えることを特徴とする電子内視鏡装置。
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